説明

変更された生成物生産性を有するユーバクテリアRNA−ポリメラーゼ変異体

【課題】蛋白質の増強された分泌生産のための新規な宿主細胞を提供する。
【解決手段】同一の条件下で増殖される同遺伝子系親株における同じ生成物の生成に比較して、注目の生成物の変更された生成を提供するrpoB−遺伝子によりコードされるRNA−ポリメラーゼのβ−サブユニットにおける少なくとも1つのアミノ酸の置換をもたらす少なくとも1つの突然変異を含んで成り、ここで前記少なくとも1つのアミノ酸の置換が、特定のアミノ配の位置469,478,482,485又は487のいずれかで、又はいずれかのユーバクテリアRNA−ポリメラーゼβ−サブユニットファミリーメンバーにおける同等の位置で発生することを特徴とする単離された変異体ユーバクテリア。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野:
本発明は、同一の条件下で増殖された同遺伝子系親株における同じ生成物の生成に比較して、注目の生成物の変更された生成を提供するrpoB−遺伝子によりコードされるRNA−ポリメラーゼのβ−サブユニットにおける少なくとも1つのアミノ酸の置換をもたらす少なくとも1つの突然変異を含んで成る変異体ユーバクテリア(Eubacteria)に関する。本発明のもう1つの観点は、変異体ユーバクテリアにおいて少なくとも1つの注目の生成物を生成するための方法、及び少なくとも1つの注目の生成物を生成するためへの本発明の変異体ユーバクテリアの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリペプチドの産業的生成においては、できるだけ高い生成物収率を達成することが興味の対象である。収率を高めるための1つの手段は、注目のポリペプチドをコードする遺伝子のコピー数を高めることである。これは、高いコピー数のプラスミド上に前記遺伝子を配置することによって行われ得る。しかしながら、プラスミドは不安定であり、そしてしばしば、宿主細胞の培養の間、選択的圧力が存在しない場合、宿主細胞から損なわれる。興味ある遺伝子のコピー数を高めるためのもう1つの手段は、宿主細胞染色体中に複数コピー数でそれを組込むことである。
【0003】
抗生物質マーカーを用いないで、二重相同組換えにより染色体中に遺伝子をいかにして組み込むかはこれまで記載されており(Honeなど, Microbial Pathogenesis, 1988, 5: 407-418);2種の遺伝子の組込みもまた記載されている(Novo Nordisk: WO91/09129号及びWO94/14968号)。宿主細胞の染色体中へのいくつかの遺伝子コピーの組込みは、不安定性を導く。良好な安定性を達成するために、逆方向タンデムで密接に間隔を開けての2種の遺伝子の組込み(Novozymes: WO99/41358号)、及び遺伝子の安定した染色体複数コピー組込み(Novozymes: WO02/00907号)は、記載されている。
【0004】
生成物の収率を高めるための他の手段は、注目の特定の遺伝子の発現を調節する特定のプロモーターのプロモーター活性を高めることである。また、いくつかのプロモーターの活性による一般的な同時上昇は、改良された生成物の収率を導くことができる。
最も研究された細菌RNA−ポリメラーゼは、E. コリRNA−ポリメラーゼであり、そしてそれは、多くの細菌属、例えばサルモネラ(Salmonella)、セラチア(Serratia)、プロテウス(Proteus)、アエロバクター(Aerobacter)及びバチルス(Bacillus)から単離された酵素の代表である(Fukudaなど., 1977, Mol. Gen. Genet. 154:135)。
【0005】
RNA−ポリメラーゼコアー酵素は、それぞれrpoA, rpoB及びrpoCによりコードされる、2:1:1の比でのα、β及びβ’ サブユニットから構成される。いくつかの抗生物質(例えば、リファンピシン)に対して細胞耐性を付与する突然変異は、rpoB遺伝子内に存在する。
リファンピシンは、β−サブユニットに結合し、そしてインビトロ及びインビボで酵素によるRNA鎖の生成開始を完全に阻止する(Wehrli and Staehelin, 1971, Bact. Rev. 35: 290)。細胞は、薬剤を結合しない変更されたβサブユニットによってリファンピシンに対する耐性を獲得する。
【0006】
リファンピシン耐性細胞のRNA−ポリメラーゼのβ−サブユニットにおける突然変異は、そのサブユニットの中心における200個のアミノ酸の範囲内の3種の別々の領域に位置し、そしてそれらは推定上のリファンピシン−結合ポケットとして言及されて来た(Jin and Gross, 1988, J. Mol. Biol. 202: 45-58)。
【0007】
リファンピシン耐性をもたらすrpoBにおける突然変異は、高度に多面性(pleiotropic)の表現型を引き起こすことが報告されている(Yang and Price, 1995, J. Biol. Chem. 270: 23930-23933; Kane など., 1979, J. Bacteriol. 137: 1028-1030)。遺伝子活性の上昇をもたらすいくつかの場合、及び効果を有さないほかの場合が存在する(Kaneなど., 1979, J. Bacteriol. 137: 1028-1030)。Sharipovaなど.(1994、Microbiology 63:29-32)は、いくつかのリファンピシン耐性株についての高いレベルのホスファターゼ活性及び他のリファンピシン耐性株について低レベルのホスファターゼ活性を報告している。100倍の改良されたα−アミラーゼ活性が、バチルス・リケニホルミスのリファンピシン耐性Spo-単離物において報告されている(Hu Xuezhiなど., 1991, Acta microbiologica sinica 31: 268-273)。バチルス・サブチリスにおいては、突然変異Q469Rは、リファンピシン耐性及びNusGに対する高感受性をもたらす(Ingham and Furnaux, 2000, Microbiology, 146: 3041-3049)。
【発明の概要】
【0008】
いくつかの報告はリファンピシン耐性単離物におけるいくつかの遺伝子生成物の高められた生産性を示しているが、rpoBにおける突然変異の効果が高い多面性であることが報告されており、そして観察される生産性の上昇はrpoBにおける特定の突然変異に決して連結されていない。驚くべきことには、本発明の特定の突然変異は単独で又は組合して、前記rpoB−突然変異が宿主株に存在する場合、注目の生成物のより改良された生産性をもたらすであろうことが現在発見された。
【0009】
第1の観点においては、本発明は、同一の条件下で増殖される同遺伝子系親株における同じ生成物の生成に比較して、注目の生成物の変更された生成を提供するrpoB−遺伝子によりコードされるRNA−ポリメラーゼのβ−サブユニットにおける少なくとも1つのアミノ酸の置換をもたらす少なくとも1つの突然変異を含んで成り、ここで前記少なくとも1つのアミノ酸の置換が、配列番号2の位置469,478, 482,485又は487のいずれかで、又はいずれかのユーバクテリアRNA−ポリメラーゼβ−サブユニットファミリーメンバーにおける同等の位置で発生することを特徴とする単離された変異体ユーバクテリアに関する。
【0010】
第2の観点においては、本発明は、適切な培地において上記で定義されたような変異体ユーバクテリアを培養し、それにより、前記生成物を生成することを含んで成る、変異体ユーバクテリアにおいて少なくとも1つの注目の生成物の生成方法に関する。
第3の観点においては、本発明は、少なくとも1つの注目の生成物を生成するためへの本発明の変異体ユーバクテリアの使用に関し、ここで適切な培地において前記変異体ユーバクテリアを培養し、それにより、前記生成物を生成することを含んで成る。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1における一列整列された配列の上部列は、配列番号2の位置461〜500のB. リケニホルミスRpoBタンパク質の40個のアミノ酸セグメントを示す。第2列は、配列番号2のその対応する位置と一列整列された、配列番号4の位置462〜501のバチルス・クラウジRpoBタンパク質の相同の40個のアミノ酸セグメントを示す。それらの2種のセグメントは、異なった細菌からのRpoBタンパク質の公開された配列と共に図1に一列整列され、太文字は上部列での2種のバチルス配列のRpoB配列からの野生型偏差を示す。相同セグメントの微生物源は、下記のように、図において個々の源番号で示される:
【0012】
源1) Boor など., Genetic and transcriptional organization of the region encoding the beta subunit of Bacillus subtilis RNA polymerase. J. Biol. Chem. 270: 20329 (1995).
源2) Kaneko など., Sequence analysis of the genome of the unicellular cyanobacterium Synechocystis sp. strain PCC6803. i. Sequence determination of the entire genome and assignment of potential protein-coding regions. DNA Res. 3: 109 (1996).
【0013】
源3) Parkhill など., Complete DNA sequence of a serogroup A strain of Neisseria menigitidis Z2491. Nature 404: 502 (2000).
源4) Aboshkiwa など., Cloning and physical mapping of the Staphylococcus aureus rplL, rpoB and rpoC genes, encoding ribosomal protein L7/L12 and RNA polymerase subunits beta and beta'. J. Gen. Microbiol. 138: 1875 (1992).
【0014】
源5) Ovchinnikov など., The primary structure of Escherichia coli RNA polymerase. Nucleotide sequence of the rpoB gene and amino-acid sequence of the betasubunit. Eur. J. Biochem. 116: 621 (1981).
源6) Fleischmann など., Whole-genome random sequencing and assembly of Haemophilus influenzae Rd. Science 269: 496 (1995).
【0015】
源7) Kalman など., Comparative genomes of Chlamydia pneumonie and C. trachomatis. Nat. Genet. 21: 385 (1999).
源8) Mollet など., Determination of Coxiella burnetii rpoB sequence and its use for phylogenetic analysis. Gene 207: 97 (1998).
源9) Stover など., Complete genome sequence of Pseudomonas aeruginosa PA01, an opportunistic pathogen. Nature 406: 959 (2000).
【0016】
源10) Borodin など., Nucleotide sequence of the rpoB gene coding for the beta-subunit of RNA polymerase in Pseudomonas putida. Dokl. Biochem. 302: 1261 (1988).
源11) Sverdlov など., Nucleotide sequence of the rpoB gene of Samonella typhimurium coding for the beta-subunit of RNA polymerase. Dokl. Biochem. 287: 62 (1986).
【0017】
源12) Honoreなど., Nucleotide sequence of the first cosmid from the Mycobacterium leprae genome project: structure and function of the Rif-Str regions. Mol.
Microbiol. 7: 207 (1993).
源13) Alekshun など., Molecular cloning and characterization of Borrelia burgdorferi rpoB. Gene 186 : 227 (1997).
【0018】
源14) Laigretなど., The unique organization of the rpoB region of Spiroplasma citri: a restriction and modification system gene is adjacent to rpoB. Gene 171: 95 (1996).
源15) Parkhill など., The genome sequence of the food-borne pathogen Campylobacter jejuni reveals hypervariable sequences. Nature 403: 665 (2000).
【0019】
源16) Deckert など., The complete genome of the hyperthermophilic bacterium Aquifex aeolicus. Nature 392: 353 (1998).
源17) Palm など., The DNA-dependent RNA-polymerase of Thermotoga maritima; characterisation of the enzyme and the DNA-sequence of the genes for the large subunits. Nucleic Acids Res. 21: 4904 (1993).
【0020】
源18) Takaki など., Sequence analysis of a 32-kb region including the major ribosomal protein gene clusters from alkaliphilic Bacillus sp. strain C-125. Biosci. Biotechnol.
Biochem. 63: 452 (1999).
源19) Simpsonなど., The genome sequence of the plant pathogen Xylella fastidiosa. Nature 406: 151 (2000).
【0021】
源20) Drancourt, M. Klebsiella ornithinolytica, Klebsiella taxonomy. Submitted (FEB-1999) to the EMBL/GenBank/DDBJ databases.
源21) Drancourt and Raoult, Calymmatobacterium granulomatis rpoB. Submitted (DEC-1999) to the EMBL/GenBank/DDBJ databases.
源22) Mollet など., (Serratia marcescens) RNA polymerase beta- subunit. Submitted (NOV-1996) to the EMBL/GenBank/DDBJ databases.
【0022】
源23) Nakasone など., Isolation of rpoB and rpoC genes from deep-sea piezophilic bacterium Shewanella violacea and its overexpression in Escherichia coli. Submitted (JUL-2000) to the EMBL/GenBank/DDBJ databases.
源24) Padayachee and Klugman, Molecular basis for rifampicin resistant Streptococcus pneumoniae isolates from South Africa. Submitted (FEB-1999) to the EMBL/GenBank/DDBJ databases.
【0023】
源25) Nielsen など., Legionella pneumophila RNA polymerase B-subunit (rpoB) gene. Submitted (DEC-1998) to the EMBL/GenBank/DDBJ databases.
源26) Whiteなど., Genome sequence of the radioresistant bacterium Deinococcus radiodurans R1. Science 286: 1571 (1999).
【0024】
源27) Streptomyces coelicolor, Seeger and Harris, Submitted (MAR-2000) to the EMBL/GenBank/DDBJ databases.
源28) Helicobacter pylori (Campylobacter pylori), Hocking など., Submitted (JAN-1997) to the EMBL/GenBank/DDBJ databases.
【発明を実施するための形態】
【0025】
定義:
本発明の特定の態様の議論の前、本発明の主要観点に関連する特定の用語の定義が提供される。本明細書及び特許請求の範囲においては、ヌクレオチドについての従来の1文字コード及びアミノ酸残基についての従来の1文字及び3文字コードが使用される。参照を容易にするために、次の命名法が使用される:
元のアミノ酸 位置 置換されたアミノ酸:
この命名法によれば、及び例によれば、位置30でのアスパラギンによるアラニンの置換は、下記のように示され:
Ala30Asn又はA30N
【0026】
同じ位置でのアラニンの欠失は下記のように示され:
Ala30* 又はA30*
そして追加のアミノ酸残基、例えばリシンの挿入は下記のように示される:
Ala30AlaLys又はA30AK。
アミノ酸残基30−33により例示される、保存性アミノ酸残基範囲の欠失は、(30-33)*として示される。
【0027】
特定のポリペプチドが相同ポリペプチドに比較して欠失を含み(すなわち、アミノ酸残基を欠いている)、そして挿入がそのような位置で行われる場合、これは、位置36でのアスパラギンの挿入については、下記のように示される:
*36Asn又は*36N。
複数の突然変異は、下記のように“+”の記号により分離され:
Ala30Asn+Glu34Ser又はA30N+E34S
ここでそれは、それぞれアスパラギン及びセリンがアラニン及びグルタミン酸により位置される位置30及び34での置換を表す。
1又は複数のどちらかのアミン酸残基が所定の位置で挿入される場合、これは下記のように示される:
A30N, E、あるいはA30H又はA30E。
【0028】
さらに、修飾のために適切な位置が、提案されるいずれの特定の修飾も伴わないで本明細書において同定される場合、いずれか他のアミノ酸残基がその位置に存在するアミノ酸残基(すなわち、いずれかのアミノ酸残基−問題の位置に通常、存在するアミノ酸残基以外−A, R, N, D, C, Q, E, G, H, I, L, K, M, F, P, S, T, W, Y 及び V間で選択される)により置換されることが理解されるべきである。従って、例えば、位置202におけるメチオニンの修飾(置換)、すなわちM202が言及されているが、しかし特定されていない場合、他のアミノ酸のいずれかがメチオニンにより、すなわちA, R, N, D, C, Q, E, G, H, I, L, K, F, P, S, T, W, Y 及び Vから選択されたいずれか他のアミノ酸により置換され得ることが理解されるべきである。
【0029】
ユーバクテリア:本発明における用語“ユーバクテリウム”(eubacterium)とは、棒状、球形又は螺旋形の、細胞壁を有する単細胞原核微生物を意味し、多くの種は1又は複数の鞭毛を担持する、運動性である。ユーバクテリアは、ペプチドグリカン細胞壁及びエステル−結合された脂質を有することによってアルキバクテリア(archaebacteria)と区別される。
変異体ユーバクテリア:用語“変異体ユーバクテリア”とは、本明細書においては、RNA−ポリメラーゼのβ−サブユニットにおける5種の特許請求された位置の少なくとも1つの位置に突然変異を得ている別の同遺伝子系親ユーバクテリアを意味する。
【0030】
置換:用語“置換”とは、本明細書においては、1つのアミノ酸のもう1つのアミノ酸による置換を意味する。
β−サブユニット:用語“β−サブユニット”とは、本明細書においては、rpoB遺伝子によりコードされるRpoB−タンパク質を意味し、そしてこのサブユニットは、2:1:1の比でのα、β、β’サブユニットから構成され、そしてそれぞれ遺伝子rpoA, rpoB及びrpoCによりコードされるRNA−ポリメラーゼに含まれる。
rpoB−遺伝子:用語“rpoB−遺伝子”とは、本明細書においては、RNA−ポリメラーゼのβ−サブユニットをコードスル遺伝子を意味する。
【0031】
β−サブユニットファミリーメンバー:用語“β−サブユニットファミリーメンバー”とは、本明細書においては、同じ属のメンバーを含んで成る、通常の分類学的常識におけるファミリーを意味せず、むしろ本明細書においては、前記用語は、上記で言及された比での3種のサブユニットα、β及びβ’から構成されるいずれかの原核(ユーバクテリア)RNA−ポリメラーゼを意味し、そしてここで前記β−サブユニットのアミノ酸配列は、配列番号2の位置461−500のRpoBタンパク質の配列と一列整列され、そして少なくとも75%の相同性をもたらす、40個のアミノ酸の連続配列を含んで成る。
【0032】
同遺伝子系親株:用語“同遺伝子系親株”(isogenic parent strain)は、本明細書においては、本発明の子孫変異体又は変異体株に対して遺伝子的に同一である株を意味し、但し前記変異体のrpoB−遺伝子における少なくとも1つの突然変異を除く。
同等の位置:用語“同等の位置”とは、本明細書においては、図1及び例3にまた示されるように、配列番号2の位置461−500のセグメントとの一列整列後の位置を意味する。
【0033】
相同性:用語“相同性”とは、本発明においては、相同ポリヌクレオチド又はポリペプチドに関する。複数のポリヌクレオチド又は複数のポリペプチドが相同である場合、これは、相同ポリヌクレオチド又はポリペプチドが少なくとも60%、より好ましくは少なくとも70%、さらにより好ましくは少なくとも85%、さらにより好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%、及び最も好ましくは少なくとも98%の“同一性の程度”を有することを意味する。
【0034】
2種のポリヌクレオチド又はポリペプチド配列が本明細書において定義されるように相同であるべき十分に高い程度の同一性を有するかどうかにかかわらず、当業界において知られているコンピュータープログラム、例えばGCGプログラムパッケージにおいて提供される“GAP”(Program Manual for the Wisconsin Package, Version 8, August 1994, Genetics Computer Group, 575 Science Drive, Madison, Wisconsin, USA 53711) (Needleman, S. B. and Wunsch, C. D., (1970), Journal of Molecular Biology, 48,443-453)を用いて、2種の配列を一列整列することによって適切に調べられ得る。DNA配列比較についての次の設定を有するGAPを用いる:5.0のGAP創造ペナルティー及び0.3のGAP延長ペナルティー。
【0035】
代謝経路:用語“代謝経路”とは、本明細書においては、1つの化合物を他の化合物に転換し、又は小さな単位から大きな高分子を構築し、又は有用なエネルギーを放すために化合物を分離する、生存細胞における一連の酵素−触媒された生化学反応を意味する。
外因性:用語“外因性”とは、本明細書においては、例えば、遺伝子が天然においては、通常、宿主生物に存在しないことを意味する。
内因性:用語“内因性”とは、本明細書においては、例えば宿主生物内に起因することを意味する。
【0036】
オペロン:用語“オペロン”とは、本明細書においては、クラスター化され、そしてたぶんさらに、ポリシストロニックmRNAに転換されるいくつかの遺伝子、例えば代謝経路の酵素をコードする遺伝子を含んで成るポリヌクレオチドを意味する。オペロンの転写は、プロモーター領域で開始され、そして転写をそれぞれ阻害するか又は増強するために、オペロンにおけるオペレーター配列に結合する調節タンパク質をコードする隣接する調節遺伝子により制御され得る。
【0037】
変更された生成物製造:用語“変更された生成物製造”とは、本明細書においては、添加される量の基質当たりに生成される生成物の最終量を意味する、生成物収率が変更されるか、又は同じ量の生成物がより短いか又はより長い培養期間により得られることを意味する。変更された生成物製造は、高めたれた生成物収率、又は高められた生産性であり得るが、しかしながら、生成物収率を低めるか、又は一定の生成物の生産性を低めることもまた興味の対象である。
【0038】
核酸構造体:用語“核酸構造体”とは、本明細書において使用される場合、天然に存在する遺伝子から単離されるか、又は他方では、天然に存在しない態様で核酸のセグメントを含むよう修飾されている、一本鎖又は二本鎖のいずれかの核酸分子を意味する。用語“核酸構造体”は、その核酸構造体が本発明のコード配列の発現のために必要とされる制御配列を含む場合、用語“発現カセット”と同じ意味である。
【0039】
制御配列:用語“制御配列”とは、本発明のポリペプチドの発現のために必要であるか又は好都合であるすべての成分を包含するよう本明細書においては定義される。個々の制御配列は、本発明のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列に対して生来のものであるか又は外来性のものであり得る。そのような制御配列は、リーダー、ポリアデニル化配列、プロペプチド配列、プロモータ、シグナルペプチド配列及び転写ターミネーターを包含するが、但しそれらだけには限定されない。最少で、制御配列は、プロモーター、及び転写及び翻訳停止シグナルを包含する。制御配列は、ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列のコード領域との制御配列の連結を促進する特定制御部位を導入するためのリンカーを供給され得る。
【0040】
作用可能に連結される:用語“作用可能に連結される”とは、制御配列が、ペプチドの発現を指図するよう、DNA配列のコード配列に対して、一定の位置で適切に配置される配置として、本明細書において定義される。
コード配列:用語“コード配列”とは、本明細書において使用される場合、そのタンパク質生成物のアミノ酸配列を直接的に特定するヌクレオチド配列を包含することを意図する。コード配列の境界は一般的に、ATG開始コドンにより通常開始する読み取り枠により決定される。そのコード配列は典型的には、DNA、cDNA及び組換えヌクレオチド配列を包含する。
【0041】
発現:用語“発現”とは、本明細書においては、ポリペプチドの生成に包含されるいずれかの段階、例えば転写、後−転写修飾、翻訳、後−翻訳修飾及び分泌を包含するが、但しそれらだけには限定されない。
発現ベクター:用語“発現ベクター”とは、本明細書においては、本発明のポリペプチドをコードするセグメントを含んで成り、そしてその転写を提供する追加のセグメントに操作可能に連結される、線状又は環状DNA分子を包含する。
宿主細胞:用語“宿主細胞”とは、本明細書において使用される場合、核酸構造体による形質転換に対して敏感であるいずれかの宿主細胞型を包含する。
【0042】
発明の特定の記載:
リファンピシン耐性をもたらすE. コリ突然変異は、上記で論じられたように多面性効果を示す。E. コリにおいては、この耐性は、タンパク質の3種の別々の領域内に位置するrpoB遺伝子における点突然変異による(Jin and Gross, 1988, J. Mol. Biol. 202: 45-58)。いくつかの報告される事例においては、突然変異はまた、変更されたレベルの特定タンパク質をもたらす。配列決定されている、異なった細菌からの既知のrpoB遺伝子の中で、高い程度の相同性が見出された。
【0043】
バチルス・リケニホルミス(Bacillus licheniformis)においては、本発明者は、バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)からのRpoBタンパク質に対して約95%相同であるRpoBタンパク質のアミノ酸配列を決定した。配列類似性の4種の同一線上ブロックが、B. サブチリス(B. subtilis)とリファンピシン耐性を引き起こす変更が位置する保存された領域を含むE. コリβ−サブユニットとの間で共有される。本発明においては、B. リケニルホルミス(B. licheniformis)のrpoB−変異体が単離され、そして注目の生成物の生成について試験された。RpoB−変異体は当業界において知られている技法、例えば特定部位の突然変異誘発又はランダム突然変異誘発により得られる。また、RpoB−タンパク質におけるいくつかの位置は、リファンピシン耐性をもたらすよう突然変異誘発された場合にこれまで示されている。
【0044】
本発明においては、B. リケニルホルミス(B. licheniformis)及びB.クラウジ(Bacillus clausii)リファンピシン耐性RpoB変異体が得られ、そしてRpoBにおける異なった個々の突然変異を担持する変異体が、注目の生成物の変更された生成物製造について試験された。
単離された変異体の分析は、B. リケニルホルミス(B. licheniformis)及びB. クラウジ(B. clausii)におけるリファンピシン耐性がrpoB遺伝子における点突然変異のためであることを示しており、そしてさらに、例4及び5に示されるような興味ある特定の生成物の製造の上昇を確実にもたらす特定の突然変異が同定された。
RpoBタンパク質における5種の特定位置の1つにおける1つのアミノ酸の単一置換が注目の生成物の改良された製造をもたらすほとんどの場合、複数の特定の突然変異の組合せの相乗効果が存在する。
【0045】
第1の観点においては、従って、本発明は、同一の条件下で増殖される同遺伝子系親株における同じ生成物の生成に比較して、注目の生成物の変更された生成を提供するrpoB−遺伝子によりコードされるRNA−ポリメラーゼのβ−サブユニットにおける少なくとも1つのアミノ酸の置換をもたらす少なくとも1つの突然変異を含んで成り、ここで前記少なくとも1つのアミノ酸の置換が、配列番号2の位置469,478, 482,485又は487のいずれかで、又はいずれかのユーバクテリアRNA−ポリメラーゼβ−サブユニットファミリーメンバーにおける同等の位置で発生することを特徴とする単離された変異体ユーバクテリアに関する。
【0046】
もう1つの態様においては、変更された生成物製造は改良された製造である。
単離された変異体のDNA配列から、少なくとも1つのアミノ酸のアミノ酸置換をもたらし、そして注目の生成物の改良された製造を提供するいくつかの特定の突然変異が同定されている。従って、1つの態様においては、本発明は、上記に記載されるように、rpoB−遺伝子によりコードされるRNA−ポリメラーゼのβ−サブユニットにおける少なくとも1つのアミノ酸の置換に関し、ここで少なくとも1つのアミノ酸の少なくとも1つの置換はQ469R, A478D, A478V, H482R, H482P, R485H, 又は S487Lを含んで成り、ここで位置は配列番号2と一列整列される場合、それらのβ−サブユニットのその同等の位置に対応する。
【0047】
改良された生成物製造をもたらす適切な位置が同定されると、同じ位置でのランダム置換を試みることは、当業者に明らかであり、そしてさらなる態様においては、本発明は、第1の観点の単離された変異体ユーバクテリアに関し、ここで前記少なくとも1つのアミノ酸の置換は配列番号2における位置469又は478でのいずれかのランダム置換を含んで成るか、又は配列番号2における位置469,478及び又は487、又はいずれかのユーバクテリアRNA−ポリメラーゼβ―サブユニットファミリーメンバーにおける同等の位置でのいずれかの置換を含んで成る。
【0048】
特定の態様においては、本発明は、上記で定義されるような単離された変異体ユーバクテリアに関し、ここで少なくとも1つのアミノ酸の置換はQ469R, A478D及び/又はA487L又は好ましくは、Q469R又はA478Dを含んで成り、又は前記位置は、配列番号2と一列整列される場合、それらのβ−サブユニットの同等の位置に対応する。
本発明の単離された細菌は、上記で言及された比での3種のサブユニットα、β及びβ’から構成されるRNA−ポリメラーゼを含んで成り、そして前記β−サブユニットのアミノ酸配列は配列番号2の位置461〜500からのRpoBタンパク質の配列と一列を整列され得、そして少なくとも75%の相同性をもたらす40個のアミノ酸の連続配列を含んで成る。
【0049】
特定の態様においては、前記相同性は少なくとも80%である。さらなる特定の態様においては、相同性は85%であり、そしてさらなる態様においては、相同性90%である。
いくつかの細菌属、例えばエスシェリシア(Escherichia), サルモネラ(Salmonella)、ネイセリア(Neiseria)及びシュードモナス(Pseudomonas) におけるいくつかのグラム−陰性細菌においては、B. リケニホルミス(配列番号2)における位置478に対応する同等の位置は、図1から明らかなように、アラニン(A)の代わりに、通常セリン(S)であり、ここでB. リケニホルミスからの配列番号2における位置461〜500からのアミノ酸セグメントが種々の細菌からのRpoB−タンパク質の公開された配列と一列整列されている。
【0050】
アミノ酸セリン及びアラニンは、構造的に非常に類似し、そして従って、RpoB−タンパク質の官能性に影響を及ぼさないで、セリン又は他の周囲のものによりアラニンを置換することが可能であることは、驚くべきことではない。
従って、例えばA478D又はA478Vからの位置478でのアミノ酸の本発明の置換、又はA478のランダム置換はまた、本発明においては、S478D又はS478V、又はS478のいずれかのランダム置換を含んで成るべきである。
【0051】
本発明の第1の観点においては、細菌は、単離された変異体ユーバクテリアである。1つの態様においては、単離された変異体ユーバクテリアは、グラム陽性細菌である。有用なグラム陽性細菌は、バチルスsp.(Bacillus sp.),例えばバチルス・アルカロフィラス(Bacillus alkalophilus)、バチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)、バチルス・ブレビス(Bacillus brevis)、バチルス・サーキュランス(Bacillus circulans)、バチルス・クラウジ(Bacillus clausii)、バチルス・コアギュランス(Bacillus coagulans)、バチルス・ラウタス(Bacillus lautus)、バチルス・レンタス(Bacillus lentus)、バチルス・リケニホルミス(Bacillus licheniformis)、バチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)、バチルス・ステアロサーモフィラス(Bacillus stearothermophilus)、バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)及びバチルス・スリンジエンシス(Bacillus thuringiensis)を包含するが、但しそれらだけには限定されない。
【0052】
もう1つの態様においては、前記細菌は、バチルス・レンタス(Bacillus lentus)、バチルス・リケニホルミス(Bacillus licheniformis)、バチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)、バチルス・クラウジ(Bacillus clausii)、バチルス・ステアロサーモフィラス(Bacillus stearothermophilus)及びバチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)を含んで成る。
本発明のさらなる態様においては、前記細菌は、バチルス・リケニホルミスである。
本発明によれば、注目の生成物は、遺伝子生成物又は代謝経路の生成物を含んで成り、その生成物はrpoB−遺伝子によりコードされるRNA−ポリメラーゼのβ−サブユニットにおける少なくとも1つのアミノ酸の少なくとも1つの置換の結果として改良される。
【0053】
本発明の1つの好ましい態様は、第1の観点の変異体に関し、ここで注目の生成物は、遺伝子又は代謝経路の生成物であり;好ましくは注目の生成物をコードする遺伝子はオペロンに含まれ;さらにより好ましくは、前記遺伝子は変異体ユーバクテリアに対して外因性であるか又は内因性であり;さらにより好ましくは、前記遺伝子は、少なくとも2つのコピー、又は少なくとも10個のコピー、又はさらに少なくとも100個のコピーで存在する。
【0054】
前記遺伝子又はオペロンは、安定して維持され得、例えば宿主細胞において安定して自律的に複製できる適切なプラスミド上に担持され得(プラスミドの選択は典型的には、プラスミドが導入される宿主細胞とプラスミドの適合性に依存するであろう)、又はそれは宿主の染色体上に担持され得る。前記遺伝子は宿主細胞に対して内因性であり、この場合、注目の生成物は宿主細胞により天然において生成されるタンパク質であり、そしてほとんどの場合、前記遺伝子は染色体上でその正常な位置に存在するであろう。注目の生成物をコードする遺伝子が外因性遺伝子である場合、遺伝子に適切なプラスミド上に担持されるか、又はそれは宿主染色体上に組み込まれ得る。本発明の1つの態様においては、ユーバクテリアは組換えユーバクテリアである。また、注目の生成物は、もう1つの態様においては、組換えタンパク質であり得る。
【0055】
注目の生成物をコードする遺伝子の組込みは、当業者に知られているいくつかの手段で達成され得る。遺伝子は、染色体上に、1,2又はそれ以上のコピーで存在することができる。
2種の遺伝子の組込みは、WO91/09129号及びWO91/14968号(Novo Nordisk)(それらの内容は、引用により本明細書に組み込まれる)に記載されている。良好な安定性を達成するために逆平衡のダンデムに密接した間隔での2種の遺伝子の組込みが、WO99/41358号(Novo Nordisk)(その内容は引用により本明細書に組み込まれる)に記載されており、そして遺伝子の安定した染色体複コピー組込みがWO02/00907号(Novo zymes A/S)(この内容は引用により本明細書に組み込まれる)に記載されている。
【0056】
いくつかのコピーで注目の生成物をコードする遺伝子の存在はまた、前記生成物の製造をさらに改良することができる。宿主細胞の染色体上に組み込まれる場合、遺伝子は染色体当たり1,2又はそれ以上のコピーで存在することができる。プラスミド上に担持される場合、遺伝子は細胞当たり数百のコピーで存在することができる。本発明の1つの態様においては、前記遺伝子は少なくとも2つのコピーで存在する。もう1つの態様においては、前記遺伝子は少なくとも10個のコピーで存在し、そして本発明のさらなる態様においては、遺伝子は少なくとも100個のコピーで存在する。
【0057】
染色体成分(integrant)の選択は便利には、選択マーカー、例えば抗生物質耐性マーカーの使用をもたらして来た。しかしながら、抗生物質マーカー遺伝子の使用を回避することが、可能なら所望される。WO01/90393号(引用により本明細書に組み込まれる)は、株において抗生物質耐性マーカーを隠れて残さないでの宿主細胞の染色体における遺伝子の組込み方法を開示する。
従って、さらなる態様においては、本発明は、上記に定義されるような単離された変異体ユーバクテリアに関し、ここで前記注目の生成物をコードする遺伝子は、組込みの部位で、いずれの抗生物質耐性マーカー遺伝子も残さないで、その変異体ユーバクテリア宿主染色体上に組み込まれる。
【0058】
本発明はまた、制御配列と適合できる条件下で適切な宿主細胞におけるコード配列の発現を指図する1又は複数の制御配列に作用可能に連結され得る、注目の生成物をコードするヌクレオチド配列を含んで成る核酸構造体にも関する。
興味あるポリペプチドをコードするヌクレオチド配列は、ポリペプチドの発現を提供するために種々の手段で操作され得る。ベクター中への挿入の前、ヌクレオチド配列の操作は、所望には、又は必要には、発現ベクターに依存する。組換えDNA方法を用いてのヌクレオチド配列の修飾技法は、当業界において良く知られている。
【0059】
制御配列は、適切なプロモーター配列、すなわちヌクレオチド配列の発現のために宿主細胞により認識されるヌクレオチド配列であり得る。プロモーター配列は、ポリペプチドの発現を仲介する転写制御配列を含む。プロモーターは、変異、切断された及びハイブリッドプロモーターを包含する選択の宿主細胞において転写活性を示すいずれかのヌクレオチド配列であり得るか、又は宿主細胞に対して相同であるか又は異種である細胞外又は細胞内ポリペプチドをコードする遺伝子から得られる。
【0060】
特に細胞宿主細胞において本発明の核酸構造体の転写を方向づけるための適切なプロモーターの例は、E.コリlacオペロン、ストレプトミセス・コエリカラー(Streptomyces coelicolor)アガラーゼ遺伝子(dagA)、バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)Lバンスクラーゼ遺伝子(sacB)、バチルス・リケニホルミス(Bacillus licheniformis)α−アミラーゼ遺伝子(amyL)、バチルス・ステアロサーモフィラス(Bacillus stearothermophilus)マルトゲン性アミラーゼ遺伝子(amyM)、バチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliguefaciens) α−アミラーゼ遺伝子(amyQ)、バチルス・リケニホルミスペニシリナーゼ遺伝子(penP)、バチルス・サブチリスxylA及びzylB遺伝子及び原生動物のβ−ラクタマーゼ遺伝子から得られるプロモーター(Villa−Kamaroffなど., 1978, Proceedings of the National Academy of Sciences USA 75: 3727-3731)、及びtac プロモーター(De Boer など., 1983, Proceedings of the National Academy of Science USA 80: 21-25)である。さらなるプロモーターは、“Useful proteins from recombinant bacteria” in Scientific American, 1980, 242: 74-94; 及びSambrookなど., 1989, 前記に記載される。
【0061】
制御配列はまた、適切な転写ターミネーター配列、すなわち転写を終結するために宿主細胞により認識される配列でもあり得る。ターミネーター配列は、ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列の3’側末端に作用可能に連結される。選択の宿主細胞において機能的であるいずれかのターミネーターが本発明において使用され得る。
制御配列はまた、適切なリーダー配列、すなわち宿主細胞による翻訳のために重要であるmRNAの非翻訳領域でもあり得る。リーダー配列は、ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列の5’末端に作用可能に連結される。選択の宿主細胞において機能的であるいずれかのリーダー配列が、本発明において使用され得る。
【0062】
制御配列はまた、ポリアデニル化配列、すなわちヌクレオチド配列の3’末端に操作可能に連結され、そして転写される場合、転写されたmRNAにポリアデノシン残基を付加するためにシグナルとして宿主細胞により認識される配列でもあり得る。選択の宿主細胞において機能的であるいずれかのポリアデニル化配列が,本発明において使用される。
【0063】
制御配列はまた、ポリペプチドのアミノ末端に連結されるアミノ酸配列をコードし、そしてそのコードされたポリペプチドを細胞の分泌路中に方向づけるシグナルペプチドコード領域でもあり得る。ポリヌクレオチドのコード配列の5’側末端は、本来、分泌されたポリペプチドをコードするコード領域のセグメントと翻訳読み取り枠を整合して、天然において連結されるシグナルペプチドコード領域を含むことができる。他方では、コード配列の5’側末端は、そのコード配列に対して外来性であるシグナルペプチドコード領域を含むことができる。そのコード配列が天然において、シグナルペプチドコード領域を含まない外来性シグナルペプチドコード領域が必要とされる。他方では、外来性シグナルペプチドコード領域は、ポリペプチドの増強された分泌を得るために、天然のシグナルペプチドコード領域を単純に置換することができる。しかしながら、分泌路中に発現されたポリペプチドを方向づけるいずれかのシグナルペプチドコード領域が、本発明に使用され得る。
【0064】
細菌宿主細胞のための効果的なシグナルペプチドコード領域は、バチルスNCIB11837マルトゲン性アミラーゼ、バチルス・ステアロサーモフィラスα−アミラーゼ、バチルス・リケニホルミススブチリシン、バチルス・リケニホルミスβ−ラクタマーゼ、バチルス・アステロサーモフィラス中性プロテアーゼ(nprT, nprS, nprM)、及びバチルス・スブチリスprsAについての遺伝子から得られるシグナルペプチド領域である。追加のシグナルペプチドは、Sinomen and Palva, 1993, Microbiological Reviews 57: 109-137 により記載される。
【0065】
制御配列はまた、ポリペプチドのアミノ末端で位置するアミノ酸配列をコードするプロペプチドコード領域であり得る。得られるポリペプチドは、プロ酵素又はプロポリペプチド(又は多くの場合、チモーゲン)として知られている。プロポリペプチドは一般的に不活性であり、そしてプロポリペプチドからプロペプチドの触媒又は自己触媒分解により成熟した活性ポリペプチドに転換され得る。プロペプチドコード領域は、バチルス・サブチリスアルカリプロテアーゼ(aprE)、バチルス・サブチリス中性プロテアーゼ(nprT)、サッカロミセス・セレビシアエα−因子、リゾムコル・ミエヘイ アスパラギン酸プロテイナーゼ遺伝子、及びミセリオプソラ・サーモフィリア ラッカーゼについての遺伝子から得られる(WO95/33836号)。
【0066】
シグナルペプチド及びプロペプチド領域の両者がポリペプチドのアミノ末端に存在する場合、そのプロペプチド領域は、ポリペプチドのアミノ末端の次に位置し、そしてシグナルペプチド領域は、プロペプチド領域のアミノ末端の次に位置する。
【0067】
宿主細胞の増殖に関して、ポリペプチドの発現の調節を可能にする調節配列を付加することがまた所望される。調節システムの例は、調節化合物の存在を包含する、化学的又は物理的刺激に応答して、遺伝子の発現の開始又は停止を引き起こすそれらのシステムである。原核生物系における調節システムは、lac, tac及びtrpオペレーターシステムお包含する。酵母においては、ADH2システム又はGAL1システムが使用され得る。真核システムにおいては、それらはメトトレキセートの存在下で増幅されるジヒドロ葉酸レダクターゼ遺伝子、及び重金属と共に増幅されるメタロチオネイン遺伝子を包含する。それらの場合、ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列が、調節配列により作用可能に連結される。
【0068】
発現ベクター
本発明はまた、本発明の核酸構造体を含んで成る組換え発現ベクターにも関する。上記の種々のヌクレオチド及び制御配列は、1又は複数の便利な制限部位でポリペプチドをコードするヌクレオチド配列の挿入又は置換を可能にするためにそれらの部位を含むことができる組換え発現ベクターを生成するために一緒に連結され得る。他方では、本発明のヌクレオチド配列は、前記ヌクレオチド配列又は前記配列を含んで成る核酸構造体を、発現のための適切なベクター中に挿入することによって発現され得る。発現ベクターを創造する場合、そのコード配列はベクターに位置し、その結果、コード配列は発現のための適切な制御配列により作用可能に連結される。
【0069】
組換え発現ベクターは、組換えDNA方法に便利にゆだねられ得、そしてヌクレオチド配列の発現をもたらすことができるいずれかのベクター(たとえば、プラスミド又はウィルス)であり得る。ベクターの選択は典型的には、ベクターが導入される予定である宿主細胞とベクターとの適合性に依存するであろう。ベクターは、線状又は閉環された環状プラスミドであり得る。
ベクターは自律的に複製するベクター、すなわち染色体存在物として存在するベクター(その複製は染色体複製には無関係である)、たとえばプラスミド、染色体外要素、ミニクロモソーム又は人工染色体であり得る。
【0070】
ベクターは自己複製を確かめるためのいずれかの手段を含むことができる。他方では、ベクターは、糸状菌細胞中に導入される場合、ゲノム中に組み込まれ、そしてそれが組み込まれている染色体と一緒に複製されるベクターであり得る。さらに、宿主細胞のゲノム中に導入される全DNA又はトランスポゾンを一緒に含む、単一のベクター又はプラスミド、又は複数のベクター又はプラスミドが使用され得る。
本発明のベクターは好ましくは、形質転換された細胞の容易な選択を可能にする1又は複数の選択マーカーを含む。選択マーカーは、1つの遺伝子であり、その生成物は、殺生物剤又はウィルス耐性、重金属に対する耐性、栄養要求性に対する原栄養要求性、及び同様のものを提供する。
【0071】
細菌選択マーカーの例は、バチルス・サブチリス又はバチルス・リケニホルミスからのdal遺伝子、又は抗生物質、例えばアンピシリン、カナマイシン、クロラムフェニコール又はテトラサイクリン耐性を付与するマーカーである。
本発明のベクターは好ましくは、宿主細胞ゲノム中へのベクターの安定した組み込み、又は細胞のゲノムに無関係に細胞におけるベクターの自律的複製を可能にする要素を含む。
【0072】
宿主細胞のゲノム中への組み込みのためには、ベクターは、相同又は非相同組換えによるゲノム中へのベクターの安定した組み込みのためのベクター中のポリペプチド、又はいずれか他の要素をコードするヌクレオチド配列に依存する。他方では、ベクターは、宿主細胞のゲノム中への相同組換えによる組み込みを方向づけるための追加のヌクレオチド配列を含むことができる。その追加のヌクレオチド配列は、染色体における正確な位置での宿主細胞ゲノム中へのベクターの組み込みを可能にする。
【0073】
正確な位置での組み込みの可能性を高めるために、組み込み要素は好ましくは、相同組換えの可能性を高めるために対応する標的配列と高い相同性を示す十分な数のヌクレオチド、たとえば100〜1,500個の塩基対、好ましくは400〜1,500個の塩基対、及び最も好ましくは800〜1,500個の塩基対を含むべきである。組み込み要素は、宿主細胞のゲノムにおける標的配合と相同であるいずれかの配列であり得る。さらに、組み込み要素は、非コード又はコードヌクレオチド配列であり得る。他方では、ベクターは非相同組換えにより宿主細胞のゲノム中に組み込まれ得る。
【0074】
自律複製のためには、ベクターはさらに、問題の宿主細胞においてのベクターの自律的な複製を可能にする複製の起点を含んで成る。複製の細菌起点の例は、E.コリにおける複製を可能にするプラスミドpBR322, pUC19, pACYC177及びpACYC184, 及びバチルスにおける複製を可能にするpUB110, pE194, pTA1060及びpAMβ1の複製の起点である。複製の起点は、宿主細胞においてその機能を感温性にする突然変異を有する起点である(例えば、Ehrlich, 1978, Procedings of the National Academy of Sciences USA 75: 1433を参照のこと)。
【0075】
本発明のヌクレオチド配列の1以上のコピーが、遺伝子生成物の生成を高めるために宿主細胞中に挿入され得る。ヌクレオチド配列のコピー数の上昇は、宿主細胞ゲノム中に配列の少なくとも1つの追加のコピーを組み込むことによって、又はヌクレオチド配列と共に増幅可能な選択マーカー遺伝子を含むことによって得られ、ここで細胞は選択マーカー遺伝子の増幅されたコピーを含み、そしてそれにより、ヌクレオチド配列の追加のコピーが、適切な選択剤の存在下で前記細胞を培養することによって選択され得る。
本発明の組換え発現ベクターを構成するために上記要素を連結するために使用される方法は、当業者に良く知られている(例えば、Sambrookなど., 1989, 前記を参照のこと)。
【0076】
宿主細胞
本発明はまた、ポリペプチドの組換え生成において都合良く使用される、本発明のヌクレオチド配列を含んで成る組換え宿主にも関する。本発明のヌクレオチド配列を含んでなるベクターは、そのベクターが染色体組み込み体として、又は前記のような自己複製染色体外ベクターとして維持されるように、宿主細胞中に導入される。宿主細胞の選択は、ポリペプチドをコードする遺伝子及びその源に、かなりの程度依存するであろう。
宿主細胞は、単細胞微生物、例えば原核生物、又は単細胞微生物、真核生物であり得る。
【0077】
有用な単細胞は、細菌細胞、たとえば次のグラム陽性細菌バチルス・アルカロフィラス、バチルス・アミロリクエファシエンス、バチルス・ブレビス、バチルス・サーキュランス、バチルス・クラウシ、バチルス・コアギランス、バチルス・ラウタス、バチルス・レンタス、バチルス・リケニホルミス、バチルス・メガテリウム、バチルス・ステアロサーモフィラス、バチルス・スブチリス及びバチルス・スリンギエンシス、又はストレプトミセス細胞、たとえばストレプトミセス・リビダンス又はストレプトミセス・ムリナス、又は次のグラム陰性細菌:E.コリ及びプソイドモナスsp.(但し、それらだけには限定されない)である。好ましい態様においては、細菌宿主細胞は、バチルス・レンタス、バチルス・リケニホルミス、バチルス・ステアロサーモフィラス又はバチルス・サブチリス細胞である。もう1つの好ましい態様においては、バチルス細胞は、好アルカリ性バチルスである。
【0078】
細菌宿主細胞中へのベクターの導入はたとえば、コンピテント細胞(たとえば、Young and Spizizin, 1961, Journal of Bacteriology 81: 823-829, 又はDubnau and Davidoff-Abelson, 1971, Journal of Molecular Biology 56: 209-221 を参照のこと)を用いてプロトプラスト形質転換(たとえば、Changand Cohen, 1979, Molecular General Genetics 168: 111-115)、エレクトロポレーション(たとえば、Shigekawa and Dower, 1988, Biotechniques 6: 742-751を参照のこと)又は接合(たとえば、Koehler and Thorne, 1987, Journal of Bacteriology 169: 5771-5278を参照のこと)によりもたらされ得る。
【0079】
本発明の生成物は、いずれかの遺伝子生成物、又は産業的に有用であり、そして細菌細胞、例えばユーバクテリアにおいて生成され得る代謝経路の生成物である。1つの態様においては、注目の生成物は、ポリペプチド、ビタミン、アミノ酸、抗生物質、炭水化物又は界面活性剤を含んで成る。
好ましい態様は、第1の観点の変異体に関し、ここで注目の生成物は、ポリペプチド、ビタミン、アミノ酸、抗生物質、炭水化物又は界面活性剤を含んで成り;好ましくは、注目の生成物はポリペプチド、好ましくは酵素であり;さらにより好ましくは、酵素は、オキシドレダクターゼ(EC1)、トランスフェラーゼ(EC2)、ヒドロラーゼ(EC3)、リアーゼ(EC4)、イソメラーゼ(EC5)及びリガーゼ(EC6)である。
【0080】
もう1つの態様においては、前記酵素は、アミノペプチダーゼ、アミラーゼ、アミログルコシダーゼ、マンナナーゼ、カルボヒドラーゼ、カルボキシペプチダーゼ、カタラーゼ、セルラーゼ、キチナーゼ、クチナーゼ、シクロデキストリングリコシルトランスフェラーゼ、デオキシリボヌクレアーゼ、エステラーゼ、ガラクトシダーゼ、β−ガラクトシダーゼ、グルコアミラーゼ、グルコースオキシダーゼ、グルコシダーゼ、ハロペルオキシダーゼ、ヘミセルラーゼ、インバーターゼ、イソメラーゼ、ラッカーゼ、リガーゼ、リパーゼ、リアーゼ、マンノシダーゼ、オキシダーゼ、ペクチナーゼ、ペルオキシダーゼ、フィターゼ、フェノールオキシダーゼ、ポリフェノールオキシダーゼ、プロテアーゼ、リボヌクレアーゼ、トランスフェラーゼ、トランスグルタミナーゼ又はキシラナーゼから成る酵素活性の群から選択された活性を有する酵素である。好ましくは、前記酵素は、アミラーゼ又はアンナナーゼである。
【0081】
さらにもう1つの態様においては、生成物は、セルロース結合ドメイン、スターチ結合ドメイン、抗体、抗菌ペプチド、ホルモン又は融合ポリペプチドを含んで成るポリペプチドである。好ましくは、注目の生成物は、セルロース結合ドメイン、スターチ結合ドメイン、抗体、抗菌ペプチド、ホルモン又は融合ポリペプチドを含んで成るポリペプチドである。また、好ましくは、注目の生成物は、炭水化物、好ましくはヒアルロン酸である。
本発明の特定の突然変異は、宿主細胞において存在する場合、注目の生成物の変更された製造をもたらす。その変更された製造は、上記で定義されたように、改良された収率又は改良された生産性であり得る。
【0082】
本発明の変更された製造は、1つの態様においては、同一の条件下で増殖される同遺伝子系親株における通常のレベルの少なくとも5%〜1000%以上であるである。もう1つの態様においては、変更された製造5%〜500%、さらなる態様においては、5%〜250%及びさらなる態様においては、5%〜100%、並びにさらにもう1つの態様においては、5%〜50%である。
本発明の宿主細胞は、適切な栄養培地において、所望するポリペプチドの生成を可能にする条件下で培養され、この後、得られるポリペプチドが任意には、細胞、又は培養ブイヨンから回収される。
【0083】
細胞を培養するために使用される培地は、宿主細胞を増殖するために適切ないずれかの従来の培地、例えば適切なサプリメントを含む最少又は複合培地であり得る。適切な培地は市販されており、又は公開されたレシピー(例えば、American Type Culture Collectionのカタログにおける)に従って調製され得る。培地は、当業界において知られている方法を用いて調製される(例えば、細菌及び酵母について引例、Bennett, J. W. and LaSure, L., editors, More Gene Manipulations in Fungi, Academic Press, CA, 1991を参照のこと)。
【0084】
ポリペプチドが栄養培地中に分泌される場合、ポリペプチドは培地から直接的に回収され得る。ポリペプチドが分泌されない場合、それは細胞溶解物から回収され得る。ポリペプチドは、遠心分離又は濾過による培地からの宿主細胞の分離、塩、例えば硫酸アンモニウムによる上清液又は炉液のタンパク質性成分の沈殿、種々のクロマトグラフィー方法、例えば問題のポリペプチドの型に依存して、イオン交換クロマトグラフィー、ゲル濾過クロマトグラフィー、親和性クロマトグラフィー、又は同様の手段による精製を包含する従来の方法により、培養培地から回収され得る。
【0085】
前記ポリペプチドは、そのポリペプチドに対して特異的である、当業界において知られている方法を用いて検出され得る。それらの検出方法は、特定の抗体の使用、酵素生成物の形成、又は酵素基質の消出を包含する。例えば、酵素アッセイは、ポリペプチドの活性を決定するために使用され得る。
本発明のポリペプチドは、当業界において知られている種々の方法、例えばクロマトグラフィー(例えば、イオン交換、親和性、疎水性、クロマトフォーカシング及びサイズ排除)、電気泳動方法(例えば、分離用等電気泳動(IEF))、示差溶解性(硫酸アンモニウム沈殿)、又は抽出により精製され得る(例えば、Protein Purification, J. -C. Janson and Lars Ryden, editors, VCH Publishers, New York, 1989を参照のこと)。
【0086】
本発明の1つの態様においては、注目の生成物は、栄養培地中に分泌される。もう1つの態様においては、生成物は、細胞膜により結合され、そしてさらなる態様においては、生成物は細胞内生成物である。
本発明の第2の観点は、適切な培地において本発明の第1の観点のいずれかの態様に定義されるような変異体ユーバクテリアを培養し、それにより、前記生成物を生成することを含んで成る、変異体ユーバクテリアにおいて興味ある少なくとも1つの生成物を生成するための方法に関する。培養のための適切な培地、及び本発明の方法に対する任意の追加の段階である生成された生成物の精製又は単離方法は、上記に記載される。
【0087】
本発明の生成方法においては、細胞は、当業界において知られている方法を用いて、ポリペプチドの生成のために適切な栄養培地において培養される。例えば、細胞は、ポリペプチドの発現及び/又は単離を可能にする適切な培地及び条件下で行われる実験室又は産業的発酵器において、振盪フラスコ培養、すなわち小規模又は大規模発酵(例えば、連続的、バッチ、供給されたバッチ、又は固体状態発酵)により培養され得る。培養は、当業界において知られている方法を用いて、炭素及び窒素源及び無機塩を含んで成る適切な栄養培地において行われる。適切な培地は、商業的供給者から入手でき、又は公開された組成(例えば、American Type Culture Collectionのカタログにおける)に従って調製され得る。ポリペプチドが栄養培地中に分泌される場合、ポリペプチドは培地から直接的に回収され得る。ポリペプチドが分泌されない場合、それは細胞溶解物から回収され得る。
【0088】
ポリペプチドは、そのポリペプチドに対して特異的である、当業界において知られている方法を用いて検出され得る。それらの検出方法は、特定抗体の使用、酵素生成物の形成、又は酵素基質の消出を包含する。例えば、酵素アッセイは、本明細書に記載されるようなポリペプチドの活性を決定するために使用され得る。
得られるポリペプチドは、当業界において知られている方法により回収され得る。例えば、ポリペプチドは、従来の方法、例えば、遠心分離、濾過、抽出、噴霧−乾燥、蒸発又は沈殿(但し、それらだけには限定されない)により、栄養培地から回収され得る。
【0089】
本発明のポリペプチドは、当業界において知られている種々の方法、例えばクロマトグラフィー(例えば、イオン交換、親和性、疎水性、クロマトフォーカシング及びサイズ排除)、電気泳動方法(例えば、分離用等電気泳動)、示差溶解性(硫酸アンモニウム沈殿)、SDS-PAGE又は抽出により精製され得る(例えば、Protein Purification, J. -C. Janson and Lars Ryden, editors, VCH Publishers, New York, 1989を参照のこと)により精製され得る。
【0090】
本発明の第3の観点は、本発明の第1の観点のいずれかの態様において定義されるような変異体ユーバクテリアの興味あるもう1つの生成物を生成するためへの使用に関し、ここで前記変体ユーバクテリアを適切な培地において培養し、それにより前記生成物を生成し、そして任意には、製造された生成物を単離するか又は精製することを含んで成る。
本発明は、次の例によりさらに例示されるが、それらは本発明を制限するものではない。前述の記載及び次の例に開示される特徴は、別々に及びそれらのいずれかの組合せで、それらの種々の形で本発明を実現するための材料であり得る。
【実施例】
【0091】
例1.バチルス・リケニホルミスからのrpoB遺伝子のDNA配列
バチルス・リケニホルミス(Bacillus licheniformis)からのrpoB遺伝子のDNA配列を、標準技法により、B. リケニホルミス染色体DNAのフラグメントクローンから決定した。B. リケニホルミスのクローンを含むプラスミドライブラリーを、ATCC14580から得た。そのDNA配列は、配列番号1で示される。
【0092】
例2.B. リケニホルミスRpoBタンパク質
配列番号1でのDNA配列の読取り枠から翻訳されるようなB. リケニホルミスRpoBタンパク質は、配列番号2で示される。
【0093】
例3.DNAポリメラーゼセグメントの一列整列
配列番号2における位置461〜500からのB. リケニホルミスRpoBタンパク質の40個のアミノ酸セグメントを、種々の細菌からのRpoBタンパク質の公開された配列に対するBLAST調査に使用した。その一列整列は、上部でのB. リケニホルミスRpoB配列と共に、図1に示される。
【0094】
例4.特定のrpoB変異体における収率/生産性の改良
材料及び方法
発現カセットを、WO91/09129号及びWO99/41358号に記載されるように、下記菌株の染色体中に1又は複数のコピーで組み込んだ。
【0095】
菌株
JA677:その内因性α−アミラーゼの変異体を過剰生産するAB. リケニホルミス(BLA)。
JA678:アミノ酸変更Q469RをもたらすrpoBにおける突然変異を有するJA677。
JA688:B. ステアロサーモフィラスα−アミラーゼの変異体を過剰生成するAB. リケニホルミス(BSG)。
JA688:アミノ酸変更Q469RをもたらすrpoBにおける突然変異を有するJA688。
JA690:アミノ酸変更H482RをもたらすrpoBにおける突然変異を有するJA688。
JA684:B. アミロリケファシエンスα−アミラーゼを過剰生成するAB. リケニホルミス(BAN)。
【0096】
JA687:アミノ酸反抗A478DをもたらすrpoBにおける突然変異を有するJA684。
SJ4671:その内因性α−アミラーゼを過剰生成するAB. リケニホルミス(BLA)。
SJ4671rif10:アミノ酸変更A478VをもたらすrpoBにおける突然変異を有するSJ4671。
SJ4490:その内因性α−アミラーゼを過剰生成するAB. リケニホルミス。
JA675:アミノ酸変更Q469R及びR485HをもたらすrpoBにおける突然変異を有するSJ4490。
SJ6129:バチルスα−アミラーゼの変異体を過剰生成するAB. リケニホルミス(WO00/60060号に開示する);(訂正−実際の内部参照番号はSJ6093である)。
SJ6129rif10:アミノ酸変更S487LをもたらすrpoBにおける突然変異を有するSJ6129(SJ6093)。
【0097】
培地
LB寒天:カゼインからの10g/Lのペプトン;5g/Lの酵母抽出物;10g/Lの塩化ナトリウム;pH6.8−7.2に調節された12g/LのBacto−寒天。50KANを有するLB寒天:50mg/Lのカナマイシンを有するLB−寒天。M−9緩衝液(脱イオン水が使用される):8.9g/Lのリン酸水素二ナトリウム・2H2O;3g/Lのリン酸二水素カリウム;4g/Lの塩化ナトリウム;0.2g/Lの硫酸マグネシウム・7H2O。
【0098】
Med−F振盪フラスコ培地(与えられる濃度は、脱イオン水との最終混合の後である):パートA:11g/Lのマルトデキストリン;6.2g/Lのカシトン;0.5g/LのBacto−ペプトン;0.5g/Lの酵母抽出物;0.5g/Lの硫酸マグネシウム・7H2O;0.1g/Lの塩化カルシウム;50mg/Lのクエン酸;微量金属(2.5mg/LのMnSO4・H2O;9.9mg/LのFeSO4・7H2O;1.0mg/LのCuSO4・5H2O;1.0mg/LのZnCl2);0.1g/LのPluromic;6.7に調節されたpH;パートB:5g/Lのリン酸二水素カリウム(pHはNaOHにより6.7に調節された)。121℃での20分間の滅菌の後、パートA及びBを1:1で混合する。
【0099】
菌株の振盪フラスコ評価のための方法
最初に、菌株を、37℃で1日、寒天スラント上で増殖した。(SJ4671; SJ4671rif10 ; SJ4490; JA675についてのLB−寒天、JA 677; JA 678; JA 688; JA 689; JA 690; JA684; JA687についての50KANを有するLB)。次に、寒天をM-9緩衝液により洗浄し、そして得られる細胞懸濁液の650nmでの光学密度(OD650nm)を測定した。
【0100】
個々の振盪フラスコを、OD650nm測定に基づいて、同じ量の細胞により接種する。ODxmlの細胞懸濁液の接種強度=0.1を、この場合に使用した。個々の菌株を、3個の振盪フラスコに接種した。それらの振盪フラスコを、300rpmで37℃でインキュベートし、そしてサンプルを、1,2及び3日後に採取した。pH、OD650nm及びα−アミラーゼ活性を測定し、そして相対的活性を菌株当たり測定し、そして相対的活性を個々のrpoB変異体株について、親株について、親株に対して計算した。結果は表1に示される。rpoBにおけるそれらの3個の突然変異が酵素の生産性/収率に対して有意な効果を有することが、それらの結果から明白である。
【0101】
【表1】

【0102】
例5.バチルス・クラウジからのrpoB遺伝子の一部のDNA配列
バチルス・クラウジからのrpoB遺伝子の一部のDNA配列を、標準技法により、B. クラウジ染色体DNAのフラグメントを含むプラスミドクローンから決定した。B. クラウジクローンを含むプラスミドライブラリーを、NCIB10309から得た。そのDNA配列の一部が配列番号3で示される。
【0103】
例6.B. クラウジRpoBタンパク質
配列番号3でのDNA配列の読み取り枠から翻訳されるようなB. クラウジRpoBタンパク質が配列番号4で示される。
【0104】
例7.DNAポリメラーゼセグメントの一列整列
配列番号2における位置461〜500に示されるB. リケニホルミスからのRpoBに対して相同且つ位置において相当する、配列番号4の位置462〜501に示されるB. クラウジRpoBの40個のアミノ酸セグメントを、異なった細菌からのRpoBタンパク質の公開された配列に対するBLAST研究に使用した。その一列整列は、上部でのB. リケニホルミスRpoB配列及び前記上部配列の下の列のB. クラウジと共に図1に示される。
【0105】
例8.特定のrpoB変異体における収率/生産性の改良
材料及び方法
発現は、生来の発現システムから行われた。
【0106】
菌株
NCIB10309:AB. クラウジ(その内因性プロテアーゼを生成する、BCP)。
PP143:配列番号2における位置461〜500に示されるB. リケニルホルミスのRpoBに対して相同である、配列番号4における位置462〜501に示されるB. クラウジRpoBの40個のアミノ酸セグメントをコードするDNA−領域における突然変異を有さない、B. クラウジNCIB10309の従来の変異体。
NN49201:配列番号4における位置462〜501に示される40個のアミノ酸セグメント内のコードされるRpoBにおける置換A479DをもたらすrpoB−遺伝子のおける突然変異を有するPP143。配列番号4における置換A479Dは、図1における一列整列の2種の上部列から明確に見出されるように、配列番号2における同等の置換A478Dに対応する。
【0107】
培地
寒天:B. クラウジの良好な増殖を支持するための適切な寒天、例えばB3−寒天。6g/Lのペプトン;4g/Lのペプチカーゼ;3g/Lの酵母抽出物;1.5g/Lの肉抽出物;1g/Lのグルコース・1H2O;20g/Lの寒天、脱イオン水の使用。NaOH/HClによりpHの7.35への調節;121℃で40分の滅菌の後、10%(v/v)の1MのNaHCO3(pH9)の添加、濾過による滅菌及び脱イオン水、10%(v/v)の脱脂粉乳の添加、120℃で40分間の滅菌。
M-9緩衝液(脱イオン水が使用される):8g/Lのリン酸水素二ナトリウム・2H2O;3g/Lのリン酸二水素カリウム;4g/Lの塩化ナトリウム;0.2g/Lの硫酸マグネシウム・7H2O。
【0108】
Med−F振盪フラスコ培地(与えられる濃度は、脱イオン水との最終混合の後である):パートA:11g/Lのマルトデキストリン;6.2g/Lのカシトン;0.5g/LのBacto−ペプトン;0.5g/Lの酵母抽出物;0.5g/Lの硫酸マグネシウム・7H2O;0.1g/Lの塩化カルシウム;50mg/Lのクエン酸;微量金属(2.5mg/LのMnSO4・H2O;9.9mg/LのFeSO4・7H2O;1.0mg/LのCuSO4・5H2O;1.0mg/LのZnCl2);0.1g/LのPluromic;6.7に調節されたpH;121℃での20分間の滅菌。パートB:5g/Lのリン酸二水素カリウム;28.6g/Lの炭酸ナトリウム;。8.4g/Lの炭酸水素ナトリウム、H3PO4により9.0に調節されたpH。この溶液を滅菌濾過し、そしてすぐに使用する。滅菌の後、パートA及びBを混合する。
【0109】
菌株の振盪フラスコ評価のための方法
最初に、菌株を、寒天スラント上で37℃で1日、増殖した。次に、寒天を、M−9緩衝液により洗浄し、そして得られる細胞懸濁液の660nmでの光学密度(OD660nm)を測定した。
個々の振盪フラスコを、OD650nm測定に基づいて、同じ量の細胞により接種する。ODxmlの細胞懸濁液の接種強度=0.1を、この場合に使用した。個々の菌株を、2個の振盪フラスコに接種した。それらの振盪フラスコを、300rpmで37℃でインキュベートし、そしてサンプルを、1,2及び3日後に採取した。pH、OD650nm及びプロテアーゼ活性を測定し、そして相対的活性を菌株当たり測定し、そして相対的活性を個々のrpoB変異体株について、親株について、親株に対して計算した。結果は表2に示される。rpoBにおけるそれらの3個の突然変異が酵素の生産性/収率に対して有意な効果を有することが、それらの結果から明白である。
【0110】
【表2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
同一の条件下で増殖された同遺伝子系親株における同じ生成物の生成に比較して、注目の生成物の変更された生成を提供するrpoB−遺伝子によりコードされるRNA−ポリメラーゼのβ−サブユニットにおける少なくとも1つのアミノ酸の置換をもたらす少なくとも1つの突然変異を含んで成り、ここで前記少なくとも1つのアミノ酸の置換が、配列番号2の位置469,478, 482,485もしくは487のいずれかで、又はいずれかのユーバクテリア(eubacteria)RNA−ポリメラーゼβ−サブユニットファミリーメンバーにおける同等の位置で発生することを特徴とする単離された変異体ユーバクテリア。
【請求項2】
前記少なくとも1つのアミノ酸の置換が、注目の生成物の改良された生成、又は注目の生成物の高い収率を提供する請求項1記載の単離された変異体ユーバクテリア。
【請求項3】
前記少なくとも1つのアミノ酸の置換が、Q469R, A478D, A478V, H482R, H482P, R485H, 又は S487Lを含んで成る請求項1又は2記載の単離された変異体ユーバクテリア。
【請求項4】
前記少なくとも1つのアミノ酸の置換が、配列番号2の位置469もしくは478で、又はいずれかのユーバクテリアRNA−ポリメラーゼβ−サブユニットファミリーメンバーにおける同等の位置でいずれかのランダム置換を含んで成る請求項1又は2記載の単離された変異体ユーバクテリア。
【請求項5】
前記少なくとも1つのアミノ酸の置換が、配列番号2の位置469,478, 及び/又は 487で、あるいはいずれかのユーバクテリアRNA−ポリメラーゼβ−サブユニットファミリーメンバーにおける同等の位置でいずれかの置換を含んで成る請求項1又は2記載の単離された変異体ユーバクテリア。
【請求項6】
前記少なくとも1つのアミノ酸の置換が、Q469R, A478D, 及び/又は S487Lを含んで成る請求項1〜5のいずれか1項記載の単離された変異体ユーバクテリア。
【請求項7】
前記少なくとも1つのアミノ酸の置換が、Q469R, 又はA478Dを含んで成る請求項1〜6のいずれか1項記載の単離された変異体ユーバクテリア。
【請求項8】
前記ユーバクテリアからのRpoBタンパク質が、配列番号2の位置461〜500のアミノ酸配列に対して、前記タンパク質の同等の領域内で少なくとも80%相同である請求項1〜7のいずれか1項記載の単離された変異体ユーバクテリア。
【請求項9】
前記ユーバクテリアからのRpoBタンパク質が、配列番号2の位置461〜500のアミノ酸配列に対して、前記タンパク質の同等の領域内で少なくとも90%相同である請求項1〜8のいずれか1項記載の単離された変異体ユーバクテリア。
【請求項10】
前記細菌が、グラム陽性細菌を含んで成る請求項1〜9のいずれか1項記載の単離された変異体ユーバクテリア。
【請求項11】
前記細菌が、バチルスsp.(Bacillus sp.) を含んで成る請求項1〜10のいずれか1項記載の単離された変異体ユーバクテリア。
【請求項12】
前記細菌が、バチルス・アルカロフィラス(Bacillus alkalophilus)、バチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)、バチルス・ブレビス(Bacillus brevis)、バチルス・サーキュランス(Bacillus circulans)、バチルス・クラウジ(Bacillus clausii)、バチルス・コアギュランス(Bacillus coagulans)、バチルス・ラウタス(Bacillus lautus)、バチルス・レンタス(Bacillus lentus)、バチルス・リケニホルミス(Bacillus licheniformis)、バチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)、バチルス・ステアロサーモフィラス(Bacillus stearothermophilus)、バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)及びバチルス・スリンジエンシス(Bacillus thuringiensis)を含んで成る請求項1〜11のいずれか1項記載の単離された変異体ユーバクテリア。
【請求項13】
前記細菌が、バチルス・レンタス、バチルス・リケニホルミス、バチルス・アミロリケファシエンス、バチルス・クラウジ、バチルス・ステアロサーモフィラス及びバチルス・サブチリスを含んで成る請求項1〜12のいずれか1項記載の単離された変異体ユーバクテリア。
【請求項14】
前記細菌が、バチルス・リケニホルミスである請求項1〜13のいずれか1項記載の単離された変異体ユーバクテリア。
【請求項15】
前記注目の生成物が、遺伝子又は代謝経路の生成物である請求項1〜14のいずれか1項記載の単離された変異体ユーバクテリア。
【請求項16】
前記遺伝子がオペロンを含んで成る請求項15記載の単離された変異体ユーバクテリア。
【請求項17】
前記遺伝子が、前記変異体ユーバクテリウムに対して外因性であるか又は内因性である請求項15又は16記載の単離された変異体ユーバクテリア。
【請求項18】
前記遺伝子が、少なくとも2つのコピーで存在する請求項15〜17のいずれか1項記載の単離された変異体ユーバクテリア。
【請求項19】
前記遺伝子が、少なくとも10個のコピーで存在する請求項15〜18のいずれか1項記載の単離された変異体ユーバクテリア。
【請求項20】
前記遺伝子が、少なくとも100個のコピーで存在する請求項15〜19のいずれか1項記載の単離された変異体ユーバクテリア。
【請求項21】
前記注目の生成物が、ポリペプチド、ビタミン、アミノ酸、抗生物質、炭水化物又は界面活性剤を含んで成る請求項1〜20のいずれか1項記載の単離された変異体ユーバクテリア。
【請求項22】
前記注目の生成物が、ポリペプチド、好ましくは酵素である請求項21記載の単離された変異体ユーバクテリア。
【請求項23】
前記酵素が、オキシドレダクターゼ(EC1)、トランスフェラーゼ(EC2)、ヒドロラーゼ(EC3)、リアーゼ(EC4)、イソメラーゼ(EC5)及びリガーゼ(EC6)から成る酵素種類の群から選択された種類の酵素である請求項22記載の単離された変異体ユーバクテリア。
【請求項24】
前記酵素が、アミノペプチダーゼ、アミラーゼ、アミログルコシダーゼ、マンナナーゼ、カルボヒドラーゼ、カルボキシペプチダーゼ、カタラーゼ、セルラーゼ、キチナーゼ、クチナーゼ、シクロデキストリングリコシルトランスフェラーゼ、デオキシリボヌクレアーゼ、エステラーゼ、ガラクトシダーゼ、β−ガラクトシダーゼ、グルコアミラーゼ、グルコースオキシダーゼ、グルコシダーゼ、ハロペルオキシダーゼ、ヘミセルラーゼ、インバーターゼ、イソメラーゼ、ラッカーゼ、リガーゼ、リパーゼ、リアーゼ、マンノシダーゼ、オキシダーゼ、ペクチナーゼ、ペルオキシダーゼ、フィターゼ、フェノールオキシダーゼ、ポリフェノールオキシダーゼ、プロテアーゼ、リボヌクレアーゼ、トランスフェラーゼ、トランスグルタミナーゼ又はキシラナーゼから成る酵素活性の群から選択された活性を有する酵素である請求項22又は23記載の単離された変異体ユーバクテリア。
【請求項25】
前記酵素が、アミラーゼ又はマンナナーゼである請求項24記載の単離された変異体ユーバクテリア。
【請求項26】
前記注目の生成物が、セルロース結合ドメイン、スターチ結合ドメイン、抗体、抗菌ペプチド、ホルモン又は融合ポリペプチドを含んで成るポリペプチドである請求項21記載の単離された変異体ユーバクテリア。
【請求項27】
前記注目の生成物が、炭水化物、好ましくはヒアルロン酸である請求項21記載の単離された変異体ユーバクテリア。
【請求項28】
前記ユーバクテリアが、組換えユーバクテリア請求項1〜27のいずれか1項記載の単離された変異体ユーバクテリア。
【請求項29】
前記注目の生成物が、組換えポリペプチドである請求項28記載の単離された変異体ユーバクテリア。
【請求項30】
前記ポリペプチドが、組込みの部位でいずれの抗生物質耐性マーカー遺伝子も残さないで変異体ユーバクテリア宿主染色体上に組み込まれる遺伝子によりコードされる請求項29記載の単離された変異体ユーバクテリア。
【請求項31】
前記注目の生成物の変更された生成が、同一の条件下で増殖される同遺伝子系親株における通常のレベルの少なくとも5%〜1000%以上である請求項1〜30のいずれか1項記載の単離された変異体ユーバクテリア。
【請求項32】
前記注目の生成物の変更された生成が、同一の条件下で増殖される同遺伝子系親株における通常のレベルの少なくとも5%〜500%以上である請求項1〜31のいずれか1項記載の単離された変異体ユーバクテリア。
【請求項33】
前記注目の生成物の変更された生成が、同一の条件下で増殖される同遺伝子系親株における通常のレベルの少なくとも5%〜250%以上である請求項1〜32のいずれか1項記載の単離された変異体ユーバクテリア。
【請求項34】
前記注目の生成物の変更された生成が、改良された収率又は改良された生産性を包含する請求項1〜33のいずれか1項記載の単離された変異体ユーバクテリア。
【請求項35】
前記注目の生成物が、分泌されるか、膜結合されるか、又は細胞内に存在する請求項1〜34のいずれか1項記載の単離された変異体ユーバクテリア。
【請求項36】
変異体ユーバクテリアにおいて少なくとも1つの注目の生成物の生成方法であって、適切な培地において請求項1〜35のいずれか1項記載の変異体ユーバクテリアを培養し、それにより、前記生成物を生成することを含んで成る方法。
【請求項37】
前記注目の生成物を単離するか又は精製することをさらに含んで成る請求項36記載の方法。
【請求項38】
少なくとも1つの注目の生成物を生成するためへの請求項1〜35のいずれか1項記載の変異体ユーバクテリアの使用であって、適切な培地において前記変異体ユーバクテリアを培養し、それにより、前記生成物を生成することを含んで成る使用。
【請求項39】
前記注目の生成物を単離するか又は精製することをさらに含んで成る請求項38記載の使用。

【図1】
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【公開番号】特開2011−155977(P2011−155977A)
【公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−46487(P2011−46487)
【出願日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【分割の表示】特願2003−556516(P2003−556516)の分割
【原出願日】平成14年12月20日(2002.12.20)
【出願人】(500586299)ノボザイムス アクティーゼルスカブ (164)
【Fターム(参考)】