説明

多分岐型ウレタン化合物およびその製造方法

【課題】ポリウレタン化合物および同じ反応容器内で段階的に世代拡張が可能な多分岐型ウレタン化合物及びその製造方法を提供する。
【解決手段】下記一般式(1)で表される、アミノ基を介して2つのウレタン結合を有する繰り返し分岐単位からなることを特徴とする多分岐型ウレタン化合物である。
【化】


(式中、RおよびRはそれぞれ独立して水素原子および/または炭素数1〜6のアルキル基および置換アルキル基、Xは水酸基由来の酸素原子を有する有機残基、Yは2価以上の有機残基(mは1以上)であり、2つの*印は結合が連結していることを表す。)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薬剤包理、インク、コーティング、塗料などのビヒクル用材料、レジスト材料、光学材料などの電子・光機能材料などに有用な多分岐型ウレタン化合物およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的にオリゴマーや高分子はモノマー単位が線状に結合して形成されるのに対して、コアをなす中心分子から分岐した側鎖部分がつぎつぎに結合して発達した一群の高分岐型化合物が知られている。化学構造が一義的であり、かつ、分子量が揃った高分岐型化合物がデンドリマーであり(非特許文献1)、一方、分岐構造を持つモノマーが重合して生成する高分子量物質はハイパーブランチポリマーと呼ばれる(非特許文献2)。
【0003】
これらの化合物の分子構造は、コア部、インテリア部、分子表面部から成り立ち、それぞれの部位の化学的、物理的あるいは生物学的な特性を組み込むことによって多様な機能を発現させることができる。特に、デンドリマーは逐次的に合成されるので、それぞれの部位に任意の化学構造を導入することができ、目的に沿った多彩な機能を発現する材料として注目されている。
【0004】
また、デンドリマーやハイパーブランチポリマーは表面官能基が多数存在する一方で、これらの官能基が結合した側鎖部位は他の分子の側鎖部位と絡み合いが極端に少ないために、線状オリゴマーあるいはポリマーに比較して粘度が著しく低い、などの特徴をも併せ持つ。こうした化学構造における特徴によって、多分岐化合物は多くの応用に展開されている。
【0005】
例えば、分岐側鎖の結合回数に対応する世代をある程度増やしたデンドリマーは球状の形態をとり、かつ、たんぱく質と同程度の大きさをもつことなどから、ナノ材料としてとりわけバイオ分野で活発な研究が行なわれている(非特許文献3)。
【0006】
そのひとつがナノレベルでのカプセルへの展開であり、その内部に医薬品などを分子レベルで包接する機能である。あるいは、1分子が一定の大きさを持つナノサイズであることから、超微細加工用のレジスト材料やコア部位やインテリア部位に光あるいは電子機能を有する分子団を導入することによって、多様な光・電子機能材料としても期待されている。こうした球状構造に由来する基本的な特徴的あるバルク物性として、分子表面部に官能基が濃縮されることによる高反応性、分子鎖間でのからみあいが顕著に低減されるゆえの低粘度性が挙げられる。
【0007】
ハイパーブラチポリマーは分岐構造をもつモノマーの重合によって一挙に得られることから、比較的容易に製造される利点がある。しかしながら、分子量分布が広い上に、繰り返し単位がかならずしも均一ではないという欠点を持つ。
【0008】
例えば、ポリエステルポリオール型ハイパーブランチポリマーは2,2−ジメチロールプロピオン酸の脱水縮合反応によって得られ、分子表面部が1,3−ジオール単位からなるデンドリティックな化学構造で表されることが多い。しかしながら、実際には、分子鎖末端としての1,3−ジオール構造だけでなく、一方の水酸基のみがエステル化されたリニア構造のインテリア部を含有するなど、化学構造は複雑であることが知られており、例えば、第4世代のポリエステルポリオールではリニア構造は57%と報告されており(非特許文献4)、分子量分布が比較的広く、Mw/Mnが2.6と報告されている(非特許文献5)。
【0009】
一方、ポリ(プロピレンイミン)型デンドリマーに代表されるデンドリマーは分子量分布も狭く、世代が異なる化学構造が一義的な化合物であり、分岐構造に由来する特徴を最大限に発揮する。
【0010】
一般的に、デンドリマーの合成では置換反応や縮合反応が広く用いられるが、これらの反応にともなう副生成物の除去、反応収率がかならずしも定量的でないことなどから、世代拡張毎に目的物を精製してから次の反応を行う。このため、その合成効率は低く、結果的に、価格が大幅に高くなるという問題を有していた。
【非特許文献1】A.W.Bosman, H.M.Janssen and E.W.Weijer,Chem.Rev.,99、1665(1999).
【非特許文献2】A.Hult,M.Johansson and E.Malmstroem,Advances in Polymer Science,143,1(1999)
【非特許文献3】S. SvensonS andD.A.Tomalia,Advanced Drug Delivery Reviews,57,2106(2005)
【非特許文献4】E.Zagarなど、Macromolecules,38,3933(2005)
【非特許文献5】E.Zagar and M.Zigon、J.Chromatogr.、A、1034、77(2004)
【非特許文献6】A.Kumar and S.Ramakrishnan,J.Chem.Soc.Chem.Commun.,1453(1993)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、ポリウレタン化合物および同じ反応容器内で段階的に世代拡張が可能な多分岐型ウレタン化合物及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明者らは前記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明によれば、同じ反応容器内で段階的に世代拡張が可能な分子鎖末端に多官能性(メタ)アクリレート残基を有する多分岐型不飽和ウレタン化合物及びその製造方法が提供される。
【0013】
すなわち、本発明は、下記一般式(1)で表される、アミノ基を介して2つのウレタン結合を有する繰り返し分岐単位からなることを特徴とする多分岐型ウレタン化合物である。
【化1】

【0014】
(式中、RおよびRはそれぞれ独立して水素原子および/または炭素数1〜6のアルキル基および置換アルキル基、Xは水酸基由来の酸素原子を有する有機残基、Yは2価以上の有機残基(mは1以上)を示す。2つの*印は結合が連結していることを表す。)
【0015】
また、本発明は、下記一般式(2)で表される多価不飽和化合物と、下記一般式(3)で表される2個の水酸基を持つアミン化合物とを付加反応させてポリオールとし、次いで、前記ポリオールに、下記一般式(4)で表される不飽和エステル基を有するイソシアネート化合物を付加反応させることを特徴とする請求項1に記載の多分岐型ウレタン化合物の製造方法である。
【0016】
【化2】

(式中、RおよびRはそれぞれ独立して水素原子および/または炭素数1〜6のアルキル基および置換アルキル基、Zは有機残基を示し、nは2以上を示す。)
【0017】
【化3】

(式中、Xは水酸基由来の有機残基を示す。)
【0018】
【化4】

(式中、R1およびR2はそれぞれ独立して水素原子および/または炭素数1〜6のアルキル基および置換アルキル基、Yは2価以上の有機残基(mは1以上)である。)
【発明の効果】
【0019】
本発明によると、(1)1つの(メタ)アクリレート残基を一挙に2つもしくは4つの(メタ)アクリレート残基へ変換できるので、容易に分岐型不飽和化合物を製造することができる。(2)本発明に用いる反応は2種類の付加反応のみであるため、用いる化合物すべてを目的物に変換できるうえ、同一の反応容器で2種類の反応を実施することができる。(3)2種類の付加反応を繰り返すことによって、世代が拡張されたデンドリマーを製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明の分岐型不飽和ウレタン化合物は、以下に説明するように、2段階の付加反応によって得ることができる。
【0021】
第一の反応に用いられる一般式(1)で表されるアミノ基を介してジオール基からなる残基を2つ有するポリオール型化合物は、一般式(2)で表される不飽和基を少なくとも2つ有する化合物と一般式(3)で表される2個の水酸基を持つアミン化合物とのマイケル付加反応によって容易に製造される。
【0022】
不飽和基を少なくとも2つ有する化合物としては、例えば、「光硬化技術ハンドブック 材料編」(テクノネット社、2000年)、20〜42ページおよび60〜68ページに記載の多官能性(メタ)アクリレートモノマー、あるいは、84〜118ページに記載の(メタ)アクリレートオリゴマーを用いることができる。
【0023】
多官能性(メタ)アクリレートモノマーとしては、例えば、エチレンジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、グリセロールジアクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、アルコキシル化ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、アルコキシル化シクロヘキサンジ(メタ)メタノールジアクリレート、プロポキシル化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジ(メタ)アクリロイル化イソシアヌレート、EO変性ビスフェノールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシル化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロポキシル化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールエトキシテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ポリエステル系アクリレートオリゴマー、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、およびこれらの類似物が挙げられる。これらは単独で使用してもよいし、混合物として用いてもよい。
【0024】
不飽和基を少なくとも2つ有する化合物と一般式(3)で表される2個の水酸基を持つアミン化合物との反応では、不飽和結合に対して0.5モル量から1.5モル量を添加する。すべての不飽和結合基をジオール構造からなる残基に変換するには、1.0モル量から1.2モル量添加すればよい。
【0025】
本発明に用いられる不飽和基を少なくとも2つ有する化合物との反応温度は室温から100℃、好ましくは室温から80℃であり、反応時間は反応温度にもよるが、10分から60時間、好ましくは30分から50時間である。
【0026】
一般式(3)で表される2個の水酸基を持つアミン化合物としては特に限定されないが、1個の2級アミノ基と2個の水酸基を持つ化合物であり、例えば、ジエタノールアミン、ジプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、3,4−ジヒドロキシピロリジンが上げられるが、コストおよび反応性の点から、ジエタノールアミンが好ましい。
【0027】
第2の反応は、こうして得られる一般式(3)で表される2個の水酸基を持つ2級アミン化合物より誘導される水酸基を持つポリオール化合物に、一般式(4)で表されるイソシアネート化合物との付加反応からなる。
【0028】
このために用いられるイソシアネート化合物としては、2−イソシアネートエチルアクリレート(昭和電工製:カレンズMOI)、2−イソシアネートエチルメタクリレート(昭和電工製:カレンズAOI)あるいは1,3−ジアクリロイルオキシ−2−イソシアネート−2−メチルプロパン(昭和電工製:カレンズBEI)を挙げることができる。
【0029】
イソシアネート基が一般式(3)で表される2個の水酸基を持つ2級アミン化合物より誘導される水酸基にウレタン結合を形成して反応するので、一つの残基あたり2−イソシアネートエチル(メタ)アクリレートの場合には2つの不飽和結合基が、1,3−ジ(メタ)アクリロイルオキシ−2−イソシアネート−2−メチルプロパンの場合には、4つの不飽和結合基を導入することができる。
【0030】
ポリオール化合物の水酸基に対して、これらのイソシアネート化合物を0.5モル等量から2.0モル等量、好ましくは0.5モル等量から1.5モル等量、より好ましくは1.0モル等量から1.2モル等量を用いればよい。
【0031】
ポリオール化合物を少なくとも部分的に溶解する溶媒中でこの付加反応を促進するために、3級アミンやジ−n−ブチルチンジラウリレートなどの触媒を用いてもよい。また、重合反応を抑制するために、予め重合禁止剤を添加することが好ましい。
【0032】
反応温度は室温から100℃、好ましくは40℃から80℃であり、反応時間は反応温度にもよるが、30分から20時間、好ましくは、1時間から15時間である。
【0033】
これらイソシアネート基は反応前に保護されていてもよい。保護基としては特に限定されないがメチルエチルケトオキシムブロック、ピラゾールブロックを例示することができる。
【0034】
本発明の重要な特徴として、一般式(2)で表される不飽和基を少なくとも2つ有する化合物として、本発明で得られる一般式(1)で表される窒素原子を介してウレタン結合からなる不飽和残基を少なくとも2つ有する残基を有することを特徴とする分岐型不飽和ウレタン化合物そのものを用いることができることが挙げられる。これは、不飽和基とジエタノールアミンなどの2級アミンとのマイケル付加反応とイソシアネート化合物と水酸基との付加反応からなる2つの反応を繰り返すことによって、世代が拡張されたデンドリマーが製造できることを意味する。
【実施例】
【0035】
[実施例1]
ペンタエリスリトールテトラアクリレート0.53g(1.50mmol)およびジエタノールアミン0.63g(6.00mmol)をテトラヒドロフラン(THF)(5ml)に溶解し、室温で3時間撹拌してから1時間還流した。溶媒を減圧で留去し、減圧で乾燥することにより1,2−ジオール基を8つ有する下記式(5)で表される化合物(8OH)を透明な粘性液体として得た。粗収量:1.16g。
【0036】
化合物の分子構造はH−NMR測定により行った。H−NMR(300MHz,MeOD)δ(ppm):2.5−2.6(8H,t,COCCHN),2.6−2.7(16H,t,NCCHOH)、2.8−2.9(8H,t,COCHN)、3.55−3.65(16H,t,CHOH)、4.1−4.2(8H,s,CO)。
【0037】
【化5】

【0038】
[実施例2]
実施例1で得たポリオール(8OH)1.00g(1.30mmol)のTHF(5mL)溶液にジ−n−ブチルチンジラウリレート0.10g、および、重合禁止剤としてクペロン0.10gを加えた。溶液を還流しながら2−イソシアネートエチルアクリレート(昭和電工製:カレンズMOI)1.46g(10.4mmol)のTHF溶液(10mL)を滴下してから4時間還流した後室温まで冷却し、溶媒を減圧で留去して減圧乾燥することによりアクリル基が16個導入された下記式(6)で表されるデンドリマーアクリレート(8Ac)をペースト状化合物として得た。粗収量3.18g。
【0039】
化合物の分子構造はH−NMR測定により行った。H−NMR(300MHz,CDCl)δ(ppm):2.4−2.6(8H,m,OCOCCHN),2.7−2.8(16H,m,NCCHOCO),2.85−3.0(8H,m,OCOCHN),3.4−3.6(16H,m,NHCCHOCO),4.0−4.5(40H,m,O−C),5.8−5.9(8H,d,COCH=C),6.1−6.2(8H,m,COC=CH),6.43(8H,d,CH=C)。
【0040】
【化6】

【0041】
[実施例3]
実施例1で得たポリオール(8OH)1.16g(1.50mmol)をTHF10mLに溶解し、これにジ−n−ブチルチンジラウリレート150mgおよび重合禁止剤としてクペロン130mgを加えた。1,3−ジアクリロイルオキシ−2−イソシアネート−2−メチルプロパン(カレンズBEI)2.87g(12.0mmol)のTHF(10mL)溶液を滴下し、これを4時間還流した。室温まで冷却してから溶媒を減圧で留去した後、減圧乾燥することによりアクリル基が16個導入された下記式(7)で表されるデンドリマーアクリレート(16Ac)をペースト状化合物として得た。粗収量 4.16g。
【0042】
化合物の分子構造はH−NMR測定により行った。H−NMR(300MHz,CDCl)δ(ppm):1.42(24H,s,CH),2.4−2.9(32H,m,NCH,COCH),4.0−4.5(56H,m,OCH),5.8−5.9(16H,d,CH=C),6.0−6.3(16H,m,CH=C),6.4−6.5(16H,d,CH=C)。
【0043】
【化7】

【0044】
[実施例4]
ペンタエリスリトールテトラアクリレート0.53g(1.50mmol)およびジエタノールアミン0.63g(6.00mmol)をTHF(5ml)に溶解し、3時間室温で撹拌してから1時間還流して8OHとした。室温に冷却してから、この反応溶液にジ−n−ブチルチンジラウリレート150mgおよび重合禁止剤としてクペロン120mgを加え、さらに、テトラヒドロフラン(5mL)に溶解した2−イソシアネートエチルアクリレート(昭和電工製:カレンズMOI)1.69g(12.0mmol)の溶液を滴下した。これを8時間還流して室温まで冷却して8Acとし、これにジエタノールアミン1.26g(12.0mmol)を加えて1時間還流した。溶媒を留去することによって1,2−ジオール構造が16個導入された下記式(8)で表される16Acを得た。粗収量 4.15g。
【0045】
化合物の分子構造はH−NMR測定により行った。H−NMR(300MHz,MeOD)δ(ppm):2.5−3.0(96H,m,NCH,OCOCCHN),3.3−3.4(16H、t,NHCCHOCO),3.6−3.7(32H,m,NCHOH),4.0−4.3(40H,m,NCHOCO,NHCHOCO)。
【0046】
【化8】

【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明による多分岐型ウレタン化合物は、薬剤包理、インク、コーティング、塗料などのビヒクル用材料、レジスト材料、光学材料などの電子・光機能材料などに有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(1)で表される、アミノ基を介して2つのウレタン結合を有する繰り返し分岐単位からなることを特徴とする多分岐型ウレタン化合物。
【化1】

(式中、RおよびRはそれぞれ独立して水素原子および/または炭素数1〜6のアルキル基および置換アルキル基、Xは水酸基由来の酸素原子を有する有機残基、Yは2価以上の有機残基(mは1以上)を示す。2つの*印は結合が連結していることを表す。)
【請求項2】
下記一般式(2)で表される多価不飽和化合物と、下記一般式(3)で表される2個の水酸基を持つアミン化合物とを付加反応させてポリオールとし、次いで、前記ポリオールに、下記一般式(4)で表される不飽和エステル基を有するイソシアネート化合物を付加反応させることを特徴とする請求項1に記載の多分岐型ウレタン化合物の製造方法。
【化2】

(式中、RおよびRはそれぞれ独立して水素原子および/または炭素数1〜6のアルキル基および置換アルキル基、Zは有機残基を示し、nは2以上を示す。)
【化3】

(式中、Xは水酸基由来の有機残基を示す。)
【化4】

(式中、R1およびR2はそれぞれ独立して水素原子および/または炭素数1〜6のアルキル基および置換アルキル基、Yは2価以上の有機残基(mは1以上)である。)

【公開番号】特開2009−1527(P2009−1527A)
【公開日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−164906(P2007−164906)
【出願日】平成19年6月22日(2007.6.22)
【出願人】(000003506)第一工業製薬株式会社 (491)
【出願人】(596072302)
【Fターム(参考)】