説明

多人数参加型ゲームの手持ち式コントローラ

【課題】多人数参加型ゲーム画像を示す単一の大表示画面を備えるゲーム場でプレーされるときに、多人数参加型ゲームにおいて多数のプレーヤを扱う際の改善したシステムを提供する。
【解決手段】多人数参加型ゲームを大画面と複数のゲームコントローラとに表示するように表示システムを制御するゲームサーバを有するシステムであり、各ゲームコントローラは、2次ゲーム表示する2次表示手段と、プレーヤ入力を受け取る入力手段とを備える。システムは、ゲームサーバと、複数のゲームコントローラのそれぞれとの間の通信を可能にする通信手段とをさらに備える。複数のゲームコントローラは、多人数参加型ゲームをプレーする間にゲームコントローラを操作するゲームプレーヤから見えるように、大表示画面と近接して配置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多人数参加型ゲームのシステム、方法および装置に関する。詳細には、この多人数参加型ゲームには、複数のゲームコントローラのそれぞれが、特定のゲームキャラクタに関連付けられた個々のプレーヤ(参加者)によって制御される間、複数のプレーヤから視覚可能な共通表示を含む。
【背景技術】
【0002】
多数のユーザが、例えば、映画などに見られるような単一の大型表示画面上で、対話式のアクションベースゲームをプレーすることのできる多人数参加型ゲーム環境では、多数のプレーヤのうちの1人が、自分の画面上のキャラクタ(またはアバタ)を、画面上のその他のプレーヤのすべてのキャラクタの中から識別するのが難しいことがある。この難しさは、様々なプレーヤによって選ばれたゲームキャラクタが互いに似通って見える場合には、増大するはずである。
【0003】
プレーヤが大画面上で自分のゲームキャラクタを容易に(またはすぐに)識別することができない場合、そのプレーヤにとってのゲームの楽しさ、即ちゲームをプレーしようとする動機付けが弱められる可能性がある。
【0004】
かかる多人数参加型ゲーム環境での別の問題は、多数のプレーヤのすべてからゲーム入力コマンドを受け取ることに関連して生じる。例えば、既存の映画館やその他の大規模な会場では、プレーヤ入力コマンドを受け取るために多数のプレーヤ入力端末へのケーブルや配線を設けることは、必ずしも費用効果的、または実際的であるとは限らない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
既存の多人数参加型ゲームシステムの1つ以上の短所に対処し、またはこれらを改善し、あるいは少なくとも、従来技術の有用な代替技術を提供することが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の態様は、多人数参加型ゲームのシステムおよび方法に関するものである。いくつかの態様は、改善された通信インフラおよび改善された手持ち式ゲームコントローラに関するものであり、他の態様は、例えば、プレーヤの画面上のキャラクタ(またはアバタ)の容易な識別を可能にすることによる、あるいは、プレーヤを多人数参加型ゲームに参入させる前の手持ち式ゲームコントローラ上でのゲーム前アクティビティを設けることによる、多人数参加型ゲームにおいて多数のプレーヤを扱う際の改善に関するものである。さらに別の態様は、多人数参加型ゲームの方法および多人数参加型ゲームでのプレーヤ登録の方法に関するものである。
【0007】
一態様において、本発明は、多人数参加型ゲームシステムであって、
多人数参加型ゲームを表示する表示信号を提供するように構成されるゲームサーバと、
1次表示手段を有する表示システムであり、表示信号に応答して、1次表示手段に多人数参加型ゲームの1次ゲーム表示を提供するように構成される表示システムと、
それぞれが、2次ゲーム表示を提供する2次表示手段およびプレーヤ入力を受け取る入力手段を有する複数のゲームコントローラと、
ゲームサーバと複数のゲームコントローラのそれぞれとの間の通信を可能にする通信手段と
を備え、
1次表示手段が個々のゲームコントローラを操作するゲームプレーヤから見えるように、複数のゲームコントローラが1次表示手段に近接して位置するシステムに関するものである。
【0008】
2次ゲーム表示は、多人数参加型ゲームに関連する、多人数参加型ゲームとは異なるものでもよく、多人数参加型ゲームとは無関係な、あるいは、多人数参加型ゲームの先行版や前段としての、別のゲームまたはアクティビティに関連するものでもよい。1つの好ましい実施形態では、2次ゲーム表示は、多人数参加型ゲームに直接関連する1人プレーゲームを表示し得る。
【0009】
1次表示手段は、好ましくは、例えば、映画で使用されるサイズの大表示画面を含む。大表示画面は、映写(プロジェクタ)画面とすることもでき、この場合、表示システムは、多人数参加型ゲームの画像を表示画面に映写する映写機を含む。表示システムは、通常は映画の映写に使用される映写機器を、その装置がデジタル画像を投影するように構成されている場合には、使用してもよい。
【0010】
ゲームコントローラは、好ましくは、ゲームサーバと通信する無線送信手段を備える小型の手持ち式コンピュータ装置である。或いは、手持ち式コンピュータ装置は、イーサネット(登録商標)などのネットワークを介してゲームサーバと有線通信を行ってもよい。
【0011】
一実施形態では、各手持ち式コンピュータ装置が、外付けバッテリパックなどの外部電源から電力を受け取る。手持ち式コンピュータ装置は、好ましくは、それぞれ、ゲーム場内の座席のアーム、またはその他の固定構造に接続される。
【0012】
バッテリパックは、好ましくは、座席のアームまたはその他の固定構造に着脱可能に取り付けられ、手持ち式コンピュータ機器は、座席のアームまたは他の固定構造に、係留部材(コード)によって接続される。係留部材は、手持ち式コンピュータ機器を座席のアームまたは他の構造に対して動かせるようにする可動接続手段を備え、バッテリパックから手持ち式コンピュータ機器に電力を供給する電源ケーブルを収容する。係留部材は、剛性の接続アームを備えていてもよく、柔軟な格納式ケーブルを備えていてもよい。
【0013】
ゲーム場は、映画館などの閉鎖型劇場でもよく、屋外円形劇場や、会議場や、会議室や、適切な表示システム、およびゲームコントローラとゲームサーバの間の通信を可能にする通信インフラストラクチャを有する他の相応の大きさの場所などといった別種の開催場所でもよい。
【0014】
ゲーム場は、好ましくは、プレーヤが、ゲーム場内の座席に着席している間、表示画面を向き、ゲームコントローラの2次表示を視野内に保持することができるように、表示画面を向いた、多数の座席(例えば、50から数百席程度)を有する。
【0015】
ゲームシステムは、好ましくは、数百人の収容可能人員を有するゲーム場において、所望であれば、または許容される場合、ほぼ全員が多人数参加型ゲームに参加し得るように、最大で数百台までのゲームコントローラをサポートする。かかる環境では、数百人のプレーヤのそれぞれが、1次表示上の対応するゲームキャラクタまたはアバタを制御する場合、各プレーヤが自分のゲームキャラクタまたはアバタを識別し、または見つけるのに役立つ何らかの手段、あるいは1次表示上のアバタの数を制限する何らかの手段がなければ、各プレーヤが、表示される多くの中から自分に対応するゲームキャラクタまたはアバタを識別するのが困難となり得ることが理解されるはずである。
【0016】
好ましい環境では、表示画面およびゲームコントローラは、プレーヤが、自分の前に保持されたゲームコントローラを操作することによって、大表示画面上の自分のゲームキャラクタまたはアバタを制御することができるように、ゲーム場内に位置する。これにより、プレーヤは自分の目を大画面からゲームコントローラ上の2次表示に、またその逆に、容易に切り換えることができる。一実施形態では、2次表示は、ゲーム環境内のプレーヤのゲームキャラクタまたはアバタを示す、そのゲーム環境の簡略化された表現を提供してもよい。このように、2次表示は、各プレーヤが、表示ゲーム環境内で自分のゲームキャラクタを容易に探し出すことを可能にする。
【0017】
各ゲームコントローラは、好ましくは、プレーヤ入力手段を備える。プレーヤ入力手段は、好ましくは、少なくとも、ジョイスティック、アクションボタン、およびキャラクタ所在特定機能をトリガする所在特定ボタンを備える。ゲームコントローラの表示画面は、好ましくは、ユーザが、表示画面の部分に触れることによって入力を提供するためのタッチスクリーンとして形成されている。また、ゲームコントローラは、プレーヤのゲームへの参加を認証するために、例えば、スマートカードスロットや磁気ストリップリーダの形の、カード読取装置を備えていてもよい。
【0018】
また、ゲームコントローラは、好ましくは、例えば、それぞれ、振動出力と聴覚出力とを提供する振動モジュールとオーディオ出力(スピーカ)などを含む、プレーヤに感覚出力を提供する手段も含む。また、ゲームコントローラの表示画面は、振動またはオーディオ出力に対応する、プレーヤへの感覚(視覚)出力を提供するのにも使用されてもよい。
【0019】
通信手段は、好ましくは、高速インターフェースを介してゲームサーバと通信し、無線送信機と、少なくとも1つの無線受信機とを有する通信コントローラを含む。また、各ゲームコントローラも、無線送信機から信号を受信し、少なくとも1つの無線受信機を介してゲームサーバに信号を送り返すための、通信手段の一部を形成する無線送受信モジュールを有する。ゲームコントローラとゲームサーバの間での有効な通信を可能にするために、無線送信機および無線受信機は、ゲーム場内に位置する。ゲームサーバおよび通信コントローラは、ゲーム場内に位置する必要はない。
【0020】
送信機は、好ましくは、ゲーム場の天井または上部壁面に、一般には表示画面に向けて配置される。好ましくは、送信機は、全般的に表示画面から離れる方向でゲームコントローラに通信信号を送るために、特定の方向に向けられている。
【0021】
ゲーム場は、好ましくは、ゲーム場の周りに間隔を置いた構成で配置された数台の受信機を有する。受信機は、好ましくは、全般的に、表示画面から離れた、ゲーム場の天井または側壁または後方壁に位置する。
【0022】
本発明の別の態様では、多人数参加型ゲームシステムであって、
プレーヤが個々のアバタによって表される多人数参加型ゲームを表示する表示信号を提供するように構成されるゲームサーバと、
表示信号に応答して多人数参加型ゲームを表示する視覚表示手段を有する表示システムと、
ゲームサーバと通信する複数のゲームコントローラであり、それぞれが、多人数参加型ゲームに関連して個々のプレーヤからゲームコマンドを受け取る入力手段、および個々のプレーヤに感覚出力を提供する出力手段を有するゲームコントローラと、
を備え、
入力手段がアバタ識別要求を受け取る手段を含み、各ゲームコントローラが、アバタ識別要求に対応する通信信号をゲームサーバに送信するように構成され、ゲームサーバがアバタ識別要求に応答して、個々のプレーヤへの感覚出力と実質的に同時に、個々のアバタの強調視覚標示を視覚表示手段上に提供させるシステムが提供される。
【0023】
本発明の関連する一態様は、多人数参加型ゲームにおけるアバタ識別の方法であって、
複数のアバタを含む多人数参加型ゲームの表示を提供し、
ゲームサーバと通信する複数のゲームコントローラであり、それぞれが、多人数参加型ゲーム内のアバタの1つを制御するためにゲームサーバにコマンドデータを送信するように構成されるゲームコントローラを設け、
ゲームサーバにおいて、複数のゲームコントローラの1つに対応するアバタのアバタ識別要求に対応するコマンドデータを受信するステップと、
アバタ識別要求に応答して、前記表示上にアバタの強調視覚表現を表示し、
強調視覚表現の表示と実質的に同時に、1つのゲームコントローラを操作するプレーヤにその1つのゲームコントローラから感覚出力を提供すること、
を含む方法を提供する。
【0024】
感覚出力は、聴覚、振動または視覚出力の1つ以上とすることができる。かかる感覚出力を提供するために、ゲームコントローラのそれぞれは、好ましくは、スピーカ、振動発生器および表示画面を備える。好ましくは、各ゲームコントローラの感覚出力は、独自の出力シーケンスまたはパターンを備える。
【0025】
本発明の別の態様は、娯楽システムであって、
多人数参加型ゲームを処理し、多人数参加型ゲームを表示する表示信号を提供するように構成されるゲームサーバと、
表示信号に応答して多人数参加型ゲームの1次表示を提供する1次表示手段を有する表示システムと、
それぞれが、処理手段、2次表示を提供する2次表示手段、およびプレーヤ入力手段を有する複数のゲームコントローラと、
ゲームサーバとゲームコントローラの間の通信を可能にする通信手段と、
を備え、
各ゲームコントローラの処理手段が、ゲームコントローラのプレーヤ入力手段を操作するプレーヤが1次表示上のアバタを制御し、2次表示手段が、多人数参加型ゲームのプレーに関連する表示を提供する多人数参加型ゲームモードで動作するか、または、プレーヤがゲームコントローラ上で1人プレーアクティビティを行い、2次表示手段が1人プレーアクティビティの表示を提供する1人プレーモードで動作するように構成されているシステムに関するものである。
【0026】
一実施形態では、1人プレーアクティビティは、多人数参加型ゲームに直接関連する1人プレーゲームである。或いは、1人プレーアクティビティは、多人数参加型ゲームに関連しないゲームであってもよく、インターネットやイントラネットのサイトを閲覧するなど、ゲーム以外のアクティビティであってもよい。一実施形態では、1人プレーは、プレーヤが多人数参加型ゲームに参加する資格を得ることを可能にする事前の資格認定ゲームとすることもできる。
【0027】
視覚表示手段およびゲームコントローラは好ましくは、第一の態様に関連して説明しているように、ゲーム場内に位置する。ゲームコントローラは好ましくは、少なくとも部分的にゲーム場内に配置された通信手段を介してゲームサーバと通信する。かかる通信手段は、好ましくは、ゲームコントローラ内の無線送受信機と、ゲームサーバと通信する無線送信機および少なくとも1つの無線受信機とを含む。
【0028】
別の態様では、多人数参加型ゲームシステムであって、
多人数参加型ゲームを表示する表示信号を提供するように構成されるゲームサーバと、
ゲーム場であり、
表示信号に応答して多人数参加型ゲームを表示する視覚表示手段を有する表示システムと、
ゲーム場内でゲームデータ信号を送信するためにゲームサーバと通信する無線送信機と、
無線送信機からゲームデータ信号を受信し、プレーヤ入力コマンドに対応するコマンドデータ信号を送信するよう構成される複数のゲームコントローラと、
複数のゲームコントローラからコマンドデータ信号を受信し、ゲームサーバにコマンドデータ信号を伝達するためにゲームサーバと通信する少なくとも1つの無線受信機と、
を備えるゲーム場と
を備え、
無線送信機がゲーム場の上部に配置されており、無線送信機からのゲームデータ信号の送信方向が、全体としてゲームコントローラを向いており、
少なくとも1つの無線受信機が、ゲーム場内に、全般的に、無線送信機から離れて配置されているシステムが提供される。
【0029】
本発明の関連する一態様は、前述のような複数の多人数参加型ゲームシステムを備える複数会場ゲームシステムを提供する。
【0030】
複数のゲームコントローラはそれぞれ、表示画面と、ジョイスティック、アクションまたはコマンドボタン、タッチスクリーンなどのプレーヤ入力手段とを備えていてもよい。ゲームデータの受信およびコマンドデータの送信は、各ゲームコントローラ内の無線送受信機によって行われる。また、各ゲームコントローラは、ゲーム中、プレーヤに振動および聴覚出力を提供する振動モジュールおよびスピーカを備えていてもよい。この感覚出力は、各ゲームコントローラ上の表示画面によって補強されてもよい。
【0031】
各ゲームコントローラ上の表示画面は、多人数参加型ゲームの2次表示を提供し、または、多人数参加型ゲームに関連する、プレーヤ統計などのゲーム情報を提供するのに使用されてもよい。或いは、各ゲームコントローラ上の2次画面は、多人数参加型ゲームに無関係な、または間接的に関連する、例えば、多人数参加型ゲームに参入するための資格認定や準備作業などのアクティビティを行うのに使用されてもよい。
【0032】
別の態様では、多人数参加型ゲーム用手持ち式ゲームコントローラであって、
多人数参加型ゲームに関連する第1の表示を表示する表示画面と、
多人数参加型ゲームの対応するアバタに関連して、多人数参加型ゲームのプレーヤからのゲーム制御入力を受け取るプレーヤ入力手段と、
第1のゲーム信号を生成するようにゲーム制御入力を処理し、受信される第2のゲーム信号に少なくとも部分的に基づいて第1の表示を生成する処理手段と、
第1のゲーム信号を、多人数参加型ゲームを支援するゲームサーバに送信して、ゲームサーバに、第1のゲーム信号に少なくとも部分的に基づく多人数参加型ゲームの第2の表示を生成させ、ゲームサーバから第2のゲーム信号を受信する送受信機と、
を備え、
第2の表示がアバタを含み、プレーヤ入力手段が、プレーヤによって、多人数参加型ゲーム内のアバタを制御するのに使用可能であるゲームコントローラが提供される。
【0033】
好ましくは、プレーヤ入力手段は、ジョイスティック、アクションボタン、コマンドボタンおよびタッチスクリーンを備える。また、手持ち式ゲームコントローラは、多人数参加型ゲームのプレーヤから支払を受けるために、スマートカードまたは磁気ストリップカードを読み取るカード読取装置を備えていてもよい。また、好ましくは、手持ち式ゲームコントローラは、それぞれ、振動と音を生成する振動モジュールとスピーカも備える。
【0034】
好ましくは、手持ち式ゲームコントローラは、横向き又は長手方向(縦)向きで操作されてもよく、表示画面は、かかるモードでは、対応する横または縦の表示向きを有する。
【0035】
送受信機は、好ましくは、無線送受信機である。ゲームサーバと手持ち式ゲームコントローラの間に無線通信インフラストラクチャを設ければ、各手持ち式ゲームコントローラとゲームサーバの間に専用の有線接続を設ける必要がなくなり、結果として、多人数参加型ゲームシステムをインストールする際の時間とコストの節約になり、設計の簡潔さと洗練性がより高まるため有利である。
【0036】
手持ち式ゲームコントローラ上に画面を設ければ、多人数参加型ゲームの操作に際してより豊富な変化が可能になるので有利である。というのは、プレーヤが、ゲーム場の大表示画面のみならず、手持ち式ゲームコントローラの小画面でも多人数参加型ゲームを体験することができるからである。さらに、手持ち式ゲームコントローラの表示画面は、多人数参加型ゲームシステムへのユーザインターフェースとして働き、プレーヤが、ゲームコントローラ画面上に提供される選択肢または指示に応答して選択を行い、入力を提供することができるようにする。さらに、手持ち式ゲームコントローラの表示画面は、多人数参加型ゲームに直接参加していないプレーヤが、ゲーム前アクティビティを行ったり、または、独立の1人プレーゲームや、ゲームサーバが接続されているネットワークによって提供されるコンテンツを閲覧するなど、多人数参加型ゲームに関連しないアクティビティに関与するのに使用されてもよい。さらに、手持ち式ゲームコントローラの表示画面は、プレーヤが、大表示画面に表示される多人数参加型ゲーム環境内の自分のゲームアバタの所在特定を助けるのに使用されてもよい。
【0037】
手持ち式ゲームコントローラは、大表示画面上にプレーヤのアバタの強調視覚標示を提供するのと同時にプレーヤに感覚出力を提供して、プレーヤがプレーヤのアバタをより識別しやすくする、振動や聴覚出力手段などの感覚出力手段を備えると有利である。また、多人数参加型ゲームシステムは、新規の多人数参加型ゲーム及びプレーヤ登録の方法も可能にする。
【0038】
さらに別の態様では、本発明は、多人数参加型ゲームをプレーするためのプレーヤ登録の方法に関する。プレーヤ登録は、多人数参加型ゲームの各見込みプレーヤが、口座番号とすることのできる支払許可(承認)コードを手持ち式ゲームコントローラに入力することによって開始される。支払許可コードは、内蔵されたカード読取装置に通されるか、または差し込まれるから受信されてよく、あるいは手動入力によって受信されてもよい。手持ち式ゲームコントローラは、支払許可コードの検証を試み、有効である場合コードを暗号化し、暗号化したコードを、多人数参加型ゲームを支援するゲームサーバに送る。ゲームサーバはコードを暗号化解除し、暗号化解除したコードを、多人数参加型ゲームの支払に使用可能な既存の(事前登録された)口座に関するものとして認識しようとする。ゲームサーバは暗号化解除されたコードを認識した場合、その口座に、プレーヤに多人数参加型ゲームをプレーさせるのに十分な資金があるかどうかチェックする。口座に十分な資金がある場合、口座に適切な金額が課金され、プレーヤは多人数参加型ゲームをプレーするよう登録される。次いで、手持ち式ゲームコントローラは、プレーヤが多人数参加型ゲームをプレーする(または別のアクティビティを行う)のに使用するためにロック解除され、関連するゲームソフトウェアがゲームサーバから手持ち式ゲームコントローラにダウンロードされて、プレーヤが、手持ち式ゲームコントローラを操作することによって多人数参加型ゲームに参加することができるようになる。
【0039】
プレーヤ登録の方法は、好ましくは、表示システムを有するゲーム場内に配置された多人数参加型ゲームシステムと連動して行われる。ゲーム場は、複数の手持ち式ゲームコントローラと、表示システムと、手持ち式ゲームコントローラがゲームサーバと通信することを可能にする無線通信手段とを含む。
【0040】
別の態様では、本発明は、多人数参加型ゲームを実行する方法に関するものである。この方法は、ゲームサーバにおいて、多人数参加型ゲームの見込みプレーヤによって操作される個々のゲームコントローラから複数の登録要求を受信するステップを伴う。登録要求は、適格な見込みプレーヤを、多人数参加型ゲームの登録プレーヤとして登録するように処理される。何人かの登録プレーヤが、所定のプレーヤ数まで多人数参加型ゲームに追加され、次いでゲームが開始される。多人数参加型ゲームのプレー中、1つ以上の所定のゲーム除外イベントに応答して、以前にゲームに追加された1人以上の登録プレーヤがゲームから除外される。登録プレーヤがゲームから除外されると、対応する数の登録プレーヤが、多人数参加型ゲームをプレーする登録プレーヤの数が所定のプレーヤ数を超えないにようにゲームに追加される。所定のゲーム終了イベントが発生すると、多人数参加型ゲームは終了する。ゲーム終了後に、多人数参加型ゲームのプレー中の登録プレーヤの成績に応じて、プレーヤの1人以上に、勝者であることが宣言されてもよい。
【0041】
多人数参加型ゲームは、好ましくは、ゲームコントローラと登録プレーヤを収容するゲーム場内の大表示画面に表示される。1つ以上の所定のゲーム終了イベントには、所定のゲーム時間の満了、プレーヤの1人以上によるゲーム目的の達成、または登録プレーヤ全員が多人数参加型ゲームから除外された場合が含まれ得る。
【0042】
適格な見込みプレーヤの登録に続いて(適格性は、多人数参加型ゲームのための正常な支払に少なくとも部分的に基づくものである)、ゲームサーバは、好ましくは、多人数参加型ゲームのプレーを支援するために、各ゲームコントローラにゲームモジュールをダウンロードする。或いは、ゲームモジュールがゲームコントローラにプリロードされ、登録が完了した後で使用可用とされてもよい。
【0043】
本発明のさらに別の態様は、1つ以上のプロセッサによって実行されると、前記1つ以上のプロセッサに、本明細書で説明している方法のいずれか1つを実行させるコンピュータプログラム命令を格納しているコンピュータ可読記憶媒体に関するものである。
【0044】
本発明の別の態様は、多人数参加型ゲームにおいてチームプレーを支援する方法に関するものである。かかる一態様では、複数の手持ち式ゲームコントローラがゲーム場に設けられる。手持ち式ゲームコントローラはそれぞれ、個々のプレーヤからプレーヤ入力を受け取る入力手段と、ゲーム関連の画像を表示する第1の表示画面とを備える。また、各手持ち式ゲームコントローラから第1の信号を受信し、手持ち式ゲームコントローラに第2の信号を送信するために、手持ち式ゲームコントローラと通信するゲームサーバも設けられる。第1の信号は、個々の手持ち式ゲームコントローラで受け取られるプレーヤ入力に少なくとも部分的に対応する。
【0045】
第1のプレーヤからのプレーヤ入力に応答して、ゲームサーバは、第1の手持ち式ゲームコントローラからチーム作成要求を受け取る。チーム作成要求に応答して、ゲームサーバは、ゲームサーバによって保持されるチーム表にチームエントリを作成する。次いで、ゲームサーバは、第1のプレーヤのプレーヤエントリをチームエントリに追加する。第2のプレーヤからのプレーヤ入力に応答して、ゲームサーバは、第2の手持ち式ゲームコントローラからチーム参入要求を受け取る。チーム参入要求に応答して、ゲームサーバは、第2のプレーヤのプレーヤエントリをチームエントリに追加する。次いで、チームエントリに基づいてチームが編成され、次いで、多人数参加型ゲームが開始され得る。多人数参加型ゲームが開始されると、ゲームサーバは、多人数参加型ゲームのゲーム画像を第2の表示画面上に表示させる。ゲーム画像は複数のアバタを含み、その少なくとも1つがチームに対応し、第1および第2のプレーヤからのプレーヤ入力に応答して制御され得る。
【0046】
ゲームは、複数のプレーヤから複数のチーム参入要求を受け取り、任意選択的に、第1のプレーヤが、複数のプレーヤがチームに参入することに同意した場合に限り、チームエントリにプレーヤエントリを追加し得る。チームは、好ましくは、例えば、4、6といった所定の限定された数のチームでの位置付け(地位)を有し、これらの位置付けの少なくとも一部は、チーム内で異なる役割または機能を果たすことを伴う。好ましくは、プレーヤは、ゲーム中に地位を交換し合ってもよい。
【0047】
別の態様では、本発明は、多人数参加型ゲームシステムであって、多人数参加型ゲームを表示する表示信号を提供するように構成されているゲームサーバと、1次表示手段を有する表示システムであり、表示信号に応答して1次表示手段上に多人数参加型ゲームの1次ゲーム表示を提供するように構成される表示システムと、それぞれが多人数参加型ゲームに関連するプレーヤ入力を受け取る入力手段を備える複数のゲームコントローラであり、前記1次ゲーム表示が個々のゲームコントローラを操作するゲームプレーヤから見えるように、1次表示手段に近接して位置する複数のゲームコントローラと、ゲームサーバと複数のゲームコントローラのそれぞれの間の通信を可能にする通信手段と、1次表示手段から離れた場所に位置し、多人数参加型ゲームの2次ゲーム表示を表示する2次表示手段と、多人数参加型ゲームに関連するプレーヤ入力を受け取る入力手段とを備える少なくとも1つのリモートゲームコントローラであり、ネットワークを介してゲームサーバと通信する少なくとも1つのゲームコントローラと、を備えるシステムに関するものである。
【0048】
以下で、例示にすぎないが、本発明の実施形態の例を、添付の図面を参照してさらに詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の実施形態による多人数参加型ゲームシステムを示すブロック図である。
【図2】本発明の別の実施形態による多人数参加型ゲームシステムを示すブロック図である。
【図3】本発明の別の実施形態によるゲームサーバを示すブロック図である。
【図4】本発明の別の実施形態によるゲーム場を示す側面概略図である。
【図5】本発明の別の実施形態による多人数参加型ゲームの方法を示すプロセスフロー図である。
【図6】本発明の別の実施形態による手持ち式ゲームコントローラを示すブロック図である。
【図7】手持ち式ゲームコントローラを示す斜視図である。
【図8】本発明の別の実施形態によるアバタ識別の方法を示すプロセスフロー図である。
【図9】1次表示の画面表示例を示す図である。
【図10】2次表示の画面表示例を示す図である。
【図11A】1次表示および2次表示に表示される、多人数参加型ゲームのゲーム表示の別の例を示す図である。
【図11B】1次表示および2次表示に表示される、多人数参加型ゲームのゲーム表示の別の例を示す図である。
【図11C】1次表示および2次表示に表示される、多人数参加型ゲームのゲーム表示の別の例を示す図である。
【図12】プレーヤ登録の方法を示すプロセスフロー図である。
【図13】本発明の別の実施形態による多人数参加型ゲームシステムを示すブロック図である。
【図14】本発明の別の実施形態による多人数参加型ゲームでチームプレーを支援する方法を示すプロセスフロー図である。
【図15】チーム編成時に表示される手持ち式ゲームコントローラ上の表示例を示す図である。
【図16】チーム編成時に表示される手持ち式ゲームコントローラ上の表示例を示す図である。
【図17】チーム編成時に表示される手持ち式ゲームコントローラ上の表示例を示す図である。
【図18】チーム編成時に表示される手持ち式ゲームコントローラ上の表示例を示す図である。
【図19】本発明の別の実施形態による多人数参加型ゲームシステムを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0050】
以下で、例示にすぎないが、本発明の実施形態を、添付の図面を参照してさらに詳細に説明する。以下の説明では、類似の参照番号を使って、各図面間と、図面に示す実施形態間における、類似の、同等の、または対応する特徴、機能または要素を示す。
【0051】
本発明の実施形態は、多人数参加型ゲームの方法およびシステムに関するものである。以下のこれらの実施形態の説明では、実施形態のいくつかの態様を別々に説明する。例えば、システムアーキテクチャを、ゲーム実現例とゲームソフトウェアの例とに対して別々に説明する。しかしながら、これらの態様のそれぞれが、説明する実施形態の少なくとも一部を形成するものであることを理解されたい。
【0052】
<多人数参加型ゲームシステムアーキテクチャ>
次に、図1、2、3および4を参照して、多人数参加型ゲームシステムのシステムアーキテクチャ態様を説明する。図1には、ゲームサーバ110と、通信コントローラ115と、ゲーム場120とを備える、本発明の一態様による多人数参加型ゲームシステム100が示されている。
【0053】
ゲームサーバ110は、多人数参加型ゲームを円滑に行わせる(支援する)ゲームソフトウェア310を格納し、実行する。ゲームサーバ110は、通信コントローラ115を介してゲーム場120とインターフェースし、通信コントローラ115は、ゲーム場120内の高速無線(無線周波数)通信と、ゲームサーバ110との間の高速有線通信とを制御する。ゲーム場120は、表示システム125と、無線送信機130と、複数の手持ち式ゲームコントローラ135と、少なくとも1つの(最大で例えば6台までの)無線受信機140とを備える。
【0054】
ゲーム場120は、好ましくは、映画館、劇場、会議場、講演会場などといった、大規模な屋内映写区域400である。或いは、ゲーム場120は、野外劇場、屋外競技場、または参加者の注意が大規模な中央ディスプレイに集中され得るその他の野外区域などの屋外施設としてもよい。
【0055】
表示システム125はゲーム場120内に配置され、映写機と、ゲームがプレーされているときに多人数参加型ゲームの画像が表示される大型表示画面とを備える。映写機は、好ましくは、通常、映画のデジタル上映に使用される種類のものである。適切な映写機の一例は、三洋製のワイドXGAディジタルマルチメディア映写機、モデルPLV−WF10である。
【0056】
表示画面(図4の、参照番号425で示される)は、画像を表示する任意の適切な画面、例えば、映写幕や、ビデオ画像を見るのに適した反射率の他の平坦な、または実質上平面的な表面とすることができる。表示画面は、ゲーム場120の物理的特性に応じて、壁または壁の一部を含んでいてもよい。
【0057】
ゲーム場120は、比較的多数の手持ち式ゲームコントローラ135、例えば、20から250台程度の手持ち式ゲームコントローラ135を収容することが意図されている。各手持ち式ゲームコントローラ135は、多人数参加型ゲームの個々のプレーヤが、ゲーム場120内に着席するか、または何らかのかたちで位置している間に使用される。例えば、各手持ち式ゲームコントローラ135は、多人数参加型ゲームのプレーヤが、ゲーム場120内の座席に着席し、表示画面425上の多人数参加型ゲームの表示を見ながら手持ち式ゲームコントローラ135を操作することができるように、大表示画面425を向いた座席と結合されていてもよい。手持ち式ゲームコントローラ135の構成要素と動作を、以下でより詳細に説明する。
【0058】
図1に示すゲームシステム100は、多人数参加型ゲームが単一のゲーム場120で行われ得る実施形態である。図2に示すものなど、別の実施形態では、いくつかの多人数参加型ゲームが、相互に比較的近くに位置するか、または相互に離れて位置する別々のゲーム場120で行われてもよい。
【0059】
図2に示す実施形態では、各多人数参加型ゲームシステム100は、図1に関して前述したように、ゲームサーバ110と、通信コントローラ115と、ゲーム場120とを有する。これらの多人数参加型ゲームシステム100のそれぞれは、より大規模な複数会場ゲームシステム200内に含まれていてもよい。複数会場ゲームシステム200は、多人数参加型ゲームシステム100のそれぞれのゲームサーバ110と通信する管理サーバシステム210、ならびにプレーヤ認証および支払処理のための支払/認証システム220を備える。
【0060】
管理サーバシステム210は、全般的システム管理機能と実施すると共に、異なる多人数参加型ゲームシステム100のゲームサーバ110間の通信を円滑化する。例えば、管理サーバシステム210は、ゲームをプレーする前か、及び/または支払情報の提供の一部として登録情報を提供するよう選択しているプレーヤの登録を保持してもよい。また、管理サーバシステム210は、ゲームに特定の機能以外の機能を実行するようにも構成される。例えば、管理サーバシステム210は、システム性能および顧客利用の分析に役立つように、平均プレーヤ数、平均プレー時間、各プレーヤの平均支出などの統計を記録する。
【0061】
一実施形態では、複数会場ゲームシステム200内のゲーム場120を、複合映画施設内の隣り合う映画館とすることができる。かかる場合、あるゲーム場120からの無線通信が、隣接するゲーム場120を横切り、多人数参加型ゲームへの干渉または中断を引き起こし得る。
【0062】
隣り合うゲーム場120でのゲームデータの同時送信を回避するために、通信クロック信号230が、複数会場ゲームシステム200内のすべての多人数参加型ゲームシステム100の通信コントローラ115を同期させるように用いられる。よって、隣り合うゲーム場120は、ゲームデータを同時に送信しないように制御される。代わりに、例えば40ヘルツ程度のクロックサイクルを使って、1つ以上の離れたゲーム場120内の通信に12.5ミリ秒の伝送期間が割り振られる。その12.5ミリ秒の期間が経過すると、隣り合うゲーム場120が、続く12.5ミリ秒の期間にわたって送信することを許される。最大限度(256)より大幅に少ない台数、例えば128台未満の手持ち式ゲームコントローラ135が使用されている場合、伝送期間は、2倍またはこれ以上に増大されてもよい。
【0063】
クロック制御のために、管理サーバシステム210によって1台の通信コントローラ115が、他の通信コントローラ115が従うマスタ通信クロック信号230を提供して、伝送タイミングを調整するように指定される。マスタ通信クロック信号230を伝送するために、ツイストペアなどの専用クロックケーブルが設けられる。
【0064】
複数会場ゲームシステム200内の複数のゲーム場120の数と物理的配置に応じ、通信クロック230を使って、直接隣り合うゲーム場同士120はデータを同時に送信せず、相互に十分離れているゲーム場同士120には(この場合には干渉の可能性が少ないため)同時に送信させるようにすることができる。或いは、各ゲーム場120が、隣り合うゲーム場120からの干渉の可能性を十分に低減するのに足るほどの電磁遮蔽を有する場合には、通信クロック230が不要になることもあり、各ゲーム場120内のデータ通信速度が低減される必要はなくなる。
【0065】
図2に、3つの多人数参加型ゲームシステム100を有する複数会場ゲームシステム200を示す。しかしながら、複数会場ゲームシステム200内には任意の数の多人数参加型ゲームシステム100があってもよいことを理解されたい。例えば、複合映画施設が、複数会場ゲームシステム200全体で、各劇場が多人数参加型ゲームシステム100のゲーム場120である10の異なる劇場で、10の多人数参加型ゲームを開催してもよい。さらに、異なる場所にある複合映画施設が、単一の管理サーバシステム210を共用する同じ多人数参加型ゲームシステム200によって制御されてもよい。
【0066】
複数の多人数参加型ゲームシステム100を有する複数会場ゲームシステム200が示されているが、代替的の実施形態では、独自の管理サーバシステム210と支払/認証システム220を用いて動作する単一の多人数参加型ゲームシステム100を提供する。この実施形態は、ある場所でただ1つのゲーム場120だけしか収容され得ない場合にはより適し得る。
【0067】
次に、図3を参照して、ゲームサーバ110をさらに詳細に説明する。ゲームサーバ110は、メモリ312に格納されたゲームソフトウェア310の形態のコンピュータプログラム命令にアクセスする。ゲームソフトウェア310は、メモリ312からロードされ、コンピュータプロセッサ(不図示)によって処理される。また、ゲームサーバ110は、ゲームソフトウェア310からの命令に応答して、表示システム125に表示命令を提供する表示ドライバ314も備える。ゲームサーバ110は、通信コントローラ115を介して手持ち式ゲームコントローラ135にゲームデータを提供し、手持ち式ゲームコントローラ135からプレーヤコマンドデータを受け取るゲームコントローラドライバ316をさらに備える。
【0068】
ゲームサーバ110上で動作するゲームソフトウェア310は、多人数参加型ゲームシステム100上でプレーされるべき所望のゲームによって異なり得る。適切なソフトウェアは、多人数参加型ゲームを開始するときのプレーヤによる投票に応答して、あるいは、ゲームサーバ110または管理サーバシステム210の管理オペレータによる選択に応答して、メモリ312からロードされ得る。
【0069】
プレーされるべきゲームが選択されており、ゲームソフトウェア310がメモリ312からロードされると、ゲームサーバ110は、多人数参加型ゲームの開始前に、通信コントローラ115を介して各手持ち式ゲームコントローラ135にゲームソフトウェアモジュールをダウンロードする。このダウンロードには数分を要することがあるが、多人数参加型ゲームの動作中に手持ち式ゲームコントローラ135の表示画面上に提供される補完表示を使用可能にするのに必要である。
【0070】
このようにゲームサーバ110から手持ち式ゲームコントローラ135にダウンロードされるゲームソフトウェアモジュールは、ゲーム前資格認定アクティビティなど、多人数参加型ゲームに直接関連しないアクティビティが行われることを可能にするソフトウェアを含むこともある。或いは、プレーヤからの要求に応答して、ゲームサーバ110が、手持ち式ゲームコントローラ135に、プレーヤによって1人プレーゲームとしてプレーされる、多人数参加型ゲーム以外のゲームのゲームソフトウェアモジュールをダウンロードして、プレーヤが、多人数参加型ゲームに興味がない場合に、多人数参加型ゲームから抜け出ることができるようにしてもよい。
【0071】
各手持ち式ゲームコントローラ135は、ゲーム開始前にプレーヤから受け取られる支払許可情報の処理(暗号化を含む)など、いくつかの基本機能を達成するためにメモリに格納された適切なソフトウェアを備える。また、このプリロードソフトウェアは、インターネットや、劇場内イントラネットなどのより限定されたネットワークの閲覧などを可能にするブラウザアプリケーションを含んでいてもよい。このようなイントラネット閲覧は、閲覧者に、これから公開される映画、ゲーム、販売促進および別の形の製品またはサービス販売活動を事前に見せることを可能にするため有利である。また、手持ち式ゲームコントローラ135には、例えば、手持ち式ゲームコントローラ135の1つを操作する人がこれから公開される映画や、ゲームや、その他の製品またはサービスの広告を(表示画面640上で)見ることができるように、メモリにビデオ画像または静止画像がプリロードされていてもよい。
【0072】
図1に戻って、無線送信機130および無線受信機140は、無線周波数での手持ち式ゲームコントローラ135との無線通信に適したハードウェアおよび/またはソフトウェアを含む。通信コントローラ115は、手持ち式ゲームコントローラ135に送信するために送信機130にデータを送り、無線受信機140を介して手持ち式ゲームコントローラ135からコマンドデータを受け取るための高速シリアルインターフェースを備える。
【0073】
通信コントローラ115は、約2.4ギガヘルツの伝送周波数を使用し、無線送信機130を介して、最大毎秒1メガビットまでの速度で手持ち式ゲームコントローラ135にデータパケットを送信するように構成されている。
【0074】
本明細書で説明する伝送速度および通信インフラストラクチャは例示のためのものにすぎず、将来的には改善された伝送速度および通信インフラストラクチャが利用可能になることが予期されていることを理解されたい。よって、本明細書で説明するは、目下のところは、高速通信を提供するものとみなされるが、このようなインフラストラクチャは、将来の規格では高速とみなされないことも考えられる。
【0075】
通信コントローラ115は、好ましくは、少なくとも双方向に毎秒10メガビットの伝送速度を有する高速有線接続を介して、ゲームサーバ110に受信したコマンドデータを送り、ゲームサーバ110からゲームデータを受け取る。ゲームサーバ110と通信コントローラ115の間の1つの好適な接続はイーサネット(登録商標)接続である。
【0076】
無線送信機130は、高速無線データ送信のための適切なRF送受信機、コントローラ、増幅器およびアンテナハードウェアモジュール(不図示)を備える。RFモジュールの一例は、RFW112−M送受信機を備える無線周波RFW−D100リンクマネージャである。無線送信機130の送信アンテナは、ゲーム場120へのデータ信号の指向性ブロードキャストを提供する。
【0077】
無線受信機140は、それぞれ、アンテナ、増幅器、コントローラおよび送受信ハードウェアモジュールを含む、同様のRF受信モジュールを備える。手持ち式ゲームコントローラ135によって送られるコマンドデータは、各無線受信機140の受信アンテナによって受け取られる。ゲーム場120内での各無線受信機140の手持ち式ゲームコントローラ135に対する場所に応じて、ある無線受信機140は、個々の手持ち式ゲームコントローラ135からより強い信号を受け取ることもあり、その信号が、その無線受信機140において、他の無線受信機140よりもわずかに早く受け取られることもある。
【0078】
手持ち式ゲームコントローラ135から送信されるコマンドデータは、無線受信機140で受け取られ、次いで無線受信機140は、コマンドデータを、通信コントローラ115内の高速シリアルインターフェースに出力し、通信コントローラ115はさらにそのデータをゲームサーバ110に提供する。
【0079】
データは、手持ち式ゲームコントローラ135とゲームサーバ110の間で、パケットの形でやりとりされる。通信の目的に応じて、各パケット内のバイト数は異なり得る。パケットの種類には少なくとも、ゲームサーバ110から個々の手持ち式ゲームコントローラ135へのポーリングパケットと、プレーヤから受け取られるあらゆる入力に対応するデータを提供する、手持ち式ゲームコントローラ135からゲームサーバ110への標準応答パケットと、ゲームサーバ110から受け取られる問合せパケットに応答して送られる、手持ち式ゲームコントローラ135からゲームサーバ110に提供される問合せ応答パケットが含まれる。他のデータパケット構造を使って、登録関連情報や、データまたはソフトウェアダウンロードなど、多人数参加型ゲームに特に関係のないゲーム/コマンドデータおよび情報が送られてもよい。
【0080】
無線データ伝送は減衰をこうむり、雑音の影響を受けるため、ゲームサーバ110と手持ち式ゲームコントローラ135の間のすべてのデータ通信は、何らかの形の誤り検出コード、例えば、チェックサムバイトや巡回冗長検査コードなどを含む。
【0081】
(図3に示す)ゲームコントローラドライバ316は、それぞれ、各手持ち式ゲームコントローラ135との間のデータの受信と送信のための入力バッファ(不図示)と出力バッファ(不図示)を含む。プレーヤが登録されている各手持ち式ゲームコントローラ135との通信のために別々の入力および出力バッファが専用に割り当てられる。以下の表1〜3に、ポーリングパケット、標準応答パケットおよび問合せ応答パケットのそれぞれのパケット構造例を示す。
【0082】
表1に例示するポーリングパケットは、マスタ通信クロック230によって許可される伝送期間内(例えば、12.5ミリ秒など)にゲームサーバ110によって送信される。ポーリングパケットは、コマンド、会場識別子、ゲームコントローラ識別子を送るための6バイト、2または3バイトのデータペイロードおよびチェックサムバイトを含む。
【0083】
【表1】

【0084】
手持ち式ゲームコントローラ135は、チェックサムが正しくない場合には、ポーリングパケットを無視する。チェックサムバイトが正しい場合、手持ち式ゲームコントローラ135は、手持ち式ゲームコントローラ135の現在の状態を示す5バイト標準応答パケットで応答する。手持ち式ゲームコントローラ135の現在の状態が正常である場合、コントローラIDがチェックサムに追加される。そうでない場合、0x0FF(10進数で255)などの誤りコードがチェックサムに追加される。
【0085】
【表2】

【0086】
問合せ応答パケット(表3に例示)は、ゲームサーバ110からの状態要求(問合せパケット)に応答して手持ち式ゲームコントローラ135の状態情報を提供する5バイトパケットである。
【0087】
【表3】

【0088】
手持ち式ゲームコントローラ135のプロセッサ605(図6に示す)は、RF送受信機615を介して受け取られたポーリングパケットを構文解析し、ポーリングパケット内に符号化されているコマンドを判断するように構成されている。プロセッサ605は、必要であれば標準応答パケットまたは問合せ応答パケットを構成することを含め、受け取られるコマンドに従って応答する。手持ち式ゲームコントローラ135がゲームサーバ110からのデータダウンロードを受け取るとき、プロセッサ605は、ダウンロードされるパケットを構文解析し、このようにして受け取られるソフトウェアを格納するが、受信パケットの単純な受信確認(acknowledgement)以外の応答を提供しない。
【0089】
ゲームコントローラドライバ316は、各手持ち式ゲームコントローラ135ごとに入力バッファと出力のバッファ(以下でそれぞれ表4と表5に例示する)を保持する。入力バッファは、手持ち式ゲームコントローラ135から受け取られた最後(最新)のデータ、ならびにまだ構文解析されていない新規に受け取られたデータを保持する。また、入力バッファは、様々な入力の現在の状態及びそれらの入力の状態の変化も追跡する。出力バッファは、コントローラに送られるべき次のデータパケットを保持する。各入力および出力バッファは、一方のバッファが、他方のバッファがゲームサーバ110からアクセスされている間に、送信または受信を行い得るように複製される。
【0090】
【表4】

【0091】
【表5】

【0092】
図4に示すように、ゲーム場120には、無線送信機130、無線受信機140、複数の手持ち式ゲームコントローラ135および表示システム125(映写機428と表示画面425を備える)が位置している。これらのゲーム場120構成要素は、映写領域400の周囲の様々な場所に配置される。
【0093】
無線送信機130は、好ましくは、映写領域の天井、またはその近くに位置し、一般的に、プレーヤが多人数参加型ゲームプレー中に位置している可能性の高い、映写領域400の座席領域に向けられた、対象をしぼった指向性ブロードキャスト430を有する。指向性ブロードキャスト430のビーム角θは、好ましくは、映写領域400の物理的構成および無線送信機130の場所に応じて、約45度から90度である。より特異な構成の映写領域400に対応するには、より広くまたは狭いブロードキャスト角度が使用され得る。
【0094】
無線受信機140は、好ましくは、手持ち式ゲームコントローラ135の無線送受信機からの出力信号を受け取るために、いくつかの位置に、映写領域400の天井に沿って、間隔を置いて配置される。また、無線受信機140における信号対雑音特性を最適化するのに望ましいとみなされる場合には、1つ以上の無線受信機140が、映写領域400の後方壁または側壁に位置していてもよい。
【0095】
図4に例示する映写領域400は、映画館や講堂、または別種の大規模な閉鎖空間の形とすることができる。かかる映写領域では、映写機428から映写される画像が、映写領域400前方の表示画面425に向けられるように、映写機428が、映写領域400の後方壁側、またはその後側に配置されるのが一般的である。しかしながら、映写領域400の物理的レイアウトに適合させるために、別の映写機428の場所が用いられてもよい。例えば、映写機428は、天井から吊り下げられるか、または床から突出した構造に設置されていてもよい。
【0096】
一実施形態では、無線送信機130を、全般的に、表示画面425側に配置し、指向性ブロードキャスト430が表示画面425から多少離れる方向に向けられ、ビーム角θが、全般的に下向きに、かつ映写領域400後方に向けられるようにするのが好ましい。この配置では、無線受信機140は、映写領域400後方に、無線送信機130からの指向性ブロードキャスト430の直接の視野方向の外になるように配置される。この配置では、無線送信機130は、好ましくは、表示画面425に最も近い映写領域400の天井領域の3分の1以内に位置し、無線受信機140は、好ましくは、映写領域400の映写機428側の天井または側壁領域の2分の1以内に位置する。
【0097】
代替的実施形態では、無線送信機130は映写領域400後方に位置し、全般的に、前方かつ下方に向けられた(ただし、やはりプレー中に手持ち式ゲームコントローラが位置することになる座席領域に向けられた)指向性ブロードキャスト430を有していてもよい。かかる配置では、無線受信機140は、表示画面425により近接し、全般的に無線送信機130から離れた場所に位置する。
【0098】
様々な実施形態において、映写領域400内の無線送信機130と無線受信機140の正確な場所は、多人数参加型ゲームシステム100で使用される映写領域400の物理的構成に左右される。無線送信機130から映写領域400内に位置する手持ち式ゲームコントローラ135への直接的な効率のよい通信、および手持ち式ゲームコントローラ135から無線受信機140への高速で効率のよい通信の必要性に留意して、無線送信機130および無線受信機140の位置決めにはいくつかの変形および変更が行われてもよい。
【0099】
参照番号1300で示される多人数参加型ゲームシステムの代替の実施形態では、手持ち式ゲームコントローラは、図13に示すように、有線方式でゲームサーバ110と通信し得る。手持ち式ゲームコントローラとゲームサーバ110の間の通信は、イーサネット(登録商標)などの有線ネットワーク1350を介して行われ得る。
【0100】
多人数参加型ゲームシステム1300は、多人数参加型ゲームシステム100と実質的に同じであり、実質的に同様に動作する。しかしながら、多人数参加型ゲームシステム1300は、多人数参加型ゲームシステム100の無線アーキテクチャではなく、有線システムアーキテクチャを使用する。多人数参加型ゲームシステム1300では、ゲームサーバ110をネットワーク1350を介して手持ち式ゲームコントローラと相互接続するため、無線送信機および受信機をゲーム場120内に配置する必要がない。
【0101】
手持ち式ゲームコントローラは、手持ち式ゲームコントローラ135(図6および図7に関連して詳細に説明している)と、無線送受信機を必要としないという点でやや異なっており、図13では参照番号1335で示す。代わりに手持ち式ゲームコントローラ1335は、ネットワーク1350へのイーサネット(登録商標)接続などの有線接続を利用する。ネットワーク1350と各手持ち式ゲームコントローラ1335の間の有線接続は、好ましい実施形態では、少なくとも1つの肘掛け(アームレスト)を有する座席である各プレー位置まで敷設されている配線を介して確立される。イーサネット(登録商標)接続ケーブルは、好ましくは肘掛けと、手持ち式ゲームコントローラ1335を肘掛けに接続する機械的接続部とを貫通する。この機械的接続部は、剛性のものでも柔軟なものでもよい。
【0102】
ネットワーク1350を介するイーサネット(登録商標)接続は、多人数参加型ゲームの操作時に手持ち式ゲームコントローラ1335に電力供給するには不適切な電圧を提供するために、手持ち式ゲームコントローラ1335が使用される際には電池電源を使用する。手持ち式ゲームコントローラが使用されていないときには、イーサネット(登録商標)接続を介して電池が細流充電される。
【0103】
多人数参加型ゲームシステム1300は、多人数参加型ゲーム操作のいずれにも影響を及ぼさずに、本明細書で説明する様々な実施形態に関連して、多人数参加型ゲームシステム100の代わりに使用され得ることを理解されたい。主要な影響は、ゲームサーバ110と手持ち式ゲームコントローラの間の通信に対するものであり、これは主に通信アーキテクチャおよびハードウェアの問題である。
【0104】
多人数参加型ゲームシステム1300は、無線通信を使用しないため、隣り合うゲーム場120間の干渉から保護する必要をなくする点で有利である。他方、多人数参加型ゲームシステム1300は、多人数参加型ゲームシステム100の無線インフラストラクチャと比べて、有線通信インフラストラクチャを設置するためにより大きな構造的障害が必要とされるため、映画館などの既存の会場に設置する場合は、より高くつくこともある。
【0105】
次に、図5を参照して、多人数参加型ゲームを行う方法500を説明する。方法500はステップ510から開始し、ここでプレーヤ登録が受け取られる。プレーヤ登録は、プレーヤが特定の多人数参加型ゲームをプレーしたいことを(すなわち、手持ち式ゲームコントローラ135上で適切な入力コマンドを介して)指示した結果として受け取られる。またプレーヤ登録は、支払の受領または支払許可、或いははプレーヤから支払を受けるその他の手段も伴う。プレーヤ登録については図12に関連して以下でより詳細に説明する。
【0106】
プレーヤが多人数参加型ゲームをプレーするよう登録すると、ステップ515で、ゲームソフトウェアモジュールがゲームサーバ110から、プレーヤが登録されている手持ち式ゲームコントローラにダウンロードされる。このゲームソフトウェアモジュールは、多人数参加型ゲームのプレー中の手持ち式ゲームコントローラ135上での対応するゲームアクティビティ、またはプレーヤが多人数参加型ゲームに参入する前に行うアクティビティを円滑に行わせるために使用される。代替的実施形態では、ステップ515は、プレーヤ登録手続を開始する前に、手持ち式ゲームコントローラ135すべてにゲームソフトウェアモジュールをプリロードするために、ステップ510の前に行われてもよい。
【0107】
プレーヤ登録が完了し、ゲームソフトウェアダウンロードが終了すると、ステップ520で登録プレーヤがゲームに追加される。受け取られた登録の数と、プレーされる多人数参加型ゲームに参加し得るプレーヤ数の任意の所定の限度とに応じて、最大で所定の切捨て数(定員)までの第1の登録プレーヤがゲームに追加される。切捨て数後に登録されたプレーヤには、ゲームへのエントリを待つ間、代替的なアクティビティが提供されてもよい。切捨て数は、例えば、ゲームの種類と登録プレーヤの数に応じて、20から100人などとすることができる。
【0108】
ステップ520で十分な数の登録プレーヤがゲームに追加されると、ステップ530でゲームが開始され、ステップ520でゲームに追加されたプレーヤだけが、多人数参加型ゲームに参加することを許される。
【0109】
ゲームの過程において、プレーヤによって制御されるアバタは通常、その他のプレーヤのアバタによる影響や、ゲームソフトウェア310による指示により、そのゲーム内での経験に応じて、何らかの種類の利益または損失をこうむることになる。アバタがある一定量の損失をこうむるか、またはある所定のイベントを経験した場合、そのアバタは「死ぬ」こともあり、または別のやり方で多人数参加型ゲームから除外されることもあり、その場合プレーヤはもはや多人数参加型ゲームのアクティブ(動作可能な)プレーヤではなくなり、プレーヤのアバタは大表示画面425上で見えなくなる。
【0110】
プレーヤのゲームへの追加およびゲームからの除外がステップ540で行われ、これによってプレーヤがゲームから除外されると、そのプレーヤの場所で別のプレーヤがゲームに追加され得る。プレー登録されているが、まだ多人数参加型ゲームに追加されていないプレーヤは、他のプレーヤが多人数参加型ゲームから除外された後で多人数参加型ゲームに追加されるように、待ち行列に入れられる。ゲームから除外されたプレーヤは、待ち行列の末尾に参入してもよい。待ち行列中の最初のプレーヤが、次の機会にゲームへの参入することを許される。待ち行列中のプレーヤの前に他のプレーヤがいない場合、そのプレーヤはゲームに参入することも再参入することもできる。このようにプレーヤは間断なくゲームに追加またはゲームから除外され、これによって多人数参加型ゲームへの関心を生み出すと同時に、多人数参加型ゲームでのプレーヤ数を制限して、過密になることによって各プレーヤのアバタが判別しにくくなるのを防ぐ。
【0111】
ステップ540でプレーヤがゲームから除外されると、そのプレーヤは例えば手持ち式ゲームコントローラ135上で提示される対応する選択肢を選択するなどによって、次の機会にゲームに再参入するために待ち行列に入ることにしてもよい。或いはプレーヤは、1人プレーゲームをプレーしたり手持ち式ゲームコントローラ135上で利用可能なブラウザアプリケーションを使用したりするなど、別のアクティビティを行うことにしてもよい。
【0112】
一実施形態では、プレーヤが待ち行列で多人数参加型ゲームに再参入するのを待っている間に、そのプレーヤに、多人数参加型ゲームへの興味を維持させるために、ゲーム関連のアクティビティが提供される。例えば、このゲーム関連のアクティビティは、アバタのメンテナンスを行ったり、プレーヤのアバタの装備や道具を交換し、または購入したりすることを含んでもよい。或いは、ゲーム関連のアクティビティは、任務や射撃の演習など訓練アクティビティや、チーム内の位置の選択(図14から18に関連して説明する)など、チーム編成アクティビティを含んでいてもよい。
【0113】
ステップ550で、ゲームソフトウェア310は、ゲームが終了したかどうか、または多人数参加型ゲームをプレーするのに割り当てられた期間が満了しているかどうか判定する。ゲームが終了するか、または時間が満了している場合、ステップ560でゲームが終了され、勝者が宣言される。そうでない場合、ゲームは続行し、ゲームが終了するか、または期間が満了するまでステップ540および550を繰り返す。
【0114】
ゲームは、プレーヤの1人がある一定の目標に到達し、または別のやり方で多人数参加型ゲームにおける勝ちを達成した場合に、終了していると判定することができ、そのプレーヤが勝者であると宣言され得る。或いは、ゲームの勝者は、例えば、成績や得点の累積に応じて宣言されてもよい。ゲームの割り当て期間満了のためにゲームが終了する場合、最多累積得点またはその他の成績を有するプレーヤが、勝者であると宣言されてもよい。ゲームは終了しているが、まだゲームをプレーできる時間が残っている場合、新規にゲームが開始されてもよい。
【0115】
<手持ち式ゲームコントローラ>
次に、図6および7を参照して、手持ち式ゲームコントローラ135についてさらに詳細に説明する。手持ち式ゲームコントローラ135は、手持ち式ゲームコントローラ135の動作を制御するプロセッサ605を備える。手持ち式ゲームコントローラ135は、プレーヤ入力手段610と、無線RF送受信機615と、カード読取装置620と、振動モジュール625と、メモリ630と、電源モジュール635と、表示画面640と、オーディオ出力手段645とをさらに備える。これらの構成要素は、コントローラハウジング710(図7に示す)に収容されている。
【0116】
プロセッサ605は、好ましくは、画像処理、音声処理および高速ソフトウェアアルゴリズム実行を行うことができると共に、制御機能および高速入出力機能も有する高速プロセッサである。適切なプロセッサ1つは、画像処理ユニットと音声処理ユニット(NTSCおよびPALデータ形式をサポートする)を備えるSunplus SPG200プロセッサであり、これは、様々なプレーヤ作動の入力手段からのデータ入力、およびカード読取装置620やRF送受信機615など他の入力を受け取るように構成可能である。
【0117】
プレーヤ入力手段610は、ジョイスティックと、少なくとも4つのアクションボタンと、6から8個のその他のコマンドボタンを含む。これらのボタンに関連付けられたコマンドおよびアクションは、プレーされる多人数参加型ゲームに従って構成可能である。コマンドボタンのいくつかは、コマンドボタンが、事実上、表示画面640に示されるメニュー選択肢を選択するのに使用され得るように、表示画面640上の隣接表示部分に示される機能を有していてもよい。
【0118】
プレーヤ入力手段610は好ましくは、プレーヤが表示画面640の特定の部分に関連付けられたコマンドまたは選択肢を、タッチ式スクリーンオーバーレイのその部分に触れることによって選択するための、表示画面640に重ね合わされたタッチ式透明スクリーンも含む。
【0119】
ジョイスティックの動き、アクションまたはコマンドボタンの押下、およびタッチ式スクリーンへのタッチを含む、様々なプレーヤ入力手段の操作が、信号をプロセッサ605に送らせ、これらがコマンド信号または他の種類の入力信号として解釈され得る。プレーヤが現在多人数参加型ゲームをプレーしている場合、プロセッサ605は、必要に応じてこれらの入力コマンド信号を処理し、コマンドを、RF送受信機615を介してゲームサーバ110に送信されるデータパケットとして符号化する。
【0120】
RF送受信機615は、信号調整および増幅機能を有する適切な送信および受信モジュール(不図示)、ならびにアンテナ(不図示)を備える。RF送受信機615は、無線信号の送信と受信が、コントローラハウジング710の周辺部分で実施されるように、手持ち式ゲームコントローラ135内に配置される。これにより、無線信号と、手持ち式ゲームコントローラ135内の他の構成要素の作用との干渉が最小限に抑えられる。1つの適切なRF送受信機が、RFW112−M送受信機用RFW−D100リンクマネージャと専用Atmel89c52組み込み式プロセッサを用いて、RF Waves社によって製造されている。
【0121】
カード読取装置620は、好ましくは、表面に符号化磁気ストリップを有する紙またはプラスチックカードを読み取る磁気ストリップカード読取装置である。格納されたデータを読み取らせるためにカードがカード読取装置620に通されるか、または差し込まれると、カードから読み取られたデータが、検証のためにプロセッサ605に送られる。或いは、カード読取装置620は、磁気ストリップカードと共に、またはその代わりに、スマートカードを読み取るように適合されていてもよい。
【0122】
カードから読み取られた符号化データが有効なコードを構成しない場合、プロセッサ605は、表示画面640上に、プレーヤにカードをカード読取装置620に挿入し直すよう指示し、またはカードから読み取られたコードが無効なコードであることを指示するエラーメッセージを表示させる。
【0123】
カード読取装置620によってカードから読み取られたコードがプロセッサ605によって有効なコードであると判定された場合、このコードは、プロセッサ605によって実行される暗号化アルゴリズムを使って暗号化され、RF送受信機615および無線受信機140を介してゲームサーバ110に送信される。暗号化アルゴリズムは、例えば、128ビットWEP、3DES、RSAアルゴリズムなどとすることができる。
【0124】
振動モジュール625は、小型DCモータ(不図示)によって駆動されるオフセット重りを備える。DCモータは、電源モジュール635から電力を受け取り、プロセッサ605からオン(ON)信号を受け取ったことに応答して、オフセット重りを回転するように駆動する。プロセッサ605からのオン信号は、好ましくは、オン信号に応答して、事実上、電力をDCモータに切り換えるように、ドライバトランジスタのベース端子に加えられる。モータがオフセット重りを駆動すると、手持ち式ゲームコントローラ135内のオフセット重りの配置と回転が、手持ち式ゲームコントローラ135全体を、オフセット重りが回転するに従って振動させる。
【0125】
プロセッサ605は、オン状態の振動モジュール625を、プレーヤがプレーヤ入力手段610のコマンドボタンの1つを押すことによって作動されるプレーヤキャラクタ識別プロセス(以下でさらに詳細に説明する)の一部として、表示画面425上の画面上アバタの強調視覚的表示と同期して、特定の反復シーケンスに従って、振動モジュール625を駆動するように構成されている。
【0126】
メモリ630は、プロセッサ605によって、(前述のステップ515で)手持ち式ゲームコントローラ135にダウンロードされたゲームソフトウェアモジュールを含むコンピュータプログラム命令を格納し、例えば、ブラウザアプリケーション、インスタントメッセージングやチャットアプリケーションといった特定のゲームに特有のものではないプレーヤインターフェースソフトウェア、多人数参加型ゲームのプレー中にゲームサーバ110から受け取られるゲーム変数およびデータなどを含む、アプリケーション情報を格納するのに使用される。メモリ630は、ランダムアクセスメモリ(RAM)およびフラッシュメモリを含む、揮発性と不揮発性両方のメモリを備える。プロセッサ605は、メモリ630に格納されたコンピュータプログラム命令を実行することにより、様々な通信、データ処理表示およびユーザインターフェース機能を制御する。
【0127】
電源モジュール635は、例えば、AAニッケル金属水素(NiMH)充電池などの形態の電池電源と、プロセッサ605その他のモジュールに電力を供給する、電源調整回路とを備え得る。電源モジュール635からの電力は、プロセッサ605によって、必要に応じて手持ち式ゲームコントローラ135内の他のモジュールに電力を提供するように制御される。例えば、プロセッサ605は、表示画面640の照明を提供する電源モジュール635からの電力、オーディオ出力645に音声エネルギを出させるオーディオ出力645への電力、振動モジュール625内のDCモータを駆動する電力、カード読取装置620内の磁気ストリップ読取装置への電力、およびRF送受信機615の送信電力を切り換える。また、電源モジュール635は、外部電源から電池に再充電する充電回路を備えていてもよい。
【0128】
代替的な実施形態では、各手持ち式ゲームコントローラ135は、外付けバッテリパック(不図示)などの外部電源から電力を受け取る。かかる実施形態では、外部電源が、電源モジュール635に電力を供給する。手持ち式ゲームコントローラ135は、それぞれ、座席のアームまたはゲーム場内のその他の固定構造に接続されていてもよい。
【0129】
バッテリパックは、好ましくは、座席のアームまたはその他の固定構造に着脱可能に取り付けられており、手持ち式ゲームコントローラ135は、座席のアームまたはその他の構造に、係留手段(tether)によって接続されている。係留手段は、手持ち式ゲームコントローラ135が座席のアームまたはその他の構造に対して動くことを可能にする可動接続手段を備え、バッテリパックから手持ち式ゲームコントローラ135に電力を供給する電源ケーブルを収容する。係留手段は剛性の接続アームを備えていてもよく、柔軟な巻取式ケーブルを備えていてもよい。
【0130】
表示画面640は、プロセッサ605からの表示画像を提供するための出力を受け取る。表示画面640は、好ましくは、320×240画素の画面解像度を有する、発光ダイオード(LED)バックライト付きの、カラー超ねじれネマティック(CSTN)画面である。
【0131】
プレーヤ入力手段610に関連して前述したように、タッチ式スクリーンが、表示画面640の外面上に、表示画面640の液晶表示ユニットが、ガラスや透明プラスチックなど適切な分割層によってタッチ式層から分離されるように重ね合わされている。表示画面640上に重ね合わされたタッチ式層によってこのように形成される「タッチスクリーン」は、プレーヤに触れられるタッチスクリーンの部分に対応する電気出力が生成されるように構成されている。タッチスクリーンは、電気信号を受け取り、対応する信号をプロセッサ605に出力する前に、例えばアナログ/デジタル変換などによって、それらの電気信号を調整するプリプロセッサ(不図示)を備えていてもよい。タッチスクリーンからの電気出力は、プロセッサ605によって受け取られ、プレーヤが選択肢またはゲームコマンドの有効な選択を行ったかどうか判定するように処理される。
【0132】
タッチスクリーンの全領域が有効な選択肢またはコマンドに対応するとは限らず、タッチスクリーンのいくつかの部分は、任意のときにプロセッサ605によって実行されているアプリケーションに応じて、様々なときにアクティブになったり、非アクティブになったりし得る。選択された選択肢またはゲームコマンドが有効である場合、選択された選択肢またはコマンドは、手持ち式ゲームコントローラ135上で実行中の(メモリ630に格納された)ゲームソフトウェアモジュールに従い、プロセッサ605によって処理される。かかる処理は、選択された選択肢またはコマンドに対応する1つ以上のパケットを生成し、ゲームサーバ110に送信することを含んでいてもよく、メモリ630に格納された別のグラフィックスやテキストを表示することを伴っていてもよい。
【0133】
表示画面640上に重ね合わされたタッチスクリーンは、プロセッサ605によって実行される適切なソフトウェアアプリケーションと組み合わせて、有利には、手持ち式ゲームコントローラ135または1335間のインスタントメッセージングを可能にしてもよい。これは、メッセージテキストの入力を可能にするキーボードに対応する表示画面640上のボタンを含むユーザインターフェースを提供することによってなされてもよい。タッチスクリーンは、キーボードキーに対応するボタンを押させるようにする。かかるユーザインターフェースは、テキストメッセージングに使用することもでき、プレーヤ名やチーム名など、他のテキストストリング(文字列)を入力するのに使用することもできる。
【0134】
プレーヤが、例えば、メニュー選択肢を選択するなどによって、別のプレーヤにインスタントメッセージを送ろうしていることを示した場合、プロセッサ605は、インスタントメッセージングアプリケーションを起動するか、または別のやり方で、表示画面640にインスタントメッセージングユーザインターフェースを提供する。プレーヤが送られるべきテキストストリングを入力し、リストから受信者を選択するかまたは受信者とすべきプレーヤのチームを選択するなどによって、1人以上の所望の受信者を識別すると、プロセッサ605はそのテキストストリングを1つ以上のパケットとして符号化し、パケットをゲームサーバ110に送信する。次いで、ゲームサーバ110は、テキストメッセージの対象受信者に対応する手持ち式ゲームコントローラ135を識別し、送信者名、件名など他の任意の関連情報と共にそのテキストストリングを含む1つ以上のパケットを準備し、パケットを個々の表示画面640上に表示するために、関連する手持ち式ゲームコントローラ135に送信する。このようにして、プレーヤは、敵、味方または味方になりそうな人を含めて、多人数参加型ゲーム内の他の任意のプレーヤとやりとりしてもよい。
【0135】
代替の実施形態では、プロセッサ605は、プレーヤまたは多人数参加型ゲームに参加していない他の人たちが、例えば、ゲームについて、またはこれから公開される映画についてチャットを行うことを可能にするチャットルームアプリケーションを実行してもよい。チャットルームアプリケーションは、インスタントメッセージングアプリケーションのものと類似したユーザインターフェースを使用する。特に、チャットルームアプリケーションでは、表示画面640上に、タッチスクリーンを介してテキストストリングを入力するのに使用され得るキーボードを表示させる必要がある。
【0136】
また、表示画面640は、プロセッサ605によって、プレーヤキャラクタ識別プロセス(図8から11に関連して以下でさらに詳細に説明する)でも使用され、これによってプロセッサ605は、表示画面640またはその一部分を、振動モジュール625によって生じる振動およびオーディオ出力645から発せられる音声と同期して点滅させる。
【0137】
オーディオ出力645は、ある一定のゲームイベントに対応する音声を出力する少なくとも1つのスピーカを備える。オーディオ出力645から発せられる音声は、ゲーム及び、多人数参加型ゲームのプレー中に発生する個々のゲームイベントによって異なる。音声は例えば、プレーヤにゲーム時間がもう少しで満了すること、プレーヤのアバタの健康状態が低下していること、あるいはプレーヤに通知されるべき他のシナリオについて警告するために発せられ得る。オーディオ出力645には、1つ以上の標準8オーム250mWコンピュータ用スピーカが使用され得る。
【0138】
図7に手持ち式ゲームコントローラ135の一実施形態の斜視図を示す。手持ち式ゲームコントローラ135は、プロセッサ605、RF送受信機615、カード読取装置620、振動モジュール625、メモリ630および電源モジュール635を含む電気および電子構成部品を収容する、剛性のケーシングの形状のハウジング710を有する。ハウジング710は好ましくは成形プラスチックであり、プレーヤの両手で軽く容易に支えるのに適した小型のものである。
【0139】
ハウジング710は、前面(または上面)712および背面(または下面)(不図示)を有する。表示画面640は前面712の、一般に、ハウジング710の中央部分に位置し、プレーヤが手持ち式ゲームコントローラ135を通常のプレー時の向き(横向き)で持ったときに、前面712が一般に上を向き、表示画面640がプレーヤから見えるようにされる。
【0140】
ハウジング710は、ハウジング710の左右の両側端部に左グリップ730と右グリップ732を含む。左グリップ730は、好ましくは、手持ち式ゲームコントローラ135の使用時にプレーヤの手で楽に握ることができるように、ゴムなどの軟らかく、しかも摩擦性の材料で形成される。右グリップ732も同じ材料で形成されるが逆向きに配置され、プレーヤの右手で握るように構成される。前面712は実質的に覆い隠されないままとされるが、左右のグリップ730、732はハウジング710の左右の端部を覆い、手持ち式ゲームコントローラ135が衝撃を受けたり、落とされたりした場合の少なくとも部分的な衝撃吸収機能を提供する。
【0141】
プレーヤ入力手段610は、ジョイスティック720、コマンド(または選択)ボタン722、アクションボタン724、ならびに表示画面640上に重ね合わされたタッチセンサ式スクリーンなどの、動き選択部材の形態で設けられる。ジョイスティック720は左グリップ730の隣の、左手がグリップ730上に置かれたときに左手の親指による操作に適した位置に配置され、親指以外の指でハウジング710の下面を支持し、親指で前面712に触ることができるようにされている。
【0142】
ジョイスティック720は、好ましくは、X−Y平面上で360度にわたって任意の方向に動かせるようにハウジング710に固定されている。或いは、ジョイスティック720は、X−Y平面上の所定の互いに異なる位置、例えば、最大限可能な360度内の45度ずつの区分に対応する位置にだけ動かせるように固定されていてもよい。ジョイスティック720は、好ましくは、プレーヤが所望の方向に倒した後、垂直な位置に戻るよう、ばねで留められている。さらに、ジョイスティック720は、好ましくは、プレーヤが快適に握り、容易に操作できるように、軟らかく、しかも摩擦性の材料が上面に配置されるか、または上面を覆っている。
【0143】
アクションボタン724は、好ましくは右グリップ732に隣接し、プレーヤの右手のひらが右グリップ732上に置かれ、右手の親指以外の指がハウジング710の背面を支持するときに、右親指で容易に押し下げることができるような位置に配置されている。図7には4つのアクションボタン724が示されているが、手持ち式ゲームコントローラ135にはより多数または少数のアクションボタン724が設けられていてもよいことを理解されたい。しかしながら、最低限の機能として、少なくとも2つのアクションボタン724が設けられるべきである。各アクションボタン724は、一般に、多人数参加型ゲームのプレー中に異なるプレーヤ入力コマンドを提供する。
【0144】
コマンド(または選択)ボタン722は、好ましくは、図7に示すように、表示画面640に隣接した、左グリップ730と右グリップ732の中間に設けられている。コマンドボタン722は、好ましくはハウジング710の外縁(上端/前端)に沿って配置されている。好ましくは、6つのコマンドボタン722が表示画面640の下端に隣接して設けられ、これらのボタンが表示画面640に近接していることによって、表示画面640の下側部分に沿って設けられるメニュー選択肢に視覚的に対応するようにされている。表示画面640の下端に隣接して配置されるのではなく、コマンドボタン722は、表示画面640の上端に沿って、あるいは表示画面640の右または左端に沿って配置されてもよい。
【0145】
図7では、コマンドボタン722が、アクションボタン724とジョイスティック720が配置されているハウジング710の側と反対側に配置されているが、コマンドボタン722は、ハウジング710のより中央寄りに配置され、アクションボタン724とジョイスティック720は、ハウジング710のより端近くに配置されている。
【0146】
図示の実施形態では、右グリップ732にはカード読取装置620にカードを受け取るためのスロット740が配置されている。カードスロット740は、磁気ストリップカードが、スロット740に通す動作で受け入れられ、カード読取装置620がカード上の磁気ストリップに符号化されているデータを読み取ることができるように構成されている。或いは、スロット740は、手持ち式ゲームコントローラ135の別の側、例えば、左右の側端部の間の手前側または向こう側などに配置されていてもよい。
【0147】
図示の実施形態では、左グリップ730は、電池再充電器またはその他の形態の外部電源を受け入れるためのコネクタ部750を有する。コネクタ部分750は、特定の所望のケーシング設計に従って、手持ち式ゲームコントローラ135の別の部分に位置していてもよい。例えば、コネクタ部分750は、手持ち式ゲームコントローラ135の上、下または右側あるいは下面に配置されていてもよい。
【0148】
スピーカ760が、ハウジング710内に、オーディオ出力645を提供するために設けられている。ハウジング710上のスピーカ760の場所は設計要件によって異なり得るが、前面712の、プレーヤの両手がグリップ730および732の上、または周りに置かれたときにプレーヤの両手によって覆われない位置に配置されるのが好ましい。
【0149】
手持ち式ゲームコントローラ135は、横向きで、前述のようにプレーヤの左右の手が左右のグリップ730、732の周りに置かれた状態で操作されるか、または縦向きで操作され得る点で有利である。縦向きでは、手持ち式ゲームコントローラ135は、プレーヤによって、左グリップ730と右グリップ732が縦方向に向けられ、左グリップ730がプレーヤから見て手前に、右グリップ732がプレーヤから見て向こう側になるように保持される。かかる向きでは、プレーヤの左手は一般に左グリップ730に置かれたままであり、プレーヤの右手は、プレーヤの指が表示画面640下のハウジング710の背面を支持し、プレーヤの右手親指がコマンドボタン722を押すことができるように位置するよう、より中央よりに移動される。プレーヤの左手は引き続き、左親指でジョイスティック720を操作するように置かれる。縦向きの状態では、表示画面640も縦向きとされる。
【0150】
個々のゲームまたは手持ち式ゲームコントローラ135によって行われるべきその他の機能によっては、手持ち式ゲームコントローラ135を横向きではなく、縦向きで操作する方が好ましいこともある。しかしながら、手持ち式ゲームコントローラ135では、全般的に横向きでの使用が意図されている。
【0151】
<プレーヤアバタ識別>
次に図8を参照して、プレーヤキャラクタ(またはアバタ)識別の方法800を説明する。アバタ識別は、プレーヤがステップ810でコマンドボタン722の1つを押すことによって開始される。或いは、アバタ識別要求を作動させる専用のアクションボタン724が設けられていてもよい。有利には、プレーヤは、プレーヤの選択する任意のときにアバタ識別要求を作動させてもよい。この機能は、多人数参加型ゲームの1次表示上に多数のアバタが存在する状況や、例えばプレーヤのアバタが別のアバタとの戦闘に入っており、プレーヤが制御するアバタがどちらか混乱している状況などにおいて、プレーヤにとって特に役立つ。
【0152】
プレーヤが手持ち式ゲームコントローラ135上でアバタ識別要求を作動させたことに応答して、プロセッサ605はステップ815でゲームサーバ110にアバタ識別要求パケットを送信する。手持ち式ゲームコントローラ135からのアバタ識別要求パケットの受信に応答して、ゲームサーバ110は、大表示画面425上のアバタの強調視覚表現の表示を、手持ち式ゲームコントローラ135からの感覚出力と同期させるために、手持ち式ゲームコントローラ135に同期パケットを送り返す。同期パケットは、振動モジュール625による振動、オーディオ出力645からの音声、および、表示画面425上の(例えば、1つ以上の点滅アイコンなどの)反復視覚表示として出力されるべき特定の反復シーケンスを指定する。
【0153】
ステップ820で、ゲームサーバは、視覚指示と、プレーヤが自分の対応するアバタを表示画面上で認識するための対応する同期された感覚出力を提供する期間を、ステップ825で設定する。この期間は、同期パケットに適切なデータを含めることによって手持ち式ゲームコントローラ135に通知される。
【0154】
ステップ830で、(そこからアバタ識別要求パケットが発せられた手持ち式ゲームコントローラ135に対応する)アバタの強調視覚標示が表示画面425に表示される。この強調視覚示は、例えば、特定の反復シーケンスに従ってアバタの画像の拡大と縮小を繰り返す、またはアバタの上、下、または別の隣接する場所に点滅ポインタ、光輪またはアイコンを提供するなどを含む、いくつかの方法のいずれかで提供され得る。別の例では、プレーヤがユーザ名またはチーム名を登録している場合、その名前が表示画面425のアバタの上、下、またはその他の隣接する場所に一時的に現れるか、または点滅してもよい。
【0155】
ステップ830と同時に、ステップ835が実行され、同期された感覚出力が手持ち式ゲームコントローラ135からプレーヤに提供される。この感覚出力は、表示画面425上の反復点滅またはその他の強調視覚標示に対応する反復振動シーケンスを含む。加えて、感覚出力は振動シーケンスと表示画面425上の点滅視覚標示に対応する反復音声シーケンスも含む。任意選択で、手持ち式ゲームコントローラ135上の表示画面640が、対応する反復シーケンスとして点滅してもよい。
【0156】
手持ち式ゲームコントローラ135からの特定の反復シーケンスとしての感覚出力は、プレーヤが表示画面425上の適切なアバタを識別するのに役立つ。というのは、プレーヤは、手持ち式ゲームコントローラ135から受け取る反復シーケンスを、表示画面425上の視覚的反復シーケンスと合致させることができるからである。
【0157】
ゲームサーバ110もプロセッサ605も、ステップ840で期間が満了するまで、繰り返し、表示画面425と手持ち式ゲームコントローラ135に、強調視覚標示と感覚出力を提供させる。これに関する期間が満了すると、ステップ845で、強調視覚標示と感覚出力が中止され、プレーヤが強調視覚標示と感覚出力引き続きを受け取ろうとする場合には、プレーヤは手持ち式ゲームコントローラ135で、ステップ810のアバタ識別要求を再作動させなければならない。
【0158】
アバタ識別方法800の一実施形態では、表示画面640は、プレーヤのアバタが位置するゲーム環境の低解像度バージョンを、ゲーム環境と相手のプレーヤのアバタとに対して、プレーヤのアバタの場所を指示するように表示し得る。かかる低解像度表示では、プレーヤのアバタは、他の色のブロックで表される他のアバタと対比して示される、色付きブロックなどの単純なアイコンで表されてもよい。或いは、表示画面640上の低解像度表示は、その上のプレーヤのアバタを、光輪で取り囲むことによって、矢印で指し示すことによって、またはゲーム環境内のアバタの場所をプレーヤに指示するその他のグラフィックスを提供することによって指し示してもよい。
【0159】
また低解像度表示は、好ましくはゲーム環境を、表示画面425上に提供されるゲーム環境の別のビューとしても示す。例えば、手持ち式ゲームコントローラ135の表示画面640上の低解像度表示はゲーム環境の上からの眺望とし、ゲーム場120内の表示画面425は、地上の視野からのゲーム環境の眺望を提供してもよい。
【0160】
この代替的実施形態では、手持ち式ゲームコントローラ135がゲーム環境の低解像度バージョンを表示するために、手持ち式ゲームコントローラ135に、適切なときに表示するための適切な低解像度グラフィックスがプリロードされていなければならない。かかる低解像度グラフィックスは、適切なときに、または、特にステップ820のゲームサーバ110からの同期パケットの受信に応答して、メモリ630から取得され得る。画面640上のかかる低解像度表示の一例が図11Cに示されている。
【0161】
<ゲーム表示の例>
次に、図9、10および11A〜11Cを参照して、多人数参加型ゲームのゲーム表示の例をさらに詳細に説明する。図9に、多人数参加型ゲームのプレー中に大表示画面425上に表示されるゲーム環境の例900を示す。ゲーム環境900内には、多人数参加型ゲームのプレーヤによって制御されるアバタ910が示されている。
【0162】
ゲーム環境例900には、スポーツゲームの状況における多くのプレーヤアバタ910が示されている。プレーヤが表示される多くのアバタの中から自分のアバタを識別するために、プレーヤは手持ち式ゲームコントローラ135上に設けられたアバタ識別要求ボタンまたは選択肢(オプション)を作動させようとすることがある(図8との関連で説明しているプロセスである)。ゲーム環境例900では、こうしたプレーヤの1人がアバタ識別要求を作動させる選択をしており、そのプレーヤのキャラクタに、この例ではプレーヤのアバタ910の前後を囲う光輪アイコン920の形状を取る強調視覚標示が提供される。
【0163】
多人数参加型ゲームシステム100の一実施形態では、プレーヤらがチームを形成するよう選択してもよく、これによって、それらのプレーヤのプレーヤアバタ910は団結し、他のチームと対抗してもよい。かかる実施形態では、アバタ識別要求に応答して提供される強調視覚表示もまた、要求作動側プレーヤがその一員であるチームに属するプレーヤアバタを表示するように拡張され得る。ゲーム環境例900において、要求作動側プレーヤと同じチームのプレーヤアバタは、関連するプレーヤアバタ(アバタ識別要求を行っているプレーヤのアバタを含む)に隣接して位置する標識アイコン925で示される。
【0164】
本明細書で説明している方法およびシステムにより、多人数参加型ゲームを円滑に行わせるために多種多様なゲーム環境が作成され得ることを理解されたい。したがって、本発明は本明細書で図示し、説明する具体例のいずれかに限定されるものではない。
【0165】
次に、図10を参照して、手持ち式ゲームコントローラ135の表示画面640によって提供される1人プレーアクティビティ表示1000を示す。1人プレーアクティビティ表示1000は、ゲームアクション表示部分1052とゲーム情報表示部分1054とを有する。ゲームアクション表示部分1052は、手持ち式ゲームコントローラ135へのプレーヤ入力によって制御されるアクションを行うプレーヤアバタ1070(多人数参加型ゲームで示されるプレーヤアバタと異なっていてもよい)を示す。また、プレーヤアクティビティ表示部分は、ゲーム統計やメトリック1072などといった、他のアクティブ表示要素も含む。ゲーム情報表示部分1054は、得点表示1060および1人プレーアクティビティを行うための指示1062を含み、これは好ましくはグラフィックスおよび適切なアイコンを含む。得点表示1060は、個々の得点とすることもでき、プレーヤがチームの一員としてプレーしている場合には、得点表示1060は、チーム得点を示してもよい。
【0166】
プレーヤは、多人数参加型ゲームへの参入(または再参入)を待っている間、または多人数参加型ゲームの目標を達成するために完了されるべきいくつかのタスクの1つとして行われる選択された補助アクティビティとして、例えば図10に示すような1人プレーアクティビティを行ってもよい。
【0167】
次に、図11A、11Bおよび11Cを参照して、ゲーム環境1100を有する別のゲームシナリオ例を示す。各プレーヤアバタ1110は、ゲーム環境1100内を動き回り、例えば、相互に破壊しあったり、ある一定のやり方でゲーム環境を通過したり、ポイントを獲得するなど、相互に争って、ゲームの1つ以上の目的を達成する。ゲーム環境例1100では、各プレーヤが、車両の形のアバタを制御する。各車両は、ある一定の装備、資源およびパラメータ(寿命/健康状態/状態ポイントなど)を有する。
【0168】
プレーヤの車両アバタの関連する装備、統計および条件の2次ゲーム表示1150が、手持ち式ゲームコントローラ135の表示画面640上に提供されてもよい。プレーヤがチームの一員である場合には、2次表示1150の情報表示部分1154の一部として、チーム情報が、アバタ1110の装備、統計および条件と共に提供される。この例では、アクティビティ表示部分(図10のアクティビティ表示部分1052のような)は提供されないが、代替的ゲームシナリオでは、このような表示が2次表示1150の一部として提供されてもよい。
【0169】
図11Cを参照すると、前述のように、アバタ識別要求のプレーヤによる作動に応答して、手持ち式ゲームコントローラ135の表示画面640上に低解像度表示1180が表示され得る。本ゲーム環境例1100では、プレーヤのアバタ1110に対応する低解像度表示1180は、表示1180中央に位置し、ゲーム環境内の上からの眺望による低解像度アイコン1185を提供する。プレーヤアバタ1110に対応するアイコン1185の周りには、強調視覚標示1190が示されている。表示画面640上での低解像度表示1180の表示と同時に、プレーヤのアバタ1110が、大表示画面425上のゲーム環境1100内に、光輪や点滅ポインタやアイコンといった強調視覚外観を有するものとして示される。
【0170】
<支払処理>
好ましい実施形態では、支払が、多人数参加型ゲームの各参加プレーヤから、そのプレーヤがゲームをプレーするのを許される前に受け取られる。代替的実施形態では、多人数参加型ゲームは無料でプレーされてもよい。例えば、新しい映画が映画館で公開される予定である場合、その新しい映画のテーマと類似のテーマを有する多人数参加型ゲームが、宣伝のために、映画の公開または上映に先立って映画館で提供されてもよい。
【0171】
好ましい実施形態によれば、多人数参加型ゲームをプレーしようとするプレーヤは、個人口座又はクレジット口座を作成するか、または前払い勘定(プリペイドアカウント)を購入するために事前登録しなければならない。この例外としては、プレーヤはゲーム場120に入った後で、手持ち式ゲームコントローラ135にクレジットカードの詳細を提供してもよく、クレジットカードの支払が許可された場合、そのプレーヤの一時勘定(アカウント)が作成されてもよい。或いは、クレジットカード情報が、個人口座または前払い勘定を有するプレーヤによって、それらのプレーヤの初期クレジットを使い切った後で、多人数参加型ゲームを続行または再参入するために提供されてもよい。必要な場合には、支払/認証システム220を使って、クレジットカード口座への課金を有効にするために、クレジットカード機関とのやりとりが行われる。
【0172】
次に、図12を参照して、プレーヤ支払処理を含む、プレーヤ登録の方法を説明する。プレーヤ登録の方法は参照番号1200で示されており、ステップ1205で、プレーヤに支払許可(承認/認証)コード入力を促すプロンプトを出すことから開始する。このプロンプトは手持ち式ゲームコントローラ135の表示画面640に提供され、プレーヤに、支払許可コードを手入力させ(例えば、プレーヤがタッチスクリーンを介して数字を入力することができるように、表示画面640上にテンキーパッドを提供することにより)、または支払許可コードが格納されたカードをカード読取装置620に挿入させる。支払許可コードの手入力は、例えば、カード読取装置620がクレジットカードを読み取ることができない場合にクレジットカード番号を入力するか、またはプレーヤ口座番号などのその他の一意の番号を入力するのに使用され得る。
【0173】
多人数参加型ゲームシステム100は、好ましくは、プレーヤに(管理サーバシステム210を介して)クレジット口座または引き落とし口座としての口座を事前登録させ、プレーヤがゲーム場120にいるときに、自分の口座番号(またはPINなどその他の識別情報)を手持ち式ゲームコントローラ135に入力して自分のプレーヤ口座の課金を許可することによってゲームに登録することができるようにセットアップされる。
【0174】
事前設定される登録プレーヤ口座を持つことの代替として、新規プレーヤは、有効なクレジットカードの詳細を入力するか、または前払い一般勘定を購入することによって、一定金額のプレークレジットまたはプレー時間を購入してもよい。例えば、前払い勘定は、勘定詳細(名義)を有する任意のプレーヤが多人数参加型ゲームをプレーするのに使用できる、10プレークレジットまたはこれに関連付けられたドル価値を有していてもよい。この前払い勘定は、これと関連付けられた磁気ストリップカード、または、プレーヤが、多人数参加型ゲームに登録するために支払許可コードとして手持ち式ゲームコントローラ135に入力する必要のある一意の識別コードを有していてもよい。
【0175】
ステップ1205は、プレーヤが例えば、ボタンを押す、ジョイスティックを動かす、カード読取装置620にカードを挿入する、タッチ式スクリーンに振れるなどによって、手持ち式ゲームコントローラ135を操作するか、または別のやり方でゲームコントローラに入力を提供しようしたことに応答して実行され得る。ステップ1205での表示画面640上のプロンプト表示に続き、手持ち式ゲームコントローラ135は、ステップ1210で、支払許可コードの受信を待つ。
【0176】
ステップ1210で支払許可コードが受け取られると、ステップ1215で、コードが有効であるかどうかチェックされる。この有効性チェックを使って、例えば、コード内の桁数のチェックし、コードの内部整合性が取れていること(すなわち、コードが誤り検出を可能にする場合)、または他の解析可能な誤りの有無をチェックすることなどによって、支払許可コードが有効なコードたり得る種類のものであることが検証される。
【0177】
ステップ1215で、プレーヤから受け取られたコードが無効であると判定された場合、手持ち式ゲームコントローラ135は、ステップ1220で表示画面640にエラーメッセージを表示し、プレーヤに再度ステップ1205で有効な支払許可コードを入力するよう促すプロンプトを出す。ステップ1215でコードが有効であると判定された場合、プロセッサ605は引き続きステップ1225で、メモリ630に格納された暗号化アルゴリズムを使ってコードを暗号化する。暗号化は、クレジットカード情報や他の機密情報を含み得る支払許可コードの機密性を、手持ち式ゲームコントローラ135からゲームサーバ110への伝送時の傍受から保護するために使用される。
【0178】
ステップ1230で、暗号化コードが、RF送受信機615、無線受信機140および通信コントローラ115を介してゲームサーバ110に送信される。ステップ1235で、ゲームサーバ110は、ステップ1225で手持ち式ゲームコントローラ135によって用いられた暗号化アルゴリズムに対応する暗号化解除アルゴリズムを使って支払許可コードを暗号化解除(解読)する。
【0179】
ステップ1240で、ゲームサーバ110は、ステップ1235で暗号化解除されたコードが登録口座(アカウント)に対応するコードであるかどうかチェックする。このチェックは、暗号化解除されたコードを、匿名ユーザによって前払い勘定が購入されているアカウントと、課金口座又はクレジット口座勘定を有する完全なプレーヤ登録アカウントの両方について、既存口座(アカウント)のデータベースと比較することによって行われる。
【0180】
ステップ1240で、暗号化解除されたコードが、ゲームサーバ110によって(対応する個人口座または前払い勘定として)認められなかった場合、ゲームサーバ110は、そのコードが例えばコードがクレジットカード番号に似ている場合には、引き落とし取引を実施するために、外部信用機関に照会してもよい。ステップ1250で、クレジットカード口座と多人数参加型ゲーム口座のどちらの口座にも十分な資金がないと判定された場合、ステップ1255で、ゲームサーバ110は、手持ち式ゲームコントローラ135にメッセージを送り返し、ステップ1220でプレーヤにエラーメッセージを表示する。次いでステップ1205で、プレーヤに有効な支払許可コードの入力を促すプロンプトが出される。
【0181】
ステップ1250で、プレーヤの口座に十分な資金があると判定された場合、ステップ1260で、関連する口座に所定の金額が課金される。プレーヤの口座に課金されると、ゲームサーバ110はステップ1265で、暗号化コードがそこから受信された手持ち式ゲームコントローラ135に、支払取引が完了した旨のメッセージを送信し、手持ち式ゲームコントローラ135の入力手段をロック解除する。ステップ1265の前には、プレーヤが手持ち式ゲームコントローラ135を操作し、または別のやり方でゲームコントローラ135に入力しようとしても、その入力がステップ1205での支払許可コードの入力を促すプロンプトに関連するものでない限り処理されない。この意味で、手持ち式ゲームコントローラ135の制御は、ステップ1265の前には「ロック」されている。ステップ1265の後、それらの制御は「ロック解除」される。
【0182】
ステップ1260で、プレーヤの口座に課金されると、プレーヤは、事実上、多人数参加型ゲームをプレーする(またはその他の選択されたアクティビティを行う)ように登録される。よって、ステップ1260から1270は、全般的に、図5に関して前述したステップ510と515に対応する。
【0183】
ステップ1265で手持ち式ゲームコントローラをロック解除した後、ゲームサーバ110は、続いてステップ1270で、1つ以上のソフトウェアモジュールを手持ち式ゲームコントローラ135にダウンロードする。こうしてダウンロードされる1つ以上のソフトウェアモジュールは一般にゲームモジュールを含むが、必要に応じて他のソフトウェアモジュールを含んでいてもよい。一実施形態では、選択ステップ(不図示)でプレーヤによってゲームモジュールが要求され、その場合少なくとも1つの多人数参加型ゲームに加えて、少なくとも1つの1人プレーゲームもプレーヤによって選択され得る。
【0184】
プレーヤに特定の事前に選択された多人数参加型ゲームをプレーすることだけが許される別の実施形態では、プレーヤに所望のゲームを選択させるステップは省略される。この実施形態では、ソフトウェアモジュールのダウンロードはプレーヤ登録が開始する前に行われる。このように、ダウンロードはプレーヤ登録プロセスで不必要に貴重な帯域幅を使用することを回避するために、すべての手持ち式ゲームコントローラ135に、ゲームおよびその他のソフトウェアモジュールを構成するデータを同時にブロードキャストすることによって行われ得る。
【0185】
代替的な実施形態では、様々な暗号化解除、口座登録および課金機能が、ゲームサーバ110ではなく、管理サーバシステム210によって実行されてもよい。さらに別の代替例では、それらの機能の一部が、処理負荷を分散するために、ゲームサーバ110と管理サーバシステム210の間で共有されてもよい。
【0186】
好ましい実施形態では、多人数参加型ゲームシステム110は、プレーヤに、手持ち式ゲームコントローラ135を使って行われるいくつかのアクティビティの中から選択させるよう構成されている。これらのアクティビティの1つが、多人数参加型ゲームをプレーすることであり、これがシステムの主要な目的である。しかしながらシステムは、プレーヤが、多人数参加型ゲームの代替アクティビティを選択して楽しむこともできるようにする点で有利である。これは、システムが、単一のアクティビティを行わせることのみを提供するものよりも幅広い人気を得ることを可能にする。
【0187】
加えて、多人数参加型ゲームシステム100および複数会場ゲームシステム200は、登録プレーヤに、複数の利用可能な多人数参加型ゲームのどれをゲーム場120でプレーすべきか投票させるように構成されていてもよい。かかる投票プロセスは、図12に関連して前述した、ステップ1265と1270の間に行わることができる。
【0188】
<チームプレー>
次に図14から18を参照して、特に、多人数参加型ゲームのチームプレーを円滑に行わせる、さらに別のゲームの実施形態を説明する。チームプレー実施形態では、数人のプレーヤがメイン表示画面425上で単一のアバタを共用する。例えば、アバタは車両とすることもでき、この車両は、それぞれがそのチームメンバ自身の手持ち式ゲームコントローラ135を使用するチームの様々なメンバによって、操縦され、操作されることもできる。
【0189】
図14は、多人数参加型ゲームのプレーヤの間でチームプレーを円滑に行わせる(支援する)方法1400を示すフロー図である。本発明のチームプレー実施形態に関連する画面表示の例が、図15から18に示されている。これらの画面表示例は、多人数参加型ゲームのチーム編成段階の間に、個々の手持ち式ゲームコントローラ135の表示画面640で個々のプレーヤに表示される。
【0190】
多人数参加型ゲームシステム100(または1300)への登録に続いて、プレーヤに、チームの一員としてプレーヤするか、それとも単独でプレーするかの選択肢が提供され得る。プレーヤがチームプレーに参加することを選択した場合、そのプレーヤには、図15に示すような初期選択表示1500が示される。表示1500は、プレーヤに新しいチームを作成するか、または既存のチームに参入するボタン(タッチスクリーンに触れることによって、またはジョイスティック720を使って所望のボタンの上にカーソルを移動させ、機能ボタン724の1つを押すことによって選択され、または押され得る)が提供される。チーム作成ボタン1510は、選択されると、手持ち式ゲームコントローラ135に、図16、17および18に示すようなチーム編成プロセスのステップに対応するさらに別の画面を表示させる。チーム参入ボタン1520は選択されると、表示画面640に、新規チームメンバを受け入れる用意があり、プレーヤが参入を要求するためにそこから選択することのできる、既に作成されたチームのリストを表示させる。
【0191】
チーム編成方法1400は、ステップ1410で、プレーヤがチーム作成ボタン1510を選択したときに開始する。チームを作成するプレーヤは自動的にそのチームのキャプテンに指名され、メンバ構成と、大表示画面425上でチームを表すことになるアバタの種類に対する制御権が与えられる。また、チームを作成するプレーヤはそのチームのメンバでもあり、チーム内のある一定の位置または役割を選択することもできる。
【0192】
チーム作成ボタン1510の選択に応答して、手持ち式ゲームコントローラ135はプレーヤにチーム名を入力するよう求め、その後、手持ち式ゲームコントローラ135は、チーム名を含むチーム作成要求をゲームサーバ110に送る。次いで、ゲームサーバ100は、そのチーム名を使い、以下でさらに詳細に説明する所定のデータ構造に従って、チーム表(テーブル)に新規のチームエントリを作成する。チーム表に入力されたチーム名は、ゲームサーバ110によって格納され、維持され、チームに参入しようとするプレーヤがチーム参入ボタン1520を選択したときにゲームサーバ110によって提供される。
【0193】
プレーヤが、ステップ1420で、空きのあるチームのリストから選択することによってチームへの参入を要求すると、チームキャプテンにチーム参入要求が通知され、チームキャプテンにチーム編成表示1600が表示される。表示1600はチーム編成に関連し、そのための情報および選択ボタンを提供するものである。
【0194】
表示1600は、表示記述フィールド1605と、チーム名を示すチーム名フィールド1610と、チームリスト1620と、プレーヤがチームへの参入を要求している場合には、参入要求1630とを備える。また、表示1600は、チームキャプテンが、チーム編成が完了したことを示すことを可能にする開始ボタン1670も備える。
【0195】
チームリスト1620は、すでにチームメンバであるプレーヤのプレーヤ名と、空いているチーム位置(ポジション)とを示すリストを備える。チームリスト1620に示される各プレーヤごとに、チームキャプテンによって選択された場合、対応するプレーヤをチームから除外させる、対応プレーヤ除外ボタン1625がある。チームから除外されると、除外されたプレーヤには除外が通知され、そのプレーヤは表示1500に戻る。
【0196】
また、チームリスト1620は、多人数参加型ゲームにおける登録プレーヤとしてのプレーヤの経験レベルや、以前の成績を示す、プレーヤに関連付けられたランクを指示してもよい。高いランクにはより優れたゲーム関連のアバタ属性を関連付け、それによってプレーヤに、そのゲームを繰り返しプレーし、より高いランクに到達しようとする動機付けを与えるようにしてもよい。
【0197】
参入要求1630は、チームキャプテンに参入要求を通知するテキストフィールドと、プレーヤの名前およびランクを示すテキストフィールド1640と、受け入れボタン1650と、拒絶ボタン1660とを備える。チームキャプテンがステップ1430で受け入れボタン1650を選択した場合、参入要求は受け入れられ、要求側プレーヤはステップ1450でチームに加えられる。チームキャプテンがステップ1430で拒絶ボタン1660を選択した場合、チームへの参入を要求しているプレーヤにはステップ1440で要求の拒絶が通知され、表示1500に戻される。
【0198】
チームキャプテンには、チームキャプテンによって受け入れられるか、または拒絶されるべき参入要求1630がある、ステップ1420のチーム編成の間、表示1600が表示される。それ以外の場合、チームキャプテンは、図17に示すアバタ選択表示1700を見て、チームのアバタを選択してもよい。表示1700は、記述または指示フィールド1705と、チーム名フィールド1710と、アバタ画像1715と、チームリスト1720と、アバタ属性記述1730とを備える。チームリスト1720は、現在チームに含まれるチームメンバと、チームメンバに現在割り振られ、または選択されているチーム内での役割または位置(地位)を示す。アバタ属性記述1730は、アバタ名を含み、現在表示1700上に表示されているアバタ画像1715に対応するアバタのゲーム関連属性をリストし、または記述し、または図で表す。例えば、アバタは、速度、攻撃能力、防御能力、機敏さ、または特別な能力に関連するある一定の属性を有していてもよい。
【0199】
表示1700は、戻るボタン1750と、進むボタン1760と、多種多様なアバタ画像1715をスクロールし所望の属性を有するアバタを選択するための選択ボタン1770とをさらに備える。選択ボタン1770は、ステップ1460で、そのアバタのアバタ画像1715が表示1700上に現れているときに、チームキャプテンによって選択されてもよい。
【0200】
チームアバタが選択されると、チームメンバはそれぞれ、図18にその一例が示されている役割選択表示1800を見て、ステップ1470で、チームの所望の役割または位置1820を選択することができる。表示1800は、テキスト記述または指示フィールド1805と、チーム名フィールド1810と、アバタ画像1815と、アバタ画像1815の、またはアバタ画像1815に関連するいくつかの位置または役割1820と、それらの位置または役割1820に対応するいくつかのテキストフィールド1830とを備える。各役割または位置1820は、1人のチームメンバによって使用されてもよいが、用意されている役割または位置1820を超えるメンバがいてはならない。他方、必ずしもすべての役割または位置1820がチームメンバによって使用されなくともよい。チームメンバは、ゲーム中の任意のときに役割または位置1820を変更しようとしてもよいが、キャプテンによって選択されたチームアバタは、ゲームが開始された後で変更することはできない。テキストフィールド1830は、役割または位置1820の記述と、もしあれば、その位置の役割1820を占めるプレーヤの名前を含む。
【0201】
また、表示1800は、プレーヤが前の表示に戻れるようにする戻るボタン1850と、チームキャプテンだけに見える、チームがゲームをプレーする用意ができていることを示す開始ボタン1870とを備える。チームキャプテンが、開始ボタン1870を選択するか、または所定期間の満了などその別のゲーム開始イベントが発生したときに、チームはステップ1480でゲームに入る。
【0202】
アバタ画像1815は、一般に、表示1700で選択されたアバタに対応する。表示1700で選択されたアバタに応じて、アバタ画像1815は変化してもよく、そのアバタに関連する様々な場所または役割の機能を含めて、様々な役割または位置1820を提供してもよい。
【0203】
図6と関連して前述したように、手持ち式ゲームコントローラ135または1335は、プレーヤ間でインスタントメッセージングを行うのに使用され得る。これは、チームメンバが他のチームメンバにコメントや指示を送ろうとし得るチーム状況においては、特に有利である。前述のように、インスタントメッセージングは、プロセッサ605によって実行されるインスタントメッセージングアプリケーションを介して支援される。このように、プレーヤはインスタントメッセージングアプリケーションを使って、チームメイトあるいはチームメイトになりそうな人や敵や味方になりそうな人など、他のプレーヤにメッセージを送信することができる。
【0204】
また、一実施形態では、プロセッサ605は、例えば、チームアバタを選択するために、チームメンバの間での投票を円滑に行わせるソフトウェアを実行してもよい。投票はチームキャプテンによって開始されても、別のチームメンバによって開始されてもよい。かかる投票プロセスは、インスタントメッセージングと同様に行われ、投票を開始するプレーヤが、実質上、その他のチームメンバのそれぞれへのインスタントメッセージの送信を開始する。
【0205】
ゲームサーバ110がプレーヤから(そのプレーヤの手持ち式ゲームコントローラ135を介して)投票開始要求を受け取ると、ゲームサーバ110は対象となる受信者(すなわち、開始側プレーヤのチームメイト)のそれぞれに書式設定されたメッセージを送信し、プレーヤに票を投じるよう要求する投票表示が表示画面640上に表示される。投票表示は、投票するプレーヤが選択を行い、その選択を含むゲームサーバ110への応答メッセージを開始することができるようにするいくつかの選択ボタンを提供する。
【0206】
ゲームサーバ110は投票の応答を照合し、チームメンバに投票結果を通知する。ゲームサーバ110が各プレーヤから所定の期間内に応答を受け取らなかった場合、ゲームサーバ110はプレーヤの何人かの入力なしでも、投票結果を決定することができる。同点の場合、キャプテンの票で結果を決定してもよい。
【0207】
ゲーム中に、チームアバタが死に、または別のやり方でゲームから除外された場合、そのチームアバタは大表示画面425上に表示されなくなる。チームがゲームに再参入しようとする場合、キャプテンは別のアバタを選択してもよい。或いは、チームは、前述の投票プロセスによって新規のアバタを選択してもよい。単一のチームアバタを用いる実施形態では、チームアバタが死ぬとチームメンバすべてがゲームから除外され、すべてのプレーヤがチームのメンバに留まろうとしているものと仮定して、チームは同じまたは新規に選択されたアバタと共にゲームに再参入する。図5に関連して前述したように、ゲームは常に限られた数のアバタだけを大表示画面425上に表示させることができる。したがって、ゲームに再参入しようとするチームは、再参入を許されるまで待ち行列で待機しなければならないこともある。
【0208】
支払処理の一実施形態では、各プレーヤは、そのプレーヤがゲームに参入し、または再参入する都度、自分の口座に課金される。したがって、チームが除外された後でゲームに再参入する場合、ゲームに参入するための引き落とし金額に対応する所定の金額、またはゲームに再参入するための割引金額が、チームの各プレーヤに課金される。
【0209】
図15から18には、多人数参加型ゲームのチーム編成態様に関連する表示例が示されているが、チーム編成、チームメンバ役割のアバタ選択をさらに円滑に行わせるために、必要に応じて別の表示が提供されてもよいことを理解されたい。さらに、図15から18の表示例は、海賊ゲームのモチーフに関連して示されており、この場合チームメンバは、大表示画面425上で見える単一チームアバタである海賊船上である特定の役割を占める。チームベースの参加を含む多人数参加型ゲームのベースとしては、他のモチーフやテーマも使用され得ることを理解されたい。例えば、戦車や飛行機や他の形の乗り物が、対応する軍隊その他の戦闘をテーマとするゲーム中でのアバタに使用されてもよい。
【0210】
或いは、チームメンバは、単一のアバタを共用せずにチームとして動いてもよい。例えば、各チームメンバが、戦場の戦士または運動場の競技者に対応する単一のアバタを持っていてもよい。このような場合には、プレーヤアバタの視覚的機能的形態は、それらのチームでの役割によって決まるものとしてもよい。
【0211】
チームが編成され、アバタが選択され、多人数参加型ゲームが開始されると、チームそれぞれのすべてのアバタが、個人としてプレーすることを選択した任意のプレーヤのアバタと共に大表示画面425上に表示される。単独プレーヤが選択できるアバタは、プレーヤのチームが利用できるものと異なっていてもよい。例えば、単独プレーヤのアバタはチームアバタより小さく、低い攻撃または防御能力を有していてもよい。
【0212】
アバタが個人を表すか、それともチームを表すかに関わりなく、図8から11との関連で前述したアバタ識別機能は同様に動作する。さらに、チームアバタでは、各プレーヤは、そのプレーヤのチーム内での位置または役割に従ってチームアバタ上に表示され得る。図15から18に示す海賊船の例を使うと、あるプレーヤは、例えば、チームアバタ上のそのチームメンバの場所に対応するアバタ上の大砲のところに小さい色付きの四角または光輪または他の標識を示すことによって、大砲についているものとして示され得る。ゲームプレー中、チームメンバは、チームアバタ上の自分の位置を容易に確認し、必要に応じて容易に位置を交換できるように、表示画面640上の表示1800を見ることができる。
【0213】
チームプレーの間、各プレーヤによる個々の手持ち式ゲームコントローラ135の操作は、プロセッサ605によって1つ以上のパケットとして符号化されてゲームサーバ110に送信され、ゲームサーバ110はチーム内の各プレーヤのアクションを、チームの一員として、別々に処理する。
【0214】
チームプレーを管理するために、ゲームサーバ110は、以下の表6にその一例を示す、サーバ側データ構造を実装する。このデータ構造は、すべてのチームを追跡するチーム表(team Table)と、様々なチーム内の各プレーヤを追跡するプレーヤ表(player Table)とを備える。各チームおよびプレーヤは、データ構造内に独自のレコードを有する。サーバ側データ構造内のレコードは、ゲームサーバ110によって頻繁に更新される。対応する(縮小サイズの)データ構造が、各手持ち式ゲームコントローラ135または1335によって保持され、ゲームサーバ110との通信に使用される。
【0215】
【表6】

【0216】
ゲームサーバ110と手持ち式ゲームコントローラ135(または1335)は、相互にやりとりして、チーム編成を円滑に行わせ、プレーヤ中のゲームの進捗を制御し、追跡する。以下の表7に、ゲームサーバ110によって行われるアルゴリズム例を擬似コードで示す。表7では、「ノード」という語は、ゲームをプレーすることを登録しているプレーヤによって操作される手持ち式ゲームコントローラを指す。
【0217】
【表7】




【0218】
多人数参加型ゲームシステムの別の実施形態では、プレーヤは、ゲーム場内に位置せずに、リモート接続を介して多人数参加型ゲームに参入することができる。かかる多人数参加型ゲームシステムを、図19に、参照番号1900で示す。多人数参加型ゲームシステム1900では、ゲームサーバ110は、図1から4および13に関連して前述したように、通信コントローラ115(不図示)を介して手持ち式ゲームコントローラ135と通信し、表示システム125上に多人数参加型ゲームの1次表示を表示する。手持ち式ゲームコントローラ135からゲーム入力を受け取ることに加えて、ゲームサーバ110は、ゲーム場120とゲームサーバ110から離れた場所に位置するリモートゲームコントローラ1910から、ネットワーク1930を経由した通信接続1920を介してゲーム入力を受け取ってもよい。
【0219】
リモートゲームコントローラ1910は、例えば、デスクトップまたはラップトップパーソナルコンピュータ、あるいはビデオゲームコンソールであってよい。リモートゲームコントローラ1910では、多人数参加型ゲームをプレーするために、ゲームソフトウェア1940がインストールされ、実行されている。ゲームソフトウェア1940は、ゲームサーバ110または管理サーバシステム210からダウンロードされ、多人数参加型ゲームの見込みプレーヤによってゲームコントローラ1910にインストールされる。
【0220】
各リモートゲームコントローラ1910は、多人数参加型ゲームの画像を見るために、例えば、ビデオゲームコンソールに接続されたテレビや、デスクトップまたはラップトップコンピュータシステムの一部などの、表示1950と結合されている。表示1950上の画像が、多人数参加型ゲームのリアルタイムプレーを可能にするのに十分なほど最新表示されるように、ゲームソフトウェア1940とゲームサーバ110の間の通信接続1920は、比較的高速なものとする必要がある。
【0221】
リモートゲームコントローラ1910へのゲーム関連のユーザ入力に応答して、ゲームソフトウェア1940は、ユーザ入力から生じるゲーム関連コマンドを表すデータパケットを、ネットワーク1930を介してゲームサーバ110に送信する。ゲームサーバ110はゲーム状態を更新し、ゲームソフトウェア1940が表示1950上に表示するための更新されたゲーム画像を生成することができるように、ネットワーク1930を介してゲームソフトウェア1940に応答してデータパケットを提供する。
【0222】
多人数参加型ゲームシステム1900は、プレーヤが自宅から、または多人数参加型ゲームが主要に行われるゲーム場120から離れた別の場所から、多人数参加型ゲームに参入することを可能にする。リモートゲームコントローラ1910を介して多人数参加型ゲームに参入するプレーヤは、単独プレーヤとして参入しても、チームに参加してもよい。一実施形態では、リモートゲームコントローラ1910を操作するプレーヤには共用アバタではなく、単独アバタを使ってゲームに参入することだけが許される。かかるプレーヤは、他のプレーヤとチームまたは同盟を形成してもよいが、チームアバタは共用しない。かかる実施形態では、表示1950上でリモートプレーヤに見えるゲーム画像は、そのプレーヤのアバタの視野からの眺望に対応する。この第1の個人視野は、ゲーム場120の大表示画面425で見られる多人数参加型ゲームの全体図と対照をなすものである。任意選択的に、リモートゲームコントローラ1910を操作するリモートプレーヤは、第1の個人視野と全体図の間で切り換えることができてもよい。
【0223】
ゲームサーバ110は、多人数参加型ゲームに参加し得る潜在的に多数のプレーヤを処理する多数のプロセッサを備えるサーバシステムとして実施されうることを理解されたい。
【0224】
以上では、様々な特徴、機能または特性を有するいくつかの実施形態を別々に説明しているが、多くのかかる特徴、機能または特性は、かかる特徴、機能または特性がそれらと関連して個々に説明された実施形態以外の1つ以上の実施形態に、様々な組み合わせとして組み込まれてもよいことを理解されたい。よって、任意の1つ以上のかかる特徴、機能または特性のあらゆる有用で、実現可能な組み合わせが、本明細書に明確に組み込まれるものである。
【0225】
当分野の技術者には、本発明の精神および範囲を逸脱することなく、前述の実施形態の様々な改変形態または変形形態が明らかであると考えられ、かかるすべての改変形態または変形形態は、本発明の精神および範囲内に含まれるとみなされる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多人数参加型ゲーム用の手持ち式ゲームコントローラであって、
前記多人数参加型ゲームに関連する第1の表示を表示する表示画面と、
前記多人数参加型ゲームの対応するアバタに関連して、前記多人数参加型ゲームのプレーヤからゲーム制御入力を受け取るプレーヤ入力手段と、
第1のゲーム信号を生成するように前記ゲーム制御入力を処理し、少なくとも部分的に受け取られる第2のゲーム信号に基づいて、前記第1の表示を生成する処理手段と、
前記多人数参加型ゲームを支援するゲームサーバに、少なくとも部分的に前記第1のゲーム信号に基づく、前記多人数参加型ゲームの第2の表示を生成させるために、前記ゲームサーバに前記第1のゲーム信号を送信し、前記ゲームサーバから前記第2のゲーム信号を受信する送受信機と、
を備え、
前記第2の表示が前記アバタを含み、前記プレーヤ入力手段が、前記プレーヤが前記多人数参加型ゲーム内で前記アバタを制御するのに使用可能であるゲームコントローラ。
【請求項2】
前記第1の表示の画像が第2の表示の画像と異なる請求項1に記載のゲームコントローラ。
【請求項3】
前記送受信機が無線送受信機である請求項1に記載のゲームコントローラ。
【請求項4】
前記第1及び第2のゲーム信号が、それぞれ第1及び第2のパケットデータとして送受信される請求項1に記載のゲームコントローラ。
【請求項5】
前記第1と第2のデータが、それぞれ、チェックサムと、ゲームコントローラの識別子とを含む請求項4に記載のゲームコントローラ。
【請求項6】
前記第1と第2のパケットデータが、所定の伝送期間の間に送信される請求項4に記載のゲームコントローラ。
【請求項7】
前記プレーヤに感覚出力を提供する出力手段をさらに備える請求項1に記載のゲームコントローラ。
【請求項8】
前記出力手段は、振動、視覚および聴覚出力の少なくとも1つを提供する請求項7に記載のゲームコントローラ。
【請求項9】
前記出力手段は、少なくとも1つのスピーカと前記表示画面とを備える請求項7に記載のゲームコントローラ。
【請求項10】
前記入力手段はタッチセンサ式スクリーンを備える請求項1に記載のゲームコントローラ。
【請求項11】
前記入力手段は、動き選択部材と複数のボタンとを備える請求項1に記載のゲームコントローラ。
【請求項12】
前記動き選択部材はジョイスティックである請求項11に記載のゲームコントローラ。
【請求項13】
前記入力手段は、プレーヤ認証データを受け取るカード読取装置を備える請求項1に記載のゲームコントローラ。
【請求項14】
前記表示画面と、プレーヤ入力手段と、前記処理手段と、前記送受信機と、を収容するケーシングと、電源とをさらに備え、前記電源は、前記ケーシングとは別の場所に位置している請求項1に記載のゲームコントローラ。
【請求項15】
前記ゲームコントローラが固定構造に接続される請求項1に記載のゲームコントローラ。
【請求項16】
係留部材で各ゲームコントローラを前記固定構造に接続する請求項15に記載のゲームコントローラ。
【請求項17】
前記係留部材は、プレー位置と収容位置の間を移動可能な剛性の接続アームを備える請求項16に記載のゲームコントローラ。
【請求項18】
前記係留部材は、柔軟な巻取可能なケーブルを備える請求項16に記載のゲームコントローラ。
【請求項19】
前記ケーシングは、前記ケーシングが横向きに保持されるときの前記ケーシングの左右の側端部にそれぞれ配置された左右のグリップを有する請求項14に記載のゲームコントローラ。
【請求項20】
前記表示画面が、前記左右のグリップの中間に配置されている請求項19に記載のゲームコントローラ。
【請求項21】
ボタンが、前記表示画面の端部に沿って前記ケーシング上に配置される請求項14に記載のゲームコントローラ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11A】
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【図11B】
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【図11C】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2012−179376(P2012−179376A)
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−104678(P2012−104678)
【出願日】平成24年5月1日(2012.5.1)
【分割の表示】特願2007−532735(P2007−532735)の分割
【原出願日】平成17年9月21日(2005.9.21)
【出願人】(507376495)タイムプレイ アイピー インク (2)
【Fターム(参考)】