壁形成材および壁構造
【課題】 足場を用いず、パネルの取り付け固定作業を素早く短時間で行うことができる壁形成材および壁構造を提供する。
【解決手段】 パネル受け体13を1段目のパネル受け体13群を所定の間隔で下地31に固定し、パネル8の第1のパネル顎部5と隣のパネル8の第2のパネル顎部7をパネル受け体本体9内に上方から次々と差し込んでいって第1段目の壁を形成し、第1段目の壁の上に一段目のパネル載体20群を後立ち下がり部位17を1段目のパネル受け体13の上方にタップビスで固定セットし、次に2段目のパネル受け体13群を所定の間隔で下地31に固定するとともに一段目のパネル載体20の後立ち上り部位16を2段目のパネル受け体13の下方にタップビスで固定し、パネル8の第1のパネル顎部と隣のパネルの第2のパネル顎部7をパネル受け体本体2内に上方から次々に差し込んでいって第2段目の壁を形成していくことを格段で行っていって壁を完成させる。
【解決手段】 パネル受け体13を1段目のパネル受け体13群を所定の間隔で下地31に固定し、パネル8の第1のパネル顎部5と隣のパネル8の第2のパネル顎部7をパネル受け体本体9内に上方から次々と差し込んでいって第1段目の壁を形成し、第1段目の壁の上に一段目のパネル載体20群を後立ち下がり部位17を1段目のパネル受け体13の上方にタップビスで固定セットし、次に2段目のパネル受け体13群を所定の間隔で下地31に固定するとともに一段目のパネル載体20の後立ち上り部位16を2段目のパネル受け体13の下方にタップビスで固定し、パネル8の第1のパネル顎部と隣のパネルの第2のパネル顎部7をパネル受け体本体2内に上方から次々に差し込んでいって第2段目の壁を形成していくことを格段で行っていって壁を完成させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、構造物の特に外壁に適した壁形成材および壁構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来において構造物の外壁を形成する施工方法には次の施工が知られている。
(1)構造物の周囲に足場を形成して、その足場から作業者がパネルを前側からネジ止めなどにより固定する、足場からの取り付け施工が知られている。
(2)下地側にパネルを受け固定するための多数のねじ通し穴あるいはボルトを有するパネル受け体を設け、クレーンによりパネルを前側から吊り状態にして取付部位に位置合わさせておいて、構造物の内側から作業者がネジによりパネル受け体に固定する、外吊り取り内側取り付け施工が知られている。
【特許文献1】特になし
【非特許文献1】特になし
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
足場からの取り付け施工は、足場の経費およびその組み立て撤去に多大な時間が浪費されるとともに、多数のネジによりパネルを下地に固定する作業であるためにパネルの取り付け固定作業に時間がかかる、作業者の落下事故の危険があるなどの問題を持つものである。
また、外吊り内側取り付け施工は、多数のボルトあるいはナットによりパネルを下地に固定するものであるので、パネルの取り付け固定作業に時間がかかるという問題を持つものであった。
【0004】
本発明は以上のような従来技術の持つ問題点に鑑みてなされたものであって、足場を用いず、パネルの取り付け固定作業を素早く短時間で行うことができる壁形成材および壁構造を提供することを目的としている。
【0005】
本発明の前記ならびにそのほかの目的と新規な特徴は次の説明を添付図面と照らし合わせて読むと、より完全に明らかになるであろう。
ただし、図面はもっぱら解説のためであって、本発明の技術的範囲をそれらのみに限定するものではない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は次に述べるような構成としている。
<請求項1記載の発明>
パネル本体、このパネル本体の一方の側の内面側に突出するように設けられた第1の嵌りレール部、前記パネル本体の他方の側に前記第1の嵌りレール部に対抗する形態で設けられた第2の嵌りレール部、前記第1の嵌りレール部に内向きに突出した形態で設けられた第1のパネル顎部、前記第2の嵌りレール部に内向きに突出した形態で設けられた第2のパネル顎部を備えてなる構造物の壁を形成するパネルと、
差込スライド状態で嵌め込まれた前記パネルを支持するパネル受け体本体、このパネル受け体本体の前部面に開口された前記パネルの前記第1の嵌りレール部およびその隣のパネルである隣のパネルの前記第2の嵌りレール部が、該パネル受け体本体の端方からスライド形態で差し通される嵌りレール通部、この嵌りレール通部を形成する対抗する部位であるとともに、前記パネル受け体本体内に入った前記パネルの前記第1のパネル顎部が前記嵌りレール通部から抜け出すのを阻止する第1の抜け阻止顎部、前記パネル受け体本体内に入った前記隣のパネルの前記第2のパネル顎部が前記嵌りレール通部から抜け出すのを阻止する第2の抜け阻止顎部を備えてなる前記構造物に固定されるパネル受け体とからなることを特徴とする壁形成材である。
パネル受け体の構造物への固定は縦向き固定と横向き固定があり、パネル受け体の縦向き固定ではパネルの嵌りレール部は上から降ろし形態(降ろしスライド形態)で差し込まれ、パネル受け体の横向き固定ではパネルの嵌りレール部は横から水平スライド形態で差し込まれる。
<請求項2記載の発明>
パネル本体、このパネル本体の一方の側の内面側に突出するように設けられた第1の嵌りレール部、前記パネル本体の他方の側に前記第1の嵌りレール部に対抗する形態で設けられた第2の嵌りレール部、前記第1の嵌りレール部に内向きに突出した形態で設けられた第1のパネル顎部、前記第2の嵌りレール部に内向きに突出した形態で設けられた第2のパネル顎部を備えてなる構造物の壁を形成するパネルと、
差込スライド状態で嵌め込まれた前記パネルを支持するパネル受け体本体、このパネル受け体本体の前部面に開口された前記パネルの前記第1の嵌りレール部およびその隣のパネルである隣のパネルの前記第2の嵌りレール部が、該パネル受け体本体の端方からスライド形態で差し通される嵌りレール通部、この嵌りレール通部を形成する対抗する部位であるとともに、前記パネル受け体本体内に入った前記パネルの前記第1のパネル顎部が前記嵌りレール通部から抜け出すのを阻止する第1の抜け阻止顎部、前記パネル受け体本体内に入った前記隣のパネルの前記第2のパネル顎部が前記嵌りレール通部から抜け出すのを阻止する第2の抜け阻止顎部を備えてなる前記構造物に固定されるパネル受け体と、
前記パネル受け体に差し込まれた前記第1のパネル顎部および前記第2のパネル顎部と前記パネル受け体本体との間に形成される第1の隙間、あるいは前記第1のパネル顎部および前記第2のパネル顎部と前記第1の抜け阻止顎部および前記第2の抜け阻止顎部との間に形成される第2の隙間、前記第1の隙間あるいは前記第2の隙間に差し込まれ、充填されあるいは前記パネル受け体側からねじ込まれて、該第1のパネル顎部および該第2のパネル顎部の動きを抑えるあるいはその動きを狭い範囲に規制するパネル規制体とからなることを特徴とする壁形成材である。
「第1の隙間」「第2の隙間」は、パネル顎部、抜け阻止顎部が水平形態であれば、対抗面が水平であればその隙間はどこも同じ距離となるが、パネル顎部、抜け阻止顎部が傾斜形態ないし湾曲形態であったり、あるいは対抗面が傾斜形態ないし湾曲形態である場合は隙間の距離は部分により異なることになる。このように隙間の距離が部分により異なる形態においては、どの部分でもパネル規制体による規制が行われる形態は本願発明の技術的範疇である。
<請求項3記載の発明>
請求項1、2いずれか記載の発明の構成において、構造物に縦に固定されたパネル受け体にパネルが取り付けられる構成において用いるパネル載体であって、下のパネル受け体および下のパネルの上に位置するとともに、上に位置する上のパネル受け体の下に位置し且つ上のパネルが載るパネル載り部、このパネル載り部の後側に立ち上げられた後立ち上り部位、前記パネル載り部の後側に立ち下げられた後立ち下がり部位、前記パネル載り部の前側で前記下のパネルの前に立ち下げられる前立ち下がり部位とからなるとともに、前記後立ち上り部位および前記後立ち下がり部位があるいはいずれか一方が前記パネル受け体とその横隣のパネル受け体の後面にネジ、ビス、熔接などの固定手段により固定されるパネル載体を設けてなることを特徴とする壁形成材である。
<請求項4記載の発明>
構造物の壁を形成する壁構造であって、
前記構造物の骨組みに設けられた壁材を取り付け保持するための胴縁、間柱などの下地と、
この下地に配列固定された多数のパネル受け体と、
このパネル受け体に外れないように係止された多数のパネルとからなり、
前記パネルが、パネル本体、このパネル本体の一方の側の内面側に突出するように設けられた第1の嵌りレール部、前記パネル本体の他方の側に前記第1の嵌りレール部に対抗する形態で設けられた第2の嵌りレール部、前記第1の嵌りレール部に内向きに突出した形態で設けられた第1のパネル顎部、前記第2の嵌りレール部に内向きに突出した形態で設けられた第2のパネル顎部を備えてなる形態であり、
前記パネル受け体が、差込スライド状態で嵌め込まれた前記パネルを支持するパネル受け体本体、このパネル受け体本体の前部面に開口された前記パネルの前記第1の嵌りレール部およびその隣のパネルである隣のパネルの前記第2の嵌りレール部が、該パネル受け体本体の端方からスライド形態で差し通される嵌りレール通部、この嵌りレール通部を形成する対抗する部位であるとともに、前記パネル受け体本体内に入った前記パネルの前記第1のパネル顎部が前記嵌りレール通部から抜け出すのを阻止する第1の抜け阻止顎部、前記パネル受け体本体内に入った前記隣のパネルの前記第2のパネル顎部が前記嵌りレール通部から抜け出すのを阻止する第2の抜け阻止顎部を備えてなる形態であることを特徴とする壁構造である。
<請求項5記載の発明>
構造物の壁を形成する壁構造であって、
前記構造物の骨組みに設けられた壁材を取り付け保持するための胴縁、間柱などの下地と、
この下地に配列固定された多数のパネル受け体と、
このパネル受け体に外れないように係止された多数のパネルとからなり、
このパネルの動きを抑えるあるいは規制する該パネル受け体に差し込まれてなるパネル規制体とからなり、
前記パネルが、パネル本体、このパネル本体の一方の側の内面側に突出するように設けられた第1の嵌りレール部、前記パネル本体の他方の側に前記第1の嵌りレール部に対抗する形態で設けられた第2の嵌りレール部、前記第1の嵌りレール部に内向きに突出した形態で設けられた第1のパネル顎部、前記第2の嵌りレール部に内向きに突出した形態で設けられた第2のパネル顎部を備えてなる形態であり、
前記パネル受け体が、差込スライド状態で嵌め込まれた前記パネルを支持するパネル受け体本体、このパネル受け体本体の前部面に開口された前記パネルの前記第1の嵌りレール部およびその隣のパネルである隣のパネルの前記第2の嵌りレール部が、該パネル受け体本体の端方からスライド形態で差し通される嵌りレール通部、この嵌りレール通部を形成する対抗する部位であるとともに、前記パネル受け体本体内に入った前記パネルの前記第1のパネル顎部が前記嵌りレール通部から抜け出すのを阻止する第1の抜け阻止顎部、前記パネル受け体本体内に入った前記隣のパネルの前記第2のパネル顎部が前記嵌りレール通部から抜け出すのを阻止する第2の抜け阻止顎部を備えてなる形態であり、
前記パネル規制体が、前記パネル受け体に差し込まれた前記第1のパネル顎部および前記第2のパネル顎部と前記パネル受け体本体との間に形成される第1の隙間、あるいは前記第1のパネル顎部および前記第2のパネル顎部と前記第1の抜け阻止顎部および前記第2の抜け阻止顎部との間に形成される第2の隙間、前記第1の隙間あるいは前記第2の隙間に差し込まれ、充填されあるいは前記パネル受け体側からねじ込まれて、該第1のパネル顎部および該第2のパネル顎部の動きを抑えるあるいはその動きを狭い範囲に規制する形態であることを特徴とする壁構造である。
<請求項6記載の発明>
請求項4、5いずれか記載の発明の構成において、下地に縦にパネル受け体を固定してなる壁構造であって、下のパネル受け体および下のパネルの上に位置するとともに、上に位置する上のパネル受け体の下に位置し且つ上のパネルが載るパネル載り部、このパネル載り部の後側に立ち上げられた後立ち上り部位、前記パネル載り部の後側に立ち下げられた後立ち下がり部位、前記パネル載り部の前側で前記下のパネルの前に立ち下げられる前立ち下がり部位とからなるとともに、前記後立ち上り部位および前記後立ち下がり部位があるいはいずれか一方が前記パネル受け体とその横隣のパネル受け体の後面にネジ、ビス、熔接などの固定手段により固定されるパネル載体を、前記下パネルと前記上パネルの間に設けてなることを特徴とする壁構造である。
【発明の効果】
【0007】
以上の説明から明らかなように、本発明にあっては次に列挙する効果が得られる。
<請求項1記載の発明の効果>
パネル本体、このパネル本体の一方の側の内面側に突出するように設けられた第1の嵌りレール部、前記パネル本体の他方の側に前記第1の嵌りレール部に対抗する形態で設けられた第2の嵌りレール部、前記第1の嵌りレール部に内向きに突出した形態で設けられた第1のパネル顎部、前記第2の嵌りレール部に内向きに突出した形態で設けられた第2のパネル顎部を備えてなる構造物の壁を形成するパネルと、
差込スライド状態で嵌め込まれた前記パネルを支持するパネル受け体本体、このパネル受け体本体の前部面に開口された前記パネルの前記第1の嵌りレール部およびその隣のパネルである隣のパネルの前記第2の嵌りレール部が、該パネル受け体本体の端方からスライド形態で差し通される嵌りレール通部、この嵌りレール通部を形成する対抗する部位であるとともに、前記パネル受け体本体内に入った前記パネルの前記第1のパネル顎部が前記嵌りレール通部から抜け出すのを阻止する第1の抜け阻止顎部、前記パネル受け体本体内に入った前記隣のパネルの前記第2のパネル顎部が前記嵌りレール通部から抜け出すのを阻止する第2の抜け阻止顎部を備えてなる前記構造物に固定されるパネル受け体とからなることを特徴とする壁形成材であるので、次に述べるような効果を奏する。
(壁の施工)
パネル受け体を縦に構造物に固定しての施工では、1段目のパネル受け体群を所定の間隔で下地に固定し、パネルの第1のパネル顎部と第2のパネル顎部をパネル受け体本体内に上方から次々と差し込んでいって第1段目の壁を形成し、次に2段目のパネル受け体群を所定の間隔で下地に固定し、パネルの第1のパネル顎部と第2のパネル顎部をパネル受け体本体内に上方から次々に差し込んでいって第2段目の壁を形成し、・・・最後に最上段のパネル受け体群を所定の間隔で下地に固定し、パネルの第1のパネル顎部と第2のパネル顎部をパネル受け体本体内に上方から次々に差し込んでいって最後の段の壁を形成して壁を完成させる。
パネル間にパネル載体を設けない壁においては、複数段、全段のパネル受け体群を完成させてから最上段からパネルを次々とスライド下降させて取り付け一気に壁を完成させることも可能である。
この場合、程度はあるがパネル受け体およびパネルは長いものが作業性がよいし、横幅の狭いものであれば、パネル自信の強度も強いものとなり、例えば、厚み1.5mm程度の薄鋼板という軽量鋼板パネル壁に好適であり、このような軽量パネルにおいては、1人から二人の作業員でパネルの取り回し差込が可能とできるものである。
内側への雨水の浸入があっても問題のない壁構造においては、パネル受け体はパネルの長さと同じである必要はなく、離れた複数のパネル受け体でパネルを支持する形態も良いものである。例えば、一枚のパネルを支持する下地である胴縁に数センチ〜20センチ程度の長さのパネル受け体をそれぞれ設け、この複数のパネル受け体で一枚のパネルを支持するようにする、仮設囲いなどがあり、この場合、パネル受け体の材料費を安価にできる。
逆に内側への雨水の浸入を防止する壁構造においては、パネル受け体の長さをパネル同士の隙間から侵入する雨水を受け流す樋として機能する長さ、すなわちパネル受け体同士が突き合わさる長さとし、パネル受け体同士の突き合わせ部位には防水材を充填する、挟みつけるなどする。
また、パネル受け体をパネルが複数枚入る長い物にすることもでき、より施工時間を短縮することを可能とできる。
(効果)
(1)下地に固定したパネル受け体にパネルの第1のパネル顎部と第2のパネル顎部をスライド差して嵌め込むだけの簡単な取り付け作業だけでパネルの取り付けが完了するので、壁の施工時間が短時間である。
(2)構造物内からの取り付け作業が行えるので、外に足場を組む必要がない。
取り付け作業中にパネルが落下しないように、ロープなどの吊り手段で吊った状態で行うのがよく、パネルが軽量であるなら一人の作業者で行うことが可能である。
(3)差込のみによるパネルが保持される構造であるので、パネル顎部がパネル本体を折り曲げて形成したものでは、壁前側にパネル以外のものが無い(ネジ、ビス、固定金具などが無い)、景観性、美観性のよい壁を実現するという効果を奏する。
<請求項2記載の発明の効果>
パネル本体、このパネル本体の一方の側の内面側に突出するように設けられた第1の嵌りレール部、前記パネル本体の他方の側に前記第1の嵌りレール部に対抗する形態で設けられた第2の嵌りレール部、前記第1の嵌りレール部に内向きに突出した形態で設けられた第1のパネル顎部、前記第2の嵌りレール部に内向きに突出した形態で設けられた第2のパネル顎部を備えてなる構造物の壁を形成するパネルと、
差込スライド状態で嵌め込まれた前記パネルを支持するパネル受け体本体、このパネル受け体本体の前部面に開口された前記パネルの前記第1の嵌りレール部およびその隣のパネルである隣のパネルの前記第2の嵌りレール部が、該パネル受け体本体の端方からスライド形態で差し通される嵌りレール通部、この嵌りレール通部を形成する対抗する部位であるとともに、前記パネル受け体本体内に入った前記パネルの前記第1のパネル顎部が前記嵌りレール通部から抜け出すのを阻止する第1の抜け阻止顎部、前記パネル受け体本体内に入った前記隣のパネルの前記第2のパネル顎部が前記嵌りレール通部から抜け出すのを阻止する第2の抜け阻止顎部を備えてなる前記構造物に固定されるパネル受け体と、
前記パネル受け体に差し込まれた前記第1のパネル顎部および前記第2のパネル顎部と前記パネル受け体本体との間に形成される第1の隙間、あるいは前記第1のパネル顎部および前記第2のパネル顎部と前記第1の抜け阻止顎部および前記第2の抜け阻止顎部との間に形成される第2の隙間、前記第1の隙間あるいは前記第2の隙間に差し込まれ、充填されあるいは前記パネル受け体側からねじ込まれて、該第1のパネル顎部および該第2のパネル顎部の動きを抑えるあるいはその動きを狭い範囲に規制するパネル規制体とからなることを特徴とする壁形成材であるので、請求項1記載の発明と同様な効果を奏するとともに次に述べるような効果を奏する。
(1)パネル受け体内に在る第1のパネル顎部および第2のパネル顎部は動かせる隙間の中にあるので、パネルを外側および内側あるいはいずれか一方に傾かせることができるので、湾曲の壁体や多角の壁体を形成することができるとともに、そのような傾きパネル状態としてパネル規制体によって該パネルの動きを抑えるないし規制した壁体を実現するという効果を奏する。
(2)下地が外に膨らむ湾曲下地である場合、パネルは内側に傾けた形態でパネル受け体にセットされるのであるが、この場合のパネル顎部は水平取り付けより内側に位置されて隙間が狭くなるのであるが、差し込み式のパネル規制体は別体であるのでその隙間に合わせた前後幅のパネル規制体とすることで対応できる、充填式のパネル規制体はどのような状態でも対応できる、ネジのねじ込み式はどのような状態でも対応できるという効果を奏する。
差し込み式のパネル規制体は、隙間を埋めるだけの幅のものだけを権利範囲とするものではなく、例えば、一枚の板材からなるパネル規制体をパネル受け体の外からボルトやビスなどを通して、そのボルトやビスなどでパネル規制体をパネル顎に押し付けてパネルを抑える形態なども権利範囲に含むものである。
また、その断面形状も、コの字形態、への字形態、湾曲形態、一の字形態など多様な形態のものを権利範囲に含むものである。
<請求項3記載の発明の効果>
請求項1、2いずれか記載の発明の構成において、構造物に縦に固定されたパネル受け体にパネルが取り付けられる構成において用いるパネル載体であって、下のパネル受け体および下のパネルの上に位置するとともに、上に位置する上のパネル受け体の下に位置し且つ上のパネルが載るパネル載り部、このパネル載り部の後側に立ち上げられた後立ち上り部位、前記パネル載り部の後側に立ち下げられた後立ち下がり部位、前記パネル載り部の前側で前記下のパネルの前に立ち下げられる前立ち下がり部位とからなるとともに、前記後立ち上り部位および前記後立ち下がり部位があるいはいずれか一方が前記パネル受け体とその横隣のパネル受け体の後面にネジ、ビス、熔接などの固定手段により固定されるパネル載体を設けてなることを特徴とする壁形成材であるので、請求項1、2いずれか記載の発明と同様な効果を奏するとともに、次に述べるような効果を奏する。
下のパネルとその上のパネルの間および下のパネル受け体とその上のパネル受け体の間に設けるパネル載体なのであるが、前記後立ち上り部位および前記後立ち下がり部位があるいはいずれか一方が前記パネル受け体とその横隣のパネル受け体の後面にネジ、ビス、熔接などの固定手段により固定されるようにしてなる構成、すなわち、一段ごとのパネル受け体とパネル載体が共同して一枚のパネルを載せてその荷重を受ける構成を実現するものであるので、数十段、数百段のパネル壁を有する数十メートル、数百メートルというような高層構造物の特に軽量壁を堅固な形態で実現するものである。
また、後立ち上り部位と前立ち下がり部位によって、雨が吹き付けても内部に雨水が入るのを阻止する水切りとしても機能するという効果を奏する。
上のパネル載体と下のパネル載体の間に複数のパネルを上下に重ね設けた形態も技術的範疇とするものである。
下地が湾曲している場合は、パネル載体もそれに対応した湾曲形態とするのがよい。
<請求項4記載の発明の効果>
構造物の壁を形成する壁構造であって、
前記構造物の骨組みに設けられた壁材を取り付け保持するための胴縁、間柱などの下地と、この下地に配列固定された多数のパネル受け体と、
このパネル受け体に外れないように係止された多数のパネルとからなり、
前記パネルが、パネル本体、このパネル本体の一方の側の内面側に突出するように設けられた第1の嵌りレール部、前記パネル本体の他方の側に前記第1の嵌りレール部に対抗する形態で設けられた第2の嵌りレール部、前記第1の嵌りレール部に内向きに突出した形態で設けられた第1のパネル顎部、前記第2の嵌りレール部に内向きに突出した形態で設けられた第2のパネル顎部を備えてなる形態であり、
前記パネル受け体が、差込スライド状態で嵌め込まれた前記パネルを支持するパネル受け体本体、このパネル受け体本体の前部面に開口された前記パネルの前記第1の嵌りレール部およびその隣のパネルである隣のパネルの前記第2の嵌りレール部が、該パネル受け体本体の端方からスライド形態で差し通される嵌りレール通部、この嵌りレール通部を形成する対抗する部位であるとともに、前記パネル受け体本体内に入った前記パネルの前記第1のパネル顎部が前記嵌りレール通部から抜け出すのを阻止する第1の抜け阻止顎部、前記パネル受け体本体内に入った前記隣のパネルの前記第2のパネル顎部が前記嵌りレール通部から抜け出すのを阻止する第2の抜け阻止顎部を備えてなる形態であることを特徴とする壁構造であるので、請求項1記載の発明と同様な効果を奏する。
<請求項5記載の発明の効果>
構造物の壁を形成する壁構造であって、
前記構造物の骨組みに設けられた壁材を取り付け保持するための胴縁、間柱などの下地と、
この下地に配列固定された多数のパネル受け体と、
このパネル受け体に外れないように係止された多数のパネルとからなり、
このパネルの動きを抑えるあるいは規制する該パネル受け体に差し込まれてなるパネル規制体とからなり、
前記パネルが、パネル本体、このパネル本体の一方の側の内面側に突出するように設けられた第1の嵌りレール部、前記パネル本体の他方の側に前記第1の嵌りレール部に対抗する形態で設けられた第2の嵌りレール部、前記第1の嵌りレール部に内向きに突出した形態で設けられた第1のパネル顎部、前記第2の嵌りレール部に内向きに突出した形態で設けられた第2のパネル顎部を備えてなる形態であり、
前記パネル受け体が、差込スライド状態で嵌め込まれた前記パネルを支持するパネル受け体本体、このパネル受け体本体の前部面に開口された前記パネルの前記第1の嵌りレール部およびその隣のパネルである隣のパネルの前記第2の嵌りレール部が、該パネル受け体本体の端方からスライド形態で差し通される嵌りレール通部、この嵌りレール通部を形成する対抗する部位であるとともに、前記パネル受け体本体内に入った前記パネルの前記第1のパネル顎部が前記嵌りレール通部から抜け出すのを阻止する第1の抜け阻止顎部、前記パネル受け体本体内に入った前記隣のパネルの前記第2のパネル顎部が前記嵌りレール通部から抜け出すのを阻止する第2の抜け阻止顎部を備えてなる形態であり、
前記パネル規制体が、前記パネル受け体に差し込まれた前記第1のパネル顎部および前記第2のパネル顎部と前記パネル受け体本体との間に形成される第1の隙間、あるいは前記第1のパネル顎部および前記第2のパネル顎部と前記第1の抜け阻止顎部および前記第2の抜け阻止顎部との間に形成される第2の隙間、前記第1の隙間あるいは前記第2の隙間に差し込まれ、充填されあるいは前記パネル受け体側からねじ込まれて、該第1のパネル顎部および該第2のパネル顎部の動きを抑えるあるいはその動きを狭い範囲に規制する形態であることを特徴とする壁構造であるので、請求項2記載の発明と同様な効果を奏する。
<請求項6記載の発明の効果>
請求項4、5いずれか記載の発明の構成において、下地に縦にパネル受け体を固定してなる壁構造であって、下のパネル受け体および下のパネルの上に位置するとともに、上に位置する上のパネル受け体の下に位置し且つ上のパネルが載るパネル載り部、このパネル載り部の後側に立ち上げられた後立ち上り部位、前記パネル載り部の後側に立ち下げられた後立ち下がり部位、前記パネル載り部の前側で前記下のパネルの前に立ち下げられる前立ち下がり部位とからなるとともに、前記後立ち上り部位および前記後立ち下がり部位があるいはいずれか一方が前記パネル受け体とその横隣のパネル受け体の後面にネジ、ビス、熔接などの固定手段により固定されるパネル載体を、前記下パネルと前記上パネルの間に設けてなることを特徴とする壁構造であるので、請求項4記載の発明の効果と同様な効果を奏するとともに、請求項2記載の発明と同様な効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、図面に示す発明を実施するための最良の形態を詳細に説明する。
【0009】
<第1の実施の形態>
図1ないし図4に示す本発明を実施するための最良の第1の実施の形態において1は壁形成材であって、この壁形成材は次に述べるような構成となっている。
パネル本体2、このパネル本体2の一方の側の内面側3に突出するように設けられた第1の嵌りレール部4、前記パネル本体2の他方の側に前記第1の嵌りレール部4に対抗する形態で設けられた第2の嵌りレール部5、前記第1の嵌りレール部4に内向きに突出した形態で設けられた第1のパネル顎部6、前記第2の嵌りレール部5に内向きに突出した形態で設けられた第2のパネル顎部7を備えてなる構造物の壁を形成するパネル8と、
差込スライド状態で嵌め込まれた前記パネル8を支持するパネル受け体本体9、このパネル受け体本体9の前側面に開口された前記パネル8(8a−1)の前記第1の嵌りレール部4およびその隣のパネルである隣のパネル8(8a−2)の前記第2の嵌りレール部5が、該パネル受け体本体9の端方からスライド形態で差し通される嵌りレール通部10、この嵌りレール通部10を形成する対抗する部位であるとともに、前記パネル受け体本体9内に入った前記パネル8(8a−1)の前記第1のパネル顎部6が前記嵌りレール通部10から抜け出すのを阻止する第1の抜け阻止顎部11、前記パネル受け体本体9内に入った前記隣のパネル8(8a−2)の前記第2のパネル顎部7が前記嵌りレール通部10から抜け出すのを阻止する第2の抜け阻止顎部12を備えてなる前記構造物の下地31(図3参照)にビス、ネジ、熔接などの固定手段23により固定される(図では前側からタップされたタップビス)パネル受け体13と、
前記パネル受け体本体9と前記パネル受け体本体9内に入った前記パネル8(8a−1)の前記第1のパネル顎部6および該パネル受け体本体9内に入った前記隣のパネル8(8a−2)の前記第2のパネル顎部7の間に形成される第1の隙間32に差し込まれ、前記パネル受け体本体9内に入った前記パネル8(8a−1)の前記第1のパネル顎部6および前記隣のパネル8(8a−2)の前記第2のパネル顎部7の動きを抑えるあるいはその動きを規制する断面がコの字形態ないしCの字形態のパネル規制体14と、
パネル受け体13が構造物に縦に固定される形態において用いるパネル載体であって、図2、図3の組み立て図に示すように、下のパネル受け体13(13a―1)、その横隣の下のパネル受け体13(13a−2)および下のパネル8(8a―1)の上に位置するとともに、上に位置する上のパネル受け体13(13b−1)と上のパネル受け体13(13b−2)の下に位置し且つ上のパネル8(8b−1)が載るパネル載り部15、このパネル載り部15の後側に立ち上げられた後立ち上り部位16、前記パネル載り部15の後側に立ち下げられた後立ち下がり部位17、前記パネル載り部15の前側で前記下のパネル8(8a−1)の前に立ち下げられる前立ち下がり部位18とからなるとともに、前記後立ち上り部位16および前記後立ち下がり部位17があるいはいずれか一方(図では両方)が前記パネル受け体13とその横隣のパネル受け体13の後部にボルト、ネジ、ビス、熔接などの固定手段19により固定される(図ではタップビス)パネル載体20とからなっている。
パネル載体20の一方の側の前部面には該パネル載体20と略同形状で、パネル載体20同士の突合せの隙間ないし向かい合いの隙間から雨水の浸入を防止するためのジョイント部21が一部(図では半分ほど)を熔接、ネジ止め、接着などにより、パネル本体20との接合部分から雨水が浸入しないように耐候性の充填材22(接着剤や粘着剤を含む)による水浸入処理が施されて、一部(図では半分ほど)を突出させて隣のパネル載体20に被さるように設けられている。
隣のパネル載体に被さる部位は、被せる際にパネル載体20との間にシリコン製などの耐候性の充填材22(接着剤、粘着剤を含む)を塗布して、雨水が浸入しないように接合部分を完全に塞ぐ。
これにより、雨水の内側への浸入は完全に防ぐことを実現するとともに、パネル8(8b−1)とパネル8(8a−2)との間の隙間からの雨水の浸入は、全て断面がコの字形状のパネル受け体13の樋機能にそれ以上の浸入が阻止され、パネル受け体13の内壁を樋とにして伝わって下降してパネル載体20により外に流出される。
パネル載体20のセットは、図2、図3に示すようにパネル受け体13の中央でつき合わせるように設ける取り付け形態に限定されるものではなく、パネル8の適宜な部位で突合せとなる取り付け形態もよいものである。組立図を示す図3ではパネル載体20を図示せず省略している。
パネル8の長さはパネル受け体13と同じとする必要はなく、パネル載体20の前立ち下がり部位18でパネル8の上部は覆われるので、ジョイント部21の厚みの分だけ短くするないしそれより短くしてもよい。
(壁の施工)
パネル受け体13を1段目のパネル受け体13群を所定の間隔で下地31に固定し、パネル8の第1のパネル顎部5と隣のパネル8の第2のパネル顎部7をパネル受け体本体9内に上方から次々と差し込んでいって第1段目の壁を形成し、第1段目の壁の上に一段目のパネル載体20群を後立ち下がり部位17を1段目のパネル受け体13の上方にタップビスで固定セットし、次に2段目のパネル受け体13群を所定の間隔で下地31に固定するとともに一段目のパネル載体20の後立ち上り部位16を2段目のパネル受け体13の下方にタップビスで固定し、パネル8の第1のパネル顎部と隣のパネルの第2のパネル顎部7をパネル受け体本体2内に上方から次々に差し込んでいって第2段目の壁を形成し、・・・最後に最上段のパネル受け体群を所定の間隔で下地に固定し、パネルの第1のパネル顎部と第2のパネル顎部をパネル受け体本体内に上方から次々に差し込んでいって最後の段の壁を形成して壁を完成させる。
パネル載体20は後立ち下がり部17を設けていることによって、パネル受け体13に載せ該パネル受け体13の後面上方に後立ち下がり部位17をタップビスなどで固定するので、その上段のパネル受け体13の取り付け作業が大変行いやすいという効果を奏する。
【0010】
パネル受け体本体9後面には固定手段23(図ではタップビス)を通すためのビス通し孔25と、パネル規制体14を押し抑えるボルト26をボルトをねじ込むネジ孔27と、パネル載体20を固定するためのタップビスを切り込むためのビス切り込み孔29が設けられている。
パネル載体20の後立ち上り部位16と後立ち下がり部位17には、ビス切り込み孔29に切り込まれる固定手段19であるタップビスを通すためのビス通し孔28(ビス切り込み孔29と重なる)が設けられている。ボルト26をタップビスとし、ボルトをねじ込むネジ孔27をビス切り込み孔とするのがよい。
また、ボルト26をタップビスとし、固定手段23をタップビスとし、同じタップビスとするのが、作業性がよい。
現場での作業性と位置合わせなどの正確性のために、構造物の下地31にはパネル受け体13を固定するための固定手段23が切りねじ込まれるビス切り込み孔を予め設けておくのが良いことは言うまでもない。
(発明を実施するための異なる形態)
次に、本発明を実施するための異なる形態について説明する。なお、これら本発明を実施するための異なる形態の説明に当たって、前記した実施の形態と同一構成部分には同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0011】
<第2の実施の形態>
図5ないし図7に示す本発明を実施するための最良の第2の実施の形態おいて、35は構造物であって、この構造物35は3本の煙突36と、その3本の煙突36の周りにくみ上げられた骨組37と、この骨組み37の外周を囲うように多数段に設けられた円形態の下地39群と、この下地39の外側を覆うように形成された囲い壁38とからなっていて、高さ略25m、直径略8mの天板を有する円筒構造となっている。
囲い壁38の壁構造は次に述べるようになっている。
パネル30は、厚み1.2mm、幅334mm、高さ3010mmとしている。
パネル受け体13は、厚み1.6mm、高さ3010mmとしている。
パネル規制体14は、厚み1.6mm、高さ3010mmとしている。
パネル載体20は、幅334mm、前立ち下がり部位18の立下り80mm、後立ち上り部位16の立ち上がり80mm、後立ち下がり部位18の立下り50mmとしている。
(1)骨組み37の外周には円形胴縁形態の下地39が所定の上下間隔(1段に4本)で設けられ、最下部に水切り42がセットされ、
(2)下地39に1段目のパネル受け体13群が前側から下地39に向けてタップビス止め(図では固定手段23)により固定され、1段目のパネル受け体13群に1段目のパネル30群が上から差し込まれてセットされ、
(3)1段目のパネル載体20群および1段目のパネル30群の上に1段目のパネル載体群20がセットされ、
(4)前記(2)、(3)を繰り返して8段のパネル群からなる囲い壁38を形成している。
(5)最上部は煙突の開口を露出させてなる天井板(図示せず)を設け、縁に笠木46を設ける。
正面の3段目と7段目に明り取り窓47、48を形成している。
パネル載体2は、下地39の円周に対応して円周を形成する一部である湾曲形態となっている。
【0012】
<第3の実施の形態>
図8に示す本発明を実施するための最良の第3の実施の形態において、パネル載体の他の実施の形態を示している。
図8(a)においてパネル載体40は、パネル載体20とその基本構造を同じにして異なる点は、前立ち下がり部位18の真上のパネル載り部15上にパネル8の下部が外に動くのを阻止する突起41を設け、後立ち上り部位16と後立ち下がり部位17の後面に幅2mm程度で深さ0.5mm程度の溝88、88、88を設けてなる点にあって、パネル載体40は幅334mm、前立ち下がり部位18の立下り80mm、後立ち上り部位16の立ち上がり80mm、後立ち下がり部位18の立下り50mmとしている。
溝88はタップビスを該溝上の88のパネル受け体13の後面に対応する好みの部位に切りねじ込むための、位置決めであるとともに切りねじ込みをスムーズに行えるようにするためのものである。
パネル載体40同士を連結し且つ突合せないし突き向かいの隙間に雨水が浸入するのを防止して、完全防水の壁構造を実現するためのジョイント部89は、パネル載体40の側面と同形状の該側面より少し大きめの該パネル載体40が挿入できるパネル載体挿入孔90を有してなる構成となっている。
パネル載体挿入孔90とパネル載体40の間に形成される隙間を完全に埋めるための充填材を塗布あるいは充填した状態で挿入連結する。
ジョイント部89の後面にも溝88、88、88が設けられているが、ジョイント部89がパネル受け体13に被さり位置しなければならないというわけではない。むしろ、パネル受け体13から外れたパネル8の中程にジョイント部89を位置させた連結形態が良い場合もある。
パネル載体40、ジョイント部89は押出しあるいは抜出し成形によるアルミニウム製のものがよい。
パネル載体40の後面に溝88を設けた構成においては、パネル受け体13側にねじ切り孔などを設けることなく、タップビスをねじ込むことが容易であるので、パネル受け体13側の加工工程を減らすし、低コスト化を実現する。
図8(b)においてパネル載体43は、パネル載体20とその基本構造を同じにして異なる点は、パネル載り部15上部にパネル8の下部が嵌って前後に動くのを阻止するパネル下部嵌り溝44を設け、パネル載り部15下部にパネル8の上部が嵌って前後に動くのを阻止するパネル上部嵌り溝45を設けてなる点にあって、パネル載体43は幅334mm、前立ち下がり部位18の立下り80mm、後立ち上り部位16の立ち上がり80mm、後立ち下がり部位18の立下り50mmとしている。
パネルの形態や設置条件などによってパネル載体40、パネル載体43、パネル載体20のいずれを使用するか選択することができる。
【0013】
図9に示す本発明を実施するための最良の第4の実施の形態において、パネルの他の実施の形態を示している。
第1の実施の形態のパネル8と主に異なる点は、板材からなるパネル本体50と、該パネル本体50とは別部材で形成した、第1の嵌りレール部4と第1のパネル顎部6を有するレール部材51と、第2の嵌りレール部5と第2のパネル顎部7を有するレール部材52とからなり、パネル本体50にレール部材51とレール部材52とを固定してなるパネル53を形成した点にある。
レール部材51とレール部材52の固定は図のようにネジに限られず接着など多様な固定形態があり、その固定位置は両端に限らず、パネル本体50の端より内側とするのもよい。
パネル本体50の材質はステンレス、アルミニウムなどの金属製部材、木製、合成樹脂性部材、セラミックス製部材やそれらの組み合わせなど多様な材質、あるいは材質の組み合わせによるものが可能である。
【0014】
図10に示す本発明を実施するための最良の第5の実施の形態において、パネルの他の実施の形態を示している。
第1の実施の形態のパネル8と主に異なる点は、パネル本体2の内側に断熱と消音機能を兼ねた断熱消音部材55を設けたパネル56を形成した点にある。
【0015】
図11に示す本発明を実施するための最良の第6の実施の形態において、パネル規制体の他の実施の形態を示している。
第1の実施の形態のパネル規制体14と主に異なる点は、第1の嵌りレール部4と第2の嵌りレール部5との間に形成される隙間に差し込まれるレール隙間差し込み部58を設け、このレール隙間差し込み部58の先端でパネル8(8a−1)のパネル本体2と隣のパネル8(8a−2)のパネル本体2の前に該両パネル本体2の一部に被さるように位置されたパネル規制体部位59を設けてなるパネル規制体60を形成した点にある。
【0016】
図12に示す本発明を実施するための最良の第7の実施の形態において、パネルの他の実施の形態を示している。
第1の実施の形態のパネル8と主に異なる点は、パネル本体を波形パネル形態あるいは筋パネル形態としたパネル本体62とし、第1の嵌りレール部4、第2の嵌りレール部5を湾曲形態としてなるパネル63を形成した点にある。
パネル本体に該パネル本体を補強する縦、横、斜め、円弧、何らかの模様などのスリットを設ける形態とするのも良い。
【0017】
図13に示す本発明を実施するための最良の第8の実施の形態において65は壁形成材であって、この壁形成材65の前記第1の実施の形態と主に異なる点は、パネル規制体を湾曲板部材からなるパネル規制体66とした点にある。
パネル規制体66は第1の隙間32より前後幅が多く取られていて、前後から抑えられるとその湾曲状態を平板側に簡単に広げられる形態の例えば薄い金属製部材や合成樹脂性部材などからなっていて、第1のパネル顎部6および第2のパネル顎部7をその弾性反発力で第1の抜け阻止顎部1および第2の抜け阻止顎部12に付勢押し付けて抑えるようになっている。
これにより、風圧で押し付けられるパネルの動きを緩衝するとともに、パネル規制体66もガタツクことがなく、擦れたりぶつかり合ったりしての騒音が生じないように抑制できる。
また、コの字形のパネル規制体より、材料量が少なく、成形も容易であり、平板を重ねたと略同じ重ね体積となるので運送費も軽減でき、パネル受け体13も薄くでき、全体として低コストを実現するという効果を奏するものである。
あるいはパネル規制体66は、湾曲形態が前後から抑えても変形しない頑丈な構造となっているものもよい。この場合、パネル規制体66の前後幅は第1のパネル顎部6および第2のパネル顎部7とパネル受け体13の間に形成される第1の隙間32にスムーズに入り且つできるだけ該第1の隙間32を埋めてガタツキが小さいないし微細に規制される前後幅とするのがよい。具体的には残りの隙間が0.2mm〜1.0mm程度(好ましくは:0.2mm〜0.5mm)とするのがよい。
このような湾曲形態が前後から抑えても変形しない頑丈な構造としても、コの字形のパネル規制体より、材料量が少なく、成形も容易であり、平板を重ねての運送となるので運送費も軽減でき、パネル受け体13も薄くでき、全体として低コストを実現するという効果を奏するものである。
【0018】
図14に示す本発明を実施するための最良の第9の実施の形態において69は壁形成材であって、この壁形成材69の前記第1の実施の形態と主に異なる点は、パネル規制体を一枚の簡単に湾曲させながらパネル受け体に差し込むことができるパネル規制体70にした点にある。
パネル規制体70はその左右幅がパネル受け体13の左右内幅より長く形成された一枚の平板形態であって、パネル受け体13に左右を抑えられてツッパリ湾曲状態で該パネル受け体13に簡単に差し込み進行させることができる例えば薄い金属製部材や合成樹脂性部材からなっていて、第1のパネル顎部6および第2のパネル顎部7をその湾曲前面で第1の抜け阻止顎部1および第2の抜け阻止顎部12を押さえる、あるいは、0.2mm〜1.0mm程度(好ましくは:0.2mm〜0.5mm)の隙間を空けてのように押し付けるようになっている。
これにより、風圧で押し付けられるパネルの動きを抑えるとともに、ガタツキが小さいないし微細に規制されたものとできるとともに、コの字形のパネル規制体より、材料量が少なく、成形も容易であり、平板を重ねての運送となるので運送費も軽減でき、パネル受け体13も薄くでき、全体として低コストを実現するという効果を奏するものである。
【0019】
図15に示す本発明を実施するための最良の第10の実施の形態において72は壁形成材であって、この壁形成材72の前記第1の実施の形態と主に異なる点は、パネル規制体を使用しない構成とし、第1の嵌りレール部4および第2の嵌りレール部5を湾曲形状とし、パネル本体8の上部と下部に後に直角に折り曲げて形成した上下縁を補強するリブ73を形成し、パネル受け体13の構成をパネル受け体本体9と第1の抜け阻止顎部11および第2の抜け阻止顎部12との間の隙間を第1のパネル顎部6および第2のパネル顎部7がぎりぎりスムーズに差し込むことができる隙間幅とした点にある。
第1のパネル顎部6および第2のパネル顎部7を内側に湾曲させた形状にして、パネル8をある程度内側や外側に回すことを可能として、パネルのある程度の傾きを可能とするのもよい。
リブ73は前向きに折り設けたものもよい。
【0020】
図16に示す本発明を実施するための最良の第11の実施の形態において75は壁形成材であって、この壁形成材75の前記第1の実施の形態と主に異なる点は、パネル規制体を一枚の平板部材からなるパネル規制体76とし、パネル受け体13のネジ孔27に螺合したボルト26によってパネル規制体76押しさらに該パネル規制体76で第1のパネル顎部6、第2のパネル顎部7を押して、第1のパネル顎部6および第2のパネル顎部7を第1の抜け阻止顎部11および第2の抜け阻止顎部12に押し付け状態にする構成にした点にある。
このような構成とすることにより、完全に第1のパネル顎部6および第2のパネル顎部7を抑えた壁構造を実現するとともに、パネル規制体76が平板部材であるから低コスト、低運送費を実現する。
また、パネルを傾かせてからパネル規制体76をボルト26で抑えるので、パネルを傾かせた壁の形成をパネル規制体76をボルト26を変えることなく多様なパネルの傾きに対応可能とするものである。
【0021】
図17に示す本発明を実施するための最良の第12の実施の形態において78は壁形成材であって、この壁形成材78の前記第1の実施の形態と主に異なる点は、パネル規制体を2本のL形棒部材からなるパネル規制体79とした点にある。
パネル規制体79、79は第1のパネル顎部6および第2のパネル顎部7と第1の抜け阻止顎部11および第2の抜け阻止顎部12との間に差し込まれて、その第2の隙間33を埋めてパネル8(パネル8a−1)の第1のパネル顎部6および隣のパネル8(パネル8a−2)の第2のパネル顎部7の動きを抑えるあるいはその動きを狭い範囲に規制するように機能する。
【0022】
図18に示す本発明を実施するための最良の第13の実施の形態において81は壁形成材であって、この壁形成材81の前記第1の実施の形態と主に異なる点は、パネル規制体を発泡樹脂製部材の充填材からなるパネル規制体82とした点にある。
パネル規制体82は第1のパネル顎部6および第2のパネル顎部7と第1の抜け阻止顎部11および第2の抜け阻止顎部12との間に充填され、その第2の隙間33の全部をあるいは一部を略完全に埋めてパネル8(パネル8a−1)の第1のパネル顎部6および隣のパネル8(パネル8a−2)の第2のパネル顎部7の動きを弾性的に抑え規制するように機能する。
充填方法は、パネルより長いか略同等の長さの充填ノズルで、2箇所から4箇所程度を部分的(数センチ〜十数センチ)に埋める形態とするのが低コストにできる。
また、長いノズルに所定量を充填して、充填位置にノズル先端を位置させて、圧縮エアーや押し出しシリンダーで充填材をノズルから排出して充填するのがよい。
トコロテン押し出しポンプのような手動ポンプで行うのが、充填材の無駄も生じることなく装置も安価であり低コストに行うことができる。
【0023】
図19に示す本発明を実施するための最良の第14の実施の形態において85は壁形成材であって、この壁形成材85の前記第1の実施の形態と主に異なる点は、パネル規制体14を使用することなく、ビス、タップビス、ボルトなどのねじ込み部材をパネル規制体として使用したもので、該ねじ込み部材(パネル規制体)によって第1のパネル顎部6および第2のパネル顎部7を抑え規制する構成とした点にある。
具体的には、パネル載体20をパネル受け体13に固定するビス、タップビスあるいはボルトなどからなるねじ込み部材である固定手段19(パネル規制体)によって次のように規制する。
<第1の規制形態>固定手段19の先端が第1のパネル顎部6と第2のパネル顎部7に当接して該第1のパネル顎部6と第2のパネル顎部7を第1の抜け阻止顎部11と第2の抜け阻止顎部12に当接させる。
<第2の規制形態>固定手段19の先端が第1のパネル顎部6と第2のパネル顎部7を押して、該第1のパネル顎部6と第2のパネル顎部7を第1の抜け阻止顎部11と第2の抜け阻止顎部12に押し付ける(第1のパネル顎部6、第2のパネル顎部7が固定手段19により第1の抜け阻止顎部11と第2の抜け阻止顎部12強く押し付けられ押し凹まされたり、曲げられたりする形態を含む)。
<第3の規制形態>固定手段19の先端と第1の抜け阻止顎部11および第2の抜け阻止顎部12の間の狭い隙間で第1のパネル顎部6と第2のパネル顎部7の動きを狭い範囲に規制する。
<第4の規制形態>固定手段19が先端に切削刃の付いたタップビスであって、第1のパネル顎部6と第2のパネル顎部7にネジが切り込まれた状態で規制する。
固定手段19は最低、上下2箇所ずつ4本使用する。パネルが数mと長い物である場合は、中央2箇所の6本の固定手段19の使用で済む。
パネル規制体14を用いないで、パネル載体20をもともと固定するための固定手段19を第1のパネル顎部6と第2のパネル顎部7を規制するパネル規制体としての役割を持たせたものであり、パネル受け体に差し込む形態のパネル規制体の不使用とパネル受け体13の前後幅の短縮とによる低コスト化を実現するとともに作業工程の効率化を実現する。
また、パネルの傾き設定にも固定手段19を帰ることなく柔軟に対応できる。好ましくは、固定手段23、固定手段19を同じ太さと長さのビス、ボルトあるいはタップビスとするのが、作業性と経済性の点から良い。
【0024】
パネル載体20を設けない壁形成においては、中央に2箇所の2本、上下に2箇所ずつの4本あるいは上下中央に2箇所ずつの6本の固定手段19による、パネル8の規制(第1のパネル顎部6と第2のパネル顎部7の規制)とするのがよい。
【0025】
パネル載体20を固定する箇所とは中央などの別箇所に、固定手段19をねじ込む形態もよい。
パネル受けに差し込むパネル規制体14を用いないで、数本のネジ部材(パネル規制体)によってパネルを規制できるので、パネル受け体に差し込む形態のパネル規制体の不使用とパネル受け体13の前後幅の短縮とによる低コスト化を実現するとともに作業工程の効率化を実現する。
【0026】
[付記]
<付記1記載の発明の効果>
パネル本体、このパネル本体の一方の側の内面側に突出するように設けられた第1の嵌りレール部、前記パネル本体の他方の側に前記第1の嵌りレール部に対抗する形態で設けられた第2の嵌りレール部、前記第1の嵌りレール部に内向きに突出した形態で設けられた第1のパネル顎部、前記第2の嵌りレール部に内向きに突出した形態で設けられた第2のパネル顎部を備えてなる構造物の壁を形成するパネルと、
差込スライド状態で嵌め込まれた前記パネルを支持するパネル受け体本体、このパネル受け体本体の前部面に開口された前記パネルの前記第1の嵌りレール部およびその隣のパネルである隣のパネルの前記第2の嵌りレール部が、該パネル受け体本体の端方からスライド形態で差し通される嵌りレール通部、この嵌りレール通部を形成する対抗する部位であるとともに、前記パネル受け体本体内に入った前記パネルの前記第1のパネル顎部が前記嵌りレール通部から抜け出すのを阻止する第1の抜け阻止顎部、前記パネル受け体本体内に入った前記隣のパネルの前記第2のパネル顎部が前記嵌りレール通部から抜け出すのを阻止する第2の抜け阻止顎部を備えてなる前記構造物に固定されるパネル受け体と、
パネル受け体の後側から前記第1のパネル顎部と前記第2のパネル顎部に向けてねじ込まれて、該第1のパネル顎部と該第2のパネル顎部を第1の抜け阻止顎部と第2の抜け阻止顎部に押し付け規制し、当接規制し、あるいは該第1のパネル顎部6と該第2のパネル顎部7の動きを狭い範囲に規制するビス、タップビス、ボルトなどのねじ込み部材からなるパネル規制体とからなることを特徴とする壁形成材であるので、次に述べるような効果を奏する。
(壁の施工)
パネル受け体を縦に構造物に固定しての施工では、1段目のパネル受け体群を所定の間隔で下地に固定し、パネルの第1のパネル顎部と第2のパネル顎部をパネル受け体本体内に上方から次々と差し込んでいって第1段目の壁を形成し、次に2段目のパネル受け体群を所定の間隔で下地に固定し、パネルの第1のパネル顎部と第2のパネル顎部をパネル受け体本体内に上方から次々に差し込んでいって第2段目の壁を形成し、・・・最後に最上段のパネル受け体群を所定の間隔で下地に固定し、パネルの第1のパネル顎部と第2のパネル顎部をパネル受け体本体内に上方から次々に差し込んでいって最後の段の壁を形成して壁を完成させる。
そのさい、パネルをパネル受け体にセットするごとに、段の全てのあるいは一部のパネルをセットして、あるは数段ないし全段のパネルのセットが完了したら、パネル規制体(ビス、タップビス、ボルトなどのねじ込み部材)をねじ込み、パネル規制体の先端で第1のパネル顎部と第2のパネル顎部を押し第1の抜け阻止顎部と第2の抜け阻止顎部に押し付け規制し、当接規制し、あるいは動きを狭い範囲に規制する。
パネル間に水切りなどのパネル載体やパネル受けを設けない壁構造においては、複数段、全段のパネル受け体群を完成させてから最上段からパネルを次々とスライド下降させ取り付け、パネル規制体(ビス、タップビス、ボルトなどのねじ込み部材)をねじ込み、第1のパネル顎部と第2のパネル顎部を第1の抜け阻止顎部と第2の抜け阻止顎部に押し付け規制し、当接規制し、あるいは動きを狭い範囲に規制して、一気に壁を完成させることも可能である。
この場合、程度はあるがパネル受け体およびパネルは長いものが作業性がよいし、横幅の狭いものであれば、パネル自信の強度も強いものとなり、例えば、厚み1.5mm程度の薄鋼板という軽量鋼板パネル壁に好適であり、このような軽量パネルにおいては、1人から二人の作業員でパネルの取り回し差込が可能とできるものである。
パネル受け体はパネルの長さと同じである必要はなく、離れた複数のパネル受け体でパネルを支持する形態も良いものである。例えば、一枚のパネルを支持する下地である胴縁に数センチ〜20センチ程度の長さのパネル受け体をそれぞれ設け、この複数のパネル受け体で一枚のパネルを支持するようにする、仮設囲いなどがあり、この場合、パネル受け体の材料費を安価にできる。
また、パネル受け体をパネルが複数枚入る長い物にすることもでき、より施工時間を短縮することを可能とできる。
(効果)
(1)下地に固定したパネル受け体にパネルの第1のパネル顎部と第2のパネル顎部をスライド差して嵌め込むだけの簡単な取り付け作業だけでパネルの取り付けが完了するので、壁の施工時間が短時間である。
(2)構造物内からの取り付け作業が行えるので、外に足場を組む必要がない。
取り付け作業中にパネルが落下しないように、ロープなどの吊り手段で吊った状態で行うのがよく、パネルが軽量であるなら一人ないし二人の作業者で行うことが可能である。
(3)差込のみによるパネルが保持される構造であるので、パネル顎部がパネル本体を折り曲げて形成したものでは、壁前側にネジ、ビス、固定金具などのパネル以外のものが無い、景観性、美観性のよい壁を実現するという効果を奏する。
(4)パネル規制体がビス、タップビス、ボルトなどのねじ込み部材であるので、中央に2箇所の2本、上下に2箇所ずつの4本あるいは上下中央に2箇所ずつの6本のパネル規制体による、パネルの規制(第1のパネル顎部と第2のパネル顎部の規制)形態とする、多くの場合は2本〜6本のパネル規制体とそれの切り込みでよいので、低コストと作業の効率化を実現するという効果を奏する。
<付記2記載の発明の効果>
付記1いずれか記載の発明の構成において、構造物に縦に固定されたパネル受け体にパネルが取り付けられる構成において用いるパネル載体であって、下のパネル受け体および下のパネルの上に位置するとともに、上に位置する上のパネル受け体の下に位置し且つ上のパネルが載るパネル載り部、このパネル載り部の後側に立ち上げられた後立ち上り部位、前記パネル載り部の後側に立ち下げられた後立ち下がり部位、前記パネル載り部の前側で前記下のパネルの前に立ち下げられる前立ち下がり部位とからなるとともに、前記後立ち上り部位および前記後立ち下がり部位があるいはいずれか一方が前記パネル受け体とその横隣のパネル受け体の後面にネジ、ビス、タップビス、熔接などの固定手段により固定されるパネル載体を設けてなることを特徴とする壁形成材であるので、付記1、2いずれか記載の発明と同様な効果を奏するとともに、次に述べるような効果を奏する。
下のパネルとその上のパネルの間および下のパネル受け体とその上のパネル受け体の間に設けるパネル載体なのであるが、前記後立ち上り部位および前記後立ち下がり部位があるいはいずれか一方が前記パネル受け体とその横隣のパネル受け体の後面にネジ、ビス、タップビス、熔接などの固定手段により固定されるようにしてなる構成、すなわち、一段ごとのパネル受け体とパネル載体が共同して一枚のパネルを載せてその荷重を受ける構成を実現するものであるので、数十段、数百段のパネル壁を有する数十メートル、数百メートルというような高層構造物の特に軽量壁を堅固な形態で実現するものである。
また、後立ち上り部位と前立ち下がり部位によって、雨が吹き付けても内部に雨水が入るのを阻止する水切りとしても機能するという効果を奏する。
上のパネル載体と下のパネル載体の間に複数のパネルを上下に重ね設けた形態も技術的範疇とするものである。
<付記3記載の発明の効果>
付記2記載の発明の構成において、パネル載体をパネル受け体に固定するためのものがネジ、ビス、タップビスなどのねじ込み部材であり、このねじ込み部材がパネル規制体であることを特徴とする壁形成材であるので、付記2記載の発明の効果と同様な効果を奏するとともに、次に述べるような効果を奏する。
パネル載体を固定するネジ、ビス、タップビスなどのねじ込み部材が、パネルを規制(第1のパネル顎部と第2のパネル顎部を規制)するパネル規制体を兼ねるので、ねじ込み部材の使用量を減らしての低コスト化と、ねじ込み部材のねじ込み作業数を減らすことによる作業の効率化、軽減化を実現するという効果を奏する。
<付記4記載の発明の効果>
構造物の壁を形成する壁構造であって、
前記構造物の骨組みに設けられた壁材を取り付け保持するための胴縁、間柱などの下地と、この下地に配列固定された多数のパネル受け体と、
このパネル受け体に外れないように係止された多数のパネルと、
このパネルの動きを前記パネル受け体内で規制するパネル規制体とからなり、
前記パネルが、パネル本体、このパネル本体の一方の側の内面側に突出するように設けられた第1の嵌りレール部、前記パネル本体の他方の側に前記第1の嵌りレール部に対抗する形態で設けられた第2の嵌りレール部、前記第1の嵌りレール部に内向きに突出した形態で設けられた第1のパネル顎部、前記第2の嵌りレール部に内向きに突出した形態で設けられた第2のパネル顎部を備えてなる形態であり、
前記パネル受け体が、差込スライド状態で嵌め込まれた前記パネルを支持するパネル受け体本体、このパネル受け体本体の前部面に開口された前記パネルの前記第1の嵌りレール部およびその隣のパネルである隣のパネルの前記第2の嵌りレール部が、該パネル受け体本体の端方からスライド形態で差し通される嵌りレール通部、この嵌りレール通部を形成する対抗する部位であるとともに、前記パネル受け体本体内に入った前記パネルの前記第1のパネル顎部が前記嵌りレール通部から抜け出すのを阻止する第1の抜け阻止顎部、前記パネル受け体本体内に入った前記隣のパネルの前記第2のパネル顎部が前記嵌りレール通部から抜け出すのを阻止する第2の抜け阻止顎部を備えてなる形態であり、
前記パネル規制体が、前記パネル受け体の後側から前記第1のパネル顎部と前記第2のパネル顎部に向けてねじ込まれて、該第1のパネル顎部と該第2のパネル顎部を第1の抜け阻止顎部と第2の抜け阻止顎部に押し付け規制し、当接規制し、あるいは該第1のパネル顎部6と該第2のパネル顎部7の動きを狭い範囲に規制するビス、タップビス、ボルトなどのねじ込み部材からなることを特徴とする壁構造であるので、付記1記載の発明と同様な効果を奏する。
<付記5記載の発明の効果>
付記4記載の発明の構成において、下地に縦にパネル受け体を固定してなる壁構造であって、下のパネル受け体および下のパネルの上に位置するとともに、上に位置する上のパネル受け体の下に位置し且つ上のパネルが載るパネル載り部、このパネル載り部の後側に立ち上げられた後立ち上り部位、前記パネル載り部の後側に立ち下げられた後立ち下がり部位、前記パネル載り部の前側で前記下のパネルの前に立ち下げられる前立ち下がり部位とからなるとともに、前記後立ち上り部位および前記後立ち下がり部位があるいはいずれか一方が前記パネル受け体とその横隣のパネル受け体の後面にネジ、ビス、タップビス、熔接などの固定手段により固定されるパネル載体を、前記下パネルと前記上パネルの間に設けてなることを特徴とする壁構造であるので、付記2記載の発明と同様な効果を奏する。
<付記6記載の発明の効果>
付記5記載の発明の構成において、パネル載体をパネル受け体に固定するためのものがネジ、ビス、タップビスなどのねじ込み部材であり、このねじ込み部材がパネル規制体であることを特徴とする壁形成材であるので、付記3記載の発明の効果と同様な効果を奏する。
【産業上の利用可能性】
【0027】
本発明は構造物や壁材を製造する産業で利用される。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明を実施するための最良の第1の実施の形態を示す組立分解斜視図。
【図2】本発明を実施するための最良の第1の実施の形態を示す組立手順斜視図。
【図3】本発明を実施するための最良の第1の実施の形態を示すジョイント部を省略した組立斜視図。
【図4】本発明を実施するための最良の第1の実施の形態の部分拡大斜視図。
【図5】本発明を実施するための最良の第2の実施の形態を示す正面図。
【図6】本発明を実施するための最良の第2の実施の形態を示す天板および笠木を取除いた状態の平面図。
【図7】本発明を実施するための最良の第2の実施の形態のパネル受け体とパネルの連結部位を示す平面図。
【図8】本発明を実施するための最良の第3の実施の形態の斜視図。
【図9】本発明を実施するための最良の第4の実施の形態の斜視図。
【図10】本発明を実施するための最良の第5の実施の形態を示す斜視図。
【図11】本発明を実施するための最良の第6の実施の形態の部分拡大斜視図。
【図12】本発明を実施するための最良の第7の実施の形態を示す斜視図。
【図13】本発明を実施するための最良の第8の実施の形態のパネル受け体とパネルの連結部位を示す平面図。
【図14】本発明を実施するための最良の第9の実施の形態のパネル受け体とパネルの連結部位を示す平面図。
【図15】本発明を実施するための最良の第10の実施の形態のパネル受け体とパネルの連結部位を示す平面図。
【図16】本発明を実施するための最良の第11の実施の形態のパネル受け体とパネルの連結部位を示す平面図。
【図17】本発明を実施するための最良の第12の実施の形態のパネル受け体とパネルの連結部位を示す平面図。
【図18】本発明を実施するための最良の第13の実施の形態のパネル受け体とパネルの連結部位を示す平面図。
【図19】本発明を実施するための最良の第14の実施の形態のパネル受け体とパネルの連結部位を示す平面図。
【符号の説明】
【0029】
1:壁形成材、
2:パネル本体、
3:内面側、
4:第1の嵌りレール部、
5:第2の嵌りレール部、
6:第1のパネル顎部、
7:第2のパネル顎部、
8:パネル、
9:パネル受け体本体、
10:嵌りレール通部、
11:第1の抜け阻止顎部、
12:第2の抜け阻止顎部、
13:パネル受け体、
14:パネル規制体、
15:パネル載り部、
16:後立ち上り部位、
17:後立ち下がり部位、
18:前立ち下がり部位、
19:固定手段、
20:パネル載体、
21:ジョイント部、
22:充填剤、
23:固定手段、
25:ビス通し孔、
26:ボルト、
27:ネジ孔、
28:ビス通し孔、
29:ビス切り込み孔、
31:下地、
32:第1の隙間、
33:第2の隙間、
35:構造物、
36:煙突、
37:骨組み、
38:囲い壁、
39:下地、
40:パネル載体、
41:突起41、
42:水切り、
43:パネル載体、
44:パネル下部嵌り溝、
45:パネル上部嵌り溝、
46:笠木、
47:明り取り窓、
48:明り取り窓、
50:パネル本体50、
51:レール部材、
52:レール部材、
53:パネル、
55:断熱消音部材、
56:パネル、
58:レール隙間差し込み部、
59:パネル規制体部位、
60:パネル規制体、
62:パネル本体、
63:パネル、
65:壁形成材、
66:パネル規制体、
69:壁形成材、
70:パネル規制体、
72:壁形成材、
73:リブ、
75:壁形成材、
76:パネル規制体、
78:壁形成材、
79:パネル規制体、
81:壁形成材、
82:パネル規制体、
85:壁形成材、
88:溝、
89:ジョイント部、
90:パネル載体挿入孔。
【技術分野】
【0001】
本発明は、構造物の特に外壁に適した壁形成材および壁構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来において構造物の外壁を形成する施工方法には次の施工が知られている。
(1)構造物の周囲に足場を形成して、その足場から作業者がパネルを前側からネジ止めなどにより固定する、足場からの取り付け施工が知られている。
(2)下地側にパネルを受け固定するための多数のねじ通し穴あるいはボルトを有するパネル受け体を設け、クレーンによりパネルを前側から吊り状態にして取付部位に位置合わさせておいて、構造物の内側から作業者がネジによりパネル受け体に固定する、外吊り取り内側取り付け施工が知られている。
【特許文献1】特になし
【非特許文献1】特になし
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
足場からの取り付け施工は、足場の経費およびその組み立て撤去に多大な時間が浪費されるとともに、多数のネジによりパネルを下地に固定する作業であるためにパネルの取り付け固定作業に時間がかかる、作業者の落下事故の危険があるなどの問題を持つものである。
また、外吊り内側取り付け施工は、多数のボルトあるいはナットによりパネルを下地に固定するものであるので、パネルの取り付け固定作業に時間がかかるという問題を持つものであった。
【0004】
本発明は以上のような従来技術の持つ問題点に鑑みてなされたものであって、足場を用いず、パネルの取り付け固定作業を素早く短時間で行うことができる壁形成材および壁構造を提供することを目的としている。
【0005】
本発明の前記ならびにそのほかの目的と新規な特徴は次の説明を添付図面と照らし合わせて読むと、より完全に明らかになるであろう。
ただし、図面はもっぱら解説のためであって、本発明の技術的範囲をそれらのみに限定するものではない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は次に述べるような構成としている。
<請求項1記載の発明>
パネル本体、このパネル本体の一方の側の内面側に突出するように設けられた第1の嵌りレール部、前記パネル本体の他方の側に前記第1の嵌りレール部に対抗する形態で設けられた第2の嵌りレール部、前記第1の嵌りレール部に内向きに突出した形態で設けられた第1のパネル顎部、前記第2の嵌りレール部に内向きに突出した形態で設けられた第2のパネル顎部を備えてなる構造物の壁を形成するパネルと、
差込スライド状態で嵌め込まれた前記パネルを支持するパネル受け体本体、このパネル受け体本体の前部面に開口された前記パネルの前記第1の嵌りレール部およびその隣のパネルである隣のパネルの前記第2の嵌りレール部が、該パネル受け体本体の端方からスライド形態で差し通される嵌りレール通部、この嵌りレール通部を形成する対抗する部位であるとともに、前記パネル受け体本体内に入った前記パネルの前記第1のパネル顎部が前記嵌りレール通部から抜け出すのを阻止する第1の抜け阻止顎部、前記パネル受け体本体内に入った前記隣のパネルの前記第2のパネル顎部が前記嵌りレール通部から抜け出すのを阻止する第2の抜け阻止顎部を備えてなる前記構造物に固定されるパネル受け体とからなることを特徴とする壁形成材である。
パネル受け体の構造物への固定は縦向き固定と横向き固定があり、パネル受け体の縦向き固定ではパネルの嵌りレール部は上から降ろし形態(降ろしスライド形態)で差し込まれ、パネル受け体の横向き固定ではパネルの嵌りレール部は横から水平スライド形態で差し込まれる。
<請求項2記載の発明>
パネル本体、このパネル本体の一方の側の内面側に突出するように設けられた第1の嵌りレール部、前記パネル本体の他方の側に前記第1の嵌りレール部に対抗する形態で設けられた第2の嵌りレール部、前記第1の嵌りレール部に内向きに突出した形態で設けられた第1のパネル顎部、前記第2の嵌りレール部に内向きに突出した形態で設けられた第2のパネル顎部を備えてなる構造物の壁を形成するパネルと、
差込スライド状態で嵌め込まれた前記パネルを支持するパネル受け体本体、このパネル受け体本体の前部面に開口された前記パネルの前記第1の嵌りレール部およびその隣のパネルである隣のパネルの前記第2の嵌りレール部が、該パネル受け体本体の端方からスライド形態で差し通される嵌りレール通部、この嵌りレール通部を形成する対抗する部位であるとともに、前記パネル受け体本体内に入った前記パネルの前記第1のパネル顎部が前記嵌りレール通部から抜け出すのを阻止する第1の抜け阻止顎部、前記パネル受け体本体内に入った前記隣のパネルの前記第2のパネル顎部が前記嵌りレール通部から抜け出すのを阻止する第2の抜け阻止顎部を備えてなる前記構造物に固定されるパネル受け体と、
前記パネル受け体に差し込まれた前記第1のパネル顎部および前記第2のパネル顎部と前記パネル受け体本体との間に形成される第1の隙間、あるいは前記第1のパネル顎部および前記第2のパネル顎部と前記第1の抜け阻止顎部および前記第2の抜け阻止顎部との間に形成される第2の隙間、前記第1の隙間あるいは前記第2の隙間に差し込まれ、充填されあるいは前記パネル受け体側からねじ込まれて、該第1のパネル顎部および該第2のパネル顎部の動きを抑えるあるいはその動きを狭い範囲に規制するパネル規制体とからなることを特徴とする壁形成材である。
「第1の隙間」「第2の隙間」は、パネル顎部、抜け阻止顎部が水平形態であれば、対抗面が水平であればその隙間はどこも同じ距離となるが、パネル顎部、抜け阻止顎部が傾斜形態ないし湾曲形態であったり、あるいは対抗面が傾斜形態ないし湾曲形態である場合は隙間の距離は部分により異なることになる。このように隙間の距離が部分により異なる形態においては、どの部分でもパネル規制体による規制が行われる形態は本願発明の技術的範疇である。
<請求項3記載の発明>
請求項1、2いずれか記載の発明の構成において、構造物に縦に固定されたパネル受け体にパネルが取り付けられる構成において用いるパネル載体であって、下のパネル受け体および下のパネルの上に位置するとともに、上に位置する上のパネル受け体の下に位置し且つ上のパネルが載るパネル載り部、このパネル載り部の後側に立ち上げられた後立ち上り部位、前記パネル載り部の後側に立ち下げられた後立ち下がり部位、前記パネル載り部の前側で前記下のパネルの前に立ち下げられる前立ち下がり部位とからなるとともに、前記後立ち上り部位および前記後立ち下がり部位があるいはいずれか一方が前記パネル受け体とその横隣のパネル受け体の後面にネジ、ビス、熔接などの固定手段により固定されるパネル載体を設けてなることを特徴とする壁形成材である。
<請求項4記載の発明>
構造物の壁を形成する壁構造であって、
前記構造物の骨組みに設けられた壁材を取り付け保持するための胴縁、間柱などの下地と、
この下地に配列固定された多数のパネル受け体と、
このパネル受け体に外れないように係止された多数のパネルとからなり、
前記パネルが、パネル本体、このパネル本体の一方の側の内面側に突出するように設けられた第1の嵌りレール部、前記パネル本体の他方の側に前記第1の嵌りレール部に対抗する形態で設けられた第2の嵌りレール部、前記第1の嵌りレール部に内向きに突出した形態で設けられた第1のパネル顎部、前記第2の嵌りレール部に内向きに突出した形態で設けられた第2のパネル顎部を備えてなる形態であり、
前記パネル受け体が、差込スライド状態で嵌め込まれた前記パネルを支持するパネル受け体本体、このパネル受け体本体の前部面に開口された前記パネルの前記第1の嵌りレール部およびその隣のパネルである隣のパネルの前記第2の嵌りレール部が、該パネル受け体本体の端方からスライド形態で差し通される嵌りレール通部、この嵌りレール通部を形成する対抗する部位であるとともに、前記パネル受け体本体内に入った前記パネルの前記第1のパネル顎部が前記嵌りレール通部から抜け出すのを阻止する第1の抜け阻止顎部、前記パネル受け体本体内に入った前記隣のパネルの前記第2のパネル顎部が前記嵌りレール通部から抜け出すのを阻止する第2の抜け阻止顎部を備えてなる形態であることを特徴とする壁構造である。
<請求項5記載の発明>
構造物の壁を形成する壁構造であって、
前記構造物の骨組みに設けられた壁材を取り付け保持するための胴縁、間柱などの下地と、
この下地に配列固定された多数のパネル受け体と、
このパネル受け体に外れないように係止された多数のパネルとからなり、
このパネルの動きを抑えるあるいは規制する該パネル受け体に差し込まれてなるパネル規制体とからなり、
前記パネルが、パネル本体、このパネル本体の一方の側の内面側に突出するように設けられた第1の嵌りレール部、前記パネル本体の他方の側に前記第1の嵌りレール部に対抗する形態で設けられた第2の嵌りレール部、前記第1の嵌りレール部に内向きに突出した形態で設けられた第1のパネル顎部、前記第2の嵌りレール部に内向きに突出した形態で設けられた第2のパネル顎部を備えてなる形態であり、
前記パネル受け体が、差込スライド状態で嵌め込まれた前記パネルを支持するパネル受け体本体、このパネル受け体本体の前部面に開口された前記パネルの前記第1の嵌りレール部およびその隣のパネルである隣のパネルの前記第2の嵌りレール部が、該パネル受け体本体の端方からスライド形態で差し通される嵌りレール通部、この嵌りレール通部を形成する対抗する部位であるとともに、前記パネル受け体本体内に入った前記パネルの前記第1のパネル顎部が前記嵌りレール通部から抜け出すのを阻止する第1の抜け阻止顎部、前記パネル受け体本体内に入った前記隣のパネルの前記第2のパネル顎部が前記嵌りレール通部から抜け出すのを阻止する第2の抜け阻止顎部を備えてなる形態であり、
前記パネル規制体が、前記パネル受け体に差し込まれた前記第1のパネル顎部および前記第2のパネル顎部と前記パネル受け体本体との間に形成される第1の隙間、あるいは前記第1のパネル顎部および前記第2のパネル顎部と前記第1の抜け阻止顎部および前記第2の抜け阻止顎部との間に形成される第2の隙間、前記第1の隙間あるいは前記第2の隙間に差し込まれ、充填されあるいは前記パネル受け体側からねじ込まれて、該第1のパネル顎部および該第2のパネル顎部の動きを抑えるあるいはその動きを狭い範囲に規制する形態であることを特徴とする壁構造である。
<請求項6記載の発明>
請求項4、5いずれか記載の発明の構成において、下地に縦にパネル受け体を固定してなる壁構造であって、下のパネル受け体および下のパネルの上に位置するとともに、上に位置する上のパネル受け体の下に位置し且つ上のパネルが載るパネル載り部、このパネル載り部の後側に立ち上げられた後立ち上り部位、前記パネル載り部の後側に立ち下げられた後立ち下がり部位、前記パネル載り部の前側で前記下のパネルの前に立ち下げられる前立ち下がり部位とからなるとともに、前記後立ち上り部位および前記後立ち下がり部位があるいはいずれか一方が前記パネル受け体とその横隣のパネル受け体の後面にネジ、ビス、熔接などの固定手段により固定されるパネル載体を、前記下パネルと前記上パネルの間に設けてなることを特徴とする壁構造である。
【発明の効果】
【0007】
以上の説明から明らかなように、本発明にあっては次に列挙する効果が得られる。
<請求項1記載の発明の効果>
パネル本体、このパネル本体の一方の側の内面側に突出するように設けられた第1の嵌りレール部、前記パネル本体の他方の側に前記第1の嵌りレール部に対抗する形態で設けられた第2の嵌りレール部、前記第1の嵌りレール部に内向きに突出した形態で設けられた第1のパネル顎部、前記第2の嵌りレール部に内向きに突出した形態で設けられた第2のパネル顎部を備えてなる構造物の壁を形成するパネルと、
差込スライド状態で嵌め込まれた前記パネルを支持するパネル受け体本体、このパネル受け体本体の前部面に開口された前記パネルの前記第1の嵌りレール部およびその隣のパネルである隣のパネルの前記第2の嵌りレール部が、該パネル受け体本体の端方からスライド形態で差し通される嵌りレール通部、この嵌りレール通部を形成する対抗する部位であるとともに、前記パネル受け体本体内に入った前記パネルの前記第1のパネル顎部が前記嵌りレール通部から抜け出すのを阻止する第1の抜け阻止顎部、前記パネル受け体本体内に入った前記隣のパネルの前記第2のパネル顎部が前記嵌りレール通部から抜け出すのを阻止する第2の抜け阻止顎部を備えてなる前記構造物に固定されるパネル受け体とからなることを特徴とする壁形成材であるので、次に述べるような効果を奏する。
(壁の施工)
パネル受け体を縦に構造物に固定しての施工では、1段目のパネル受け体群を所定の間隔で下地に固定し、パネルの第1のパネル顎部と第2のパネル顎部をパネル受け体本体内に上方から次々と差し込んでいって第1段目の壁を形成し、次に2段目のパネル受け体群を所定の間隔で下地に固定し、パネルの第1のパネル顎部と第2のパネル顎部をパネル受け体本体内に上方から次々に差し込んでいって第2段目の壁を形成し、・・・最後に最上段のパネル受け体群を所定の間隔で下地に固定し、パネルの第1のパネル顎部と第2のパネル顎部をパネル受け体本体内に上方から次々に差し込んでいって最後の段の壁を形成して壁を完成させる。
パネル間にパネル載体を設けない壁においては、複数段、全段のパネル受け体群を完成させてから最上段からパネルを次々とスライド下降させて取り付け一気に壁を完成させることも可能である。
この場合、程度はあるがパネル受け体およびパネルは長いものが作業性がよいし、横幅の狭いものであれば、パネル自信の強度も強いものとなり、例えば、厚み1.5mm程度の薄鋼板という軽量鋼板パネル壁に好適であり、このような軽量パネルにおいては、1人から二人の作業員でパネルの取り回し差込が可能とできるものである。
内側への雨水の浸入があっても問題のない壁構造においては、パネル受け体はパネルの長さと同じである必要はなく、離れた複数のパネル受け体でパネルを支持する形態も良いものである。例えば、一枚のパネルを支持する下地である胴縁に数センチ〜20センチ程度の長さのパネル受け体をそれぞれ設け、この複数のパネル受け体で一枚のパネルを支持するようにする、仮設囲いなどがあり、この場合、パネル受け体の材料費を安価にできる。
逆に内側への雨水の浸入を防止する壁構造においては、パネル受け体の長さをパネル同士の隙間から侵入する雨水を受け流す樋として機能する長さ、すなわちパネル受け体同士が突き合わさる長さとし、パネル受け体同士の突き合わせ部位には防水材を充填する、挟みつけるなどする。
また、パネル受け体をパネルが複数枚入る長い物にすることもでき、より施工時間を短縮することを可能とできる。
(効果)
(1)下地に固定したパネル受け体にパネルの第1のパネル顎部と第2のパネル顎部をスライド差して嵌め込むだけの簡単な取り付け作業だけでパネルの取り付けが完了するので、壁の施工時間が短時間である。
(2)構造物内からの取り付け作業が行えるので、外に足場を組む必要がない。
取り付け作業中にパネルが落下しないように、ロープなどの吊り手段で吊った状態で行うのがよく、パネルが軽量であるなら一人の作業者で行うことが可能である。
(3)差込のみによるパネルが保持される構造であるので、パネル顎部がパネル本体を折り曲げて形成したものでは、壁前側にパネル以外のものが無い(ネジ、ビス、固定金具などが無い)、景観性、美観性のよい壁を実現するという効果を奏する。
<請求項2記載の発明の効果>
パネル本体、このパネル本体の一方の側の内面側に突出するように設けられた第1の嵌りレール部、前記パネル本体の他方の側に前記第1の嵌りレール部に対抗する形態で設けられた第2の嵌りレール部、前記第1の嵌りレール部に内向きに突出した形態で設けられた第1のパネル顎部、前記第2の嵌りレール部に内向きに突出した形態で設けられた第2のパネル顎部を備えてなる構造物の壁を形成するパネルと、
差込スライド状態で嵌め込まれた前記パネルを支持するパネル受け体本体、このパネル受け体本体の前部面に開口された前記パネルの前記第1の嵌りレール部およびその隣のパネルである隣のパネルの前記第2の嵌りレール部が、該パネル受け体本体の端方からスライド形態で差し通される嵌りレール通部、この嵌りレール通部を形成する対抗する部位であるとともに、前記パネル受け体本体内に入った前記パネルの前記第1のパネル顎部が前記嵌りレール通部から抜け出すのを阻止する第1の抜け阻止顎部、前記パネル受け体本体内に入った前記隣のパネルの前記第2のパネル顎部が前記嵌りレール通部から抜け出すのを阻止する第2の抜け阻止顎部を備えてなる前記構造物に固定されるパネル受け体と、
前記パネル受け体に差し込まれた前記第1のパネル顎部および前記第2のパネル顎部と前記パネル受け体本体との間に形成される第1の隙間、あるいは前記第1のパネル顎部および前記第2のパネル顎部と前記第1の抜け阻止顎部および前記第2の抜け阻止顎部との間に形成される第2の隙間、前記第1の隙間あるいは前記第2の隙間に差し込まれ、充填されあるいは前記パネル受け体側からねじ込まれて、該第1のパネル顎部および該第2のパネル顎部の動きを抑えるあるいはその動きを狭い範囲に規制するパネル規制体とからなることを特徴とする壁形成材であるので、請求項1記載の発明と同様な効果を奏するとともに次に述べるような効果を奏する。
(1)パネル受け体内に在る第1のパネル顎部および第2のパネル顎部は動かせる隙間の中にあるので、パネルを外側および内側あるいはいずれか一方に傾かせることができるので、湾曲の壁体や多角の壁体を形成することができるとともに、そのような傾きパネル状態としてパネル規制体によって該パネルの動きを抑えるないし規制した壁体を実現するという効果を奏する。
(2)下地が外に膨らむ湾曲下地である場合、パネルは内側に傾けた形態でパネル受け体にセットされるのであるが、この場合のパネル顎部は水平取り付けより内側に位置されて隙間が狭くなるのであるが、差し込み式のパネル規制体は別体であるのでその隙間に合わせた前後幅のパネル規制体とすることで対応できる、充填式のパネル規制体はどのような状態でも対応できる、ネジのねじ込み式はどのような状態でも対応できるという効果を奏する。
差し込み式のパネル規制体は、隙間を埋めるだけの幅のものだけを権利範囲とするものではなく、例えば、一枚の板材からなるパネル規制体をパネル受け体の外からボルトやビスなどを通して、そのボルトやビスなどでパネル規制体をパネル顎に押し付けてパネルを抑える形態なども権利範囲に含むものである。
また、その断面形状も、コの字形態、への字形態、湾曲形態、一の字形態など多様な形態のものを権利範囲に含むものである。
<請求項3記載の発明の効果>
請求項1、2いずれか記載の発明の構成において、構造物に縦に固定されたパネル受け体にパネルが取り付けられる構成において用いるパネル載体であって、下のパネル受け体および下のパネルの上に位置するとともに、上に位置する上のパネル受け体の下に位置し且つ上のパネルが載るパネル載り部、このパネル載り部の後側に立ち上げられた後立ち上り部位、前記パネル載り部の後側に立ち下げられた後立ち下がり部位、前記パネル載り部の前側で前記下のパネルの前に立ち下げられる前立ち下がり部位とからなるとともに、前記後立ち上り部位および前記後立ち下がり部位があるいはいずれか一方が前記パネル受け体とその横隣のパネル受け体の後面にネジ、ビス、熔接などの固定手段により固定されるパネル載体を設けてなることを特徴とする壁形成材であるので、請求項1、2いずれか記載の発明と同様な効果を奏するとともに、次に述べるような効果を奏する。
下のパネルとその上のパネルの間および下のパネル受け体とその上のパネル受け体の間に設けるパネル載体なのであるが、前記後立ち上り部位および前記後立ち下がり部位があるいはいずれか一方が前記パネル受け体とその横隣のパネル受け体の後面にネジ、ビス、熔接などの固定手段により固定されるようにしてなる構成、すなわち、一段ごとのパネル受け体とパネル載体が共同して一枚のパネルを載せてその荷重を受ける構成を実現するものであるので、数十段、数百段のパネル壁を有する数十メートル、数百メートルというような高層構造物の特に軽量壁を堅固な形態で実現するものである。
また、後立ち上り部位と前立ち下がり部位によって、雨が吹き付けても内部に雨水が入るのを阻止する水切りとしても機能するという効果を奏する。
上のパネル載体と下のパネル載体の間に複数のパネルを上下に重ね設けた形態も技術的範疇とするものである。
下地が湾曲している場合は、パネル載体もそれに対応した湾曲形態とするのがよい。
<請求項4記載の発明の効果>
構造物の壁を形成する壁構造であって、
前記構造物の骨組みに設けられた壁材を取り付け保持するための胴縁、間柱などの下地と、この下地に配列固定された多数のパネル受け体と、
このパネル受け体に外れないように係止された多数のパネルとからなり、
前記パネルが、パネル本体、このパネル本体の一方の側の内面側に突出するように設けられた第1の嵌りレール部、前記パネル本体の他方の側に前記第1の嵌りレール部に対抗する形態で設けられた第2の嵌りレール部、前記第1の嵌りレール部に内向きに突出した形態で設けられた第1のパネル顎部、前記第2の嵌りレール部に内向きに突出した形態で設けられた第2のパネル顎部を備えてなる形態であり、
前記パネル受け体が、差込スライド状態で嵌め込まれた前記パネルを支持するパネル受け体本体、このパネル受け体本体の前部面に開口された前記パネルの前記第1の嵌りレール部およびその隣のパネルである隣のパネルの前記第2の嵌りレール部が、該パネル受け体本体の端方からスライド形態で差し通される嵌りレール通部、この嵌りレール通部を形成する対抗する部位であるとともに、前記パネル受け体本体内に入った前記パネルの前記第1のパネル顎部が前記嵌りレール通部から抜け出すのを阻止する第1の抜け阻止顎部、前記パネル受け体本体内に入った前記隣のパネルの前記第2のパネル顎部が前記嵌りレール通部から抜け出すのを阻止する第2の抜け阻止顎部を備えてなる形態であることを特徴とする壁構造であるので、請求項1記載の発明と同様な効果を奏する。
<請求項5記載の発明の効果>
構造物の壁を形成する壁構造であって、
前記構造物の骨組みに設けられた壁材を取り付け保持するための胴縁、間柱などの下地と、
この下地に配列固定された多数のパネル受け体と、
このパネル受け体に外れないように係止された多数のパネルとからなり、
このパネルの動きを抑えるあるいは規制する該パネル受け体に差し込まれてなるパネル規制体とからなり、
前記パネルが、パネル本体、このパネル本体の一方の側の内面側に突出するように設けられた第1の嵌りレール部、前記パネル本体の他方の側に前記第1の嵌りレール部に対抗する形態で設けられた第2の嵌りレール部、前記第1の嵌りレール部に内向きに突出した形態で設けられた第1のパネル顎部、前記第2の嵌りレール部に内向きに突出した形態で設けられた第2のパネル顎部を備えてなる形態であり、
前記パネル受け体が、差込スライド状態で嵌め込まれた前記パネルを支持するパネル受け体本体、このパネル受け体本体の前部面に開口された前記パネルの前記第1の嵌りレール部およびその隣のパネルである隣のパネルの前記第2の嵌りレール部が、該パネル受け体本体の端方からスライド形態で差し通される嵌りレール通部、この嵌りレール通部を形成する対抗する部位であるとともに、前記パネル受け体本体内に入った前記パネルの前記第1のパネル顎部が前記嵌りレール通部から抜け出すのを阻止する第1の抜け阻止顎部、前記パネル受け体本体内に入った前記隣のパネルの前記第2のパネル顎部が前記嵌りレール通部から抜け出すのを阻止する第2の抜け阻止顎部を備えてなる形態であり、
前記パネル規制体が、前記パネル受け体に差し込まれた前記第1のパネル顎部および前記第2のパネル顎部と前記パネル受け体本体との間に形成される第1の隙間、あるいは前記第1のパネル顎部および前記第2のパネル顎部と前記第1の抜け阻止顎部および前記第2の抜け阻止顎部との間に形成される第2の隙間、前記第1の隙間あるいは前記第2の隙間に差し込まれ、充填されあるいは前記パネル受け体側からねじ込まれて、該第1のパネル顎部および該第2のパネル顎部の動きを抑えるあるいはその動きを狭い範囲に規制する形態であることを特徴とする壁構造であるので、請求項2記載の発明と同様な効果を奏する。
<請求項6記載の発明の効果>
請求項4、5いずれか記載の発明の構成において、下地に縦にパネル受け体を固定してなる壁構造であって、下のパネル受け体および下のパネルの上に位置するとともに、上に位置する上のパネル受け体の下に位置し且つ上のパネルが載るパネル載り部、このパネル載り部の後側に立ち上げられた後立ち上り部位、前記パネル載り部の後側に立ち下げられた後立ち下がり部位、前記パネル載り部の前側で前記下のパネルの前に立ち下げられる前立ち下がり部位とからなるとともに、前記後立ち上り部位および前記後立ち下がり部位があるいはいずれか一方が前記パネル受け体とその横隣のパネル受け体の後面にネジ、ビス、熔接などの固定手段により固定されるパネル載体を、前記下パネルと前記上パネルの間に設けてなることを特徴とする壁構造であるので、請求項4記載の発明の効果と同様な効果を奏するとともに、請求項2記載の発明と同様な効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、図面に示す発明を実施するための最良の形態を詳細に説明する。
【0009】
<第1の実施の形態>
図1ないし図4に示す本発明を実施するための最良の第1の実施の形態において1は壁形成材であって、この壁形成材は次に述べるような構成となっている。
パネル本体2、このパネル本体2の一方の側の内面側3に突出するように設けられた第1の嵌りレール部4、前記パネル本体2の他方の側に前記第1の嵌りレール部4に対抗する形態で設けられた第2の嵌りレール部5、前記第1の嵌りレール部4に内向きに突出した形態で設けられた第1のパネル顎部6、前記第2の嵌りレール部5に内向きに突出した形態で設けられた第2のパネル顎部7を備えてなる構造物の壁を形成するパネル8と、
差込スライド状態で嵌め込まれた前記パネル8を支持するパネル受け体本体9、このパネル受け体本体9の前側面に開口された前記パネル8(8a−1)の前記第1の嵌りレール部4およびその隣のパネルである隣のパネル8(8a−2)の前記第2の嵌りレール部5が、該パネル受け体本体9の端方からスライド形態で差し通される嵌りレール通部10、この嵌りレール通部10を形成する対抗する部位であるとともに、前記パネル受け体本体9内に入った前記パネル8(8a−1)の前記第1のパネル顎部6が前記嵌りレール通部10から抜け出すのを阻止する第1の抜け阻止顎部11、前記パネル受け体本体9内に入った前記隣のパネル8(8a−2)の前記第2のパネル顎部7が前記嵌りレール通部10から抜け出すのを阻止する第2の抜け阻止顎部12を備えてなる前記構造物の下地31(図3参照)にビス、ネジ、熔接などの固定手段23により固定される(図では前側からタップされたタップビス)パネル受け体13と、
前記パネル受け体本体9と前記パネル受け体本体9内に入った前記パネル8(8a−1)の前記第1のパネル顎部6および該パネル受け体本体9内に入った前記隣のパネル8(8a−2)の前記第2のパネル顎部7の間に形成される第1の隙間32に差し込まれ、前記パネル受け体本体9内に入った前記パネル8(8a−1)の前記第1のパネル顎部6および前記隣のパネル8(8a−2)の前記第2のパネル顎部7の動きを抑えるあるいはその動きを規制する断面がコの字形態ないしCの字形態のパネル規制体14と、
パネル受け体13が構造物に縦に固定される形態において用いるパネル載体であって、図2、図3の組み立て図に示すように、下のパネル受け体13(13a―1)、その横隣の下のパネル受け体13(13a−2)および下のパネル8(8a―1)の上に位置するとともに、上に位置する上のパネル受け体13(13b−1)と上のパネル受け体13(13b−2)の下に位置し且つ上のパネル8(8b−1)が載るパネル載り部15、このパネル載り部15の後側に立ち上げられた後立ち上り部位16、前記パネル載り部15の後側に立ち下げられた後立ち下がり部位17、前記パネル載り部15の前側で前記下のパネル8(8a−1)の前に立ち下げられる前立ち下がり部位18とからなるとともに、前記後立ち上り部位16および前記後立ち下がり部位17があるいはいずれか一方(図では両方)が前記パネル受け体13とその横隣のパネル受け体13の後部にボルト、ネジ、ビス、熔接などの固定手段19により固定される(図ではタップビス)パネル載体20とからなっている。
パネル載体20の一方の側の前部面には該パネル載体20と略同形状で、パネル載体20同士の突合せの隙間ないし向かい合いの隙間から雨水の浸入を防止するためのジョイント部21が一部(図では半分ほど)を熔接、ネジ止め、接着などにより、パネル本体20との接合部分から雨水が浸入しないように耐候性の充填材22(接着剤や粘着剤を含む)による水浸入処理が施されて、一部(図では半分ほど)を突出させて隣のパネル載体20に被さるように設けられている。
隣のパネル載体に被さる部位は、被せる際にパネル載体20との間にシリコン製などの耐候性の充填材22(接着剤、粘着剤を含む)を塗布して、雨水が浸入しないように接合部分を完全に塞ぐ。
これにより、雨水の内側への浸入は完全に防ぐことを実現するとともに、パネル8(8b−1)とパネル8(8a−2)との間の隙間からの雨水の浸入は、全て断面がコの字形状のパネル受け体13の樋機能にそれ以上の浸入が阻止され、パネル受け体13の内壁を樋とにして伝わって下降してパネル載体20により外に流出される。
パネル載体20のセットは、図2、図3に示すようにパネル受け体13の中央でつき合わせるように設ける取り付け形態に限定されるものではなく、パネル8の適宜な部位で突合せとなる取り付け形態もよいものである。組立図を示す図3ではパネル載体20を図示せず省略している。
パネル8の長さはパネル受け体13と同じとする必要はなく、パネル載体20の前立ち下がり部位18でパネル8の上部は覆われるので、ジョイント部21の厚みの分だけ短くするないしそれより短くしてもよい。
(壁の施工)
パネル受け体13を1段目のパネル受け体13群を所定の間隔で下地31に固定し、パネル8の第1のパネル顎部5と隣のパネル8の第2のパネル顎部7をパネル受け体本体9内に上方から次々と差し込んでいって第1段目の壁を形成し、第1段目の壁の上に一段目のパネル載体20群を後立ち下がり部位17を1段目のパネル受け体13の上方にタップビスで固定セットし、次に2段目のパネル受け体13群を所定の間隔で下地31に固定するとともに一段目のパネル載体20の後立ち上り部位16を2段目のパネル受け体13の下方にタップビスで固定し、パネル8の第1のパネル顎部と隣のパネルの第2のパネル顎部7をパネル受け体本体2内に上方から次々に差し込んでいって第2段目の壁を形成し、・・・最後に最上段のパネル受け体群を所定の間隔で下地に固定し、パネルの第1のパネル顎部と第2のパネル顎部をパネル受け体本体内に上方から次々に差し込んでいって最後の段の壁を形成して壁を完成させる。
パネル載体20は後立ち下がり部17を設けていることによって、パネル受け体13に載せ該パネル受け体13の後面上方に後立ち下がり部位17をタップビスなどで固定するので、その上段のパネル受け体13の取り付け作業が大変行いやすいという効果を奏する。
【0010】
パネル受け体本体9後面には固定手段23(図ではタップビス)を通すためのビス通し孔25と、パネル規制体14を押し抑えるボルト26をボルトをねじ込むネジ孔27と、パネル載体20を固定するためのタップビスを切り込むためのビス切り込み孔29が設けられている。
パネル載体20の後立ち上り部位16と後立ち下がり部位17には、ビス切り込み孔29に切り込まれる固定手段19であるタップビスを通すためのビス通し孔28(ビス切り込み孔29と重なる)が設けられている。ボルト26をタップビスとし、ボルトをねじ込むネジ孔27をビス切り込み孔とするのがよい。
また、ボルト26をタップビスとし、固定手段23をタップビスとし、同じタップビスとするのが、作業性がよい。
現場での作業性と位置合わせなどの正確性のために、構造物の下地31にはパネル受け体13を固定するための固定手段23が切りねじ込まれるビス切り込み孔を予め設けておくのが良いことは言うまでもない。
(発明を実施するための異なる形態)
次に、本発明を実施するための異なる形態について説明する。なお、これら本発明を実施するための異なる形態の説明に当たって、前記した実施の形態と同一構成部分には同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0011】
<第2の実施の形態>
図5ないし図7に示す本発明を実施するための最良の第2の実施の形態おいて、35は構造物であって、この構造物35は3本の煙突36と、その3本の煙突36の周りにくみ上げられた骨組37と、この骨組み37の外周を囲うように多数段に設けられた円形態の下地39群と、この下地39の外側を覆うように形成された囲い壁38とからなっていて、高さ略25m、直径略8mの天板を有する円筒構造となっている。
囲い壁38の壁構造は次に述べるようになっている。
パネル30は、厚み1.2mm、幅334mm、高さ3010mmとしている。
パネル受け体13は、厚み1.6mm、高さ3010mmとしている。
パネル規制体14は、厚み1.6mm、高さ3010mmとしている。
パネル載体20は、幅334mm、前立ち下がり部位18の立下り80mm、後立ち上り部位16の立ち上がり80mm、後立ち下がり部位18の立下り50mmとしている。
(1)骨組み37の外周には円形胴縁形態の下地39が所定の上下間隔(1段に4本)で設けられ、最下部に水切り42がセットされ、
(2)下地39に1段目のパネル受け体13群が前側から下地39に向けてタップビス止め(図では固定手段23)により固定され、1段目のパネル受け体13群に1段目のパネル30群が上から差し込まれてセットされ、
(3)1段目のパネル載体20群および1段目のパネル30群の上に1段目のパネル載体群20がセットされ、
(4)前記(2)、(3)を繰り返して8段のパネル群からなる囲い壁38を形成している。
(5)最上部は煙突の開口を露出させてなる天井板(図示せず)を設け、縁に笠木46を設ける。
正面の3段目と7段目に明り取り窓47、48を形成している。
パネル載体2は、下地39の円周に対応して円周を形成する一部である湾曲形態となっている。
【0012】
<第3の実施の形態>
図8に示す本発明を実施するための最良の第3の実施の形態において、パネル載体の他の実施の形態を示している。
図8(a)においてパネル載体40は、パネル載体20とその基本構造を同じにして異なる点は、前立ち下がり部位18の真上のパネル載り部15上にパネル8の下部が外に動くのを阻止する突起41を設け、後立ち上り部位16と後立ち下がり部位17の後面に幅2mm程度で深さ0.5mm程度の溝88、88、88を設けてなる点にあって、パネル載体40は幅334mm、前立ち下がり部位18の立下り80mm、後立ち上り部位16の立ち上がり80mm、後立ち下がり部位18の立下り50mmとしている。
溝88はタップビスを該溝上の88のパネル受け体13の後面に対応する好みの部位に切りねじ込むための、位置決めであるとともに切りねじ込みをスムーズに行えるようにするためのものである。
パネル載体40同士を連結し且つ突合せないし突き向かいの隙間に雨水が浸入するのを防止して、完全防水の壁構造を実現するためのジョイント部89は、パネル載体40の側面と同形状の該側面より少し大きめの該パネル載体40が挿入できるパネル載体挿入孔90を有してなる構成となっている。
パネル載体挿入孔90とパネル載体40の間に形成される隙間を完全に埋めるための充填材を塗布あるいは充填した状態で挿入連結する。
ジョイント部89の後面にも溝88、88、88が設けられているが、ジョイント部89がパネル受け体13に被さり位置しなければならないというわけではない。むしろ、パネル受け体13から外れたパネル8の中程にジョイント部89を位置させた連結形態が良い場合もある。
パネル載体40、ジョイント部89は押出しあるいは抜出し成形によるアルミニウム製のものがよい。
パネル載体40の後面に溝88を設けた構成においては、パネル受け体13側にねじ切り孔などを設けることなく、タップビスをねじ込むことが容易であるので、パネル受け体13側の加工工程を減らすし、低コスト化を実現する。
図8(b)においてパネル載体43は、パネル載体20とその基本構造を同じにして異なる点は、パネル載り部15上部にパネル8の下部が嵌って前後に動くのを阻止するパネル下部嵌り溝44を設け、パネル載り部15下部にパネル8の上部が嵌って前後に動くのを阻止するパネル上部嵌り溝45を設けてなる点にあって、パネル載体43は幅334mm、前立ち下がり部位18の立下り80mm、後立ち上り部位16の立ち上がり80mm、後立ち下がり部位18の立下り50mmとしている。
パネルの形態や設置条件などによってパネル載体40、パネル載体43、パネル載体20のいずれを使用するか選択することができる。
【0013】
図9に示す本発明を実施するための最良の第4の実施の形態において、パネルの他の実施の形態を示している。
第1の実施の形態のパネル8と主に異なる点は、板材からなるパネル本体50と、該パネル本体50とは別部材で形成した、第1の嵌りレール部4と第1のパネル顎部6を有するレール部材51と、第2の嵌りレール部5と第2のパネル顎部7を有するレール部材52とからなり、パネル本体50にレール部材51とレール部材52とを固定してなるパネル53を形成した点にある。
レール部材51とレール部材52の固定は図のようにネジに限られず接着など多様な固定形態があり、その固定位置は両端に限らず、パネル本体50の端より内側とするのもよい。
パネル本体50の材質はステンレス、アルミニウムなどの金属製部材、木製、合成樹脂性部材、セラミックス製部材やそれらの組み合わせなど多様な材質、あるいは材質の組み合わせによるものが可能である。
【0014】
図10に示す本発明を実施するための最良の第5の実施の形態において、パネルの他の実施の形態を示している。
第1の実施の形態のパネル8と主に異なる点は、パネル本体2の内側に断熱と消音機能を兼ねた断熱消音部材55を設けたパネル56を形成した点にある。
【0015】
図11に示す本発明を実施するための最良の第6の実施の形態において、パネル規制体の他の実施の形態を示している。
第1の実施の形態のパネル規制体14と主に異なる点は、第1の嵌りレール部4と第2の嵌りレール部5との間に形成される隙間に差し込まれるレール隙間差し込み部58を設け、このレール隙間差し込み部58の先端でパネル8(8a−1)のパネル本体2と隣のパネル8(8a−2)のパネル本体2の前に該両パネル本体2の一部に被さるように位置されたパネル規制体部位59を設けてなるパネル規制体60を形成した点にある。
【0016】
図12に示す本発明を実施するための最良の第7の実施の形態において、パネルの他の実施の形態を示している。
第1の実施の形態のパネル8と主に異なる点は、パネル本体を波形パネル形態あるいは筋パネル形態としたパネル本体62とし、第1の嵌りレール部4、第2の嵌りレール部5を湾曲形態としてなるパネル63を形成した点にある。
パネル本体に該パネル本体を補強する縦、横、斜め、円弧、何らかの模様などのスリットを設ける形態とするのも良い。
【0017】
図13に示す本発明を実施するための最良の第8の実施の形態において65は壁形成材であって、この壁形成材65の前記第1の実施の形態と主に異なる点は、パネル規制体を湾曲板部材からなるパネル規制体66とした点にある。
パネル規制体66は第1の隙間32より前後幅が多く取られていて、前後から抑えられるとその湾曲状態を平板側に簡単に広げられる形態の例えば薄い金属製部材や合成樹脂性部材などからなっていて、第1のパネル顎部6および第2のパネル顎部7をその弾性反発力で第1の抜け阻止顎部1および第2の抜け阻止顎部12に付勢押し付けて抑えるようになっている。
これにより、風圧で押し付けられるパネルの動きを緩衝するとともに、パネル規制体66もガタツクことがなく、擦れたりぶつかり合ったりしての騒音が生じないように抑制できる。
また、コの字形のパネル規制体より、材料量が少なく、成形も容易であり、平板を重ねたと略同じ重ね体積となるので運送費も軽減でき、パネル受け体13も薄くでき、全体として低コストを実現するという効果を奏するものである。
あるいはパネル規制体66は、湾曲形態が前後から抑えても変形しない頑丈な構造となっているものもよい。この場合、パネル規制体66の前後幅は第1のパネル顎部6および第2のパネル顎部7とパネル受け体13の間に形成される第1の隙間32にスムーズに入り且つできるだけ該第1の隙間32を埋めてガタツキが小さいないし微細に規制される前後幅とするのがよい。具体的には残りの隙間が0.2mm〜1.0mm程度(好ましくは:0.2mm〜0.5mm)とするのがよい。
このような湾曲形態が前後から抑えても変形しない頑丈な構造としても、コの字形のパネル規制体より、材料量が少なく、成形も容易であり、平板を重ねての運送となるので運送費も軽減でき、パネル受け体13も薄くでき、全体として低コストを実現するという効果を奏するものである。
【0018】
図14に示す本発明を実施するための最良の第9の実施の形態において69は壁形成材であって、この壁形成材69の前記第1の実施の形態と主に異なる点は、パネル規制体を一枚の簡単に湾曲させながらパネル受け体に差し込むことができるパネル規制体70にした点にある。
パネル規制体70はその左右幅がパネル受け体13の左右内幅より長く形成された一枚の平板形態であって、パネル受け体13に左右を抑えられてツッパリ湾曲状態で該パネル受け体13に簡単に差し込み進行させることができる例えば薄い金属製部材や合成樹脂性部材からなっていて、第1のパネル顎部6および第2のパネル顎部7をその湾曲前面で第1の抜け阻止顎部1および第2の抜け阻止顎部12を押さえる、あるいは、0.2mm〜1.0mm程度(好ましくは:0.2mm〜0.5mm)の隙間を空けてのように押し付けるようになっている。
これにより、風圧で押し付けられるパネルの動きを抑えるとともに、ガタツキが小さいないし微細に規制されたものとできるとともに、コの字形のパネル規制体より、材料量が少なく、成形も容易であり、平板を重ねての運送となるので運送費も軽減でき、パネル受け体13も薄くでき、全体として低コストを実現するという効果を奏するものである。
【0019】
図15に示す本発明を実施するための最良の第10の実施の形態において72は壁形成材であって、この壁形成材72の前記第1の実施の形態と主に異なる点は、パネル規制体を使用しない構成とし、第1の嵌りレール部4および第2の嵌りレール部5を湾曲形状とし、パネル本体8の上部と下部に後に直角に折り曲げて形成した上下縁を補強するリブ73を形成し、パネル受け体13の構成をパネル受け体本体9と第1の抜け阻止顎部11および第2の抜け阻止顎部12との間の隙間を第1のパネル顎部6および第2のパネル顎部7がぎりぎりスムーズに差し込むことができる隙間幅とした点にある。
第1のパネル顎部6および第2のパネル顎部7を内側に湾曲させた形状にして、パネル8をある程度内側や外側に回すことを可能として、パネルのある程度の傾きを可能とするのもよい。
リブ73は前向きに折り設けたものもよい。
【0020】
図16に示す本発明を実施するための最良の第11の実施の形態において75は壁形成材であって、この壁形成材75の前記第1の実施の形態と主に異なる点は、パネル規制体を一枚の平板部材からなるパネル規制体76とし、パネル受け体13のネジ孔27に螺合したボルト26によってパネル規制体76押しさらに該パネル規制体76で第1のパネル顎部6、第2のパネル顎部7を押して、第1のパネル顎部6および第2のパネル顎部7を第1の抜け阻止顎部11および第2の抜け阻止顎部12に押し付け状態にする構成にした点にある。
このような構成とすることにより、完全に第1のパネル顎部6および第2のパネル顎部7を抑えた壁構造を実現するとともに、パネル規制体76が平板部材であるから低コスト、低運送費を実現する。
また、パネルを傾かせてからパネル規制体76をボルト26で抑えるので、パネルを傾かせた壁の形成をパネル規制体76をボルト26を変えることなく多様なパネルの傾きに対応可能とするものである。
【0021】
図17に示す本発明を実施するための最良の第12の実施の形態において78は壁形成材であって、この壁形成材78の前記第1の実施の形態と主に異なる点は、パネル規制体を2本のL形棒部材からなるパネル規制体79とした点にある。
パネル規制体79、79は第1のパネル顎部6および第2のパネル顎部7と第1の抜け阻止顎部11および第2の抜け阻止顎部12との間に差し込まれて、その第2の隙間33を埋めてパネル8(パネル8a−1)の第1のパネル顎部6および隣のパネル8(パネル8a−2)の第2のパネル顎部7の動きを抑えるあるいはその動きを狭い範囲に規制するように機能する。
【0022】
図18に示す本発明を実施するための最良の第13の実施の形態において81は壁形成材であって、この壁形成材81の前記第1の実施の形態と主に異なる点は、パネル規制体を発泡樹脂製部材の充填材からなるパネル規制体82とした点にある。
パネル規制体82は第1のパネル顎部6および第2のパネル顎部7と第1の抜け阻止顎部11および第2の抜け阻止顎部12との間に充填され、その第2の隙間33の全部をあるいは一部を略完全に埋めてパネル8(パネル8a−1)の第1のパネル顎部6および隣のパネル8(パネル8a−2)の第2のパネル顎部7の動きを弾性的に抑え規制するように機能する。
充填方法は、パネルより長いか略同等の長さの充填ノズルで、2箇所から4箇所程度を部分的(数センチ〜十数センチ)に埋める形態とするのが低コストにできる。
また、長いノズルに所定量を充填して、充填位置にノズル先端を位置させて、圧縮エアーや押し出しシリンダーで充填材をノズルから排出して充填するのがよい。
トコロテン押し出しポンプのような手動ポンプで行うのが、充填材の無駄も生じることなく装置も安価であり低コストに行うことができる。
【0023】
図19に示す本発明を実施するための最良の第14の実施の形態において85は壁形成材であって、この壁形成材85の前記第1の実施の形態と主に異なる点は、パネル規制体14を使用することなく、ビス、タップビス、ボルトなどのねじ込み部材をパネル規制体として使用したもので、該ねじ込み部材(パネル規制体)によって第1のパネル顎部6および第2のパネル顎部7を抑え規制する構成とした点にある。
具体的には、パネル載体20をパネル受け体13に固定するビス、タップビスあるいはボルトなどからなるねじ込み部材である固定手段19(パネル規制体)によって次のように規制する。
<第1の規制形態>固定手段19の先端が第1のパネル顎部6と第2のパネル顎部7に当接して該第1のパネル顎部6と第2のパネル顎部7を第1の抜け阻止顎部11と第2の抜け阻止顎部12に当接させる。
<第2の規制形態>固定手段19の先端が第1のパネル顎部6と第2のパネル顎部7を押して、該第1のパネル顎部6と第2のパネル顎部7を第1の抜け阻止顎部11と第2の抜け阻止顎部12に押し付ける(第1のパネル顎部6、第2のパネル顎部7が固定手段19により第1の抜け阻止顎部11と第2の抜け阻止顎部12強く押し付けられ押し凹まされたり、曲げられたりする形態を含む)。
<第3の規制形態>固定手段19の先端と第1の抜け阻止顎部11および第2の抜け阻止顎部12の間の狭い隙間で第1のパネル顎部6と第2のパネル顎部7の動きを狭い範囲に規制する。
<第4の規制形態>固定手段19が先端に切削刃の付いたタップビスであって、第1のパネル顎部6と第2のパネル顎部7にネジが切り込まれた状態で規制する。
固定手段19は最低、上下2箇所ずつ4本使用する。パネルが数mと長い物である場合は、中央2箇所の6本の固定手段19の使用で済む。
パネル規制体14を用いないで、パネル載体20をもともと固定するための固定手段19を第1のパネル顎部6と第2のパネル顎部7を規制するパネル規制体としての役割を持たせたものであり、パネル受け体に差し込む形態のパネル規制体の不使用とパネル受け体13の前後幅の短縮とによる低コスト化を実現するとともに作業工程の効率化を実現する。
また、パネルの傾き設定にも固定手段19を帰ることなく柔軟に対応できる。好ましくは、固定手段23、固定手段19を同じ太さと長さのビス、ボルトあるいはタップビスとするのが、作業性と経済性の点から良い。
【0024】
パネル載体20を設けない壁形成においては、中央に2箇所の2本、上下に2箇所ずつの4本あるいは上下中央に2箇所ずつの6本の固定手段19による、パネル8の規制(第1のパネル顎部6と第2のパネル顎部7の規制)とするのがよい。
【0025】
パネル載体20を固定する箇所とは中央などの別箇所に、固定手段19をねじ込む形態もよい。
パネル受けに差し込むパネル規制体14を用いないで、数本のネジ部材(パネル規制体)によってパネルを規制できるので、パネル受け体に差し込む形態のパネル規制体の不使用とパネル受け体13の前後幅の短縮とによる低コスト化を実現するとともに作業工程の効率化を実現する。
【0026】
[付記]
<付記1記載の発明の効果>
パネル本体、このパネル本体の一方の側の内面側に突出するように設けられた第1の嵌りレール部、前記パネル本体の他方の側に前記第1の嵌りレール部に対抗する形態で設けられた第2の嵌りレール部、前記第1の嵌りレール部に内向きに突出した形態で設けられた第1のパネル顎部、前記第2の嵌りレール部に内向きに突出した形態で設けられた第2のパネル顎部を備えてなる構造物の壁を形成するパネルと、
差込スライド状態で嵌め込まれた前記パネルを支持するパネル受け体本体、このパネル受け体本体の前部面に開口された前記パネルの前記第1の嵌りレール部およびその隣のパネルである隣のパネルの前記第2の嵌りレール部が、該パネル受け体本体の端方からスライド形態で差し通される嵌りレール通部、この嵌りレール通部を形成する対抗する部位であるとともに、前記パネル受け体本体内に入った前記パネルの前記第1のパネル顎部が前記嵌りレール通部から抜け出すのを阻止する第1の抜け阻止顎部、前記パネル受け体本体内に入った前記隣のパネルの前記第2のパネル顎部が前記嵌りレール通部から抜け出すのを阻止する第2の抜け阻止顎部を備えてなる前記構造物に固定されるパネル受け体と、
パネル受け体の後側から前記第1のパネル顎部と前記第2のパネル顎部に向けてねじ込まれて、該第1のパネル顎部と該第2のパネル顎部を第1の抜け阻止顎部と第2の抜け阻止顎部に押し付け規制し、当接規制し、あるいは該第1のパネル顎部6と該第2のパネル顎部7の動きを狭い範囲に規制するビス、タップビス、ボルトなどのねじ込み部材からなるパネル規制体とからなることを特徴とする壁形成材であるので、次に述べるような効果を奏する。
(壁の施工)
パネル受け体を縦に構造物に固定しての施工では、1段目のパネル受け体群を所定の間隔で下地に固定し、パネルの第1のパネル顎部と第2のパネル顎部をパネル受け体本体内に上方から次々と差し込んでいって第1段目の壁を形成し、次に2段目のパネル受け体群を所定の間隔で下地に固定し、パネルの第1のパネル顎部と第2のパネル顎部をパネル受け体本体内に上方から次々に差し込んでいって第2段目の壁を形成し、・・・最後に最上段のパネル受け体群を所定の間隔で下地に固定し、パネルの第1のパネル顎部と第2のパネル顎部をパネル受け体本体内に上方から次々に差し込んでいって最後の段の壁を形成して壁を完成させる。
そのさい、パネルをパネル受け体にセットするごとに、段の全てのあるいは一部のパネルをセットして、あるは数段ないし全段のパネルのセットが完了したら、パネル規制体(ビス、タップビス、ボルトなどのねじ込み部材)をねじ込み、パネル規制体の先端で第1のパネル顎部と第2のパネル顎部を押し第1の抜け阻止顎部と第2の抜け阻止顎部に押し付け規制し、当接規制し、あるいは動きを狭い範囲に規制する。
パネル間に水切りなどのパネル載体やパネル受けを設けない壁構造においては、複数段、全段のパネル受け体群を完成させてから最上段からパネルを次々とスライド下降させ取り付け、パネル規制体(ビス、タップビス、ボルトなどのねじ込み部材)をねじ込み、第1のパネル顎部と第2のパネル顎部を第1の抜け阻止顎部と第2の抜け阻止顎部に押し付け規制し、当接規制し、あるいは動きを狭い範囲に規制して、一気に壁を完成させることも可能である。
この場合、程度はあるがパネル受け体およびパネルは長いものが作業性がよいし、横幅の狭いものであれば、パネル自信の強度も強いものとなり、例えば、厚み1.5mm程度の薄鋼板という軽量鋼板パネル壁に好適であり、このような軽量パネルにおいては、1人から二人の作業員でパネルの取り回し差込が可能とできるものである。
パネル受け体はパネルの長さと同じである必要はなく、離れた複数のパネル受け体でパネルを支持する形態も良いものである。例えば、一枚のパネルを支持する下地である胴縁に数センチ〜20センチ程度の長さのパネル受け体をそれぞれ設け、この複数のパネル受け体で一枚のパネルを支持するようにする、仮設囲いなどがあり、この場合、パネル受け体の材料費を安価にできる。
また、パネル受け体をパネルが複数枚入る長い物にすることもでき、より施工時間を短縮することを可能とできる。
(効果)
(1)下地に固定したパネル受け体にパネルの第1のパネル顎部と第2のパネル顎部をスライド差して嵌め込むだけの簡単な取り付け作業だけでパネルの取り付けが完了するので、壁の施工時間が短時間である。
(2)構造物内からの取り付け作業が行えるので、外に足場を組む必要がない。
取り付け作業中にパネルが落下しないように、ロープなどの吊り手段で吊った状態で行うのがよく、パネルが軽量であるなら一人ないし二人の作業者で行うことが可能である。
(3)差込のみによるパネルが保持される構造であるので、パネル顎部がパネル本体を折り曲げて形成したものでは、壁前側にネジ、ビス、固定金具などのパネル以外のものが無い、景観性、美観性のよい壁を実現するという効果を奏する。
(4)パネル規制体がビス、タップビス、ボルトなどのねじ込み部材であるので、中央に2箇所の2本、上下に2箇所ずつの4本あるいは上下中央に2箇所ずつの6本のパネル規制体による、パネルの規制(第1のパネル顎部と第2のパネル顎部の規制)形態とする、多くの場合は2本〜6本のパネル規制体とそれの切り込みでよいので、低コストと作業の効率化を実現するという効果を奏する。
<付記2記載の発明の効果>
付記1いずれか記載の発明の構成において、構造物に縦に固定されたパネル受け体にパネルが取り付けられる構成において用いるパネル載体であって、下のパネル受け体および下のパネルの上に位置するとともに、上に位置する上のパネル受け体の下に位置し且つ上のパネルが載るパネル載り部、このパネル載り部の後側に立ち上げられた後立ち上り部位、前記パネル載り部の後側に立ち下げられた後立ち下がり部位、前記パネル載り部の前側で前記下のパネルの前に立ち下げられる前立ち下がり部位とからなるとともに、前記後立ち上り部位および前記後立ち下がり部位があるいはいずれか一方が前記パネル受け体とその横隣のパネル受け体の後面にネジ、ビス、タップビス、熔接などの固定手段により固定されるパネル載体を設けてなることを特徴とする壁形成材であるので、付記1、2いずれか記載の発明と同様な効果を奏するとともに、次に述べるような効果を奏する。
下のパネルとその上のパネルの間および下のパネル受け体とその上のパネル受け体の間に設けるパネル載体なのであるが、前記後立ち上り部位および前記後立ち下がり部位があるいはいずれか一方が前記パネル受け体とその横隣のパネル受け体の後面にネジ、ビス、タップビス、熔接などの固定手段により固定されるようにしてなる構成、すなわち、一段ごとのパネル受け体とパネル載体が共同して一枚のパネルを載せてその荷重を受ける構成を実現するものであるので、数十段、数百段のパネル壁を有する数十メートル、数百メートルというような高層構造物の特に軽量壁を堅固な形態で実現するものである。
また、後立ち上り部位と前立ち下がり部位によって、雨が吹き付けても内部に雨水が入るのを阻止する水切りとしても機能するという効果を奏する。
上のパネル載体と下のパネル載体の間に複数のパネルを上下に重ね設けた形態も技術的範疇とするものである。
<付記3記載の発明の効果>
付記2記載の発明の構成において、パネル載体をパネル受け体に固定するためのものがネジ、ビス、タップビスなどのねじ込み部材であり、このねじ込み部材がパネル規制体であることを特徴とする壁形成材であるので、付記2記載の発明の効果と同様な効果を奏するとともに、次に述べるような効果を奏する。
パネル載体を固定するネジ、ビス、タップビスなどのねじ込み部材が、パネルを規制(第1のパネル顎部と第2のパネル顎部を規制)するパネル規制体を兼ねるので、ねじ込み部材の使用量を減らしての低コスト化と、ねじ込み部材のねじ込み作業数を減らすことによる作業の効率化、軽減化を実現するという効果を奏する。
<付記4記載の発明の効果>
構造物の壁を形成する壁構造であって、
前記構造物の骨組みに設けられた壁材を取り付け保持するための胴縁、間柱などの下地と、この下地に配列固定された多数のパネル受け体と、
このパネル受け体に外れないように係止された多数のパネルと、
このパネルの動きを前記パネル受け体内で規制するパネル規制体とからなり、
前記パネルが、パネル本体、このパネル本体の一方の側の内面側に突出するように設けられた第1の嵌りレール部、前記パネル本体の他方の側に前記第1の嵌りレール部に対抗する形態で設けられた第2の嵌りレール部、前記第1の嵌りレール部に内向きに突出した形態で設けられた第1のパネル顎部、前記第2の嵌りレール部に内向きに突出した形態で設けられた第2のパネル顎部を備えてなる形態であり、
前記パネル受け体が、差込スライド状態で嵌め込まれた前記パネルを支持するパネル受け体本体、このパネル受け体本体の前部面に開口された前記パネルの前記第1の嵌りレール部およびその隣のパネルである隣のパネルの前記第2の嵌りレール部が、該パネル受け体本体の端方からスライド形態で差し通される嵌りレール通部、この嵌りレール通部を形成する対抗する部位であるとともに、前記パネル受け体本体内に入った前記パネルの前記第1のパネル顎部が前記嵌りレール通部から抜け出すのを阻止する第1の抜け阻止顎部、前記パネル受け体本体内に入った前記隣のパネルの前記第2のパネル顎部が前記嵌りレール通部から抜け出すのを阻止する第2の抜け阻止顎部を備えてなる形態であり、
前記パネル規制体が、前記パネル受け体の後側から前記第1のパネル顎部と前記第2のパネル顎部に向けてねじ込まれて、該第1のパネル顎部と該第2のパネル顎部を第1の抜け阻止顎部と第2の抜け阻止顎部に押し付け規制し、当接規制し、あるいは該第1のパネル顎部6と該第2のパネル顎部7の動きを狭い範囲に規制するビス、タップビス、ボルトなどのねじ込み部材からなることを特徴とする壁構造であるので、付記1記載の発明と同様な効果を奏する。
<付記5記載の発明の効果>
付記4記載の発明の構成において、下地に縦にパネル受け体を固定してなる壁構造であって、下のパネル受け体および下のパネルの上に位置するとともに、上に位置する上のパネル受け体の下に位置し且つ上のパネルが載るパネル載り部、このパネル載り部の後側に立ち上げられた後立ち上り部位、前記パネル載り部の後側に立ち下げられた後立ち下がり部位、前記パネル載り部の前側で前記下のパネルの前に立ち下げられる前立ち下がり部位とからなるとともに、前記後立ち上り部位および前記後立ち下がり部位があるいはいずれか一方が前記パネル受け体とその横隣のパネル受け体の後面にネジ、ビス、タップビス、熔接などの固定手段により固定されるパネル載体を、前記下パネルと前記上パネルの間に設けてなることを特徴とする壁構造であるので、付記2記載の発明と同様な効果を奏する。
<付記6記載の発明の効果>
付記5記載の発明の構成において、パネル載体をパネル受け体に固定するためのものがネジ、ビス、タップビスなどのねじ込み部材であり、このねじ込み部材がパネル規制体であることを特徴とする壁形成材であるので、付記3記載の発明の効果と同様な効果を奏する。
【産業上の利用可能性】
【0027】
本発明は構造物や壁材を製造する産業で利用される。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明を実施するための最良の第1の実施の形態を示す組立分解斜視図。
【図2】本発明を実施するための最良の第1の実施の形態を示す組立手順斜視図。
【図3】本発明を実施するための最良の第1の実施の形態を示すジョイント部を省略した組立斜視図。
【図4】本発明を実施するための最良の第1の実施の形態の部分拡大斜視図。
【図5】本発明を実施するための最良の第2の実施の形態を示す正面図。
【図6】本発明を実施するための最良の第2の実施の形態を示す天板および笠木を取除いた状態の平面図。
【図7】本発明を実施するための最良の第2の実施の形態のパネル受け体とパネルの連結部位を示す平面図。
【図8】本発明を実施するための最良の第3の実施の形態の斜視図。
【図9】本発明を実施するための最良の第4の実施の形態の斜視図。
【図10】本発明を実施するための最良の第5の実施の形態を示す斜視図。
【図11】本発明を実施するための最良の第6の実施の形態の部分拡大斜視図。
【図12】本発明を実施するための最良の第7の実施の形態を示す斜視図。
【図13】本発明を実施するための最良の第8の実施の形態のパネル受け体とパネルの連結部位を示す平面図。
【図14】本発明を実施するための最良の第9の実施の形態のパネル受け体とパネルの連結部位を示す平面図。
【図15】本発明を実施するための最良の第10の実施の形態のパネル受け体とパネルの連結部位を示す平面図。
【図16】本発明を実施するための最良の第11の実施の形態のパネル受け体とパネルの連結部位を示す平面図。
【図17】本発明を実施するための最良の第12の実施の形態のパネル受け体とパネルの連結部位を示す平面図。
【図18】本発明を実施するための最良の第13の実施の形態のパネル受け体とパネルの連結部位を示す平面図。
【図19】本発明を実施するための最良の第14の実施の形態のパネル受け体とパネルの連結部位を示す平面図。
【符号の説明】
【0029】
1:壁形成材、
2:パネル本体、
3:内面側、
4:第1の嵌りレール部、
5:第2の嵌りレール部、
6:第1のパネル顎部、
7:第2のパネル顎部、
8:パネル、
9:パネル受け体本体、
10:嵌りレール通部、
11:第1の抜け阻止顎部、
12:第2の抜け阻止顎部、
13:パネル受け体、
14:パネル規制体、
15:パネル載り部、
16:後立ち上り部位、
17:後立ち下がり部位、
18:前立ち下がり部位、
19:固定手段、
20:パネル載体、
21:ジョイント部、
22:充填剤、
23:固定手段、
25:ビス通し孔、
26:ボルト、
27:ネジ孔、
28:ビス通し孔、
29:ビス切り込み孔、
31:下地、
32:第1の隙間、
33:第2の隙間、
35:構造物、
36:煙突、
37:骨組み、
38:囲い壁、
39:下地、
40:パネル載体、
41:突起41、
42:水切り、
43:パネル載体、
44:パネル下部嵌り溝、
45:パネル上部嵌り溝、
46:笠木、
47:明り取り窓、
48:明り取り窓、
50:パネル本体50、
51:レール部材、
52:レール部材、
53:パネル、
55:断熱消音部材、
56:パネル、
58:レール隙間差し込み部、
59:パネル規制体部位、
60:パネル規制体、
62:パネル本体、
63:パネル、
65:壁形成材、
66:パネル規制体、
69:壁形成材、
70:パネル規制体、
72:壁形成材、
73:リブ、
75:壁形成材、
76:パネル規制体、
78:壁形成材、
79:パネル規制体、
81:壁形成材、
82:パネル規制体、
85:壁形成材、
88:溝、
89:ジョイント部、
90:パネル載体挿入孔。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パネル本体、このパネル本体の一方の側の内面側に突出するように設けられた第1の嵌りレール部、前記パネル本体の他方の側に前記第1の嵌りレール部に対抗する形態で設けられた第2の嵌りレール部、前記第1の嵌りレール部に内向きに突出した形態で設けられた第1のパネル顎部、前記第2の嵌りレール部に内向きに突出した形態で設けられた第2のパネル顎部を備えてなる構造物の壁を形成するパネルと、
差込スライド状態で嵌め込まれた前記パネルを支持するパネル受け体本体、このパネル受け体本体の前部面に開口された前記パネルの前記第1の嵌りレール部およびその隣のパネルである隣のパネルの前記第2の嵌りレール部が、該パネル受け体本体の端方からスライド形態で差し通される嵌りレール通部、この嵌りレール通部を形成する対抗する部位であるとともに、前記パネル受け体本体内に入った前記パネルの前記第1のパネル顎部が前記嵌りレール通部から抜け出すのを阻止する第1の抜け阻止顎部、前記パネル受け体本体内に入った前記隣のパネルの前記第2のパネル顎部が前記嵌りレール通部から抜け出すのを阻止する第2の抜け阻止顎部を備えてなる前記構造物に固定されるパネル受け体とからなることを特徴とする壁形成材。
【請求項2】
パネル本体、このパネル本体の一方の側の内面側に突出するように設けられた第1の嵌りレール部、前記パネル本体の他方の側に前記第1の嵌りレール部に対抗する形態で設けられた第2の嵌りレール部、前記第1の嵌りレール部に内向きに突出した形態で設けられた第1のパネル顎部、前記第2の嵌りレール部に内向きに突出した形態で設けられた第2のパネル顎部を備えてなる構造物の壁を形成するパネルと、
差込スライド状態で嵌め込まれた前記パネルを支持するパネル受け体本体、このパネル受け体本体の前部面に開口された前記パネルの前記第1の嵌りレール部およびその隣のパネルである隣のパネルの前記第2の嵌りレール部が、該パネル受け体本体の端方からスライド形態で差し通される嵌りレール通部、この嵌りレール通部を形成する対抗する部位であるとともに、前記パネル受け体本体内に入った前記パネルの前記第1のパネル顎部が前記嵌りレール通部から抜け出すのを阻止する第1の抜け阻止顎部、前記パネル受け体本体内に入った前記隣のパネルの前記第2のパネル顎部が前記嵌りレール通部から抜け出すのを阻止する第2の抜け阻止顎部を備えてなる前記構造物に固定されるパネル受け体と、
前記パネル受け体に差し込まれた前記第1のパネル顎部および前記第2のパネル顎部と前記パネル受け体本体との間に形成される第1の隙間、あるいは前記第1のパネル顎部および前記第2のパネル顎部と前記第1の抜け阻止顎部および前記第2の抜け阻止顎部との間に形成される第2の隙間、前記第1の隙間あるいは前記第2の隙間に差し込まれ、充填されあるいは前記パネル受け体側からねじ込まれて、該第1のパネル顎部および該第2のパネル顎部の動きを抑えるあるいはその動きを狭い範囲に規制するパネル規制体とからなることを特徴とする壁形成材。
【請求項3】
構造物に縦に固定されたパネル受け体にパネルが取り付けられる構成において用いるパネル載体であって、下のパネル受け体および下のパネルの上に位置するとともに、上に位置する上のパネル受け体の下に位置し且つ上のパネルが載るパネル載り部、このパネル載り部の後側に立ち上げられた後立ち上り部位、前記パネル載り部の後側に立ち下げられた後立ち下がり部位、前記パネル載り部の前側で前記下のパネルの前に立ち下げられる前立ち下がり部位とからなるとともに、前記後立ち上り部位および前記後立ち下がり部位があるいはいずれか一方が前記パネル受け体とその横隣のパネル受け体の後面にネジ、ビス、熔接などの固定手段により固定されるパネル載体を設けてなることを特徴とする請求項1、2いずれか記載の壁形成材。
【請求項4】
構造物の壁を形成する壁構造であって、
前記構造物の骨組みに設けられた壁材を取り付け保持するための胴縁、間柱などの下地と、
この下地に配列固定された多数のパネル受け体と、
このパネル受け体に外れないように係止された多数のパネルとからなり、
前記パネルが、パネル本体、このパネル本体の一方の側の内面側に突出するように設けられた第1の嵌りレール部、前記パネル本体の他方の側に前記第1の嵌りレール部に対抗する形態で設けられた第2の嵌りレール部、前記第1の嵌りレール部に内向きに突出した形態で設けられた第1のパネル顎部、前記第2の嵌りレール部に内向きに突出した形態で設けられた第2のパネル顎部を備えてなる形態であり、
前記パネル受け体が、差込スライド状態で嵌め込まれた前記パネルを支持するパネル受け体本体、このパネル受け体本体の前部面に開口された前記パネルの前記第1の嵌りレール部およびその隣のパネルである隣のパネルの前記第2の嵌りレール部が、該パネル受け体本体の端方からスライド形態で差し通される嵌りレール通部、この嵌りレール通部を形成する対抗する部位であるとともに、前記パネル受け体本体内に入った前記パネルの前記第1のパネル顎部が前記嵌りレール通部から抜け出すのを阻止する第1の抜け阻止顎部、前記パネル受け体本体内に入った前記隣のパネルの前記第2のパネル顎部が前記嵌りレール通部から抜け出すのを阻止する第2の抜け阻止顎部を備えてなる形態であることを特徴とする壁構造。
【請求項5】
構造物の壁を形成する壁構造であって、
前記構造物の骨組みに設けられた壁材を取り付け保持するための胴縁、間柱などの下地と、
この下地に配列固定された多数のパネル受け体と、
このパネル受け体に外れないように係止された多数のパネルとからなり、
このパネルの動きを抑えるあるいは規制する該パネル受け体に差し込まれてなるパネル規制体とからなり、
前記パネルが、パネル本体、このパネル本体の一方の側の内面側に突出するように設けられた第1の嵌りレール部、前記パネル本体の他方の側に前記第1の嵌りレール部に対抗する形態で設けられた第2の嵌りレール部、前記第1の嵌りレール部に内向きに突出した形態で設けられた第1のパネル顎部、前記第2の嵌りレール部に内向きに突出した形態で設けられた第2のパネル顎部を備えてなる形態であり、
前記パネル受け体が、差込スライド状態で嵌め込まれた前記パネルを支持するパネル受け体本体、このパネル受け体本体の前部面に開口された前記パネルの前記第1の嵌りレール部およびその隣のパネルである隣のパネルの前記第2の嵌りレール部が、該パネル受け体本体の端方からスライド形態で差し通される嵌りレール通部、この嵌りレール通部を形成する対抗する部位であるとともに、前記パネル受け体本体内に入った前記パネルの前記第1のパネル顎部が前記嵌りレール通部から抜け出すのを阻止する第1の抜け阻止顎部、前記パネル受け体本体内に入った前記隣のパネルの前記第2のパネル顎部が前記嵌りレール通部から抜け出すのを阻止する第2の抜け阻止顎部を備えてなる形態であり、
前記パネル規制体が、前記パネル受け体に差し込まれた前記第1のパネル顎部および前記第2のパネル顎部と前記パネル受け体本体との間に形成される第1の隙間、あるいは前記第1のパネル顎部および前記第2のパネル顎部と前記第1の抜け阻止顎部および前記第2の抜け阻止顎部との間に形成される第2の隙間、前記第1の隙間あるいは前記第2の隙間に差し込まれ、充填されあるいは前記パネル受け体側からねじ込まれて、該第1のパネル顎部および該第2のパネル顎部の動きを抑えるあるいはその動きを狭い範囲に規制する形態であることを特徴とする壁構造。
【請求項6】
下地に縦にパネル受け体を固定してなる壁構造であって、下のパネル受け体および下のパネルの上に位置するとともに、上に位置する上のパネル受け体の下に位置し且つ上のパネルが載るパネル載り部、このパネル載り部の後側に立ち上げられた後立ち上り部位、前記パネル載り部の後側に立ち下げられた後立ち下がり部位、前記パネル載り部の前側で前記下のパネルの前に立ち下げられる前立ち下がり部位とからなるとともに、前記後立ち上り部位および前記後立ち下がり部位があるいはいずれか一方が前記パネル受け体とその横隣のパネル受け体の後面にネジ、ビス、熔接などの固定手段により固定されるパネル載体を、前記下パネルと前記上パネルの間に設けてなることを特徴とする請求項4、5いずれか記載の壁構造。
【請求項1】
パネル本体、このパネル本体の一方の側の内面側に突出するように設けられた第1の嵌りレール部、前記パネル本体の他方の側に前記第1の嵌りレール部に対抗する形態で設けられた第2の嵌りレール部、前記第1の嵌りレール部に内向きに突出した形態で設けられた第1のパネル顎部、前記第2の嵌りレール部に内向きに突出した形態で設けられた第2のパネル顎部を備えてなる構造物の壁を形成するパネルと、
差込スライド状態で嵌め込まれた前記パネルを支持するパネル受け体本体、このパネル受け体本体の前部面に開口された前記パネルの前記第1の嵌りレール部およびその隣のパネルである隣のパネルの前記第2の嵌りレール部が、該パネル受け体本体の端方からスライド形態で差し通される嵌りレール通部、この嵌りレール通部を形成する対抗する部位であるとともに、前記パネル受け体本体内に入った前記パネルの前記第1のパネル顎部が前記嵌りレール通部から抜け出すのを阻止する第1の抜け阻止顎部、前記パネル受け体本体内に入った前記隣のパネルの前記第2のパネル顎部が前記嵌りレール通部から抜け出すのを阻止する第2の抜け阻止顎部を備えてなる前記構造物に固定されるパネル受け体とからなることを特徴とする壁形成材。
【請求項2】
パネル本体、このパネル本体の一方の側の内面側に突出するように設けられた第1の嵌りレール部、前記パネル本体の他方の側に前記第1の嵌りレール部に対抗する形態で設けられた第2の嵌りレール部、前記第1の嵌りレール部に内向きに突出した形態で設けられた第1のパネル顎部、前記第2の嵌りレール部に内向きに突出した形態で設けられた第2のパネル顎部を備えてなる構造物の壁を形成するパネルと、
差込スライド状態で嵌め込まれた前記パネルを支持するパネル受け体本体、このパネル受け体本体の前部面に開口された前記パネルの前記第1の嵌りレール部およびその隣のパネルである隣のパネルの前記第2の嵌りレール部が、該パネル受け体本体の端方からスライド形態で差し通される嵌りレール通部、この嵌りレール通部を形成する対抗する部位であるとともに、前記パネル受け体本体内に入った前記パネルの前記第1のパネル顎部が前記嵌りレール通部から抜け出すのを阻止する第1の抜け阻止顎部、前記パネル受け体本体内に入った前記隣のパネルの前記第2のパネル顎部が前記嵌りレール通部から抜け出すのを阻止する第2の抜け阻止顎部を備えてなる前記構造物に固定されるパネル受け体と、
前記パネル受け体に差し込まれた前記第1のパネル顎部および前記第2のパネル顎部と前記パネル受け体本体との間に形成される第1の隙間、あるいは前記第1のパネル顎部および前記第2のパネル顎部と前記第1の抜け阻止顎部および前記第2の抜け阻止顎部との間に形成される第2の隙間、前記第1の隙間あるいは前記第2の隙間に差し込まれ、充填されあるいは前記パネル受け体側からねじ込まれて、該第1のパネル顎部および該第2のパネル顎部の動きを抑えるあるいはその動きを狭い範囲に規制するパネル規制体とからなることを特徴とする壁形成材。
【請求項3】
構造物に縦に固定されたパネル受け体にパネルが取り付けられる構成において用いるパネル載体であって、下のパネル受け体および下のパネルの上に位置するとともに、上に位置する上のパネル受け体の下に位置し且つ上のパネルが載るパネル載り部、このパネル載り部の後側に立ち上げられた後立ち上り部位、前記パネル載り部の後側に立ち下げられた後立ち下がり部位、前記パネル載り部の前側で前記下のパネルの前に立ち下げられる前立ち下がり部位とからなるとともに、前記後立ち上り部位および前記後立ち下がり部位があるいはいずれか一方が前記パネル受け体とその横隣のパネル受け体の後面にネジ、ビス、熔接などの固定手段により固定されるパネル載体を設けてなることを特徴とする請求項1、2いずれか記載の壁形成材。
【請求項4】
構造物の壁を形成する壁構造であって、
前記構造物の骨組みに設けられた壁材を取り付け保持するための胴縁、間柱などの下地と、
この下地に配列固定された多数のパネル受け体と、
このパネル受け体に外れないように係止された多数のパネルとからなり、
前記パネルが、パネル本体、このパネル本体の一方の側の内面側に突出するように設けられた第1の嵌りレール部、前記パネル本体の他方の側に前記第1の嵌りレール部に対抗する形態で設けられた第2の嵌りレール部、前記第1の嵌りレール部に内向きに突出した形態で設けられた第1のパネル顎部、前記第2の嵌りレール部に内向きに突出した形態で設けられた第2のパネル顎部を備えてなる形態であり、
前記パネル受け体が、差込スライド状態で嵌め込まれた前記パネルを支持するパネル受け体本体、このパネル受け体本体の前部面に開口された前記パネルの前記第1の嵌りレール部およびその隣のパネルである隣のパネルの前記第2の嵌りレール部が、該パネル受け体本体の端方からスライド形態で差し通される嵌りレール通部、この嵌りレール通部を形成する対抗する部位であるとともに、前記パネル受け体本体内に入った前記パネルの前記第1のパネル顎部が前記嵌りレール通部から抜け出すのを阻止する第1の抜け阻止顎部、前記パネル受け体本体内に入った前記隣のパネルの前記第2のパネル顎部が前記嵌りレール通部から抜け出すのを阻止する第2の抜け阻止顎部を備えてなる形態であることを特徴とする壁構造。
【請求項5】
構造物の壁を形成する壁構造であって、
前記構造物の骨組みに設けられた壁材を取り付け保持するための胴縁、間柱などの下地と、
この下地に配列固定された多数のパネル受け体と、
このパネル受け体に外れないように係止された多数のパネルとからなり、
このパネルの動きを抑えるあるいは規制する該パネル受け体に差し込まれてなるパネル規制体とからなり、
前記パネルが、パネル本体、このパネル本体の一方の側の内面側に突出するように設けられた第1の嵌りレール部、前記パネル本体の他方の側に前記第1の嵌りレール部に対抗する形態で設けられた第2の嵌りレール部、前記第1の嵌りレール部に内向きに突出した形態で設けられた第1のパネル顎部、前記第2の嵌りレール部に内向きに突出した形態で設けられた第2のパネル顎部を備えてなる形態であり、
前記パネル受け体が、差込スライド状態で嵌め込まれた前記パネルを支持するパネル受け体本体、このパネル受け体本体の前部面に開口された前記パネルの前記第1の嵌りレール部およびその隣のパネルである隣のパネルの前記第2の嵌りレール部が、該パネル受け体本体の端方からスライド形態で差し通される嵌りレール通部、この嵌りレール通部を形成する対抗する部位であるとともに、前記パネル受け体本体内に入った前記パネルの前記第1のパネル顎部が前記嵌りレール通部から抜け出すのを阻止する第1の抜け阻止顎部、前記パネル受け体本体内に入った前記隣のパネルの前記第2のパネル顎部が前記嵌りレール通部から抜け出すのを阻止する第2の抜け阻止顎部を備えてなる形態であり、
前記パネル規制体が、前記パネル受け体に差し込まれた前記第1のパネル顎部および前記第2のパネル顎部と前記パネル受け体本体との間に形成される第1の隙間、あるいは前記第1のパネル顎部および前記第2のパネル顎部と前記第1の抜け阻止顎部および前記第2の抜け阻止顎部との間に形成される第2の隙間、前記第1の隙間あるいは前記第2の隙間に差し込まれ、充填されあるいは前記パネル受け体側からねじ込まれて、該第1のパネル顎部および該第2のパネル顎部の動きを抑えるあるいはその動きを狭い範囲に規制する形態であることを特徴とする壁構造。
【請求項6】
下地に縦にパネル受け体を固定してなる壁構造であって、下のパネル受け体および下のパネルの上に位置するとともに、上に位置する上のパネル受け体の下に位置し且つ上のパネルが載るパネル載り部、このパネル載り部の後側に立ち上げられた後立ち上り部位、前記パネル載り部の後側に立ち下げられた後立ち下がり部位、前記パネル載り部の前側で前記下のパネルの前に立ち下げられる前立ち下がり部位とからなるとともに、前記後立ち上り部位および前記後立ち下がり部位があるいはいずれか一方が前記パネル受け体とその横隣のパネル受け体の後面にネジ、ビス、熔接などの固定手段により固定されるパネル載体を、前記下パネルと前記上パネルの間に設けてなることを特徴とする請求項4、5いずれか記載の壁構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2010−47921(P2010−47921A)
【公開日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−211127(P2008−211127)
【出願日】平成20年8月19日(2008.8.19)
【出願人】(000212599)
【出願人】(595010345)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年8月19日(2008.8.19)
【出願人】(000212599)
【出願人】(595010345)
【Fターム(参考)】
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