多数の蓄電器アセンブリを保持するための装置および方法
本発明は、多数の蓄電器アセンブリ(3)、特にハウジングに電位がかかるアセンブリを保持するための装置に関する。この装置は、アセンブリ(3)のそれぞれ1つを嵌め込むための各貫通開口(4)を備えた担持体(31)を備え、さらに1つのアセンブリ(3)を支持するための少なくとも1つの支持リング(45)を備えている。アセンブリ(3)が、貫通開口(4)を通って延びるとき、支持リング(45)を介して貫通開口(4)の内縁と接触するように、しかし直接には貫通開口(4)の内縁と接触しないように、支持リング(45)が貫通開口(4)およびアセンブリ(3)の寸法に適合されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多数の蓄電器アセンブリ、特にハウジングに電位がかかるアセンブリを保持するための装置に関する。さらに本発明は、多数の蓄電器アセンブリを保持するための方法に関する。本発明の特殊な一態様は、蓄電器アセンブリのバッテリー(つまり多数の蓄電器アセンブリを備えた装置)内での電気エネルギーの蓄積に関する。
【背景技術】
【0002】
蓄電器は数年前から、電気エネルギー、特に鉄道車両の制動エネルギーを蓄積するために使用されている。蓄電器に蓄積されたエネルギーは、特に直後の発進工程または加速工程に利用することができる。
【0003】
蓄電器アセンブリは一般的にハウジングを備えて製造され販売される。通常の構造形式ではハウジングは円筒形であり、ハウジングには、1つの蓄電器またはハウジング内に配置された多数の蓄電器の両方の電位の一方がかかる。もう一方の電位は、例えばハウジング端面にあるピン状の接点にかかる。ただし本発明は別の構造形式にも関する。
【0004】
複数のアセンブリを並べて配置し、所望のやり方で電気的に結合できるようにするために、アセンブリは、特にハウジングに電位がかかることから一般的には電気絶縁材料から成る板で固定される。特に、アセンブリを電気的に直列および/または並列に接続することができる。
【0005】
絶縁板を製造するにも絶縁板にアセンブリを固定するにも、比較的多くの労力を要する。任意の材料、特にプラスチックまたは金属から自由に選んで作製することができ、多数の蓄電器アセンブリを担持する担持体が有利であろう。金属は高い安定性および耐久性を提供する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって本発明の課題は、蓄電器アセンブリのハウジング周面に電位がかかるか否かに関わらず、多数の蓄電器アセンブリを保持できる、冒頭に挙げた種類の装置および方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
担持体に保持すべき各蓄電器アセンブリ用の貫通開口を有する担持体を使用することを提案する。個々のアセンブリは、貫通開口を通って延びるように担持体に配置される。その際、アセンブリは各々支持リングと組み合わされ、この支持リングを介して貫通開口の内縁と接触する。支持リングは、アセンブリを貫通開口内で支持するために使われるリング状の要素である。このようにすると、アセンブリの外周面が貫通開口の内縁と直接接触するのではなく、支持リングを介して間接的にしか接触しない。支持リングは、例えばポリプロピレンまたはポリアミドなどの電気絶縁材料から作製することができる。その他の電気絶縁材料も同様に使用することができる。ただしアセンブリの外周面に電位がかからない場合は、金属または別の導電性材料から成る支持リングを使用してもよい。これらすべての場合に、例えば多数の互いに並んで配置された貫通開口を備えた板状の担持体の材料は、任意の材料、例えば金属とすることができる。例えば貫通開口の内縁においてアセンブリの外周面を取り囲んで延びる支持リングは、貫通開口内に簡単にアセンブリを取り付けることを可能にし、そのうえ先に言及したようにアセンブリと担持体の直接的で機械的な接触を阻止する。
【0008】
特に、多数の蓄電器アセンブリ、特にハウジングに電位がかかるアセンブリを保持するための装置であって、
アセンブリのそれぞれ1つを嵌め込むための各貫通開口を備えた担持体と、
1つのアセンブリを支持するための少なくとも1つの支持リングと
を備えており、
アセンブリが、貫通開口を通って延びるとき、支持リングを介して貫通開口の内縁と接触するように、しかし直接には貫通開口の内縁と接触しないように、支持リングが貫通開口およびアセンブリの寸法に適合されている装置を提案する。
【0009】
さらに、多数の蓄電器アセンブリ、特にハウジングに電位がかかるアセンブリを保持するための方法であって、アセンブリを取り付けるために、
各アセンブリが、多数の貫通開口を備えた担持体の貫通開口の1つに嵌め込まれ、それによりアセンブリが貫通開口を通って延び、
貫通開口にアセンブリを嵌め込む前、最中、および/または後に支持リングが貫通開口に嵌め込まれ、それにより支持リングがアセンブリの外周面と貫通開口の内縁の間に配置され、取り付けが終わるとすぐにアセンブリを担持体に保持し、
その結果、アセンブリが支持リングを介して貫通開口の内縁と接触し、しかし直接には貫通開口の内縁と接触しない方法を提案する。
【0010】
この方法の諸形態は、以下の装置形態の説明および添付した特許請求項から明らかである。
【0011】
好ましい一実施形態では、装置がクランプリングを備えており、このクランプリングは、アセンブリを取り付けた状態では、アセンブリ、クランプリング、および支持リングがクランプ作用によって貫通開口の内縁で保持されるようにアセンブリの外周面と担持体の材料の間を延びる。
【0012】
クランプ作用によるアセンブリの保持は、取付けを簡単にするにもかかわらず、アセンブリと担持体の間に信頼性の高い保持結合をもたらす。特に、1つのアセンブリを保持する各貫通開口にそれぞれクランプリングが設けられている。
【0013】
特別な形態では、貫通開口によって、担持体の一方の側から貫通開口を通って担持体の反対側へと延びる軸方向が定義され、この装置は、アセンブリを取り付けるために、クランプリングが軸方向に移動してクランプ作用を生成するように形成されている。好ましくは、クランプリングが第1のねじ溝を備え、支持リングが第2のねじ溝を備えており、これらのねじ溝は互いに協働して、支持リングおよび/またはクランプリングを回して動かすことによってクランプリングが軸方向に移動し、それによりクランプリングがクランプ作用を生成する軸方向位置にくるようにする。ただし、クランプリングの軸方向移動を別のやり方で引き起こす別の実施形態も可能である。例えば支持リングにねじ溝を設けることができず、反対のねじ溝を貫通開口の内縁またはアセンブリの外周面に形成することができる。またねじ溝を必ずしもクランプリングに形成する必要はない。そうではなく、例えば担持体、支持リング、アセンブリ、追加的な部分のうち少なくとも2つに、互いに協働するねじ溝を形成することにより、対応するねじを回したとき、軸方向移動を引き起こして、クランプリングのクランプ作用を発揮させることができる。
【0014】
このクランプリングは、例えば軸方向に平行に延び、径方向寸法が次第に細くなる、要素を備えている。この要素は、支持リングとクランプリングが軸方向に相対移動するとき、支持リングの対応する領域と協働して、クランプ作用を発揮させることができる。ただしクランプリングの次第に細くなる要素が、必ずしも支持リングのクランプ作用に特化して形成された領域と協働する必要はない。そうではなくクランプリングのこの領域は、ハウジング、装置の追加的な部品、および/または貫通開口の内縁と協働してもよい。さらに軸方向に次第に細くなる領域を、唯一の要素、例えば支持リングのリング状区間だけで構成してもよい。
【0015】
貫通開口は例えば円形開口でもよく、つまり円形の開口面を有することができる。特にこの場合には、貫通開口内で支持された蓄電器が意図せず回転する恐れがある。このため好ましくは、貫通開口の内縁に、径方向に延びる少なくとも1つの凹部を配置することを提案する。この場合、支持リングが径方向外側に延びる突出部を有しており、この突出部が凹部と噛み合って、支持リングが貫通開口の縁の周方向に回転移動するのを妨げる。
【0016】
支持リングは軸方向において、貫通開口の長さより長く延びていることが好ましい。このようにすると、貫通開口内でのアセンブリの保持をさらに安定させることができる。
【0017】
さらに支持リングの寸法は軸方向では、支持リングが一方の部分領域を貫通開口に嵌め込むことができ、それどころか貫通開口を通り抜けさせることさえできるが、支持リングのもう一方の部分領域は貫通開口より大きな断面を有するか、または少なくとも貫通開口より幅広く形成することができ、したがってこのもう一方の部分領域は貫通開口に嵌め込むことができない。それにより担持体でのアセンブリの保持結合がさらに安定する。さらにクランプリングを使用する場合、クランプ作用が発揮されると、支持リングの貫通開口を通り抜けた部分領域を径方向外側に押すことができ、その結果、この部分領域が意図せず再び軸方向に貫通開口を通って戻ることが妨げられる。
【0018】
1つのアセンブリまたは多数のアセンブリは、一方の端部で支持リングを介して担持体の貫通開口内に保持するだけではなく、軸方向に距離を置いた第2の領域でも保持することが好ましい。それによりアセンブリは特に確実に永続的に支持される。したがって特に、装置がアセンブリを嵌め込むための少なくとも1つの第2の貫通開口を備えた第2の担持体を有することを提案する。この場合、アセンブリは、取り付けた状態では第1の担持体の貫通開口の1つを通り、さらに第1の担持体から軸方向に遠い側にあるもう1つの領域で第2の貫通開口を通って延び、第2の支持リングによって第2の貫通開口内で保持される。
【0019】
さらに本発明は、多数の蓄電器アセンブリを保持するための装置だけでなく、実際に蓄電器アセンブリが装着された装置にも関する。これは特に、様々な蓄電器アセンブリに電気エネルギーを蓄積するためのエネルギー蓄積装置であり得る。
【0020】
次に本発明の例示的実施形態を、添付の図面を参照しながら説明する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】担持体、支持リング、および蓄電器アセンブリを備えた装置に関する第1の例示的実施形態を示す図である。
【図2】図1に基づく支持リングを示す図である。
【図3】図1に基づく装置の固定リングを示す図である。
【図4】図1に基づく装置の部分断面図である。
【図5】担持体および担持体の貫通開口内に配置された蓄電器アセンブリを備えた第2の装置を示す図である。
【図6】クランプリングの軸方向移動によりクランプ作用が生成される前の状態を示す、図5に示した装置の部分領域の軸方向断面図である。
【図7】貫通開口内に蓄電器アセンブリを取り付け終わった状態を示す、図6に類似の断面図である。
【図8】図5に示した装置の支持リングを示す図である。
【図9】図5に示した装置のクランプリングを示す図である。
【図10】ねじを回す動きを生成するためのリング状の工具要素を備えた、図5に示した装置の部分領域を示す図である。
【図11】支持リングおよび担持体を備えた装置の第3の例示的実施形態を示す図である。
【図12】図11の装置の支持リングを示す図である。
【図13】2つの担持体における蓄電器アセンブリのそれぞれ支持リングによる固定の透視図である。
【図14】電気的に相互結合された多数の蓄電器アセンブリを備えた装置を示す図である。
【図15】2つの蓄電器アセンブリを結合するための電気的結合要素がまだ蓄電器アセンブリと接触していない、図14に基づく装置の部分図である。
【図16】第3の例示的実施形態の蓄電器アセンブリおよび支持リングの軸方向縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1は、蓄電器アセンブリ3、支持リング5、および担持体1を備えた装置の第1の実施形態を示している。担持体1は、図1では完全には示されていないが、縦列および横列に並んで配置された多数の円形貫通開口4を有している。これらの貫通開口4の1つ、詳しくは図1で左下に示した貫通開口4内に、好ましくは電気絶縁材料から成る支持リング5が配置されており、したがって支持リング5は、貫通開口4を(軸方向に)通って延び、その部分領域6aはこの図では貫通開口4の手前にあり、支持リング5のさらなる部分領域6bはこの図では貫通開口4の後ろにある。
【0023】
この支持リング5を基に、支持リングの好ましい一形態を説明するが、さらに別のやり方で実施することもできる。この支持リングは、少なくとも部分領域6aの外周面に、周方向にめぐらされた多数の溝7を備えている。これは、保持結合部を手で組み立てるのを容易にする。その代わりにまたはそれに加えて、支持リング5の部分領域6aは、部分領域6aの直径が貫通開口4の内径より大きいため、部分領域6aが貫通開口4を通って差し込めないように形成されている。図4からは、部分領域6aの端部にある材料9が、貫通開口4内には存在せずに貫通開口4の周りで担持体1の材料に接している、当接面10を定義していることが認識できる。
【0024】
支持リング5のこの形態は、支持リング5だけを示す図2からも認識できる。
【0025】
図1に基づく装置には、図1では認識できない例えば金属から成る固定リング15が付属しており、この固定リングはその径方向内側に、内周全体に分散し自由端に向かって尖っている多数の突出部16を備えている。この突出部16は、径方向内側に延びるだけではなく軸方向にも延びている。筌状体15の円周全体に分散し、突出部16が延びる方向とは反対の軸方向に延びるさらなる突出部17を嵌め込むことにより、この筌状体15は支持リング5の径方向内側に突き出た領域20内の溝19(図4を参照)に押し込まれる。続いて、一方では筌状体15を取り付けたこのように準備された支持リング5を、もう一方では保持すべきアセンブリ3を軸方向に相互に相対変位させ、その結果、図4に示したように、突出部16がアセンブリ3の外周面の所望の軸方向の相対位置でアセンブリ3の表面に食い込む(その際、アセンブリ3は支持リング5の内部に嵌め込まれる)。
【0026】
支持リング5とそれに保持された筌状体15は、支持リング5にアセンブリ3を嵌め込む前またはアセンブリ3を嵌め込んだ後に、担持体1の貫通開口4に嵌め込まれる。取り付けが終わった装置は図4の図から認識できる。
【0027】
オプションとして、貫通開口4を通り抜けて完全取付け位置に達する部分領域6bも、外に張り出ているがまだ領域6bを通り抜けできる領域を有することができる。この領域は、例えば容易に弾性変形可能であり、かつ/または径方向に圧迫されて擦れながら貫通開口4を通り抜けることができ、したがって支持リング5が意図せず反対方向に移動することを困難にまたは不可能にする。
【0028】
第2の実施形態が図5〜図10に示されている。この装置は担持体31を備えている。支持リング45が担持体31を通って延びている。保持された蓄電器アセンブリ3は、支持リング45内で、担持体31の貫通開口4を通って延びている。アセンブリ3をその後端でも同様に第2の担持体内で支持することができる。
【0029】
アセンブリ3を確実に永続的に固定するために、貫通開口4内にクランプリング36が存在しているが、このクランプリングは(図6および図7が示すように)貫通開口4内までは延びていない。それにもかかわらずこのクランプリングは、取り付けた状態でクランプ作用、つまり特に径方向に作用する力を生成し、アセンブリ3を担持体31にクランプ作用によって保持する。その際、クランプ力は径方向外側から径方向内側へと、最初は担持体から支持リング45へ、次に支持リング45からクランプリング36へ、そして同様にクランプリング36からアセンブリ3の外周面へと伝達される。クランプ力が支持リング45からアセンブリ3に直接伝達されるのではない。
【0030】
図8は支持リング45の例示的一実施形態を示しており、この支持リングは、外周面の形状を図2に基づく支持リング5と同様に形成することができる。特に、この支持リングもまた第1の領域46aおよび第2の領域46bを有することができ、第2の領域46bだけは担持体31の通抜開口4に通して差し込むことができるが、第1の領域46aは差し込めない。図2または支持リング5の説明において述べたその他の特徴を、個別にまたは任意の組合せで、図8に基づく支持リングにもたせることもできる。図8に示したように、支持リング45の外側の形成、つまり外周面の形成は、支持リング5の形成と相違してもよい。特に、この支持リングは、第1の領域46aと第2の領域46bの間の移行領域に、第1の領域46aから軸方向に突き出た噛合要素48を備えており、図8ではこの噛合要素のうち2つが見えている。例えば支持リング45の外周面に、長手軸を中心として同じ角度間隔で、さらに2つのこのような噛合要素が存在している。ただしこのような突出部の数は4つに限定されない。むしろ原理的には、このような突出部が1つだけで既に十分である。しかしながら複数のこのような突出部を様々な角度間隔をあけて設けることもできる。各々の場合に、担持体31の貫通開口または少なくとも1つの貫通開口の内縁が、(例えば図5の担持体31で符号39によって示唆されているような)少なくとも1つの対応する空隙を有しており、したがって支持リングのすべての突出部を空隙39の1つに嵌め込むことができ、こうすることで支持リングが軸方向に延びる長手軸の周りで意図せず回転することが阻止される。
【0031】
図2に基づく支持リング5の場合と同様に、第2の領域46bの外周面には、径方向外側に突き出た領域49を形成することができ、この領域49は、例えば軸方向に第1の領域46aに向かって昇り勾配で外周面46bの高さから高くなっていくが、領域49のうち第1の領域46aのすぐ近くにある端部に、径方向に延びるエッジを有している。ここで、第1の領域46aからエッジまでの間隔は、担持体31の貫通開口の軸方向の厚みと同じ大きさであることが好ましい。このようにすると、支持リング45を、第1の領域46aの前端面が担持体31の材料に接するまで、第2の領域46bの自由端から先に貫通開口4に通して差し込むことができる。この場合、突出部49はそのエッジによって、支持リング45が意図せず貫通開口から再び外れること、または貫通開口内で軸方向に移動し得ることを阻止する。
【0032】
前述の他の特徴と同様に図8に基づく例示的実施形態に関して説明するさらなる特徴は、第1の領域46aのうち支持リング45の自由端から第2の領域46bの方向に延びる区間にある雌ねじであり、これは他の実施形態でも単独でまたは他の特徴と組み合わせて存在し得る。この雌ねじは図8では符号50で表されている。この雌ねじに対応して、図9に示したクランプリング36はその外周面に雄ねじ51を備えている。ただし図9に示した例示的実施形態では、雄ねじ51は軸方向においてクランプリング36の自由端までは延びていない。そうではなくクランプリング36はこの自由端に多数のリング状セグメント54を備えており、このセグメント54はそれぞれ空隙55によって隣接するセグメント54から分離されている。図10が示すように、この空隙55内に、取付工具58の突出部59をそれぞれ嵌め込むことができる。取付工具58はリング状に形成されており、その中心領域に貫通開口61を有しており、この貫通開口61は、例えばスパナを当てがえるように六角形の材料で構成されている。取付工具58の使用時には、軸方向に突き出た接点ピン30(図1、図5、および図10も参照)は、少なくとも貫通開口61内まで延びている。蓄電器アセンブリ3のこの接点ピン30は、アセンブリ3の電気接続に用いられる。
【0033】
取付工具58を用いて、クランプリング36を支持リング45内に軸方向にねじ込むことができ、それによりセグメント54を備えた軸方向後端とは反対側の軸方向前端で、断面が舌状の、つまり先が尖った要素69が、(図6および図7に示したように)支持リング45の材料とアセンブリ3の間に押し込まれ、このようにして所望のクランプ作用が生成される。
【0034】
図6、図7、および図9に示したクランプリングの実施形態の場合だけでなく、一般的にクランプリングはその軸方向前端に、自由端の方向に次第に細くなる、特に自由端の径方向に測定した厚みが小さくなるように次第に細くなる、少なくとも1つの領域を有することができる。このような舌状の形成は、簡単なやり方で所望のクランプ作用を生成することを可能にする。
【0035】
オプションとして、例えば図6および図7に基づく例示的実施形態で示したように、支持リングはその内周面に、軸方向縦断面において径方向外側から径方向内側へと斜めに延び、同時に軸方向に延びる、表面領域を有することができ、クランプリングを軸方向に動かすと、この表面領域に沿ってクランプリングの舌状の自由端が移動する。このような勾配の付いた表面領域は、図6および図7では例えば符号64で表されている。図7に示した完全取付け位置では、クランプリング52の自由端はさらに支持リング45の勾配の付いた領域の先まで延びている。
【0036】
図9に示した例示的実施形態では、舌状の要素69は、円周全体に均等に分散しており、周方向においてそれぞれが空隙70によって相互に分離されている。ただし、特に例えば使用したプラスチック材料がクランプ圧により塑性変形を起こす場合、空隙70はなくてもよいであろう。
【0037】
次に、支持リングおよび対応する装置のさらなる一実施形態を図11および図12に基づいて説明する。支持リング85もまた、軸方向に前後に並んで存在する2つの領域86a、86bを有している。この支持リングは、領域86bを担持体81の対応する貫通開口4に通して、第1の領域86aのストッパ面91が担持体81の材料に当たるまで、軸方向に差し込まれる。
【0038】
特に図12でよく分かるように、支持リング85はその内周面に、軸方向にライン状に延びる多数の突き出た領域98を有している。この領域98の径方向内側の端部は、支持リング85によって保持された蓄電器アセンブリ3が、領域98によるクランプ作用によって保持されるように位置決めされている(図16も参照)。
【0039】
さらに領域86bは、ストッパ面91の直前の外周面に、径方向外側に突き出た多数の領域99を有しており、支持リングを貫通開口4内に取り付けたとき、この領域99によりクランプ作用が生成されて支持リング85が担持体81の貫通開口4の内縁で突っ張り支持される。領域99の材料も領域98の材料も、クランプ作用が生じると弾性変形することができる。
【0040】
領域86bはその自由端に、径方向内側に延びる領域92a、92bを有している。この例示的実施形態では、2つのこのような領域92が径方向に互いに向かい合って形成されている。領域92は、支持リング85内で支持される蓄電器が第2の領域86bの自由端から外に出ることを阻止する。
【0041】
領域92の特別な形態では、少なくとも1つの領域92がその径方向内縁に突出部94を備えており、この突出部94は、支持される蓄電器アセンブリの対応する押圧力が突出部94にかかると軸方向に動くことができる。突出部94の自由端は、突出部94に軸方向の力がかかっていない緩和状態のとき、軸方向において領域92より前(図12の表示では下)の位置に存在する。したがって蓄電器アセンブリが突出部94の変形に必要な力を全くまたは部分的にしかもたらさない場合、蓄電器アセンブリは、突出部94にだけは触れ得るが、領域92に触れることはできない。したがって蓄電器アセンブリを、軸方向の力に応じて支持リング85内の様々な軸方向位置で支持することができる。例えば図15は左側に、領域92にも触れる蓄電器アセンブリ3aを示しており、一方、図15の右側には突出部94にだけは触れるが領域92には触れない蓄電器アセンブリ3bが示されている。このようにして、確実な逆接保護(つまり異なる蓄電器アセンブリの電気接続部を間違って結合することからの保護)を実現することができる。例えば蓄電器アセンブリ3aの接続部30aは、突き出た接点ピンだけでなく、接点ピン95より大きな外径を有するリング状の領域96も備えている。このリング96は、第1の種類の接続極(例えばプラス極)であることを示している。これに対し図15の右側に示した蓄電器の接続ピン97は、このような追加的なリングを備えていない。このことが、もう一方の種類の電気接続極(例えばマイナス極)であることを特徴づけている。
【0042】
例えば、蓄電器3a、3bを直列接続するものとする。そのために図15の上に示した結合要素100が使用され、この結合要素は、接点ピン95、97のそれぞれ用に通抜開口を備えている。例えば図14は取り付けた状態を示している。リング状の領域96の自由端面は、蓄電器3bの端面とは異なる(図15ではより高い)軸方向位置に存在しているので、結合要素100はその中央領域で2回屈曲しており、したがって両方の端部101a、101bは互いに平行に延びてはいるが同じ平面内にはない。折線は符号102a、102bで表されている。結合要素100のこの形態も同様に逆接保護に役立つ。直列接続すべき両方の蓄電器アセンブリが、図15に示したのとは違って同じ極(例えばプラス極)同士が並んでいるならば、両方の極ともリング状の領域96を有するまたは有さないことによって気付くはずである。中央に屈曲領域を有する結合要素100を接点ピンに(例えば接点ピンの雄ねじにナットでねじ留めすることにより)固定したとき、結合要素100の表面は、リング状の領域の端面にもアセンブリのハウジングの端面にもそれほど全面的には接しないはずであり、したがって容易に認識できる。言い換えると、結合要素の2回折れ曲がった形状は、アセンブリの反対側の軸方向端部において、結合要素が接続極に固定されるため、アセンブリを対応する軸方向位置にこさせる。アセンブリが間違って電極に接続されていれば、つまり逆さまに支持されていれば、少なくとも1つの結合要素の表面は、アセンブリの1つにそれほど全面的には接しない。
【0043】
図15からはさらに、支持リング85の径方向内側に延びる領域92が、相互間に隙間があいており、取り付けた状態の結合要素100がこの隙間内に延び得ることも認識できる。
【0044】
図13からは、どのようにして蓄電器アセンブリ3を、2つの支持リング、例えば図11および図12に基づいて述べた種類の支持リングと、2つの担持体81a、81bとによって確実に保持できるかを認識できる。担持体81は、蓄電器アセンブリを取り付けるための貫通開口4の間にさらなる貫通開口106を有している。例えばねじボルト107およびナット108によって担持体81a、81bが互いにねじ留めされ、したがってアセンブリが支持リング85から意図せず飛び出す可能性はない。
【0045】
図14は、全部で4つの蓄電器アセンブリ3を取り付けた組立て状態を示しており、蓄電器アセンブリのうち互いに上下に重なったものが軸方向手前側で、2回屈曲した結合要素100を介して電気的に相互に結合されている。その際、結合要素100はまだアセンブリ3の端面の接触面に固定的にねじ留めされてはおらず、または別のやり方で固定されていない。
【0046】
図16は、蓄電器アセンブリ3の軸方向端部領域およびこの端部領域に配置された支持リング85の軸方向縦断面を示している。図の左側に、軸方向に少しずれた突出部94を備えた径方向内側に延びる領域92が認識できる。一般的には、特にアセンブリの互いに向かい合う両方の軸方向端部にそれぞれこのような突出部が1つまたは複数ある場合、この突出部94が、蓄電器アセンブリを軸方向に少し変位させることを可能にする。先に言及したように、例えば接点ピンに結合要素が固定される場合、この軸方向の変位は結合要素100によってもたらされる。
【技術分野】
【0001】
本発明は、多数の蓄電器アセンブリ、特にハウジングに電位がかかるアセンブリを保持するための装置に関する。さらに本発明は、多数の蓄電器アセンブリを保持するための方法に関する。本発明の特殊な一態様は、蓄電器アセンブリのバッテリー(つまり多数の蓄電器アセンブリを備えた装置)内での電気エネルギーの蓄積に関する。
【背景技術】
【0002】
蓄電器は数年前から、電気エネルギー、特に鉄道車両の制動エネルギーを蓄積するために使用されている。蓄電器に蓄積されたエネルギーは、特に直後の発進工程または加速工程に利用することができる。
【0003】
蓄電器アセンブリは一般的にハウジングを備えて製造され販売される。通常の構造形式ではハウジングは円筒形であり、ハウジングには、1つの蓄電器またはハウジング内に配置された多数の蓄電器の両方の電位の一方がかかる。もう一方の電位は、例えばハウジング端面にあるピン状の接点にかかる。ただし本発明は別の構造形式にも関する。
【0004】
複数のアセンブリを並べて配置し、所望のやり方で電気的に結合できるようにするために、アセンブリは、特にハウジングに電位がかかることから一般的には電気絶縁材料から成る板で固定される。特に、アセンブリを電気的に直列および/または並列に接続することができる。
【0005】
絶縁板を製造するにも絶縁板にアセンブリを固定するにも、比較的多くの労力を要する。任意の材料、特にプラスチックまたは金属から自由に選んで作製することができ、多数の蓄電器アセンブリを担持する担持体が有利であろう。金属は高い安定性および耐久性を提供する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって本発明の課題は、蓄電器アセンブリのハウジング周面に電位がかかるか否かに関わらず、多数の蓄電器アセンブリを保持できる、冒頭に挙げた種類の装置および方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
担持体に保持すべき各蓄電器アセンブリ用の貫通開口を有する担持体を使用することを提案する。個々のアセンブリは、貫通開口を通って延びるように担持体に配置される。その際、アセンブリは各々支持リングと組み合わされ、この支持リングを介して貫通開口の内縁と接触する。支持リングは、アセンブリを貫通開口内で支持するために使われるリング状の要素である。このようにすると、アセンブリの外周面が貫通開口の内縁と直接接触するのではなく、支持リングを介して間接的にしか接触しない。支持リングは、例えばポリプロピレンまたはポリアミドなどの電気絶縁材料から作製することができる。その他の電気絶縁材料も同様に使用することができる。ただしアセンブリの外周面に電位がかからない場合は、金属または別の導電性材料から成る支持リングを使用してもよい。これらすべての場合に、例えば多数の互いに並んで配置された貫通開口を備えた板状の担持体の材料は、任意の材料、例えば金属とすることができる。例えば貫通開口の内縁においてアセンブリの外周面を取り囲んで延びる支持リングは、貫通開口内に簡単にアセンブリを取り付けることを可能にし、そのうえ先に言及したようにアセンブリと担持体の直接的で機械的な接触を阻止する。
【0008】
特に、多数の蓄電器アセンブリ、特にハウジングに電位がかかるアセンブリを保持するための装置であって、
アセンブリのそれぞれ1つを嵌め込むための各貫通開口を備えた担持体と、
1つのアセンブリを支持するための少なくとも1つの支持リングと
を備えており、
アセンブリが、貫通開口を通って延びるとき、支持リングを介して貫通開口の内縁と接触するように、しかし直接には貫通開口の内縁と接触しないように、支持リングが貫通開口およびアセンブリの寸法に適合されている装置を提案する。
【0009】
さらに、多数の蓄電器アセンブリ、特にハウジングに電位がかかるアセンブリを保持するための方法であって、アセンブリを取り付けるために、
各アセンブリが、多数の貫通開口を備えた担持体の貫通開口の1つに嵌め込まれ、それによりアセンブリが貫通開口を通って延び、
貫通開口にアセンブリを嵌め込む前、最中、および/または後に支持リングが貫通開口に嵌め込まれ、それにより支持リングがアセンブリの外周面と貫通開口の内縁の間に配置され、取り付けが終わるとすぐにアセンブリを担持体に保持し、
その結果、アセンブリが支持リングを介して貫通開口の内縁と接触し、しかし直接には貫通開口の内縁と接触しない方法を提案する。
【0010】
この方法の諸形態は、以下の装置形態の説明および添付した特許請求項から明らかである。
【0011】
好ましい一実施形態では、装置がクランプリングを備えており、このクランプリングは、アセンブリを取り付けた状態では、アセンブリ、クランプリング、および支持リングがクランプ作用によって貫通開口の内縁で保持されるようにアセンブリの外周面と担持体の材料の間を延びる。
【0012】
クランプ作用によるアセンブリの保持は、取付けを簡単にするにもかかわらず、アセンブリと担持体の間に信頼性の高い保持結合をもたらす。特に、1つのアセンブリを保持する各貫通開口にそれぞれクランプリングが設けられている。
【0013】
特別な形態では、貫通開口によって、担持体の一方の側から貫通開口を通って担持体の反対側へと延びる軸方向が定義され、この装置は、アセンブリを取り付けるために、クランプリングが軸方向に移動してクランプ作用を生成するように形成されている。好ましくは、クランプリングが第1のねじ溝を備え、支持リングが第2のねじ溝を備えており、これらのねじ溝は互いに協働して、支持リングおよび/またはクランプリングを回して動かすことによってクランプリングが軸方向に移動し、それによりクランプリングがクランプ作用を生成する軸方向位置にくるようにする。ただし、クランプリングの軸方向移動を別のやり方で引き起こす別の実施形態も可能である。例えば支持リングにねじ溝を設けることができず、反対のねじ溝を貫通開口の内縁またはアセンブリの外周面に形成することができる。またねじ溝を必ずしもクランプリングに形成する必要はない。そうではなく、例えば担持体、支持リング、アセンブリ、追加的な部分のうち少なくとも2つに、互いに協働するねじ溝を形成することにより、対応するねじを回したとき、軸方向移動を引き起こして、クランプリングのクランプ作用を発揮させることができる。
【0014】
このクランプリングは、例えば軸方向に平行に延び、径方向寸法が次第に細くなる、要素を備えている。この要素は、支持リングとクランプリングが軸方向に相対移動するとき、支持リングの対応する領域と協働して、クランプ作用を発揮させることができる。ただしクランプリングの次第に細くなる要素が、必ずしも支持リングのクランプ作用に特化して形成された領域と協働する必要はない。そうではなくクランプリングのこの領域は、ハウジング、装置の追加的な部品、および/または貫通開口の内縁と協働してもよい。さらに軸方向に次第に細くなる領域を、唯一の要素、例えば支持リングのリング状区間だけで構成してもよい。
【0015】
貫通開口は例えば円形開口でもよく、つまり円形の開口面を有することができる。特にこの場合には、貫通開口内で支持された蓄電器が意図せず回転する恐れがある。このため好ましくは、貫通開口の内縁に、径方向に延びる少なくとも1つの凹部を配置することを提案する。この場合、支持リングが径方向外側に延びる突出部を有しており、この突出部が凹部と噛み合って、支持リングが貫通開口の縁の周方向に回転移動するのを妨げる。
【0016】
支持リングは軸方向において、貫通開口の長さより長く延びていることが好ましい。このようにすると、貫通開口内でのアセンブリの保持をさらに安定させることができる。
【0017】
さらに支持リングの寸法は軸方向では、支持リングが一方の部分領域を貫通開口に嵌め込むことができ、それどころか貫通開口を通り抜けさせることさえできるが、支持リングのもう一方の部分領域は貫通開口より大きな断面を有するか、または少なくとも貫通開口より幅広く形成することができ、したがってこのもう一方の部分領域は貫通開口に嵌め込むことができない。それにより担持体でのアセンブリの保持結合がさらに安定する。さらにクランプリングを使用する場合、クランプ作用が発揮されると、支持リングの貫通開口を通り抜けた部分領域を径方向外側に押すことができ、その結果、この部分領域が意図せず再び軸方向に貫通開口を通って戻ることが妨げられる。
【0018】
1つのアセンブリまたは多数のアセンブリは、一方の端部で支持リングを介して担持体の貫通開口内に保持するだけではなく、軸方向に距離を置いた第2の領域でも保持することが好ましい。それによりアセンブリは特に確実に永続的に支持される。したがって特に、装置がアセンブリを嵌め込むための少なくとも1つの第2の貫通開口を備えた第2の担持体を有することを提案する。この場合、アセンブリは、取り付けた状態では第1の担持体の貫通開口の1つを通り、さらに第1の担持体から軸方向に遠い側にあるもう1つの領域で第2の貫通開口を通って延び、第2の支持リングによって第2の貫通開口内で保持される。
【0019】
さらに本発明は、多数の蓄電器アセンブリを保持するための装置だけでなく、実際に蓄電器アセンブリが装着された装置にも関する。これは特に、様々な蓄電器アセンブリに電気エネルギーを蓄積するためのエネルギー蓄積装置であり得る。
【0020】
次に本発明の例示的実施形態を、添付の図面を参照しながら説明する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】担持体、支持リング、および蓄電器アセンブリを備えた装置に関する第1の例示的実施形態を示す図である。
【図2】図1に基づく支持リングを示す図である。
【図3】図1に基づく装置の固定リングを示す図である。
【図4】図1に基づく装置の部分断面図である。
【図5】担持体および担持体の貫通開口内に配置された蓄電器アセンブリを備えた第2の装置を示す図である。
【図6】クランプリングの軸方向移動によりクランプ作用が生成される前の状態を示す、図5に示した装置の部分領域の軸方向断面図である。
【図7】貫通開口内に蓄電器アセンブリを取り付け終わった状態を示す、図6に類似の断面図である。
【図8】図5に示した装置の支持リングを示す図である。
【図9】図5に示した装置のクランプリングを示す図である。
【図10】ねじを回す動きを生成するためのリング状の工具要素を備えた、図5に示した装置の部分領域を示す図である。
【図11】支持リングおよび担持体を備えた装置の第3の例示的実施形態を示す図である。
【図12】図11の装置の支持リングを示す図である。
【図13】2つの担持体における蓄電器アセンブリのそれぞれ支持リングによる固定の透視図である。
【図14】電気的に相互結合された多数の蓄電器アセンブリを備えた装置を示す図である。
【図15】2つの蓄電器アセンブリを結合するための電気的結合要素がまだ蓄電器アセンブリと接触していない、図14に基づく装置の部分図である。
【図16】第3の例示的実施形態の蓄電器アセンブリおよび支持リングの軸方向縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1は、蓄電器アセンブリ3、支持リング5、および担持体1を備えた装置の第1の実施形態を示している。担持体1は、図1では完全には示されていないが、縦列および横列に並んで配置された多数の円形貫通開口4を有している。これらの貫通開口4の1つ、詳しくは図1で左下に示した貫通開口4内に、好ましくは電気絶縁材料から成る支持リング5が配置されており、したがって支持リング5は、貫通開口4を(軸方向に)通って延び、その部分領域6aはこの図では貫通開口4の手前にあり、支持リング5のさらなる部分領域6bはこの図では貫通開口4の後ろにある。
【0023】
この支持リング5を基に、支持リングの好ましい一形態を説明するが、さらに別のやり方で実施することもできる。この支持リングは、少なくとも部分領域6aの外周面に、周方向にめぐらされた多数の溝7を備えている。これは、保持結合部を手で組み立てるのを容易にする。その代わりにまたはそれに加えて、支持リング5の部分領域6aは、部分領域6aの直径が貫通開口4の内径より大きいため、部分領域6aが貫通開口4を通って差し込めないように形成されている。図4からは、部分領域6aの端部にある材料9が、貫通開口4内には存在せずに貫通開口4の周りで担持体1の材料に接している、当接面10を定義していることが認識できる。
【0024】
支持リング5のこの形態は、支持リング5だけを示す図2からも認識できる。
【0025】
図1に基づく装置には、図1では認識できない例えば金属から成る固定リング15が付属しており、この固定リングはその径方向内側に、内周全体に分散し自由端に向かって尖っている多数の突出部16を備えている。この突出部16は、径方向内側に延びるだけではなく軸方向にも延びている。筌状体15の円周全体に分散し、突出部16が延びる方向とは反対の軸方向に延びるさらなる突出部17を嵌め込むことにより、この筌状体15は支持リング5の径方向内側に突き出た領域20内の溝19(図4を参照)に押し込まれる。続いて、一方では筌状体15を取り付けたこのように準備された支持リング5を、もう一方では保持すべきアセンブリ3を軸方向に相互に相対変位させ、その結果、図4に示したように、突出部16がアセンブリ3の外周面の所望の軸方向の相対位置でアセンブリ3の表面に食い込む(その際、アセンブリ3は支持リング5の内部に嵌め込まれる)。
【0026】
支持リング5とそれに保持された筌状体15は、支持リング5にアセンブリ3を嵌め込む前またはアセンブリ3を嵌め込んだ後に、担持体1の貫通開口4に嵌め込まれる。取り付けが終わった装置は図4の図から認識できる。
【0027】
オプションとして、貫通開口4を通り抜けて完全取付け位置に達する部分領域6bも、外に張り出ているがまだ領域6bを通り抜けできる領域を有することができる。この領域は、例えば容易に弾性変形可能であり、かつ/または径方向に圧迫されて擦れながら貫通開口4を通り抜けることができ、したがって支持リング5が意図せず反対方向に移動することを困難にまたは不可能にする。
【0028】
第2の実施形態が図5〜図10に示されている。この装置は担持体31を備えている。支持リング45が担持体31を通って延びている。保持された蓄電器アセンブリ3は、支持リング45内で、担持体31の貫通開口4を通って延びている。アセンブリ3をその後端でも同様に第2の担持体内で支持することができる。
【0029】
アセンブリ3を確実に永続的に固定するために、貫通開口4内にクランプリング36が存在しているが、このクランプリングは(図6および図7が示すように)貫通開口4内までは延びていない。それにもかかわらずこのクランプリングは、取り付けた状態でクランプ作用、つまり特に径方向に作用する力を生成し、アセンブリ3を担持体31にクランプ作用によって保持する。その際、クランプ力は径方向外側から径方向内側へと、最初は担持体から支持リング45へ、次に支持リング45からクランプリング36へ、そして同様にクランプリング36からアセンブリ3の外周面へと伝達される。クランプ力が支持リング45からアセンブリ3に直接伝達されるのではない。
【0030】
図8は支持リング45の例示的一実施形態を示しており、この支持リングは、外周面の形状を図2に基づく支持リング5と同様に形成することができる。特に、この支持リングもまた第1の領域46aおよび第2の領域46bを有することができ、第2の領域46bだけは担持体31の通抜開口4に通して差し込むことができるが、第1の領域46aは差し込めない。図2または支持リング5の説明において述べたその他の特徴を、個別にまたは任意の組合せで、図8に基づく支持リングにもたせることもできる。図8に示したように、支持リング45の外側の形成、つまり外周面の形成は、支持リング5の形成と相違してもよい。特に、この支持リングは、第1の領域46aと第2の領域46bの間の移行領域に、第1の領域46aから軸方向に突き出た噛合要素48を備えており、図8ではこの噛合要素のうち2つが見えている。例えば支持リング45の外周面に、長手軸を中心として同じ角度間隔で、さらに2つのこのような噛合要素が存在している。ただしこのような突出部の数は4つに限定されない。むしろ原理的には、このような突出部が1つだけで既に十分である。しかしながら複数のこのような突出部を様々な角度間隔をあけて設けることもできる。各々の場合に、担持体31の貫通開口または少なくとも1つの貫通開口の内縁が、(例えば図5の担持体31で符号39によって示唆されているような)少なくとも1つの対応する空隙を有しており、したがって支持リングのすべての突出部を空隙39の1つに嵌め込むことができ、こうすることで支持リングが軸方向に延びる長手軸の周りで意図せず回転することが阻止される。
【0031】
図2に基づく支持リング5の場合と同様に、第2の領域46bの外周面には、径方向外側に突き出た領域49を形成することができ、この領域49は、例えば軸方向に第1の領域46aに向かって昇り勾配で外周面46bの高さから高くなっていくが、領域49のうち第1の領域46aのすぐ近くにある端部に、径方向に延びるエッジを有している。ここで、第1の領域46aからエッジまでの間隔は、担持体31の貫通開口の軸方向の厚みと同じ大きさであることが好ましい。このようにすると、支持リング45を、第1の領域46aの前端面が担持体31の材料に接するまで、第2の領域46bの自由端から先に貫通開口4に通して差し込むことができる。この場合、突出部49はそのエッジによって、支持リング45が意図せず貫通開口から再び外れること、または貫通開口内で軸方向に移動し得ることを阻止する。
【0032】
前述の他の特徴と同様に図8に基づく例示的実施形態に関して説明するさらなる特徴は、第1の領域46aのうち支持リング45の自由端から第2の領域46bの方向に延びる区間にある雌ねじであり、これは他の実施形態でも単独でまたは他の特徴と組み合わせて存在し得る。この雌ねじは図8では符号50で表されている。この雌ねじに対応して、図9に示したクランプリング36はその外周面に雄ねじ51を備えている。ただし図9に示した例示的実施形態では、雄ねじ51は軸方向においてクランプリング36の自由端までは延びていない。そうではなくクランプリング36はこの自由端に多数のリング状セグメント54を備えており、このセグメント54はそれぞれ空隙55によって隣接するセグメント54から分離されている。図10が示すように、この空隙55内に、取付工具58の突出部59をそれぞれ嵌め込むことができる。取付工具58はリング状に形成されており、その中心領域に貫通開口61を有しており、この貫通開口61は、例えばスパナを当てがえるように六角形の材料で構成されている。取付工具58の使用時には、軸方向に突き出た接点ピン30(図1、図5、および図10も参照)は、少なくとも貫通開口61内まで延びている。蓄電器アセンブリ3のこの接点ピン30は、アセンブリ3の電気接続に用いられる。
【0033】
取付工具58を用いて、クランプリング36を支持リング45内に軸方向にねじ込むことができ、それによりセグメント54を備えた軸方向後端とは反対側の軸方向前端で、断面が舌状の、つまり先が尖った要素69が、(図6および図7に示したように)支持リング45の材料とアセンブリ3の間に押し込まれ、このようにして所望のクランプ作用が生成される。
【0034】
図6、図7、および図9に示したクランプリングの実施形態の場合だけでなく、一般的にクランプリングはその軸方向前端に、自由端の方向に次第に細くなる、特に自由端の径方向に測定した厚みが小さくなるように次第に細くなる、少なくとも1つの領域を有することができる。このような舌状の形成は、簡単なやり方で所望のクランプ作用を生成することを可能にする。
【0035】
オプションとして、例えば図6および図7に基づく例示的実施形態で示したように、支持リングはその内周面に、軸方向縦断面において径方向外側から径方向内側へと斜めに延び、同時に軸方向に延びる、表面領域を有することができ、クランプリングを軸方向に動かすと、この表面領域に沿ってクランプリングの舌状の自由端が移動する。このような勾配の付いた表面領域は、図6および図7では例えば符号64で表されている。図7に示した完全取付け位置では、クランプリング52の自由端はさらに支持リング45の勾配の付いた領域の先まで延びている。
【0036】
図9に示した例示的実施形態では、舌状の要素69は、円周全体に均等に分散しており、周方向においてそれぞれが空隙70によって相互に分離されている。ただし、特に例えば使用したプラスチック材料がクランプ圧により塑性変形を起こす場合、空隙70はなくてもよいであろう。
【0037】
次に、支持リングおよび対応する装置のさらなる一実施形態を図11および図12に基づいて説明する。支持リング85もまた、軸方向に前後に並んで存在する2つの領域86a、86bを有している。この支持リングは、領域86bを担持体81の対応する貫通開口4に通して、第1の領域86aのストッパ面91が担持体81の材料に当たるまで、軸方向に差し込まれる。
【0038】
特に図12でよく分かるように、支持リング85はその内周面に、軸方向にライン状に延びる多数の突き出た領域98を有している。この領域98の径方向内側の端部は、支持リング85によって保持された蓄電器アセンブリ3が、領域98によるクランプ作用によって保持されるように位置決めされている(図16も参照)。
【0039】
さらに領域86bは、ストッパ面91の直前の外周面に、径方向外側に突き出た多数の領域99を有しており、支持リングを貫通開口4内に取り付けたとき、この領域99によりクランプ作用が生成されて支持リング85が担持体81の貫通開口4の内縁で突っ張り支持される。領域99の材料も領域98の材料も、クランプ作用が生じると弾性変形することができる。
【0040】
領域86bはその自由端に、径方向内側に延びる領域92a、92bを有している。この例示的実施形態では、2つのこのような領域92が径方向に互いに向かい合って形成されている。領域92は、支持リング85内で支持される蓄電器が第2の領域86bの自由端から外に出ることを阻止する。
【0041】
領域92の特別な形態では、少なくとも1つの領域92がその径方向内縁に突出部94を備えており、この突出部94は、支持される蓄電器アセンブリの対応する押圧力が突出部94にかかると軸方向に動くことができる。突出部94の自由端は、突出部94に軸方向の力がかかっていない緩和状態のとき、軸方向において領域92より前(図12の表示では下)の位置に存在する。したがって蓄電器アセンブリが突出部94の変形に必要な力を全くまたは部分的にしかもたらさない場合、蓄電器アセンブリは、突出部94にだけは触れ得るが、領域92に触れることはできない。したがって蓄電器アセンブリを、軸方向の力に応じて支持リング85内の様々な軸方向位置で支持することができる。例えば図15は左側に、領域92にも触れる蓄電器アセンブリ3aを示しており、一方、図15の右側には突出部94にだけは触れるが領域92には触れない蓄電器アセンブリ3bが示されている。このようにして、確実な逆接保護(つまり異なる蓄電器アセンブリの電気接続部を間違って結合することからの保護)を実現することができる。例えば蓄電器アセンブリ3aの接続部30aは、突き出た接点ピンだけでなく、接点ピン95より大きな外径を有するリング状の領域96も備えている。このリング96は、第1の種類の接続極(例えばプラス極)であることを示している。これに対し図15の右側に示した蓄電器の接続ピン97は、このような追加的なリングを備えていない。このことが、もう一方の種類の電気接続極(例えばマイナス極)であることを特徴づけている。
【0042】
例えば、蓄電器3a、3bを直列接続するものとする。そのために図15の上に示した結合要素100が使用され、この結合要素は、接点ピン95、97のそれぞれ用に通抜開口を備えている。例えば図14は取り付けた状態を示している。リング状の領域96の自由端面は、蓄電器3bの端面とは異なる(図15ではより高い)軸方向位置に存在しているので、結合要素100はその中央領域で2回屈曲しており、したがって両方の端部101a、101bは互いに平行に延びてはいるが同じ平面内にはない。折線は符号102a、102bで表されている。結合要素100のこの形態も同様に逆接保護に役立つ。直列接続すべき両方の蓄電器アセンブリが、図15に示したのとは違って同じ極(例えばプラス極)同士が並んでいるならば、両方の極ともリング状の領域96を有するまたは有さないことによって気付くはずである。中央に屈曲領域を有する結合要素100を接点ピンに(例えば接点ピンの雄ねじにナットでねじ留めすることにより)固定したとき、結合要素100の表面は、リング状の領域の端面にもアセンブリのハウジングの端面にもそれほど全面的には接しないはずであり、したがって容易に認識できる。言い換えると、結合要素の2回折れ曲がった形状は、アセンブリの反対側の軸方向端部において、結合要素が接続極に固定されるため、アセンブリを対応する軸方向位置にこさせる。アセンブリが間違って電極に接続されていれば、つまり逆さまに支持されていれば、少なくとも1つの結合要素の表面は、アセンブリの1つにそれほど全面的には接しない。
【0043】
図15からはさらに、支持リング85の径方向内側に延びる領域92が、相互間に隙間があいており、取り付けた状態の結合要素100がこの隙間内に延び得ることも認識できる。
【0044】
図13からは、どのようにして蓄電器アセンブリ3を、2つの支持リング、例えば図11および図12に基づいて述べた種類の支持リングと、2つの担持体81a、81bとによって確実に保持できるかを認識できる。担持体81は、蓄電器アセンブリを取り付けるための貫通開口4の間にさらなる貫通開口106を有している。例えばねじボルト107およびナット108によって担持体81a、81bが互いにねじ留めされ、したがってアセンブリが支持リング85から意図せず飛び出す可能性はない。
【0045】
図14は、全部で4つの蓄電器アセンブリ3を取り付けた組立て状態を示しており、蓄電器アセンブリのうち互いに上下に重なったものが軸方向手前側で、2回屈曲した結合要素100を介して電気的に相互に結合されている。その際、結合要素100はまだアセンブリ3の端面の接触面に固定的にねじ留めされてはおらず、または別のやり方で固定されていない。
【0046】
図16は、蓄電器アセンブリ3の軸方向端部領域およびこの端部領域に配置された支持リング85の軸方向縦断面を示している。図の左側に、軸方向に少しずれた突出部94を備えた径方向内側に延びる領域92が認識できる。一般的には、特にアセンブリの互いに向かい合う両方の軸方向端部にそれぞれこのような突出部が1つまたは複数ある場合、この突出部94が、蓄電器アセンブリを軸方向に少し変位させることを可能にする。先に言及したように、例えば接点ピンに結合要素が固定される場合、この軸方向の変位は結合要素100によってもたらされる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
多数の蓄電器アセンブリ(3)、特にハウジングに電位がかかるアセンブリを保持するための装置であって、
前記アセンブリ(3)のそれぞれ1つを嵌め込むための各貫通開口(4)を備えた担持体(31)と、
1つのアセンブリ(3)を支持するための少なくとも1つの支持リング(45)と
を備えている装置において、
前記アセンブリ(3)が、前記貫通開口(4)を通って延びるとき、前記支持リング(45)を介して前記貫通開口(4)の内縁と接触するように、しかし直接には前記貫通開口(4)の内縁と接触しないように、前記支持リング(45)が前記貫通開口(4)および前記アセンブリ(3)の寸法に適合されていることを特徴とする装置。
【請求項2】
前記支持リング(45)が電気絶縁材料から成ることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記支持リング(45)が、前記貫通開口(4)の内縁において前記アセンブリ(3)の外周面を取り囲んで延びることを特徴とする請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記担持体(31)が導電材料から成ることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の装置。
【請求項5】
前記担持体(31)が板状の領域を有しており、前記領域に前記貫通開口(4)が互いに並んで配置されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の装置。
【請求項6】
前記装置がクランプリング(52)を備えており、前記クランプリングは、前記アセンブリ(3)を取り付けた状態では、前記アセンブリ(3)、前記クランプリング(52)、および前記支持リング(45)がクランプ作用によって前記貫通開口(4)の内縁で保持されるように前記アセンブリ(3)の外周面と前記担持体(31)の材料の間を延びることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の装置。
【請求項7】
前記貫通開口(4)によって、前記担持体(31)の一方の側から前記貫通開口(4)を通って前記担持体(31)の反対側へと延びる軸方向が定義され、前記装置は、前記アセンブリ(3)を取り付けるために、前記クランプリング(52)が軸方向に移動してクランプ作用を生成するように形成されていることを特徴とする請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記クランプリング(52)が第1のねじ溝(51)を備え、前記支持リング(45)が第2のねじ溝(50)を備えており、前記ねじ溝は互いに協働して、前記支持リング(45)および/または前記クランプリング(52)を回して動かすことによって前記クランプリング(52)が軸方向に移動し、それにより前記クランプリング(52)がクランプ作用を生成する軸方向位置にくるようにすることを特徴とする請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記貫通開口(4)の内縁に径方向に延びる少なくとも1つの凹部(39)が配置されており、前記支持リング(45)が径方向外側に延びる突出部(48)を有しており、前記突出部(48)は、前記支持リング(45)が前記貫通開口の縁の周方向に回転移動するのを防ぐように前記凹部(39)に噛み合うことを特徴とする請求項1〜8のいずれか一つに記載の装置。
【請求項10】
前記貫通開口(4)によって、前記担持体(31)の一方の側から前記貫通開口(4)を通って前記担持体(31)の反対側へと延びる軸方向が定義され、前記装置が、前記アセンブリ(3)の1つを嵌め込むための少なくとも1つの第2の貫通開口(4)を備えた第2の担持体(32)を有しており、前記アセンブリ(3)が、取り付けた状態では前記第1の担持体(31)の前記貫通開口(4)の1つを通り、さらに前記第1の担持体(31)から軸方向に遠い側にあるもう1つの領域で前記第2の貫通開口(4)を通って延び、第2の支持リング(45)によって前記第2の貫通開口(4)内で保持されることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一つに記載の装置。
【請求項11】
前記蓄電器アセンブリ(3)が電気的に相互に結合されている請求項1〜10のいずれか一つに記載の装置を備えたエネルギー蓄積装置。
【請求項12】
多数の蓄電器アセンブリ(3)、特にハウジングに電位がかかるアセンブリ(3)を保持するための方法であって、前記アセンブリ(3)を取り付けるために、
各アセンブリ(3)が、多数の貫通開口(4)を備えた担持体(31)の前記貫通開口(4)の1つに嵌め込まれ、それにより前記アセンブリ(3)が、前記貫通開口(4)を通って延び、
前記貫通開口(4)に前記アセンブリ(3)を嵌め込む前、最中、および/または後に支持リング(45)が前記貫通開口(4)に嵌め込まれ、それにより前記支持リングが前記アセンブリ(3)の外周面と前記貫通開口(4)の内縁の間に配置され、取り付けが終わるとすぐに前記アセンブリ(3)を前記担持体(31)に保持し、
その結果、前記アセンブリ(3)が前記支持リングを介して前記貫通開口(4)の内縁と接触し、しかし直接には前記貫通開口(4)の内縁と接触しないことを特徴とする方法。
【請求項13】
前記アセンブリ(4)の外周面を構成する材料が、前記支持リング(45)によって、前記担持体(31)の材料に対し電気絶縁されていることを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記支持リング(45)が、前記貫通開口(4)の内縁において前記アセンブリ(3)の外周面を取り囲んで延びるように前記貫通開口(4)内に配置されることを特徴とする請求項12または13に記載の方法。
【請求項15】
多数の前記アセンブリ(3)が、前記担持体(31)の異なる貫通開口(4)内で、それぞれの支持リング(45)によって前記担持体(31)に互いに並んで固定される、請求項12〜14のいずれか一つに記載の方法。
【請求項16】
前記アセンブリ(3)が、クランプリング(52)を使用して前記担持体(31)に取り付けられ、前記クランプリング(52)が、前記アセンブリ(3)を取り付けた状態で前記アセンブリ(3)の外周面と前記担持体(31)の材料の間で延びており、従って前記アセンブリ(3)、前記クランプリング(52)、および前記支持リング(45)がクランプ作用によって前記貫通開口(4)の内縁で保持されることを特徴とする請求項12〜15のいずれか一つに記載の方法。
【請求項17】
前記貫通開口(4)によって、前記担持体(31)の一方の側から前記貫通開口(4)を通って前記担持体(31)の反対側へと延びる軸方向が定義され、前記アセンブリ(3)を取り付けるために、前記クランプリング(52)が軸方向に移動してクランプ作用を生成することを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記クランプリング(52)が、前記支持リング(45)および/または前記クランプリング(52)を回して動かすことで軸方向に移動し、それにより前記クランプリング(52)がクランプ作用を生成する軸方向位置にくることを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記アセンブリ(3)が、互いに離隔した軸方向領域で、それぞれ支持リング(45)を介して担持体(31、32)に固定されることを特徴とする請求項12〜18のいずれか一つに記載の方法。
【請求項1】
多数の蓄電器アセンブリ(3)、特にハウジングに電位がかかるアセンブリを保持するための装置であって、
前記アセンブリ(3)のそれぞれ1つを嵌め込むための各貫通開口(4)を備えた担持体(31)と、
1つのアセンブリ(3)を支持するための少なくとも1つの支持リング(45)と
を備えている装置において、
前記アセンブリ(3)が、前記貫通開口(4)を通って延びるとき、前記支持リング(45)を介して前記貫通開口(4)の内縁と接触するように、しかし直接には前記貫通開口(4)の内縁と接触しないように、前記支持リング(45)が前記貫通開口(4)および前記アセンブリ(3)の寸法に適合されていることを特徴とする装置。
【請求項2】
前記支持リング(45)が電気絶縁材料から成ることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記支持リング(45)が、前記貫通開口(4)の内縁において前記アセンブリ(3)の外周面を取り囲んで延びることを特徴とする請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記担持体(31)が導電材料から成ることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の装置。
【請求項5】
前記担持体(31)が板状の領域を有しており、前記領域に前記貫通開口(4)が互いに並んで配置されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の装置。
【請求項6】
前記装置がクランプリング(52)を備えており、前記クランプリングは、前記アセンブリ(3)を取り付けた状態では、前記アセンブリ(3)、前記クランプリング(52)、および前記支持リング(45)がクランプ作用によって前記貫通開口(4)の内縁で保持されるように前記アセンブリ(3)の外周面と前記担持体(31)の材料の間を延びることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の装置。
【請求項7】
前記貫通開口(4)によって、前記担持体(31)の一方の側から前記貫通開口(4)を通って前記担持体(31)の反対側へと延びる軸方向が定義され、前記装置は、前記アセンブリ(3)を取り付けるために、前記クランプリング(52)が軸方向に移動してクランプ作用を生成するように形成されていることを特徴とする請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記クランプリング(52)が第1のねじ溝(51)を備え、前記支持リング(45)が第2のねじ溝(50)を備えており、前記ねじ溝は互いに協働して、前記支持リング(45)および/または前記クランプリング(52)を回して動かすことによって前記クランプリング(52)が軸方向に移動し、それにより前記クランプリング(52)がクランプ作用を生成する軸方向位置にくるようにすることを特徴とする請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記貫通開口(4)の内縁に径方向に延びる少なくとも1つの凹部(39)が配置されており、前記支持リング(45)が径方向外側に延びる突出部(48)を有しており、前記突出部(48)は、前記支持リング(45)が前記貫通開口の縁の周方向に回転移動するのを防ぐように前記凹部(39)に噛み合うことを特徴とする請求項1〜8のいずれか一つに記載の装置。
【請求項10】
前記貫通開口(4)によって、前記担持体(31)の一方の側から前記貫通開口(4)を通って前記担持体(31)の反対側へと延びる軸方向が定義され、前記装置が、前記アセンブリ(3)の1つを嵌め込むための少なくとも1つの第2の貫通開口(4)を備えた第2の担持体(32)を有しており、前記アセンブリ(3)が、取り付けた状態では前記第1の担持体(31)の前記貫通開口(4)の1つを通り、さらに前記第1の担持体(31)から軸方向に遠い側にあるもう1つの領域で前記第2の貫通開口(4)を通って延び、第2の支持リング(45)によって前記第2の貫通開口(4)内で保持されることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一つに記載の装置。
【請求項11】
前記蓄電器アセンブリ(3)が電気的に相互に結合されている請求項1〜10のいずれか一つに記載の装置を備えたエネルギー蓄積装置。
【請求項12】
多数の蓄電器アセンブリ(3)、特にハウジングに電位がかかるアセンブリ(3)を保持するための方法であって、前記アセンブリ(3)を取り付けるために、
各アセンブリ(3)が、多数の貫通開口(4)を備えた担持体(31)の前記貫通開口(4)の1つに嵌め込まれ、それにより前記アセンブリ(3)が、前記貫通開口(4)を通って延び、
前記貫通開口(4)に前記アセンブリ(3)を嵌め込む前、最中、および/または後に支持リング(45)が前記貫通開口(4)に嵌め込まれ、それにより前記支持リングが前記アセンブリ(3)の外周面と前記貫通開口(4)の内縁の間に配置され、取り付けが終わるとすぐに前記アセンブリ(3)を前記担持体(31)に保持し、
その結果、前記アセンブリ(3)が前記支持リングを介して前記貫通開口(4)の内縁と接触し、しかし直接には前記貫通開口(4)の内縁と接触しないことを特徴とする方法。
【請求項13】
前記アセンブリ(4)の外周面を構成する材料が、前記支持リング(45)によって、前記担持体(31)の材料に対し電気絶縁されていることを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記支持リング(45)が、前記貫通開口(4)の内縁において前記アセンブリ(3)の外周面を取り囲んで延びるように前記貫通開口(4)内に配置されることを特徴とする請求項12または13に記載の方法。
【請求項15】
多数の前記アセンブリ(3)が、前記担持体(31)の異なる貫通開口(4)内で、それぞれの支持リング(45)によって前記担持体(31)に互いに並んで固定される、請求項12〜14のいずれか一つに記載の方法。
【請求項16】
前記アセンブリ(3)が、クランプリング(52)を使用して前記担持体(31)に取り付けられ、前記クランプリング(52)が、前記アセンブリ(3)を取り付けた状態で前記アセンブリ(3)の外周面と前記担持体(31)の材料の間で延びており、従って前記アセンブリ(3)、前記クランプリング(52)、および前記支持リング(45)がクランプ作用によって前記貫通開口(4)の内縁で保持されることを特徴とする請求項12〜15のいずれか一つに記載の方法。
【請求項17】
前記貫通開口(4)によって、前記担持体(31)の一方の側から前記貫通開口(4)を通って前記担持体(31)の反対側へと延びる軸方向が定義され、前記アセンブリ(3)を取り付けるために、前記クランプリング(52)が軸方向に移動してクランプ作用を生成することを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記クランプリング(52)が、前記支持リング(45)および/または前記クランプリング(52)を回して動かすことで軸方向に移動し、それにより前記クランプリング(52)がクランプ作用を生成する軸方向位置にくることを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記アセンブリ(3)が、互いに離隔した軸方向領域で、それぞれ支持リング(45)を介して担持体(31、32)に固定されることを特徴とする請求項12〜18のいずれか一つに記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公表番号】特表2012−503283(P2012−503283A)
【公表日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−527259(P2011−527259)
【出願日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際出願番号】PCT/EP2009/006929
【国際公開番号】WO2010/031594
【国際公開日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【出願人】(511071566)ボンバルディール・トランスポーテイション・ゲゼルシヤフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング (5)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際出願番号】PCT/EP2009/006929
【国際公開番号】WO2010/031594
【国際公開日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【出願人】(511071566)ボンバルディール・トランスポーテイション・ゲゼルシヤフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング (5)
【Fターム(参考)】
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