説明

多孔質アノード酸化層を有する複合構造および製造方法

例えば、多孔質アノード酸化アルミニウム層などの多孔質アノード酸化物層を有する複合構造を記載する。一局面において、本発明は、多孔質金属基材;該多孔質金属基材の上に配された多孔質アノード酸化アルミニウム層;および該多孔質アノード酸化アルミニウム層の上に配された高密度ガス選択性膜を備える複合ガス分離モジュールを含む。多孔質アノード酸化アルミニウム層に、多孔質アノード酸化アルミニウム層内に延びる細孔が設けられている複合フィルターを記載する。複合ガス分離モジュールおよび複合フィルター製作方法、ならびに水素ガス含有ガス流から水素ガスを選択的に分離するための方法もまた記載する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本出願は、2007年4月5日に出願された米国仮特許出願第60/921,902号の恩典を主張する。上記出願の全教示は参照により本明細書中に援用される。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
ガス分離モジュールは、一般的に、気体混合物から特定の気体を選択的に分離するために使用される。最も一般的なガス分離モジュールの2つは、ポリマー膜および金属複合体である。ポリマー膜は、低温での気体の分離に効果的でコスト効率的な選択肢を提供し得る。分離は高温処理と併せて行う必要があるが、ポリマー膜は熱により分解しやすいので一般に適していない。
【0003】
高温処理の開発は、より厳しい環境の規制に加えて、高い流動、高い分離の選択性、および高温で操作する能力を提供するガス分離モジュールの活用を必要とする。ポリマーの代わりに、これらの必要性を満たすために金属複合体を使用することができる。複合ガス分離モジュールは、多孔質基材上に装着された、選択的ガス透過性を有する金属膜で構成され得る。
【0004】
特に重要な高温ガス分離の領域は、反応ガス混合物からの水素ガスの分離および精製である。高温で水素ガスを選択的に分離するための複合モジュールはパラジウム(Pd)膜を含み得る。理想的に、パラジウム膜は水素透過性であるが他の気体は透過しない。水素ガス(H2)が膜と接触した場合、水素分子は分解し、水素原子が膜に拡散する。従って、水素は、周囲の雰囲気から選択的にパラジウム膜を通過し得る。その後、選択的に分離された水素原子はH2ガスに再会合しモジュールの反対側へと通過する。
【0005】
多孔質基材に接着した水素選択的金属膜を有する典型的な複合ガス分離モジュールの有効寿命は、しばしば、膜の水素透過性を減少させる基材成分の膜への拡散により制限される。2つの金属間に中間面がある場合、熱(原子)振動は金属原子の移動度を有意に増加させ、その結果金属原子の拡散が生じ得る。約550℃の温度では、ステンレス鋼基材成分のパラジウム膜へのかなりの熱振動および拡散が、これらの成分を有する複合ガス分離モジュール中で予想され得る。ステンレス鋼基材成分をパラジウム膜に拡散させて作製した合金は、低い水素透過性を有し得る。
【0006】
この課題についての1つの解決法は、主流の金属基材よりも水素選択的金属膜への基材成分の拡散が生じにくいセラミック基材を使用することである。しかし、セラミック基材は典型的に、大部分の金属基材よりも壊れやすい。さらに、セラミック基材は製造がより困難であり、ガス分離システムの他の構成要素と接合することも困難であり得る。
【0007】
純粋にパラジウムなどの水素選択的金属のみで形成されたガス分離モジュールが使用されている。かかるガス分離モジュール中の基材の存在を排除することで、金属間拡散の問題を取り除くことができる。しかし、かかるモジュールは生産が非常に高価であり高圧および/または高温適用に必要とされ得る機械的強度を欠如し得る。例えば、純粋に水素選択的金属のみから形成されるガス分離モジュールは一般的に、適切な機械的強度を提供するためには複合ガス分離モジュールよりもかなり大きい厚さを有する必要がある。厚さの増加は、モジュールを通過して確立され得る気体の流動を減少し得る。
【0008】
従って、上述の課題を解決するかまたは最小限にする複合ガス分離モジュール(およびその製造方法)についての必要性が存在する。
【発明の概要】
【0009】
(発明の概要)
本発明は、多孔質アノード酸化層、例えば多孔質アノード酸化アルミニウム層を有する複合構造体を含む。一局面において、本発明は、多孔質アノード酸化層、例えば多孔質アノード酸化アルミニウム層を有する複合ガス分離モジュールを含む。別の局面において、本発明は、多孔質アノード酸化層、例えば多孔質アノード酸化アルミニウム層を有する複合フィルターを含む。本発明はまた、複合ガス分離モジュールおよび複合フィルターの製造方法、ならびに水素ガス含有ガス流から水素ガスを選択的に分離する方法を含む。
【0010】
一態様において、複合ガス分離モジュールは、多孔質金属基材;多孔質金属基材の上に配された多孔質アノード酸化アルミニウム層;および多孔質アノード酸化アルミニウム層の上に配された高密度ガス選択膜を含む。
【0011】
複合ガス分離モジュールの製造方法は、多孔質アノード酸化アルミニウム層を多孔質金属基材上に適用する工程;および高密度ガス選択膜を多孔質アノード酸化アルミニウム層上に適用して複合ガス分離モジュールを形成する工程を含む。
【0012】
いくつかの態様において、多孔質アノード酸化アルミニウム層を多孔質金属基材上に適用する工程は、アルミニウム金属層を多孔質金属基材上に適用する工程;アノード酸化によりアルミニウム金属層を酸化して第1のアノード酸化アルミニウム層を形成する工程;第1のアノード酸化アルミニウム層の少なくとも一部を除去して、非酸化アルミニウム金属を含むテンプレート(template)を形成する工程;およびアノード酸化によりテンプレートのアルミニウム金属を酸化して、多孔質アノード酸化アルミニウム層を形成する工程を含む。
【0013】
一態様において、アノード酸化によりテンプレートのアルミニウム金属を酸化した後、非多孔質アノード酸化アルミニウム層またはアノード酸化アルミニウムバリア層が存在する。この非多孔質アノード酸化アルミニウム層は、いくつかの例において多孔質金属基材および多孔質アノード酸化アルミニウム層の間に存在し得るか、または多孔質アノード酸化アルミニウム層の穴もしくは孔をふさぎ得る。従って、本発明の一局面は、非多孔質アノード酸化アルミニウム層の一部を除去し、アノード酸化アルミニウム層を通って(いくつかの例において、非多孔質アノード酸化アルミニウム層を通って)多孔質金属基材まで延びた穴もしくは孔を作製または拡大する工程を含む。
【0014】
本発明はまた、これらの方法により形成された複合ガス分離モジュールを含む。
【0015】
本発明の一態様において、水素ガス含有ガス流から水素ガスを選択的に分離する方法は、複合ガス分離モジュールに水素ガス含有ガス流を誘導する工程を含み、ここで複合ガス分離モジュールは多孔質金属基材;多孔質基材の上側に配された多孔質アノード酸化アルミニウム層;および多孔質アノード酸化アルミニウム層の上側に配された高密度水素選択膜を含む、それにより高密度水素選択膜を通過してガス流から水素ガスが少なくとも部分的に分離される。
【0016】
一態様によると、複合フィルターは、多孔質非アルミニウム金属基材;多孔質非アルミニウム金属基材の上側に配された多孔質アノード酸化アルミニウム層を含み、ここで多孔質アノード酸化アルミニウム層には多孔質アノード酸化アルミニウム層の第1面から多孔質アノード酸化アルミニウム層を通って、多孔質アノード酸化アルミニウム層の第2面まで延びる孔が設けられている。
【0017】
複合フィルターの製造方法は、アルミニウム金属層を多孔質非アルミニウム金属基材上に適用する工程;アノード酸化によりアルミニウム金属層を酸化して第1のアノード酸化アルミニウム層を形成する工程;第1のアノード酸化アルミニウム層の少なくとも一部を除去して、非酸化アルミニウム金属を含むテンプレートを形成する工程;およびアノード酸化によりテンプレートのアルミニウム金属を酸化して、それにより多孔質アノード酸化アルミニウム層を形成する工程を含む。
【0018】
一態様において、アノード酸化によるテンプレートのアルミニウム金属の酸化後、非多孔質アノード酸化アルミニウム層、またはアノード酸化アルミニウムバリア層が存在する。場合によっては、この非多孔質アノード酸化アルミニウム層は、多孔質金属基材と多孔質アノード酸化アルミニウム層の間に存在し得るか、または多孔質アノード酸化アルミニウム層の穴もしくは孔をふさぎ得る。したがって、本発明の一局面は、非多孔質アノード酸化アルミニウム層の一部を除去して、多孔質アノード酸化アルミニウム層を通過して(場合によっては、非多孔質アノード酸化アルミニウム層を通過して)多孔質金属基材まで延びた穴もしくは孔を作製または拡大する工程を含む。
【0019】
本発明はまた、この方法により形成された複合フィルターを含む。
【0020】
複合ガス分離モジュールの性能は、構成要素の高密度水素選択膜の厚さ;膜中の欠陥(例えば、孔、穴、割れ目または望ましくないガスを通過させることにより複合ガス分離モジュールのガス選択性を損なう他の物理的状態)の数または大きさ;および膜の組成によって制限され得る。効率的な分離を得るためには、高密度水素選択膜は、望ましくないガスを通過させることにより所望のガス選択性を生じない領域または点により、破れないものであるべきである。
【0021】
一態様において、中間多孔質金属層は、多孔質金属基材よりも小さな孔径を有する。支持体の有効孔径はより小さくなるので、より少ない水素選択金属を使用して高密度水素選択膜を形成することができる。したがって、従来生産されている複合ガス分離モジュールよりも薄い高密度水素選択膜を有する複合ガス分離モジュールを製造することができる。より薄い高密度水素選択膜を形成することで、高密度水素選択膜を形成するために多孔質基材に適用される必要のある水素選択的金属の層の数を減少することにより、製造を単純化することもできる。したがって、本発明の実施により、複合ガス分離モジュールの製造のための製造コスト、例えば材料、労働および資本のコストを従来の製造技術と比較して低くすることができる。
【0022】
より薄い高密度水素選択膜は典型的により高速のガス流を生じるので、本明細書に記載されるように製造された複合ガス分離モジュールは、より高速のガス流、例えば水素流を生じ得る。したがって、本明細書に記載の複合ガス分離モジュールを利用したガス分離方法は、より厚い高密度水素選択膜を使用した従来の複合ガス分離モジュールを使用することで可能であるよりも高いガス分離速度を達成することができる。
【0023】
本発明の実施により、基材成分が高密度ガス選択膜に拡散することを防御することができる。基材成分の高密度ガス選択膜への拡散を妨げるかまたは減少することにより、複合ガス分離モジュールを通過するガス透過流を、ガス分離方法における複合ガス分離モジュールの操作の間、維持することができる。また、本明細書に記載される基材成分の高密度ガス選択膜への拡散を妨げるかまたは減少するための方法は、経済的であり、実施することが比較的簡単である。
【0024】
本明細書に記載される複合フィルターは、高圧適用および高温適用に有用であり得る。このようなフィルターは、高温高圧環境下でのナノサイズの物質のろ過などの領域の適用に有用であるはずである。特に、複合フィルターの記載される製造方法は、比較的単純であり、かなり経済的であるはずである。
【図面の簡単な説明】
【0025】
上述のものは、添付の図面において図示される本発明の実施態様の以下のより具体的な記載から明白である。図面は必ずしも同じ縮尺ではなく、本発明の態様を示すことに重点が置かれている。
【図1】図1は、本発明の一態様としての複合ガス分離モジュールの透視断面図である。
【図2】図2A〜2Dは、様々な倍率のアルミニウムめっき多孔質ステンレス鋼(「PSS」)管の切断面の光学顕微鏡写真である。
【図3】図3は、PSS管アセンブリ上にアルミニウムをスパッタリングして作製したPSS管の写真である。
【図4】図4は、INCONEL(登録商標)管アセンブリ上にアルミニウム金属をスパッタリングして作製したINCONEL(登録商標)管の写真である。
【図5】図5Aおよび5Bは、電解研磨の前(図5A)および電解研磨の後(図5B)のアルミニウム表面のSEM画像である。
【図6】図6は、電解研磨後のアルミニウムめっきPSS管の写真である。
【図7】図7は、アルミニウムシート中に生じたと考えられる浸透経路の発生の模式的な表示(a、bおよびc)を含む。図7はまた、アノード酸化セル中の処理後のアルミニウム表面のSEM画像を含む。
【図8】図8Aおよび8Bは、図7の矢印で記された点の拡大図である。
【図9】図9Aおよび9Bは、多孔質アノード酸化アルミニウム層のSEM画像である。
【図10】図10は、浸漬液およびアルカリ溶液を使用してアノード酸化アルミニウムバリア層(BAAO)をどのように除去するか、および基材に結合したアルミニウム金属の痕跡をどのように除去するかの模式的表示である。
【図11】図11は、4気圧までの圧力差で350℃、400℃、450℃および500℃でのヘリウム(400時間)および純粋水素雰囲気(300時間)下で試験した後の複合水素分離モジュールの写真である。
【図12】図12は、Mott支持体のアルミニウムコートにより形成された表面のSEM画像(SEI)を示す。
【図13】図13は、10%水素を含むヘリウム中500℃で焼鈍した際のアルミニウムめっきPSS複合体を通過した温度の変移およびガス流の変化を示すプロットである。
【図14】図14は、ヘリウム-水素雰囲気下で、500℃で焼鈍した後のアルミニウム金属コーティングの表面のSEM(SEI)画像である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
(発明の詳細な説明)
以下、本発明の方法の特徴および他の詳細は、添付の図面に関してより具体的に記載され、特許請求の範囲において示される。本発明の具体的な態様は、本発明の限定としてではなく例示として示されることが理解されよう。種々の態様において、本発明の範囲を逸脱することなく、本発明の主要な特徴が使用され得る。
【0027】
本発明は、(a)多孔質金属基材;(b)多孔質金属基材の上側に配された多孔質アノード酸化アルミニウム層;および(c)多孔質アノード酸化アルミニウム層の上側に配された高密度ガス選択膜を備える、複合ガス分離モジュールを含む。好ましい態様において、多孔質アノード酸化アルミニウム層には、多孔質金属基材から多孔質アノード酸化アルミニウム層を通過して高密度ガス選択膜まで延びる穴または孔が設けられている。
【0028】
本明細書に記載される複合ガス分離モジュールは、例えば高密度水素選択膜などの高密度ガス選択膜を含む。高密度ガス選択膜は、例えばパラジウムまたはその合金を含むものであり得る。「高密度ガス選択膜」は本明細書で使用される場合、ガス選択物質、つまり選択的に気体を透過可能であり、望ましくない気体を通過させることにより気体の分離を損なう領域または点により物質的に破れない物質の1つ以上の層を有する複合ガス分離モジュールの構成要素のことをいう。例えば、一態様において、高密度ガス選択膜は、ガス選択物質の望ましい気体選択的特性を有さない領域または点により、実質的に破れない。高密度ガス選択膜の例は、開いた孔、穴、割れ目および望ましくない気体を通過させることにより複合ガス分離モジュールのガス選択性を損なう他の物理的条件等の欠陥を実質的に含まない高密度水素選択膜である。いくつかの態様において、高密度ガス選択膜は、1つ以上の非金属成分を含み得るが、本明細書に記載される高密度ガス分離膜は、一般的に少なくとも1つの金属成分(例えば、パラジウムまたはその合金などの水素選択的金属)を含む。
【0029】
用語「支持体」は、本明細書で使用される場合、基材、表面処理基材、物質(例えば、ガス選択物質)が堆積された基材、中間多孔質金属層が上側に配された基材、または高密度ガス選択膜が形成されたかまたは形成される実質的に平面の基材を含む。基材は、支持体構造として機能するので、複合ガス分離モジュールの耐久性および強度を高めることができる。
【0030】
「ガス選択物質」は本明細書で使用される場合、高密度ガス選択膜に形成されると、選択された1種類の気体または選択された複数の気体を、高密度ガス選択膜を通して通過させる物質のことをいう。適切なガス選択物質としては、金属、セラミック(例えば、灰チタン石および灰チタン石様物質)およびゼオライト(例えば、MFIおよびゼオライトA、X等)が挙げられる。一態様において、ガス選択物質は、パラジウムまたはその合金などの水素選択的金属である。適切なパラジウム合金の例としては、銅、銀、金、白金、ルテニウム、ロジウム、イットリウム、セリウムおよびインジウムからなる群より選択される金属の少なくとも1種類とパラジウムの合金が挙げられる。例えば、パラジウム/銀およびパラジウム/銅合金を使用して高密度水素選択膜を形成することができる。一態様において、ガス選択物質は酸素ガス選択的灰チタン石などのセラミックである。
【0031】
高密度ガス選択膜が形成される支持体の側面は、本明細書においては「外側」または「膜側」と呼び、支持体の反対側を「内側」または「基材側」表面と称する。しかし、高密度ガス選択膜は基材の外部表面および/または内部表面上に形成することができることに留意すべきである。例えば、高密度ガス選択膜は平面基材の片側もしくは両側の表面に形成可能であるか、または基材管の外部および/または内部表面上に形成可能である。好ましくは、高密度ガス選択膜は基材の1表面上のみ、例えば基材管の外部または内部表面のいずれかに形成される。
【0032】
一態様において、ガス選択物質は、物質の組合せ、例えば水素選択的金属とゼオライトの組合せを含む。一態様において、物質の組合せに使用されるゼオライトはガス選択的である。代替的な態様において、物質の組合せに使用されるゼオライトはガス選択的ではなく、例えば、物質の組合せに使用されるゼオライトは水素選択的ではない。
【0033】
複合ガス分離モジュール、複合ガス分離モジュールの製造方法、および水素ガス含有ガス流から水素ガスを選択的に分離する方法を含む本発明の具体的な態様は以下の通りである。
【0034】
図1は、本発明の一態様として、円柱型の複合ガス分離モジュール10を図示する。複合ガス分離モジュール10は、多孔質金属基材12、多孔質アノード酸化アルミニウム層14、および高密度ガス選択膜16を含む。図示されるように、多孔質アノード酸化アルミニウム層14および高密度ガス選択膜16は、円柱型の多孔質基材12の外表面上に配される。代替的な態様において、図示されないが、多孔質アノード酸化アルミニウム層14および高密度ガス選択膜16は、円柱型の多孔質基材12の内部表面上に(3個の円柱型の層の最内部を形成する高密度ガス選択膜とともに)配され得るか、または多孔質基材12の内部および外部表面の両方の上に配され得る。好ましい態様において、多孔質アノード酸化アルミニウム層14および高密度ガス選択膜16は、多孔質基材12の内面上または外部表面上のいずれかのみに配される。複合ガス分離モジュールは、図1に示される円柱型管または平面を含む種々の形態のいずれかの形態を取り得る。
【0035】
本発明の複合ガス分離モジュールは(および下記の複合フィルターも)多孔質金属基材を含む。多孔質金属基材は、当業者に公知の種々の任意の成分から形成することができる。適切な基材成分の例としては、限定されないが、鉄、ニッケル、チタン、クロム、アルミニウムおよびそれらの合金、例えば鉄鋼、ステンレス鋼、HASTELLOY(登録商標)合金(例えば、HASTELLOY(登録商標)C-22(登録商標))(Haynes International, Inc., Kokomo, INの登録商標)ならびにINCONEL(登録商標)合金(INCONELはHuntington Alloys Corp., Huntington WVの登録商標である)が挙げられる。一態様において、多孔質金属基材は、クロムおよびニッケルを含む合金である。さらなる態様において、合金は、例えば、HASTELLOY(登録商標)C-22(登録商標)またはINCONEL(登録商標)合金など、クロム、ニッケルおよびモリブデンを含む。多孔質金属基材は、多孔質ステンレス鋼であり得る。基材としての使用に適切である多孔質ステンレス鋼のシリンダーは、例えば、Mott Metallurgical Corporation(Farmington, CT)およびPall Corporation(East Hills, NY)から入手可能である。一態様において、多孔質金属基材は多孔質非アルミニウム金属基材である。
【0036】
当業者は、当該技術分野で公知の技術を使用して、基材の厚さ、多孔率および孔径分布を選択することができる。所望の基材の厚さ、多孔率および孔径分布は、特に操作圧および操作温度などの最終的な複合ガス分離モジュール操作条件に基づいて選択することができる。一般的に高い多孔率および一般的に小さい孔径を有する基材は、特に複合ガス分離モジュールの製造に適している。いくつかの態様において、基材は、約5〜約75%、または約15〜約50%の範囲の多孔率を有し得る。基材の孔径分布は変化し得るが、基材は約0.1ミクロン以下〜約15ミクロン以上の範囲の孔径を有し得る。一般的に、小孔径が好ましい。いくつかの態様において、基材の平均または中位孔径は、約0.1〜約15ミクロン、例えば約0.1〜約1、3、5、7または約10ミクロンであり得る。例えば、基材は約0.1ミクロン等級基材〜約0.5ミクロン等級基材であり得、例えば0.1ミクロン、0.2ミクロンおよび0.5ミクロン等級のステンレス鋼基材を使用することができる。一態様において、基材は0.1ミクロン等級のHASTELLOY(登録商標)合金である。
【0037】
複合ガス分離モジュールはまた、多孔質金属基材の上側に配された多孔質アノード酸化アルミニウム層を含む。一態様において、例えば多孔質アノード酸化アルミニウム層は上面および底面を有し、多孔質アノード酸化アルミニウム層は底面で多孔質金属基材と直接隣接し、上面で高密度ガス選択膜と直接隣接する。
【0038】
いくつかの態様において、多孔質アノード酸化アルミニウム層は、少なくとも約10ミクロンの厚さ、例えば少なくとも約25、50、75、100または約150ミクロンの厚さである。
【0039】
多孔質アノード酸化アルミニウム層には、多孔質酸化アルミニウム層の第1の面から多孔質アノード酸化アルミニウム層を通過して多孔質アノード酸化アルミニウム層の第2の面まで延びる穴または孔が設けられ得る。
【0040】
一般的に、多孔質アノード酸化アルミニウム層の穴または孔は、多孔質金属基材の孔よりも小さい。多孔質アノード酸化アルミニウム層の穴または孔は、例えばナノメートルスケールの穴または孔であり得る。いくつかの態様において、多孔質アノード酸化アルミニウム層には、約1ナノメートル(nm)〜約1000nmの平均直径を有する穴または孔が設けられる。例えば、多孔質アノード酸化アルミニウム層は、約500nm未満、200nm、または約100nm未満の平均直径を有する穴または孔が設けられ得る。
【0041】
本発明のいくつかの局面において、多孔質金属基材には、第1の平均直径を有する穴または孔が設けられ、ここで多孔質アノード酸化アルミニウム層は第2の平均直径を有する穴または孔が設けられ、第2の平均直径は第1の平均直径未満である。例えば、第1の平均直径は第1の平均直径の約半分未満であり得るか、または第1の平均直径の約10分の1未満であり得る。いくつかの態様において、多孔質アノード酸化アルミニウム層の最大の穴または孔は多孔質金属基材の最大の穴または孔よりも小さい。
【0042】
いくつかの態様において、多孔質アノード酸化アルミニウム層は、アルミニウム金属層の上に配される。例えば、多孔質アノード酸化アルミニウム層は上面および底面を有し、多孔質アノード酸化アルミニウム層は底面でアルミニウム金属層と直接隣接し得、上面で高密度ガス選択膜と直接隣接し得、ここでアルミニウム金属層は多孔質金属基材と直接隣接する。
【0043】
多孔質アノード酸化アルミニウム層は、多孔質金属基材と高密度ガス選択膜の間の中間体金属の拡散を防ぎ得る。
【0044】
一般的に、本発明はアノード酸化アルミニウム層に関して記載されているが、他のアノード酸化層も記載されるアノード酸化アルミニウム層と容易に取り替えることができる。かかるアノード酸化層の例としては、アノード酸化チタン層およびアノード酸化亜鉛層が挙げられる。例えば、いくつかの態様において、複合ガス分離モジュールは多孔質アノード酸化チタン層または多孔質アノード酸化亜鉛層を含む。
【0045】
複合ガス分離モジュールは、多孔質アノード酸化アルミニウム層の上側に配された高密度ガス選択膜を含む。一態様において、高密度ガス選択膜は水素を選択的に透過可能であり、例えば高密度ガス選択膜は高密度水素選択膜であり、1つ以上の水素選択的金属またはその合金を含み得る。「水素選択的金属」としては、限定されないが、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、バナジウム(V)、パラジウム(Pd)、ジルコニウム(Zr)およびその水素選択的合金が挙げられる。パラジウムおよびパラジウムの合金が好ましい。例えば、パラジウムは銅、銀、金、白金、ルテニウム、ロジウム、イットリウム、セリウムおよびインジウムからなる群より選択される金属の少なくとも1種類と合金を形成することができる。
【0046】
ガス分離モジュールが約300℃未満の温度で使用される場合、高密度ガス選択膜は、例えば約75〜約77重量%のパラジウムおよび約25〜約23重量%の銀の合金などのパラジウム合金で形成され得る。純粋なパラジウムは水素の存在下または約300℃未満では相変化を起こし、この相変化により水素の存在下で繰り返し作業を行った後に脆化およびクラッキングが生じるために、典型的には、合金は好ましくは低温である。
【0047】
一態様において、高密度ガス分離膜は1種類以上の非金属成分を含み得る。別の態様において、高密度ガス分離膜は、ガス分離物質ではない1種以上の成分、例えば水素選択物質ではない成分を含み得る。
【0048】
高密度ガス選択膜の厚さは、特に多孔質基材中の最大の孔の大きさに依存し得るが、いくつかの態様において、高密度ガス選択膜は約25、20、15、12未満または約10ミクロン未満の厚さである。例えば一態様において、高密度ガス選択膜の厚さは約14ミクロンより小さく、例えば約3〜14ミクロンである。特定の一態様において、高密度ガス選択膜は実質的に均一な厚さである。
【0049】
一局面において、本明細書に記載される複合ガス分離モジュールの性能は、操作の間にモジュールを通過する水素流を測定することで評価できる。例えば、複合ガス分離モジュールを通過する水素流は、一態様において、約350℃で少なくとも約4Nm3/m2-時間で約1バールの水素分圧差を有する。
【0050】
一局面において、本発明は、(a)多孔質アノード酸化アルミニウム層を多孔質金属基材上に適用する工程;および(b)高密度ガス選択膜を多孔質アノード酸化アルミニウム層上に適用して、複合ガス分離モジュールを形成する工程を含む複合ガス分離モジュールの製造方法を含む。適切な多孔質金属基材、多孔質アノード酸化アルミニウム層および高密度水素選択膜は上述される。適切な製造技術の説明は以下の通りである。
【0051】
一態様において、多孔質アノード酸化アルミニウム層を多孔質金属基材上に適用する工程は、アルミニウム金属層を多孔質金属基材上に適用する工程を含む。アルミニウム金属層を金属基材上に適用するための任意の技術を使用して、アルミニウム金属層を適用することができる。その例としては、スパッタリング、粉末適用、ペーストカロライジング適用(paste calorized application)および溶融アルミニウムめっきが挙げられる。したがって、アルミニウム金属層を多孔質金属基材上に適用する工程は、スパッタリング、固体アルミニウム粉末適用、ペーストカロライジング適用および溶融アルミニウムめっきからなる群より選択される技術を使用することを含み得る。鋼表面を大量にアルミニウムめっきすることが最も経済的な技術の一つであるいくつかの場合において、溶融アルミニウムめっき技術が特に好ましいものであり得る。
【0052】
好ましくは、アノード酸化の前にアルミニウム金属層を洗浄する。例えば、アルミニウム金属層を洗浄するためにアセトンなどの脱脂剤を使用することができる。超音波洗浄を使用することもできる。いくつかの態様において、例えば濃アルカリ液を使用してアルミニウム金属層をエッチング、例えば化学的にエッチングする。例えば、特定の一態様において、3.0mol/L NaOHを使用してアルミニウム金属層をエッチングする。例えば、3.0Mol/L NaOHを使用して、アルミニウム金属層の厚さを調整するためにより積極的なエッチングを使用することもできる。
【0053】
いくつかの態様において、例えば超音波洗浄、任意にエッチングによりアルミニウム金属層を洗浄し、次いで研磨または焼鈍する(例えば、不活性雰囲気下)。不活性雰囲気下での焼鈍の代わりとして、一態様において、約450℃〜約550℃、例えば約500℃などの高温でヘリウムおよび水素ガスの混合物下でアルミニウム金属層を焼鈍する。好ましくは、アルミニウム金属層を洗浄、研磨または焼鈍して、アノード酸化中に下記のように広い領域で後に孔の拡大を促進する均一な状態を得る。
【0054】
いくつかの例において、アルミニウム金属層を多孔質金属基材上に適用する工程は、アルミニウム金属層を焼鈍する工程を含み得る。例えば、アルミニウム金属層を、例えば窒素またはヘリウム雰囲気などの不活性雰囲気下で焼鈍することができる。あるいは、焼鈍する工程は、高温でヘリウムおよび水素の混合物の雰囲気下でアルミニウム金属層を処理する工程を含み得る。いくつかの態様において、ヘリウムおよび水素の混合物は、約5%〜約10%の水素、例えば約10%の水素および残りがヘリウムである。アルミニウム金属層を、例えば約500℃など約450℃〜約550℃の高温で焼鈍することができる。
【0055】
いくつかの例において、アルミニウム金属層を多孔質金属基材上に適用する工程は、アルミニウム金属層を研磨する工程を含み得る。研磨としては、例えば機械的研磨、電気化学的研磨またはその両方が挙げられる。例えば、アルミニウム金属層を多孔質金属基材上に適用する工程は、アルミニウム金属層を電解研磨する工程を含み得る。好ましくは、アルミニウム金属層を多孔質金属基材上に適用する工程は、高密度ガス選択膜の多孔質酸化アルミニウム層への良好な接着を提供し得るような、電解研磨する工程を含む。
【0056】
本発明の一局面において、多孔質アノード酸化アルミニウム層を多孔質金属基材上に適用する工程は、アノード酸化によりアルミニウム金属層を酸化し、それにより第1のアノード酸化アルミニウム層を形成する工程を含む。別の局面において、多孔質アノード酸化アルミニウム層を多孔質金属基材上に適用する工程は、第1のアノード酸化アルミニウム層の少なくとも一部を除去して、非酸化アルミニウム金属を含むテンプレートを形成する工程を含む。さらに別の局面において、テンプレートのアルミニウム金属はアノード酸化により酸化され、それにより第2のアノード酸化アルミニウム層が形成される。
【0057】
複数の電極を有するアノード酸化セル中で、アルミニウム表面を酸化することができる。アルミニウムめっき多孔質金属基材をアノードとして使用する。典型的に、陰極はアノードの周りに対称に配置される。アノード酸化は、例えば約7〜約6V DCの範囲の電圧で行うことができる。アノード酸化は、シュウ酸溶液(例えば、約3%シュウ酸)中で行うことができる。いくつかの態様において、アノード酸化は約15分〜約1時間または約1時間半のように約5分〜約2時間行う。
【0058】
一態様において、アノード酸化によりテンプレートのアルミニウム金属を酸化した後、非多孔質アノード酸化アルミニウム層、またはアノード酸化アルミニウムバリア層が存在する。この非多孔質アノード酸化アルミニウム層は、いくつかの例において、多孔質金属基材と第2の多孔質アノード酸化アルミニウム層の間にあるか、または第2のアノード酸化アルミニウム層の孔をふさぎ得る。したがって、本発明の一局面は、非多孔質アノード酸化アルミニウム層の一部を除去して、アノード酸化アルミニウム層(およびいくつかの例において非多孔質アノード酸化アルミニウム層)を通過して多孔質金属基材へと延びる穴もしくは孔を生成または拡大する工程を含む。非多孔質アノード酸化アルミニウム層の少なくとも一部を除去する1つの方法は、非多孔質アノード酸化アルミニウム層を、例えばホウフッ化水素酸溶液などの溶液に曝露することである。したがって、一態様において、アノード酸化アルミニウム層を浸漬液で処理して非多孔質アノード酸化アルミニウムを除去する。浸漬液はバリア層に強い効果を発揮し得る。浸漬液とアノード酸化アルミニウム層の間の相互作用は実質的に微細である。また、浸漬液を使用して、多孔質アノード酸化アルミニウム層のふさがれた孔を洗浄し、それによりそのガス透過性を向上させることができる。1つの具体的な好ましい浸漬液は、ホウフッ化水素酸ニッケル、例えば約160g/L、およびホウフッ化水素酸亜鉛、例えば約50g/Lである。パラジウムまたはパラジウム合金を含むようなガス選択膜の接着強度を増加するために、トリエタノールアミン(例えば、約30g/L)を浸漬液に添加し得る。
【0059】
非多孔質アノード酸化アルミニウム層を除去することで、アノード酸化アルミニウム複合体を通過して延びる穴もしくは孔を生成または拡大することができる。
【0060】
アルカリ溶液、例えば約3mol/L NaOHを使用して、アルミニウム金属が(例えば、多孔質金属基材管側から)基材に結合した痕跡を除去することができる。いくつかの例において、アルカリ溶液後に多孔質金属基材の腐食を防ぐかまたは減少するためにリン酸(H3PO4)溶液などの希酸で処理することができる。
【0061】
いくつかの態様において、第2のアノード酸化アルミニウム層は汚染物(例えば、電解液の成分)を含むかまたは汚染物でふさがれた孔を含み、本発明は孔から汚染物を除去する工程をさらに含む。いくつかの例において、孔から汚染物を除去する工程は、酸化アルミニウムを浸漬液で処理する工程を含み得る。他の例において、孔から汚染物を除去する工程は第2のアノード酸化アルミニウム層を加圧ガスで処理する工程を含む。
【0062】
また、不活性ガスによる加圧(例えば、外殻側から)を使用して、アルミニウム金属の痕跡(例えば、管側の)を除去することができる。このような手順は、パラジウムまたは合金を含む膜などのガス選択膜の適用の前後に適用することができる。
【0063】
1つの特定の態様において、多孔質アノード酸化アルミニウム層を多孔質金属基材上に適用する工程は、(a)アルミニウム金属層を多孔質金属基材上に適用する工程;(b)アルミニウム金属層をアノード酸化により酸化して、第1のアノード酸化アルミニウム層を形成する工程;(c)第1のアノード酸化アルミニウム層の少なくとも一部を除去して、非酸化アルミニウム金属を含むテンプレートを形成する工程;および(d)アノード酸化によりテンプレートのアルミニウム金属を酸化して、多孔質アノード酸化アルミニウム層を形成する工程を含む。さらに、該態様はまた、多孔質アノード酸化アルミニウム層のふさがれた孔から酸化アルミニウムまたはアルミニウム金属を除去する工程を含む。
【0064】
多孔質アノード酸化アルミニウムの適用後に、高密度ガス選択膜を多孔質アノード酸化アルミニウム層上に適用することができる。例えば、高密度ガス選択膜は、ガス選択的金属、例えば水素選択的金属を多孔質アノード酸化アルミニウム層上に堆積させることにより適用し得る。一態様において、パラジウムまたはその合金を、例えば無電解めっきにより多孔質アノード酸化アルミニウム層上に堆積させて高密度ガス選択膜を形成する。高密度ガス選択膜の適用は、高密度ガス選択膜成分の堆積前に多孔質アノード酸化アルミニウム層の表面を活性化する工程を含み得る。
【0065】
高密度ガス選択膜の成分、例えば水素選択的金属またはその合金を、かかる物質を支持体上に堆積させるための当該技術分野において公知の技術のいずれかを使用して、多孔質アノード酸化アルミニウム層上に堆積し得る。例えば、高密度ガス選択膜の成分は、無電解めっき、熱堆積、化学蒸着、電気めっき、溶射蒸着、スパッターコーティング、電子ビーム蒸発、イオンビーム蒸発または溶射熱分解を使用して支持体上に堆積し得る。
【0066】
ガス選択的金属の合金を高密度ガス選択膜の成分として、多孔質アノード酸化アルミニウム層上に堆積し得る。一態様において、無電解堆積によりパラジウムを支持体上に最初に堆積させ、その後再度無電界堆積により銀を支持体上に堆積させることでパラジウム/銀合金を形成する。次いで、銀およびパラジウム層を、例えば不活性雰囲気または水素雰囲気中で約500℃〜約1000℃まで加熱することにより合金膜層を形成し得る。一態様において、金属成分を支持体上に同時堆積させ、純粋な金属成分の小さなポケットの微細混合物の層を形成する。別の態様において、スパッタリングまたは化学蒸着などの技術を使用して2種類以上の金属を同時に堆積し、支持体上に合金層を形成する。
【0067】
一局面において、本発明は水素ガス含有ガス流から水素ガスを選択的に分離する方法を含み、その方法により、高密度水素選択膜に通過させることで水素ガスを少なくとも部分的にガス流から分離する。該方法は、水素ガス含有ガス流を複合ガス分離モジュールに誘導する工程を含み、ここで複合ガス分離モジュールは(a)多孔質基材;(b)多孔質金属基材の上に配された多孔質アノード酸化アルミニウム層;および(c)多孔質アノード酸化アルミニウム層の上に配された高密度水素選択膜を含む。
【0068】
多孔質アノード酸化アルミニウム層は、本明細書に記載される技術のいずれかを使用して形成することができる。好ましくは、高密度水素選択膜はパラジウムまたはその合金を含む。
【0069】
複合ガス分離モジュールを水素ガス含有雰囲気(例えば、ガス流)に曝露した場合、高密度水素選択膜は、膜を通して水素ガスを解離および拡散させる。結果的に、水素は、水素ガス含有ガス流からガス分離モジュールの反対側の容器へと選択的に取り除かれる。水素ガス含有ガス流の水素分圧がガス分離モジュールの反対側の水素分圧よりも高い場合の水素の圧力の勾配は、複合ガス分離モジュールの高密度水素選択膜を通過する水素の流量を増加するように維持され得る。
【0070】
複合ガス分離モジュールが充分に適している具体的な応用としては、限定されないが、水素化/脱水素反応、メタン/水蒸気改質反応、および他の水蒸気改質反応またはメタンの自熱改質が挙げられる。一態様において、本発明は、水素ガス発生反応物を反応させて水素ガスが少なくとも部分的に分離されるガス流を生じる工程を含む。
【0071】
脱水素反応において、反応生成物は水素ガスを含む。少なくとも1種類が分子的に結合した水素を含む反応体は、本明細書に記載される複合ガス分離モジュールの周囲、間または内に配置され得る。反応が進行すると、複合ガス分離モジュールにより反応体が反応する容積から水素ガスが除去され得る。一般的に、これらの反応は熱力学平衡調節されるので、反応は水素ガスの蓄積により制限され、充分量の水素が蓄積した場合に平衡に達する。しかしながら、反応体から水素が分離される場合、変換は95%以上に達し得る。メタン/水蒸気改質において、メタンおよび水蒸気は触媒の存在下で管状の複合ガス分離モジュール内または周囲を通過し得る。メタンおよび水蒸気は反応して二酸化炭素および水素を発生させ、水素は高密度水素選択膜を通過して解離されて、それにより他の気体から分離され得る。
【0072】
複合ガス分離モジュールおよび本発明と組み合わせた使用に適した他の製造方法は、2000年11月28日にMaらに発行された米国特許第6,152,987号;2007年2月6日にMaらに発行された米国特許第7,172,644号;2007年2月13日にMaらに発行された米国特許第7,175,694号;2004年4月30日にMaらに発行された米国特許第7,255,726号;2004年3月19日にMaらによって出願された表題「Method for Fabricating Composite Gas Separation Modules」の米国特許出願第10/804,847号;および2004年7月21日に出願された表題「Composite Gas Separation Modules Having a Layer of Particles with a Uniform Binder Metal Distribution」の米国特許出願第10/896,743号に記載され、それぞれはその全体において参照により本明細書中に援用される。
【0073】
本発明の種々の態様に使用され得る表面活性化および金属堆積の詳細は、別の見出しで以下に示される。
【0074】
表面活性化
複合ガス分離モジュールを形成するための本発明の方法は、所望の物質(例えば、高密度ガス選択性膜の成分)の堆積前に支持体を表面活性化する工程を含み得る。一態様において、多孔質アノード酸化アルミニウム層の表面は、高密度ガス選択性膜を多孔質アノード酸化アルミニウム層上に適用する前に表面活性化される。また、多孔質アノード酸化アルミニウム層上への高密度ガス選択性膜の適用は、高密度ガス選択性膜の成分適用間での支持体の表面活性化を含み得る。
【0075】
一態様において、表面活性化は、パラジウム核などの水素選択性金属の核での支持体の表面のシーディングを含む。特定の理論に拘束されることを望まないが、表面活性化された支持体を無電解めっきした場合、表面活性化基材上のパラジウム核が、ヒドラジンなどの還元剤の存在下で、表面上において準安定性パラジウム塩錯体を還元する自己触媒プロセスを開始すると考えられる。
【0076】
一態様において、支持体は、例えば、水性塩化第一スズ(SnCl2)および塩化パラジウム(PdCl2)などの液体活性化組成物で処理することにより表面活性化される。一態様において、支持体は、支持体の実質的にすべての表面を水素選択性金属、例えばパラジウムの核でシーディング(seed)するために表面活性化される。例えば、支持体は、まず、水性酸性SnCl2浴(例えば、約1g/Lの水性SnCl2浴)中に約5分間などの適当な時間浸漬し、支持体を増感することにより表面活性化され得る。次いで、支持体は、支持体をパラジウム核でシーディングするため、水性酸性PdCl2浴(例えば、約0.1g/Lの水性PdCl2浴)中に、約5分間などの適当な時間浸漬され得る。各浴の温度は、典型的に、約15℃〜約25℃、例えば約20℃である。通常、SnCl2浴中での各浸漬後、支持体を水、例えば脱イオン水ですすぐ。典型的に、PdCl2浴中での各浸漬後、支持体を、まず、塩酸、好ましくは希塩酸、例えば0.01M塩酸ですすぎ、次いで水ですすぐ。塩酸でのすすぎは、パラジウムイオンの加水分解を防ぐために使用され得る。
【0077】
すすぎの間、酸性塩化第一スズ浴中への支持体の浸漬後、支持体の表面上のスズイオンは、一部加水分解されて、比較的不溶性の生成物、例えばSn(OH)1.5Cl0.5および他のより複雑なヒドロキシル塩化物が形成され得る。加水分解の生成物は、数オングストローム程度の厚さを有する層として、表面に強く結合され得る。この層の組成、構造および厚さは、塩化第一スズに対する塩酸塩の比;支持体表面の構造、粗さおよび形状;ならびにすすぎの流体力学的領域などの因子に依存し得る。この層は、PdCl2浴のPd2+イオンをPd0に還元して支持体の表面上に核またはシードを形成すると考えられる。
【0078】
一般的に、SnCl2で、次いでPdCl2で支持体を処理する上記の方法は、表面活性化された支持体を提供するのに必要なだけ繰返される。SnCl2で、次いでPdCl2での処理の反復の正確な回数は、所望される表面活性化の強度に依存する。典型的に、SnCl2で、次いでPdCl2での処理は、約2〜約10回または好ましくは約2〜約5回などの少なくとも1回行なわれる。好ましい一態様において、表面活性化された支持体は、均一な暗褐色の平滑な表面を有する。
【0079】
したがって、表面活性化された支持体は、各々が、表面活性化方法(SnCl2で、次いでPdCl2で支持体を処理することなどによって)を行なった後に形成されたパラジウム核のいくつかの薄層を有する構造を含み得る。これらの予めシーディングされたパラジウム核により、無電解パラジウムめっきの開始時の自己触媒プロセスの誘導期間が短縮され得る。
【0080】
パラジウム核を用いた支持体の表面活性化を上記に示したが、他の金属のめっきに適当な表面活性化された支持体を形成するための方法は、当業者に周知である。
【0081】
あるいは、金属または合金(例えば、パラジウムまたはその合金)は、支持体の表面活性化なしで支持体上に堆積され得る。しかしながら、表面活性化なしでは、金属での支持体のめっきが遅くなり得る。
【0082】
金属堆積
支持体上への物質の堆積は、金属(例えば、水素選択性金属)での支持体のめっきを含み得る。例えば、高密度ガス選択性膜の適用などの支持体上への金属の堆積では、以下の方法などの無電解めっき技術が使用され得る。
【0083】
一態様において、めっきは無電解めっきによって行なわれる。例えば、パラジウム堆積は、化学反応式IおよびII:
2Pd(NH3)4Cl2 + H2NNH2+ 4NH4OH →2Pd + N2 + 8NH3 + 4NH4Cl + 4H2O [I]
または
2Pd2+ + H2NNH2 + 4OH- → 2Pd + N2 + 4H2O [II]
の自己触媒反応に従って行なわれ得る。
【0084】
一態様において、以下のもの: 4.0g/LのPd(NH3)4Cl2H2O;198 mL/L NH4OH (28%);40.1g/LのNa2EDTA;および5.6〜7.6 mL/L H2NNH2(1M)を含有するめっき溶液が調製される。このめっき溶液は、例えば約60℃などの約20℃〜約90℃の温度で維持され得る。典型的に、めっき溶液はほぼ10.4のpHを有し、めっき面積1平方センチメートルあたりほぼ3.5cm3の溶液が提供されるのに充分な量で提供される。
【0085】
めっき溶液は、温度制御を提供するためのジャケット付きであり得るめっき槽に入れられ得る。例えば、めっき槽は、温度制御された水浴中に維持され得る。支持体は、典型的に、パラジウムの堆積を開始するためにめっき溶液に導入される。
【0086】
支持体上へのパラジウムの約1時間の定常状態堆積後、パラジウムイオンおよびヒドラジン(H2NNH2)の枯渇を伴ってめっき活性は低下し、めっき溶液のpHが低下する。めっき溶液の枯渇後、新たな溶液を提供し、該手順を繰り返してもよい。各めっきの安定な高速の堆積は、めっき溶液を交換することだけでなく、めっき間で堆積された金属を注意深くすすぐことによっても達成され得る。典型的に、堆積された金属は最低約5回、例えば約50℃〜約60℃の脱イオン水で約2〜約5分間すすぐ。
【0087】
無電解めっきの代替法として、物質、例えばパラジウムを、熱蒸着、化学気相蒸着、電気めっき、溶射蒸着、スパッターコーティング、電子ビーム蒸発、イオンビーム蒸発または溶射熱分解などの当該技術分野で公知の他の適当な金属堆積技術によって支持体上に堆積させることができる。
【0088】
本発明はまた、(a)多孔質非アルミニウム金属基材;および(b)多孔質非アルミニウム金属基材の上に配された多孔質アノード酸化アルミニウム層を備え、該多孔質アノード酸化アルミニウム層に、多孔質アノード酸化アルミニウム層の第1の側面から多孔質アノード酸化アルミニウム層を通って多孔質アノード酸化アルミニウム層の第2の側面に延びる細孔が設けられた複合フィルターを含む。
【0089】
多孔質非アルミニウム金属基材は、上記の任意の非アルミニウム金属基材を含み得る。
【0090】
いくつかの態様において、多孔質アノード酸化アルミニウム層は、少なくとも約25、50、75、100、または約150ミクロン厚などの少なくとも約10ミクロン厚である。
【0091】
多孔質アノード酸化アルミニウム層に、多孔質酸化アルミニウム層の第1の側面から多孔質アノード酸化アルミニウム層を通って多孔質アノード酸化アルミニウム層の第2の側面に延びる細孔が設けられ得る。
【0092】
一般に、多孔質アノード酸化アルミニウム層の細孔は、多孔質金属基材の細孔よりも小さい。多孔質アノード酸化アルミニウム層の細孔は、例えば、ナノメートル規模の細孔であり得る。いくつかの態様において、多孔質アノード酸化アルミニウム層に、平均直径が約1ナノメートル(nm)〜約1000nmの細孔が設けられている。例えば、多孔質アノード酸化アルミニウム層に、約500nm未満、200nm、または約100nm未満の平均孔径を有する細孔が設けられ得る。
【0093】
本発明のいくつかの局面において、多孔質金属基材には第1平均孔径を有する細孔が設けられており、多孔質アノード酸化アルミニウム層に第2平均孔径を有する細孔が設けられており、第2平均孔径は第1平均孔径より小さい。例えば、第1平均孔径は、第1平均孔径の約半分未満であり得るか、または第1平均孔径の約10分の1未満であり得る。いくつかの態様において、多孔質アノード酸化アルミニウム層の最大細孔は、多孔質金属基材の最大細孔よりも小さい。
【0094】
いくつかの態様において、多孔質アノード酸化アルミニウム層は、アルミニウム金属の層を含む。例えば、多孔質アノード酸化アルミニウム層は、酸化アルミニウムの層の下にアルミニウム金属の層またはポケットを含み得る。
【0095】
また、本発明は、(a)多孔質非アルミニウム金属基材上にアルミニウム金属層を適用する工程;(b)アノード酸化によってアルミニウム金属層を酸化し、それにより第1アノード酸化アルミニウム層を形成する工程;(c)第1アノード酸化アルミニウム層の少なくとも一部を除去し、それによりテンプレートを形成する工程、ここで、テンプレートは非酸化アルミニウム金属を含む;および(d)アノード酸化によってテンプレートのアルミニウム金属を酸化し、それにより多孔質アノード酸化アルミニウム層を形成する工程を含む複合フィルターの製作方法を含む。これらの工程はそれぞれ、多孔質金属基材上への多孔質アノード酸化アルミニウム層の形成に関して既に上記のようにして行なわれ得る。
【0096】
また、上記のように、いくつかの場合において、非多孔質アノード酸化アルミニウムまたはアルミニウム金属は、多孔質アノード酸化アルミニウムとともに存在し得、該方法は、さらに、上記の非多孔質アノード酸化アルミニウムまたはアルミニウム金属を除去する工程を含み得る。
【実施例】
【0097】
実施例
次に、本発明を、限定を意図しない以下の実施例によってさらに具体的に記載する。
【0098】
実施例1
この実施例は、金属基材表面に結合されたアルミニウム薄層の作製を記載する。
【0099】
結合アルミニウム層は、Mott Metallurgical Corporation製の0.1ミクロングレードの多孔質316Lステンレス鋼(「PSS」)基材管の外側表面上にアルミニウム金属をスパッタリングすることにより形成した。図2A〜2Dは、種々の倍率でのPSS管の断面図の光学顕微鏡写真である。図3は、約176ミクロン(重量測定により測定)のアルミニウム金属がPSS管(表面積10cm2)上にスパッタリングされた0.5インチO.D.(外径)PSS管アセンブリを示す。
【0100】
結合アルミニウム層は、0.1ミクロングレードの多孔質INCONEL(登録商標)基材管の外側表面上にアルミニウム金属をスパッタリングすることにより形成した。図4は、INCONEL(登録商標)管(表面積120cm2)上にアルミニウム金属をスパッタリングすることにより作製されたアルミニウム厚さの60ミクロン(重量測定により測定)の1.0インチO.D. INCONEL(登録商標)管アセンブリを示す。
【0101】
実施例2
この実施例は、アルミニウム表面のアノード酸化による多孔質アノード酸化アルミニウム層の形成を記載する。
【0102】
アルミニウムホイル(5.5cm2、2ミリメートル厚)のアルミニウム表面をアセトン中で脱脂し、次いで、超音波洗浄した。次に、アルミニウムホイルを脱イオン(「DI」)水中ですすぎ、3.0モル/リットル(mol/L)水酸化ナトリウム(NaOH)中で表面上に気泡が発生するまでエッチングした。次いで、アルミニウムホイルをDI水中で超音波洗浄した。次いで、アルミニウム表面を過塩素酸およびエタノール混合物 (1:3の70% HClO4およびC2H5OH)中、20ボルト(V)で5分間電解研磨した。図5Aおよび5Bは、電解研磨前(図5A)および電解研磨後(図5B)のアルミニウム表面のSEM画像である。図6は、電解研磨後、実施例1記載のようにして176ミクロンの金属でアルミニウム処理されたアルミニウム処理PSS管(表面積10cm2) の写真である。
【0103】
アノードアルミニウム層をきれいなアルミニウムホイル(5.5cm2、2ミリメートル厚)上に形成すると細孔開始が示される実験を行なった。3%シュウ酸水和物(H2C2O4・2H2O)の200mL溶液中に一定電圧(40V)および2.5アンペア(A)で2電極構成を有するアノード酸化処理用セル内に、きれいなアルミニウムホイルをアノードとして1時間配置した。それにより、アノード酸化アルミニウム層をアルミニウム表面上に形成させた。
【0104】
図7は、アルミニウムシート内で起こったと考えられる浸透経路の発達の概略図(a、b、およびc)を含む。図7はまた、アノード酸化処理用セル内での処理後のアルミニウム表面のSEM画像を含む。図8 Aおよび8Bは、図7の矢印で示した点の拡大図である。これらの実験のアルミニウム表面は電解研磨しなかったことに注意のこと。
【0105】
次いで、超音波条件下、60℃でリン酸およびクロム酸溶液の混合物(6%H3PO4+1.8% H2CrO4)中に試料を0.5時間浸漬した後、多数回蒸留水ですすぐことにより、アノード酸化アルミニウム層を完全に除去した。この工程では、アノード酸化アルミニウム層のみを除去し、アルミニウム基材はそのままにした。
【0106】
アルミナ膜を剥がした後、先と同じ条件下(3%H2C2O4・2H2Oの溶液から40Vの一定電圧で2電極構成)で、試料の定常状態アノード酸化処理を行なった。アノード酸化処理深さの速度は0.5ミクロン/クーロン/cm2であった。このようにして多孔質アノード酸化アルミニウム層がアルミニウム表面上に形成された。図9Aおよび9Bは、多孔質アノード酸化アルミニウム層のSEM画像であり、多孔質アノード酸化アルミニウムの形態を示す。
【0107】
いくつかの場合において、バリア層が多孔質アノード酸化アルミニウム層の細孔に存在し得る。かかるバリア層は、フルオロホウ酸塩溶液中への浸漬によって除去され得る。かかる浸漬溶液は、バリア層に対してより強い効果を奏し得る。この浸漬溶液と多孔質アノード酸化物層間の相互作用は、重要でないと考えられる。この浸漬溶液はまた、多孔質アノード酸化アルミニウム層の詰まった細孔を
清浄にするために、およびそのガス透過性を改善するためにも使用され得る。好ましい浸漬溶液は、フルオロホウ酸ニッケル(例えば、160グラム/リットル(g/L))、およびフルオロホウ酸亜鉛(例えば、50g/L)である。パラジウムまたは合金を含有する膜などのガス選択性膜の接着を強化するため、トリエタノールアミン(例えば、30g/L)が浸漬溶液に添加され得る。
【0108】
基材に結合された微量のアルミニウム金属を(例えば、PSS基材の管側面の)除去するため、3.0mol/L NaOHのアルカリ溶液が使用され得、その後、希リン酸(H3PO4)溶液処理によりPSSの腐食を防ぐ。この手順は、パラジウムまたは合金を含有する膜などのガス選択性層の適用後に使用され得る。
【0109】
図10は、アノード酸化アルミニウムバリア層(BAAO)を除去するため、および
基材に結合された微量のアルミニウム金属を除去するために、どのようにして浸漬溶液およびアルカリ溶液が使用され得るかの概略図である。
【0110】
アノード酸化アルミニウム層の孔または細孔から不純物を除去するために、不活性ガスによる加圧が使用され得る。
【0111】
実施例3
この実施例は、本発明の一態様による複合ガス-分離モジュールの形成を記載する。
【0112】
長さ約1インチおよび重量測定による推定アルミニウム金属厚さ176ミクロンの多孔質部分を有するアルミニウム処理された0.5インチO.D. PSS管アセンブリを使用した。図3はアセンブリの図である。アセンブリをアセトンで清浄にした。
【0113】
ガラスシリンダー中4電極構成を用いて、アルミニウム処理PSS管を電解研磨した。アルミニウム金属被覆PSS管をアノードとして使用した。3本の0.25インチO.D. アルミニウム棒カソードをアノードの周りに対称に配置した。アノード表面とカソードの間隔はほぼ0.375インチであった。電解研磨は、6.7〜5.0V DCの電圧範囲で5分間行なった。電解質溶液なしの電極の初期電圧を20V DCに設定した。電解研磨に使用した電解質溶液は、1:3の割合での70% HClO4およびC2H5OHの混合物であった。電解研磨された基材をDI水およびC2H5OH中ですすぎ、140℃で2時間乾燥させた。重量測定により測定されたアルミニウム金属層の厚さは、電解研磨後110ミクロンであった。図6は電解研磨後の試料の図である。
【0114】
ガラスシリンダー中4電極構成を有するアノード酸化処理用セル内でアルミニウム表面を酸化した。アルミニウム処理PSS管をアノードとして使用した。3本のカソードをアノードの周りに対称に配置した。3本の0.25インチO.D. 清浄アルミニウム棒カソードをアノードの周りに対称に配置した。アノード表面とカソードの間隔はほぼ0.375インチであった。アノード酸化処理は、3%シュウ酸溶液から6.7〜6.2V DCの電圧範囲で半時間行なった。電解質溶液なしの電極の初期電圧を40V DCに設定した。多孔質アノード酸化アルミニウム層を有する得られた支持体をDI水中ですすぎ、140℃で2時間乾燥した。
【0115】
次いで、無電解パラジウム堆積によって、高密度パラジウム水素選択性層を多孔質アノード酸化アルミニウム層に適用した。重量測定により推定される高密度パラジウム層の厚さは28ミクロンであった。ヘリウム(400時間)および純水素雰囲気(300時間)下、350℃、400℃、450℃、および500℃で膜を試験した。この膜の水素浸透度は、500℃で約8 m3/m2・h・atm0.5であった。図11は、4気圧までの圧力差で高温処理後のこの試料 を示す。この膜は、この処理後、測定可能なヘリウム漏れなく安定となり、外殻側と管側の圧力差は4気圧までであった(膜は「無限大」の選択性を有した)。高度に選択性のパラジウム膜を有するこの複合水素分離モジュールは安定であった。
【0116】
実施例4
この実施例は、アルミニウム処理されたPSS支持体の、ヘリウム-水素(He-H2)雰囲気下、500℃での焼鈍を記載する。
【0117】
アルミニウム被覆されたPSS支持体は、ザラザラした表面構造を有し、ガス高密度でないことがある。図12は、Mott Metallurgical Corporationから得られた0.1ミクロングレードの316L PSS支持体上の、アルミニウム被覆が形成された表面のSEM画像(SEI)を示す(倍率 = 1000倍)。
【0118】
窒素またはヘリウム雰囲気下、500℃でアルミニウム処理されたPSS基材を焼鈍する試みにより、アルミニウム金属層の酸化および分解がもたらされた。ヘリウム中、500℃での予備焼鈍実験により、基材のアルミニウム金属表面は微量のH2OおよびO2不純物から非常に酸化を受け易いことが示された。
【0119】
PSS表面上のアルミニウム金属層の酸化および分解を回避するため、ヘリウムおよび5〜10%水素の混合物の雰囲気を500℃で使用した。図13に示すプロットは、10%水素を含むヘリウム中で500℃での焼鈍中の、温度履歴およびアルミニウム処理されたPSS複合体を通過したガス流入量の変化を示す。室温での初期ヘリウム流入量は、圧力差1気圧で35Nm3/m2・時間であり、約75%低下した。ガス流入量は、500℃までの加熱の間に減少した。この減少の大部分(約400℃まで)は、ガス混合物中の密度の低下によると思われた。しかしながら、100〜200時間の間の減少は、一定温度500℃で起こった。このガス流入量の低下は、焼鈍中に、層内のアルミニウム金属粒子がより大きな程度の焼結結合を達成したことを良好に示した。図14は、ヘリウム-水素雰囲気下、500℃で焼鈍後アルミニウム金属被覆の表面のSEM(SEI)画像である。
【0120】
本発明を、その例示的な態様を参照して具体的に示し、記載したが、形態および詳細における種々の変形が、添付の特許請求の範囲によって包含される本発明の範囲から逸脱せずになされ得ることは、当業者によって理解されよう。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)多孔質金属基材;
b)該多孔質金属基材の上に配された多孔質アノード酸化アルミニウム層;および
c)該多孔質アノード酸化アルミニウム層の上に配された高密度ガス選択性膜
を備える複合ガス分離モジュール。
【請求項2】
多孔質金属基材がステンレス鋼である、請求項1記載の複合ガス分離モジュール。
【請求項3】
多孔質金属基材がクロムおよびニッケルを含有する合金である、請求項1記載の複合ガス分離モジュール。
【請求項4】
合金がさらにモリブデンを含有する、請求項3記載の複合ガス分離モジュール。
【請求項5】
多孔質アノード酸化アルミニウム層が少なくとも約25ミクロン厚である、請求項1記載の複合ガス分離モジュール。
【請求項6】
多孔質アノード酸化アルミニウム層が少なくとも約50ミクロン厚である、請求項5記載の複合ガス分離モジュール。
【請求項7】
多孔質アノード酸化アルミニウム層が少なくとも約100ミクロン厚である、請求項5記載の複合ガス分離モジュール。
【請求項8】
多孔質アノード酸化アルミニウム層に、約1ナノメートル(nm)〜約1000nmの平均直径を有し、多孔質酸化アルミニウム層の第1の側面から多孔質アノード酸化アルミニウム層を通って多孔質アノード酸化アルミニウム層の第2の側面に延びる細孔が設けられている、請求項1記載の複合ガス分離モジュール。
【請求項9】
多孔質金属基材に、第1平均孔径を有する細孔が設けられており、多孔質アノード酸化アルミニウム層に、第2平均孔径を有する細孔が設けられており、第2平均孔径は第1平均孔径よりも小さい、請求項1記載の複合ガス分離モジュール。
【請求項10】
第1平均孔径が第1平均孔径の約2分の1よりも小さい、請求項9記載の複合ガス分離モジュール。
【請求項11】
第1平均孔径が第1平均孔径の約10分の1よりも小さい、請求項9記載の複合ガス分離モジュール。
【請求項12】
多孔質アノード酸化アルミニウム層に、約500nm未満の平均孔径を有する細孔が設けられている、請求項1記載の複合ガス分離モジュール。
【請求項13】
多孔質アノード酸化アルミニウム層に、約200nm未満の平均孔径を有する細孔が設けられている、請求項12記載の複合ガス分離モジュール。
【請求項14】
多孔質アノード酸化アルミニウム層に、約100nm未満の平均孔径を有する細孔が設けられている、請求項12記載の複合ガス分離モジュール。
【請求項15】
アルミニウム金属層が、多孔質アノード酸化アルミニウム層の下に配され、多孔質金属基材の上側に配されている、請求項1記載の複合ガス分離モジュール。
【請求項16】
多孔質アノード酸化アルミニウム層が上面および下面を有し、該多孔質アノード酸化アルミニウム層が多孔質金属基材と該下面で直接隣接しており、高密度ガス選択性膜と該上面で直接隣接している、請求項1記載の複合ガス分離モジュール。
【請求項17】
多孔質アノード酸化アルミニウム層が上面および下面を有し、該多孔質アノード酸化アルミニウム層がアルミニウム金属層と該下面で直接隣接しており、高密度ガス選択性膜と該上面で直接隣接しており、該アルミニウム金属層が多孔質金属基材と直接隣接している、請求項1記載の複合ガス分離モジュール。
【請求項18】
高密度ガス選択性膜が高密度水素選択性膜である、請求項1記載の複合ガス分離モジュール。
【請求項19】
高密度水素選択性膜がパラジウムまたはその合金を含む、請求項18記載の複合ガス分離モジュール。
【請求項20】
a)多孔質非アルミニウム金属基材;および
b)該多孔質非アルミニウム金属基材の上に配された多孔質アノード酸化アルミニウム層であって、多孔質アノード酸化アルミニウム層の第1の側面から多孔質アノード酸化アルミニウム層を通って多孔質アノード酸化アルミニウム層の第2の側面に延びる細孔が設けられている多孔質アノード酸化アルミニウム層
を備える複合フィルター。
【請求項21】
多孔質非アルミニウム金属基材がステンレス鋼である、請求項20記載の複合フィルター。
【請求項22】
多孔質非アルミニウム金属基材がクロムおよびニッケルを含有する合金である、請求項20記載の複合フィルター。
【請求項23】
合金がさらにモリブデンを含有する、請求項20記載の複合フィルター。
【請求項24】
多孔質アノード酸化アルミニウム層の細孔が約1nm〜約1000nmの平均直径を有する、請求項20記載の複合フィルター。
【請求項25】
多孔質アノード酸化アルミニウム層の細孔が約500nm未満の平均孔径を有する、請求項24記載の複合フィルター。
【請求項26】
多孔質アノード酸化アルミニウム層の細孔が約200nm未満の平均孔径を有する
、請求項24記載の複合フィルター。
【請求項27】
多孔質アノード酸化アルミニウム層の細孔が約100nm未満の平均孔径を有する、請求項24記載の複合フィルター。
【請求項28】
多孔質非アルミニウム金属基材に、第1平均孔径を有する細孔が設けられており、多孔質アノード酸化アルミニウム層に、第2平均孔径を有する細孔が設けられており、第1平均孔径が第1平均孔径よりも小さい、請求項20記載の複合フィルター。
【請求項29】
第1平均孔径が第1平均孔径の半分よりも小さい、請求項28記載の複合フィルター。
【請求項30】
第1平均孔径が第1平均孔径の約10分の1よりも小さい、請求項28記載の複合フィルター。
【請求項31】
アルミニウム金属の層が、多孔質アノード酸化アルミニウム層の下に配され、多孔質金属基材の上側に配されている、請求項20記載の複合フィルター。
【請求項32】
a)多孔質金属基材上に多孔質アノード酸化アルミニウム層を適用する工程;および
b)該多孔質アノード酸化アルミニウム層上に高密度ガス選択性膜を適用し、それにより複合ガス分離モジュールを形成する工程
を含む、複合ガス分離モジュールの製作方法。
【請求項33】
多孔質金属基材上に多孔質アノード酸化アルミニウム層を適用する工程が、多孔質金属基材上にアルミニウム金属層を適用する工程を含む、請求項32記載の方法。
【請求項34】
多孔質金属基材が多孔質非アルミニウム金属基材である、請求項33記載の方法。
【請求項35】
多孔質金属基材上にアルミニウム金属層を適用する工程が、スパッタリング、固体アルミニウム粉末の適用、ペーストカロライジング適用、および溶融アルミニウムめっきからなる群より選択される技術を使用する工程を含む、請求項33記載の方法。
【請求項36】
多孔質金属基材上に多孔質アノード酸化アルミニウム層を適用する工程が、アルミニウム金属層の焼きなましを含む、請求項33記載の方法。
【請求項37】
多孔質金属基材上に多孔質アノード酸化アルミニウム層を適用する工程が、アルミニウム金属層を研磨する工程を含む、請求項33記載の方法。
【請求項38】
多孔質金属基材上に多孔質アノード酸化アルミニウム層を適用する工程が、
アルミニウム金属層を電解研磨することを含む、請求項36記載の方法。
【請求項39】
多孔質金属基材上に多孔質アノード酸化アルミニウム層を適用する工程が、アルミニウム金属層のエッチングを含む、請求項33記載の方法。
【請求項40】
多孔質金属基材上に多孔質アノード酸化アルミニウム層を適用する工程が、アルミニウム金属層の化学的エッチングを含む、請求項39記載の方法。
【請求項41】
多孔質金属基材上に多孔質アノード酸化アルミニウム層を適用する工程が、アノード酸化によってアルミニウム金属層を酸化し、それにより第1アノード酸化アルミニウム層を形成する工程を含む、請求項33記載の方法。
【請求項42】
多孔質金属基材上に多孔質アノード酸化アルミニウム層を適用する工程が、第1アノード酸化アルミニウム層の少なくとも一部を除去し、それによりテンプレートを形成する工程を含み、テンプレートが非酸化アルミニウム金属を含む、請求項41記載の方法。
【請求項43】
テンプレートのアルミニウム金属をアノード酸化によって酸化し、それにより第2アノード酸化アルミニウム層を形成する、請求項42記載の方法。
【請求項44】
第2アノード酸化アルミニウム層が多孔質および非多孔質アノード酸化アルミニウムを含み、さらに、非多孔質アノード酸化アルミニウムの少なくとも一部を除去する工程を含む、請求項43記載の方法。
【請求項45】
非多孔質アノード酸化アルミニウムを除去する工程が、第2アノード酸化アルミニウム層を浸漬溶液で処理する工程を含む、請求項44記載の方法。
【請求項46】
浸漬溶液がフルオロホウ酸塩溶液である、請求項44記載の方法。
【請求項47】
第2アノード酸化アルミニウム層がアルミニウム金属を含み、さらに、アルミニウム金属の少なくとも一部を除去する工程を含む、請求項43記載の方法。
【請求項48】
アルミニウム金属を除去する工程が、アルミニウム金属をアルカリで処理する工程を含む、請求項47記載の方法。
【請求項49】
アルミニウム金属を除去する工程が、第2アノード酸化アルミニウム層を加圧ガスで処理する工程を含む、請求項47記載の方法。
【請求項50】
多孔質金属基材上に多孔質アノード酸化アルミニウム層を適用する工程が、
a)多孔質金属基材上にアルミニウム金属層を適用する工程;
b)アノード酸化によってアルミニウム金属層を酸化し、それにより第1アノード酸化アルミニウム層を形成する工程;
c)第1アノード酸化アルミニウム層の少なくとも一部を除去し、それによりテンプレートを形成する工程、ここで、テンプレートは非酸化アルミニウム金属を含む;および
d)アノード酸化によってテンプレートのアルミニウム金属を酸化し、それにより多孔質アノード酸化アルミニウム層を形成する工程
を含む、請求項32記載の方法。
【請求項51】
多孔質アノード酸化アルミニウム層が非多孔質アノード酸化アルミニウムを含み、さらに、多孔質アノード酸化アルミニウム層から非多孔質アノード酸化アルミニウムの少なくとも一部を除去する工程を含む、請求項50記載の方法。
【請求項52】
ガス選択性膜が水素選択性の膜である、請求項32記載の方法。
【請求項53】
高密度水素選択性膜を適用する工程が、パラジウムまたはその合金を多孔質アノード酸化アルミニウム層上に堆積させる工程を含む、請求項52記載の方法。
【請求項54】
高密度水素選択性膜が、銅、銀、金、白金、ルテニウム、ロジウム、イットリウム、セリウムおよびインジウムからなる群より選択される金属の少なくとも1種類と合金化されたパラジウムを含む、請求項52記載の方法。
【請求項55】
高密度ガス選択性膜を適用する工程が、無電解めっき、電気めっき、熱蒸着、化学気相蒸着、溶射蒸着、スパッターコーティング、電子ビーム蒸発、イオンビーム蒸発および溶射熱分解からなる群より選択される方法によってガス選択性金属を堆積させる工程を含む、請求項32記載の方法。
【請求項56】
請求項32記載の方法によって製作される複合ガス分離モジュール。
【請求項57】
請求項50記載の方法によって製作される複合ガス分離モジュール。
【請求項58】
a)多孔質非アルミニウム金属基材上にアルミニウム金属層を適用する工程;
b)アノード酸化によってアルミニウム金属層を酸化し、それにより第1アノード酸化アルミニウム層を形成する工程;
c)第1アノード酸化アルミニウム層の少なくとも一部を除去し、それによりテンプレートを形成する工程、ここで、テンプレートは非酸化アルミニウム金属を含む;および
d)アノード酸化によってテンプレートのアルミニウム金属を酸化し、それにより多孔質アノード酸化アルミニウム層を形成する工程
を含む、複合フィルターの製作方法。
【請求項59】
多孔質アノード酸化アルミニウム層が非多孔質アノード酸化アルミニウムを含み、さらに、多孔質アノード酸化アルミニウム層から非多孔質アノード酸化アルミニウムの少なくとも一部を除去する工程を含む、請求項58記載の方法。
【請求項60】
水素ガス含有ガス流を複合ガス分離モジュールに指向する工程を含み、複合ガス分離モジュールが、
a)多孔質金属基材;
b)該多孔質金属基材の上に配された多孔質アノード酸化アルミニウム層;および
c)該多孔質アノード酸化アルミニウム層の上に配された高密度水素選択性膜
を含み、
高密度水素選択性膜を通過することによって、水素ガスが少なくとも一部、ガス流から分配される、
水素ガス含有ガス流から水素ガスを選択的に分離するための方法。
【請求項61】
さらに、水素ガス生成反応体を反応させてガス流を生成させる工程を含む、請求項60記載の方法。
【請求項62】
多孔質金属基材に、第1平均孔径を有する細孔が設けられており、多孔質アノード酸化アルミニウム層に、第2平均孔径を有する細孔が設けられており、第2平均孔径は第1平均孔径よりも小さい、請求項60記載の方法。
【請求項63】
第1平均孔径が第1平均孔径の半分よりも小さい、請求項62記載の方法。
【請求項64】
第1平均孔径が第1平均孔径の約10分の1よりも小さい、請求項63記載の方法。
【請求項65】
多孔質アノード酸化アルミニウム層に、約500nm未満の平均孔径を有する細孔が設けられている、請求項62記載の方法。
【請求項66】
多孔質アノード酸化アルミニウム層に、約200nm未満の平均孔径を有する細孔が設けられている、請求項65記載の方法。
【請求項67】
多孔質アノード酸化アルミニウム層に、約100nm未満の平均孔径を有する細孔が設けられている、請求項65記載の方法。
【請求項68】
高密度水素選択性膜がパラジウムまたはその合金を含む、請求項62記載の方法。
【請求項69】
アルミニウム金属層の焼きなましが、不活性ガスおよび水素ガスを含む雰囲気中での焼きなましを含む、請求項36記載の方法。
【請求項70】
該雰囲気が約20パーセント未満の水素ガスを含む、請求項69記載の方法。
【請求項71】
該雰囲気が約5〜約15パーセントの水素ガスを含む、請求項70記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公表番号】特表2010−523315(P2010−523315A)
【公表日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−502138(P2010−502138)
【出願日】平成20年4月4日(2008.4.4)
【国際出願番号】PCT/US2008/004403
【国際公開番号】WO2008/124062
【国際公開日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【出願人】(505348359)ウスター ポリテクニック インスティチュート (9)
【Fターム(参考)】