売上伝票処理方法、その方法を用いた装置、およびそのための記憶媒体
【課題】 飲食店で、複数の卓を一つのグループで使用し同一卓番号で受注伝票が作成されている場合でも、保留されている受注データを検索して呼戻しする際、店員操作員の入力操作の簡便化を図ることを可能とする。
【解決手段】 飲食店において、売上伝票処理装置の制御部4は、互いに異なる伝票番号を有する受注伝票の情報である受注データを保留データとして売上保留ファイル13に記憶し、注文の精算又は変更に際しては同一卓番号を有する複数の上記保留データを売上保留ファイル13から呼戻しして順序付けし、編集データ群を形成して編集ファイル14に記憶すると共に、編集データの一つを選択して画面表示部2に画面表示している。画面表示された編集データの前後データを入力部1の次伝票11又は前伝票12の一操作で編集ファイル14から検索し画面表示部2に画面表示できるので、同一卓番号の受注データの検索が簡便となる。
【解決手段】 飲食店において、売上伝票処理装置の制御部4は、互いに異なる伝票番号を有する受注伝票の情報である受注データを保留データとして売上保留ファイル13に記憶し、注文の精算又は変更に際しては同一卓番号を有する複数の上記保留データを売上保留ファイル13から呼戻しして順序付けし、編集データ群を形成して編集ファイル14に記憶すると共に、編集データの一つを選択して画面表示部2に画面表示している。画面表示された編集データの前後データを入力部1の次伝票11又は前伝票12の一操作で編集ファイル14から検索し画面表示部2に画面表示できるので、同一卓番号の受注データの検索が簡便となる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商店、料理店を含む販売店における売上伝票処理に係るものであって、特に、レストランでのキャッシュレジスタまたはPOS(point of sales)端末装置を扱う店員の売上伝票処理操作の簡便化を図ることができる売上伝票処理の方法およびその方法を用いた装置に関するものである。
【0002】
以後の説明で、売上伝票処理装置を扱う店員を店員操作者、店員が顧客から注文を受けた際に顧客に発行する伝票を受注伝票、この受注伝票にある注文情報を受注データ、精算するまで暫定的に記録されている受注データを保留データ、精算された保留データを売上データと、それぞれ呼称するものとする。
【背景技術】
【0003】
従来の売上伝票処理に係る方法としては、レストラン等のPOS端末装置による会計処理において伝票取消しの必要が生じた場合における売上げ伝票取消し処理方法に関するものが、特開平10−302162号公報に開示されている。
【0004】
また、端末装置として、飲食店に配置されて使用され、顧客のオーダーデータが入力され、顧客の支払いに応じた支払い料金データの入力により、対応するオーダーデータの決済処理が行われるキャッシュレジスタ装置が、特開平9−282562号公報に開示されている。
【0005】
これら特許文献による飲食店における売上伝票処理について、図7から図10までを参照して説明する。
【0006】
図7は、例えばキャッシュレジスタまたはPOS端末装置に代表される売上伝票処理装置のブロック構成の一例を示す説明図である。売上伝票処理装置は、通常の情報処理機能を有しており、例えばキーボードのような入力部101、画面表示部102、プリンタ103、CPU(central processor unit)を主体とする制御部104、プログラム等を記憶するソフト記憶部105、受注データ保留記憶部106、および売上データ保持記憶部107を含み、バスで相互接続されている情報処理装置である。
【0007】
図8は、店員が端末(図示されていない)を用いて受注情報を入力し、これをプリンタから出力した受注伝票110の一例を示した説明図である。店員が所持する端末から入力された受注情報は受注データ保留記憶部106に登録され保留データとして記録される。受注データ保留記憶部106に記録される保留データには、図8に示される、伝票番号111、卓番号112、および商品データ113が含まれる。
【0008】
飲食店では、通常、顧客に対する精算の際、店員は、売上伝票処理装置の操作者(オペレータ)となり、顧客の持参した受注伝票110の伝票番号111を用いて入力部101から保留データの呼戻し処理を行い、受注データ保留記憶部106に保留されている受注データ、すなわち保留データを画面表示させて、その内容の一致を確認する。
【0009】
図9は、顧客に対する精算の際の、制御部104の動作手順の一例を示すフローチャートである。
【0010】
制御部104は、入力部101から伝票番号111により「保留呼戻し」の入力を受付け(手順S101)した際に、この伝票番号111を用いて受注データ保留記憶部106内の保留データを検索(手順S102)する。受付けした伝票番号111と一致する保留データが存在(手順S103のYES)する場合、制御部104は、その保留データを呼び出して画面表示部102に画面表示(手順S104)する。
【0011】
店員操作者は、画面表示された商品データ113を、顧客が持参した伝票内容と比較し、一致を確認して、精算の場合には「精算」を入力部101から入力する。
【0012】
制御部104は、「データ一致」(手順S105のYES)により、入力部101から「精算」の入力受付け(手順S106のYES)があった場合、呼び出した保留データから売上の精算を実施して、結果をプリンタ103から出力する精算処理とデータを売上データ保持記憶部107に登録する売上登録処理との所定の処理(手順S107)を行う。
【0013】
上記手順S103が「NO」で入力した伝票番号111が受注データ保留記憶部106内の保留データに見当たらない場合、または、上記手順S105が「NO」で商品データ113が一致しなかった場合、制御部104は、伝票番号111の代わりに卓番号112により次の図10の手順S111からの手順で説明する保留データの呼戻しを行う。すなわち、飲食店内での、同一卓番号に異なるグループの顧客が相席した場合に対しての手順である。
【0014】
また、上記手順S106が「NO」でオーダーの取消し・追加等の変更があった場合、制御部104は、入力部101からの入力に従って、所定のオーダー変更処理(手順S108)ののち、呼び出して変更を加えたデータを受注データ保留記憶部106内に保留データとして記録する。
【0015】
図10は、受注伝票の伝票番号でなく、卓番号で保留データを検索する際の手順の一例を示すフローチャートである。
【0016】
制御部104は、入力部101から卓番号112により「保留呼戻し」の入力を受付け(手順S111)した際に、この卓番号112を用いて受注データ保留記憶部106内の保留データを検索(手順S112)する。受付けした卓番号112と一致する保留データが存在(手順S113のYES)する場合、制御部104は、その保留データを呼戻しして画面表示部102に画面表示(手順S114)する。
【0017】
店員操作者は、画面表示された商品データ113を、顧客が持参した受注伝票と比較し、一致を確認して、精算の場合には「精算」を入力部101から入力する。
【0018】
制御部104は、「データ一致」(手順S115のYES)により、入力部101から「精算」の入力受付け(手順S116のYES)があった場合、呼び出した保留データから売上の精算を実施して、結果をプリンタ103から出力する精算処理とデータを売上データ保持記憶部107に登録する売上登録処理との所定の精算処理(手順S117)を行う。
【0019】
上記手順S113が「NO」で入力した卓番号112が受注データ保留記憶部106内の保留データに見当たらない場合、制御部104は「保留データなし」の所定の警報表示(手順S120)を行う。
【0020】
また、上記手順S115が「NO」で、商品データ113が一致しなかった場合、制御部104は、入力部101から上記手順S111で入力されたと同一卓番号112による「保留呼戻し」入力を受付け(手順S121)し、同一卓番号112を用いて受注データ保留記憶部106内で別伝票番号の保留データを検索(手順S122)して上記手順S113に戻り、これ以降の手順を繰り返す。ここで、受注データ保留記憶部106内で最後まで同一卓番号がない場合は上記手順S113が「NO」であり、警報表示される。
【0021】
また、上記手順S116が「NO」でオーダーの取消し・追加等の変更があった場合、制御部104は、入力部101からの入力に従って、所定のオーダー変更処理(手順S118)ののち、呼び出して変更を加えたデータを受注データ保留記憶部106内に保留データとして記録する。
【0022】
上述したように、POSなどの売上伝票処理装置を操作する店員は、保留されている受注情報を保留データとして表示するため、伝票番号または卓番号等の番号を、キーボードなどを操作して入力しなければならない。ここで画面表示されているデータから、別の売上情報を表示するため、店員操作者は、現在表示中の受注データを精算するか再度保留したのち、対象となる売上情報の伝票番号または卓番号等を入力して保留データを呼戻ししなければならない。
【0023】
特に、上述した例では、元々は違う卓を顧客の要望で一時的にくっつけて同一グループとして運用しており、かつそれぞれの違った卓において、同一卓番号で受注伝票を作成し、受注データを入力したとしても、何らかの注文が既に取られていた場合には、一つのグループにもかかわらず、伝票番号が違うため、別々の受注として対応しなければならない。したがって、受注伝票に取消しまたは追加が生じた場合、それぞれの受注情報に対して、商品の取消し・追加登録、およびその変更データを再度保留操作するなどの必要がある。
【0024】
従って、特に精算の際、同一グループにおける複数の受注伝票それぞれに対する保留データの呼戻しが必要であり、その呼戻しの都度、店員操作者が複数桁の伝票番号または卓番号を例えばキーボードで操作して入力しなければならないという煩雑さを免れることはできない。
【0025】
【特許文献1】特開平10−302162号公報
【特許文献2】特開平9−282562号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0026】
解決しようとする課題は、例えば飲食店で、複数の卓を一つのグループで使用し、同一の卓番号で複数の受注伝票が作成されている場合、精算、または商品の取消し、追加登録などによるデータ変更の際には受注伝票ごとに伝票番号または卓番号の入力操作により保留データを検索して呼戻ししているので、店員操作者の操作の簡便化を図ることができないことである。
【課題を解決するための手段】
【0027】
本発明は、飲食店で、複数の卓を一つのグループで使用し同一卓番号で受注伝票が作成されている場合でも、少なくとも精算のため受注伝票ごとに伝票番号または卓番号により、保留されている受注データである保留データを検索して呼戻しする際、店員操作員の入力操作の簡便化を図ることを目的としている。基本的に、この卓番号は同一グループを意味するので顧客番号に相当する。
【0028】
すなわち、本発明は、販売店の店員が、同一顧客番号に対して保留されている複数の受注伝票に含まれる受注データ、すなわち保留データのそれぞれを呼戻しする際、伝票番号または伝票上の顧客番号を繰返し入力しなければならないという、煩雑さの解消を目的とする。
【0029】
この目的を達成するため、本発明による売上伝票処理は次のような特徴を有している。
【0030】
ここで、受注伝票にある注文情報を示す受注データは、発明の理解を容易にするため、精算するまで暫定的に記録されている受注データを保留データ、また、同一の顧客番号で編集データ群に纏められた保留データを編集データとして区別して呼ぶこととする。すなわち、保留データも編集データも受注データであり、伝票番号が同一のものは内容が同一である。また、精算後の売上データとは内容が異なるので区別される。
【0031】
すなわち、受注伝票には、それぞれに対して異なる伝票番号が付与され、かつ一つの顧客に対して一つの顧客番号が付与されている。また、保留データとして保留されている一つ受注データを呼戻しして画面表示した際、画面表示された受注データに隣接して記録される受注データを一つの操作で指定して画面に切替え表示できる「次伝票」または「前伝票」という前後伝票指定手段を備えている。
【0032】
そこで、伝票処理での最初の手順は、互いに異なる伝票番号を有する前記受注伝票のデータを保留データとして保留ファイルに記憶することである。次いで、少なくとも注文の精算に際して、同一条件を指定された複数の前記保留データを前記保留ファイルから呼戻しして順序付けし、編集データ群にまとめて編集ファイルに形成することを特徴としている。この際、編集データの一つを選択して画面表示している。
【0033】
すなわち、画面表示されているデータの前後のデータは、一つの編集ファイルに編集された同一顧客番号を有する編集データである。従って、画面表示された編集データの前後いずれかのデータを一操作の前後指定により前記編集ファイルから検索して画面表示することにより同類の受注データを単純な操作により呼び出すことができる。
【0034】
また、本発明による売上伝票処理装置の具体的な一つの構成は、入出力部、記憶部、および制御部を有しプログラム制御される通常の情報処理機能を含み、互いに異なる伝票番号を有する受注伝票のデータを保留データとして記憶する売上保留ファイルと、同一条件を指定された複数の前記保留データを編集データ群にまとめて形成する編集ファイルと、画面表示された編集データの前後いずれかのデータを一操作の前後指定入力により画面に呼び出す前後伝票指定手段とを備えている。
【0035】
従って、制御部は、前記保留データを呼戻しして画面表示するに際して、例えば顧客番号のような同一条件を指定された複数の前記保留データを前記保留ファイルから呼戻しして前記編集ファイルに形成し、編集データの一つを選択して画面表示すると共に、前記前後伝票指定手段により画面表示された編集データの前後いずれかのデータを一操作の前後指定により検索して画面表示している。
【発明の効果】
【0036】
本発明の売上伝票処理方法およびその方法を用いた装置は、所望の受注データを検索する際、所望の顧客番号を有する全ての受注伝票に対応する受注データを編集データ群としてまとめて編集し、その一つの編集データを画面表示しているので、その隣接する編集データは例えば同一顧客番号であるというような同一条件の受注データとなる。従って、その画面表示された編集データを「次伝票」または「前伝票」の単純指定により同一顧客番号で編集された編集データ群から編集データを呼び出して画面に切替え表示する際、画面表示された編集データが所望の内容でない場合、装置の操作者は前後の指定という単純操作の繰返しで、また装置は隣接の編集データを取出すという単純制御で、それぞれ短時間に上記編集データ群から所望の受注データを画面に取り出すことができる。すなわち、販売店の店員操作者が同一顧客番号に対して伝票番号または伝票上の顧客番号を番号により繰返し入力しなければならないという煩雑さを解消できるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
販売店の店員操作者(オペレータ)が、同一顧客番号に対する複数の受注伝票に対する情報(受注データ)を呼戻しする際、伝票番号または伝票上の顧客番号を繰返し入力しなければならない煩雑さを解消するという目的を、受注データの一時保留である保留データを呼戻しする際、同一条件を有する複数の保留データを纏め順序付けして編集データ群として編集すると共に編集された中から一つの編集データを画面表示することにより実現した。
【0038】
従って、「次伝票」または「前伝票」の指定が、上記編集データ群内から同一条件により隣接する編集データを呼び出して画面に切替え表示している。
【0039】
すなわち、一つの顧客に一つの顧客番号で複数の受注伝票を発行した場合、編集データ群に並ぶ受注データは同一条件を同一顧客番号として同一顧客の受注データとすることができる。従って、店員操作者は、最初に顧客番号で検索したのち、「次伝票」または「前伝票」の一操作指定により、同一顧客の他の受注伝票に容易に対応できるので、番号による再入力を不要にでき、操作の煩雑さを回避することができる。
【0040】
同一条件として同一精算対象の受注伝票に複数の顧客番号があっても、この複数の顧客番号の全ての受注データを編集データに纏めることにより、処理の一括化が実現できる。
【実施例1】
【0041】
本発明の実施例1について図1を参照して説明する。
【0042】
図1は、本発明による装置における主要構成の実施の一形態を示す説明図である。この実施例1は、飲食店において、一つのグループに対応する一つの卓番号で複数の受注伝票がある場合、その精算または変更に際して、店員操作の売上伝票処理が簡便化され容易にされるものである。すなわち、上述した同一条件は卓番号である。
【0043】
図示される売上伝票処理装置は、入力部1、画面表示部2、プリンタ3、制御部4、プログラム記憶部5、受注データ保留記憶部6、編集ファイル一時記憶部7、売上データ保持記憶部8により構成され、それぞれバスに接続されてプログラムによる制御部4の制御を受けるという通常の情報処理機能を有している。
【0044】
図示されていないが、受注データを保留データとして入力するのは売上伝票処理装置と例えば無線LAN(local area network)を用いて接続される携帯端末であり、注文を受ける店員が所持し操作している。この携帯端末は、入力部、画面表示部、およびプリンタを有し、上述した入力部1、画面表示部2、およびプリンタ3におけると同等の機能を有するものとする。従って、携帯端末からの入力は入力部1からの入力であり、その入力に対応する画面は画面表示部2に、また印刷伝票はプリンタ3から、それぞれ出力されるとみなすことができる。
【0045】
入力部1は、例えばキーボードのボタン、タッチパネル若しくは画面上の画像などの押下若しくはタッチ、またはこれらの組合せにより入力された指定情報を制御部4へ通知する。また、入力部1は、売上伝票処理装置またはPOS端末装置として、上述した「保留呼戻し」および「精算/登録」に加え、一操作で入力できる「次伝票」11および「前伝票」12の前後伝票指定手段を備えている。
【0046】
「保留呼戻し」による指定は、受注伝票に記録された受注データを保留データとして記憶する受注データ保留記憶部6から取り出し、画面表示するが、一つの卓番号に複数の受注伝票がある場合には、後述するように、編集データに形成されて画面表示される。「精算」の指定は、画面表示中の保留データまたは編集データと呼称される受注データの精算を実行し画面表示する。「登録」の指定は、精算済みの受注データを売上データとして売上データ保持記憶部8に保管すると共に、必要に応じ領収書を発行する。
【0047】
次伝票11または前伝票12による指定は、例えば、画面上に表示されている画像を指またはマウスでタッチすることにより、画面表示されている受注データの次または前の受注データを呼び戻して画面表示させる。
【0048】
画面表示部2は、入力部1の指定に基づく制御部4の制御を受けて、文字、文書、画像などを画面に表示する。また、プログラム記憶部5に記憶されるプログラムに基づいて制御部4が自動的に表示するものもある。表示画面は、タッチパネルとして使用されることも、また、マウスを用いた入力部をかねることもできる。
【0049】
プリンタ3は、例えば携帯端末では受注伝票を、また端末装置では精算後の領収書を印刷出力する。
【0050】
制御部4は、CPUを主体として、作動用の一時メモリを有し、プログラム記憶部5に記憶されるプログラムに基づいて、無線LAN(local area network)を含むバスで接続される構成要素を制御し、売上伝票処理の機能を実行する。
【0051】
プログラム記憶部5は、制御部4が売上伝票処理の機能を実行するプログラムを含み、記憶するプログラムを制御部4の要求を受けて提供する。
【0052】
受注データ保留記憶部6は、店員が入力部1から入力する受注データを、制御部4の制御により記憶する。例えば、図2に示される受注伝票20に示される受注データが伝票番号順に、売上保留ファイル13に保留データとしてファイルされる。
【0053】
編集ファイル一時記憶部7は、入力部1から「保留呼戻し」の指定があり、同一卓番号で複数の受注データがあった場合、制御部4の制御により受注データ保留記憶部6から呼び出された同一卓番号の全ての保留データを、例えば伝票番号により順序付けし編集データ群として編集し記憶する。
【0054】
編集データ群は編集ファイル14に伝票番号順に編集データを記録しており、制御部4の制御により最初の順番の編集データが選択されて画面表示部2に画面表示される。同時に、制御部4の制御により表示伝票対応表15が、編集ファイル14に記録された伝票番号それぞれに対して配列順に順序番号、ステータス(STS)および編集ファイル名とを生成記録して作成される。
【0055】
売上データ保持記憶部8は、制御部4の制御により、精算された売上データを売上ファイル16に登録し保存する。
【0056】
次に、図2に図1を併せ参照して、店員が顧客から注文を受けた際に、入力部1から注文を入力し、これをプリンタ3から出力した受注伝票20の一実施例について説明する。この受注伝票20のフォーマットは精算後の売上伝票または領収書にも転用できる。
【0057】
店員が入力部1から入力した受注データは、画面表示されると共に受注完了で受注伝票としてプリンタ3から印刷出力され、顧客に渡されると共に、制御部4の制御により受注データ保留記憶部6にも登録され保留データとして売上保留ファイル13に記録される。売上保留ファイル13に記録される保留データには、図示されるような伝票番号21、卓番号22、および商品データ23が含まれる。受注データとしての商品データ23は例えば金額が商品単価のみである。
【0058】
受注伝票20は、制御部4の制御により顧客に対して合計金額までの結果を含んで精算された場合、顧客に対する領収書としてプリンタ3から出力される。一方、そのデータは、売上伝票として売上データ保持記憶部8の売上ファイル16に記録保存される。POS端末装置の場合、売上データは、内部に保存されると共に図示されていない通信回線を介して販売センターへ送られる。
【0059】
次に、図3および図4に図1を併せ参照して、受注データである保留データが売上保留ファイル13から検索され、編集データ群として編集ファイル14に纏められ、表示伝票対応表15を形成する際の相互関係について説明する。
【0060】
図3に示される売上保留ファイル13Aには、他の受注データに混在して、同一卓番号#001を有する伝票番号#01001〜#01003がファイルされているものとする。制御部4は、入力部1から卓番号#001により「保留呼戻し」の指定を受けた際には、売上保留ファイル13Aから卓番号#001を有する全ての伝票番号#01001〜#01003それぞれに対応する保留データを検索し、編集データ群として編集ファイル14Aに纏めてファイルする。
【0061】
この際、図4に示されるように、表示伝票対応表15Aが作成される。表示伝票対応表15Aには、編集ファイル14Aにファイルされた伝票番号#01001〜#01003と、これら伝票番号それぞれに付与される順序番号、ステータス(STSと略称)および編集ファイル名とが生成記録される。
【0062】
STSの「1」は、その伝票番号に対応するデータが「画面表示中」であるという状態を意味する。例えば、入力部1から「次伝票」の指定を受けた際には、STS「1」は次の順序の伝票番号#01002に移り、この伝票番号に対応するデータが画面表示部2に画面表示される。すなわち、入力部1からの前後の伝票を指定する手段によりSTS「1」は隣の番号に移動すると共に、移動先のデータが画面表示される。
【0063】
図3に示される編集ファイル14Aのように、受注伝票に商品追加があった場合、画面表示された編集データに商品追加される。他方、取消しの場合は商品の削除がある。
【0064】
図5では、編集ファイル14Aで商品追加された結果の編集ファイル14Bが示されている。また、編集の終了で編集ファイル14Bは受注データ保留記憶部6に戻され、図示されるように、売上保留ファイル13Bに含まれる。
【0065】
次に、図6Aおよび図6Bに図1をあわせ参照して、本発明に係る部分の動作手順について説明する。図6は、制御部4における主要動作手順の実施の一形態を示すフローチャートである。
【0066】
顧客が精算する場合、店員操作者は売上伝票処理装置で入力部1から保留呼出しの指定と共に例えば卓番号#001を入力する。
【0067】
制御部4は、入力部1から保留呼出しの指定と共に卓番号#001の入力を受付け(手順S1)した際、受付けした卓番号#001を用いて受注データ保留記憶部6の売上保留ファイル13から同一の卓番号#001を有し保留されている全ての保留データを検索(手順S2)する。
【0068】
制御部4は、検索の結果、卓番号#001を有する伝票の保留データあり(手順S3のYES)の場合、その保留データを抽出(手順S4)する。抽出伝票が複数(手順S5のYES)の場合、制御部4は、その保留データを編集ファイル一時記憶部7の編集ファイル14に順序付けし、編集データ群として一括ファイルし、その表示伝票対応表15を作成、生成(手順S6)すると共に、最初に順序付けされた伝票番号の編集データを表示該当のSTS「1」として画面表示部2に画面表示(手順S7)する。
【0069】
上記手順S5が「NO」で対象伝票の数が一つの場合には、抽出伝票に対応する保留データが画面表示(手順S8)される。
【0070】
上記手順S7および手順S8の画面表示により、店員操作者は、売上伝票処理装置で、顧客の持参する受注伝票と画面でその内容を比較し、一致(手順S11のYES)の場合には入力部1から「精算」を指定する。
【0071】
制御部4は、商品内容の一致(手順S11のYES)により、精算指定を受付け(手順S12のYES)した際には、定常の精算処理(手順S13)を実行して手順を終了する。定常の精算処理は、例えば、商品の単価および数量から小計、さらに消費税額並びに合価が算出され売上データを完成すると共に画面表示部2に画面表示する。次いで、画面の確認があったのち「登録」指定の入力を受けた際に、その売上データはプリンタ3から領収書として印刷出力されると共に売上伝票として売上データ保持記憶部8の売上ファイル16に記録保存される。
【0072】
上記手順S12が「NO」で精算以外の商品削除または追加の場合には、定常のオーダー変更処理(手順S14)が実行され、手順は終了する。定常のオーダー変更処理は、例えば、上記図3を参照して説明したような商品の追加がある場合、表示画面で商品名、数量などを追加することにより編集データを変更し、次いで、上記図5を参照して説明したように、変更された編集データを保留データとして受注データ保留記憶部6の売上保留ファイル13に記録する。
【0073】
上記手順S11が「NO」で、伝票と画面との商品内容が不一致の場合、店員操作者は、入力部1から次伝票11または前伝票12を指定する。
【0074】
制御部4は、入力部1から次伝票11または前伝票12の指定を受付け(手順S21)した際には、その指定に対応する伝票番号位置の対応データの有無を判断(手順S22)する。
【0075】
上記手順S7では編集データが画面表示されるので、上記手順S22の「YES」で対応データの編集データが「あり」の場合では、この編集データが画面表示(手順S23)されたのち、上記手順S11に戻り、伝票と画面とのデータが一致するまで手順が繰り返される。
【0076】
上記手順S22が「NO」で、対応データがない場合には、残る伝票に対応する編集データあり(手順S24のYES)の条件で上記手順S21に戻り、手順は繰り返される。手順S24が「NO」で残る伝票に対応データなしの場合、制御部4は、受注データなしの警報表示(手順S25)を実行する。
【0077】
上記手順S8では売上保留ファイル13における保留データが画面表示されるので、手順S21で入力部1から次伝票11または前伝票12の指定を受付けした際には、隣接して指定された保留データを画面表示することができる。このように、次伝票11または前伝票12の指定は、コンピュータ画面での「次へ」と「戻る」との指定手段を用いることができる。
【0078】
しかし、上記手順S24で対応データを編集データの有無に限定することにより、編集ファイル14以外では手順の繰返しなしで、直ちに手順S25の受注データなしの警報表示がなされる。
【0079】
上述したような構成を有し、飲食店で、複数の卓を一つのグループで使用し同一卓番号で複数の売上伝票が作成されている場合、同一卓番号による複数の受注伝票に対する受注データを編集ファイルに編集データ群としてまとめることができるので、顧客からの受注データを次伝票と前伝票との指定のみで簡単に検索可能であり、注文の変更および精算に対して簡便な操作で迅速に対応できる効果がある。
【0080】
このことは、同一グループで個人支払いの際に応用でき、伝票番号が連続番号でなくても同一条件として編集ファイルに纏めることができるので、精算を簡単に連続して処理でき、短時間に済ませることができる。
【0081】
上記説明では、注文の受付けまたは変更も処理装置の入力部1から行うとしたが、上述したように、店員の所持する携帯端末でも入力部1および画面表示部2を使用するとして説明できるので、同等の効果を得ることができる。
【実施例2】
【0082】
本発明の他の実施例としては、一般販売店を対象にできる。
【0083】
すなわち、一人の顧客に対して一つの顧客番号で複数の受注伝票を作成した場合に適用して同等の効果を期待することができる。
【0084】
また、精算の際に、まとめて持参した伝票の中に、例えば異なる顧客番号または伝票番号が含まれていても、上述した例と比較して多少の手間はかかるが、例えば、複数の顧客番号で纏めて編集ファイルに形成すれば、注文変更または一括精算が簡便化される。
【産業上の利用可能性】
【0085】
本発明により、一人の顧客に対して、例えば一つの顧客番号のように特定条件で複数の受注伝票を作成した場合、同一特定条件の受注データを検出して編集データ群にまとめ、この編集データ群を用いて隣接するデータを順次迅速に容易に取出すことができる。従って、本発明は、同一顧客番号の受注データに限定せず、例えば特定の顧客番号など、共通する特定条件により範囲を限定して検索し、編集データ群にまとめることによって、飲食店に限定することなく、販売店において、あるグループの受注データを迅速に容易に検出して変更または精算の伝票処理が必要な用途にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】本発明の売上伝票処理装置におけるブロック構成の実施の一形態を示した説明図である。(実施例1)
【図2】本発明で用いられる受注伝票の様式の一形態を示した説明図である。(実施例1)
【図3】図1において商品追加による編集ファイル形成の一形態を示した説明図である。(実施例1)
【図4】図1における表示伝票対応表の様式の一形態を示した説明図である。(実施例1)
【図5】図1において編集ファイル変更後の保留ファイル形成の一形態を示した説明図である。(実施例1)
【図6A】図1の制御部の主要動作手順における最初部分の実施の一形態を示したフローチャートである。(実施例1)
【図6B】図1の制御部の主要動作手順における図6Aに続く部分の主要動作手順の実施の一形態を示したフローチャートである。(実施例1)
【図7】従来の売上伝票処理装置におけるブロック構成の一例を示した説明図である。
【図8】図7で用いられる受注伝票の様式の一例を示した説明図である。
【図9】図7の制御部の主要動作手順における伝票番号入力の場合を示したフローチャートである。
【図10】図7の制御部の主要動作手順における卓番号入力の場合を示したフローチャートである。
【符号の説明】
【0087】
1 入力部
2 画面表示部
3 プリンタ
4 制御部
5 プログラム記憶部
6 受注データ保留記憶部
7 編集ファイル一時記憶部
8 売上データ保持記憶部
11 次伝票
12 前伝票
13、13A、13B 売上保留ファイル
14、14A、14B 編集ファイル
15、15A 表示伝票対応表
16 売上ファイル
20 受注伝票
21 伝票番号
22 卓番号
23 商品データ
【技術分野】
【0001】
本発明は、商店、料理店を含む販売店における売上伝票処理に係るものであって、特に、レストランでのキャッシュレジスタまたはPOS(point of sales)端末装置を扱う店員の売上伝票処理操作の簡便化を図ることができる売上伝票処理の方法およびその方法を用いた装置に関するものである。
【0002】
以後の説明で、売上伝票処理装置を扱う店員を店員操作者、店員が顧客から注文を受けた際に顧客に発行する伝票を受注伝票、この受注伝票にある注文情報を受注データ、精算するまで暫定的に記録されている受注データを保留データ、精算された保留データを売上データと、それぞれ呼称するものとする。
【背景技術】
【0003】
従来の売上伝票処理に係る方法としては、レストラン等のPOS端末装置による会計処理において伝票取消しの必要が生じた場合における売上げ伝票取消し処理方法に関するものが、特開平10−302162号公報に開示されている。
【0004】
また、端末装置として、飲食店に配置されて使用され、顧客のオーダーデータが入力され、顧客の支払いに応じた支払い料金データの入力により、対応するオーダーデータの決済処理が行われるキャッシュレジスタ装置が、特開平9−282562号公報に開示されている。
【0005】
これら特許文献による飲食店における売上伝票処理について、図7から図10までを参照して説明する。
【0006】
図7は、例えばキャッシュレジスタまたはPOS端末装置に代表される売上伝票処理装置のブロック構成の一例を示す説明図である。売上伝票処理装置は、通常の情報処理機能を有しており、例えばキーボードのような入力部101、画面表示部102、プリンタ103、CPU(central processor unit)を主体とする制御部104、プログラム等を記憶するソフト記憶部105、受注データ保留記憶部106、および売上データ保持記憶部107を含み、バスで相互接続されている情報処理装置である。
【0007】
図8は、店員が端末(図示されていない)を用いて受注情報を入力し、これをプリンタから出力した受注伝票110の一例を示した説明図である。店員が所持する端末から入力された受注情報は受注データ保留記憶部106に登録され保留データとして記録される。受注データ保留記憶部106に記録される保留データには、図8に示される、伝票番号111、卓番号112、および商品データ113が含まれる。
【0008】
飲食店では、通常、顧客に対する精算の際、店員は、売上伝票処理装置の操作者(オペレータ)となり、顧客の持参した受注伝票110の伝票番号111を用いて入力部101から保留データの呼戻し処理を行い、受注データ保留記憶部106に保留されている受注データ、すなわち保留データを画面表示させて、その内容の一致を確認する。
【0009】
図9は、顧客に対する精算の際の、制御部104の動作手順の一例を示すフローチャートである。
【0010】
制御部104は、入力部101から伝票番号111により「保留呼戻し」の入力を受付け(手順S101)した際に、この伝票番号111を用いて受注データ保留記憶部106内の保留データを検索(手順S102)する。受付けした伝票番号111と一致する保留データが存在(手順S103のYES)する場合、制御部104は、その保留データを呼び出して画面表示部102に画面表示(手順S104)する。
【0011】
店員操作者は、画面表示された商品データ113を、顧客が持参した伝票内容と比較し、一致を確認して、精算の場合には「精算」を入力部101から入力する。
【0012】
制御部104は、「データ一致」(手順S105のYES)により、入力部101から「精算」の入力受付け(手順S106のYES)があった場合、呼び出した保留データから売上の精算を実施して、結果をプリンタ103から出力する精算処理とデータを売上データ保持記憶部107に登録する売上登録処理との所定の処理(手順S107)を行う。
【0013】
上記手順S103が「NO」で入力した伝票番号111が受注データ保留記憶部106内の保留データに見当たらない場合、または、上記手順S105が「NO」で商品データ113が一致しなかった場合、制御部104は、伝票番号111の代わりに卓番号112により次の図10の手順S111からの手順で説明する保留データの呼戻しを行う。すなわち、飲食店内での、同一卓番号に異なるグループの顧客が相席した場合に対しての手順である。
【0014】
また、上記手順S106が「NO」でオーダーの取消し・追加等の変更があった場合、制御部104は、入力部101からの入力に従って、所定のオーダー変更処理(手順S108)ののち、呼び出して変更を加えたデータを受注データ保留記憶部106内に保留データとして記録する。
【0015】
図10は、受注伝票の伝票番号でなく、卓番号で保留データを検索する際の手順の一例を示すフローチャートである。
【0016】
制御部104は、入力部101から卓番号112により「保留呼戻し」の入力を受付け(手順S111)した際に、この卓番号112を用いて受注データ保留記憶部106内の保留データを検索(手順S112)する。受付けした卓番号112と一致する保留データが存在(手順S113のYES)する場合、制御部104は、その保留データを呼戻しして画面表示部102に画面表示(手順S114)する。
【0017】
店員操作者は、画面表示された商品データ113を、顧客が持参した受注伝票と比較し、一致を確認して、精算の場合には「精算」を入力部101から入力する。
【0018】
制御部104は、「データ一致」(手順S115のYES)により、入力部101から「精算」の入力受付け(手順S116のYES)があった場合、呼び出した保留データから売上の精算を実施して、結果をプリンタ103から出力する精算処理とデータを売上データ保持記憶部107に登録する売上登録処理との所定の精算処理(手順S117)を行う。
【0019】
上記手順S113が「NO」で入力した卓番号112が受注データ保留記憶部106内の保留データに見当たらない場合、制御部104は「保留データなし」の所定の警報表示(手順S120)を行う。
【0020】
また、上記手順S115が「NO」で、商品データ113が一致しなかった場合、制御部104は、入力部101から上記手順S111で入力されたと同一卓番号112による「保留呼戻し」入力を受付け(手順S121)し、同一卓番号112を用いて受注データ保留記憶部106内で別伝票番号の保留データを検索(手順S122)して上記手順S113に戻り、これ以降の手順を繰り返す。ここで、受注データ保留記憶部106内で最後まで同一卓番号がない場合は上記手順S113が「NO」であり、警報表示される。
【0021】
また、上記手順S116が「NO」でオーダーの取消し・追加等の変更があった場合、制御部104は、入力部101からの入力に従って、所定のオーダー変更処理(手順S118)ののち、呼び出して変更を加えたデータを受注データ保留記憶部106内に保留データとして記録する。
【0022】
上述したように、POSなどの売上伝票処理装置を操作する店員は、保留されている受注情報を保留データとして表示するため、伝票番号または卓番号等の番号を、キーボードなどを操作して入力しなければならない。ここで画面表示されているデータから、別の売上情報を表示するため、店員操作者は、現在表示中の受注データを精算するか再度保留したのち、対象となる売上情報の伝票番号または卓番号等を入力して保留データを呼戻ししなければならない。
【0023】
特に、上述した例では、元々は違う卓を顧客の要望で一時的にくっつけて同一グループとして運用しており、かつそれぞれの違った卓において、同一卓番号で受注伝票を作成し、受注データを入力したとしても、何らかの注文が既に取られていた場合には、一つのグループにもかかわらず、伝票番号が違うため、別々の受注として対応しなければならない。したがって、受注伝票に取消しまたは追加が生じた場合、それぞれの受注情報に対して、商品の取消し・追加登録、およびその変更データを再度保留操作するなどの必要がある。
【0024】
従って、特に精算の際、同一グループにおける複数の受注伝票それぞれに対する保留データの呼戻しが必要であり、その呼戻しの都度、店員操作者が複数桁の伝票番号または卓番号を例えばキーボードで操作して入力しなければならないという煩雑さを免れることはできない。
【0025】
【特許文献1】特開平10−302162号公報
【特許文献2】特開平9−282562号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0026】
解決しようとする課題は、例えば飲食店で、複数の卓を一つのグループで使用し、同一の卓番号で複数の受注伝票が作成されている場合、精算、または商品の取消し、追加登録などによるデータ変更の際には受注伝票ごとに伝票番号または卓番号の入力操作により保留データを検索して呼戻ししているので、店員操作者の操作の簡便化を図ることができないことである。
【課題を解決するための手段】
【0027】
本発明は、飲食店で、複数の卓を一つのグループで使用し同一卓番号で受注伝票が作成されている場合でも、少なくとも精算のため受注伝票ごとに伝票番号または卓番号により、保留されている受注データである保留データを検索して呼戻しする際、店員操作員の入力操作の簡便化を図ることを目的としている。基本的に、この卓番号は同一グループを意味するので顧客番号に相当する。
【0028】
すなわち、本発明は、販売店の店員が、同一顧客番号に対して保留されている複数の受注伝票に含まれる受注データ、すなわち保留データのそれぞれを呼戻しする際、伝票番号または伝票上の顧客番号を繰返し入力しなければならないという、煩雑さの解消を目的とする。
【0029】
この目的を達成するため、本発明による売上伝票処理は次のような特徴を有している。
【0030】
ここで、受注伝票にある注文情報を示す受注データは、発明の理解を容易にするため、精算するまで暫定的に記録されている受注データを保留データ、また、同一の顧客番号で編集データ群に纏められた保留データを編集データとして区別して呼ぶこととする。すなわち、保留データも編集データも受注データであり、伝票番号が同一のものは内容が同一である。また、精算後の売上データとは内容が異なるので区別される。
【0031】
すなわち、受注伝票には、それぞれに対して異なる伝票番号が付与され、かつ一つの顧客に対して一つの顧客番号が付与されている。また、保留データとして保留されている一つ受注データを呼戻しして画面表示した際、画面表示された受注データに隣接して記録される受注データを一つの操作で指定して画面に切替え表示できる「次伝票」または「前伝票」という前後伝票指定手段を備えている。
【0032】
そこで、伝票処理での最初の手順は、互いに異なる伝票番号を有する前記受注伝票のデータを保留データとして保留ファイルに記憶することである。次いで、少なくとも注文の精算に際して、同一条件を指定された複数の前記保留データを前記保留ファイルから呼戻しして順序付けし、編集データ群にまとめて編集ファイルに形成することを特徴としている。この際、編集データの一つを選択して画面表示している。
【0033】
すなわち、画面表示されているデータの前後のデータは、一つの編集ファイルに編集された同一顧客番号を有する編集データである。従って、画面表示された編集データの前後いずれかのデータを一操作の前後指定により前記編集ファイルから検索して画面表示することにより同類の受注データを単純な操作により呼び出すことができる。
【0034】
また、本発明による売上伝票処理装置の具体的な一つの構成は、入出力部、記憶部、および制御部を有しプログラム制御される通常の情報処理機能を含み、互いに異なる伝票番号を有する受注伝票のデータを保留データとして記憶する売上保留ファイルと、同一条件を指定された複数の前記保留データを編集データ群にまとめて形成する編集ファイルと、画面表示された編集データの前後いずれかのデータを一操作の前後指定入力により画面に呼び出す前後伝票指定手段とを備えている。
【0035】
従って、制御部は、前記保留データを呼戻しして画面表示するに際して、例えば顧客番号のような同一条件を指定された複数の前記保留データを前記保留ファイルから呼戻しして前記編集ファイルに形成し、編集データの一つを選択して画面表示すると共に、前記前後伝票指定手段により画面表示された編集データの前後いずれかのデータを一操作の前後指定により検索して画面表示している。
【発明の効果】
【0036】
本発明の売上伝票処理方法およびその方法を用いた装置は、所望の受注データを検索する際、所望の顧客番号を有する全ての受注伝票に対応する受注データを編集データ群としてまとめて編集し、その一つの編集データを画面表示しているので、その隣接する編集データは例えば同一顧客番号であるというような同一条件の受注データとなる。従って、その画面表示された編集データを「次伝票」または「前伝票」の単純指定により同一顧客番号で編集された編集データ群から編集データを呼び出して画面に切替え表示する際、画面表示された編集データが所望の内容でない場合、装置の操作者は前後の指定という単純操作の繰返しで、また装置は隣接の編集データを取出すという単純制御で、それぞれ短時間に上記編集データ群から所望の受注データを画面に取り出すことができる。すなわち、販売店の店員操作者が同一顧客番号に対して伝票番号または伝票上の顧客番号を番号により繰返し入力しなければならないという煩雑さを解消できるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
販売店の店員操作者(オペレータ)が、同一顧客番号に対する複数の受注伝票に対する情報(受注データ)を呼戻しする際、伝票番号または伝票上の顧客番号を繰返し入力しなければならない煩雑さを解消するという目的を、受注データの一時保留である保留データを呼戻しする際、同一条件を有する複数の保留データを纏め順序付けして編集データ群として編集すると共に編集された中から一つの編集データを画面表示することにより実現した。
【0038】
従って、「次伝票」または「前伝票」の指定が、上記編集データ群内から同一条件により隣接する編集データを呼び出して画面に切替え表示している。
【0039】
すなわち、一つの顧客に一つの顧客番号で複数の受注伝票を発行した場合、編集データ群に並ぶ受注データは同一条件を同一顧客番号として同一顧客の受注データとすることができる。従って、店員操作者は、最初に顧客番号で検索したのち、「次伝票」または「前伝票」の一操作指定により、同一顧客の他の受注伝票に容易に対応できるので、番号による再入力を不要にでき、操作の煩雑さを回避することができる。
【0040】
同一条件として同一精算対象の受注伝票に複数の顧客番号があっても、この複数の顧客番号の全ての受注データを編集データに纏めることにより、処理の一括化が実現できる。
【実施例1】
【0041】
本発明の実施例1について図1を参照して説明する。
【0042】
図1は、本発明による装置における主要構成の実施の一形態を示す説明図である。この実施例1は、飲食店において、一つのグループに対応する一つの卓番号で複数の受注伝票がある場合、その精算または変更に際して、店員操作の売上伝票処理が簡便化され容易にされるものである。すなわち、上述した同一条件は卓番号である。
【0043】
図示される売上伝票処理装置は、入力部1、画面表示部2、プリンタ3、制御部4、プログラム記憶部5、受注データ保留記憶部6、編集ファイル一時記憶部7、売上データ保持記憶部8により構成され、それぞれバスに接続されてプログラムによる制御部4の制御を受けるという通常の情報処理機能を有している。
【0044】
図示されていないが、受注データを保留データとして入力するのは売上伝票処理装置と例えば無線LAN(local area network)を用いて接続される携帯端末であり、注文を受ける店員が所持し操作している。この携帯端末は、入力部、画面表示部、およびプリンタを有し、上述した入力部1、画面表示部2、およびプリンタ3におけると同等の機能を有するものとする。従って、携帯端末からの入力は入力部1からの入力であり、その入力に対応する画面は画面表示部2に、また印刷伝票はプリンタ3から、それぞれ出力されるとみなすことができる。
【0045】
入力部1は、例えばキーボードのボタン、タッチパネル若しくは画面上の画像などの押下若しくはタッチ、またはこれらの組合せにより入力された指定情報を制御部4へ通知する。また、入力部1は、売上伝票処理装置またはPOS端末装置として、上述した「保留呼戻し」および「精算/登録」に加え、一操作で入力できる「次伝票」11および「前伝票」12の前後伝票指定手段を備えている。
【0046】
「保留呼戻し」による指定は、受注伝票に記録された受注データを保留データとして記憶する受注データ保留記憶部6から取り出し、画面表示するが、一つの卓番号に複数の受注伝票がある場合には、後述するように、編集データに形成されて画面表示される。「精算」の指定は、画面表示中の保留データまたは編集データと呼称される受注データの精算を実行し画面表示する。「登録」の指定は、精算済みの受注データを売上データとして売上データ保持記憶部8に保管すると共に、必要に応じ領収書を発行する。
【0047】
次伝票11または前伝票12による指定は、例えば、画面上に表示されている画像を指またはマウスでタッチすることにより、画面表示されている受注データの次または前の受注データを呼び戻して画面表示させる。
【0048】
画面表示部2は、入力部1の指定に基づく制御部4の制御を受けて、文字、文書、画像などを画面に表示する。また、プログラム記憶部5に記憶されるプログラムに基づいて制御部4が自動的に表示するものもある。表示画面は、タッチパネルとして使用されることも、また、マウスを用いた入力部をかねることもできる。
【0049】
プリンタ3は、例えば携帯端末では受注伝票を、また端末装置では精算後の領収書を印刷出力する。
【0050】
制御部4は、CPUを主体として、作動用の一時メモリを有し、プログラム記憶部5に記憶されるプログラムに基づいて、無線LAN(local area network)を含むバスで接続される構成要素を制御し、売上伝票処理の機能を実行する。
【0051】
プログラム記憶部5は、制御部4が売上伝票処理の機能を実行するプログラムを含み、記憶するプログラムを制御部4の要求を受けて提供する。
【0052】
受注データ保留記憶部6は、店員が入力部1から入力する受注データを、制御部4の制御により記憶する。例えば、図2に示される受注伝票20に示される受注データが伝票番号順に、売上保留ファイル13に保留データとしてファイルされる。
【0053】
編集ファイル一時記憶部7は、入力部1から「保留呼戻し」の指定があり、同一卓番号で複数の受注データがあった場合、制御部4の制御により受注データ保留記憶部6から呼び出された同一卓番号の全ての保留データを、例えば伝票番号により順序付けし編集データ群として編集し記憶する。
【0054】
編集データ群は編集ファイル14に伝票番号順に編集データを記録しており、制御部4の制御により最初の順番の編集データが選択されて画面表示部2に画面表示される。同時に、制御部4の制御により表示伝票対応表15が、編集ファイル14に記録された伝票番号それぞれに対して配列順に順序番号、ステータス(STS)および編集ファイル名とを生成記録して作成される。
【0055】
売上データ保持記憶部8は、制御部4の制御により、精算された売上データを売上ファイル16に登録し保存する。
【0056】
次に、図2に図1を併せ参照して、店員が顧客から注文を受けた際に、入力部1から注文を入力し、これをプリンタ3から出力した受注伝票20の一実施例について説明する。この受注伝票20のフォーマットは精算後の売上伝票または領収書にも転用できる。
【0057】
店員が入力部1から入力した受注データは、画面表示されると共に受注完了で受注伝票としてプリンタ3から印刷出力され、顧客に渡されると共に、制御部4の制御により受注データ保留記憶部6にも登録され保留データとして売上保留ファイル13に記録される。売上保留ファイル13に記録される保留データには、図示されるような伝票番号21、卓番号22、および商品データ23が含まれる。受注データとしての商品データ23は例えば金額が商品単価のみである。
【0058】
受注伝票20は、制御部4の制御により顧客に対して合計金額までの結果を含んで精算された場合、顧客に対する領収書としてプリンタ3から出力される。一方、そのデータは、売上伝票として売上データ保持記憶部8の売上ファイル16に記録保存される。POS端末装置の場合、売上データは、内部に保存されると共に図示されていない通信回線を介して販売センターへ送られる。
【0059】
次に、図3および図4に図1を併せ参照して、受注データである保留データが売上保留ファイル13から検索され、編集データ群として編集ファイル14に纏められ、表示伝票対応表15を形成する際の相互関係について説明する。
【0060】
図3に示される売上保留ファイル13Aには、他の受注データに混在して、同一卓番号#001を有する伝票番号#01001〜#01003がファイルされているものとする。制御部4は、入力部1から卓番号#001により「保留呼戻し」の指定を受けた際には、売上保留ファイル13Aから卓番号#001を有する全ての伝票番号#01001〜#01003それぞれに対応する保留データを検索し、編集データ群として編集ファイル14Aに纏めてファイルする。
【0061】
この際、図4に示されるように、表示伝票対応表15Aが作成される。表示伝票対応表15Aには、編集ファイル14Aにファイルされた伝票番号#01001〜#01003と、これら伝票番号それぞれに付与される順序番号、ステータス(STSと略称)および編集ファイル名とが生成記録される。
【0062】
STSの「1」は、その伝票番号に対応するデータが「画面表示中」であるという状態を意味する。例えば、入力部1から「次伝票」の指定を受けた際には、STS「1」は次の順序の伝票番号#01002に移り、この伝票番号に対応するデータが画面表示部2に画面表示される。すなわち、入力部1からの前後の伝票を指定する手段によりSTS「1」は隣の番号に移動すると共に、移動先のデータが画面表示される。
【0063】
図3に示される編集ファイル14Aのように、受注伝票に商品追加があった場合、画面表示された編集データに商品追加される。他方、取消しの場合は商品の削除がある。
【0064】
図5では、編集ファイル14Aで商品追加された結果の編集ファイル14Bが示されている。また、編集の終了で編集ファイル14Bは受注データ保留記憶部6に戻され、図示されるように、売上保留ファイル13Bに含まれる。
【0065】
次に、図6Aおよび図6Bに図1をあわせ参照して、本発明に係る部分の動作手順について説明する。図6は、制御部4における主要動作手順の実施の一形態を示すフローチャートである。
【0066】
顧客が精算する場合、店員操作者は売上伝票処理装置で入力部1から保留呼出しの指定と共に例えば卓番号#001を入力する。
【0067】
制御部4は、入力部1から保留呼出しの指定と共に卓番号#001の入力を受付け(手順S1)した際、受付けした卓番号#001を用いて受注データ保留記憶部6の売上保留ファイル13から同一の卓番号#001を有し保留されている全ての保留データを検索(手順S2)する。
【0068】
制御部4は、検索の結果、卓番号#001を有する伝票の保留データあり(手順S3のYES)の場合、その保留データを抽出(手順S4)する。抽出伝票が複数(手順S5のYES)の場合、制御部4は、その保留データを編集ファイル一時記憶部7の編集ファイル14に順序付けし、編集データ群として一括ファイルし、その表示伝票対応表15を作成、生成(手順S6)すると共に、最初に順序付けされた伝票番号の編集データを表示該当のSTS「1」として画面表示部2に画面表示(手順S7)する。
【0069】
上記手順S5が「NO」で対象伝票の数が一つの場合には、抽出伝票に対応する保留データが画面表示(手順S8)される。
【0070】
上記手順S7および手順S8の画面表示により、店員操作者は、売上伝票処理装置で、顧客の持参する受注伝票と画面でその内容を比較し、一致(手順S11のYES)の場合には入力部1から「精算」を指定する。
【0071】
制御部4は、商品内容の一致(手順S11のYES)により、精算指定を受付け(手順S12のYES)した際には、定常の精算処理(手順S13)を実行して手順を終了する。定常の精算処理は、例えば、商品の単価および数量から小計、さらに消費税額並びに合価が算出され売上データを完成すると共に画面表示部2に画面表示する。次いで、画面の確認があったのち「登録」指定の入力を受けた際に、その売上データはプリンタ3から領収書として印刷出力されると共に売上伝票として売上データ保持記憶部8の売上ファイル16に記録保存される。
【0072】
上記手順S12が「NO」で精算以外の商品削除または追加の場合には、定常のオーダー変更処理(手順S14)が実行され、手順は終了する。定常のオーダー変更処理は、例えば、上記図3を参照して説明したような商品の追加がある場合、表示画面で商品名、数量などを追加することにより編集データを変更し、次いで、上記図5を参照して説明したように、変更された編集データを保留データとして受注データ保留記憶部6の売上保留ファイル13に記録する。
【0073】
上記手順S11が「NO」で、伝票と画面との商品内容が不一致の場合、店員操作者は、入力部1から次伝票11または前伝票12を指定する。
【0074】
制御部4は、入力部1から次伝票11または前伝票12の指定を受付け(手順S21)した際には、その指定に対応する伝票番号位置の対応データの有無を判断(手順S22)する。
【0075】
上記手順S7では編集データが画面表示されるので、上記手順S22の「YES」で対応データの編集データが「あり」の場合では、この編集データが画面表示(手順S23)されたのち、上記手順S11に戻り、伝票と画面とのデータが一致するまで手順が繰り返される。
【0076】
上記手順S22が「NO」で、対応データがない場合には、残る伝票に対応する編集データあり(手順S24のYES)の条件で上記手順S21に戻り、手順は繰り返される。手順S24が「NO」で残る伝票に対応データなしの場合、制御部4は、受注データなしの警報表示(手順S25)を実行する。
【0077】
上記手順S8では売上保留ファイル13における保留データが画面表示されるので、手順S21で入力部1から次伝票11または前伝票12の指定を受付けした際には、隣接して指定された保留データを画面表示することができる。このように、次伝票11または前伝票12の指定は、コンピュータ画面での「次へ」と「戻る」との指定手段を用いることができる。
【0078】
しかし、上記手順S24で対応データを編集データの有無に限定することにより、編集ファイル14以外では手順の繰返しなしで、直ちに手順S25の受注データなしの警報表示がなされる。
【0079】
上述したような構成を有し、飲食店で、複数の卓を一つのグループで使用し同一卓番号で複数の売上伝票が作成されている場合、同一卓番号による複数の受注伝票に対する受注データを編集ファイルに編集データ群としてまとめることができるので、顧客からの受注データを次伝票と前伝票との指定のみで簡単に検索可能であり、注文の変更および精算に対して簡便な操作で迅速に対応できる効果がある。
【0080】
このことは、同一グループで個人支払いの際に応用でき、伝票番号が連続番号でなくても同一条件として編集ファイルに纏めることができるので、精算を簡単に連続して処理でき、短時間に済ませることができる。
【0081】
上記説明では、注文の受付けまたは変更も処理装置の入力部1から行うとしたが、上述したように、店員の所持する携帯端末でも入力部1および画面表示部2を使用するとして説明できるので、同等の効果を得ることができる。
【実施例2】
【0082】
本発明の他の実施例としては、一般販売店を対象にできる。
【0083】
すなわち、一人の顧客に対して一つの顧客番号で複数の受注伝票を作成した場合に適用して同等の効果を期待することができる。
【0084】
また、精算の際に、まとめて持参した伝票の中に、例えば異なる顧客番号または伝票番号が含まれていても、上述した例と比較して多少の手間はかかるが、例えば、複数の顧客番号で纏めて編集ファイルに形成すれば、注文変更または一括精算が簡便化される。
【産業上の利用可能性】
【0085】
本発明により、一人の顧客に対して、例えば一つの顧客番号のように特定条件で複数の受注伝票を作成した場合、同一特定条件の受注データを検出して編集データ群にまとめ、この編集データ群を用いて隣接するデータを順次迅速に容易に取出すことができる。従って、本発明は、同一顧客番号の受注データに限定せず、例えば特定の顧客番号など、共通する特定条件により範囲を限定して検索し、編集データ群にまとめることによって、飲食店に限定することなく、販売店において、あるグループの受注データを迅速に容易に検出して変更または精算の伝票処理が必要な用途にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】本発明の売上伝票処理装置におけるブロック構成の実施の一形態を示した説明図である。(実施例1)
【図2】本発明で用いられる受注伝票の様式の一形態を示した説明図である。(実施例1)
【図3】図1において商品追加による編集ファイル形成の一形態を示した説明図である。(実施例1)
【図4】図1における表示伝票対応表の様式の一形態を示した説明図である。(実施例1)
【図5】図1において編集ファイル変更後の保留ファイル形成の一形態を示した説明図である。(実施例1)
【図6A】図1の制御部の主要動作手順における最初部分の実施の一形態を示したフローチャートである。(実施例1)
【図6B】図1の制御部の主要動作手順における図6Aに続く部分の主要動作手順の実施の一形態を示したフローチャートである。(実施例1)
【図7】従来の売上伝票処理装置におけるブロック構成の一例を示した説明図である。
【図8】図7で用いられる受注伝票の様式の一例を示した説明図である。
【図9】図7の制御部の主要動作手順における伝票番号入力の場合を示したフローチャートである。
【図10】図7の制御部の主要動作手順における卓番号入力の場合を示したフローチャートである。
【符号の説明】
【0087】
1 入力部
2 画面表示部
3 プリンタ
4 制御部
5 プログラム記憶部
6 受注データ保留記憶部
7 編集ファイル一時記憶部
8 売上データ保持記憶部
11 次伝票
12 前伝票
13、13A、13B 売上保留ファイル
14、14A、14B 編集ファイル
15、15A 表示伝票対応表
16 売上ファイル
20 受注伝票
21 伝票番号
22 卓番号
23 商品データ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
顧客から受けた注文を受注伝票に作成し、その精算により売上伝票を生成する売上伝票処理方法において、互いに異なる伝票番号を有する受注伝票のデータを保留データとして保留ファイルに記憶し、前記保留データを呼戻しして画面表示するに際して同一条件を指定された複数の前記保留データを前記保留ファイルから呼戻しし、編集データ群にまとめて編集ファイルに形成し、編集データの一つを選択して画面表示することを特徴とする売上伝票処理方法。
【請求項2】
顧客から受けた注文を伝票番号及び顧客番号を含むデータに形成して受注伝票に作成し当該受注伝票の精算により売上伝票を生成する売上伝票処理方法において、互いに異なる伝票番号を有する前記受注伝票のデータを保留データとして保留ファイルに記憶し、少なくとも注文の精算に際して、同一条件を指定された複数の前記保留データを前記保留ファイルから呼戻しして順序付けし、編集データ群にまとめて編集ファイルに形成すると共に、編集データの一つを選択して画面表示し、画面表示された編集データの前後いずれかのデータを一操作の前後指定により前記編集ファイルから検索して画面表示することを特徴とする売上伝票処理方法。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の売上伝票処理方法において、前記保留データを編集データ群にまとめて編集ファイルに形成する条件は注文変更であることを特徴とする売上伝票処理方法。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の売上伝票処理方法において、指定される同一条件が、顧客番号、又は飲食店において指定される卓番号であることを特徴とする売上伝票処理方法。
【請求項5】
顧客から受けた注文を入力して受注伝票に作成し、その入力データを保留データとして保留ファイルに記憶し、その精算処理により売上伝票を生成出力する売上伝票処理装置において、同一条件を指定された複数の前記保留データを編集データ群にまとめて形成する編集ファイルと、前記保留データを呼戻しして画面表示するに際して、同一条件の指定入力を受け、指定された複数の前記保留データを前記保留ファイルから呼戻しして前記編集ファイルに形成し、編集データの一つを選択して画面表示する制御部とを備えることを特徴とする売上伝票処理装置。
【請求項6】
顧客から受けた注文を入力して受注伝票に作成し、その精算処理により売上伝票を生成出力する売上伝票処理装置において、互いに異なる伝票番号を有する受注伝票のデータを保留データとして記憶する保留ファイルと、同一条件を指定された複数の前記保留データを編集データ群にまとめて形成する編集ファイルと、画面表示された編集データの前後いずれかのデータを一操作の前後指定入力により画面に呼び出す前後伝票指定手段と、前記保留データを呼戻しして画面表示するに際して、同一条件を指定された複数の前記保留データを前記保留ファイルから呼戻しして前記編集ファイルに形成し、編集データの一つを選択して画面表示すると共に、前記前後伝票指定手段により画面表示された編集データの前後いずれかのデータを一操作の前後指定により検索して画面表示する制御部とを備えることを特徴とする売上伝票処理装置。
【請求項7】
請求項5又は6に記載の売上伝票処理装置において、前記保留データを編集データ群にまとめて編集ファイルに形成する条件は注文の精算または変更であることを特徴とする売上伝票処理装置。
【請求項8】
請求項5又は6に記載の売上伝票処理装置において、指定される同一条件が、顧客番号、又は飲食店において指定される卓番号であることを特徴とする売上伝票処理装置。
【請求項9】
請求項5又は6に記載の売上伝票処理装置において、POSシステムに組み込まれたPOS端末として機能することを特徴とする売上伝票処理装置。
【請求項10】
互いに異なる伝票番号を有する受注伝票のデータを保留データとして記憶する保留ファイルと、同一条件を指定された複数の前記保留データを順序付けし編集データ群にまとめて形成する編集ファイルと、画面表示された編集データの前後いずれかのデータを一操作の前後指定入力により画面に呼び出す前後伝票指定手段とを備える売上伝票処理装置に、前記保留データを呼戻しして画面表示するに際して同一条件の指定入力を受け、入力指定された複数の前記保留データを前記保留ファイルから呼戻しして前記編集ファイルに形成し、編集データの一つを選択して画面表示すると共に、前記前後伝票指定手段により画面表示された編集データに対する一操作による前後指定入力を受けた際、その入力指定により、画面表示された編集データの前後いずれかのデータを検索して画面表示する処理を実行させるプログラムを有することを特徴とする売上伝票処理装置に搭載される記憶媒体。
【請求項1】
顧客から受けた注文を受注伝票に作成し、その精算により売上伝票を生成する売上伝票処理方法において、互いに異なる伝票番号を有する受注伝票のデータを保留データとして保留ファイルに記憶し、前記保留データを呼戻しして画面表示するに際して同一条件を指定された複数の前記保留データを前記保留ファイルから呼戻しし、編集データ群にまとめて編集ファイルに形成し、編集データの一つを選択して画面表示することを特徴とする売上伝票処理方法。
【請求項2】
顧客から受けた注文を伝票番号及び顧客番号を含むデータに形成して受注伝票に作成し当該受注伝票の精算により売上伝票を生成する売上伝票処理方法において、互いに異なる伝票番号を有する前記受注伝票のデータを保留データとして保留ファイルに記憶し、少なくとも注文の精算に際して、同一条件を指定された複数の前記保留データを前記保留ファイルから呼戻しして順序付けし、編集データ群にまとめて編集ファイルに形成すると共に、編集データの一つを選択して画面表示し、画面表示された編集データの前後いずれかのデータを一操作の前後指定により前記編集ファイルから検索して画面表示することを特徴とする売上伝票処理方法。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の売上伝票処理方法において、前記保留データを編集データ群にまとめて編集ファイルに形成する条件は注文変更であることを特徴とする売上伝票処理方法。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の売上伝票処理方法において、指定される同一条件が、顧客番号、又は飲食店において指定される卓番号であることを特徴とする売上伝票処理方法。
【請求項5】
顧客から受けた注文を入力して受注伝票に作成し、その入力データを保留データとして保留ファイルに記憶し、その精算処理により売上伝票を生成出力する売上伝票処理装置において、同一条件を指定された複数の前記保留データを編集データ群にまとめて形成する編集ファイルと、前記保留データを呼戻しして画面表示するに際して、同一条件の指定入力を受け、指定された複数の前記保留データを前記保留ファイルから呼戻しして前記編集ファイルに形成し、編集データの一つを選択して画面表示する制御部とを備えることを特徴とする売上伝票処理装置。
【請求項6】
顧客から受けた注文を入力して受注伝票に作成し、その精算処理により売上伝票を生成出力する売上伝票処理装置において、互いに異なる伝票番号を有する受注伝票のデータを保留データとして記憶する保留ファイルと、同一条件を指定された複数の前記保留データを編集データ群にまとめて形成する編集ファイルと、画面表示された編集データの前後いずれかのデータを一操作の前後指定入力により画面に呼び出す前後伝票指定手段と、前記保留データを呼戻しして画面表示するに際して、同一条件を指定された複数の前記保留データを前記保留ファイルから呼戻しして前記編集ファイルに形成し、編集データの一つを選択して画面表示すると共に、前記前後伝票指定手段により画面表示された編集データの前後いずれかのデータを一操作の前後指定により検索して画面表示する制御部とを備えることを特徴とする売上伝票処理装置。
【請求項7】
請求項5又は6に記載の売上伝票処理装置において、前記保留データを編集データ群にまとめて編集ファイルに形成する条件は注文の精算または変更であることを特徴とする売上伝票処理装置。
【請求項8】
請求項5又は6に記載の売上伝票処理装置において、指定される同一条件が、顧客番号、又は飲食店において指定される卓番号であることを特徴とする売上伝票処理装置。
【請求項9】
請求項5又は6に記載の売上伝票処理装置において、POSシステムに組み込まれたPOS端末として機能することを特徴とする売上伝票処理装置。
【請求項10】
互いに異なる伝票番号を有する受注伝票のデータを保留データとして記憶する保留ファイルと、同一条件を指定された複数の前記保留データを順序付けし編集データ群にまとめて形成する編集ファイルと、画面表示された編集データの前後いずれかのデータを一操作の前後指定入力により画面に呼び出す前後伝票指定手段とを備える売上伝票処理装置に、前記保留データを呼戻しして画面表示するに際して同一条件の指定入力を受け、入力指定された複数の前記保留データを前記保留ファイルから呼戻しして前記編集ファイルに形成し、編集データの一つを選択して画面表示すると共に、前記前後伝票指定手段により画面表示された編集データに対する一操作による前後指定入力を受けた際、その入力指定により、画面表示された編集データの前後いずれかのデータを検索して画面表示する処理を実行させるプログラムを有することを特徴とする売上伝票処理装置に搭載される記憶媒体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2006−127044(P2006−127044A)
【公開日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−312680(P2004−312680)
【出願日】平成16年10月27日(2004.10.27)
【出願人】(000227205)NECインフロンティア株式会社 (1,047)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年10月27日(2004.10.27)
【出願人】(000227205)NECインフロンティア株式会社 (1,047)
【Fターム(参考)】
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