説明

外科手術器具の位置及び向きを表示する方法及び該方法を実施するための装置

骨盤の寛骨臼又は骨盤に挿着される関節ソケットに関節球によって嵌合する大腿骨インプラントのために大腿骨に準備処置を施すこと、或いは、このような大腿骨インプラントに大腿骨及び関節球の中心点との関係で大腿骨への挿入のための準備処理を施すことを目的に、器具の位置及び向きを表示するための方法において、次のことを提案する。即ち、関節球の中心点、及び、大腿骨の横断面と機器面との交線であって関節球の中心点を通る交線が、関節球の中心点の高さにおける大腿骨の横断面に表示されること、である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、次のことを目的に器具の位置及び向きを表示するための方法に関する。即ち、骨盤の寛骨臼又は骨盤に挿着される関節ソケットに関節球によって嵌合する大腿骨インプラントのために大腿骨に準備処置を施すこと、或いは、このような大腿骨インプラントに大腿骨及び関節球の中心点との関係で大腿骨への挿入のための準備処理を施すことを目的とする。
【背景技術】
【0002】
股関節手術では、大腿骨頭を除去した後、大腿骨に大腿骨インプラントを挿入することが必要である。大腿骨インプラントは、通常、骨の天然形状に適合されており、次のものを有する。即ち、大腿骨に導入可能な軸と、この軸から角度を付けつつ離間するよう延伸する大腿骨頸部と、大腿骨頸部上における、骨盤の関節ソケット、つまり、天然の関節ソケット又は、ほとんどの場合、人工関節ソケットに嵌合する関節球とを有する。
【0003】
大腿骨には、大腿骨に大腿骨インプラントを挿入するための準備処置が施されなければならず、次のようにしてこの準備処置を行うのが標準的な技法である。即ち、大腿骨インプラントの軸が大腿骨に正確な嵌め合いで挿入可能なよう、即ち、インプラントが大腿骨に対して所望の位置及び向きをとり、大腿骨インプラントの関節球が寛骨臼に係合することで大腿骨が正しく配置されるよう、大腿骨の髄腔を準備するラスプ類似器具を用いて上記準備処置を行うこと、である。
【0004】
執刀医は、ラスプ類似器具を正しく案内し、或いは、大腿骨インプラントの挿入に際し、これ自体を大腿骨に対して正しく配置しなければならない。そのために、執刀医に対し、ラスプ類似器具又は大腿骨インプラントが大腿骨に対してどの角度をとるかを表示画面上で表示することが知られている。これにより手術の実施は可能となるが、数値角度データの表示は容易に理解し得るものではなく、又、最初に執刀医による必要な操作に変換しなければならない。
【特許文献1】WO 02/062250 A1
【特許文献2】WO 02/062248 A1
【特許文献3】US 2004/0254584 A1
【特許文献4】WO 02/061371 A1
【特許文献5】DE 203 15 005 U1
【特許文献6】US 2004/077940 A1
【特許文献7】WO 2004/030556 A
【特許文献8】US 2004/147926 A1
【特許文献9】US 2003/153829 A1
【特許文献10】DE 103 06 793 A1
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、次のようになるよう、冒頭で述べた類の表示方法を発展させることである。即ち、位置及び向きの変化、つまり、大腿骨に準備処置を施す器具又は大腿骨インプラントの位置の変化が、更なる検討をしなくとも、この位置を変化させることで、執刀医が所望の位置に到達しかつこれをディスプレイから読み取ることができるよう、執刀医に明確に示されること、である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的は、冒頭で述べた類の方法において、本発明に従い、次のようにすることで達成される。即ち、関節球の中心点、及び、大腿骨の横断面と機器面との交線であって関節球の中心点を通る交線が、関節球の中心点の高さにおける大腿骨の横断面に表示されること、である。
【0007】
従って、執刀医は、表示画面上で、一方では関節球の中心点を確認し、他方では上記交線を確認することができる。この交線は、上記横断面において上記機器面が該横断面といかなる角度で交差するかを執刀医に示す。上記機器面は、ラスプに似た外科手術機器の面とすることができるが、同時に、大腿骨インプラントの面とすることもできる。
【0008】
例えば、上記機器面が上記器具の中心面となるよう、この機器面を選択するようにしてもよい。上記軸、従って対応ラスプ類似器具も又、楕円形又は細長の断面を有することが多い。その長軸は、大腿骨プロテーゼの大腿骨頸部の方向、即ち関節球の方向を向いている。上記軸のこの長手方向中心面が機器面として使用される場合、この面が関節球を通り、従って、上記横断面において上記軸から上記関節中心点へと向かう方向がどのようなものであるかを執刀医に示すことが保証される。
【0009】
別の好適な実施形態において、大腿骨インプラント又は器具の軸を関節球に接続する保持アームの長手軸の上記横断面への投影が上記機器面に存するよう、該機器面が選択されるようにしてもよい。ここで、機器面として使用されるのは、器具又は機器の中心面ではなく、前記投影を通る面である。この場合にも、上記機器面が上記関節球を通ることが保証される。
【0010】
執刀医に対し関節中心点の機能を明らかにするため、好適な実施形態において、次のようにしてもよい。即ち、関節球を受容する寛骨臼の中心点の高さにおける骨盤の横断面の像が、大腿骨横断面及び上記交線を表す図に、関節球の中心点と寛骨臼の中心点とが一致するよう複製表示されること、である。この場合、上記横断面は、寛骨臼の2つの中心点を通りかつ直立する患者に対して水平に広がる面である。これは骨盤の断面図でも平面図でもよい。平面図では、骨盤を部分的に透明に表示することで寛骨臼の中心点の位置が可視化される。ここで専ら肝要なのは、この表示によって大腿骨の関節球の中心点が骨盤の寛骨臼に位置することが執刀医に対し象徴的に示されることである。
【0011】
大腿骨横断面の位置を特定するため、好ましくは、次のようにしてもよい。即ち、関節球及び膝関節の中心点の位置及び向きが例えば膝蓋骨の触診によって決定され、更に、これら2点を接続する線として機械的大腿骨軸が決定されるようにすること、である。この場合、上記横断面は、この機械的大腿骨軸に対して垂直に広がり、かつ関節球の中心点を通る。
【0012】
上記器具及び/又は上記大腿骨インプラントの位置及び向きの変化に応じ、執刀医は、上述の表示において、上記機器面と上記大腿骨横断面との交線がどのように動くかを、つまりは、次のことを直ちに確認することができる。即ち、上記機械加工器具又は上記大腿骨インプラントの軸の向きを変えると、上記表示において上記交線の角度が変化すること、又、上記器具軸又は上記インプラント軸を向きを変えずに横方向に変位させると、上記交線が平行移動すること、である。上記交線が上記関節球の中心点の像を通るとき、上記器具軸及び上記大腿骨インプラント軸の正しい位置及び向きが得られる。上記機器面それ自体が関節球の中心点を通っていると、これが、上記器具軸又は上記大腿骨インプラント軸の角度方向及び横方向変位の双方が正しく選択されていることの表れとなる。
【0013】
本発明の更なる目的は、上記方法を実施するための装置を作ることである。
【0014】
この目的は、本発明に従い、次のものより達成される。即ち、ナビゲーションシステムと、このナビゲーションシステムと関連付けられた、大腿骨、骨盤、及び、上記器具又は上記大腿骨インプラントのためのマーキング要素とを含む装置、更に、データ処理装置、及びこのデータ処理装置によって作動されるディスプレイである。ここで、前記データ処理装置は、前記ディスプレイ上において、関節球の中心点及び大腿骨横断面と機器面との交線であって関節球の中心点を通る線を、関節球の中心点の高さにおける大腿骨横断面に表示するようプログラムされる。
【0015】
上記データ処理装置が上記器具の中心面を機器面として選択するようプログラムされると有利である。
【0016】
更に別の実施形態において、上記データ処理装置が、大腿骨インプラント又は器具の軸を関節球に接続する保持アームの長手軸の上記大腿骨横断面への投影が上記機器面に存するように上記機器面を選択すべくプログラムされてもよい。
【0017】
次のようにすると特に好適である。即ち、上記データ処理装置が、上記大腿骨横断面及び上記交線を表す図に、関節球を受容する寛骨臼の中心点の高さにおける骨盤の横断面の像を関節球の中心点と寛骨臼の中心点とが一致するよう複製表示すべくプログラムされることである。
【0018】
大腿骨横断面の位置を特定するため、次のようにしてもよい。即ち、関節球及び膝関節の中心点の位置及び向きからこれら2点を接続する線として機械的大腿骨軸を決定し、又、前記機械的大腿骨軸に対して垂直に広がり、かつ関節球の中心点を通るよう上記大腿骨横断面を算定すべく、上記データ処理装置が更にプログラムされてもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明の好ましい実施形態について、図面と関連させつつ、次に説明する。
【0020】
本発明による方法は、患者の大腿骨1に大腿骨インプラントを受容するための準備処置を施すこと又は大腿骨に大腿骨インプラントを挿入することを目的に使用される。これは、次のような股関節手術において必要である。即ち、骨盤の人工関節ソケットと、天然の大腿骨頭を除去した後、この骨頭の代わりに残余の大腿骨に挿入される、関節球を備えた大腿骨インプラントとによって天然の股関節が置換される手術である。大腿骨インプラントは、通常、大腿骨の髄腔に押し込まれる軸を有する。この軸のために髄腔が適切に準備されなければならない。この準備処置は、ラスプに似た器具2を用いて行われる。この器具は大腿骨インプラントの軸に非常に類似した構造を有し、大腿骨1の髄腔を適切に成形する。その結果、大腿骨インプラントの軸を導入した後、大腿骨における大腿骨インプラントの位置決めは、こうして準備された髄腔の空洞の幾何学的形状によって決定される。従って、大腿骨に上記準備処置を施す際、器具2を的確に所望の角度方向及び横位置にて大腿骨に押し込むことが非常に重要である。勿論、大腿骨インプラントを正しい位置で大腿骨に挿入することも不可欠である。ここで、正しい位置とは、大腿骨要素である横方向に突き出たアーム(通常、その端部に関節球を担持する)が、骨盤及び骨盤の関節ソケットに対して正しい向きをとることを意味する。
【0021】
上記手術のための準備の結果、執刀医は、天然の大腿骨に対して関節頭をどこに配置すべきかが分かる。又、大腿骨インプラントの幾何学的データも既知であるため、大腿骨インプラントを大腿骨に挿入する際、大腿骨インプラントが大腿骨のどの位置にあれば関節頭はどの位置をとるかを少なくとも確かめることができる。
【0022】
このことをチェックするため、大腿骨1にはマーキング要素3が、骨盤4にはマーキング要素5が、そして、器具2にはマーキング要素7が、外れることのないようしっかりと取り付けられる。器具2は、同じく大腿骨インプラントに置き換えることができる。それ故、以下では専ら器具2について述べる。
【0023】
マーキング要素3,5及び7の位置は、ナビゲーションシステム8(それ自体既知である)によって決定することができる。このナビゲーションシステムは、例えば、互いに空間的に分離された3つの送信器9,10,11を含み、前記送信器は赤外線を発する。この赤外線は、マーキング要素3,5,7の空間的に分離された反射器によって反射され、受信器としても機能する送信器9,10,11によって再び受信される。マーキング要素の空間における向き及び位置は、赤外線、即ち個々のマーキング要素それぞれの位置から算定することができる。マーキング要素は大腿骨、骨盤、及び器具にそれぞれしっかり接続されるため、大腿骨、骨盤、及び器具の空間におけるそれぞれの位置も常時決定することができる。
【0024】
対応する位置データセットは、ナビゲーションシステム8によってデータ処理装置12に供給される。このデータ処理装置は、これらのデータを使用して更なるデータを算出し、特に、表示スクリーン13上に光ディスプレイを生成することができる。
【0025】
最初に、大腿骨に対する関節球の中心点の位置が、上述した装置を使用して決定される。この決定は、天然の大腿骨頭を除去する前に、大腿骨を骨盤に対して旋回させるだけで行われる。この旋回動作中、大腿骨1のマーキング要素3は、関節頭の中心点と同じ中心点を有する臼蓋に沿って動く。この動作及び対応する位置データセットから、上記データ処理装置はマーキング要素3従って大腿骨1に対する関節球の中心点を決定することができる。
【0026】
膝関節の位置も決定される。これは、触診要素14を使用した触診によって行うことができる。前記触診要素はマーキング要素6を有し、その先端は例えば患者の膝蓋骨上に置かれる。ナビゲートされる触診要素14の位置データ及び触診要素の幾何学的データから、上記データ処理装置は触診されるマーキングポイントの膝蓋骨上での正確な位置を算出することができる。この位置は膝関節ポイントとして使用される。上記データ処理装置は、関節頭の中心点と膝蓋骨の中心点とを接続する線を形成する。この接続線は、機械的大腿骨軸15として示されている。
【0027】
この機械的大腿骨軸15及び関節球の中心点の位置から、データ処理装置12は、更に、機械的大腿骨軸15に対して垂直に広がりかつ関節の中心点を通る大腿骨横断面16を算定する。これは大腿骨と関連付けられた断面である。
【0028】
機器面17は器具2と関連付けられる。この面は、例えば、長手方向中心面とすることができる。図4から明らかなように、その軸は、例えば長軸及び短軸を備えた楕円構造を有し、又、その長手方向中心面は、長軸に沿ってかつ軸の長手方向に広がる。
【0029】
類似の軸形状を有する大腿骨インプラントが使用される場合、次のようにしてもよい。即ち、軸18に隣接する大腿骨頸部19(関節球20を担持する)も、図6に示すように、同じく大腿骨インプラントの長手方向中心面にて延伸するようにすることである。もっとも、この接続アームがこの面と角度を成すようにしてもよい。その形状と一致する軸を器具によって準備された開口に挿入する場合、大腿骨頸部は、機器の長手方向中心面ではなく、軸と関節球との間の連結アームによって展開される面にある。この面が上記データ処理装置によって使用される機器面を形成する。
【0030】
上記データ処理装置は上記ナビゲーションシステムから器具2の位置データを受信し、このデータから機器面それぞれの位置を算定し、又、機器面17と大腿骨横断面16との交線21も算定する。ディスプレイには、この交線が大腿骨横断面16内に表示されると共に、関節球20の中心点Mも表示される。
【0031】
この交線21が関節球20の中心点Mを通っていれば、器具2又は大腿骨インプラントは正しい方向を向いている。というのも、その場合、機器面が関節球の中心点を通ることが保証されるからである。これに対し、もしずれがあれば、執刀医は、所望の位置を得るために器具又は大腿骨インプラントを横方向に動かすか或いはその向きを変えなければならない、ということが分かる。
【0032】
更に、骨盤の平面図又は水平断面図が表示スクリーン13上に表示される。この骨盤の表示23は概略的なものとすることができ、患者の解剖学的データを必要としない。
【0033】
この図は、単に、中心点Mが同時に関節球を受容する関節ソケットの中心点でもあることを執刀医に示すために利用される。そのため、この関節ソケット22は断面図又は透視図において可視的である。骨盤の表示23は、関節ソケットの中心点が関節球20の中心点Mと一致するよう配される。
【0034】
上記大腿骨横断面は、通常、股関節中心点を通って広がる骨盤の水平断面図から生ずる断面と一致しない。
【0035】
もっとも、この水平断面に対する大腿骨横断面の位置から、次のようなデータセットを決定することが可能である、即ち、大腿骨横断面が骨盤の横断面とされる水平断面と一致するには、大腿骨及び大腿骨に接続される部分をどのように動かし或いは旋回する必要があるかを記述するデータセットである。大腿骨がこれらの2つの面が一致する位置にある場合、大腿骨の中立位置と称する。
【0036】
この変換データセットを使用すれば、大腿骨の横断面に代えて骨盤の横断面を表示することもできる。というのも、双方の面は上記中立位置において一致するからである。もっとも、大腿骨及び大腿骨にしっかりと接続された部分の位置を示す位置及び向きのデータが、大腿骨が骨盤に対して中立位置をとるよう変換されること、が前提条件である。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】患者の骨盤及び大腿骨、及び、データ処理装置と表示装置とを備えたナビゲーションシステムの概略図。
【図2】骨盤及びナビゲートされる機械加工器具が挿入された大腿骨の一部の概略図であり、大腿骨横断面及び機器面が示されている。
【図3】大腿骨横断面と機器面との交線、関節頭の中心点、及び、骨盤の複製表示示すディスプレイの図。
【図4】図2の4−4線に沿った、ラスプ類似機械加工器具の軸の断面図。
【図5】軸、大腿骨頸部、及び関節球を備えた大腿骨インプラントの概略側面図。
【図6】図5の6−6線に沿って切断した、図5の大腿骨インプラントの断面図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
骨盤の寛骨臼又は骨盤に挿着される関節ソケットに関節球によって嵌合するインプラントのために大腿骨に準備処置を施すこと、或いは、かかる大腿骨インプラントに大腿骨及び関節球の中心点との関係で大腿骨への挿入のための準備処理を施すことを目的に、器具の位置及び向きを表示するための方法であって、
関節球の中心点、及び、大腿骨の横断面と機器面との交線であって関節球の中心点を通る交線が、関節球の中心点の高さにおける大腿骨の横断面に表示されること、
を特徴とする方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、上記機器面が、該機器面が上記器具の中心面となるよう選択されることを特徴とするもの。
【請求項3】
請求項1に記載の方法において、大腿骨インプラント又は器具の軸を関節球に接続する保持アームの長手軸の大腿骨横断面への投影が上記機器面に存するよう、上記機器面が選択されることを特徴とするもの。
【請求項4】
先行する請求項のいずれかに記載の方法において、大腿骨横断面及び上記交線を表す図に、関節球を受容する寛骨臼の中心点の高さにおける骨盤の横断面の像が、関節球の中心点と寛骨臼の中心点とが一致するよう複製表示されることを特徴とするもの。
【請求項5】
先行する請求項のいずれかに記載の方法において、
大腿骨横断面の位置を特定するため、関節球及び膝関節の中心点の位置及び向きが決定され、
前記2点を接続する線として機械的大腿骨軸が決定され、かつ
前記機械的大腿骨軸に対して垂直に広がり、かつ関節球の中心点を通るよう大腿骨横断面が決定されること、
を特徴とするもの。
【請求項6】
先行する請求項のいずれかに記載の方法において、上記器具又は上記大腿骨インプラントが、上記交線が関節球の中心点の像を通るよう、大腿骨に対して方向付けられることを特徴とするもの。
【請求項7】
大腿骨(16)、骨盤(4)、及び、上記器具(2)又は上記大腿骨インプラントと関連付けられた、該部分の位置を決定するためのマーキング要素(3,5,7)と、
前記ナビゲーションシステム(8)と関連付けられた、ディスプレイを作動させるためのデータ処理装置(12)と、
を備えたナビゲーションシステム(8)を含む請求項1から6までのいずれかに記載の方法を実施するための装置であって、
前記データ処理装置(12)が、前記ディスプレイ(13)上において、関節球(20)の中心点(M)、及び、大腿骨の横断面(16)と機器面(17)との交線(21)であって関節球(20)の中心点(M)を通る線(21)を、関節球(20)の中心点(M)の高さにおける大腿骨横断面(16)に表示するようプログラムされること、
を特徴とする装置。
【請求項8】
請求項7に記載の装置において、上記データ処理装置(12)が、上記器具(2)の中心面を機器面(17)として選択るようプログラムされることを特徴とするもの。
【請求項9】
請求項7に記載の装置において、上記データ処理装置(12)が、大腿骨インプラント又は器具の軸(18)を関節球(20)に接続する保持アーム(19)の長手軸の大腿骨横断面(16)への投影が上記機器面(17)に存するように上記機器面(17)を選択すべくプログラムされることを特徴とするもの。
【請求項10】
請求項7から9までのいずれかに記載の装置において、上記データ処理装置(12)が、大腿骨横断面(16)及び交線(21)を表す図に、関節球(20)を受容する寛骨臼の中心点の高さにおける骨盤の横断面の像(23)を関節球(20)の中心点と寛骨臼の中心点とが一致するよう複製表示すべくプログラムされることを特徴とするもの。
【請求項11】
請求項7から10までのいずれかに記載の装置において、大腿骨横断面(16)の位置を特定するため、関節球(20)及び膝関節の中心点の位置及び向きから、該2点を接続する線として機械的大腿骨軸(15)を決定すべく、更に、前記機械的大腿骨軸(15)に対して垂直に広がりかつ関節球(20)の中心点を通るよう大腿骨横断面(16)を決定すべく、上記データ処理装置がプログラムされることを特徴とするもの。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2008−526405(P2008−526405A)
【公表日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−550709(P2007−550709)
【出願日】平成17年12月24日(2005.12.24)
【国際出願番号】PCT/EP2005/014039
【国際公開番号】WO2006/074807
【国際公開日】平成18年7月20日(2006.7.20)
【出願人】(502154016)アエスキュラップ アーゲー ウント ツェーオー カーゲー (61)
【氏名又は名称原語表記】AESCULAP AG & CO. KG
【住所又は居所原語表記】Am Aesculap−Platz, 78532 Tuttlingen Germany
【Fターム(参考)】