多地点配信方法及び多地点配信システム
【課題】本発明は、多地点配信において限定配信を簡単に行える仕組みを提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、マルチキャストアドレスを用いた多地点配信において、配信エリア管理サーバ6が保持するマルチキャストアドレス解決用テーブル内に、各マルチキャストアドレスに対応した「受信側多地点配信装置のユニキャストアドレス」の欄を設け、該欄に事前に「配信を行う」または「配信を行わない」または「配信の有無の情報を付帯させた」受信側多地点配信装置のユニキャストアドレスを記憶しておき、受信側多地点配信装置からの問合せに返信する。
【解決手段】本発明は、マルチキャストアドレスを用いた多地点配信において、配信エリア管理サーバ6が保持するマルチキャストアドレス解決用テーブル内に、各マルチキャストアドレスに対応した「受信側多地点配信装置のユニキャストアドレス」の欄を設け、該欄に事前に「配信を行う」または「配信を行わない」または「配信の有無の情報を付帯させた」受信側多地点配信装置のユニキャストアドレスを記憶しておき、受信側多地点配信装置からの問合せに返信する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配信サーバから複数の受信装置に多地点配信(マルチキャスト)する場合において、配信可能な範囲(全体)の一部分への限定配信を簡単に実現する方法、並びに、その方法を実装した限定配信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、社内IPネットワーク等のプライベートネットワークをはじめとして、研修や訓示や講演等の映像や音声を各社員のPC等(=受信装置)に多地点配信することが、普及しつつある。
【0003】
これを実現する方法は、以前は、映像音声ストリームが受信装置の数だけ配信サーバから出力されるIPユニキャスト配信が主流であったが、配信先(=受信装置)が増えるにつれてサーバやサーバ付近のネットワークの負荷が比例して増える問題があるため、これらの負荷が受信装置に比例せず小さい、IPマルチキャストプロトコルを用いた多地点配信が行われるようになってきている(非特許文献1)。このとき、もし、ネットワーク内の全ルータ/L3スイッチ等にIPマルチキャストプロトコルを使用することが難しい場合には、配信サーバのLAN(サブネット)内と受信装置のサブネット内にのみIPマルチキャストプロトコルを使用し、途中経路のネットワークはIPマルチキャストパケットをトンネリングする方法もある(非特許文献2)。
【0004】
今後、IPマルチキャストプロトコルを用いた多地点配信がさらに普及していくと考えられるが、多地点配信の普及に伴い、配信先がネットワーク全体ではなく、あるロケーションやある組織といった部分的な多地点配信の要望が次第に強くなると予想される。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】IETF RFC 2236,“Internet Group Management Protocol,Version 2,”Nov.1997.
【非特許文献2】井上武,谷誠一郎,高橋宏和,湊真一,宮崎敏明,豊島鑑,“Flexcastによる段階的導入に優れたマルチキャストシステムの設計と実装,”電子情報通信学会論文誌D−I,Vol.J88−D−I,No.2,pp.272‐291,Feb.2005.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、現在行われている多地点配信は、ネットワーク全体を対象にしており、部分的な、または、限定的な多地点配信(以下、限定配信と記す)を対象にしていない。即ち、そのような仕組みを有していない。このため、限定配信を簡単に行うことができず、無理やり限定配信を行おうとすると、配信機器の停止や、可能な場合にはマニュアル操作による設定変更を行う必要がある。そこで、任意の一部のサブネットへの限定配信を簡単に行える仕組みが必要になる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、非特許文献1等に記されている“IP multicast group address”(以下、マルチキャストアドレスと記す)を用いた多地点配信において、配信エリア管理サーバが保持するマルチキャストアドレス解決用テーブル内に、各マルチキャストアドレスに対応した「受信側多地点配信装置のユニキャストアドレス」の欄を設け、該欄に事前に(ア)「配信を行う」または(イ)「配信を行わない」または(ウ)「配信の有無の情報を付帯させた」受信側多地点配信装置のユニキャストアドレスまたはサブネットアドレスを記憶しておき、受信側多地点配信装置からの問合せに返信することを特徴とする。
【0008】
本願発明の多地点配信システムは、受信装置から受信要求メッセージを同一サブネット内の受信側多地点配信装置が受信し、受信側多地点配信装置は受信要求メッセージ内に書かれたマルチキャストアドレスが示す配信サーバのユニキャストアドレスを知るために保持しているアドレス解決用テーブルを検索し、もし、アドレス解決用テーブル内にない場合は配信エリア管理サーバに問い合わせ、配信エリア管理サーバから返信される配信サーバのユニキャストアドレスを受け取って記憶し、得られたユニキャストアドレスを用いて配信サーバ宛に受信要求パケットを送り、当該受信要求パケットがサーバ側多地点配信装置に届き、配信サーバから出力されるマルチキャストパケットをカプセル化してユニキャストパケットにし、ユニキャストパケットをネットワーク内の各分岐点にある分岐装置で複製して配信先の各サブネットに送信し、各サブネット内では受信側多地点配信装置が受信した該ユニキャストパケットをデカプセル化してマルチキャストパケットをサブネット内に送信することを行う多地点配信において、配信可能なサブネットのうちの少なくとも一部のサブネットへの限定配信を行う多地点配信システムであって、配信エリア管理サーバの保持するアドレス解決用テーブル内に、各マルチキャストアドレスに対応した「受信側多地点配信装置のユニキャストアドレス」の欄が設けられ、「受信側多地点配信装置のユニキャストアドレス」の欄には、「配信を行う受信側多地点配信装置のユニキャストアドレス」、または「配信を行わない受信側多地点配信装置のユニキャストアドレス」、または「配信の有無を付帯させた受信側多地点配信装置のユニキャストアドレス」のいずれかが記述され、配信エリア管理サーバは、「受信側多地点配信装置のユニキャストアドレス」欄に記述されたアドレス解決用テーブルを用いて、受信側多地点配信装置からの問い合わせに回答する。
【0009】
配信エリア管理サーバに問い合わせたマルチキャストアドレスに対して、配信対象外の返信を受信した受信側多地点配信装置は、内部に保持するアドレス解決用テーブルの、該マルチキャストアドレスに対応するユニキャストアドレスの欄に、事前に決められた配信対象外を意味する情報を記述し、受信要求メッセージに対応してこれを読み取った受信側多地点配信装置は、配信サーバ宛に受信要求パケットを送らなくてもよい。
【0010】
本願発明の多地点配信システムでは、配信エリア管理サーバの保持するマルチキャストアドレス解決用テーブル内に、新たに、各マルチキャストアドレスに対応した「分岐装置のユニキャストアドレス」の欄が設けられ、「分岐装置のユニキャストアドレス」の欄には、「配信を行う分岐装置のユニキャストアドレス」、または「配信を行わない分岐装置のユニキャストアドレス」、または「配信の有無を付帯させた分岐装置のユニキャストアドレス」のいずれかが記述され、受信側多地点配信装置から送られた受信要求パケットを下流から受信した分岐装置が、当該受信要求パケットを上流に送出するか否かを配信エリア管理サーバに問い合わせ、配信エリア管理サーバは、「分岐装置のユニキャストアドレス」欄に記述されたアドレス解決用テーブルを用いて、分岐装置からの問い合わせに回答してもよい。
【0011】
この場合、配信エリア管理サーバに問い合わせたマルチキャストアドレスに対して、配信対象外の返信を受信した分岐装置は、内部に保持する配信管理テーブルの、該マルチキャストアドレスに対応するユニキャストアドレスの欄に、事前に決められた配信対象外を意味する情報を記述し、受信要求パケットに対応して配信対象外を意味する情報を読み取った分岐装置は、受信要求パケットを上流に送信しなくてもよい。
【0012】
分岐装置が受信する受信要求パケットの宛先には、マルチキャストアドレスに対応する配信サーバのユニキャストアドレスが書かれており、分岐装置に保持される配信管理テーブルが配信サーバのユニキャストアドレスを有しなくてもよい。
【0013】
「受信側多地点配信装置のユニキャストアドレス」の欄に、受信側多地点配信装置のユニキャストアドレスの代わりに、受信側多地点配信装置が設置されるサブネットの情報が記述されていてもよい。
【0014】
本願発明の多地点配信システムは、受信装置と同一のサブネットに繋がるノード(以下、タイプAのノードと記述)と、受信装置と同一のサブネットに繋がっていないノード(以下、タイプBのノードと記述)からなる複数のノードで構成され、全てのノードでマルチキャストルーティングプロトコルが動作し、受信装置からの受信要求メッセージが、該受信装置の属するサブネット内に送出され、タイプAのノードが受信要求メッセージを受信すると、前記マルチキャストルーティングプロトコルの動作に従って、受信要求パケットが配信ネットワーク内を転送され、配信サーバのマルチキャストパケットを既に受信しているタイプBのノードから、受信要求メッセージを受信したタイプAのノードに、受信要求メッセージの要求するマルチキャストパケットが分岐出力され、マルチキャストパケットを受信したタイプAのノードは、受信要求メッセージを送出した受信装置が繋がっているサブネット内に向けてマルチキャストパケットを出力する多地点配信において、配信可能なサブネットのうちの少なくとも一部のサブネットへの限定配信を行う多地点配信システムであって、各ノードは、事前に、マルチキャストアドレスに対応したサブネットアドレスが記述された配信管理テーブルを有し、配信エリア管理サーバの保持するアドレス解決用テーブル内に、各マルチキャストアドレスに対応したサブネットアドレスの欄が設けられ、配信管理テーブル及びアドレス解決用テーブルにおけるサブネットアドレスの欄は、「配信を行うサブネットアドレス」、または「配信を行わないサブネットアドレス」、または「配信の有無を付帯させたサブネットアドレス」のいずれかが記述され、タイプAのノードは、受信要求メッセージ内に書かれたマルチキャストアドレスを配信管理テーブルから検索し、もし、対応するマルチキャストアドレスが配信管理テーブル内にない場合は配信エリア管理サーバに問い合わせ、配信エリア管理サーバから返信される配信サーバのマルチキャストアドレス及びサブネットアドレスを受け取って記憶し、配信管理テーブルに問い合わせたマルチキャストアドレスに対して、得られたサブネットアドレスが配信対象である場合、受信要求メッセージに対応して受信要求パケットを配信ネットワーク内に転送し、配信管理テーブルに問い合わせたマルチキャストアドレスに対して、得られたサブネットアドレスが配信対象外である場合、受信要求メッセージに対応して受信要求パケットを配信ネットワーク内に転送しない。
【0015】
配信エリア管理サーバは、配信エリア管理サーバ内に保持されている全受信側多地点配信装置、全分岐装置又は全ノードの情報をディスプレー上に表示可能にするGUI作成部と、一つのマルチキャストアドレス毎に、各受信側多地点配信装置、各分岐装置又は各ノード配下のサブネットアドレスが配信対象か否か画面上で指示可能にする入力インターフェイスと、指示された情報を、配信エリア管理サーバ内に保持されている全受信側多地点配信装置、全分岐装置又は全ノードの情報に付加する更新情報作成部と、受信側多地点配信装置、分岐装置又はノードからの問い合わせがあると、問い合わせのあったマルチキャストアドレスに対応するテーブル情報を返信するテーブル情報パケット化部と、を備えてもよい。
【0016】
本願発明の多地点配信方法は、受信装置から受信要求メッセージを同一サブネット内の受信側多地点配信装置が受信し、受信側多地点配信装置は受信要求メッセージ内に書かれたマルチキャストアドレスが示す配信サーバのユニキャストアドレスを知るために保持しているテーブルを検索し、もし、テーブル内にない場合は配信エリア管理サーバに問い合わせ、配信エリア管理サーバから返信される配信サーバのユニキャストアドレスを受け取って記憶し、得られたユニキャストアドレスを用いて配信サーバ宛に受信要求パケットを送り、当該受信要求パケットがサーバ側多地点配信装置に届き、配信サーバから出力されるマルチキャストパケットをカプセル化してユニキャストパケットにし、ユニキャストパケットをネットワーク内の各分岐点にある分岐装置で複製して配信先の各サブネットに送信し、各サブネット内では受信側多地点配信装置が受信した該ユニキャストパケットをデカプセル化してマルチキャストパケットをサブネット内に送信することを行う多地点配信において、配信可能なサブネットのうちの少なくとも一部のサブネットへの限定配信を行う多地点配信方法であって、配信エリア管理サーバの保持するアドレス解決用テーブル内に、事前に、各マルチキャストアドレスに対応した「受信側多地点配信装置のユニキャストアドレス」の欄を設け、「受信側多地点配信装置のユニキャストアドレス」の欄には、事前に、「配信を行う受信側多地点配信装置のユニキャストアドレス」、または「配信を行わない受信側多地点配信装置のユニキャストアドレス」、または「配信の有無を付帯させた受信側多地点配信装置のユニキャストアドレス」のいずれかを記述し、配信エリア管理サーバは、「受信側多地点配信装置のユニキャストアドレス」欄に記述されたアドレス解決用テーブルを用いて、受信側多地点配信装置からの問い合わせに回答する。
【0017】
配信エリア管理サーバの保持するアドレス解決用テーブル内に、各マルチキャストアドレスに対応した「分岐装置のユニキャストアドレス」の欄が設けられ、「分岐装置のユニキャストアドレス」の欄には、「配信を行う分岐装置のユニキャストアドレス」、または「配信を行わない分岐装置のユニキャストアドレス」、または「配信の有無を付帯させた分岐装置のユニキャストアドレス」のいずれかが記述され、受信側多地点配信装置から送られた受信要求パケットを下流から受信した分岐装置が、当該受信要求パケットを上流に送出するか否かを配信エリア管理サーバに問い合わせ、配信エリア管理サーバは、「分岐装置のユニキャストアドレス」欄に記述されたアドレス解決用テーブルを用いて、分岐装置からの問い合わせに回答してもよい。
【0018】
本願発明の多地点配信方法は、受信装置と同一のサブネットに繋がるノード(以下、タイプAのノードと記述)と、受信装置と同一のサブネットに繋がっていないノード(以下、タイプBのノードと記述)からなる複数のノードで構成され、全てのノードでマルチキャストルーティングプロトコルが動作し、受信装置からの受信要求メッセージが、該受信装置の属するサブネット内に送出され、タイプAのノードが受信要求メッセージを受信すると、マルチキャストルーティングプロトコルの動作に従って、受信要求パケットが配信ネットワーク内を転送され、配信サーバのマルチキャストパケットを既に受信しているタイプBのノードから、受信要求メッセージを受信したタイプAのノードに、受信要求メッセージの要求するマルチキャストパケットが分岐出力され、マルチキャストパケットを受信したタイプAのノードは、受信要求メッセージを送出した受信装置が繋がっているサブネット内に向けてマルチキャストパケットを出力する多地点配信において、配信可能なサブネットのうちの少なくとも一部のサブネットへの限定配信を行う多地点配信方法であって、各ノードは、事前に、マルチキャストアドレスに対応したサブネットアドレスが記述された配信管理テーブルを有し、配信エリア管理サーバの保持するアドレス解決用テーブル内に、各マルチキャストアドレスに対応したサブネットアドレスの欄が設けられ、配信管理テーブル及びアドレス解決用テーブルにおけるサブネットアドレスの欄には、「配信を行うサブネットアドレス」、または「配信を行わないサブネットアドレス」、または「配信の有無を付帯させたサブネットアドレス」のいずれかが記述され、タイプAのノードは、受信要求メッセージ内に書かれたマルチキャストアドレスを配信管理テーブルから検索し、もし、対応するマルチキャストアドレスが配信管理テーブル内にない場合は配信エリア管理サーバに問い合わせ、配信エリア管理サーバから返信される配信サーバのマルチキャストアドレス及びサブネットアドレスを受け取って記憶する手順と、配信管理テーブルに問い合わせたマルチキャストアドレスに対して、得られたサブネットアドレスが配信対象である場合、受信要求メッセージに対応して受信要求パケットを配信ネットワーク内に転送し、配信管理テーブルに問い合わせたマルチキャストアドレスに対して、得られたサブネットアドレスが配信対象外である場合、受信要求メッセージに対応して受信要求パケットを配信ネットワーク内に転送しない手順と、を有する。
【0019】
本願発明の多地点配信方法では、GUI作成部が、配信エリア管理サーバ内に保持されている全受信側多地点配信装置、全分岐装置又は全ノードの情報をディスプレー上に表示し、入力インターフェイスが、一つのマルチキャストアドレス毎に、各受信側多地点配信装置、各分岐装置又は各ノード配下のサブネットアドレスが配信対象か否か画面上で指示し、更新情報作成部が、指示された情報を、配信エリア管理サーバ内に保持されている全受信側多地点配信装置、全分岐装置又は全ノードの情報に付加する情報更新手順を、問い合わせのあったマルチキャストアドレスのテーブル情報を受信側多地点配信装置、分岐装置又はノードに返信する前にさらに有してもよい。
【0020】
本願発明の受信側多地点配信装置は、マルチキャストアドレスに対応するユニキャストアドレスを記録するマルチキャストアドレス解決テーブル部と、マルチキャストアドレス解決テーブル部に受信要求メッセージの要求するマルチキャストアドレスが記録されていない場合、当該マルチキャストアドレスに対応するユニキャストアドレスを配信エリア管理サーバに問い合わせる問い合わせパケットを作成する問い合わせパケット作成部と、受信装置から受信要求メッセージを受信すると、マルチキャストアドレス解決テーブル部を参照し、受信要求メッセージの要求するマルチキャストアドレスに対応するユニキャストアドレスが記録されている場合は当該ユニキャストアドレスを宛先とする受信要求パケットを作成し、マルチキャストアドレス解決テーブル部に受信要求メッセージの要求するマルチキャストアドレスに対応するユニキャストアドレスが記録されていない場合は受信要求パケットを作成しない受信要求パケット作成部と、カプセル化された映像音声パケットが入力されると、該映像音声パケットをデカプセル化する映像音声パケットデカプセル化部と、受信装置から終了要求メッセージを受信すると、マルチキャストアドレス解決テーブル部を参照し、終了要求メッセージの要求するマルチキャストアドレスに対応するユニキャストアドレスを宛先とする終了要求パケットを作成する終了要求パケット作成部と、を備える。
【0021】
本願発明の配信エリア管理サーバは、マルチキャストアドレスに対応した配信サーバのユニキャストアドレス及び受信側多地点配信装置のユニキャストアドレスを含むアドレス情報を記録するアドレス解決用テーブルと、アドレス情報送信要求を受信すると、アドレス解決用テーブルから要求のあるマルチキャストアドレスに関連付けられているアドレス情報を送信するパケットを作成するテーブル情報パケット化部と、アドレス情報の新規登録または変更または削除の情報を受信すると、受信した内容に従ってアドレス解決用テーブルを更新するテーブル情報更新部と、を備え、受信側多地点配信装置のユニキャストアドレスの欄には、配信を行う受信側多地点配信装置のユニキャストアドレス、または、配信を行わない受信側多地点配信装置のユニキャストアドレス、または、配信の有無を付帯させた受信側多地点配信装置のユニキャストアドレスのいずれかが記述されている。
【0022】
本願発明の分岐装置は、下流に接続されている受信側多地点配信装置から送られた受信要求パケットを受信すると、受信要求パケットの要求するマルチキャストアドレスが配信対象であるか否かを配信エリア管理サーバに問い合わせ、受信要求パケットの要求するマルチキャストアドレスが配信対象である場合は受信要求パケットを上流に送信し、受信要求パケットの要求するマルチキャストアドレスが配信対象でない場合は受信要求パケットを上流に送信しない。
【0023】
本願発明のノードは、複数のノードで構成され、全てのノードでマルチキャストルーティングプロトコルが動作している配信ネットワークにおいて、マルチキャストアドレスに対応したサブネットアドレスが記述された配信管理テーブルを有し、対応するマルチキャストアドレスが配信管理テーブル内にない場合は配信エリア管理サーバに問い合わせ、配信エリア管理サーバから返信される配信サーバのマルチキャストアドレス及びサブネットアドレスを受け取って記憶する配信管理部と、配信管理テーブルにおけるサブネットアドレスの欄には、「配信を行うサブネットアドレス」、または「配信を行わないサブネットアドレス」、または「配信の有無を付帯させたサブネットアドレス」のいずれかが記述され、受信要求メッセージを受信すると、配下のサブネットが受信要求メッセージ内に書かれたマルチキャストアドレスの配信対象になっているか否かを配信管理部に問い合わせ、問い合わせ結果を取得するマルチキャストルーティングプロトコル処理部と、配下のサブネットが受信要求メッセージ内に書かれたマルチキャストアドレスの配信対象になっている場合、受信要求メッセージに対応して受信要求パケットを配信ネットワーク内に転送し、配下のサブネットが配信対象外である場合、受信要求メッセージに対応して受信要求パケットを配信ネットワーク内に転送しないマルチキャストパケット処理部と、を備える。
【0024】
本願発明の配信エリア管理サーバは、マルチキャストアドレスに対応した配信サーバのユニキャストアドレス及び受信側多地点配信装置のユニキャストアドレスを含むアドレス情報を記録するアドレス解決用テーブルと、アドレス情報送信要求を受信すると、アドレス解決用テーブルから要求のあるマルチキャストアドレスに関連付けられているアドレス情報を送信するパケットを作成するテーブル情報パケット化部と、配信エリア管理サーバ内に保持されている全受信側多地点配信装置および全分岐装置の情報をディスプレー上に表示可能にするGUI作成部と、一つのマルチキャストアドレス毎に、各受信側多地点配信装置および各分岐装置が配信対象か否か画面上で指示可能にする入力インターフェイスと、指示された情報を、配信エリア管理サーバ内に記録されているアドレス情報に付加する更新情報作成部と、を備え、アドレス解決用テーブルにおける「受信側多地点配信装置のユニキャストアドレス」の欄には、配信を行う受信側多地点配信装置のユニキャストアドレス、または、配信を行わない受信側多地点配信装置のユニキャストアドレス、または、配信の有無を付帯させた受信側多地点配信装置のユニキャストアドレスのいずれかが記述され、アドレス解決用テーブルにおける「分岐装置のユニキャストアドレス」の欄には、「配信を行う分岐装置のユニキャストアドレス」、または「配信を行わない分岐装置のユニキャストアドレス」、または「配信の有無を付帯させた分岐装置のユニキャストアドレス」のいずれかが記述されている。
【0025】
本願発明の配信エリア管理サーバは、マルチキャストアドレスに対応したサブネットアドレスを含むアドレス情報を記録するアドレス解決用テーブルと、アドレス情報送信要求を受信すると、アドレス解決用テーブルから要求のあるマルチキャストアドレスに関連付けられているアドレス情報を送信するパケットを作成するテーブル情報パケット化部と、配信エリア管理サーバ内に保持されている全ノードの情報をディスプレー上に表示可能にするGUI作成部と、一つのマルチキャストアドレス毎に、各ノード配下のサブネットアドレスが配信対象か否か画面上で指示可能にする入力インターフェイスと、指示された情報を、配信エリア管理サーバ内に記録されているアドレス情報に付加する更新情報作成部と、を備え、アドレス解決用テーブルにおける「サブネットアドレス」の欄には、「配信を行うサブネットアドレス」、または「配信を行わないサブネットアドレス」、または「配信の有無を付帯させたサブネットアドレス」のいずれかが記述されている。
【0026】
本願発明の受信側多地点配信プログラムは、受信要求パケット作成部が、受信装置から受信要求メッセージを受信すると、マルチキャストアドレス解決テーブル部を参照し、受信要求メッセージの要求するマルチキャストアドレスに対応するユニキャストアドレスが記録されている場合は当該ユニキャストアドレスを宛先とする受信要求パケットを作成し、マルチキャストアドレス解決テーブル部に受信要求メッセージの要求するマルチキャストアドレスに対応するユニキャストアドレスが記録されていない場合は受信要求パケットを作成しない受信要求パケット作成手順と、問い合わせパケット作成部が、マルチキャストアドレスに対応するユニキャストアドレスを記録するマルチキャストアドレス解決テーブル部に受信要求メッセージの要求するマルチキャストアドレスが記録されていない場合、当該マルチキャストアドレスに対応するユニキャストアドレスを配信エリア管理サーバに問い合わせる問い合わせパケットを作成する問い合わせパケット作成手順と、映像音声パケットデカプセル化部が、カプセル化された映像音声パケットが入力されると、該映像音声パケットをデカプセル化する映像音声パケットデカプセル化手順と、終了要求パケット作成部が、受信装置から終了要求メッセージを受信すると、マルチキャストアドレス解決テーブル部を参照し、終了要求メッセージの要求するマルチキャストアドレスに対応するユニキャストアドレスを宛先とする終了要求パケットを作成する終了要求パケット作成手順と、を順にコンピュータに実行させる。
【0027】
本願発明の分岐装置プログラムは、下流に接続されている受信側多地点配信装置から送られた受信要求パケットを受信すると、受信要求パケットの要求するマルチキャストアドレスが配信対象であるか否かを配信エリア管理サーバに問い合わせ、受信要求パケットの要求するマルチキャストアドレスが配信対象である場合は受信要求パケットを上流に送信し、受信要求パケットの要求するマルチキャストアドレスが配信対象でない場合は受信要求パケットを上流に送信しない手順を、コンピュータに実行させるためのプログラムである。
【0028】
本願発明の多地点配信プログラムは、受信装置と同一のサブネットに繋がるノード(以下、タイプAのノードと記述)と、受信装置と同一のサブネットに繋がっていないノード(以下、タイプBのノードと記述)からなる複数のノードで構成され、全てのノードでマルチキャストルーティングプロトコルが動作し、受信装置からの受信要求メッセージが、該受信装置の属するサブネット内に送出され、タイプAのノードが受信要求メッセージを受信すると、マルチキャストルーティングプロトコルの動作に従って、受信要求パケットが配信ネットワーク内を転送され、配信サーバのマルチキャストパケットを既に受信しているタイプBのノードから、受信要求メッセージを受信したタイプAのノードに、受信要求メッセージの要求するマルチキャストパケットが分岐出力され、マルチキャストパケットを受信したタイプAのノードは、受信要求メッセージを送出した受信装置が繋がっているサブネット内に向けてマルチキャストパケットを出力する多地点配信において、配信可能なサブネットのうちの少なくとも一部のサブネットへの限定配信を行うタイプAのノードを実現するための多地点配信プログラムであって、事前に、マルチキャストアドレスに対応したサブネットアドレスが記述された配信管理テーブルを有し、配信エリア管理サーバの保持するアドレス解決用テーブル内に、各マルチキャストアドレスに対応したサブネットアドレスの欄が設けられ、配信管理テーブル及びアドレス解決用テーブルにおけるサブネットアドレスの欄には、「配信を行うサブネットアドレス」、または「配信を行わないサブネットアドレス」、または「配信の有無を付帯させたサブネットアドレス」のいずれかが記述され、受信要求メッセージ内に書かれたマルチキャストアドレスを配信管理テーブルから検索し、もし、対応するマルチキャストアドレスが配信管理テーブル内にない場合は配信エリア管理サーバに問い合わせ、配信エリア管理サーバから返信される配信サーバのマルチキャストアドレス及びサブネットアドレスを受け取って記憶する手順と、配信管理テーブルに問い合わせたマルチキャストアドレスに対して、得られたサブネットアドレスが配信対象である場合、受信要求メッセージに対応して受信要求パケットを配信ネットワーク内に転送し、配信管理テーブルに問い合わせたマルチキャストアドレスに対して、得られたサブネットアドレスが配信対象外である場合、受信要求メッセージに対応して受信要求パケットを配信ネットワーク内に転送しない手順と、をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【0029】
本願発明の配信エリア管理サーバプログラムは、コンピュータを、マルチキャストアドレスに対応した配信サーバのユニキャストアドレス及び受信側多地点配信装置のユニキャストアドレスを含むアドレス情報を記録するアドレス解決用テーブルと、アドレス情報送信要求を受信すると、アドレス解決用テーブルから要求のあるマルチキャストアドレスに関連付けられているアドレス情報を送信するパケットを作成するテーブル情報パケット化部と、配信エリア管理サーバ内に保持されている全受信側多地点配信装置および全分岐装置の情報をディスプレー上に表示可能にするGUI作成部と、一つのマルチキャストアドレス毎に、各受信側多地点配信装置および各分岐装置が配信対象か否か画面上で指示可能にする入力インターフェイスと、指示された情報を、配信エリア管理サーバ内に保持されているアドレス情報に付加する更新情報作成部と、として機能させるための配信エリア管理サーバプログラムであって、受信側多地点配信装置のユニキャストアドレスの欄には、配信を行う受信側多地点配信装置のユニキャストアドレス、または、配信を行わない受信側多地点配信装置のユニキャストアドレス、または、配信の有無を付帯させた受信側多地点配信装置のユニキャストアドレスのいずれかが記述されているプログラムである。
【0030】
本願発明の配信エリア管理サーバプログラムは、コンピュータを、マルチキャストアドレスに対応したサブネットアドレスを含むアドレス情報を記録するアドレス解決用テーブルと、アドレス情報送信要求を受信すると、アドレス解決用テーブルから要求のあるマルチキャストアドレスに関連付けられているアドレス情報を送信するパケットを作成するテーブル情報パケット化部と、配信エリア管理サーバ内に保持されている全ノードの情報をディスプレー上に表示可能にするGUI作成部と、一つのマルチキャストアドレス毎に、各ノード配下のサブネットアドレスが配信対象か否か画面上で指示可能にする入力インターフェイスと、指示された情報を、配信エリア管理サーバ内に保持されているアドレス情報に付加する更新情報作成部と、として機能させるための配信エリア管理サーバプログラムであって、アドレス解決用テーブルにおける「サブネットアドレス」の欄には、「配信を行うサブネットアドレス」、または「配信を行わないサブネットアドレス」、または「配信の有無を付帯させたサブネットアドレス」のいずれかが記述されているプログラムである。
【0031】
なお、前記各発明は、可能な限り組み合わせることができる。
【発明の効果】
【0032】
本発明により、前記のように、多地点配信において、任意の一部のサブネットへの限定配信を簡単に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】第1の実施の形態における、本発明の多地点配信の機器接続の一例。
【図2】第1の実施の形態における、本発明のシーケンスの一例。
【図3】第1の実施の形態における、本発明の限定配信を実現する配信エリア管理サーバ6内のアドレス解決用テーブルの一例。
【図4】第1の実施の形態における、本発明のアドレス解決用テーブルの第3列の使い方の一例(受信側多地点配信装置4のユニキャストアドレスを基本)。
【図5】第1の実施の形態における、本発明のアドレス解決用テーブルの第3列の別の記述方法の一例(サブネットの情報を記述)。
【図6】第1の実施の形態における、本発明の受信側多地点配信装置4が内部に保持するマルチキャストアドレス解決用の配信情報テーブルの第1の例。
【図7】第1の実施の形態における、本発明の受信側多地点配信装置4が内部に保持するマルチキャストアドレス解決用の配信情報テーブルの第2の例。
【図8】本実施形態に係る受信側多地点配信装置4の機能ブロック図。
【図9】本実施形態に係る配信エリア管理サーバ6の機能ブロック図。
【図10】第1の実施の形態における、本発明の分岐装置3の機能ブロック図。
【図11】第2の実施の形態における、本発明の多地点配信の機器接続の一例。
【図12】第2の実施の形態における、本発明のシーケンスの一例。
【図13】第2の実施の形態における、本発明の分岐装置3に保持される配信管理テーブルの一例。
【図14】第2の実施の形態における、本発明の配信エリア管理サーバ6のアドレス解決用テーブルの第3列の使い方の一例。
【図15】第2の実施の形態における、本発明の配信エリア管理サーバ6のアドレス解決用テーブルの第4列の使い方の一例。
【図16】第2の実施の形態における、本発明の分岐装置3の機能ブロック図。
【図17】第2の実施の形態における、本発明の分岐装置3に保持される配信可否テーブルの一例。
【図18】第2の実施の形態における、分岐装置3に保持されるマルチキャストテーブルの一例。
【図19】第3の実施の形態における、本発明の多地点配信の機器接続の一例。
【図20】第3の実施の形態における、本発明のシーケンスの一例。
【図21】第3の実施の形態における、本発明のタイプBのノード7(7b以外)の機能ブロック図。
【図22】第3の実施の形態における、本発明のタイプAのノード7bの機能ブロック図。また、第4の実施の形態における、本発明のノード7(a、b、c、・・・)の機能ブロック図。
【図23】第3の実施の形態における、本発明のノード7bに保持される配信管理テーブルの一例。
【図24】第3の実施の形態における、本発明のノード7bに保持される配信可否テーブルの一例。
【図25】第4の実施の形態における、本発明の多地点配信の機器接続の一例。
【図26】第4の実施の形態における、本発明のシーケンスの一例。
【図27】第5の実施の形態における、配信エリア管理サーバ6内のアドレス解決用テーブルに保持される(特に第3列の)情報を簡単に登録するためのGUI(Graphics User Interface)画面の一例。
【図28】第5の実施の形態における、本発明の処理のフローチャート。
【図29】第5の実施の形態における、本発明の配信エリア管理サーバ6の機能ブロック図。
【図30】従来の多地点配信の機器接続の一例。
【図31】従来のシーケンスの一例。
【図32】従来のアドレス解決用テーブルの一例。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、図面と共に本発明の実施の形態を説明する。
[第1の実施の形態]
まず、第1の実施の形態における、従来の多地点配信の機器接続および動作について、図30を用いて説明する。第1の実施の形態では、非特許文献2に書かれた方法、即ち、ネットワーク内の全ルータ/L3スイッチ等にIPマルチキャストプロトコルを使用することが難しい場合に、配信サーバ1のLAN(サブネット)内と受信装置5のサブネット内にのみIPマルチキャストプロトコルを使用し、途中の経路ではIPマルチキャストパケットをカプセル化してユニキャストパケットでトンネリングする方法、を使用することを前提とする。尚、図30に記載された機器はIPネットワーク内に設置されており、ルータ/L3スイッチやL2スイッチ/Hubの記述を省略している。
【0035】
まず、受信者が配信される映像音声等を受信すべく受信装置5(a,b,c,…)を操作することにより映像音声再生アプリケーションが起動されると、受信装置5からIGMP Membership Reportメッセージ(以下、Reportメッセージと記す)が、その受信装置5が属するサブネット内に送出される。
【0036】
サブネットAのように、同一サブネットに属する受信側多地点配信装置4は、該Reportメッセージを受信し、その中のマルチキャストアドレスを取り出し、それをキーにして自装置内に保持しているテーブル内を検索する。
【0037】
もし、マルチキャストアドレスが合致した場合には、該マルチキャストアドレスと対にして記録されている「配信サーバ1のユニキャストアドレス」を得、このアドレス宛に受信要求パケットを送信する。
もし、マルチキャストアドレスが合致しない場合、即ち、初めて受信した場合には、マルチキャストアドレス解決を行う。即ち、マルチキャストアドレスが指し示す配信サーバ1のユニキャストアドレスを知るために、マルチキャストアドレス解決サーバ8に問い合わせる。
【0038】
マルチキャストアドレス解決サーバ8は、受信側多地点配信装置4から送られたマルチキャストアドレスをキーに、内部に保持しているアドレス解決用テーブルを検索して、該マルチキャストアドレスと対にして記録されている「配信サーバのユニキャストアドレス」を得、それを受信側多地点配信装置4に返信する。図32は、従来のアドレス解決用テーブルの一例である。
【0039】
マルチキャストアドレス解決サーバ8から返信された「配信サーバのユニキャストアドレス」を受け取った受信側多地点配信装置4は、前記マルチキャストアドレスと該「配信サーバのユニキャストアドレス」を対にして自装置内のテーブルに記録するとともに、該「配信サーバのユニキャストアドレス」を宛先にして受信要求パケットを送信する。
【0040】
受信要求パケットは、該ネットワークで使用されているIPルーティングプロトコルにより、配信の上流である配信サーバ1に向けて転送される。
【0041】
該受信要求パケットがネットワーク内の各分岐点にある分岐装置3(a,b,c,…)に届いた場合、分岐装置3は、このパケット内に書かれたマルチキャストアドレスをキーに内部の分岐テーブルを検索する。
【0042】
もし、既に配信中の場合には、該マルチキャストアドレスに対応する分岐先(分岐装置3または受信側多地点配信装置4)のユニキャストアドレスが書かれており、ここに該受信要求パケットの送信元アドレスを追加する。
【0043】
もし、未配信の場合、分岐テーブル内に該マルチキャストアドレスの記述はないので、該マルチキャストアドレスと該受信要求パケットの送信元アドレスを対にして登録する。そして、自装置のユニキャストアドレスを送信元アドレスとして、配信サーバ1宛に受信要求パケットを送信する。
【0044】
もし、前記受信要求の映像音声ストリームが他のどこにも配信されていない場合には、該受信要求パケットはサーバ側多地点配信装置2に届く。
【0045】
サーバ側多地点配信装置2は、該受信要求パケットを受信すると、内部の配信先テーブルに該受信要求パケットの送信元アドレスを登録するとともに、配信サーバ1から出力されるマルチキャストパケットをカプセル化してユニキャストパケットにし、該ユニキャストパケットを、サーバ側多地点配信装置2が受信した受信要求パケットの送信元(分岐装置3または受信側多地点配信装置4)に向けて出力する。
【0046】
もし、該送信元がネットワーク内の各分岐点にある分岐装置3(a,b,c,…)である場合には、映像音声ストリームのカプセル化されたユニキャストパケットを受信した分岐装置3は、前記内部の分岐テーブルを参照して各パケットを必要数複製し、各受信要求パケットの送信元、即ち、分岐装置3または受信側多地点配信装置4に向けて出力する。
【0047】
もし、該送信元が受信側多地点配信装置4の場合には、受信したユニキャストパケットをデカプセル化して得られたマルチキャストパケットを、この受信側多地点配信装置4が属するサブネット内に送信する。
【0048】
もし、前記受信要求の映像音声ストリームが既にどこかに配信されている場合には、前記受信要求パケットは、分岐装置3またはサーバ側多地点配信装置2に届き、分岐装置3は上述の分岐処理の動作を行い、サーバ側多地点配信装置2は上述のデカプセル化の動作を行う。
【0049】
尚、もし、一つのサブネット内に1つの受信装置しか存在しない場合には、サブネットAのような形態でも良いが、装置が二つになるため、サブネットBのように、1台の受信装置5eの中に受信側多地点配信装置4eの機能を取り込んだ形態もある。このような場合、受信装置5eもサブネットA内の受信装置5と同様な映像や音声を得られる。
【0050】
図31は、上述の各装置間の送受信シーケンスを記述したものである。尚、分岐装置3は複数多段にあっても良い。
【0051】
次に、図1及び図2を参照しながら、本発明の方法、即ち、配信可能な範囲(全体)中の任意の一部のサブネットへの限定配信を実現する方法、について述べる。
従来同様、受信装置5が繋がっている各サブネットには受信側多地点配信装置4が1台繋がれており、該受信側多地点配信装置4のあるサブネットが限定配信の対象である場合には該受信側多地点配信装置4への配信を行い、対象外である場合には該受信側多地点配信装置4への配信を行わない。このように行うことにより、限定配信を実現する。以下、その詳細を述べる。
【0052】
受信装置5内の映像音声再生アプリケーションが起動されると受信装置5からReportメッセージがサブネット内に出力され、これを受信した受信側多地点配信装置4は、該メッセージ中のマルチキャストアドレスを読み取る。該マルチキャストアドレスが初めての場合には、(1)該マルチキャストアドレスに対応する映像又は音声のストリームの配信対象エリアか否かの情報と(2)マルチキャストアドレス解決を行うための情報を配信情報テーブル内に保持していないため、配信エリア管理サーバ6に、マルチキャストアドレスと受信側多地点配信装置のユニキャストアドレスまたはサブネットアドレスを通知して問い合わせる。配信エリア管理サーバ6は、前述のマルチキャストアドレス解決サーバ8の機能と以下に述べる新たな機能を具備している。問い合わせを受けた配信エリア管理サーバ6は、通知されたマルチキャストアドレスをキーに、内部に保持するアドレス解決用テーブルを検索する。
【0053】
図3は、本発明の限定配信を実現する配信エリア管理サーバ6内のアドレス解決用テーブルの一例である。従来のもの(図32)とは、第1列と第2列は同じであるが、新たに第3列が加わり、「受信側多地点配信装置4のユニキャストアドレス」が書き込まれることが異なる。
【0054】
この第3列の「受信側多地点配信装置4のユニキャストアドレス」の使い方には、2通りの方法がある。即ち、ここに書かれている受信側多地点配信装置にのみ配信を行う方法と、ここに書かれている受信側多地点配信装置にのみ配信を行わない方法である。どちらの使い方をするかは、事前に決めておく。
【0055】
以下に、前者である「アドレス解決用テーブルに書かれている受信側多地点配信装置にのみ配信を行う方法」の一例を説明する。
例えば、図3において、第1行第1列のマルチキャストアドレス“239.192.1.1”のマルチキャストサーバからの配信を受信可能なエリアが、第1行第3列に書かれた“192.168.2.0/24”と“192.168.4.0/24”のサブネットのみであり、そのサブネット内に設置されている受信側多地点配信装置4のユニキャストアドレス“192.168.2.10”と“192.168.4.21”が登録されているとする。受信側多地点配信装置4からマルチキャストアドレス“239.192.1.1”の問い合わせが来ると、配信エリア管理サーバ6は、マルチキャストアドレス“239.192.1.1”をキーにテーブルの第1列を検索する。この場合、第1行が合致し、合致した第1行の第3列の内容を読み出す。
【0056】
もし、問い合わせてきた受信側多地点配信装置4のユニキャストアドレスが、そこに書かれた受信側多地点配信装置4のユニキャストアドレス“192.168.2.10”または“192.168.4.21”と一致する場合は、第2列に書かれた配信サーバのユニキャストアドレス“192.168.1.2”を返信する。
【0057】
もし、一致しない場合には、“配信不可”を意味する予め決められた文字列や数字等(例えば、“−”や“255.255.255.255”)を返信するか、または、返信を行わない(この場合は、受信側多地点配信装置4でタイムアウトとして処理される)。
【0058】
また、配信範囲が全体である場合には、予め決められた文字や数字等を使用する。例えば、第2行の第3列のように、予め“all”と決められていて、マルチキャストアドレスが一致した行の第3列に“all”と書かれていた場合には、全ての受信側多地点配信装置4からの問い合わせに対し、第2列に書かれたユニキャストアドレスを返信する。
【0059】
次に、第3列の「受信側多地点配信装置4のユニキャストアドレス」の使い方が後者である「アドレス解決用テーブルに書かれている受信側多地点配信装置にのみ配信を行わない方法」の一例を説明する。
例えば、図3において、第1行第1列のマルチキャストアドレス“239.192.1.1”のマルチキャストサーバからの配信を行わないサブネットが、第1行第3列に書かれた“192.168.2.0/24”と“192.168.4.0/24”のサブネットのみであり、そのサブネット内に設置されている受信側多地点配信装置4のユニキャストアドレス“192.168.2.10”と“192.168.4.21”が登録されているとする。受信側多地点配信装置4からマルチキャストアドレス“239.192.1.1”の問い合わせが来ると、配信エリア管理サーバ6は、マルチキャストアドレス“239.192.1.1”をキーにテーブルの第1列を検索し、この場合に合致した第1行の第3列の内容を読み出す。
【0060】
もし、問い合わせてきた受信側多地点配信装置4のユニキャストアドレスが、そこに書かれた受信側多地点配信装置4のユニキャストアドレス“192.168.2.10”または“192.168.4.21”と一致しない場合は、第2列に書かれた配信サーバのユニキャストアドレスを返信する。
【0061】
もし、一致する場合は、予め決められた“配信不可”を意味する文字列や数字等(例えば、“−”や“255.255.255.255”)を返信するか、または、返信を行わない(この場合は、受信側多地点配信装置4でタイムアウトとして処理される)。
【0062】
また、配信しない範囲が全体である場合には(一時的に配信を停止するような場合での使用が考えられる)、予め決められた文字や数字やアドレス等を使用する。例えば、第2行の第3列のように、予め“all”と決められていて、マルチキャストアドレスが一致した行の第3列に“all”と書かれていた場合には、全ての受信側多地点配信装置4からの問い合わせに対し、予め決められた受信不可を意味する文字列や数字等(例えば、“−”や“255.255.255.255”)を返信するか、または、返信を行わない(この場合は、受信側多地点配信装置4でタイムアウトとして処理される)。
【0063】
また、図4に示すように、第3列の使い方として、第3列に記述された「受信側多地点配信装置4のユニキャストアドレス」が、限定配信の対象なのか、または、対象外なのかも含めて記述する方法がある。
例えば、ユニキャストアドレスの前に“+”を記述した場合は「配信対象」であることを意味し、“−”を記述した場合は「配信対象外」であることを意味する、と事前に決めておく。
【0064】
図4の第1行第3列の場合、“+192.168.2.10”と“+192.168.4.21”の受信側多地点配信装置4は配信対象であり、“−others”で記述されたそれら以外の受信側多地点配信装置4は配信対象外である。第2行第3列は、第1行第3列の逆を意味する記述である。
同様に、第3行第3列の“+all”は全体が「配信対象」であることを意味し、第4行第3列の“−all”は全体が「配信対象外」であることを意味する。
【0065】
さらに、前述の全ての方法では、第3列に受信側多地点配信装置4のユニキャストアドレスを記述すると述べてきたが、受信側多地点配信装置4のユニキャストアドレスがDHCPで決められる場合は固定ではなくなるため、ユニキャストアドレスが変わる度にテーブル内のアドレスの変更が必要になる。これを避ける方法として、サブネットに1台設置される受信側多地点配信装置4のユニキャストアドレスではなく、受信側多地点配信装置4が設置されるサブネット、即ち、配信の対象または対象外であるサブネットのアドレス情報を記述する方法がある。
【0066】
例えば、図5の第1行第3列中に“+192.168.2.0/24”と記述されている場合、サブネットマスクが24bit(バイナリー表現で“11111111.11111111.11111111.00000000”)のサブネットであることを意味している。問い合わせてきた受信側多地点配信装置4(=送信元)のIPアドレスが“192.168.2.10”だとして、このサブネットに属しているか否かの判定は、次のように行う。まず、受信側多地点配信装置4(=送信元)のIPアドレス(32bit)とサブネットマスク(32bit)の各ビットのAND演算を行う。次に、その結果と図5の第1行第3列中に記された“192.168.2.0”(32bit)と照合する。もし一致すれば、該受信側多地点配信装置4は“192.168.2.0/24”のサブネット内にあり、不一致の場合はサブネット外にある。尚、“+”、“−”、“all”、“others”の意味は前述と同じである。
【0067】
尚、配信エリア管理サーバ6内のアドレス解決用テーブルの記載方法としては、マルチキャストアドレス毎にテーブルを用意し(即ち、図4の第1列を用いず)、そこに全受信側多地点配信装置4のユニキャストアドレスと配信の対象か対象外かを記述する(即ち、図4の第2列と第3列を用いる)方法などもある。
【0068】
図6及び図7は、受信側多地点配信装置4が内部に保持するマルチキャストアドレス解決用の配信情報テーブルの一例である。図4または図5の配信エリア管理サーバ6内の情報を返信されたとすると、マルチキャストアドレス”239.192.1.1”の配信は”192.168.2.0/24”と”192.168.4.0/24”のサブネットのみが対象範囲であり、即ち、ユニキャストアドレスが”192.168.2.10”と”192.168.4.21”の受信側多地点配信装置4のみが受信可能である。このため、これら二つの受信側多地点配信装置4が内部に保持するマルチキャストアドレス解決用の配信情報テーブルは図6になり、それ以外の受信側多地点配信装置4の場合は図7になる。
【0069】
図6および図7の情報中の“−”は配信対象外であることを意味しており、この受信側多地点配信装置4と同一サブネット内の受信装置5から、239.192.1.1のマルチキャストアドレスが内包されたReportメッセージが送られてきた場合、受信側多地点配信装置4は何も行わない。
【0070】
尚、受信側多地点配信装置4が内部に保持するマルチキャストアドレス解決用の配信情報テーブルの使い方の別の方法としては、配信対象とするマルチキャストアドレスのみを登録する方法もある。どのような使い方をするかは、事前に決めておく。
【0071】
(受信側多地点配信装置4a、4e)
図8は、本発明の受信側多地点配信装置4の機能ブロック図である。受信側多地点配信装置4は、入出力IF部41と、パケット内容振り分け部42と、受信要求パケット作成部43と、映像音声パケットデカプセル化部44と、終了要求パケット作成部45と、マルチキャストアドレス解決テーブル部46と、問い合わせパケット作成部47、Query応答テーブル49を内包するIGMP処理部48、リモートアクセス等の処理を行うその他処理部50、を備える。
【0072】
入出力IF部41には、受信要求等を意味するReportメッセージや終了要求を意味するIGMP Leave Groupメッセージ(以下、Leaveメッセージと記す)などのIGMPのパケット、カプセル化された映像又は音声ストリームのパケットなどが入力する。パケット内容振り分け部42は、これらのパケットの内容を振り分け、例えば、カプセル化された映像又は音声ストリームのパケットを映像音声パケットデカプセル化部44に、配信エリア管理サーバ6への問い合わせに対する返信パケットの内容を問い合わせパケット作成部47に、ReportメッセージやLeaveメッセージのパケット等のIGMP関連パケットの内容をIGMP処理部48に、それぞれ出力する。
【0073】
IGMP処理部48では、Internet Group Manegement Protocolが動作している。IGMP処理部48は、Reportメッセージのパケットの内容が入力すると、それが受信要求なのか、IGMP Membership Queryメッセージ(以下、Queryメッセージと記す)に対する受信中を示す応答なのかを識別する。受信要求の場合には、それが配信対象エリアか否か判断し、もし配信対象エリアの場合にはマルチキャストアドレス解決を行う必要がある。過去にマルチキャストアドレス解決した情報は、マルチキャストアドレス解決テーブル部46に記録されており、IGMP処理部48は、メッセージ内からマルチキャストアドレスを取り出し、マルチキャストアドレス解決テーブル部46に該マルチキャストアドレスを通知する。
【0074】
マルチキャストアドレス解決テーブル部46は、通知されたマルチキャストアドレスをキーにテーブル内を検索する。もし、合致するマルチキャストアドレスがあれば、対応する情報(配信対象エリアか否か、もし配信対象エリアの場合には配信サーバのユニキャストアドレス)をIGMP処理部48に返信する。
【0075】
もし、合致するマルチキャストアドレスがない場合は、マルチキャストアドレス解決テーブル部46は、配信エリア管理サーバ6に問い合わせるために、問い合わせパケット作成部47にマルチキャストアドレスを通知する。
【0076】
問い合わせパケット作成部47は、配信エリア管理サーバ6宛の問い合わせパケットを作成し、該パケットは、入出力IF部41を介して、配信エリア管理サーバ6に送られる。配信エリア管理サーバ6からの返信内容は、入出力IF部41を介して、パケット内容振り分け部42に通知され、さらに、問い合わせパケット作成部47に送られる。問い合わせパケット作成部47は、配信エリア管理サーバ6の返信内容から、問い合わせたマルチキャストアドレスと、それに対応する配信サーバのユニキャストアドレス又は配信対象外であることを意味する“−”の文字等を組にして、マルチキャストアドレス解決テーブル部46に通知する。
【0077】
マルチキャストアドレス解決テーブル部46は、上述の通知されたアドレス情報に基づき、例えば図6及び図7のような、問い合わせたマルチキャストアドレスと、それに対応するユニキャストアドレス又は配信対象外であることを意味する“−”の文字等を組にしたアドレス情報をテーブル内に格納するとともに、IGMP処理部48に返信する。
【0078】
マルチキャストアドレス解決テーブル部46から返信されたIGMP処理部48は、該アドレス情報の中に配信対象外であることを意味する“−”の文字等がない場合には、前記マルチキャストアドレスと配信サーバのユニキャストアドレスを受信要求パケット作成部43に通知する。
【0079】
受信要求パケット作成部43は、配信サーバ宛の受信要求パケットを作成し、入出力IF部41に転送する。受信要求パケットは、マルチキャストアドレス解決テーブル部46から通知されたユニキャストアドレスを宛先として、マルチキャストアドレスに対応する映像又は音声のストリームの配信を要求する旨のパケットである。この受信要求パケットは、入出力IF部41を介して、ネットワークに出力され、ユニキャストアドレスに従って宛先に転送される。
【0080】
尚、マルチキャストアドレス解決テーブル部46は、問い合わせたマルチキャストアドレスについて、配信対象外であることを意味する“−”の文字等がある場合は、該マルチキャストアドレスとユニキャストアドレスを受信要求パケット作成部43に通知しない。このため、配信対象外であるマルチキャストアドレスについては、受信要求パケット作成部43は、受信要求パケットを作成しない。
【0081】
IGMP処理部48は、受信装置5(図2の場合、5a又は5b又は5c又は5e)が送信したLeaveメッセージのパケットの内容を、入出力IF部41およびパケット内容振り分け部42を介して通知されると、前記マルチキャストアドレスに対応する映像又は音声のストリームを受信中の他の受信装置5の有無を問い合わせるために、Leaveメッセージのパケットの内容の中からマルチキャストアドレスを取り出し、IGMP Menbership Queryメッセージ(以下、Queryメッセージと記す)を作成し、入出力IF部41を介してサブネット内に送出する。Queryメッセージに対する受信中の受信装置5からの応答パケット(Reportメッセージ)の内容は、入出力IF部41およびパケット内容振り分け部42を介してIGMP処理部48に送られる。
【0082】
もし、予め決められた時間内に、他の受信装置から受信中であるとの応答が有った場合には、終了要求パケット作成部45をはじめとして受信側多地点配信装置4はそれ以上何も行わない。
【0083】
もし、予め決められた時間内に、他の受信装置5から受信中であるとの応答が無かった場合には、IGMP処理部48は、この受信側多地点配信装置4並びにこのサブネットへの映像又は音声のストリームの配信を停止するために、終了要求パケット作成部45に前記マルチキャストアドレスを通知するとともに終了要求パケットの出力を指示する。
終了要求パケット作成部45は、マルチキャストアドレス解決テーブル部46に前記マルチキャストアドレスを通知し、対応する配信サーバのユニキャストアドレスを問い合わせる。
【0084】
問い合わせを受けたマルチキャストアドレス解決テーブル部46は、該マルチキャストアドレスに対し、該マルチキャストアドレスをキーにしてテーブル内を検索し、前回の問い合わせに対して記録してあったユニキャストアドレスを読み出し、終了要求パケット作成部45に通知する。
【0085】
終了要求パケット作成部45は、このユニキャストアドレスを宛先として、マルチキャストアドレスに対応する映像又は音声のストリームの配信停止を要求する旨の終了要求パケットを作成し、入出力IF部41に転送する。終了要求パケットは、入出力IF部41を介してネットワークに出力される。
【0086】
尚、上記Leaveメッセージに対応してQueryメッセージをサブネット内に送出する代わりに、常時周期的に出力されるQueryメッセージに対するサブネット内の応答メッセージを記録するQuery応答テーブル49をIGMP処理部48内に設けておき、IGMP処理部48は、Leaveメッセージのパケットの内容をパケット内容振り分け部42から通知されると、その中からマルチキャストアドレスと送信元の受信装置5のユニキャストアドレスを取り出し、該マルチキャストアドレスをキーにしてQuery応答テーブル49に検索することにより、該マルチキャストアドレスに対応する映像又は音声のストリームを受信中の他の受信装置5の有無を知る方法もある。
【0087】
この場合、Query応答テーブル49には、前記サブネットに繋がるルータまたは前記受信装置からIGMPに従って周期的に送出されたQueryメッセージに対する応答が記録されており、即ち、Queryメッセージ内のマルチキャストアドレスとそれに応答した受信装置5のユニキャストアドレスが対になって記録されており、これにより、IGMP処理部48は、前記マルチキャストアドレスをキーにしてQuery応答テーブル49内を検索し、対になって記録されているユニキャストアドレスを、Leaveメッセージのパケットの前記ユニキャストアドレスと照合し、該ユニキャストアドレス以外のユニキャストアドレスの有無、即ち、通知されたユニキャストアドレスの受信装置以外に受信中の他の受信装置5の有無を知ることができる。
【0088】
もし、受信中の他の受信装置5が有る場合には、前記の場合と同様に、終了要求パケット作成部45をはじめとして受信側多地点配信装置4はそれ以上何も行わない。
もし、受信中の他の受信装置5が無い場合には、この受信側多地点配信装置4並びにこのサブネットへの映像又は音声のストリームの配信を停止するために、IGMP処理部48は、終了要求パケット作成部45に前記マルチキャストアドレスを通知するとともに終了要求パケットの出力を指示する。以下、終了要求パケット作成部45の動作は、前記と同じである。
【0089】
映像音声パケットデカプセル化部44は、入出力IF部41およびパケット内容振り分け部42を介してカプセル化された映像音声パケットが入力されると、該パケットをデカプセル化し、入出力IF部41に転送する。入出力IF部41は、これらのパケットを接続されているサブネットに向けて出力する。
【0090】
本実施形態の受信側多地点配信装置4は、コンピュータとプログラムによっても実現でき、プログラムを記録媒体に記録することも、ネットワークを通して提供することも可能である。
【0091】
(配信エリア管理サーバ6)
図9は、本実施形態における配信エリア管理サーバ6の機能ブロック図である。配信エリア管理サーバ6は、入出力IF部61と、パケット内容振り分け部62と、テーブル情報更新部63、アドレス解決用テーブル64と、テーブル情報パケット化部65と、リモートアクセス等の処理を行うその他処理部66、を備える。
【0092】
アドレス解決用テーブル64は、映像又は音声のストリームをマルチキャストで受信装置5に配信する配信サーバ1のアドレス情報を格納する。配信サーバ1のアドレス情報の例を、図3、図4及び図5に示す。入出力IF部61には、各受信側多地点配信装置4からの「アドレス情報送信要求」と、各配信サーバ1からの「アドレス解決用テーブル情報の新規登録または変更または削除の情報」等が入力する。「アドレス情報送信要求」は、(1)該マルチキャストアドレスに対応する映像又は音声のストリームの配信対象エリアに関する情報と、(2)マルチキャストアドレス解決、即ち、マルチキャストアドレスに対応する映像又は音声のストリームを出力する配信サーバのユニキャストアドレス、の問い合わせである。パケット内容振り分け部62は、これらのパケットの内容を振り分け、「アドレス情報送信要求」をテーブル情報パケット化部65に、「アドレス解決用テーブル情報の新規登録または変更または削除の情報」をテーブル情報更新部63に、それぞれ出力する。
【0093】
「アドレス情報送信要求」が入力されたテーブル情報パケット化部65は、アドレス解決用テーブル64にマルチキャストアドレスを通知する。アドレス解決用テーブル64は、通知されたマルチキャストアドレスをキーにテーブル内を検索し、マルチキャストアドレスが一致した行の(1)該マルチキャストアドレスに対応する映像又は音声のストリームの配信対象エリアに関する情報と(2)マルチキャストアドレスに対応する映像又は音声のストリームを出力する配信サーバのユニキャストアドレス、をテーブル情報パケット化部65に通知する。テーブル情報パケット化部65は、受信側多地点配信装置4に対して「アドレス情報送信要求」に対する返信パケットを作成し、入出力IF部61に転送する。入出力IF部61は、受信側多地点配信装置4に向けて、該返信パケットをネットワークに出力する。
【0094】
「アドレス解決用テーブル情報の新規登録または変更または削除の情報」を入力されたテーブル情報更新部63は、これらの情報をアドレス解決用テーブル64に通知してアドレス解決用テーブル情報を更新し、その終了通知パケットを入出力IF部61に転送する。入出力IF部61は、これらのパケットをそれぞれの送信元に向けて送信する。また、テーブル情報更新部63は、情報更新通知をテーブル情報パケット化部65に送り、テーブル情報パケット化部65は、それまでに「アドレス情報送信要求」を送ってきた全ての受信側多地点配信装置4宛に情報更新通知パケットを作成し、入出力IF部61を介して送信する。
【0095】
本実施形態に係る配信エリア管理サーバ6は、コンピュータとプログラムによっても実現でき、プログラムを記録媒体に記録することも、ネットワークを通して提供することも可能である。
【0096】
(分岐装置3)
図10は、本実施形態における分岐装置3の機能ブロック図である。分岐装置3は、入出力IF部31と、パケット内容振り分け部32と、ユニキャストパケット処理部33、ユニキャストルーティングプロトコル処理部34と、フレックスキャストパケット処理部35と、フレックスキャストプロトコル処理部36、リモートアクセス等の処理を行うその他処理部37、を備える。
【0097】
本分岐装置3の各入出力IF31(#a、・・・、n)に入力したパケットはパケット振り分け部32に転送され、ユニキャストパケット処理部33、ユニキャストルーティングプロトコル処理部34、フレックスキャストパケット処理部35、フレックスキャストプロトコル処理部36、その他処理部37に振り分けられる。
【0098】
ユニキャストルーティングプロトコル処理部34は、“自ノードに関連するユニキャストルーティングプロトコルのパケット”からルーティング情報を得、それをユニキャストパケット処理部33に通知する。また、ユニキャストルーティングプロトコルに関連するパケットを作成してパケット振り分け部32に出力し、パケット振り分け部32で宛先に繋がる各入出力IF31(#a、・・・、n)に振り分けられ、各入出力IF31(#a、・・・、n)を介してネットワークに出力される。
【0099】
ユニキャストパケット処理部33には、“自ノードに関連するユニキャストルーティングプロトコルのパケット”以外のユニキャストパケットが入力し、前記ユニキャストルーティングプロトコル処理部34から通知されたルーティング情報に基づいて出力先が決定され、パケット振り分け部32で宛先に繋がる各入出力IF31(#a、・・・、n)に振り分けられ、各入出力IF31(#a、・・・、n)を介してネットワークに出力される。
【0100】
フレックスキャストプロトコル処理部36は、入力したフレックスキャストプロトコルのパケット(受信要求パケットや終了要求パケット)をプロトコルに従って処理する。受信要求パケットや終了要求パケットを上流の分岐ノード3またはサーバ側多地点配信装置2に出力する必要がある場合には、それらのパケットを作成してパケット振り分け部32に出力する。また、分岐処理の新たな開始や終了が必要になる場合には、フレックスキャストプロトコル処理部36は、フレックスキャストパケット処理部35にマルチキャストアドレスとサーバのユニキャストアドレスを通知する。通知を受けたフレックスキャストパケット処理部35は、新たな分岐装置3または受信側多地点配信装置2に向けて分岐処理を追加したり、現在ある分岐装置3または受信側多地点配信装置2に向けて行っている分岐処理を終了する。フレックスキャストパケット処理部35で作成されたパケットは、パケット振り分け部32に出力される。パケット振り分け部32に入力したパケットは、宛先に繋がる各入出力IF31(#a、・・・、n)に振り分けられ、各入出力IF31(#a、・・・、n)を介してネットワークに出力される。
【0101】
本実施形態のノード7(a,b,c,…)は、コンピュータとプログラムによっても実現でき、プログラムを記録媒体に記録することも、ネットワークを通して提供することも可能である。
【0102】
[第2の実施の形態]
分岐装置3による配信可能な範囲(全体)中の任意の一部のサブネットへの限定配信を実現する実施の形態について述べる。第1の実施の形態との違いは、図11に示すように、分岐装置3が、受信側多地点配信装置4と同様に、下流から送られてきた受信要求パケットに対して受信要求パケットを上流に送出するか否かを配信エリア管理サーバ6に問い合わせることである。それ以外については、多地点配信の機器接続および各機器の動作は、第1の実施の形態で述べたことと同様である。
【0103】
分岐装置3が、もし、下流から送られてきた受信要求パケットに対して受信要求パケットを上流に送出しないと、その下流にある全ての分岐装置3および全ての受信側多地点配信装置4に、要求された映像音声ストリームは流れない。これを利用すると、配信対象外のサブネットをまとめて対象外にすることができる。例えば、分岐装置3はロケーション毎や組織毎に置かれることが多く、そのような場合には、該分岐装置3に特定のマルチキャストアドレスを配信対象として設定しない、または、配信対象外として設定することにより、ロケーション毎や組織毎の配信の有無を簡単に設定することができる。
【0104】
分岐装置3が、下流から送られてきた受信要求に対して、上流に受信要求を送出するか否かの情報は、第一の実施の形態で述べたように、最初、配信エリア管理サーバ6内に保持されている。
【0105】
分岐装置3は、受信要求パケットを受信すると、その内部に書かれているマルチキャストアドレスを取り出し、それをキーとして分岐装置3内の配信管理テーブル内を検索する。分岐装置3内の配信管理テーブルの一例を、図13に示す。
もし、そのマルチキャストアドレスが、分岐装置3が初めて受信したマルチキャストアドレスの場合には、分岐装置3内の配信管理テーブル内には書かれていないので、配信エリア管理サーバ6に問い合わせる。
【0106】
配信エリア管理サーバ6は、送られてきたマルチキャストアドレスをキーにして、自装置内のアドレス解決用テーブル内を検索し、配信範囲および配信サーバのユニキャストアドレスの情報を得、それを返信する。アドレス解決用テーブルは、第1の実施の形態の図3または図4または図5と同様であり、第3列に、分岐装置3のユニキャストアドレスを受信側多地点配信装置4のユニキャストアドレスとともに併記する方法がある。図4を基にした場合の一例を図14に示す。
【0107】
第1行第3列の“192.168.101.3”,“192.168.102.4”,“192.168.103.5”は各分岐装置3のユニキャストアドレスであり、配信サーバ1から受信側多地点配信装置4までの経路上にある全ての分岐装置3のユニキャストアドレスが「+」を伴って記述されていないと、このマルチキャストアドレスに対応する映像又は音声のストリームは配信されない。
第2行第3列の“192.168.103.5”は分岐装置3のユニキャストアドレスであり、「−」を伴って記述された分岐装置の下流には、このマルチキャストアドレスに対応する映像又は音声のストリームは配信されない。もし、配信サーバ1から受信側多地点配信装置4までの経路上にいずれかの分岐装置3のユニキャストアドレスが記述されていると、このマルチキャストアドレスに対応する映像又は音声のストリームは配信されない。
【0108】
また、別の方法として、第4列として新たな欄を設け、そこに分岐装置3のユニキャストアドレスを記述する方法がある。図5を基にした場合の一例を図15に示す。この場合は、問い合わせパケットに、問い合わせ元が受信側多地点配信装置4か分岐装置3かの識別子があると、どちらか一方の欄のみを検索すればよいため効率的になる。
【0109】
配信エリア管理サーバ6から返信を受信した分岐装置3は、その内容を基に自装置内の配信管理テーブルに記録するとともに、下流に配信可の場合には受信要求パケットを上流に送出し、配信不可の場合には受信要求パケットを送出しない。
【0110】
受信側多地点配信装置4に保持される配信情報テーブルの場合には、前記マルチキャストアドレスに対応する配信サーバのユニキャストアドレスを保持しているが、分岐装置3に保持される配信管理テーブルの場合には、該ユニキャストアドレスが“分岐装置3が受信する受信要求パケットの宛先”に書かれているので、配信サーバのユニキャストアドレスはなくても良い。
【0111】
図12は、第2の実施の形態における本発明のシーケンスの一例である。図12では、受信側多地点配信装置4が配信対象であり、そのため、その上流の分岐装置3は全て配信可の場合の動作を行う。もし、受信側多地点配信装置4が配信対象外の場合は、少なくともその直近の分岐装置3から下流には、映像音声ストリームは流れない。
【0112】
尚、図12では、送信側多地点配信装置2は、受信要求を受信すると無条件で下流に配信しているが、送信側多地点配信装置2も分岐装置3と同様に配信管理テーブル(一例、図13)等を有し、これを用いて限定配信を実現する方法もある。
【0113】
受信側多地点配信装置4および配信エリア管理サーバ6の機能ブロック図は、第1の実施の形態と同様、図8および図9である。
【0114】
図16は、第2の実施の形態における分岐装置3の機能ブロック図である。第1の実施の形態における分岐装置3との違いは、内部に配信管理部38を有することであり、これに関連しない各機能ブロックの動作は、第1の実施の形態で述べた内容と同じである。
【0115】
本分岐装置3の各入出力IF31(#a、・・・、n)に入力したパケットはパケット振り分け部32に転送され、ユニキャストパケット処理部33、ユニキャストルーティングプロトコル処理部34、フレックスキャストパケット処理部35、フレックスキャストプロトコル処理部36、その他処理部37に振り分けられる。
【0116】
本分岐装置3が、受信側多地点配信装置3または他の分岐装置3から出力された受信要求パケットを、入出力IF31を介して受信すると、パケット振り分け部32で振り分けられ、フレックスキャストプロトコル処理部36に送られる。フレックスキャストプロトコル処理部36は、受信した受信要求パケットからマルチキャストアドレスと送信元ユニキャストアドレスを読み出し、該マルチキャストアドレスに対応する映像又は音声のストリームを、本分岐装置3の下流に配信するか否かを配信管理部38に問い合わせる。即ち、該マルチキャストアドレスと送信元ユニキャストアドレスを配信管理部38に通知する。
配信管理部38は、内包する配信管理テーブル39(一例、図13)を有し、通知されたマルチキャストアドレスをキーに配信管理テーブル39内を検索する。
【0117】
もし、該テーブル内に、前記通知されたマルチキャストアドレスと、それに対応する配信対象のユニキャストアドレス又はサブネットアドレスの情報が登録されている場合には、ユニキャストアドレス同士を照合するか又は前記図5のところで説明したような方法により、前記送信元ユニキャストアドレスが配信対象か否かを判定し、受信要求パケットを送信して来た受信側多地点配信装置3または他の分岐装置3への配信の可否をフレックスキャストプロトコル処理部36に返信する。
【0118】
もし、登録されていない場合には、前記配信エリア管理サーバ6に問い合わせ、前記配信エリア管理サーバ6からの返信内容を配信管理テーブル39に反映させるとともに、前記サブネットが配信対象か否かをフレックスキャストプロトコル処理部36に返信する。
【0119】
ここで、本実施の形態では、配信エリア管理サーバ6の保持するアドレス解決用テーブル64内に、図3または図4または図5の第3列と同様のテーブル情報である、各マルチキャストアドレスに対応したサブネットアドレスの欄が設けられている。アドレス解決用テーブル64におけるサブネットアドレスの欄は、「配信を行うサブネットアドレス」、または「配信を行わないサブネットアドレス」、または「配信の有無を付帯させたサブネットアドレス」のいずれかが記述されている。
【0120】
また、前記アドレス解決用テーブル64内のサブネットアドレスの欄に、サブネットアドレスの代わりに、受信装置5が繋がるサブネットに繋がるノード7bの入出力IF71のユニキャストアドレス(通常、デフォルトゲートウェイ)を、第一の実施の形態で述べた受信側多地点配信装置4のユニキャストアドレスのように用いる方法もある。この場合、前記アドレス解決用テーブル64内のサブネットアドレスの欄の中身は、図3または図4または図5の第3列のように、「配信を行うユニキャストアドレス」、または「配信を行わないユニキャストアドレス」、または「配信の有無を付帯させたユニキャストアドレス」のいずれかが記述される。
【0121】
フレックスキャストプロトコル処理部36は、配信管理部38からの返信内容が、もし、前記サブネットが配信対象の場合には、使用されているマルチキャストルーティングプロトコルに従って、受信要求パケット(Joinパケット等)を作成する。作成された受信要求パケットは、パケット振り分け部32で振り分けられ、入出力IF71を介してネットワークに出力される。もし、前記サブネットが配信対象外の場合には、前記Reportメッセージに対して何も行わない。
【0122】
フレックスキャストプロトコル処理部36は、配信可否テーブル80(例、図17)を有してもよい。前記配信管理部38からの返信内容(マルチキャストアドレスとサブネットアドレスの組に対する配信可否の情報)を記録しておき、Reportメッセージが入力したときには、まず配信可否テーブル80を検索する。もし、配信可否テーブル80内に検索対象となるマルチキャストアドレスとサブネットアドレスの組に対する配信可否の情報がない場合には、前述したように配信管理部38への問い合わせを行う。もし、配信可否の情報がある場合には、前述したようにフレックスキャストパケット処理部35が受信要求パケット(Joinパケット等)を作成するか、何もしないかの動作を行う。これにより、ノード7bの動作を速くすることができる。
【0123】
ノード7bが、同一のサブネットに繋がるある受信装置5から出力されたLeaveメッセージを、入出力IF71を介して受信すると、パケット振り分け部32で振り分けられ、フレックスキャストプロトコル処理部36に送られる。フレックスキャストプロトコル処理部36は、内部に、例えば現在配信中のマルチキャストアドレスを保持するマルチキャストテーブル(例、図18)を保持しており、該テーブルを参照する。
【0124】
もし、受信したLeaveメッセージ中に書かれたマルチキャストアドレスが該テーブル中にない場合には、既に配信が行われていないため、これ以上何も行わない。
【0125】
前記メッセージ中に書かれたマルチキャストアドレスが該テーブル中にある場合には、フレックスキャストプロトコル処理部36は、前記内部に保持するマルチキャストテーブル中に保持されている該マルチキャストアドレスを抹消するとともに、使用されているマルチキャストルーティングプロトコルに従って、終了要求パケット(Leaveパケット等)を作成する。作成された受信要求パケットは、パケット振り分け部32で振り分けられ、入出力IF71を介してネットワークに出力される。
【0126】
本実施形態の分岐装置3は、コンピュータとプログラムによっても実現でき、プログラムを記録媒体に記録することも、ネットワークを通して提供することも可能である。
【0127】
[第3の実施の形態]
本発明の第3の実施の形態における多地点配信の機器接続について、図19で説明する。これらの機器はIPネットワーク上に設置されている。また、各機器間のシーケンスを図20に示す。
【0128】
本発明の第3の実施の形態は、端的に言えば、本発明の第1の実施の形態を、サーバ側多地点配信装置2、分岐装置3、受信側多地点配信装置4を使用せずに、できるだけ市販のルータやL3スイッチなどを利用して実現する場合である。
【0129】
配信ネットワークは、一つ又は複数の受信装置と同一のサブネットに繋がるノード(以下、タイプAのノードと記述)と、一つ又は複数の受信装置と同一のサブネットに繋がっていないノード(以下、タイプBのノードと記述)からなる複数のノードで構成され、配信ネットワーク内の全てのノード7では何らかのマルチキャストルーティングプロトコルが動作している。タイプAのノード7bは、タイプBの他のノード7とは異なり、第1の実施の形態における受信側多地点配信装置4に相当する機能を有している。
【0130】
ある受信者が、配信される映像音声等を視聴すべくある受信装置5(a,b,c,…)を操作することにより映像音声再生アプリケーションが起動されると、該受信装置5からReportメッセージが、該受信装置5が属するサブネット内に送出される。
【0131】
このReportメッセージを、タイプAのノードであるノード7bが受信する。
もし、該Reportメッセージ中に書かれたマルチキャストアドレスに対応する「映像又は音声のストリーム」の配信範囲内にノード7bが繋がるサブネットが含まれている場合には、ノード7bは、使用されているマルチキャストルーティングプロトコルに従って、受信要求パケット(Joinパケット等)を作成する。該受信要求パケットは、前記マルチキャストルーティングプロトコルの動作に従ってネットワーク内を転送される。そして、もし、ノード7aがマルチキャストサーバ1のパケットを既に受信してノード7b以外に分岐出力している場合には、ノード7bに向けて分岐を行い、その出力されたマルチキャストパケットがノード7c等に中継されてノード7bに送られてくる。このマルチキャストパケットを受信したノード7bは、前記Reportメッセージを送出した受信装置5が繋がっているサブネット内に向けてマルチキャストパケットを出力する。
【0132】
もし、前記Reportメッセージ中に書かれたマルチキャストアドレスに対応する映像又は音声のストリームの配信範囲内に、ノード7bが繋がるサブネットが含まれていない場合には、ノード7bは、前記Reportメッセージに対して何も行わない。これにより、前記Reportメッセージ中に書かれたマルチキャストアドレスに対応する映像又は音声のストリームのマルチキャストパケットはノード7bに送られて来ず、ノード7bが繋がるサブネットにも流れない。
【0133】
また、受信者が、配信されている映像音声等の視聴を終了すべくある受信装置5(a,b,c,…)を操作することにより映像音声再生アプリケーションが停止または終了されると、該受信装置5からLeaveメッセージが、その受信装置5が属するサブネット内に送出される。
【0134】
この受信装置5と同一のサブネットに繋がるノード7bは、このLeaveメッセージを受信する。
もし、該Leaveメッセージ中のマルチキャストアドレスに対応する映像又は音声のストリームを受信中の受信装置5が他にある場合、即ち、周期的に出力される前記マルチキャストアドレスを内包したQueryメッセージに対してReportメッセージを出している受信装置5が他にある場合には、何も行わない。
【0135】
もし、他に受信要求のReportメッセージを出している受信装置5がない場合には、終了要求パケット(Leaveパケット等)を作成する。該終了要求パケットは、前記マルチキャストルーティングプロトコルの動作に従ってネットワーク内を転送される。
【0136】
そして、もし、ノード7aがノード7bに向けてマルチキャストパケットを分岐出力していた場合には、ノード7bに向けたマルチキャストパケットの分岐出力を終了する。これにより、前記Reportメッセージ中に書かれたマルチキャストアドレスに対応する映像又は音声のストリームのマルチキャストパケットは、ノード7bに送られて来なくなり、ノード7bが繋がるサブネットにも流れなくなる。
【0137】
図21に、本実施の形態における、タイプB(“受信装置5と同一のサブネットに繋がるノード(7b)”以外)のノード7(a、c、・・・)の機能ブロックの概略を示す。
【0138】
タイプBのノード7は、いわゆる市販のルータまたはL3SWまたはこれらと同等の装置であり、一つまたは複数の入出力IF71(#a、・・・、n)、パケット振り分け部72、ユニキャストパケット処理部73、ユニキャストルーティングプロトコル処理部74、マルチキャストパケット処理部75、マルチキャストルーティングプロトコル処理部76、および、それ以外の処理(例えば、オペレーション関連等)を行う、その他処理部77を有す。
【0139】
本ノード7(タイプB)の各入出力IF71(#a、・・・、n)に入力したパケットはパケット振り分け部72に転送され、ユニキャストパケット処理部73、ユニキャストルーティングプロトコル処理部74、マルチキャストパケット処理部75、マルチキャストルーティングプロトコル処理部76、その他処理部77に振り分けられる。
【0140】
ユニキャストルーティングプロトコル処理部74は、“自ノードに関連するユニキャストルーティングプロトコルのパケット”からルーティング情報を得、それをユニキャストパケット処理部73に通知する。また、ユニキャストルーティングプロトコルに関連するパケットを作成してパケット振り分け部72に出力し、パケット振り分け部72で宛先に繋がる各入出力IF71(#a、・・・、n)に振り分けられ、各入出力IF71(#a、・・・、n)を介してネットワークに出力される。
【0141】
ユニキャストパケット処理部73には、“自ノードに関連するユニキャストルーティングプロトコルのパケット”以外のユニキャストパケットが入力し、前記ユニキャストルーティングプロトコル処理部74から通知されたルーティング情報に基づいて出力先が決定され、パケット振り分け部72で宛先に繋がる各入出力IF71(#a、・・・、n)に振り分けられ、各入出力IF71(#a、・・・、n)を介してネットワークに出力される。
【0142】
マルチキャストルーティングプロトコル処理部76は、入力した“自ノードに関連するマルチキャストルーティングプロトコルのパケット”からルーティング情報を得、それをマルチキャストパケット処理部75に通知する。また、マルチキャストルーティングプロトコルに関連するパケットを作成する。また、IGMPに関連するパケットを入力し、プロトコル処理し、関連するパケットを作成する。これらの作成されたパケットは、パケット振り分け部72に送られ、そこで宛先に繋がる各入出力IF71(#a、・・・、n)に振り分けられ、各入出力IF71(#a、・・・、n)を介してネットワークに出力される。
【0143】
マルチキャストパケット処理部75には、“自ノードに関連するマルチキャストルーティングプロトコルのパケット”以外のマルチキャストパケットが入力し、前記マルチキャストパケット処理部75から通知されたルーティング情報に基づいて分岐対象となるパケットが複製され、パケット振り分け部72で宛先に繋がる各入出力IF71(#a、・・・、n)に振り分けられ、各入出力IF71(#a、・・・、n)を介してネットワークに出力される。
【0144】
図22に、タイプAのノード7bの機能ブロックの概略を示す。ノード7bは、受信装置5のサブネットに繋がっているルータまたはL3SWまたはこれらと同等の機器をベースとした装置であって、ノード7bも前述のタイプBのノード7(a、b、c、・・・)の機能を有し、同様の動作を行う。タイプBとの大きな違いは、内部に配信管理部78を有することである。
【0145】
ノード7bが、同一のサブネットに繋がるある受信装置5から出力されたReportメッセージを、入出力IF71を介して受信すると、パケット振り分け部72で振り分けられ、マルチキャストルーティングプロトコル処理部76に送られる。マルチキャストルーティングプロトコル処理部76は、受信したReportメッセージからマルチキャストアドレスを読み出し、該マルチキャストアドレスに対応する映像又は音声のストリームを、ノード7bが繋がるサブネットに配信するか否かを配信管理部78に問い合わせる。即ち、該マルチキャストアドレスと前記サブネットアドレスを配信管理部78に通知する。
配信管理部78は、配信管理テーブル79(一例、図23)を有し、通知されたマルチキャストアドレスをキーに配信管理テーブル79内を検索する。
【0146】
もし、該テーブル内に、前記通知されたマルチキャストアドレスとそれに対応する配信対象のサブネットアドレスの情報が登録されている場合には、前記図5のところで説明したような方法により、前記サブネットアドレスが配信対象か否かを判定し、前記サブネットへの配信の可否をマルチキャストルーティングプロトコル処理部76に返信する。
【0147】
もし、登録されていない場合には、前記配信エリア管理サーバ6に問い合わせ、前記配信エリア管理サーバ6からの返信内容を配信管理テーブル79に反映させるとともに、前記サブネットが配信対象か否かをマルチキャストルーティングプロトコル処理部76に返信する。
【0148】
ここで、本実施の形態では、配信エリア管理サーバ6の保持するアドレス解決用テーブル64内に、図3または図4または図5の第3列と同様のテーブル情報である、各マルチキャストアドレスに対応したサブネットアドレスの欄が設けられている。アドレス解決用テーブル64におけるサブネットアドレスの欄は、「配信を行うサブネットアドレス」、または「配信を行わないサブネットアドレス」、または「配信の有無を付帯させたサブネットアドレス」のいずれかが記述されている。
【0149】
また、前記アドレス解決用テーブル64内のサブネットアドレスの欄に、サブネットアドレスの代わりに、受信装置5が繋がるサブネットに繋がるノード7bの入出力IF71のユニキャストアドレス(通常、デフォルトゲートウェイ)を、第一の実施の形態で述べた受信側多地点配信装置4のユニキャストアドレスのように用いる方法もある。この場合、前記アドレス解決用テーブル64内のサブネットアドレスの欄の中身は、図3または図4または図5の第3列のように、「配信を行うユニキャストアドレス」、または「配信を行わないユニキャストアドレス」、または「配信の有無を付帯させたユニキャストアドレス」のいずれかが記述される。
【0150】
マルチキャストパルーティングプロトコル処理部76は、配信管理部78からの返信内容が、もし、前記サブネットが配信対象の場合には、使用されているマルチキャストルーティングプロトコルに従って、受信要求パケット(Joinパケット等)を作成する。作成された受信要求パケットは、パケット振り分け部72で振り分けられ、入出力IF71を介してネットワークに出力される。もし、前記サブネットが配信対象外の場合には、前記Reportメッセージに対して何も行わない。
【0151】
マルチキャストルーティングプロトコル処理部76は、配信可否テーブル80(例、図24)を有してもよい。前記配信管理部78からの返信内容(マルチキャストアドレスとサブネットアドレスの組に対する配信可否の情報)を記録しておき、Reportメッセージが入力したときには、まず配信可否テーブル80を検索する。もし、配信可否テーブル80内に検索対象となるマルチキャストアドレスとサブネットアドレスの組に対する配信可否の情報がない場合には、前述したように配信管理部78への問い合わせを行う。もし、配信可否の情報がある場合には、前述したようにマルチキャストパケット処理部75が受信要求パケット(Joinパケット等)を作成するか、何もしないかの動作を行う。これにより、ノード7bの動作を速くすることができる。
【0152】
ノード7bが、同一のサブネットに繋がるある受信装置5から出力されたLeaveメッセージを、入出力IF71を介して受信すると、パケット振り分け部72で振り分けられ、マルチキャストルーティングプロトコル処理部76に送られる。マルチキャストルーティングプロトコル処理部76は、内部に、例えば現在配信中のマルチキャストアドレスを保持するマルチキャストテーブル(例、図18)を保持しており、該テーブルを参照する。
【0153】
もし、受信したLeaveメッセージ中に書かれたマルチキャストアドレスが該テーブル中にない場合には、既に配信が行われていないため、これ以上何も行わない。
【0154】
前記メッセージ中に書かれたマルチキャストアドレスが該テーブル中にある場合には、マルチキャストルーティングプロトコル処理部76は、前記内部に保持するマルチキャストテーブル中に保持されている該マルチキャストアドレスを抹消するとともに、使用されているマルチキャストルーティングプロトコルに従って、終了要求パケット(Leaveパケット等)を作成する。作成された受信要求パケットは、パケット振り分け部72で振り分けられ、入出力IF71を介してネットワークに出力される。
【0155】
本実施形態のノード7(a,b,c,…)は、コンピュータとプログラムによっても実現でき、プログラムを記録媒体に記録することも、ネットワークを通して提供することも可能である。
【0156】
[第4の実施の形態]
本発明の第4の実施の形態における多地点配信の機器接続について、図25及び図26で説明する。本実施の形態は、端的に言えば、本発明の第2の実施の形態を、サーバ側多地点配信装置2、分岐装置3、受信側多地点配信装置4を使用せずに、できるだけ市販のルータやL3スイッチなどを利用して実現する形態である。
【0157】
また、別の言い方をすれば、タイプAの(一つ又は複数の受信装置5と同一のサブネットに繋がる)ノード7bだけでなく、タイプBのノード7(a、c、...)においても、機能ブロック「配信管理部78」を有し、これを用いて、下流への配信の可否を判断するものである。このため、全てのノード7は、配信エリア管理サーバ6への問い合わせを行い、返信内容を保持する。
【0158】
よって、本実施の形態の全てのノード7の機能ブロック図は、図22に示すように、第3の実施の形態のタイプAのノード7bと同様になり、市販のルータやL3スイッチなどに配信管理部78の機能を加えたものに相当する。配信管理部78は、下流からの受信要求パケットに対し、“受信要求パケット内に記述されているマルチキャストアドレス”に対応する“映像又は音声のストリーム”の下流への送出の可否を判断するための配信管理テーブル79を有している。その他の動作も、第3の実施の形態のタイプAのノード7bと基本的に同様である。
【0159】
もし、配信管理テーブル79内に、前記受信要求パケット内に記述されているマルチキャストアドレスに関する情報がない場合には、配信エリア管理サーバ6に問い合わせ、その返信内容に基づいて、上流への受信要求パケットの送出の有無を決定する。
【0160】
本実施の形態における配信エリア管理サーバ6の動作は、第1乃至第3の実施の形態における配信エリア管理サーバ6の動作と同様である。
【0161】
本実施形態のノード7(a,b,c,…)は、コンピュータとプログラムによっても実現でき、プログラムを記録媒体に記録することも、ネットワークを通して提供することも可能である。
【0162】
[第5の実施の形態]
配信エリア管理サーバ6内のアドレス解決用テーブルに保持される情報(第1列〜第3列)は、配信する映像音声ストリームが生じる度に登録する必要があるが、第3列の情報を簡単に登録するために、以下に述べるようなGUI(Graphics User Interface)を使用することができる。
【0163】
図27に一例を示すように、配信エリア管理サーバ6内に保持されている全受信側多地点配信装置4および全分岐装置3の情報(例えば、装置名または装置番号、IPアドレス、等)をディスプレー上に表示し、一つのマルチキャストアドレス毎に、各受信側多地点配信装置4および各分岐装置3が配信対象か否か(図27では、配信対象:“○”、配信対象外:“×”、例えば、クリックすると“○”と“×”が交互に入れ替わる、等)を画面上で指示できるようにする(S501〜S502)。尚、図27では、複数のマルチキャストアドレスを1つの画面に表示しているが、1つの画面に一つのマルチキャストアドレスを表示して複数の画面で構成することもできる。
【0164】
さらに、これら各分岐装置3および各受信側多地点配信装置4のトポロジー(接続)情報を反映できるようにし、あるマルチキャストアドレスにおいて、上流にあるサーバ側多地点配信装置2または分岐装置3を配信対象外、即ち、図27で“×”表示にした場合、その下流にある全ての分岐装置3または受信側多地点配信装置4を配信対象外、即ち、図27で“×”表示にする。
【0165】
逆に、上流の装置が配信対象外にために図27で“×”表示されている分岐装置3または受信側多地点配信装置4を配信対象に、即ち、図27で“○”表示にしようとした場合には、状況説明と操作の確認を行うメッセージを表示し、確認できた場合には該装置の上流全ての装置を配信対象に、即ち、図27で“○”表示する。
【0166】
以上のように画面で指示された情報に基づき、配信エリア管理サーバ6内に保持されている図3乃至図5のアドレス解決用テーブルを随時更新し(図28に示す符号S503〜S506)、受信側多地点配信装置4および分岐装置3からの問い合わせに応答する。
【0167】
尚、図27のサーバ側多地点配信装置2において、“−”で表した欄は、そのマルチキャストアドレスに関与していないことを示している。図28に、上述の処理のフローチャートを示す。
【0168】
図29は、本実施の形態における配信エリア管理サーバ6の機能ブロック図である。配信エリア管理サーバ6は、第一の実施の形態における配信エリア管理サーバ6と同様の、入出力IF部61と、パケット内容振り分け部62と、テーブル情報更新部63と、アドレス解決用テーブル64と、テーブル情報パケット化部65と、リモートアクセス等の処理を行うその他処理部66を備え、更に、GUI画面を用いて各種設定や変更を行うための、リモート通信処理部66、更新情報作成部67、トポロジー情報記憶部68、GUI画面作成部69、ディスプレー出力IF100、入力インターフェイスとしてのマウス/キーボード入力IF101、を備える。
【0169】
GUI画面を用いて各種設定や変更を行うために、まず、GUI画面作成部69は、アドレス解決用テーブル64から通知された情報を用いて、GUI画面を作成する。作成された画面は、配信エリア管理サーバ6のディスプレー出力IF100を介して、外部のディスプレーに表示することができる。また、作成された画面はリモート通信処理部66にも送られてパケット化され、そこから入出力IF部61を介してネットワーク経由で遠隔のディスプレーに表示することができる。
【0170】
ディスプレーの表示に対して各種設定や変更を行う場合には、マウスまたはキーボードを操作する。この操作情報は、マウス/キーボード入力IF101を介して更新情報作成部67に送られる。ネットワークを経由して遠隔から操作を行う場合には、操作情報はパケット化され、ネットワークを経由して送られ、入出力IF部61を介して、リモート通信処理部66に入力する。リモート通信処理部66は、送られて来た操作情報を更新情報作成部67に送る。更新情報作成部67は、操作情報から更新情報を作成し、トポロジー情報記憶部68から得たトポロジー情報を反映させた後、GUI画面作成部69に送る。GUI画面作成部69は、トポロジー情報を反映させた更新情報をディスプレーに表示する。
【0171】
必要な各種設定や変更のための操作が完了すると、更新情報作成部67は、トポロジー情報を反映させた更新情報をテーブル情報更新部63に出力する。テーブル情報更新部63は、送られた更新情報に基づき、アドレス解決用テーブル64の関連する内容を更新する。
【0172】
トポロジー情報が更新される場合には、該トポロジー更新情報が、マウス/キーボード入力IF101を介してかまたは入出力IF部61を介して更新情報作成部67に入力され、トポロジー情報記憶部68のトポロジー情報が更新される。
【0173】
本実施形態の配信エリア管理サーバ6は、コンピュータとプログラムによっても実現でき、プログラムを記録媒体に記録することも、ネットワークを通して提供することも可能である。
【0174】
尚、前記の各実施の形態では、IPv4プロトコルをベースに説明してきたが、IPv6プロトコルではIGMPに相当するプロトコルとしてMLD(Multicast Listener Discovery)が使用され、同様に動作させることにより、同様の効果を得られる。
【産業上の利用可能性】
【0175】
本発明は、今後益々普及すると予想される、社内IPネットワーク等のプライベートネットワークをはじめとした、研修や訓示や講演等の映像や音声を複数の(例えば、各社員の)受信装置(PC)等に多地点配信する場合において、配信先がネットワーク全体ではなく、あるロケーションやある組織といった部分的な多地点配信を簡単に実現することができる。
【符号の説明】
【0176】
1:配信サーバ
2:サーバ側多地点配信装置
3、3a、3b、:分岐装置
4、4a、4e:受信側多地点配信装置
5、5a、5b、5c、5e:受信装置
6:配信エリア管理サーバ
7、7a、7b、7c:ノード
8、マルチキャストアドレス解決サーバ
31:入出力IF部
32:パケット内容振り分け部
33:ユニキャストパケット処理部
34:ユニキャストルーティングプロトコル処理部
35:フレックスキャストパケット処理部
36:フレックスキャストプロトコル処理部
37:その他処理部
38:配信管理部
39:配信管理テーブル
41:入出力IF部
42:パケット内容振り分け部
43:受信要求パケット作成部
44:映像音声パケットデカプセル化部
45:終了要求パケット作成部
46:マルチキャストアドレス解決テーブル部
47:問い合わせパケット作成部
48:IGMP処理部
49:Query応答テーブル
61:入出力IF部
62:パケット内容振り分け部
63:テーブル情報更新部
64:アドレス解決用テーブル
65:テーブル情報パケット化部
66:リモート通信処理部
67:更新情報作成部
68:トポロジー情報記憶部
69:GUI画面作成部
71a、71n:入出力IF
72:パケット振り分け部
73:ユニキャストパケット処理部
74:ユニキャストルーティングプロトコル処理部
75:マルチキャストパケット処理部
76:マルチキャストルーティングプロトコル処理部
77:その他処理部
78:配信管理部
79:配信情報テーブル
80:配信可否テーブル
100:ディスプレー出力IF
101:マウス/キーボード入力IF
【技術分野】
【0001】
本発明は、配信サーバから複数の受信装置に多地点配信(マルチキャスト)する場合において、配信可能な範囲(全体)の一部分への限定配信を簡単に実現する方法、並びに、その方法を実装した限定配信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、社内IPネットワーク等のプライベートネットワークをはじめとして、研修や訓示や講演等の映像や音声を各社員のPC等(=受信装置)に多地点配信することが、普及しつつある。
【0003】
これを実現する方法は、以前は、映像音声ストリームが受信装置の数だけ配信サーバから出力されるIPユニキャスト配信が主流であったが、配信先(=受信装置)が増えるにつれてサーバやサーバ付近のネットワークの負荷が比例して増える問題があるため、これらの負荷が受信装置に比例せず小さい、IPマルチキャストプロトコルを用いた多地点配信が行われるようになってきている(非特許文献1)。このとき、もし、ネットワーク内の全ルータ/L3スイッチ等にIPマルチキャストプロトコルを使用することが難しい場合には、配信サーバのLAN(サブネット)内と受信装置のサブネット内にのみIPマルチキャストプロトコルを使用し、途中経路のネットワークはIPマルチキャストパケットをトンネリングする方法もある(非特許文献2)。
【0004】
今後、IPマルチキャストプロトコルを用いた多地点配信がさらに普及していくと考えられるが、多地点配信の普及に伴い、配信先がネットワーク全体ではなく、あるロケーションやある組織といった部分的な多地点配信の要望が次第に強くなると予想される。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】IETF RFC 2236,“Internet Group Management Protocol,Version 2,”Nov.1997.
【非特許文献2】井上武,谷誠一郎,高橋宏和,湊真一,宮崎敏明,豊島鑑,“Flexcastによる段階的導入に優れたマルチキャストシステムの設計と実装,”電子情報通信学会論文誌D−I,Vol.J88−D−I,No.2,pp.272‐291,Feb.2005.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、現在行われている多地点配信は、ネットワーク全体を対象にしており、部分的な、または、限定的な多地点配信(以下、限定配信と記す)を対象にしていない。即ち、そのような仕組みを有していない。このため、限定配信を簡単に行うことができず、無理やり限定配信を行おうとすると、配信機器の停止や、可能な場合にはマニュアル操作による設定変更を行う必要がある。そこで、任意の一部のサブネットへの限定配信を簡単に行える仕組みが必要になる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、非特許文献1等に記されている“IP multicast group address”(以下、マルチキャストアドレスと記す)を用いた多地点配信において、配信エリア管理サーバが保持するマルチキャストアドレス解決用テーブル内に、各マルチキャストアドレスに対応した「受信側多地点配信装置のユニキャストアドレス」の欄を設け、該欄に事前に(ア)「配信を行う」または(イ)「配信を行わない」または(ウ)「配信の有無の情報を付帯させた」受信側多地点配信装置のユニキャストアドレスまたはサブネットアドレスを記憶しておき、受信側多地点配信装置からの問合せに返信することを特徴とする。
【0008】
本願発明の多地点配信システムは、受信装置から受信要求メッセージを同一サブネット内の受信側多地点配信装置が受信し、受信側多地点配信装置は受信要求メッセージ内に書かれたマルチキャストアドレスが示す配信サーバのユニキャストアドレスを知るために保持しているアドレス解決用テーブルを検索し、もし、アドレス解決用テーブル内にない場合は配信エリア管理サーバに問い合わせ、配信エリア管理サーバから返信される配信サーバのユニキャストアドレスを受け取って記憶し、得られたユニキャストアドレスを用いて配信サーバ宛に受信要求パケットを送り、当該受信要求パケットがサーバ側多地点配信装置に届き、配信サーバから出力されるマルチキャストパケットをカプセル化してユニキャストパケットにし、ユニキャストパケットをネットワーク内の各分岐点にある分岐装置で複製して配信先の各サブネットに送信し、各サブネット内では受信側多地点配信装置が受信した該ユニキャストパケットをデカプセル化してマルチキャストパケットをサブネット内に送信することを行う多地点配信において、配信可能なサブネットのうちの少なくとも一部のサブネットへの限定配信を行う多地点配信システムであって、配信エリア管理サーバの保持するアドレス解決用テーブル内に、各マルチキャストアドレスに対応した「受信側多地点配信装置のユニキャストアドレス」の欄が設けられ、「受信側多地点配信装置のユニキャストアドレス」の欄には、「配信を行う受信側多地点配信装置のユニキャストアドレス」、または「配信を行わない受信側多地点配信装置のユニキャストアドレス」、または「配信の有無を付帯させた受信側多地点配信装置のユニキャストアドレス」のいずれかが記述され、配信エリア管理サーバは、「受信側多地点配信装置のユニキャストアドレス」欄に記述されたアドレス解決用テーブルを用いて、受信側多地点配信装置からの問い合わせに回答する。
【0009】
配信エリア管理サーバに問い合わせたマルチキャストアドレスに対して、配信対象外の返信を受信した受信側多地点配信装置は、内部に保持するアドレス解決用テーブルの、該マルチキャストアドレスに対応するユニキャストアドレスの欄に、事前に決められた配信対象外を意味する情報を記述し、受信要求メッセージに対応してこれを読み取った受信側多地点配信装置は、配信サーバ宛に受信要求パケットを送らなくてもよい。
【0010】
本願発明の多地点配信システムでは、配信エリア管理サーバの保持するマルチキャストアドレス解決用テーブル内に、新たに、各マルチキャストアドレスに対応した「分岐装置のユニキャストアドレス」の欄が設けられ、「分岐装置のユニキャストアドレス」の欄には、「配信を行う分岐装置のユニキャストアドレス」、または「配信を行わない分岐装置のユニキャストアドレス」、または「配信の有無を付帯させた分岐装置のユニキャストアドレス」のいずれかが記述され、受信側多地点配信装置から送られた受信要求パケットを下流から受信した分岐装置が、当該受信要求パケットを上流に送出するか否かを配信エリア管理サーバに問い合わせ、配信エリア管理サーバは、「分岐装置のユニキャストアドレス」欄に記述されたアドレス解決用テーブルを用いて、分岐装置からの問い合わせに回答してもよい。
【0011】
この場合、配信エリア管理サーバに問い合わせたマルチキャストアドレスに対して、配信対象外の返信を受信した分岐装置は、内部に保持する配信管理テーブルの、該マルチキャストアドレスに対応するユニキャストアドレスの欄に、事前に決められた配信対象外を意味する情報を記述し、受信要求パケットに対応して配信対象外を意味する情報を読み取った分岐装置は、受信要求パケットを上流に送信しなくてもよい。
【0012】
分岐装置が受信する受信要求パケットの宛先には、マルチキャストアドレスに対応する配信サーバのユニキャストアドレスが書かれており、分岐装置に保持される配信管理テーブルが配信サーバのユニキャストアドレスを有しなくてもよい。
【0013】
「受信側多地点配信装置のユニキャストアドレス」の欄に、受信側多地点配信装置のユニキャストアドレスの代わりに、受信側多地点配信装置が設置されるサブネットの情報が記述されていてもよい。
【0014】
本願発明の多地点配信システムは、受信装置と同一のサブネットに繋がるノード(以下、タイプAのノードと記述)と、受信装置と同一のサブネットに繋がっていないノード(以下、タイプBのノードと記述)からなる複数のノードで構成され、全てのノードでマルチキャストルーティングプロトコルが動作し、受信装置からの受信要求メッセージが、該受信装置の属するサブネット内に送出され、タイプAのノードが受信要求メッセージを受信すると、前記マルチキャストルーティングプロトコルの動作に従って、受信要求パケットが配信ネットワーク内を転送され、配信サーバのマルチキャストパケットを既に受信しているタイプBのノードから、受信要求メッセージを受信したタイプAのノードに、受信要求メッセージの要求するマルチキャストパケットが分岐出力され、マルチキャストパケットを受信したタイプAのノードは、受信要求メッセージを送出した受信装置が繋がっているサブネット内に向けてマルチキャストパケットを出力する多地点配信において、配信可能なサブネットのうちの少なくとも一部のサブネットへの限定配信を行う多地点配信システムであって、各ノードは、事前に、マルチキャストアドレスに対応したサブネットアドレスが記述された配信管理テーブルを有し、配信エリア管理サーバの保持するアドレス解決用テーブル内に、各マルチキャストアドレスに対応したサブネットアドレスの欄が設けられ、配信管理テーブル及びアドレス解決用テーブルにおけるサブネットアドレスの欄は、「配信を行うサブネットアドレス」、または「配信を行わないサブネットアドレス」、または「配信の有無を付帯させたサブネットアドレス」のいずれかが記述され、タイプAのノードは、受信要求メッセージ内に書かれたマルチキャストアドレスを配信管理テーブルから検索し、もし、対応するマルチキャストアドレスが配信管理テーブル内にない場合は配信エリア管理サーバに問い合わせ、配信エリア管理サーバから返信される配信サーバのマルチキャストアドレス及びサブネットアドレスを受け取って記憶し、配信管理テーブルに問い合わせたマルチキャストアドレスに対して、得られたサブネットアドレスが配信対象である場合、受信要求メッセージに対応して受信要求パケットを配信ネットワーク内に転送し、配信管理テーブルに問い合わせたマルチキャストアドレスに対して、得られたサブネットアドレスが配信対象外である場合、受信要求メッセージに対応して受信要求パケットを配信ネットワーク内に転送しない。
【0015】
配信エリア管理サーバは、配信エリア管理サーバ内に保持されている全受信側多地点配信装置、全分岐装置又は全ノードの情報をディスプレー上に表示可能にするGUI作成部と、一つのマルチキャストアドレス毎に、各受信側多地点配信装置、各分岐装置又は各ノード配下のサブネットアドレスが配信対象か否か画面上で指示可能にする入力インターフェイスと、指示された情報を、配信エリア管理サーバ内に保持されている全受信側多地点配信装置、全分岐装置又は全ノードの情報に付加する更新情報作成部と、受信側多地点配信装置、分岐装置又はノードからの問い合わせがあると、問い合わせのあったマルチキャストアドレスに対応するテーブル情報を返信するテーブル情報パケット化部と、を備えてもよい。
【0016】
本願発明の多地点配信方法は、受信装置から受信要求メッセージを同一サブネット内の受信側多地点配信装置が受信し、受信側多地点配信装置は受信要求メッセージ内に書かれたマルチキャストアドレスが示す配信サーバのユニキャストアドレスを知るために保持しているテーブルを検索し、もし、テーブル内にない場合は配信エリア管理サーバに問い合わせ、配信エリア管理サーバから返信される配信サーバのユニキャストアドレスを受け取って記憶し、得られたユニキャストアドレスを用いて配信サーバ宛に受信要求パケットを送り、当該受信要求パケットがサーバ側多地点配信装置に届き、配信サーバから出力されるマルチキャストパケットをカプセル化してユニキャストパケットにし、ユニキャストパケットをネットワーク内の各分岐点にある分岐装置で複製して配信先の各サブネットに送信し、各サブネット内では受信側多地点配信装置が受信した該ユニキャストパケットをデカプセル化してマルチキャストパケットをサブネット内に送信することを行う多地点配信において、配信可能なサブネットのうちの少なくとも一部のサブネットへの限定配信を行う多地点配信方法であって、配信エリア管理サーバの保持するアドレス解決用テーブル内に、事前に、各マルチキャストアドレスに対応した「受信側多地点配信装置のユニキャストアドレス」の欄を設け、「受信側多地点配信装置のユニキャストアドレス」の欄には、事前に、「配信を行う受信側多地点配信装置のユニキャストアドレス」、または「配信を行わない受信側多地点配信装置のユニキャストアドレス」、または「配信の有無を付帯させた受信側多地点配信装置のユニキャストアドレス」のいずれかを記述し、配信エリア管理サーバは、「受信側多地点配信装置のユニキャストアドレス」欄に記述されたアドレス解決用テーブルを用いて、受信側多地点配信装置からの問い合わせに回答する。
【0017】
配信エリア管理サーバの保持するアドレス解決用テーブル内に、各マルチキャストアドレスに対応した「分岐装置のユニキャストアドレス」の欄が設けられ、「分岐装置のユニキャストアドレス」の欄には、「配信を行う分岐装置のユニキャストアドレス」、または「配信を行わない分岐装置のユニキャストアドレス」、または「配信の有無を付帯させた分岐装置のユニキャストアドレス」のいずれかが記述され、受信側多地点配信装置から送られた受信要求パケットを下流から受信した分岐装置が、当該受信要求パケットを上流に送出するか否かを配信エリア管理サーバに問い合わせ、配信エリア管理サーバは、「分岐装置のユニキャストアドレス」欄に記述されたアドレス解決用テーブルを用いて、分岐装置からの問い合わせに回答してもよい。
【0018】
本願発明の多地点配信方法は、受信装置と同一のサブネットに繋がるノード(以下、タイプAのノードと記述)と、受信装置と同一のサブネットに繋がっていないノード(以下、タイプBのノードと記述)からなる複数のノードで構成され、全てのノードでマルチキャストルーティングプロトコルが動作し、受信装置からの受信要求メッセージが、該受信装置の属するサブネット内に送出され、タイプAのノードが受信要求メッセージを受信すると、マルチキャストルーティングプロトコルの動作に従って、受信要求パケットが配信ネットワーク内を転送され、配信サーバのマルチキャストパケットを既に受信しているタイプBのノードから、受信要求メッセージを受信したタイプAのノードに、受信要求メッセージの要求するマルチキャストパケットが分岐出力され、マルチキャストパケットを受信したタイプAのノードは、受信要求メッセージを送出した受信装置が繋がっているサブネット内に向けてマルチキャストパケットを出力する多地点配信において、配信可能なサブネットのうちの少なくとも一部のサブネットへの限定配信を行う多地点配信方法であって、各ノードは、事前に、マルチキャストアドレスに対応したサブネットアドレスが記述された配信管理テーブルを有し、配信エリア管理サーバの保持するアドレス解決用テーブル内に、各マルチキャストアドレスに対応したサブネットアドレスの欄が設けられ、配信管理テーブル及びアドレス解決用テーブルにおけるサブネットアドレスの欄には、「配信を行うサブネットアドレス」、または「配信を行わないサブネットアドレス」、または「配信の有無を付帯させたサブネットアドレス」のいずれかが記述され、タイプAのノードは、受信要求メッセージ内に書かれたマルチキャストアドレスを配信管理テーブルから検索し、もし、対応するマルチキャストアドレスが配信管理テーブル内にない場合は配信エリア管理サーバに問い合わせ、配信エリア管理サーバから返信される配信サーバのマルチキャストアドレス及びサブネットアドレスを受け取って記憶する手順と、配信管理テーブルに問い合わせたマルチキャストアドレスに対して、得られたサブネットアドレスが配信対象である場合、受信要求メッセージに対応して受信要求パケットを配信ネットワーク内に転送し、配信管理テーブルに問い合わせたマルチキャストアドレスに対して、得られたサブネットアドレスが配信対象外である場合、受信要求メッセージに対応して受信要求パケットを配信ネットワーク内に転送しない手順と、を有する。
【0019】
本願発明の多地点配信方法では、GUI作成部が、配信エリア管理サーバ内に保持されている全受信側多地点配信装置、全分岐装置又は全ノードの情報をディスプレー上に表示し、入力インターフェイスが、一つのマルチキャストアドレス毎に、各受信側多地点配信装置、各分岐装置又は各ノード配下のサブネットアドレスが配信対象か否か画面上で指示し、更新情報作成部が、指示された情報を、配信エリア管理サーバ内に保持されている全受信側多地点配信装置、全分岐装置又は全ノードの情報に付加する情報更新手順を、問い合わせのあったマルチキャストアドレスのテーブル情報を受信側多地点配信装置、分岐装置又はノードに返信する前にさらに有してもよい。
【0020】
本願発明の受信側多地点配信装置は、マルチキャストアドレスに対応するユニキャストアドレスを記録するマルチキャストアドレス解決テーブル部と、マルチキャストアドレス解決テーブル部に受信要求メッセージの要求するマルチキャストアドレスが記録されていない場合、当該マルチキャストアドレスに対応するユニキャストアドレスを配信エリア管理サーバに問い合わせる問い合わせパケットを作成する問い合わせパケット作成部と、受信装置から受信要求メッセージを受信すると、マルチキャストアドレス解決テーブル部を参照し、受信要求メッセージの要求するマルチキャストアドレスに対応するユニキャストアドレスが記録されている場合は当該ユニキャストアドレスを宛先とする受信要求パケットを作成し、マルチキャストアドレス解決テーブル部に受信要求メッセージの要求するマルチキャストアドレスに対応するユニキャストアドレスが記録されていない場合は受信要求パケットを作成しない受信要求パケット作成部と、カプセル化された映像音声パケットが入力されると、該映像音声パケットをデカプセル化する映像音声パケットデカプセル化部と、受信装置から終了要求メッセージを受信すると、マルチキャストアドレス解決テーブル部を参照し、終了要求メッセージの要求するマルチキャストアドレスに対応するユニキャストアドレスを宛先とする終了要求パケットを作成する終了要求パケット作成部と、を備える。
【0021】
本願発明の配信エリア管理サーバは、マルチキャストアドレスに対応した配信サーバのユニキャストアドレス及び受信側多地点配信装置のユニキャストアドレスを含むアドレス情報を記録するアドレス解決用テーブルと、アドレス情報送信要求を受信すると、アドレス解決用テーブルから要求のあるマルチキャストアドレスに関連付けられているアドレス情報を送信するパケットを作成するテーブル情報パケット化部と、アドレス情報の新規登録または変更または削除の情報を受信すると、受信した内容に従ってアドレス解決用テーブルを更新するテーブル情報更新部と、を備え、受信側多地点配信装置のユニキャストアドレスの欄には、配信を行う受信側多地点配信装置のユニキャストアドレス、または、配信を行わない受信側多地点配信装置のユニキャストアドレス、または、配信の有無を付帯させた受信側多地点配信装置のユニキャストアドレスのいずれかが記述されている。
【0022】
本願発明の分岐装置は、下流に接続されている受信側多地点配信装置から送られた受信要求パケットを受信すると、受信要求パケットの要求するマルチキャストアドレスが配信対象であるか否かを配信エリア管理サーバに問い合わせ、受信要求パケットの要求するマルチキャストアドレスが配信対象である場合は受信要求パケットを上流に送信し、受信要求パケットの要求するマルチキャストアドレスが配信対象でない場合は受信要求パケットを上流に送信しない。
【0023】
本願発明のノードは、複数のノードで構成され、全てのノードでマルチキャストルーティングプロトコルが動作している配信ネットワークにおいて、マルチキャストアドレスに対応したサブネットアドレスが記述された配信管理テーブルを有し、対応するマルチキャストアドレスが配信管理テーブル内にない場合は配信エリア管理サーバに問い合わせ、配信エリア管理サーバから返信される配信サーバのマルチキャストアドレス及びサブネットアドレスを受け取って記憶する配信管理部と、配信管理テーブルにおけるサブネットアドレスの欄には、「配信を行うサブネットアドレス」、または「配信を行わないサブネットアドレス」、または「配信の有無を付帯させたサブネットアドレス」のいずれかが記述され、受信要求メッセージを受信すると、配下のサブネットが受信要求メッセージ内に書かれたマルチキャストアドレスの配信対象になっているか否かを配信管理部に問い合わせ、問い合わせ結果を取得するマルチキャストルーティングプロトコル処理部と、配下のサブネットが受信要求メッセージ内に書かれたマルチキャストアドレスの配信対象になっている場合、受信要求メッセージに対応して受信要求パケットを配信ネットワーク内に転送し、配下のサブネットが配信対象外である場合、受信要求メッセージに対応して受信要求パケットを配信ネットワーク内に転送しないマルチキャストパケット処理部と、を備える。
【0024】
本願発明の配信エリア管理サーバは、マルチキャストアドレスに対応した配信サーバのユニキャストアドレス及び受信側多地点配信装置のユニキャストアドレスを含むアドレス情報を記録するアドレス解決用テーブルと、アドレス情報送信要求を受信すると、アドレス解決用テーブルから要求のあるマルチキャストアドレスに関連付けられているアドレス情報を送信するパケットを作成するテーブル情報パケット化部と、配信エリア管理サーバ内に保持されている全受信側多地点配信装置および全分岐装置の情報をディスプレー上に表示可能にするGUI作成部と、一つのマルチキャストアドレス毎に、各受信側多地点配信装置および各分岐装置が配信対象か否か画面上で指示可能にする入力インターフェイスと、指示された情報を、配信エリア管理サーバ内に記録されているアドレス情報に付加する更新情報作成部と、を備え、アドレス解決用テーブルにおける「受信側多地点配信装置のユニキャストアドレス」の欄には、配信を行う受信側多地点配信装置のユニキャストアドレス、または、配信を行わない受信側多地点配信装置のユニキャストアドレス、または、配信の有無を付帯させた受信側多地点配信装置のユニキャストアドレスのいずれかが記述され、アドレス解決用テーブルにおける「分岐装置のユニキャストアドレス」の欄には、「配信を行う分岐装置のユニキャストアドレス」、または「配信を行わない分岐装置のユニキャストアドレス」、または「配信の有無を付帯させた分岐装置のユニキャストアドレス」のいずれかが記述されている。
【0025】
本願発明の配信エリア管理サーバは、マルチキャストアドレスに対応したサブネットアドレスを含むアドレス情報を記録するアドレス解決用テーブルと、アドレス情報送信要求を受信すると、アドレス解決用テーブルから要求のあるマルチキャストアドレスに関連付けられているアドレス情報を送信するパケットを作成するテーブル情報パケット化部と、配信エリア管理サーバ内に保持されている全ノードの情報をディスプレー上に表示可能にするGUI作成部と、一つのマルチキャストアドレス毎に、各ノード配下のサブネットアドレスが配信対象か否か画面上で指示可能にする入力インターフェイスと、指示された情報を、配信エリア管理サーバ内に記録されているアドレス情報に付加する更新情報作成部と、を備え、アドレス解決用テーブルにおける「サブネットアドレス」の欄には、「配信を行うサブネットアドレス」、または「配信を行わないサブネットアドレス」、または「配信の有無を付帯させたサブネットアドレス」のいずれかが記述されている。
【0026】
本願発明の受信側多地点配信プログラムは、受信要求パケット作成部が、受信装置から受信要求メッセージを受信すると、マルチキャストアドレス解決テーブル部を参照し、受信要求メッセージの要求するマルチキャストアドレスに対応するユニキャストアドレスが記録されている場合は当該ユニキャストアドレスを宛先とする受信要求パケットを作成し、マルチキャストアドレス解決テーブル部に受信要求メッセージの要求するマルチキャストアドレスに対応するユニキャストアドレスが記録されていない場合は受信要求パケットを作成しない受信要求パケット作成手順と、問い合わせパケット作成部が、マルチキャストアドレスに対応するユニキャストアドレスを記録するマルチキャストアドレス解決テーブル部に受信要求メッセージの要求するマルチキャストアドレスが記録されていない場合、当該マルチキャストアドレスに対応するユニキャストアドレスを配信エリア管理サーバに問い合わせる問い合わせパケットを作成する問い合わせパケット作成手順と、映像音声パケットデカプセル化部が、カプセル化された映像音声パケットが入力されると、該映像音声パケットをデカプセル化する映像音声パケットデカプセル化手順と、終了要求パケット作成部が、受信装置から終了要求メッセージを受信すると、マルチキャストアドレス解決テーブル部を参照し、終了要求メッセージの要求するマルチキャストアドレスに対応するユニキャストアドレスを宛先とする終了要求パケットを作成する終了要求パケット作成手順と、を順にコンピュータに実行させる。
【0027】
本願発明の分岐装置プログラムは、下流に接続されている受信側多地点配信装置から送られた受信要求パケットを受信すると、受信要求パケットの要求するマルチキャストアドレスが配信対象であるか否かを配信エリア管理サーバに問い合わせ、受信要求パケットの要求するマルチキャストアドレスが配信対象である場合は受信要求パケットを上流に送信し、受信要求パケットの要求するマルチキャストアドレスが配信対象でない場合は受信要求パケットを上流に送信しない手順を、コンピュータに実行させるためのプログラムである。
【0028】
本願発明の多地点配信プログラムは、受信装置と同一のサブネットに繋がるノード(以下、タイプAのノードと記述)と、受信装置と同一のサブネットに繋がっていないノード(以下、タイプBのノードと記述)からなる複数のノードで構成され、全てのノードでマルチキャストルーティングプロトコルが動作し、受信装置からの受信要求メッセージが、該受信装置の属するサブネット内に送出され、タイプAのノードが受信要求メッセージを受信すると、マルチキャストルーティングプロトコルの動作に従って、受信要求パケットが配信ネットワーク内を転送され、配信サーバのマルチキャストパケットを既に受信しているタイプBのノードから、受信要求メッセージを受信したタイプAのノードに、受信要求メッセージの要求するマルチキャストパケットが分岐出力され、マルチキャストパケットを受信したタイプAのノードは、受信要求メッセージを送出した受信装置が繋がっているサブネット内に向けてマルチキャストパケットを出力する多地点配信において、配信可能なサブネットのうちの少なくとも一部のサブネットへの限定配信を行うタイプAのノードを実現するための多地点配信プログラムであって、事前に、マルチキャストアドレスに対応したサブネットアドレスが記述された配信管理テーブルを有し、配信エリア管理サーバの保持するアドレス解決用テーブル内に、各マルチキャストアドレスに対応したサブネットアドレスの欄が設けられ、配信管理テーブル及びアドレス解決用テーブルにおけるサブネットアドレスの欄には、「配信を行うサブネットアドレス」、または「配信を行わないサブネットアドレス」、または「配信の有無を付帯させたサブネットアドレス」のいずれかが記述され、受信要求メッセージ内に書かれたマルチキャストアドレスを配信管理テーブルから検索し、もし、対応するマルチキャストアドレスが配信管理テーブル内にない場合は配信エリア管理サーバに問い合わせ、配信エリア管理サーバから返信される配信サーバのマルチキャストアドレス及びサブネットアドレスを受け取って記憶する手順と、配信管理テーブルに問い合わせたマルチキャストアドレスに対して、得られたサブネットアドレスが配信対象である場合、受信要求メッセージに対応して受信要求パケットを配信ネットワーク内に転送し、配信管理テーブルに問い合わせたマルチキャストアドレスに対して、得られたサブネットアドレスが配信対象外である場合、受信要求メッセージに対応して受信要求パケットを配信ネットワーク内に転送しない手順と、をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【0029】
本願発明の配信エリア管理サーバプログラムは、コンピュータを、マルチキャストアドレスに対応した配信サーバのユニキャストアドレス及び受信側多地点配信装置のユニキャストアドレスを含むアドレス情報を記録するアドレス解決用テーブルと、アドレス情報送信要求を受信すると、アドレス解決用テーブルから要求のあるマルチキャストアドレスに関連付けられているアドレス情報を送信するパケットを作成するテーブル情報パケット化部と、配信エリア管理サーバ内に保持されている全受信側多地点配信装置および全分岐装置の情報をディスプレー上に表示可能にするGUI作成部と、一つのマルチキャストアドレス毎に、各受信側多地点配信装置および各分岐装置が配信対象か否か画面上で指示可能にする入力インターフェイスと、指示された情報を、配信エリア管理サーバ内に保持されているアドレス情報に付加する更新情報作成部と、として機能させるための配信エリア管理サーバプログラムであって、受信側多地点配信装置のユニキャストアドレスの欄には、配信を行う受信側多地点配信装置のユニキャストアドレス、または、配信を行わない受信側多地点配信装置のユニキャストアドレス、または、配信の有無を付帯させた受信側多地点配信装置のユニキャストアドレスのいずれかが記述されているプログラムである。
【0030】
本願発明の配信エリア管理サーバプログラムは、コンピュータを、マルチキャストアドレスに対応したサブネットアドレスを含むアドレス情報を記録するアドレス解決用テーブルと、アドレス情報送信要求を受信すると、アドレス解決用テーブルから要求のあるマルチキャストアドレスに関連付けられているアドレス情報を送信するパケットを作成するテーブル情報パケット化部と、配信エリア管理サーバ内に保持されている全ノードの情報をディスプレー上に表示可能にするGUI作成部と、一つのマルチキャストアドレス毎に、各ノード配下のサブネットアドレスが配信対象か否か画面上で指示可能にする入力インターフェイスと、指示された情報を、配信エリア管理サーバ内に保持されているアドレス情報に付加する更新情報作成部と、として機能させるための配信エリア管理サーバプログラムであって、アドレス解決用テーブルにおける「サブネットアドレス」の欄には、「配信を行うサブネットアドレス」、または「配信を行わないサブネットアドレス」、または「配信の有無を付帯させたサブネットアドレス」のいずれかが記述されているプログラムである。
【0031】
なお、前記各発明は、可能な限り組み合わせることができる。
【発明の効果】
【0032】
本発明により、前記のように、多地点配信において、任意の一部のサブネットへの限定配信を簡単に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】第1の実施の形態における、本発明の多地点配信の機器接続の一例。
【図2】第1の実施の形態における、本発明のシーケンスの一例。
【図3】第1の実施の形態における、本発明の限定配信を実現する配信エリア管理サーバ6内のアドレス解決用テーブルの一例。
【図4】第1の実施の形態における、本発明のアドレス解決用テーブルの第3列の使い方の一例(受信側多地点配信装置4のユニキャストアドレスを基本)。
【図5】第1の実施の形態における、本発明のアドレス解決用テーブルの第3列の別の記述方法の一例(サブネットの情報を記述)。
【図6】第1の実施の形態における、本発明の受信側多地点配信装置4が内部に保持するマルチキャストアドレス解決用の配信情報テーブルの第1の例。
【図7】第1の実施の形態における、本発明の受信側多地点配信装置4が内部に保持するマルチキャストアドレス解決用の配信情報テーブルの第2の例。
【図8】本実施形態に係る受信側多地点配信装置4の機能ブロック図。
【図9】本実施形態に係る配信エリア管理サーバ6の機能ブロック図。
【図10】第1の実施の形態における、本発明の分岐装置3の機能ブロック図。
【図11】第2の実施の形態における、本発明の多地点配信の機器接続の一例。
【図12】第2の実施の形態における、本発明のシーケンスの一例。
【図13】第2の実施の形態における、本発明の分岐装置3に保持される配信管理テーブルの一例。
【図14】第2の実施の形態における、本発明の配信エリア管理サーバ6のアドレス解決用テーブルの第3列の使い方の一例。
【図15】第2の実施の形態における、本発明の配信エリア管理サーバ6のアドレス解決用テーブルの第4列の使い方の一例。
【図16】第2の実施の形態における、本発明の分岐装置3の機能ブロック図。
【図17】第2の実施の形態における、本発明の分岐装置3に保持される配信可否テーブルの一例。
【図18】第2の実施の形態における、分岐装置3に保持されるマルチキャストテーブルの一例。
【図19】第3の実施の形態における、本発明の多地点配信の機器接続の一例。
【図20】第3の実施の形態における、本発明のシーケンスの一例。
【図21】第3の実施の形態における、本発明のタイプBのノード7(7b以外)の機能ブロック図。
【図22】第3の実施の形態における、本発明のタイプAのノード7bの機能ブロック図。また、第4の実施の形態における、本発明のノード7(a、b、c、・・・)の機能ブロック図。
【図23】第3の実施の形態における、本発明のノード7bに保持される配信管理テーブルの一例。
【図24】第3の実施の形態における、本発明のノード7bに保持される配信可否テーブルの一例。
【図25】第4の実施の形態における、本発明の多地点配信の機器接続の一例。
【図26】第4の実施の形態における、本発明のシーケンスの一例。
【図27】第5の実施の形態における、配信エリア管理サーバ6内のアドレス解決用テーブルに保持される(特に第3列の)情報を簡単に登録するためのGUI(Graphics User Interface)画面の一例。
【図28】第5の実施の形態における、本発明の処理のフローチャート。
【図29】第5の実施の形態における、本発明の配信エリア管理サーバ6の機能ブロック図。
【図30】従来の多地点配信の機器接続の一例。
【図31】従来のシーケンスの一例。
【図32】従来のアドレス解決用テーブルの一例。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、図面と共に本発明の実施の形態を説明する。
[第1の実施の形態]
まず、第1の実施の形態における、従来の多地点配信の機器接続および動作について、図30を用いて説明する。第1の実施の形態では、非特許文献2に書かれた方法、即ち、ネットワーク内の全ルータ/L3スイッチ等にIPマルチキャストプロトコルを使用することが難しい場合に、配信サーバ1のLAN(サブネット)内と受信装置5のサブネット内にのみIPマルチキャストプロトコルを使用し、途中の経路ではIPマルチキャストパケットをカプセル化してユニキャストパケットでトンネリングする方法、を使用することを前提とする。尚、図30に記載された機器はIPネットワーク内に設置されており、ルータ/L3スイッチやL2スイッチ/Hubの記述を省略している。
【0035】
まず、受信者が配信される映像音声等を受信すべく受信装置5(a,b,c,…)を操作することにより映像音声再生アプリケーションが起動されると、受信装置5からIGMP Membership Reportメッセージ(以下、Reportメッセージと記す)が、その受信装置5が属するサブネット内に送出される。
【0036】
サブネットAのように、同一サブネットに属する受信側多地点配信装置4は、該Reportメッセージを受信し、その中のマルチキャストアドレスを取り出し、それをキーにして自装置内に保持しているテーブル内を検索する。
【0037】
もし、マルチキャストアドレスが合致した場合には、該マルチキャストアドレスと対にして記録されている「配信サーバ1のユニキャストアドレス」を得、このアドレス宛に受信要求パケットを送信する。
もし、マルチキャストアドレスが合致しない場合、即ち、初めて受信した場合には、マルチキャストアドレス解決を行う。即ち、マルチキャストアドレスが指し示す配信サーバ1のユニキャストアドレスを知るために、マルチキャストアドレス解決サーバ8に問い合わせる。
【0038】
マルチキャストアドレス解決サーバ8は、受信側多地点配信装置4から送られたマルチキャストアドレスをキーに、内部に保持しているアドレス解決用テーブルを検索して、該マルチキャストアドレスと対にして記録されている「配信サーバのユニキャストアドレス」を得、それを受信側多地点配信装置4に返信する。図32は、従来のアドレス解決用テーブルの一例である。
【0039】
マルチキャストアドレス解決サーバ8から返信された「配信サーバのユニキャストアドレス」を受け取った受信側多地点配信装置4は、前記マルチキャストアドレスと該「配信サーバのユニキャストアドレス」を対にして自装置内のテーブルに記録するとともに、該「配信サーバのユニキャストアドレス」を宛先にして受信要求パケットを送信する。
【0040】
受信要求パケットは、該ネットワークで使用されているIPルーティングプロトコルにより、配信の上流である配信サーバ1に向けて転送される。
【0041】
該受信要求パケットがネットワーク内の各分岐点にある分岐装置3(a,b,c,…)に届いた場合、分岐装置3は、このパケット内に書かれたマルチキャストアドレスをキーに内部の分岐テーブルを検索する。
【0042】
もし、既に配信中の場合には、該マルチキャストアドレスに対応する分岐先(分岐装置3または受信側多地点配信装置4)のユニキャストアドレスが書かれており、ここに該受信要求パケットの送信元アドレスを追加する。
【0043】
もし、未配信の場合、分岐テーブル内に該マルチキャストアドレスの記述はないので、該マルチキャストアドレスと該受信要求パケットの送信元アドレスを対にして登録する。そして、自装置のユニキャストアドレスを送信元アドレスとして、配信サーバ1宛に受信要求パケットを送信する。
【0044】
もし、前記受信要求の映像音声ストリームが他のどこにも配信されていない場合には、該受信要求パケットはサーバ側多地点配信装置2に届く。
【0045】
サーバ側多地点配信装置2は、該受信要求パケットを受信すると、内部の配信先テーブルに該受信要求パケットの送信元アドレスを登録するとともに、配信サーバ1から出力されるマルチキャストパケットをカプセル化してユニキャストパケットにし、該ユニキャストパケットを、サーバ側多地点配信装置2が受信した受信要求パケットの送信元(分岐装置3または受信側多地点配信装置4)に向けて出力する。
【0046】
もし、該送信元がネットワーク内の各分岐点にある分岐装置3(a,b,c,…)である場合には、映像音声ストリームのカプセル化されたユニキャストパケットを受信した分岐装置3は、前記内部の分岐テーブルを参照して各パケットを必要数複製し、各受信要求パケットの送信元、即ち、分岐装置3または受信側多地点配信装置4に向けて出力する。
【0047】
もし、該送信元が受信側多地点配信装置4の場合には、受信したユニキャストパケットをデカプセル化して得られたマルチキャストパケットを、この受信側多地点配信装置4が属するサブネット内に送信する。
【0048】
もし、前記受信要求の映像音声ストリームが既にどこかに配信されている場合には、前記受信要求パケットは、分岐装置3またはサーバ側多地点配信装置2に届き、分岐装置3は上述の分岐処理の動作を行い、サーバ側多地点配信装置2は上述のデカプセル化の動作を行う。
【0049】
尚、もし、一つのサブネット内に1つの受信装置しか存在しない場合には、サブネットAのような形態でも良いが、装置が二つになるため、サブネットBのように、1台の受信装置5eの中に受信側多地点配信装置4eの機能を取り込んだ形態もある。このような場合、受信装置5eもサブネットA内の受信装置5と同様な映像や音声を得られる。
【0050】
図31は、上述の各装置間の送受信シーケンスを記述したものである。尚、分岐装置3は複数多段にあっても良い。
【0051】
次に、図1及び図2を参照しながら、本発明の方法、即ち、配信可能な範囲(全体)中の任意の一部のサブネットへの限定配信を実現する方法、について述べる。
従来同様、受信装置5が繋がっている各サブネットには受信側多地点配信装置4が1台繋がれており、該受信側多地点配信装置4のあるサブネットが限定配信の対象である場合には該受信側多地点配信装置4への配信を行い、対象外である場合には該受信側多地点配信装置4への配信を行わない。このように行うことにより、限定配信を実現する。以下、その詳細を述べる。
【0052】
受信装置5内の映像音声再生アプリケーションが起動されると受信装置5からReportメッセージがサブネット内に出力され、これを受信した受信側多地点配信装置4は、該メッセージ中のマルチキャストアドレスを読み取る。該マルチキャストアドレスが初めての場合には、(1)該マルチキャストアドレスに対応する映像又は音声のストリームの配信対象エリアか否かの情報と(2)マルチキャストアドレス解決を行うための情報を配信情報テーブル内に保持していないため、配信エリア管理サーバ6に、マルチキャストアドレスと受信側多地点配信装置のユニキャストアドレスまたはサブネットアドレスを通知して問い合わせる。配信エリア管理サーバ6は、前述のマルチキャストアドレス解決サーバ8の機能と以下に述べる新たな機能を具備している。問い合わせを受けた配信エリア管理サーバ6は、通知されたマルチキャストアドレスをキーに、内部に保持するアドレス解決用テーブルを検索する。
【0053】
図3は、本発明の限定配信を実現する配信エリア管理サーバ6内のアドレス解決用テーブルの一例である。従来のもの(図32)とは、第1列と第2列は同じであるが、新たに第3列が加わり、「受信側多地点配信装置4のユニキャストアドレス」が書き込まれることが異なる。
【0054】
この第3列の「受信側多地点配信装置4のユニキャストアドレス」の使い方には、2通りの方法がある。即ち、ここに書かれている受信側多地点配信装置にのみ配信を行う方法と、ここに書かれている受信側多地点配信装置にのみ配信を行わない方法である。どちらの使い方をするかは、事前に決めておく。
【0055】
以下に、前者である「アドレス解決用テーブルに書かれている受信側多地点配信装置にのみ配信を行う方法」の一例を説明する。
例えば、図3において、第1行第1列のマルチキャストアドレス“239.192.1.1”のマルチキャストサーバからの配信を受信可能なエリアが、第1行第3列に書かれた“192.168.2.0/24”と“192.168.4.0/24”のサブネットのみであり、そのサブネット内に設置されている受信側多地点配信装置4のユニキャストアドレス“192.168.2.10”と“192.168.4.21”が登録されているとする。受信側多地点配信装置4からマルチキャストアドレス“239.192.1.1”の問い合わせが来ると、配信エリア管理サーバ6は、マルチキャストアドレス“239.192.1.1”をキーにテーブルの第1列を検索する。この場合、第1行が合致し、合致した第1行の第3列の内容を読み出す。
【0056】
もし、問い合わせてきた受信側多地点配信装置4のユニキャストアドレスが、そこに書かれた受信側多地点配信装置4のユニキャストアドレス“192.168.2.10”または“192.168.4.21”と一致する場合は、第2列に書かれた配信サーバのユニキャストアドレス“192.168.1.2”を返信する。
【0057】
もし、一致しない場合には、“配信不可”を意味する予め決められた文字列や数字等(例えば、“−”や“255.255.255.255”)を返信するか、または、返信を行わない(この場合は、受信側多地点配信装置4でタイムアウトとして処理される)。
【0058】
また、配信範囲が全体である場合には、予め決められた文字や数字等を使用する。例えば、第2行の第3列のように、予め“all”と決められていて、マルチキャストアドレスが一致した行の第3列に“all”と書かれていた場合には、全ての受信側多地点配信装置4からの問い合わせに対し、第2列に書かれたユニキャストアドレスを返信する。
【0059】
次に、第3列の「受信側多地点配信装置4のユニキャストアドレス」の使い方が後者である「アドレス解決用テーブルに書かれている受信側多地点配信装置にのみ配信を行わない方法」の一例を説明する。
例えば、図3において、第1行第1列のマルチキャストアドレス“239.192.1.1”のマルチキャストサーバからの配信を行わないサブネットが、第1行第3列に書かれた“192.168.2.0/24”と“192.168.4.0/24”のサブネットのみであり、そのサブネット内に設置されている受信側多地点配信装置4のユニキャストアドレス“192.168.2.10”と“192.168.4.21”が登録されているとする。受信側多地点配信装置4からマルチキャストアドレス“239.192.1.1”の問い合わせが来ると、配信エリア管理サーバ6は、マルチキャストアドレス“239.192.1.1”をキーにテーブルの第1列を検索し、この場合に合致した第1行の第3列の内容を読み出す。
【0060】
もし、問い合わせてきた受信側多地点配信装置4のユニキャストアドレスが、そこに書かれた受信側多地点配信装置4のユニキャストアドレス“192.168.2.10”または“192.168.4.21”と一致しない場合は、第2列に書かれた配信サーバのユニキャストアドレスを返信する。
【0061】
もし、一致する場合は、予め決められた“配信不可”を意味する文字列や数字等(例えば、“−”や“255.255.255.255”)を返信するか、または、返信を行わない(この場合は、受信側多地点配信装置4でタイムアウトとして処理される)。
【0062】
また、配信しない範囲が全体である場合には(一時的に配信を停止するような場合での使用が考えられる)、予め決められた文字や数字やアドレス等を使用する。例えば、第2行の第3列のように、予め“all”と決められていて、マルチキャストアドレスが一致した行の第3列に“all”と書かれていた場合には、全ての受信側多地点配信装置4からの問い合わせに対し、予め決められた受信不可を意味する文字列や数字等(例えば、“−”や“255.255.255.255”)を返信するか、または、返信を行わない(この場合は、受信側多地点配信装置4でタイムアウトとして処理される)。
【0063】
また、図4に示すように、第3列の使い方として、第3列に記述された「受信側多地点配信装置4のユニキャストアドレス」が、限定配信の対象なのか、または、対象外なのかも含めて記述する方法がある。
例えば、ユニキャストアドレスの前に“+”を記述した場合は「配信対象」であることを意味し、“−”を記述した場合は「配信対象外」であることを意味する、と事前に決めておく。
【0064】
図4の第1行第3列の場合、“+192.168.2.10”と“+192.168.4.21”の受信側多地点配信装置4は配信対象であり、“−others”で記述されたそれら以外の受信側多地点配信装置4は配信対象外である。第2行第3列は、第1行第3列の逆を意味する記述である。
同様に、第3行第3列の“+all”は全体が「配信対象」であることを意味し、第4行第3列の“−all”は全体が「配信対象外」であることを意味する。
【0065】
さらに、前述の全ての方法では、第3列に受信側多地点配信装置4のユニキャストアドレスを記述すると述べてきたが、受信側多地点配信装置4のユニキャストアドレスがDHCPで決められる場合は固定ではなくなるため、ユニキャストアドレスが変わる度にテーブル内のアドレスの変更が必要になる。これを避ける方法として、サブネットに1台設置される受信側多地点配信装置4のユニキャストアドレスではなく、受信側多地点配信装置4が設置されるサブネット、即ち、配信の対象または対象外であるサブネットのアドレス情報を記述する方法がある。
【0066】
例えば、図5の第1行第3列中に“+192.168.2.0/24”と記述されている場合、サブネットマスクが24bit(バイナリー表現で“11111111.11111111.11111111.00000000”)のサブネットであることを意味している。問い合わせてきた受信側多地点配信装置4(=送信元)のIPアドレスが“192.168.2.10”だとして、このサブネットに属しているか否かの判定は、次のように行う。まず、受信側多地点配信装置4(=送信元)のIPアドレス(32bit)とサブネットマスク(32bit)の各ビットのAND演算を行う。次に、その結果と図5の第1行第3列中に記された“192.168.2.0”(32bit)と照合する。もし一致すれば、該受信側多地点配信装置4は“192.168.2.0/24”のサブネット内にあり、不一致の場合はサブネット外にある。尚、“+”、“−”、“all”、“others”の意味は前述と同じである。
【0067】
尚、配信エリア管理サーバ6内のアドレス解決用テーブルの記載方法としては、マルチキャストアドレス毎にテーブルを用意し(即ち、図4の第1列を用いず)、そこに全受信側多地点配信装置4のユニキャストアドレスと配信の対象か対象外かを記述する(即ち、図4の第2列と第3列を用いる)方法などもある。
【0068】
図6及び図7は、受信側多地点配信装置4が内部に保持するマルチキャストアドレス解決用の配信情報テーブルの一例である。図4または図5の配信エリア管理サーバ6内の情報を返信されたとすると、マルチキャストアドレス”239.192.1.1”の配信は”192.168.2.0/24”と”192.168.4.0/24”のサブネットのみが対象範囲であり、即ち、ユニキャストアドレスが”192.168.2.10”と”192.168.4.21”の受信側多地点配信装置4のみが受信可能である。このため、これら二つの受信側多地点配信装置4が内部に保持するマルチキャストアドレス解決用の配信情報テーブルは図6になり、それ以外の受信側多地点配信装置4の場合は図7になる。
【0069】
図6および図7の情報中の“−”は配信対象外であることを意味しており、この受信側多地点配信装置4と同一サブネット内の受信装置5から、239.192.1.1のマルチキャストアドレスが内包されたReportメッセージが送られてきた場合、受信側多地点配信装置4は何も行わない。
【0070】
尚、受信側多地点配信装置4が内部に保持するマルチキャストアドレス解決用の配信情報テーブルの使い方の別の方法としては、配信対象とするマルチキャストアドレスのみを登録する方法もある。どのような使い方をするかは、事前に決めておく。
【0071】
(受信側多地点配信装置4a、4e)
図8は、本発明の受信側多地点配信装置4の機能ブロック図である。受信側多地点配信装置4は、入出力IF部41と、パケット内容振り分け部42と、受信要求パケット作成部43と、映像音声パケットデカプセル化部44と、終了要求パケット作成部45と、マルチキャストアドレス解決テーブル部46と、問い合わせパケット作成部47、Query応答テーブル49を内包するIGMP処理部48、リモートアクセス等の処理を行うその他処理部50、を備える。
【0072】
入出力IF部41には、受信要求等を意味するReportメッセージや終了要求を意味するIGMP Leave Groupメッセージ(以下、Leaveメッセージと記す)などのIGMPのパケット、カプセル化された映像又は音声ストリームのパケットなどが入力する。パケット内容振り分け部42は、これらのパケットの内容を振り分け、例えば、カプセル化された映像又は音声ストリームのパケットを映像音声パケットデカプセル化部44に、配信エリア管理サーバ6への問い合わせに対する返信パケットの内容を問い合わせパケット作成部47に、ReportメッセージやLeaveメッセージのパケット等のIGMP関連パケットの内容をIGMP処理部48に、それぞれ出力する。
【0073】
IGMP処理部48では、Internet Group Manegement Protocolが動作している。IGMP処理部48は、Reportメッセージのパケットの内容が入力すると、それが受信要求なのか、IGMP Membership Queryメッセージ(以下、Queryメッセージと記す)に対する受信中を示す応答なのかを識別する。受信要求の場合には、それが配信対象エリアか否か判断し、もし配信対象エリアの場合にはマルチキャストアドレス解決を行う必要がある。過去にマルチキャストアドレス解決した情報は、マルチキャストアドレス解決テーブル部46に記録されており、IGMP処理部48は、メッセージ内からマルチキャストアドレスを取り出し、マルチキャストアドレス解決テーブル部46に該マルチキャストアドレスを通知する。
【0074】
マルチキャストアドレス解決テーブル部46は、通知されたマルチキャストアドレスをキーにテーブル内を検索する。もし、合致するマルチキャストアドレスがあれば、対応する情報(配信対象エリアか否か、もし配信対象エリアの場合には配信サーバのユニキャストアドレス)をIGMP処理部48に返信する。
【0075】
もし、合致するマルチキャストアドレスがない場合は、マルチキャストアドレス解決テーブル部46は、配信エリア管理サーバ6に問い合わせるために、問い合わせパケット作成部47にマルチキャストアドレスを通知する。
【0076】
問い合わせパケット作成部47は、配信エリア管理サーバ6宛の問い合わせパケットを作成し、該パケットは、入出力IF部41を介して、配信エリア管理サーバ6に送られる。配信エリア管理サーバ6からの返信内容は、入出力IF部41を介して、パケット内容振り分け部42に通知され、さらに、問い合わせパケット作成部47に送られる。問い合わせパケット作成部47は、配信エリア管理サーバ6の返信内容から、問い合わせたマルチキャストアドレスと、それに対応する配信サーバのユニキャストアドレス又は配信対象外であることを意味する“−”の文字等を組にして、マルチキャストアドレス解決テーブル部46に通知する。
【0077】
マルチキャストアドレス解決テーブル部46は、上述の通知されたアドレス情報に基づき、例えば図6及び図7のような、問い合わせたマルチキャストアドレスと、それに対応するユニキャストアドレス又は配信対象外であることを意味する“−”の文字等を組にしたアドレス情報をテーブル内に格納するとともに、IGMP処理部48に返信する。
【0078】
マルチキャストアドレス解決テーブル部46から返信されたIGMP処理部48は、該アドレス情報の中に配信対象外であることを意味する“−”の文字等がない場合には、前記マルチキャストアドレスと配信サーバのユニキャストアドレスを受信要求パケット作成部43に通知する。
【0079】
受信要求パケット作成部43は、配信サーバ宛の受信要求パケットを作成し、入出力IF部41に転送する。受信要求パケットは、マルチキャストアドレス解決テーブル部46から通知されたユニキャストアドレスを宛先として、マルチキャストアドレスに対応する映像又は音声のストリームの配信を要求する旨のパケットである。この受信要求パケットは、入出力IF部41を介して、ネットワークに出力され、ユニキャストアドレスに従って宛先に転送される。
【0080】
尚、マルチキャストアドレス解決テーブル部46は、問い合わせたマルチキャストアドレスについて、配信対象外であることを意味する“−”の文字等がある場合は、該マルチキャストアドレスとユニキャストアドレスを受信要求パケット作成部43に通知しない。このため、配信対象外であるマルチキャストアドレスについては、受信要求パケット作成部43は、受信要求パケットを作成しない。
【0081】
IGMP処理部48は、受信装置5(図2の場合、5a又は5b又は5c又は5e)が送信したLeaveメッセージのパケットの内容を、入出力IF部41およびパケット内容振り分け部42を介して通知されると、前記マルチキャストアドレスに対応する映像又は音声のストリームを受信中の他の受信装置5の有無を問い合わせるために、Leaveメッセージのパケットの内容の中からマルチキャストアドレスを取り出し、IGMP Menbership Queryメッセージ(以下、Queryメッセージと記す)を作成し、入出力IF部41を介してサブネット内に送出する。Queryメッセージに対する受信中の受信装置5からの応答パケット(Reportメッセージ)の内容は、入出力IF部41およびパケット内容振り分け部42を介してIGMP処理部48に送られる。
【0082】
もし、予め決められた時間内に、他の受信装置から受信中であるとの応答が有った場合には、終了要求パケット作成部45をはじめとして受信側多地点配信装置4はそれ以上何も行わない。
【0083】
もし、予め決められた時間内に、他の受信装置5から受信中であるとの応答が無かった場合には、IGMP処理部48は、この受信側多地点配信装置4並びにこのサブネットへの映像又は音声のストリームの配信を停止するために、終了要求パケット作成部45に前記マルチキャストアドレスを通知するとともに終了要求パケットの出力を指示する。
終了要求パケット作成部45は、マルチキャストアドレス解決テーブル部46に前記マルチキャストアドレスを通知し、対応する配信サーバのユニキャストアドレスを問い合わせる。
【0084】
問い合わせを受けたマルチキャストアドレス解決テーブル部46は、該マルチキャストアドレスに対し、該マルチキャストアドレスをキーにしてテーブル内を検索し、前回の問い合わせに対して記録してあったユニキャストアドレスを読み出し、終了要求パケット作成部45に通知する。
【0085】
終了要求パケット作成部45は、このユニキャストアドレスを宛先として、マルチキャストアドレスに対応する映像又は音声のストリームの配信停止を要求する旨の終了要求パケットを作成し、入出力IF部41に転送する。終了要求パケットは、入出力IF部41を介してネットワークに出力される。
【0086】
尚、上記Leaveメッセージに対応してQueryメッセージをサブネット内に送出する代わりに、常時周期的に出力されるQueryメッセージに対するサブネット内の応答メッセージを記録するQuery応答テーブル49をIGMP処理部48内に設けておき、IGMP処理部48は、Leaveメッセージのパケットの内容をパケット内容振り分け部42から通知されると、その中からマルチキャストアドレスと送信元の受信装置5のユニキャストアドレスを取り出し、該マルチキャストアドレスをキーにしてQuery応答テーブル49に検索することにより、該マルチキャストアドレスに対応する映像又は音声のストリームを受信中の他の受信装置5の有無を知る方法もある。
【0087】
この場合、Query応答テーブル49には、前記サブネットに繋がるルータまたは前記受信装置からIGMPに従って周期的に送出されたQueryメッセージに対する応答が記録されており、即ち、Queryメッセージ内のマルチキャストアドレスとそれに応答した受信装置5のユニキャストアドレスが対になって記録されており、これにより、IGMP処理部48は、前記マルチキャストアドレスをキーにしてQuery応答テーブル49内を検索し、対になって記録されているユニキャストアドレスを、Leaveメッセージのパケットの前記ユニキャストアドレスと照合し、該ユニキャストアドレス以外のユニキャストアドレスの有無、即ち、通知されたユニキャストアドレスの受信装置以外に受信中の他の受信装置5の有無を知ることができる。
【0088】
もし、受信中の他の受信装置5が有る場合には、前記の場合と同様に、終了要求パケット作成部45をはじめとして受信側多地点配信装置4はそれ以上何も行わない。
もし、受信中の他の受信装置5が無い場合には、この受信側多地点配信装置4並びにこのサブネットへの映像又は音声のストリームの配信を停止するために、IGMP処理部48は、終了要求パケット作成部45に前記マルチキャストアドレスを通知するとともに終了要求パケットの出力を指示する。以下、終了要求パケット作成部45の動作は、前記と同じである。
【0089】
映像音声パケットデカプセル化部44は、入出力IF部41およびパケット内容振り分け部42を介してカプセル化された映像音声パケットが入力されると、該パケットをデカプセル化し、入出力IF部41に転送する。入出力IF部41は、これらのパケットを接続されているサブネットに向けて出力する。
【0090】
本実施形態の受信側多地点配信装置4は、コンピュータとプログラムによっても実現でき、プログラムを記録媒体に記録することも、ネットワークを通して提供することも可能である。
【0091】
(配信エリア管理サーバ6)
図9は、本実施形態における配信エリア管理サーバ6の機能ブロック図である。配信エリア管理サーバ6は、入出力IF部61と、パケット内容振り分け部62と、テーブル情報更新部63、アドレス解決用テーブル64と、テーブル情報パケット化部65と、リモートアクセス等の処理を行うその他処理部66、を備える。
【0092】
アドレス解決用テーブル64は、映像又は音声のストリームをマルチキャストで受信装置5に配信する配信サーバ1のアドレス情報を格納する。配信サーバ1のアドレス情報の例を、図3、図4及び図5に示す。入出力IF部61には、各受信側多地点配信装置4からの「アドレス情報送信要求」と、各配信サーバ1からの「アドレス解決用テーブル情報の新規登録または変更または削除の情報」等が入力する。「アドレス情報送信要求」は、(1)該マルチキャストアドレスに対応する映像又は音声のストリームの配信対象エリアに関する情報と、(2)マルチキャストアドレス解決、即ち、マルチキャストアドレスに対応する映像又は音声のストリームを出力する配信サーバのユニキャストアドレス、の問い合わせである。パケット内容振り分け部62は、これらのパケットの内容を振り分け、「アドレス情報送信要求」をテーブル情報パケット化部65に、「アドレス解決用テーブル情報の新規登録または変更または削除の情報」をテーブル情報更新部63に、それぞれ出力する。
【0093】
「アドレス情報送信要求」が入力されたテーブル情報パケット化部65は、アドレス解決用テーブル64にマルチキャストアドレスを通知する。アドレス解決用テーブル64は、通知されたマルチキャストアドレスをキーにテーブル内を検索し、マルチキャストアドレスが一致した行の(1)該マルチキャストアドレスに対応する映像又は音声のストリームの配信対象エリアに関する情報と(2)マルチキャストアドレスに対応する映像又は音声のストリームを出力する配信サーバのユニキャストアドレス、をテーブル情報パケット化部65に通知する。テーブル情報パケット化部65は、受信側多地点配信装置4に対して「アドレス情報送信要求」に対する返信パケットを作成し、入出力IF部61に転送する。入出力IF部61は、受信側多地点配信装置4に向けて、該返信パケットをネットワークに出力する。
【0094】
「アドレス解決用テーブル情報の新規登録または変更または削除の情報」を入力されたテーブル情報更新部63は、これらの情報をアドレス解決用テーブル64に通知してアドレス解決用テーブル情報を更新し、その終了通知パケットを入出力IF部61に転送する。入出力IF部61は、これらのパケットをそれぞれの送信元に向けて送信する。また、テーブル情報更新部63は、情報更新通知をテーブル情報パケット化部65に送り、テーブル情報パケット化部65は、それまでに「アドレス情報送信要求」を送ってきた全ての受信側多地点配信装置4宛に情報更新通知パケットを作成し、入出力IF部61を介して送信する。
【0095】
本実施形態に係る配信エリア管理サーバ6は、コンピュータとプログラムによっても実現でき、プログラムを記録媒体に記録することも、ネットワークを通して提供することも可能である。
【0096】
(分岐装置3)
図10は、本実施形態における分岐装置3の機能ブロック図である。分岐装置3は、入出力IF部31と、パケット内容振り分け部32と、ユニキャストパケット処理部33、ユニキャストルーティングプロトコル処理部34と、フレックスキャストパケット処理部35と、フレックスキャストプロトコル処理部36、リモートアクセス等の処理を行うその他処理部37、を備える。
【0097】
本分岐装置3の各入出力IF31(#a、・・・、n)に入力したパケットはパケット振り分け部32に転送され、ユニキャストパケット処理部33、ユニキャストルーティングプロトコル処理部34、フレックスキャストパケット処理部35、フレックスキャストプロトコル処理部36、その他処理部37に振り分けられる。
【0098】
ユニキャストルーティングプロトコル処理部34は、“自ノードに関連するユニキャストルーティングプロトコルのパケット”からルーティング情報を得、それをユニキャストパケット処理部33に通知する。また、ユニキャストルーティングプロトコルに関連するパケットを作成してパケット振り分け部32に出力し、パケット振り分け部32で宛先に繋がる各入出力IF31(#a、・・・、n)に振り分けられ、各入出力IF31(#a、・・・、n)を介してネットワークに出力される。
【0099】
ユニキャストパケット処理部33には、“自ノードに関連するユニキャストルーティングプロトコルのパケット”以外のユニキャストパケットが入力し、前記ユニキャストルーティングプロトコル処理部34から通知されたルーティング情報に基づいて出力先が決定され、パケット振り分け部32で宛先に繋がる各入出力IF31(#a、・・・、n)に振り分けられ、各入出力IF31(#a、・・・、n)を介してネットワークに出力される。
【0100】
フレックスキャストプロトコル処理部36は、入力したフレックスキャストプロトコルのパケット(受信要求パケットや終了要求パケット)をプロトコルに従って処理する。受信要求パケットや終了要求パケットを上流の分岐ノード3またはサーバ側多地点配信装置2に出力する必要がある場合には、それらのパケットを作成してパケット振り分け部32に出力する。また、分岐処理の新たな開始や終了が必要になる場合には、フレックスキャストプロトコル処理部36は、フレックスキャストパケット処理部35にマルチキャストアドレスとサーバのユニキャストアドレスを通知する。通知を受けたフレックスキャストパケット処理部35は、新たな分岐装置3または受信側多地点配信装置2に向けて分岐処理を追加したり、現在ある分岐装置3または受信側多地点配信装置2に向けて行っている分岐処理を終了する。フレックスキャストパケット処理部35で作成されたパケットは、パケット振り分け部32に出力される。パケット振り分け部32に入力したパケットは、宛先に繋がる各入出力IF31(#a、・・・、n)に振り分けられ、各入出力IF31(#a、・・・、n)を介してネットワークに出力される。
【0101】
本実施形態のノード7(a,b,c,…)は、コンピュータとプログラムによっても実現でき、プログラムを記録媒体に記録することも、ネットワークを通して提供することも可能である。
【0102】
[第2の実施の形態]
分岐装置3による配信可能な範囲(全体)中の任意の一部のサブネットへの限定配信を実現する実施の形態について述べる。第1の実施の形態との違いは、図11に示すように、分岐装置3が、受信側多地点配信装置4と同様に、下流から送られてきた受信要求パケットに対して受信要求パケットを上流に送出するか否かを配信エリア管理サーバ6に問い合わせることである。それ以外については、多地点配信の機器接続および各機器の動作は、第1の実施の形態で述べたことと同様である。
【0103】
分岐装置3が、もし、下流から送られてきた受信要求パケットに対して受信要求パケットを上流に送出しないと、その下流にある全ての分岐装置3および全ての受信側多地点配信装置4に、要求された映像音声ストリームは流れない。これを利用すると、配信対象外のサブネットをまとめて対象外にすることができる。例えば、分岐装置3はロケーション毎や組織毎に置かれることが多く、そのような場合には、該分岐装置3に特定のマルチキャストアドレスを配信対象として設定しない、または、配信対象外として設定することにより、ロケーション毎や組織毎の配信の有無を簡単に設定することができる。
【0104】
分岐装置3が、下流から送られてきた受信要求に対して、上流に受信要求を送出するか否かの情報は、第一の実施の形態で述べたように、最初、配信エリア管理サーバ6内に保持されている。
【0105】
分岐装置3は、受信要求パケットを受信すると、その内部に書かれているマルチキャストアドレスを取り出し、それをキーとして分岐装置3内の配信管理テーブル内を検索する。分岐装置3内の配信管理テーブルの一例を、図13に示す。
もし、そのマルチキャストアドレスが、分岐装置3が初めて受信したマルチキャストアドレスの場合には、分岐装置3内の配信管理テーブル内には書かれていないので、配信エリア管理サーバ6に問い合わせる。
【0106】
配信エリア管理サーバ6は、送られてきたマルチキャストアドレスをキーにして、自装置内のアドレス解決用テーブル内を検索し、配信範囲および配信サーバのユニキャストアドレスの情報を得、それを返信する。アドレス解決用テーブルは、第1の実施の形態の図3または図4または図5と同様であり、第3列に、分岐装置3のユニキャストアドレスを受信側多地点配信装置4のユニキャストアドレスとともに併記する方法がある。図4を基にした場合の一例を図14に示す。
【0107】
第1行第3列の“192.168.101.3”,“192.168.102.4”,“192.168.103.5”は各分岐装置3のユニキャストアドレスであり、配信サーバ1から受信側多地点配信装置4までの経路上にある全ての分岐装置3のユニキャストアドレスが「+」を伴って記述されていないと、このマルチキャストアドレスに対応する映像又は音声のストリームは配信されない。
第2行第3列の“192.168.103.5”は分岐装置3のユニキャストアドレスであり、「−」を伴って記述された分岐装置の下流には、このマルチキャストアドレスに対応する映像又は音声のストリームは配信されない。もし、配信サーバ1から受信側多地点配信装置4までの経路上にいずれかの分岐装置3のユニキャストアドレスが記述されていると、このマルチキャストアドレスに対応する映像又は音声のストリームは配信されない。
【0108】
また、別の方法として、第4列として新たな欄を設け、そこに分岐装置3のユニキャストアドレスを記述する方法がある。図5を基にした場合の一例を図15に示す。この場合は、問い合わせパケットに、問い合わせ元が受信側多地点配信装置4か分岐装置3かの識別子があると、どちらか一方の欄のみを検索すればよいため効率的になる。
【0109】
配信エリア管理サーバ6から返信を受信した分岐装置3は、その内容を基に自装置内の配信管理テーブルに記録するとともに、下流に配信可の場合には受信要求パケットを上流に送出し、配信不可の場合には受信要求パケットを送出しない。
【0110】
受信側多地点配信装置4に保持される配信情報テーブルの場合には、前記マルチキャストアドレスに対応する配信サーバのユニキャストアドレスを保持しているが、分岐装置3に保持される配信管理テーブルの場合には、該ユニキャストアドレスが“分岐装置3が受信する受信要求パケットの宛先”に書かれているので、配信サーバのユニキャストアドレスはなくても良い。
【0111】
図12は、第2の実施の形態における本発明のシーケンスの一例である。図12では、受信側多地点配信装置4が配信対象であり、そのため、その上流の分岐装置3は全て配信可の場合の動作を行う。もし、受信側多地点配信装置4が配信対象外の場合は、少なくともその直近の分岐装置3から下流には、映像音声ストリームは流れない。
【0112】
尚、図12では、送信側多地点配信装置2は、受信要求を受信すると無条件で下流に配信しているが、送信側多地点配信装置2も分岐装置3と同様に配信管理テーブル(一例、図13)等を有し、これを用いて限定配信を実現する方法もある。
【0113】
受信側多地点配信装置4および配信エリア管理サーバ6の機能ブロック図は、第1の実施の形態と同様、図8および図9である。
【0114】
図16は、第2の実施の形態における分岐装置3の機能ブロック図である。第1の実施の形態における分岐装置3との違いは、内部に配信管理部38を有することであり、これに関連しない各機能ブロックの動作は、第1の実施の形態で述べた内容と同じである。
【0115】
本分岐装置3の各入出力IF31(#a、・・・、n)に入力したパケットはパケット振り分け部32に転送され、ユニキャストパケット処理部33、ユニキャストルーティングプロトコル処理部34、フレックスキャストパケット処理部35、フレックスキャストプロトコル処理部36、その他処理部37に振り分けられる。
【0116】
本分岐装置3が、受信側多地点配信装置3または他の分岐装置3から出力された受信要求パケットを、入出力IF31を介して受信すると、パケット振り分け部32で振り分けられ、フレックスキャストプロトコル処理部36に送られる。フレックスキャストプロトコル処理部36は、受信した受信要求パケットからマルチキャストアドレスと送信元ユニキャストアドレスを読み出し、該マルチキャストアドレスに対応する映像又は音声のストリームを、本分岐装置3の下流に配信するか否かを配信管理部38に問い合わせる。即ち、該マルチキャストアドレスと送信元ユニキャストアドレスを配信管理部38に通知する。
配信管理部38は、内包する配信管理テーブル39(一例、図13)を有し、通知されたマルチキャストアドレスをキーに配信管理テーブル39内を検索する。
【0117】
もし、該テーブル内に、前記通知されたマルチキャストアドレスと、それに対応する配信対象のユニキャストアドレス又はサブネットアドレスの情報が登録されている場合には、ユニキャストアドレス同士を照合するか又は前記図5のところで説明したような方法により、前記送信元ユニキャストアドレスが配信対象か否かを判定し、受信要求パケットを送信して来た受信側多地点配信装置3または他の分岐装置3への配信の可否をフレックスキャストプロトコル処理部36に返信する。
【0118】
もし、登録されていない場合には、前記配信エリア管理サーバ6に問い合わせ、前記配信エリア管理サーバ6からの返信内容を配信管理テーブル39に反映させるとともに、前記サブネットが配信対象か否かをフレックスキャストプロトコル処理部36に返信する。
【0119】
ここで、本実施の形態では、配信エリア管理サーバ6の保持するアドレス解決用テーブル64内に、図3または図4または図5の第3列と同様のテーブル情報である、各マルチキャストアドレスに対応したサブネットアドレスの欄が設けられている。アドレス解決用テーブル64におけるサブネットアドレスの欄は、「配信を行うサブネットアドレス」、または「配信を行わないサブネットアドレス」、または「配信の有無を付帯させたサブネットアドレス」のいずれかが記述されている。
【0120】
また、前記アドレス解決用テーブル64内のサブネットアドレスの欄に、サブネットアドレスの代わりに、受信装置5が繋がるサブネットに繋がるノード7bの入出力IF71のユニキャストアドレス(通常、デフォルトゲートウェイ)を、第一の実施の形態で述べた受信側多地点配信装置4のユニキャストアドレスのように用いる方法もある。この場合、前記アドレス解決用テーブル64内のサブネットアドレスの欄の中身は、図3または図4または図5の第3列のように、「配信を行うユニキャストアドレス」、または「配信を行わないユニキャストアドレス」、または「配信の有無を付帯させたユニキャストアドレス」のいずれかが記述される。
【0121】
フレックスキャストプロトコル処理部36は、配信管理部38からの返信内容が、もし、前記サブネットが配信対象の場合には、使用されているマルチキャストルーティングプロトコルに従って、受信要求パケット(Joinパケット等)を作成する。作成された受信要求パケットは、パケット振り分け部32で振り分けられ、入出力IF71を介してネットワークに出力される。もし、前記サブネットが配信対象外の場合には、前記Reportメッセージに対して何も行わない。
【0122】
フレックスキャストプロトコル処理部36は、配信可否テーブル80(例、図17)を有してもよい。前記配信管理部38からの返信内容(マルチキャストアドレスとサブネットアドレスの組に対する配信可否の情報)を記録しておき、Reportメッセージが入力したときには、まず配信可否テーブル80を検索する。もし、配信可否テーブル80内に検索対象となるマルチキャストアドレスとサブネットアドレスの組に対する配信可否の情報がない場合には、前述したように配信管理部38への問い合わせを行う。もし、配信可否の情報がある場合には、前述したようにフレックスキャストパケット処理部35が受信要求パケット(Joinパケット等)を作成するか、何もしないかの動作を行う。これにより、ノード7bの動作を速くすることができる。
【0123】
ノード7bが、同一のサブネットに繋がるある受信装置5から出力されたLeaveメッセージを、入出力IF71を介して受信すると、パケット振り分け部32で振り分けられ、フレックスキャストプロトコル処理部36に送られる。フレックスキャストプロトコル処理部36は、内部に、例えば現在配信中のマルチキャストアドレスを保持するマルチキャストテーブル(例、図18)を保持しており、該テーブルを参照する。
【0124】
もし、受信したLeaveメッセージ中に書かれたマルチキャストアドレスが該テーブル中にない場合には、既に配信が行われていないため、これ以上何も行わない。
【0125】
前記メッセージ中に書かれたマルチキャストアドレスが該テーブル中にある場合には、フレックスキャストプロトコル処理部36は、前記内部に保持するマルチキャストテーブル中に保持されている該マルチキャストアドレスを抹消するとともに、使用されているマルチキャストルーティングプロトコルに従って、終了要求パケット(Leaveパケット等)を作成する。作成された受信要求パケットは、パケット振り分け部32で振り分けられ、入出力IF71を介してネットワークに出力される。
【0126】
本実施形態の分岐装置3は、コンピュータとプログラムによっても実現でき、プログラムを記録媒体に記録することも、ネットワークを通して提供することも可能である。
【0127】
[第3の実施の形態]
本発明の第3の実施の形態における多地点配信の機器接続について、図19で説明する。これらの機器はIPネットワーク上に設置されている。また、各機器間のシーケンスを図20に示す。
【0128】
本発明の第3の実施の形態は、端的に言えば、本発明の第1の実施の形態を、サーバ側多地点配信装置2、分岐装置3、受信側多地点配信装置4を使用せずに、できるだけ市販のルータやL3スイッチなどを利用して実現する場合である。
【0129】
配信ネットワークは、一つ又は複数の受信装置と同一のサブネットに繋がるノード(以下、タイプAのノードと記述)と、一つ又は複数の受信装置と同一のサブネットに繋がっていないノード(以下、タイプBのノードと記述)からなる複数のノードで構成され、配信ネットワーク内の全てのノード7では何らかのマルチキャストルーティングプロトコルが動作している。タイプAのノード7bは、タイプBの他のノード7とは異なり、第1の実施の形態における受信側多地点配信装置4に相当する機能を有している。
【0130】
ある受信者が、配信される映像音声等を視聴すべくある受信装置5(a,b,c,…)を操作することにより映像音声再生アプリケーションが起動されると、該受信装置5からReportメッセージが、該受信装置5が属するサブネット内に送出される。
【0131】
このReportメッセージを、タイプAのノードであるノード7bが受信する。
もし、該Reportメッセージ中に書かれたマルチキャストアドレスに対応する「映像又は音声のストリーム」の配信範囲内にノード7bが繋がるサブネットが含まれている場合には、ノード7bは、使用されているマルチキャストルーティングプロトコルに従って、受信要求パケット(Joinパケット等)を作成する。該受信要求パケットは、前記マルチキャストルーティングプロトコルの動作に従ってネットワーク内を転送される。そして、もし、ノード7aがマルチキャストサーバ1のパケットを既に受信してノード7b以外に分岐出力している場合には、ノード7bに向けて分岐を行い、その出力されたマルチキャストパケットがノード7c等に中継されてノード7bに送られてくる。このマルチキャストパケットを受信したノード7bは、前記Reportメッセージを送出した受信装置5が繋がっているサブネット内に向けてマルチキャストパケットを出力する。
【0132】
もし、前記Reportメッセージ中に書かれたマルチキャストアドレスに対応する映像又は音声のストリームの配信範囲内に、ノード7bが繋がるサブネットが含まれていない場合には、ノード7bは、前記Reportメッセージに対して何も行わない。これにより、前記Reportメッセージ中に書かれたマルチキャストアドレスに対応する映像又は音声のストリームのマルチキャストパケットはノード7bに送られて来ず、ノード7bが繋がるサブネットにも流れない。
【0133】
また、受信者が、配信されている映像音声等の視聴を終了すべくある受信装置5(a,b,c,…)を操作することにより映像音声再生アプリケーションが停止または終了されると、該受信装置5からLeaveメッセージが、その受信装置5が属するサブネット内に送出される。
【0134】
この受信装置5と同一のサブネットに繋がるノード7bは、このLeaveメッセージを受信する。
もし、該Leaveメッセージ中のマルチキャストアドレスに対応する映像又は音声のストリームを受信中の受信装置5が他にある場合、即ち、周期的に出力される前記マルチキャストアドレスを内包したQueryメッセージに対してReportメッセージを出している受信装置5が他にある場合には、何も行わない。
【0135】
もし、他に受信要求のReportメッセージを出している受信装置5がない場合には、終了要求パケット(Leaveパケット等)を作成する。該終了要求パケットは、前記マルチキャストルーティングプロトコルの動作に従ってネットワーク内を転送される。
【0136】
そして、もし、ノード7aがノード7bに向けてマルチキャストパケットを分岐出力していた場合には、ノード7bに向けたマルチキャストパケットの分岐出力を終了する。これにより、前記Reportメッセージ中に書かれたマルチキャストアドレスに対応する映像又は音声のストリームのマルチキャストパケットは、ノード7bに送られて来なくなり、ノード7bが繋がるサブネットにも流れなくなる。
【0137】
図21に、本実施の形態における、タイプB(“受信装置5と同一のサブネットに繋がるノード(7b)”以外)のノード7(a、c、・・・)の機能ブロックの概略を示す。
【0138】
タイプBのノード7は、いわゆる市販のルータまたはL3SWまたはこれらと同等の装置であり、一つまたは複数の入出力IF71(#a、・・・、n)、パケット振り分け部72、ユニキャストパケット処理部73、ユニキャストルーティングプロトコル処理部74、マルチキャストパケット処理部75、マルチキャストルーティングプロトコル処理部76、および、それ以外の処理(例えば、オペレーション関連等)を行う、その他処理部77を有す。
【0139】
本ノード7(タイプB)の各入出力IF71(#a、・・・、n)に入力したパケットはパケット振り分け部72に転送され、ユニキャストパケット処理部73、ユニキャストルーティングプロトコル処理部74、マルチキャストパケット処理部75、マルチキャストルーティングプロトコル処理部76、その他処理部77に振り分けられる。
【0140】
ユニキャストルーティングプロトコル処理部74は、“自ノードに関連するユニキャストルーティングプロトコルのパケット”からルーティング情報を得、それをユニキャストパケット処理部73に通知する。また、ユニキャストルーティングプロトコルに関連するパケットを作成してパケット振り分け部72に出力し、パケット振り分け部72で宛先に繋がる各入出力IF71(#a、・・・、n)に振り分けられ、各入出力IF71(#a、・・・、n)を介してネットワークに出力される。
【0141】
ユニキャストパケット処理部73には、“自ノードに関連するユニキャストルーティングプロトコルのパケット”以外のユニキャストパケットが入力し、前記ユニキャストルーティングプロトコル処理部74から通知されたルーティング情報に基づいて出力先が決定され、パケット振り分け部72で宛先に繋がる各入出力IF71(#a、・・・、n)に振り分けられ、各入出力IF71(#a、・・・、n)を介してネットワークに出力される。
【0142】
マルチキャストルーティングプロトコル処理部76は、入力した“自ノードに関連するマルチキャストルーティングプロトコルのパケット”からルーティング情報を得、それをマルチキャストパケット処理部75に通知する。また、マルチキャストルーティングプロトコルに関連するパケットを作成する。また、IGMPに関連するパケットを入力し、プロトコル処理し、関連するパケットを作成する。これらの作成されたパケットは、パケット振り分け部72に送られ、そこで宛先に繋がる各入出力IF71(#a、・・・、n)に振り分けられ、各入出力IF71(#a、・・・、n)を介してネットワークに出力される。
【0143】
マルチキャストパケット処理部75には、“自ノードに関連するマルチキャストルーティングプロトコルのパケット”以外のマルチキャストパケットが入力し、前記マルチキャストパケット処理部75から通知されたルーティング情報に基づいて分岐対象となるパケットが複製され、パケット振り分け部72で宛先に繋がる各入出力IF71(#a、・・・、n)に振り分けられ、各入出力IF71(#a、・・・、n)を介してネットワークに出力される。
【0144】
図22に、タイプAのノード7bの機能ブロックの概略を示す。ノード7bは、受信装置5のサブネットに繋がっているルータまたはL3SWまたはこれらと同等の機器をベースとした装置であって、ノード7bも前述のタイプBのノード7(a、b、c、・・・)の機能を有し、同様の動作を行う。タイプBとの大きな違いは、内部に配信管理部78を有することである。
【0145】
ノード7bが、同一のサブネットに繋がるある受信装置5から出力されたReportメッセージを、入出力IF71を介して受信すると、パケット振り分け部72で振り分けられ、マルチキャストルーティングプロトコル処理部76に送られる。マルチキャストルーティングプロトコル処理部76は、受信したReportメッセージからマルチキャストアドレスを読み出し、該マルチキャストアドレスに対応する映像又は音声のストリームを、ノード7bが繋がるサブネットに配信するか否かを配信管理部78に問い合わせる。即ち、該マルチキャストアドレスと前記サブネットアドレスを配信管理部78に通知する。
配信管理部78は、配信管理テーブル79(一例、図23)を有し、通知されたマルチキャストアドレスをキーに配信管理テーブル79内を検索する。
【0146】
もし、該テーブル内に、前記通知されたマルチキャストアドレスとそれに対応する配信対象のサブネットアドレスの情報が登録されている場合には、前記図5のところで説明したような方法により、前記サブネットアドレスが配信対象か否かを判定し、前記サブネットへの配信の可否をマルチキャストルーティングプロトコル処理部76に返信する。
【0147】
もし、登録されていない場合には、前記配信エリア管理サーバ6に問い合わせ、前記配信エリア管理サーバ6からの返信内容を配信管理テーブル79に反映させるとともに、前記サブネットが配信対象か否かをマルチキャストルーティングプロトコル処理部76に返信する。
【0148】
ここで、本実施の形態では、配信エリア管理サーバ6の保持するアドレス解決用テーブル64内に、図3または図4または図5の第3列と同様のテーブル情報である、各マルチキャストアドレスに対応したサブネットアドレスの欄が設けられている。アドレス解決用テーブル64におけるサブネットアドレスの欄は、「配信を行うサブネットアドレス」、または「配信を行わないサブネットアドレス」、または「配信の有無を付帯させたサブネットアドレス」のいずれかが記述されている。
【0149】
また、前記アドレス解決用テーブル64内のサブネットアドレスの欄に、サブネットアドレスの代わりに、受信装置5が繋がるサブネットに繋がるノード7bの入出力IF71のユニキャストアドレス(通常、デフォルトゲートウェイ)を、第一の実施の形態で述べた受信側多地点配信装置4のユニキャストアドレスのように用いる方法もある。この場合、前記アドレス解決用テーブル64内のサブネットアドレスの欄の中身は、図3または図4または図5の第3列のように、「配信を行うユニキャストアドレス」、または「配信を行わないユニキャストアドレス」、または「配信の有無を付帯させたユニキャストアドレス」のいずれかが記述される。
【0150】
マルチキャストパルーティングプロトコル処理部76は、配信管理部78からの返信内容が、もし、前記サブネットが配信対象の場合には、使用されているマルチキャストルーティングプロトコルに従って、受信要求パケット(Joinパケット等)を作成する。作成された受信要求パケットは、パケット振り分け部72で振り分けられ、入出力IF71を介してネットワークに出力される。もし、前記サブネットが配信対象外の場合には、前記Reportメッセージに対して何も行わない。
【0151】
マルチキャストルーティングプロトコル処理部76は、配信可否テーブル80(例、図24)を有してもよい。前記配信管理部78からの返信内容(マルチキャストアドレスとサブネットアドレスの組に対する配信可否の情報)を記録しておき、Reportメッセージが入力したときには、まず配信可否テーブル80を検索する。もし、配信可否テーブル80内に検索対象となるマルチキャストアドレスとサブネットアドレスの組に対する配信可否の情報がない場合には、前述したように配信管理部78への問い合わせを行う。もし、配信可否の情報がある場合には、前述したようにマルチキャストパケット処理部75が受信要求パケット(Joinパケット等)を作成するか、何もしないかの動作を行う。これにより、ノード7bの動作を速くすることができる。
【0152】
ノード7bが、同一のサブネットに繋がるある受信装置5から出力されたLeaveメッセージを、入出力IF71を介して受信すると、パケット振り分け部72で振り分けられ、マルチキャストルーティングプロトコル処理部76に送られる。マルチキャストルーティングプロトコル処理部76は、内部に、例えば現在配信中のマルチキャストアドレスを保持するマルチキャストテーブル(例、図18)を保持しており、該テーブルを参照する。
【0153】
もし、受信したLeaveメッセージ中に書かれたマルチキャストアドレスが該テーブル中にない場合には、既に配信が行われていないため、これ以上何も行わない。
【0154】
前記メッセージ中に書かれたマルチキャストアドレスが該テーブル中にある場合には、マルチキャストルーティングプロトコル処理部76は、前記内部に保持するマルチキャストテーブル中に保持されている該マルチキャストアドレスを抹消するとともに、使用されているマルチキャストルーティングプロトコルに従って、終了要求パケット(Leaveパケット等)を作成する。作成された受信要求パケットは、パケット振り分け部72で振り分けられ、入出力IF71を介してネットワークに出力される。
【0155】
本実施形態のノード7(a,b,c,…)は、コンピュータとプログラムによっても実現でき、プログラムを記録媒体に記録することも、ネットワークを通して提供することも可能である。
【0156】
[第4の実施の形態]
本発明の第4の実施の形態における多地点配信の機器接続について、図25及び図26で説明する。本実施の形態は、端的に言えば、本発明の第2の実施の形態を、サーバ側多地点配信装置2、分岐装置3、受信側多地点配信装置4を使用せずに、できるだけ市販のルータやL3スイッチなどを利用して実現する形態である。
【0157】
また、別の言い方をすれば、タイプAの(一つ又は複数の受信装置5と同一のサブネットに繋がる)ノード7bだけでなく、タイプBのノード7(a、c、...)においても、機能ブロック「配信管理部78」を有し、これを用いて、下流への配信の可否を判断するものである。このため、全てのノード7は、配信エリア管理サーバ6への問い合わせを行い、返信内容を保持する。
【0158】
よって、本実施の形態の全てのノード7の機能ブロック図は、図22に示すように、第3の実施の形態のタイプAのノード7bと同様になり、市販のルータやL3スイッチなどに配信管理部78の機能を加えたものに相当する。配信管理部78は、下流からの受信要求パケットに対し、“受信要求パケット内に記述されているマルチキャストアドレス”に対応する“映像又は音声のストリーム”の下流への送出の可否を判断するための配信管理テーブル79を有している。その他の動作も、第3の実施の形態のタイプAのノード7bと基本的に同様である。
【0159】
もし、配信管理テーブル79内に、前記受信要求パケット内に記述されているマルチキャストアドレスに関する情報がない場合には、配信エリア管理サーバ6に問い合わせ、その返信内容に基づいて、上流への受信要求パケットの送出の有無を決定する。
【0160】
本実施の形態における配信エリア管理サーバ6の動作は、第1乃至第3の実施の形態における配信エリア管理サーバ6の動作と同様である。
【0161】
本実施形態のノード7(a,b,c,…)は、コンピュータとプログラムによっても実現でき、プログラムを記録媒体に記録することも、ネットワークを通して提供することも可能である。
【0162】
[第5の実施の形態]
配信エリア管理サーバ6内のアドレス解決用テーブルに保持される情報(第1列〜第3列)は、配信する映像音声ストリームが生じる度に登録する必要があるが、第3列の情報を簡単に登録するために、以下に述べるようなGUI(Graphics User Interface)を使用することができる。
【0163】
図27に一例を示すように、配信エリア管理サーバ6内に保持されている全受信側多地点配信装置4および全分岐装置3の情報(例えば、装置名または装置番号、IPアドレス、等)をディスプレー上に表示し、一つのマルチキャストアドレス毎に、各受信側多地点配信装置4および各分岐装置3が配信対象か否か(図27では、配信対象:“○”、配信対象外:“×”、例えば、クリックすると“○”と“×”が交互に入れ替わる、等)を画面上で指示できるようにする(S501〜S502)。尚、図27では、複数のマルチキャストアドレスを1つの画面に表示しているが、1つの画面に一つのマルチキャストアドレスを表示して複数の画面で構成することもできる。
【0164】
さらに、これら各分岐装置3および各受信側多地点配信装置4のトポロジー(接続)情報を反映できるようにし、あるマルチキャストアドレスにおいて、上流にあるサーバ側多地点配信装置2または分岐装置3を配信対象外、即ち、図27で“×”表示にした場合、その下流にある全ての分岐装置3または受信側多地点配信装置4を配信対象外、即ち、図27で“×”表示にする。
【0165】
逆に、上流の装置が配信対象外にために図27で“×”表示されている分岐装置3または受信側多地点配信装置4を配信対象に、即ち、図27で“○”表示にしようとした場合には、状況説明と操作の確認を行うメッセージを表示し、確認できた場合には該装置の上流全ての装置を配信対象に、即ち、図27で“○”表示する。
【0166】
以上のように画面で指示された情報に基づき、配信エリア管理サーバ6内に保持されている図3乃至図5のアドレス解決用テーブルを随時更新し(図28に示す符号S503〜S506)、受信側多地点配信装置4および分岐装置3からの問い合わせに応答する。
【0167】
尚、図27のサーバ側多地点配信装置2において、“−”で表した欄は、そのマルチキャストアドレスに関与していないことを示している。図28に、上述の処理のフローチャートを示す。
【0168】
図29は、本実施の形態における配信エリア管理サーバ6の機能ブロック図である。配信エリア管理サーバ6は、第一の実施の形態における配信エリア管理サーバ6と同様の、入出力IF部61と、パケット内容振り分け部62と、テーブル情報更新部63と、アドレス解決用テーブル64と、テーブル情報パケット化部65と、リモートアクセス等の処理を行うその他処理部66を備え、更に、GUI画面を用いて各種設定や変更を行うための、リモート通信処理部66、更新情報作成部67、トポロジー情報記憶部68、GUI画面作成部69、ディスプレー出力IF100、入力インターフェイスとしてのマウス/キーボード入力IF101、を備える。
【0169】
GUI画面を用いて各種設定や変更を行うために、まず、GUI画面作成部69は、アドレス解決用テーブル64から通知された情報を用いて、GUI画面を作成する。作成された画面は、配信エリア管理サーバ6のディスプレー出力IF100を介して、外部のディスプレーに表示することができる。また、作成された画面はリモート通信処理部66にも送られてパケット化され、そこから入出力IF部61を介してネットワーク経由で遠隔のディスプレーに表示することができる。
【0170】
ディスプレーの表示に対して各種設定や変更を行う場合には、マウスまたはキーボードを操作する。この操作情報は、マウス/キーボード入力IF101を介して更新情報作成部67に送られる。ネットワークを経由して遠隔から操作を行う場合には、操作情報はパケット化され、ネットワークを経由して送られ、入出力IF部61を介して、リモート通信処理部66に入力する。リモート通信処理部66は、送られて来た操作情報を更新情報作成部67に送る。更新情報作成部67は、操作情報から更新情報を作成し、トポロジー情報記憶部68から得たトポロジー情報を反映させた後、GUI画面作成部69に送る。GUI画面作成部69は、トポロジー情報を反映させた更新情報をディスプレーに表示する。
【0171】
必要な各種設定や変更のための操作が完了すると、更新情報作成部67は、トポロジー情報を反映させた更新情報をテーブル情報更新部63に出力する。テーブル情報更新部63は、送られた更新情報に基づき、アドレス解決用テーブル64の関連する内容を更新する。
【0172】
トポロジー情報が更新される場合には、該トポロジー更新情報が、マウス/キーボード入力IF101を介してかまたは入出力IF部61を介して更新情報作成部67に入力され、トポロジー情報記憶部68のトポロジー情報が更新される。
【0173】
本実施形態の配信エリア管理サーバ6は、コンピュータとプログラムによっても実現でき、プログラムを記録媒体に記録することも、ネットワークを通して提供することも可能である。
【0174】
尚、前記の各実施の形態では、IPv4プロトコルをベースに説明してきたが、IPv6プロトコルではIGMPに相当するプロトコルとしてMLD(Multicast Listener Discovery)が使用され、同様に動作させることにより、同様の効果を得られる。
【産業上の利用可能性】
【0175】
本発明は、今後益々普及すると予想される、社内IPネットワーク等のプライベートネットワークをはじめとした、研修や訓示や講演等の映像や音声を複数の(例えば、各社員の)受信装置(PC)等に多地点配信する場合において、配信先がネットワーク全体ではなく、あるロケーションやある組織といった部分的な多地点配信を簡単に実現することができる。
【符号の説明】
【0176】
1:配信サーバ
2:サーバ側多地点配信装置
3、3a、3b、:分岐装置
4、4a、4e:受信側多地点配信装置
5、5a、5b、5c、5e:受信装置
6:配信エリア管理サーバ
7、7a、7b、7c:ノード
8、マルチキャストアドレス解決サーバ
31:入出力IF部
32:パケット内容振り分け部
33:ユニキャストパケット処理部
34:ユニキャストルーティングプロトコル処理部
35:フレックスキャストパケット処理部
36:フレックスキャストプロトコル処理部
37:その他処理部
38:配信管理部
39:配信管理テーブル
41:入出力IF部
42:パケット内容振り分け部
43:受信要求パケット作成部
44:映像音声パケットデカプセル化部
45:終了要求パケット作成部
46:マルチキャストアドレス解決テーブル部
47:問い合わせパケット作成部
48:IGMP処理部
49:Query応答テーブル
61:入出力IF部
62:パケット内容振り分け部
63:テーブル情報更新部
64:アドレス解決用テーブル
65:テーブル情報パケット化部
66:リモート通信処理部
67:更新情報作成部
68:トポロジー情報記憶部
69:GUI画面作成部
71a、71n:入出力IF
72:パケット振り分け部
73:ユニキャストパケット処理部
74:ユニキャストルーティングプロトコル処理部
75:マルチキャストパケット処理部
76:マルチキャストルーティングプロトコル処理部
77:その他処理部
78:配信管理部
79:配信情報テーブル
80:配信可否テーブル
100:ディスプレー出力IF
101:マウス/キーボード入力IF
【特許請求の範囲】
【請求項1】
受信装置から受信要求メッセージを同一サブネット内の受信側多地点配信装置が受信し、受信側多地点配信装置は受信要求メッセージ内に書かれたマルチキャストアドレスが示す配信サーバのユニキャストアドレスを知るために保持しているアドレス解決用テーブルを検索し、もし、アドレス解決用テーブル内にない場合は配信エリア管理サーバに問い合わせ、配信エリア管理サーバから返信される配信サーバのユニキャストアドレスを受け取って記憶し、得られたユニキャストアドレスを用いて配信サーバ宛に受信要求パケットを送り、当該受信要求パケットがサーバ側多地点配信装置に届き、配信サーバから出力されるマルチキャストパケットをカプセル化してユニキャストパケットにし、ユニキャストパケットをネットワーク内の各分岐点にある分岐装置で複製して配信先の各サブネットに送信し、各サブネット内では受信側多地点配信装置が受信した該ユニキャストパケットをデカプセル化してマルチキャストパケットをサブネット内に送信することを行う多地点配信において、
配信可能なサブネットのうちの少なくとも一部のサブネットへの限定配信を行う多地点配信システムであって、
配信エリア管理サーバの保持するアドレス解決用テーブル内に、各マルチキャストアドレスに対応した「受信側多地点配信装置のユニキャストアドレス」の欄が設けられ、
「受信側多地点配信装置のユニキャストアドレス」の欄には、「配信を行う受信側多地点配信装置のユニキャストアドレス」、または「配信を行わない受信側多地点配信装置のユニキャストアドレス」、または「配信の有無を付帯させた受信側多地点配信装置のユニキャストアドレス」のいずれかが記述され、
配信エリア管理サーバは、「受信側多地点配信装置のユニキャストアドレス」欄に記述されたアドレス解決用テーブルを用いて、受信側多地点配信装置からの問い合わせに回答する多地点配信システム。
【請求項2】
配信エリア管理サーバに問い合わせたマルチキャストアドレスに対して、配信対象外の返信を受信した受信側多地点配信装置は、内部に保持するアドレス解決用テーブルの、該マルチキャストアドレスに対応するユニキャストアドレスの欄に、事前に決められた配信対象外を意味する情報を記述し、受信要求メッセージに対応してこれを読み取った受信側多地点配信装置は、配信サーバ宛に受信要求パケットを送らない、
ことを特徴とする請求項1に記載の多地点配信システム。
【請求項3】
請求項1または2において、
配信エリア管理サーバの保持するマルチキャストアドレス解決用テーブル内に、新たに、各マルチキャストアドレスに対応した「分岐装置のユニキャストアドレス」の欄が設けられ、
「分岐装置のユニキャストアドレス」の欄には、「配信を行う分岐装置のユニキャストアドレス」、または「配信を行わない分岐装置のユニキャストアドレス」、または「配信の有無を付帯させた分岐装置のユニキャストアドレス」のいずれかが記述され、
受信側多地点配信装置から送られた受信要求パケットを下流から受信した分岐装置が、当該受信要求パケットを上流に送出するか否かを配信エリア管理サーバに問い合わせ、
配信エリア管理サーバは、「分岐装置のユニキャストアドレス」欄に記述されたアドレス解決用テーブルを用いて、分岐装置からの問い合わせに回答する多地点配信システム。
【請求項4】
請求項3において、
配信エリア管理サーバに問い合わせたマルチキャストアドレスに対して、配信対象外の返信を受信した分岐装置は、内部に保持する配信管理テーブルの、該マルチキャストアドレスに対応するユニキャストアドレスの欄に、事前に決められた配信対象外を意味する情報を記述し、受信要求パケットに対応して配信対象外を意味する情報を読み取った分岐装置は、受信要求パケットを上流に送信しない多地点配信システム。
【請求項5】
請求項1または2において、
分岐装置が受信する受信要求パケットの宛先には、マルチキャストアドレスに対応する配信サーバのユニキャストアドレスが書かれており、
分岐装置に保持される配信管理テーブルが配信サーバのユニキャストアドレスを有しない多地点配信システム。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれかにおいて、
「受信側多地点配信装置のユニキャストアドレス」の欄に、受信側多地点配信装置のユニキャストアドレスの代わりに、受信側多地点配信装置が設置されるサブネットの情報が記述されている多地点配信システム。
【請求項7】
受信装置と同一のサブネットに繋がるノード(以下、タイプAのノードと記述)と、受信装置と同一のサブネットに繋がっていないノード(以下、タイプBのノードと記述)からなる複数のノードで構成され、全てのノードでマルチキャストルーティングプロトコルが動作し、
受信装置からの受信要求メッセージが、該受信装置の属するサブネット内に送出され、タイプAのノードが受信要求メッセージを受信すると、マルチキャストルーティングプロトコルの動作に従って、受信要求パケットが配信ネットワーク内を転送され、配信サーバのマルチキャストパケットを既に受信しているタイプBのノードから、受信要求メッセージを受信したタイプAのノードに、受信要求メッセージの要求するマルチキャストパケットが分岐出力され、マルチキャストパケットを受信したタイプAのノードは、受信要求メッセージを送出した受信装置が繋がっているサブネット内に向けてマルチキャストパケットを出力する多地点配信において、
配信可能なサブネットのうちの少なくとも一部のサブネットへの限定配信を行う多地点配信システムであって、
各ノードは、事前に、マルチキャストアドレスに対応したサブネットアドレスが記述された配信管理テーブルを有し、
配信エリア管理サーバの保持するアドレス解決用テーブル内に、各マルチキャストアドレスに対応したサブネットアドレスの欄が設けられ、
配信管理テーブル及びアドレス解決用テーブルにおけるサブネットアドレスの欄は、「配信を行うサブネットアドレス」、または「配信を行わないサブネットアドレス」、または「配信の有無を付帯させたサブネットアドレス」のいずれかが記述され、
タイプAのノードは、
受信要求メッセージ内に書かれたマルチキャストアドレスを配信管理テーブルから検索し、もし、対応するマルチキャストアドレスが配信管理テーブル内にない場合は配信エリア管理サーバに問い合わせ、配信エリア管理サーバから返信される配信サーバのマルチキャストアドレス及びサブネットアドレスを受け取って記憶し、
配信管理テーブルに問い合わせたマルチキャストアドレスに対して、得られたサブネットアドレスが配信対象である場合、受信要求メッセージに対応して受信要求パケットを配信ネットワーク内に転送し、
配信管理テーブルに問い合わせたマルチキャストアドレスに対して、得られたサブネットアドレスが配信対象外である場合、受信要求メッセージに対応して受信要求パケットを配信ネットワーク内に転送しない多地点配信システム。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれかにおいて、
配信エリア管理サーバは、
配信エリア管理サーバ内に保持されている全受信側多地点配信装置、全分岐装置又は全ノードの情報をディスプレー上に表示可能にするGUI作成部と、
一つのマルチキャストアドレス毎に、各受信側多地点配信装置、各分岐装置又は各ノード配下のサブネットアドレスが配信対象か否か画面上で指示可能にする入力インターフェイスと、
指示された情報を、配信エリア管理サーバ内に保持されている全受信側多地点配信装置、全分岐装置又は全ノードの情報に付加する更新情報作成部と、
受信側多地点配信装置、分岐装置又はノードからの問い合わせがあると、問い合わせのあったマルチキャストアドレスに対応するテーブル情報を返信するテーブル情報パケット化部と、
を備える多地点配信システム。
【請求項9】
受信装置から受信要求メッセージを同一サブネット内の受信側多地点配信装置が受信し、受信側多地点配信装置は受信要求メッセージ内に書かれたマルチキャストアドレスが示す配信サーバのユニキャストアドレスを知るために保持しているテーブルを検索し、もし、テーブル内にない場合は配信エリア管理サーバに問い合わせ、配信エリア管理サーバから返信される配信サーバのユニキャストアドレスを受け取って記憶し、得られたユニキャストアドレスを用いて配信サーバ宛に受信要求パケットを送り、当該受信要求パケットがサーバ側多地点配信装置に届き、配信サーバから出力されるマルチキャストパケットをカプセル化してユニキャストパケットにし、ユニキャストパケットをネットワーク内の各分岐点にある分岐装置で複製して配信先の各サブネットに送信し、各サブネット内では受信側多地点配信装置が受信した該ユニキャストパケットをデカプセル化してマルチキャストパケットをサブネット内に送信することを行う多地点配信において、
配信可能なサブネットのうちの少なくとも一部のサブネットへの限定配信を行う多地点配信方法であって、
配信エリア管理サーバの保持するアドレス解決用テーブル内に、事前に、各マルチキャストアドレスに対応した「受信側多地点配信装置のユニキャストアドレス」の欄を設け、
「受信側多地点配信装置のユニキャストアドレス」の欄には、事前に、「配信を行う受信側多地点配信装置のユニキャストアドレス」、または「配信を行わない受信側多地点配信装置のユニキャストアドレス」、または「配信の有無を付帯させた受信側多地点配信装置のユニキャストアドレス」のいずれかを記述し、
配信エリア管理サーバは、「受信側多地点配信装置のユニキャストアドレス」欄に記述されたアドレス解決用テーブルを用いて、受信側多地点配信装置からの問い合わせに回答する多地点配信方法。
【請求項10】
請求項9において、
配信エリア管理サーバの保持するアドレス解決用テーブル内に、各マルチキャストアドレスに対応した「分岐装置のユニキャストアドレス」の欄が設けられ、
「分岐装置のユニキャストアドレス」の欄には、「配信を行う分岐装置のユニキャストアドレス」、または「配信を行わない分岐装置のユニキャストアドレス」、または「配信の有無を付帯させた分岐装置のユニキャストアドレス」のいずれかが記述され、
受信側多地点配信装置から送られた受信要求パケットを下流から受信した分岐装置が、当該受信要求パケットを上流に送出するか否かを配信エリア管理サーバに問い合わせ、
配信エリア管理サーバは、「分岐装置のユニキャストアドレス」欄に記述されたアドレス解決用テーブルを用いて、分岐装置からの問い合わせに回答する多地点配信方法。
【請求項11】
受信装置と同一のサブネットに繋がるノード(以下、タイプAのノードと記述)と、受信装置と同一のサブネットに繋がっていないノード(以下、タイプBのノードと記述)からなる複数のノードで構成され、全てのノードでマルチキャストルーティングプロトコルが動作し、受信装置からの受信要求メッセージが、該受信装置の属するサブネット内に送出され、タイプAのノードが受信要求メッセージを受信すると、マルチキャストルーティングプロトコルの動作に従って、受信要求パケットが配信ネットワーク内を転送され、配信サーバのマルチキャストパケットを既に受信しているタイプBのノードから、受信要求メッセージを受信したタイプAのノードに、受信要求メッセージの要求するマルチキャストパケットが分岐出力され、マルチキャストパケットを受信したタイプAのノードは、受信要求メッセージを送出した受信装置が繋がっているサブネット内に向けてマルチキャストパケットを出力する多地点配信において、配信可能なサブネットのうちの少なくとも一部のサブネットへの限定配信を行う多地点配信方法であって、
各ノードは、事前に、マルチキャストアドレスに対応したサブネットアドレスが記述された配信管理テーブルを有し、
配信エリア管理サーバの保持するアドレス解決用テーブル内に、各マルチキャストアドレスに対応したサブネットアドレスの欄が設けられ、
配信管理テーブル及びアドレス解決用テーブルにおけるサブネットアドレスの欄には、「配信を行うサブネットアドレス」、または「配信を行わないサブネットアドレス」、または「配信の有無を付帯させたサブネットアドレス」のいずれかが記述され、
タイプAのノードは、
受信要求メッセージ内に書かれたマルチキャストアドレスを配信管理テーブルから検索し、もし、対応するマルチキャストアドレスが配信管理テーブル内にない場合は配信エリア管理サーバに問い合わせ、配信エリア管理サーバから返信される配信サーバのマルチキャストアドレス及びサブネットアドレスを受け取って記憶する手順と、
配信管理テーブルに問い合わせたマルチキャストアドレスに対して、得られたサブネットアドレスが配信対象である場合、受信要求メッセージに対応して受信要求パケットを配信ネットワーク内に転送し、配信管理テーブルに問い合わせたマルチキャストアドレスに対して、得られたサブネットアドレスが配信対象外である場合、受信要求メッセージに対応して受信要求パケットを配信ネットワーク内に転送しない手順と、
を有する多地点配信方法。
【請求項12】
請求項9乃至11のいずれかにおいて、
GUI作成部が、配信エリア管理サーバ内に保持されている全受信側多地点配信装置、全分岐装置又は全ノードの情報をディスプレー上に表示し、
入力インターフェイスが、一つのマルチキャストアドレス毎に、各受信側多地点配信装置、各分岐装置又は各ノード配下のサブネットアドレスが配信対象か否か画面上で指示し、
更新情報作成部が、指示された情報を、配信エリア管理サーバ内に保持されている全受信側多地点配信装置、全分岐装置又は全ノードの情報に付加する情報更新手順を、
問い合わせのあったマルチキャストアドレスのテーブル情報を受信側多地点配信装置、分岐装置又はノードに返信する前にさらに有する多地点配信方法。
【請求項13】
マルチキャストアドレスに対応するユニキャストアドレスを記録するマルチキャストアドレス解決テーブル部と、
マルチキャストアドレス解決テーブル部に受信要求メッセージの要求するマルチキャストアドレスが記録されていない場合、当該マルチキャストアドレスに対応するユニキャストアドレスを配信エリア管理サーバに問い合わせる問い合わせパケットを作成する問い合わせパケット作成部と、
受信装置から受信要求メッセージを受信すると、マルチキャストアドレス解決テーブル部を参照し、受信要求メッセージの要求するマルチキャストアドレスに対応するユニキャストアドレスが記録されている場合は当該ユニキャストアドレスを宛先とする受信要求パケットを作成し、マルチキャストアドレス解決テーブル部に受信要求メッセージの要求するマルチキャストアドレスに対応するユニキャストアドレスが記録されていない場合は受信要求パケットを作成しない受信要求パケット作成部と、
カプセル化された映像音声パケットが入力されると、該映像音声パケットをデカプセル化する映像音声パケットデカプセル化部と、
受信装置から終了要求メッセージを受信すると、マルチキャストアドレス解決テーブル部を参照し、終了要求メッセージの要求するマルチキャストアドレスに対応するユニキャストアドレスを宛先とする終了要求パケットを作成する終了要求パケット作成部と、
を備える受信側多地点配信装置。
【請求項14】
マルチキャストアドレスに対応した配信サーバのユニキャストアドレス及び受信側多地点配信装置のユニキャストアドレスを含むアドレス情報を記録するアドレス解決用テーブルと、
アドレス情報送信要求を受信すると、アドレス解決用テーブルから要求のあるマルチキャストアドレスに関連付けられているアドレス情報を送信するパケットを作成するテーブル情報パケット化部と、
アドレス情報の新規登録または変更または削除の情報を受信すると、受信した内容に従ってアドレス解決用テーブルを更新するテーブル情報更新部と、
を備え、
受信側多地点配信装置のユニキャストアドレスの欄には、
配信を行う受信側多地点配信装置のユニキャストアドレス、または、
配信を行わない受信側多地点配信装置のユニキャストアドレス、または、
配信の有無を付帯させた受信側多地点配信装置のユニキャストアドレスのいずれかが記述されている配信エリア管理サーバ。
【請求項15】
下流に接続されている受信側多地点配信装置から送られた受信要求パケットを受信すると、受信要求パケットの要求するマルチキャストアドレスが配信対象であるか否かを配信エリア管理サーバに問い合わせ、受信要求パケットの要求するマルチキャストアドレスが配信対象である場合は受信要求パケットを上流に送信し、受信要求パケットの要求するマルチキャストアドレスが配信対象でない場合は受信要求パケットを上流に送信しない分岐装置。
【請求項16】
複数のノードで構成され、全てのノードでマルチキャストルーティングプロトコルが動作している配信ネットワークにおいて、
マルチキャストアドレスに対応したサブネットアドレスが記述された配信管理テーブルを有し、対応するマルチキャストアドレスが配信管理テーブル内にない場合は配信エリア管理サーバに問い合わせ、配信エリア管理サーバから返信される配信サーバのマルチキャストアドレス及びサブネットアドレスを受け取って記憶する配信管理部と、
配信管理テーブルにおけるサブネットアドレスの欄には、「配信を行うサブネットアドレス」、または「配信を行わないサブネットアドレス」、または「配信の有無を付帯させたサブネットアドレス」のいずれかが記述され、
受信要求メッセージを受信すると、配下のサブネットが受信要求メッセージ内に書かれたマルチキャストアドレスの配信対象になっているか否かを配信管理部に問い合わせ、問い合わせ結果を取得するマルチキャストルーティングプロトコル処理部と、
配下のサブネットが受信要求メッセージ内に書かれたマルチキャストアドレスの配信対象になっている場合、受信要求メッセージに対応して受信要求パケットを配信ネットワーク内に転送し、配下のサブネットが配信対象外である場合、受信要求メッセージに対応して受信要求パケットを配信ネットワーク内に転送しないマルチキャストパケット処理部と、
を備えるノード。
【請求項17】
マルチキャストアドレスに対応した配信サーバのユニキャストアドレス及び受信側多地点配信装置のユニキャストアドレスを含むアドレス情報を記録するアドレス解決用テーブルと、
アドレス情報送信要求を受信すると、アドレス解決用テーブルから要求のあるマルチキャストアドレスに関連付けられているアドレス情報を送信するパケットを作成するテーブル情報パケット化部と、
配信エリア管理サーバ内に保持されている全受信側多地点配信装置および全分岐装置の情報をディスプレー上に表示可能にするGUI作成部と、
一つのマルチキャストアドレス毎に、各受信側多地点配信装置および各分岐装置が配信対象か否か画面上で指示可能にする入力インターフェイスと、
指示された情報を、配信エリア管理サーバ内に記録されているアドレス情報に付加する更新情報作成部と、
を備え、
アドレス解決用テーブルにおける「受信側多地点配信装置のユニキャストアドレス」の欄には、
配信を行う受信側多地点配信装置のユニキャストアドレス、または、
配信を行わない受信側多地点配信装置のユニキャストアドレス、または、
配信の有無を付帯させた受信側多地点配信装置のユニキャストアドレスのいずれかが記述され、
アドレス解決用テーブルにおける「分岐装置のユニキャストアドレス」の欄には、「配信を行う分岐装置のユニキャストアドレス」、または「配信を行わない分岐装置のユニキャストアドレス」、または「配信の有無を付帯させた分岐装置のユニキャストアドレス」のいずれかが記述されている配信エリア管理サーバ。
【請求項18】
マルチキャストアドレスに対応したサブネットアドレスを含むアドレス情報を記録するアドレス解決用テーブルと、
アドレス情報送信要求を受信すると、アドレス解決用テーブルから要求のあるマルチキャストアドレスに関連付けられているアドレス情報を送信するパケットを作成するテーブル情報パケット化部と、
配信エリア管理サーバ内に保持されている全ノードの情報をディスプレー上に表示可能にするGUI作成部と、
一つのマルチキャストアドレス毎に、各ノード配下のサブネットアドレスが配信対象か否か画面上で指示可能にする入力インターフェイスと、
指示された情報を、配信エリア管理サーバ内に記録されているアドレス情報に付加する更新情報作成部と、
を備え、
アドレス解決用テーブルにおける「サブネットアドレス」の欄には、
「配信を行うサブネットアドレス」、または
「配信を行わないサブネットアドレス」、または
「配信の有無を付帯させたサブネットアドレス」のいずれかが記述されている配信エリア管理サーバ。
【請求項19】
受信要求パケット作成部が、受信装置から受信要求メッセージを受信すると、マルチキャストアドレス解決テーブル部を参照し、受信要求メッセージの要求するマルチキャストアドレスに対応するユニキャストアドレスが記録されている場合は当該ユニキャストアドレスを宛先とする受信要求パケットを作成し、マルチキャストアドレス解決テーブル部に受信要求メッセージの要求するマルチキャストアドレスに対応するユニキャストアドレスが記録されていない場合は受信要求パケットを作成しない受信要求パケット作成手順と、
問い合わせパケット作成部が、マルチキャストアドレスに対応するユニキャストアドレスを記録するマルチキャストアドレス解決テーブル部に受信要求メッセージの要求するマルチキャストアドレスが記録されていない場合、当該マルチキャストアドレスに対応するユニキャストアドレスを配信エリア管理サーバに問い合わせる問い合わせパケットを作成する問い合わせパケット作成手順と、
映像音声パケットデカプセル化部が、カプセル化された映像音声パケットが入力されると、該映像音声パケットをデカプセル化する映像音声パケットデカプセル化手順と、
終了要求パケット作成部が、受信装置から終了要求メッセージを受信すると、マルチキャストアドレス解決テーブル部を参照し、終了要求メッセージの要求するマルチキャストアドレスに対応するユニキャストアドレスを宛先とする終了要求パケットを作成する終了要求パケット作成手順と、
を順にコンピュータに実行させる受信側多地点配信プログラム。
【請求項20】
下流に接続されている受信側多地点配信装置から送られた受信要求パケットを受信すると、受信要求パケットの要求するマルチキャストアドレスが配信対象であるか否かを配信エリア管理サーバに問い合わせ、受信要求パケットの要求するマルチキャストアドレスが配信対象である場合は受信要求パケットを上流に送信し、受信要求パケットの要求するマルチキャストアドレスが配信対象でない場合は受信要求パケットを上流に送信しない手順を、コンピュータに実行させるための分岐装置プログラム。
【請求項21】
受信装置と同一のサブネットに繋がるノード(以下、タイプAのノードと記述)と、受信装置と同一のサブネットに繋がっていないノード(以下、タイプBのノードと記述)からなる複数のノードで構成され、全てのノードでマルチキャストルーティングプロトコルが動作し、受信装置からの受信要求メッセージが、該受信装置の属するサブネット内に送出され、タイプAのノードが受信要求メッセージを受信すると、マルチキャストルーティングプロトコルの動作に従って、受信要求パケットが配信ネットワーク内を転送され、配信サーバのマルチキャストパケットを既に受信しているタイプBのノードから、受信要求メッセージを受信したタイプAのノードに、受信要求メッセージの要求するマルチキャストパケットが分岐出力され、マルチキャストパケットを受信したタイプAのノードは、受信要求メッセージを送出した受信装置が繋がっているサブネット内に向けてマルチキャストパケットを出力する多地点配信において、配信可能なサブネットのうちの少なくとも一部のサブネットへの限定配信を行うタイプAのノードを実現するための多地点配信プログラムであって、
事前に、マルチキャストアドレスに対応したサブネットアドレスが記述された配信管理テーブルを有し、
配信エリア管理サーバの保持するアドレス解決用テーブル内に、各マルチキャストアドレスに対応したサブネットアドレスの欄が設けられ、
配信管理テーブル及びアドレス解決用テーブルにおけるサブネットアドレスの欄には、「配信を行うサブネットアドレス」、または「配信を行わないサブネットアドレス」、または「配信の有無を付帯させたサブネットアドレス」のいずれかが記述され、
受信要求メッセージ内に書かれたマルチキャストアドレスを配信管理テーブルから検索し、もし、対応するマルチキャストアドレスが配信管理テーブル内にない場合は配信エリア管理サーバに問い合わせ、配信エリア管理サーバから返信される配信サーバのマルチキャストアドレス及びサブネットアドレスを受け取って記憶する手順と、
配信管理テーブルに問い合わせたマルチキャストアドレスに対して、得られたサブネットアドレスが配信対象である場合、受信要求メッセージに対応して受信要求パケットを配信ネットワーク内に転送し、配信管理テーブルに問い合わせたマルチキャストアドレスに対して、得られたサブネットアドレスが配信対象外である場合、受信要求メッセージに対応して受信要求パケットを配信ネットワーク内に転送しない手順と、
をコンピュータに実行させるための多地点配信プログラム。
【請求項22】
コンピュータを、
マルチキャストアドレスに対応した配信サーバのユニキャストアドレス及び受信側多地点配信装置のユニキャストアドレスを含むアドレス情報を記録するアドレス解決用テーブルと、
アドレス情報送信要求を受信すると、アドレス解決用テーブルから要求のあるマルチキャストアドレスに関連付けられているアドレス情報を送信するパケットを作成するテーブル情報パケット化部と、
配信エリア管理サーバ内に保持されている全受信側多地点配信装置および全分岐装置の情報をディスプレー上に表示可能にするGUI作成部と、
一つのマルチキャストアドレス毎に、各受信側多地点配信装置および各分岐装置が配信対象か否か画面上で指示可能にする入力インターフェイスと、
指示された情報を、配信エリア管理サーバ内に保持されているアドレス情報に付加する更新情報作成部と、
として機能させるための配信エリア管理サーバプログラムであって、
受信側多地点配信装置のユニキャストアドレスの欄には、
配信を行う受信側多地点配信装置のユニキャストアドレス、または、
配信を行わない受信側多地点配信装置のユニキャストアドレス、または、
配信の有無を付帯させた受信側多地点配信装置のユニキャストアドレスのいずれかが記述されている配信エリア管理サーバプログラム。
【請求項23】
コンピュータを、
マルチキャストアドレスに対応したサブネットアドレスを含むアドレス情報を記録するアドレス解決用テーブルと、
アドレス情報送信要求を受信すると、アドレス解決用テーブルから要求のあるマルチキャストアドレスに関連付けられているアドレス情報を送信するパケットを作成するテーブル情報パケット化部と、
配信エリア管理サーバ内に保持されている全ノードの情報をディスプレー上に表示可能にするGUI作成部と、
一つのマルチキャストアドレス毎に、各ノード配下のサブネットアドレスが配信対象か否か画面上で指示可能にする入力インターフェイスと、
指示された情報を、配信エリア管理サーバ内に保持されているアドレス情報に付加する更新情報作成部と、
として機能させるための配信エリア管理サーバプログラムであって、
アドレス解決用テーブルにおける「サブネットアドレス」の欄には、
「配信を行うサブネットアドレス」、または
「配信を行わないサブネットアドレス」、または
「配信の有無を付帯させたサブネットアドレス」のいずれかが記述されている配信エリア管理サーバプログラム。
【請求項1】
受信装置から受信要求メッセージを同一サブネット内の受信側多地点配信装置が受信し、受信側多地点配信装置は受信要求メッセージ内に書かれたマルチキャストアドレスが示す配信サーバのユニキャストアドレスを知るために保持しているアドレス解決用テーブルを検索し、もし、アドレス解決用テーブル内にない場合は配信エリア管理サーバに問い合わせ、配信エリア管理サーバから返信される配信サーバのユニキャストアドレスを受け取って記憶し、得られたユニキャストアドレスを用いて配信サーバ宛に受信要求パケットを送り、当該受信要求パケットがサーバ側多地点配信装置に届き、配信サーバから出力されるマルチキャストパケットをカプセル化してユニキャストパケットにし、ユニキャストパケットをネットワーク内の各分岐点にある分岐装置で複製して配信先の各サブネットに送信し、各サブネット内では受信側多地点配信装置が受信した該ユニキャストパケットをデカプセル化してマルチキャストパケットをサブネット内に送信することを行う多地点配信において、
配信可能なサブネットのうちの少なくとも一部のサブネットへの限定配信を行う多地点配信システムであって、
配信エリア管理サーバの保持するアドレス解決用テーブル内に、各マルチキャストアドレスに対応した「受信側多地点配信装置のユニキャストアドレス」の欄が設けられ、
「受信側多地点配信装置のユニキャストアドレス」の欄には、「配信を行う受信側多地点配信装置のユニキャストアドレス」、または「配信を行わない受信側多地点配信装置のユニキャストアドレス」、または「配信の有無を付帯させた受信側多地点配信装置のユニキャストアドレス」のいずれかが記述され、
配信エリア管理サーバは、「受信側多地点配信装置のユニキャストアドレス」欄に記述されたアドレス解決用テーブルを用いて、受信側多地点配信装置からの問い合わせに回答する多地点配信システム。
【請求項2】
配信エリア管理サーバに問い合わせたマルチキャストアドレスに対して、配信対象外の返信を受信した受信側多地点配信装置は、内部に保持するアドレス解決用テーブルの、該マルチキャストアドレスに対応するユニキャストアドレスの欄に、事前に決められた配信対象外を意味する情報を記述し、受信要求メッセージに対応してこれを読み取った受信側多地点配信装置は、配信サーバ宛に受信要求パケットを送らない、
ことを特徴とする請求項1に記載の多地点配信システム。
【請求項3】
請求項1または2において、
配信エリア管理サーバの保持するマルチキャストアドレス解決用テーブル内に、新たに、各マルチキャストアドレスに対応した「分岐装置のユニキャストアドレス」の欄が設けられ、
「分岐装置のユニキャストアドレス」の欄には、「配信を行う分岐装置のユニキャストアドレス」、または「配信を行わない分岐装置のユニキャストアドレス」、または「配信の有無を付帯させた分岐装置のユニキャストアドレス」のいずれかが記述され、
受信側多地点配信装置から送られた受信要求パケットを下流から受信した分岐装置が、当該受信要求パケットを上流に送出するか否かを配信エリア管理サーバに問い合わせ、
配信エリア管理サーバは、「分岐装置のユニキャストアドレス」欄に記述されたアドレス解決用テーブルを用いて、分岐装置からの問い合わせに回答する多地点配信システム。
【請求項4】
請求項3において、
配信エリア管理サーバに問い合わせたマルチキャストアドレスに対して、配信対象外の返信を受信した分岐装置は、内部に保持する配信管理テーブルの、該マルチキャストアドレスに対応するユニキャストアドレスの欄に、事前に決められた配信対象外を意味する情報を記述し、受信要求パケットに対応して配信対象外を意味する情報を読み取った分岐装置は、受信要求パケットを上流に送信しない多地点配信システム。
【請求項5】
請求項1または2において、
分岐装置が受信する受信要求パケットの宛先には、マルチキャストアドレスに対応する配信サーバのユニキャストアドレスが書かれており、
分岐装置に保持される配信管理テーブルが配信サーバのユニキャストアドレスを有しない多地点配信システム。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれかにおいて、
「受信側多地点配信装置のユニキャストアドレス」の欄に、受信側多地点配信装置のユニキャストアドレスの代わりに、受信側多地点配信装置が設置されるサブネットの情報が記述されている多地点配信システム。
【請求項7】
受信装置と同一のサブネットに繋がるノード(以下、タイプAのノードと記述)と、受信装置と同一のサブネットに繋がっていないノード(以下、タイプBのノードと記述)からなる複数のノードで構成され、全てのノードでマルチキャストルーティングプロトコルが動作し、
受信装置からの受信要求メッセージが、該受信装置の属するサブネット内に送出され、タイプAのノードが受信要求メッセージを受信すると、マルチキャストルーティングプロトコルの動作に従って、受信要求パケットが配信ネットワーク内を転送され、配信サーバのマルチキャストパケットを既に受信しているタイプBのノードから、受信要求メッセージを受信したタイプAのノードに、受信要求メッセージの要求するマルチキャストパケットが分岐出力され、マルチキャストパケットを受信したタイプAのノードは、受信要求メッセージを送出した受信装置が繋がっているサブネット内に向けてマルチキャストパケットを出力する多地点配信において、
配信可能なサブネットのうちの少なくとも一部のサブネットへの限定配信を行う多地点配信システムであって、
各ノードは、事前に、マルチキャストアドレスに対応したサブネットアドレスが記述された配信管理テーブルを有し、
配信エリア管理サーバの保持するアドレス解決用テーブル内に、各マルチキャストアドレスに対応したサブネットアドレスの欄が設けられ、
配信管理テーブル及びアドレス解決用テーブルにおけるサブネットアドレスの欄は、「配信を行うサブネットアドレス」、または「配信を行わないサブネットアドレス」、または「配信の有無を付帯させたサブネットアドレス」のいずれかが記述され、
タイプAのノードは、
受信要求メッセージ内に書かれたマルチキャストアドレスを配信管理テーブルから検索し、もし、対応するマルチキャストアドレスが配信管理テーブル内にない場合は配信エリア管理サーバに問い合わせ、配信エリア管理サーバから返信される配信サーバのマルチキャストアドレス及びサブネットアドレスを受け取って記憶し、
配信管理テーブルに問い合わせたマルチキャストアドレスに対して、得られたサブネットアドレスが配信対象である場合、受信要求メッセージに対応して受信要求パケットを配信ネットワーク内に転送し、
配信管理テーブルに問い合わせたマルチキャストアドレスに対して、得られたサブネットアドレスが配信対象外である場合、受信要求メッセージに対応して受信要求パケットを配信ネットワーク内に転送しない多地点配信システム。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれかにおいて、
配信エリア管理サーバは、
配信エリア管理サーバ内に保持されている全受信側多地点配信装置、全分岐装置又は全ノードの情報をディスプレー上に表示可能にするGUI作成部と、
一つのマルチキャストアドレス毎に、各受信側多地点配信装置、各分岐装置又は各ノード配下のサブネットアドレスが配信対象か否か画面上で指示可能にする入力インターフェイスと、
指示された情報を、配信エリア管理サーバ内に保持されている全受信側多地点配信装置、全分岐装置又は全ノードの情報に付加する更新情報作成部と、
受信側多地点配信装置、分岐装置又はノードからの問い合わせがあると、問い合わせのあったマルチキャストアドレスに対応するテーブル情報を返信するテーブル情報パケット化部と、
を備える多地点配信システム。
【請求項9】
受信装置から受信要求メッセージを同一サブネット内の受信側多地点配信装置が受信し、受信側多地点配信装置は受信要求メッセージ内に書かれたマルチキャストアドレスが示す配信サーバのユニキャストアドレスを知るために保持しているテーブルを検索し、もし、テーブル内にない場合は配信エリア管理サーバに問い合わせ、配信エリア管理サーバから返信される配信サーバのユニキャストアドレスを受け取って記憶し、得られたユニキャストアドレスを用いて配信サーバ宛に受信要求パケットを送り、当該受信要求パケットがサーバ側多地点配信装置に届き、配信サーバから出力されるマルチキャストパケットをカプセル化してユニキャストパケットにし、ユニキャストパケットをネットワーク内の各分岐点にある分岐装置で複製して配信先の各サブネットに送信し、各サブネット内では受信側多地点配信装置が受信した該ユニキャストパケットをデカプセル化してマルチキャストパケットをサブネット内に送信することを行う多地点配信において、
配信可能なサブネットのうちの少なくとも一部のサブネットへの限定配信を行う多地点配信方法であって、
配信エリア管理サーバの保持するアドレス解決用テーブル内に、事前に、各マルチキャストアドレスに対応した「受信側多地点配信装置のユニキャストアドレス」の欄を設け、
「受信側多地点配信装置のユニキャストアドレス」の欄には、事前に、「配信を行う受信側多地点配信装置のユニキャストアドレス」、または「配信を行わない受信側多地点配信装置のユニキャストアドレス」、または「配信の有無を付帯させた受信側多地点配信装置のユニキャストアドレス」のいずれかを記述し、
配信エリア管理サーバは、「受信側多地点配信装置のユニキャストアドレス」欄に記述されたアドレス解決用テーブルを用いて、受信側多地点配信装置からの問い合わせに回答する多地点配信方法。
【請求項10】
請求項9において、
配信エリア管理サーバの保持するアドレス解決用テーブル内に、各マルチキャストアドレスに対応した「分岐装置のユニキャストアドレス」の欄が設けられ、
「分岐装置のユニキャストアドレス」の欄には、「配信を行う分岐装置のユニキャストアドレス」、または「配信を行わない分岐装置のユニキャストアドレス」、または「配信の有無を付帯させた分岐装置のユニキャストアドレス」のいずれかが記述され、
受信側多地点配信装置から送られた受信要求パケットを下流から受信した分岐装置が、当該受信要求パケットを上流に送出するか否かを配信エリア管理サーバに問い合わせ、
配信エリア管理サーバは、「分岐装置のユニキャストアドレス」欄に記述されたアドレス解決用テーブルを用いて、分岐装置からの問い合わせに回答する多地点配信方法。
【請求項11】
受信装置と同一のサブネットに繋がるノード(以下、タイプAのノードと記述)と、受信装置と同一のサブネットに繋がっていないノード(以下、タイプBのノードと記述)からなる複数のノードで構成され、全てのノードでマルチキャストルーティングプロトコルが動作し、受信装置からの受信要求メッセージが、該受信装置の属するサブネット内に送出され、タイプAのノードが受信要求メッセージを受信すると、マルチキャストルーティングプロトコルの動作に従って、受信要求パケットが配信ネットワーク内を転送され、配信サーバのマルチキャストパケットを既に受信しているタイプBのノードから、受信要求メッセージを受信したタイプAのノードに、受信要求メッセージの要求するマルチキャストパケットが分岐出力され、マルチキャストパケットを受信したタイプAのノードは、受信要求メッセージを送出した受信装置が繋がっているサブネット内に向けてマルチキャストパケットを出力する多地点配信において、配信可能なサブネットのうちの少なくとも一部のサブネットへの限定配信を行う多地点配信方法であって、
各ノードは、事前に、マルチキャストアドレスに対応したサブネットアドレスが記述された配信管理テーブルを有し、
配信エリア管理サーバの保持するアドレス解決用テーブル内に、各マルチキャストアドレスに対応したサブネットアドレスの欄が設けられ、
配信管理テーブル及びアドレス解決用テーブルにおけるサブネットアドレスの欄には、「配信を行うサブネットアドレス」、または「配信を行わないサブネットアドレス」、または「配信の有無を付帯させたサブネットアドレス」のいずれかが記述され、
タイプAのノードは、
受信要求メッセージ内に書かれたマルチキャストアドレスを配信管理テーブルから検索し、もし、対応するマルチキャストアドレスが配信管理テーブル内にない場合は配信エリア管理サーバに問い合わせ、配信エリア管理サーバから返信される配信サーバのマルチキャストアドレス及びサブネットアドレスを受け取って記憶する手順と、
配信管理テーブルに問い合わせたマルチキャストアドレスに対して、得られたサブネットアドレスが配信対象である場合、受信要求メッセージに対応して受信要求パケットを配信ネットワーク内に転送し、配信管理テーブルに問い合わせたマルチキャストアドレスに対して、得られたサブネットアドレスが配信対象外である場合、受信要求メッセージに対応して受信要求パケットを配信ネットワーク内に転送しない手順と、
を有する多地点配信方法。
【請求項12】
請求項9乃至11のいずれかにおいて、
GUI作成部が、配信エリア管理サーバ内に保持されている全受信側多地点配信装置、全分岐装置又は全ノードの情報をディスプレー上に表示し、
入力インターフェイスが、一つのマルチキャストアドレス毎に、各受信側多地点配信装置、各分岐装置又は各ノード配下のサブネットアドレスが配信対象か否か画面上で指示し、
更新情報作成部が、指示された情報を、配信エリア管理サーバ内に保持されている全受信側多地点配信装置、全分岐装置又は全ノードの情報に付加する情報更新手順を、
問い合わせのあったマルチキャストアドレスのテーブル情報を受信側多地点配信装置、分岐装置又はノードに返信する前にさらに有する多地点配信方法。
【請求項13】
マルチキャストアドレスに対応するユニキャストアドレスを記録するマルチキャストアドレス解決テーブル部と、
マルチキャストアドレス解決テーブル部に受信要求メッセージの要求するマルチキャストアドレスが記録されていない場合、当該マルチキャストアドレスに対応するユニキャストアドレスを配信エリア管理サーバに問い合わせる問い合わせパケットを作成する問い合わせパケット作成部と、
受信装置から受信要求メッセージを受信すると、マルチキャストアドレス解決テーブル部を参照し、受信要求メッセージの要求するマルチキャストアドレスに対応するユニキャストアドレスが記録されている場合は当該ユニキャストアドレスを宛先とする受信要求パケットを作成し、マルチキャストアドレス解決テーブル部に受信要求メッセージの要求するマルチキャストアドレスに対応するユニキャストアドレスが記録されていない場合は受信要求パケットを作成しない受信要求パケット作成部と、
カプセル化された映像音声パケットが入力されると、該映像音声パケットをデカプセル化する映像音声パケットデカプセル化部と、
受信装置から終了要求メッセージを受信すると、マルチキャストアドレス解決テーブル部を参照し、終了要求メッセージの要求するマルチキャストアドレスに対応するユニキャストアドレスを宛先とする終了要求パケットを作成する終了要求パケット作成部と、
を備える受信側多地点配信装置。
【請求項14】
マルチキャストアドレスに対応した配信サーバのユニキャストアドレス及び受信側多地点配信装置のユニキャストアドレスを含むアドレス情報を記録するアドレス解決用テーブルと、
アドレス情報送信要求を受信すると、アドレス解決用テーブルから要求のあるマルチキャストアドレスに関連付けられているアドレス情報を送信するパケットを作成するテーブル情報パケット化部と、
アドレス情報の新規登録または変更または削除の情報を受信すると、受信した内容に従ってアドレス解決用テーブルを更新するテーブル情報更新部と、
を備え、
受信側多地点配信装置のユニキャストアドレスの欄には、
配信を行う受信側多地点配信装置のユニキャストアドレス、または、
配信を行わない受信側多地点配信装置のユニキャストアドレス、または、
配信の有無を付帯させた受信側多地点配信装置のユニキャストアドレスのいずれかが記述されている配信エリア管理サーバ。
【請求項15】
下流に接続されている受信側多地点配信装置から送られた受信要求パケットを受信すると、受信要求パケットの要求するマルチキャストアドレスが配信対象であるか否かを配信エリア管理サーバに問い合わせ、受信要求パケットの要求するマルチキャストアドレスが配信対象である場合は受信要求パケットを上流に送信し、受信要求パケットの要求するマルチキャストアドレスが配信対象でない場合は受信要求パケットを上流に送信しない分岐装置。
【請求項16】
複数のノードで構成され、全てのノードでマルチキャストルーティングプロトコルが動作している配信ネットワークにおいて、
マルチキャストアドレスに対応したサブネットアドレスが記述された配信管理テーブルを有し、対応するマルチキャストアドレスが配信管理テーブル内にない場合は配信エリア管理サーバに問い合わせ、配信エリア管理サーバから返信される配信サーバのマルチキャストアドレス及びサブネットアドレスを受け取って記憶する配信管理部と、
配信管理テーブルにおけるサブネットアドレスの欄には、「配信を行うサブネットアドレス」、または「配信を行わないサブネットアドレス」、または「配信の有無を付帯させたサブネットアドレス」のいずれかが記述され、
受信要求メッセージを受信すると、配下のサブネットが受信要求メッセージ内に書かれたマルチキャストアドレスの配信対象になっているか否かを配信管理部に問い合わせ、問い合わせ結果を取得するマルチキャストルーティングプロトコル処理部と、
配下のサブネットが受信要求メッセージ内に書かれたマルチキャストアドレスの配信対象になっている場合、受信要求メッセージに対応して受信要求パケットを配信ネットワーク内に転送し、配下のサブネットが配信対象外である場合、受信要求メッセージに対応して受信要求パケットを配信ネットワーク内に転送しないマルチキャストパケット処理部と、
を備えるノード。
【請求項17】
マルチキャストアドレスに対応した配信サーバのユニキャストアドレス及び受信側多地点配信装置のユニキャストアドレスを含むアドレス情報を記録するアドレス解決用テーブルと、
アドレス情報送信要求を受信すると、アドレス解決用テーブルから要求のあるマルチキャストアドレスに関連付けられているアドレス情報を送信するパケットを作成するテーブル情報パケット化部と、
配信エリア管理サーバ内に保持されている全受信側多地点配信装置および全分岐装置の情報をディスプレー上に表示可能にするGUI作成部と、
一つのマルチキャストアドレス毎に、各受信側多地点配信装置および各分岐装置が配信対象か否か画面上で指示可能にする入力インターフェイスと、
指示された情報を、配信エリア管理サーバ内に記録されているアドレス情報に付加する更新情報作成部と、
を備え、
アドレス解決用テーブルにおける「受信側多地点配信装置のユニキャストアドレス」の欄には、
配信を行う受信側多地点配信装置のユニキャストアドレス、または、
配信を行わない受信側多地点配信装置のユニキャストアドレス、または、
配信の有無を付帯させた受信側多地点配信装置のユニキャストアドレスのいずれかが記述され、
アドレス解決用テーブルにおける「分岐装置のユニキャストアドレス」の欄には、「配信を行う分岐装置のユニキャストアドレス」、または「配信を行わない分岐装置のユニキャストアドレス」、または「配信の有無を付帯させた分岐装置のユニキャストアドレス」のいずれかが記述されている配信エリア管理サーバ。
【請求項18】
マルチキャストアドレスに対応したサブネットアドレスを含むアドレス情報を記録するアドレス解決用テーブルと、
アドレス情報送信要求を受信すると、アドレス解決用テーブルから要求のあるマルチキャストアドレスに関連付けられているアドレス情報を送信するパケットを作成するテーブル情報パケット化部と、
配信エリア管理サーバ内に保持されている全ノードの情報をディスプレー上に表示可能にするGUI作成部と、
一つのマルチキャストアドレス毎に、各ノード配下のサブネットアドレスが配信対象か否か画面上で指示可能にする入力インターフェイスと、
指示された情報を、配信エリア管理サーバ内に記録されているアドレス情報に付加する更新情報作成部と、
を備え、
アドレス解決用テーブルにおける「サブネットアドレス」の欄には、
「配信を行うサブネットアドレス」、または
「配信を行わないサブネットアドレス」、または
「配信の有無を付帯させたサブネットアドレス」のいずれかが記述されている配信エリア管理サーバ。
【請求項19】
受信要求パケット作成部が、受信装置から受信要求メッセージを受信すると、マルチキャストアドレス解決テーブル部を参照し、受信要求メッセージの要求するマルチキャストアドレスに対応するユニキャストアドレスが記録されている場合は当該ユニキャストアドレスを宛先とする受信要求パケットを作成し、マルチキャストアドレス解決テーブル部に受信要求メッセージの要求するマルチキャストアドレスに対応するユニキャストアドレスが記録されていない場合は受信要求パケットを作成しない受信要求パケット作成手順と、
問い合わせパケット作成部が、マルチキャストアドレスに対応するユニキャストアドレスを記録するマルチキャストアドレス解決テーブル部に受信要求メッセージの要求するマルチキャストアドレスが記録されていない場合、当該マルチキャストアドレスに対応するユニキャストアドレスを配信エリア管理サーバに問い合わせる問い合わせパケットを作成する問い合わせパケット作成手順と、
映像音声パケットデカプセル化部が、カプセル化された映像音声パケットが入力されると、該映像音声パケットをデカプセル化する映像音声パケットデカプセル化手順と、
終了要求パケット作成部が、受信装置から終了要求メッセージを受信すると、マルチキャストアドレス解決テーブル部を参照し、終了要求メッセージの要求するマルチキャストアドレスに対応するユニキャストアドレスを宛先とする終了要求パケットを作成する終了要求パケット作成手順と、
を順にコンピュータに実行させる受信側多地点配信プログラム。
【請求項20】
下流に接続されている受信側多地点配信装置から送られた受信要求パケットを受信すると、受信要求パケットの要求するマルチキャストアドレスが配信対象であるか否かを配信エリア管理サーバに問い合わせ、受信要求パケットの要求するマルチキャストアドレスが配信対象である場合は受信要求パケットを上流に送信し、受信要求パケットの要求するマルチキャストアドレスが配信対象でない場合は受信要求パケットを上流に送信しない手順を、コンピュータに実行させるための分岐装置プログラム。
【請求項21】
受信装置と同一のサブネットに繋がるノード(以下、タイプAのノードと記述)と、受信装置と同一のサブネットに繋がっていないノード(以下、タイプBのノードと記述)からなる複数のノードで構成され、全てのノードでマルチキャストルーティングプロトコルが動作し、受信装置からの受信要求メッセージが、該受信装置の属するサブネット内に送出され、タイプAのノードが受信要求メッセージを受信すると、マルチキャストルーティングプロトコルの動作に従って、受信要求パケットが配信ネットワーク内を転送され、配信サーバのマルチキャストパケットを既に受信しているタイプBのノードから、受信要求メッセージを受信したタイプAのノードに、受信要求メッセージの要求するマルチキャストパケットが分岐出力され、マルチキャストパケットを受信したタイプAのノードは、受信要求メッセージを送出した受信装置が繋がっているサブネット内に向けてマルチキャストパケットを出力する多地点配信において、配信可能なサブネットのうちの少なくとも一部のサブネットへの限定配信を行うタイプAのノードを実現するための多地点配信プログラムであって、
事前に、マルチキャストアドレスに対応したサブネットアドレスが記述された配信管理テーブルを有し、
配信エリア管理サーバの保持するアドレス解決用テーブル内に、各マルチキャストアドレスに対応したサブネットアドレスの欄が設けられ、
配信管理テーブル及びアドレス解決用テーブルにおけるサブネットアドレスの欄には、「配信を行うサブネットアドレス」、または「配信を行わないサブネットアドレス」、または「配信の有無を付帯させたサブネットアドレス」のいずれかが記述され、
受信要求メッセージ内に書かれたマルチキャストアドレスを配信管理テーブルから検索し、もし、対応するマルチキャストアドレスが配信管理テーブル内にない場合は配信エリア管理サーバに問い合わせ、配信エリア管理サーバから返信される配信サーバのマルチキャストアドレス及びサブネットアドレスを受け取って記憶する手順と、
配信管理テーブルに問い合わせたマルチキャストアドレスに対して、得られたサブネットアドレスが配信対象である場合、受信要求メッセージに対応して受信要求パケットを配信ネットワーク内に転送し、配信管理テーブルに問い合わせたマルチキャストアドレスに対して、得られたサブネットアドレスが配信対象外である場合、受信要求メッセージに対応して受信要求パケットを配信ネットワーク内に転送しない手順と、
をコンピュータに実行させるための多地点配信プログラム。
【請求項22】
コンピュータを、
マルチキャストアドレスに対応した配信サーバのユニキャストアドレス及び受信側多地点配信装置のユニキャストアドレスを含むアドレス情報を記録するアドレス解決用テーブルと、
アドレス情報送信要求を受信すると、アドレス解決用テーブルから要求のあるマルチキャストアドレスに関連付けられているアドレス情報を送信するパケットを作成するテーブル情報パケット化部と、
配信エリア管理サーバ内に保持されている全受信側多地点配信装置および全分岐装置の情報をディスプレー上に表示可能にするGUI作成部と、
一つのマルチキャストアドレス毎に、各受信側多地点配信装置および各分岐装置が配信対象か否か画面上で指示可能にする入力インターフェイスと、
指示された情報を、配信エリア管理サーバ内に保持されているアドレス情報に付加する更新情報作成部と、
として機能させるための配信エリア管理サーバプログラムであって、
受信側多地点配信装置のユニキャストアドレスの欄には、
配信を行う受信側多地点配信装置のユニキャストアドレス、または、
配信を行わない受信側多地点配信装置のユニキャストアドレス、または、
配信の有無を付帯させた受信側多地点配信装置のユニキャストアドレスのいずれかが記述されている配信エリア管理サーバプログラム。
【請求項23】
コンピュータを、
マルチキャストアドレスに対応したサブネットアドレスを含むアドレス情報を記録するアドレス解決用テーブルと、
アドレス情報送信要求を受信すると、アドレス解決用テーブルから要求のあるマルチキャストアドレスに関連付けられているアドレス情報を送信するパケットを作成するテーブル情報パケット化部と、
配信エリア管理サーバ内に保持されている全ノードの情報をディスプレー上に表示可能にするGUI作成部と、
一つのマルチキャストアドレス毎に、各ノード配下のサブネットアドレスが配信対象か否か画面上で指示可能にする入力インターフェイスと、
指示された情報を、配信エリア管理サーバ内に保持されているアドレス情報に付加する更新情報作成部と、
として機能させるための配信エリア管理サーバプログラムであって、
アドレス解決用テーブルにおける「サブネットアドレス」の欄には、
「配信を行うサブネットアドレス」、または
「配信を行わないサブネットアドレス」、または
「配信の有無を付帯させたサブネットアドレス」のいずれかが記述されている配信エリア管理サーバプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【公開番号】特開2013−46079(P2013−46079A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−180077(P2011−180077)
【出願日】平成23年8月22日(2011.8.22)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年8月22日(2011.8.22)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】
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