説明

外部機能手段を装置に接続するための機器、同様の機器を含む装置、および、接続方法

本発明は、少なくとも1つの外部機能手段(9)を装置に接続するための機器(1)であって、その間に外部機能手段(9)を受けるための少なくとも1つの第1の接触部(3)および少なくとも1つの第2の接触部(7)を含み、少なくとも第1の接触部(3)または第2の接触部(7)が移動できるように配置される機器(1)に関する。また、本発明は、本発明の機器(1)を使用することにより少なくとも1つの外部機能手段(9)を装置に接続するための方法、および、本発明の少なくとも1つの機器(1)を含む装置に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1つの外部機能手段を装置に接続するための請求項1の前文に係る機器に関する。また、本発明は、本発明の機器を使用することにより少なくとも1つの外部機能手段を装置に接続するための請求項15の前文に係る方法、および、本発明の機器を含む請求項16に係る装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば医療技術の処理機、臨床技術装置、または、食品製造のための装置などの技術装置では、装置に対する外部機能手段の機能的結合が頻繁に想定される。そのような外部機能手段の1つの例が独国特許第102007042964号明細書に記載される使い捨てカセットである。
【0003】
そのような外部機能手段の機能的結合は、通常、装置側のセンサおよびアクチュエータと外部機能手段との適切な協働を可能にするため、装置上または装置でのそれらの正しい位置決めおよび/または固定を必要とする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、少なくとも1つの外部機能手段を装置に接続するための他の機器を提供することである。また、本発明は、少なくとも1つの外部機能手段を接続するための方法、並びに、同様の機器を含む装置を特定することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の目的は、請求項1の特徴を有する機器によって達成される。
【0006】
本発明の機器は、接続に役立ち、あるいは、装置に対する少なくとも1つの外部機能手段の接続、特に結合に役立つとともに、この目的のために、少なくとも1つの第1の接触部と少なくとも1つの第2の接触部とを有する少なくとも1つの受け入れ手段を含み、第1の接触部と第2の接触部との間に外部機能手段を受け入れることができる。ここで、少なくとも第1の接触部および/または第2の接触部は、移動できるように配置され、好ましくは装着される。「移動できる」とは、移動できる接触部の自動的に調整する可動性または移動性であると理解されるのが好ましい。
【0007】
しかしながら、本発明の意味の範囲内で、例えばドアのよく知られた回動動作などのヒンジでのサスペンション周りの単なる回動動作等の移動性が表現「移動できる」により排除される場合がある。あるいは、一方では、この意味は、表現「移動できる」に関連して本発明により明確に包含される場合がある。
【0008】
第1および/または第2の接触部は、例えば、揺動できる、したがって、少なくとも接続動作中に少なくとも1つの方向で少なくとも揺動できるように配置され、好ましくは装着されて設けられてもよい。
【0009】
ここで使用される「外部機能手段」は、熱交換器、測定機器、多機能使い捨てカセット等であってもよい。
【0010】
本発明にしたがって考慮される外部機能手段は、血液や置換液などの医用流体を伝導するのに適していてもよい。そのような外部機能手段は、例えば、血液伝導カセットであってもよい。外部機能手段は体外血液循環の一部を含んでもよい。特に、外部機能手段は、その関連する開示内容の全体が参照することにより本願に組み入れられる独国特許第102007042964号明細書に記載される使い捨てカセットとして構成されてもよい。本開示の文脈では、表現「含んでもよい」、「であってもよい」等が、ここでおよび他の場所で使用される表現「含むことが好ましい」、「のが好ましい」等と同じ意味であると言うことができる。
【0011】
外部機能手段は、好ましくは、エネルギ、測定値、および/または、機械的動作および力を装置へ伝えてもよく、あるいは、これらを装置から受けてもよく、また、装置と流体連通してもよい。あるいは、しかしながら、外部機能手段は、装置と相互作用しないおよび/または信号通信しないおよび/または流体連通しない状態で装置により保持されるだけでもよい。
【0012】
受けられるべきあるいは接続されるべき外部機能手段は、少なくとも1つの面にカバーを有してもよい。そのようなカバーは膜であってもよい。膜は、センサおよび/またはアクチュエータおよび/または導管および/またはその一部を受けるために設けられてもよい。膜は、そのような構成要素を受けるための開口を有してもよく、および/または、そのような構成要素が膜および/または膜の積層体中に組み込まれてもよい。
【0013】
本発明の意味の範囲内の「装置(arrangement)」は、例えば血液処理器などの医療技術装置、例えば、透析器、血液透析器、血液透析濾過器等、臨床技術における装置、薬剤または食品製造における装置などであってもよい。
【0014】
ここで使用される表現「接続する」は、装置に対する外部機能手段の機能的なおよび/または機械的な接続を示しあるいは包含してもよい。
【0015】
ここで使用される表現「結合する」は、外部機能手段の結合状態で、外部機能手段と装置との間の相互作用または信号通信または流体連通を含む、装置側の結合相手に対する外部機能手段の機能的なおよび/または機械的な接続を示しあるいは包含してもよい。
【0016】
「装置の結合相手」は、例えば、センサなどの測定機器であってもよい。結合相手は流体導管等として構成されてもよい。
【0017】
本発明の意味の範囲内の「受け入れ手段」は、少なくとも1つの外部機能手段を受けるのに適する手段である。受け入れは、外部機能手段の保持、取り囲み、包囲、覆い等、および、それらの組み合わせを意味してもよい。
【0018】
受け入れ手段の「第1の接触部」は、本発明の機器自体または装置に設けられるのが好ましい。第1の接触部は、地球の中心に対して移動できるように、例えば垂直および/または水平にあるいは他の方向に揺動するように機器または装置の内側に配置されてもよい。
【0019】
第1の接触部は様々な機能を有してもよい。したがって、第1の接触部は、例えば、外部機能手段を方向付け、外部機能手段をロックし、および/または、押圧力を外部機能手段へ伝えるのに役立ち、並びに、前述した機能の組み合わせを果たすようになっていてもよい。
【0020】
第1の接触部は、外部機能手段の押圧を支えるおよび/またはそれを保持するための更なる手段、例えば押圧手段および/またはロック手段を更に含んでもよく、あるいは、そのような手段に接続されてもよい。
【0021】
第1の接触部は、「結合面」、「アクチュエータ−センサプレート」(要するに、「ASプレート」)、または、機械界面であってもよい。
【0022】
表現「結合面」とは、例えば、装置および/または機器のキャリア要素および/または支持要素および/または測定機器等の上端面の少なくとも1つの部分のことであってもよい。
【0023】
「ASプレート」は、アクチュエータおよび/またはセンサおよび/または外部機能手段またはその一部に結合するための導管を含んでもよい。
【0024】
平坦または平面的であってもよい(しかし、そうである必要はない)結合面により、外部機能手段と機器または装置の一部との間の相互作用または信号通信を確立することができる。
【0025】
ここで使用される意味における「アクチュエータ」としては、例えばバルブ、位置決めおよび/または調整部材、モータオペレータ、圧力ピストンなど(これらに限定されることはない)の機械的なおよび/または空気圧的なおよび/または電気的な構成要素が挙げられる。
【0026】
ここに示される「センサ」は、電気的センサ、光学的センサ、音響的センサ、仮想的および/またはデジタルセンサ、トランスデューサおよび/またはプローブなど(先と同様にこれらに限定されることはない)を包含する。
【0027】
センサは、特定の物理的および/または化学的な特性および/またはその変化、例えば、効果、特性、質等の増大または減少、例えば温度、圧力、湿度、光信号、例えば輝度および/または組成体の光学的変化、熱放射、音、流量、および/または、その環境の材料品質を定性的または定量的に検出してもよい。
【0028】
そのようなセンサは、受動センサまたは能動センサとして構成されてもよい。
【0029】
本発明にしたがって使用される場合がある導管としては、流体導管、例えば、血液伝導通路、置換物導管、電気ライン、例えばガラスファイバケーブルなど(これらに限定されることはない)の信号通信用のラインなどを挙げることができる。
【0030】
受け入れ手段の「第2の接触部」は、第1の接触部のように構成されてもよく、同じ機能を有することが好ましい。
【0031】
「第2の接触部」は押圧プレートであってもよい。第2の接触部は、平坦形状、段付き形状、波形状、または、何らかの他の形状に構成されてもよい。第2の接触部は、点状の接触または面接触の形態で外部機能手段と接触してもよい。第2の接触部は、その幾何学的形状が、結合状態または非結合状態で、結合されるべき外部機能手段の延在部に対応する部分を含んでもよい。これは、外部機能手段の受け入れおよび/または方向付けを容易にするあるいは有利にする。
【0032】
第2の接触部は、移動できるあるいは固定するように構成されてもよい。
【0033】
第2の接触部は、外部機能手段と間接的にあるいは直接的に接触するように設けられてもよい。
【0034】
第2の接触部は、本発明の機器または装置あるいはそのそれぞれの一部の内部を閉じるためのドアまたは蓋であってもよい。
【0035】
本発明の有利な進展または好ましい実施形態がそれぞれの従属請求項の主題である。
【0036】
本発明の好ましい実施形態では、機器が少なくとも1つの外周支持手段を含む。第1の接触部は支持手段の内部に装着されてもよい。
【0037】
同様の「支持手段」は、例えば支持フレームなどの安定した支持手段であってもよい。支持手段は、少なくとも1つの外部機能手段を受けるための受け入れ手段の一部であってもよい。
【0038】
支持手段は、機能的接続および/または形状閉塞(form closure:形状が合うことで閉塞ないしは拘束する方式)接続および/または材料接続によって装置に接続されてもよい。
【0039】
支持手段は、第1および/または第2の接触部に接続されてもよい。
【0040】
特に、第1の接触部は、ASプレートとして構成される場合、支持手段によって取り囲まれる部分または内部の表面が、第2の接触部および/または外部機能手段へ向かう方向で配置されてもよい。
【0041】
第1の接触部は、第1の接触部の表面および支持手段の表面が平面的に配置されるように支持手段の内部に配置されてもよい。特に、第2の接触部および/または外部機能手段の方向に向けられる第1の接触部の表面、および、第2の接触部および/または外部機能手段の方向に向けられる支持手段の表面は、平面的に配置されてもよい。
【0042】
支持手段の内部に配置される第1の接触部と支持手段との間には、開口または自由空間が存在してもよい。そのような開口は、隙間、特に外周隙間を形成し得る。
【0043】
第1の接触部は、移動できるように支持手段の内部に装着されてもよい。第1の接触部は、特にその表面に対して垂直な軸線に沿って揺動できるように配置されてもよい。
【0044】
更なる好ましい実施形態では、2つの接触部のうちの少なくとも一方が少なくとも1つの回転軸線を中心に回転できるように装着される。それによって得られる回転または揺動の可能性は、本発明の意味の範囲内では可動性の形態として理解されるべきである。
【0045】
回転軸線または以下で言及される軸線は、当業者がこれを技術的に実現可能であると認めるときには常に、複数の軸線としても理解されなければならない。複数の軸線方向で同時に可能な回転動作または揺動動作は、以下では、容易な読み取りのために1つの軸線方向で実行されるものとしても含められるべきである。しかしながら、これは、本発明を限定しようとするものではない。
【0046】
そのような回転軸線は「物理的な」回転軸線であってもよい。本発明の意味の範囲内の物理的な回転軸線は有形の軸線であってもよい。物理的な回転軸線は、少なくとも1つの接触部を支持手段に接続することにより形成される3次元的に固定した軸線であってもよい。物理的な回転軸線は、装置の使用中に装置の典型的な方向に対してあるいは地球の中心に対して水平にあるいは垂直に方向付けられてもよい。
【0047】
物理的な軸線は、固定軸線としてあるいは回転シャフトとして構成されてもよい。物理的な軸線は、少なくとも1つの適切なベアリングを含むことが好ましい。物理的な軸線はそれぞれ、支持手段および/または装置の何らかの他の構成部分に対する第1の接触部および/または第2の接触部の装着接続によって構成されてもよい。
【0048】
そのような装着接続の例は、これらに限定されることなく、適切な装着受け入れ手段に導入されおよび/または挿入されるベアリングピン、ボールベアリング、ローラベアリング、転がり軸受、滑り軸受などを包含する。
【0049】
あるいは、「軸線」は、本発明によれば、三次元空間内の軸線または空間内の一方向の軸線であるとして理解されてもよい。したがって、この場合、軸線は、仮想的であり、前述した有形の軸線と比べて実体がない。
【0050】
本発明の意味の範囲内における軸線は、接触部がそれを中心に回転できる、したがって移動できる回転中心または回転中心点であるとして理解されてもよい。軸線周りの接触部の可動性は、外部機能手段が装置または機器に接続されているときに外部機能手段の揺動動作を可能にしてもよい。
【0051】
全ての実施形態では、軸線が接触部を通り抜けてもよい。しかしながら、軸線が接触部の外部で延びてもよい。
【0052】
外部機能手段の接続状態において、軸線は、機器の内部を通過してもよくおよび/または装置の内部を通過してもよい。
【0053】
軸線は、好ましくは、例えば、それぞれの接触部の回転または揺動のみによる軸線周りの回転動作または揺動動作を可能にするように延びてもよいが、機器または装置の更なる構成部品の回転または揺動による軸線周りの回転動作または揺動動作を可能にしない。これは、特に、回転可能な接触部が外部機能手段のための結合面あるいはいわゆる機械界面であるときに可能であることが好ましい。
【0054】
軸線は、例えば、公差、形状適合の欠陥、摩耗現象等を補償するための少なくとも接触部の補償動作を可能にするように配置されてもよいが、構成要素の更なる回転動作は許容されない。
【0055】
好ましい実施形態では、2つの接触部のうちの少なくとも一方が少なくとも1つのボール・アンド・ソケットジョイントを用いて装着される。
【0056】
ボール・アンド・ソケットジョイントを用いて装着される接触部は、空間の全ての方向に移動できてもよい。例えば、第1の接触部は、このようにして、空間の全ての方向で回転できるように装着されてもよい。
【0057】
更なる好ましい実施形態では、少なくとも第1および第2の接触部の両方が回転軸線を有する。好ましい態様では、それらの回転軸線(それらの全てあるいは一部だけ)が互いに平行に配置される。2つの回転軸線は、単独で、実体のある回転軸線、有形な回転軸線、固体回転軸線、または、仮想回転軸線として実現されてもよい。
【0058】
それらの回転軸線は、互いに同じ態様であるいは異なる態様で構成されてもよい。
【0059】
更なる好ましい実施形態において、第1および/または第2の接触部の少なくとも1つの接触面、および、外部機能手段の少なくとも1つの接触面は、外部機能手段の結合状態で、それらが互いに平面的にあるいは略平面的に位置するように配置される。
【0060】
本発明によれば、第1および/または第2の接触部の「接触面」および外部機能手段の接触面は、外部機能手段が装置に結合される状態でそれぞれの接触部および外部機能手段の互いに対向する面を示す。
【0061】
表現「平面的な」とは、本発明において、接触部と外部機能手段との平面的なあるいは略平面的な接触を示すようになっていると理解されるべきである。接続された状態で、第1および第2の接触部は、それらのそれぞれの対向面が平行または略平行であるように相対的な方向性を有してもよい。
【0062】
このようにすると、結合動作中に接触部および外部機能手段の想定し得る引っ掛かりを回避することができ有益である。このように、外部機能手段の構成要素の最適な機能的結合を確保でき有益である。過度の材料歪みを回避でき有益である。
【0063】
本発明によれば、外部機能手段の「結合状態」は、「接続状態」と同様、外部機能手段が装置に対してその使用状態で機能的に接続される状態を示す。そのような状態は、例えば血液処理などの医用流体の処理等の機能を果たすために意図されてもよい。
【0064】
他の好ましい実施形態において、本発明の機器は、第1の接触部と第2の接触部との間で外部機能手段を押圧するための少なくとも1つの押圧手段を含む。
【0065】
本発明で用いる「押圧手段」は、押圧アクチュエータ、電気的な押圧手段、モータアクチュエータ、空気圧押圧手段、バルブ、ピストン等、または、これらの組み合わせであってもよく、あるいはこれらを含んでもよい。
【0066】
押圧手段は、支持手段および/または第1の接触部および/または第2の接触部、および/または、機器および/または装置の他の構成部品に対して接続されてもよい。押圧手段は、前述した構成要素のうちの少なくとも1つに対して摩擦的におよび/または確実に接続されてもよい。
【0067】
押圧手段は、接触部間で外部機能手段を押圧するための押圧力を加えおよび/または伝えてもよい。そのような「押圧力」は、空気圧力、起電力、磁力、誘導力などであってもよい。
【0068】
押圧手段は、2つの接触部間での外部機能手段の押圧状態を所定時間にわたって維持するように適合されていてもよい。押圧手段は、押圧力を維持する、制御する、または、調整するための対応する手段を含んでもよい。
【0069】
押圧手段は、例えば結合面または機械界面の形態を有する接触部のうちの一方に対するその正確な配置により外部機能手段のシール状態を確保するように構成されてもよい。
【0070】
他の好ましい実施形態において、機器は、第1の接触部と第2の接触部との間に外部機能手段を押圧状態で固定するための少なくとも1つのロック手段を更に含んでもよい。
【0071】
本発明の意味の範囲内における「ロック手段」は、ボルト、ロック、キャッチ、シャックル、プラグ型接続、ラッチ手段等であってもよい。
【0072】
ロック手段は、押圧のために必要とされる付加的な力を加えてもよく、また、押圧力全体を増大させてもよい。したがって、ロック手段が対応する手段を含んでもよい。このようにすると、第1の接触部と第2の接触部との間での外部機能手段の機能的な結合を更に確保でき有益である。
【0073】
ロック手段が支持手段に接続されてもよい。押圧手段は、第2の接触部をロック手段を介して第1の接触部に押し付けてもよい。
【0074】
更なる好ましい実施形態において、ロック手段は、第1の接触部および/または第2の接触部の位置および/または状態を検出するための少なくとも1つの第1の検出手段を含む。
【0075】
ここで使用される場合がある「検出手段」は、例えば、第1の接触部および/または第2の接触部の位置および/または状態を認識しおよび随意的にはそれらを評価するセンサおよび/または検出器であってもよい。
【0076】
第1の接触部および/または第2の接触部の「位置および/または状態」は、第1の接触部および/または第2の接触部の幾何学的配置および/または方向を意味してもよい。位置および/または状態は、第1の接触部および第2の接触部の互いに対する配置を意味してもよい。
【0077】
検出手段および/または機器および/または装置は、第1の接触部および/または第2の接触部の位置および/または状態を評価するおよび/または制御するおよび/または調整する、特に修正するための手段を含んでもよい。そのような手段は互いに信号通信してもよい。
【0078】
ロック手段は、例えば「ドア閉塞」状態および/または「ドアロック」状態などの第2の接触部の状態を認識するための適したセンサ装置を含んでもよい。本発明によれば、認識された状態を通信するための表示手段および/または警報手段が設けられてもよい。
【0079】
他の好ましい実施形態では、第1の接触部および/または第2の接触部が、関節を使用することにより、支持手段、機器、または、装置に接続される。
【0080】
本発明にしたがって使用される場合がある「関節」は、例えばヒンジ、ドアヒンジ、レバー等の安定した関節を意味してもよい。
【0081】
ドアヒンジは1つの軸線を有するように構成されるのが好ましい。
【0082】
そのような関節によって支持手段に接続される接触部は、好ましくは、例えば垂直方向に延びる軸線を中心に回転できてもよい。この接触部は、特にドアおよび/またはカバーの形態で開閉されるように適合されていてもよい。
【0083】
更に他の好ましい実施形態では、接触部またはその接触面あるいは押圧面のうちの少なくとも1つが回転可能または回動可能な態様で機器または装置に対して接続される(例えばドアを使用することによりあるいはドアの一部として)。ここで、回転軸線(例えばドアのドアヒンジの回転軸線の形態を成す)は、この実施形態では回転可能に装着される他の接触部の回転軸線と共に1つの面内に、より好ましくは上記他の接触部の回転軸線と平行に配置される。
【0084】
更なる好ましい実施形態において、第1の接触部および/または第2の接触部および/または関節は、外部機能手段を装置に対して機能的にリンクさせるためのリンク要素を受ける少なくとも1つの手段を含む。
【0085】
そのような「リンク要素を受ける手段」は、開口、特に、例えば貫通などの構成要素を貫いて延びる開口であってもよい。この手段は、その内部で、導管、ガイド要素、引張要素等を受けるように構成されてもよい。
【0086】
本発明の範囲内で考慮される「リンク要素」は、導管、例えば電気的なおよび/または空気圧の導管、ガラスファイバケーブルなどのケーブル、流体導管などを包含してもよい。
【0087】
そのようなリンク手段は、例えば外部機能手段に圧力を与えてもよい。それらの媒介により、センサが外部機能手段に対して更に結合されてもよい。
【0088】
更に好ましい実施形態では、第1の接触部および/または第2の接触部が少なくとも1つの透明部を含む。
【0089】
本発明で使用される表現「透明」は、特に人の眼を透過するように構成される構成要素を意味する。
【0090】
これらに限定されることなく、「透明部」は、ガラス、透光性プラスチック、半透明膜などから形成されてもよく、あるいは、そのようなものを包含する。
【0091】
透明部は、装置の内部の観察および/または光学的な監視を許容でき有益である。それが不透明であってもよい。
【0092】
接触部、例えば第2の接触部は、特にドアの形態で構成される場合、一部の領域に透明カバーが設けられる安定した支持構造を含んでもよい。そのような実施形態により、装置のユーザは、外部機能手段の対象領域を外側から光学的に監視でき有益である。
【0093】
更なる好ましい実施形態において、第1の接触部および/または第2の接触部は、外部機能手段を機器内に位置決めするための少なくとも1つの位置決め手段を含んでもよい。
【0094】
本発明の意味の範囲内における「位置決め手段」は、外部機能手段を所定の態様で受けるおよび/または三次元的に位置決めするおよび/または接触部に対して摩擦取り付けするおよび/または形状閉塞により取り付けるように構成されてもよい。位置決め手段は、例えば、位置決めピン、位置決めマンドレル等として構成されてもよい。
【0095】
外部機能手段は、例えば開口、特に貫通穴などの位置決め手段を受けるための少なくとも1つの手段を含んでもよい。
【0096】
機器内での外部機能手段の位置決めは、例えばいわゆる穴/楕円穴原理にしたがって適切な手段を用いて行なわれてもよい。
【0097】
更なる好ましい実施形態では、機器が少なくとも1つのシール手段を含む。
【0098】
そのような「シール手段」は、機器の第1の容積部を機器の第2の容積部に対してシールするのに適し得る。
【0099】
そのようなシール手段がマットであってもよい。シール手段がゴムマットであってもよい。シール手段が多成分シール手段として構成されてもよい。
【0100】
シール手段が少なくとも1つのエラストマー材料を含んでもよい。シール手段が第1の接触部と第2の接触部との間に配置されてもよい。外部機能手段の使用中または接続された状態においてそれぞれ、シール手段は、可動接触部と外部機能手段との間に設けられてもよい。
【0101】
シール手段は、センサおよび/またはアクチュエータおよび/または導管および/またはその一部を含んでもよく、および/または、それらを受けるように適合されていてもよい。シール手段は、そのような構成要素と一体になるように構成されてもよい。構成要素は、形状閉塞接続および/または摩擦接続および/または材料接続によってシール手段と接続されてもよい。
【0102】
適切なシール手段は、独国特許第102007042964号明細書、独国特許第102008062037号明細書のうちの一方、または、本出願と同じ出願日に独国特許第102009012632.5号明細書として寄託された「Abdichtungseinrichtung zum Abdichten eines Volumens einer medizinischen Behandlungsanordnung gegen ein weiteres volumen sowie Anordnung und Verfahren」(医療処置装置の容積部を他の容積部に対してシールするためのシール手段、並びに、装置および方法)と題して本発明の出願人がドイツ特許商標局に出願した特許出願に開示されるシール手段を含む。挙げられた特許出願の関連する開示内容は、参照することにより全体が本願に組み入れられる。
【0103】
本発明の目的は、請求項15に係る方法によって更に達成される。
【0104】
そのような方法は、本発明の機器を使用することにより少なくとも1つの外部機能手段を装置に接続することを含む。
【0105】
また、本発明の目的は、請求項16に係る装置によっても達成される。本発明に係るそのような装置は、本発明の少なくとも1つの機器を含む。好ましい実施形態において、本発明の装置は、血液処理器、特に透析器、血液透析器、血液透析濾過器等である。
【0106】
繰り返しを避けるため、ここでは、前述した実施形態が明示的に参照され、これらは本発明の方法および本発明の装置の任意の実施形態に非限定的に適用される。また、挙げられた利点を縮小せずに得ることができる。
【0107】
本発明の機器は、装置に対する外部機能手段の正確な結合に有利に適する。例えば回転方向に移動できるように構成される少なくとも1つの接触部に起因して、単一の構成部品間で生じる公差の補償が可能であり、最適な機械的および/または機能的結合を確保できる。本発明の機器を使用することにより、例えばその関連する開示内容が参照することにより全体的に本願に組み入れられる独国特許出願第102007042964号明細書を有する特許出願に記載される複雑な結合動作を、単一の迅速で誤りのない態様で有利に行なうことができる。
【0108】
例えば、(製造公差、弾性材料特性、および、単一部品のそれらの耐用年数の過程での摩耗によって一般に困難とされる)接触面にわたって均一的に分配される高圧の要求と相まった安全で漏れがない結合が、空間の少なくとも一方向での接触部の移動性および弾力性または自動調整によって有利に確保されてもよい。
【0109】
接触部の自動適合の可能性に起因して、結合面(機械界面とも称される)のセンサおよびアクチュエータの適切で安全な誤りのない低摩耗結合、したがって、外部機能手段のそれらの結合相手に関するその所望の機能を有利に確保できてもよく、逆もまた同様である。
【0110】
全ての不可欠な構成要素を単一の安定した支持手段に装着して位置決めできるため、比較的高い力による構成部品の正確な押圧を有利に達成できる。
【0111】
軸線を中心とする接触部の移動性または回転可能性により、押圧力を表面または幾つかのポイントに対して均一に分配することができ有益である。したがって、必要な場合には、比較的高い力を加えることもでき有益である。軸線を中心とする移動性または回転可能性により、圧力の印加が許容できない応力ピークをもたらさないことを確実にし得る。
【0112】
これは特に、本発明にしたがって設けられる軸線を中心に回転できるように少なくとも1つの接触部、好ましくは2つの接触部を配置することに起因して接触面を常に有利に互いに平行に方向付けることができるため適用される。これは、応力ピークを回避しつつ少なくとも1つの外部機能手段の最適な結合を可能にする。また、特に正確な機構が可能であり、それにより、外部機能手段を機器または装置に接続するための接触部が互いの方へ案内される。
【0113】
第1および第2の接触部の装着点を適切に配置することにより、外部機能手段を結合するための押圧力により引き起こされる構成要素の撓みを更に有利に補償できる。
【0114】
接触部の想定し得る移動性または揺動動作は、単一の構成要素、第1および/または第2の接触部、シール手段の製造公差を補償できるとともに、その摩耗を有利に減少させあるいはほぼ回避することができる。
【0115】
以下、図1〜図3を参照しつつ、本発明の機器を本発明の好ましい実施形態によって説明する。図中、同じ参照符号は同じあるいは同一の要素を示す。
【図面の簡単な説明】
【0116】
【図1】本発明の好ましい実施形態に係る機器の概略側面図を断面で示している。
【図2】図1の本発明の機器の概略正面図を示している。
【図3】図1および図2の本発明の機器の他の概略正面図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0117】
図1は、本発明の機器1の側面図を断面表示で概略的に示している。機器1は、垂直揺動または回転のために支持手段5に装着されるASプレートの形態を成す第1の接触部3を含み、支持手段5は、ここでは、安定な外周支持フレームとして構成される。
【0118】
支持手段5には、第2の接触部7、ここでは安定なあるいは頑丈なドアが、関節17によって取り付けられる。第2の接触部7は、ここでは血液伝導使い捨てカセットの形態を有する外部機能手段9を覆ってクランプするのに役立つ。
【0119】
外部機能手段9のクランプおよび/または押圧を付加的にサポートするため、支持手段5に取り付けられる押圧手段11、この場合には押圧アクチュエータが配置される。押圧手段11は、第2の接触部7としてのドアを、ロック手段13、ここではボルトを介して、第1の接触部3としてのASプレートに押し付けるように適合されていてもよい。特に挿入される外部機能手段9を伴わない状態にドアを保持するためのマグネット25が、ロック手段13としてのボルトと外部機能手段9としての使い捨てカセットとの間に配置される。
【0120】
第1の接触部3は、その狭い側(図2ではその上端側および下端側)が2つの装着点15で軸線またはシャフト14により支持手段5に装着される。
【0121】
第2の接触部7の関節17およびロック手段13はそれぞれ、支持手段5の中央に取り付けられ、第2の接触部7を支持手段5に接続する。
【0122】
ロック手段13は検出手段23としての一体型センサを含む。センサは、例えば、第2の接触部7であるドアが閉じられるかどうかを検出する。
【0123】
ドアの上側または前方には、ドアカバー27が取り付けられる。ドアカバー27は透明領域を含んでもよい。
【0124】
図2は、ドアカバー27を伴わない図1の本発明の機器の正面図を示している。ドアは、使い捨てカセットに圧力を与えるためのリンク要素29を含む。
【0125】
図3は、ドアを伴わずかつドアカバー27を伴わない図1の本発明の機器を示している。
【0126】
図3では、ASプレート上の使い捨てカセットの下側にマットがシール手段21として更に配置される(図3では、ASプレートが使い捨てカセットおよびマットにより覆われているため見えない)。
【0127】
図3には、例えば位置決めマンドレル(図示せず)などの取り付け手段を受けるための開口19が示されている。そのような位置決めマンドレルは、穴/楕円穴原理にしたがった第1の接触部での外部機能手段の固定に適する場合がある。
【0128】
本発明は、単なる例示目的を果たすにすぎない前述した実施形態に限定されない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの外部機能手段(9)を装置に接続するための機器(1)であって、
少なくとも1つの第1の接触部(3)と少なくとも1つの第2の接触部(7)とを有し、前記第1の接触部(3)と前記第2の接触部(7)との間で前記外部機能手段(9)を受けるための少なくとも1つの受け入れ手段
を含む機器(1)において、
少なくとも前記第1の接触部(3)または前記第2の接触部(7)が移動できるように配置されることを特徴とする、機器(1)。
【請求項2】
少なくとも1つの外周支持手段(5)を有し、前記第1の接触部(3)が前記支持手段(5)の内部に装着される、請求項1に記載の機器(1)。
【請求項3】
2つの前記接触部(3、7)のうちの少なくとも一方が少なくとも1つの軸線(14、17)周りで回転できるように装着される、請求項1または2に記載の機器(1)。
【請求項4】
2つの前記接触部(3、7)のうちの少なくとも一方が少なくとも1つのボール・アンド・ソケットジョイントを用いて装着される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の機器(1)。
【請求項5】
少なくとも2つの前記接触部(3、7)の回転軸線(4、17)が互いに平行に配置される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の機器(1)。
【請求項6】
前記第1の接触部(3)および/または前記第2の接触部(7)の少なくとも1つの接触面および前記外部機能手段(9)の少なくとも1つの接触面が、前記外部機能手段(9)の結合状態でそれらが互いに上下に平面的に位置するように配置される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の機器(1)。
【請求項7】
前記第1の接触部(3)と前記第2の接触部(7)との間で前記外部機能手段(9)を押圧するための少なくとも1つの押圧手段(11)を有する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の機器(1)。
【請求項8】
前記第1の接触部(3)と前記第2の接触部(7)との間に前記外部機能手段(9)を押圧状態で固定するための少なくとも1つのロック手段(13)を更に含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の機器(1)。
【請求項9】
前記ロック手段(13)が、前記第1の接触部(3)および/または前記第2の接触部(7)の位置および/または状態を検出するための少なくとも1つの第1の検出手段(23)を含む、請求項8に記載の機器(1)。
【請求項10】
前記第1の接触部(3)および/または前記第2の接触部(7)が関節(14、17)を使用することにより前記支持手段(5)に接続される、請求項1〜9のいずれか一項に記載の機器(1)。
【請求項11】
前記第1の接触部(3)および/または前記第2の接触部(7)および/または前記関節(17)が、前記外部機能手段(9)を装置に対して機能的にリンクさせるためのリンク要素(29)を受ける少なくとも1つの手段を含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載の機器(1)。
【請求項12】
前記第1の接触部(3)および/または前記第2の接触部(7)が少なくとも1つの透明部を含む、請求項1〜11のいずれか一項に記載の機器(1)。
【請求項13】
前記第1の接触部(3)および/または前記第2の接触部(7)が、前記外部機能手段(9)を機器(1)内に位置決めするための少なくとも1つの位置決め手段を含む、請求項1〜12のいずれか一項に記載の機器(1)。
【請求項14】
少なくとも前記第1の接触部(3)と前記第2の接触部(7)との間に配置される少なくとも1つのシール手段(21)を更に有する、請求項1〜13のいずれか一項に記載の機器(1)。
【請求項15】
少なくとも1つの外部機能手段(9)を装置に接続するための方法において、
請求項1〜15のいずれか一項に記載の機器(1)を使用するステップを特徴とする方法。
【請求項16】
請求項1〜14のいずれか一項に記載の少なくとも1つの機器(1)を有する装置。
【請求項17】
前記装置が血液処理器である、請求項16に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2012−520090(P2012−520090A)
【公表日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−553345(P2011−553345)
【出願日】平成22年3月9日(2010.3.9)
【国際出願番号】PCT/EP2010/001464
【国際公開番号】WO2010/102790
【国際公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【出願人】(597075904)フレゼニウス メディカル ケア ドイッチェランド ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (55)
【Fターム(参考)】