変り織物の織成方法及びその織成機械
【課題】バックロールの外周面及びその外周面に形成された螺旋溝部並びにバックロールの回転により経糸に張力変化が付与され経糸の張力変化により緯糸よろけ模様が形成され、接離機構の切離部材により多数の経糸を持ち上げてバックロールの外周面より経糸を離反させ、経糸に一定張力を付与して緯糸の密度が均一な通常の組織模様の織物が織成され、通常の組織模様の織物に部分的に緯糸よろけ模様が存在する織物を織成することができる。
【解決手段】バックロール5の外周面5a及びその外周面に形成された螺旋溝部5b並びにバックロールの回転により経糸Tに張力変化を付与し、経糸の張力変化により緯糸Yの密度差を生じさせて緯糸よろけ模様Dを形成し、かつ、多数の経糸をバックロールの外周面に対して接触離反させる接離部材15をもつ接離機構14を設けてなる。
【解決手段】バックロール5の外周面5a及びその外周面に形成された螺旋溝部5b並びにバックロールの回転により経糸Tに張力変化を付与し、経糸の張力変化により緯糸Yの密度差を生じさせて緯糸よろけ模様Dを形成し、かつ、多数の経糸をバックロールの外周面に対して接触離反させる接離部材15をもつ接離機構14を設けてなる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は織物に部分的に緯糸よろけ模様が存在する変り織物の織成方法及びその織成機械に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来この種の変わり織物の織成方法として、多数の経糸を織前に案内するバックロールの外周面にロープを螺旋状に巻回し、このバックロールの外周面及びロープからなる凸面並びにバックロールの回転により経糸に張力変化を付与し、該経糸の張力変化により立体模様を有する変わり織物の織成方法が知られている。
【特許文献1】特許第3919327号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながらこれら従来構造の場合、上記織物に連続的に立体模様を形成することはできるものの、部分的に緯糸よろけ模様を形成することができず、それだけ、織物の斬新性及び多様性に欠けることがあるという不都合を有している。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明はこれらの不都合を解決することを目的とするもので、本発明のうちで、請求項1記載の方法の発明は、多数の経糸と多数の緯糸とから織物を織成するに際し、上記多数の経糸を織前に案内するバックロールの外周面及びその外周面に形成された螺旋溝部並びにバックロールの回転により経糸に張力変化を付与し、該経糸の張力変化により緯糸の密度差を生じさせて緯糸よろけ模様を形成すると共に該多数の経糸を該バックロールの外周面に対して接触離反させる接離部材をもつ接離機構を配置し、該接離部材により経糸をバックロールの外周面から離反させて経糸に一定張力を付与して緯糸の密度が均一な通常の組織模様の織物を織成し、該通常の組織模様の織物に該経糸の送り方向に交差する方向に部分的に緯糸よろけ模様が存在する織物を織成することを特徴とする変り織物の織成方法にある。
【0005】
又、請求項2記載の方法の発明は、多数の経糸と多数の緯糸とから織物を織成するに際し、上記多数の経糸を織前に案内するバックロールの外周面及びその外周面に形成された螺旋溝部並びにバックロールの回転により経糸に張力変化を付与し、該経糸の張力変化により緯糸の密度差を生じさせて緯糸よろけ模様を形成すると共に該バックロールの外周面に部分的に環状部材を着脱自在に配置し、該環状部材の外周面により経糸に一定張力を付与して緯糸の密度が均一な通常の組織模様の織物を織成し、該通常の組織模様の織物に該経糸の送り方向に部分的に緯糸よろけ模様が存在する織物を織成することを特徴とする変り織物の織成方法にある。
【0006】
又、請求項3記載の方法の発明は、多数の経糸と多数の緯糸とから織物を織成するに際し、上記多数の経糸を織前に案内するバックロールの外周面及びその外周面に形成された螺旋溝部並びにバックロールの回転により経糸に張力変化を付与し、経糸の張力変化により緯糸の密度差を生じさせて緯糸よろけ模様を形成すると共に該多数の経糸を該バックロールの外周面に対して接触離反させる接離部材をもつ接離機構を配置し、該接離部材により経糸をバックロールの外周面から離反させて経糸に一定張力を付与して緯糸の密度が均一な通常の組織模様の織物を織成し、かつ、該バックロールの外周面に部分的に環状部材を着脱自在に配置し、接離機構により経糸をバックロールの外周面及び該環状部材の外周面に接触させ、該環状部材の外周面により経糸に一定張力を付与して緯糸の密度が均一な通常の組織模様の織物を織成し、該通常の組織模様の織物に該経糸の送り方向に交差する方向及び該経糸の送り方向に部分的に緯糸よろけ模様が存在する織物を織成することを特徴とする変り織物の織成方法にある。
【0007】
又、請求項4記載の機械の発明は、多数の経糸と多数の緯糸とから織物を織成する機械において、上記多数の経糸を織前に案内するバックロールの外周面に螺旋溝部を形成し、該バックロールの外周面及びその外周面に形成された螺旋溝部並びにバックロールの回転により経糸に張力変化を付与し、該経糸の張力変化により緯糸の密度差を生じさせて緯糸よろけ模様を形成し、かつ、該多数の経糸を該バックロールの外周面に対して接触離反させる接離部材をもつ接離機構を設け、該接離部材により経糸をバックロールの外周面から離反させて経糸に一定張力を付与して緯糸の密度が均一な通常の組織模様の織物を織成し、該通常の組織模様の織物に該経糸の送り方向に交差する方向に部分的に緯糸よろけ模様が存在する織物を織成することを特徴とする変り織物の織成機械。
【0008】
又、請求項5記載の機械の発明は、多数の経糸と多数の緯糸とから織物を織成する機械において、上記多数の経糸を織前に案内するバックロールの外周面に螺旋溝部を形成し、該バックロールの外周面及びその外周面に形成された螺旋溝部並びにバックロールの回転により経糸に張力変化を付与し、該経糸の張力変化により緯糸の密度差を生じさせて緯糸よろけ模様を形成し、かつ、該バックロールの外周面に部分的に環状部材を着脱自在に配置し、該環状部材の外周面により経糸に一定張力を付与して緯糸の密度が均一な通常の組織模様の織物を織成し、該通常の組織模様の織物に該経糸の送り方向に部分的に緯糸よろけ模様が存在する織物を織成することを特徴とする変り織物の織成機械にある。
【0009】
又、請求項6記載の機械の発明は、多数の経糸と多数の緯糸とから織物を織成する機械において、上記多数の経糸を織前に案内するバックロールの外周面に螺旋溝部を形成し、該バックロールの外周面及びその外周面に形成された螺旋溝部並びにバックロールの回転により経糸に張力変化を付与し、経糸の張力変化により緯糸の密度差を生じさせて緯糸よろけ模様を形成し、かつ、該多数の経糸を該バックロールの外周面に対して接触離反させる接離部材をもつ接離機構を設け、該接離部材により経糸をバックロールの外周面から離反させて経糸に一定張力を付与して緯糸の密度が均一な通常の組織模様の織物を織成し、更に、バックロールの外周面に部分的に環状部材を着脱自在に配置し、該接離機構により経糸をバックロールの外周面及び該環状部材の外周面に接触させ、該環状部材の外周面により経糸に一定張力を付与して緯糸の密度が均一な通常の組織模様の織物を織成し、該通常の織物に該経糸の送り方向に交差する方向及び該経糸の送り方向に部分的に緯糸よろけ模様が存在する織物を織成することを特徴とする変り織物の織成機械にある。
【発明の効果】
【0010】
本発明は上述の如く、請求項1又は4記載の発明にあっては、多数の経糸と多数の緯糸とから織物を織成するに際し、上記多数の経糸を織前に案内するバックロールの外周面に螺旋溝部が形成されているので、バックロールの外周面及びその外周面に形成された螺旋溝部並びにバックロールの回転により経糸に張力変化が付与されることになり、この経糸の張力変化により緯糸の密度差が生じ、この緯糸の密度差により緯糸よろけ模様が形成されることになり、かつ、多数の経糸をバックロールの外周面に対して接触離反させる接離部材をもつ接離機構を設けているので、接離機構の切離部材により多数の経糸を持ち上げてバックロールの外周面より経糸を離反させ、経糸に一定張力を付与して緯糸の密度が均一な通常の組織模様の織物が織成され、従って、通常の組織模様の織物に経糸の送り方向に交差する方向に部分的に緯糸よろけ模様が存在する織物を織成することができ、それだけ、織物の斬新性及び多様性を高めることができる。
【0011】
又、請求項2又は5記載の発明にあっては、多数の経糸と多数の緯糸とから織物を織成するに際し、上記多数の経糸Tを織前に案内するバックロールの外周面に螺旋溝部が形成されているので、バックロールの外周面及びその外周面に形成された螺旋溝部並びにバックロールの回転により経糸に張力変化が付与されることになり、この経糸の張力変化により緯糸の密度差が生じ、この緯糸の密度差により緯糸よろけ模様が形成されることになり、かつ、バックロールの外周面に部分的に環状部材を取付けることにより環状部材の外周面により経糸に一定張力を付与して緯糸の密度が均一な通常の組織模様の織物が織成され、環状部材の外周面に接触していない経糸はバックロールの外周面及びその外周面に形成された螺旋溝部並びにバックロールの回転により経糸に張力変化が付与され、この経糸の張力変化により緯糸の密度差が生じ、この緯糸の密度差により、緯糸よろけ模様が形成され、従って、通常の組織模様の織物に経糸の送り方向に環状部材の長さに応じた部分的に緯糸よろけ模様が存在する織物を織成することができ、それだけ、織物の斬新性及び多様性を高めることができる。
【0012】
又、請求項3又は5記載の発明にあっては、多数の経糸と多数の緯糸とから織物を織成するに際し、上記多数の経糸を織前に案内するバックロールの外周面に螺旋溝部が形成されているので、バックロールの外周面及びその外周面に形成された螺旋溝部並びにバックロールの回転により経糸に張力変化が付与されることになり、この経糸の張力変化により緯糸の密度差が生じ、この緯糸の密度差により緯糸よろけ模様が形成されることになり、かつ、多数の経糸を該バックロールの外周面に対して接触離反させる接離部材をもつ接離機構を設け、更に、バックロールの外周面に部分的に環状部材を着脱自在に配置しているので、上記バックロールの外周面に部分的に環状部材を取付け、この取付状態において、接離機構の切離部材により経糸を持ち上げてバックロールの外周面より経糸を離反させ、経糸に一定張力を付与して緯糸の密度が均一な通常の組織模様の織物が織成され、バックロールの外周面及びその外周面に形成された螺旋溝部並びにバックロールの回転により形成される緯糸よろけ模様、接離機構により形成される経糸の送り方向に交差する方向の通常の組織模様及び環状部材により形成される経糸の送り方向の通常の組織模様が織成され、従って、通常の組織模様の織物に千鳥状に部分的に緯糸よろけ模様が存在する織物を織成することができ、それだけ、織物の斬新性及び多様性を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図1乃至図12は本発明の実施の形態例を示し、1は織成機械であって、開口運動、緯入運動、筬打運動の主運動及び経糸Tの送出運動、織物2の巻取運動などの副運動により多数の経糸Tと多数の緯糸Yとから平織、綾織、朱子織などの通常の組織模様Sの織物2を織成する構造となっている。
【0014】
このうち、上記開口運動は、図1において、例えば、織機ビーム3からガイドロール4、バックロール5及びガイドロール6を介して送出される整経された多数の経糸Tをヘルド7の上下運動により上下の層に二分して緯糸Yが通過する開口部8を形成する運動であり、上記緯入運動は、レピア9、シャットル、エアー、水、グリッパーなどにより経糸Tの開口部8に緯糸Yを挿入する運動であり、上記筬打運動は、経糸Tの開口部8に緯入された自由な状態の緯糸Yを図示省略の筬により織前10まで圧入し、経糸Tと直交させる運動であり、この織成された織物2を案内ロール11を介して巻取ロール12により巻き取ることになる。
【0015】
そして、上記バックロール5の外周面5aには螺旋溝部5bが形成され、具体的には、例えば長さ1,750mm、直径100mmのバックロール5の外周面5aに深さ10mm、ピッチ75mm、ねじれ角45度の左ねじれの螺旋溝部5bが形成され、モーター13により経糸Tを送る方向に回転する構造となっている。
【0016】
しかして、多数の経糸Tに接触して多数の経糸Tを織前10に案内するバックロール5の外周面5a及びその外周面に形成された螺旋溝部5b並びにバックロール5の回転により経糸Tに張力変化が付与され、この経糸Tの張力変化により緯糸Yの密度差が生じて緯糸よろけ模様Dが形成されることになる。
【0017】
14は接離機構であって、多数の経糸Tをバックロール4の外周面に対して接触離反させる接離部材15を備えてなり、この場合、織成機械1のフレーム1aに樋状の接離部材15を持上用シリンダ16により上下動自在に設け、持上用シリンダ16の後退運動により多数の経糸Tをバックロールの外周面に接触させ、持上用シリンダ16の突出運動により接離部材15の両上辺縁部15a・15aにより経糸T、この場合、すべての経糸Tを持ち上げてバックロール5の外周面より経糸Tのすべてを離反させるように構成している。尚、上記接離部材15の長手方向の長さ、この場合、両上辺縁部15a・15aの長さを変えることによりすべての経糸Tでなく、一部の経糸Tを持ち上げることもでき、この場合、持ち上げられない経糸Tにより緯糸よろけ模様Dが織成され、持ち上げられた縦糸Tにより通常の組織模様Sが織成されることになる。
【0018】
17は環状部材であって、この場合、長さLの半割部材17a・17aからなり、上記バックロール5の外周面に部分的にねじ17bにより着脱自在に取り付けられている。
【0019】
この実施の形態例は上記構成であるから、図1の如く、多数の経糸Tと多数の緯糸Yとから織物2を織成するに際し、上記多数の経糸Tを織前10に案内するバックロール5の外周面5aに螺旋溝部5bが形成されているので、図2、図3、図4の如く、バックロール5の外周面5a及びその外周面5aに形成された螺旋溝部5b並びにバックロール5の回転により経糸Tに張力変化が付与されることになり、この経糸Tの張力変化により緯糸Yの密度差が生じ、この緯糸の密度差により、図7の如く、緯糸よろけ模様Dが形成されることになり、かつ、多数の経糸Tをバックロール5の外周面5aに対して接触離反させる接離部材15をもつ接離機構14を設けているので、図5、図6の如く、接離機構14の持上用シリンダ16の突出運動により切離部材15の両上辺縁部15a・15aによりすべての経糸Tを持ち上げてバックロール5の外周面より経糸Tのすべてを離反させることにより、図8の如く、経糸Tに一定張力を付与して緯糸の密度が均一な通常の組織模様Sの織物が織成され、そして、接離機構14の持上用シリンダ16の後退運動により切離部材15の両上辺縁部15a・15aからすべての経糸Tが離反し、多数の経糸Tはバックロール5の外周面5aに接触し、バックロール5の外周面5a及びその外周面5aに形成された螺旋溝部5b並びにバックロール5の回転により経糸Tに張力変化が付与され、経糸Tの張力変化により緯糸Yの密度差が生じて緯糸よろけ模様Dが形成されることになる。
【0020】
従って、図8の如く、通常の組織模様Sの織物2に経糸Tの送り方向に交差する方向に部分的に緯糸よろけ模様Dが存在する織物2を織成することができ、それだけ、織物2の斬新性及び多様性を高めることができる。
【0021】
又、この場合、図9、図10の如く、上記バックロール5の外周面5aに部分的に環状部材17を取付けることにより環状部材17の外周面により経糸Tに一定張力を付与して緯糸Yの密度が均一な通常の組織模様Sの織物2が織成され、環状部材17の外周面に接触していない経糸Tはバックロール5の外周面5a及びその外周面5aに形成された螺旋溝部5b並びにバックロール5の回転により経糸Tに張力変化が付与され、この経糸Tの張力変化により緯糸Yの密度差が生じ、この緯糸の密度差により、緯糸よろけ模様Dが形成されることになる。
【0022】
従って、図11の如く、通常の組織模様Sの織物2に経糸Tの送り方向に環状部材17の長さLに応じた部分的に緯糸よろけ模様Dが存在する織物2を織成することができ、環状部材17の長さLを変えることにより緯糸よろけ模様Dの幅を変化させることができ、織物2の斬新性及び多様性を高めることができる。
【0023】
又、この場合、上記バックロール5の外周面5aに部分的に環状部材17を取付け、この取付状態において、接離機構14の持上用シリンダ16の突出運動により切離部材15の両上辺縁部15a・15aによりすべての経糸Tを持ち上げてバックロール5の外周面5aより経糸Tのすべてを離反させたり、接離機構14の持上用シリンダ16の後退運動により切離部材15の両上辺縁部15a・15aから経糸Tを離反させ、経糸Tをバックロール5の外周面5aに接触させることにより、バックロール5の外周面5a及びその外周面5aに形成された螺旋溝部5b並びにバックロール5の回転により形成される緯糸よろけ模様D、接離機構14により形成される経糸Tの送り方向に交差する方向の通常の組織模様S及び環状部材17により形成される経糸Tの送り方向の通常の組織模様Sが織成されることになる。
【0024】
従って、図12の如く、通常の組織模様Sの織物2に千鳥状に部分的に緯糸よろけ模様Dが存在する織物2を織成することができ、それだけ、織物2の斬新性及び多様性を高めることができる。
【0025】
尚、本発明は上記実施の形態例に限られるものではなく、バックロールの5の大きさや螺旋溝部5bの形状、接離機構14、接離部材15の形状や構造等は適宜設計して変更される。
【0026】
以上、所期の目的を充分達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の実施の形態例の全体説明図である。
【図2】本発明の実施の形態例の部分斜視図である。
【図3】本発明の実施の形態例の平面図である。
【図4】本発明の実施の形態例の部分側断面図である。
【図5】本発明の実施の形態例の部分斜視図である。
【図6】本発明の実施の形態例の部分側断面図である。
【図7】本発明の実施の形態例の織物の部分平面図である。
【図8】本発明の実施の形態例の織物の部分平面図である。
【図9】本発明の実施の形態例の部分斜視図である。
【図10】本発明の実施の形態例の部分拡大断面図である。
【図11】本発明の実施の形態例の織物の部分平面図である。
【図12】本発明の実施の形態例の織物の部分平面図である。
【符号の説明】
【0028】
T 経糸
Y 緯糸
S 組織模様
D 緯糸よろけ模様
5 バックロール
5a 外周面
5b 螺旋溝部
14 接離機構
15 接離部材
17 環状部材
【技術分野】
【0001】
本発明は織物に部分的に緯糸よろけ模様が存在する変り織物の織成方法及びその織成機械に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来この種の変わり織物の織成方法として、多数の経糸を織前に案内するバックロールの外周面にロープを螺旋状に巻回し、このバックロールの外周面及びロープからなる凸面並びにバックロールの回転により経糸に張力変化を付与し、該経糸の張力変化により立体模様を有する変わり織物の織成方法が知られている。
【特許文献1】特許第3919327号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながらこれら従来構造の場合、上記織物に連続的に立体模様を形成することはできるものの、部分的に緯糸よろけ模様を形成することができず、それだけ、織物の斬新性及び多様性に欠けることがあるという不都合を有している。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明はこれらの不都合を解決することを目的とするもので、本発明のうちで、請求項1記載の方法の発明は、多数の経糸と多数の緯糸とから織物を織成するに際し、上記多数の経糸を織前に案内するバックロールの外周面及びその外周面に形成された螺旋溝部並びにバックロールの回転により経糸に張力変化を付与し、該経糸の張力変化により緯糸の密度差を生じさせて緯糸よろけ模様を形成すると共に該多数の経糸を該バックロールの外周面に対して接触離反させる接離部材をもつ接離機構を配置し、該接離部材により経糸をバックロールの外周面から離反させて経糸に一定張力を付与して緯糸の密度が均一な通常の組織模様の織物を織成し、該通常の組織模様の織物に該経糸の送り方向に交差する方向に部分的に緯糸よろけ模様が存在する織物を織成することを特徴とする変り織物の織成方法にある。
【0005】
又、請求項2記載の方法の発明は、多数の経糸と多数の緯糸とから織物を織成するに際し、上記多数の経糸を織前に案内するバックロールの外周面及びその外周面に形成された螺旋溝部並びにバックロールの回転により経糸に張力変化を付与し、該経糸の張力変化により緯糸の密度差を生じさせて緯糸よろけ模様を形成すると共に該バックロールの外周面に部分的に環状部材を着脱自在に配置し、該環状部材の外周面により経糸に一定張力を付与して緯糸の密度が均一な通常の組織模様の織物を織成し、該通常の組織模様の織物に該経糸の送り方向に部分的に緯糸よろけ模様が存在する織物を織成することを特徴とする変り織物の織成方法にある。
【0006】
又、請求項3記載の方法の発明は、多数の経糸と多数の緯糸とから織物を織成するに際し、上記多数の経糸を織前に案内するバックロールの外周面及びその外周面に形成された螺旋溝部並びにバックロールの回転により経糸に張力変化を付与し、経糸の張力変化により緯糸の密度差を生じさせて緯糸よろけ模様を形成すると共に該多数の経糸を該バックロールの外周面に対して接触離反させる接離部材をもつ接離機構を配置し、該接離部材により経糸をバックロールの外周面から離反させて経糸に一定張力を付与して緯糸の密度が均一な通常の組織模様の織物を織成し、かつ、該バックロールの外周面に部分的に環状部材を着脱自在に配置し、接離機構により経糸をバックロールの外周面及び該環状部材の外周面に接触させ、該環状部材の外周面により経糸に一定張力を付与して緯糸の密度が均一な通常の組織模様の織物を織成し、該通常の組織模様の織物に該経糸の送り方向に交差する方向及び該経糸の送り方向に部分的に緯糸よろけ模様が存在する織物を織成することを特徴とする変り織物の織成方法にある。
【0007】
又、請求項4記載の機械の発明は、多数の経糸と多数の緯糸とから織物を織成する機械において、上記多数の経糸を織前に案内するバックロールの外周面に螺旋溝部を形成し、該バックロールの外周面及びその外周面に形成された螺旋溝部並びにバックロールの回転により経糸に張力変化を付与し、該経糸の張力変化により緯糸の密度差を生じさせて緯糸よろけ模様を形成し、かつ、該多数の経糸を該バックロールの外周面に対して接触離反させる接離部材をもつ接離機構を設け、該接離部材により経糸をバックロールの外周面から離反させて経糸に一定張力を付与して緯糸の密度が均一な通常の組織模様の織物を織成し、該通常の組織模様の織物に該経糸の送り方向に交差する方向に部分的に緯糸よろけ模様が存在する織物を織成することを特徴とする変り織物の織成機械。
【0008】
又、請求項5記載の機械の発明は、多数の経糸と多数の緯糸とから織物を織成する機械において、上記多数の経糸を織前に案内するバックロールの外周面に螺旋溝部を形成し、該バックロールの外周面及びその外周面に形成された螺旋溝部並びにバックロールの回転により経糸に張力変化を付与し、該経糸の張力変化により緯糸の密度差を生じさせて緯糸よろけ模様を形成し、かつ、該バックロールの外周面に部分的に環状部材を着脱自在に配置し、該環状部材の外周面により経糸に一定張力を付与して緯糸の密度が均一な通常の組織模様の織物を織成し、該通常の組織模様の織物に該経糸の送り方向に部分的に緯糸よろけ模様が存在する織物を織成することを特徴とする変り織物の織成機械にある。
【0009】
又、請求項6記載の機械の発明は、多数の経糸と多数の緯糸とから織物を織成する機械において、上記多数の経糸を織前に案内するバックロールの外周面に螺旋溝部を形成し、該バックロールの外周面及びその外周面に形成された螺旋溝部並びにバックロールの回転により経糸に張力変化を付与し、経糸の張力変化により緯糸の密度差を生じさせて緯糸よろけ模様を形成し、かつ、該多数の経糸を該バックロールの外周面に対して接触離反させる接離部材をもつ接離機構を設け、該接離部材により経糸をバックロールの外周面から離反させて経糸に一定張力を付与して緯糸の密度が均一な通常の組織模様の織物を織成し、更に、バックロールの外周面に部分的に環状部材を着脱自在に配置し、該接離機構により経糸をバックロールの外周面及び該環状部材の外周面に接触させ、該環状部材の外周面により経糸に一定張力を付与して緯糸の密度が均一な通常の組織模様の織物を織成し、該通常の織物に該経糸の送り方向に交差する方向及び該経糸の送り方向に部分的に緯糸よろけ模様が存在する織物を織成することを特徴とする変り織物の織成機械にある。
【発明の効果】
【0010】
本発明は上述の如く、請求項1又は4記載の発明にあっては、多数の経糸と多数の緯糸とから織物を織成するに際し、上記多数の経糸を織前に案内するバックロールの外周面に螺旋溝部が形成されているので、バックロールの外周面及びその外周面に形成された螺旋溝部並びにバックロールの回転により経糸に張力変化が付与されることになり、この経糸の張力変化により緯糸の密度差が生じ、この緯糸の密度差により緯糸よろけ模様が形成されることになり、かつ、多数の経糸をバックロールの外周面に対して接触離反させる接離部材をもつ接離機構を設けているので、接離機構の切離部材により多数の経糸を持ち上げてバックロールの外周面より経糸を離反させ、経糸に一定張力を付与して緯糸の密度が均一な通常の組織模様の織物が織成され、従って、通常の組織模様の織物に経糸の送り方向に交差する方向に部分的に緯糸よろけ模様が存在する織物を織成することができ、それだけ、織物の斬新性及び多様性を高めることができる。
【0011】
又、請求項2又は5記載の発明にあっては、多数の経糸と多数の緯糸とから織物を織成するに際し、上記多数の経糸Tを織前に案内するバックロールの外周面に螺旋溝部が形成されているので、バックロールの外周面及びその外周面に形成された螺旋溝部並びにバックロールの回転により経糸に張力変化が付与されることになり、この経糸の張力変化により緯糸の密度差が生じ、この緯糸の密度差により緯糸よろけ模様が形成されることになり、かつ、バックロールの外周面に部分的に環状部材を取付けることにより環状部材の外周面により経糸に一定張力を付与して緯糸の密度が均一な通常の組織模様の織物が織成され、環状部材の外周面に接触していない経糸はバックロールの外周面及びその外周面に形成された螺旋溝部並びにバックロールの回転により経糸に張力変化が付与され、この経糸の張力変化により緯糸の密度差が生じ、この緯糸の密度差により、緯糸よろけ模様が形成され、従って、通常の組織模様の織物に経糸の送り方向に環状部材の長さに応じた部分的に緯糸よろけ模様が存在する織物を織成することができ、それだけ、織物の斬新性及び多様性を高めることができる。
【0012】
又、請求項3又は5記載の発明にあっては、多数の経糸と多数の緯糸とから織物を織成するに際し、上記多数の経糸を織前に案内するバックロールの外周面に螺旋溝部が形成されているので、バックロールの外周面及びその外周面に形成された螺旋溝部並びにバックロールの回転により経糸に張力変化が付与されることになり、この経糸の張力変化により緯糸の密度差が生じ、この緯糸の密度差により緯糸よろけ模様が形成されることになり、かつ、多数の経糸を該バックロールの外周面に対して接触離反させる接離部材をもつ接離機構を設け、更に、バックロールの外周面に部分的に環状部材を着脱自在に配置しているので、上記バックロールの外周面に部分的に環状部材を取付け、この取付状態において、接離機構の切離部材により経糸を持ち上げてバックロールの外周面より経糸を離反させ、経糸に一定張力を付与して緯糸の密度が均一な通常の組織模様の織物が織成され、バックロールの外周面及びその外周面に形成された螺旋溝部並びにバックロールの回転により形成される緯糸よろけ模様、接離機構により形成される経糸の送り方向に交差する方向の通常の組織模様及び環状部材により形成される経糸の送り方向の通常の組織模様が織成され、従って、通常の組織模様の織物に千鳥状に部分的に緯糸よろけ模様が存在する織物を織成することができ、それだけ、織物の斬新性及び多様性を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図1乃至図12は本発明の実施の形態例を示し、1は織成機械であって、開口運動、緯入運動、筬打運動の主運動及び経糸Tの送出運動、織物2の巻取運動などの副運動により多数の経糸Tと多数の緯糸Yとから平織、綾織、朱子織などの通常の組織模様Sの織物2を織成する構造となっている。
【0014】
このうち、上記開口運動は、図1において、例えば、織機ビーム3からガイドロール4、バックロール5及びガイドロール6を介して送出される整経された多数の経糸Tをヘルド7の上下運動により上下の層に二分して緯糸Yが通過する開口部8を形成する運動であり、上記緯入運動は、レピア9、シャットル、エアー、水、グリッパーなどにより経糸Tの開口部8に緯糸Yを挿入する運動であり、上記筬打運動は、経糸Tの開口部8に緯入された自由な状態の緯糸Yを図示省略の筬により織前10まで圧入し、経糸Tと直交させる運動であり、この織成された織物2を案内ロール11を介して巻取ロール12により巻き取ることになる。
【0015】
そして、上記バックロール5の外周面5aには螺旋溝部5bが形成され、具体的には、例えば長さ1,750mm、直径100mmのバックロール5の外周面5aに深さ10mm、ピッチ75mm、ねじれ角45度の左ねじれの螺旋溝部5bが形成され、モーター13により経糸Tを送る方向に回転する構造となっている。
【0016】
しかして、多数の経糸Tに接触して多数の経糸Tを織前10に案内するバックロール5の外周面5a及びその外周面に形成された螺旋溝部5b並びにバックロール5の回転により経糸Tに張力変化が付与され、この経糸Tの張力変化により緯糸Yの密度差が生じて緯糸よろけ模様Dが形成されることになる。
【0017】
14は接離機構であって、多数の経糸Tをバックロール4の外周面に対して接触離反させる接離部材15を備えてなり、この場合、織成機械1のフレーム1aに樋状の接離部材15を持上用シリンダ16により上下動自在に設け、持上用シリンダ16の後退運動により多数の経糸Tをバックロールの外周面に接触させ、持上用シリンダ16の突出運動により接離部材15の両上辺縁部15a・15aにより経糸T、この場合、すべての経糸Tを持ち上げてバックロール5の外周面より経糸Tのすべてを離反させるように構成している。尚、上記接離部材15の長手方向の長さ、この場合、両上辺縁部15a・15aの長さを変えることによりすべての経糸Tでなく、一部の経糸Tを持ち上げることもでき、この場合、持ち上げられない経糸Tにより緯糸よろけ模様Dが織成され、持ち上げられた縦糸Tにより通常の組織模様Sが織成されることになる。
【0018】
17は環状部材であって、この場合、長さLの半割部材17a・17aからなり、上記バックロール5の外周面に部分的にねじ17bにより着脱自在に取り付けられている。
【0019】
この実施の形態例は上記構成であるから、図1の如く、多数の経糸Tと多数の緯糸Yとから織物2を織成するに際し、上記多数の経糸Tを織前10に案内するバックロール5の外周面5aに螺旋溝部5bが形成されているので、図2、図3、図4の如く、バックロール5の外周面5a及びその外周面5aに形成された螺旋溝部5b並びにバックロール5の回転により経糸Tに張力変化が付与されることになり、この経糸Tの張力変化により緯糸Yの密度差が生じ、この緯糸の密度差により、図7の如く、緯糸よろけ模様Dが形成されることになり、かつ、多数の経糸Tをバックロール5の外周面5aに対して接触離反させる接離部材15をもつ接離機構14を設けているので、図5、図6の如く、接離機構14の持上用シリンダ16の突出運動により切離部材15の両上辺縁部15a・15aによりすべての経糸Tを持ち上げてバックロール5の外周面より経糸Tのすべてを離反させることにより、図8の如く、経糸Tに一定張力を付与して緯糸の密度が均一な通常の組織模様Sの織物が織成され、そして、接離機構14の持上用シリンダ16の後退運動により切離部材15の両上辺縁部15a・15aからすべての経糸Tが離反し、多数の経糸Tはバックロール5の外周面5aに接触し、バックロール5の外周面5a及びその外周面5aに形成された螺旋溝部5b並びにバックロール5の回転により経糸Tに張力変化が付与され、経糸Tの張力変化により緯糸Yの密度差が生じて緯糸よろけ模様Dが形成されることになる。
【0020】
従って、図8の如く、通常の組織模様Sの織物2に経糸Tの送り方向に交差する方向に部分的に緯糸よろけ模様Dが存在する織物2を織成することができ、それだけ、織物2の斬新性及び多様性を高めることができる。
【0021】
又、この場合、図9、図10の如く、上記バックロール5の外周面5aに部分的に環状部材17を取付けることにより環状部材17の外周面により経糸Tに一定張力を付与して緯糸Yの密度が均一な通常の組織模様Sの織物2が織成され、環状部材17の外周面に接触していない経糸Tはバックロール5の外周面5a及びその外周面5aに形成された螺旋溝部5b並びにバックロール5の回転により経糸Tに張力変化が付与され、この経糸Tの張力変化により緯糸Yの密度差が生じ、この緯糸の密度差により、緯糸よろけ模様Dが形成されることになる。
【0022】
従って、図11の如く、通常の組織模様Sの織物2に経糸Tの送り方向に環状部材17の長さLに応じた部分的に緯糸よろけ模様Dが存在する織物2を織成することができ、環状部材17の長さLを変えることにより緯糸よろけ模様Dの幅を変化させることができ、織物2の斬新性及び多様性を高めることができる。
【0023】
又、この場合、上記バックロール5の外周面5aに部分的に環状部材17を取付け、この取付状態において、接離機構14の持上用シリンダ16の突出運動により切離部材15の両上辺縁部15a・15aによりすべての経糸Tを持ち上げてバックロール5の外周面5aより経糸Tのすべてを離反させたり、接離機構14の持上用シリンダ16の後退運動により切離部材15の両上辺縁部15a・15aから経糸Tを離反させ、経糸Tをバックロール5の外周面5aに接触させることにより、バックロール5の外周面5a及びその外周面5aに形成された螺旋溝部5b並びにバックロール5の回転により形成される緯糸よろけ模様D、接離機構14により形成される経糸Tの送り方向に交差する方向の通常の組織模様S及び環状部材17により形成される経糸Tの送り方向の通常の組織模様Sが織成されることになる。
【0024】
従って、図12の如く、通常の組織模様Sの織物2に千鳥状に部分的に緯糸よろけ模様Dが存在する織物2を織成することができ、それだけ、織物2の斬新性及び多様性を高めることができる。
【0025】
尚、本発明は上記実施の形態例に限られるものではなく、バックロールの5の大きさや螺旋溝部5bの形状、接離機構14、接離部材15の形状や構造等は適宜設計して変更される。
【0026】
以上、所期の目的を充分達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の実施の形態例の全体説明図である。
【図2】本発明の実施の形態例の部分斜視図である。
【図3】本発明の実施の形態例の平面図である。
【図4】本発明の実施の形態例の部分側断面図である。
【図5】本発明の実施の形態例の部分斜視図である。
【図6】本発明の実施の形態例の部分側断面図である。
【図7】本発明の実施の形態例の織物の部分平面図である。
【図8】本発明の実施の形態例の織物の部分平面図である。
【図9】本発明の実施の形態例の部分斜視図である。
【図10】本発明の実施の形態例の部分拡大断面図である。
【図11】本発明の実施の形態例の織物の部分平面図である。
【図12】本発明の実施の形態例の織物の部分平面図である。
【符号の説明】
【0028】
T 経糸
Y 緯糸
S 組織模様
D 緯糸よろけ模様
5 バックロール
5a 外周面
5b 螺旋溝部
14 接離機構
15 接離部材
17 環状部材
【特許請求の範囲】
【請求項1】
多数の経糸と多数の緯糸とから織物を織成するに際し、上記多数の経糸を織前に案内するバックロールの外周面及びその外周面に形成された螺旋溝部並びにバックロールの回転により経糸に張力変化を付与し、該経糸の張力変化により緯糸の密度差を生じさせて緯糸よろけ模様を形成すると共に該多数の経糸を該バックロールの外周面に対して接触離反させる接離部材をもつ接離機構を配置し、該接離部材により経糸をバックロールの外周面から離反させて経糸に一定張力を付与して緯糸の密度が均一な通常の組織模様の織物を織成し、該通常の組織模様の織物に該経糸の送り方向に交差する方向に部分的に緯糸よろけ模様が存在する織物を織成することを特徴とする変り織物の織成方法。
【請求項2】
多数の経糸と多数の緯糸とから織物を織成するに際し、上記多数の経糸を織前に案内するバックロールの外周面及びその外周面に形成された螺旋溝部並びにバックロールの回転により経糸に張力変化を付与し、該経糸の張力変化により緯糸の密度差を生じさせて緯糸よろけ模様を形成すると共に該バックロールの外周面に部分的に環状部材を着脱自在に配置し、該環状部材の外周面により経糸に一定張力を付与して緯糸の密度が均一な通常の組織模様の織物を織成し、該通常の組織模様の織物に該経糸の送り方向に部分的に緯糸よろけ模様が存在する織物を織成することを特徴とする変り織物の織成方法。
【請求項3】
多数の経糸と多数の緯糸とから織物を織成するに際し、上記多数の経糸を織前に案内するバックロールの外周面及びその外周面に形成された螺旋溝部並びにバックロールの回転により経糸に張力変化を付与し、経糸の張力変化により緯糸の密度差を生じさせて緯糸よろけ模様を形成すると共に該多数の経糸を該バックロールの外周面に対して接触離反させる接離部材をもつ接離機構を配置し、該接離部材により経糸をバックロールの外周面から離反させて経糸に一定張力を付与して緯糸の密度が均一な通常の組織模様の織物を織成し、かつ、該バックロールの外周面に部分的に環状部材を着脱自在に配置し、接離機構により経糸をバックロールの外周面及び該環状部材の外周面に接触させ、該環状部材の外周面により経糸に一定張力を付与して緯糸の密度が均一な通常の組織模様の織物を織成し、該通常の組織模様の織物に該経糸の送り方向に交差する方向及び該経糸の送り方向に部分的に緯糸よろけ模様が存在する織物を織成することを特徴とする変り織物の織成方法。
【請求項4】
多数の経糸と多数の緯糸とから織物を織成する機械において、上記多数の経糸を織前に案内するバックロールの外周面に螺旋溝部を形成し、該バックロールの外周面及びその外周面に形成された螺旋溝部並びにバックロールの回転により経糸に張力変化を付与し、該経糸の張力変化により緯糸の密度差を生じさせて緯糸よろけ模様を形成し、かつ、該多数の経糸を該バックロールの外周面に対して接触離反させる接離部材をもつ接離機構を設け、該接離部材により経糸をバックロールの外周面から離反させて経糸に一定張力を付与して緯糸の密度が均一な通常の組織模様の織物を織成し、該通常の組織模様の織物に該経糸の送り方向に交差する方向に部分的に緯糸よろけ模様が存在する織物を織成することを特徴とする変り織物の織成機械。
【請求項5】
多数の経糸と多数の緯糸とから織物を織成する機械において、上記多数の経糸を織前に案内するバックロールの外周面に螺旋溝部を形成し、該バックロールの外周面及びその外周面に形成された螺旋溝部並びにバックロールの回転により経糸に張力変化を付与し、該経糸の張力変化により緯糸の密度差を生じさせて緯糸よろけ模様を形成し、かつ、該バックロールの外周面に部分的に環状部材を着脱自在に配置し、該環状部材の外周面により経糸に一定張力を付与して緯糸の密度が均一な通常の組織模様の織物を織成し、該通常の組織模様の織物に該経糸の送り方向に部分的に緯糸よろけ模様が存在する織物を織成することを特徴とする変り織物の織成機械。
【請求項6】
多数の経糸と多数の緯糸とから織物を織成する機械において、上記多数の経糸を織前に案内するバックロールの外周面に螺旋溝部を形成し、該バックロールの外周面及びその外周面に形成された螺旋溝部並びにバックロールの回転により経糸に張力変化を付与し、該経糸の張力変化により緯糸の密度差を生じさせて緯糸よろけ模様を形成し、かつ、該多数の経糸を該バックロールの外周面に対して接触離反させる接離部材をもつ接離機構を設け、該接離部材により経糸をバックロールの外周面から離反させて経糸に一定張力を付与して緯糸の密度が均一な通常の組織模様の織物を織成し、更に、該バックロールの外周面に部分的に環状部材を着脱自在に配置し、該接離機構により経糸をバックロールの外周面及び該環状部材の外周面に接触させ、該環状部材の外周面により経糸に一定張力を付与して緯糸の密度が均一な通常の組織模様の織物を織成し、該通常の織物に該経糸の送り方向に交差する方向及び該経糸の送り方向に部分的に緯糸よろけ模様が存在する織物を織成することを特徴とする変り織物の織成機械。
【請求項1】
多数の経糸と多数の緯糸とから織物を織成するに際し、上記多数の経糸を織前に案内するバックロールの外周面及びその外周面に形成された螺旋溝部並びにバックロールの回転により経糸に張力変化を付与し、該経糸の張力変化により緯糸の密度差を生じさせて緯糸よろけ模様を形成すると共に該多数の経糸を該バックロールの外周面に対して接触離反させる接離部材をもつ接離機構を配置し、該接離部材により経糸をバックロールの外周面から離反させて経糸に一定張力を付与して緯糸の密度が均一な通常の組織模様の織物を織成し、該通常の組織模様の織物に該経糸の送り方向に交差する方向に部分的に緯糸よろけ模様が存在する織物を織成することを特徴とする変り織物の織成方法。
【請求項2】
多数の経糸と多数の緯糸とから織物を織成するに際し、上記多数の経糸を織前に案内するバックロールの外周面及びその外周面に形成された螺旋溝部並びにバックロールの回転により経糸に張力変化を付与し、該経糸の張力変化により緯糸の密度差を生じさせて緯糸よろけ模様を形成すると共に該バックロールの外周面に部分的に環状部材を着脱自在に配置し、該環状部材の外周面により経糸に一定張力を付与して緯糸の密度が均一な通常の組織模様の織物を織成し、該通常の組織模様の織物に該経糸の送り方向に部分的に緯糸よろけ模様が存在する織物を織成することを特徴とする変り織物の織成方法。
【請求項3】
多数の経糸と多数の緯糸とから織物を織成するに際し、上記多数の経糸を織前に案内するバックロールの外周面及びその外周面に形成された螺旋溝部並びにバックロールの回転により経糸に張力変化を付与し、経糸の張力変化により緯糸の密度差を生じさせて緯糸よろけ模様を形成すると共に該多数の経糸を該バックロールの外周面に対して接触離反させる接離部材をもつ接離機構を配置し、該接離部材により経糸をバックロールの外周面から離反させて経糸に一定張力を付与して緯糸の密度が均一な通常の組織模様の織物を織成し、かつ、該バックロールの外周面に部分的に環状部材を着脱自在に配置し、接離機構により経糸をバックロールの外周面及び該環状部材の外周面に接触させ、該環状部材の外周面により経糸に一定張力を付与して緯糸の密度が均一な通常の組織模様の織物を織成し、該通常の組織模様の織物に該経糸の送り方向に交差する方向及び該経糸の送り方向に部分的に緯糸よろけ模様が存在する織物を織成することを特徴とする変り織物の織成方法。
【請求項4】
多数の経糸と多数の緯糸とから織物を織成する機械において、上記多数の経糸を織前に案内するバックロールの外周面に螺旋溝部を形成し、該バックロールの外周面及びその外周面に形成された螺旋溝部並びにバックロールの回転により経糸に張力変化を付与し、該経糸の張力変化により緯糸の密度差を生じさせて緯糸よろけ模様を形成し、かつ、該多数の経糸を該バックロールの外周面に対して接触離反させる接離部材をもつ接離機構を設け、該接離部材により経糸をバックロールの外周面から離反させて経糸に一定張力を付与して緯糸の密度が均一な通常の組織模様の織物を織成し、該通常の組織模様の織物に該経糸の送り方向に交差する方向に部分的に緯糸よろけ模様が存在する織物を織成することを特徴とする変り織物の織成機械。
【請求項5】
多数の経糸と多数の緯糸とから織物を織成する機械において、上記多数の経糸を織前に案内するバックロールの外周面に螺旋溝部を形成し、該バックロールの外周面及びその外周面に形成された螺旋溝部並びにバックロールの回転により経糸に張力変化を付与し、該経糸の張力変化により緯糸の密度差を生じさせて緯糸よろけ模様を形成し、かつ、該バックロールの外周面に部分的に環状部材を着脱自在に配置し、該環状部材の外周面により経糸に一定張力を付与して緯糸の密度が均一な通常の組織模様の織物を織成し、該通常の組織模様の織物に該経糸の送り方向に部分的に緯糸よろけ模様が存在する織物を織成することを特徴とする変り織物の織成機械。
【請求項6】
多数の経糸と多数の緯糸とから織物を織成する機械において、上記多数の経糸を織前に案内するバックロールの外周面に螺旋溝部を形成し、該バックロールの外周面及びその外周面に形成された螺旋溝部並びにバックロールの回転により経糸に張力変化を付与し、該経糸の張力変化により緯糸の密度差を生じさせて緯糸よろけ模様を形成し、かつ、該多数の経糸を該バックロールの外周面に対して接触離反させる接離部材をもつ接離機構を設け、該接離部材により経糸をバックロールの外周面から離反させて経糸に一定張力を付与して緯糸の密度が均一な通常の組織模様の織物を織成し、更に、該バックロールの外周面に部分的に環状部材を着脱自在に配置し、該接離機構により経糸をバックロールの外周面及び該環状部材の外周面に接触させ、該環状部材の外周面により経糸に一定張力を付与して緯糸の密度が均一な通常の組織模様の織物を織成し、該通常の織物に該経糸の送り方向に交差する方向及び該経糸の送り方向に部分的に緯糸よろけ模様が存在する織物を織成することを特徴とする変り織物の織成機械。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2009−24297(P2009−24297A)
【公開日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−190256(P2007−190256)
【出願日】平成19年7月21日(2007.7.21)
【出願人】(307021232)山紫繊維有限会社 (1)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年7月21日(2007.7.21)
【出願人】(307021232)山紫繊維有限会社 (1)
【Fターム(参考)】
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