説明

多孔質PTFE樹脂絶縁層被覆電線及びそれを用いた同軸ケーブル

【課題】本発明は、ポリテトラフルオロエチレン(以下PTFE)絶縁層を多孔質化し、その誘電損失を低減しても中心導体と絶縁層間の引抜き力を有している、高周波領域においても減衰量の優れた多孔質PTFE絶縁電線及びそれを用いた同軸ケーブル、ならびにその製造方法を提供することにある。
【解決手段】PTFE樹脂を中心導体11に押出被覆する際に、中心導体11の外周にPTFE樹脂製の絶縁層12を被覆形成するチュービング押出方式を用いたペースト押出成形において、PTFE樹脂の未焼成状態では絶縁層12と中心導体11との間に間隙qが存するように成形することにより、絶縁層12〜中心導体11に密着させない状態で被覆し、連続炉内で延伸し多孔質化した後、焼成時に半径方向に収縮せしめることによって中心導体と絶縁層間の引抜き力を付与した多孔質フッ素樹脂絶縁電線10を製造する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高周波領域で減衰量特性の優れた多孔質PTFE樹脂絶縁層被覆電線及びそれを用いた同軸ケーブルに関する。なお、本発明においてはポリテトラフルオロエチレンをPTFEと略記する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話等の通信機器の基地局設備あるいは放送設備及びその基地局設備において高周波信号伝送に同軸ケーブルが用いられている。高周波伝送においては、同一の絶縁材料であれば周波数がより高くなるほどに誘電損失が大きくなるため、比誘電率及び誘電正接が小さい値の絶縁材料を選定使用し、誘電損失を小さくすることが好ましい。そのため、従来から誘電損失の小さいフッ素樹脂であるPTFEを絶縁材料として用い、その外周に銅管を被覆したセミリジッド同軸ケーブルが使用されている。しかし、セミリジッド同軸ケーブルの絶縁層はPTFE充実体であるため、近年の信号伝送サービスにおけるギガヘルツ領域までの高周波化によってその減衰量特性は十分なものとは言えなくなってきている。
【0003】
ギガヘルツ領域での誘電特性についての市場からの改善要求に対し、多孔質絶縁体を実現する方法として、完全焼成された充実PTFEシートをパンチング加工により穴を開けたシート、あるいは延伸によって予め多孔質化された焼成または未焼成PTFEシートを中心導体に横巻き積層することによって絶縁層を形成した多孔質PTFE絶縁電線を作成する方法などが採られてきた。しかしながら、中心導体の外周にPTFEシートを巻きつけ積層する工程は、作業が煩雑かつ機械装置が多数必要であるため加工費が高くなる傾向にあり、さらに外径の細い中心導体に積層する場合の作業はより難しいものとなる。
【0004】
そのため、シート巻きつけをせずに多孔質PTFE絶縁層を得る方法として、中心導体の外周にPTFEを加圧押出方式で押出成形し、延伸、加熱焼成する方法があるが、中心導体と絶縁層が密着しないという問題点がある。これを改善する手法として、下記特許文献1及び2などにおいて、造孔剤として機能する物質を含有させたPTFEの内層と通常のPTFEのみの外層を持つ2層構造の予備成形体を用いて、加圧押出方式で押出成形し加熱焼成することによって、多孔質化と中心導体に対する密着力とが同時に得られるという提案がなされている。
【特許文献1】特公平6−18087号公報
【特許文献2】特開2001−67944号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、造孔剤として機能する物質を含有させることは、その結果として得られた絶縁層の誘電特性に悪影響を及ぼす要因となり、誘電特性を向上させるためにPTFEを使用することと相反する結果となり、高価なPTFEの良さが発揮できないという欠点がある。
【0006】
加圧押出方式は中心導体と絶縁層との間の密着力とPTFE樹脂の多孔質化とを両立させる成形条件を得ることは可能であるが、未焼成のPTFE多孔質体はスポンジのように変形しやすいため、焼成前にPTFE多孔質体がプーリーなどを通過することによってターンしたときに絶縁体外周が変形して真円を保つことができず、その変形した形状のまま焼成固化されてしまう問題がある。また、加圧押出方式で被覆した場合は、中心導体に密着した状態でPTFE樹脂が押し出されてくるため、PTFE樹脂がダイス先端から押出されると同時に延伸され多孔質化されるので、押出直後の室温での延伸は長手方向に多孔度が不均一な多孔質状態となる問題がある。いずれの問題もPTFE樹脂絶縁層の比誘電率に斑が生じ、減衰量特性が劣化する要因となる。
【0007】
本発明は、誘電特性に悪影響を及ぼす要因となる造孔剤を含有させることなしに、より容易に均一な高多孔度と中心導体との高密着力を同時に得ることができ、減衰量特性が優れた多孔質PTFE樹脂絶縁層被覆電線及びそれを用いた同軸ケーブルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の多孔質PTFE樹脂絶縁層被覆電線は、中心導体の外周にPTFE樹脂製の絶縁層を被覆形成するチュービング押出方式を用いたペースト押出成形において、PTFE樹脂の未焼成状態では絶縁層と中心導体との間に間隙が存するように成形し、ペースト押出成形のためにPTFE樹脂に含有させた押出助剤を乾燥除去した後に、前記絶縁層を延伸により多孔質化し、この多孔質化した絶縁層を半焼成状態または完全焼成状態に焼成して該絶縁層を半径方向に収縮せしめることにより該絶縁層を中心導体に密着させて絶縁層に対する中心導体引抜き力を付与したことを特徴とするものである。すなわち、本発明の多孔質PTFE樹脂絶縁層被覆電線は、PTFE樹脂を中心導体に押出被覆する際にPTFE樹脂を中心導体に密着させない状態で被覆し、PTFE樹脂を連続炉内で延伸し多孔質化した後、焼成時にPTFE樹脂を半径方向に収縮せしめてPTFE樹脂と中心導体とを密着させることによって中心導体と絶縁層間の引抜き力を付与したので、高周波領域で減衰量特性の優れた電線及びそれを用いた同軸ケーブルが得られる。
【0009】
本発明においては、PTFE樹脂を押出被覆する際に中心導体に密着させない状態で被覆するために、加圧押出方式ではなくチュービング押出方式によってPTFE樹脂を押出成形する。
【0010】
焼成時に密着させるために中心導体外径とPTFE樹脂層内径との間隙は中心導体との接触によって延伸による多孔質化に不均一が生じない範囲において可能な限り狭い方が好ましい。押出成形されたPTFE樹脂は、その内径側が金型であるマンドレルで規制される。一方、その外径側は金型であるダイスで規制される。ダイスの内周面はPTFE樹脂成形物の外径を徐々に細く絞っていくための先端に向かって先細のテーパー部と、そのテーパー部に連続し、PTFE樹脂の流動状態を安定させるための同形断面直筒状のランド部とを有している。また、マンドレルは、その中心孔に中心導体が通されており、その外周面が、先端に向かって先細のテーパー部と、そのテーパー部に連続する同形断面直筒状の先端部とを有している。本発明のPTFE樹脂の押出成形方法はマンドレル先端部はダイスのランド部に位置するチュービング押出方式であるため、PTFE樹脂はチューブ状に押出成形され、そのチューブ内にマンドレル先端部の肉厚分だけの間隙を存して中心導体が内在することとなる。中心導体とPTFE樹脂層との間隙は、中心導体がマンドレルの中心孔を通って供給されるため、マンドレルの肉厚によって決定される。そのため、中心導体にPTFE樹脂層を密着させることを勘案するとマンドレルの肉厚は0.18mm以下であることが望ましい。
【0011】
本発明の多孔質PTFE樹脂絶縁層被覆電線の製造は、通常の充実PTFE樹脂を押出被覆する際に使用される装置で実施することができる。重要なことは、前記したようにダイスのテーパー部の最小位置から伸びる空洞であるランド部にマンドレルの先端部が進入するように設計されていることである。押出助剤を含有したPTFE樹脂粉末を予備成形し、その予備成形体を押出シリンダに挿入し、押出ピストンによって心太式に押出す方法によってPTFE樹脂よりなるチューブ状の絶縁層と中心導体との間に間隙が存するように製造できる。多孔質化は製造される電線の引取速度すなわち中心導体の引取速度によって行なわれ、多孔度はその引取速度によって制御される。中心導体上に適度の間隙を存して被覆されたPTFE樹脂は、非溶融状態においては延伸不可であり、溶融状態においては延伸可能となるので、溶融温度前後の温度に達したときにはPTFE樹脂は延伸しながら中心導体の引取速度に追随して引き取られていき、この延伸により多孔質化される。PTFE樹脂は延伸された後、半焼成から完全焼成の状態に加熱焼成されることによって半径方向に収縮し中心導体上に密着する。電線の引取速度が上がれば延伸倍率が大きくなるので、多孔度が高くなる。しかし、密着力は多孔度が高くなるにつれて低下してしまう。密着力の指標として多孔質PTFE絶縁層からの中心導体の引抜き力を使用した。電線として使用するためにはこの引抜き力が10N/100mm以上、好ましくは20N/100mm以上であることが望ましい。本発明においては、ギガヘルツ領域までの高周波化に対応可能な優れた減衰量特性を有する多孔質PTFE樹脂絶縁層被覆電線の提供が目的であるから、多孔度が30%以上つまり実効比誘電率が1.75以下、好ましくは多孔度が45%から75%つまり実効比誘電率が1.24から1.55の多孔質PTFE絶縁層であることが望ましい。したがって、本発明の目的を達成するための条件として、多孔質PTFE絶縁層の実効比誘電率が1.75以下であって、引抜き力が10N/100mm以上とした。さらに好ましくは、実効比誘電率が1.24から1.55の範囲とした。
【発明の効果】
【0012】
本発明によって、通常、充実PTFE絶縁電線を作成するペースト押出機を利用し、PTFE樹脂粉末に発泡剤や造孔剤などを混合や絶縁層を2層構造化したりすることなく、高多孔度と中心導体との高密着力とを同時かつ容易に得ることができる多孔質PTFE樹脂絶縁層被覆電線及びそれを用いた同軸ケーブルが提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図1の(a)に示すように、本発明の多孔質PTFE樹脂絶縁層被覆電線10は、中心導体11とその外周に被覆される多孔質PTFE絶縁層12とで構成されている。中心導体11は、銀メッキ銅覆鋼線、銀メッキ軟銅線などのフッ素ガスに腐食されない良導電性線材、またはこれらの良導電性線材を用いた撚り線などからなる導体であればよく、特に限定されるものではない。多孔質PTFE樹脂絶縁層被覆電線10の中心導体11の外径及び絶縁外径についても特に限定されるものではない。
【0014】
多孔質PTFE樹脂絶縁層被覆電線10の製造方法は、通常の充実PTFE樹脂を押出被覆する際に使用される装置で実施することができる。PTFE粉末としては乳化重合法で得られたPTFEファインパウダーを使用する。PTFEファインパウダーは共重合による変性の度合いや平均粒径など特に限定されるものではない。PTFEファインパウダー100重量部に対し押出助剤を15〜25重量部添加し、押出助剤をPTFEファインパウダーに十分に吸着させた後、圧縮し、予備成形体12’に成形する。
【0015】
作製された予備成形体12’を押出シリンダに挿入して押出加工を行なう。ペースト押出機の先端部Aはチュービング押出方式の場合には、図2に示すように開口されており、予備成形体12’はダイスaのテーパー部a’とマンドレルbのテーパー部b’で徐々に圧縮変形を受けながらダイスaとマンドレルbの間隙pから押出されてチューブ状の絶縁層12となる。図中のダイスaのa’’はランド部を示し、b’’はマンドレルbの先端部を示す。押出された絶縁層12はマンドレルbの先端部b’’の肉厚分の間隙qをあけて間接的に中心導体11に被覆される。このとき、中心導体11は製造された電線の引取速度で引き取られているが、押出された絶縁層12は乾燥炉で押出助剤が乾燥され、絶縁層12が溶融温度付近まで加熱され延伸されるまでは全く延伸されないため中心導体11より遅い速度で乾燥炉を通過している。溶融した絶縁層12は延伸された後、半焼成から完全焼成の状態に加熱焼成、冷却されることによって半径方向に収縮し中心導体11上に密着する。
【0016】
本発明はまた、前記の製造方法によって得られた多孔質フッ素樹脂絶縁電線10の外周に外部導体を施すことにより同軸ケーブルとなる。同軸ケーブルを作製する方法は、この多孔質フッ素樹脂絶縁電線10の外周に銅パイプを被覆する方法、銅コルゲート管を被覆する方法、銀メッキ軟銅線編組する方法、この編組線上に錫コーティングする方法など公知の同軸ケーブル作製方法を採用することができる。
【実施例】
【0017】
ダイキン工業株式会社製「ポリフロンPTFEファインパウダーF104」を使用した。これに押出助剤として合成イソパラフィン系炭化水素溶剤であるエクソン化学株式会社製「アイソパーE」をPTFE粉末100重量部に対し20重量部加えて35℃で12時間以上放置しPTFE粉末に押出助剤を十分に吸着させた。このPTFE粉末混合物を予備成形機中で圧縮成形し、外径37.4mm、内径16.2mm、高さ600mmの円筒状の予備成形体を作製した。予備成形体をシリンダ外径38.1mmのペースト押出機を使用し、肉厚0.18mmのマンドレルに直径1mmの銀メッキ軟動単線を中心導体として挿入し、ラム速度10mm/min、引取速度3.6〜4.6m/minの間で調整し、約4m長の乾燥区間と約2mの焼成区間を持つ加熱炉を通過させることによって、押出助剤の乾燥、PTFE樹脂溶融温度付近での延伸、その後の焼成によって半焼成から完全焼成までの状態に焼成する過程を経て、多孔度の異なる4種類の絶縁外径2.29mm(実施例1)、2.35mm(実施例2)、2.45mm(実施例3)、2.50mm(実施例4)の多孔質フッ素樹脂絶縁電線を作製した。
【0018】
比較例として、従来から充実PTFE絶縁体の製造方法である加圧押出方式で、多孔度の異なる3種類の絶縁外径2.64mm(比較例1)、2.77mm(比較例2)、2.76mm(比較例3)の多孔質フッ素樹脂絶縁電線を作製した。
【0019】
これらの多孔質フッ素樹脂絶縁電線について、多孔度を測定した。多孔質体の多孔化前の比重をA、多孔化後の比重をBとし、以下の式(A)によって算出した。比重はJIS−K−7112に規定された水中置換法(A法)によって測定した。
【0020】
式(A): 多孔度(%)=(A−B)/A×100
実効比誘電率は、株式会社関東電子応用開発製空洞共振器をアジレントテクノロジー株式会社製ネットワークアナライザーに接続し、測定温度は23℃、測定周波数5.8GHzにて測定した。
【0021】
中心導体引抜き力は、PTFE樹脂絶縁層長さが100mmの試験体を引張試験機の試験体取付部に、片方に中心導体を、もう一方にPTFE樹脂絶縁層をそれぞれ取り付けて引張速度10mm/minで引張り、PTFE樹脂絶縁層から中心導体を抜き去ったときの最大荷重を測定し、その値を中心導体引抜き力と定義した。
【0022】
比較例1〜3は多孔度65%以上において中心導体引抜き力を保持できず、また、比較例2及び3は乾燥区間内のプーリーでのターンによって絶縁外周が楕円形に変形したまま焼成されているのに対し、実施例1〜4は、多孔度70%においても引抜き力13N/100mmLを保持し、かつ絶縁外周も真円を保持していた。本発明のチュービング押出方式で作製された多孔質フッ素樹脂絶縁電線は、従来の加圧押出方式で作製された電線に比較して高率に多孔化された際も中心導体引抜き力を維持でき、かつ焼成直前に延伸されるため絶縁外周を真円に保つことができ、それによって、高多孔度のために実効比誘電率が低く、減衰量を小さくすることができる。
【表1】

【0023】
実施例3の多孔質フッ素樹脂絶縁電線の外周に厚さ0.25mmの銅コルゲート管、次いで、FEPからなる厚さ0.5mmのシース層で覆うことによって同軸ケーブルを得た。減衰量特性はアジレントテクノロジー株式会社製ネットワークアナライザーを使用し、測定温度20℃、測定周波数1〜10GHzの範囲で測定した。表2に示すように非常に優れた減衰量特性を示した。
【表2】

【0024】
実施例1〜4に示した多孔質PTFE樹脂絶縁層の断面は、図1(a)に示すように絶縁層全体に多孔質PTFE樹脂が詰まった状態であるが、中心導体を囲む管状部を持っている限りにおいて、その形状は限定されるものではない。例えば、図1(b)に示す多孔質PTFE樹脂絶縁層被覆電線20は、管状の多孔質PTFE絶縁層22に3つのリブ部22aを有した断面形状をしている。このように長手方向に連続した空隙を有することによってさらに絶縁層22としての実効比誘電率を優れたものにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の多孔質フッ素樹脂絶縁電線の断面図であって、(a)は管状部が断面円形の場合を示し、(b)は管状部が3つのリブを有する断面異形の場合を示す。
【図2】本発明のチュービング押出方式時のダイスとマンドレルの位置関係の概略図
【図3】従来PTFE樹脂を電線被覆押出するための加圧押出方式時のダイスとマンドレルの位置関係の概略図
【符号の説明】
【0026】
10・・・多孔質PTFE樹脂絶縁層被覆電線
11・・・中心導体
12・・・多孔質PTFE絶縁層
12’・・予備成形体
A・・・・ペースト押出機の先端部
a・・・・ダイス
a’・・・ダイスのテーパー部
a’’・・ダイスのランド部
b・・・・マンドレル
b’・・・マンドレルのテーパー部
b’’・・マンドレルの先端部
p・・・・ダイスとマンドレルの間隙
q・・・・マンドレルの肉厚分の間隙
20・・・多孔質PTFE樹脂絶縁層被覆電線
22・・・多孔質PTFE絶縁層
22a・・リブ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中心導体の外周にPTFE樹脂製の絶縁層を被覆形成するチュービング押出方式を用いたペースト押出成形において、PTFE樹脂の未焼成状態では絶縁層と中心導体との間に間隙が存するように成形し、ペースト押出成形のためにPTFE樹脂に含有させた押出助剤を乾燥除去した後に、前記絶縁層を延伸により多孔質化し、この多孔質化した絶縁層を半焼成状態または完全焼成状態に焼成して該絶縁層を半径方向に収縮せしめることにより該絶縁層を中心導体に密着させて絶縁層に対する中心導体引抜き力を付与したことを特徴とする多孔質PTFE樹脂絶縁層被覆電線。
【請求項2】
チュービング押出方式でのペースト押出成形に使用するマンドレルの肉厚が0.18mm以下であることを特徴とする請求項1に記載の多孔質PTFE樹脂絶縁層被覆電線。
【請求項3】
絶縁層の実効比誘電率が1.75以下であり、絶縁層に対する絶縁体長さ100mm当りの中心導体引抜き力が少なくとも10N以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の多孔質PTFE樹脂絶縁層被覆電線。
【請求項4】
絶縁層の実効比誘電率が1.24〜1.55であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の多孔質PTFE樹脂絶縁層被覆電線。
【請求項5】
絶縁層に長手方向に伸びる連続した凹部を形成したを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の多孔質PTFE樹脂絶縁層被覆電線。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載の多孔質PTFE樹脂絶縁層被覆電線に外部導体を施して得られる同軸ケーブル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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