説明

壁パネルの取付構造及び取付方法

【課題】壁パネルと躯体とを効率よく取り付けるようにすること。
【解決手段】壁パネルを躯体に取り付けてなる壁パネルの取付構造であって、前記壁パネルの小口面と側面に当接することで前記壁パネルを支持する支持部材と、一端が前記躯体に埋設され他端が前記支持部材に形成される穴に貫通されることで、前記躯体と前記支持部材とを連結する棒状部材と、を有し、前記棒状部材の前記穴に貫通する部分にはネジ部が形成されており、前記ネジ部に螺合する位置決め用部材の位置を決めることで前記支持部材の位置が決められることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は主にRC造、SRC造の建物の梁、柱、スラブ、壁等、躯体側のコンクリート部分への壁パネルの取付構造及び取付方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、図2に示すように、ALC(軽量気泡コンクリート)板等の壁パネル101を建物の構造躯体102に取り付ける方法として、ALC板の小口を支持する第一L形鋼103の側面を、躯体102に固定された第二L形鋼104の立ち上がり部側面に溶接して固定する方法がある(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特願2006−112113号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、躯体102に不陸や勾配があった場合に位置調整作業が必要になる。この場合、第二L形鋼104の立ち上がり部側面に第一L形鋼103の側面をしゃこまん止めし第一L形鋼103の位置を叩いて調整するといった方法が用いられ、第一L形鋼103の位置決め作業が困難であった。また、躯体102に不陸がある場合は、第一L形鋼103下面と躯体102上面が同一面状にならないため、第一L形鋼103がガタツキ位置決め作業が困難であるという問題があった。また、躯体102に勾配がある場合は、第一L形鋼103を躯体102に載置すると、第一L形鋼103が勾配なりに傾くため、第二L形鋼104を水平に固定し難いという問題があった。また、溶接時に第一L形鋼103が歪む場合もあり、最終的な壁パネル101のレベルの精度に影響する。さらに、一旦固定した後、再び位置を調整する場合には溶接を切断する作業が必要になり、位置調整作業が困難であるという問題があった。
【0005】
また、第二L形鋼104とイナヅマプレート105とが鉛直方向に配置されると、互いに干渉するため、第一L形鋼103を第二L形鋼104に溶接することができない。このため、それらが干渉しないように第二L形鋼104を配設しなければならない。また、壁パネル101を取り付ける際に壁パネル101と第一L形鋼103との間にスペーサ106を載置するが、スペーサ106を何らかの手段によって固定しないと壁パネル101の施工時にスペーサ106がずれるおそれがあった。また固定する場合でも、別途固定する手段を設けなければならず、手間がかかるといった問題があった。
【0006】
そこで本発明の目的は、壁パネルと躯体とを効率よく取り付けるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するための本発明は次の手段を有する。
【0008】
(1)
壁パネルを躯体に取り付けてなる壁パネルの取付構造であって、前記壁パネルの小口面と側面に当接することで前記壁パネルを支持する支持部材と、一端が前記躯体に埋設され他端が前記支持部材に形成される穴に貫通されることで、前記躯体と前記支持部材とを連結する棒状部材と、を有し、前記棒状部材の前記穴に貫通する部分にはネジ部が形成されており、前記ネジ部に螺合する位置決め用部材の位置を決めることで前記支持部材の位置が決められることを特徴とする壁パネルの取付構造。
【0009】
(2)
前記ネジ部には、前記壁パネルと前記支持部材との間にスペーサ用部材が螺合されることを特徴とする(1)に記載の壁パネルの取付構造。
【0010】
(3)
建物への壁パネルの取付方法であって、躯体にネジ部を有する棒状部材を埋設する工程と、前記ネジ部に位置決め用部材を螺合させる工程と、前記棒状部材を貫通させる穴を有する支持部材を前記位置決め用部材の上に当接させる工程と、前記位置決め用部材の位置を調節することで、前記位置決め用部材の上に当接される前記支持部材の位置を調節する工程と、前記支持部材の上に前記壁パネルを載置し、前記支持部材に対して前記壁パネルを固定する工程と、を有することを特徴とする壁パネルの取付方法。
【0011】
(4)
建物への壁パネルの取付方法であって、躯体にネジ部を有する棒状部材を埋設する工程と、前記ネジ部に位置決め用部材を螺合させる工程と、前記棒状部材を貫通させる穴を有する支持部材を前記位置決め用部材の上に当接させる工程と、前記位置決め用部材の位置を調節することで、前記位置決め用部材の上に当接される前記支持部材の位置を調節する工程と、前記支持部材を挟んで前記位置決め用部材と反対側の位置にくるようにスペーサ用部材を前記棒状部材に螺合させる工程と、前記スペーサ用部材の上に前記壁パネルを載置し、前記支持部材に対して前記壁パネルを固定する工程と、を有することを特徴とする壁パネルの取付方法。
【0012】
(5)
建物への壁パネルの取付方法であって、躯体にネジ部を有する棒状部材を埋設する工程と、前記ネジ部に締結部材を螺合させる工程と、前記棒状部材を貫通させる穴を有する支持部材を、前記締結部材よりも前記棒状部材の先端側に配置する工程と、前記壁パネルが接するパネル当接面を有するスペーサ用部材を、前記支持部材を挟んで前記締結部材の反対側の位置にくるように前記棒状部材に螺合させ、前記スペーサ用部材の前記パネル当接面の位置を調整する工程と、前記締結部材を移動させることにより、当該締結部材と前記スペーサ用部材との間に挟んで前記支持部材を固定する工程と、前記スペーサ用部材の前記パネル当接面に当接させて前記壁パネルを載置し、前記支持部材に対して前記壁パネルを固定する工程と、を有することを特徴とする壁パネルの取付方法。
【発明の効果】
【0013】
上記構成及び方法によれば、棒状部材のネジ部に螺合される位置決め用部材の高さを調節することで、支持部材及びこの上に載置される壁パネルの高さをも調節することができる。このように、溶接をせずともよいため手間が簡略化され、効率よく壁パネルの取付作業を行うことができる。また、溶接をして支持部材を固定するのではなく、位置決め用部材を回転させるだけで支持部材の高さを調節することができるため、支持部材の高さの再調節がしやすい。このため、更に効率よく壁パネルの取付作業を行うことができる。
【0014】
また、支持部材と支持部材に載置される壁パネルとの間に、スペーサ用部材を棒状部材に対して螺合して固定すれば、棒状部材に対して支持部材をより確実に固定することに加え、スペーサとしての役割を果たす。このため、壁パネルを支持部材に載置する作業をより容易に行うことができる。また、当該スペーサは支持部材に対して棒状部材によって固定されているため、ずれることはない。このため、更に効率よく壁パネルの取付作業を行うことができる。
【0015】
また、(5)の取付方法では、スペーサ用部材のパネル当接面の位置をまず調整し、その後、支持部材を固定する工程では、スペーサ用部材を移動させることなく、締結部材を移動させることで支持部材を挟んで固定することができる。この方法によれば、壁パネルが直接載置されるパネル当接面の高さが直接調整されるので、壁パネルのレベル精度を向上することができる。また、パネル当接面の位置がまず最初に位置決めされることから、例えばスペーサ用部材の下にゴミが挟まって最終的な壁パネルのレベルの精度を悪化させるという問題は発生しない。また、最初に位置決めされたスペーサ用部材をガイドにして支持部材を固定できるので、支持部材の位置決めが容易であり、更に効率よく壁パネルの取付作業を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本実施形態の壁パネルの取付構造を説明する断面図。
【図2】従来の壁パネルの取付構造を説明する断面図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態を図を用いて説明する。尚、壁パネルの取付部の構造として、以下の説明においては壁パネルの下部構造のみを例示して説明する。図示しないが、壁パネルの側部や上部のうちの1箇所以上に、壁パネルの面外方向の力に対する何らかの拘束手段を設けることとする。また、本実施形態の取付構造を壁パネルの側面に適用した場合には、もう一方の側部、上部、下部のうちの1箇所以上に、壁パネルの面外方向の力に対する何らかの拘束手段を設けることとする。
【0018】
図1は本実施形態の壁パネルの取付構造を説明する断面図である。図1に示すように、本実施形態の建物への壁パネル下部の取付構造は、壁パネル1とスラブコンクリート床等の躯体2とを固定する構造である。
【0019】
壁パネル1には、壁パネル1内に埋設されるアンカー鋼棒Aから室外側側面に向かってOボルトセット3(Oボルト3a及びナット3b)が配設される。これにより、Oボルト3aをイナヅマプレート4に貫通させた状態で、ナット3bをOボルト3aに螺合させることよって、イナヅマプレート4が壁パネル1に対して固定される。尚、壁パネル1内に配設するのは必ずしもOボルトセット3に限るものではなく、Oナットセット(Oナット及びボルト)であってもよい。
【0020】
また、壁パネル1の小口面1aと側面1bに当接し、且つ側面1bとイナヅマプレート4とに挟持されて支持部材5が固定される。支持部材5としては、水平面と鉛直面を有する断面L形の山形鋼等が使用される。
【0021】
躯体2と支持部材5とは、その一端が躯体2に埋設され、他端にネジ部6aが形成されるコンクリートアンカー(棒状部材)6によって連結される。躯体2に対して固定される支持部材5には、コンクリートアンカー6のネジ部6aに複数のナットが螺合する。具体的に説明すると、コンクリートアンカー6には、躯体に固定するためのナット7、支持部材5の下部を支持する下部ナット(位置決め用部材)8、支持部材5の上部に配設される上部ナット(スペーサ用部材)9の3つのナットが螺合する。
【0022】
支持部材5とコンクリートアンカー6との固定は、ネジ部6aを支持部材5の穴に貫通させた状態で支持部材5の上下を上部ナット9及び下部ナット8によって挟持することにより行う。
【0023】
また、躯体2と支持部材5との間はモルタル10が詰められ、壁パネル1とモルタル10の間にはシーリング11が詰められる。
【0024】
次に、壁パネル1の取付方法について説明する。
【0025】
まず、躯体2にコンクリートアンカー6を埋設する。すると、躯体2からはコンクリートアンカー6のネジ部6aが上部へ突出した状態となる。
【0026】
この状態のコンクリートアンカー6のネジ部6aに対し、ナット7、下部ナット8を螺合させる。その後、支持部材5の穴をネジ部6aに通し、支持部材5を下部ナット8に当接させる。ここで、ネジ部6aに沿って下部ナット8を適宜回転させ、ネジ部6aに対する下部ナット8の位置を決めることで、支持部材5の下部の位置を調節する。
【0027】
位置を調節した後、支持部材5の穴から上部に突出したコンクリートアンカー6のネジ部6aに上部ナット9を螺合させる。これにより、上部ナット9は支持部材5を挟んで下部ナット8と反対側の位置にくる。
【0028】
次に、壁パネル1と支持部材5とを固定する。具体的には、壁パネル1を支持部材5の水平面上に(上部ナット9を介して)載置する。一方、側面は壁パネル1とイナヅマプレート4との間で支持部材5の鉛直面である立ち上がり部を挟持する。その後、Oボルトセット3のナット3bをOボルト3aに対して固定する。こうして壁パネル1と支持部材5とが固定される。
【0029】
その後、適宜、モルタル10及びシーリング11を詰める。これにより、防水性及び断熱性を確保する。
【0030】
以上のように、本実施形態においては、躯体2から支持部材5までの高さを調節する際、コンクリートアンカー6のネジ部6aに螺合された下部ナット8を回転させることによって行う。このように、躯体2と支持部材5との位置調節を溶接作業を行うことなくすることができるため、容易に壁パネル1を取り付ける作業を行うことができる。
【0031】
また、支持部材5の位置調節を、支持部材5の下部を支持する下部ナット8を回転することによって行うことができ、溶接作業を行わなくともいいため、細かい位置調節が容易となる。また、固定した位置が所望の位置ではない場合、下部ナット8を回転させるだけで微細な位置調節をすることが可能なため、位置の補正も容易に行うことができる。また、例えば、RCマンションの外壁部には勾配がついていることが多く、スラブ上面はコンクリート打設時に面精度を出しにくいところ、上記の壁パネルの取付構造によれば、躯体2の表面に傾斜がついている場合や躯体2の表面の面精度が低い場合であっても、躯体2と支持部材5の位置を所望の高さにすることが容易になる。このため、壁パネルと躯体とを効率よく取り付け、作業効率を上げることができる。
【0032】
また、溶接作業がないことで溶接の熟練工が必要なく、誰にでも支持部材5の位置を容易に調節することができるため、更に作業効率を上げることができる。
【0033】
更に、本実施形態は支持部材5の上に上部ナット9を配設する構成である。ここで、壁パネル1の中央部分にコンクリートアンカー6を設置すれば、壁パネル1の中央部分の支持部材5上に上部ナット9が配設されることになる。壁パネル1を支持部材5上に載置する際、支持部材5上にスペーサが必要となるが、本実施形態によれば上部ナット9がスペーサの役割を果たすことになる。また、上部ナット9はネジ部6aに螺合されているため、ずれることがない。このため、壁パネル1を支持部材5に取り付ける作業について、更に効率を上げることができる。
【0034】
また、従来のように、支持部材を複数必要とすることなく、1つの支持部材のみで壁パネル1を支持することが可能である。一般に支持部材は金属で構成されるが、金属部材の数を削減することで、熱を伝達する熱橋の数を削減することができる。このため、断熱性を高めることができる。
【0035】
また、支持部材5をボルトのみで止めることができるため、支持部材5を容易に取り外すことが可能である。また、支持部材5の鉛直方向にのびた立ち上がり部が溶接固定されていないことにより、容易に支持部材5を取り外すことができる。そして、支持部材5は容易にリサイクル可能である。また、他の構成要素を破壊することなく支持部材5を取り外し、コンクリートアンカー6上に新たな壁パネル1の取付構造を構築することもできる。また、このとき、必要に応じてコンクリートアンカー6を追加することもできる。
【0036】
(第2実施形態)
続いて、本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態においては、最終的に完成する壁パネル1の取付構造は第1実施形態の取付構造(図1)と同一であるが、壁パネル1の取付方法が第1実施形態とは異なっている。
【0037】
本実施形態では、上部ナット9は、支持部材5と壁パネル1の小口面1aとの間に介在されるスペーサ用部材として機能すると共に、支持部材5や下部ナット8よりも先に所望の位置に調整されることで壁パネル1及び支持部材5を位置決めする機能を有する。この上部ナット9の上面は壁パネル1の小口面1aに接するので、以下、この上部ナット9の上面をパネル当接面9aという。また、下部ナット8は、上部ナット9の位置決め後に上下移動されることで、位置決めされた上部ナット9との間に支持部材5を挟み込んで締結固定する締結部材として機能する。
【0038】
以下、本実施形態における壁パネル1の取付方法について説明する。
【0039】
図1に示すように、まず、躯体2にコンクリートアンカー6を埋設する。すると、躯体2からはコンクリートアンカー6のネジ部6aが上部へ突出した状態となる。
【0040】
この状態のコンクリートアンカー6のネジ部6aに対し、ナット7、下部ナット8を螺合させる。その後、下部ナット8の上方において支持部材5の穴をネジ部6aに貫通させるように配置し、更に、支持部材5の穴から上部に突出したネジ部6aに上部ナット9を螺合させる。これにより、上部ナット9は支持部材5を挟んで下部ナット8と反対側の位置にくる。
【0041】
その後、ネジ部6aに沿って上部ナット9を適宜回転させることで当該上部ナット9を上下移動させ、パネル当接面9aの鉛直方向の位置決めを行う。ここでは、例えば、躯体2に予め表示された基準墨(図示せず)の位置を基準として、パネル当接面9aのレベルを、所定のレベルに正確に合わせる。
【0042】
上部ナット9の位置を調節した後、ネジ部6aに沿って下部ナット8を回転させることで当該下部ナット8を上方に移動させ、上部ナット9と下部ナット8とで支持部材5を上下に挟み込んで締結固定する。なお、この締結固定の際には、位置合わせ済みの上部ナット9は回転させないようにする。
【0043】
次に、壁パネル1と支持部材5とを固定する。具体的には、壁パネル1を支持部材5の水平面上に(上部ナット9を介して)載置する。すなわちここでは、壁パネル1の小口面1aが、前述の通り正確に位置合わせされたパネル当接面9aに突き当てられるので、小口面1aは鉛直方向において正確に位置決めされ、ひいては、壁パネル1が鉛直方向において正確に位置決めされる。一方、壁パネル1の側面とイナヅマプレート4との間で支持部材5の鉛直面である立ち上がり部を挟持する。その後、Oボルトセット3のナット3bをOボルト3aに対して固定する。こうして壁パネル1と支持部材5とが固定される。
【0044】
その後、適宜、モルタル10及びシーリング11を詰める。これにより、防水性及び断熱性を確保する。
【0045】
上述した第2実施形態の取付方法では、上部ナット9を上下させてパネル当接面9aの位置をまず調整する。その後、支持部材5を固定する工程では、上部ナット9を移動させることなく、下部ナット8を移動させることで支持部材5を挟んで固定することができる。このような方法によれば、壁パネル1が直接載置されるパネル当接面9aの高さが直接調整されるので、壁パネル1のレベル精度を向上することができる。
【0046】
また、最初に位置決めされた上部ナット9をガイドにして支持部材5を固定できることから、支持部材5の位置決めも容易であり、上記のような壁パネル1の高精度の位置決めを効率よく行うことができる。その結果、効率よく壁パネル1の取付作業を行うことができる。
【0047】
また、仮に、支持部材5の位置決めを最初に行い、支持部材5の位置に合わせて上部ナット9を締め付けることとすれば、例えば上部ナット9の下にゴミが挟まると、パネル当接面9aのレベルが狂い最終的な壁パネル1のレベルの精度を悪化させるという問題がある。これに対し第2実施形態の取付方法では、パネル当接面9aの位置がまず最初に位置決めされることから、上部ナット9の下にゴミが挟まったとしても、最終的な壁パネル1のレベルの精度を悪化させるという問題が発生しない。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明はPC板、ALC板、押出成形板等、コンクリート系の壁パネルに好適に適用できる。
【符号の説明】
【0049】
A…アンカー鋼棒、1…壁パネル、10…モルタル、105…イナヅマプレート、11…シーリング、1a…小口面、1b…側面、2…躯体、3…Oボルトセット、3a…Oボルト、3b…ナット、4…イナヅマプレート、5…支持部材、6…コンクリートアンカー、6a…ネジ部、7…ナット、8…下部ナット、9…上部ナット、9a…パネル当接面。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
壁パネルを躯体に取り付けてなる壁パネルの取付構造であって、
前記壁パネルの小口面と側面に当接することで前記壁パネルを支持する支持部材と、
一端が前記躯体に埋設され他端が前記支持部材に形成される穴に貫通されることで、前記躯体と前記支持部材とを連結する棒状部材と、を有し、
前記棒状部材の前記穴に貫通する部分にはネジ部が形成されており、前記ネジ部に螺合する位置決め用部材の位置を決めることで前記支持部材の位置が決められることを特徴とする壁パネルの取付構造。
【請求項2】
前記ネジ部には、前記壁パネルと前記支持部材との間にスペーサ用部材が螺合されることを特徴とする請求項1に記載の壁パネルの取付構造。
【請求項3】
建物への壁パネルの取付方法であって、
躯体にネジ部を有する棒状部材を埋設する工程と、
前記ネジ部に位置決め用部材を螺合させる工程と、
前記棒状部材を貫通させる穴を有する支持部材を前記位置決め用部材の上に当接させる工程と、
前記位置決め用部材の位置を調節することで、前記位置決め用部材の上に当接される前記支持部材の位置を調節する工程と、
前記支持部材の上に前記壁パネルを載置し、前記支持部材に対して前記壁パネルを固定する工程と、
を有することを特徴とする壁パネルの取付方法。
【請求項4】
建物への壁パネルの取付方法であって、
躯体にネジ部を有する棒状部材を埋設する工程と、
前記ネジ部に位置決め用部材を螺合させる工程と、
前記棒状部材を貫通させる穴を有する支持部材を前記位置決め用部材の上に当接させる工程と、
前記位置決め用部材の位置を調節することで、前記位置決め用部材の上に当接される前記支持部材の位置を調節する工程と、
前記支持部材を挟んで前記位置決め用部材と反対側の位置にくるようにスペーサ用部材を前記棒状部材に螺合させる工程と、
前記スペーサ用部材の上に前記壁パネルを載置し、前記支持部材に対して前記壁パネルを固定する工程と、
を有することを特徴とする壁パネルの取付方法。
【請求項5】
建物への壁パネルの取付方法であって、
躯体にネジ部を有する棒状部材を埋設する工程と、
前記ネジ部に締結部材を螺合させる工程と、
前記棒状部材を貫通させる穴を有する支持部材を、前記締結部材よりも前記棒状部材の先端側に配置する工程と、
前記壁パネルが接するパネル当接面を有するスペーサ用部材を、前記支持部材を挟んで前記締結部材の反対側の位置にくるように前記棒状部材に螺合させ、前記スペーサ用部材の前記パネル当接面の位置を調整する工程と、
前記締結部材を移動させることにより、当該締結部材と前記スペーサ用部材との間に挟んで前記支持部材を固定する工程と、
前記スペーサ用部材の前記パネル当接面に当接させて前記壁パネルを載置し、前記支持部材に対して前記壁パネルを固定する工程と、
を有することを特徴とする壁パネルの取付方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2010−116769(P2010−116769A)
【公開日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−201955(P2009−201955)
【出願日】平成21年9月1日(2009.9.1)
【出願人】(390018717)旭化成建材株式会社 (249)
【出願人】(000150615)株式会社長谷工コーポレーション (94)
【Fターム(参考)】