説明

多層3次元構造を製造するための方法

【課題】構成材料と犠牲材料の両方の着電に基づいて多層3次元構造を形成する。
【解決手段】めっきされる基板2に、マスク6および支持体8を含む第1の物品4aを接触させ、第1の金属イオン源が存在している状態で、第1の金属(例えば犠牲金属)12を堆積し、マスク16および支持体18を含む第2の物品14を基板2に接触させ、第2の金属イオン源が存在している状態で、第2の金属(例えば構成金属)20を堆積し、層を平坦化する。そして、異なるパターンの電気めっき物品4a、4b、14a、14bを用いて上記した方法を繰り返し、多層構造24を生成する。犠牲金属12の全てをエッチングすることによって、エレメント26を得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気化学堆積によって構造(structure)を形成することに関する。
【背景技術】
【0002】
マイクロ製造プロセス(また、マイクロマシーニングと称される)は、機械および器具を含む複雑なデバイスへの偶発的なアプリケーションのために開発され改良されている。これらのプロセスは、2、3ミクロンの範囲および若干のケースにおいてはサブミクロンの特徴を持つ小型化されたデバイスのマシンの生産に向けられており、その幾つかは現在肉眼で見えるスケールに存在する。
【0003】
マイクロ製造プロセスは、物質が基板の領域から除去されるバルク性マイクロマシーニング、薄い共形(conformal)の構造の層(layer)および1つ以上の犠牲層(sacrifical )が基板上に堆積(deposit)される表面マイクロマシーニング、および厚いシンクロトロン(synchrotron)処理されたフォトレジストの開口(opening)内で、電着された(electrodeposited)金属のまわりの物質をモールドすることによって、2.5−D押出型材を生成するLIGAを含む。これらのプロセスは、単純なジオメトリ(例えば、それらは1−4の異なる横断面により定義(define)され得る)の構造を生産するために用いられ、各アプリケーションのために通常カスタマイズされる。
【0004】
固体の自由な型の(freeform)製造(fabrication)(また、迅速な原型作り(rapid prototyping)と称される)は、何百もの層から一度に1つの層を生成することによって、肉眼で見える部品を製造するために用いられる。これらのプロセスは、厚さが典型的に50−150μmより大きい層を用い、幅が典型的に50−100μmより大きい特徴を生み出す。これらのプロセスは、典型的に、連続的に層を生成する。これらのプロセスは、製造される部分(part)を支持するための構造を用いる。支持体構造は、その部分のために度々カスタマイズされる。
【発明の概要】
【0005】
本発明の1つの特徴は、a)基板と、この基板上のパターンに適合(conformable)するように配置されたマスク(以下、適合マスクという)を含む第1の物品(article)に第1の基板を接触させ、b)適合マスクのパターンと相補的に(complement)対応する第1のパターンで、金属イオン源から第1の金属を第1の基板の上に電気めっきし、c)第1の基板から第1の物品を取り除くこと、を含む電気めっき方法にある。
【0006】
好適な実施例において、その方法は、第2の金属イオン源から第2の金属を第1の基板の上に電気めっきすることをさらに含む。1つの実施例では、第2の金属を電気めっきするステップは、a)基板と、この基板上のパターンに適合するように配置された適合マスクを含む第2の物品に第1の基板を接触させ、b)第2の物品の適合マスクのパターンと相補的に対応する第2のパターンで、第2の金属を第1の基板の上に電気めっきし、c)第1の基板から第2の物品を取り除くこと、を含む。この方法は、さらに付加的な層をつくることができる。
【0007】
1つの実施例では、本発明は、基板をパターン化されたマスクに繰り返し接触させ、適合したマスクパターンと相補的に対応するパターンで、金属イオン源から第1の金属を基板の上に電気めっきし、基板からマスクを除去すること、を含む電気めっき方法を特徴とする。
【0008】
他の実施例では、本発明は、上記の電気めっき方法に従う層を繰り返し形成することによって、多層構造を形成することを含む要素(エレメント)を製造する方法を特徴とする。
【0009】
本発明の他の特徴は、第1の主面を有する基板と、この基板の第1の主面上のパターンに適合するように配置された適合マスクを含む、電気めっき物品にある。この物品は、金属イオン源の存在下で(in the presence of)電極に接触するように置かれ、かつ電界がかけられたとき、適合マスクのパターンと相補的な金属のパターンで電極上に電界めっきすることができるようになっている。
【0010】
本発明の他の特徴は、第1の金属イオンおよび第2の金属イオンを含む電解液、電解液と接触するアノード(陽極)、電解液と接触するカソード(陰極)、および電解液と接触する第1の物品(例えば上記した電気めっき物品)を含む、電気めっき装置にある。
【0011】
1つの実施例では、電気めっき装置は、第1の金属イオンを含み第1のリザーバ内に配置される電解液と、電解液と接触するアノードと、電解液と接触するカソードと、電解液と接触する物品(例えば上記した物品)を含む第1の電気めっきリザーバ、および第2の金属イオンを含み第2のリザーバ内に配置される電解液と、電解液と接触するアノードを含む第2の電気めっきリザーバを含む。
【0012】
本発明の他の特徴は、電気めっき物品を製造する方法にある。この方法は、a)第1の基板とこの第1の基板の上にパターン配置されたレジストからなる物品に適合マスクを与え、b)適合マスクがレジストパターンと相補的なパターンを得るように、第2の基板を適合マスクに接触させ、c)第1の基板を適合マスク(物品に付着して残っている適合マスク)から分離し、d)レジストを除去することを含む。
【0013】
1つの実施例では、a)電気めっき物品を製造する方法は、第1の面を有するポーラス材(多孔質材:porous medium)を用意し、b)1つ以上のポーラスでない領域をつくるためにポーラス材を処理し、c)フィルムをポーラス材の第1の面に与え、d)パターン化されたマスクをつくるためにフィルムをパターニングし、e)1つ以上のポーラスでない領域の少なくとも一部を除去することを含む。
【0014】
本発明の他の特徴は、3次元オブジェクトの横断面ジオメトリの、計算、記憶、および回復(retrieval)にある。これは、そのジオメトリを反映するパターン化されたマスクの生成および電気めっき方法の使用のために用いられる。本発明のデータおよび制御プロセスは、汎用コンピューティングシステムにおいて、実行されるソフトウェアアプリケーションプログラムによって具現化され得る。
【0015】
本発明のデータおよび制御プロセスは、プロセッサにより実行されるようにアレンジされたアプリケーションプログラムコードを記憶するデータ記憶媒体の形で、アプリケーションプログラムを通して具現化された電気めっき方法および製造物において、実施され得る。
【0016】
電気めっき方法および物品は、例えば金属、ポリマー、セラミックおよび半導体のような材料(material)の薄膜層からデバイスを製作することができる。電気めっき方法は、中間層の接合のない比較的均一な、等方性のエレメント(例えばデバイス)を生成する。電気めっき方法は、低温で実行されることができる。このため、集積回路およびシリコンウェーハのような基板をめっき基板として使うことができる。
【0017】
本発明の電気めっき方法は、高アスペクト比のデバイス、内部機能を有する中空のデバイス、カンチレバーおよび「シャンデリア」ジオメトリを有するデバイス、および相互接続された静止または移動部分(すなわち、アセンブルされた状態において、製造されるデバイス)を含む、自由な型のジオメトリのデバイスを製作するのに用い得る。電気めっき物品、装置および方法も、デバイスの大量生産において特に有効である。
【0018】
本発明の他の機能および利点は、好適な実施例の説明および請求の範囲から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一実施例における電気めっき物品の横断面図である。
【図2】本発明の第2の実施例における電気めっき物品の横断面図である。
【図3】電気めっき物品を形成する方法の第1の実施例を示す図である。
【図4】電気めっき物品を形成する方法の第2の実施例を示す図である。
【図5】電気めっき物品を形成する方法の第3の実施例を示す図である。
【図6】電気めっき物品を形成する方法の第4の実施例を示す図である。
【図7】電気めっき物品を形成する方法の第5の実施例を示す図である。
【図8】電気めっき物品を形成する方法の第6の実施例を示す図である。
【図9】電気めっき物品を形成する方法の第7の実施例を示す図である。
【図10】本発明の電気めっき方法おける堆積を形成する方法を示す図である。
【図11】本発明の電気めっき方法の第1の実施例における方法を示す図である。
【図12】本発明の電気めっき方法の第2の実施例における方法を示す図である。
【図13】集積回路上のエレメントを製造する方法を示す図である。
【図14】共に製造されるエレメントをアセンブルする方法を示す図である。
【図15】本発明の電気めっき方法の一実施例に従って製造されるエレメントを示す図である。
【図16】(a)から(d)は、本発明の一実施例に従って製造されるエレメントの横断面である。
【図17】本発明の一実施例における電気めっき装置を示す図である。
【図18】電気めっき物品と接触する基板の横断面図である。
【図19】本発明の電気めっき装置の一部の平面図である。
【図20】本発明の電気めっき装置の第3の実施例における電気めっき装置の一部の平面図である。
【図21】本発明の電気めっき装置の第4の実施例における電気めっき装置の一部の平面図である。
【図22】本発明の電気めっき物品容器の一実施例の横断面図である。
【図23】本発明の電気めっき装置の第2の実施例の横断面図である。
【図24】図23の電気めっき装置の位置における基板の横断面の拡大図である。
【図25】本発明の電気めっき装置の一部の第3の実施例の横断面図である。
【図26】図25の電気めっき装置の他の一部の横断面図である。
【図27】図示された横断面線を有する3次元オブジェクト(2次元で示す)を示す図である。
【図28】3次元構造の横断面の計算のため、および本発明の電気めっき装置を駆動するために、構成されたコンピューティングシステムの機能ブロック図である。
【図29】マスクパターンファイルおよび装置制御ファイルを生成する方法を示す流れ図である。
【図30】3次元オブジェクトを製造する方法を示す流れ図である。
【図31】電磁式モータの横断面図である。
【図32】本発明の電気めっき物品の第3の実施例おいて複数の物品を扱う電気めっき方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明は、複雑な構造を有するエレメントの製造を可能にする、電気めっき方法、装置および物品を特徴とする。電気めっき方法は、構成材料(例えば金属)と支持体(すなわち犠牲)材料の両方を含むことができる層の選択的な電気めっき、およびそれに続く支持体材料の除去(例えば、エッチング、溶融、あるいは電気分解)を含む。支持体材料を除去した後、残っている構成材料は、微細なあるいはメゾスコピック(mesoscopic)なデバイスのようなエレメントとなる。電気めっき方法は、電極またはポーラス材のような支持体に選択的に付着した、パターン化された適合マスクを含む電気めっき物品を取り扱う。
【0021】
本発明は、電気めっき方法のために用いられる、電気めっき物品を特徴とする。電気めっき方法は、電解液で満たされた電気めっき槽、アノード、およびカソードを含む電気めっき装置を用いて行われる。電解液は、金属イオンおよび選択的に他の添加物を含む。アノードは、下記のように、電気めっき物品の一部であり得るか、または物品から、ある距離をおいて置かれる。本明細書において、特に言及しない限りは、めっきされる基板は、カソードとして機能する。説明を単純化するために、材料は金属と称し、同様の機能のものは同じ参照番号を用いて示される。
[電気めっき物品]
図1を参照して、本発明にかかる電気めっき物品4は、支持体8に付着された、パターン化された適合マスク6を有する。電気めっき物品は、また、パターン化された適合マスクであってもよい。支持体は、ポーラス材(例えばフィルタ)、アノード、およびその結合体であってもよい。物品は、単一の支持体上の複数の異なるマスクパターンを含むことができる。異なるマスクパターンは、連続的に複数の金属層をめっきするために、所定の順序で基板に接触される。各々の金属層は、多層エレメントを形成するために、接触されるマスクパターンに相補的なパターンを有する。図2を参照して、電気めっき物品4は、めっきされる金属を限るために、物品の外表面上の1つ以上のエッジマスク13を含むことができる。
【0022】
電気めっき物品とめっきされる基板間の接触は、よく制御された一様な圧力を用いて基板に対しパターン化されたマスクを押し付けることによって行われる。適当なマスキング圧力は、フラッシュ(すなわちマスクによって覆われた領域の金属の堆積)を防ぎ、マスクによって、輪郭がはっきり定められた形の歪みを防ぐ。電気めっき物品が基板との接触から除去されるときに、マスクは電気めっき物品に付着して残ったままとなる。
【0023】
支持体からのマスクのデラミネーション(表層薄利)を防ぐように、めっきされる基板からマスクを離す様々な方法が、改良されて用いられている。例えば、鈍いブレードを用いて電気めっき物品(フレキシブルであるならば)を基板から徐々にはがすこと、くっつかない/円滑なコンパウンド(non-stick/lubricating compound)を電解液に加えること、マスク面をくっつかない(non-stick)組成物(例えばスパッタされたポリ四フッ化エチレン)でコーティングすること、および振動(例えば超音波)を用いることができる。
[パターン化された適合マスク]
パターン化された適合マスクは、めっきされる基板の表面に適合するように十分に変形可能(例えば、弾性力をもって変形可能)であり、マスクと基板間の接触を最大にし、マスクと基板間のギャップを最小にする(できれば排除する)。マスクと基板間の接触を最大にすることは、フラッシュ形成のためのポテンシャルを最小にする。マスクは、また、繰り返し使用(すなわち基板と接触し、基板から除去すること)ができるように十分に耐久力のあるものである。マスクは、マスキング圧力によってマスクの形(すなわちマスクパターンのクローズドとオープンの形を構成しているポジティブおよびネガティブの形)の歪みを防ぐように、十分に堅くかつ薄くなっている。マスクは、好ましくは、めっきされる基板のピークと谷の粗さおよび曲率と比較して、相対的に厚くなっている。
【0024】
マスクは、好ましくは、非常に高い電気抵抗値(例えば10-14Ω−cm)を示し、電解溶液のイオンに対する非常に低い透磁率を有し、めっき処理が行われる温度でめっき電解液に対し化学的に非リアクティブである。マスクは、親水性か疎水性であるが、親水性が好ましい。疎水性材料の場合、比較的多い量の湿潤剤を、マスク材料のぬれを確実にするために電解液に入れるようにしてもよい。
【0025】
マスクは、好ましくは、支持体に対し強いボンド(例えば化学的なまたは機械的なボンド)を形づくることができる。そうすると、小さい(例えば15×15μm)絶縁されたポジティブな形は、マスク製造プロセス、マスクの正常の取り扱い、またはめっきされる基板からマスク材を除去することによって、剥離されない。
【0026】
パターン化されたマスクは、好ましくは、実質的に平坦で、めっきされる基板にスムーズに適合できるものである。マスクは、好ましくは、様々な単位(例えばl0〜25μm、または、サブミクロンのようにより小さい)のポジティブおよびネガティブの形を持つように、好ましくはマスクパターンのネガティブな形をブロックするマスク残りがないように、パターン化される。マスクのパターンは、マスク厚を通って延び、1つ以上のマスクの側壁で定義されるアパーチャ(すなわち負の形)を含んでいる。マスクの形は、好ましくは、実質的に平坦な壁プロファイルを有し、既存の堆積の存在下で基板に対してマスクを再接触させるようなわずかな側壁角(例えば、めっきされる基板の方へわずかに傾いた)を有することができる。
【0027】
マスクは、1つ以上の材料の層、例えば、比較的堅い層(すなわち高アスペクト比のフォトレジスト、例えばMicroChem社から市販されているSU-8およびシンクロトロン−処理されたポリメタクリル酸メチル)、および適合層を含むように、構成され得る。有効な堅い層の他の例としては、Clariant AZ4620のような正のフォトレジストである。このフォトレジストは、パターン化された適合層を紫外光にさらすことによって、パターン化することができる。
【0028】
有効なマスキング材の例としては、例えば、Dow-Corningからの商品名Sylgard(例えばSylgard 182および184)およびGelestからの商品名RMS-033のような市販のポリディメチルシロキサン(polydimethylsiloxane)(すなわちシリコーンゴム)のようなエラストマー(erastimer)を含む。マスキング材は、他の添加剤、例えばフォトイニシエーター(photoinitiators)、充填剤および水素ゲッターを含むことができる。
[ポーラス材]
ポーラス材は、相互接続された孔を有し、イオンおよび電解液構成物の添加剤に浸透され得る。ポーラス材は、有孔率が変化する1つ以上の層を有することができる。ポーラス材は、好ましくは、マスクの最小のネガティブな形よりかなり細かい小孔寸法を有する。小孔は、好ましくは、開口領域(open area)において一様である。例えば、ポーラス材のいかなる20μm2の開口領域においても、1%である。特に有効なポーラス材は、フィルタとして使われるときに、0.3〜3μmの微少な保有率を有する。複数のポーラス層を含むポーラス材のために、各ポーラス層は、上記の特性を示す、めっきされる基板に最近接のポーラス材でもって、有孔率および小孔寸法が変化し得る。マスクに接触するポーラス材の表面は、めっきされる基板に接触する、付着されたマスク表面も、平らでスムーズであるようにするために、十分に平らでスムーズでなければならない。
【0029】
ポーラス材は、電解液槽の動作温度で電解溶液と化学的に非リアクティブである。好適なポーラス材は、親水性である。ポーラス材は、電気めっきの間に発生するガス泡を発散させるようにガスに浸透され得るのが好ましい。
【0030】
ポーラス材は、好ましくは、噴き出させること(shedding)(すなわち周囲の流体にそのものの部分をリリースしないこと)から自由で、かつ多層の電気めっき処理に耐えるように十分に耐久力のあるものである。適切なポーラス材の例としては、堅く、親水性のある、滑らかな形(slip cast)のセラミックディスクポーラス材(Coors Ceramicsから市販されているもの)、ポリプロピレン(Gelmanからの商品名GHで市販されているもの)、ポリビニリデンフルオライド(polyvinylidenefluoride)(Milliporeから商品名Duraporeで市販されているもの)、およびポリ四フッ化エチレン(Milliporeから商品名LCRで市販されているもの)から作られた親水化膜(hydrophilized membrane)ポーラス材を使用することができる。堅いポーラス材は、単独でそれらのエッジで支えらているとき、マスキング圧力を与えることができる。
【0031】
特に有効な高透磁率のポーラス材は、比較的薄く、フレキシブルで、ポーラスな膜を含む。ポーラス膜は、マスキングへの適用に対して必要な圧力を与えるためのバッキング(backing)として役立つ、より堅固なポーラス材と組み合わせることが可能である。ポーラス膜は、より堅固なポーラス材とマスクの間に挟むことができ、ポーラス材は、めっき処理のために必要なマスキング圧力を供給する。より堅固なポーラス材は、マスクとの直接の接触のために用いられるものよりも比較的粗い(すなわち、より大きい)有孔率を有することができる。ポーラス膜は、マスク材(またはマスクに変形させたもの)と一体にすることができる。
【0032】
ハンドリングを助けるために、ポーラス膜は、後述するドラムヘッド固定治具(drumhead fixture)に取り付けられるか、または粘着性の構成物(例えば乾いたフィルムフォトレジスト)でもって一時的に堅固な平らな基板(例えばシリコーンウェーハ、ガラス)に付着されるようにすることができる。基板に付着している間ポーラス膜が処理され、処理後、粘着剤を溶かすことによって除去される。
【0033】
マスキング圧力は、後方から膜に当たる電界液のストリームまたはジェットの運動量によって、また電解液に組み入れられる密度の濃い粒子との選択的なコンビネーションで、および例えばポリマーの添加による電解液の粘性を増やすことにより、ポーラス膜に与えられる。マスキング圧力は、電気めっき装置のタンクの壁に対し膜をシールし、それから電解液に圧力をかけて、めっきされる基板に膜を押し付けることによっても、ポーラス膜に与えることができる。膜が膨れ上がる(bulging)ことを防ぐために、めっきされる基板がポーラス材より小さいときには、ダミー基板を使うことができる。
【0034】
ポーラス膜を用いる電気めっき方法の1つの例として、膜に対し比較的より堅固なポーラス材を押し付け、電流を流し、所定期間金属を堆積し、電流を止め、膜との接触から堅いポーラス材を除去し、それ自身のプレーン(例えば、オービタルなもしくはリニアな形)で比較的より堅固なポーラス材を置き換え、上記したサイクルを繰り返すこと、を含む。それぞれのサイクルにおいて比較的より堅固なポーラス材を置き換えることは、ポーラス材の異なる一部を膜に接触させることを許容する。好ましくは、マスク/膜は、比較的より堅固なポーラス材が、微容量およびバルク性電解液の間で、流体の交換を許容するように、めっきされる基板から分離される。
【0035】
他の膜めっき方法は、粒状のメディア、小さい球、またはローラを、例えば堅固なスクリーンを使用する膜に押し付けることを含む。小さい球およびローラは、膜上のパターン(例えば、リニアな移動を用いるリニアパターンまたはオービタルな移動を用いる円のパターン)において、ローラ/球の小孔構造のローカルな不平等性を平均化するために、連続的にまたは間欠的に、回転させられ得る。好ましくは、移動の振幅は、球またはシリンダの直径と等しい(好ましくは、それよりも数倍大きい)。球/シリンダは比較的小さく、膜は比較的厚いのが、好ましい。球/シリンダは、めっきされる金属で作ることができる。
[アノード]
電気めっき物品は、アノード上のパターン化されたマスクから構成され得る。アノードは、可溶性もしくは非可溶性であり、堅いもしくはフレキシブルであり、ポーラスかポーラスでないかである。アノードは、腐食しない導電材料(例えば、白金めっきされたチタン)によって支持された腐食可能な層(例えば金属層)を含む。アノードは、金属の薄いフレキシブルな板を含む、任意の大きさのものである。
【0036】
可溶性のアノードは、使用の間、腐食しがちである。アノードは、アノードとめっき金属の極性を逆にすることによって、周期的にマスクのネガティブな形を通りアノードを元の状態に戻す(redress)ことができる。過度の金属は、例えば電子製造技術において用いられるスルーマスク(through-mask)めっき処理に従い、他のアノードと協同して供給される。マスクが物理的にポーラス膜によって支持されかつポーラス膜に取り付けられており、アノードが膜の後ろに直接位置づけられているシステムにおいては、アノードの動き(movement)は、アノードの集中された(localized)腐食を防止するであろう。
[電気めっき物品の形成]
一般に、電気めっき物品を形成する方法は、固体のマスクまたは液体のマスキング材を、支持体すなわちアノード、ポーラス材およびその結合体に与えることを含む。固体のマスクは、支持体への取り付けの前、またはそれに続いてパターン化され得る。液体のマスキング材は、ポーラスでない基板(例えば、不活性部材、溶解あるいは溶融(例えば、プラスチックの基板、ラッカーまたは低い融点合金)の上にパターン化され、硬化(cure)され(すなわち、クロスリンクされ、重合され(polymerized)、焼入れされ、固められ、ゲル化され、およびそのコンビネーション)、そして、支持体に取り付けられるかパターン化され、支持体の上で直接固められる。
[支持体の準備]
マスクを受けるスムーズな平らな表面とするために、マスクをうけるであろう支持体の表面を平坦化することが好ましい。マスクをアノードに与えるときに、マスクへの粘着(adhession)を最大にするように、最初にアノードの表面を用意しておくことが好ましい。有効なアノード表面の準備方法の例としては、表面上のパウダーの薄い層を、化学的なマイクロエッチング(microetching)、ラッピング、サンドブラスティング、および焼結(sintering)することを含む。化学薬品の粘着プロモータ(例えば、Sylgard Prime Coat)を使うこともできる。
【0037】
マスクのポーラス材への粘着を維持し改良する方法として、様々なものを用いることができる。これらの方法は、ポーラス材にマスクを押し付けながらマスクを溶かし、ポーラス材の有孔率で結果としてマスクの機械的な重ね合わせとすること、およびマスクとポーラス材の間に粘着性のある構成物を与えることである。ポーラス材に対するマスクの粘着は、パターン化されたマスクの表面の上にドライ堆積(例えば、スパッタ)される可溶性の材料(例えばガラス)である接着材を使うことによって、高めることができる。粘着性のある構成物を使うときには、マスクと支持体の間に位置する領域に粘着性のある構成物をとどめる(すなわち、粘着物が、ほんの数ミクロンの幅であるネガティブな形をブリッジしないようにする)方法を用いるのが好ましい。
【0038】
液状のマスキング材は、ポーラス材の小孔に浸透する(すなわち、制御不能に吸収される)傾向がある。多孔性のままとするポーラス材の領域の「浸透(soak in)」を減らす方法として、様々なものを用いることができる。浸透を防ぐ適切な方法の例としては、ポーラス材の一方の側に圧縮された空気を供給すること、小孔に浸透し、満たし、そして液状のマスキング材の浸透に対してバリヤーを形成するために、固まるような充填材で一時的にポーラス材を処理すること、および液状のマスキング材よりも密度が濃く混ざらない充填材で一時的にポーラス材を処理すること、を含む。ポーラス材の表面は、充填材で小孔を浸透させた後に浸食される(abraded)。このことにより、支持体に対しマスクが直接粘着している、コーティングされていない(uncoated)、充たされていない(unfilled)表面が露出する。充填材は、液状のマスキング材が固体化された後、溶かされるか、またはポーラス材から除去される。
【0039】
有効な充填材の例としては、アセトン可溶性の(acetone-soluble)ワックスおよびラッカー、インベストメントコーティングコアに用いられる可溶性のワックス、水に溶ける塩、ゲル、クリスタルボンド509、可溶性の熱可塑性材料および様相変化材料(例えば氷、電気流動学の流体)を含む。
【0040】
図3において、充填材を用いてポーラス材を一時的にポーラスでなくする方法の例を説明する。この例は、比較的平らな表面131(例えばシリコンウェーハ)(好ましくは、充填材の層の厚さは、ポーラス材の小孔を所定の高さに充填するように調整される)の上に液状の充填材132の薄膜層を回転成形し(spinning)、回転状態にある充填材132にポーラス材130の第1の表面136を接触させ(図3(a))、充填材132をポーラス材の小孔に所定の深さ染み込ませ(図3(b))、充填材132を固化させ、そして、充填材132がポーラス材130に入り込む第1の表面と反対側にある、ポーラス材130の第2の表面138に十分な量の液状のマスキング材134を(例えば回転形成によって)与える。液状のマスキング材134は、ポーラス材の表面に所望の厚さのマスキング材の層を生成するように与えられる。マスキング材134の残りは、粘着のために、固化された充填材132の表面においてポーラス材の中にしみ込む。この方法は、さらにマスキング材134を硬化し、固化された充填物132を除去し、少なくとも固化された充填物132が存在する深さでマスキング材134が十分に染み込んでいるポーラス材130の層を介してマスクをネガティブ形状にエッチングすることを含む。
【0041】
浸透を防ぐもしくは制限する他の方法は、液状のマスキング材の量を制限することを含む。この場合、液状のマスキング材は、ポーラス材における小孔の量の割合だけ与えられ、液体は、小孔に部分的に充填される。そのような方法は、ポーラス材の上へ慎重に、噴霧パターンの流量および速度を制御して、液体のマスキング材にスプレーすることを含む。他の方法は、一様な薄膜層を得るために非吸収シートの上で液体のマスキング材をスピンコートし、液体のマスキング材にポーラス材を接触して配置することを含む。ポーラス材がシートから剥がされ、あるいは溶解、溶融されたときに、マスキング材の薄いコーティングは、ポーラス材(すなわち、マスキング材は、ポーラス材に付着して残っている)へ移される。液体のマスキング材は、シートの除去前あるいはそれに続いて、硬化される。
【0042】
浸透を防ぐ他の方法は、ポーラス材が高速でスピンし、浸透が過度に行われる前で遠心力がマスキング材を薄膜層に広げている間、液体のマスキング材をポーラス材に与えることを含む。
【0043】
浸透を防ぐ他のアプローチは、ポーラス材の表面で又はその近くでバリヤー層を形成することを含む。処理後、バリヤー層(および選択的にポーラス材のある部分)は、ポーラス材の有孔部分を露出させるために、マスクのネガティブ形状から除去される。また、支持体に対するマスクの粘着を改良するために、マスクのポジティブ形状と一致するバリヤー層の領域は、マスクのアプリケーションの前に除去されてもよい。バリヤー層は、化学エッチング、ドライエッチング、イオンミリング、レーザ加工および溶断(例えば、熱可塑性のベースバリヤーのためのもの)など多様な技術を使用して、除去することができる。バリヤー層は、また、例えば、他の材料をポーラス基板の表面に加えることによって、例えば、ポーラス材の上の乾いたフィルムフォトレジストのような固体材料のフィルムをラミネートすること、浸透を制限する上記した技術を用いて、好ましくは高粘性の中で、液状のバリヤー層を与えること、粉末の薄い層でポーラス材をコーティングするとともにポーラスでないコーティングを形成するために粉末層を溶かすこと、真空蒸着、スパッタリング、CVDまたは他のプロセスによってバリアーフィルムを堆積すること、およびそれらの結合によって、形成することもできる。
【0044】
ポーラスアノードの場合、浸透は、以下に示す様々な方法を用いて防ぐことができる。その方法は、ポーラスでない層をポーラスアノードの面に与え、マスクをパターニングした後に、アノードを露出させるためにマスクのネガティブ領域のポーラスでない層を除去すること、モールド中の部分的に堅く締まった粉末を焼結し、アノードの金属をエッチングするエッチャントの中にその構成を浸し、焼結したアノード材料の外側のポーラスでない層が(マスクされていない領域で)溶かされるようにすること、アノードの表面を(例えば、炎または熱い面との接触によって)溶かすこと、材料(例えばポーラスの表面に電着された金属)で一時的に小孔の表面を充填すること、およびマスクとアノードの間でポーラスでないバリヤー層を与えること、を含む。
[電気めっき物品をパターニングし製造すること]
電気めっき物品をパターン化するのに様々な方法を用いることができる。
【0045】
図4に、電気めっき物品を形成する方法が示される。その方法は、レジスト142(例えばMicroChem社から商品名SU-85として市販されているフォトレジスト)の層をコーティング(例えば、スピニング)することによって、基板144(例えばシリコンウェーハ)の上に、マイクロモールド(micromold)140を形成すること、を含む。好ましくは、フォトレジストの層は、望ましい最終的なマスクの厚さより2、3ミクロン大きい厚さを有する。フォトレジストは、フォトマスク、およびフォトパターンが可能なレジスト材の場合、光源(例えばUV光源)を使用してパターニングすることができる。レジストのポジティブ形状は、マスクのネガティブ形状と一致する。選択的に、マイクロモールドは、くっつかない材料(例えばポリテトラフルオロエチレン(polytetrafluoroethylene)またはポリプロピレン)から作ることができ、例えば、リアクティブイオンエッチングまたはエキシマアブレーションによって形成されたパターン、あるいはコンパクトディスクの製造に用いられるプロセスに類似したプロセスに従ってマスターモールドからマイクロモールドされたパターンを含むことができる。
【0046】
フォトレジストと基板を含むマイクロモールド表面は、マイクロモールドを、例えば、United Chemical Technologiesから市販されている(tridecafluoro-1,1,2,2-tetrahydrooctyl)-1-trichlorosilaneの蒸気に晒すことによって保護することができる。液体のマスキング材146は、それから、パターン化されたフォトレジストによって輪郭がはっきり定められ浮き上がったパターンの上に注がれる。この後、支持体148は、マイクロモールド140に押しつけられる。等圧力が加えられて、液体のマスキング材146が、レジストパターンの浮き上がった部分(すなわちポジティブ形状)と支持体148の表面の間に位置する領域150から押し出される。好ましくは、液体のマスキング材146は、完全にレジスト142のポジティブ形状に対応する領域150から押し出される。液体のマスキング材が硬化するまで、全体のアセンブリ152はこの状態を維持する。熱で硬化できるマスキング材の場合には、アセンブリは硬化のためにオーブンに移すようにしてもよい。
【0047】
硬化の後、支持体148を囲んでいる過剰なマスク材料154は、除去される。オーブンにおいてマスクが硬化される場合には、アセンブリは、支持体とモールドの間で熱収縮の差を最小にするようにすばやく分解される。硬化されたマスク156がマイクロモールド140から分離され、まだ支持体148に残るように、支持体と硬化されたマスク156は、モールド140から引き離される。マスク156は、マイクロモールド140と逆のパターンを示す。マイクロモールド140は、再利用することができる。必要であるならば、マイクロモールド140は、マスク残りを取るためにクリーンにされるようにしてもよい。シリコーンのクリーニングを行う有用な例の1つとして、シリコーン被覆取り工具、例えばAmtex Chemical社から市販されているAmtex CCRがある。
【0048】
マスク156のネガティブ形状158に残っている残留層は、ドライエッチング(例えば、O2とCF4の混合ガスを用いたRIE)を使用して除去することができる。そのドライエッチングは、また、マスクのポジティブ形状の厚さを減らす。支持体のエッジに延びる一様なエッチングは、ダミー基板好ましくは同様の構成のものを用い、支持体を囲むことによって行うことができる。そうすると、エッジ効果による非一様性は、対象領域外のものとなる。
【0049】
マスクがポーラス材に付着している時、エッチングは、マスクのネガティブ形状から、ポーラス材に存在するいかなるバリヤー層も除去するために続けられ、ポーラス基板のポーラス部分が除去されるまで、続けられてもよい。ポーラス材の小孔が充填されたかまたは存在しない場合、例えばリアクティブイオンエッチングにより、小孔は再形成もしくは形成される。
【0050】
電気めっき物品を形成する他の方法が図5に示される。その方法は、支持体148(すなわちポーラス材または用意されたアノード)上にフォトレジスト142を、最終的にマスクに要求されるのと近い厚さでパターニングすることを含む。レジスト142によって占められる支持体148の領域は、金属が付着するマスクのネガティブ形状と一致する。バリヤーを含むポーラス材をパターニングするとき、レジストによって覆われていないポーラス材の領域からバリヤー層を除去するようにポーラス材はエッチングされる。その方法は、さらに、液体のマスキング材146を支持体148に与え、選択的に、マスキング材を真空脱気することを含む。そして、平らな、滑らかな、くっつかないシート(例えばPTFE)160が、レジスト142、および支持体148に平行な液体のマスキング材146に、押しつけられ、圧力が、レジスト142とシート160の間から液体のマスキング材146を押し出すように加えられる。マスキング材146は、それから、硬化され、シート160が除去され、残留したマスキング材が、エッチング(例えばO2とCF4の混合ガスを用いたリアクティブイオンエッチング)によって除去される。レジスト142は、レジストによって先に占められていた支持体の領域を露出するために除去される。ポーラス材をパターニングするとき、マスクのネガティブ形状に、隣接したポジティブ形状からしみ出たマスク材は、マスクとポーラス材を必要深さだけエッチングすることによって、除去される。ポーラス材の小孔が充填されたかまたは存在しない場合、小孔は、形成もしくは再形成され得る。
【0051】
図6を参照して、電気めっき物品を形成する他の方法は、フォトパターンが可能なマスキング材146例えばRMS-033(Gelestから市販されている)を、フォトイニシエーター(photoinitiator)(例えば、2,2-dimethoxy-2-phenyl acetophenone(Polysciences社から市販されている)と協同で、支持体148に加えること、を含む。液体のマスキング材146は、構成物を酸素との接触から保護するために、薄い、酸素不透過性(oxygen-impermeable)フィルム(例えばMylar)で覆うようにすることができる。マスキング材146は、それから、選択的にマスク材を硬化するために、パターン化された光(例えばフォトマスク162を通ったUV光)に晒される。フィルムが除去され、フォトパターン可能なマスキング材が(例えば、キシレンを用いた溶解によって)現像され、硬化されていないマスキング材146が除去される。ポーラスでないバリヤー層が存在しているならば、それは、マスク156のネガティブ形状から(例えば、ドライエッチングによって)除去される。ネガティブの働きをするフォトパターン可能なマスキング材の場合、ポーラス材は、マスキング材の表面層が望ましい厚さを持つまでマスキング材で浸される。フォトパターニングした後に、露出していないマスキング材(小孔におけるものも含む)は、現像液によって溶かされる。
【0052】
ポーラス材をパターニングするときに、ざらざらした表面から発散した光の量を減らすために、ポーラス材は、ダークシェードに色がつけられるか、または反射防止部材で覆われるようにすることができる。
【0053】
図7に、電気めっき物品を作る他の方法が示される。その方法は、液体のマスキング材146(または固体のマスク)を支持体148に与えること、固められたマスク156を形成するために液体のマスキング材を硬化すること、厚いレジスト164あるいは薄い金属層(図示せず)に配置された薄いレジストでマスク156を覆うこと、レジスト164をパターニングすること、この場合、金属層であれば、(エッチングあるいはリフトオフによって)金属層をパターニングするパターン化されたレジストを使用すること、厚いレジスト164(金属層があればそれも)をマスクとして用いて、マスク156を(例えば、ウェットエッチ、ドライエッチ、あるいはイオンミルによって)除去すること、基板がポーラス材である場合には、好ましくは、小孔をオープンするためにポーラス材の表面を除去すること、および残留しているレジスト164(金属層があればそれも)を例えばストリッピング(stripping)によって除去すること、を含む。
【0054】
図8に示される、電気めっき物品を形成する方法は、液体のマスキング材146(または固体のマスク)を支持体148に所望の厚さで与えること、マスキング材が液体であれば、マスク156を固めるためにマスキング材を硬化すること、マスクおよび支持体材料を除去するのに適した輝度と波長を有するパターン化された紫外光、例えばUVエキシマーレーザビームに固体のマスクを晒すこと、支持体148が露出するまでマスク156を除去すること、およびポーラス材をパターニングするときに、バリヤー層170(もしあれば)を除去し、必要であれば、小孔をオープンさせるためにポーラス材の上層を除去すること、を含む。 凸版(relief printing)において用いられる方法に類似した方法を、電気めっき物品の製造に用いることができる。その方法の1つの例は、AZ4620またはSU-8のような高アスペクト比のフォトレジストをパターニングすることによって生成された浮き彫りパターンに液体のマスキング材を与えること、マスキング材が支持体に付着するように、支持体に対して浮き彫りパターン/マスキング材を押し付けること、浮き彫りパターンを除去すること、を含む。形成された電気めっき物品は、浮き彫りパターンの逆パターンでパターン化されたマスクを有する支持体を含む。
【0055】
そのような方法の他の例は、支持体をエッチングするか、耐久力のあるフォトレジスト(例えばSU-8)を与えることによって、支持体上に浮き彫りパターンを形成すること、液体のマスキング材の薄い一様な層で平らな滑らかなシートを覆うこと、支持体/レジストに覆われているシート(すなわち、スタンプ、スタンプ台のようなもの)に対し、支持体/レジストおよびマスキング材を速く連結もしくは非連結にする(mate and unmate)(好ましくは、支持体およびシートは平行にしておかれる)ために、スタンプすること、および液体のマスキング材を硬化すること、を含む。
【0056】
図9に、電気めっき物品を形成する方法が示される。ポーラス材148の表面の層は、液体のマスキング材で所望のマスク厚さに浸される。液体のマスキング材は、固体マスク156およびポーラス材148のマトリックス174を生成するように固められる。マトリックス174は、例えば、電気めっき物品176を形成するために、エッチングするか、または少なくともマトリックス「層」の深さと等しい深さに、マトリックスの選択された領域を除去することによって、パターン化される。その方法の代わりに、全体のポーラス材を液体のマスキング材に浸し、液体のマスキング材をパターン硬化し、硬化されてないマスキング材を除去すること、を含む方法を用いてもよい。
【0057】
電気めっき物品を形成する他の方法は、例えば、スクリーン印刷、ステンシル印刷およびインクジェット式の印刷のようなプロセスによって、マスキング材を選択的に支持体に与えること、ポーラス材のために、ポーラス材の表面の層を溶かし、ポーラス材の小孔を露出させ浮き彫りを生成するためにエッチングまたは除去によってポーラス材の表面にネガティブ形状を形成すること、を含む。電気めっき物品を形成する方法は、また、電気めっき物品上の浮き彫りの量を増やすためにマスクパターンのネガティブ形状(すなわちウィンドウ)にエッチングすることを含むようにしてもよい。ポーラス材および印刷されたシリコーンマスクの場合、エッチングを、酸素プラズマによって行うことができる。
[電気めっき方法]
本発明は、めっきされる基板を電気めっき物品に接触させることを含む電気めっき方法を特徴とする。その方法は、第1の金属(例えば支持体または犠牲金属(sacrifical metal))に選択的に電気めっきすること、および第2の金属(例えば構成金属(stractural metal))に電気めっきすること、を含む。第2の金属に電気めっきするステップは、本発明の電気めっき物品または第2の金属を一括堆積を用いて、第2の金属に選択的に電気めっきすることを含むことができる。電気めっき方法は、金属の単一の層のめっきに使用する方法、あるいは先に金属層にめっきされて多層構造となっているものの上に付加的に金属をめっきすることを繰り返し行う方法とすることができる。所定層数めっきされた後、少なくとも支持体金属の一部が例えばエッチングによって除去される。残っている構成金属は、微細なあるいはメゾスコピックなデバイスを形成する。
【0058】
また、その方法は、1つの金属の単一の層をめっきするのに2つの電気めっき物品を使うことができる。図10を参照して、めっきされた金属層234を形成するために、第1の金属が第1のパターン230にめっきされ、その金属は、第2のパターン232にめっきされる。第2のパターン232は、第1のパターン230と重なっていてもよい。
【0059】
本発明の電気めっき方法の1つの例が図11に示される。その方法は、めっきされる基板2に、マスク6および支持体8を含む第1の物品4aを接触させ、第1の金属イオン源(すなわち電解液およびアノード10)が存在している状態で、第1の金属(例えば犠牲金属)12を堆積し、マスク16および支持体18を含む第2の物品14を基板2に接触させ、第2の金属イオン源(すなわち電解液およびアノード22)が存在している状態で、第2の金属(例えば構成金属)20を堆積し、選択的に層を平坦化すること、を含む。そして、異なるパターン化された電気めっき物品4a、4b、14a、14bを用いて上記した方法を繰り返し、多層構造24を生成する。それは、犠牲金属12の全てをエッチングした後、エレメント26になる。第2の物品は、マスクの1つ以上のポジティブ形状の表面領域が、第1のめっきされた金属の対応する表面領域を越えて延びるような特大サイズのポジティブ形状を有するマスクを含むことができる。
【0060】
電気めっき方法の間に形成されたエレメントは、基板に取り付けられたままであるか、基板から除去される。エレメントを除去する1つの方法は、エッチングが、基板に対するエレメントの付着のソースを除去するように、基板の上へ支持体材の第1の層をめっきすること、を含む。
【0061】
他の電気めっき方法が図12に示される。電気めっき方法は、めっきされる基板2に電気めっき物品(図示せず)を接触させること、第1の金属12(すなわち、構成金属か支持体金属)を選択的に堆積すること、第2の金属20を一括堆積すること(blanket depositing)(図12(b))、および正確な厚さの平らな滑らかな層とするために堆積された層を機械的に平坦化すること(図12(c))を、含む。平坦化された表面は、外表面上にある研摩粒子を除去するために洗浄されてもよい。好ましくは、支持体金属が選択的にめっきされ、構成金属が一括堆積される。
【0062】
有効な平坦化方法の例は、機械的な(例えば、ダイヤモンドラッッピング、炭化珪素ラッピング)、化学機械的な、機械的でない(例えば、放電加工)、平坦化工程(planarization)を含む。ダイヤモンドラッピングは、特に好適な平坦化工程である。ダイヤモンドラッピングは、例えば約1〜6のミクロンダイヤモンド研削材のような多様なグレードのダイヤモンド研磨材の単一のグレードを使用して、行うことができる。研削材の異なるグレードを有するラッピングは、別個のラッピングプレートを使用するか、1つのプレートの異なる領域において、行うことができる。例えば、粗いダイヤモンド研削材が、スピンしている円形のラッピングプレートプレートの外側の領域に加えられ、細かいダイヤモンド研削材が、内側の領域に加えられるようにすることができる。着脱可能な円形の壁が、分離を増加させるために、内側と外側の領域の間に設けられる。最初に平坦化される層は、プレートの外側の領域に接触し、粗い研削材を取るために選択的に洗浄され、プレートの内側の領域に移動する。平坦化された表面は、それから、溶液、例えば水ベースもしくは電解液ベースの溶液を用いて洗浄され、平坦化された層から研摩材および研磨された粉が除去される。研摩スラリーは、水溶性で容易に除去可能である。層の厚さ、平坦性、および平滑性は、光学エンコーダ、ウェアレジスタントストップ(wear resistant stops)を用い、既知の圧力の下で精密な平らな金属プレートを層に連結し、プレートと層の接合部を横切る抵抗を測定することによって、測定することができる。めっきされた金属の厚さは、めっきされた金属パターンに対して相補的であるパターンを有するマスクをめっきされたマスクに接触させ、変位を測定することによっても、測定が可能である。
【0063】
好適な平坦化工程の1つの例は、ワークピース(すなわち平坦化される層を有する基板)を、ラッピングプレート上の「調整リング(conditioning ring)」内で回転させることを含む。ラッピングは、また、ワークピースを回転させるかリリースすることなく電気めっき装置のX/Y運動ステージを用い、ラッピングプレートの表面のまわりで、ワークピースを動かすことにより、行うことができる。このような方法で、基板に対するプレートの接線上の動きは、360°回転することになる。スラリーがプレートに放出されるように、スラリーの放出のタイミングが、基板の動きに同期されるようにしてもよい。ワークピースの動きは、r=r0+AsinBθで表される正弦波の軌道を有するパスを含む、円形以外のパスで起きる。
【0064】
めっきされる基板は、導電性の表面、または導電性の層に設けられた非導電性の表面を含むことができる。めっきされる基板は、平坦か、もしくは非平坦であり得る。めっきされる基板は、また、先に電気めっきされたか、もしくは堆積された金属、もしくは少なくとも1つの金属を含む層であり得る。
【0065】
電気めっき方法は、例えば、集積回路上で実施することができる。集積回路上で実施する電気めっき方法の1つの例が、図13に示される。めっきの間、電気的な接続が行えるようにするため、アルミニウムのパッドが、それと一時的にバスによって接続される遠い接点パッドで終端する導線に接続される。図13を参照して、電気めっき方法は、薄い銅ディスク36の上へポリイミド34の層をスピンコートすること、アルミニウムパッド40、狭い導線42、コンタクトパッド41および保護層44を含むシリコンウェーハ38の底表面に銅ディスク36を付着させること、処理後にダイの分離を助けるためにウェーハ38を部分的にソーイングすること、連続的なエッチングの間アルミニウムパッド40、41をプロテクトし、ソーイングライン46を満たすように、ウェーハ38の最表面上に感光性のポリイミド35をスピンコートすること、めっきされるパッド40および電気的なコンタクト41のためのパッドを露出させるようにポリイミドをパターニングすること、ウェーハを脱脂すること、亜鉛酸塩めっき溶液に構造を浸すこと、バスを形成するためにフォトレジストを形成し、パターニングを行うこと、電気めっき方法のためにパッド41と接続するバス48を形成すべく銅のスパッタリングによってコンタクトパッド41間を接合する(join)こと、ニッケルがバス48に堆積するのを妨げるようにバス48の上にレジストをパターニングすること、平坦化のためにアルミニウムパッド40の上を十分なニッケル50でめっきすること、レジスト35を除去すること、めっきされた金属と電気的な接続をとること、プレーナ基部51をスパッタリングし、平坦化のためにウェーハの全表面の上を十分な量の銅52でめっきすること、ニッケル50を露出させるために表面を平坦化すること、超微細構造(microstructure)の層に電気めっきをすること、バス48および銅ディスク36を含む銅51、52をエッチングすること、およびポリイミド34を除去して、ウェーハ38(すなわち集積回路)に設けられた超微細構造デバイス54を形成すること(図13(i))を含む。
【0066】
電気めっき方法は、堆積された金属層の均一性を改良するため周期的にめっきするように用いることができる。周期的なめっきは、めっきされる基板からマスクを取ることと同期して電極に加えられる電流を非常に短く遮断することを含む。それは、同時に電解液の添加物を補給し、いかなるガスも排気し、支持体、めっきされる基板、およびマスクによって構成されるマイクロボリューム(microvolume)から微粒子および添加物を放出する。それから、マスクを基板と接触すなわち連結することと同期して、電流が再び供給される。この方法は、所望の厚さの金属が堆積されるまで繰り返される。マスクの壁には、わずかなテーパーまたは傾斜(draft)(すなわち、マスクにより形成されるネガティブ形状が、基板に接触しているマスクの側においてわずかに大きい)が与えられる。これは、まだ厚さが不十分である堆積の状態において、基板に対するマスクの繰返しの接触を容易にするためである。
【0067】
めっきされた金属層の均一性は、電気めっき物品の支持体の局所的な厚さおよび選択的に局所的な有孔率を制御することによって特性毎(feature-by-feature)に電流密度を制御し、電流密度を調整することによって、改良することができる。一様なめっきは、また、基板に対してめっきされた金属の望ましい厚さを与えるために計算された厚さを有する可溶性コーティングの薄い層を持つ不溶性アノードを支持体として用いることによって、得ることができる。一旦、マスク、コーティングおよび基板によって定義された領域内の電解液中のイオンの有限の量がめっきされると、めっきは終わる。コーティングが厚さにおいて均一である限り、めっきされた金属は厚さにおいて均一である。
【0068】
また、水素バブルの形成は、以下のことによって最小にすることができる。すなわち、電流効率を増加させるために低電流密度を用いること、電解液中の水素の溶解度を上げるために、温度を下げるおよび/または電解液に圧力を与えること、電解液に不浸性でガスに浸性のマスク材(例えば、疎水性のマイクロポーラス(microporous)な材料)を使うこと、ガス泡がマスクから引き抜かれるように真空中で電気めっき方法を実行すること、基板にガス泡の付着を減らすことにより穴(pit)の形成を最小にするために、穴を作らない作用物(antipitting agents)(例えば、ニッケルサルファメイト(nickel sulfamate)電解液のためのSNAP)を使うこと、マスキング圧力を増加させる、(このことは、減少したマイクロボリュームによる電解液の圧力を局所的に増加させ、水素を溶液中に保って局所的な領域における電解液に大きな圧力を与えるであろう)、および水素除去作用剤(hydrogen gettering agent)を(例えば、微粉を液体のマスキング材に溶け込ませることによって)マスク材料に組み込むこと、によって、水素バブルの形成を最小にすることができる。
【0069】
銅をニッケル構成のものから選択的に除去するための有効なエッチング構成物の例は、CMOSデバイスやEnthone OMIから市販されているEnstripe C38に付けられた構造をエッチングする水酸化アンモニウム−硫酸銅溶液(ammonium hydroxide-copper sulfate solution)が好ましいが、水酸化アンモニウムと亜塩素酸ナトリウム溶液(chlorite)、水酸化アンモニウムと硫酸銅溶液でもよい。エッチングは、例えば電解液やめっきされる基板に与えられる超音波などのバイブレーション、エッチングされる金属に接触しているエッチャントの与圧された噴射、および界表面活性剤を用いて、行われる。構成金属の表面から延びる薄い突起物の形のような、構成金属に存在するフラッシュは、アシッドエッチングまたは電解研摩によって、除去できる。
【0070】
電気めっき方法は、複雑な超微細構造および部品間で精密公差を有するエレメントを製造するために用いることができる。部品間のギャップが約1〜5μmであるような精密公差をもってフィットする部品を有するエレメントを製造する方法の1つとして、アッセンブルする前で、前もって整列された状態にあるデバイスの部品を電気めっきすることを含む。一旦製造されると、個々の部品は、互いに作動上の関連をもって動かされる。図14を参照して、ギヤ190および保持クリップ200を有するシャフト192を含むデバイス188を製造する方法は、上記した電気めっき方法を含む。アセンブリ固定治具194は、ギア190で前もって整列された位置において、めっきされる。支持体材198がエッチングされるとき、チャック196(例えば、電磁気的なまたは真空的な)は、アセンブリ固定治具片194を固定する。エッチングの間、ギヤ190は、シャフト192と接触していてもよい。図14(c)に示すように、チャック196は下げられ、アセンブリ固定治具194に、シャフト192上の保持クリップ200の上方にある最終的な位置でギヤ190を押し付けさせる。図14(a)〜(e)に示すように、チャック196は、完成されたデバイス188からアセンブリ固定治具194を除去するように上がる。
【0071】
電気めっき方法は、除去工程の間、囲まれた(enclosed)構成金属がエッチングされないように、少なくとも構成金属の一部が構成材料内で囲まれるようなエレメントを製造するために用いることができる。図15に、めっきされたエレメント236の横断面が示される。図において、エッチャントによってアクセッシブルである支持体金属238が除去された後、支持体金属238は、構成金属240内で保護された状態(encapsulated)で残っている。
【0072】
電気めっきプロセスは、また、モールディング(例えば、射出成形、金属射出成形、反応射出成形、熱形成、ブローモールディング、およびダイカスト)のための道具類(tooling)を製造するために用いることができる。部品のイジェクション軸が層のスタッキング軸に対し平行で、モールドされる部品の分離表面(parting surface)が堆積される最後の層であるように、2つのモールドインサートを配置することによってモールドインサートが製造できる。電気めっき方法は、図16(a)に示すように、アンダーカットを含む部品を形成するのに用いられる。それは、図16(b)に示すように、傾斜(draft)のない部品を形成するためであり、そして、構成物質の堆積層によってアンダーカットがなく傾斜を持ったモールドを形成するためである。ここで、構成金属のそれぞれの連続してめっきされた層は、図16(c)、(d)に示すように、構成金属の、先に堆積された層(例えば、801〜805の層)の境界内に、支持体物質を用いることなく、全体が配置される。図16(c)を参照して、層800は、層801などの前に堆積される。
[電気めっき装置]
電気めっき方法は、様々な電気めっき装置において実施することができる。電気めっき方法を実施するための1つの特に有効な装置が、図17に示される。装置56は、2つの槽58、60(例えば、ニッケルめっき漕および銅めっき漕)および検査ステーション62を含む。各槽58、60は、異なる金属に電気めっきをすることができるように構成されている。各槽58、60は、電解液、アノード59、61および電気めっき物品4、14を含む。図示するように、装置56は、めっきされる単一の基板2を収容する。装置は、めっきされる複数のおよび複数の電気めっき物品を収容するように構成することができる。それぞれの物品4、14は、少なくともパターン化されたマスク6、16を含み、金属のパターンを堆積することができる。
【0073】
電気めっき方法の機械的および電気的な制御は、コンピュータによって制御される。めっきされる基板2が、DCサーボモータ、ステッパーモータまたはそれのコンビネーションを備えた、精密なモーションステージ64x、64y、64zにより、めっき漕58、60および洗浄(rinsing)ステーション66間で、移送される。チャック68につるされた基板2は、第1の槽58に入り、マスク6の上にそれ自体を配置し、マスク6に接触し、めっきを受ける。所定の厚さの金属で基板2上を覆った後、基板2は、槽58から除去され、洗浄され、第2のめっき漕60に移送される。その第2のめっき漕60で、第2のマスク16に接触し、所定の厚さ(好ましくは第1の堆積された金属と同じ厚さ)にめっきされ、洗浄され、第1の漕58に戻る。検査ステーション62は、PCフレームグラバを有する高解像度のビデオマイクロスコープシステムを含み、制御ソフトウェアと連動してハードディスクに自動的に堆積された層のイメージを記録するように使われる。好ましくは、装置56は、密閉されたチャンバに入れられており、マスクを脱気するための真空装置を備える。
【0074】
制御された、一様な圧力を基板に与えるための有効なメカニズムは、流体圧力(例えば、空気のまたは油圧のシリンダによる)を与えることを含む。円形の基板に均一な圧力を与える1つの特に好適な方法は、ボールジョイント(例えば、基板とシリンダまたはその延長の間にはさまれた球で、皿穴によって保持されているもの)による基板の中央に圧力を与えることを含む。球は、マスク表面に一致し、圧力が均一に分布する平衡ポジションを見つけるように、基板が必要程度傾くのを許容する。基板は、一端が移動部材に定着しているタイトフィッティングなフレキシブルチューブを有する基板を囲むことによって、球に対して保持される。
【0075】
非常に固い精密な機械式のスライド(例えば、交差したローラーベアリングを組み入れる機械式のスライド)は、連結された基板の繰り返し可能なポジショニングを提供するために用いられる。堆積された漕のプレーンにおいて動くステージ、X/Yステージは、クランプ(例えば、電磁ブレーキ)によって位置的に固定される。
【0076】
めっきされる基板を運ぶデバイス(例えばチャック)は、金属層が基板に付加される位置に移動するスライディング絶縁チューブを含む。図17、図18において、スライディング絶縁チューブ67が、支持体14の上にあるエッジマスク244と周囲にある基板2とめっきされた金属層250と接触する横断面に示される。
【0077】
電気めっき装置は、物品がめっきされる基板に接触する前に物品のネガティブ形状により定義されるボリュームに、電解液の噴霧を向けることができるデバイスを含むように変形することができる。
【0078】
電気めっき装置は、装置内で微粒子汚染を制御する濾過システムを含むことができる。電気めっき物品および基板が電気めっき装置へロードされた後、装置は、圧力の上昇、超音波かくはんおよび濾過を含む自己洗浄サイクルを実施することができる。装置内の空気は、濾過システム(例えばHEPA濾過システム)によって、クリーンにされることができる。空気および電解液濾過プロセスは、連続的に電気めっき方法の全体にわたって作用することができる。電解液濾過システムは、一様な濃度および一定の温度を維持するために連続的に循環させ電解液を暖めるために、加熱およびポンピングシステムに組み入れられることが可能である。
【0079】
めっきされた金属およびめっきされた金属層の厚さは、以下のものにより制御することができる。例えば、金属の堆積レートおよび所定の周期のめっきを計ること、めっき効率のための調整とともに統合電流を監視し、計算されたマスク領域および計算されためっき厚さにノーマライズすること、および閉ループ厚さ制御を通して厚さ制御を行うことができる。閉ループシステムは、測定された金属めっきレートに基づく推定値を、電気めっき方法を制御するソフトウェアに入力することを含む。その電気めっき方法は、所望の厚さより薄く第1の金属をめっきし、電気めっきのマスクが第1のめっきされた金属に接触するように、第2の電気めっき物品に基板を押し付けること、めっきされた層の厚さと等しい量だけ支持体から基板を離れさせること、基板チャックにリンクされた高解像度(例えば0.1μm)エンコーダを用いて第1のめっきされた金属の厚さを読みとること、そのデータを、第1の金属の記憶されたレート値をアップデートするためにソフトウェアに入力すること、残っている厚さ分第1の金属層をめっきすること、を含む。第2のめっきされた金属のめっき厚さを計るためのプロセスおよびはその補完は、校正として数層おきに繰り返されるようにしてもよい。
【0080】
電気めっき装置の運動軸(後述する)および基板に対する電気めっき物品のマスクのオリエンテーションおよび位置は、めっきされる基板および少なくとも2つの距離的に分離されたマスク(それぞれアライメントパターンを生じる)上のリザーブされた(reserved)領域を使用するアライメント過程によって、決定される。マスクを基板に位置合わせするために、金属の薄い層が、基板のアライメントパターンの上でめっきされ、測定される基板に対しマスクの回転上および平行移動上の位置ずれが、例えばビデオマイクロスコープで測定され、補正される。
【0081】
アラインメントの正確性は、めっきされたパターンのストリッピングおよび新しいパターンの再めっきで確認される。アラインメントは、電気めっき方法の全体にわたって必要に応じて繰り返される。
【0082】
有効なアライメント方法の他の例は、バーニヤパターンを用いる。このバーニヤパターンにおいては、第1のピッチを有する細線のパターンが、異なるピッチを有するラインの第2のパターンの上に置かれる。既存のパターンと比較して置かれたパターンのピッチ間隔は、アライメント誤差を示すことになる。
【0083】
図19において、第1の金属イオンを含む槽68(例えば、ニッケルめっき漕)、第2の金属のイオンを含む槽70(例えば、銅めっき漕)、および複数の電気めっき物品72a〜72f、74a〜74eを含む。めっきされる各基板2(2a〜2eとして符号が付されている)は、槽68の左側端76で装置66に入り、物品72aに接触し、物品72aのマスクパターンで第1の金属でめっきされ、洗浄(図示せず)後、漕70に移り、物品74aに接触し、物品74aのマスクパターンで第2の金属でめっきされ、漕68などでの洗浄(図示せず)後、物品74bに移る。図示される、基板2aは、超微細構造の最初の3つの層と第4の層の第1の金属部分のために第1の金属および第2の金属の堆積を受ける。基板2bは、基板2aの後ろの1つの層であり、基板2cはウェーハ2aの後ろの2つの層などである。
【0084】
多数または何百もの堆積された層を必要とするエレメント(例えばデバイス)においては、電気めっき物品は、環状形状にアレンジされる。その中で電気めっき物品はリング状にアレンジされ、個々の電気めっき物品は、めっきされる基板の各々に接触した後、取り替えられる。電気めっきされた構成を生成するマス(mass)のための装置の1つの例が、図20に示される。装置78は、24枚の8インチ径の基板2をプロセスするように設計されている。装置78は、設計において、同心で、2つの外リング80、82および中心ディスク84を含む。外リング80は、第1の金属を選択的にめっきするために、電解液槽84および電気めっき物品(図示せず)を含む。内リング82は、第2の金属を一括めっきするための電解液槽86を含む。内リング82は、第2の金属を選択的にめっきするための電気めっき物品を含むことができる。回転ラッピングプレート85(必要な場合)は、めっきされた金属層を平坦化するために、装置78の中央に位置される。全てのプロセス(選択的なめっき、一括または選択的なめっき、および平坦化)は、異なる基板2で、1つのサイクルの間、行われる。サイクルの終わりに、めっきを経た基板は、矢印で部分的に示されたパターンで動く。システムにおける全てのサイクルが完結し、スターティング位置に戻ったとき、8つの層が、堆積される。第1の基板が第1のめっき物品に戻ってくる前に、第1のめっき物品は、新しいめっき物品に取り替えられる。同様に、他のめっき物品が基板の各々に接触した後、それらは取り替えられ、基板2は、装置78の回りで、作られるデバイスにとって必要とされる数の層を受け続ける。洗浄ステーションは、図示されていないが、めっき物品の間のスペースに配置される。この種の装置は、8時間で、高さ200ミクロンで500ミクロン平方のデバイスを約250万同時に製造することができる。
【0085】
電気めっき装置は、少なくとも2つの金属のイオンを含む単一の漕(例えば加えられた硫酸銅を有するワッツ槽)を含むことができる。それらのイオンの共通のめっき漕から2つの金属を選択的に堆積する方法は、H.Yahalomand O. Zadok,“Formation of Compositionally Modulated Alloys by Electrodeposition,”J. Material Sci.の第22巻、494ページ(1987)に記載されている。めっき漕は、少なくとも2つの電気めっき物品を含む。そのそれぞれは、金属の1つをめっきするのに用いられる。物品は、支持体の表面のサイド配列において単一のもしくは複数のマスクパターンを含む。複数のマスクパターンを有する物品の場合、基板は、所定のシーケンスで異なるマスクパターンに接触し、そのマスクパターンは、3次元構造をつくるために、第2の物品上のマスクパターンと交替する。図21に、電気めっき装置88が図示される。この電気めっき装置88は、2つの金属のイオン(例えば、ニッケルと銅のイオン)、第1の金属92をめっきするための物品、第2の金属94をめっきするための物品、および基板2a〜2eを収容する単一の漕90を含む。
【0086】
各基板は、槽90の左端96で装置88に入り、電気めっき物品92aに接触し、電気めっき物品92aのマスクパターンに第1の金属でめっきされ、物品94aに移って接触し、電気めっき物品94a上のマスクパターンに第2の金属でめっきされ、電気めっき物品92bに移る。図示されるように、基板2aは、超微細構造の第1の3つの層および第4の層の第1の金属部分のために、第1の金属およびの第2の金属の堆積を受ける。基板2bは、基板2aの後ろの1つの層であり、基板2cは、基板2aの後の2つの層などである。
【0087】
共通の槽電気めっき装置における銅堆積のレートを改良する様々な方法が用いられる。例えば、めっき電流をパルス化すること、温度を上昇させること(例えば、レーザエンハンストプレーティング)、電気めっき物品の支持体により電解液をポンピングすること、超音波振動を行うこと、銅ディスクの近くで銅を増やすこと、である。銅の濃度を局所的に増やす1つの方法は、ダミー基板上にめっきしている間に、銅アノードのギャルバノスタティック(galvanostatic)な溶解を含む。例えば、約20〜50mA/cm2の密度で電流パルスを加えることによって、約1〜2ミクロンの層を形成するのに十分な銅がアノードと基板間に位置する電解液に生成されるまで、ニッケルと銅が、ダミー基板に堆積される。このとき、ダミー基板は、実基板に置き換えられ、アノードは、ニッケルアノードに置き換えられる。銅は、それからポテンションスタティカリー(potentionstatically)に置かれる。
【0088】
銅の濃度を局所的に増やす他の方法は、図22に示すように、電気めっき物品容器98を使うことを含む。電気めっき物品容器98のボリュームは、銅リッチの電解液を含み、シリンダの側壁100、適合マスクを有するポーラス支持体102、およびアノード106(例えば、溶解しない白金めっきされたチタンアノード)によって定義される。電気めっき物品容器98は、電解液を移すための入口および出口のポートを含む。この電気めっき物品容器は、ニッケルめっき漕内で浸され、そして、基板が間欠的に通過できるバリヤーによって、選択的に分離される。
【0089】
電気めっき物品と接触しないときに基板上の自然発生的な堆積のリスクがあるときに、基板が銅電気めっき物品に接触し電流が加えられるまで、銅が減少するであろうときよりもより正のポテンシャルに基板がバイアスされる。同様に、電流が除去されるとき、基板が電解液から除去されるか他の物品に与えられ、そして電流が再び供給されるまで、基板は再びバイアスされる。
【0090】
他の電気めっき装置が図23に示される。装置260は、検査ステーション266およびラッピングステーション268による槽262、264(例えば、ニッケルめっき漕および銅めっき漕)を含む。各槽262、264は、異なる金属を電気めっきすることができるように構成されている。各槽262、264は、電解液およびアノード270、272を含む。槽264も、第1の金属を選択的に堆積するために電気めっき物品274を含む。槽262は、第2の金属を一括堆積のために使われる。槽262は、基板2に製造されるエレメントの両サイドを絶縁するマスク276を含む。これは、金属がいずれかのサイドにめっきされるのを防ぐためである。図24に、基板2が電気めっき槽262内に配置され、マスク276により部分的に絶縁されている、電気めっき装置260の一部が示される。基板2は、選択的に堆積された層278および一括堆積層280を含む。
【0091】
図25に、電気めっき物品を含む電気めっき装置の例を示す。電気めっき物品は、ポーラス膜を含んでいる。電気めっき物品108は、めっきされる基板と接触しており、比較的より粗い有孔率を有する比較的より堅固なポーラス材110と、比較的より細かい有孔率を有する比較的より薄い、フレキシブルポーラス膜112と、膜112に付着されたパターン化されたマスク114を含む。パターン化されたマスク114は、基板2と接触しており、アノード116は、ポーラス材110を越えて堆積される。金属堆積118は、マスク114により定義される開口(すなわちネガティブ形状)に形成される。
【0092】
図26において、ポーラス膜112を使う電気めっき装置120の他の例が示される。プロセスをハンドリングし、膜112の位置を基板に対して維持できるようにし、またポーラス膜112を含む堅いポーラス材110を通りポーラス材112に及ぼすべき圧力がかけられるように、ポーラス膜112がドラムヘッド122にマウントされる。ポーラス膜112は、同心のOリング124の間にクランプされ、堅固なポーラス材の上、すなわち図示するように、円筒状の中空の「たる」126の上で、締め付けねじ128によって張りつめて引かれる。もし、たるが使われるなら、堅固なポーラス材110は、たる126内で、膜112の一方の側に接触するように配置される。めっき基板2は、ポーラス膜l12の他の側に接触している。中間のコンプライアント(compliant)部材(図示せず)(例えばオープン小孔泡沫(open pore foam)を、ポーラス膜112と堅固なポーラス材110の間に配置して、マスクとめっき基板2の間に、より一様な圧接力を与えるようにしてもよい。
[自動化された処理(Automated Processing)]
本発明は、3次元構造のための非常に薄い断面のマスクパターンを生成する方法および3次元構造を形成するための予め定められたシーケンスで生成されたマスクパターンを有する電気めっき物品に接触することを含む自動電気めっきのための方法を特徴とする。
【0093】
その方法は、あるジオメトリにおけるマスクの数を最適化するための自動マスク最小化アルゴリズムを用いる。デバイス602のようなバルブへの方法の適用を、図27に示す、デバイス602の横断面を示す破線A〜Dに関して述べる。横断面BとCは同一であり、横断面AとDは同一である。1つのマスクが横断面BおよびCのために用いられ、他のマスクが横断面AおよびDのために用いられる。アルゴリズムは、同じデバイスにおいて以前計算された横断面または他のデバイスおよび同じ金属を作るために用いられた可能性のあるものと、新しく計算された横断面を比較する。2つの横断面間の差が、所定の(例えばユーザーが指定した)許容範囲を超える場合、新しいマスクが生成される。これは、マスクの数を最小にし、そして少ない電気めっき物品から多くの数の層が生成できるようにする。プログラムは、装置制御ファイルを生成する。この装置制御ファイルは、電気めっき装置とめっきされる層内でのマスク位置に対応する所定のシーケンスにおいてマスクが選択されるように、電気めっき装置を制御するソフトウェアを導く。システムは、また、製造される部品の第1の横断面を表すレイアウトファイルをエクスポートし、標準のレイアウトエディタを使用しているCMOSインタフェースのためのパッド設計ができるようにする。システムは、また、ユーザーがエラー検査できるように計算された横断面を表示することができる。
【0094】
図28は、本発明の一実施例に従う3次元構造の横断面の計算のための典型的なコンピュータシステムの機能ブロック図である。図28に示すように、システム610は、プロセッサ612、メモリ614(例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM))、プログラムメモリ(例えば、書き込み可能なリードオンリーメモリ(ROM)、例えばフラッシュROM)、入力装置616、および出力装置618を含む。プロセッサ612は、PC、マッキントッシュ、ワークステーションなどの汎用コンピュータの一部を形成する中央処理装置(CPU)を含む。メモリ614は、オペレーションシステムコードとアプリケーションプログラムコードを含む、プロセッサ612による実行のためのプログラムコードを記憶するものであり、一般的には、プロセッサ612によってアクセスされるランダムアクセスメモリと協同する磁性ハードディスクまたは他の記憶装置を表す。1つの例として、メモリ614は、アプリケーションコードを記憶する取外し可能な記憶媒体に接触している記憶装置ドライブによって、部分的に実現され得る。入力装置616は、ユーザー入力(例えばキーボード、マウスなど)のエントリのためのを入力メディアを含む。出力装置618は、グラフィック出力(例えばCRTまたはフラットパネルモニタ)を提供するビュースクリーンを含むディスプレイデバイス、プリンタ(例えば卓上プリンタ、インクジェット式プリンタ、レーザープリンタ、フォトプロッタなど)、本発明の電気めっき装置、リノトロニック(linotronic)なプリンタを含む。
【0095】
図29は、3次元構造の制作のためのマスクジオメトリおよびマシン制御パラメータを生成する方法を示す流れ図である。参照番号620に示すように、ユーザーがアプリケーションプログラムを始めるとき、プロセッサ612は、ブロック622に示すように、入力装置616から横断面されるべき構成の3次元ジオメトリに対応する入力を受け取り、処理する。プロセッサ612は、ブロック623に示すように、3次元構造の全体のジオメトリの層プレーンの範囲を決定する。プロセッサは、ブロック624に示すように、1つ以上の横断面を含む層の数Mを1にセットし、M番目の層の横断面を生成する。プロセッサ612は、ブロック625に示すように、例えば、3次元ジオメトリのスケーリング、層厚さ、マスクの寸法、コピーおよびスペースの数、およびマスク最小化のための許容範囲を含む各マスクジオメトリに関連した入力を読み取る。プロセッサ612は、ブロック626に示すように、M番目の層に対応するマスクのジオメトリを作り、ブロック628、630に示すように、横断面のジオメトリをマスクパターンファイルに書き込み、ブロック628、630に示すように、マシン制御ファイルにM番目の層のマスクID番号を書き込む。メモリ614は、ブロック630に示すように、マスクパターンをマスクパターンファイルに格納する。メモリ614は、ブロック632に示すように、位置情報をマシン制御ファイルに格納する。プロセッサ612は、ブロック634に示すように、付加的な横断面が3次元構造のジオメトリを完成させるのに必要であるかどうか判定する。
【0096】
もしそうならば、プロセッサ612は、ブロック636に示すように、Mを1だけインクリメントし、M番目の層に対する横断面を生成する。プロセッサ612は、ブロック638、640に示すように、M番目の層のマスクのジオメトリを作り、Nをゼロにセットする。プロセッサ612は、ブロック642、646に示すように、M番目の層のマスクのジオメトリが、M−N番目の層のマスクのジオメトリと同じであるか、あるいは予め定められた許容範囲値内にあるような類似したものであるか判定する。
【0097】
もしそうならば、プロセッサ612は、ブロック648に示すように、M番目の層のマスクのジオメトリをM−N番目の層のマスクのジオメトリに置き換える。プロセッサ612は、ブロック650、652に示すように、層MのためのマスクID番号をマシン制御ファイルに書き込み、マスクジオメトリをマスクパターンファイルに書き込む。
【0098】
もしそうでないなら、ブロック654に示すように、M−Nが1以上であるか判定する。
【0099】
もしそうならば、プロセッサ612は、ブロック642に示すように、Nを1だけインクリメントし、M番目の層のマスクのジオメトリをM−N番目の層のものと比較する。もし、プロセッサ612が、M番目の層のジオメトリをそれぞれの以前のマスクと比較してジオメトリが一致しないことを推定すると、プロセッサ612は、ブロック656に示すように、M番目の層のマスクのジオメトリを作る。プロセッサ612は、それからブロック658に示すように、M番目の層のジオメトリをマスクパターンファイルに書き込み、ブロック660に示すように、マスクパターンファイルを出力し、ブロック650、652に示すように、M番目の層のマスクID番号をマシン制御ファイルに書き込む。
【0100】
プロセッサ612は、ブロック634に示すように、付加的な横断面が3次元オブジェクトをつくるのに必要かどうか判定する。
【0101】
もしそうならば、プロセッサ612は、Mを1だけインクリメントし、プロセスを再び継続する。そうでないなら、プロセスを終了する。
【0102】
図30は、3次元オブジェクトの横断面スライスを表すパターン化されたマスクを用い基板上に金属を電気めっきする方法を示す流れ図である。参照番号720に示すように、ユーザーがアプリケーションプログラムを始めるときに、プロセッサ612は、ブロック722に示すように、電気めっき装置にマシンの初期化を実行し、めっきされる層の数Mをセットするシグナルを送る。プロセッサ612は、ブロック724に示すように、Mを1だけインクリメントし、ブロック726に示すように、めっきされる異なる金属の数Pを1にセットし、選択的に金属の同時堆積を防ぐために基板をバイアスする。プロセッサ612は、ブロック730に示すように、どの層がめっきされるべきか決定するためにマシン制御ファイルを読み取り、ブロック732に示すように、マスク位置ファイルを読み取り、ブロック728に示すように、めっきされるマスクパターンの位置を計算する。プロセッサ612は、電気めっき装置に、めっきされる基板を層Mの材料Pのマスクにアライン(整合)させ、基板をマスクに接触させるように、指示する。プロセッサ612は、必要なら、ブロック734に示すように、層の厚さを計る。プロセッサ612は、ブロック736に示すように、基板がマスクと接触しているという入力を受け、もし基板バイアスがオンしていればオフにする。プロセッサ612は、ブロック738に示すように、層Mの材料Pを堆積するよう装置に指示する。プロセッサ612は、ブロック740に示すように、必要ならば、基板が堆積されているという入力を受け、基板にバイアスを加える。プロセッサ612は、ブロック742に示すように、基板をマスクとの接触から除去し、ブロック744に示すように、層Mを必要ならば所定の厚さに平坦化するように、装置に指示する。プロセッサは、ブロック746に示すように、Pが層Mの金属の数より大きいか判定する。
【0103】
もしそうならば、プロセッサ612は、ブロック748に示すように、Pを1だけインクリメントし、ブロック728に示すように、基板を層Mの金属P(すなわちPi+1)のマスクにアラインさせるように、電気めっき装置を駆動するプロセッサ612は、基板にマスクを接触するように電気めっき装置を駆動し、上記した処理を、Pが層M上の金属の数に等しくなるまで繰り返す。
【0104】
もしそうでないなら、プロセッサ612は、ブロック750に示すように、Mが最後の層であるか判定する。
【0105】
もしそうならば、プロセッサ612は、符号752で示すように、電気めっきプロセスを終える。
【0106】
もしそうでないなら、プロセッサ612は、ブロック724に示すように、Mを1だけインクリメントし、最後の層がめっきされるまで電気めっきプロセスを実行する。
【0107】
本発明のデータプロセスおよび制御プロセスは、ディジタルの電気回路において、またはコンピュータハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、そのコンビネーションにおいて、実現できる。本発明のデータプロセスおよび制御プロセスは、プログラム可能なプロセッサによる実行のために、機械読み取り可能な記憶装置に実体的に組み込まれたコンピュータプログラムプロダクトにおいて、実現できる。本発明の方法のステップは、入力を処理し出力を生成することによって本発明の機能を実行するために命令のプログラムを実行しているプログラム可能なプロセッサにより実行されることができる。本発明のデータプロセスおよび制御プロセスは、プログラム可能なシステムにおいて実行できる1つ以上のコンピュータプログラムにおいて、実現できる。プログラム可能なシステムは、少なくとも1つのプログラム可能なプロセッサを含む。それは、データおよび指示フォームを受け取り、データおよび指示を、データ記憶装置、少なくとも1つの入力装置、および少なくとも1つの出力装置に送る。それぞれのコンピュータプログラムは、ハイレベルプロシージャル(high-level procedual)な、またはオブジェクトオリエンティド(object-oriented)なプログラム言語、もしくは望ましい場合にはアッセンブリまたはマシン言語で、実現できる。どの場合にも、言語は、コンパイルまたは解釈言語でありえる。適切なプロセッサは、一般的で特殊な目的のマイクロプロセッサを含む。一般に、プロセッサは、命令およびデータをリードオンリーメモリおよび/またはランダムアクセスメモリから受け取る。コンピュータプログラム命令およびデータを実体的に具体化するのに適した記憶装置は、不揮発性メモリの全てのフォームを含む。不揮発性メモリは、EPROM、EEPROMおよびフラッシュメモリのような半導体メモリ装置、内蔵ハードディスクおよび取外し可能なディスクのような磁気ディスク、光磁気ディスク、およびCD−ROMディスクを含む。上記したものは、ASIC(アプリケーションスペシフィック(application-specific)集積回路)によって追加もしくはその中に組み込まれる。
【0108】
ユーザーとの交流のために、データプロセスおよび制御プロセスは、ユーザーへの方法を表示するためのモニター、LCDスクリーンのような表示装置と、キーボードと、ユーザーがコンピュータシステムに入力を行うためのマウス、トラックボールのようなポインティングデバイスを有するコンピュータシステムにおいて、実現できる。コンピュータシステムは、コンピュータプログラムがユーザーと交流するグラフィカルユーザーインターフェースを与えるようにプログラムされ得る。
【0109】
請求の範囲に記載した範囲内で他の実施例が可能である。上記した例では、プレーナ基板を用いるものを示したが、基板はプレーナでなくてもよい。その場合、電気めっき物品は、基板表面の形状に適合するように十分にフレキシブルであるか、表面と一致するように形成される。例えば、電気めっき物品は、円筒状の基板の回りをラップするものであってもよい。また、マスキング圧力を、マスクに適合する粉状のメディアによりプレーナでない基板に加えるようにしてもよい。
【0110】
さらに、上記した例では電気めっき方法を2つの金属に関して述べたが、ポリマー、セラミックおよび半導体材料のような多種の材料、およびいかなる数の金属が、上述した電気めっき方法によって、もしくは電気めっき方法を通じて起きる分離されたプロセスにおいて、いずれかが堆積されるようにしてもよい。連続的に電気めっきを行うことが可能であるように、不十分な導電性の堆積(例えば、絶縁層)の上にスパッタリングによって、薄いめっきベースを堆積するようにしてもよい。多数の支持体材料を、支持体材料の選択的な除去が可能な、電気めっきされたエレメントに含むようにしてもよい。
【0111】
本発明の電気めっき方法は、他のプロセスとのコンビネーションで用いることができる。例えば、図31において、集積回路に基板182上のアルミニウムパッドで接続されたアーマチャー巻線180を含む電磁モータl78が、電気めっき方法を中断し、支持体金属の部分を(例えば、パターン化されたレジストを用いて)エッチングすることによって、形成される。このことにより、エッチストップとして役立つ構成金属186により定義される空洞184(すなわち、モータのロータコア)を生成する。空洞184は、それから磁性粉(例えば、Ne−Fe−B)で充填され、続いて焼結され磁化される。必要であれば、金属は、めっきベースを確立するために、焼結された磁性粉上へスパッタされ、電気めっき方法が、再び始められる。そのような空洞は、固体、流体で充填されるか、もしくは真空を形成するために空にされる。
【0112】
多数の金属が堆積される所で、金属は、基板にだけマスクすることによって、基板状に選択的に堆積される。基板上に選択的にめっきされた金属は、また、先に堆積された金属の上へ堆積される。ある層の金属がそれぞれ堆積された後、またより頻繁に、層は所望の厚さに平坦化される。あるいは、先に堆積された金属の全てをマスクが覆うことができる。マスクは、また、部分的にめっきされた基板の様相(topography)を適応する厚さに段が付けられるようにしてもよい。
【0113】
電気めっき方法の他の実施例は、以下の方法に従う形状およびポジションにおいて定義される構成ウェル(well)を製造することを含む。その方法は、互いに連結された有孔率を有する堅固な、強度の高い材料(例えば部分的に焼結されたセラミック)片を準備すること、その材料片の1つの表面を、望ましい堆積のものと反対の形状となるように形づけること、その材料片の表面が、めっきされる基板と反対側で、最後の堆積表面の望ましい位置にあり、それの他側にアノードを置くように、その材料片を位置させること、十分な力でもって(連続的に周期的に)その材料片を動かしながら基板上に金属をめっきすること、この場合、材料片の表面が望ましい堆積のものに一致して残るような方法で動かす(プレーナ表面の場合には、プレーン内で動かし、柱表面の場合には、軸方向に動かす、など)(その動きは、十分に大きな振動であり、材料片の小孔に延びる堆積のいかなる部分も動かす)こと、基板と材料片の間の全体のボリュームが堆積で満たされる、すなわち堆積が材料片の形にそれ自身をモールドする所までめっきを継続すること、からなる。材料片は、流体でそれを化学的にフラッシュすること、詰まっている材料を溶かすか、またはアノードと接触ように詰まった表面を配置しそれを電解液の基板の上にディプレート(deplate)することによって、処理され、周期的に再調整される。
【0114】
図32に、電気めっき物品の他の実施例が示される。電気めっき物品200は、パターン化された堅固な基板(例えばポリメタクリル酸メチル)に付着しそれと同一の広がりを有するマスクを含む。電気めっき方法の間、物品のウィンドウ(すなわちネガティブマスク機能)において、堆積が形成される。より詳しくは、図32(a)に示すように、基板204は、第1のパターン化された電気めっき物品200に接触される。第1の金属堆積206は、第1の電気めっき物品200のパターン202により定義された形状に形成され、それから第1の物品200は除去される(図32(b))。基板204は、それから第2のパターン化された電気めっき物品208にアラインして接触される(図32c)。堆積210が、形成され、そして第2の物品208が除去される(図32d)。めっきされた金属は、それから平坦化される。そして、その方法は、充分な厚さおよびディメンジョンのエレメントが得られるまで繰り返される。電気めっき物品は、相当する大きな厚さを有するめっきされた金属のオーバラップの領域210を含む。オーバーラップ領域は、堆積された金属のプレーナ層を作るように平坦化される。マスキング圧力は、アノードまたはポーラス材を電気めっき物品に押し付けることによって、加えられる。マスクは、その厚さを増やすことによって、より固くされることができる。
【0115】
電気めっき方法は、カソードを物品に接触させ、カソード上にめっきするものを述べたが、金属が電気めっき物品上のパターンに対応するパターンのアノードから選択的に除去されるように、電気めっき物品を、アノードとして機能する基板に接触させて配置してもよい。そのようなプロセスは、基板(例えばプラク(plaque))を、選択的にエッチング、彫り込み、研磨することにより実現できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多層3次元構造を製造するための方法において、この方法は、
(i)少なくとも1つの犠牲材料および少なくとも1つの構成材料からなる第1層を基板上に形成し、前記犠牲材料および前記構成材料は平坦化処理によって共通の高さを有しており、
(ii)先に形成された複数の層に隣接し、且つ、接着するように複数の追加の層を形成し、各層は少なくとも1つの犠牲材料および少なくとも1つの構成材料からなり、前記犠牲材料および前記構成材料は平坦化処理によって共通の高さを有しており、
(iii)前記複数の追加の層を形成した後、複数の層において、前記少なくとも1つの構成材料から前記少なくとも1つの犠牲材料をエッチングにより除去することを含み、
前記構造は、前もって整列されたアッセンブルする前の複数の部品を含み、前記少なくとも1つの犠牲材料の少なくとも一部分にエッチングが施された後、前記前もって整列された部品によって形成された通路に沿った相対的な動きによって前記前もって整列された部品が組み立てられる。
【請求項2】
多層3次元構造を製造するための方法において、この方法は、
(i)少なくとも1つの犠牲材料および少なくとも1つの構成材料からなる第1層を基板上に形成し、前記犠牲材料および前記構成材料は平坦化処理によって共通の高さを有しており、
(ii)先に形成された複数の層に隣接し、且つ、接着するように複数の追加の層を形成し、各層は少なくとも1つの犠牲材料および少なくとも1つの構成材料からなり、前記犠牲材料および前記構成材料は平坦化処理によって共通の高さを有しており、
(iii)前記複数の追加の層を形成した後、複数の層において、前記少なくとも1つの構成材料から前記少なくとも1つの犠牲材料をエッチングにより除去することを含み、
前記構造は、前記複数の層の製造中にアッセンブルされない複数の部品を含み、前記複数の部品の中で少なくとも1つの部品は、アッセンブル後に前記少なくとも1つの部品を他の部品に保持するための1つ以上の保持クリップを含み、前記複数の部品は、前記複数の層の形成後、且つ前記犠牲材料の部分的な除去後に組み立てられる。
【請求項3】
多層3次元構造を製造するための方法において、この方法は、
(i)少なくとも1つの犠牲材料および少なくとも1つの構成材料からなる第1層を基板上に形成し、前記犠牲材料および前記構成材料は平坦化処理によって共通の高さを有しており、
(ii)先に形成された複数の層に隣接し、且つ、接着するように複数の追加の層を形成し、各層は少なくとも1つの犠牲材料および少なくとも1つの構成材料からなり、前記犠牲材料および前記構成材料は平坦化処理によって共通の高さを有しており、
(iii)前記複数の追加の層を形成した後、複数の層において、前記少なくとも1つの構成材料から前記少なくとも1つの犠牲材料をエッチングにより除去することを含み、
前記複数の層から形成された前記構造は、複数の部品と少なくとも1つの取り付け具を含み、前記取り付け具は、前記複数の追加の層の形成後、且つ前記複数の層から前記少なくとも1つの犠牲材料の少なくとも部分的な除去後に、前記複数の部品をアッセンブルするために用いられる。
【請求項4】
多層3次元構造を製造するための方法において、この方法は、
(i)少なくとも1つの犠牲材料および少なくとも1つの構成材料からなる第1層を基板上に形成し、前記犠牲材料および前記構成材料は平坦化処理によって共通の高さを有しており、
(ii)先に形成された複数の層に隣接し、且つ、接着するように複数の追加の層を形成し、各層は少なくとも1つの犠牲材料および少なくとも1つの構成材料からなり、前記犠牲材料および前記構成材料は平坦化処理によって共通の高さを有しており、
(iii)前記複数の追加の層を形成した後、複数の層において、前記少なくとも1つの構成材料から前記少なくとも1つの犠牲材料をエッチングにより除去することを含み、
前記複数の追加層の少なくとも一部の形成中に、少なくとも1つの犠牲材料の一部は、少なくとも1つの構成材料もしくは構成材料と前記基板との組み合わせによって十分に保護され、その保護された犠牲材料は、除去されずに前記構造の一部となる。
【請求項5】
多層3次元構造を製造するための方法において、この方法は、
(i)少なくとも1つの犠牲材料および少なくとも1つの構成材料からなる第1層を基板上に形成し、前記犠牲材料および前記構成材料は平坦化処理によって共通の高さを有しており、
(ii)先に形成された複数の層に隣接し、且つ、接着するように複数の追加の層を形成し、各層は少なくとも1つの犠牲材料および少なくとも1つの構成材料からなり、前記犠牲材料および前記構成材料は平坦化処理によって共通の高さを有しており、
(iii)前記複数の追加の層を形成した後、複数の層において、前記少なくとも1つの構成材料から前記少なくとも1つの犠牲材料をエッチングにより除去することを含み、
前記少なくとも1つの犠牲材料は、選択的に除去可能な少なくとも2つの犠牲材料からなる。
【請求項6】
多層3次元構造を製造するための方法において、この方法は、
(i)少なくとも1つの犠牲材料および少なくとも1つの構成材料からなる第1層を基板上に形成し、前記犠牲材料および前記構成材料は平坦化処理によって共通の高さを有しており、
(ii)先に形成された複数の層に隣接し、且つ、接着するように複数の追加の層を形成し、各層は少なくとも1つの犠牲材料および少なくとも1つの構成材料からなり、前記犠牲材料および前記構成材料は平坦化処理によって共通の高さを有しており、
(iii)前記複数の追加の層を形成した後、複数の層において、前記少なくとも1つの構成材料から前記少なくとも1つの犠牲材料をエッチングにより除去し、前記構成材料中に多層の空隙を残すようにエッチングバリヤーが形成され、
(iv)前記空隙を異なった構成材料で埋めることを含む。
【請求項7】
多層3次元構造を製造するための方法において、この方法は、
(i)少なくとも1つの犠牲材料および少なくとも1つの構成材料からなる第1層を基板上に形成し、前記犠牲材料および前記構成材料は平坦化処理によって共通の高さを有しており、
(ii)先に形成された複数の層に隣接し、且つ、接着するように複数の追加の層を形成し、各層は少なくとも1つの犠牲材料および少なくとも1つの構成材料からなり、前記犠牲材料および前記構成材料は平坦化処理によって共通の高さを有しており、
(iii)前記複数の追加の層を形成した後、複数の層において、前記少なくとも1つの構成材料から前記少なくとも1つの犠牲材料をエッチングにより除去することを含み、
前記多層の材料の層の少なくとも一部のそれぞれの形成中に、多数の表面が平坦化される。
【請求項8】
多層3次元構造を製造するための方法において、この方法は、
(i)少なくとも1つの犠牲材料および少なくとも1つの構成材料からなる第1層を基板上に形成し、前記犠牲材料および前記構成材料は平坦化処理によって共通の高さを有しており、
(ii)先に形成された複数の層に隣接し、且つ、接着するように複数の追加の層を形成し、各層は少なくとも1つの犠牲材料および少なくとも1つの構成材料からなり、前記犠牲材料および前記構成材料は平坦化処理によって共通の高さを有しており、
(iii)前記複数の追加の層を形成した後、複数の層において、前記少なくとも1つの構成材料から前記少なくとも1つの犠牲材料をエッチングにより除去することを含み、
前記多層の材料の少なくとも一部のそれぞれの形成中に、複数のマスクが使用される。
【請求項9】
多層3次元構造を製造するための方法において、この方法は、
(i)少なくとも1つの犠牲材料および少なくとも1つの構成材料からなる第1層を基板上に形成し、前記犠牲材料および前記構成材料は平坦化処理によって共通の高さを有しており、
(ii)先に形成された複数の層に隣接し、且つ、接着するように複数の追加の層を形成し、各層は少なくとも1つの犠牲材料および少なくとも1つの構成材料からなり、前記犠牲材料および前記構成材料は平坦化処理によって共通の高さを有しており、
(iii)前記複数の追加の層を形成した後、複数の層において、前記少なくとも1つの構成材料から前記少なくとも1つの犠牲材料を超音波振動の存在下でエッチングにより除去することを含む。
【請求項10】
多層3次元構造を製造するための方法において、この方法は、
(i)少なくとも1つの犠牲材料および少なくとも1つの構成材料からなる第1層を基板上に形成し、前記犠牲材料および前記構成材料は平坦化処理によって共通の高さを有しており、
(ii)先に形成された複数の層に隣接し、且つ、接着するように複数の追加の層を形成し、各層は少なくとも1つの犠牲材料および少なくとも1つの構成材料からなり、前記犠牲材料および前記構成材料は平坦化処理によって共通の高さを有しており、
(iii)前記複数の追加の層を形成した後、複数の層において、前記少なくとも1つの構成材料から前記少なくとも1つの犠牲材料をエッチングにより除去することを含み、前記エッチングを施すエチャントは、前記エチャントを前記少なくとも1つの犠牲材料の方向へ向かわせる複数の噴流によって供給される。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【公開番号】特開2009−102749(P2009−102749A)
【公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−29268(P2009−29268)
【出願日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【分割の表示】特願2001−142210(P2001−142210)の分割
【原出願日】平成10年4月3日(1998.4.3)
【出願人】(500279623)ユニバーシティ オブ サザン カリフォルニア (5)
【Fターム(参考)】