説明

多層の視覚信号を有する吸収性物品

吸収性物品及び吸収性物品の作製方法。この吸収性物品は、互いに対向関係にある第1の層及び第2の層を有する。第1の層は、長手方向中心線と重なっている、第1の付与された着色領域を有する。第2の層は、第1の付与された着色領域よりも、長手方向中心線から直交する方向へ離れるよう横方向により広くなっている、第2の付与された着色領域を有する。第2の付与された着色領域は、長手方向中心線をまたいで延びて、自由端を有する。この吸収性物品は、背景領域を有する。第1の付与された着色領域及び第2の付与された着色領域は、背景領域と比較して色の点で異なる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
吸収性物品の多層に視覚的に認識可能な要素を有する吸収性物品が開示される。
【背景技術】
【0002】
異なる着色領域を含む様々な吸収性物品が市販されている。女性の膣又は尿道から排出される液体を収集する機能を果たす、生理用ナプキン、及び成人女性用失禁用品などの吸収性物品は、吸収性物品の中央部から離れた吸収性物品の部分とは色の点で異なる、吸収性物品の中央部に近い着色領域を含むことがある。
【0003】
吸収性物品の製造業者は、吸収性物品の中央部に着色領域を含めることによって、吸収性物品の中央部が収集された液体を保持すべき場所であることを消費者に効果的に教示してきた。製造業者は、中央着色領域のために様々な設計を考案してきた。幾つかの吸収性物品では、中央着色領域は、吸収性物品の全幅と比較して比較的狭く、吸収性物品の長さの約1/2に沿ってだけ延びる。比較的狭い中央着色領域が採用された1つの考えられる理由は、かかる着色領域が奥行き感など所望の視覚的印象をもたらすことができたことであった。また、中央着色領域は、パンティ内での製品の使い方及び置き方が吸収性物品の染みのパターンに与え得る影響を消費者が理解することに役立ち、このことは、パンティ内で吸収性物品のシャーシをどのようにどこに取り付けるかを改善させて最大の性能を発揮するのに役立つ場合がある。狭い中央着色領域を有する設計を採用した製造業者は、かかる設計を有する吸収性物品を高速で製造する能力を開発してきた。
【0004】
印刷機能を含む高速製造ラインは、吸収性物品の製造業者らにとって高資本コストを意味する。製造業者がかかる資本コストを効率的に回収するには、既存の製造ラインを使用して吸収性物品を製造し続けることが製造業者らにとって有利である。場合によっては、中央着色領域を設けるために製造業者らが選択した方法は、製造ラインの混雑が原因で、以前製造されていた着色領域よりも広い着色領域を設けるようには容易に適応できない。したがって、製造業者が吸収性物品のより大きい幅にわたって視覚的要素を設けることを所望する場合、横方向により広い着色領域を設けるために製造ラインの再編成が必要になり、したがって追加の資本コストが発生することがある。
【0005】
吸収性物品での狭い中央着色領域に伴う別の問題は、中央着色領域の外に延びる染みのパターンを吸収性物品の吸収能力の限界を示していると連想する消費者もいることである。幾つかの吸収性物品では、中央着色領域は、吸収性物品の吸収能力の25%未満を占める場合がある。
【0006】
現在市販されている吸収性物品は、一般に、二次トップシート又はトップシートなど単一構成要素上だけに着色領域が設けられている。かかる方法は、設計者が消費者の要求を満たす革新的な設計を創出できる設計空間を制限し、製造業者が、より複雑で、横方向に広い設計に容易に移行できる能力を制限する場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
これらの制限を念頭に置くと、かかる製造ラインによって以前製造されていた着色領域よりも横方向により広くなっている追加の着色領域を設けることができる既存の製造能力を、コスト効率よく用いて製造可能な吸収性物品に対する未対応のニーズが引き続き残る。更に、吸収性物品の比較的狭い着色領域の外側の領域に含まれる液体が吸収性物品内にしっかり保持され、漏れを心配する必要がないことをユーザーに確信させる吸収性物品に対する未対応のニーズが引き続き残る。更に、設計者が、使用可能な、より豊かな色彩印象の幅を有するように、複数の層に着色領域が設けられた吸収性物品に対する未対応のニーズが引き続きある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
身体に面する表面及び衣類に面する表面を有する吸収性物品が開示される。この吸収性物品は、互いに対向する関係にある第1の層及び第2の層を含む。この吸収性物品は、重心を有する。この吸収性物品は、長手方向中心線と、重心で長手方向中心線と交差し且つ長手方向中心線と直交する横方向中心線と、を有するこの吸収性物品は、背景領域を有する。第1の層は、長手方向中心線と重なっている、第1の付与された着色領域を含む。第2の層は、第1の付与された着色領域よりも、長手方向中心線から直交する方向へ離れるよう横方向により広くなっている、第2の付与された着色領域を含む。第2の付与された着色領域は、長手方向中心線をまたいで延びる。第2の付与された着色領域は、自由端を有する。背景領域、第1の付与された着色領域、及び第2の付与された着色領域は、身体に面する表面から見える。第1の付与された着色領域及び第2の付与された着色領域は、色の点で背景領域と異なる。
【0009】
また、身体に面する表面、衣類に面する表面、及び周辺部を有する吸収性物品の製造方法が開示される。この吸収性物品は、互いに対向関係にある第1の層及び第2の層を含む。この吸収性物品は、重心を有する。この吸収性物品は、長手方向中心線と、重心で長手方向中心線と交差し且つ長手方向中心線と直交する横方向中心線と、を有する。この方法は、長手方向中心線と重なっている、第1の付与された着色領域を第1の層に設ける工程を含む。第1の付与された着色領域は、第1の着色技術によって設けられる。長手方向中心線から直交する方向へ離れるよう横方向に第1の付与された着色領域よりも広い第2の付与された着色領域を、第2の層に設け、第2の付与された着色領域が長手方向中心線をまたいで延びる。第2の付与された着色領域は、長手方向中心線をまたいで延びる。第2の付与された着色領域は、第2の着色技術によって設けられる。第1の層及び第2の層は、互いに重ね合わされる。この吸収性物品は、背景領域を含む。背景領域、第1の付与された着色領域、及び第2の付与された着色領域は、身体に面する表面から見える。第1の付与された着色領域及び第2の付与された着色領域は、色の点で背景領域と異なる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】吸収性物品の概略図。
【図2】図1に図示した吸収性物品の断面図。
【図3】図1の吸収性物品の第1の層の概略図。
【図4】図1の吸収性物品の第2の層の概略図。
【図5】吸収性物品の概略図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本明細書において、「吸収性物品」は、下着の股部に着用される生理用ナプキン、パンティライナー、又は失禁パッドであってよい。幼児用おむつ、成人用失禁おむつ、及び人排泄物処理装置は、通常、下着と共に着用されることはないが、これらが本発明から利益を得る場合があることも考えられる。吸収性物品は、使い捨て吸収物品であってよい。
【0012】
本明細書において、「色」という用語は、いずれかの原色、すなわち、白色、黒色、赤色、青色、紫色、オレンジ色、黄色、緑色、及び藍色、並びにそれらの淡色又は混合色のいずれかを包含し得る。「ノンカラー」又は「非着色」という用語は、白色を指し、少なくとも80のL値、0±2に等しいa値、及び0±2に等しいb値を有する色として更に定義される。
【0013】
「使い捨て」という用語は、再び洗濯される、ないしは別の方法で吸収性物品として復元される又は再利用されることを意図しない吸収性物品(即ち、1回の使用後に廃棄することを意図する吸収性物品)を説明するために本明細書で用いられる。
【0014】
第1の付与された着色領域が第1の層上に設けられ、第2の付与された着色領域が第2の層上に設けられてよいパンティライナー及び生理用ナプキンの非限定例には、Procter & Gamble Company(Cincinnati、Ohio)によって製造されるパンティライナーのALWAYS ULTRA、ALWAYS INFINITY、及びALWAYSなどが挙げられる。米国特許第4,324,246号、同第4,463,045号、同第6,004,893号、同第4,342,314号、同第4,463,045号、同第4,556,146号、同第4,589,876号、同第4,687,478号、同第4,950,264号、同第5,009,653号、同第5,267,992号、及び米国再発行特許第32,649号に開示される吸収性物品などの吸収性物品もまた、かかる構造から利益を受け得る吸収性物品として想到される。
【0015】
吸収性物品5の平面図が図1に示される。吸収性物品5は、実質的に平面構造及び重心40を有してよい。重心40は、吸収性物品5の面内の質量の中心である。重心40は、長手方向中心線Lと横方向中心線Tとの交点にある。横方向中心線Tは、長手方向中心線Lに直交する。吸収性物品5は、横方向中心線Tを中心として対称である必要はない。吸収性物品5は、横方向中心線Tを中心として対称であってよい。吸収性物品5は、身体に面する表面10と、衣類に面する表面と、を有する。吸収性物品5は、第1の層20と、第2の層22と、を含む。第1の層20及び第2の層22は、対向する関係であってよい。例えば、第1の層20及び第2の層22は、互いに覆い合って互いに接触しているか、又は別の材料若しくは第1の層20と第2の層22との間に介在する材料のウェブ(若しくは、2つ以上の材料/材料のウェブ)で互いに覆い合っている、材料の実質的に平面のウェブであってよい。吸収性物品は、バックシート80を有してよい。第2の層22は、トップシート30であってよい。
【0016】
図1に示すように、吸収性物品5は、身体に面する表面10である視認表面を有すると考えられてよい。身体に面する表面10は、吸収性物品5が着用されるときに、生理用ナプキン、パンティライナー、又は成人用失禁製品の場合のように、着用者の身体と接触する吸収性物品5の側であってよく、あるいは、タンポンの場合には着用者の身体に挿入される吸収性物品5の側であってよい。概ね円筒形のタンポンの場合、長手方向中心線Lは、タンポンの身体に面する表面10上で、タンポンの中心軸と一致すると見なされ、重心40は、長手方向中心線Lの中間点であってよい。
【0017】
身体に面する表面10は、吸収性物品5の着用時に着用者の身体と接触する第2の層22の側であってよい。かかる構成では、第2の層22はトップシートとして機能することができ、第2の層22は、流体透過性ポリマーフィルム、流体透過性不織布、又は他の好適な流体透過性材料である。別の実施形態では、流体透過性ポリマーフィルム又は流体透過性不織布などのトップシートは、着用者の身体と第2の層2との間にあってよい。第2の層22が観察者と第1の層20との間に位置するとしても、身体に面する表面10が観察者に向けて示されると、第1の層20及び第2の層22は、目に見える(観察者によって、視覚的に認識され得る)。
【0018】
吸収性物品5の身体に面する表面10を観察すると、吸収性物品5は背景領域50を有してよい。背景領域50は、第1の付与された着色領域60及び第2の付与された着色領域70から視覚的に区別できる領域である。背景領域50は、白色、又は第1の付与された着色領域60及び第2の付与された着色領域70から視覚的に区別できる任意の他の色であってよい。2色の間に少なくとも約1のΔEがある場合、これらの色は視覚的に区別できると考えられる。
【0019】
第1の層20は、第1の付与された着色領域60を含む。第1の付与された着色領域60は、第1の層20の所定の部分が着色された繊維を含むか、又は第1の層20を構成する色とは異なる色を有するように下塗りされている場合のように、第1の層20の構成要素であってよい。第1の付与された着色領域60は、第1の層20の一部に印刷することによって設けられてよい。第1の付与された着色領域60は、第1の層20を構成する色であり、背景領域50は、第1の層20を構成する色とは異なる色を有するように下塗りされていてよい。第1の付与された着色領域60は、例えば、第1の層20の身体に面する側、又は第1の層20の衣類に面する側に設けられてよく、層又は吸収性物品5の衣類に面する側は、着用者の身体から離れる方向に配向された層又は吸収性物品5の側である。第1の層20の身体に面する側は、第2の層22を向いて配向される。
【0020】
同様に、第2の層22は第2の付与された着色領域70を含む。第2の付与された着色領域70は、着色された繊維を含む、又は例えば印刷によって第2の層22を構成する色とは異なる色を有するように下塗りされている第2の層22の所定の部分など、第2の層22の構成要素であってよい。第2の付与された着色領域70は、第2の層22を構成する色であり、背景領域50は、第2の層22を構成する色とは異なる色を有するように下塗りされていてよい。第2の付与された着色領域70は、例えば、第2の層22の身体に面する側、又は第2の層22の衣類に面する側に設けられてよく、第2の層22の衣類に面する側は、着用者の身体から離れる方向に第1の層20を向いて配向された吸収性物品の側である。第1の付与された着色領域60及び第2の付与された着色領域70を材料の2つの異なる層に設けることは、製造ラインを大幅に変更する必要なく、所望の吸収性物品5を製造できる製造方法をもたらす場合がある。
【0021】
第1の付与された着色領域60は、長手方向中心線Lと重なっていてよい。つまり、第1の付与された着色領域60の一部は、長手方向中心線Lと交差してよい。
【0022】
身体に面する表面10を観察すると、観察者は、背景領域50、第1の付与された着色領域60、及び第2の付与された着色領域70を見ることができる。第1の付与された着色領域60及び第2の付与された着色領域70は、第1の付与された着色領域60及び第2の付与された着色領域70が、背景領域50と比較してそれぞれ色の点で異なるので、背景領域50と視覚的に異なる。第1の付与された着色領域60及び背景領域50は、少なくとも約1のΔE(下記で詳述する)だけ、色の点で異なってよい。第1の付与された着色領域60及び背景領域50は、より明確な視覚的独自性が所望される場合、少なくとも約3のΔE(下記で詳述する)だけ、色の点で異なってよい。
【0023】
同様に、第2の付与された着色領域70及び背景領域50は、少なくとも約1のΔEだけ、色の点で異なってよい。第1の付与された着色領域60及び第2の付与された着色領域70の両方は、背景領域50と比較して、少なくとも約1のΔEだけ、色の点で異なってよい。2色の間に少なくとも約3のΔEがある場合、第1の付与された着色領域60及び第2の付与された着色領域70は、より明確に視覚的に区別可能であり得る。
【0024】
図1に示すように、第2の付与された着色領域70は、直交する方向へ離れるように横方向に第1の付与された着色領域60よりも広くてよい。第2の付与された着色領域70は、第1の付与された着色領域60を実質的に包囲してよい。現在の市販の吸収性物品を製造可能な製造ラインは、比較的狭い第1の付与された着色領域60を印刷するように既に構成されている場合がある。例えば、一部の製造ラインは、約30mmのカートリッジ幅(製造ラインの横断方向で測定された場合)を有するインクジェット印刷装置を用いる場合がある。横断方向がより広い視覚信号を用いることを所望する製造業者は、十分な品質のより狭い第1の付与された着色領域60を十分な速度で設けることが既に判明し得る比較的安価な装置をまだ保持しつつも、第2の層22に第2の付与された着色領域70(第2の付与された着色領域70は第1の付与された着色領域60よりも横方向により広くなっている)を作製する追加の構成要素を製造ラインに追加できる。第2の層22は、単独で製造プロセスに供給され、続いて、第1の層20及び第2の層22、並びにこれらの上の付与された着色領域をもたらすように好適な方法で吸収性物品5と結合されてよく、視覚的な奥行き感又は吸収性物品5の増加した厚さなどの結合された視覚的印象を生じさせるように結合される。
【0025】
第2の付与された着色領域70は、視覚的に第1の付与された着色領域60と相補的であるように設計されてよく、身体に面する表面10のより広い/より多くの部分にわたって観察者に示される。第1の付与された着色領域60とは異なる材料の層に第2の付与された着色領域70を有することによって、より鮮やかな視覚的印象を吸収性物品5で作り出すことができると考えられる。例えば、第1の付与された着色領域60及び第2の付与された着色領域70は、異なる材料の層に位置するので、見た場合、他の着色領域を含む層を通して、少なくとも1つの着色領域が見える。別の層材料を通して見た着色領域は、艶消し仕上げの写真と光沢仕上げとの写真の違い、又は薄地の衣類の下での下着の見え方と幾分同じように、画像の柔らかさ/拡散性に関して著しく異なる視覚的印象を有してよい。更に、第1の付与された着色領域60とは異なる材料の層に第2の付与された着色領域70を有することは、第1の付与された着色領域60をもたらすための方法及び装置を引き続き使用できるので、比較的幅広の第2の付与された着色領域70及び第1の付与された着色領域60を単一基材に印刷するように製造ラインを再編成するよりもコスト効率がよい。
【0026】
更に、第1の付与された着色領域60がインクジェット印刷によって設けられる場合、第1の付与された着色領域60の設計は、単一パッケージ又は異なるパッケージ内の吸収性物品5が、第1の付与された着色領域60に異なる設計を有することができるように容易に変更できる。第2の付与された着色領域70は、容易に変更できない接触印刷装置によって設けられてよい。したがって、第2の付与された着色領域70は、特定のブランド又は特定の品質の製品として消費者が認識できる一定の設計であってよい。かかる構成は、単一層上に比較的狭い第1の付与された着色領域60を設けるために用いられる製造ラインの一部を変更せずに達成できる。
【0027】
また、横方向に第1の付与された着色領域60よりも広く延びている第2の付与された着色領域70は、吸収性物品5のこのように横方向により広くなっている部分が、液体を捕捉して維持できるという印象を着用者にもたらすことができる。例えば、第2の付与された着色領域70が横断方向CDで吸収性物品5の相当な部分をまたいで延びる場合、吸収性物品5の観察者は、かかる第2の付与された着色領域70を超えた液体の流入に対する障壁、又は吸収性物品5の機械方向MDを液体が移動する際に、第2の付与された着色領域70を液体が超えることを観察者が予想しない境界として、解釈してよい。
【0028】
異なる材料の層に付与された様々な幅の着色領域は、吸収性物品5における奥行き感を作り出すため及び吸収性物品5の一部(液体の流入に対する障壁として機能してよい、又は機能すると認識されてよい吸収性物品5の一部など)の様々な機能を伝達するための多数の設計上の選択肢を設計者に与えてもよい。
【0029】
第1の付与された着色領域60は、重心40上と重なっていてよい。重心40は吸収性物品5の面内の質量の中心であり、ユーザーが、自身の膣口又は尿道に近位であるべき吸収性物品5の位置を連想する場合がある。第1の付与された着色領域60が長手方向中心線に対して対称である設計は、第1の付与された着色領域60が長手方向中心線Lに対して対称ではない設計よりも好ましい吸収性物品5の印象をもたらしてよい。
【0030】
図1に示すように、第1の付与された着色領域60及び第2の付与された着色領域70は、長手方向中心線に沿って互いから離間していてよい。第1の付与された着色領域60及び第2の付与された着色領域70を離間することにより、製造中に2つの層が接合される、又は互いに重ね合わされるときに発生し得る、第1の層20及び第2の層22の不適切なフェージングが消費者にはそれほど明らかではないと考えられる。これは、第1の付与された着色領域60と第2の付与された着色領域70との間の間隙の1つのパッドと別のパッドとの比較的小さい差異を知覚することが困難であり得るからである。第1の付与された着色領域60及び第2の付与された着色領域70は、背景領域50によって互いに分離されてよい。
【0031】
図1に示すように、吸収性物品は周辺部110を有する。背景領域50は、第2の付与された着色領域70と周辺部110との間に位置してよい。かかる構成は、周辺部110が、吸収性物品10の着色領域によって遮られることのない乱れのない線を有するという点で、改善された視覚的印象をもたらすと考えられる。同一の理由で、第1の付与された着色領域60及び第2の付与された着色領域70は、実質的に背景領域50によって包囲されてよい。例えば、周辺部110の25%未満は、第2の付与された着色領域70、又は第1の付与された着色領域60、又は第1の付与された着色領域60と第2の付与された着色領域70との組み合わせによって遮られてよい。第1の付与された着色領域60は、背景領域50によって包囲されてよい。
【0032】
図1に示すように、第1の付与された着色領域60は、実質的に細長い形状であってよい。理論に束縛されるものではないが、長手方向中心線Lと一致する、又はこれの上に位置する実質的に細長い形状は、吸収性物品5が、かかる細長い形状を欠く吸収性物品5と比較して細く見えるようにすると考えられる。消費者は、かかる印象から、明らかに狭い吸収性物品5は自身のパンティの股部に楽に収まるという考えを連想する場合がある。第1の付与された着色領域60は、横方向中心線Tと重なっている周辺部110の部分の間の最大距離の約50%未満の幅を有してよい。楕円形及び概して矩形の形状は、実質的に細長い形状の例である。より視覚的に一貫性のある設計をもたらすためには、第1の付与された着色領域60及び第2の付与された着色領域70は、約200未満のCIELab色空間体積内にあってよい。CIELab色空間体積については、下記で詳述する。かかる方法では、第1の付与された着色領域60及び第2の付与された着色領域70の色は、大部分の観察者の目には実質的に異ならず、観察者は、色が同じであるか、同じ色の色調又は微妙な変化であると認識する場合がある。色の微妙な変化は、見て快く、興味深くあり得る、室内装飾店に見られる微妙に異なる色を有するサンプル用塗料片に非常によく似て、目に快いと考えられる。第1の付与された着色領域60と第2の付与された着色領域70との間の差異が小さいことが望ましい場合、第1の付与された着色領域60及び第2の付与された着色領域70は、約50未満のCIELab色空間体積内にあってよい。
【0033】
第2の付与された着色領域70は、実質的に弓形であってよい。弓形の第2の付与された着色領域70は、吸収性物品における液体の流入に対する障壁、又は液体がかかる着色領域を超えない方がよい、若しくはこのような液体の流入が発生したら、近いうちに新しい製品を着用する準備をした方がよいことを消費者に示す表示を提供するものとして認識される、と考えられる。
【0034】
弓形には、大なり記号、丸括弧、曲折アクセント記号(脱字記号とも呼ばれる)、及び角括弧など一般的なキーボードで見られるものに概して相当する形状、並びに概してC形の形状、並びに前述のいずれかの形状を微妙に修正したものが挙げられるが、これらに限定されない。本明細書で定義される弓形は、文字Cのように概して湾曲したもの、又は記号<のようにより鋭角であってよい。したがって、弓形は必ずしも任意の特定の湾曲を有する必要がない。
【0035】
弓形は、開放側と閉鎖側を有すると考えられる。閉鎖側は、弓形の脚部120が配向される側であり、開放側は、閉鎖側に対向する。例えば、弓形が閉じ丸括弧の場合、閉鎖側は括弧の左であり、開放側は括弧の右である。幾つかの実施形態では、脚部120は自由端125を有してよく、自由端が位置する場合、これは脚部120の端部である。自由端125は、第2の付与された着色領域70の他の部分よりも横方向中心線Tの近くに位置してよい。第2の付与された着色領域70は、自由端125間で連続していてよい。身体に面する表面10から見た場合、脚部120は、第1の付与された着色領域60と少なくとも部分的に重なり合ってよい、第1の付与された着色領域60から離間していてよい、又は第1の付与された着色領域60とまさに接触しているように見えてよい。身体に面する表面10から見た場合、脚部120は、別の着色領域と少なくとも部分的に重なり合う、別の着色領域から離間している、又は別の着色領域とまさに接触していてよい。理論に束縛されるものではないが、閉鎖側が吸収性物品5の重心40に向けて配向された弓形は、流入に対する障壁として消費者に認識されると考えられる。吸収性物品5の重心40と周辺部110との間に適切なサイズ、面積、及び位置を備えるかかる形状は、通常の使用条件下で吸収性物品5で染みが予想されるべき場所の境界を示すことができる。第2の付与された着色領域70は、長手方向中心線Lを中心として対称であってよい。
【0036】
第1層20は、トップシートであってよい。第1の層20は、流体透過性ポリマーフィルム又は不織布材であってよい。第1の層20は、二次トップシート又はインサート、例えば、着用時に着用者の身体と接触する材料と、液体を収集して維持するように設計されている吸収性コア90との間に位置する中間層であってよい。第1の層20は、吸収性コアであってよい。第1の層20は、繊維性不織布であってよく、不織布の繊維は第2の層22から突出している。第2の層22から突出している不織布の繊維は、ニードルパンチング又は米国特許第7,410,683号に開示されている方法など1つのウェブの繊維を別のウェブを通して移動させるのに好適な他の方法によってもたらされてよい。
【0037】
第2の層22は、トップシートであってよい。第2の層22は、流体透過性ポリマーフィルム、不織布材、又は別の好適な液体透過性材料であってよい。第2の層22は、二次トップシート又はインサート、例えば、トップシートなど着用時に着用者の身体と接触する材料と、液体を収集して維持するように設計されている吸収性コア90との間に位置する中間層であってよい。第2の層22は、吸収性コアであってよい。
【0038】
本明細書に記載の吸収性物品5は、第1の層20に長手方向中心線Lと重なっている第1の付与された着色領域60を設けることによって製造されてよい。第1の付与された着色60区域は、第1の着色技術によって設けられてよい。第2の層22には、長手方向中心線Lから直交する方向へ離れるように横方向に第1の付与された着色領域60より広い第2の付与された着色領域70が設けられてよく、第2の付与された着色領域70が長手方向中心線Lをまたいで延びている。第2の付与された着色領域70は、第2の着色技術によって設けられてよい。
【0039】
第1の付与された着色領域60及び第2の付与された着色領域70のそれぞれは、インクジェット印刷、グラビア印刷、フレキソ印刷、リソグラフ印刷、スクリーン印刷、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される技術によって設けられてよい。製造方法の1つの実施形態では、第1の付与された着色領域が着色される着色技術は、第2の付与された着色領域が着色される着色技術とは異なってよい。
【0040】
第1の付与された着色領域60及び第2の付与された着色領域70を設ける他の方法としては、第1の付与された着色領域60及び第2の付与された着色領域70が、背景領域50と比較して色の点で異なる構造体を設けることができる方法などが想到される。色は、例えば、第1の付与された着色領域60及び第2の付与された着色領域70が、背景領域50と比較して色の点で異なるように、基材の一部を選択的に変色させることにより、1つの領域に付与されてよい。
【0041】
吸収性物品5は、第1の層20に前記長手方向中心線と重なっている第1の付与された着色領域60を設ける工程を含む方法によって製造されてよく、前記第1の付与された着色領域は第1の着色技術によって設けられる。第2の層22には、長手方向中心線Lから直交する方向へ離れるように横方向に第1の付与された着色領域60よりも広い第2の付与された着色領域70が設けられてよい。第2の付与された着色領域70は、長手方向中心線Lをまたいで在びてよい。第2の付与された着色領域70は、第2の着色技術によって設けられてよい。第1の層20及び第2の層22は、互いに重ね合わされてよい。結果として生じる吸収性物品5は、背景領域50を含んでよい。背景領域50、第1の付与された着色領域60、及び第2の付与された着色領域70は、吸収性物品5の身体に面する表面10から見えてよい。第1の付与された着色領域60及び第2の付与された着色領域70は、背景領域50と比較して色の点で異なる。
【0042】
図2には、図1に図示した吸収性物品5の断面図を示す。吸収性物品5の各構成要素は、身体に面する側11と、衣類に面する側12と、を有すると考えられてよい。吸収性物品の使用時には、身体に面する側11が着用者の身体に向けて配向され、衣類に面する側12は、身体に面する側11に対向する。
【0043】
図3は、第1の付与された着色領域を有する吸収性物品5の第1の層20の概略図である。図4は、第2の付与された着色領域を有する吸収性物品5の第2の層22の概略図である。図3に図示した第1の層20は、図4に図示した第2の層22と重ね合わされて、図1に図示したものに類似の視覚的印象を有する吸収性物品5を作り出してよい。
【0044】
図5には、第2の付与された着色領域70の実施例を示す。図5に図示した第2の付与された着色領域70(第2の付与された着色領域70の他の部分よりも狭い自由端125を有する)は、液体が第2の付与された着色領域70を超えて延びる場合は、新しい物品5が必要になり得ることを示す境界を表現するものとして、ユーザーにより効果的に認識されてよい。図5に示すように、吸収性物品5は、2個の第2の付与された着色領域70を含んでよく、第1の付与された着色領域60は、2個の第2の付与された着色領域70の間に位置する。
【0045】
第1の付与された着色領域60及び第2の付与された着色領域70及び背景領域50の色は、色のL値、a値、b値に従って反射分光光度計によって測定される。L値、a値、及びb値は、吸収性物品5の周辺部110の内側寄りにある、吸収性物品5の身体に面する表面10から測定される。色差は、L値、a値、及びb値を用いて、式ΔE=[(LX・−L+(aX・−a+(b−b1/2により計算される。本明細書において、式中の「X」は第1の付与された着色領域60、第2の付与された着色領域70、又は背景領域50を表してよく、「Y」はかかる領域の色の比較対象である別の領域の色を表してよい。X及びYは、同時に同じ2つの測定点であってはならない。換言すれば、いずれの特定の式差比較についても、Xの位置≠Yの位置である。
【0046】
3色以上を用いる場合、「X」と「Y」の値は、それ自体の中に測定点も交互に含む。本明細書におけるΔEの計算で重要な点は、「X」値及び「Y」値が、視認表面の同一の測定点から生じるべきではないことである。測定区域の範囲内に背景領域50が事実上位置しない場合には、「X」値は、「Y」値に対する空間関係において異なるが、吸収性コアの周辺部の範囲内である点から生じるべきである。
【0047】
ヴァージニア州レストン(Reston)のハンター・アソシエイツ・ラボラトリー(Hunter Associates Laboratory)ハンター・ラボ・ラボスキャンXE反射分光光度計(Hunter Lab LabScan XE reflectance spectrophotometer)を使用して、反射色が測定される。吸収性物品5は、18℃(65°F)〜24℃(75°F)の周囲温度及び50%〜80%の相対湿度において試験する。
【0048】
分光光度計をCIELab色スケールに設定し、D65照明を用いる。観察者(Observer)を10°に設定し、モード(Mode)を45/0°に設定する。面積視野(Area View)を0.318cm(0.125インチ)に設定し、フィルムに対してポートサイズ(Port Size)を0.51cm(0.20インチ)に設定する。分光光度計を較正してから、供給業者から機器と共に供給される黒のガラス及び白の参照用タイルを用いてサンプルを分析する。較正はLabScan XEユーザーズマニュアル、マニュアルバージョン1.1、2001年8月、A60−1010−862に記載されているように製造業者の取扱説明書に従って実施する。参照用タイル又はサンプルのクリーニングが必要な場合、エンボス加工、ローション、又は光沢剤を含まないティッシュ(例えば、Puffsティッシュ)のみを使用する。分析対象となる、付与された色を含む吸収性物品上の任意のサンプル点を選択できる。
【0049】
吸収性物品5の背後に白色のクランプディスクを配置した状態で、吸収性物品5を分光光度計のサンプルポートの上に配置する。吸収性物品5、実質的に平らで、しわの無い状態にする必要がある。
【0050】
身体に面する表面10の色の測定を最低6回実施するように、吸収性物品5を取り外して、再配置する。可能な場合(例えば、対象となる要素上の付与された色のサイズが、6個の別個の異なる互いに重なり合わない試料点を得ることを制限しない場合)、どの2個の試料点も重なり合うことがないように、各読み取りを外側に見える表面上の実質的に異なる領域で実施する。付与された着色領域のサイズが、サンプル点の重なり合いを必要とする場合、任意の2個のサンプル点間の重なり合いも最小限に抑えるように選択されたサンプル点を持つ、6個のサンプルだけを取得すべきである。測定値を平均して、外側に見える要素の表面上の指定された色について記録されたL、a、及びb値を得る。
【0051】
CIELab色空間体積Vを計算すると、測定対象である特定の領域群について、記録されたL、a、及びbの最大値及び最小値が定められる。記録されたL、a、及びbの最大値及び最小値を用いて、次の式に従ってCIELab色空間の体積Vを計算する。
【数1】

上記の式中、ΔLは、比較する2個の着色領域のL値の差であり、ΔL=L−Lによって計算される。Δaは、比較する2個の着色領域のa値の差であり、Δa=a−aによって計算される。Δbは、比較する2個の着色領域のb値の差であり、Δb=b−bによって計算される。CIELab色空間体積は、実質的に立体楕円形の形状をもたらしてよい。ΔL、Δa、及びΔbが等しい場合、この立体は球形になる。本明細書で使用する場合、「立体」は、長さ、幅、及び高さ(又は奥行き)を有する三次元形の数学的概念を指す。楕円では一般に、ΔL、Δa、及びΔbの次元差が他の立体よりも比較的均一になることが必要なので、体積を計算するには楕円の体積が好ましい。更に、楕円の体積は、球形の体積よりも視覚的に受け入れやすい(即ち、人間の知覚による色のミスマッチを検出しにくい)と考えられている。
【0052】
幾つかの実施形態では、別個の要素の外側から見える少なくとも2つの表面の付与された色は、約200未満のCIELab色空間体積を占めることになる。これらの外側から見える表面は、後述する試験方法に従って分析する。分析すると、外側から見える表面を含む要素の固有の色から、L、a、及びbの座標が得られる。次に、上記の式を用いて、CIELab色空間体積が計算される。得られる体積は約200未満であってよい。得られる体積は約50未満であってよい。
【0053】
見える表面を有する3個以上の別個の着色領域の付与された色が、前述のCIELab色空間体積を占めることができることを認識すべきである。3個以上の要素のCIELab色空間体積を計算する際には、一連の要素の最大及び最小のL、a、及びbを用いて、CIELab色空間体積が計算される。最大の色値及び最小の色値を使用して、以上に提示した式に従ってVを計算する。
【0054】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳しく制限されるものとして理解されるべきでない。それよりむしろ、特に指定されない限り、各こうした寸法は、列挙された値とその値周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味することを意図する。例えば、「40mm」として開示される寸法は、「約40mm」を意味するものとする。
【0055】
相互参照される又は関連するあらゆる特許又は出願書類を含め、本明細書において引用される全ての文献は、明示的に除外ないしは制限されない限り、その全体を参考として本明細書に組み込まれる。いかなる文献の引用も、それが本明細書において開示され請求されるいずれかの発明に関する先行技術であること、又はそれが単独で若しくは他のいかなる参照とのいかなる組み合わせにおいても、このような発明を教示する、提案する、又は開示することを認めるものではない。いかなる文献の引用も、それが本明細書において開示され請求されるいずれかの発明に関する先行技術であること、又はそれが単独で若しくは他のいかなる参照とのいかなる組み合わせにおいても、このような発明を教示する、提案する、又は開示することを認めるものではない。
【0056】
本発明の特定の実施形態が説明及び記載されてきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を行えることが当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのような全ての変更及び修正を、添付の「特許請求の範囲」で扱うものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
身体に面する表面(10)と、前記衣類に面する表面に対向する衣類に面する表面(11)と、重心(40)と、長手方向中心線(L)と、前記長手方向中心線(L)に直交し、かつ前記重心で前記長手方向中心線と交差する横方向中心線(T)と、を含む、吸収性物品(5)であって、前記吸収性物品が、
背景領域(50)と、
第1の付与された着色領域(60)を含み、前記第1の付与された着色領域が前記長手方向中心線と重なっている、第1の層(20)と、
前記第1の層と対向関係にあり、第2の付与された着色領域(70)を含む第2の層であって、前記第2の付与された着色領域が、前記第1の付与された着色領域よりも、前記長手方向中心線から直交する方向へ離れるよう横方向により広くなっており、前記第2の付与された着色領域が自由端(125)を有し、前記第2の付与された着色領域が前記長手方向中心線をまたいで前記自由端間を連続して延びている、第2の層(22)と、を含み、
前記第1の付与された着色領域及び前記第2の付与された着色領域が、前記背景領域と色の点で異なり、
前記背景領域、前記第1の付与された着色領域、及び前記第2の付与された着色領域が、前記身体に面する表面から見える、吸収性物品。
【請求項2】
前記第1の付与された着色領域が前記重心上と重なっている、請求項1に記載の吸収性物品。
【請求項3】
前記吸収性物品が2個の第2の付与された着色領域を含み、前記第1の付与された着色領域が前記2個の第2の付与された着色領域の間に位置する、請求項1又は2に記載の吸収性物品。
【請求項4】
前記第1の付与された着色領域及び前記第2の付与された着色領域が前記長手方向中心線に沿って互いから離間している、請求項1〜3のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項5】
前記第1の付与された着色領域及び前記第2の付与された着色領域が前記長手方向中心線に沿って少なくとも部分的に互いに重なり合う、請求項1〜3のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項6】
前記吸収性物品が周辺部(110)を有し、前記背景領域が前記第2の付与された着色領域と前記周辺部との間に位置する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項7】
前記第1の付与された着色領域が実質的に細長い形状である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項8】
前記第1の付与された着色領域及び前記第2の付与された着色領域が前記背景領域によって実質的に包囲されている、請求項1〜7のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項9】
前記第1の付与された着色領域及び前記第2の付与された着色領域が約200未満のCIELab色空間体積内にある、請求項1〜8のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項10】
前記吸収性物品が周辺部(110)を有し、前記第1の付与された着色領域が、前記横方向中心線と重なっている前記周辺部の部分の間の最大距離の約50%未満の幅を有する、請求項1〜9のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項11】
前記第1の付与された着色領域、前記第2の付与された着色領域、及び前記背景領域を、色のL、a、及びbに従ってHunter Reflectance Meter試験によって測定し、前記L、a、及びbの値は前記身体に面する表面から測定され、前記第1の付与された着色領域及び前記第2の付与された着色領域が色差を有し、前記L、a、及びbの値を用いて、式ΔE=[(LX・−L+(aX・−a+(b−b1/2によって前記色差を計算すると、前記第1の付与された着色領域と前記背景領域との間の前記ΔEが少なくとも約1であり、前記第2の付与された着色領域と前記背景領域との間の前記ΔEが少なくとも約1である、請求項1〜10のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項12】
前記第2の付与された着色領域が実質的に弓形である、請求項1〜11のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項13】
前記第2の付与された着色領域が実質的に弓形であり、前記長手方向中心線を中心として対称であり、2個の自由端を有し、
前記第2の付与された着色領域の前記2個の自由端が、前記第2の付与された着色領域の他の部分よりも前記横方向中心線の近くに位置する、請求項1〜12のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項14】
前記第1の層が不織布であり、前記不織布の繊維が前記第2の層から突出している、請求項1〜13のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項15】
身体に面する表面(10)と、衣類に面する表面と、周辺部(110)と、を有する吸収性物品(5)の製造方法であって、前記吸収性物品が互いに対向関係にある第1の層(20)及び第2の層(22)を含み、前記吸収性物品が重心(40)を有し、前記吸収性物品が、長手方向中心線(L)と、前記重心で前記長手方向中心線と交差し且つ前記長手方向中心線と直交する横方向中心線(T)と、を有し、前記方法が、
a.前記長手方向中心線と重なっている第1の付与された着色領域(60)を前記第1の層に設ける工程であって、前記第1の付与された着色領域が第1の着色技術によって設けられる、工程と、
b.前記長手方向中心線から直交する方向へ離れるように横方向に前記第1の付与された着色領域よりも広い第2の付与された着色領域(70)を、前記第2の層に設ける工程であって、前記第2の付与された着色領域が前記長手方向中心線をまたいで延び、前記第2の付与された着色領域が第2の着色技術によって設けられている、工程と、
c.前記第1の層と前記第2の層を互いに重ね合わせる工程と、を含み、
前記吸収性物品が背景領域(50)を含み、
前記背景領域、前記第1の付与された着色領域、及び前記第2の付与された着色領域が前記身体に面する表面から見え、
前記第1の付与された着色領域及び前記第2の付与された着色領域が色の点で前記背景領域と異なる、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2013−502977(P2013−502977A)
【公表日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−526701(P2012−526701)
【出願日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際出願番号】PCT/US2009/055108
【国際公開番号】WO2011/025486
【国際公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】