説明

外装品取付構造

【課題】車体下部の整流効果と外観性を向上することができる外装品取付構造を提供する。
【解決手段】外装品3は、バンパー2を車両本体1Aに取付ける固定部材7を被覆し、当該固定部材7が外部から視認できないようにすることができる。第2ボルト26を下方Z1から挿通して固着部のナットに螺合することにより、外装品3をバンパー2に取付ける構造とした。これにより、外装品3取付構造は、バンパー2を車両本体1Aから取り外さずに、外装品3を着脱することができるので、外装品3の着脱における作業性を向上することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外装品取付構造に関し、特に車両に取付けられたバンパーに外装品を取付ける取付構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
スポイラーを車両後部に取付けるスポイラー取付構造が開示されている(例えば特許文献1)。上記特許文献1では、スポイラーに、当該スポイラーを車両後部に固定する挿通穴とスクリューの逃げ部とを設け、当該逃げ部を開閉自在のカバーで覆うことにより、外観性を向上し得るという効果を発揮する。
【0003】
また、図10に示すように、車両本体100に取付けられるバンパー101の下端に、走行風を整流することを目的として、外装品102が取付けられる場合があった。なお、バンパー101は、ボルトやクリップなどの固定部材103により車両本体100に着脱自在に固定されている。この場合、外装品102は、バンパー101を車両本体100に取付ける固定部材103を避けるように切欠き104が形成されているので、当該固定部材103が露出し、走行風の流れが乱れ空気抵抗が増加したり、外観性を損なうという問題がある。また、外装品102とバンパー101の素材が異なる場合は、当該切欠き104が目立ち、全体として不揃いとなるので、より外観性が損なわれることになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7−81632号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、車体下部の整流効果と外観性を向上することができる外装品取付構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の請求項1に係る発明は、車両本体に固定部材を介して固定されるバンパーに、外装品を着脱自在に取付ける外装品取付構造であって、前記外装品は、前記固定部材を被覆して前記バンパーに取付けられていることを特徴とする。
【0007】
本発明の請求項2に係る発明は、前記バンパーに固着部を設け、前記外装品の外側から締結具を挿入して、当該締結具を前記固着部に締結することにより、前記外装品を前記バンパーに取付けることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明の請求項1によれば、外装品で固定部材を被覆することにより、車体下部の整流効果と外観性を向上することができる。
【0009】
本発明の請求項2によれば、外装品の外側から締結具を固着部に締結することにより外装品をバンパーに取付けることができるので、外装品を容易に着脱することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】外装品を車両に取り付けた状態を示す斜視図である。
【図2】バンパーの構成を示す車両の下方から見た斜視図である。
【図3】外装品の全体構成を示す斜視図である。
【図4】固着部の構成を示すバンパーの内側から見た斜視図である。
【図5】固着部の構成を示す断面図である。
【図6】外装品をバンパーに取付ける手順を示す車両の下方から見た斜視図である。
【図7】取付部材の構成を示す断面図である。
【図8】外装品を車両に取り付けた状態を示す車両の下方から見た斜視図である。
【図9】外装品を車両に取り付けた状態を示す車両の部分正面図である。
【図10】従来例を示す車両の部分正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。図1は、車両1に着脱自在に固定されたバンパー2に、外装品3を取付けた状態を示す。本図において、バンパー2は、車両1の前方端に着脱自在に設けられたフロントバンパーである。なお、図中、車両進行方向をXとし、車両1の左右方向をY、高さ方向をZとして説明する。また、車両1進行方向において、前方をX1、後方をX2とする。また、車両1の下方をZ1、上方をZ2とする。
【0012】
バンパー2は、ポリプロピレン、繊維強化プラスチックや、カーボンファイバーなどで、車両1の前端下部を覆い得るように形成されている。このバンパー2は、下辺2Aの中央に横長凹部4が形成されている。
【0013】
また、外装品3は、種々のものが考えられるが、本図では、フロントロアガーニッシュである。この外装品3は、前記バンパー2の横長凹部4に着脱自在に取付けられている。このようにバンパー2の下部に設けられた外装品3は、バンパー2に当接し車両1の下方を後方へ流れる走行風を、整流し得るように構成されている。
【0014】
バンパー2は、図2に示すように、底板6に設けられた固定部材7により、車両本体1Aに固定されている。固定部材7は、種々のものが考えられるが、本図では、ボルトが用いられている。なお、バンパー2は、前記固定部材7だけでなく、底板6以外の他の箇所においても図示しない固定手段により、車両本体1Aに固定されている。底板6には、種々の凹凸が形成されている。また、底板6は、取付穴8が形成されている。取付穴8は、第1取付穴9、第2取付穴10、第3取付穴11を一組として、全体として6組が形成されている。
【0015】
外装品3は、図3に示すように、矩形状の板状部材で構成され、バンパー2を車両本体1Aに固定する固定部材7を被覆し得るように形成されている。この外装品3は、金属製、例えばアルミニウムの板をプレス加工することにより成形されている。また、外装品3には、厚さ方向に貫通した貫通穴15が合計6個形成されている。当該貫通穴15は、前記バンパー2に設けられた第2取付穴10の位置に対応した位置に形成されている。さらに外装品3は、中央が車両1の下方に向かって膨出しており、バンパー2の底板6に形成された凹凸を被覆し得るように形成されている。
【0016】
バンパー2には、図4に示すように、底板6の内側表面6Aに固着部18が設けられている。固着部18は、板状本体19と、当該板状本体19に穿設されたタップ孔20と、ナット21と、位置決め突起22とを有する。ナット21は、図5に示すように、板状本体19の一側表面19Aに一体的に設けられ、板状本体19に穿設された挿通穴23の同軸上に設けられている。また、位置決め突起22は、板状本体19から他側表面19Bから突出している。このように構成された固着部18は、各取付穴8に一体的に設けられる。
【0017】
すなわち、固着部18は、板状本体19の他側表面19Bを底板6の内側表面6Aに対向させた状態で配置される。そして、位置決め突起22を第1取付穴9に挿入し、底板6の外側表面6Bから第3取付穴11に挿通した第1ボルト25をタップ孔20に螺合することにより、固着部18は底板6の内側表面6Aに固定される。ここで、ナット21と第2取付穴10とは、同軸となるように設けられている。この場合、固着部18は、位置決め突起22を第1取付穴9に挿入することにより、所定の位置に配置することができるので、より確実にナット21と第2取付穴10とが同軸となるように配置することができる。
【0018】
外装品3は、図6に示すように、車両本体1Aに固定されたバンパー2に対し取付けられる。なお、バンパー2は、上記したように予め底板6の内側表面6Aに固着部18が固定されている。外装品3は、長手方向が車両1の左右方向Yとなるように配置され、底板6の外側表面6Bに、締結具としての第2ボルト26によって取付けられる。
【0019】
第2ボルト26は、図7に示すように、外装品3に設けられた貫通穴15と、底板6の第2取付穴10へ、下方Z1から順に挿通され、固着部18のナット21に螺合される。この場合、第1ボルトは、外装品3によって被覆される。本実施形態の場合、固着部18と、第2ボルト26により、取付部材30が構成されている。
【0020】
このように、本発明に係る外装品3取付構造によれば、第2ボルト26を下方Z1から挿通して固着部18のナット21に螺合することにより、外装品3をバンパー2に取付ける構造とした。これにより、外装品3取付構造は、バンパー2を車両本体1Aから取り外さずに、外装品3を着脱することができるので、外装品3の着脱における作業性を向上することができる。
【0021】
したがって、外装品3取付構造は、容易に外装品3を着脱することができるため、必要に応じて外装品3を取り外すことにより、当該外装品3の損傷を防止することができる。例えば、牽引ロープ(図示しない)によって、車両1を牽引する際、牽引ロープが外装品3と干渉する場合や、バンパー2の下面を路面に擦る可能性のある道路を走行する場合に、外装品3を容易に取り外すことができるので、外装品3の損傷を防止することができる。
【0022】
また、図8に示すように、外装品3は、バンパー2を車両本体1Aに取付ける固定部材7を被覆し、当該固定部材7が外部から視認できないようにすることができる。さらに、図9に示すように、外装品3は、従来の切欠きをなくしたことにより、整流効果を向上できると共に、固定部材7を外部から視認できないように構成されているので、従来に比べ格段と前方X1からの外観性を向上することができる。
【0023】
また、固着部18は、第1ボルト25と位置決め突起22の2点でバンパー2に固定されていることにより、第2ボルト26を着脱する際、固着部18がともに回転するのを防いで、より確実に第2ボルト26を着脱することができる。
【0024】
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨の範囲内で適宜変更することができる。例えば、上記実施形態の場合、固定部材7は、ボルトを用いた場合について説明したが、本発明はこれに限らず、クリップを用いることもできる。
【0025】
また、上記実施形態の場合、バンパー2は、フロントバンパーである場合について説明したが、本発明はこれに限らず、リアバンパーでもよい。
【0026】
また、上記実施形態の場合、外装品3は、フロントロアガーニッシュである場合について説明したが、本発明はこれに限らず、スキッドガード、スキッドプレート、アンダースポイラーなどに適用することもできる。
【0027】
また、外装品3は、アルミニウムで形成した場合について説明したが、本発明はこれに限らず、チタン、ステンレスなどで形成してもよい。
【符号の説明】
【0028】
1 車両
1A 車両本体
2 バンパー
3 外装品
7 固定部材
18 固着部
26 第2ボルト(締結具)
30 取付部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両本体に固定部材を介して固定されるバンパーに、外装品を着脱自在に取付ける外装品取付構造であって、前記外装品は、前記固定部材を被覆して前記バンパーに取付けられていることを特徴とする外装品取付構造。
【請求項2】
前記バンパーに固着部を設け、
前記外装品の外側から締結具を挿入して、当該締結具を前記固着部に締結することにより、前記外装品を前記バンパーに取付けることを特徴とする請求項1記載の外装品取付構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−63048(P2011−63048A)
【公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−212905(P2009−212905)
【出願日】平成21年9月15日(2009.9.15)
【出願人】(390005430)株式会社ホンダアクセス (205)