説明

外国旅行者用携帯電話利用システム

【課題】 外国を旅行したりあるいは短期滞在したりする外国旅行者が、言葉や地理、慣習等の壁を乗り越えて、当地で快適に旅行したり活動したりすることを可能にする外国旅行者用携帯電話利用システムを提供する。
【解決手段】 外国旅行者用携帯電話利用システムは、(1)専用携帯電話端末について、端末サービス提供者である旅行会社等によって、予め米国、英国等のヨーロッパ諸国等、特定の外国において、当該外国の周波数に設定されると共に旅行を円滑に行うことを可能にする各種の旅行援助サービスの利用が可能なように設定される、(2)設定された専用携帯電話端末が、当該外国へ旅行したり短期滞在したりする外国旅行者に有償又は無償で貸与される、(3)専用携帯電話端末を貸与された外国旅行者は、当該外国において専用携帯電話端末を用いることにより、端末サービス提供者の提供する旅行援助サービスを受けることできる、というものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外国を旅行したりあるいは短期滞在したりする外国旅行者、特に外国語に不慣れであったり外国の生活に不慣れな外国旅行者が携帯電話端末を利用することにより種々のサービスが受けられる外国旅行者用携帯電話利用システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
外国語に不慣れであったり外国の生活に不慣れな外国旅行者にとって、例えば日本国内との連絡については、通常は当地の電話会社を通して連絡を行うのであるが、電話会社の国際通話番号や連絡先の国番号を付加しさらに桁数の調整等(例えば外国から日本にてかける際に最初の0を除く)を行ってダイヤルしなければならないため、特に高齢者等の規則になじめないものにとって非常に煩雑であり、利用しずらいのが実情である。例えば、外国でも使用が可能な世界共通の汎用携帯電話端末が発売されているが、この汎用携帯電話端末については、現地においてその国の周波数に設定する必要があるため、汎用携帯電話端末の仕様を知らない者にとっては使い難く、又周波数の設定は行われても、実際に電話をかけるときの操作については上記と同様の煩雑さがある。
【0003】
これに対して、日本の各電話会社では、外国においても日本でも使用できる端末で国際通話を行うことができる端末の販売サービスが行われている。しかし、多くの場合、海外で利用する機会が少なく、短期の海外滞在のために、一々契約する手間が煩雑である。また、このサービスによれば、例えば外国に滞在している者に対して、日本から電話する場合は、日本の電話会社を通して外国に連絡されるのであるが、日本国内の通話料金は電話をかけた者の負担となるが、日本から外国への通話料金については電話の受信者である外国滞在者の負担となるようになっている。そのため、外国旅行者にとっては、汎用携帯電話端末を通話可能状態にしておくと、自身が外国にいることを知らずに日本から電話されると、受信者が負担する通話料金が膨大になる可能性があるため、実際に利用されるケースは非常に限られている。
【0004】
また、外国旅行者にとって、言語の障壁が非常に大きく、そのため、現地においての行動が制限されることにより日本国内と同様に移動して自由に各種の観光地を楽しむことはほとんど不可能であり、外国旅行の楽しみが著しく損なわれる結果となっていた。そのため、ほとんどの外国旅行者は、画一的な団体旅行にゆだねるしかなく、非常に不自由であった。また、外国旅行において問題が生じた場合は、随行の添乗員や、現地に設置された日本の旅行会社の案内所があるが、人数や場所や連絡可能な時間が限られるため利用し難い状況にあり、外国旅行の不自由さを十分に補うことができるものではなかった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記問題を解決しようとするものであり、外国を旅行したりあるいは短期滞在したりする外国旅行者が、言葉や地理、慣習等の壁を乗り越えて、当地で快適に安心して旅行したり活動したりすることを可能にする外国旅行者用携帯電話利用システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の構成上の特徴は、特定の外国を旅行する外国旅行者が、予め特定の外国の周波数に設定されると共に旅行を円滑に行うことを可能にする各種の旅行援助サービスの利用が可能なように設定された専用携帯電話端末を端末サービス提供者から貸与又は譲渡され、外国旅行者が特定の外国において専用携帯電話端末を使用することにより、端末サービス提供者の提供する旅行援助サービスを受けることが可能にされたことにある。なお、ここで端末サービス提供者としては、旅行会社、電話会社、保険会社、警備会社等がある。
【0007】
上記のように構成した本発明においては、特定の外国を旅行する外国旅行者が、予め特定の外国の周波数に設定されると共に各種の旅行援助サービスの利用が可能なように設定された専用携帯電話端末を端末サービス提供者から貸与又は譲渡されることにより、特定の外国で何の調整をすることなく直ちに携帯電話端末を使用することができ、各種の旅行援助サービスを利用することができる。そのため、外国旅行者は、言語や地理に不自由な外国においても、比較的自由に安心して旅行や滞在を楽しむことができる。
【0008】
また、本発明において、旅行援助サービスとして、外国旅行者が、専用携帯電話端末に自国における連絡先の電話番号をそのまま入力することにより、専用携帯電話端末が予め自身に設定された接続手順に基づいて自動的に連絡先と接続されるものであってもよい。これにより、旅行援助サービスとして、外国旅行者が、専用携帯電話端末に自国における連絡先の電話番号をそのまま入力すると、専用携帯電話端末が予め自身に設定された接続手順である電話会社の国際通話番号や自国の国番号を付加しさらに桁数の調整等を自動的に実行することにより、確実に連絡先に接続される。そのため、電話会社の国際通話番号や自国の国番号等を記憶しておく必要がないので、自国にいるときと同様に連絡先に気軽に電話をかけることができる。
【0009】
また、本発明において、旅行援助サービスとして、外国旅行者が特定の外国において困ったとき、専用携帯電話端末に困ったときに応じた入力を行うことにより、専用携帯電話端末が相談受付機関と接続されるものであってもよい。ここで、外国において困ったときとしては、例えば、観光案内(観光地、劇場、ホテル、レストラン等の場所、利用料金、利用の予約等)、道案内(観光地等への交通手段、所要時間、運賃等)、相談事(落し物、必要品の購入、体調不良等)等がある。これにより、外国旅行者が、外国において困ったときに、専用携帯電話端末に困ったときに応じた入力を行うことにより、専用携帯電話端末が相談受付機関と接続され、相談を受けることができる。そのため、外国旅行者は、困ったときでも、相談する窓口のアドバイスによって安心して問題に対応することができるので、外国においても不自由を感じなくてすむ。
【0010】
また、本発明において、専用携帯電話端末への困ったときに応じた入力を行うことに加えて、外国旅行者の周囲の映像情報を相談受付機関に送信することが可能なことが好ましい。これにより、外国旅行者が現地で道に迷った場合に、相談受付機関に対して、相談と共に自分の現在位置を映像情報で相談受付機関に送信することができる。そのため、相談受付機関でも、映像情報に基づいて、相手に対してより的確な回答を行うことができる。
【0011】
また、本発明において、旅行援助サービスとして、特定の外国において外国旅行者に緊急事態が生じたとき、外国旅行者が専用携帯電話端末の緊急連絡を選択することにより、外国旅行者に緊急事態が生じたことが専用携帯電話端末から緊急連絡先に送信されるものであってもよい。ここで、緊急事態とは、例えば急な病気、事故、盗難、誘拐等がある。これにより、外国において外国旅行者に緊急事態が生じたとき、外国旅行者が専用携帯電話端末の緊急連絡を選択することにより、自動的に送信者に緊急事態が発生したことが緊急連絡先に連絡される。そのため、緊急連絡先では、送信者の緊急事態に対応することが可能になる。
【0012】
また、本発明において、専用携帯電話端末が、GPSによる位置検出機能を備えており、外国旅行者が専用携帯電話の緊急連絡を選択することにより、外国旅行者の緊急事態と共にGPSに基づく旅行者の現在位置も緊急連絡先に送信されるものであってもよい。これにより、専用携帯電話端末が、GPSによる位置検出機能を備えているため、外国旅行者が専用携帯電話端末の緊急連絡を選択することにより、自動的に送信者に緊急事態が発生したことが緊急連絡先に連絡されると共に送信者の位置も緊急連絡先に連絡される。そのため、緊急連絡先では、送信者の位置に基づいて、より的確な対応を取ることが可能になる。
【0013】
また、本発明において、旅行援助サービスとして、特定の外国において危険事態が現に発生し又は発生が予測されるときに、端末サービス提供者側から外国旅行者の専用携帯電話端末に危険情報が送信されることが好ましい。ここで危険事態とは、例えば、地震、火山の噴火、洪水、津波等の自然災害や、テロリズム等の破壊活動、突発的な戦闘や紛争等による人的災害がある。これにより、特定の外国において危険事態が現に発生し又は発生が予測されるときに、端末サービス提供者側から外国旅行者の専用携帯電話端末に危険情報が送信される。そのため、外国旅行者は、不慣れな外国においても、危険情報に応じて適正な対応をとることができるため、大きな災害等による損害を最小限に抑えることが可能になる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、特定の外国を旅行する外国旅行者が、予め特定の外国の周波数に設定されると共に各種の旅行援助サービスの利用が可能なように設定された専用携帯電話端末を端末サービス提供者から貸与又は譲渡されることにより、特定の外国で何の調整をすることなく直ちに専用携帯電話端末によって自国の連絡先に簡単に連絡することができ、観光案内、道案内、相談事等について相談受付機関に相談することができ、また緊急事態の発生した場合に緊急連絡先に簡単に連絡することにより対応を受けることができる。その結果、本発明においては、外国旅行者は、言語や地理に不自由な外国においても、自由に安心して旅行や滞在を楽しむことができる。また、本発明において、外国において危険事態が発生し又は発生が予測されるときに、端末サービス提供者側から危険情報が連絡されるため、外国旅行者は、不慣れな外国においても、危険情報に応じて適正な対応をとることができ、大きな災害等による損害を最小限に抑えることが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について図に基づいて説明する。図1〜図6は、実施例に係る特定の外国を旅行したりあるいは短期滞在したりする外国旅行者のための外国旅行者用携帯電話利用システムの概略構成をブロック図により示したものである。外国旅行者用携帯電話利用システムは、(1)専用携帯電話端末について、端末サービス提供者である旅行会社等によって、予め米国、英国等のヨーロッパ諸国等、特定の外国において、当該外国の周波数に設定されると共に旅行を円滑に行うことを可能にする各種の旅行援助サービスの利用が可能なように設定される、(2)設定された専用携帯電話端末が、当該外国へ旅行したり短期滞在したりする外国旅行者に有償又は無償で貸与される、(3)専用携帯電話端末を貸与された外国旅行者は、当該外国において専用携帯電話端末を用いることにより、端末サービス提供者の提供する旅行援助サービスを受けることできる、というものである。
【0016】
専用携帯電話端末10は、世界各国で使用可能な汎用形式のものであり、図7に示すように、通常の携帯電話端末構成である、CPU,ROM,RAM,I/O等からなるマイクロコンピュータで構成される制御部11と、電話番号等の入力に用いられる操作部12と、入力内容を表示する表示部13と、送話及び受話のための通話部14と、アンテナ15と、カメラ16と、各部に給電する電源18とを備えている。さらに、専用携帯電話端末10は、旅行援助サービスの制御のための特定制御部21を設けており、さらに外国旅行者が旅行援助サービスを受けるとき入力するための入力ボタン22と、GPSからの信号に基づいて自己の所在位置を求めるGPS端末23と、現地において危険事態が生じたときに旅行会社等から送られる送信を受けたとき直ちに特定制御部21に入力して表示部13に表示させると共に警報ブザー26を鳴らして警告させる危険情報受信部25とを備えている。
【0017】
旅行会社は、専用携帯電話端末10について、操作部12の操作により、例えば米国において米国の周波数に合わせる設定を行い、さらに、日本の連絡先の電話番号が入力されたときに、まず電話会社の国際通話番号や日本の国番号を付加しさらに桁数の調整が行われ、その後入力された電話番号に応じて日本国内の連絡先の電話に接続されるように調整する。また、米国内の観光案内、道案内、相談事が選択されたときに、専用携帯電話端末10が、旅行会社等により日本又は米国に設けられた相談受付機関30の観光案内、道案内、相談ごとの各担当部署31〜33に接続されるように調整される。その際、写真送信が入力されると、専用携帯電話端末10で撮影された周囲の映像が相談受付機関30に送信されるように調整される。さらに、緊急連絡である「緊急時は」が選択されたとき、専用携帯電話端末10の番号と、GPSに基づく外国旅行者の現在位置が、直ちに緊急連絡先35に送信されるように設定される。このように設定された専用携帯電話端末10が、米国を旅行する日本人旅行者に手渡される。ただし、専用携帯電話端末10の上記種々の調整については、旅行会社に限らずその委託先によって行われてもよい。
【0018】
つぎに、実施例に係る外国旅行者用携帯電話利用システムの利用状態について説明する。
まず、日本人旅行者が、米国から日本国内の自宅に電話をかける場合を考える。日本人旅行者が、専用携帯電話端末10の入力ボタン22を押すことにより、表示部13に図2に示す選択画面13aが表示され、表示のうちから「電話をかける」を選択する。これにより、表示部13に図3に示す「国名の入力」の選択画面13bが表示されるので、日本人旅行者により「日本」が選択される。それに応じて、表示部13に、図3の下側に示す「電話番号の入力」の選択画面13cが表示されるので、日本人旅行者は、日本における連絡先例えば自宅の電話番号をそのまま入力し、発信を選択することにより、専用携帯電話端末10が、まず電話会社の国際通話番号や日本の国番号を付加しさらに桁数の調整を自動的に行い、その後、入力された電話番号に応じて自宅の電話と接続される。その結果、外国旅行者は、電話会社の国際通話番号や日本の国番号や、「0」を除いて番号を入力する等を記憶しておく必要がないので、日本にいるときと同様に連絡先に気軽に電話をかけることができる。特に、中高年の旅行者にとって、米国にいることを意識することなく自宅と連絡をとることができるので、非常に便利である。
【0019】
つぎに、日本人旅行者が、ニューヨークの公園に行きたい場合を考える。日本人旅行者が、図2に示す選択画面13aの表示のうちから「困ったときは」を選択する。これにより、表示部13に、図4に示すように「困ったときは」の選択画面13dが表示されるので、ここで「観光案内」が選択される。それに応じて、専用携帯電話端末10の通話部14によりアンテナ15から観光案内担当部署31に送信され、通話状態に接続される。それにより、日本人旅行者は、観光案内担当部署31と通話することにより、例えばセントラルパーク等が紹介される。また、メトロポリタン美術館に行きたいような場合は、「困ったときは」の各種メニューの中から「道案内」を選択することにより、道案内担当部署32と通話して美術館への交通手段を聞くことができる。
【0020】
また、目的地の途中で道に迷ったような場合には、同様に「道案内」を選択すると共に、「写真送信」を選択することにより、専用携帯電話端末10のカメラ16が起動して周囲の風景等が撮影され、その画像が道案内担当部署32に送信される。それにより、道案内担当部署32は、日本人旅行者と通話しつつその現在位置の様子を把握することができるため、より適正に道案内を行うことができる。さらに、持ち物を落とした等の相談事がある場合には、「困ったときは」の各種メニューの中から「相談ごと」を選択することにより、相談ごと担当部署33と通話して対応を相談することができる。
【0021】
さらに、旅行中において、外国旅行者に緊急事態、例えば急な病気になったとき、外国旅行者が専用携帯電話端末10の「緊急時は」を選択することにより、自動的に送信者に緊急事態が発生したことが緊急連絡先35に連絡される。さらに、専用携帯電話端末10が、GPS端末23による位置検出機能を備えているため、「緊急時は」を選択することにより、同時に送信者の位置も緊急連絡先35に連絡される。そのため、緊急連絡先35では、送信者の位置に基づいて、より的確に送信者の緊急事態に対応することが可能になる。
【0022】
また、例えば、米国において大火災や津波等の危険事態が現に発生し又はその発生が予測されるときは、図6に示すように、緊急情報センター41からの情報を受けた旅行会社42によって添乗員等を通して外国旅行者の専用携帯電話端末10に危険情報が送信される。専用携帯電話端末10は、危険情報受信部25において危険情報を受けて、特定制御部21の制御に基づいて警報ブザー26により警報音を発信すると共に危険情報を表示部13に表示する。そのため、外国旅行者は、不慣れな外国においても、危険情報に応じて適正な対応をとることができるため、大きな災害等の発生による損害の発生を最小限に抑えることが可能になる。なお、上記危険情報については、旅行会社が独自のルートで情報を入手し、直接外国旅行者に連絡する場合もある。
【0023】
なお、上記実施例においては、「困ったときは」の場合に、「観光案内」、「道案内」、「相談ごと」の3つに分けて相談受付機関30のそれぞれの担当部署31〜33に接続されるようになっているが、例えばこれらをまとめて1箇所あるいは2箇所の担当部署とすることも可能である。また、例えば担当部署を1箇所とする場合には、「困ったときは」の選択により、専用携帯電話端末を直ちに担当部署に接続させることもできる。専用携帯電話端末で困ったときを選択することにより、専用携帯端末が相談受付機関に接続されることが可能になる。
【0024】
なお、上記実施例においては、外国旅行者用携帯電話利用システムの利用は、専用携帯電話端末を有償又は無償で貸与することにより行われているが、専用携帯端末を販売することにより行うことも可能である。また、上記実施例においては、専用携帯電話端末サービスに、自国への電話連絡、相談ごと、緊急事態発生の連絡、旅行会社からの危険情報の連絡が含まれているが、これら全てではなく一部のサービスに限ることも可能である。また、上記実施例においては、専用携帯電話端末にGPS端末が設けられているが、簡易な装置としてこれを省くこともできる。さらに、上記実施例において、旅行会社から危険情報が専用携帯電話端末10に送信された際に、特定制御部21の制御により、通話中や操作中でもこれを強制的に中断させて、危険情報の表示及び警報音の発生を優先させ、消去不能とすることもできる。
【0025】
なお、上記実施例においては、端末サービス提供者として旅行会社が日本人の外国旅行者に対して各種の旅行援助サービスを行っているが、これに代えて、電話会社、保険会社、警備会社等もこのサービスを提供することができる。また、上記実施例においては、日本人の外国旅行者について説明しているが、これに限らず、英語圏の国の旅行者が非英語圏の国を旅行したり、あるいはその逆の場合にも、本発明の外国旅行者用携帯電話利用システムを好適に利用することができる。その他、上記実施例に示した外国旅行者用携帯電話利用システムについては、一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲において種々変更して実施することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0026】
本発明によれば、特定の外国を旅行する外国旅行者が、端末サービス提供者によって予め特定の外国の周波数に設定されると共に各種の旅行援助サービスの利用が可能なように設定された専用携帯電話端末を端末サービス提供者から貸与又は譲渡されることにより、特定の外国で何の調整をすることなく直ちに各種サービスを受けることができる。従って、本発明は、外国旅行者にとって、言語や地理に不自由な外国においても、快適に安心して旅行を楽しむことができるので、有用である。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の実施例に係る特定外国旅行者用の専用携帯電話利用システムの概略構成を示すブロック図である。
【図2】専用携帯電話端末の初期の表示画面を概略的に示す模式図である。
【図3】専用携帯電話端末で海外から自国の連絡先に電話をかける場合の表示画面等を概略的に示す説明図である。
【図4】専用携帯電話端末で困ったときに担当部署に電話をかける場合を説明する説明図である。
【図5】専用携帯電話端末で緊急時に緊急連絡先に連絡する場合を説明する説明図である。
【図6】危険事態の発生が専用携帯電話端末に連絡されるシステムを説明する説明図である。
【図7】専用携帯電話端末の電気的構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0028】
10…専用携帯電話端末、11…制御部、12…操作部、13…表示部、14…通話部、21…特定制御部、22…入力ボタン、23…GPS端末、25…危険情報受信部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
特定の外国を旅行する外国旅行者が、予め該特定の外国の周波数に設定されると共に旅行を円滑に行うことを可能にする各種の旅行援助サービスの利用が可能なように設定された専用携帯電話端末を端末サービス提供者から貸与又は譲渡され、該外国旅行者が該特定の外国において該専用携帯電話端末を使用することにより、該端末サービス提供者の提供する前記旅行援助サービスを受けることが可能にされたことを特徴とする外国旅行者用携帯電話利用システム。
【請求項2】
前記旅行援助サービスとして、外国旅行者が、前記専用携帯電話端末に自国における連絡先の電話番号をそのまま入力することにより、該専用携帯電話端末が予め自身に設定された接続手順に基づいて自動的に該連絡先に接続されることを特徴とする前記請求項1に記載の外国旅行者用携帯電話利用システム。
【請求項3】
前記旅行援助サービスとして、外国旅行者が特定の外国において困ったとき、前記専用携帯電話端末に困ったときに応じた入力を行うことにより、該専用携帯電話端末が相談受付機関と接続されることを特徴とする前記請求項1又は2に記載の外国旅行者用携帯電話利用システム。
【請求項4】
前記専用携帯電話端末への前記困ったときに応じた入力を行うことに加えて、該外国旅行者の周囲の映像情報を該相談受付機関に送信することが可能なことを特徴とする前記請求項3に記載の外国旅行者用携帯電話利用システム。
【請求項5】
前記旅行援助サービスとして、特定の外国において外国旅行者に緊急事態が生じたとき、該外国旅行者が前記専用携帯電話端末の緊急連絡を選択することにより、該外国旅行者に緊急事態が生じたことが該専用携帯電話端末から緊急連絡先に送信されることを特徴とする前記請求項1から4のいずれか1項に記載の外国旅行者用携帯電話利用システム。
【請求項6】
前記専用携帯電話端末が、GPSによる位置検出機能を備えており、外国旅行者が前記専用携帯電話の緊急連絡を選択することにより、該外国旅行者の緊急事態と共にGPSに基づく該旅行者の現在位置も前記緊急連絡先に送信されることを特徴とする前記請求項5に記載の外国旅行者用携帯電話利用システム。
【請求項7】
前記旅行援助サービスとして、前記特定の外国において危険事態が現に発生し又は発生が予測されるときに、前記端末サービス提供者側から外国旅行者の前記専用携帯電話端末に危険情報が送信されることを特徴とする前記請求項1から6のいずれか1項に記載の外国旅行者用携帯電話利用システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−245678(P2006−245678A)
【公開日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−54768(P2005−54768)
【出願日】平成17年2月28日(2005.2.28)
【出願人】(504474345)有限会社イディア (3)
【Fターム(参考)】