説明

壁紙

【課題】 従来のものと比べてさらに多くの機能を付与した紙素材の壁紙を提供する。
【解決手段】 紙素材からなり、純度が99.8%以上のシリカの粉末を含有する壁紙である。シリカの粒子径は0.4μm〜0.6μmであることが望ましく、またシリカの含有率が、紙素材に対して30wt%〜50wt%であることが望ましい。シリカを含有させることで、耐熱性に優れ、また、シリカは熱伝導率が低いため、室内の気温を逃がさない。さらに、シリカが光を反射するため、紙素材が色あせしない。また、シリカの粉末は多孔質で比表面積が大きいことから吸着性が高く、消臭効果、空気を清浄化する効果および抗菌効果を有し、通気性が良好であるため、結露を防止することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、純度の高いシリカ(SiO)の粉末を含有することで種々の機能を付与した壁紙に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、住宅などの壁仕上げに用いられる壁紙に、和紙を始めとする紙素材が用いられている。紙素材の壁紙は、通気性が良好であること、色や柄が豊富なこと、環境にやさしいことなどの特徴を有する。しかし、ビニール壁紙などで一般的な、抗菌性や消臭性などの機能を付与したいわゆる機能性壁紙は、あまり存在しなかった。そこで、文献1および2において、紙にシリカやアルミナなどの粉末を混合したものを含有させまたは塗被させた障子紙や壁紙が提案されている。
【特許文献1】実開平4−7698号公報
【特許文献2】実開平1−110300号公報
【0003】
ここで、文献1の発明は、空気の清浄化という効果を有し、文献2の発明は、遠赤外線を輻射することで人体の健康を増進するという効果を有するものであるが、紙素材以外の壁紙と比較すると、充分な機能が付与されているとはいえなかった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記事情を鑑みたものであり、従来のものと比べてさらに多くの機能を付与した紙素材の壁紙を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のうち請求項1の発明は、紙素材からなり、純度が99.8%以上のシリカの粉末を含有することを特徴とする。
【0006】
また、請求項2の発明は、前記シリカの粒子径が、0.4μm〜0.6μmであることを特徴とする。
【0007】
さらに、請求項3の発明は、前記シリカの含有率が、紙素材に対して30wt%〜50wt%であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、高純度のシリカを含有させることにより、紙素材でありながら耐熱性に優れる。また、シリカは熱伝導率が低いため、夏は室内の冷房の冷気を逃がさず外の熱気を遮断し、冬は室内の暖房の暖気を逃がさず外の冷気を遮断する効果がある。さらに、シリカが光を反射するため、紙素材が色あせしない。また、シリカの粉末は多孔質で比表面積が大きいことから吸着性が高く、消臭効果、空気を清浄化する効果および抗菌効果を有し、通気性が良好であるため、結露を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明の壁紙の具体的な構成について説明する。本発明は、一般的な紙素材からなる壁紙であって、これに粉末状のシリカを含有させたものである。シリカを含有させる方法としては、紙素材が和紙である場合には、紙をすくための水にシリカの粒子を混ぜておき、その水ですくことにより、紙の全体にわたって均等にシリカを含有させることができる。また、紙素材が洋紙である場合には、原料となるパルプにあらかじめシリカを混ぜておく。ここで、含有させるシリカの量は、紙素材に対して30wt%〜50wt%であることが望ましい。
【0010】
また、上記の方法とは別に、紙素材の表面にシリカの粉末を塗布してもよい。この場合、シリカをスプレーで吹き付ける、あるいは刷毛で塗るなど、どのような手段を用いてもよい。
【0011】
本発明において用いられるシリカの粉末は、純度が99.8%以上であり、その粒子径が0.4μm〜0.6μmであることが望ましい。以下の表1に、その組成の分析結果を示す。なお、これはあくまでも組成の一例であり、シリカの純度が99.8%以上のものであれば、それ以外の成分は異なっていてもよい。
【表1】

【0012】
本発明の壁紙は、上記のとおり99.8%以上という高純度のシリカを含有していることから、紙素材でありながら耐熱性に優れる。また、シリカは熱伝導率が低いため、本壁紙を施工した壁は断熱性が高められる。よって、夏は室内の冷房の冷気を逃がさず、外の熱気を遮断し、冬は室内の暖房の暖気を逃がさず、外の冷気を遮断する効果がある。また、紙素材は光が当たることで色あせしやすいが、本壁紙の場合、含有するシリカが光を反射するため、紙素材が色あせしない。また、シリカの粉末は多孔質で比表面積が大きいことから吸着性が高く、消臭効果、空気を清浄化する効果および抗菌効果を有し、通気性が良好であるため、結露を防止することができる。
【0013】
本発明の壁紙は、通常の紙素材の壁紙とまったく同じように施工することができる。もとより紙素材の壁紙は施工しやすいが、本発明はその施工性を損なわず、新築の建物はもちろん、既存の建物に対しても容易に施工することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
紙素材からなり、純度が99.8%以上のシリカの粉末を含有することを特徴とする壁紙。
【請求項2】
前記シリカの粒子径が、0.4μm〜0.6μmであることを特徴とする請求項1記載の壁紙。
【請求項3】
前記シリカの含有率が、紙素材に対して30wt%〜50wt%であることを特徴とする請求項1または2記載の壁紙。

【公開番号】特開2009−167537(P2009−167537A)
【公開日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−3977(P2008−3977)
【出願日】平成20年1月11日(2008.1.11)
【出願人】(508012563)株式会社丸協 (1)
【Fターム(参考)】