説明

壁掛け水槽

【課題】水槽内部の水の水質の低下が少なく、水槽が傾くことによる内部の水の漏出が少ない構造の壁掛け水槽を提供すること。
【解決手段】
水槽本体と、前記水槽本体の一方の外部側面、前記水槽本体の外部底面および前記水槽本体の他方の外部側面を通る流路を有する濾過槽と、を備え、
前記水槽本体の一方の外部側面上部に設置された、前記水槽本体から前記濾過槽に対する排水手段と、前記濾過槽内部に設置された濾過手段と、前記水槽本体の他方の外部側面上部に設置された、前記濾過槽から前記水槽本体に対する注水手段と、を備えたことを特徴とする、壁掛け水槽。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、壁面に設置することができる壁掛け水槽に関する。
【背景技術】
【0002】
金魚や熱帯魚等の観賞魚を飼育する水槽として近年壁掛け水槽が提案されている。この壁掛け水槽は室内の壁に沿って配置できることから、従来の据え置き型水槽と比較して室内の空間を有効に利用することができる。
また壁掛け水槽は壁に沿って自由に設置することができるため、室内の高い位置にも容易に設置することができるから、従来の据え置き型水槽と比較して室内にある他の家具類に妨げられることなく観賞魚を観察して楽しむことができる。
この様な壁掛け水槽として、水槽内部に酸素を放出する機能を有する石を入れておく壁掛け水槽が提案されている(特許文献1)。この壁掛け水槽であれば水槽内部に外部から酸素を供給する必要がないため、壁掛け水槽の維持管理が比較的容易であるとされる。
しかしながら水槽内部に酸素を放出する機能を有する石を入れておく壁掛け水槽の場合、水槽内部の水や海水が循環しないため壁掛け水槽内部の水や海水の水質が容易に低下する問題があった。この問題は飼育する観賞魚が大きくなると顕著になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−103716号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
壁掛け水槽内部の水の水質の低下を防止するため、従来の据え置き型水槽の場合と同様に濾過装置や空気供給装置を用いて、壁掛け水槽内部の水を浄化したり空気を供給したりすることも考えられる。
しかしながら濾過装置や空気供給装置を別途準備し、壁掛け水槽の内部の水を空間を隔てた外部から濾過を行い、壁掛け水槽の内部に外部から空気を供給した場合、例えば濾過装置や空気供給装置が予期せず移動したり落下したりした場合には、濾過装置に連結された配管や壁掛け水槽に空気を送るための空気供給ホース等により壁掛け水槽の一部に大きな張力が加わる。この張力が原因となって、梃子の原理により壁掛け水槽の固定治具が破損する等して壁掛け水槽が傾く場合があった。
万が一壁掛け水槽が傾くと、壁掛け水槽内部の水が室内に漏れ出すことになる。室内に漏れ出した水が室内の家電製品等と接触するとこれらの家電製品等を故障させる問題が発生するばかりか、壁掛け水槽を共同住宅の階上で使用していた場合、階下の他の居住者に対して漏水による深刻なトラブルを引き起こす可能性もある。
【0005】
本発明の目的は、水槽内部の水質の低下が少なく、水槽が傾くことによる内部の水の漏出事故の少ない構造の壁掛け水槽を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため本発明者が鋭意検討した結果、水槽本体の外部両側面および外部底面を通る流路を有する濾過槽を備えた壁掛け水槽が本発明の目的に適うことを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち本発明は、
[1]水槽本体と、
前記水槽本体の一方の外部側面、前記水槽本体の外部底面および前記水槽本体の他方の外部側面を通る流路を有する濾過槽と、を備え、
前記水槽本体の一方の外部側面上部に設置された、前記水槽本体から前記濾過槽に対する排水手段と、
前記濾過槽内部に設置された濾過手段と、
前記水槽本体の他方の外部側面上部に設置された、前記濾過槽から前記水槽本体に対する注水手段と、
を備えたことを特徴とする、壁掛け水槽を提供するものである。
【0008】
また本発明は、
[2]前記水槽本体および前記濾過槽の少なくとも一方の内部に、加温手段および空気供給手段の少なくとも一方を備えた、上記[1]に記載の壁掛け水槽を提供するものである。
【0009】
また本発明は、
[3]前記濾過槽を外部から覆う額体を備えた、上記[1]または[2]に記載の壁掛け水槽を提供するものである。
【0010】
また本発明は、
[4]水槽本体と、
前記水槽本体の一方の外部側面、前記水槽本体の外部底面および前記水槽本体の他方の外部側面を通る流路を有する濾過槽と、
を備えた壁掛け水槽の水質浄化方法であって、
前記水槽本体の内部水を、前記水槽本体の一方の側面上部から前記濾過槽に排水することにより、前記濾過槽に前記内部水を送るステップと、
前記濾過槽に送られた前記内部水を、前記濾過槽内部に設置された濾過材と接触させることにより、濾過水を得るステップと、
前記濾過材と接触させて得られた濾過水を、前記水槽本体の他方の外部側面上部から前記水槽本体に注水することにより、前記水槽本体に前記濾過水を送るステップと、
を少なくとも有することを特徴とする、壁掛け水槽の水質浄化方法を提供するものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明の壁掛け水槽は、水槽本体の外部両側面および外部底面を通る流路を有する濾過槽を備えるものである。
このため壁掛け水槽とは別に独立した濾過装置や空気供給装置を設けた従来の壁掛け水槽とは異なり、濾過装置や空気供給装置と壁掛け水槽との間に配管や空気供給ホース等を連結する必要もなく、外部の濾過装置や空気供給装置が予期せず動いたり落下したりする問題が生じない。このため壁掛け水槽の固定治具の破損等により壁掛け水槽が傾くことによる漏水事故を防止することができる。
【0012】
また本発明の壁掛け水槽は、壁掛け水槽とは別に独立した濾過装置や空気供給装置を設置する必要がないことから、壁に対する設置位置が濾過装置や空気供給装置等の設置位置に左右されることがなく、壁に対して壁掛け水槽を所望の位置に設置することができる。
【0013】
また本発明の壁掛け水槽は、濾過槽が水槽本体の外部両側面および外部底面にバランスよく設置されているため、壁掛け水槽の一端に重量が集中することを避けることができる。これにより壁掛け水槽が傾くことによる漏水事故を防止することができる。
【0014】
また本発明の壁掛け水槽は、内部の水を循環させることのできる構造を有することから、壁掛け水槽の内部の水が滞留することによる水槽本体内部の水質悪化を防止することができる。
【0015】
また本発明の壁掛け水槽は、水槽本体内部の水を水槽本体から取り出し、濾過槽により濾過した後に水槽本体に戻すことができるから、水槽本体内部の水を清浄な状態に保つことができる。
【0016】
また本発明の壁掛け水槽は、加温手段や空気供給手段を有することから、観賞魚に適した飼育環境を提供することができる。
【0017】
また本発明の壁掛け水槽は、濾過槽を外部から覆う不透明の額体等により、外部から本発明の壁掛け水槽を正面から観察したときには水槽本体と水槽本体の周囲に設置された額体を観ることはできるが、濾過槽を直接観ることができない。このため濾過槽の存在を観察者に意識させることがないことから室内の他の家具や装飾品との親和性に優れる。このため室内壁に対する壁掛け水槽の設置の自由度が広がる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の壁掛け水槽を例示した模式正面図である。
【図2】実施例1に使用される排水手段を説明するための部分模式斜視図である。
【図3】蓋体の設置状況を説明するための模式要部斜視図である。
【図4】実施例1の壁掛け水槽を壁に設置した状態を説明するための模式正面図である。
【図5】実施例2の壁掛け水槽を説明するための模式正面図である。
【図6】実施例3の壁掛け水槽を説明するための正面図である。
【図7】実施例4の壁掛け水槽を説明するための正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に本発明の実施形態について、図面を参照しつつ実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
【実施例1】
【0020】
図1は本発明の壁掛け水槽を例示した模式正面図である。
実施例1の壁掛け水槽は水槽本体100と濾過槽200とを備えるものである。
水槽本体100および濾過槽200を形成する素材については通常水槽に使用されているものであれば特に限定はないが、例えば、強化ガラス等の無機透明材料、アクリル板等の有機透明材料等が挙げられる。実施例1の場合では水槽本体100および濾過槽200を形成する素材として透明のアクリル板が使用されている。
【0021】
前記水槽本体100は、一方の水槽本体側面板101、水槽本体底面板102および他方の水槽本体側面板103ならびに水槽本体正面板104および水槽本体背面板(図示せず)を有している。
前記水槽本体正面板104および水槽本体背面板はそれぞれ一方の水槽本体側面板101、水槽本体底面板102および他方の水槽本体側面板103の側面に接着剤により貼着されている。これにより前記水槽本体100の内部に水を保持することができる構造となっている。
【0022】
また前記水槽本体側面板101、水槽本体底面板102および他方の水槽本体側面板103の外側に濾過槽200が設置されている。
前記濾過槽200は、一方の濾過槽側面板201、濾過槽底面板202および他方の濾過槽側面板203ならびに濾過槽正面板および濾過槽背面板(図示せず)を有している。
前記濾過槽正面板および濾過槽背面板はそれぞれ一方の濾過槽側面板201の側面、濾過槽底面板202の側面および他方の濾過槽側面板203の側面に接着剤により貼着されている。これにより前記濾過槽200も同様に内部に水を保持することができる構造となっている。
【0023】
なお前記水槽本体正面板104および水槽本体背面板はそれぞれ濾過槽正面板および濾過槽背面板を兼用している。これにより、前記水槽本体正面板104は前記水槽本体100の正面および前記濾過槽200の正面を覆っている。また水槽本体背面板(図示せず)は前記水槽本体100の背面および前記濾過槽200の背面を覆っている。
【0024】
また水槽本体100における一方の水槽本体側面板101、水槽本体底面板102および他方の水槽本体側面板103は、前記水槽本体100と前記濾過槽200とを区画する仕切板としての機能を有している。
【0025】
図1における実施例1の壁掛け水槽の大きさは次の通りである。
前記水槽本体100の一方の水槽本体側面板101は縦630mm、奥行き70mmおよび厚み15mmであり、前記水槽本体底面板102は幅1897mm、奥行き70mmおよび厚み10mmである。前記他方の水槽本体側面板103の大きさは前記一方の水槽本体側面板101と同じである。
また前記濾過槽200の一方の濾過槽側面板201は、縦730mm、奥行き70mmおよび厚み10mmであり、前記濾過槽底面板202は、幅1960mm、奥行き70mmおよび厚み10mmである。前記他方の濾過槽側面板203の大きさは前記一方の濾過槽側面板201と同じである。
【0026】
本発明の壁掛け水槽の形状に限定はないが、取扱性や運搬性等を考慮して全体が直方体形状のものが好ましい。
また壁掛け水槽の大きさは、室内配置を考慮して適宜決定することが可能である。
【0027】
図2は実施例1に使用される排水手段を説明するための部分模式斜視図である。
前記水槽本体100における一方の水槽本体側面板101の上部には、前記水槽本体100から前記濾過槽200に対する排水手段として排水孔1が設けられている。前記排水孔1は前記一方の水槽本体側面板101を貫通していて、前記水槽本体100内部の水は前記排水孔1を通して前記濾過槽200に送られる。
前記水槽本体100内部の水位は、前記一方の水槽本体側面板101に対する排水孔1の位置により調節することが可能である。
前記水槽本体100内部の水位を高くする場合には前記一方の水槽本体側面板101に対する排水孔1の位置を高くすればよく、前記水槽本体100内部の水位を低くする場合には前記一方の水槽本体側面板101に対する排水孔1の位置を低くすればよい。
前記排水孔1は、水槽本体100の中に入れられる観賞魚の大きさよりも小さく、また前記濾過槽200への排水を妨げない大きさの範囲で適宜設定することができる。
【0028】
図2では排水手段として、一方の水槽本体側面板101の上部に設けられた円形の排水孔1を例示したが、この排水孔1の形状は、例えば、三角形、四角形、五角形、六角形等の多角形、平行四辺形、楕円形等の形状であってもよい。
また一方の水槽本体側面板101の上部を切断し、網や格子等を設けることによっても排水手段を設けることができる。
【0029】
次に図1に戻り実施例1の壁掛け水槽の水槽本体100および濾過槽200の構造について説明する。
前記濾過槽200は、一方の濾過槽側面板201、一方の水槽本体側面板101、水槽本体底面板102、濾過槽正面板および濾過槽背面板により囲まれる濾過流路301、
濾過槽底面板202、一方の濾過槽側面板201、水槽本体底面板102、濾過槽正面板および濾過槽背面板により囲まれる濾過流路302、
ならびに、他方の水槽本体側面板103、他方の濾過槽側面板203、濾過槽正面板および濾過槽背面板により囲まれる濾過流路303を有する。
【0030】
前記濾過流路301の底面は水槽本体底面板102が兼用されている。前記濾過流路301にある前記水槽本体底面板102には複数の濾過孔2が設けられている。また前記濾過流路301内部にはウールマットからなる濾過材311が充填されている。前記濾過材311は前記水槽本体底面板102に支持されている。また前記濾過流路301内部の水は前記濾過孔2を通って、前記濾過流路302に流れる。
【0031】
次に前記濾過流路302内部にもセラミックリングからなる濾過材312が充填されている。
前記水槽本体100から排水孔1を通って前記濾過流路301に流入した水は、濾過材311により濾過されてから、濾過孔2を通って濾過流路302に流れる。ウールマット等の前記濾過材311により、水槽本体100内部の餌の食べ残しや観賞魚の排泄物等を物理的に除去することができる。この様にまず比較的大きな異物を取り除く物理濾過が実施される。
【0032】
前記濾過材311は濾過流路301の上端からピンセット等の治具により引き出して、新たな濾過材を充填することにより交換することが可能である。このため適宜濾過材311を交換することにより、本発明の壁掛け水槽の内部を清潔な状態に維持することができる。
【0033】
次に濾過された水は再度濾過流路302内部の濾過材312により濾過されてから前記濾過流路303に流れる。濾過材312のセラミックリング等には微生物が付着していて、観賞魚の排泄物から生じたアンモニア等の有害成分を亜硝酸塩等に変えることができる。この様に物理濾過の次に生物濾過が実施されることにより、物理濾過により処理できない有害成分を無害化することができる。
【0034】
次に前記濾過流路303内部には、水槽本体100への注水手段として水中ポンプ10が設置されている。この水中ポンプ10は外部から電力を供給(図示せず)することにより配管11を通って、濾過された水を水槽本体100へ注水することができる。
【0035】
この様に、実施例1の壁掛け水槽内部の水は、水槽本体100、濾過槽200の濾過流路301、302および303を経て前記濾過槽200の濾過材311および312に濾過されてから水槽本体100に戻される。結果として実施例1の壁掛け水槽内部の水は水槽本体100と濾過槽200との間を循環する。これにより水槽本体100には常時濾過された水が注水されているため滞留水が生じにくく、水槽本体100内部を清浄な状態に保つことができる。
【0036】
また前記水中ポンプ10から前記水槽本体100への注水により、前記水中ポンプ10の注水口12から出た濾過水は空気を巻き込みながら前記水槽本体100に落下する。これにより水槽本体100の内部の水に空気を供給することも可能である。
【0037】
また前記水槽本体100および濾過槽200の上部には着脱可能な蓋体400が取り付けられている。前記蓋体400はアクリル製の透明板であり、内部の様子を観察することができる。
【0038】
前記蓋体400は、前記水槽本体正面板104および水槽本体背面板に固定された150mm幅の支持材410により支持されている。
【0039】
また、前記濾過槽200の周囲には厚さ20mmの木製の額体500が設置されている。
【0040】
図3は、前記蓋体400の設置状況を説明するための模式要部斜視図である。
前記蓋体400は着脱可能に設置されていて、通常は前記蓋体400を設置して壁掛け水槽を使用する。これにより室内の埃等が水槽本体100内部に侵入することを防止することができ、また水槽本体100内部の水の蒸発を抑制することができる。
また前記蓋体400にはヒンジ421により開閉可能な餌投入窓420が設置されていて、前記蓋体400を設置したまま、前記水槽本体100に餌を投入することができる。さらに必要に応じて前記餌投入窓420を開放することにより、前記水槽本体100に新鮮な空気を送り込むこともできる。
なお必要に応じて前記蓋体400に貫通孔やスリットを設けることにより、外部の空気を前記水槽本体100内部に導入することもできる。
【0041】
図4は、実施例1の壁掛け水槽を壁に設置した状態を説明するための模式正面図である。
壁20に埋込ボルト510等の固定手段を用いてL字状の金属固定部材520が固定されている。このL字状の金属固定部材520に木ねじ530等の固定手段を用いて額体500を固定することにより、壁掛け水槽が壁20に設置されている。
壁掛け水槽を壁に固定する手段に限定はなく、例えば、壁20に埋込ボルト510等の固定手段を設置しておき、この埋込ボルト510から金属鎖等の懸垂手段を用いて、前記壁掛け水槽を吊り下げる等の手段により実施してもよい。
【実施例2】
【0042】
図5は実施例2の壁掛け水槽を説明するための模式正面図である。
実施例1の壁掛け水槽と比較して、実施例2の壁掛け水槽は、水槽本体100の底部に加熱手段として電熱ヒータ600および前記電熱ヒータ600を制御するための制御手段として電熱ヒータ600に内蔵された熱電対等の検温手段に接続されたサーモスタット601が設けられている点が異なる。
前記電熱ヒータ600およびサーモスタット601には外部から電力が供給されているため(配線図示せず)、水温が一定値以上に上昇した場合には前記検温手段により一定温度を上回ったことを伝える電気信号がサーモスタット601に送られ、前記電熱ヒータ600に対する通電が停止される。これにより水温が下がる。この反対に水温が一定値以下に下降した場合には前記検温手段により一定温度を下回ったことを伝える電気信号がサーモスタット601に送られ、前記電熱ヒータ600に対する通電が再開する。これにより水温が上がる。この制御を行うことにより前記水槽本体100内部の水温を所望の温度に維持することができる。
【実施例3】
【0043】
図6は実施例3の壁掛け水槽を説明するための正面図である。
実施例1の壁掛け水槽と比較して、実施例3の壁掛け水槽は、空気供給手段として、エアーポンプ700、空気供給ホース(図示せず)および空気拡散用中空多孔質ガラス701が設けられている点が異なる。
エアーポンプ700は両面粘着テープにより濾過槽側面板203の上部に貼着されている。前記エアーポンプ700に外部から電力を供給することにより、エアーポンプ700から空気供給ホースを通じて空気拡散用中空多孔質ガラス701の水800に空気を送ることができる。これにより、前記水槽本体100内部に空気を供給することができる。
【実施例4】
【0044】
図7は実施例4の壁掛け水槽を説明するための正面図である。
実施例4の壁掛け水槽は、実施例1の壁掛け水槽と比較して、木製の額体900が前記濾過槽200を外部から覆っている点が異なる。
前記木製の額体900は、それぞれ額体部901、902、903および904に分割さていて、額体部901、902および903は螺子等の固定手段により、前記額体500に固定されている。なお前記木製の額体900の外周部は壁と接触している。
また前記額体部分904は突起部910を前記額体部分901および903にそれぞれ設けられた固定孔920と組み合わせることにより設置することができる。
なお、前記額体部分901および903の下部にも同様に突起部が設けられていて、この突起部が前記額体部分902の固定孔と組み合わされている(図子せず)。
一方、前記額体部分904はスリット930が設けられていて、水槽本体100に対し外部の空気が接触できる構造となっている。
また前記水槽本体100には底部に小石810が敷き詰められ、内部に水800がいれられていて、金魚等の観賞魚を観察することができる。
実施例4の壁掛け水槽は、壁に向かって正面から観察した場合に、 前記木製の額体900が実施例4の壁掛け水槽の外周部を覆っているために、前記濾過槽が見えず、前記水槽本体100の内部が外部から見える構造となっている。
このため実施例4の壁掛け水槽は濾過槽200の存在を観察者に意識させることがないことから室内の他の家具や装飾品との親和性に優れる。このため自由に室内に配置することができるために視認性に優れる。
【符号の説明】
【0045】
1 排水孔
2 濾過孔
10 水中ポンプ
11 配管
12 注水口
20 壁
100 水槽本体
101 一方の水槽本体側面板
102 水槽本体底面板
103 他方の水槽本体側面板
104 水槽本体正面板
105 水槽本体背面板
200 濾過槽
201 一方の濾過槽側面板
202 濾過槽底面板
203 他方の濾過槽側面板
301、302、303 濾過流路
311、312 濾過材
400 蓋体
410 支持材
420 餌投入窓
421 ヒンジ
500 額体
510 埋込ボルト
520 金属固定部材
530 木ねじ
600 電熱ヒータ
601 サーモスタット
700 エアーポンプ
701 空気拡散用中空多孔質ガラス
800 水
810 小石

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水槽本体と、
前記水槽本体の一方の外部側面、前記水槽本体の外部底面および前記水槽本体の他方の外部側面を通る流路を有する濾過槽と、を備え、
前記水槽本体の一方の外部側面上部に設置された、前記水槽本体から前記濾過槽に対する排水手段と、
前記濾過槽内部に設置された濾過手段と、
前記水槽本体の他方の外部側面上部に設置された、前記濾過槽から前記水槽本体に対する注水手段と、
を備えたことを特徴とする、壁掛け水槽。
【請求項2】
前記水槽本体および前記濾過槽の少なくとも一方の内部に、加温手段および酸素供給手段の少なくとも一方を備えた、請求項1に記載の壁掛け水槽。
【請求項3】
前記濾過槽を外部から覆う額体を備えた、請求項1または2に記載の壁掛け水槽。
【請求項4】
水槽本体と、
前記水槽本体の一方の外部側面、前記水槽本体の外部底面および前記水槽本体の他方の外部側面を通る流路を有する濾過槽と、
を備えた壁掛け水槽の水質浄化方法であって、
前記水槽本体の内部水を、前記水槽本体の一方の側面上部から前記濾過槽に排水することにより、前記濾過槽に前記内部水を送るステップと、
前記濾過槽に送られた前記内部水を、前記濾過槽内部に設置された濾過材と接触させることにより、濾過水を得るステップと、
前記濾過材と接触させて得られた濾過水を、前記水槽本体の一方の外部側面上部から前記水槽本体に注水することにより、前記水槽本体に前記濾過水を送るステップと、
を少なくとも有することを特徴とする、壁掛け水槽の水質浄化方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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