説明

多利用運動靴と多利用運動靴履用者の追尾システムとしての受信端末装置

【課題】
運動靴の足首部よりの塵、水等の浸入を防止し、優れた運動性能を兼ね備え、追跡システムとしての受信端末装置を備えた多利用運動靴を提供。
【解決手段】
運動靴と、運動靴の素材と異なる足首上方部位の周部を覆う素材として伸縮自在性の素材または防水性透湿のある素材から構成されることにより優れた運動靴と追尾システムとしての受信端末装置として無線ICカードまたは無線ICチップあるいは無線タグを取り付けた多利用運動靴。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、運動靴の足首部よりの塵、水等の混入を防止し、優れた運動性能を有する運動靴と運動靴の履用者の追尾システムとしての受信端末装置とに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、運動靴は、運動性、軽量性に優れている。また、登山性能に優れた運動靴としては、登山靴などがある。
【0003】
上記運動靴または登山靴など足首部までの防塵性、防水性を有しているのは数多くある。また、足首部上部よりの防塵性を有する運動靴としては、例えばブーツ、安全靴などは足首部の屈曲動作が難しく、運動性、軽量性を失っている。また、防水性を有する靴としての長靴も屈曲動作が難しく、運動性、軽量性を失っている。
【0004】
また、上記運動靴本体に反射板を取り付けることにより歩行者の交通事故回避のための運動靴などがある。また、児童の誘拐および誘拐未遂事件は、特に増加の傾向が著しい。児童の登下校時における防犯対策として、学校職員やPTA会員が通学路の見回りを行ったり、地方自冶体が、児童が通学路に面した家へ駆け込める体制を整えたりしている。また、児童に集団下校させる指導をしたり、身の危険を感じたときに大音量で危険を知らせる防犯ブザーを携帯させたりすることも多い。安全の確保を最も必要な小学校入学児童には、黄色い「安全帽」や「ランドセルカバー」を支給する地方自冶体もある。
【0005】
かかる児童の防犯対策の一貫として、無線タグ装置を用いて、児童が学校や塾に到着または学校や塾を出発したことを保護者に自動的に知らせる技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。上記無線タグ装置の取り付け位置については、所持品であり、所持品としては安全帽である。
【特許文献1】特開2005−182469号公開
【特許文献2】特開2005−328906号公開
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、上記運動靴は、足首部までしか被覆されておらず、足首部上部よりの塵、水等の混入を防ぐことはできず、また、登山靴も同じく足首部上部よりの塵、水等の混入を防ぐことはできない。
【0007】
しかし、足首部上部よりの塵、水等の混入を防ぐ為に、甲部の素材と筒部の素材を同一素材により使用している靴としては、例えば、ブーツ、長靴などは甲部と筒部が一体構成されるため足首部の屈曲動作が難しく、運動性、軽量性を求める運動靴としては適さない。また、上記登山靴の足首部上部より塵、雨、雪などの混入を防ぐためには、登山靴とは別構造による防水素材による筒体をふくらはぎ部の周部を覆うことにより塵、雨、雪などの混入を解決している。
【0008】
運動靴履用者の安全に対しては、運動靴に反射板を取り付けることにより歩行者の夜間の歩行の安全性を考えている。
【0009】
また、上記特許文献1記載の発明は、登下校の際の児童の所持品(安全帽など)に児童IDを記憶している無線タグ装置を取り付ける。ただし請求項11記載によると所持品は安全帽である。
【0010】
したがって、例えば、児童の所持品(安全帽、ランドセルなど)を所持しない場合には、仮に児童が犯罪に巻き込まれていたとすると、捜査の第1歩が遅れてしまうことになりかねない。
【0011】
しかも、特許文献1に記載の発明によると児童が所持品を所持しない場合に、例えば、家族行事、帰宅後の塾の行き帰りなどは児童の防犯対策としては不向きである。
【0012】
そこで、本発明は、上記多利用運動靴としては、運動靴、防水性運動靴、登山靴と、足首上方部位の周部を覆う素材としては伸縮自在性の素材または防水性透湿性の素材を使用することにより、足首部の屈曲動作がしやすくなり、防塵性、防水性、透湿性、運動性を兼ね備え、軽量化した多利用運動靴を提供することを目的とする。
【0013】
また、追尾システムとしての受信端末装置を上記運動靴または多利用運動靴に取り付けることにより上記運動靴履用者または多利用運動靴履用者の位置を昼夜別なく、また児童の家族行事または帰宅後の塾の行き帰りなども常時追尾することを可能とし、上記運動靴履用者または多利用運動靴履用者の安全性を確保し、登山者の遭難の早期発見を可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するため、本発明の第1構成にかかわる多利用運動靴は、運動靴と、運動靴の素材と異なる足首上方部位の周部を覆う伸縮自在性の素材による多利用運動靴である。
【0015】
この構成によれば、運動靴と、上記運動靴の素材と異なる足首上方部位の周部を覆う伸縮自在性の素材から構成され、上記運動靴として、例えばスニーカーであり、足首上方部位の周部に提供する素材としては、伸縮自在性のある素材である。
【0016】
本発明の第2構成にかかわる多利用運動靴は、運動靴と、運動靴の素材と異なる足首上方部位の周部を覆う防水性透湿素材による多利用運動靴である。
【0017】
この構成によれば、運動靴は防水性を有し、上記防水性を有する運動靴の素材と異なる足首上方部位の周部を覆う素材としては防水性透湿素材により構成される。上記防水性を有する運動靴としては、例えば、防水性運動靴または登山靴である。
【0018】
本発明の第3構成によれば、請求項1、請求項2の運動靴または多利用運動靴の履用者の追尾システムとしての受信端末装置。
【0019】
この構成によれば、運動靴または多利用運動靴において、上記運動靴履用者または多利用運動靴履用者の追尾システムと受信端末装置であり、受信端末装置としては無線ICカードまたは無線ICチップあるいは無線タグである。
【発明の効果】
【0020】
上記目的を達成するためには、請求項1項の多利用運動靴としては運動靴1aあるいはスニーカー1cと、足首上方部位2の周部を覆う素材は伸縮自在性のある素材により構成され、運動靴1aまたはスニーカー1cの足首部3周囲に上記伸縮自在なる素材2aを縫合、あるいは固着することにより、足首上方部位2の周部を保持し、密着性、防塵性、軽量化を有する多利用運動靴を提供することができる。
【0021】
しかも、足首上方部位2の動きが軽やかになり、足首部3の屈曲動作がしやすくなり、激しい運動にも適し、運動性能を高めることができる多利用運動靴である。
【0022】
また、脱着しやすい多利用運動靴を提供する場合、ファスナー付開部4aを設ける構造とすることもできる。ファスナー付開部4aを設ける位置は、ファスナー4操作の関係から足首上方部位2を周部する側面が好ましいが、ファッション性から後面又は前面であっても構わない。
【0023】
請求項2項の多利用運動靴としては、防水性運動靴1bまたは登山靴1eであり、上記足首上方部位2を周部する素材は防水性透湿素材2bによる。
【0024】
上記足首上方部位2を周部する素材としては、(例えば、ゴアテックス;ジャパンゴアテックス株式会社製・登録商標)等により構成される。また、防水性運動靴1bあるいは登山靴1eの足首部3周囲に防水性透湿素材2bを縫合、あるいは、固着することにより一体化し、多利用運動靴は防水性、透湿性を有する構造となる。
【0025】
しかも、上記足首上方部位2を周部する素材に上記防水性透湿素材2bを使用することにより上記多利用運動靴としての防水性運動靴1bまたは登山靴1eは軽量化し、また、晴天時には図5に示すように、足首上方部位2を周部する素材を折り曲げて13使用することもできる。また、雨天時には図3に示すように足首上方部位2の周部を引き上げて14使用することにより晴天時にも、雨天時にも、どのような状況でも利用方法を選ぶことができる。
【0026】
また、履きやすく、脱ぎやすい多利用運動靴を提供する場合、ファスナー付開部4aを設ける構造とすることもでき、ファスナー付開部4aを設ける位置は、ファスナー4操作の関係から足首上方部位2を周部する側面が好ましいが、ファッション性等から後面または前面であっても構わない。
【0027】
請求項3の追尾システムとしての受信端末装置7は、運動靴または多利用運動靴と一体であり、受信端末装置7は、運動靴履用者または多利用運動靴履用者の保護のための無線ICカードまたは無線ICチップあるいは無線ICタグである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、本発明の実施例について説明する。
図1に示す多利用運動靴は、運動靴1aまたはスニーカー1cと上記運動靴1a、スニーカー1cの素材と異なる足首上方部位2の周部を覆う伸縮自在性のある素材2aから構成され、上記運動靴1aまたはスニーカー1cの足首部3周部に上記運動靴1aまたはスニーカー1cの素材と異なる足首上方部位2の周部を覆う伸縮自在性の素材2aを縫合もしくは固着させている。
【0029】
なお、足首上方部位2の上部開口部6周部は伸縮自在性の素材2aを使用しているために足首上方部位2とふくらはぎ部15は密着し、上部開口部6よりの塵等の混入を防ぎ、防塵性、保温性、軽量化、運動性能を有する多利用運動靴である。
【0030】
また、上記追尾システムとしての受信端末装置7の取り付け位置については、多利用運動靴のどこでもよいが、足首上方部位2の周部の側面に、多利用運動靴履用者の保護のための追尾システムとしての受信端末装置7を取り付けている。上記受信端末装置7としては、多利用運動靴履用者の保護のための無線タグである。
【0031】
図2に示すのは、上記多利用運動靴は運動靴1a又はスニーカー1cであり、履きやすい多利用運動靴を提供する目的で、ファスナー付開部4aを設けている、ファスナー付開部4aを設ける位置は、ファスナー4操作の関係から足首上方部位2を周部する側面であり、受信端末装置として無線タグを取り付けている。
【0032】
図3に示すのは、多利用運動靴は防水性運動靴1bであり、足首上方部位2を周部する素材は防水性透湿素材2b(例えば、ゴアテックス;ジャパンゴアテックス株式会社製・登録商標)等の防水性を有する素材を使用し、上記多利用運動靴は防水運動靴1bと足首上方部位2からの水の混入を防ぐ構成である。また、足首上方部位2の上部開口部6よりの水の浸入を防ぐために、防水性運動靴1bの足首上方部位2の素材と異なる伸縮自在なる素材2aを使用し、ふくらはぎ部15と上部開口部6周部を保持、密着させることにより、防塵性、防水性を有している。
【0033】
上記ふくらはぎ部15と上部開口部6周部を保持、密着させる方法としては足首上方部位2の上部開口部6周部は伸縮自在なる素材であり、環状帯体10により緊締することができる。図示されていないが、緊締手段としてはマジックテープ(登録商標)でもかまわない。
【0034】
また、上記追尾システムとしての受信端末装置7は、多利用運動靴と一体であるが、足首上方部位2の周部の側面に、多利用運動靴履用者の保護のための追尾システムとしての受信端末装置7を取り付けている。上記受信端末装置7は無線タグである。
【0035】
図4に示すのは、多利用運動靴は防水性運動靴1bであり、足首上方部位2の周部に、ファスナー付開部4aを設ける構造とする、この場合、ファスナー付開部4aを設ける位置は、ファスナー4操作の関係から足首上方部位2を周部の側面が好ましいが、ファッション性等から後部または前面であっても構わない。また多利用運動靴は防水性運動靴1b本体に受信端末装置7として無線タグを取り付けている。
【0036】
図5に示すのは、足首上方部位2の周部を覆う防水性透湿素材2bからなる多利用運動靴の足首上方部位2の周部を覆う防水性透湿素材2bを足首部3付近まで折り曲げた状況であり、晴天時においても不便なく利用できることを示す側面図である。
【0037】
図6に示すのは、足首上方部位2の周部を覆う防水性透湿素材2bからなる多利用運動靴の上記足首上方部位2の周部する側面にファスナー付開部4aを設け、足首部3付近までファスナー4を下げた状況を示す側面図である、また、多利用運動靴は防水性運動靴1b本体に受信端末装置7として無線タグを取り付けている。
【0038】
図7に示すのは、甲部1dと筒部9が一体となったブーツを示す側面図である。
【0039】
図8に示すのは、一般に運動靴1cと称する側面図であり、とくに足首部3周部に隙間が有する状況及び運動靴のかかと部に反射板16を取り付けた状況を示す側面図である。
【0040】
図9に示すのは、登山靴1eの足首上方部位2の周部を覆う素材としては伸縮自在性の素材2aと防水性透湿素材の2層構造となって、ふくらはぎ部15内側には、伸縮自在性の素材2aを使用し、外気に接する外側には、防水性透湿素材2bを使用する構造となり、防塵性、防水性、透湿性、及び保温性を有する多利用運動靴としての登山靴1eである。
【0041】
また、上記足首上方部位2を周部する側面に追尾システムとしての受信端末装置7を取り付けることにより、登山靴1e装着者の遭難者の追尾を可能とする。また、受信端末装置7の取り付け位置については、足首上方部位2を周部する前面あるいは後面でもよい。受信端末装置7としては、多利用運動靴としての登山靴1e履用者の遭難の早期発見のための無線タグを取り付けている。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】伸縮自在性の素材と追尾システムの受信端末装置としての無線タグからなる多利用運動靴の側面図である。
【図2】伸縮自在性の素材からなる多利用運動靴にファスナーを取り付けた側面図である。
【図3】防水性透湿素材と受信端末装置としての無線タグからなる多利用運動靴の側面図である。
【図4】防水性透湿素材からなる多利用運動靴にファスナーを取り付けた側面図である。
【図5】防水性透湿素材からなる多利用運動靴を足首部付近まで下ろした側面図である。
【図6】防水性透湿素材からなる多利用運動靴を足首部付近までファスナーを下げた側面図である
【図7】一般のブーツの側面図を示す。
【図8】一般の運動靴の側面図を示す。
【図9】多利用運動靴としての登山靴と2層構造として伸縮自在性の素材と防水性透湿素材と追尾システムとしての受信端末装置として無線タグにより構成された側面図を示す。
【図10】登山靴とふくらはぎ部を覆う防水性を有する筒体により構成された登山靴の側面図を示す。
【符号の説明】
【0043】
1a 運動靴 12 ブーツ
1b 防水性運動靴 13 折り曲げて
1c スニーカー 14 引き上げて
1d 甲部 15 ふくらはぎ部
1e 登山靴 16 反射板
2 足首上方部位
2a 伸縮自在性素材
2b 防水性透湿素材
3 足首部
4 ファスナー
4a ファスナー付開部
6 上部開口部
7 受信端末装置
10 環状帯体
11 筒体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
運動靴と、運動靴の素材と異なる足首上方部位の周部を覆う伸縮自在性の素材による多利用運動靴。
【請求項2】
運動靴と、運動靴の素材と異なる足首上方部位の周部を覆う防水性透湿の素材による多利用運動靴。
【請求項3】
請求項1、請求項2の運動靴または多利用運動靴の履用者の追尾システムとしての受信端末装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−194071(P2008−194071A)
【公開日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−29080(P2007−29080)
【出願日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【出願人】(300039535)有限会社マルタ測量設計 (2)
【Fターム(参考)】