説明

外管を有する電気ランプ

【課題】単純かつ費用効率のよい製造を可能にする外管を有する電気ランプを提供する。
【解決手段】ランプは放電容器(2)を有しており、この放電容器は、空密形式でシールされており、放電容器を少なくとも部分的に包囲した外管(12)内に配置されている。外管は、薄板金部品によって閉鎖された開放管から成る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の上位概念部に基づく外管を有する電気ランプに関する。特に、メタルハライドランプ又はハロゲン白熱ランプ等の放電ランプに関する。
【背景技術】
【0002】
ドイツ連邦共和国特許出願公開第10325554号明細書は外管を有する電気ランプを開示しており、この場合外管は、ガラスから形成された内部容器を部分的にのみ包囲している。外管自体はガラスから製造されており、内部容器のシールに固定されている。この部分被覆外管はこの場合、確立された技術を使用して、ガラス成形及びその後のガラス対ガラス溶融によって固定されることができる。しかしながら、これらのステップ全体は、機械能力及びエネルギに関して比較的厳しい要求を有することが分かった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の1つの目的は、単純かつ費用効率のよい製造を可能にする請求項1の上位概念部に基づく外管を有する電気ランプを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この目的は請求項1の特徴によって達成された。特に有利な改良は従属請求項に示されている。
【0005】
本発明による電気ランプは外管と、外管内に配置された、空密にシールされた内部容器、通常は放電容器、とを有している。しかしながら、本発明による電気ランプは、外管を有するハロゲン白熱ランプであってもよい。
【0006】
内部容器と外管との新規の結合形式は、薄板金クリップに基づく純粋に機械的な取付けシステムを可能にする。このことは、切削加工の複雑さを著しく低減し、もはやいかなる加熱エネルギをも必要としない。新規の概念は特に、外管内において特定の雰囲気、例えば真空又は純粋窒素雰囲気、が必要とされない場合に適している。
【0007】
新規概念の利点が特に顕著である1つの特に好適な実施形態は、内部容器の互いに向き合った両方の端部において外管が薄板金部品によってシールされている構成である。典型的な用途はメタルハライドランプ及びハロゲン白熱ランプである。
【0008】
特に、外管と、外管内に配置された内部容器、特に放電容器とを有しており、内部容器が細長くかつ2つの端部を有しており、端部がシールとして働き、外管がガラスから形成されておりかつ2つの端部を有する開放した管であり、少なくとも一方の端部が、弾性的な薄板金から形成された実質的に平らな薄板金部品によってシールされており、薄板金部品が関連するシールに固定されている電気ランプが考慮されている。内部容器はこの場合ガラス、通常は石英ガラス又は硬質ガラス、又はセラミックから形成されていることができる。
【0009】
薄板金部品は好適には環状であり、環の外径が開放した管の外径にほぼ相当している。
【0010】
薄板金部品を管に保持するために、ほぼ90゜折り曲げられておりかつ締付け式に管に対して内側に当接する突起が好適には薄板金部品の外径の円周に亘って分配されている。薄板金部品を管に保持する別の方法は、円周における折り曲げられた被覆リムであり、このリムは、例えば接着剤配合物によって管に固定される。
【0011】
シールが円筒体として円形横断面を有している場合、外管は簡単に中心合わせされる。
【0012】
特に、薄板金部品は、シールの横断面に合致された中央開口を有する。シールは通常、円形横断面を有する溶融シールの形式である。しかしながら、シールは、横断面が実質的に矩形のピンチシールであってもよい。
【0013】
薄板金部品をシールに固く固定及び保持する特に簡単な方法は、与えられた直径を備えかつ1つの縁部に亘って延長部内へ開口した円筒状のシールによって達成され、延長部は比較的大きな直径を有する開放管であり、薄板金部品の中央開口の直径はシールの直径に合致させられている。
【0014】
外管は、直線的ではないが屋根状に曲げられた薄板金部品の突起によって締付け形式で固定されている。
【0015】
薄板金部品は、薄板金部品の平面から僅かに突出するように曲げられた、薄板金部品の、中央開口を包囲したゾーンによってシールに合致させられている。
【0016】
このことは好適には、半径方向スロットによって複数のタブに分割されたゾーンによって達成され、前記タブが個々に僅かに曲げられることができる。
【0017】
2つのシールは好適には、管が両側において開放されることができかつ両端部において同一の薄板金部品によってシールされることができるように設計されている。しかしながら、管の一方の端部が先行技術のような慣用の形式でシールに固定されることは不可能ではない。
【0018】
外管内に特定の雰囲気が望まれる場合、外管は、薄板金部品と開放管の端部との間の接触領域に導入されたシールリング等の適切なシール手段によって気密若しくは空密に維持されることができる。
【0019】
1つの好適な実施形態において、内部容器は2つの互いに向き合った端部において同一のシールによってシールされており、外管は両端部において薄板金部品によって内部容器の同一のシールに固定されている。
【0020】
UV放射によって生ぜしめられる光電離を阻止するために、薄板金部品の少なくとも一部は、酸化物層、特に酸化チタンによって被覆されることができる。さらに、酸化物層は断熱を向上させる。
【0021】
外管を有するランプを製造する方法は以下の工程を有する。すなわち、開放管が内部容器に被さるように中心を合わせながら押し込まれ、次いで薄板金部品が管の開放端部に配置され、突起が約90゜だけ曲げられており、中央開口が、関連したシールの横断面よりも僅かに小さく選択されており、その結果、薄板金部品がシールに配置されると、中央開口は、薄板金部品の平面から僅かに突出するように曲げられた包囲ゾーンの個々のタブによってシールの直径にまで拡大される。
【0022】
以下に複数の典型的な実施形態を用いて本発明を詳細に説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
図1は、2つの端部においてシールされたメタルハライドランプ1の斜視図を示している。樽形の、石英ガラス(又はAlセラミック)から形成された放電容器2は、メタルハライドフィリングと共に2つの電極3(一方だけが示されている)を内包している。電極3のレベルにおいてコーティング11が提供されている。バルブ端部は溶融シール4によってシールされており、この溶融シールには箔5が埋設されている。これらの箔5は外部電源ライン6に接続されている。外部電源ライン6は管状スリーブ7内を案内されており、ベース部(図示せず)において終わっている。放電容器の中央部分は外管12によって包囲されている。
【0024】
外管12は管13から成り、この管は、両端部において開放しており、例えば硬質ガラスから形成されており、放電容器2よりも著しく大きな直径を有している。ディスク状リングの形式の薄板金部品14が前記管13のそれぞれの端部に固定されている。薄板金部品14の外径は開放管13の直径にほぼ相当する。管13を案内する折り曲げられた突起15が円周に亘って分配されている。
【0025】
図2に示したように、薄板金部品14は、関連したシール4の横断面に合致させられた中央開口19をも有している。
【0026】
この目的を確実に達成するために、薄板金部品の平面から僅かに突出させられたゾーン20が中央開口に隣接している。この目的のために、ゾーン20は5つのタブ21に分割されており、これらのタブは、半径方向に延びたスロット22によって互いから分離されている。
【0027】
まだ装着されていない状態において、これらのタブ21は最初は薄板金部品の他の部分とほとんど同じ平面に位置しているが、約5゜の角度で曲げられている。薄板金部品14がスリーブ7に押し嵌められると、タブは拡開し、そのプロセスにおいて中央開口の寸法を増大させ、この場合タブがスリーブを密に包囲する。シール4の直径はスリーブ7の直径よりも僅かに小さいので、タブがスリーブ7上を摺動させられて最終的にシール4に到達すると、タブは、シールとスリーブとの間の段部23に係止させられる。
【0028】
まだ装着されていない状態において、突起15も同様に最初は薄板金部品14の平面に位置している。なぜならば、最初は突起は打ち抜かれているからである(図2a参照)。次いで、打ち抜かれた薄板金部品は前処理され、前処理において、突起は約90゜折り曲げられ、適切であるならば、ゾーンの底部にパーフォレーションが設けられる。次いで、薄板金部品はシールに押し嵌められる。これに関しては、それぞれ折り曲げられた状態における、図2bに示された概略的な断面図及び図2cに示された斜視図が参照される。
【0029】
図3は、ばね鋼から形成された、周方向で連続的なリム26を有する薄板金部品25の1つの典型的な実施形態を示している。このリム26は接着剤によって管13の開放端部に固定されることができ、その結果、そこでは気密シールが可能となる。しかしながら、2つの薄板金部品は、これらの間に外管を単に固定すれば概して十分であり、この場合、薄板金部品自体はシールの縁部において固定される。外管が気密に保たれるための別の可能性は、シールリング40が、薄板金部品と開放管13の端部との間の接触領域に導入されることである(図3B参照)。
【0030】
図4は、矩形の開口28を有する薄板金部品27を示している。この薄板金部品27は、シールとしてピンチシールを有する放電容器に特に適している。
【0031】
図5は、屋根の形式で僅かに折り曲げられた突起31を有する薄板金部品30の典型的な実施形態を示している。この実施形態も、がたつきの騒音が確実に抑制されるように、外管3を締付け形式で固定する。
【0032】
最後に、図6はハロゲン白熱ランプ35を示しており、この場合、外管の一方の端部36は、ビード37に一体的に形成されることによって、自体公知の形式で、内部容器のシール4に固定されている。外管の他方の開放端部38は、前記のように薄板金部品14に固定されている。この場合、外管の中央部分12は端部36及び38よりも大きな直径を有する。溶融シール4の背後の開放管7は、前記溶融シール4よりも著しく大きな直径を有しており、その結果、薄板金部品14は溶融シールと開放管との間の縁部において確実に固定される。薄板金部品のばね力が十分に高く選択されているならばこのような縁部は絶対に必要というわけではないが、この縁部は固定効果を著しく高める。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】メタルハライドランプの斜視図を示している。
【図2a】薄板金部品の1つの典型低位な実施形態の平面図を示している。
【図2b】薄板金部品の1つの典型的な実施形態の断面図を示している。
【図2c】薄板金部品の1つの典型的な実施形態の斜視図を示している。
【図3a】薄板金部品の別の典型的な実施形態の断面図を示している。
【図3b】薄板金部品の別の典型的な実施形態の斜視図を示している。
【図4】薄板金部品の別の典型的な実施形態の平面図を示している。
【図5】薄板金部品の別の典型的な実施形態の断面図を示している。
【図6】ハロゲン白熱ランプの別の典型的な実施形態の側面図を示している。
【符号の説明】
【0034】
1 メタルハライドランプ、 2 放電容器、 3 電極、 4 溶融シール、 5 箔、 6 外部電源ライン、 7 管状スリーブ、 11 コーティング、 12 外管、 13 管、 14 薄板金部品、 15 突起、 19 中央開口、 20 ゾーン、 21 タブ、 22 スロット、 23 縁部、 25 薄板金部品、 26 リム、 27 薄板金部品、 28 開口、 30 薄板金部品、 31 突起、 35 ハロゲン白熱ランプ、 36 端部、 38 開放端部、 40 シールリング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外管(12)と、該外管内に配置された内部容器(2)、特に放電容器とを有しており、前記内部容器が細長くかつ2つの端部を有しており、該端部がシール(4)を有しており、外管(12)が内部容器(2)を部分的にのみ包囲している電気ランプにおいて、外管(12)が、ガラスから形成された、2つの端部を有する開放管(13)であり、少なくとも一方の端部が、弾性的な薄板金から形成された実質的に平らな薄板金部品(14)によってシールされており、薄板金部品が、関連したシールに固定されていることを特徴とする電気ランプ。
【請求項2】
薄板金部品(14)がディスク状であり、ディスクの外径が、開放管(13)の端部(38)の外径にほぼ相当している、請求項1記載のランプ。
【請求項3】
管(13)の端部の内側に当接する突起(15)が、薄板金部品の外周に亘って分配されている、請求項2記載のランプ。
【請求項4】
薄板金部品が、シール(4)の横断面に合致した中央開口(19)を有している、請求項2記載のランプ。
【請求項5】
薄板金部品(14)が、与えられた直径を備えた、比較的大きな直径を有する開放管(13)の形式の延長部分へ1つの縁部に亘って開放した円筒状であるシールによって、シール(4)に固く保持されており、薄板金部品の中央開口(19)の直径がシールの直径に合致させられている、請求項4記載のランプ。
【請求項6】
ゾーンが、半径方向に延びたスロット(22)によって複数のタブ(21)に分割されている、請求項5記載のランプ。
【請求項7】
管(13)における薄板金部品(30)の締付け作用が、屋根の形式で曲げられた突起(31)によって達成される、請求項3記載のランプ。
【請求項8】
シール(4)が円形の横断面を有しており、特に溶融シールを表す、請求項1記載のランプ。
【請求項9】
外管が、薄板金部品と開放管の端部との間の接触領域に導入されたシールリング(40)によって気密に保たれている、請求項1記載のランプ。
【請求項10】
内部容器(2)が2つの互いに向き合った端部において同一のシール(4)によってシールされており、外管が、2つの薄板金部品(14)によって内部容器のシールに固定されている、請求項1記載のランプ。
【請求項11】
請求項1から10までのいずれか1項記載の外管を有するランプを製造する方法において、開放した管(13)が内部容器(2)に中心を合わせて押し被せられ、次いで薄板金部品(14)が管の開放端部に配置され、突起が約90゜だけ折り曲げられており、中央開口が、関連したシールの横断面よりも僅かに小さく選択されており、その結果、薄板金部品がシールに配置されると、中央開口が、薄板金部品の平面から僅かに突出するように曲げられた包囲ゾーンの個々のタブによって、シールの直径にまで拡大されることを特徴とする、ランプを製造する方法。

【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図2c】
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【図3a】
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【図3b】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−286647(P2006−286647A)
【公開日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2006−103536(P2006−103536)
【出願日】平成18年4月4日(2006.4.4)
【出願人】(390009472)パテント−トロイハント−ゲゼルシヤフト フユール エレクトリツシエ グリユーラムペン ミツト ベシユレンクテル ハフツング (152)
【氏名又は名称原語表記】Patent−Treuhand−Gesellschaft fuer elektrische Gluehlampen mbH
【住所又は居所原語表記】Hellabrunner Strasse 1, Muenchen, Germany
【Fターム(参考)】