説明

多人数同時参加型の遊技機及びその遊技機によるゲームのプレイ方法

【課題】従来のスタンドアロン方式のゲーム装置の高いエンターテインメント性を多人数同時参加型のゲームに適用し、新しいエンターテインメント性を付与する。
【解決手段】遊技機1は、スロットゲームを個別に展開するステーション4と、ステーション4でプレイするプレーヤから視認可能なディスプレイ20と、システム全体で展開されるゲーム進行等を統括する制御装置13とから構成される。そして、各ステーション4において、異なる属性を有する複数のシンボルを再配置させて所定のコンビネーションが成立するか否かに応じてペイアウトを行うとともに、ディスプレイ20で2次ゲームを実行し、スロットゲームの結果と2次ゲームの結果との関係に応じて、ペイアウトを行うようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コイン、紙幣等の遊技媒体を用いて多人数が参加して遊技を行うゲーム装置を有する遊技機及びこの遊技機によるゲームのプレイ方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のスロットマシンは、特許文献1に開示されているように、いわゆるスタンドアロンタイプのゲーム装置が一般的であった。また、複数のスロットマシンを、中央制御装置を介して互いに接続し、接続された複数のスロットマシンで行われるゲームにおける順位に関連して各スロットマシンへの賞の大きさを変更させるようにしたゲーム装置が特許文献2に開示されている。一方、トランプ等を用いたカードゲーム、ルーレットゲーム等は、プレーヤ(人間)がゲーム装置に対峙してプレイするスロットマシンとは異なり、多人数が参加して同時にプレイすることができる。このような形態をマスゲームという。
【特許文献1】米国特許6981635号
【特許文献2】米国特許7040984号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところが、特許文献2に示されるスロットマシンは、中央制御装置に接続されているものの、実質的なゲームは、他のスロットマシンから独立したスタンドアロン形式でスロットマシン毎に実行されており、ゲームの内容そのものを共有しているわけではなかった。
【0004】
本発明は、スタンドアロン方式である従来のゲーム装置の高いエンターテインメント性を多人数同時参加型のゲームに適用し、新しいエンターテインメント性を備えた多人数同時参加型の遊技機及びこの遊技機によるゲームのプレイ方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した目的を達成するために、本願第1の発明は、異なる属性を有する複数のシンボルを変動させた後に停止させるゲームを実行する複数のゲーム装置と、前記ゲーム装置の各々に対して共通する共通ゲームを実行する共通ゲーム装置と、前記ゲーム装置で前記ゲームを行うプレーヤから視認可能であり、前記共通ゲームを表示するディスプレイとを備え、前記ゲーム装置は、複数の前記シンボルを変動させた後、停止させ、停止したときの前記シンボルの組合せと前記共通ゲームの結果との関係に応じてペイアウトを行う。
【0006】
本願第1の発明では、複数のゲーム装置の各々において、異なる属性を有する複数のシンボルを変動させた後に停止させるゲームが実行され、共通ゲーム装置において、各ゲーム装置に対して共通する共通ゲームが実行され、共通ゲームの様子はディスプレイに表示される。ゲーム装置では、複数のシンボルを変動させた後、停止させ、停止したときのシンボルの組合せと共通ゲームの結果との関係に応じてペイアウトが行われる。
【0007】
従って、本願第1の発明によれば、ゲーム装置の各々で複数のシンボルを変動させた後、停止させたときのシンボルの組合せと、共通ゲームの結果との関係に応じてペイアウトが行われるようにしたことにより、スタンドアロン方式であるゲーム装置の高いエンターテインメント性を多人数同時参加型のゲームに適用することができる。また、新しいエンターテインメント性を備えた多人数同時参加型の遊技機を提供することができる。
【0008】
また、本願第2の発明は、異なる属性を有する複数のシンボルを変動させた後に停止させるゲームを実行する複数のゲーム装置と、前記ゲーム装置の各々で使用される前記シンボルを含む複数のシンボルから所定のシンボルを抽出する共通ゲームを実行する共通ゲーム装置と、前記ゲーム装置で前記ゲームを行うプレーヤから視認可能であり、前記共通ゲームの内容を表示するディスプレイとを備え、前記ゲーム装置は、複数の前記シンボルを変動させた後、停止させ、停止したときの前記シンボルの組合せと前記共通ゲームにより抽出された前記所定のシンボルとの関係に応じてペイアウトを行う。
【0009】
本願第2の発明では、ゲーム装置の各々で複数のシンボルを変動させた後に停止させるゲームが実行され、共通ゲーム装置において各ゲーム装置で使用されるシンボルを含む複数のシンボルから所定のシンボルを抽出する共通ゲームが実行され、共通ゲームの様子はディスプレイに表示される。ゲーム装置では、複数のシンボルを変動させた後、停止させて、停止したときのシンボルの組合せと、共通ゲームにより抽出された所定のシンボルとの関係に応じてペイアウトが行われる。
【0010】
従って、本願第2の発明によれば、ゲーム装置の各々で複数のシンボルを変動させた後、停止させたときのシンボルの組合せと、共通ゲームの結果との関係に応じてペイアウトが行われるようにしたことにより、スタンドアロン方式であるゲーム装置の高いエンターテインメント性を多人数同時参加型のゲームに適用することができる。また、新しいエンターテインメント性を備えた多人数同時参加型の遊技機を提供することができる。
【0011】
また、本願第3の発明は、異なる属性を有する複数のシンボルを変動させた後に停止させる1次ゲームを実行する複数の1次ゲーム装置と、前記1次ゲームにおいて前記1次ゲーム装置の各々で使用される前記シンボルを含む複数のシンボルから所定のシンボルを抽出する2次ゲームを実行する2次ゲーム装置と、前記1次ゲーム装置で前記1次ゲームを行うプレーヤから視認可能であり、前記2次ゲームの内容を表示するディスプレイとを備え、前記1次ゲーム装置は、前記1次ゲームとして、複数の前記シンボルを変動させた後、停止させ、前記1次ゲームにおける前記シンボルの停止時の組合せと、前記2次ゲームで抽出された前記所定のシンボルとの関係に応じてペイアウトを行い、前記2次ゲーム装置は、全ての前記1次ゲーム装置において前記1次ゲームが終了するタイミングで、前記2次ゲームを開始し、前記2次ゲームで抽出された前記シンボルを前記1次ゲームに供給する制御を行う。
【0012】
本願第3の発明では、1次ゲーム装置の各々で複数のシンボルを変動させた後に停止させる1次ゲームが実行され、2次ゲーム装置において各1次ゲーム装置で使用されるシンボルを含む複数のシンボルから所定のシンボルを抽出する2次ゲームが実行され、2次ゲームの様子がディスプレイに表示される。1次ゲーム装置により、複数の前記シンボルを変動させた後、停止させる1次ゲームが実行されると、全ての1次ゲーム装置において1次ゲームが終了するタイミングで、2次ゲーム装置により2次ゲームが開始され、1次ゲーム装置では、1次ゲームにおけるシンボルの停止時の組合せと、2次ゲームで抽出された所定のシンボルとの関係に応じてペイアウトが行われる。
【0013】
従って、本願第3の発明によれば、1次ゲーム装置の各々で複数のシンボルを変動させた後、停止させたときのシンボルの組合せと、2次ゲームの結果との関係に応じてペイアウトが行われるようにしたことにより、スタンドアロン方式であるゲーム装置の高いエンターテインメント性を多人数同時参加型のゲームに適用することができる。また、新しいエンターテインメント性を備えた多人数同時参加型の遊技機を提供することができる。
【0014】
また、上述した目的を達成するために、本願第4の発明は、異なる属性を有する複数のシンボルを変動させた後に停止させるゲームを実行する複数のゲーム装置の各々で複数の前記シンボルを変動させた後、停止させ、前記ディスプレイで表示される共通ゲームとして、前記共通ゲーム装置において前記ゲーム装置の各々で使用される前記シンボルを含む複数のシンボルから所定のシンボルを抽出し、前記ゲーム装置毎に変動させた後、停止させた複数の前記シンボルの組合せと、前記共通ゲームの結果との関係に応じてペイアウトを行うというゲームのプレイ方法である。
【0015】
本願第4の発明では、複数のゲーム装置の各々において、異なる属性を有する複数のシンボルを変動させた後に停止させるゲームが実行され、共通ゲーム装置において、各ゲーム装置に対して共通する共通ゲームが実行され、ディスプレイに表示される。そして、複数のシンボルを変動させた後、停止させ、停止したときのシンボルの組合せと共通ゲームの結果との関係に応じてペイアウトが行われる。
【0016】
従って、本願第4の発明によれば、複数のシンボルを変動させた後、停止させたときのシンボルの組合せと、共通ゲームの結果との関係に応じてペイアウトが行われるようにしたことにより、スタンドアロン方式であるゲーム装置の高いエンターテインメント性を多人数同時参加型のゲームに適用することができる。
【0017】
本発明に係る遊技機及びその遊技機によるゲームのプレイ方法によれば、多人数同時参加型のゲームにスタンドアロン方式である従来のゲーム装置の高いエンターテインメント性を適用することができ、多人数同時参加型のゲームに新しいエンターテインメント性を付与することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明の実施形態として示す遊技機1は、主にステーション4と呼ばれるシンボルを再配置するゲームを展開するゲーム装置、ゲーム装置でプレイするプレーヤから視認可能なディスプレイ20、各ゲーム装置、ディスプレイ20、システム全体で展開されるゲーム進行等を統括する制御装置13より構成されており、シンボルを変動させて再配置するゲームをプレイ可能なゲームシステムである。本実施形態では、ステーション4の画像表示装置8に表示される5列、3行の合計15個のシンボル表示領域62(62aX〜62eZ)に馬シンボル、「スペード」、「ハート」、「ダイヤ」、「クラブ」等のシンボルが再配置されたときのコンビネーションに応じてペイアウトを行うゲームが実施される。本実施形態では、具体的に、上述の15個の各シンボル表示領域62aX〜62eZに対して、X〜Zの3マスでなる一行を一連のリール様にし、シンボルを上下方向にスクロールさせ、その後シンボルを停止する。このシンボルをスクロールし停止する動作を、以下「再配置」といい、ステーション4毎に実行される、シンボルを再配置するゲームを1次ゲームという。
【0019】
本発明の実施形態として示す遊技機1は、特に、プレーヤがステーション4において1次ゲームを実行してシンボルが再配置された後に、ディスプレイ20において、全プレーヤ(全ステーション4)に共通の共通ゲームが実施される。そして、ステーション4毎に決定された1次ゲームのゲーム結果と、共通ゲームとして行われるゲーム(以下、2次ゲームという)の結果との関係に応じて、例えば、ペイアウトを与えるか否か、或いはペイアウトの額の大きさの違いが決定される点が特徴である。
【0020】
すなわち、従来、ステーション4において、終始スタンドアロン形式で実行されるスロットゲームが、本実施形態では、そのスロットゲームにおいて決定したシンボルのコンビネーションがゲームシステムに接続された複数のステーションに共通する共通ゲームとしてディスプレイ20において実行され、そこで抽出されたシンボルが個々のステーションで実行された再配置の結果に反映されて、その結果、最終的に成立したシンボルのコンビネーションに応じたペイアウトがプレーヤに対して行われるというものである。
【0021】
2次ゲームは、各ステーション4において、1次ゲームの結果が表示された後、制御装置13によって実行される。本実施形態では、ディスプレイ20で実行される2次ゲームは、競馬ゲームであって、ディスプレイ20において、複数の馬がゴールを目指して競争する映像が表示される。馬には、ステーション4で実行されるスロットゲームに使用されるシンボル(本実施形態では、8種類の色と、スペード、ハート、ダイヤ、クラブ)の特徴が表されている。
【0022】
図1には、本実施形態として示す遊技機1の特徴を表した、プレーヤに提示されるゲーム画面の一例が示されている。1次ゲームであるスロットゲーム中は、ステーション4の後述する画像表示装置8に、ゲーム画面61が表示される。プレーヤは、画像表示装置8の前面に設けられているタッチパネル50における所定の表示部を操作することによって、例えば、スロットゲームを開始したり、更に手持ちのクレジットを使用してベットをしたりすることができる。プレーヤが所定の手順に従ってスロットゲームを開始する操作を行うと、シンボル表示領域62においてシンボルが変動を開始する。
【0023】
図1には、上段にディスプレイ20の表示パネル20aにおける2次ゲームの演出画像の表示例が、また下段にステーション4と呼ばれるゲーム装置の画像表示装置8に表示されるゲーム画面の表示例が示されている。
【0024】
図1上段に示されるディスプレイ20の表示パネル20aには、競走馬のゴールシーンが表示されている。図1では、8頭の馬(図8に示す8個の馬シンボル参照)のうち、後述する、6番、4番、1番の順にゴールした様子が表示されている。また、図1下段に示されているゲーム画面60には、1次ゲームの結果がシンボル表示領域62に表示されるとともに、2次ゲームの結果である馬の順位が着順表示部63に表示されている。
【0025】
ゲーム画面61は、1次ゲームが表示されるシンボル表示領域62(62aX〜62eZ)、2次ゲームの結果である着順を表示する2次ゲーム結果表示部63、1次ゲーム又は2次ゲームに関連するメッセージ等を表示するメッセージ表示部64と、単位BETボタン65、前回のゲームにおけるペイアウト結果を表示するペイアウト結果表示部66、現在のクレジット数を表示するクレジット数表示部67を有している。
【0026】
また、ゲーム画面61は、プレーヤによるベット操作が可能な残り時間を表示するベット可能残り時間表示部68、スロットゲームに対してベットしたベット枚数を表示するベット数表示部69、ジャックポット(場合によってJPと略して表す)MINIの枚数を表示するMINI表示部71、JPのMAJORの枚数を表示するMAJOR表示部71、JPのMEGAの枚数を表示するMEGA表示部73を有している。
【0027】
シンボル表示領域62には、1次ゲームの結果が表示されている。図1には、ステーション4で前回実行された1次ゲームにおいて、「Gd(ゴールド)」の馬シンボルがシンボル表示領域62aXに、ダイヤのシンボルがシンボル表示領域62aYに、「R(レッド)」の馬シンボルがシンボル表示領域62aZに、「OR(オレンジ)」の馬シンボルがシンボル表示領域62bXに、「BK(ブラック)」の馬シンボルがシンボル表示領域62bYに、「SL(シルバー)」の馬シンボルがシンボル表示領域62bZに、「GR(グリーン)」の馬シンボルがシンボル表示領域62cXに、ハートのシンボルがシンボル表示領域62cYに、「OR」の馬シンボルがシンボル表示領域62cZに、スペードのシンボルがシンボル表示領域62dXに、「BK」の馬シンボルがシンボル表示領域62dYに、「BL(ブルー)」の馬シンボルがシンボル表示領域62dZに、「P(ピンク)」の馬シンボルがシンボル表示領域62eXに、ハートのシンボルがシンボル表示領域62eYに、「JP(ジャックポット)」シンボルがシンボル表示領域62eZに再配置されたことが示されている。なお、説明の便宜上、要旨を明確にするために、図1には、単に「Gd」という文字を記載しているだけであるが、実際には、馬の画像、馬の特徴、また特徴となる配色が鮮明な画像としてマス毎に表示されている。
【0028】
2次ゲーム結果表示部63には、ディスプレイ20で表示された2次ゲームの結果が着順で表示されている。1位にはBKの馬シンボルが、2位にはPの馬シンボル、3位にはRの馬シンボルが表示されている。2次ゲームにおける馬シンボルには、スペード、ハート、ダイヤ、クラブの各シンボルが組み合わされており(後述の図8参照)、出走前にプレーヤが知ることができる。2次ゲームで着順が決定すると同時に、組み合わされたスペード、ハート、ダイヤ、クラブの情報も、ともに2次ゲーム結果表示部63に表示される。
【0029】
メッセージ表示部64には、1次ゲーム又は2次ゲームの進行に応じて、関連するメッセージが表示される。例えば、後述するが、「BETしてゲームを開始して下さい」、「競馬ゲーム スタート!」等があげられる。
【0030】
単位BETボタン65は、スロットゲームの開始を決定したプレーヤがゲームに対するベット枚数を決定するボタンである。単位BETボタン65は、1BETボタン65A、5BETボタン65B、10BETボタン65C、100BETボタン65Dの4種類で構成されている。プレーヤは、これら4種類のボタンを押下することにより、指定した枚数をベットすることができる。
【0031】
プレーヤは、1BETボタン65Aの表示位置に触れると、クレジットを1枚単位でベットすることが可能である。1BETボタン65Aに触れる毎に、「1」→「2」→「3」→・・・の順にベット枚数が増加し、ベット数表示部69に表示される。また、プレーヤは、5BETボタン65Bの表示位置に触れると、クレジットを5枚単位でベットすることが可能である。5BETボタン65Bに触れる毎に「5」→「10」→「15」→・・・の順にベット枚数が増加する。また、プレーヤは、10BETボタン65Cの表示位置に触れると、クレジットを10枚単位でベットすることが可能である。10BETボタン65Cに触れる毎に「10」→「20」→「30」→・・・の順にベット枚数が増加する。更に、プレーヤは、100BETボタン65Dの表示位置に触れると、クレジットを100枚単位でベットすることが可能である。100BETボタン65Dに触れる毎に「100」→「200」→「300」→・・・の順にベット枚数が増加する。
【0032】
ペイアウト結果表示部66は、前回のゲームにおいてプレーヤがベットしたクレジット数、及びペイアウト(払出し)のクレジット数が表示される。ここで、ペイアウトクレジット数からベットしたクレジット数を引いた数が、前回のゲームでプレーヤが新たに獲得したクレジット数ということになる。
【0033】
クレジット数表示部67は、現在のプレーヤが所有するクレジット数が表示される。このクレジット数は、ベットが行われた際には、そのベット数に応じて減少する。例えば、1ベットに対してクレジットが1減少する。また、スロットゲームにおいてペイアウトを伴うコンビネーションが成立して、コンビネーションに応じたペイアウトが行われた場合には、ペイアウトの分だけクレジット数が増加する。なお、プレーヤが所有するクレジット数が0となった場合には、遊技終了となる。
【0034】
ベット可能残り時間表示部68は、プレーヤがベットすることが可能な残り時間を表示するものであり、ベット操作の受付開始時には、例えば、「20」が表示され、1秒毎に数字が1ずつ減少し、数字が「0」となったときにベット操作の受付を終了する。各ステーション4において数字が「0」となったときに、シンボル表示領域62においてシンボルがスクロールを開始し、1次ゲームが開始される。
【0035】
ベット数表示部69は、プレーヤが単位BETボタン65に触れることによって指定したベット数を表示する。ベット数は、該ステーション4で実行されるスロットゲームのルールに応じて下限或いは上限が予め決定されている。
【0036】
MINI表示部71には、「MINI」のJPの現在までに蓄積されたクレジット数が表示されている。MAJOR表示部72には、「MAJOR」のJPの現在までに蓄積されたクレジット数が表示されている。MEGA表示部73には、「MEGA」のJPの現在までに蓄積されたクレジット数が表示されている。 本実施形態では、一例として、「MEGA」のJPとして、全12箇所のステーション4におけるスロットゲームでベットされたクレジットのうち、0.15%のクレジットが累積して記憶される。「MAJOR」のJPとして、各ステーション4におけるスロットゲームでベットされたクレジットのうち、0.20%のクレジットが累積して記憶される。また、「MINI」のJPとして、各ステーション4におけるスロットゲームでベットされたクレジットのうち、0.30%のクレジットが累積して記憶される。従って、MINI表示部71、MAJOR表示部72、及びMEGA表示部73に表示される数値は、全てのステーション4で共通の数値になっている。
【0037】
スロットゲームにおいて、何れかのステーション4において、予め決められたJPコンビネーションが成立した場合には、各表示部71〜73に表示されたJPのうち、提供が決定したJPに対応するクレジット数が払い出され、払い出された後のJPの表示部には、各JPの初期値が表示される。
【0038】
プレーヤは、上述したゲーム画面61が表示されるステーション4、及びディスプレイ20で構成される遊技機1でスロットゲームを行う際には、従来のスロットマシンと同様、メッセージ表示部64に表示される指示に従って、BETボタン65を操作してベットし、スタートボタン46を押す。ベット操作では、プレーヤが、1BETボタン65A、5BETボタン65B、10BETボタン65C、100BETボタン65D等の単位BETボタン65の各単位ボタンに触れると、指定された単位数分のチップをベットすることができる。例えば、プレーヤは、10BETボタン65Cに4回、5BETボタン65Bに1回、1BETボタン65Aに3回触れれば、合計48枚のチップをベットすることができる。
【0039】
プレーヤが、上述したゲーム画面61からベット操作を行った後、スタートボタン46を押すと、シンボル表示領域62に表示された15個のシンボルが上下方向にスクロールした後、やがて自動的に停止し、シンボルが再配置されるという1次ゲームが実行される。図1には、1次ゲームが終了し、再配置されたシンボルが表示されたゲーム画面61の一例が示されている。
【0040】
各ステーション4において、シンボルが再配置を完了するタイミングは、メッセージ表示部64への表示によりプレーヤにベット操作を促す表示を行ったり、ベット操作が可能な制限時間を設けたり、また、シンボルがスクロールしてから停止するまでの期間を制御装置13が調整したりすることによって、全ステーション4で同期がとられている。つまり、シンボルのスクロール開始は、プレーヤのベット操作、スタートボタンが押下されるタイミング等によって、ステーション4毎に同一ではないが、上述のような制御が行われることによって、ステーション4のシンボル表示領域62にシンボルが再配置を完了するタイミングは、全ステーション4でほぼ一致させることができる。
【0041】
遊技機1では、全ステーション4において、1次ゲームが終了すると、制御装置13によって、ディスプレイ20において、各ステーション4に共通な共通ゲームとして競馬ゲームが開始される(これを2次ゲームという)。図1では、ディスプレイ20の表示パネル20aに、2次ゲームの結果が表示されている。この共通ゲームにおいて選択された馬シンボルは、各ステーション4に反映されて、図1下段のゲーム画面61に示すように、2次ゲーム結果表示部63に表示されて、各ステーション4で実行されたスロットゲームの結果に加えて、最終的なコンビネーションが判定される。
【0042】
ペイアウトは、1次ゲームの結果と2次ゲームの結果との関連により行われる。例えば、ディスプレイ20で実行される2次ゲームで1着になった馬が、1次ゲームの結果、成立したシンボルのコンビネーションに含まれる馬シンボルと一致した場合などには、1次ゲームの結果成立したコンビネーションに対応するペイアウトが更に高配当に変化する。また、2次ゲームに登場する馬を、いわゆるスキャッタシンボルとして扱い、1着〜3着までの3つの馬シンボルが1次ゲームの結果としてシンボル表示領域62の3×5マスの何れかに再配置されていた場合には、対応するペイアウトを行うようにしてもよい。
【0043】
図1では、表示パネル20aに表示された1位の馬は、2次ゲーム結果表示部63aの馬シンボルに対応し、表示パネル20aの2位の馬は、2次ゲーム結果表示部63bの馬シンボルに対応し、表示パネル20aの3位の馬は、2次ゲーム結果表示部63cの馬シンボルに対応する。そして、各ステーション4では、2次ゲームで抽出されたシンボルによって、プレーヤに対するペイアウトが決定される。すなわち、図1を用いて説明したスロットゲームでは、例えば、シンボル表示領域62のYのラインに注目すると、1次ゲームが終了した時点で、再配置されたシンボルではペイアウトを伴うコンビネーションが成立していないが、2次ゲームが終了したとき、1位になった馬シンボルに組み合わされたハートのシンボル、また2位になった馬シンボルに組み合わされたダイヤのシンボルを適用すると、1次ゲーム終了時のYのライン上にペイアウトを伴うコンビネーションが成立することになる。このように、本実施形態では、1次ゲームの結果と、2次ゲームの結果に関連したペイアウトが行われる。なお、競馬ゲームの詳細については、後述する。
【0044】
以上説明したように、本発明の実施形態として示す遊技機1では、ステーション4の各々で実行された1次ゲームにおいて一時的に決定されたシンボルのコンビネーションと、各ステーション4に接続された制御装置13で実行された2次ゲームの結果に応じてペイアウトが行われるようにしたことにより、多人数同時参加型のゲーム(マスゲーム)にスタンドアロン方式のゲーム装置の高いエンターテインメント性を融合することができ、新しいエンターテインメント性を付与することができる。
【0045】
なお、本実施例では、再配置の一例として、15個の各シンボル表示領域62aX〜62eZを、X〜Zの3マスでなる一行を一連のリール様に上下方向にスクロールさせる場合について説明したが、15個の各シンボル表示領域62aX〜62eZの1マス毎にシンボルを変更して表示してもよい。
【0046】
以下、本発明の一実施形態として示す遊技機について、図面を用いて詳細に説明する。
【0047】
本実施形態に係る遊技機1の概略構成について図2に基づき説明する。図2は、本実施形態に係る遊技機1の外観構成を示す斜視図である。図2に示されるように、遊技機1は、主にステーション4、ディスプレイ20、全体を統括する制御装置13より構成されている。本実施形態では、ステーション4は、異なる属性を有する複数のシンボルを変動させた後に停止させ、停止したときに成立するシンボルのコンビネーションに応じたペイアウトを行うゲームをプレイすることのできるゲーム装置である。図2に示すように、遊技機1には、大型のディスプレイ20が設けられている。このディスプレイ20は、4面に表示パネル20aを備えており、後述するステーション4において実行されたゲームにおいて使用されるシンボルを含む複数のシンボルから所定のシンボルを抽出する共通ゲームの演出画像を表示する。制御装置13は、主として、共通ゲーム(2次ゲーム)を実行しており、遊技機1の全体を統括する機能も備えている。2次ゲームは、ディスプレイ20で表示される
続いて、遊技機1の構成について説明する。図3には、本実施形態に係るゲームシステムの概略構成が示されている。図3に示すように、遊技機1は、本体部分となる筐体2と、筐体2の上面の略中央部に設けられたディスプレイ20と、ディスプレイ20の周囲にディスプレイ20を取り囲むようにして設置された複数個(本実施形態では12個)のステーション4と、筐体2の上方に設けられた電光表示部5とを備えている。各ステーション4とディスプレイ20は、制御装置13と互いに接続されている。ステーション4は、本実施形態では、ネットワーク30を介して接続されてなる遊技機1全体で、ゲームの一部を共有しているが、シンボルを再配置するゲームを各々がスタンドアロンで行うことができるようになっていてもよい。また、遊技機1が、同様の構成を有する別のゲームシステムと無線又は有線ネットワークを介して接続されていてもよい。
【0048】
ステーション4は、少なくとも、貨幣や遊技に使用するチップやメダル等の遊技媒体の通貨価値を投入するメダル投入口6と、プレーヤにより所定の指示が入力される複数のコントロールボタン等から構成されるコントロール部7と、ゲームに係る画像を表示させる画像表示装置8とを有し、プレーヤのベット操作を受け付ける。プレーヤは、画像表示装置8に表示される画像をみながら、タッチパネルやコントロール部7等を操作することにより、展開されるゲームを進行させることができる。また、各ステーション4が設置された筐体2の側面には、メダル払出口9がそれぞれ設けられている。更に、各ステーション4の画像表示装置8の右上には音楽、効果音等を流すスピーカ10が設けられている。
【0049】
各ステーション4の画像表示装置8上部には、WINランプ11がそれぞれ設けられている。シンボルを再配置するゲームにおいて、シンボルのコンビネーションに応じてペイアウトが決定した場合に、ペイアウトが行われるステーション4のWINランプ11を点灯させる。また、コンビネーションに応じて、ジャックポット(以下、JPという)を獲得したステーション4のWINランプ11についても同様にして点灯させる。なお、このWINランプ11は、設置された全てのステーション4(本実施形態では12台)から視認可能な位置に設けられており、同一の遊技機1で遊技中の他のプレーヤは、その点灯を常に確認することが可能である。
【0050】
メダル投入口6の内部にはメダルセンサ(図示せず)が設けられており、メダル投入口6より投入されたメダル等の通貨価値の識別を行うとともに、投入されたメダルをカウントする。また、メダル払出口9の内部にはホッパー(図示せず)が設けられており、所定枚数のメダルをメダル払出口9から払い出す。
【0051】
筐体2の角に位置するコーナー部12の内部には、遊技機1によるゲーム進行等を統括するサーバとしての制御装置13が配置されている。制御装置13は、プレーヤによって操作されることのないように、通常はコーナー部12の内部に収納されているが、キースイッチを使用してコーナー部12に設けられたコーナー扉14を開放することによって操作が可能となる。そして、制御装置13を操作することによって、遊技機1の各種設定を行うことが可能である。
【0052】
電光表示部5には、JPの額を表示するJP額表示部15が設けられている。本実施形態に係るルーレットゲーム機1では、後述するように「MEGA」、「MAJOR」、「MINI」の3種類のJPが設けられている。「MEGA」のJPでは、全12箇所のステーション4においてゲームでベットされたクレジットのうち、0.15%のクレジットを累積して記憶する。「MAJOR」のJPでは、ベットされたクレジットのうち、0.20%のクレジットを累積して記憶する。「MINI」のJPでは、ベットされたクレジットのうち、0.30%のクレジットを累積して記憶する。
【0053】
そして、何れかのステーション4において、シンボルのコンビネーションに応じて何れか1つのJPに当選が決定した場合に、該当するJPに累積された累積額に相当するクレジットが所定のステーション4に対して払い出される。JP額表示部15には3種類のJPのうち、「MEGA」のJPの累積額を表示する。なお、JP額表示部15は、電光表示部5の頂上部に設けられており、ステーション4で遊技する全てのプレーヤからその表示内容が視認可能となっている。
【0054】
制御装置13は、シンボルを変動させた後、停止させる「再配置」の動作がステーション4の全ておいて終わった後、その旨を示す信号をステーション4から受信し、続いて、全ステーション4に共通のゲーム(2次ゲームという)を開始する。共通ゲームでは、ステーション4の各々で使用されるシンボルを含む複数のシンボル(シンボルの詳細は、後述する)から所定のシンボルを抽出するゲームが実施される。本実施形態では、図7に示すように、ステーション4の各々で実行される1次ゲームのためにシンボルとして色の異なる「馬シンボル」と、「スペード」、「ハート」、「ダイヤ」、「クラブ」が用意されている。図7に示す「Gd」はゴールドを示し、「SL」はシルバーを示し、「R」はレッドを示し、「BL」はブルーを示し、「GR」はグリーンを示し、「P」はピンクを示し、「OR」はオレンジを示し、「BK」はブラックを示す。
【0055】
また、2次ゲームのためのシンボルとして、上述したシンボルが適宜組み合わされた、例えば、図8に示すようなシンボルがRAM83等に用意されている。そして、制御装置13は、図8に示すシンボルから「馬シンボル」を抽出する処理を行う2次ゲームを実行する。この2次ゲームは、各色の馬が競走して順位を競う競馬ゲームとして実行され、ディスプレイ20に表示される。2次ゲームの詳細は後述する。
【0056】
2次ゲームで使用されるシンボルの組み合わせ例を、図8に示す。図8には、各色を身につけたした馬シンボルの画像が示されている。図8に示す例では、説明のために配色を上述した「Gd」、「SL」、・・・等のアルファベットで示している。図8では、「R」と「スペード」の組合せ、「BL」と「ハート」の組合せ、「Gd」と「クラブ」の組合せ、「P」と「ダイヤ」の組合せ、「OR」と「スペード」の組合せ、「BK」と「ハート」の組合せ、「GR」と「クラブ」の組合せ、「SL」と「ダイヤ」の組合せでなるシンボルが形成されている。左肩に表示されている数字は、馬の出走枠番号を示す。なお、組合せは、図8で示した例以外に、複数種類用意されていてもよい。
【0057】
ディスプレイ20は、ステーション4でゲームを行うプレーヤから視認可能な位置に設置されており、制御装置13による一連のシンボルの抽出処理が演出画像とともに表示されるようになっている。
【0058】
次に、図4を用いて本発明の実施形態として示す遊技機1の内部構成について説明する。図4に示すように、遊技機1は、制御装置13と制御装置13に接続された複数(本実施形態では12台)のステーション4とから構成されている。制御装置13には、電光表示部5が接続されている。なお、ステーション4の内部構成に関しては後に詳細に説明する。
【0059】
制御装置13は、全体の制御を行うCPU81、ROM82、RAM83、タイマ84、液晶駆動回路85を介して接続された液晶ディスプレイ32、及び、キーボード33を備え、制御装置13は、ステーション4の各々で使用される図7に示す複数のシンボルの組合せでなるシンボルから所定のシンボルを抽出する処理を行う。本実施形態では、競馬ゲームの着順を決定する処理である。
【0060】
CPU81は、各ステーション4から供給される入力信号、ROM82、及びRAM83に記憶されたデータ、プログラム等に基づいて、各種の処理を行い、その結果に基づいて、ステーション4に命令信号を送信することにより、各ステーション4を主導的に制御する。特に、ステーション4の各々から信号を受信して、ディスプレイ20において演出画像を表示するための一連の処理を実行する。
【0061】
また、CPU81は、後述するROM82に記憶された、色の異なる「馬シンボル」と、「スペード」、「ハート」、「ダイヤ」、「クラブ」のシンボルの組合せでなるシンボルから所定のシンボルを抽出する処理を行う。具体的には、CPU81は、プレーヤにより各ステーション4で実行される1次ゲームの終了を監視し、1次ゲームが終了した旨を示す信号を受けて、2次ゲームである競馬ゲームを開始し、シンボルの選択結果が、レースの着順として決定される演出を行う。なお、このときの「馬シンボル」と、「スペード」、「ハート」、「ダイヤ」、「クラブ」の組合せは、複数種類用意されていてもよい。また、実行される2次ゲームのたびに適宜変更されるようになっていてもよい。
【0062】
CPU81による2次ゲームの結果は、各ステーション4に送信され、1次ゲームの結果に加えてペイアウトが算出される。従って、ステーション4が単にスタンドアロンによりシンボルを再配置するゲームを進行するのでなく、一連のゲームの一部を制御装置13及びディスプレイ20で実行することにより、ステーション4全体でゲームを共有することができる。
【0063】
ROM82は、例えば、半導体メモリ等により構成され、遊技機1の基本的な機能を実現させるためのプログラムが格納されている。また、メンテナンス時期の報知及び報知する報知条件の設定、管理を実行するプログラム、各ステーション4を主導的に制御するためのプログラム等が記憶されている。また、ROM82は、2次ゲームで使用する、上述した色の異なる「馬シンボル」と、「スペード」、「ハート」、「ダイヤ」、「クラブ」のシンボル(図7参照)の組合せを格納している。
【0064】
RAM83は、各ステーション4においてベットされたチップの額、現在までに累積された「MINI」、「MAJOR」、「MEGA」の各種ジャックポット(JP)の額、CPU81により実行された処理の結果に関するデータ等を一時的に記憶する。
【0065】
図5に、本実施形態に係るルーレットゲーム機のRAMの記憶領域を示す。図5に示すように、RAM83には、「MINI」のJPとして累積加算されたクレジット数が記憶される「MINI」のJP累積記憶エリア83A、「MAJOR」のJPとして累積加算されたクレジット数が記憶される「MAJOR」のJP累積記憶エリア83B、及び「MEGA」のJPとして累積加算されたクレジット数が記憶される「MEGA」のJP累積記憶エリア83Cが設けられている。
【0066】
また、CPU81には、期間計測を行うタイマ84が接続されている。タイマ84の計測期間情報は、CPU81に送信される。CPU81は、タイマ84の期間情報に基づいて後述のように、最後のカードを選択する演出処理等の制御を行う。
【0067】
更に、CPU81には、電光表示部5(図3、図4参照)が接続されている。そして、CPU81は、LED等の発光を制御することにより電飾による演出を行う。また、CPU81は、電光表示部5に対して所定の文字等の表示を行う。更に、CPU81は、電光表示部5の、特に、JP額表示部15に、現在までに累積されているJP(本実施形態では、「MEGA」のJP)の額を表示させる。
【0068】
続いて、図6に、本発明の実施形態として示す遊技機1を構成するステーション4の内部構成を示す。本実施形態では、12台設けられたステーション4は、基本的に同一構成が適用可能であるため、以下では1台のステーション4を例にして説明する。
【0069】
ステーション4は、主に、シンボルを変動した後、停止させる「再配置」を表示する1次ゲームに関する表示を行う画像表示装置8と、制御装置13のCPU81と制御信号等を送受する送受信インターフェイス(図示せず)と、ステーション4で実行される1次ゲームにて使用される複数の属性を有するシンボルの画像データ、コンビネーションとペイアウト数とが対応付けされたペイアウトテーブル(後述する)等が記憶されたメモリを備え、通信インターフェイスにおいて制御信号を受信したことを契機としてメモリに格納された画像データを抽出し、抽出した画像データを液晶ディスプレイに表示し、メモリに格納されたペイアウトテーブルを参照して、ステーション4自身が実行した1次ゲームと制御装置13によって実行された2次ゲームの結果、成立するコンビネーションに応じたペイアウトを行う処理を行っている。
【0070】
ステーション4は、図6に示すように、ステーション制御用CPU91とROM92とRAM93とから構成されるステーション制御部90を備えている。
【0071】
ROM92は、例えば、半導体メモリ等により構成され、ステーション4の基本的な機能を実現させるためのプログラム、その他ステーション4の制御上必要な各種のプログラム、データテーブル等が格納されている。また、格納されるデータの一例として、ステーション4で実行される1次ゲームで使用されるシンボルの画像データが格納されている。また、ROM92には、ステーション4で実行される1次ゲームで成立したシンボルのコンビネーションに対する配当倍率(チップ1枚あたりの当選に対するクレジットの払出数)がテーブルとして記憶されている。すなわち、ROM92は、ペイアウト用メモリとして機能している。
【0072】
ROM92に格納されているコンビネーションに対するペイアウトテーブルの一例を図9に示す。図9には、シンボルのコンビネーションに応じた、賭け金1に対する配当比率が示されている。図9に示すように、本実施形態ではペイアウト対象のコンビネーションの一例として、ビデオリール上の何れかのラインに全て同一の所定シンボルが配置されたとき、プレーヤが行ったベットに対して決められた倍率のペイアウトが行われる。すなわち、ビデオリールの何れかのラインに、Gdの馬シンボルが揃うと200倍になり、SLの馬シンボルが揃うと180倍になり、Rの馬シンボルが揃うと150倍になり、BLの馬シンボルが揃うと120倍になり、GRの馬シンボルが揃うと100倍になり、Pの馬シンボルが揃うと80倍になり、ORの馬シンボルが揃うと60倍になり、BKの馬シンボルが揃うと50倍になるように設定されている。また、スペードのシンボルが揃うと、プレーヤのベットが100倍になり、ハートのシンボルが揃うと80倍になり、ダイヤのシンボルが揃うと60倍になり、クラブのシンボルが揃うと40倍になるようにBKの馬シンボルが揃うと50倍になるように設定されている。なお、ここでの配当倍率は一例であって、コンビネーションに応じた配当倍率は、図9に示すものに限定されない。
【0073】
図11には、ステーション4における1次ゲームで変動後、再配置するシンボルを決定するために使用される1次ゲーム用乱数テーブルを示す。この1次ゲーム用乱数テーブルでは、ペイアウトを与える特定のコンビネーション毎に乱数の範囲及び当たりの確率が対応付けられて登録されている。図11には、一例として、例えば、X、Y、Z等のライン上に全てJP、全てGd等のシンボルからなるコンビネーションが形成される確率が示されている。
【0074】
後述のコンビネーション決定処理(図13のステップS4)において、例えば、「0」〜「65535」の乱数のうち「0」〜「29」の範囲内での乱数が抽出された場合に、ジャックポットを付与する特定のコンビネーション(ライン上のシンボルを全てジャックポットシンボルで停止)を発生させることがスロットマシン4内部で決定される。言い換えると、停止シンボルによって「JP」が提供される確率は、「30/65536」である。また、例えば、「0」〜「65535」の乱数のうち「30」〜「99」の範囲内での乱数が抽出された場合に、1次ゲームの結果として、何れかのライン上のシンボルが全て「Gd」の馬シンボルで停止させることがステーション4内部で決定される。言い換えると、停止シンボルが全て「Gd」の馬シンボルでなるコンビネーションに決定される確率は、「70/65536」である。更に、「0」〜「65535」の乱数のうち「59335」〜「65535」の範囲内での乱数が抽出された場合、1次ゲームの最終的な結果としてハズレを発生させることがステーション4内部で決定される。言い換えると、停止シンボルがハズレを示すコンビネーションに決定される確率は、「59336/65536」である。なお、図11に示す乱数テーブルは、本実施形態においての一例に過ぎず、適宜変更が可能である。
【0075】
また、本実施形態では、いわゆるスキャッタシンボルが設定されていてもよい。スキャッタシンボルとは、ビデオリール上において、所定のシンボルが一ライン上に配置されるのではなく、各シンボルが変動され停止したとき、ラインに関係なく所定個数がビデオリールの表示画面に現れていたとき、ペイアウトが与えられるというシンボルである。本実施形態では、一例として、スキャッタシンボルが、5個、4個、又は3個存在するときのペイアウトが、図10に示すペイアウトテーブルに従って決められている。本実施形態では、1次ゲームが終了した後、シンボル表示領域62に、図10に示すテーブルに定められた数の所定のシンボルが存在する場合には、対応するペイアウトが行われる。例えば、Gdの馬シンボルが5個以上存在するとき、プレーヤによるベット数の100倍がペイアウトされることになる。
【0076】
RAM93は、ステーション制御用CPU91の作業領域として使用される。RAM93は、ステーション制御用CPU91で演算された各種データ、プレーヤの現在所有するクレジット数、遊技機1全体に貯留されたクレジット数、プレーヤによるベット状況等を一時的に記憶しておくメモリである。
【0077】
ステーション制御用CPU91は、乱数テーブルに従って、ROM92に記憶された、異なる属性を有する複数のシンボルから所定のシンボルを抽出し、抽出したシンボルでなるコンビネーションに応じたペイアウトを行うというゲームを制御している。そして、ステーション制御用CPU91は、ROM92に格納されたペイアウトテーブル(図9又は図10参照)を参照して、自身により1次ゲームで決定したシンボルのコンビネーションと、共通ゲームである2次ゲームの結果との関係に応じてペイアウトを行う。
【0078】
また、ステーション制御用CPU91は、制御装置13によって抽出されたシンボル、すなわち2次ゲームの結果を受けて、ステーション4でのペイアウトを変更する。図12に、着順に応じたペイアウト倍率を定めたテーブルを示す。すなわち、1次ゲームにおいて、成立したコンビネーションの馬シンボルがテーブルに示す順位でゴールした場合には、対応する倍率のペイアウトが与えられる。例えば、1次ゲームにおいて、シンボル表示領域62のYのライン(62aY,62bY,62cY,62dY,62eY)に全てGdの馬シンボルが配置され、更に2次ゲームにおいてGdの馬が1着になった場合には、1次ゲームのペイアウトがベットクレジットの200倍となり、更に2次ゲームの着順に応じて10倍されるので、プレーヤは、ベットクレジットの2000倍のペイアウトを受けることができる。
【0079】
また、ステーション制御用CPU91には、コントロール部7(図3参照)に設けられた変動スタートボタン46、BET確定ボタン47、払い戻しボタン48、ヘルプボタン49がそれぞれ接続されている。
【0080】
変動スタートボタン46は、ベット操作を終了した後、画像表示装置8のシンボル表示領域に表示されたシンボルの変動を開始する操作を行うボタンである。プレーヤによって、変動スタートボタン46が操作されると、5列、3行のシンボル表示領域62に表示されたシンボルがリールが回転するように上下方向に動きだし、やがて停止する。
【0081】
BET確定ボタン47は、画像表示装置8によるベット操作の後にベットを確定する際に押下されるボタンである。払い戻しボタン48は、通常、ゲーム終了時に押下されるボタンであり、払い戻しボタン48が押下されると、ゲーム等によって獲得した現在プレーヤが所有するクレジットに応じたメダル(通常は1クレジットに対してメダル1枚)がメダル払出口9から払い戻される。ヘルプボタン49は、ゲームの操作方法等が不明な場合に押下されるボタンであり、ヘルプボタン49が押下されると、その直後に画像表示装置8上に各種の操作情報を示したヘルプ画面が表示される。
【0082】
ステーション制御用CPU91は、各ボタンの押下等により出力される操作信号に基づき、対応する各種の動作を実行すべく制御を行う。具体的には、プレーヤの操作が入力されたことを受けてコントロール部7から供給される入力信号と、ROM92及びRAM93に記憶されたデータ、プログラム等に基づいて各種の処理を実行し、その結果をCPU81に送信する。
【0083】
また、ステーション制御用CPU91は、CPU81からの命令信号を受信し、ステーション4を構成する周辺機器を制御し、ステーション4における上述した1次ゲームの進行を制御する。また、ステーション制御用CPU91は、プレーヤの操作が入力されたことを受けてコントロール部7から供給される入力信号と、ROM92及びRAM93に記憶されたデータ、プログラム等に基づいて、種の処理を実行する。そして、その結果に基づいて、ステーション4を構成する周辺機器を制御し、ゲームを進行している。
【0084】
ステーション制御用CPU91には、ホッパー94が接続されている。ホッパー94は、ステーション制御用CPU91からの命令信号により、所定枚数のメダルをメダル払出口9(図3参照)から払い出す。更に、ステーション制御用CPU91には、液晶駆動回路95を介して画像表示装置8が接続されている。画像表示装置8は、ステーション制御用CPU91に制御されて、上述した一連のゲームに関する情報をプレーヤに提示する。
【0085】
液晶駆動回路95は、プログラムROM、画像ROM、画像制御CPU、ワークRAM、VDP(ビデオ・ディスプレイ・プロセッサ)及びビデオRAMを備えている。プログラムROMには、画像表示装置8での表示に関する画像制御用プログラムや各種選択テーブルが格納されている。画像ROMには、例えば、画像表示装置8で表示される画像を形成するためのドットデータが格納されている。画像制御CPUは、ステーション制御用CPU91で設定されたパラメータに基づき、プログラムROM内に予め記憶された画像制御プログラムに従って、画像ROM内に予め記憶されたドットデータのなかから画像表示装置8に表示する画像の決定を行う。ワークRAMは、画像制御プログラムを画像制御CPUで実行するときの一時記憶装置である。VDPは、画像制御CPUで決定された表示内容に応じた画像を形成し、画像表示装置8に出力している。なお、ビデオRAMは、VDPで画像を形成するための一時記憶装置である。
【0086】
また、画像表示装置8の前面には、上述したようにタッチパネル50が取り付けられている。タッチパネル50の操作情報は、ステーション制御用CPU91に対して送信される。プレーヤは、タッチパネル50に表示されるゲーム画面61を用いてベット操作を行うことができる。具体的に、プレーヤは、ゲーム開始の操作、単位BETボタン66をタッチすることによるBETクレジット数の決定等の操作を行うことができる。操作に対する情報は、ステーション制御用CPU91に送信される。そして、その情報に基づいてRAM93に現在のプレーヤがゲーム画面61においてベットしたチップ枚数が随時記憶される。更に、1次ゲームが終了したという情報、ベットに関する情報等が制御装置13のCPU81に対して送信される。そして、制御装置13のRAM83の記憶エリアに記憶される。
【0087】
更に、音出力回路96及びスピーカ10がステーション制御用CPU91に接続されており、スピーカ10は、音出力回路96からの出力信号に基づき各種演出を行う際に各種の効果音を発生する。
【0088】
また、ステーション制御用CPU91には、メダルセンサ97が接続されている。メダルセンサ97は、メダル投入口6(図3参照)から投入されたメダルを検出するとともに、投入されたメダルを演算し、その結果をステーション制御用CPU91に対して送信する。ステーション制御用CPU91は、送信された信号に基づいてRAM93に記憶された、プレーヤが所有するクレジット数を増加させる。
【0089】
また、ステーション制御用CPU91にはWINランプ11が接続されている。ステーション制御用CPU91は、ゲーム画面61でベットしたチップが当選した場合やJPに当選した場合に、WINランプ11を所定の色で点灯させる。
【0090】
上述した構成を備えることにより、ステーション4は、画像表示装置8において、複数のシンボルを変動させ、停止させて所定のコンビネーションが成立するか否かに応じてペイアウトを決定するという1次ゲームを実行することができる。
【0091】
続いて、本発明の実施形態として示す遊技機1を構成するステーション制御用CPU91が実行するステーション4による1次ゲームの遊技処理、及び制御装置13のCPU81が実行する2次ゲームの遊技処理について、図13を用いて説明する。
【0092】
はじめに、遊技機1におけるステーション4による遊技処理について説明する。遊技機1は、複数のステーション4を備えているが、各ステーション4の遊技処理は、以下に説明する処理と同一である。
【0093】
まず、ステーション4側のステーション制御用CPU91は、プレーヤが投入したコインの残数であるクレジットが残っているか否かを判断する(ステップS1)。具体的には、ステーション制御用CPU91は、RAM93に記憶されたクレジット数Cを読み出し、この読み出したクレジット数Cに基づいて処理を行う。クレジット数Cが「0」である場合には(ステップS1でNO)、ステーション制御用CPU91は、ゲームを開始することができないので、処理を行うことなく本ルーチンを終了させる。他方、クレジット数Cが「1」以上である場合には(ステップS1でYES)、ステーション制御用CPU91は、クレジットが残っていると判断し、処理をステップS2に移す。
【0094】
ステップS2に移行すると、ステーション制御用CPU91は、ゲーム条件を設定する。具体的には、ステーション制御用CPU91は、単位BETボタン65からの操作を受け付けて、この入力に基づいて、1次ゲームであるスロットゲームに対して賭けるクレジット数を設定する。このとき、ステーション制御用CPU91は、単位BETボタン65の操作が行われたことによって発せられた操作信号を受信し、この受信した操作信号に基づいて、ベット数をRAM93の所定のメモリ領域に記憶させる。ステーション制御用CPU91は、RAM93の所定のメモリ領域に書き込まれたクレジット数Cを読み出し、この読み出したクレジット数Cからベット数を減算し、この減算した値をRAM93の所定のメモリ領域に記憶させる。その後、ステーション制御用CPU91は、処理をステップS3に移す。
【0095】
ステップS3において、ステーション制御用CPU91は、スタートボタン46が操作されたかか否かを判断する。スタートボタン46からの操作信号が入力された場合には(ステップS3でYES)、ステーション制御用CPU91は、処理をステップS4に移す。所定時間が経過してもスタートボタン46からの操作信号が入力されない場合には(ステップS3でNO)、ステーション制御用CPU91は、スタートボタン46が押されていないと判断し、処理をステップS2に戻す。
【0096】
ステップS4に移行すると、ステーション制御用CPU91は、スタートボタン46がONであるか否かを判断する。プレーヤによりスタートボタン46が操作されたとき、スタートボタン46からの操作信号が入力されたとき(ステップS3でYES)、ステーション制御用CPU91は、スタートボタン46が操作されたと判断し、処理をステップS4に移す。
【0097】
ステップS4において、ステーション制御用CPU91は、コンビネーション決定処理を行う。このコンビネーション決定処理の内容について説明する。コンビネーション決定処理において、ステーション制御用CPU91は、ペイアウトを実現するために所定のシンボルが揃わなくてはならないライン(以下、ペイラインという)に沿って、どのシンボルのコンビネーションで停止させるかを決定する。具体的には、ステーション制御用CPU91は、所定の範囲の乱数(本実施の形態では「0」〜「65535」)を発生させて、発生した乱数をRAM93の所定のメモリ領域に記憶させる。なお、本実施の形態において、乱数は、演算処理により発生するようにしているが、ステーション制御用CPU91の外部に設けられた乱数発生器において発生させてもよい。
【0098】
ステーション制御用CPU91は、ROM92に記憶された1次ゲーム用乱数テーブル(図11参照)、及びペイアウトを伴うコンビネーションが表されたテーブル(図示せず)を読み出し、この読み出したテーブルをRAM93の所定のメモリ領域に格納する。ステーション制御用CPU91は、RAM93の所定のメモリ領域に格納された1次ゲーム用乱数テーブルとペイアウトを与えるための特定のコンビネーションを定めたコンビネーションテーブルとを読み出し、発生させた乱数から、乱数テーブルを参照してペイラインに配置させるシンボルのコンビネーションを決定する。
【0099】
続いて、ステップS5において、ステーション制御用CPU91は、シンボル表示領域62のシンボルのスクロールを開始するとともに、制御装置13にスクロールを開始した旨の信号を送信する。ステップS6において、制御装置13からスクロールを停止するまでの期間を設定する信号を受信し、停止までの期間を設定する。
【0100】
ステップS7において、ステップS6で設定した所定期間が経過したか否か判別する。所定期間が経過したとき(ステップS6:YES)、ステップS8において、スクロールを停止し、ステップS4において決定されたコンビネーションでシンボルを再配置する。
【0101】
ステーション制御用CPU91は、ステップS9において、ペイラインに配置させるシンボルのコンビネーションを決定すると、ペイラインにおけるシンボルのコンビネーションがペイアウトを伴うコンビネーションであるか否かを判別する。1次ゲームの結果、ペイアウトを伴うコンビネーションが成立している場合には(ステップS9:YES)、ステップS10において、1次ゲームにおけるペイアウトを一時的に決定し、ステップS11において、1次ゲームが終了した旨の信号を制御装置13に送信する。一方、1次ゲームの結果、ペイアウトを伴うコンビネーションが成立していない場合には(ステップS9:NO)、ステップS11に進み、1次ゲームが終了した旨の信号を制御装置13に送信する。
【0102】
次に、ステーション制御用CPU91は、ステップS12において、制御装置13から2次ゲームの結果を示すデータを受信すると、ステップS13において、ペイアウト判定処理を行う。ペイアウト判定処理では、2次ゲームの結果を受けて、馬シンボルの着順に応じたペイアウト倍率の変更、新たな条件に基づくペイアウトの算出等を行う。また、ステーション制御用CPU91は、1次ゲームの結果と2次ゲームの結果を制御装置13に送信する。制御装置13では、このとき成立したコンビネーションが、「MINI」、「MAJOR」、「MEGA」の各JPボーナスを得る権利を有するコンビネーションか判定し、JPボーナスの権利を得る資格があるステーション4に対して、その旨を通知する。ステーション4では、ステーション制御用CPU91は、JPボーナスの判定結果と、ステップS13のハンドランク判定処理の結果に基づいて、最終的に、ステップS14において、1次ゲームの結果と2次ゲームの結果に関連したペイアウトを行う。
【0103】
次に、遊技機1における制御装置13による遊技処理について、同じく図13を用いて説明する。
【0104】
制御装置13のCPU81は、ステップS21において、ステーション4のそれぞれからステップS5の工程で送信されたスクロール開始信号を受信すると、ステップS22において、ステーション4毎にスクロール期間を算出し、ステップS23において、ステーション4に停止までの期間を指定する旨の信号を送信する。
【0105】
スロットゲームの開始は、ステーション4毎にプレーヤのベット操作等が異なるので、通常、同時ではないが、この信号に基づいて、ステーション4毎にスクロール期間が設定され、設定された期間でスクロールが終了してシンボルが決められたコンビネーションで停止されるので、スクロールの完了時点を全ステーション4において、統一することができる。
【0106】
続いて、制御装置13のCPU81は、ステップS24において、ステーション4から、1次ゲームが終了した旨の信号を受けて(ステップS11)、ステップS25において、2次ゲームを開始する。このとき、CPU81は、ディスプレイ20に演出画像を表示するための制御信号を送信する。そして、CPU81は、ステップS26において、2次ゲームの結果を全ステーション4に対して送信する。ステーション4では、2次ゲームの結果に関するデータを受けてペイアウト判定処理が実行され、結果が制御装置13に送信される。
【0107】
制御装置13では、ステップS27において、CPU81は、ステーション4から送られるペイアウト判定結果から、「MINI」、「MAJOR」、「MEGA」の各JPボーナスを得る権利を有するコンビネーションが成立しているステーション4が存在するか判定し、JPボーナスの権利を得る資格があるステーション4に対して、ステップS27において、その旨を送信する。ステーション4では、JPボーナスの判定結果と、ステップS13のペイアウト判定処理の結果に基づいて、ペイアウトが行われる。
【0108】
また、ディスプレイ20は、制御装置13のステップS25のタイミングで送信される制御信号に基づいて、ラストカードを抽出する演出画像を表示する(ステップS31)。
【0109】
以下、上述した図13に示す処理に基づいて実行されるスロットゲームの進行について、ステーション4の画像表示装置8に表示されるゲーム画面61及びディスプレイ20の表示パネル20aに表示される2次ゲームの表示例(図14乃至図16)を用いて、具体的に説明する。
【0110】
図14に、ステーション4が1次ゲームであるスロットゲームの開始を待機しているときのゲーム画面61の表示画面例を示す。ゲーム画面61には、メッセージ表示部64に、「スタートボタンを押してゲーム開始できます」という文字画像が表示されている。また、クレジット数表示部67には、512が表示されている。すなわち、ゲーム画面の現時点で、プレーヤの所有するクレジットが512であることを示している。プレーヤがスタートボタン46を押すとステーション4において1次ゲームが開始される。図14には図示しないが、シンボル表示領域62には、前回の1次ゲームの結果であるシンボルのコンビネーションが表示されている。
【0111】
プレーヤがスタートボタン46を押すと、図15に示すゲーム画面61が表示される。すなわち、プレーヤは、ラインを指定して、上述した要領で、単位BETボタン65を操作することで、指定したラインに対してベットすることができる。図15に示すゲーム画面61には、シンボル表示領域62においてシンボルがスクロールされている様子が示されている。このとき、ステーション4の内部では、再配置したときのコンビネーションを決定してスクロールを開始するとともに、制御装置13において算出された停止期間に従って自動的にスクロールが停止されるようになっている(ステップS4〜S7)。
【0112】
また、図15では、シンボル表示領域62において、シンボルがスクロールされ、メッセージ表示部64に「ラインを選択してベットして下さい」の文字画像が表示されている。そして、ベット操作が可能な残り時間が0になるまでに、スロットゲームに対して20クレジットがベットされたことにより、クレジットが492になったことが示されている。制御装置13は、「MINI」、「MAJOR」、「MEGA」の各JPへの配分比率に基づいてJPを蓄積する。
【0113】
図16には、1次ゲームが終了した後のゲーム画面61の表示例が示されている。すなわち、シンボル表示領域62には、「Gd(ゴールド)」の馬シンボルがシンボル表示領域62aXに、ダイヤのシンボルがシンボル表示領域62aYに、「R(レッド)」の馬シンボルがシンボル表示領域62aZに、「OR(オレンジ)」の馬シンボルがシンボル表示領域62bXに、「BK(ブラック)」の馬シンボルがシンボル表示領域62bYに、「SL(シルバー)」の馬シンボルがシンボル表示領域62bZに、「GR(グリーン)」の馬シンボルがシンボル表示領域62cXに、ハートのシンボルがシンボル表示領域62cYに、「OR」の馬シンボルがシンボル表示領域62cZに、スペードのシンボルがシンボル表示領域62dXに、「BK」の馬シンボルがシンボル表示領域62dYに、「BL(ブルー)」の馬シンボルがシンボル表示領域62dZに、「P(ピンク)」の馬シンボルがシンボル表示領域62eXに、ハートのシンボルがシンボル表示領域62eYに、「JP(ジャックポット)」シンボルがシンボル表示領域62eZに再配置されたことが示されている。そして、1次ゲームが終了したことを受けて、メッセージ表示部64に「ダービーゲームスタート」の文字画像が表示される(ステップS11)。
【0114】
2次ゲームとしてのダービーゲームは、ディスプレイ20において表示され、ダービーゲームの結果、すなわち、着順、馬シンボルの色、また組み合わされたスペード、ハート、ダイヤ、クラブ等のシンボルは、各ステーション4に送られて2次ゲーム結果表示部63に表示される(図1参照)。2次ゲーム結果表示部63には、ディスプレイ20で表示された2次ゲームの結果が着順で表示されている。本実施形態では、1位にはBKの馬シンボルが、2位にはPの馬シンボル、3位にはRの馬シンボルが表示されている。2次ゲームにおける馬シンボルには、スペード、ハート、ダイヤ、クラブの各シンボル(図8参照)が組み合わされており、2次ゲームで着順が決定すると同時に、馬シンボルに組み合わされた、これらスペード、ハート、ダイヤ、クラブの情報も、ともに2次ゲーム結果表示部63に表示される。
【0115】
以上説明したように、本発明の実施形態として示す遊技機1は、ステーション4毎にスロットゲームを実行し、更にステーション4毎のスロットゲームが終了した後に、共通の2次ゲームをディスプレイ20で展開することにより、従来のスタンドアロン形式のカードゲーム装置の高いエンターテインメント性と多人数参加型のマスゲームとを融合した、新しいエンターテインメント性を実現している。
【0116】
以上、本発明の一実施形態であるゲームシステムを説明したが、具体例を例示したに過ぎず、特に本発明を限定するものではなく、具体的構成は、適宜設計変更可能である。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。例えば、本実施形態では、2次ゲームは、ディスプレイ20においてビデオゲームとして実行されるものとして説明したが、周知のように、ミニチュアの競馬場の遊技盤面上にレールを敷設して、複数の馬模型を駆動モータの動力によって移動する遊技装置によって実現してもよい。この場合には、2次ゲームがスタートして馬模型がゴールラインを通過するまでの間に乱数等により馬模型の順位が決定されて、決定された順位で各模型が順次ゴールするように駆動モータが制御されるようになっている。
【産業上の利用可能性】
【0117】
本発明は、多人数同時参加型のゲームにスタンドアロン方式のゲーム装置の高いエンターテインメント性を融合し、新しいエンターテインメント性を有するゲームシステムを提供する上で極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【0118】
【図1】本発明の一実施形態に係る遊技機の特徴を説明するゲーム画面及びディスプレイにおける演出画像の表示例を説明する図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る遊技機の概略を説明する概略図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る遊技機の外観を説明する斜視図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る遊技機を説明する構成図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る遊技機における制御装置のRAMのメモリエリアを説明する説明図である。
【図6】本発明の一実施形態に係る遊技機におけるステーションを説明する構成図である。
【図7】本発明の一実施形態に係る遊技機におけるスロットゲームに用いられるシンボルを説明する説明図である。
【図8】本発明の一実施形態に係る遊技機における2次ゲームで用いられる、組み合わされてなるシンボルを説明する説明図である。
【図9】本発明の一実施形態に係る遊技機で実行されるスロットゲームにおけるシンボルのコンビネーションに対するペイアウトテーブルの一例を説明する説明図である。
【図10】本発明の一実施形態に係る遊技機で実行されるスロットゲームにおけるスキャッタシンボルに対するペイアウトテーブルの一例を説明する説明図である。
【図11】本発明の一実施形態に係る遊技機における1次ゲーム用乱数テーブルの一例を説明する説明図である。
【図12】本発明の一実施形態に係る遊技機の2次ゲームの結果に応じたペイアウト倍率を定めたテーブルを説明する説明図である。
【図13】本発明の一実施形態に係る遊技機を構成するステーションが実行する1次ゲームの遊技処理及び制御装置が実行する2次ゲームの遊技処理を説明するフローチャートである。
【図14】前記図13に示す処理に基づいて実行されるスロットゲームが進行するにつれてステーションの画像表示装置に表示されるゲーム画面の表示例を説明する説明図である。
【図15】前記図13に示す処理に基づいて実行されるスロットゲームが進行するにつれてステーションの画像表示装置に表示されるゲーム画面の表示例を説明する説明図である。
【図16】前記図13に示す処理に基づいて実行されるスロットゲームが進行するにつれてステーションの画像表示装置に表示されるゲーム画面の表示例を説明する説明図である。
【符号の説明】
【0119】
1 遊技機
4 ステーション
13 制御装置
20 ディスプレイ
20a 表示パネル
30 ネットワーク
61 ゲーム画面
62 シンボル表示領域
63 2次ゲーム結果表示部
64 メッセージ表示部
65 単位BETボタン
66 ペイアウト結果表示部
67 クレジット数表示部
68 ベット可能残り時間表示部
69 ベット数表示部
71 MINI表示部
72 MAJOR表示部
73 MEGA表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
異なる属性を有する複数のシンボルを変動させた後に停止させるゲームを実行する複数のゲーム装置と、
前記ゲーム装置の各々に対して共通する共通ゲームを実行する共通ゲーム装置と、
前記ゲーム装置で前記ゲームを行うプレーヤから視認可能であり、前記共通ゲームを表示するディスプレイとを備え、
前記ゲーム装置は、
(a)複数の前記シンボルを変動させた後、停止させ、
(b)停止したときの前記シンボルの組合せと前記共通ゲームの結果との関係に応じてペイアウトを行う、
遊技機。
【請求項2】
前記ゲーム装置は、
(a)複数の前記シンボルを変動させた後、停止させ、
(b)停止したときの前記シンボルの組合せにより特定のコンビネーションが成立したとき、対応するペイアウトを一時的に決定し、
(c)前記共通ゲームの結果に応じて一時的に決定した前記ペイアウトを変更する、
ことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
異なる属性を有する複数のシンボルを変動させた後に停止させるゲームを実行する複数のゲーム装置と、
前記ゲーム装置の各々で使用される前記シンボルを含む複数のシンボルから所定のシンボルを抽出する共通ゲームを実行する共通ゲーム装置と、
前記ゲーム装置で前記ゲームを行うプレーヤから視認可能であり、前記共通ゲームの内容を表示するディスプレイとを備え、
前記ゲーム装置は、
(a)複数の前記シンボルを変動させた後、停止させ、
(b)停止したときの前記シンボルの組合せと前記共通ゲームにより抽出された前記所定のシンボルとの関係に応じてペイアウトを行う、
遊技機。
【請求項4】
前記ゲーム装置は、
(a)複数の前記シンボルを変動させた後、停止させ、
(b)停止したときの前記シンボルの組合せにより特定のコンビネーションが成立したとき、対応するペイアウトを一時的に決定し、
(c)前記共通ゲームにより抽出された前記シンボルに応じて一時的に決定した前記ペイアウトを変更する、
ことを特徴とする請求項3に記載の遊技機。
【請求項5】
異なる属性を有する複数のシンボルを変動させた後に停止させる1次ゲームを実行する複数の1次ゲーム装置と、
前記1次ゲームにおいて前記1次ゲーム装置の各々で使用される前記シンボルを含む複数のシンボルから所定のシンボルを抽出する2次ゲームを実行する2次ゲーム装置と、
前記1次ゲーム装置で前記1次ゲームを行うプレーヤから視認可能であり、前記2次ゲームの内容を表示するディスプレイとを備え、
前記1次ゲーム装置は、
(a)前記1次ゲームとして、複数の前記シンボルを変動させた後、停止させ、
(b)前記1次ゲームにおける前記シンボルの停止時の組合せと、前記2次ゲームで抽出された前記所定のシンボルとの関係に応じてペイアウトを行い、
前記2次ゲーム装置は、
(c)全ての前記1次ゲーム装置において前記1次ゲームが終了するタイミングで、前記2次ゲームを開始し、前記2次ゲームで抽出された前記シンボルを前記1次ゲームに供給する制御を行う、
遊技機。
【請求項6】
前記ゲーム装置は、
(a)前記1次ゲームとして、複数の前記シンボルを変動させた後、停止させ、
(b)停止したときの前記シンボルの組合せにより特定のコンビネーションが成立したとき、対応するペイアウトを一時的に決定し、
(c)前記2次ゲームにより抽出された前記シンボルに応じて一時的に決定した前記ペイアウトを変更する、
ことを特徴とする請求項5に記載の遊技機。
【請求項7】
異なる属性を有する複数のシンボルを変動させた後に停止させるゲームを実行する複数のゲーム装置の各々で複数の前記シンボルを変動させた後、停止させ、
ディスプレイで表示される共通ゲームとして、共通ゲーム装置において前記ゲーム装置の各々で使用される前記シンボルを含む複数のシンボルから所定のシンボルを抽出し、
前記ゲーム装置毎に変動させた後、停止させた複数の前記シンボルの組合せと、前記共通ゲームの結果との関係に応じてペイアウトを行う、
ゲームのプレイ方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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