外耳に配置される非侵襲型の生理学的センサ
1つの実施の形態において、非侵襲型の生理学的センサ組立体は、耳の軟骨構造体を含む耳の組織箇所に装着することができ、確実な装着のみならず、生理学的測定値の少ない持ち時間を提供する。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
[0001] 本出願は、外耳に配置される非侵襲型の生理学的センサに関するシステム及び方法を含むものとする、これらにのみ限定されない、その内容の全体を参考として引用し、本明細書に含めた、「外耳に配置されるパルス式酸素測定プローブ(EXTERNAL EAR−PLACED PULSE OXIMETRY PROBE)」という名称にて2008年5月2日付けで出願した米国仮特許出願第61/050,085号について、35USC119(c)に基く利益を主張するものである。
【技術分野】
【0002】
[0002] 本発明は、全体として、非侵襲型の生理学的センサ用の装置及び方法、特に、耳に配置した非侵襲型の生理学的センサにて外側で測定する方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0003】
[0003] 非侵襲型の生理学的センサは、患者の健康状態をモニタリングし且つその健康状態を示す測定値を得るため身体に取り付けられる。非侵襲型の生理学的センサの1つの適用例は、循環する血液の酸素状態を測定するための非侵襲方法を提供する、パルス酸素測定法である。酸素測定法は、外科手術室、集中治療室及び新生児ユニット、一般病棟、家庭の療養及び身体鍛錬を含む、多様な医療分野にて急速に普及している。パルス酸素測定システムは、全体として、患者用のモニター装置と、ケーブルのような通信媒体と、1つの又はより多くのLED及び光検出器のような、エミッタ及び検出器を有する生理学的センサとを含む。センサは、指、足指、耳たぶ、鼻、手、足に、又は、エミッタからの光が透過することのできるパルス状血流を有するその他の箇所のような、皮膚箇所に装着される。検出器は、発した光が組織箇所内を流れるパルス状血液により減衰された後、その発した光に応答可能である。検出器は、通信媒体を渡ってモニター装置まで検出器の信号を送り出し、該通信媒体は、その信号を処理して酸素飽和度(SpO2)及びパルス数のような生理学的パラメータの読取り数値を提供する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
[0004] 光センサは、例えば、手術室、緊急治療室、麻酔後治療ユニット、重症治療ユニット、外来手術及び生理学的試験室のような、臨床環境にて広く使用されている。研究の結果、周囲温度の低下又は低灌流状態のような末梢血管の収縮を生じさせる状況は、センサにより行う測定値に120秒程度の精度の遅れを生じさせる可能性があることが示唆されている。急性期挿管(RSI)の間、患者の酸素状態をモニタリングするといった、ある環境において、ある臨床医は、脳の中心動脈の飽和状態をより迅速に追跡する読取り値を好む。患者のモニタリングしたデータの精度の点にて遅延時間を少なくし、特に、救急医療環境にてかかる遅延時間を少なくするための本発明の1つの実施の形態が開示されている。
【0005】
[0005] 看護人は、モニターする患者の指、前額、耳たぶ、頬又は鼻の上に光センサを配置することが多々ある。場合によっては、これらの位置は、入院前に又は救急治療の用途にて使用するのに実用的でなく、且つ(又は)特に、血管の収縮及び(又は)低灌流状態の間に灌流不足になるであろう組織を利用することになるであろう。
【0006】
[0006] このため、酸素付加の中心的な変化に対してより迅速に応答する組織箇所に配置することのできるセンサ組立体を提供することが望まれる。また、組織箇所に確実に装着される生理学的センサ組立体を有するセンサが望まれる。従って、本発明の1つの実施の形態は、軟骨構造体を含む、耳の組織箇所に装着することができ、測定の遅延時間が少なく且つ(又は)確実な装着を実現する、非侵襲型の生理学的センサ組立体を含む。
【0007】
[0007] 本発明の実施の形態を要約する目的のため、本発明の特定の特徴、有利な効果及び新規な特色を本明細書に記載した。勿論、かかる特徴、有利な効果又は特色の全てが任意の特定の実施の形態にて具体化されているとは限らないことを理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1A】耳測定位置に装着した本発明の1つの実施の形態による一例としての耳センサ組立体の斜視図を示す。
【図1B】図1Aの一例としての耳センサ組立体の相応する後方図を示す。
【図2A】図1Aの一例としての耳センサ組立体の実施の形態のヒンジが閉じた側面斜視図を示す。
【図2B】図1Aの一例としての耳センサ組立体の実施の形態のヒンジが閉じた前側斜視図を示す。
【図2C】図1Aの一例としての耳センサ組立体の実施の形態のヒンジが開いた底部右側斜視図を示す。
【図3】図1Aの耳センサ組立体の内側及び外側センサプローブ図のブロック図の簡略した前側斜視図を示す。
【図4】図1Aのセンサ組立体のブロック図の簡略した側面斜視図を示す。
【図5A】外耳を示し且つ本発明の1つの実施の形態によるセンサプローブのブロック図のおおよその位置を示す簡略化した前側斜視図である。
【図5B】外耳及び図5Aに示した本発明の1つの実施の形態による外側センサプローブのブロック図のおおよその位置を示す簡略化した後方斜視図である。
【図6】本発明の実施の形態に従い内側及び外側センサプローブを外耳に装着する簡略化したブロック図である。
【図7】センサプローブがハウジングに装着される耳センサ組立体の別の実施の形態を示す図である。
【図8】生理学的研究の一例としての結果を示す表である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
[0017] 図1Aは、本発明の実施の形態による、外耳に配置される非侵襲型の生理学的センサ組立体100の斜視図である。図1Bは、図1Aの一例の耳センサ組立体の、相応する後方図である。耳センサ100は、センサプローブ110、120、上側クリップアーム130、下側クリップアーム140、及びヒンジ要素150を備える、クリップ型センサとすることができる。センサプローブ110、120は、上側及び下側クリップアーム130、140の末端に配置することができる。センサプローブ110、120は、1つ以上のLED及び光検出器というような、パルス酸素測定センサの1つ以上のエミッタ及び検出器を収容することができる。センサプローブ110、120の双方は、エミッタ又は検出器を保持することができる。1つの実施の形態において、エミッタは、検出器に対向し、エミッタにより発した光は組織に衝突し、組織により減衰され、その後、減衰された光が検出器に衝突するようにする。センサ100は、ケーブル(図示せず)を介して患者用のモニター装置(図示せず)と接続することができる。例えば、検出器は、ケーブルを渡ってモニター装置に信号を送り出し、該ケーブルは、その後、信号を処理して酸素飽和度(SpO2)及びパルス数のような生理学的パラメータの読取り数値を提供する。1つの実施の形態において、ケーブルは、センサプローブ110、120を患者用のモニター装置に取り付ける。1つ又はより多くの線又は導線(図示せず)が内側センサプローブ110を外側センサプローブ120に接続することができる。ケーブル及び(又は)導線は、クリップアーム130、140内に収容してもいいし、クリップアーム130、140に装着してよいいし、クリップアームと接続しなくてもよい。
【0010】
[0018] センサ100は、上側及び下側クリップアーム130、140の基端部160、170に圧力を付与して、センサプローブ110、120の間に組織箇所を受け入れることができる開口部を形成することにより耳に配置することができる。組織箇所が開口部内に挿入されたとき、端部160、170に加わる圧力を解放して、上側(又は内側)及び下側(又は外側)センサプローブ110、120を組織箇所に接触させ、且つ、組立体100を組織箇所に実質的に確実に固定し、正確な非侵襲型の生理学的測定ができるようにする。センサプローブ110、120は、耳の軟骨構造体に順応する形状とされ、該軟骨構造体がセンサプローブ110、120に対する追加的な又は補助的な支持を提供し、より確実な接続を実現し、かかる接続は、患者が動き又は動かされる可能性のある、入院前及び緊急時にて使用する間、モニタリングする上にて有益である。例えば、内側センサプローブ110は、外管付近にて外耳の甲介(concha)内に挿入可能な形状とすることができる。当該技術の当業者により理解されるように、甲介は、その広義の意味にて、外耳の軟骨構造体により規定された中空部を含む。周囲の軟骨構造体は、内側センサプローブ110を規制し且つ該センサプローブを適正な位置に保持する作用を果たす。外側センサプローブ120は、内側センサプローブ110に対向して、外耳の裏側に配置し得る形状とすることができる。内側及び外側センサプローブ110、120は、エミッタ及び検出器を整合させるように配置することができる。上側及び下側クリップアーム130、140は、耳から外方に湾曲して、センサプローブ110、120との接触点以外の耳の部分との接触を少なくするようにする。このことは、組織の箇所とのより確実な装着状態を形成し、患者の不快感を少なくし、及び(又は)接触点とのより良好な接触を許容し、これによってより正確な非侵襲型の生理学的測定を提供する。
【0011】
[0019] 図1A及び図1Bのセンサに関して開示したが、当業者は、本明細書の開示から、多様な酸素測定センサ、光センサ、非侵襲型センサ、医療用センサ又は例えば、CO2、近赤外線分光計(NIRS)、乳酸/ピルビン酸及び(又は)灌流センサのような、本明細書に開示した耳センサによる利益を受けることのできる同様のものが認識されよう。センサプローブ110、120のサイズを調節し、小児科の適用例用として設計したサイズを含んで、任意のサイズの耳に合うようにプローブを調節することができる。センサプローブ110、120は、クリップアーム130、140から取り外すことができる。センサプローブ110、120は、使い捨て型又は再使用型プローブとして設計してもよい。上側及び下側クリップアーム130、140は、非侵襲型の生理学的センサ100の電気的/光学的構成要素を収容するハウジングとする。ケーブルは、内側センサプローブ110と接続し、また、外側センサプローブ120又はケーブルは、センサ110、120の双方をモニター装置と接続する。更に、耳センサ100は、携帯型モニター装置と共に使用することができる。かかるモニター装置は、PDAのような手持ち型装置内に一体化し、また、ケーブル又は別個のモニター装置を含まないようにし且つ(又は)例えば、それ自体が形態を設定し且つ(又は)品質管理のためモニター装置が使用することのできる記憶装置又はその他の電子装置を含むようにしてもよい。
【0012】
[0020] 図1A、図1Bに図示したように、外耳に対するセンサプローブ110、120の位置は、患者が低温度又は低血圧のときでさえ、良好な灌流状態を維持する耳の部分にて測定することを許容する。このことは、報告される測定の遅れすなわち遅延時間を引き起こすであろう組織を通るのろい流れに起因する信号の損失を防止することができる。例えば、甲介にての測定は、大量の流れ及び詰まることの少ない流れに起因して、耳たぶにて測定する場合よりも優れた測定結果を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
比較例
[0021] 以下の研究は、比較例を示すものであり、入院前の急性期挿管法(RSI)を行う間、指を使用する(すなわち、指に装着されるもの)プローブを使用する場合の遅延時間及びパルス酸素測定信号の損失を示す。しかし、この比較例は、本発明の実施の形態が有益である、1つの特徴を示すものにしか過ぎない。
方法
設計
[0022] これは、役立つであろうと集めた生理学的データを含む、エアメディカルRSIデータベースの二次的解析である。
環境
[0023] この検討の時点にて、マーキュリーエアメディカルサービス(Marcy Air Medical Service)は、南カリフォルニア州及びネバダ州の全体にわたって12のベースを持っていた。この解析のためのデータは、カリフォルニアの8つのベースから得た。クルーの構成員は、フライトナースたち及び1人の救急車技師から成るものとした。クルーは、地上の看護人の判断によるシーンの呼び出しに応答し且つ、RSIを含む、多様な最新の手順を実施する。平均的なRSI手順回数は、約2.5回/ベース/月である。
被験者
[0024] エアメディカルRSIを受けた全ての患者から生理学的データが得られ、これらの者をこの解析に含めるべく選んだ。選んだ患者は2006年7月から2007年6月の間に治療を受けた人とした。
【0014】
プロトコル
[0025] 研究期間中のRSIプロトコルは、次のもの、すなわち、再呼吸不可能なマスクを介して約1から約3分間、酸素補給状態にて受動的な前酸素付加、脳の損傷が疑われる場合、リドカイン(lidocaine)(約1.0から約1.5mg/kg i.v.)、エトミデート(etomidate)(約0.3mg/kgから最大量約20mg i.v.まで)及びサクシニルコリン(succinylcholine)(約1.5 mg/kg i.v)の前投薬を含むものとした。気管内管の確認後、ミダゾラム(Midazolam)(約2から約5 mg/kg i.v)及びベクロニウム(vecuronium)(約0.1mg/kg.i.v.)を投与した。RSIを受けた患者のモニタリングは、手持ち型の酸素測定−カプノメータ(capnometer)にて実行した。これらの装置は、非使い捨ての指式(指に取り付ける型式)プローブを含む。商業的に入手可能な使い捨て型の接着剤指式プローブは、エアメディカルのクルーの判断にて使用すべく利用できた。酸素測定−カプノメータ装置からのデータは、8秒の間隔で記憶させ、解析のため送り出した。この解析のためデータを採取する時点にて、エアメディカルのクルーは、定常的に、最初に気管内の管の配置状態を確認するため、定性型カプノメータ測定法を利用し、その後、指式カプノメータ測定法を使用した。それ以来、クルーは、最初の確認のため、指式カプノメータ測定法を利用することが推奨された。
データの解析
[0026] 酸素測定−カプノメータ装置からのデータは、ソフトウェアプログラムに送り出した。該ソフトウェアプログラムは、例えば、SpO2、心拍数、呼気終末の二酸化炭素(EtCO2)、及び(又は)換気量のような生理学的データをグラフにて表示し、また、保存した各データ点に対する時間及び絶対値を決定することを許容する。患者の電子治療記録から臨床データの概要をまとめた。最初の目的は、SpO2の遅延時間の発生を明確にすることであった。エアメディカルのクルーは、多数のSpO2プローブを同時に使用しなかった。RSI手順の間に酸素の脱飽和状態が生じた患者を識別し、その結果、呼吸停止の間、SpO2の低下が明確に生じ、それは、挿管後、急速に回復した。酸素の脱飽和状態は、当初のSpO2が既に約93%以下であった場合、約93%以下のSpO2の低下又は連続的なSpO2の低下として明確にした。首尾の良い挿管を実現するため、EtCO2の発生/換気データを使用した。
【0015】
[0027] エアメディカルのクルーは、研究期間中、定性型のカプノメータ測定法を定常的に使用したため、指式カプノメータ測定プローブを配置する前、気管内の管の配置を確認するため必要とした平均時間(37秒)を決定すべく、人体解剖模型シミュレータを利用した。挿管後、脱飽和状態の間に記録されたSpO2値が最低となったとき、遅延時間を決定した。この遅延時間は、EtCO2/換気データの発生前、約37秒の開始期間から、その発生後、約2分までの期間として規定した。第二の目的は、RSI手順の間、SpO2信号の損失の発生として規定することである。これは、EtCO2/換気データの発生前、少なくとも約3分から、その発生後、約3分の期間の間にSpO2データが存在しない場合として規定した。全てのデータは、記述的に提供し、適当なときは、95%の信頼間隔すなわち25から27の四分位値(quartiles)を使用した。
結果
[0028] 12ヶ月の研究期間中、エアメディカルRSIを受けた全210名の患者から生理学的RSIデータが得られた。このデータは、RSI期間中の遅延時間及びSpO2信号の損失を実証した。全210名の患者の内、86名は挿管前のデータが存在しないため、除外した。残りの124名の患者に対する臨床データ及び人口統計学的データが表1に掲げてある。これらの内、98名(79%)は、RSI期間中、少なくとも30秒間、SpO2信号の喪失または減少を示した。
【0016】
[0029] 110名の患者についてRSI間の酸素脱飽和の存在を決定するのに十分なデータが得られた。これらの内、49名は、脱飽和状態にあった(45%)。最小のSpO2記録値の平均値及び中央値は、それぞれ、76%(95% CI 72−79%)及び76%(25−75の四分値64−86%)であった。脱飽和の平均及び中央持続時間(全時間≦93%)は、それぞれ259秒(95% CI 142−379秒)及び176秒(25−75四分位値56−358秒)であった。酸素脱飽和となった49名の患者のうち、13名(27%)は、エピソード中、頻脈(心拍数>100ビート/分)となり、12(24%)は、徐脈(心拍数<60ビート数/分)となった。酸素脱飽和となった49名の患者の内、27名にて遅延時間が観察された。EtCO2の発生前の37秒の時間及び換気データが無い場合であっても、49名の患者の内23名(47%)は、ある遅延時間に対する基準に適合したであろう。
議論
[0030] 指式SpO2プローブを使用しての入院前のRSIの間、脱飽和と関係したパルス酸素測定信号の遅延時間の高発生率を記録に残すことができよう。入院前のRSIによる脱飽和状態の発生率は高く、また、SpO2が94%以下に低下したとき、脱飽和速度は増した。これらのデータは、それ以前に発表した報告と一致するが、このことは、入院前の環境にてパルス酸素測定の遅延時間を早期に記録に残すことができると考えられる。更に、多数のケースにて、RSI期間中、パルス酸素測定信号の損失が生ずると考えられる。これらのデータは、入院前RSIと関係した高い脱飽和率を部分的に考慮することができる。入院中の環境における救急RSIの間の脱飽和は、全てのケースの1/3以下にて報告されているが、入院前RSIについて報告された率は、全体として遥かに高かった。入院患者の環境にて指式プローブの使用は普及しているが、入院前の患者は、蘇生前の低血圧又は低い周囲温度の何れかの結果として、指の低灌流症状にかかる可能性が大きい。
【0017】
[0030.1] パルス酸素測定の遅延時間及び信号損失の因果関係は、主として、センサが配置される箇所に関係していると考えられる。指式SpO2プローブは、普及しているが、指の低灌流は、血液動態状況、腕の位置及び温度の変化に対し極めて敏感である。麻酔の文献において、「実時間」精度に関する有効性は、2つの因子、すなわち、軽度低体温症(身体の中心温度が約35から約36℃)及び血管活性薬剤の存在、による悪影響を受けることが実証されている。
【0018】
[0031] 性能特徴に基づいたSpO2値を得るための代替的な箇所は、より少ない遅延時間をもたらす可能性がある。例えば、本発明の実施の形態によるもののような、中央に配置したSpO2プローブは、入院前RSI又はその他の方法を受ける患者に対してより時宜に適した情報を提供することができる。ある臨床医は、脳の中心動脈の飽和をより迅速に追跡する読み取り値を好む。
【0019】
[0032] 同時に多数のプローブは使用されず、また、正確な挿管の時点を決定することができないから、この研究の主な制約は、遅延時間の規定を使用する点にある。しかし、旧来の規定を使用した場合でも、前ケースのほぼ半分は、SpO2の遅延時間が生ずることを実証することになった。更に、この現象は、プローブの箇所に特定的に関係していると確信することはできないが、この考え方を支持する既存の文献がある。最後に、解析には、患者の可変条件、前酸素付加の戦略、又は挿管を試みた回数は含めなかった。
【0020】
[0033] 比較例は、指式プローブを使用する入院前RSIの間、SpO2信号の遅延時間及び信号の損失の発生を記録している。これは、センサが配置される、指又は足指のような箇所に関係している可能性がある。本発明の実施の形態は、センサ組立体を組織箇所に実質的に取り外し可能に固定する一方、中心的な酸素付加の変化に比較的迅速に応答することができる。
【0021】
[0034] 図2A−Cは、図1Aの一例としての耳センサ組立体のそれぞれヒンジが閉じたときの斜視図、ヒンジが閉じた前側斜視図及びヒンジが開いた底部右側斜視図である。上述したように、内側センサプローブ110及び外側センサプローブ120は、端部160、170に圧力を加えることによりヒンジ要素150の周りにて分離させ、プローブ110、120の間の開口部が組織箇所に嵌るのに十分に大きくなるようにする。センサ100が組織箇所の周りに配置されたとき、上端及び下端160、170は解放し、プローブ110、120が耳に接触し且つ耳に解放可能に装着することを許容する。図示した実施の形態において、ヒンジ要素150は、可撓性のヒンジであるが、当業者は、本発明からばねヒンジのような、多様な型式のヒンジを使用することができることが認識されよう。図2A−Cに示したように、図示した実施の形態の内側及び外側センサプローブ110、120は非対称である。小さい内側センサプローブ110は、外耳の甲介内に配置すること等によって耳の軟骨構造体に順応する形態とされている。尚、大きい外側センサプローブ120は、外耳の裏側に配置される形態とされている。大きい外側センサプローブ120は、外耳とのより大きい接触面積を提供し、測定の質を向上させ且つ(又は)増大した摩擦係合を通じてより確実な装着を実現することができる。その他の実施の形態において、センサプローブは対称としてもよい。図2Aの図示した実施の形態において、センサ組立体100の長さは約2インチから3インチすなわち約5.1cmから約7.6cmとすることができる。幾つかの実施の形態において、センサ組立体は、センサが装着される耳のサイズに依存して、5.1cm(2インチ)よりも小さくし、又は、7.6cm(3インチ)よりも大きくすることができる。
【0022】
[0035] 図3は、図1Aの耳センサ組立体の内側及び外側センサプローブ110、120の簡略化したブロック図の正面斜視図を示す。内側センサプローブ110の幅は、頂部にて約2.0cm及び接触点にて約2.5cmである。外側センサプローブ120は、底部にて約3.5cm及び接触点にて約3.0cmである。内側及び外側センサプローブの幅の範囲は、小児科の適用例の小さいサイズを含んで、色々なサイズの耳に嵌まるよう約2.0cmよりも小さい程度から約3.5cmよりも小さい程度に変更することができる。図3の図示した実施の形態において、内側センサプローブは、凸型の接触点を有するが、外側センサプローブは、外耳内に又は外耳外にそれぞれより効果的に嵌まるよう凹型の接触点を有している。その他の実施の形態において、耳の軟骨構造体に一層良く嵌まるようにその他の形状体を使用することができる。
【0023】
[0036] 図4は、図1Aのセンサ組立体100のブロック図の簡略化した側面斜視図を示す。図示した実施の形態において、内側センサプローブ110は、約.75cmの深さ及び高さを有している。外側センサプローブ120は、約1.0cmの深さ及び高さを有している。内側及び外側センサプローブの深さ及び高さ範囲は、色々なサイズの耳に嵌まるよう約.75cm以下から約1.0cm以上にて変更することができる。その他の実施の形態において、センサプローブの高さ及び深さは、耳に一層良く嵌まるよう互いに変更することができる。
【0024】
[0037] 図5Aは、本発明の1つの実施の形態によるセンサプローブのブロック図の外耳及びおおよその配置位置の正面斜視図を示す。図示した実施の形態において、内側センサプローブ110は、対珠(antitragus)520の付近にて耳の甲介510内に嵌まる。対珠520は、甲介510内にて内側センサプローブ110に対し追加的なてこ力を提供し、内側センサプローブ110を更に固定することができる。外側センサプローブ120は、内側センサプローブ110に対向して耳の裏側に嵌まる。図5Bは、図5Aの外耳の簡略化した後方斜視図及び本発明の1つの実施の形態による外側センサプローブ120のブロック図のおおよその配置位置を示す。図示した実施の形態において、外側センサプローブ120は、耳輪尾(cauda helicis)に沿って配置されている。その他の実施の形態において、内側及び外側センサプローブ110、120は、耳のその他の位置に配置することができる。
【0025】
[0038] 図6は、本発明の1つの実施の形態に従い、内側及び外側センサプローブ110及び120を外耳に装着するブロック図の簡略図を示す。
【0026】
[0039] 図7は、センサプローブ110、120がハウジング180に装着された耳センサ組立体100の別の実施の形態を示す。上側クリップアーム130及び下側クリップアーム140は、電気的構成要素、電線及び(又は)ケーブル(図面の容易化のため図示せず)を保持するハウジング180を備えることができる。
【0027】
[0040] 色々な非侵襲型の生理学的センサ組立体を色々な実施の形態に関して詳細に開示した。しかし、これらの実施の形態は、単に一例としてのみ開示したものであり、以下の請求の範囲を限定するためのものではない。当該技術の当業者は、多数の変更例、改変例及び組み合わせが理解されよう。例えば、センサ組立体の色々な実施の形態は、任意の型式の生理学的パラメータを測定することのできるセンサと共に使用することができる。色々な実施の形態において、センサ組立体は、任意の型式の医療装置とすることができる。更に、センサ組立体は、耳のサイズ及び形状の変化に対応するように色々な形状及びサイズの実施の形態にて提供することができる。
【関連出願の相互参照】
【0001】
[0001] 本出願は、外耳に配置される非侵襲型の生理学的センサに関するシステム及び方法を含むものとする、これらにのみ限定されない、その内容の全体を参考として引用し、本明細書に含めた、「外耳に配置されるパルス式酸素測定プローブ(EXTERNAL EAR−PLACED PULSE OXIMETRY PROBE)」という名称にて2008年5月2日付けで出願した米国仮特許出願第61/050,085号について、35USC119(c)に基く利益を主張するものである。
【技術分野】
【0002】
[0002] 本発明は、全体として、非侵襲型の生理学的センサ用の装置及び方法、特に、耳に配置した非侵襲型の生理学的センサにて外側で測定する方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0003】
[0003] 非侵襲型の生理学的センサは、患者の健康状態をモニタリングし且つその健康状態を示す測定値を得るため身体に取り付けられる。非侵襲型の生理学的センサの1つの適用例は、循環する血液の酸素状態を測定するための非侵襲方法を提供する、パルス酸素測定法である。酸素測定法は、外科手術室、集中治療室及び新生児ユニット、一般病棟、家庭の療養及び身体鍛錬を含む、多様な医療分野にて急速に普及している。パルス酸素測定システムは、全体として、患者用のモニター装置と、ケーブルのような通信媒体と、1つの又はより多くのLED及び光検出器のような、エミッタ及び検出器を有する生理学的センサとを含む。センサは、指、足指、耳たぶ、鼻、手、足に、又は、エミッタからの光が透過することのできるパルス状血流を有するその他の箇所のような、皮膚箇所に装着される。検出器は、発した光が組織箇所内を流れるパルス状血液により減衰された後、その発した光に応答可能である。検出器は、通信媒体を渡ってモニター装置まで検出器の信号を送り出し、該通信媒体は、その信号を処理して酸素飽和度(SpO2)及びパルス数のような生理学的パラメータの読取り数値を提供する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
[0004] 光センサは、例えば、手術室、緊急治療室、麻酔後治療ユニット、重症治療ユニット、外来手術及び生理学的試験室のような、臨床環境にて広く使用されている。研究の結果、周囲温度の低下又は低灌流状態のような末梢血管の収縮を生じさせる状況は、センサにより行う測定値に120秒程度の精度の遅れを生じさせる可能性があることが示唆されている。急性期挿管(RSI)の間、患者の酸素状態をモニタリングするといった、ある環境において、ある臨床医は、脳の中心動脈の飽和状態をより迅速に追跡する読取り値を好む。患者のモニタリングしたデータの精度の点にて遅延時間を少なくし、特に、救急医療環境にてかかる遅延時間を少なくするための本発明の1つの実施の形態が開示されている。
【0005】
[0005] 看護人は、モニターする患者の指、前額、耳たぶ、頬又は鼻の上に光センサを配置することが多々ある。場合によっては、これらの位置は、入院前に又は救急治療の用途にて使用するのに実用的でなく、且つ(又は)特に、血管の収縮及び(又は)低灌流状態の間に灌流不足になるであろう組織を利用することになるであろう。
【0006】
[0006] このため、酸素付加の中心的な変化に対してより迅速に応答する組織箇所に配置することのできるセンサ組立体を提供することが望まれる。また、組織箇所に確実に装着される生理学的センサ組立体を有するセンサが望まれる。従って、本発明の1つの実施の形態は、軟骨構造体を含む、耳の組織箇所に装着することができ、測定の遅延時間が少なく且つ(又は)確実な装着を実現する、非侵襲型の生理学的センサ組立体を含む。
【0007】
[0007] 本発明の実施の形態を要約する目的のため、本発明の特定の特徴、有利な効果及び新規な特色を本明細書に記載した。勿論、かかる特徴、有利な効果又は特色の全てが任意の特定の実施の形態にて具体化されているとは限らないことを理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1A】耳測定位置に装着した本発明の1つの実施の形態による一例としての耳センサ組立体の斜視図を示す。
【図1B】図1Aの一例としての耳センサ組立体の相応する後方図を示す。
【図2A】図1Aの一例としての耳センサ組立体の実施の形態のヒンジが閉じた側面斜視図を示す。
【図2B】図1Aの一例としての耳センサ組立体の実施の形態のヒンジが閉じた前側斜視図を示す。
【図2C】図1Aの一例としての耳センサ組立体の実施の形態のヒンジが開いた底部右側斜視図を示す。
【図3】図1Aの耳センサ組立体の内側及び外側センサプローブ図のブロック図の簡略した前側斜視図を示す。
【図4】図1Aのセンサ組立体のブロック図の簡略した側面斜視図を示す。
【図5A】外耳を示し且つ本発明の1つの実施の形態によるセンサプローブのブロック図のおおよその位置を示す簡略化した前側斜視図である。
【図5B】外耳及び図5Aに示した本発明の1つの実施の形態による外側センサプローブのブロック図のおおよその位置を示す簡略化した後方斜視図である。
【図6】本発明の実施の形態に従い内側及び外側センサプローブを外耳に装着する簡略化したブロック図である。
【図7】センサプローブがハウジングに装着される耳センサ組立体の別の実施の形態を示す図である。
【図8】生理学的研究の一例としての結果を示す表である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
[0017] 図1Aは、本発明の実施の形態による、外耳に配置される非侵襲型の生理学的センサ組立体100の斜視図である。図1Bは、図1Aの一例の耳センサ組立体の、相応する後方図である。耳センサ100は、センサプローブ110、120、上側クリップアーム130、下側クリップアーム140、及びヒンジ要素150を備える、クリップ型センサとすることができる。センサプローブ110、120は、上側及び下側クリップアーム130、140の末端に配置することができる。センサプローブ110、120は、1つ以上のLED及び光検出器というような、パルス酸素測定センサの1つ以上のエミッタ及び検出器を収容することができる。センサプローブ110、120の双方は、エミッタ又は検出器を保持することができる。1つの実施の形態において、エミッタは、検出器に対向し、エミッタにより発した光は組織に衝突し、組織により減衰され、その後、減衰された光が検出器に衝突するようにする。センサ100は、ケーブル(図示せず)を介して患者用のモニター装置(図示せず)と接続することができる。例えば、検出器は、ケーブルを渡ってモニター装置に信号を送り出し、該ケーブルは、その後、信号を処理して酸素飽和度(SpO2)及びパルス数のような生理学的パラメータの読取り数値を提供する。1つの実施の形態において、ケーブルは、センサプローブ110、120を患者用のモニター装置に取り付ける。1つ又はより多くの線又は導線(図示せず)が内側センサプローブ110を外側センサプローブ120に接続することができる。ケーブル及び(又は)導線は、クリップアーム130、140内に収容してもいいし、クリップアーム130、140に装着してよいいし、クリップアームと接続しなくてもよい。
【0010】
[0018] センサ100は、上側及び下側クリップアーム130、140の基端部160、170に圧力を付与して、センサプローブ110、120の間に組織箇所を受け入れることができる開口部を形成することにより耳に配置することができる。組織箇所が開口部内に挿入されたとき、端部160、170に加わる圧力を解放して、上側(又は内側)及び下側(又は外側)センサプローブ110、120を組織箇所に接触させ、且つ、組立体100を組織箇所に実質的に確実に固定し、正確な非侵襲型の生理学的測定ができるようにする。センサプローブ110、120は、耳の軟骨構造体に順応する形状とされ、該軟骨構造体がセンサプローブ110、120に対する追加的な又は補助的な支持を提供し、より確実な接続を実現し、かかる接続は、患者が動き又は動かされる可能性のある、入院前及び緊急時にて使用する間、モニタリングする上にて有益である。例えば、内側センサプローブ110は、外管付近にて外耳の甲介(concha)内に挿入可能な形状とすることができる。当該技術の当業者により理解されるように、甲介は、その広義の意味にて、外耳の軟骨構造体により規定された中空部を含む。周囲の軟骨構造体は、内側センサプローブ110を規制し且つ該センサプローブを適正な位置に保持する作用を果たす。外側センサプローブ120は、内側センサプローブ110に対向して、外耳の裏側に配置し得る形状とすることができる。内側及び外側センサプローブ110、120は、エミッタ及び検出器を整合させるように配置することができる。上側及び下側クリップアーム130、140は、耳から外方に湾曲して、センサプローブ110、120との接触点以外の耳の部分との接触を少なくするようにする。このことは、組織の箇所とのより確実な装着状態を形成し、患者の不快感を少なくし、及び(又は)接触点とのより良好な接触を許容し、これによってより正確な非侵襲型の生理学的測定を提供する。
【0011】
[0019] 図1A及び図1Bのセンサに関して開示したが、当業者は、本明細書の開示から、多様な酸素測定センサ、光センサ、非侵襲型センサ、医療用センサ又は例えば、CO2、近赤外線分光計(NIRS)、乳酸/ピルビン酸及び(又は)灌流センサのような、本明細書に開示した耳センサによる利益を受けることのできる同様のものが認識されよう。センサプローブ110、120のサイズを調節し、小児科の適用例用として設計したサイズを含んで、任意のサイズの耳に合うようにプローブを調節することができる。センサプローブ110、120は、クリップアーム130、140から取り外すことができる。センサプローブ110、120は、使い捨て型又は再使用型プローブとして設計してもよい。上側及び下側クリップアーム130、140は、非侵襲型の生理学的センサ100の電気的/光学的構成要素を収容するハウジングとする。ケーブルは、内側センサプローブ110と接続し、また、外側センサプローブ120又はケーブルは、センサ110、120の双方をモニター装置と接続する。更に、耳センサ100は、携帯型モニター装置と共に使用することができる。かかるモニター装置は、PDAのような手持ち型装置内に一体化し、また、ケーブル又は別個のモニター装置を含まないようにし且つ(又は)例えば、それ自体が形態を設定し且つ(又は)品質管理のためモニター装置が使用することのできる記憶装置又はその他の電子装置を含むようにしてもよい。
【0012】
[0020] 図1A、図1Bに図示したように、外耳に対するセンサプローブ110、120の位置は、患者が低温度又は低血圧のときでさえ、良好な灌流状態を維持する耳の部分にて測定することを許容する。このことは、報告される測定の遅れすなわち遅延時間を引き起こすであろう組織を通るのろい流れに起因する信号の損失を防止することができる。例えば、甲介にての測定は、大量の流れ及び詰まることの少ない流れに起因して、耳たぶにて測定する場合よりも優れた測定結果を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
比較例
[0021] 以下の研究は、比較例を示すものであり、入院前の急性期挿管法(RSI)を行う間、指を使用する(すなわち、指に装着されるもの)プローブを使用する場合の遅延時間及びパルス酸素測定信号の損失を示す。しかし、この比較例は、本発明の実施の形態が有益である、1つの特徴を示すものにしか過ぎない。
方法
設計
[0022] これは、役立つであろうと集めた生理学的データを含む、エアメディカルRSIデータベースの二次的解析である。
環境
[0023] この検討の時点にて、マーキュリーエアメディカルサービス(Marcy Air Medical Service)は、南カリフォルニア州及びネバダ州の全体にわたって12のベースを持っていた。この解析のためのデータは、カリフォルニアの8つのベースから得た。クルーの構成員は、フライトナースたち及び1人の救急車技師から成るものとした。クルーは、地上の看護人の判断によるシーンの呼び出しに応答し且つ、RSIを含む、多様な最新の手順を実施する。平均的なRSI手順回数は、約2.5回/ベース/月である。
被験者
[0024] エアメディカルRSIを受けた全ての患者から生理学的データが得られ、これらの者をこの解析に含めるべく選んだ。選んだ患者は2006年7月から2007年6月の間に治療を受けた人とした。
【0014】
プロトコル
[0025] 研究期間中のRSIプロトコルは、次のもの、すなわち、再呼吸不可能なマスクを介して約1から約3分間、酸素補給状態にて受動的な前酸素付加、脳の損傷が疑われる場合、リドカイン(lidocaine)(約1.0から約1.5mg/kg i.v.)、エトミデート(etomidate)(約0.3mg/kgから最大量約20mg i.v.まで)及びサクシニルコリン(succinylcholine)(約1.5 mg/kg i.v)の前投薬を含むものとした。気管内管の確認後、ミダゾラム(Midazolam)(約2から約5 mg/kg i.v)及びベクロニウム(vecuronium)(約0.1mg/kg.i.v.)を投与した。RSIを受けた患者のモニタリングは、手持ち型の酸素測定−カプノメータ(capnometer)にて実行した。これらの装置は、非使い捨ての指式(指に取り付ける型式)プローブを含む。商業的に入手可能な使い捨て型の接着剤指式プローブは、エアメディカルのクルーの判断にて使用すべく利用できた。酸素測定−カプノメータ装置からのデータは、8秒の間隔で記憶させ、解析のため送り出した。この解析のためデータを採取する時点にて、エアメディカルのクルーは、定常的に、最初に気管内の管の配置状態を確認するため、定性型カプノメータ測定法を利用し、その後、指式カプノメータ測定法を使用した。それ以来、クルーは、最初の確認のため、指式カプノメータ測定法を利用することが推奨された。
データの解析
[0026] 酸素測定−カプノメータ装置からのデータは、ソフトウェアプログラムに送り出した。該ソフトウェアプログラムは、例えば、SpO2、心拍数、呼気終末の二酸化炭素(EtCO2)、及び(又は)換気量のような生理学的データをグラフにて表示し、また、保存した各データ点に対する時間及び絶対値を決定することを許容する。患者の電子治療記録から臨床データの概要をまとめた。最初の目的は、SpO2の遅延時間の発生を明確にすることであった。エアメディカルのクルーは、多数のSpO2プローブを同時に使用しなかった。RSI手順の間に酸素の脱飽和状態が生じた患者を識別し、その結果、呼吸停止の間、SpO2の低下が明確に生じ、それは、挿管後、急速に回復した。酸素の脱飽和状態は、当初のSpO2が既に約93%以下であった場合、約93%以下のSpO2の低下又は連続的なSpO2の低下として明確にした。首尾の良い挿管を実現するため、EtCO2の発生/換気データを使用した。
【0015】
[0027] エアメディカルのクルーは、研究期間中、定性型のカプノメータ測定法を定常的に使用したため、指式カプノメータ測定プローブを配置する前、気管内の管の配置を確認するため必要とした平均時間(37秒)を決定すべく、人体解剖模型シミュレータを利用した。挿管後、脱飽和状態の間に記録されたSpO2値が最低となったとき、遅延時間を決定した。この遅延時間は、EtCO2/換気データの発生前、約37秒の開始期間から、その発生後、約2分までの期間として規定した。第二の目的は、RSI手順の間、SpO2信号の損失の発生として規定することである。これは、EtCO2/換気データの発生前、少なくとも約3分から、その発生後、約3分の期間の間にSpO2データが存在しない場合として規定した。全てのデータは、記述的に提供し、適当なときは、95%の信頼間隔すなわち25から27の四分位値(quartiles)を使用した。
結果
[0028] 12ヶ月の研究期間中、エアメディカルRSIを受けた全210名の患者から生理学的RSIデータが得られた。このデータは、RSI期間中の遅延時間及びSpO2信号の損失を実証した。全210名の患者の内、86名は挿管前のデータが存在しないため、除外した。残りの124名の患者に対する臨床データ及び人口統計学的データが表1に掲げてある。これらの内、98名(79%)は、RSI期間中、少なくとも30秒間、SpO2信号の喪失または減少を示した。
【0016】
[0029] 110名の患者についてRSI間の酸素脱飽和の存在を決定するのに十分なデータが得られた。これらの内、49名は、脱飽和状態にあった(45%)。最小のSpO2記録値の平均値及び中央値は、それぞれ、76%(95% CI 72−79%)及び76%(25−75の四分値64−86%)であった。脱飽和の平均及び中央持続時間(全時間≦93%)は、それぞれ259秒(95% CI 142−379秒)及び176秒(25−75四分位値56−358秒)であった。酸素脱飽和となった49名の患者のうち、13名(27%)は、エピソード中、頻脈(心拍数>100ビート/分)となり、12(24%)は、徐脈(心拍数<60ビート数/分)となった。酸素脱飽和となった49名の患者の内、27名にて遅延時間が観察された。EtCO2の発生前の37秒の時間及び換気データが無い場合であっても、49名の患者の内23名(47%)は、ある遅延時間に対する基準に適合したであろう。
議論
[0030] 指式SpO2プローブを使用しての入院前のRSIの間、脱飽和と関係したパルス酸素測定信号の遅延時間の高発生率を記録に残すことができよう。入院前のRSIによる脱飽和状態の発生率は高く、また、SpO2が94%以下に低下したとき、脱飽和速度は増した。これらのデータは、それ以前に発表した報告と一致するが、このことは、入院前の環境にてパルス酸素測定の遅延時間を早期に記録に残すことができると考えられる。更に、多数のケースにて、RSI期間中、パルス酸素測定信号の損失が生ずると考えられる。これらのデータは、入院前RSIと関係した高い脱飽和率を部分的に考慮することができる。入院中の環境における救急RSIの間の脱飽和は、全てのケースの1/3以下にて報告されているが、入院前RSIについて報告された率は、全体として遥かに高かった。入院患者の環境にて指式プローブの使用は普及しているが、入院前の患者は、蘇生前の低血圧又は低い周囲温度の何れかの結果として、指の低灌流症状にかかる可能性が大きい。
【0017】
[0030.1] パルス酸素測定の遅延時間及び信号損失の因果関係は、主として、センサが配置される箇所に関係していると考えられる。指式SpO2プローブは、普及しているが、指の低灌流は、血液動態状況、腕の位置及び温度の変化に対し極めて敏感である。麻酔の文献において、「実時間」精度に関する有効性は、2つの因子、すなわち、軽度低体温症(身体の中心温度が約35から約36℃)及び血管活性薬剤の存在、による悪影響を受けることが実証されている。
【0018】
[0031] 性能特徴に基づいたSpO2値を得るための代替的な箇所は、より少ない遅延時間をもたらす可能性がある。例えば、本発明の実施の形態によるもののような、中央に配置したSpO2プローブは、入院前RSI又はその他の方法を受ける患者に対してより時宜に適した情報を提供することができる。ある臨床医は、脳の中心動脈の飽和をより迅速に追跡する読み取り値を好む。
【0019】
[0032] 同時に多数のプローブは使用されず、また、正確な挿管の時点を決定することができないから、この研究の主な制約は、遅延時間の規定を使用する点にある。しかし、旧来の規定を使用した場合でも、前ケースのほぼ半分は、SpO2の遅延時間が生ずることを実証することになった。更に、この現象は、プローブの箇所に特定的に関係していると確信することはできないが、この考え方を支持する既存の文献がある。最後に、解析には、患者の可変条件、前酸素付加の戦略、又は挿管を試みた回数は含めなかった。
【0020】
[0033] 比較例は、指式プローブを使用する入院前RSIの間、SpO2信号の遅延時間及び信号の損失の発生を記録している。これは、センサが配置される、指又は足指のような箇所に関係している可能性がある。本発明の実施の形態は、センサ組立体を組織箇所に実質的に取り外し可能に固定する一方、中心的な酸素付加の変化に比較的迅速に応答することができる。
【0021】
[0034] 図2A−Cは、図1Aの一例としての耳センサ組立体のそれぞれヒンジが閉じたときの斜視図、ヒンジが閉じた前側斜視図及びヒンジが開いた底部右側斜視図である。上述したように、内側センサプローブ110及び外側センサプローブ120は、端部160、170に圧力を加えることによりヒンジ要素150の周りにて分離させ、プローブ110、120の間の開口部が組織箇所に嵌るのに十分に大きくなるようにする。センサ100が組織箇所の周りに配置されたとき、上端及び下端160、170は解放し、プローブ110、120が耳に接触し且つ耳に解放可能に装着することを許容する。図示した実施の形態において、ヒンジ要素150は、可撓性のヒンジであるが、当業者は、本発明からばねヒンジのような、多様な型式のヒンジを使用することができることが認識されよう。図2A−Cに示したように、図示した実施の形態の内側及び外側センサプローブ110、120は非対称である。小さい内側センサプローブ110は、外耳の甲介内に配置すること等によって耳の軟骨構造体に順応する形態とされている。尚、大きい外側センサプローブ120は、外耳の裏側に配置される形態とされている。大きい外側センサプローブ120は、外耳とのより大きい接触面積を提供し、測定の質を向上させ且つ(又は)増大した摩擦係合を通じてより確実な装着を実現することができる。その他の実施の形態において、センサプローブは対称としてもよい。図2Aの図示した実施の形態において、センサ組立体100の長さは約2インチから3インチすなわち約5.1cmから約7.6cmとすることができる。幾つかの実施の形態において、センサ組立体は、センサが装着される耳のサイズに依存して、5.1cm(2インチ)よりも小さくし、又は、7.6cm(3インチ)よりも大きくすることができる。
【0022】
[0035] 図3は、図1Aの耳センサ組立体の内側及び外側センサプローブ110、120の簡略化したブロック図の正面斜視図を示す。内側センサプローブ110の幅は、頂部にて約2.0cm及び接触点にて約2.5cmである。外側センサプローブ120は、底部にて約3.5cm及び接触点にて約3.0cmである。内側及び外側センサプローブの幅の範囲は、小児科の適用例の小さいサイズを含んで、色々なサイズの耳に嵌まるよう約2.0cmよりも小さい程度から約3.5cmよりも小さい程度に変更することができる。図3の図示した実施の形態において、内側センサプローブは、凸型の接触点を有するが、外側センサプローブは、外耳内に又は外耳外にそれぞれより効果的に嵌まるよう凹型の接触点を有している。その他の実施の形態において、耳の軟骨構造体に一層良く嵌まるようにその他の形状体を使用することができる。
【0023】
[0036] 図4は、図1Aのセンサ組立体100のブロック図の簡略化した側面斜視図を示す。図示した実施の形態において、内側センサプローブ110は、約.75cmの深さ及び高さを有している。外側センサプローブ120は、約1.0cmの深さ及び高さを有している。内側及び外側センサプローブの深さ及び高さ範囲は、色々なサイズの耳に嵌まるよう約.75cm以下から約1.0cm以上にて変更することができる。その他の実施の形態において、センサプローブの高さ及び深さは、耳に一層良く嵌まるよう互いに変更することができる。
【0024】
[0037] 図5Aは、本発明の1つの実施の形態によるセンサプローブのブロック図の外耳及びおおよその配置位置の正面斜視図を示す。図示した実施の形態において、内側センサプローブ110は、対珠(antitragus)520の付近にて耳の甲介510内に嵌まる。対珠520は、甲介510内にて内側センサプローブ110に対し追加的なてこ力を提供し、内側センサプローブ110を更に固定することができる。外側センサプローブ120は、内側センサプローブ110に対向して耳の裏側に嵌まる。図5Bは、図5Aの外耳の簡略化した後方斜視図及び本発明の1つの実施の形態による外側センサプローブ120のブロック図のおおよその配置位置を示す。図示した実施の形態において、外側センサプローブ120は、耳輪尾(cauda helicis)に沿って配置されている。その他の実施の形態において、内側及び外側センサプローブ110、120は、耳のその他の位置に配置することができる。
【0025】
[0038] 図6は、本発明の1つの実施の形態に従い、内側及び外側センサプローブ110及び120を外耳に装着するブロック図の簡略図を示す。
【0026】
[0039] 図7は、センサプローブ110、120がハウジング180に装着された耳センサ組立体100の別の実施の形態を示す。上側クリップアーム130及び下側クリップアーム140は、電気的構成要素、電線及び(又は)ケーブル(図面の容易化のため図示せず)を保持するハウジング180を備えることができる。
【0027】
[0040] 色々な非侵襲型の生理学的センサ組立体を色々な実施の形態に関して詳細に開示した。しかし、これらの実施の形態は、単に一例としてのみ開示したものであり、以下の請求の範囲を限定するためのものではない。当該技術の当業者は、多数の変更例、改変例及び組み合わせが理解されよう。例えば、センサ組立体の色々な実施の形態は、任意の型式の生理学的パラメータを測定することのできるセンサと共に使用することができる。色々な実施の形態において、センサ組立体は、任意の型式の医療装置とすることができる。更に、センサ組立体は、耳のサイズ及び形状の変化に対応するように色々な形状及びサイズの実施の形態にて提供することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
耳の組織箇所に装着することのできる、非侵襲型の生理学的センサ組立体において、
光を発する形態とされた少なくとも1つのエミッタと、
前記少なくとも1つのエミッタを位置決めする形態とされた第一のハウジングと、
前記センサ組立体の装着者の耳の組織により減衰された光を検出する形態とされた少なくとも1つの検出器と、
前記少なくとも1つの検出器を前記少なくとも1つのエミッタに対向する位置に配置する形態とされた第二のハウジングとを備え、
前記第一及び第二のハウジングは、前記少なくとも1つのエミッタ及び前記少なくとも1つの検出器の一方を耳の甲介内に位置決めし、前記少なくとも1つのエミッタ及び前記少なくとも1つの検出器の他方を耳の裏側に位置決めするようになされている、非侵襲型の生理学的センサ組立体。
【請求項2】
請求項1に記載のセンサ組立体において、前記第一のハウジングは、前記第二のハウジングよりも小さい形状を有する、センサ組立体。
【請求項3】
請求項1に記載のセンサ組立体において、前記第一の部分及び前記第二の部分は、耳の軟骨構造体に順応する形態とされる、センサ組立体。
【請求項4】
請求項1に記載のセンサ組立体において、前記第一のハウジング及び前記第二のハウジングを互いに機械的に連結するヒンジ部分を更に備える、センサ組立体。
【請求項5】
請求項4に記載のセンサ組立体において、前記第一のハウジングは、第一のアームを更に備え、前記第二のハウジングは、第二のアームを更に備え、前記第一及び第二のアームは、前記組織箇所から離れるように外方に湾曲して延びている、センサ組立体。
【請求項6】
非侵襲型の生理学的センサ組立体を耳の組織箇所に位置決めする方法において、
少なくとも1つのエミッタを含む第一の部分を備えるセンサ組立体であって、検出器を含む第二の部分を更に備え、前記第一の部分及び第二の部分が互いに向けて偏倚されている、前記センサ組立体を提供するステップと、
前記組織箇所が前記第一の部分と前記第二の部分との間に配置されるように、前記センサ組立体を、耳の軟骨構造体を含む前記組織箇所に取り外し可能に装着するステップと、を備える、方法。
【請求項7】
請求項6に記載の方法において、前記センサ組立体を装着するステップは、前記耳の甲介内に前記センサ組立体を装着するステップを含む、方法。
【請求項8】
請求項7に記載の方法において、前記センサ組立体を装着するステップは、前記第一の部分を前記耳の前記甲介内の形状に順応させるステップを更に含む、方法。
【請求項9】
請求項7に記載のセンサ組立体において、前記センサ組立体を装着するステップは、前記第二の部分の前記検出器を耳の裏側にて前記第一の部分の少なくとも1つのエミッタと整合させるステップを更に含む、センサ組立体。
【請求項10】
請求項6に記載のセンサ組立体において、前記センサ組立体を装着するステップは、前記第一の部分及び前記第二の部分を耳の前記軟骨構造体の形状に順応させるステップを更に含む、センサ組立体。
【請求項1】
耳の組織箇所に装着することのできる、非侵襲型の生理学的センサ組立体において、
光を発する形態とされた少なくとも1つのエミッタと、
前記少なくとも1つのエミッタを位置決めする形態とされた第一のハウジングと、
前記センサ組立体の装着者の耳の組織により減衰された光を検出する形態とされた少なくとも1つの検出器と、
前記少なくとも1つの検出器を前記少なくとも1つのエミッタに対向する位置に配置する形態とされた第二のハウジングとを備え、
前記第一及び第二のハウジングは、前記少なくとも1つのエミッタ及び前記少なくとも1つの検出器の一方を耳の甲介内に位置決めし、前記少なくとも1つのエミッタ及び前記少なくとも1つの検出器の他方を耳の裏側に位置決めするようになされている、非侵襲型の生理学的センサ組立体。
【請求項2】
請求項1に記載のセンサ組立体において、前記第一のハウジングは、前記第二のハウジングよりも小さい形状を有する、センサ組立体。
【請求項3】
請求項1に記載のセンサ組立体において、前記第一の部分及び前記第二の部分は、耳の軟骨構造体に順応する形態とされる、センサ組立体。
【請求項4】
請求項1に記載のセンサ組立体において、前記第一のハウジング及び前記第二のハウジングを互いに機械的に連結するヒンジ部分を更に備える、センサ組立体。
【請求項5】
請求項4に記載のセンサ組立体において、前記第一のハウジングは、第一のアームを更に備え、前記第二のハウジングは、第二のアームを更に備え、前記第一及び第二のアームは、前記組織箇所から離れるように外方に湾曲して延びている、センサ組立体。
【請求項6】
非侵襲型の生理学的センサ組立体を耳の組織箇所に位置決めする方法において、
少なくとも1つのエミッタを含む第一の部分を備えるセンサ組立体であって、検出器を含む第二の部分を更に備え、前記第一の部分及び第二の部分が互いに向けて偏倚されている、前記センサ組立体を提供するステップと、
前記組織箇所が前記第一の部分と前記第二の部分との間に配置されるように、前記センサ組立体を、耳の軟骨構造体を含む前記組織箇所に取り外し可能に装着するステップと、を備える、方法。
【請求項7】
請求項6に記載の方法において、前記センサ組立体を装着するステップは、前記耳の甲介内に前記センサ組立体を装着するステップを含む、方法。
【請求項8】
請求項7に記載の方法において、前記センサ組立体を装着するステップは、前記第一の部分を前記耳の前記甲介内の形状に順応させるステップを更に含む、方法。
【請求項9】
請求項7に記載のセンサ組立体において、前記センサ組立体を装着するステップは、前記第二の部分の前記検出器を耳の裏側にて前記第一の部分の少なくとも1つのエミッタと整合させるステップを更に含む、センサ組立体。
【請求項10】
請求項6に記載のセンサ組立体において、前記センサ組立体を装着するステップは、前記第一の部分及び前記第二の部分を耳の前記軟骨構造体の形状に順応させるステップを更に含む、センサ組立体。
【図1A】
【図1B】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図7】
【図8】
【図1B】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図7】
【図8】
【公表番号】特表2011−519634(P2011−519634A)
【公表日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−507700(P2011−507700)
【出願日】平成21年5月1日(2009.5.1)
【国際出願番号】PCT/US2009/042616
【国際公開番号】WO2009/135185
【国際公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【出願人】(592130699)ザ リージェンツ オブ ザ ユニバーシティ オブ カリフォルニア (364)
【氏名又は名称原語表記】The Regents of The University of California
【Fターム(参考)】
【公表日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年5月1日(2009.5.1)
【国際出願番号】PCT/US2009/042616
【国際公開番号】WO2009/135185
【国際公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【出願人】(592130699)ザ リージェンツ オブ ザ ユニバーシティ オブ カリフォルニア (364)
【氏名又は名称原語表記】The Regents of The University of California
【Fターム(参考)】
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