説明

多層シールド電線

【課題】細径、軽量、安価で電磁遮蔽性能の高い多層シールド電線を提供する。
【解決手段】内部導体11の周囲を順次絶縁層12、14を介して複数層の外部導体13、15で覆った多層シールド電線10において、積層方向に隣接する内層側の外部導体13と外層側の外部導体15の間を所定の層間距離に保つと共に、両外部導体13、15間に介在する物質(粒状または棒状の導体21)を介して両外部導体13、15を多点で導通させた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に自動車等において使用される電磁遮蔽性能に優れた多層シールド電線に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車内において、アンテナで受信したRF(Radio Frequency)信号、映像信号、通信信号などの伝送線路として、金属導体による電磁遮蔽層のついたシールド電線が使用されている。
【0003】
シールド電線は、内部導体(1芯だけの場合や多芯の場合がある)の周囲を絶縁層で覆い、その絶縁層の周囲を外部導体で覆い、最外層に保護材としてPVC(塩化ビニル)等の保護層を設けたものである。
【0004】
外部導体は、主に金属箔又は編組からなり、金属箔としては一般的に、ポリエチレン等の薄いプラスチックフィルムの表面にアルミ又は銅を数μm程度付けたフィルム状のものが使用されている。そして、編組は通常、銅の細線(素線)を複数本編み込んで形成したものが使用されている。
【0005】
金属箔と編組は遮蔽性能の周波数特性が違い、1層の場合には、条件にもよるが、一般に100MHz以下の周波数帯域では編組、それ以上の周波数帯域では金属箔の方が、性能が高い傾向にある。これらは、遮蔽性能だけでなく、端末での機械加工性、機械強度などの観点から、電線の使用目的に合わせて適宜選択されている。
【0006】
また、同じような理由から、1層で使用目的に達しない場合は、金属箔又は編組を2層もしくはそれ以上に重ねたり、金属箔と編組とを組み合わせて使用したりすることもある。特に100MHz以上の高周波域では、それ以下の周波数に比較して1層では遮蔽効果を得にくいため、多層化されることが通常多い。
【0007】
そして、2層以上で使用される場合、一般に各層の間に絶縁層を入れる場合と、絶縁層を入れずに電磁遮蔽用の導体同士を電気的に接触させている場合がある。前者を2層、後者を2重と呼称する場合もある。2層の場合でも、電線端末の加工時に、端末で短絡されることが多い。
【0008】
この種の従来の多層シールド電線としては、例えば特許文献1や特許文献2において知られている。
【0009】
図8(a)、(b)は2層のシールド電線の従来の構成例を示している。この2層シールド電線100は、1芯の内部導体111の外周を第1絶縁層(誘電体)112で覆い、その外周を第1外部導体(電磁遮蔽層)113、第2絶縁層(誘電層)114、第2外部導体(電磁遮蔽層)115で順次覆い、最外層に保護層116を設けた構造のものである。
【0010】
また、図9に示すシールド電線120は、第1外部導体113と第2外部導体115の間に絶縁層を入れずに両外部導体113、115を直接重ねて接触させた構造のものである。
【0011】
【特許文献1】特開2006−173044号公報
【特許文献2】特開2003−229028号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
ここで、前述したような従来の多層シールド電線では、遮蔽性能を高めようとすると、層数が多くなるに従い、製造コストが増したり、重量が重くなったり、電線径が太くなったりするなどの嫌いがあった。
【0013】
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、細径、軽量、安価で電磁遮蔽性能の高い多層シールド電線を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前述した本本発明の目的は、下記(1)〜(6)の構成により、達成される。
(1) 内部導体の周囲を順次絶縁層を介して複数層の外部導体で覆った多層シールド電線において、
積層方向に隣接する内層側の外部導体と外層側の外部導体の間を所定の層間距離に保つと共に、該両外部導体間に介在する物質を介して該両外部導体を多点で導通させた
ことを特徴とする多層シールド電線。
(2) 前記両外部導体を、該両外部導体の間に介在して前記絶縁層を構成する樹脂材料に混入した粒状又は棒状の導体により多点で導通させた
ことを特徴とする上記(1)に記載の多層シールド電線。
(3) 前記両外部導体を、該両外部導体の間に介在して前記絶縁層を構成する樹脂フィルムの貫通孔に充填した粒状又は棒状の導体により多点で導通させた
ことを特徴とする上記(1)に記載の多層シールド電線。
(4) 前記両外部導体のうち少なくとも一方の外部導体の表面に多数の突起を形成し、
それら突起を他方の前記外部導体の表面に接触させることにより、前記両外部導体を多点で導通させた
ことを特徴とする上記(1)に記載の多層シールド電線。
(5) 前記両外部導体のうち少なくとも一方の外部導体を凹凸が交互に並ぶ波形に形成し、
その凸の頂部を他方の前記外部導体の表面に接触させることにより、前記両外部導体を多点で導通させた
ことを特徴とする上記(1)に記載の多層シールド電線。
(6) 前記両外部導体間の絶縁層に、表面に凹凸のある編組又は複数の細線を挿入することにより、前記両外部導体を多点で導通させた
ことを特徴とする上記(1)に記載の多層シールド電線。
【0015】
上記(1)の構成の多層シールド電線によれば、内層側の外部導体と外層側の外部導体を多点で導通させているので、従来のものと比較して同じ遮蔽層数、層間距離であっても、大きな電磁遮蔽効果を得ることができる。また、従来のものと比較して同じ電磁遮蔽性能とするならば、層数の削減や層厚の削減が可能であり、遮蔽層に使用する金属材料の削減、電線径の縮小、軽量化が可能になり、コスト低減を図ることができる。
上記(2)の構成の多層シールド電線によれば、内層と外層の両外部導体を、絶縁層を構成する樹脂材料に混入した粒状あるいは棒状の導体により多点で導通させたので、絶縁層を構成する樹脂材料の厚みやその樹脂材料に混入する導体の量や形状を調整することにより、遮蔽効果を調整することができる。
上記(3)の構成の多層シールド電線によれば、内層と外層の両外部導体を、該両外部導体の間に介在して絶縁層を構成する樹脂フィルムの貫通孔に充填した粒状あるいは棒状の導体により多点で導通させたので、樹脂フィルムの厚みや貫通孔の個数等を調整することにより、遮蔽効果を調整することができる。
上記(4)の構成の多層シールド電線によれば、内層と外層の両外部導体のうち少なくとも一方の外部導体の表面に多数の突起を形成し、それら突起を他方の外部導体の表面に接触させることにより、両外部導体を多点で導通させたので、突起の数や大きさ等の調整により、遮蔽効果を調整することができる。
上記(5)の構成の多層シールド電線によれば、内層と外層の両外部導体のうち少なくとも一方の外部導体を凹凸が交互に並ぶ波形に形成し、その凸の頂部を他方の前記外部導体の表面に接触させることにより、両外部導体を多点で導通させたので、凹凸の数や形状等の調整により、遮蔽効果を調整することができる。
上記(6)の構成の多層シールド電線によれば、内層と外層の両外部導体間の絶縁層に、表面に凹凸のある編組又は複数の細線を挿入することにより、両外部導体を多点で導通させたので、編組の形態や細線の本数等の調整により、遮蔽効果を調整することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、従来のものと比較して同じ遮蔽層数、層間距離であっても、大きな電磁遮蔽効果を得ることができる。
また、従来のものと比較して同じ電磁遮蔽性能とするならば、層数の削減や層厚の削減が可能であり、このため遮蔽層に使用する金属材料の削減、電線径の縮小、軽量化が可能になり、コスト低減を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明に係る好適な実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
なお、図1は本発明の第1実施形態の構成図であり、(a)は実施形態のシールド電線の断面図、(b)は(a)のIb部分の拡大模式図であり、図2は本発明の第2実施形態の要部構成を示す模式図であり、図3は本発明の第3実施形態の要部構成を示す模式図であり、図4は本発明の第5実施形態の要部構成を示す模式図であり、図5〜7はそれぞれ2層シールド電線の遮蔽性能の比較を示すグラフである。
【0018】
(第1実施形態)
図1(a)に示す実施形態の多層シールド電線は、電磁遮蔽層を2層設けた2層シールド電線10であり、内部導体11の周囲を順次絶縁層12、14を介して2層の外部導体13、14で覆い、最外層に保護層16を設けた構造をなしている。そして、内層側の外部導体13と外層側の外部導体15の間を絶縁層14により所定の層間距離に保つと共に、両外部導体13、15間に介在する、後述する物質を介して両外部導体13、15を多点で導通させたことを特徴としている。
【0019】
次に、両外部導体13、15を多点で接触させる構造について以下に説明する。
なお、シールド電線の製造において電磁遮蔽層を構成する場合、絶縁フィルム上に導体層を形成した電磁遮蔽層付きフィルムを使用することが多く、ここでは、そのような電磁遮蔽層付きフィルムを作製して、これを内部導体11と絶縁層12の外周に巻き付けることによりシールド電線を製造している。
【0020】
そこで、図1(b)に示す第1実施形態では、まず、ポリエチレンフィルム等の絶縁フィルム(絶縁層14)の両面に、金属箔(外部導体13、15)よりなる導体層を積層なり貼り合わせなりで設けて、電磁遮蔽層付きフィルムを作製する。その際、絶縁フィルム(絶縁層14)の樹脂の中に、予め粒状や棒状の導体21を適当な分布で混ぜておき、フィルムの所々で表面側と裏面側の導体層間に導通があるようにする。図示例では、例えば符号Aで示す各点で導体21同士がショートしており、これにより、多点で導通のある2層の電磁遮蔽層を持った遮蔽フィルムが得られることとなる。
【0021】
したがって、この遮蔽フィルムを図1(a)の絶縁層12の外周に巻き付けて、最外層に保護層16を設けることにより2層シールド電線10が製造される。
【0022】
この場合、絶縁フィルム(絶縁層14)の厚みを増減して両面の導体層(外部導体13、15)の層間距離を調整したり、或いは絶縁フィルム(絶縁層14)に混ぜる粒状または棒状の導体21の量や形状などを調整したりすることで、遮蔽効果を調整することができる。
【0023】
(第2実施形態)
図2に示す第2実施形態では、ポリエチレン等の絶縁フィルム(絶縁層14)に多数の貫通孔を設けて、各貫通孔に金属棒、金属粒子、導電性塗料などの導電物質22を充填し、その絶縁フィルム(絶縁層14)の両面に、金属箔などの導体層(外部導体13、15に相当)を積層や貼り付けによって設けることにより、両面の導体層を多点で導通させた2層の電磁遮蔽層を持つフィルムを作製している。その他の態様は、第1実施形態と同様である。
【0024】
この場合は、絶縁フィルムの厚みや貫通孔の個数等を調整することにより、遮蔽効果を調整することができる。
【0025】
(第3実施形態)
図3に示す第3実施形態では、ポリエチレン等の絶縁フィルム36の表面に多数の突起を設け、その上に金属箔などの導体層33を設けることにより、導体層33に多数の突起34を有した第1のフィルムを作成する。一方で、突起のない絶縁フィルム31の表面に金属箔などの導体層32を設けることで、導体層に突起を持たない第2のフィルムを作成する。そして、導体層32、33を設けた面を対面させて、第1のフィルムと第2のフィルムを重ね合わせることにより、突起34の存在により隙間35が確保されるので、両導体層32、33を多点で導通させた2層の電磁遮蔽層を持つフィルムを得ている。その他の態様は第1実施形態と同様である。
【0026】
この場合は、突起の数(分布密度)や大きさ等の調整により、遮蔽効果を調整することができる。特に突起の高さの調整により層間距離が変えられる。
【0027】
(第4実施形態)
また、図示しないが、第4実施形態では、ポリエチレン等の絶縁フィルム凹凸が交互に並ぶ波形に形成して、その上に金属箔などの導体層を設けることで第1のフィルムを作成する。一方で、凹凸のない絶縁フィルムの表面に金属箔などの導体層を設けることで第2のフィルムを作成する。そして、導体層を設けた面を対面させて第1のフィルムと第2のフィルムを重ね合わせることにより、2つの導体層を多点で導通させた2層の電磁遮蔽層を持つフィルムを得ている。その他の態様は第1実施形態と同様である。
【0028】
この場合は、凹凸の数(分布密度)や大きさ等の調整により、遮蔽効果を調整することができる。特に凹凸の高さの調整により層間距離が変えられる。
【0029】
(第5実施形態)
図4に示す第5実施形態では、ポリエチレン等の絶縁フィルム41、46の片面に、金属箔などの導体層42、45を設けた2枚のフィルムを、導体層42、45を対面させて、粒状または棒状の導体44を含む導電性接着剤43を介して貼り合わせることにより、2層の導体層42、45を多点で導通させた2層の電磁遮蔽層を持つフィルムを得ている。その他の態様は第1実施形態と同様である。
【0030】
この場合は、導電性接着剤43の厚みやそれに混入する導体44の量や形状を調整することにより、遮蔽効果を調整することができる。
【0031】
(第6実施形態)
また、図示しないが、第6実施形態では、片面に金属箔などの導体層を設けた2枚の絶縁フィルムを、導体層を対面させて、間に編組や複数の細線を挟んで貼り合わせることにより、2層の導体層を多点で導通させた2層の電磁遮蔽層を持つフィルムを得ている。その他の態様は第1実施形態と同様である。
【0032】
この場合、編組は表面に凹凸があるため、所々で点接触の状態が形成される。また、編組の素線径により、金属箔よりなる導体層と編組間の空間高さが変化することとなる。そして、編組の密度により接触密度が変化することとなる。
【0033】
したがって、これらのパラメータの調整により遮蔽効果を調整することができる。
なお、ここで使用する編組の密度は、遮蔽層として使用する場合よりも低く設定してよい。また、編組の代わりに、単なる素線を疎らに配置してもよい。
この場合には、接点が線状になるが、編組の場合と同様の効果が得られる。
【0034】
なお、上述した絶縁フィルム14,31、36、41、46には、ポリエチレン以外の樹脂材料を使用することもできる。また、導体層13、15、32、33、42、45を構成する金属としては、アルミ又は銅などを使用するのが好適であるが、それ以外の電気的特性のよい金属材料を使用してもよい。
【0035】
また、上記実施形態では電磁遮蔽層(外部導体や導体層とも言う)が2層の場合を示したが、3層以上の電磁遮蔽層を設けてもよく、この場合にも同様の作用効果を得ることができる。
【0036】
そして、金属箔の代わりに編組を使用してもよい。但し、編組同士を直接接触させた場合には、表面の凹凸により多点での導通が実現されるが、編組は細かい開口部が多数あるので、高周波においては好適でないと言える。合わせて、編組の場合、箔に比べて構造的な厚みがあるため、重量が重くなる傾向があり、同様に電線外径も大きく傾向がある。
【0037】
(実施例)
次に、20μmの遮蔽層(導電層)が2層ある場合で、その層間距離(ポリエチレン厚)が50μmである2層シールド電線について、2層間の接触状態をパラメータ(変数)として遮蔽効果について演算器を用いてシミュレーションした結果について述べる。
【0038】
図5〜図7はシミュレーションにより検証した結果を示している。
なお、このシミュレーションは、MIL-C-85485規格にある表面伝達インピーダンス測定系を仮想的に再現したものであり、また演算器の性能を考慮して線長さを1mではなく30cmと短縮して行った。そして、シミュレーション結果は、Sパラメータ(入力出力の電力比)で得られるため、表面伝達インピーダンス値ではなく、電力比で見る遮蔽効果(単位dB)として記載した(但し、30cmでの値である)。グラフ上の縦軸はマイナスdBで表され、値が小さいほど遮蔽効果が高いことを意味することとなる。
【0039】
図5に示すグラフから、線長30cmの間の接触点数(導通点)を、無し(0点)、3点、7点、15点、31点、63点とした場合、0〜2GHzの周波数帯域において、およそ200MHz以下では違いがないものの、それ以上の周波数域においては、3点、7点と接触点数が多いほど、遮蔽効果がよくなる傾向があり、15点以上では、変化が少なくなるものの、接触点が無い場合に比べて約10dBの効果があることが分かる。
【0040】
また、30cmの長さで15点以上ということで接点の数は2cmおき以上の密度であれば、十分効果があると言える。なお、このシミュレーション結果は、円環で接点がある場合で計算したものであるが、点接点で円周上に1点、4点(90度おき)の場合でも、同様な結果になることが分かっている。
【0041】
図6は接触点無しの場合、図7は接触点31点の場合において、層間の距離を50μmより増減した際の遮蔽効果の変化を示している。
【0042】
図6のように、中間に接触点が無い場合には、50μmから増減しても、全体的に顕著な効果は無かったのに対し、接触点数31点では、図7のように、層間距離があるほど、遮蔽効果が出るという結果になった。
【0043】
図5の「接触点無しで層間50μm」と図7の「接触点数31点で層間200μm」では、約20dBの効果の違いがある。
【0044】
以上の結果から、遮蔽層間での接触点数は多い方がよく、この場合には層間距離に応じて遮蔽効果が高まることが分かる。即ち、本発明によれば、従来のものと比較して同じ遮蔽層数、層間距離であっても、大きな電磁遮蔽効果を得ることができる。
なお、層間距離がなく、全面で完全に接触している場合には、厚みのある1層としての効果しかない。
【0045】
また、厚み20μmの銅箔が2層の場合、50μmの層間距離(ポリエチレン層)で接点がない図6の「接触点なしで層間50μm」と、20μmの層間距離にて多点で接触する図7の「接触点31点で層間20μm」では、ほぼ同等な効果が得られることになることが分かった。
【0046】
即ち、本発明によれば、高性能化を図るのではなく、従来のものと比較して同等性能を求める場合、例えば、この比較例のように、30μmで2層間を薄くできるため、外径寸法を低減でき、このため遮蔽層に使用する金属材料の削減、電線径の縮小、軽量化が可能となり、コスト低減を図ることができる。
【0047】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の第1実施形態の構成図で、(a)は実施形態のシールド電線の断面図、(b)は(a)のIb部分の拡大模式図である。
【図2】本発明の第2実施形態の要部構成を示す模式図である。
【図3】本発明の第3実施形態の要部構成を示す模式図である。
【図4】本発明の第5実施形態の要部構成を示す模式図である。
【図5】2層シールド電線の遮蔽性能の比較を示すグラフである。
【図6】2層シールド電線の遮蔽性能の比較を示すグラフである。
【図7】2層シールド電線の遮蔽性能の比較を示すグラフである。
【図8】従来の2層シールド電線の構成図で、(a)は断面図、(b)は斜視図である。
【図9】従来の別のシールド電線の断面図である。
【符号の説明】
【0049】
10 2層シールド電線
11 内部導体
12 絶縁層
13 外部導体(導体層)
14 絶縁層(絶縁フィルム)
15 外部導体(導体層)
16 保護層
21 粒状または棒状の導体
22 導電物質
31,36,41,46 絶縁フィルム(絶縁層)
32,35,42,45 導体層
34 突起
43 導電性接着剤
44 粒状または棒状の導体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部導体の周囲を順次絶縁層を介して複数層の外部導体で覆った多層シールド電線において、
積層方向に隣接する内層側の外部導体と外層側の外部導体の間を所定の層間距離に保つと共に、該両外部導体間に介在する物質を介して該両外部導体を多点で導通させた
ことを特徴とする多層シールド電線。
【請求項2】
前記両外部導体を、該両外部導体の間に介在して前記絶縁層を構成する樹脂材料に混入した粒状又は棒状の導体により多点で導通させた
ことを特徴とする請求項1に記載の多層シールド電線。
【請求項3】
前記両外部導体を、該両外部導体の間に介在して前記絶縁層を構成する樹脂フィルムの貫通孔に充填した粒状又は棒状の導体により多点で導通させた
ことを特徴とする請求項1に記載の多層シールド電線。
【請求項4】
前記両外部導体のうち少なくとも一方の外部導体の表面に多数の突起を形成し、
それら突起を他方の前記外部導体の表面に接触させることにより、前記両外部導体を多点で導通させた
ことを特徴とする請求項1に記載の多層シールド電線。
【請求項5】
前記両外部導体のうち少なくとも一方の外部導体を凹凸が交互に並ぶ波形に形成し、
その凸の頂部を他方の前記外部導体の表面に接触させることにより、前記両外部導体を多点で導通させた
ことを特徴とする請求項1に記載の多層シールド電線。
【請求項6】
前記両外部導体間の絶縁層に、表面に凹凸のある編組又は複数の細線を挿入することにより、前記両外部導体を多点で導通させた
ことを特徴とする請求項1に記載の多層シールド電線。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−4115(P2009−4115A)
【公開日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−161340(P2007−161340)
【出願日】平成19年6月19日(2007.6.19)
【出願人】(000006895)矢崎総業株式会社 (7,019)
【Fターム(参考)】