説明

多価イムノグロブリン系生物活性アセンブリー

本発明は、複数の機能及び/又は結合特異性を示すことが可能な、所定の組成物から成る安定して繋ぎ止められた構造体のための方法及び組成物に関する。好ましい態様は、1又は2本以上のIgG抗体断片を含み、単一特異性又は二重特異性を示してもよい6量体の安定して繋ぎ止められた構造体に関する。開示される方法と組成物により、実質的にあらゆる機能性及び/又は結合特性を示す安定して繋ぎ止められた構造体を入手するための容易で一般的な方法が提供される。安定して繋ぎ止められた構造体は、例えば、癌又は自己免疫疾患の治療など、診断用途及び/又は治療用途のために対象に投与してもよい。安定して繋ぎ止められた構造体は、薬物、酵素、放射性核種、治療剤及び/又は診断剤等の、種々の既知のエフェクターに結合でき、そして/又は結合していてもよい。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
2個のAD2(配列番号4)部分に結合したIgG抗体と、各断片がDDD2(配列番号2)部分に結合した同一の又は異なるIgGの4本の抗体断片とを含み、前記AD2部分が前記DDD2部分に結合している、6量体の安定係留構造体。
【請求項2】
前記AD2部分が、前記DDD2部分にジスルフィド結合により共有結合している、請求項1記載の構造体。
【請求項3】
前記構造体が、6本のFab断片と1本のFc断片を含む、請求項1記載の構造体。
【請求項4】
前記Fab断片のそれぞれが、同一の抗原エピトープに結合する、請求項3記載の構造体。
【請求項5】
前記Fab断片のうち2本の断片が第1の抗原エピトープに結合し、そして前記Fab断片のうち4本の断片が第2の抗原エピトープに結合する、請求項3記載の構造体。
【請求項6】
前記抗体又は抗体断片が、ヒト抗体、ヒト化抗体若しくはキメラ抗体、又はこれらの抗体断片である、請求項1記載の構造体。
【請求項7】
前記Fab断片が、hMN-14、L19、hA20、hLL2、hL243、hCC49、7E3、hLL1、hPAM4、hRS7、rH1、L49、抗CD 14、抗CD111、アダリムマブ、インフリキシマブ、オマリズマブ、パリビズマブ及びhMN-15のFab断片から成る群から選択される、請求項3記載の構造体。
【請求項8】
前記IgG抗体及び/又は抗体断片が、炭酸脱水酵素IX、α-フェトプロテイン、A3、A33抗体の特異的抗原、Ba 733、BrE3抗原、CA125、CD1、CD1a、CD3、CD5、CD15、CD16、CD19、CD20、CD21、CD22、CD23、CD25、CD30、CD33、CD38、CD45、CD74、CD79a、CD80、CD138、大腸特異的抗原-p(colon-specific antigen-p)(CSAp)、CEA(CEACAM5)、CEACAM6、CSAp、EGFR、EGP-1、EGP-2、Ep-CAM、Flt-1、Flt-3、葉酸レセプター、HLA-DR、ヒト絨毛性ゴナドトロピン(HCG)及びそのサブユニット、HER2/neu、低酸素誘導因子(HIF-1)、Ia、IL-2、IL-6、IL-8、インシュリン成長因子-1(IGF-1)、KC4抗原、KS-1抗原、KS1-4、Le-Y、マクロファージ遊走阻止因子(MIF)、MAGE、MUC1、MUC2、MUC3、MUC4、NCA66、NCA95、NCA90、PAM-4抗体の特異的抗原、胎盤成長因子、p53、前立腺酸性フォスファターゼ、PSA、PSMA、RS5、S1OO、TAC、TAG-72、テネイシン、TRAILレセプター、Tn抗原、トムソン-フリーデンライヒ抗原、腫瘍壊死抗原、VEGF、ED-Bフィブロネクチン、17-1A抗原、血管新生マーカー、癌遺伝子マーカー又は癌遺伝子産物から成る群から選択される抗原に結合する、請求項1記載の構造体。
【請求項9】
前記構造体に、共有結合若しくは非共有結合により結合した1又は2個以上のエフェクター又は担体を更に含む、請求項1記載の構造体。
【請求項10】
前記エフェクターが、診断剤、治療剤、化学療法剤、放射線同位体、造影剤(imaging agent)、抗血管新生剤、サイトカイン、ケモカイン、成長因子、薬物、プロドラッグ、酵素、結合分子、細胞表面レセプターに対するリガンド、キレート剤、免疫調節剤、オリゴヌクレオチド、ホルモン、光検出性標識、色素、ペプチド、毒素、造影剤(contrast agent)、常磁性標識、超音波標識、アポトーシス促進剤、リポソーム、ナノ粒子又はこれらの組み合わせ、である、請求項9記載の構造体。
【請求項11】
前記IgG抗体及び前記抗体断片が、標的の分子、複合体、凝集体、細胞、抗原又は組織に対する結合親和力を有する、請求項1記載の構造体。
【請求項12】
前記IgG抗体が、標的の分子、複合体、凝集体、細胞、抗原又は組織に対する結合親和力を有し、そして少なくとも1つの抗体断片が、ハプテンに対する結合部位を有する、請求項1記載の構造体。
【請求項13】
前記IgG抗体が、細胞表面レセプター、アルカリホスファターゼ、ホースラディッシュペロキシダーゼ、β-ガラクトシダーゼ、tpA、ストレプトキナーゼ、ヒルジン、ウロキナーゼ、CA19-9、CEA、CEACAM6、CD19、CD20、CD22、CD30、CD33、CD40、CD74、ED-Bフィブロネクチン、EGFR、 GD2、G250抗原、HER2/neu、hTR、HLAクラスII、HMW/MAA、HN/NDV、IGF1R、IL-2R/Tac、IL-17、MUC1、PSMA、M13コートタンパク質、GpIIb/IIIa、CD74、EGP-1、CD25/Tac、Le、メソセリン(mesothelin)、Erb-B2、Erb-B3、EpCAM、GP240、GPIIb/IIIa、p97、CD3、IL-4R、IL-4、IL-13、VEGFR-2、CD14、CD111/ネクチン-1、葉酸レセプターα、gp120、IL-6、IL-5、IL-8、CD154、IgE、LFA-1、β-トリプターゼ、CD105/エンドグリン(endoglin)、TNFα、RSV Fタンパク質、CEAのA1B1、CEAのNドメイン、PfMSP-1、TAG-72、MUC1、MUC2、MUC3、MUC4、VEFGR1/Flt-1、VEGFR2/KDR又はVEGRF3/Flt-4、に対する結合親和力を有する、請求項12記載の構造体。
【請求項14】
少なくとも1つの抗体断片が、IL-17、ヒスタミンスクシニルグリシン(HSG)、インジウム-DTPA、CD22、CD20、EGFR、IGF1R、VEFGR1/Flt-1、VEGFR2/KDR、VEGRF3/Flt-4、CD3、CD16、CD64、CD89、CD2、アデノウィルスファイバーノブ、M13コートタンパク質、GpIIb/IIIa、アルカリホスファターゼ、ホースラディッシュペロキシダーゼ、β-ガラクトシダーゼ、tpA、ストレプトキナーゼ、ヒルジン又はウロキナーゼ、に対する結合親和力を有する、請求項13記載の構造体。
【請求項15】
前記IgG抗体が、CEA、ED-Bフィブロネクチン、CD20、CD22、CD19、EGFR、IGF1R、VEFGR1/Flt-1、VEGFR2/KDR、VEGRF3/Flt-4、HER2/neu、CD30、CD33、PfMSP-1、HN/NDV、EpCAM/17-1A、hTR、IL-2R/Tac、CA19-9、MUC1、HLAクラスII、GD2、G250、TAG-72、PSMA、CEACAM6、HMWMAA、CD40、M13コートタンパク質及びGPIIb/IIIaから成る群から選択される細胞表面抗原に対する結合親和力を有し、そして少なくとも1つの抗体断片が、ヒスタミンスクシニルグリシン(HSG)及びインジウム-DTPAから成る群から選択されるハプテン、又はCD22、CD20、EGFR、IGF1R、VEFGR1 /Flt-1、VEGFR2/KDR、VEGRF3/Flt-4、CD3、CD16、CD64、CD89、CD2及びアデノウィルスファイバーノブから成る群から選択される細胞表面抗原のいずれかに対する結合親和力を有する、請求項12記載の構造体。
【請求項16】
前記IgG抗体が、M13コートタンパク質及びGpIIb/IIIaから成る群から選択される細胞表面抗原、又はアルカリホスファターゼ、ホースラディッシュペロキシダーゼ、β-ガラクトシダーゼ、tpA、ストレプトキナーゼ、ヒルジン及びウロキナーゼから成る群から選択される生体分子のいずれかに対する結合親和力を有し、そして少なくとも1つの抗体断片が、M13コートタンパク質及びGpIIb/IIIaから成る群から選択される細胞表面抗原、又はアルカリホスファターゼ、ホースラディッシュペロキシダーゼ、β-ガラクトシダーゼ、tpA、ストレプトキナーゼ、ヒルジン及びウロキナーゼから成る群から選択される生体分子のいずれかに対する結合親和力を有する、請求項1記載の構造体。
【請求項17】
前記IgG抗体及び前記抗体断片が、同一の抗原に結合し、前記抗原が、CD14、CD11/ネクチン-1、葉酸レセプターα、gp120、IL-6、IL-5、IL-8、CD154、IgE、LFA-1、β-トリプターゼ、CD105/エンドグリン(endoglin)、GpIIb/IIIa、TNFα、RSV F-タンパク質、CEAのA1B1及びCEAのNドメインから成る群から選択される、請求項1記載の構造体。
【請求項18】
前記IgG抗体及び前記抗体断片が、CD20/CD22; CD20/CD74; CD20/HLA-DR; CD22/CD74; CD22/HLA-DR; CD74/HLA-DR; CD74/CEA又はHLA-DR/CEAの抗原の組合せに結合する、請求項5記載の構造体。
【請求項19】
a) 請求項1記載の6量体の安定係留構造体を得るステップ;及び
b) 疾患又は障害を患う対象に前記構造体を投与するステップ;
を含む方法であって、前記構造体が、前記疾患又は障害に対する治療効果を有する、方法。
【請求項20】
前記疾患又は障害が、癌又は自己免疫疾患である、請求項19記載の方法。
【請求項21】
前記疾患又は障害が癌であり、そして前記IgG抗体及び/又は前記抗体断片の少なくとも1つが、炭酸脱水酵素IX、α-フェトプロテイン、A3、A33抗体の特異的抗原、Ba 733、BrE3抗原、CA125、CD1、CD1a、CD3、CD5、CD15、CD16、CD19、CD20、CD21、CD22、CD23、CD25、CD30、CD33、CD38、CD45、CD74、CD79a、CD80、CD138、大腸特異的抗原-p(colon-specific antigen-p)(CSAp)、CEA(CEACAM5)、CEACAM6、EGFR、EGP-1、EGP-2、Ep-CAM、Flt-1、Flt-3、葉酸レセプター、G250 抗原、HLA-DR、ヒト絨毛性ゴナドトロピン(HCG)及びそのサブユニット、HER2/neu、低酸素誘導因子(HIF-1)、Ia、IL-2、IL-6、IL-8、インシュリン成長因子-1(IGF-1)、KC4抗原、KS-1抗原、KS1-4、Le-Y、マクロファージ遊走阻止因子(MIF)、MAGE、MUC1、MUC2、MUC3、MUC4、NCA66、NCA95、NCA90、PAM-4抗体の特異的抗原、胎盤成長因子、p53、前立腺酸性フォスファターゼ、PSA、PSMA、RS5、S1OO、TAC、TAG-72、テネイシン、TRAILレセプター、Tn抗原、トムソン-フリーデンライヒ抗原、腫瘍壊死抗原、VEGF、ED-Bフィブロネクチン、17-1A抗原、血管新生マーカー、癌遺伝子マーカー又は癌遺伝子産物から成る群から選択される腫瘍関連抗原に対する結合親和力を有する、請求項20記載の方法。
【請求項22】
1又は2種類以上の抗癌治療を、前記安定係留構造体と組み合わせて投与するステップを更に含む、請求項21記載の方法。
【請求項23】
前記治療が、化学療法剤、サイトカイン、放射線療法、免疫療法、放射線免疫療法、局所温熱療法、レーザー照射、血管新生阻害剤又は外科的切除を施すステップを含む、請求項22記載の方法。
【請求項24】
前記抗体断片の少なくとも1つが、ハプテンに対する結合親和力を有する、請求項21記載の方法。
【請求項25】
前記対象に、前記ハプテンを投与するステップを更に含む、請求項24記載の方法。
【請求項26】
前記ハプテンが、血管新生阻害剤、化学療法剤、サイトカイン、薬物、プロドラッグ、毒素、酵素、オリゴヌクレオチド、放射性同位体、免疫調節剤、抗生物質、抗ウィルス剤、抗真菌剤、ホルモン、結合分子、脂質、ポリマー、ミセル、リポソーム、ナノ粒子又はこれらの組合せ、から成る群から選択される薬剤に結合している、請求項25記載の方法。
【請求項27】
前記疾患又は障害が、真菌、ウィルス、細菌又は寄生体によって引き起こされる、請求項19記載の方法。
【請求項28】
前記疾患又は障害が、自己免疫疾患である、請求項19記載の方法。
【請求項29】
前記構造体が、抗CD74 X 抗CD20、抗CD74 X 抗CD22、抗CD22 X 抗CD20、抗CD20 X 抗HLA-DR、抗CD19 X 抗CD20、抗CD20 X 抗CD80、抗CD2 X 抗CD25、抗 CD8 X 抗CD25、抗CD2 X 抗CD147、抗CEACAM5 X 抗CD3、抗 CEACAM6 X 抗CD3、抗EGFR X 抗CD3、抗HER2/neu X 抗CD3、抗 CD20 X 抗CD3、抗CD74 X 抗CD3及び抗CCD22 X 抗CD3から成る群から選択されるIgG抗体及び抗体断片の組合せを含む、請求項19記載の方法。
【請求項30】
前記疾患又は障害が、神経委縮性疾患、アルツハイマー病、代謝疾患、循環器疾患、アテローム性動脈硬化症又は臓器移植拒絶である、請求項19記載の方法。
【請求項31】
前記癌が、上皮系の癌、間葉系の癌、血液系の癌、神経系の癌、癌腫、黒色腫、肉腫、神経芽細胞腫、白血病、リンパ腫、神経膠腫及び骨髄腫、から成る群から選択される、請求項21記載の方法。
【請求項32】
a) 前記IgG抗体が、前記障害と関連する標的の分子、複合体、凝集体、細胞、抗原又は組織と結合し、そして少なくとも1つの抗体断片が、診断用ハプテンに結合する、請求項1記載の安定係留構造体を得るステップと;
b) 疾患又は障害を患っていると疑われる対象に前記構造体を投与するステップと;
c) 同一の対象に、少なくとも1つの抗体断片に結合する診断用ハプテンを投与するステップ;及び
d) 前記安定係留構造体に結合したハプテンの存在を検出するステップ;
を含む疾患又は障害の診断方法であって、ここで、障害と関連する組織に前記ハプテンが局在していることが、前記対象内に前記疾患又は障害が存在することの診断的特徴となる、診断方法。
【請求項33】
前記ハプテンが、診断用放射性核種、磁気共鳴画像法(MRI)用造影剤、超音波画像用造影剤、PET用造影剤、蛍光剤又は発光剤に結合している、請求項32記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【公表番号】特表2009−519931(P2009−519931A)
【公表日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−545643(P2008−545643)
【出願日】平成18年12月5日(2006.12.5)
【国際出願番号】PCT/US2006/046367
【国際公開番号】WO2007/075270
【国際公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【出願人】(508170324)アイビーシー ファーマスーティカルズ,インク. (1)
【Fターム(参考)】