説明

多功能、機能性の健康養生及びセルフ−クリーン効果を有する靴素材

【課題】殺菌、抗菌、カビの防止、ダニの防止、マイナスイオンの発生、遠赤外線効果、防火、静電気の防止、電磁波の防止及び臭い、TVOCSなど汚染物の排除のような健康養生効果を十分に有効的に発揮する、多功能、機能性の健康養生及びセルフ-クリーン効果を有する靴素材を提供する。
【解決手段】周辺領域と内部領域を含む靴素材本体と、該靴素材本体の内部領域に設けられると共に、該周辺領域に固定される少なくとも一つのシート状網体を備え、該網体は、経方向に向かう複数の繊維と、緯方向に向かう複数の繊維からなる網状の織物であり、該繊維内に複数の機能性微粒が含有されることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に多功能、機能性の健康養生及びセルフ-クリーン効果を有する靴素材に関するものであり、該靴素材は、例えば靴面、中底又は靴底の何れかの一種である。
【背景技術】
【0002】
靴は、人間に対して毎日の生活や大部分の時間に使用される必要品であり、毎日長時間の履きによって身体の健康に大きな影響を与え、特に靴の通気性や抗菌功能が相当に重要なものである。
【0003】
一般の靴の基本構成は、靴底と靴面と中底を含み、これらの部材が通気性と抗菌功能を有するものに設計すれば、靴の功能を確実に向上しながら、使用者の身体健康を確保することができる。
【0004】
又、現在によく使用される抗菌効果を有する靴素材は、中底しか抗菌効果を有しなく、靴面や靴底の抗菌効果を有する素材が本願出願人による発見できない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
又、よく使用される中底の構成について、抗菌功能のあることを強調するが、殆ど不織布素材にて中底を形成し、更に該中底の不織布素材に抗菌効果を有する物質を添加することであるため、通気性の不足だけではなく、履く時の不快感を起こし易く、且つ簡単の清潔によって長時間に繰り返して使用することができない。更に、使用寿命が短く、且つ中底から有効な振動を発生できないため、その機能性の物質が足部の環境でその作用を発揮することができないという問題がある。
【0006】
本発明の第1目的は、従来の製品と比べてより良い通気性を有すると共に、優れたエアクッション構造を有する、多功能、機能性の健康養生及びセルフ-クリーン効果を有する靴素材を提供することであって、足部と繊維との間に起これる摩擦振動、空気流通及び冷熱差の原理にてナノの機能性粒子を反応させることにより、殺菌、抗菌、カビの防止、マイナスイオンの発生、遠赤外線効果、防火、静電気の防止、電磁波の防止及び臭い、TVOCSなど汚染物の排除のような健康養生効果を十分に有効的に発揮することができる。
【0007】
本発明の第2目的は、長時間に芳香養生療法などの効果を維持できる、多功能、機能性の健康養生及びセルフ-クリーン効果を有する靴素材を提供することである。
【0008】
本発明の第3目的は、多功能、機能性の健康養生及びセルフ-クリーン効果を有する靴素材に関する製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記の発明の目的を達成するために、本発明は、以下に示す手段により、本発明の効果を達成する。
1、 本発明に係わる多功能、機能性の健康養生及びセルフ-クリーン効果を有する靴素材は、ポリプロピレン又はポリエチレンの欠片に機能性微粒が含有される繊維(例えば、トルマリン、ナノ銀の粒子、酵素又は微細なカプセルなどの微粒)を混合することにより混合材となり、該混合材を混練、溶融混合及び糸抜きによって合成繊維に生成し、この合成繊維で織物の網体に織り、該織物の網体を靴素材に製造する。該靴素材は、例えば、中底や靴底や靴面であり、従来の製品と比べてより良い通気効果を有すると共に、優れたエアクッション効果を提供し、更に、足部と繊維との間に起これる摩擦振動、空気流通、冷熱差、及び人体運動の重量から発生される気流によるエアパッドの呼吸などの原理にてナノの機能性粒子を反応させることにより、殺菌、抗菌、カビの防止、ダニの防止、マイナスイオンの発生、遠赤外線効果、防火、静電気の防止、電磁波の防止及び臭い、TVOCS、PMXなど汚染物の排除のような健康養生効果を十分に有効的に発揮する。
2、 本発明に係わる多功能、機能性の健康養生及びセルフ-クリーン効果を有する靴素材は、ポリプロピレン又はポリエチレンの欠片に含有される、混練、溶融混合及び糸抜きによって合成繊維に生成し、TPEによって微細なカプセルの釈放を制御すると共に、弾性や快適性を回復し、該合成繊維に天然エキスが含まれる精油の微細なカプセルを混入することにより、靴素材は、長時間に芳香養生療法などの効果を維持することがある。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明に係る靴素材が中底とすると共に、靴に使用する状態を示す斜視参考図である。
【図2】本発明に係る靴素材が中底とする平面参考図である。
【図3】本発明に係わる靴素材が靴面とする参考図である。
【図4】本発明に係わる靴素材の繊維を示す一部断面参考図である。
【図5】本発明に係わる靴素材の他の実施例を示す参考図である。
【図6】本発明に係る靴素材に加え、布層が設けられる実施例を示す参考図である。
【図7】本発明に係る靴底からスリッパに形成する実施例を示す参考図である。
【図8】本発明に係る網体に陣列の立体の蜂巣構造を有する参考図である。
【図9】本発明に係る立体の蜂巣構造ユニットを示す拡大参考図である。
【図10】図8の側面参考図である。
【図11】本発明に係る上モールド及び第1の下モールドを示す参考図である。
【図12】本発明に係る上モールドと第1の下モールドを結合する成型工程を示すフローチャート図である。
【図13】本発明に係る上モールド及び第2の下モールドを示す参考図である。
【図14】本発明に係る上モールドと第2の下モールドを結合する成型工程を示すフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の目的や手段をより理解するために、添付図面を参照して本発明の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0012】
I.本発明に係わる靴素材の基本構造
図1に示すように、本発明の主な目的は、多功能、機能性の健康養生及びセルフ-クリーン効果を有する靴素材、を設計するものであり、該靴素材は、例えば靴面、中底又は靴底の何れかの一種である。該靴素材の基本構造は、靴素材本体(10)を有し、該靴素材本体(10)は、周辺領域(11)、内部領域(12)及び該本体における内部領域(12)に設けられるシート状網体(120)を含む、該網体(120)が周辺領域(11)に固着され、該網体(120)は、経方向に向かう複数の繊維(13)と、緯方向に向かう複数の繊維(13)からなる網状の織物であり、該繊維(13)内に複数の機能性微粒(130)が含有される(図4を参照する)。繊維の材料本体は、線径50〜1000デニールであると共に、ポリプロピレン、ポリエチレン、ナイロン又はポリエステルなどからなる繊維であり、特性需要に応じて選んで使用することができる。例えばポリプロピレンは、耐強酸性、耐アルカリ性を有する。
【0013】
図1及び図7に示すように、靴素材本体(10)は、中底(100)や靴底(102)である場合、該中底(100)や靴底(102)の構造強度を向上するために、中底(100)や靴底(102)の一部位置に複数の補強部材(15)が設けられることができる。これにより、該中底(100)や靴底(102)について支持性と回復性を向上することができる。該補強部材(15)の材料は、ポリウレタン(PU,Polyurethane)、熱可塑性エラストマー(TPE,Thermoplastic Elastomers)或いはEPAであることにより、前記効果を更に明らかに現し、且つ耐久性を向上する。その製造方法は、ポリウレタン(PU,Polyurethane)、熱可塑性エラストマー(TPE,Thermoplastic Elastomers)又はEPA材料を直接に中底(100)や靴底(102)に注ぎ込み、これらの材料を乾燥した後、中底(100)や靴底(102)に補強部材(15)を形成することができる。
【0014】
又、本発明の靴素材本体(10)は、靴底(102)(図7を参照する)や中底(100)(図1、図2を参照する)に使用することができ、靴面(101)(図3を参照する)に使用しても良い。中底(100)は、靴底と人間の足底とを離間するために靴の内部に置き込んで使用されるものであり、これにより、エアクッションのような緩衝効果を発生すると共に、靴底に対する快速の摩損を防止することができる。該靴素材本体(10)は、中底(100)である場合、該中底(100)は、該周辺領域(11)と、該内部領域(12)と、該網体(120)を備える。そして、該中底(100)における該周辺領域(11)は、粘着層であることにより、該繊維(13)の末端を固着することができる。更に、該靴素材は中底(100)である場合、該中底(100)における該周辺領域(11)は、該網体(120)の繊維(13)を互いに溶融して粘着することによって形成される溶結ワイヤ(110)であり、該溶結ワイヤ(110)にて該繊維(13)の末端を固着してもよい。
【0015】
更に、図5及び図7に示すように、本発明の靴素材本体(10)は靴底(102)や中底(100)である場合、複数層の編織網体(120)を含むことができ、これにより、内部領域の厚さを増加し、通気性及びエアクッション効果を向上することができる。各網体(120)は、経方向に向かう複数の繊維(13)と、緯方向に向かう複数の繊維(13)からなる網状の織物であり、各層における周辺領域(11)は、該繊維(13)の自体から相互に粘着しあう溶結ワイヤ(110)であり、該溶結ワイヤ(110)によって該繊維(13)の末端を固着する。図5に示すように、本発明におけるより良い実施例について、該内部領域(12)に少なくともひとつの点状の粘結部又はセグメント状の粘結部(121)を有し、該粘結部(121)は、該網体(120)における該繊維(13)の自体から相互に粘着しあうことによって形成され、これにより、各網体(120)同士の固着性を向上することができる。
【0016】
又、図6に示すように、本発明の靴素材本体(10)は中底(100)である場合、更に少なくとも一層の布層(14)を含むことができる。該布層(14)が該中底(100)の網体(120)上に覆われ、且つ該布層(14)の摩擦係数が該網体(120)の摩擦係数より高い。本発明におけるより良い実施例について、該布層(14)と該中底(100)の該網体(120)との間が少なくともひとつの点状又はセグメント状の粘着部(140)によって互いに粘着され、これにより、網体(120)と布層(14)との間の粘着性を向上することができる。
【0017】
図7に示すように、本発明の靴素材本体(10)は靴底(102)である場合、該靴底(102)に、湾曲状であると共に、人間の足部にカバーするためのカバーベルトが連接されることにより、スリッパ構造に形成される。
【0018】
図8乃至図10に示すように、本発明に係わる靴素材本体の網体(120)は、複数の立体の蜂巣構造(121)を含む構造に織り成し、各蜂巣構造(121)は、経方向に向かう複数の繊維(13)が第1湾曲面(122)に沿って配列されることと、緯方向に向かう複数の繊維(13)が第2湾曲面(123)に沿って配列されることにより構成され、該第1湾曲面(122)と第2湾曲面(123)が互いに交差するように形成される。当該立体の蜂巣構造(121)の設計により、靴素材の構造強度や通気性やエアクッション効果を向上することができる。
【0019】
具体的には、本発明の繊維の第1実施例について、該機能性微粒は、サブマイクロ級のトルマリンであることができ、これにより、靴素材にマイナスイオンの発生、遠赤外線、セルフ-クリーン、消臭、静電気の防止及び電磁波の防止などの効果を付与することができる。更にナノ級の竹カーボン、酸化亜鉛、酸化銅、酸化鉄、酸化シリコン、酸化タングステン、酸化マンガン、酸化コバルト及び酸化ニッケルの何れかの一種の微粒健康因子を添加することができる。
【0020】
具体的には、本発明の第2実施例について、該機能性微粒は、ナノ級のシルバー粒子であっても良い。これにより、靴素材に殺菌、防菌、カビの防止、ダニの防止などの健康功能を付与することができる。更にキチン、酵素又はナノ級の貴金属、例えば銅、亜鉛、金、白金、パラジウム、ニオビウムの何れかの一種の健康微粒殺菌、抗菌、又はカビ防止の因子を添加することができる。
【0021】
具体的には、本発明の第3実施例について、該機能性微粒は、微細なカプセルであっても良い。該微細なカプセルの内部に収容空間が形成され、該収容空間の内部に各種類の機能性材料が充填され、該微細なカプセルの材料は、キトサン、熱可塑性エラストマーなどであり、該機能性材料は、天然の精油であることにより、靴素材に長時間に芳香精油の効果を付与することができる。更に、少なくともラベンダー、レモン、ヒノキ、ローズマリー、ユーカリ、ティートゥリー、サンダルウッド、ベルガモット、松の木、ジャスミン、ローズ、カモミール、アラン イラン、バジル、ゲラニウム、ニアウリ、カルダモン、ムスク、ミルラ、シナモン、フェンネル、フランキンセンス、シトラス、ペパーミント、シダーウッド、パチョリ、パルマローザ、クローブ、グレープフルーツ、ベンゾイン、ジンジャー、シトロネラ及びマジョラムの何れかの一種の天然の精油を配合して使用しても良い。
【0022】
前記機能性微粒材料の結合や材料構造の特性を通じて機能性の健康養生及びセルフ-クリーン効果を有する靴素材を開発することができる。更に需要に応じて異なる機能や構造を有する靴素材に設計することができる。
【0023】
II.本発明に係わる靴素材の製造方法
図11に示すように、本発明に係わる前記靴素材の製造方法は、少なくとも一枚のシート状網体(120)を用い、該網体(120)は、経方向に向かう複数の繊維(13)と、緯方向に向かう複数の繊維(13)からなる網状の織物であり、且つ該繊維(13)に複数の機能性微粒(130)を含有し(図4を参照する)、更に超音波加工法によって該網体(120)に該繊維(13)を互いに溶結し成る少なくとも一本の溶結ワイヤ(110)が設けられ(図12を参照する)、該溶結ワイヤ(110)を周辺領域(11)とすることにより、該網体(120)から内部領域(12)を分割しだす。該内部領域(12)が靴素材本体(10)の形状とする。
【0024】
図11及び図12に示すように、本発明における一つの実施例について、該超音波加工法は、超音波発生装置(33)と、上モールド(30)と、第1の下モールド(31)を用い、まず該上モールド(30)と該第1の下モールド(31)との間に少なくとも一つの網体(120)が設けられ、該上モールド(30)と該第1の下モールド(31)を結合した後、該超音波発生装置(33)にて該上モールド(30)に超音波振動を発生させ、該超音波によって該網体(120)に該繊維(13)を互いに溶結し成る少なくとも一本の溶結ワイヤ(110)が設けられ、該溶結ワイヤ(110)を周辺領域(11)とすることにより、該少なくとも一つの網体(120)から少なくとも一つの内部領域(12)を分割しだし、更に裁断手段にて該溶結ワイヤ(110)に沿って裁断することにより、該靴素材の製造を完成する。
【0025】
図5及び図11に示すように、本発明における一つの実施例について、該第1の下モールド(31)に少なくとも一つの点状又はセグメント状の突出部(310)が設けられ、該少なくとも一つの網体(120)は互いに畳み合う複数の網体(120)であり、該突出部(310)を通じて該複数の網体(120)における該内部領域(12)に点状又はセグメント状の粘結部(121)が形成され、該粘結部(121)は、該複数の網体(120)における該繊維(13)を互いに粘結しなるものである。
【0026】
図13及び図14に示すように、本発明における一つの実施例について、該裁断手段は、更に第2の下モールド(32)を追加することができ、該第2のモールド(32)に該溶結ワイヤ(110)の形状に対応しあうカットナイフが設けられ、該網体(120)を該上モールド(30)と該第2モールド(32)との間に設置すると、該上モールド(30)と該第2のモールド(32)を結合した後、該超音波発生装置(33)にて該上モールド(30)に超音波振動を発生させ、該第2のモールド(32)における該カットナイフ(320)にて該溶結ワイヤ(110)に沿って裁断作業を行う。
【0027】
III.本発明の機能性功能の検証
(i)本発明に係わる靴素材の機械性テスト
【0028】
【表1】

表1:靴素材の経方向の耐引く強度テストの結果 (kgf/cm2)
【0029】
表1から明らかに分かるように、トルマリンの含有量の向上に伴い、その耐引く強度が降下していくが、所定の強度をまた保有する。
【0030】
(ii)本発明に係わる靴素材の耐引張強度:
【0031】
【表2】

表2: 靴素材の耐引張強度(kgf/cm2)
【0032】
表2から明らかに分かるように、本発明に係わる靴素材の耐引張強度もトルマリンの含有量の向上に伴う減少する。トルマリンの含有量は1%である場合、経方向の耐引張強度は約5%を降下し、トルマリンの含有量は5%である場合、経方向の耐引張強度は約8.6%を降下するが、相当に高い耐引張強度を保有する。
【0033】
(iii)耐水洗テスト:
【0034】
【表3】

表3:耐水洗強度(Ion/cc)
【0035】
表3のように、テスト時の条件は、湿度が58%であり、温度が29℃であり、テスト前後にも優れた耐水洗効果を維持し、マイナスイオンの発生量は、水洗によって減少することがない。
【0036】
(iv)本発明に係わる靴素材の遠赤外線効果テスト
赤外線放射器、サーモカップル試験によると、表4に示すように、本発明に係わる靴素材は長時間の遠赤外線効果を有することが分かる。
【0037】
【表4】

【0038】
(v)本発明に係わる靴素材の消臭功能テスト
本発明に係わる靴素材に対して、夫々GC-MSを用いてJEM 1467測定法にてアンモニア(NH3)とアセトアルデヒド(CH3CHO)の濃度を測定し、更に酢酸(CH3COOH)の濃度の消し効果を測定し、その結果を下表に示す。表5から明らかに分かるように、本発明に係わる靴素材は、より良い消臭功能を有することが分かる。
【0039】
【表5】

表5:本発明に係わる靴素材に対して、JEM1467測定法にて測定した消臭結果
【0040】
(vi)本発明に係わる靴素材の抗菌功能テスト
【0041】
【表6】

【0042】
【表7】

表6から分かるように、ASTM E 2149-01試験法によると、本発明はより良い抗菌功能を有する。表7から分かるように、AATCC 147試験法によると、本発明もより良い抗菌功能を有する。
【0043】
(vii)本発明に係わる靴素材のカビ防止功能テスト
【0044】
【表8】

表8から分かるように、AATCC 30 PAPT III、JIS Z 2911、G21-96試験法によると、本発明はより良いカビ防止功能を有する。
【0045】
(viii)本発明に係わる靴素材のダニ防止功能テスト
日本防ダニ加工製品協議会の忌避評価試験方法-侵入阻止法によると、表9に示すように、本発明に係わる靴素材は、長時間のダニ防止能力を有することが分かる。
【0046】
【表9】

【0047】
(ix)本発明に係わる靴素材の芳香耐久功能テスト
表10の結果から分かるように、本発明が3ヶ月を経った後、有効的な芳香効果を有する。
【0048】
【表10】

【0049】
(x)本発明に係わる靴素材における繊維の芳香成分分析テスト
GC-MSにて本発明に係わる靴素材における繊維に含有する天然の精油成分を測定し、下表の結果を得る。表11によると、本発明に係わる靴素材は、有効的に天然精油成分の洗浄能力を含有することが分かる。
【0050】
【表11】

【0051】
(xi)本発明に係わる靴素材の室内空気品質功能テスト、下表に如く。
JEM 1467測定法にて室内空気品質(IAQ)の除去功能に対して測定した後、その結果を表12に示す。表12によると、本発明は空気品質(IAQ)に対して長時間セルフ-クリーン効果を有することが分かる。
【0052】
【表12】

【0053】
(xii)本発明に係わる靴素材の静電気防止功能テスト
AATCC D4935-1999によると、表13から本発明は優れた電磁波防止功能を有することが分かる。
【0054】
【表13】

【0055】
(xiii)本発明に係わる靴素材の電磁波防止功能テスト、下表に如く。
AATCC 756-1995(テスト条件は、温度が20℃であり、湿度が40%RHである)によると、表14から本発明は優れた静電気防止功能を有することが分かる。
【0056】
【表14】

【0057】
(xiv)本発明に係わる靴素材の低圧損功能テスト
アメリカ 冷凍空調協会 AHRAS 52.2にてテストを行うと、表15から本発明は優れた低圧損功能を有することが分かる。
【0058】
【表15】

【0059】
(xv)本発明に係わる靴素材の防火功能テスト
UL 94-97方法によると、表16から本発明は長時間の防火能力VTM-0を有することが分かる。
【0060】
【表16】

【0061】
(xvi)本発明に係わる靴素材のRoHS環境保護功能テスト
サンプルを分析した化学物質-鉛、カドミウム、水銀、6価クロム、ポリ臭素化ビフェニル及びポリ臭素化ビフェニルエーテルのテストによると、RoHS指令の欧州連合が定められた環境保護の規範に合致し、表17及び表18から分かるように、本発明の靴素材はRoHS規範に合致することが分かる。
【0062】
【表17】

【0063】
【表18】

【産業上の利用可能性】
【0064】
前記の構造設計により、本発明は下記に示すような特徴と効果を達成することができる。
1.本発明に係わる靴素材における繊維に機能性微粒を含有することにより、靴素材に機能性の発生、例えば殺菌、防菌、カビの防止、ダニの防止、マイナスイオン、遠赤外線、防火、静電気の防止、電磁波の防止、消臭、TVOCS及びPMXなど汚染物の排除のような健康養生効果を付与することができる。
2.本発明に係わる靴素材は中底であると共に、多層の構造を有する場合、機械性能を保有する状態で繊維がより良い弾力性を有し、流体が靴素材を経過する時、適当な振動効果を発生することができ、更に、繊維内における機能性微粒が活発に作用することにより、健康機能を有効的に発揮すると共に、優れたエアクッション効果を達成することができる。
3.本発明に係わる靴素材は中底である場合、繊維から織り成すものであるので、優れた通気性を保有することにより、衛生や健康功能を有する効果及び水洗可能の中底を提供することができる。
4.本発明に係わる靴素材に機能性微粒(例えば、サブマイクロ級のトルマリン粒子)を添加することにより、靴素材の機械強度がわずかに低減したが、大きい影響がない。
5.本発明に係わる靴素材に機能性微粒(例えば、サブマイクロ級のトルマリン粒子)を添加することにより、水洗テスト試験を経っても、所定の功能を保有することができる。
6.本発明のサブマイクロ級のトルマリン粒子は、マイナス電子効果を有するので、「静電気付着原理」でその功能を向上することができ、靴素材はより良い弾力性と摩擦性を有するだけではなく、マイナスイオンの特殊な功能-熱電性、圧電性にて水からマイナスイオンの分解を促進し、弾性振動の頻度が高く、摩擦力も高いことにより、動態モジュールで人体健康のため必要の量(1000-2000 ion/cc)である大量のマイナスイオンを放出することがでる。
7.本発明に精油が含まれる微細なカプセルを添加するので、精油の快速揮発を防止し、該精油を所定の量にて徐々に放出することにより、浪費の防止や耐久性の増進を達成することができる。
8.本発明に係わる靴素材にナノ銀の粒子を添加する場合、本発明の靴素材に所定の抗菌効果を付与することができる。
9.本発明に係わる靴素材は防火功能を有するので、使用上の防火安全性を確保することができる。
【符号の説明】
【0065】
10 靴素材本体 11 周辺領域
12 内部領域 120 網体
13 繊維 100 中底
102 靴底 15 補強部材
101 靴面 20 靴
110 溶結ワイヤ 121 粘結部
14 布層 121 蜂巣構造
122 第1湾曲面 123 第2湾曲面
33 超音波発生装置 30 上モールド
31 第1の下モールド 310 突出部
32 第2の下モールド 320 カットナイフ
130 機能性微粒 140 粘着部
103 カバーベルト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
周辺領域と内部領域を含む靴素材本体と、該靴素材本体の内部領域に設けられると共に、該周辺領域に固定される少なくとも一つのシート状網体を備え、
該網体は、経方向に向かう複数の繊維と、緯方向に向かう複数の繊維からなる網状の織物であり、
該繊維内に複数の機能性微粒が含有されることを特徴とする、多功能、機能性の健康養生及びセルフ-クリーン効果を有する靴素材。
【請求項2】
前記本体の該内部領域は、複数の網体を畳み合うことで形成されることを特徴とする請求項1に記載の多功能、機能性の健康養生及びセルフ-クリーン効果を有する靴素材。
【請求項3】
前記内部領域に少なくともひとつの点状又はセグメント状の粘結部を有し、該粘結部は、該複数の網体における該繊維から相互に粘着しあうことによって形成されることを特徴とする請求項2に記載の多功能、機能性の健康養生及びセルフ-クリーン効果を有する靴素材。
【請求項4】
前記靴素材本体は、靴面であることを特徴とする請求項1に記載の多功能、機能性の健康養生及びセルフ-クリーン効果を有する靴素材。
【請求項5】
前記靴素材本体は、中底であり、該中底は、該周辺領域と該内部領域と該網体を含むことを特徴とする請求項1に記載の多功能、機能性の健康養生及びセルフ-クリーン効果を有する靴素材。
【請求項6】
更に少なくとも一層の布層を含み、該布層が該中底の網体上に覆われ、且つ該布層の摩擦係数が該網体の摩擦係数より高いことを特徴とする請求項5に記載の多功能、機能性の健康養生及びセルフ-クリーン効果を有する靴素材。
【請求項7】
前記布層と該中底の該網体との間が少なくともひとつの点状又はセグメント状の粘着部によって互いに粘着されることを特徴とする請求項6に記載の多功能、機能性の健康養生及びセルフ-クリーン効果を有する靴素材。
【請求項8】
前記中底における該周辺領域は、該繊維から相互に粘着しあうことによって形成される粘着層であることにより、該繊維の末端を固着することを特徴とする請求項5に記載の多功能、機能性の健康養生及びセルフ-クリーン効果を有する靴素材。
【請求項9】
前記靴素材本体の該網体は、複数の立体の蜂巣構造を含む構造に織り成し、各蜂巣構造は、経方向に向かう複数の繊維が第1湾曲面に沿って配列されることと、緯方向に向かう複数の繊維が第2湾曲面に沿って配列されることにより構成され、該第1湾曲面と第2湾曲面が互いに交差するように形成されることを特徴とする請求項1に記載の多功能、機能性の健康養生及びセルフ-クリーン効果を有する靴素材。
【請求項10】
前記靴素材本体は、靴底であり、該靴底は、周辺領域と内部領域を含むことを特徴とする請求項1に記載の多功能、機能性の健康養生及びセルフ-クリーン効果を有する靴素材。
【請求項11】
前記靴底に、湾曲状であると共に、人間の足部にカバーするためのカバーベルトが連接されることにより、スリッパ構造に形成されることを特徴とする請求項10に記載の多功能、機能性の健康養生及びセルフ-クリーン効果を有する靴素材。
【請求項12】
前記靴素材本体は、中底又は靴底であり、該中底又は靴底の一部位置に注ぎ込む方式にて複数の補強部材が設けられることを特徴とする請求項1に記載の多功能、機能性の健康養生及びセルフ-クリーン効果を有する靴素材。
【請求項13】
前記補強部材の材料は、PU、TPE及びEPAの少なくとも一種であることを特徴とする請求項12に記載の多功能、機能性の健康養生及びセルフ-クリーン効果を有する靴素材。
【請求項14】
前記繊維の線径は、50〜1000デニールであることを特徴とする請求項1に記載の多功能、機能性の健康養生及びセルフ-クリーン効果を有する靴素材。
【請求項15】
前記機能性微粒は、サブマイクロ級のトルマリン、二酸化チタン、ナノ級の竹カーボン、酸化亜鉛、酸化銅、酸化鉄、酸化シリコン、酸化タングステン、酸化マンガン、酸化コバルト、酸化ニッケル、ナノ級のシルバー粒子、キチン、酵素又はナノ級の貴金属、銅、亜鉛、金、白金、パラジウム、ニオビウム、酵素及び光触媒の何れかの少なくとも一種の微粒因子であることを特徴とする請求項1に記載の多功能、機能性の健康養生及びセルフ-クリーン効果を有する靴素材。
【請求項16】
前記微細なカプセルの内部に収容空間が形成され、該収容空間の内部に天然植物のエキス精油が充填され、該植物のエキス精油は、ラベンダー、レモン、ヒノキ、ローズマリー、ユーカリ、ティートゥリー、サンダルウッド、ベルガモット、松の木、ジャスミン、ローズ、カモミール、アラン イラン、バジル、ゲラニウム、ニアウリ、カルダモン、ムスク、ミルラ、シナモン、フェンネル、フランキンセンス、シトラス、ペパーミント、シダーウッド、パチョリ、パルマローザ、クローブ、グレープフルーツ、ベンゾイン、ジンジャー、シトロネラ及びマジョラムの何れかの少なくとも一種の天然の精油であることを特徴とする請求項15に記載の多功能、機能性の健康養生及びセルフ-クリーン効果を有する靴素材。
【請求項17】
靴素材本体は、周辺領域と、内部領域と、該本体における内部領域に設けられる少なくとも一つのシート状網体を有し、該網体は該周辺領域に固着され、該網体は経方向に向かう複数の繊維と緯方向に向かう複数の繊維を含む網状の織物であり、該繊維に複数の機能性微粒を有する靴素材の製造方法であって、
少なくとも一枚のシート状網体を用い、更に超音波加工法によって該網体に該繊維を互いに溶結し成る少なくとも一本の溶結ワイヤが設けられ、該溶結ワイヤを周辺領域とすることにより、該網体から内部領域を分割しだし、該内部領域が靴素材本体の形状とすることを特徴とする靴素材の製造方法。
【請求項18】
前記超音波加工法は、超音波発生装置と、上モールドと、第1の下モールドを用い、該上モールドと該第1の下モールドとの間に少なくとも一つの網体が設けられ、該上モールドと該第1の下モールドを結合した後、該超音波発生装置にて該上モールドに超音波振動を発生させ、該超音波によって該網体に該繊維を互いに溶結し成る少なくとも一本の溶結ワイヤが設けられ、該溶結ワイヤを周辺領域とすることにより、該少なくとも一つの網体から少なくとも一つの内部領域を分割しだし、更に裁断手段にて該溶結ワイヤに沿って裁断することにより、該靴素材の製造を完成することを特徴とする請求項17に記載の靴素材の製造方法。
【請求項19】
前記第1の下モールドに少なくとも一つの点状又はセグメント状の突出部が設けられ、該少なくとも一つの網体は互いに畳み合う複数の網体であり、該突出部にて該複数の網体における該内部領域に点状又はセグメント状の粘結部が形成され、該粘結部は、該複数の網体における該繊維を互いに粘結しなるものであることを特徴とする請求項18に記載の靴素材の製造方法。
【請求項20】
前記裁断手段は、更に第2の下モールドを追加し、該第2のモールドに該溶結ワイヤの形状に対応しあうカットナイフが設けられ、該網体を該上モールドと該第2モールドとの間に設置すると、該上モールドと該第2のモールドを結合した後、該超音波発生装置にて該上モールドに超音波振動を発生させ、該第2のモールドにおける該カットナイフにて該溶結ワイヤに沿って裁断作業を行うことを特徴とする請求項18に記載の靴素材の製造方法。
【請求項21】
前記靴素材は、靴面、中底及び靴底の何れかの一種であることを特徴とする請求項17に記載の靴素材の製造方法。
【請求項22】
前記機能性微粒は、サブマイクロ級のトルマリン、二酸化チタン、ナノ級の竹カーボン、酸化亜鉛、酸化銅、酸化鉄、酸化シリコン、酸化タングステン、酸化マンガン、酸化コバルト、酸化ニッケル、ナノ級のシルバー粒子、キチン、酵素又はナノ級の貴金属、銅、亜鉛、金、白金、パラジウム、ニオビウム、酵素及び光触媒の何れかの少なくとも一種の微粒因子であることを特徴とする請求項17に記載の靴素材の製造方法。
【請求項23】
前記微細なカプセルの内部に収容空間が形成され、該収容空間の内部に天然植物のエキス精油が充填され、該植物のエキス精油は、ラベンダー、レモン、ヒノキ、ローズマリー、ユーカリ、ティートゥリー、サンダルウッド、ベルガモット、松の木、ジャスミン、ローズ、カモミール、アラン イラン、バジル、ゲラニウム、ニアウリ、カルダモン、ムスク、ミルラ、シナモン、フェンネル、フランキンセンス、シトラス、ペパーミント、シダーウッド、パチョリ、パルマローザ、クローブ、グレープフルーツ、ベンゾイン、ジンジャー、シトロネラ及びマジョラムの何れかの少なくとも一種の天然の精油であることを特徴とする請求項22に記載の靴素材の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公表番号】特表2010−520792(P2010−520792A)
【公表日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−552995(P2009−552995)
【出願日】平成20年3月11日(2008.3.11)
【国際出願番号】PCT/CN2008/070464
【国際公開番号】WO2008/110113
【国際公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【出願人】(509254100)ノベコ トレーディング 2008 エルエルシー (3)
【Fターム(参考)】