説明

変えられた空間構造を備えるインターフェロン及びその応用

【解決課題】
本発明は幾つかの天然α−インターフェロンの保存的アミノ酸の構造に基づいて、人工的に設計、構築された新たな高率複合インターフェロン(rSIFN-co)に関わる。
【解決手段】
rSIFN-coのアミノ酸配列に基づいて、大腸菌の優先コドンを用いて、rSIFN-co全長のアミノ酸残基をコードするcDNAを設計、合成した。該DNA断片を二つの方向にシーケンスを測定し、その全長501bpのコドン配列とTAA終止コドン配列は有効であり、理論設計と一致した。後続の分析において、該遺伝子による発現されたrSIFN-co組換えタンパクに対してアミノ酸組成とN-末端の配列分析も予測の結果と一致した。また、rSIFN-coは有効な抗肝炎薬物であることが証明され、十分に高い純度のrSIFN-coタンパクを獲得するために、高率且つ安定的にrSIFN-coタンパクを発現させる大腸菌の組み換え菌株を得た。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、変えられた空間構造を備えるコンセンサスインターフェロン(組換え高率複合インターフェロン(recombinant super-compound interferon))(rSIFN-co)に関する。本発明に記載されるrSIFN-coの特徴の一つはB型肝炎ウィルスのDNAの複製を抑制できるだけではなく、HBeAg及びHBsAgの分泌も抑制できる。
【0002】
本願は2003年8月28日に出願された米国特許出願No.60/498,449、2003年8月28日に出願された米国特許出願No.60/498,785、2003年8月28日に出願された米国特許出願No.60/498,923に対し優先権を主張し、また、2004年3月5日に出願されたインド特許出願No.279/MUM/2004、2004年3月5日に出願されたインド特許出願No.280/MUM/2004に対し優先権を主張する。上記出願の内容をまとめてここに援用する。
【0003】
本願には各種の参照文献を引用する。本発明に関する技術状況を全面的に開示するために、それらの出版物を参照として提供し、本発明と結合する。
【背景技術】
【0004】
組換え高率複合インターフェロン(recombinant super-compound interferon, rSIFN-c
o)は、幾つかの天然ヒトα-インターフェロンサブタイプ中に最もよく見られる保存的アミノ酸構造を遺伝子工学の手法により構築された一種の新しいインターフェロン分子である。米国特許4695623、4897471にこのインターフェロンについて記載された。rSIFN-coは幅広いインターフェロンの活性と強い抗ウィルス、抗腫瘍及び天然キラー細胞活性を有することが証明された。米国特許5372808において、rSIFN-coにより疾病を治療する方法が公開された(Amgen Inc.);中国特許97193506.8において、rSIFN-coを用いて、C型肝炎を再治療する方法が公開された(Amgen Inc.);中国特許98114663.5において、rSIFN-coの作製方法とB型肝炎とC型肝炎を治療する方法が公開された(Shenzhen Jiusheng Bio-engineering Ltd.)。
【0005】
米国食品・薬品管理局(FDA)は1997年末に米国Amgen社の大腸菌により生産されたrSIFN-coをC型肝炎の臨床治療に用いることを許可した。
【0006】
表面抗原(HBsAg)陽性とe抗原(HBeAg)陽性が検出された患者はB型肝炎と判定できる。α-インターフェロンは慢性B型肝炎の治療に臨床上利用されている。インターフェロンは細胞表面膜受容体と結合して、DNAとRNAの複製を抑制する。ある酵素を誘導して、ウィルスに感染された細胞中のウィルスの複製を阻止することを包括する。全てのインターフェロンはウィルスのDNA複製を抑制できるが、e抗原とs抗原は抑制できない。
【0007】
本出願は組換え高率複合インターフェロン、その作製方法及びその利用について詳しく開示する。
【0008】
中国の広東省に初めて発現された非典型的な肺炎、即ち、重症急性呼吸器症候群(SARS)はすでに幾つかの国家に広がった。2003年2-3月に香港、ベトナム及びカナダに類似した病例も発見された。世界保健機構(WHO)は該疾病に対して全世界に警報を出した。2003年3月中旬、極東地域に、重篤な呼吸系の患者を介護する医療従事者及びその家族の中にSARS病例が発見された。その例の多くは、広東省から香港を訪問した一人の医療従事者により伝播され、多くの経路が追跡された。この人は肺炎で香港に入院して死亡した。2003年4月までにWHOは25国からの数千名のSARS病例及びSARSで数百の死亡者の報告を受けた。これらの病例中の多くは家で、または医療機関でSARSの患者と接触した後発症した。本発明はSARSを有効的に予防し/または治療する方法を提供する。
【0009】
現在、アジアにおいて、もう一つ恐慌となる流行病は鳥インフルエンザウィルス(H5N1)である。鳥インフルエンザはA型インフルエンザウィルスによる鳥類の伝染病である。これには15種類の鳥類インフルエンザウィルスサブタイプがある。H5N1が注目された理由は、その変異速度が速く、動物だけではなく、人類にも感染するからである。2004年2月4日まで、鳥インフルエンザで死亡した人は13人が確認された。世界保健機構の全世界のインフルエンザネットワークの実験室はウィルスをコントロールし、もっと多くの発症と死亡を予防することに着手している。しかし、完全にH5N1の危害及びその伝染ルートを理解するには,より多くの厳密な実験を必要とする。その他、抗ウィルス薬は健康人に対してのみA型インフルエンザウィルス株の予防または治療に効果的である。http://www.who.int/csr/don/2004_01_15/en,2004年1月15日を参照。
【0010】
St. Jude病院と他のトップレベルのインフルエンザ研究所の研究者はH5N1の原型ヒト型ワクチンを開発するために競争している。彼等は原型ワクチンを三週間以内に完成することを期待している。しかしながら、ワクチンを製造できる前に、科学者はH5N1が人類のスーパーインフルエンザになることを心配している。《Wall Street Journal》,“Scientists Rush to Create Vaccine for Bird Flu − Just in Case”、2004年1月28日を参照。
【0011】
本出願は組換え高率複合インターフェロン、その作製方法及びその応用をここで詳しく説明する。特に、組換え高率複合インターフェロンは肝炎ウィルス、SARS ウィルス、またはウィルスによる上部呼吸器の疾病と鳥インフルエンザーウィルスを抑制、予防/または治療することを示す。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は有効量の組換え高率複合インターフェロン及びその類似する物を用いて、ウィルス性疾患または腫瘍を抑制、予防または治療する方法を提供する。
【0013】
本発明に提供される上記方法において、組換え高率複合インターフェロンは以下の方法で投与される:径口、静脈注射、筋肉注射、腹腔注射、皮下注射、吸入器で吸入して鼻腔または粘膜に投与する。
【0014】
本発明はウィルス性疾患を予防または治療する方法を提供する。記載されるウィルス性疾患はA型肝炎、B型肝炎、C型肝炎、他の肝炎;以下のウィルスによる感染:EBウィルス、サイトメガロウイルス、単純性水泡症ウィルス、他の水泡症ウィルス、パポーバウイルス(papovaviruses)、ポックスウィルス(poxviruses)、ピコルナウイルス(Picornaviruses)、アデノウィルス(Adenoviruses)、ライノウィルス(rhinoviruses)、I型ヒトT細胞白血球病ウィルス、II型ヒトT細胞白血球病ウィルス、またはIII型ヒトT細胞白血球病ウィルスを含むことを特徴とする。
【0015】
本発明は抗肝炎活性の方法を提供する。HBV-DNAの複製及びHBsAg とHBeAgの分泌を抑制できることを特徴とする。
【0016】
本発明は上部呼吸器の感染疾病を予防あるいは治療する方法を提供する。
【0017】
本発明は腫瘍または癌を予防または治療する方法を提供する。前述の腫瘍には皮膚癌、基底細胞癌及び悪性黒色腫、腎細胞癌、肝癌、甲状腺癌、鼻咽頭癌、充実癌、前立腺癌、胃癌、食道癌、直腸癌、膵癌、乳腺癌、卵巣癌、表在性膀胱癌、血管瘤、表皮様癌、子宮頚癌、非小細胞肺癌、小細胞肺癌、神経膠腫、急性白血病、慢性白血病、慢性骨髄白血病、有毛細胞白血病、リンパ節腫、多発性骨髄腫、赤血球増加症、カポジ肉腫(Kaposi’s sarcoma)が例示できる。
【0018】
本発明は患者に有効量の組換え高率複合インターフェロンまたはその機能と類似する物を投与することにより、重症急性呼吸器症候群(SARS)またはウィルスによる上部呼吸器疾病を治療または予防するための方法を提供する。
【0019】
組換え高率複合インターフェロン(rSIFN-co)は以下の方式で投与される:径口、静脈注射、筋肉注射、腹膜注射、皮下注射、吸入器で吸入して鼻腔または粘膜に投与する。
【0020】
本発明は重症急性呼吸器症候群の病原体またはウィルスによる上部呼吸器疾患を抑制する方法を提供する。病原体と有効量の組換え高率複合インターフェロンまたはその機能と類似する物と接触することを特徴とする。
【0021】
本発明は重症急性呼吸器症候群ウィルス 、重症急性呼吸器症候群ウィルスに感染された細胞またはウィルスによる上部呼吸器疾病を抑制する方法を提供する。有効量の組換え高率複合インターフェロンと上述したウィルスまたは細胞と接触することを特徴とする。前記の接触は直接でもよく、間接でもよい。
【0022】
重症急性呼吸器症候群ウィルス、重症急性呼吸器症候群ウィルスに感染された細胞またはウィルスによる上部呼吸器疾病を抑制、予防または治療できる有効量の組換え高率複合インターフェロンと適当な薬学的に許容されるキャリヤーとを含む組成物を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0023】
本発明は空間構造が変えられ、かつ抗ウィルス活性を増強させる組換え高率複合インターフェロンの生産方法を提供する。a)好適なコドンを含有する、合成された人工遺伝子を好適な宿主に挿入する、また、b)該宿主を適当な条件で培養して、上記の複合インターフェロンを発現させる。
【0024】
本発明は組換え高率複合インターフェロンの生産方法を提供する、また、発現されたインターフェロンを収集することを含む。
【0025】
本発明は空間構造が変えられた組換え高率複合インターフェロン及びその機能と類似するものを提供する。本発明は、一次構造が相同であるタンパク質は異なる生物学的活性を持っていることが見出された。以下の例で証明するように、本出願は二種類の相同なアミノ酸配列を有するが、異なる活性を有するタンパク質を開示する。これらのタンパク質はある時は活性が高められ、ある時は、空間構造が変えられて新たな機能を表す。
【0026】
ここで定義される均等物は複合インターフェロンに機能が類似する分子である。さらに、均等物は欠失、置換または原配列の置換変異体であってもよい。また、本発明は組換え高率複合インターフェロンを模倣する分子も包含する。模倣する分子とは一種のペプチド、ポリペプチドまたは小さい化合物でもよい。
【0027】
ここで記載されるインターフェロンはインターフェロンα、βまたはωを包括するが、それに限定するものではない。一つの実例において、それはIFN-1α、IFN-2βまたは他の変異体である。
【0028】
もう一つの実例において、高率複合インターフェロンは米国特許No. 4695623またはNo.4897471に記載されたインターフェロンより強い効果を有することを示した。高率複合インターフェロンは独特な二次または三次構造を有すると考えられる(図例6を参照)。
【0029】
ここで記載される高率複合インターフェロンの空間構造の変化はその生産工程の変化に基づいたものである。
【0030】
上記される高率複合インターフェロンは一つの特殊なプロモータを用いて高効率発現システムにより生産られる。一つの実例において、該プロモータはPBADである。当業者が分かるように、他の誘導できるプロモータ、例えば:ヒートショックプロモータまたは重金属誘導プロモータはこの発明に利用することもできる。
【0031】
高率複合インターフェロンは大腸菌のコドンの頻度に基づいて、野生型の配列を調整された人工合成したcDNA遺伝子より得られてもよい。前記コドンの頻度について、詳細な検討は米国特許No.4695623の第6欄、第41行 - 第7欄第35行を参照。
【0032】
上記される高率複合インターフェロンは抗ウィルスまたは抗腫瘍活性を有する。そこで、ウィルス性疾患、腫瘍または癌を抑制、12345 予防または治療するために有用である。
【0033】
ここで、上記のウィルスとして、ウィルス性疾患はA型肝炎、B型肝炎、C型肝炎、他のタイプの肝炎、さらに、下記のウィルスの感染による疾患も含む:EBウィルス、サイトメガロウイルス、単純性水泡症ウィルス、他の水泡症ウィルス、パポーバウイルス(papovaviruses)、ポックスウイルス(poxviruses)、ピコルナウイルス(Picornaviruses)、アデノウィルス(Adenoviruses)、ライノウィルス(rhinoviruses)、I型ヒトT細胞白血病ウィルス、II型ヒトT細胞白血病ウィルス、またはIII型ヒトT細胞白血病ウィルス等が例示できるが、これらに限定されるものではない。
【0034】
ウィルス性上部呼吸器の感染、通常風邪ともいう。これは一種の上部呼吸器の接触性ウィルス感染である。症状は粘膜に炎症を起こし、くしゃみ、喉が痛くなる。通常200種以上の異なるウィルスにより起る。著名なのはライノウィルスである。風邪は相同なインフルエンザにより起るわけではない。風邪は患者の咳、またはくしゃみにより広がり、或いは患者に汚染されたものに接触することにより広がる。子供においては風邪の発病率が最も高く、年齢に伴って発病率が低くなる。それは発病後、風邪を引き起こすウィルスに対して、免疫性が形成されたからである。次第に、成人は風邪を引き起こす各種ウィルスに対して、免疫力が増強される。子供は一年内に風邪を10回罹患すれば、成人は一年内に風邪を3回罹患する。
【0035】
米国の疾病のコントロールと予防センターは米国に毎年上部呼吸器感染の平均発症例が約4.29億で、直接と間接の医療保健の支払い額が25億ドルであると推測している。
【0036】
風邪は通常、数百種のライノウィルス中の一つ(52%)によって引き起こされるが、コロナウィルス(8%)または呼吸器多核体ウィルス(7%)も感染を引き起こす。他のウィルス、例えばインフルエンザ(6%),パラインフルエンザと、アデノウィルスは呼吸器系の症状を引き起こすが、それは通常肺炎、発熱、悪寒を伴う。
【0037】
風邪は季節性の疾病である。通常、9月の中旬から発病し、4月の末〜5月の初までに終わる。風邪は完全に接触性感染であり、人との接触または空気中に散らす飛沫により広がる。上部呼吸器の感染症状は通常、罹患後1-2日から初まって、1-2週間持続する。これにしても、ウィルスの脱落や接触感染は依然として、二、三週間持続する。症状は合併症を引き起こす可能性がある、例えば、鼻カタル、または気管支炎、肺炎等の呼吸器系の疾病である。
【0038】
普通の風邪は多くの明顕症状があって、不快感、鼻詰り、鼻汁を流し、空咳、軽い喉痛などを包括する。ある病歴には軽い発熱がある。症状が類似するので、風邪は通年性アレルギー性鼻炎と誤認する可能性がある。ただし両者の慢性の差異によって、アレルギー症状は排除することができる。
【0039】
もし、患者がウィルス性上部呼吸器の感染を患えば、多種の治療法を用いることができる。多くの場合、これらの感染は自分で制御できる。臨床の医者は通常、休みと水を飲むことを進言して、また他の治療は環境療法、栄養治療、非処方箋や処方箋の投薬、及び充血を解く薬、抗ヒスタミン剤薬品、新しい抗ヒスタミン剤と抗コリン薬、抗生物質を包括する。表1には常用の咳、風邪を治療する薬及びその副作用を表す。
【0040】
【表1】

【0041】
摘要の由来:http://www.physsportsmed.com/issues/1998/02feb/swain.htm
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】図1はrSIFN-coのアミノ酸配列及び大腸菌コドンの嗜好性に基づいて設計されるcDNA配列。
【図2】図2はもう一種類の組換え高率複合インターフェロンの配列
【図3】図3はpLac T7クローンベクタープラスミドの図
【図4】図4はpHY-4発現ベクタープラスミドの図
【図5】図5.発現プラスミドpHY-5を構築するプロセスの図
【図6A】図6AはInfergenの円二色スペクトル 波長範囲:250nm -190nm 感度:2 m°/cm 光路(light path): 0.20 cm 装置:Circular Dichroism J-500C サンプル: 30 μg/ml IFN-con1、5.9 mg/ml NaCl、3.8 mg/ml Na2PO4を含む、pH 7.0 Infergen(インターフェロン alfacon-1)は米国のAmgen Inc.,会社に生産され、共有インターフェロンとも知られている。成人の慢性C型肝炎(HCV)を治療する薬品として市場に販売されている。それは現在唯一なFDAに許可される、理論に基づいて薬物を設計され、生物優化を行って得られるインターフェロンである。その上、明確な実験データに基づいてインターフェロンの治療に対して無応答または再発する患者にそれを用いられることが説明された。Intermuneは2002年1月に新たにインターフェロンを再起動して、米国の肝臓病医者に対して教育活動を展開して、インターフェロンの正確かつ安全な使用方法を紹介した。これはHCV患者の50%を占める、現有の治療方法において無効である患者に対して新たな希望を示す。httw://www.intermune.com/wt/itmn/Infergen、2003年8月27日を参照する。
【図6B】図6-Bはインターフェロン円二色スペクトルの参考文献「Journal of Interferon and Cytokine Research. 16:489-499 (1996)」 インターフェロン共有サブ群の円二色スペクトルである。インターフェロンの共有部分が陰イオン交換カラムにより分離される。サンプルは、10mMのリン酸ナトリウム(pH 7.4)に透析され、Jasco J-170分光偏光計によりセルサーモスタットの中で、15oCで測定される(────),アシル化された形; (--)cis末端の形; (・・・),met末端の形. A. 遠紫外スペクトル. B. 近紫外スペクトル.
【図6C】図6-CはrSIFN-co円二色スペクトル 波長範囲:320nm -250nm 感度:2 m°/cm 光程: 2 cm 装置:Circular Dichroism J-500C サンプル: 0.5 mg/ml rSIFN-co、5.9 mg/ml NaCl、3.8 mg/ml Na2PO4を含む、pH 7.0。
【図6D】図6-DはrSIFN-co円二色スペクトル 波長範囲:250nm -190nm 感度:2 m°/cm 光程: 0.20 cm 装置:Circular Dichroism J-500C サンプル:30 μg/ml rSIFN-co、5.9 mg/ml NaCl、3.8 mg/ml Na2PO4を含む、pH 7.0。 以上のグラフにより、rSIFN-co はIngergenと異なる二次さらに三次的な構造を有することが明らかに示される。
【図7A】図7Aは組換え高率複合インターフェロンのスプレー剤
【図7B】図7Bは組換え高率複合インターフェロンのスプレー剤
【図7C】図7Cは組換え高率複合インターフェロンのスプレー剤
【図7D】図7Dは組換え高率複合インターフェロンのスプレー剤 図7A-C.は組換え高率複合インターフェロンのスプレー剤 高さ:90 mm 広さ:25 mm(底), 6 mm (頂) 重さ:9 g ボトルの容積:0.1 ml 初めてスプレー剤を使用する時、スプレーのキャップを取り、液体を出すまでに、空気に何回プリスプレーを行う。この後、スプレー剤を使用する時それを要らない。図に示すように使用する:(1)プリスプレー;(2)速やかに指で底まで押す。
【図8】図8は異なるインターフェロンがB型肝炎ウィルスの遺伝子の発現を抑制することを比較する。
【図9A−1】図9A-1.はA組受検者の体温の変化曲線(5人) この図はA組の5名受検者の体温変化の記録
【図9A−2】図9A-2はA組受検者の体温の変化曲線(6人) この図はA組の他の6名受検者の体温変化の記録
【図9B−1】図9B-1はB組受検者の体温の変化曲線(5人) この図はB組の5名受検者の体温変化の記録
【図9B−2】図9B-1はB組受検者の体温の変化曲線(5人) この図はB組の5名受検者の体温変化の記録
【図10】図10はrSIFN−co結晶I
【図11】図11はrSIFN−co結晶II
【図12】図12はrSIFN−co結晶のX線回折グラフ
【発明を実施するための形態】
【0043】
上部呼吸器感染を予防と治療への高率複合インターフェロンの利用
上部呼吸器感染のほぼ78〜80%は下記のウィルスにより引き起こされる:呼吸器系総合ウィルス、アデノウィルス、ライノウィルス、コクサッキウィルス、コロナウィルス及びその変異体、インフルエンザウィルスA及びその変異体、インフルエンザウィルスB及びその変異体、パラインフルエンザウィルス及びその変異体、またはエンテロウイルス(enterovirus)及びその変異体。成人の上部呼吸器感染の一つの主な原因はライノウィルスである。児童の上部呼吸器感染の二つの主な原因は、呼吸系総合ウィルスとパラインフルエンザウィルスである。
【0044】
組換え高率複合インターフェロン (rSIFN-co)は上部呼吸器感染のウィルスに抵抗するために重要な役割を担っている。組換え高率複合インターフェロンは主に二つのメカニズムにより抗ウィルス作用を発揮する:
1.感受性を有する細胞表面に付着して、抗ウィルスタンパク質の産生を誘導して、生体内でウィルスの複製と再生を阻止する。
2.組換え高率複合インターフェロン(rSIFN-co)は免疫反応を調節して、T細胞の免疫反応、天然キラー細胞の活性、単核体の呑食作用、さらに生体内で抗体を産生する。
【0045】
上部呼吸器感染の治療において、組換え高率複合インターフェロン(rSIFN-co)はスプレー剤により直接的に感染箇所に適用する。該治療方法は最初からインターフェロンを目的細胞に到達させるので、経口または注射と比べると、インターフェロンの投与のためにはより安全かつ効果的である。
【0046】
SARSを予防及び治療するための高率複合インターフェロンの利用
四川省(中国の一つの省)のSARSの予防とコントロールのワーキンググループの許可を得た上で、組換え高率複合インターフェロン (rSIFN-co)の配布を2003年5 月から始めた。組換え高率複合インターフェロンスプレー剤はSARSの感染の高危険区の病院の医者、看護婦及びSARSを予防とコントロールする国家機関に配られた。2003年12月19日までに、スプレー剤の3000名の使用者は使用後の副作用は報告されなかった。その他、四川省の医者、看護婦、その他、組換え高率複合インターフェロンスプレー剤を使用した人はSARSに感染しなかった。
【0047】
従って、本発明は上記ウィルスやウィルスに感染した細胞を有効量の組換え高率複合インターフェロン(rSIFN-co)またはそれと均等な物と接触することで、ウィルスの複製またはウィルスが細胞に感染することを抑制、予防または治療する方法を提供する。
【0048】
【表2】

【0049】
患者1:一名の女性卵巣癌の患者は注射を開始した。彼女は7月14日、7月16日、7月18日、7月20日と7月22日にそれぞれ15μgのrSIFN-coを注射して、2000 mlの腹水が観察された。患者は7月22日から化学治療を受けて、8月3日に、腹腔の手術を受けた。臨床経験に基づいて、腹腔中に2000 mlの腹水があると推測したが、200mlの腹水しか観察されなかった。卵巣の左右両側とリンパ節が癌となったが、他の器官は全てノーマルであった。
【0050】
患者2:一名の腎癌患者は以下の方法により治療を行った。当患者は診断されてから半か月内に、3回の9μgのrSIFN-co注射と3回の15μgのrSIFN-co注射を受けた。その後の一ヶ月内に、患者は隔日に9μg と15μgのrSIFN-co注射を受けた。該治療過程を経て、腎生検による組織検査で癌細胞は転移しなかったことが示された。患者は完全に治癒された。患者は健康になった後、半年毎に、1回15μgのrSIFN-coを1ヶ月に15回以上の筋肉注射を受けた。
【0051】
従って、本発明は有効量の組換え高率複合インターフェロンまたはそれと均等な物を腫瘍または癌細胞と接触させることで、腫瘍または癌細胞の増殖を抑制する方法を提供する。
【0052】
もう一つの実施例において、高率複合インターフェロンはB型肝炎ウィルスDNAの複製及びHBsAgとHBeAgの分泌を抑制できる。
【0053】
本発明は高率複合インターフェロンまたはそれと均等な人工遺伝子コドン配列を提供する。人工遺伝子を設計するのは一つの通常の技術である。ヌクレオチド配列を合成するための多くの方法及び他の分子生物学の技術が報告されている。例えば:Joseph Sambrook and David W. Russell, Molecular Cloning(分子クローン): A laboratory Manual, December 2000, published by Cold Spring Harbor Laboratory Press.参照。
【0054】
本発明は高率複合インターフェロン及びそれと均等な物の遺伝子を含有するベクターを提供する。
【0055】
本発明は高率複合インターフェロン及びそれと均等な物の遺伝子を含むベクターを含有する発現システムを提供する。その宿主細胞は真核細胞または原核細胞を包含するが、それに限定することではない。
【0056】
本発明は高率複合インターフェロン及びそれと均等な物の遺伝子を含むベクターを含有する宿主細胞を提供する。
【0057】
本発明は組換え高率複合インターフェロンの生産方法を提供する。選択されるコドンにより合成する人工遺伝子を宿主に挿入する、該宿主を適当な条件で培養して上記の複合インターフェロンを発現させて産物を収集する、ことを含む生産方法である。
【0058】
該工程は以下の内容を含んでもいい:発酵液から高率複合インターフェロンを抽出し、封入体を収集して、目的タンパク質を変性及び再生する。
【0059】
該工程において、特定濃度の試薬を使用して、高率複合インターフェロンの高い活性を維持する。該工程は以下のことを含んでもいい:高率複合インターフェロンの分離及び精製、高率複合インターフェロンの凍結乾燥製剤または液体注射剤の形で生産すること。
【0060】
本発明は上記の方法で生産される高率複合インターフェロンを提供する。
【0061】
本発明は高率複合インターフェロンまたはそれと均等な物と、適当なキャリヤーとを含有する混合物を提供する。
【0062】
本発明は高率複合インターフェロンまたはそれと均等な物と、適当な薬学的に許容されるキャリヤーとを含有する医薬組成物を提供する。
【0063】
本発明はウィルス性疾病または腫瘍を治療、または予防する方法を提供する。即ち、目標個体に有効量の組換え高率複合インターフェロンまたはそれと均等な物を投与する。
【0064】
本発明に提供される上記方法に記載されたウィルス性疾患は以下のものを包含する:A型肝炎、B型肝炎、C型肝炎、他のタイプの肝炎;以下のウィルスの感染による疾病:EBウィルス、サイトメガロウイルス、単純性水泡症ウィルス、他の水泡症ウィルス、パポーバウイルス(papovaviruses)、ポックスウイルス(poxviruses)、ピコルナウイルス(Picornaviruses)、アデノウィルス(Adenoviruses)、ライノウィルス(rhinoviruses)、I型ヒトT細胞白血病ウィルス、II型ヒトT細胞白血病ウィルス、またはIII型ヒトT細胞白血病ウィルスが例示できる。しかし、それらに限定されるものではない。
【0065】
本発明に提供される上記方法において、高率複合インターフェロンは以下の方法で投与される: 経口、静脈注射、筋肉注射、腹膜注射、皮下注射、鼻腔または粘膜に投与する方法、吸入器で吸入する方法などが例示できる。
【0066】
本発明に提供される上記方法において、高率複合インターフェロンは以下の方法で投与される:隔日に9 μg または15 μgを週三回、24週間注射する方法である。
【0067】
本発明の驚いた発見は、タンパク質の空間構造が変えられた組換え高率複合インターフェロンはB型肝炎ウィルスのDNAを抑制する作用を持つだけではなく、2.2.15細胞におけるHBsAg、HBeAgの分泌も抑制できる。
【0068】
本発明の一つの目的は組換え高率複合インターフェロン製剤を提供し、B型肝炎ウィルスのDNA複製と表面抗原及びe抗原の分泌を直接に抑制して、それをノーマルレベルまで低減させる。
【0069】
具体的には、rSIFN-coは組換え技術により生産される。それは固定したアミノ酸配列に基づいて、大腸菌のコドンの頻度に基づいて、IFNのDNA 配列が新たに設計され、人工合成されたrSIFN-co遺伝子である。DNA組換え技術によりrSIFN-coのcDNA配列を大腸菌の高発現ベクターにクローンする。該高発現ベクターはL-アラビノース誘導/活性化―機構によりPBADプロモータの転写を活性化して、rSlFN-co遺伝子を効率的に発現させる。
【0070】
このアラビノース誘導/活性化―機構は遺伝子工学の通常の温度―誘導、pH―誘導、IPTG誘導システムに比べて、顕著な利点がある:(1)通常採用された幾つかの調節システムは何れも「抑制解除」の形式で機能プロモータの抑制作用を解除して、プロモータを介することで、下流の遺伝子を発現させる。温度と、pH値そのもの及び付加されるIPTG等はプロモータに対して直接な活性化作用がない。ここで採用されるシステムにおいて、L-アラビノースは、PBADプロモータに対して抑制作用を解除するだけではなく、同時に、「アラビノース-AraC複合物」は直接にPBADプロモータを活性化して、それを介して、下流遺伝子の発現を効率的に発現させる。そこで、アラビノース誘導/活性化―機構はほかの幾つかのシステムよりさらに有効な発現システムである;(2) PBADプロモータ活性化の程度と加入されるL-アラビノース量とは直線関係となる。そうすると、直接にアラビノース濃度を変えることで、外源性遺伝子の発現量を調節できる。付加されるアラビノースは温度とpH等を変えることと比べると、より簡単に外来性の遺伝子を大腸菌に発現させることをコントロールできる。この特性は封入体の形成に対して非常に意味がある。;(3)L-アラビノースは入手しやすく、価格が安い、毒性がないので、他の誘導剤例えばIPTGのこれらの欠点を克服できる。
【0071】
本発明の実施例において、アラビノース誘導/活性化―機構を用いて、高率で、安定なrSIFN-coを発現する組換え大腸菌株を構築する。該菌株を適当な条件で培養して、発酵させて、菌体を収集し、超音波で菌を破壊し、繰り返して洗って封入体を精製する。その封入体の変性、再生及び分離精製手段により、多量の純度が高い空間構造が変えられたrSIFN-coタンパク質を得て、本発明の研究と臨床治療に用いることができる。
【0072】
以下はあるrSIFN-coの製剤である。例えば:錠剤、カプセル、経口で服用する剤、貼剤、注射剤、スプレー剤、座剤、溶液製剤であり、推薦する剤型は注射剤で、皮下あるいは静脈に投与することができる。薬剤組成物中のキャリヤーは何れも薬学的に許容される薬物キャリヤーを使用できる。これらのキャリヤーは糖類、セルロース製品、接着剤、崩解剤、潤滑剤、フィーリング剤、増溶剤、緩衝剤、防腐剤、濃い剤、配合剤などが例示できる。
【0073】
本発明は上記の組成物及び適当な薬物キャリヤーを含有する薬剤組成物を提供する。
【0074】
本発明の異なる目的により、「薬学的に許容されるキャリヤー」とは標準的な薬学的なキャリヤーを指す。例えば、公知の適当なキャリヤーはよく知られている標準的な薬物用キャリヤーを包括する。例えば:燐酸塩の緩衝液及び各種の潤湿剤。他のキャリヤーは錠剤、顆粒剤及びカプセル等に用いる添加剤を包含してもよい。典型的なキャリヤーは以下のものを含む:澱粉、乳液、糖、あるタイプのクレー、ゲラチン、ステアリン酸及びその塩類:ステアリン酸マグネシウムまたはステアリン酸カルシウム、タルク、植物油脂、ガム、グリコールまたはその他の公知の賦形剤。これらのキャリヤーには調味剤、着色剤及び他の成分を含有してもよい。これらのキャリヤー中の成分は公知の伝統的な方法で調製出来る。
【0075】
本発明は有効量の組換え高率複合インターフェロンまたはそれと機能が均等な物を用いることで、重症急性呼吸器症候群またはウィルスによる上部呼吸器疾患を予防または治療する方法を提供する。
【0076】
上記方法の一つの実例において、インターフェロンはα、βまたはωである。
【0077】
高率複合インターフェロンは以下の方法で投与される:経口、静脈注射、筋肉内注射、腹腔内注射、皮下注射、鼻腔内粘膜に投与し、吸入器で吸入する。
【0078】
一つの実施例において、該インターフェロンはスプレー設備により投与される。
【0079】
一つの実施例において、この設備は図7に示すようなものである。
【0080】
一つの実施例において、インターフェロンは凍結乾燥製剤型である。
【0081】
本発明は有効量の組換え高率複合インターフェロンまたはそれと均等な物と接触することで、重症急性呼吸器症候群の病原体、またはウィルスによる上部呼吸器疾患を抑制する方法を提供する。
【0082】
現在、SARSの病原体が一種のウィルスであることは証明された。Rota et al (2003), Characterization of a Novel Coronavirus Associated with Severe Acute Respiratory Syndrome. Science 1085952 www.sciencexpress.org 及びMarra, et al. (2003), The Genome Sepuence of the SARS-Associated Coronavirus. Science 1085853 www.sciencexpress.org 参照。
【0083】
本発明はウィルスまたは細胞を、有効量の組換え高率複合インターフェロン及びそれと均等な物と接触することで、重症急性呼吸器症候群ウィルス、または重症急性呼吸器症候群ウィルスに感染される細胞、またはウィルスによる上部呼吸器疾患、または上部呼吸器疾患のウィルスによる細胞感染を抑制する方法を提供する。上記の接触は間接でもよく、直接でもよい。
【0084】
本発明は重症急性呼吸器症候群ウィルス、または重症急性呼吸器症候群ウィルスによる感染された細胞、またはウィルスによる上部呼吸器疾患、または上部呼吸器疾患のウィルスによる細胞感染を抑制する有効量の組換え高率複合インターフェロンと、適当なキャリヤーとを含有する組成物を提供する。
【0085】
本発明は重症急性呼吸器症候群またはウィルスによる上部呼吸器疾病を予防または治療する有効量の組換え高率複合インターフェロンと、適当なキャリヤーとを含有する組成物を提供する。
【0086】
本発明は重症急性呼吸器症候群ウィルス、または重症急性呼吸器症候群ウィルスによる感染された細胞、またはウィルスによる上部呼吸器疾患を抑制する有効量の組換え高率複合インターフェロンと、適当な薬物用キャリヤーとを含有する薬剤組成物を提供する。
【0087】
本発明は重症急性呼吸器症候群またはウィルスによる上部呼吸器疾患を予防または治療する有効量の組換え高率複合インターフェロンと、適当な薬物用キャリヤーとを含有する薬剤組成物を提供する。
【0088】
本発明は一種の上記される薬剤組成物を投与する装置を提供する。
【0089】
一つの好適な実例において、投与する対象は人である。分かりやすいように、高率複合インターフェロンは他の動物や哺乳類動物にも用いられる。
【0090】
本発明は人に組換え高率複合インターフェロン製剤をスプレー剤で、一日三回投与することによって、重症急性呼吸器症候群またはウィルスによる上部呼吸器疾患を予防する方法を提供する。該スプレー剤の規格は3 ml中に、1千万ユニットのインターフェロンに等しい20μgを含む。
【0091】
以下の例によって、本発明をもっとよく理解されるであろう。しかしながら、当業者が分かるように、具体的な方法と結果はただ請求の範囲に示す発明の例証となる。
【実施例】
【0092】
具体的な実験
(実施例1)
組換え高率複合インターフェロン(rSIFN-co)は、幾つかの天然ヒトα型インターフェロンサブタイプの保存的なアミノ酸配列を遺伝子工学的方法により構築された一種の新たなインターフェロン分子である。rSIFN-coは幅広いインターフェロンの活性を有することが証明される。例えば強い抗ウィルス、腫瘍を抑制する活性、特に、抗慢性C型肝炎の活性を有する。
【0093】
発表されたrSIFN-coをコードするDNAの配列に基づいて、大腸菌コドンを利用して、コドンが新たに設計された、人工合成するrSIFN-coのcDNA及び推測されるアミノ酸配列(図1)。
【0094】
高い純度のrSIFN-coタンパク質を得るために、rSIFN-coの全長cDNA配列を大腸菌の高発現ベクターにクローンして、L-アラビノース誘導/活性化の発現調節メカニズムを利用して、ベクター中の強いPBADプロモータを活性化して、下流のrSIFN-co遺伝子を高率に発現させる。
【0095】
大腸菌cDNA配列の合成
rSIFN-co cDNA配列を新たに設計する
大腸菌に高発現するために、大腸菌のコドンの頻度に基づいて、rSIFN-co cDNA配列を新たに設計する。新たに設計されたrSIFN-co cDNA配列から推断したアミノ酸配列は発表されたrSIFN-coのアミノ酸原始配列と完全に一致した(図1を参照)。
【0096】
rSIFN-co cDNA配列の合成
rSIFN-co cDNA の5’-端と3’-端の半分子の合成
PCR法で直接的にrSIFN-co cDNA の5’-端の280bp(I断片)と、3’-端の268bp(II断片)と二つの半分子を合成する。断片Iの3’-端と断片IIの5’-端には41bpのヌクレオチド配列を重ねている。
【0097】
1.以下のオリゴデオキシヌクレオチド断片を化学合成する
【0098】
【表3】

【0099】
PCR反応I、rSIFN-co 5’-端の半分子の合成:オリゴデオキシヌクレオチド断片Bをテンプレートとして、AとCの二つのオリゴデオキシヌクレオチド断片をプライマーとして、PCR反応を行って、長さが280bpのrSIFN-coの5’-端の半分子を合成する。
【0100】
【表4】

【0101】
2m→(95℃45s→65℃1m→72℃1m)×25循環→72℃10m→4℃
【0102】
PCR反応II、rSIFN-co 3’-端の半分子の合成:オリゴデオキシヌクレオチド断片Eをテンプレートとして、DとFの二つのオリゴデオキシヌクレチド断片をプライマーとして、PCR反応を行って、長さが268bpのrSIFN-co 3’-端の半分子を合成する。
【0103】
【表5】

【0104】
PCR反応条件と循環はPCRIと同じである。
【0105】
rSIFN-coのcDNA分子の組み立て
「重ね-伸びるPCR」方法で上記PCRに合成された断片Iと断片IIを組み立てて、完全なrSIFN-co cDNAの全長分子配列を得る。その上、NdeIとPstI制限酵素サイトを介して、rSIFN-co cDNA配列をプラスミドにクローンする。
【0106】
1.化学合成のプライマー
Oligomer G:5'ATCGGCCATATGTGCGACCTGCCGCAGACCC3'
Oligomer H:5'ACTGCCAGGCTGCAGTTATTCTTTACGACGCAGACGTTCC3'
2.「重ね-伸びるPCR」反応
【0107】
【表6】

【0108】
*米国Stratagen社製のStrataPrep PCR精製キットを用いて、使用説明書に従い、まずPCR産物を分離精製して、無菌蒸留水に溶解した。
PCR反応条件及び循環は前記PCRIと同じである。
【0109】
rSIFN-co遺伝子のクローン及び配列の分析
pLac T7プラスミドをクローンベクターとして用いる。pLac T7プラスミドはpBluescriptIIKS(+)プラスミド(米国Stratagen社製)を新たに構築したものである(図3を参照)。
【0110】
StrataPrep PCR精製キット(米国Stratagen社製)を用いて、rSIFN-coのcDNA のPCR産物を精製して、NdeIとPstIを用いてcDNAを消化する;同時にpLac T7プラスミドをNdeIとPstIの二つの酵素で消化する。この二つの酵素で切られたDNA断片を1%アガロースゲルに電気泳動で分離する。そして、507bpのrSIFN-co DNA断片と2.9kbプラスミドのDNA断片を精製する。この二者をT4 DNAリガーゼ酵素で連結して組換えプラスミドとなる。この連結された反応混合物をDHコンピテント細胞(米国Gibco社製)に形質転換する。37℃でオーバナイト培養した後、陽性の組換え菌株を選択して、pHY-1と名づけた。
【0111】
DNA配列分析キット(SequiThermTM Cycle Sequencing Kit,米国Epicentre Technologies社から入手)の使用説明書に従い、DNA配列の測定反応を行う。それにプライマーは通常のT7とT3プライマーを用いる。DNA配列の測定結果は理論的に設計されたものと一致した。
【0112】
精製されたrSIFN-coタンパクはN-末端のアミノ酸配列を測定し、その結果は以下の設計された配列と一致した:
N- Cys-Asp-Leu-Pro-Gln-Thr-His-Ser-Leu-Gly-Asn-Arg-Arg-Ala-Leu-
【0113】
発現ベクターの構築、形質転換、鑑定及びその遺伝安定性
発現ベクターの構築、形質転換
大腸菌の発現ベクターpHY-4プラスミド(図3を参照、)をまずNdeI酵素で消化し、プラスミドを 直線化(linearize)させる。そして、XbaI酵素で充分に消化する。1%アガロースゲルで電気泳動後、4.8kbのpHY-4の消化産物をドイツのQIAGEN社製のQIAEXIIキットで精製する。
【0114】
同時にpHY-4プラスミドをNdeIとXbaIの二つの酵素で消化し、1%アガロースゲルで電気泳動して分離した後、715bpの配列断片を分離した。この二つのrSIFN-coとpHY-4の酵素で切られた断片はT4 DNAリガーゼ酵素で組換えプラスミドに連結された(図4を参照)。この連結された反応物をDH5αコンピテント細胞に形質転換され、その細胞をLB-Ampプレートに塗って、37℃でオーバナイト培養した。
【0115】
陽性クローン菌株のスクリーニング
上記のLBプレートからランダムに単一の細菌菌株を拾って、エンドヌクレアーゼで酵素分解して、PCR分析方法でrSIFN-coを含む組換えプラスミド菌株をスクリーニングする。その中の一つのPCR陽性組換えプラスミドをpHY-5と名づけた。pHY-5プラスミドを含有する菌株をPVIIIと名づけ、増殖させてから、グリセロールに入れて-80℃に保存した。
【0116】
rSIFN-co遺伝子がE.coliでの高率発現
pHY-5プラスミドにおいて、rSIFN-co遺伝子は強いプロモータPBADに調節した。また、PBADはAra Cタンパクに調節した。Ara Cは転写因子であり、アラビノースと複合体になる。アラビノースが存在しない場合には、Ara C二量体はO2及びI1と結合して210bpのループになる。この構造は転写を完全に抑制した。アラビノースを加える場合には、Ara C二量体はO2と離れて、I1及びI2と結合することになる。転写の抑制を解除する。アラビノースの結合が失活、抑制、及びPBADプロモータの転写を活性化する。そして、PBADを刺激して、それを介して、高いレベルのrSIFN-coを発現させる。rSIFN-coの発現量は菌体PVIIIタンパク総量の50%まで至る。
【0117】
参考文献
1.Blatt LM, Davis JM, Klein SB. et al. The biologic activity and molecular characterization of a novel synthetic interferon-alpha species, consensus interferon. Journal of interferon and Cytokine Research, 1996;16(7):489-499.
2.Alton,K.et al: Production characterization and biological effects of recombinant DNA derived human IFN-α and IFN-γ analogs. In: De Maeger E, Schellekens H. eds. The Biology of Interferon System.2nd ed. Amsterdam: Elsevier Science Publishers, 1983: 119-128
3. Pfeffer LM. Biologic activity of natural and synthetic type 1 interferons. Seminars in Oncology, 1997;24(3 suppl 9):S9-63--S9-69.
4. Ozes ON, Reiter Z, Klein S, et al. A comparison of interferon-con1 with natural recombinant interferons-a: antiviral, antiproliferative, and natural killer-inducing activities. J. Interferon Res., 1992;12:55-59.
5. Heathcote EJL, Keeffe EB, Lee SS, et al. Re-treatment of chronic hepatitis C with consensus interferon. Hepatology, 1998;27(4):1136-1143.
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7.The Wisconsin Package, by Genetics Computer Group, Inc. Copyright 1992, Medison, Wisconsin, USA
8.Nishimura, A et al: A rapid and highly efficient method for preparation of competent E. coli cells. Nuclei. Acids Res. 1990,18:6169
9.All molecular cloning techniques used are from:Sambrook, J., E. F. Fritsch and T. Maniatis. Molecular CLONING:A laboratory manual,2nd ed. CSH Laboratory Press, Cold Spring Harbour, NY.1989.
10.Guzman, L. M et al: Tight regulation, modulation, and high-level express-ion by vectors containing the arabinose PBAD promoter. J. Bacteriol. 1995, 177:4121〜 4130.
【0118】
大腸菌のコドン頻度に基づいて、設計されるrSIFN-coのcDNA配列及び
推断されるrSIFN-coアミノ酸配列
【0119】
【表7】

【0120】
(実施例2)
rSIFN-coの分離、精製
1、発酵
遺伝子組換え菌株をLB培地に接種して、37℃で振とうして(200 rpm)オーバナイト(約18時間)培養する。培養液に30 %濃度のグリセロールを入れて、終濃度が15%になるように混合して、それぞれ1 mlずつ分けて、-20 ℃に保存して、生産菌種とする。
【0121】
生産菌種を1 %の比例でLB培地に入れて、37 ℃、200 rpm、オーバナイトで培養して、I級種菌とする。10 %の割合でRM培地に入れて、37 ℃でOD600が2.0程度になるまで発酵させて、アラビノース(20 %)の終濃度が0.02 %になるように加えて誘導する。4時間後遠心して、菌体を回収する。菌体の沈殿を適量の緩衝液Aで再懸濁し、-20 ℃でオーバナイトする。取り出して溶解した後、ホモジナイザーで菌体を破砕して、遠心、緩衝液B、Cでそれぞれ沈殿を二回洗滌して、さらに蒸留水で一回洗って封入体を得る。
【0122】
2、変性及び再生
6 mol/L濃度のグアニジン塩酸(または尿素)で封入体を溶解して、若干混濁した変性液を得る。10000 rpmで高速遠心して、上清を分取して変性液のタンパク質濃度を測定する。タンパク質の終濃度が0.3 mg/mlになるように、三段階で、変性液を再生液に加えて、4℃、オーバナイトで連続撹拌(約18 h)する。次いで、順次に10 mol/L、5 mol/LのPB緩衝液及び蒸留水で透析する。透析が終われば、2 mol/Lの酢酸−酢酸ナトリウム(pH 5.0)によりpHを調節して、放置、濾過する。
【0123】
3、精製
POROS HS/M 陰イオンクロマトグラフィー:
まず20 mmol/Lの酢酸−酢酸ナトリウム(pH 5.0)によりカラムを平衡化する

30 ml/minの速度でサンプルを入れる

20カラム体積の20 mmol/L酢酸−酢酸ナトリウム(pH 5.0)(雑タンパクを溶出する)

5カラム体積の0.15 mol/L塩化ナトリウム+20 mmol/L酢酸−酢酸ナトリウム(pH 5.0)(雑タンパクを溶出する)

3カラム体積の0.18 mol/L塩化ナトリウム+20 mmol/L酢酸−酢酸ナトリウム(pH 5.0)(雑タンパクを溶出する)

0.25 mol/L塩化ナトリウム+20 mmol/L酢酸−酢酸ナトリウム(pH 5.0)(目的タンパクを溶離する)
【0124】
銅イオン親和クロマトグラフィー(chelating sepharoseTM fast flow):HS溶離タンパク液に0.2 mol/L、pH 6.6のPB緩衝液及び4 mol/Lの塩化ナトリウムを1 mol/L塩化ナトリウムpH 6.0となるように加えた後、サンプルを用意する。
【0125】
カラム体に緩衝液Dを入れる

1 ml/minの速度でサンプルを入れる

緩衝液E(雑タンパクを溶出する)

緩衝液F(雑タンパクを溶出する)

緩衝液G(溶離目的タンパク)
【0126】
POROS HS/Mによりサンプルを濃縮する。ある場合、サンプルの純度を高くするために、(sephacryl S-100)によりさらに精製できる。
【0127】
注:
緩衝液A:100 mmol/L Tris-HCl pH 7.5-10 mmol/L EDTA-100 mmol/L NaCl
緩衝液B:50 mmol/L Tris-HCl pH 7.5-1 mol/L 尿素―10 mmol/L EDTA-0.5% Triton X-100
緩衝液C:50 mmol/L Tris-HCl pH 7.5-2 mol/L 尿素―10 mmol/L EDTA-0.5% Triton X-100
緩衝液D:1 mol/LNaCl―――50 mmol/L Na2HPO4(pH 5.5)
緩衝液E:1 mol/LNaCl―――50 mmol/L Na2HPO4(pH 5.0)
緩衝液F:1 mol/LNaCl―――50 mmol/L Na2HPO4(pH 4.0)
緩衝液G:1 mol/LNaCl―――50 mmol/L Na2HPO4(pH 3.6)
再生液:0.5 mol/Lアルギニン−150 mmol/L Tris塩酸pH 7.5-0.2 mmol/L EDTA
LB培地:1 L
Tryptone 10 g, 酵母エキス5 g、塩化ナトリウム10 g
RM培地:1 L
カゼイン20 g, MgCl 1 mmol/L(0.203 g),Na2HPO4 4 g,KH2PO4 3 g,NaCl 0.5 g,NH4Cl 1 g
【0128】
精製の後、POROS HS/Mによって凝縮させるステップの後、バッファはPBS(pH 7.0)に変える。これは、「タンパク質貯蔵液」という。注射またはスプレーには直接使用することができる。また、2−8°Cで保存する。
【0129】
【表8】

【0130】
品質のコントロール
精製工程の全ての段階で、タンパク質の含量、タンパク質の純度、比活性及びパイロジェンの検定を行わなければならない。タンパク質原液が得られた後、下表の順番に従い、各種の検定を行った。
【0131】
【表9】

【0132】
注:「生物製品化学及び他の検定方法」、「生物製品パイロジェン実験規程」、「生物製品細菌エンドトキシン実験規程」は全て《中国生物製品規程》を参照した。
《中国生物製品規程》,潘正安、張興輝、段志兵等;中国生物製品標準化委員会;化学工業出版社;2000年。
【0133】
(実施例3)
組換え高率複合インターフェロン注射用凍乾粉針剤の安定性
組換え高率複合インターフェロン凍結乾燥製剤を三バッチで各二種のサンプルに対して、安定性の実験を行った。実験の開始は2000年4月である。
【0134】
1. サンプルの由来
サンプルは四川輝陽生命工程株式会社に提供した。許可番号はそれぞれ:990101-03、990101-05、990102-03、990102-05、990103-03、990103-05である。
【0135】
2. サンプルの標準
本実験にする各サンプルは実験用のため、下表の内容を満たすものである。
【0136】
【表10】

【0137】
3.実験内容
2〜8℃でサンプルの考察:考察されるサンプルを2〜8℃の冷蔵庫に置いて、それぞれ第1、3、6、9、12、18、24、30、36月の時点でサンプルを取って、上記の指標を測定し、記録した。
【0138】
25℃でサンプルの考察:考察されるサンプルを25℃のインキュベータに置いて、それぞれ第1、3、6、9、12、18、24、30月の時点でサンプルを取って、上記の指標を測定し、記録した。
【0139】
37℃でサンプルの考察:考察されるサンプルを37℃のインキュベータに置いて、それぞれ第1、3、6、9、12、18、24月の時点でサンプルを取って、上記の指標を測定し、記録した。
【0140】
4.結果と検討
(1)サンプルを37℃に置いて観察する。異なる時点で、サンプルを取って、各指標を検定した。実験の前と比べると、第6ヶ月から有効性が下がる傾向になって、その三バッチのサンプルの有効性の変化は似ていた。他の検定指標は変化がなかった。
(2)サンプルを25℃に置いて観察する。異なる時点で、サンプルを取って、各指標を検定した。実験の前と比べると、9ヶ月以内に有効性の変化が大きくなく、その三バッチのサンプルの変化は似ていた。他の検定指標は変化がなかった。
(3)サンプルを2〜8℃に置いて観察する。異なる時点で、サンプルを取って、各指標を検定した。実験の前と比べると、有効性が安定していた。他の検定指標には変化がなかった。
【0141】
従って、凍結乾燥組換え高率複合インターフェロンの製剤の貯蔵、運送は低温の方がよく、その条件が備えない場合には、室温で短時間(3ヶ月)の保管が望ましい。
(実施例3.5)
【0142】
rSIFN-coの生産プロセス
1. 生産方法
1.1 発酵
LB+M9混合物を培地として用いる。菌種の接種量が1.5 %、32℃で振とうして培養する。OD600=0.4(約3.5時間)になってから、42℃までに温度を上げて、続いて振とうして6時間培養すると、rSIFN-coの発現量が最高レベルに達する。SDS-PAGEにより電気泳動し、ゲルのスキャンにより、rSIFN-coの発現量が総タンパク量の57%に占めることを示す。中国の最高レベルに達する。
【0143】
1.2 分離精製
遠心で菌体を回収する

生理食塩水で二回洗う

溶菌する緩衝液(50mM Tris−HCl,1mM EDTA,100mM NaCl,1% Triton X−100,1−2 M Urea)を加えて、超音波で20〜30分破菌する

沈殿用緩衝液で真っ白になるまで数回洗う

7Mグアニジン塩酸により変性する

変性液を希釈して再生、オーバナイト

Sephadex G25カラムで塩を脱する

0.1M NaClをCM-Sepharoseに加える

段階で溶出し、活性ピークを採集する

活性ピークの塩を脱した後、HPLC陽性カラムに加える

0.1MNaClにより段階で溶出し、活性ピークを採集し、即ちrSIFN-coの完成品

保護キャリヤー剤及び凍乾賦形剤を加える

凍乾(rSIFN−co)を分ける
【0144】
該工程により精製して得られた完成品(rSIFN−co)は、SDS-PAGEにより電気泳動して単一のバンドになって、分子量が14.5Kdaである、その純度は95%を超える、逆相HPLC分析は単一のピークになって、その純度が97%で、比活性が1×109IU/mgとなるタンパク質であった。
【0145】
1.3 分け包装及び検定
HPLCにより精製して、2%人血清アルブミン、1%蔗糖,1%グルコースを加えて、分けて包装し、凍結乾燥して針剤サンプルを得る。国際通用Wish-VVSシステムにより検定し、針剤の活性は全て 4.5×108IUである。《中華人民共和国薬典》の要求に準じて、サンプルに対して、無菌検査とパイロジェン検定を行った結果、陰性であった。静脈注射の要求を満たした。
【0146】
2.質のコントロール
2.1生物学の特性
(1)LB+M9で菌種を培養する。典型的な大腸菌の菌落の状態で、他の雑菌は検出されない。
(2)スライスに塗って、グラム染色してから、顕微鏡で観察した結果、グラム陰性菌であった。
(3)抗生物質に対する抵抗性は原始の菌種と一致した。
(4)電子顕微鏡で典型的な大腸菌の形態と検定され、またマイコプラズマ、ウィルス様のもの及び他の微生物の汚染が排除された。
(5)生物化学反応は大腸菌の生物学特性と一致する。
【0147】
2.2 インターフェロン発現の質のコントロール
(1)インターフェロン発現量(揺る培養)は原始菌種の発現量と相同である。
(2)抗インターフェロン血清により実験を行って、反応することが証明された。
(3)プラスミド鑑定:酵素のサイトは原プラスミドと相同であった。
【0148】
2.3生産菌種:
実例1.2に示された工程により製造された菌種を生産菌種と呼ばれる。
【0149】
生産菌種には他のものがないことを保証するために、以下のように検定した:LBプレートを2〜3部分に分けて、培養する。培養後、プレートに5〜10個菌落を取って、それぞれインターフェロン発現量の測定を行う。少なくとも一回重複する。その中にインターフェロン発現量の最高のものを生産用種液として用いる。
【0150】
2.4 種液:
生産菌種から選ばれた菌種を発酵用として用いて、種液と呼ばれる。種液の量、培養時間や最適なOD値は菌種により選択できるが、汚染菌の防止措置が必要である。
【0151】
2.5 菌種の継代方法
菌種継代は無菌室で行うべきである。同一の無菌室で他の菌種の操作を行わない。原始菌種から種液まで同一の培地を使い、普通はLB培地を用いる。
【0152】
2.6 発酵
(1)接種する前に発酵室を清潔にする。無菌操作を行って、同一発酵時間内に他の菌の発酵を行わない。
(2)発酵缶及び配管をともに二回清潔にする。それぞれ培地を配置された前後に行う。所定温度まで冷却し、種液を接種する;
(3)培地中の細胞の生長に影響を及ぼすので、抗生物質の使用を避ける。
(4)発酵条件、例えば温度、pH、酸素の溶解、発酵時間等のパラメータに対して、菌種により具体的な条件を規定する。
【0153】
2.7 菌の回収
(1)発酵後、遠心または他の方法で菌体を回収する。用具は清潔に維持する。遠心分離後の廃棄液は殺菌処理しないで排出しない;
(2)回収された菌体は24時間内に破菌する場合には、4〜8℃に置けるが、そうしない場合には-30℃以下の冷凍庫で冷凍するべき、-30℃に保存された菌体は6ヶ月以内は使用できる。
【0154】
2.8 菌体の溶解
(1)適当な緩衝液で菌体をバラバラにする。物理的、化学的または生物学的の方法により細胞溶解を行って、高速遠心機で沈殿させて、上清液を粗インターフェロンとする。
(2)化学的方法で細胞溶解する場合には、人体に対して有害な化学試薬を使用してはいけない。
【0155】
2.9精製
(1)精製方法は殆どの非インターフェロン物質を排除できる。精製過程において、人体に対する有毒、有害な物質を加えてはいけない。
(2)抗体により親和クロマトグラフィーを行って精製する場合には、その由来及び純度を説明するべきである。また、その抗体の微量IgGの検定方法を提供するべきである。
(3)精製過程において、特に、パイロジェンを除去することに注意するべきである。また、措置を採用して、容器の汚染により製品にパイロジェンが増加することを防ぐ。
(4)精製濃縮した後、最後に得られる精製インターフェロンは「半完成品原液」となる。純度検定後、早速ヒトアルブミンを最終含量が2%になるように加えて、「加アルブミン半完成品」となり、検定後、-30℃に保存する。使用前に出来るだけ、凍結融解を避ける。「加アルブミン半完成品」は-30℃での保存が半年を超えてはいけない。
(5)保護剤として用いる人アルブミンは相応する製造、検査の規程や要求に満たすべきである。RBSAG検査が陰性、また、モノマー、二量体、多量体の比例について、説明するべきである。
【0156】
2.10 製剤の調製
(1)濾過で除菌する:0.22μのメンブレン濾過により除菌する。濾過後、無菌実験を行って、サンプルを取って、インターフェロンの有効性を測定する;
(2)希釈:「加アルブミン半完成品」を無菌の2%アルブミン緩衝液で所要濃度までに希釈する。防腐剤を入れてはいけない。希釈後の「加アルブミン半完成品」はパイロジェン測定を行って、無菌実験が合格した後、凍結乾燥する。
【0157】
2.11 凍結乾燥
凍結乾燥工程はインターフェロンの活性を損害しないようにする。また、凍結乾燥後の製品に水分を維持する。
【0158】
2.12 検定
rSIFN-coは二種類のタイプに調製できる。一つは注射用剤で、もう一つは外用剤である。その質の基準は異なるので、それぞれ規定される。また、いずれの製品も半完成品と完成品の検定に分けられる。注射用剤の半完成品は精製インターフェロン、加アルブミン半完成品、除菌加アルブミン半完成品を指す。注射用剤の完成品は凍結乾燥製品のみを指す。外用剤インターフェロン半完成品は精製インターフェロンを指す;完成品は分包後の液体または凍結乾燥製品を指す。
【0159】
2.13包装
外用剤と注射用剤インターフェロンの包装は明確に区別するべきである。
【0160】
2.14 保存
本製品は4℃に保存する。液体製品は凍結保存をしてはいけない。
【0161】
2.15 有効期限
凍結乾燥製品の有效期限は凍結乾燥日から2年である。液体製品の有效期限は分包の日から6ヶ月である。
【0162】
(実施例4)
rSIFN-coはHBV-DNAの複製及びHBsAgとHBeAgの分泌を抑制する
材料
溶媒及び調製方法:バイアルに1ml生理食塩水を入れる。溶解してから、設定される剤量組の濃度に基づいて、MEM培養液で調製する。現場調整である。
【0163】
対照薬品:Schering Plough社製のIFN-α2b(Intro A)は凍乾製剤である。3×106IU各で、実験時、培養液で3×106IU/mlの溶液に調製する。Amgen社製のInfergenは注射液である。9μg、0.3ml各で、9×106IU/個に相当する。実験時、培養液で9×106IU/ml溶液に調製して、4℃の冷蔵庫に保存する。2.2.15細胞:B型肝炎ウィルス(HBV)DNAに形質移入されるヒト肝癌細胞(Hep G2)の2.2.15細胞系は、米国MountSinaiメディカルセンターで確立された。
【0164】
試薬:MEMパウダー、米国Gibco社製;牛胎児血清、米国Hyclone Lab社製;G-418(Geneticin)、MEMで調製、米国Gibco社製;L-グルタミル、京科化学試剤社により輸入分包装;HBsAg,HBeAg固相放射免疫キット、中国アイソトープ会社北方免疫試薬研究所から入手;Biograncetina、華北製薬工場製;Lipofectin、米国Gibco社製。
【0165】
実験用品及び器具:培養ボトル、デンマークTunclonTM;96ウェル培養プレート、24ウェル培養プレート、米国Corning社製;二酸化炭素インキュベータ、米国Shel−Lab製品。
【0166】
MEM培養液100ml:牛胎児血清10%、3%グルタミル1%、G418 380μg/ml、Biograncetina 50U/ml。
【0167】
実験方法
2.2.15細胞の培養:2.2.15細胞がコンフレントになった培養ボトルに0.25%膵酵素を入れて、37℃、3分で消化し、培養液を入れてピペッティングして、1:3で継代培養し、10日でコンフレントになる。
【0168】
細胞に対して薬物の毒性実験:実験は薬物なし細胞対照群と異なる試薬濃度群と分けられる。細胞の消化、10万個細胞/mlになるように溶液を調製する、96ウェル培養プレートに播く、200μl/ウェル、37℃ 5%CO2で24時間培養する。細胞が一層になってから、実験を行う。
【0169】
組換え高率複合インターフェロンは培養液で1.8×107IU/mlになるように調製する。2倍で希釈して96ウェルの細胞培養プレートに入れ、同濃度を3ウェルずつ入れ、4日毎に同濃度の薬液を交換する。8日で顕微鏡により細胞変性を観察する:完全破壊は4;75%は3;50%は2;25%は1;変性なしは0とする。各濃度の薬液で細胞変性の程度及び抑制率を計算する。Reed Muench法により半数有毒濃度(TC50)と最大無毒濃度(TC0)を計算する。
【0170】
【数1】

【0171】
A=log>50%薬物濃度 B=log<50%薬物濃度 C=log希釈倍数
【0172】
HBsAg、HBeAgを抑制する実験:HBsAg、HBeAgの陽性対照群、陰性対照群、細胞対照群及び異なる濃度の薬物の投与群が設定される。70万個2.2.15細胞/mlで6ウェル細胞培養プレートに接種する、3ml/ウェル、37℃ 5%CO2で24時間培養する。実験試薬を5段階で3倍希釈して(各希釈度は異なるタンパク質濃度となる。薬液2は薬液1より3倍低く、薬液3は薬液2より3倍低く)、それぞれは4.5×106IU/ml、1.5×106IU/ml、0.5×106IU/ml、0.17×106IU/mlと0.056×106IU/mlとなる。同濃度が1ウェルずつ入れ、37℃ 5%CO2で培養して、4日毎に同濃度の薬液を交換する。第8日目に培養液を回収して、-20℃に冷凍保存する。実験は繰り返して3回行って、それぞれHBsAg、HBeAgを測定する。HBsAg、HBeAgの測定は中国アイソトープ会社北方免疫試薬研究所から入手した固相放射免疫キットにより行われる。γ-計数計で各ウェルのcpm値を測定する。
【0173】
薬物効果の計算:細胞対照及び各濃度のcpm平均値及び標準偏差、P/N値例えば抑制率、半数有効濃度(IC50)及び選択指数(SI)。
【0174】
1)
【0175】
【数2】

【0176】
A=細胞対照cpm B=投与群cpm
【0177】
2) 抗原を抑制する薬物の半数有效濃度(IC50):
【0178】
【数3】

【0179】
A=log>50%薬物濃度 B=log<50%薬物濃度 C=log希釈倍数
【0180】
3) 空間構造が変えられた組換え高率複合インターフェロンが2.2.15細胞培養で、HBsAg、HBeAgに対する選択指数(SI)は、細胞毒性指標の細胞病変(S1)により計算する
【0181】
【数4】

【0182】
4) t testにより各希釈濃度HBsAg、HBeAgと対照組のcpmの差異を計算する。
【0183】
Southernblot:1)2.2.15細胞内HBV−DNAの抽出:試薬を入れてから、2.2.15細胞を8日培養して、培養液を吸って細胞を回収する。それに細胞溶解液を入れて、細胞を溶解する。同体積フェノール:クロロホルム:イソアミルアルコール(1:1:1)で2回抽出して、10000gで高速遠心し、上清を取り、無水アルコールで核酸を沈殿させ、真空乾燥して、再び20μlTEバッファに溶解する。2)電気泳動:6×DNAサンプル緩衝液を入れて、サンプルを1.5%アガロース・ゲルにIV/cm、固定電圧で14−18時間電気泳動する。3)変性、ハイブリダイゼーション:ゲルをそれぞれHCl、変性液、中和液に浸す。4)トランス膜:手順によりDNAをHybond−N膜にトランスファーする。ドットブロットハイブリダイゼーションに曝す、ハイブリダイズ、感光する。それをスキャンして、gel-pro ソフトウェアで相対密度を分析して、抑制率及びIC50を計算する
【0184】
結果
実験結果は表4.1、表4.2、表4.3に示すように:最大の毒なし濃度で2.2.15細胞に入れたサンプルを8日培養し、高率複合インターフェロンの最大の毒なし濃度9.0±0×106IU/mlサンプルはHBeAgに対して平均抑制率が46.0±5.25%(P<0.001)で、IC50が4.54±1.32×106IU/ml、選択指数SIが3.96である。HBsAgに対して平均抑制率が44.8±6.6%,IC50が6.49±0.42×106IU/ml、選択指数SIが2.77である。従って、組換え高率複合インターフェロンはB型肝炎の表面抗原とe抗原を明らかに抑制する活性を有するが、対照群のインターフェロンとINFERGENは上記活性を有しない。臨床病例に於いても、慢性活動性B型肝炎の患者は組換え高率複合インターフェロンを用いて、B型肝炎の表面抗原とe抗原の陽性を低減し、または正常なレベルに回復する。
【0185】
【表11−1】

【0186】
【表11−2】

【0187】
【表11−3】

【0188】
【表12】

【0189】
【表13−1】

【0190】
【表13−2】

【0191】
【表13−3】

【0192】
(実施例5)
rSIFN-co製剤
凍結乾燥注射剤の作製
組換え高率複合インターフェロン原液 34.5 μg/ml
PB pH7.0 10 mmol/L
グリシン 0.4 mol/L
【0193】
製造工程:処方に応じて材料を称する。無菌パイロジェンなしの注射水で溶解し、0.22μm口径の濾過膜を通して菌を除いて、6-10℃に保存する。サンプルを取って、無菌パイロジェンなしの検査を行って、合格後、バイアルに分けて包装する。単剤量0.3ml/バイアル,または0.5ml/バイアル。分包後、凍結乾燥機によって凍結乾燥する。
【0194】
水溶液注射剤の作製
組換え高率複合インターフェロン原液 34.5 μg/ml
PB pH7.0 25 mmol/L
塩化ナトリウム 0.1 mol/L
【0195】
製造工程:処方に応じて材料を称する。無菌パイロジェンを含まない注射水で溶解し、0.22μm径の濾過膜を通して菌を除いて、6-10℃に保存する。サンプルを取って、無菌パイロジェンなしの検査を行って、合格後、気密のバイアルに分けて包装する。単剤量0.3 ml /バイアル,または0.5 ml /バイアル。2-10℃、暗い所に置いて保存する。
【0196】
(実施例6)
rSIFN-coの急性毒性実験
本実験はマウスの筋肉内に高率複合インターフェロンを一回に150μg/kg(成人のkg体重用量の1000倍と相当する)注射する。動物の毒性反応及び死亡状況を観察する。結果は:注射後24時間内に動物に異常がなく、一部分の動物を殺し、解剖して観察した結果:各主要臓器に異常な変化は認められなかった。他のマウスは2週間内に異常反応はなく、一匹も死亡しなかった。第14日目体重を測定すると、投与群と対照群のマウスの何れの群も体重は増加し、且つ両群の体重の増加値は有意差は認められなかった(P>0.05)。二週間後のマウスにより各主要臓器に異常は認められなかった。
【0197】
1.実験材料
1.1実験動物
成年の健康なマウス40匹、体重18〜22g、メス、オスそれぞれ半分になる。質のコントロール:四川省実験動物コントロールセンター。
1.2実験の薬品
高率複合インターフェロン(rSIFN-co)は四川省生物工程研究センターから提供された。無菌液体,0.15mg/ml,許可番号:981201
注射用生理食塩水により所要濃度に調整して使用した。
【0198】
2.実験方法
40匹のマウスをランダムに2群に分けて、それぞれ生理食塩水の陰性対照群と高率複合インターフェロン群(150μg/kg)である。それぞれマウス一匹ずつ筋肉内に生理食塩水と相応する薬物を注射し、投与容積は何れも0.1ml/10gで、一回投与後、各マウスの急性毒性反応を観察した。投与後24時間に各群の動物を半分殺した(メス、オス各半分)。死体を解剖してマウスの心、肝、脾、肺、腎、副腎、胃、十二指腸など主要臓器に病変があるかどうかを観察した。もし病変が有れば、病理組織学の検査を行った。他の動物を継続して観察した。投与後第14日目、体重を測定した後殺し、死体を解剖して、各マウスの主要臓器に病変があるかどうかを観察した。もし有れば、病理組織学の検査を行った。投与群のマウスの体重変化値と陰性対照組マウスの体重値とを検定して、顕著な差異が有るかどうかを判定した。
【0199】
3.実験の結果
以下の結果がある。マウスの筋肉内に高率複合インターフェロンを一回に150μg/kg(人の用量の1000倍と相当する)注射すると、マウスは毒性反応がなく、投与後14日内に、各マウスの摂食、摂水、活動、毛髪、大小便などは異常がない、且つマウスは一匹も死亡しない。投与後24時間にマウスの各臓器を観察して、異常変化がない。ほかのマウスは投与後第14日目に殺され、その死体を解剖したが各主要臓器には異常が認められなかった。且つ投与群と陰性対照群のマウスの体重は何れも増加した、その体重の増加値は陰性対照組と比べて、顕著な差異がない(P>0.05)、結果は表6.1に示す。
【0200】
【表14】

【0201】
4.結論
本実験の条件において、一回筋肉に高率複合インタフェロンを150μg/kg注射すると、マウスは何れも毒性反応が見られない。従って、高率複合インタフェロンを筋肉に注射することに対して、マウスの最大耐量は150μg/kgを超える。人の用量の1000倍に相当する。
【0202】
(実施例7)
組換え高率複合インターフェロン(rSIFN-co)の臨床効果
本発明の組換え高率複合インターフェロン(rSIFN-co)は主にウィルス性疾患の治療、特に肝炎の治療に用いられる。同時に、EBウィルス、VSV、単純水疱症ウィルス、コロナウィルス、麻疹ウィルス等を抑制できる。WISH細胞/VSVシステムにより抗ウィルスの活性を検定する。それぞれの結果は:国産天然インターフェロンが0.9×108U/mgで、Intron Aが2.0×108IU/mgで、rSIFN-coが9×108IU/mg、その抗ウィルス活性は明らかに前二者より高い。
【0203】
2003年2月から、中国国家食品薬品管理局(SFDA)の許可を受けて、四川大学華西病院、重慶医科大学の付属第二病院、浙江大学医学院の付属第一病院において二重盲検式ランダムテストによりB型肝炎を治療する臨床実験を行った、IFN-α1bと比べるて以下の結果を得た:
【0204】
組換え高率複合インターフェロン(rSIFN-co)と、他のインターフェロン類(IFN−α1b)との慢性活動性B型肝炎に対する治療効果を比較した
1 .患者選択の基準:標準1−4はrSIFN-co(9μg)とIFN-α1b (5MU, 50μg)との両処置を効果、標準1−5はrSIFN-co(15μg)で処置した効果である。
1) 年齢18〜65才;
2) HBsAgの持続陽性は少なくとも6ヶ月以上で、HBeAg陽性、 PCR検定でHBV-DNA105コピー数/ml;
3) ALT2倍の正常値の上限,
4) インターフェロンの抗HBV治療を受ける事がない;またはlamividineの治療を受けたが、無効または再発者
5) 6ヶ月前に他のインターフェロン(3MUまたは5MU)を用いて、SFDAに規定される治療コース及び剤量で治療したが、無効または再発。
【0205】
2.治療効果の判断:
第10回中国ウィルス性肝炎及び肝病学術会議を参考し、ALTのレベルに基づいて、HBV-DNAとHBeAgを測定し、治療効果を三段階に分けた。
【0206】
応答:ALT 正常レベル、HBV-DNA陰性、HBeAg陰性
部分的応答:ALT 正常レベル、HBV-DNA陰性、あるいはHBeAg陰性
無応答:ALT、HBV-DNA、HbeAgいずれも変化なし
【0207】
3.臨床の治療効果の比較
A群:: rSIFN-co(9μg) 治療群
B群:: IFN-α1b (5MU, 50 μg) 治療群
【0208】
【表15】

【0209】
C群は他のインターフェロン(3MUまたは5MU)を用いて、抗HBV治療を行ったが、無効または再発の13例慢性B型肝炎の患者に、rSIFN-coを 15μg皮下注射し、隔日1回、連続24週間。治療後第12週まで、13例中7例(53.85 %)の患者に臨床効果が認められた。 3例(23.08%)はHBe抗原が陰性になり、7例(53.85%)はHBV-DNAが陰性になり、11例の患者の肝機能は正常に回復した(84.62 %)。
【0210】
4.rSIFN-coとIFN-α1b との副作用の比較
インターフェロン類の副作用は発熱、吐き気、筋肉痛、食欲不振、脱髪、白血球及び血小板の減少などを包含する。IFN-α1bの臨床の最大使用量は毎回5MIUで、通常毎回3MIUを用いる。通常の使用量を用いる時、臨床で約90%の患者はI−II段階(WHOの臨床分類標準)の副作用が現れた。38℃以下の軽い発熱、吐き気、筋肉痛、食欲不振等を包含する。最大用量を用いる時、約50%の患者は投与後一ヶ月時に白血球及び血小板の軽い減少が現れるが、投薬を中止して一週間後、白血球及び血小板は正常に回復し、安全に投薬を続けられた。
【0211】
組換え高率複合インターフェロン(rSIFN-co)によるC型肝炎の治療効果の観察
1. 患者選択基準:
1)年齢18〜65才;
2)HCV抗体が陽性
3)正常値のALT1.5倍、且つ6ヶ月以上持続する
【0212】
2. 治療効果の評価:InfergenによりC型肝炎を治療する判断標準を参考にして、ALTレベル,HCV-RNAの測定に基づいて、治療効果を三段階に分けた。
応答:ALT正常値、HCV-RNA陰性
部分的な応答:ALT正常値、HCV-RNA変化なし
無応答:ALTと、HCV-RNA変化なし
【0213】
3. 臨床の治療効果
臨床試験はB型肝炎と同時に行った。46例の患者が一回9μg、皮下投与、毎日24週間処置を受けた。治療後、46名中26名の患者に臨床効果(56.52%)があり、その中の12例はHCV-RNAが陰性(26.08%)となり、26例は肝機能が正常(56.52%)に回復した。
【0214】
(実施例8)
組換え高率複合インターフェロンのスプレー剤
主要活性成分:組換え高率複合インターフェロン
性状:液体、不溶性物質はない。
薬理作用:組換え高率複合インターフェロンは幅広い抗ウィルス活性を有している。その効果は市場で有用とされる他のインターフェロンに比較して5-20倍高い。それは細胞培養でコロナウィルスの増殖を抑制できる。その抗ウィルスのメカニズムは主にインターフェロンと標的細胞表面のインターフェロン受容体と結合することにより、標的細胞内の2'5'−A合成酵素、タンパクキナーゼRなど多種の抗ウィルスタンパクを誘導し、ウィルスタンパク質の合成を阻止し、多種抗ウィルスタンパクを誘発することにより、ウィルスの細胞内での複製を抑制し、NK細胞の活性を増強させ、また他の免疫調節作用により、効率的にウィルスの侵入と感染を抑制する。
急性毒性:全てのマウスは最大投与量(成人の用量の1000倍と相当する)の皮下注射で前例生存していた。LD50を測定できなかった。
適応症:重症急性呼吸器症候群を予防する。
用量と投与法:鼻腔、喉をそれぞ1日三回のスプレー。
不良反応:インターフェロンスプレー剤の不良反応についての報告はまだない。一般には、アレルギーを起すことはない、投与期間中に人によってはたまに軽い刺激及び胃腸反応を起こすが、ほかの顕著な反応がなければ、治療を停止せず、自ら緩和できる。
警告:αIFNや大腸菌の産物に対してアレルギー反応がある患者は使用できない。
注意事項:本産品を初めて使用する前に、空気を排除するために二回スプレーしなければならない。もし混濁した沈殿物質があれば、また期間を超えて失効になれば、使用してはいけない。
児童への使用:まだ不明。
老年患者への使用:まだ不明。
妊婦及び哺乳する女性への使用:禁止
薬物の相互作用:まだ不明。
薬物の過量:この薬を人体に使用する時、一回の用量が150 ug (7.5×107 IU)を超えると、発熱、食欲不振、筋肉痛、悪寒等の発生率が高くなる。それらは重篤な副作用ではない。
規格:1スプレー/パック、20μg(1×107 IU)/3ml、を含む。
貯蔵:4-8℃、遮光の下で保存する、冷凍してはいけない。
有効期間:約一年。
製造企業:四川輝陽生命工程株式会社
住所:四川省成都市玉沙路8号のA座の902室。
【0215】
(実施例9−A)
SARS関連コロナウィルスに対する新型組換え複合インターフェロンの体外効果
サンプルの提供:四川輝陽生命工程株式会社
実験者:軍事医学科学院微生物流行病の研究所
元の資料保存場所:軍事医学科学院微生物流行病の研究所ファイル保存室
1. 実験材料:
薬品:新型組換え高率複合インターフェロン、各々9μg。四川輝陽生命工程株式会社に提供される。許可番号20020501。
細胞:Vero E6細胞、軍事医学科学院微生物流行病の研究所分子生物学研究室に提供される。
ウィルス:SARSに関連コロナウィルス、BJ-01株、軍事医学科学院微生物流行病の研究所ウイルス室に提供される
細胞の培養液:10%牛胎児血清を含むDMEM培養液。
【0216】
2. 実験条件:ウィルスの測定は生物安全の三級実験室で行われた。
【0217】
3. 実験方法:
TCID50のCPE法(細胞毒性効果)測定:Vero E6細胞の100μlがウエル当たり2×10細胞を96穴プレートに播いた。37℃で24時間培養後、Vero E6の単層細胞に、10倍に希釈したSARS関連コロナウィルスを9段階濃度で一濃度に4ウエルずつ播いた。5%CO2のインキュベータ中で37℃で培養した。毎日顕微鏡により細胞病変(CPE)を観察する。細胞の病変が25%以下の場合に+、病変が26-50%の場合に++、病変が51-75%の場合に+++、病変が76-100%の場合に++++である。細胞の病変程度を記録する。Reed-Muench法により、ウィルスの半数感染量を計算した(TCID50)。
【0218】
薬物の細胞毒性:Vero E6細胞は96ウェルプレートに細胞数2×104個(100μl)/ウェルを播いた。37℃で24時間培養した後、細胞が単層に増殖した。薬物を36、18、9、4.5、2.25μg/ml(終濃度)の5段階の濃度に設定し、各濃度は4ウェルずつ播いた。正常な細胞を対照とした。5日間毎日投与群の細胞病変を観察して、薬物の無毒濃度を測定した。
【0219】
SARA関連コロナウィルスに対する薬物のCPE測定:Vero E6細胞の100μlが1ウェル当たり細胞数2×104個/ウェルずつ96ウェルプレートに播いた。37℃で、24時間培養後、細胞は単層に増殖する。最大無毒濃度以下の薬物を二倍希釈して、5段階の濃度とし、ウェル(100μl/ウェル)に加えられた。37℃で5%CO2インキュベータ中に24時間培養した後、それぞれ異なる希釈濃度のウィルス(10-3、10-4、10-5)を加えた。48−72時間ウィルスで処理後、CPE(細胞病変が25%以下の場合に+、26-50%の場合に++、51-75%の場合に+++、76-100%の場合に++++であり、正常細胞は-である)が測定された。正常細胞対照群、薬物対照群と異なる希釈濃度(10-3、10-4、10-5)のウィルス対照群を1グループ4ウェル設定した。CPEは毎日観察した。ウィルス対照群が顕著な細胞病変を現す時に、インターフェロンの抗ウィルス効果を判定する。実験は繰り返された。薬物のIC50はReed-Muench法により計算した。
【0220】
4、実験の結果:
ウィルスの毒性:ウィルスのTCID50は10-8であった。
薬物の細胞毒性:新型遺伝子組換え高率複合インターフェロンの細胞毒濃度は18μg/mlである。この濃度で細胞形態は正常対照群と同じであり、病変は現れない。
薬物の抗ウィルス作用:実験の結果は表9-A.1と表9-A.2に示す。
【0221】
【表16】

【0222】
【表17】

【0223】
5、結論
新型遺伝子組換え高率複合インターフェロンは細胞の無毒濃度が18μg/mlである。ウィルス濃度が10-5(1000 TCID50)、10-4(1000 TCID50)と10-3(100000 TCID50)にする時、インターフェロンのIC50はそれぞれが1.27、2.25と4.04μg/ml(表9-A.3)になる。
【0224】
【表18】

【0225】
実験責任者:王京燕
実験者:趙艶紅、紀暁光、張敏、趙花
資料の保存場所:軍事医学科学院微生物流行病の研究所ファイル保存室
実験の期日:2003年5月12-30日
【0226】
(実施例9−B)
新型組換え複合インターフェロンとインターフェロン-α2bのSARS関連コロナウィルスの体外での抑制作用の比較
【0227】
サンプルの提供:四川輝陽生命工程株式会社
実験単位:軍事医学科学院微生物流行病の研究所
資料の保存場所:軍事医学科学院微生物流行病の研究所ファイル保存室
1.実験材料:
薬品:新型遺伝子組換え高率複合インターフェロン、618μg/ml、四川輝陽生命工程株式会社に提供される;Anfulong(注射用重組インターフェロンα-2b)、天津Hua-li-da生物工程株式会社製、30μg/支(300万IU/支)、許可番号20030105。
細胞: Vero E6細胞、軍事医学科学院微生物流行病の研究所分子生物学研究室に提供される。;
ウィルス:SARS関連コロナウィルス、BJ-01株、軍事医学科学院微生物流行病の研究所ウィルス室に提供される;
実験条件:ウィルスの測定は生物安全性の三級実験室で行われた。
【0228】
2. 実験方法:
CPE法によってTCID50を測定された:Vero E6細胞を96ウェルプレートに播く、100μl/ウェル、細胞数2×104個/ウェル、37℃で24時間培養した。細胞が単層になってから、10倍希釈の9段階の濃度のウィルス培養液を加えて、各濃度を4ウェルずつ入れ、細胞対照群を設定した。37℃で、5%CO2のインキュベータ中で培養した。毎日顕微鏡により細胞病変(CPE)を観察した。細胞の病変が25%以下の場合に+、病変が26-50%の場合に++、病変が51-75%の場合に+++、病変が76-100%の場合に++++とした。細胞の病変程度を記録する。TCID50はReed-Muench法により計算した。
【0229】
MTT法によりインターフェロンのTC50が測定された:Vero E6細胞を96ウェルのプレートに細胞数2×104個/ウェル(細胞数2×104個/ウェル、)に播いた。37℃で24時間培養した。細胞が単層になってから、培養液を除いて、Vero E6細胞は各濃度を4ウェルずつに入れた異なる希釈濃度のインターフェロンで処理された。細胞対照群が設定された。5日観察した後、細胞は4時間MTTと混合された。その後液を除去して、DMSOを加えて0.5時間溶解する。Microplate ReaderによりOD570nmの急硬度吸光度を測定し、Reed-Muench法によりTC50を計算した。
【0230】
MTT法によりインターフェロンの抗SARS関連コロナウィルス活性が測定された:Vero E6細胞を96ウェルプレートに播く、100μl/ウェル、細胞数2×104個/ウェル、37℃に24h培養し、細胞が単層になる。最大無毒濃度以下で薬物を5回希釈して、五つの濃度となる。各濃度が4ウェルずつ、100μl/ウェルに細胞プレートに加える。37℃、5%CO2インキュベータに24h培養した後、インターフェロン液を除去して、それぞれに異なる希釈度のウィルス(10000、1000、100TCID50)を加えて、各希釈度を4ウェルずつに入れ、正常な細胞対照群、薬物対照群と異なる希釈度(10000、1000、100TCID50)のウィルス対照群を設定した。37℃で,5%CO2に48-72時間培養した。ウィルス対照群は顕著な病変を現す時、細胞病変の結果(細胞病変は25%以下が+,26-50%が++,51-75%が+++,76-100%が++++であり、正常な細胞は-である)を記録する。MTT染色法により細胞活性を測定し、インターフェロンの抗ウィルスの効果を判定した。実験は3回繰り返し、Reed-Muench法によりウィルスの半数有效濃度IC50を計算した。
【0231】
3. 実験の結果:
ウィルスのTCID50:ウィルスのTCID50は10-7であった。
【0232】
インターフェロンのTC50の測定:新型遺伝子組換え高率複合インターフェロンの無毒濃度が100μg/mlで、注射用組換えインターフェロンα-2bの無毒濃度は12.5μg/mlであった。この濃度で細胞形態は正常対照群と同じであった;新型遺伝子組換え高率複合インターフェロンのTC50は139.18μg/ml、注射用組換えインターフェロンα-2bのTC50は17.18μg/mlであった。
【0233】
【表19】

【0234】
インターフェロンの抗ウィルス活性:二種類のインターフェロンは体外で何れも抗ウィルス活性を有する。実験結果は表9-B.2に示す。治療指数(TI)の結果は表9-B.3に示す。
【0235】
【表20】

【0236】
【表21】

【0237】
4. 結論:
体外の実験から、新型遺伝子組換え高率複合インターフェロンと注射用組換えインターフェロンα-2bは何れもVero E6細胞に対して保護作用を有し、抗ウィルス活性を有する。三回の実験で新型遺伝子組換え高率複合インターフェロンは10000、1000と100の濃度で TCID50 SARS関連ウィルスに対する半数抑制濃度(IC50)を測定したけっか、それぞれ0.92、0.18と0.10 μg/mlであり、治療指数は151.28、773.32と1391.80であった。;注射用組換えインターフェロンα-2bは10000、1000と100 の濃度でTCID50 SARS関連ウィルスに対して半数抑制濃度(IC50)を測定した結果、それぞれ4.75、1.16と0.28 μg/mlであり、治療指数は3.62、14.78と61.36であった。
【0238】
重要なことは、以上の二つの実験(9A及び9Bを参照する)において、ともにrSIFN-coの抗SARSの有效用量がわが国の臨床で使用されるインターフェロンα-2bの用量の1/5であることは証明された。その上、その治療指数(TI)はインターフェロンα-2bの50倍であった。(組換え複合インターフェロンとインターフェロンα2bによりSARS関連コロナウィルスを体外で抑制する作用を比較した。(軍事医学科学院微生物流行病の研究所)
すでに3万部のrSIFN-coスプレー剤を四川省の看護婦、医者及び高度のリスクのある人々に用いられた。結果は四川省の看護婦及び医者は一人もSARSを感染しなかった。
【0239】
実験責任者:王京燕
実験者:趙艶紅、紀暁光、張敏、趙京花
実験の期日:2003年7月1-30日
【0240】
(実施例10)
B型肝炎ウィルスの遺伝子の発現に対する異なるインターフェロンの抑制効果の比較
B型肝炎ウィルス(HBV)は転写活性化されたタンパク質の共通配列を有する。このタンパク質の結合活性はインターフェロンで調節される。HBVを形質導入された肝細胞はインターフェロンによりHBV遺伝子の発現が抑制される。本研究の目的は異なるインターフェロンによりHBV転写に対する影響を調べる。HBVのエンヘンサーEnH I、EnH IIとコアプロモーターに調節される蛍のルシフェラーゼ遺伝子を含むリポータープラスミド(reportor plasmid)により、一時的に人肝癌細胞に形質導入して、三種のインターフェロンの転写活性に対する影響を調べた。
【0241】
材料と方法
1.インターフェロン:IFN-con1(INFERGEN)、IFN-Hui−Yang(rSIFN-co)及び(IFN-β1b)。
【0242】
2..リポートプラスミド:PCRでEnH I、EnH IIとコアプロモーターを含むDNA断片を合成して、末端はpGL3―Basic(Promega、WI,USA)のエンヘンサーとプロモータがない蛍ルシフェラーゼ遺伝子のSmalIサイトにクローニングして、生じたリポートプラスミドはpGL3―HBV-Lucと命名された。
【0243】
3..細胞培養とDNAの形質移入:HepG2細胞は培地に10%FBS、100U/mlペニシリン、100μg/mlストレプトマイシンを添加したDMEM培地で培養した。細胞を30℃で 5%CO2のインキュベータ中に置いた。Boehringerの脂質体の形質導入キットを用いて、pGL3―HBV-Lucリポートプラスミドを細胞に形質導入した。18時間後に、形質導入の薬剤を有する培地を除去して、インターフェロンを含む、または含まない新鮮な培地を入れて、また48時間培養した。
【0244】
4. ルシフェラーゼの分析:インターフェロンを入れて48時間後、細胞を回収、破砕する。該細胞の溶解産物のタンパク質濃度をBio−Radタンパク質分析キットで測定して、Promegaのルシフェラーゼ リポート測定システムにより、製造者から提供されたプロトコールに従って、ルシフェラーゼ活性の測定を行った。
【0245】
実験結果
異なるインターフェロンにより溶菌産物のルシフェラーゼ活性の発現
【0246】
【表22】

【0247】
以上の結果に示すように:rSIFN-coはB型肝炎ウィルス遺伝子の発現を効果的に抑制した。
【0248】
(実施例11)
rSIFN-coを用いて、その副作用と体温変化を調べる。
従来のインターフェロンは副作用が多く、よく見られるのは、例えば吐き気、筋肉痛、食欲不振、脱髪、白血球や血小板の減少などである。
【0249】
方法:
受験者は2組に分けられる。A組の11名受験者は9μgINFERGENを注射する、B組の10名受験者は9μgrSIFN-coを注射する。注射後、2組の受検者は全て48時間の臨床観察を行う。注射1時間後、第一回観察結果を記録して、そして2時間ごとに一回の観察を記録した。
【0250】
表11.1には9μgINFERGENと9μgrSIFN-coとを注射して、その副作用の対比を記録したものを示す。
【0251】
【表23】

【0252】
結論:
rSIFN-coを注射する受験者の副作用がより小さくて、その副作用は一般的なインフルエンザ様症状で、例えば、頭痛、虚弱、悪寒、筋肉痛、発汗、関節痛。INFERGENを注射した受検者の副作用は明らかにrSIFN-coを注射した受検者より多かった。
【0253】
図9A-1、9A-2、9B-1、9B-2から分かるように、A組受検者の体温は明らかにB組受検者より高く、rSIFN-coがINFERGENより良い耐性を有することが明らかになった。
(実施例12)
【0254】
rSIFN-coの結晶成長及び結晶学的パラメータの測定
rSIFN-coの結晶研究。系統的な模索や実験を経て、二種類の結晶が得られた(図10−12参照)。
1.結晶成長
rSIFN-coタンパク質を純水(H2O)で、終濃度3mg/mlになるように溶解する。結晶化の条件はHampton社のHampton Research Crystal Screen I and IIを使用した。蒸気拡散法を用いて、溶液500μl、液滴1μlタンパク+1μl液、温度293K。表12.1に示すように、二種類の異なるタイプの小さい結晶が得られた。
【0255】
【表24】

【0256】
2.データの採集と処理
結晶 IはX線回折データの採集と初歩的な結晶学の解析を行って、結晶学のパラメータの測定が行われた。解析データの採集は常温で行って、結晶I(条件I)を薄い壁の石英管に封入した。BrukerAXS Smart CCD探測機を用いて、Nonius FR591のX線発生器より産生されるCuKα放射線(λ=1.5418Å)を光源として使用した。光源の出力は2000KW(40Kv×50mA)、波長1.00Å、感光時間60秒、Δφ=2、結晶と探測機の間の距離は50mmである。データ処理はBruker社のProteum procedure packageにより行われる。結晶の回折チャート(局部)は図12に示す。処理結果は表12.2に示す。
【0257】
【表25】

【0258】
また、発表された文献により、rSIFN-coは結晶が成長しなかった。rSIFN-coと最も接近するのはhuIFN-α2bであるが、そのスクリーンは非常に複雑であった。三回接種を経て、結晶は0.5×0.5×0.3mmになる時、解像力が2.9Åで、空間群がP21で、晶胞も大きく、一つの非対称単位内に六つの分子があり、溶解は約60%となる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
有効量の組換え高率複合インターフェロン、または機能がそれと均等な物を用いることを特徴とする重症急性呼吸器症候群を予防または治療する方法。
【請求項2】
上記インターフェロンはα、β、またはωであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
上記組換え高率複合インターフェロンは以下の方式で投与される: 経口、静脈注射、筋肉注射、腹腔内注射、皮下注射、鼻腔または粘膜に投与し、呼吸機で吸入する、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
インターフェロンがスプレーの装置により投与されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
上記装置が図7に示されたものであることを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
インターフェロンは凍結乾燥製剤型であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
直接、または間接に有効量の組換え高率複合インターフェロンまたは機能がそれと均等な物と接触することを特徴とする重症急性呼吸器症候群の病原体を抑制する方法。
【請求項8】
上記の病原体はウイルスであることを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
有効量の組換え高率複合インターフェロンまたは機能がそれと均等な物と接触することを特徴とする重症急性呼吸器症候群ウィルスまたは重症急性呼吸器症候群ウィルスに感染される細胞を抑制する方法。
【請求項10】
重症急性呼吸器症候群ウィルスまたは重症急性呼吸器症候群ウィルスの感染細胞を抑制できる有効量の組換え高率複合インターフェロンと、薬学的に許容されるキャリヤーとを含む組成物。
【請求項11】
重症急性呼吸器症候群を予防または治療できる有効量の組換え高率複合インターフェロンと、薬学的に許容されるキャリヤーとを含む組成物。
【請求項12】
重症急性呼吸器症候群ウィルスまたは重症急性呼吸器症候群ウィルスに感染される細胞を抑制できる有効量の組換え高率複合インターフェロンと、薬学的に許容されるキャリヤーとを含む医薬組成物。
【請求項13】
重症急性呼吸器症候群を予防または治療できる有効量の組換え高率複合インターフェロンと、薬学的に許容されるキャリヤーとを含む医薬組成物。
【請求項14】
請求項12または13に記載の医薬組成物を施すための装置。
【請求項15】
対象は人であることを特徴とする請求項1−6のいずれかに記載の方法、請求項11に記載の組成物または請求項13に記載の医薬組成物。
【請求項16】
規格が3 mlで、20μg中に1千万ユニットのインターフェロンを含む組換え高率複合インターフェロン製剤を一日三回の割合でスプレーすることを特徴とする重症急性呼吸器症候群を予防する方法。

【図6B】
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【図7D】
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【図8】
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【図9A−1】
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【図9A−2】
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【図9B−1】
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【図9B−2】
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【公開番号】特開2012−162567(P2012−162567A)
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−121307(P2012−121307)
【出願日】平成24年5月28日(2012.5.28)
【分割の表示】特願2006−524916(P2006−524916)の分割
【原出願日】平成16年8月26日(2004.8.26)
【出願人】(506066858)ヒュイヤンテック(ユーエスエー),インク. (4)
【Fターム(参考)】