説明

多方向スイッチ装置

【課題】従来例の小型化が達成されている3つのスイッチ素子を用いた多方向スイッチ装置では、ある一方向にスイッチ素子が配設されていないため、スイッチ操作が行われない不動作領域が出来てしまうと言う課題があった。
【解決手段】多方向に傾倒自在に動く操作体と操作体の傾倒操作に伴って押圧操作されて移動する4つのアクチュエータとアクチュエータの移動に伴ってスイッチング動作する3つのスイッチ素子とを有した多方向スイッチ装置において、第1のアクチュエータは第1のスイッチ素子をスイッチング動作し、第2のアクチュエータは第2のスイッチ素子をスイッチング動作し、第3のアクチュエータは第3のスイッチ素子をスイッチング動作し、第4のアクチュエータは、操作体が何れの方向に傾倒操作されても、3つのスイッチ素子のいずれかがスイッチング動作される位置に、配置されることを特徴としている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作体の多方向の押圧操作に応じてスイッチング動作する多方向スイッチ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、多方向スイッチ装置は、テレビ、ビデオ等の各種電子機器のリモコンや、携帯電話、車用のドアミラー等に多く用いられている。特に、車用のドアミラーの操作には、この多方向スイッチ装置が好適に用いられる。
【0003】
従来から知られている車のドアミラー操作用に使用されている四方向のスイッチとして、特許文献1では、図8に示すように、3つスイッチ素子806を有したスイッチ装置800が提案されている。図8に示すスイッチ装置800は、四方向に揺動自在にケース801に係止された操作部材804と、操作部材804の周縁の3箇所にそれぞれ配置された3組のスイッチ素子806と、操作部材804の四方向の揺動駆動を受けてスイッチ素子806をスイッチング動作させる3個の駆動部材802と、から構成されている。操作部材804と駆動部材802との間には、クリック感触が得られるようにするため、バネ部813を4箇所有したゴムバネ803が設けられている。3組のスイッチ素子806は、スライド部材805に設けられた可動接点807と、プリント配線板809に設けられた固定接点808と、から構成されている。
【0004】
スイッチ装置800は、例えば、図8に示すN方向に操作部材804を揺動すると、ゴムバネ803のバネ部813aが座屈し、駆動部材802aを駆動し、駆動部材802aの駆動によりスライド部材805aをスライド動作し、スイッチ素子806aがスイッチング動作する。同様にして、W方向に揺動するとスイッチ素子806aとスイッチ素子806bがスイッチング動作し、S方向に揺動するとスイッチ素子806bとスイッチ素子806cがスイッチング動作し、E方向に揺動するとスイッチ素子806cがスイッチング動作するので、四方向のスイッチ操作が可能としている。
【0005】
また、他の多方向スイッチ装置として、特許文献2では、図11に示すように、4つスイッチ部921を有したミラースイッチ装置900が提案されている。図11に示すミラースイッチ装置900は、略矩形状をなし4つの各辺部が押し込み操作されるプッシャー919と、矩形辺部の各角部位4箇所に配設された4つのスイッチ部921と、プッシャー919を押し込み操作する操作ノブ912と、操作ノブ912が押し込み操作し得るように設けられたスイッチケース911と、から構成されている。4つのスイッチ部921は、押圧子ユニット918に設けられた4つの可動接点板922と、プリント配線板913に設けられた4つの固定接点923と、から構成されている。
【0006】
ミラースイッチ装置900は、操作ノブ912の押し込み操作により、プッシャー919の1つの辺部が押し込み操作されると、この辺部に対応した2つのスイッチ部921がスイッチング動作される。同様にして、他の3つの辺部も押し込み操作されると、2つのスイッチ部921がスイッチング動作されるので、この4つの辺部の方向である四方向のスイッチ操作が可能としている。
【0007】
一般に、車のドアミラー操作用の四方向スイッチ装置では、スイッチング動作のために四方向(N方向,W方向,S方向,E方向)に操作した際に、ドアミラーを上下左右の四方向に移動させる操作が一般的である。そして、例えば、左斜め方向に操作した際に、ドアミラーは、動作しないか、左方向または上方向に移動するようにしているのが一般的である。そして、操作者は、斜め方向に操作をして、ドアミラーがたとえ動作しなくても、操作位置を変え、違和感なくミラーを操作するようになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2001−229784号公報
【特許文献2】特開2005−44724号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、ある用途、或いはユーザ側の要望から、いずれの方向に操作してもスイッチング動作させたいと言うニーズが生じてきた。特許文献1の従来例1のような構成では、図9に示すように、操作部材804が四つの方向(N方向、W方向、S方向、E方向)以外の方向に揺動操作された場合、NW方向、SW方向及びSE方向では、駆動部材802のいずれか(駆動部材802a、駆動部材802b、駆動部材802c)が駆動され、スイッチ素子806のいずれかがスイッチング動作するようになる。しかしながら、NE方向に揺動操作された場合、スイッチ素子806が3個しかないので、スイッチ素子806のいずれもスイッチング動作せず、スイッチ操作が行われない不動作領域が出来てしまうと言った課題があった。
【0010】
また、特許文献2の従来例2では、四つの方向(N方向、W方向、S方向、E方向)以外の方向でのスイッチ操作ができるとはしていないが、スイッチ部921が矩形辺部の各角部位4箇所に配設されているので、いずれの方向にプッシャー919が押し込み操作された場合、4つのスイッチ部921のいずれかがスイッチング動作するようになる。しかしながら、従来例2のような構成では、不動作領域は無くなるが、4回路分の部品が必要で部品点数が増加すると言った問題が生じてしまう。また、4つ目のスイッチ部を四つ目の箇所に設けたことにより、その箇所に配設できる部品や回路を別な箇所に配設しなければいけなく、従来例1で達成されている小型にできると言った良さが損なわれてしまうと言った課題があった。
【0011】
本発明は、上述した課題を解決するもので、操作体の多方向の押圧操作に対して、スイッチング動作しない不動作領域が無く、しかも、小型にできる多方向スイッチを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この課題を解決するために、本発明の多方向スイッチ装置は、多方向に傾倒自在に動く操作体と、前記操作体を保持した筐体と、前記操作体の傾倒操作に伴って押圧操作されて移動する複数のアクチュエータと、前記アクチュエータの移動に伴ってスイッチング動作する複数のスイッチ素子と、を有した多方向スイッチ装置において、複数の前記アクチュエータは、第1のアクチュエータ、第2のアクチュエータ、第3のアクチュエータ及び第4のアクチュエータからなり、複数の前記スイッチ素子は、第1のスイッチ素子、第2のスイッチ素子及び第3のスイッチ素子からなり、前記操作体を平面視して、前記操作体の傾倒中心近傍を通る第1の傾倒方向と、前記傾倒中心近傍を通り前記第1の傾倒方向と交差した第2の傾倒方向と、前記第1の傾倒方向と反対向きの第3の傾倒方向と、前記第2の傾倒方向と反対向きの第4の傾倒方向と、を有し、前記操作体にあって、前記第1の傾倒方向にある第1の位置と、前記第2の傾倒方向にある第2の位置と、前記第3の傾倒方向にある第3の位置と、前記第4の傾倒方向にある第4の位置と、を有し、前記第1のアクチュエータは前記第1の位置に対向するように配置されているとともに前記第1のスイッチ素子をスイッチング動作し、前記第2のアクチュエータは前記第2の位置に対向するように配置されているとともに前記第2のスイッチ素子をスイッチング動作し、前記第3のアクチュエータは前記第3の位置に対向するように配置されているとともに前記第3のスイッチ素子をスイッチング動作し、前記第4のアクチュエータは、前記第1のスイッチ素子をスイッチング動作するとともに、前記操作体がいずれの方向に傾倒操作されても、前記複数のスイッチ素子のいずれかが、スイッチング動作される位置に配置されることを特徴としている。
【0013】
これによれば、本発明の多方向スイッチ装置は、スイッチ素子に対応したアクチュエータ以外に、新たな第4のアクチュエータを一つ設けたので、操作体を傾倒操作した際に、スイッチング動作しない不動作領域を無くすことができ、しかも、スイッチ素子を1つ追加する必要がないので、小型化が図られる。
【0014】
また、本発明の多方向スイッチ装置は、前記第1のアクチュエータと前記第4のアクチュエータとを、一体化にしたことを特徴としている。
【0015】
これによれば、2つのアクチュエータを一体化したことで、各々のアクチュエータに対して別々な機構を設ける場合と比較して、より小型にできるだけでなく、組立を容易に行うことができる。
【0016】
また、本発明の多方向スイッチ装置は、前記筐体内の前記操作体の周縁にそれぞれ配置され、前記アクチュエータのそれぞれに対応した弾性部を有する弾性部材を有し、前記操作体の傾倒操作に伴って、前記弾性部が挫屈して、前記弾性部が前記アクチュエータを押圧する構成にしたことを特徴としている。
【0017】
これによれば、操作体とアクチュエータとの間に、アクチュエータのそれぞれに対応した弾性部を有する弾性部材を設けたことにより、弾性部が挫屈して、操作体を傾倒操作した際に、操作者がクリック感を得られるようになる。
【発明の効果】
【0018】
本発明の多方向スイッチ装置は、スイッチ素子に対応したアクチュエータ以外に、新たな第4のアクチュエータを一つ設けたので、操作体を傾倒操作した際に、スイッチング動作しない不動作領域を無くすことができ、しかも、スイッチ素子を1つ追加する必要がないので、小型化が図られる。
【0019】
したがって、操作体の多方向の押圧操作に対して、スイッチング動作しない不動作領域が無く、しかも、小型にできる多方向スイッチ装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の第1実施形態の多方向スイッチ装置を説明する多方向スイッチ装置の分解斜視図である。
【図2】本発明の第1実施形態の多方向スイッチ装置の筐体を説明する斜視図である。
【図3】本発明の第1実施形態の多方向スイッチ装置を説明する多方向スイッチ装置の上面図である。
【図4】本発明の第1実施形態の多方向スイッチ装置の操作体を説明する図であって、図4(a)は、上面図であり、図4(b)は、底面図であり、図4(c)及び図4(d)は、側面図である。
【図5】本発明の第1実施形態の多方向スイッチ装置を説明する図であって、図5(a)は、アクチュエータ、スイッチ素子及びプリント配線基板の分解斜視図である。
【図6】本発明の第1実施形態の多方向スイッチ装置の回路図である。
【図7】本発明の第1実施形態の多方向スイッチ装置の切換スイッチを説明する図であって、切換可動接点側から見た切換接点部材の斜視図である。
【図8】従来例1のスイッチ装置を説明する分解斜視図である。
【図9】従来例1のスイッチ装置における、操作部材の揺動方向を示した操作体の平面図である。
【図10】従来例1のスイッチ装置の回路図である。
【図11】従来例2のミラースイッチ装置を説明する図であって、図11(a)は、縦断側面図で、図11(b)は、スイッチ部の配置を示すプリント配線板の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して詳細に説明する。
【0022】
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態の多方向スイッチ装置101を説明する多方向スイッチ装置101の分解斜視図である。図2は、本発明の第1実施形態の多方向スイッチ装置101の筐体2を説明する斜視図であって、図2(a)は、操作体1側から見た図で、図2(b)は、開口部2k側から見た図である。図3は、本発明の第1実施形態の多方向スイッチ装置101を説明する多方向スイッチ装置101の上面図であって、図3(a)は、操作体1側から見た図で、図3(b)は、説明を容易にするため、図3(a)の操作体1及び弾性部材7を省略した図である。図4は、本発明の第1実施形態の多方向スイッチ装置101の操作体1を説明する図であって、図4(a)は、上面図であり、図4(b)は、底面図であり、図4(c)は、X1側から見た側面図であり、図4(d)は、Y2側から見た側面図である。図5は、本発明の第1実施形態の多方向スイッチ装置101を説明する図であって、アクチュエータ3、スイッチ素子5及びプリント配線基板88の分解斜視図である。
【0023】
多方向スイッチ装置101は、図1に示すように、多方向に傾倒自在に動く操作体1と、操作体1を保持した筐体2と、操作体1の傾倒操作に伴って押圧操作されて移動する複数のアクチュエータ3と、アクチュエータ3の移動に伴ってスイッチング動作する複数のスイッチ素子5とから、主に構成される。他に、操作体1とアクチュエータ3との間に設けられた弾性部材7と、プリント配線基板88と、筐体2の開口部2kを覆うように配設されたカバー44と、スイッチング動作させる対象物を切り換えるための切換スイッチ99とを有して構成されている。
【0024】
筐体2は、例えば、合成樹脂材料から成り、射出成形加工によって形成され、図2に示すように、後述する切換スイッチ99と隣接して作製され、略箱形であって、略矩形の基体2aと、基体2aに設けられた略矩形の凹部2cとを有している。また、凹部2cは、凹部2cの底面の四つの角部のうち三つの角部の近傍に設けられた円形の透孔12a、透孔22b、透孔32cと、透孔12aの近傍に設けられた円形の透孔42eと、凹部2cの中央部に設けられた矩形の角孔2eと、角孔2eの周囲から垂直に操作体1側に延設された突壁2fとを有している。また、角孔2eは、後述する多方向に傾倒自在に動く操作体1を保持する機能を有している。この筐体2の凹部2cの裏側は、開口部2kとなっている。
【0025】
操作体1は、例えば、合成樹脂材料から成り、射出成形加工によって形成され、図3(a)及び図4に示すように、略矩形の基体1aと、基体1aの周縁部から上方に延設され、周縁部を囲む側壁1bと、側壁1bに繋がった円形状の上壁1cと、上壁1cの裏側から内方に突出する4つの係合部1dとを有している。また操作体1の4つの係合部1dは、筐体2の凹部2cの角孔2eの周縁壁に、例えばスナップイン係合など適宜手段にて係合され、この4つの係合部1dの係合によって、操作体1が筐体2から抜け止めされるとともに、操作体1は、凹部2c内で四方向(例えば、N−S方向とE−W方向)を含む任意の多方向に傾倒自在に動くように構成されている。
【0026】
また、操作体1は、図3(a)及び図4(a)に示すように、操作体1を平面視して、操作体1の傾倒中心近傍CNを通る第1の傾倒方向D1と、傾倒中心近傍CNを通り第1の傾倒方向D1と交差した第2の傾倒方向D2と、第1の傾倒方向D1と反対向きの第3の傾倒方向D3と、第2の傾倒方向D2と反対向きの第4の傾倒方向D4と、を有している。そして、操作体1は、図4(b)に示すように、第1の傾倒方向D1にある第1の位置P1と、第2の傾倒方向D2にある第2の位置P2と、第3の傾倒方向D3にある第3の位置P3と、第4の傾倒方向D4にある第4の位置P4とを、基体1aの裏側周縁に有している。第1の位置P1、第2の位置P2、第3の位置P3及び第4の位置P4には、基体1aから内方に突出する断面が十字状の突起部が形成されている。これら4つの位置関係は、方形状の各頂点位置になっている。
【0027】
また、操作体1は、筐体2の凹部2cの開放端をほぼ覆うように配置され、このとき、第1の位置P1、第2の位置P2、第3の位置P3及び第4の位置P4に形成された十字状の突起部は、後述する弾性部材7の弾性部17a、弾性部17b、弾性部17c、弾性部17dのそれぞれ先端の平坦面に対向し、且つ、当接されている。この第1の位置P1、第2の位置P2、第3の位置P3及び第4の位置P4に形成された十字状の突起部への各弾性部17a、弾性部17b、弾性部17c、弾性部17dのそれぞれの当接によって、操作体1は、筐体2の外方に弾性付勢された状態で維持されている。
【0028】
アクチュエータ3は、例えば、合成樹脂材料から成り、射出成形加工によって形成され、図5に示すように、円柱状の基部3aと、基部3aの両端部に設けられた略半球状の駆動部3bとを有していて、第1のアクチュエータ13、第2のアクチュエータ23、第3のアクチュエータ33及び第4のアクチュエータ43の4つで構成されている。また、アクチュエータ3のそれぞれは、図2に示す筐体2の透孔12a、透孔22b、透孔32c、透孔42e内に、図3(b)に示すように、それぞれ摺動可能に配設され、このとき、各アクチュエータ3は、各透孔から上方に突出して配設されている。
【0029】
また、第1のアクチュエータ13は第1の位置P1に対向するように配置されており、同様にして、第2のアクチュエータ23は第2の位置P2に、第3のアクチュエータ33は第3の位置P3に対向するように配置されている。また、第4のアクチュエータ43は、第1の位置P1と第4の位置P4との間にあり、第1の位置P1側に寄って配置されている。また、図4(b)に示すように、操作体1の基体1a裏側周縁にあり、第4のアクチュエータ43と対向する位置P14には、基体1a裏側から内方に突出する断面がT字状の突起部が形成されている。
【0030】
スイッチ素子5は、図5に示すように、アクチュエータ3の移動に伴ってスイッチング動作する第1のスイッチ素子15、第2のスイッチ素子25及び第3のスイッチ素子35の3つを有している。また、スイッチ素子5のそれぞれは、アクチュエータ3の移動に伴ってアクチュエータ3に押圧駆動されるスライド部材S5と、スライド部材S5と一体に設けられた可動接点6と、可動接点6に接離可能に配設された固定接点8と、スライド部材S5を弾性付勢しアクチュエータ3を非押圧操作位置に復帰させる復帰部材F5と、から構成されている。
【0031】
スライド部材S5は、略くさび状の基部S5aと、基部S5aの上面に設けられた凹部S5bと、基部S5aの一方の端部に設けられた傾斜部S5sとを有している。このスライド部材S5は、図2(b)に示す筐体2の収納凹部2uにスライド移動可能に収納され、また、各傾斜部S5sには、各アクチュエータ3の駆動部3bが当接されている。そして、操作体1の傾倒操作に伴ってアクチュエータ3が押圧操作され、アクチュエータ3の下方向への移動に伴って、傾斜部S5sが押されることにより、スライド部材S5がスライド移動するようになる。
【0032】
可動接点6は、例えば、リン青銅などの金属材料からなり、プレス加工によって形成され、複数本の摺動子片を有している。この可動接点6は、スライド部材S5に固着され、スライド部材S5のスライド移動によって、共にスライド移動される。
【0033】
固定接点8は、プリント配線基板88に設けられており、可動接点6が組み込まれたスライド部材S5が、可動接点6の摺動子片と固定接点8とが接離することが出来る位置に載置されている。そして、スライド部材S5のスライド移動によって、可動接点6の摺動子片と固定接点8とが接離することによって、ON・OFFのスイッチング動作が行われる。
【0034】
復帰部材F5は、金属材料からなり、螺旋状に形成され所定の径を有したコイルばねを用い、一端部側がスライド部材S5の凹部S5b内に収納され、他端部側が筐体2に当接され、この復帰部材F5によって、スライド部材S5が一方側に弾性付勢されている。そして、操作体1の傾倒操作が解除されてアクチュエータ3が上方向に移動し傾斜部S5sへの押圧が弱まると、この復帰部材F5によって、スライド部材S5が元の位置までスライド移動するようになる。
【0035】
カバー44は、例えば、合成樹脂材料から成り、射出成形加工によって形成され、図1に示すように、略矩形の基部44aと、基部44aの周縁部から略垂直に延設された側壁44bと、インサートモールド加工によって基部44aと一体に配設された複数本の端子55とを有している。このカバー44の基部44a上には、プリント配線基板88が、半田ランド88rに端子55が貫通するように配置されている。このとき半田ランド88rと端子55とは半田付けされ、プリント配線基板88とカバー44とは一体化されている。また、このプリント配線基板88が一体化されたカバー44は、筐体2の開口部2kを覆うように配設され、筐体2とカバー44とは、例えば、スナップイン結合など適宜手段にて係合されている。
【0036】
次に、この多方向スイッチ装置101の動作について説明する。
先ず、例えば、操作者が操作体1の上壁1cの左端側の略中央部を指(図示せず)などで押圧すると、図3(a)及び図4に示すように、この押圧によって操作体1が左側に傾倒する(傾倒方向W)。そして、操作体1が左側に傾倒すると、操作体1の左側の2つの第1の位置P1と第2の位置P2が下方にさがり、後述する弾性部材7を介して、第1の位置P1に対向するように配置された第1のアクチュエータ13と第2の位置P2に対向するように配置された第2のアクチュエータ23とが下方に押圧される。
【0037】
この第1のアクチュエータ13と第2のアクチュエータ23の下方への摺動によって、2つのアクチュエータ3(13、23)の各駆動部3bが、2つの各スライド部材S5の傾斜部S5sを下方に押圧し、このときスライド部材S5は、可動接点6とともに、プリント配線基板88の固定接点8上を復帰部材F5の弾性付勢力に抗してスライド移動する。第1のアクチュエータ13に対応したスライド部材S5は、図3(a)に示すS方向にスライド移動し、第2のアクチュエータ23に対応したスライド部材S5は、図3(a)に示すE方向にスライド移動する。この2つのスライド部材S5のスライドによって、各可動接点6の摺動子片は、各固定接点8に接触し、いわゆる2つのスイッチ素子5(第1のスイッチ素子15、第2のスイッチ素子25)が共にオンの状態となる。
【0038】
次に、操作者が操作体1への押圧を止めるように操作体1から指を離すと、2つの復帰部材F5のそれぞれの弾性付勢力によって、2つの各スライド部材S5が元の位置に復帰スライドする。このとき、各可動接点6の摺動子片は、各固定接点8から離れ、いわゆる2つのスイッチ素子5が共にオフの状態となる。このスライド部材S5のスライドによって、2つのアクチュエータ3(13、23)が押し上げられ、また、後述する弾性部材7の自己復帰力によって、元の位置に操作体1を押し上げ復帰させる。よって、第1のアクチュエータ13は、第1のスイッチ素子15をスイッチング動作し、第2のアクチュエータ23は、第2のスイッチ素子25をスイッチング動作することとなる。
【0039】
このようにして、例えば、図3(a)及び図4に示すように、操作体1の上壁1cの下端側の略中央部を指などで押圧すると、この押圧によって操作体1が下側に傾倒し(傾倒方向S)、操作体1の下側の2つの第2の位置P2と第3の位置P3が下方にさがる。そして、後述する弾性部材7を介して、第2の位置P2に対向するように配置された第2のアクチュエータ23と第3の位置P3に対向するように配置された第3のアクチュエータ33とが下方に押圧され、第2のアクチュエータ23は、第2のスイッチ素子25をスイッチング動作し、第3のアクチュエータ33は、第3のスイッチ素子35をスイッチング動作することとなる。
【0040】
同様にして、例えば、操作体1の上壁1cの右端側の略中央部を指などで押圧すると、この押圧によって操作体1が右側に傾倒し(傾倒方向E)、第3のアクチュエータ33は、第3のスイッチ素子35をスイッチング動作する。同様にして、操作体1の上壁1cの上端側の略中央部を指などで押圧すると、この押圧によって操作体1が上側に傾倒し(傾倒方向N)、第1のアクチュエータ13は、第1のスイッチ素子15をスイッチング動作することとなる。
【0041】
同様にして、例えば、第1の傾倒方向D1に操作体1を傾倒すると、第1のアクチュエータ13は、第1のスイッチ素子15をスイッチング動作し、第2の傾倒方向D2に操作体1を傾倒すると、第2のアクチュエータ23は、第2のスイッチ素子25をスイッチング動作し、第3の傾倒方向D3に操作体1を傾倒すると、第3のアクチュエータ33は、第3のスイッチ素子35をスイッチング動作することとなる。
【0042】
従来例1のような構成では、例えば、図9に示すように、NE方向(図3(a)では第4の傾倒方向D4)に操作体1を傾倒した場合、スイッチ素子806のいずれもスイッチング動作せず、スイッチ操作が行われない不動作領域が出来てしまうと言った課題があった。
【0043】
しかしながら、本発明の多方向スイッチ装置101では、例えば、第4の傾倒方向D4に操作体1を傾倒した場合、第1の位置P1と第4の位置P4との間にあり、第1の位置P1側に寄って配置された第4のアクチュエータ43が存在することによって、操作体1の傾倒操作を受けた第4のアクチュエータ43が、第1のスイッチ素子15をスイッチング動作させることとなる。第4の傾倒方向D4の方向角度が多少変化しても、第4のアクチュエータ43が、第1のスイッチ素子15を確実にスイッチング動作させることとなる。このように、第4のアクチュエータ43の位置は、操作体1がスイッチ操作の行われない不動作領域の方向に傾倒操作されても、第1のスイッチ素子15を確実にスイッチング動作させる位置に配置され、操作体1がいずれの方向に傾倒操作されても、複数のスイッチ素子5のいずれかが、スイッチング動作されるようにしている。
【0044】
これにより、本発明の多方向スイッチ装置101は、3つのスイッチ素子5(15、25、35)に対応した3つアクチュエータ3(13、23、33)以外に、新たな第4のアクチュエータ43を一つ設けたので、操作体1を傾倒操作した際に、スイッチング動作しない不動作領域を無くすことができ、しかも、しかも、スイッチ素子を1つ追加する必要がないので、小型化が図られる。
【0045】
本発明の多方向スイッチ装置101では、図5に示すように、第4の位置P4に対向したプリント配線基板88の箇所に、チップコンデンサやチップ抵抗等の受動部品98を実装することができる。このため、プリント配線基板88を小型化することができ、多方向スイッチの小型化を可能としている。
【0046】
また、本発明の多方向スイッチ装置101では、一辺が20mmの正方形の各頂点に、第1の位置P1、第2の位置P2、第3の位置P3及び第4の位置P4を配置し、第4のアクチュエータ43と対向する位置P14が、第1の位置P1と第4の位置P4を結んだ直線上にあって、第1の位置P1から7.5mm離れた箇所に配置している。
【0047】
この位置P14は、第1の位置P1と第4の位置P4を結んだ直線上からずれていても良いし、上記第1の位置P1と第4の位置P4との相対位置以外の位置でも良い。また、正方形でなく方形状であれば良く、例えば五角形であっても良い。この位置P14は、方形状の各頂点位置関係や方形状の各辺の長さ、操作体1の傾倒角度(傾倒の押し込み深さ)等で決まるので、操作体1がスイッチ操作の行われない不動作領域の方向に傾倒操作されても、第1のスイッチ素子15を確実にスイッチング動作する位置に配置されるように決められる。
【0048】
また、本発明の多方向スイッチ装置101は、第1のアクチュエータ13と第4のアクチュエータ43とを、図5に示すように、連結部3rで連結し、一体化にしている。これにより、2つのアクチュエータ3(13、43)を一体化したことで、各々のアクチュエータ3(13、43)に対して別々な機構を設ける場合と比較して、より小型にできるだけでなく、組立を容易に行うことができる。
【0049】
また、本発明の多方向スイッチ装置101は、操作体1とアクチュエータ3との間に、弾性部材7を設けている。弾性部材7は、例えば、弾性ゴム材料から成り、成形加工によって形成され、図1に示すように、平板状で略矩形の弾性基部7kと、弾性基部7kの周縁にあり、四つの角部にそれぞれ設けられた略ドーム状の4個の弾性部17a、弾性部17b、弾性部17c、弾性部17dと、弾性部17aと弾性部17dとの間に弾性部17eとから構成されている。また、弾性部材7の弾性部17(17a、17b、17c、17d、17e)の先端部は円形状の平坦部を有していて、この平坦部は、操作体1の基体1aの裏面に当接し、操作体1を筐体2の外方に弾性付勢している。
【0050】
弾性部17のそれぞれは、筐体2内の操作体1の周縁になるようにそれぞれ配置されており、弾性部17aは第1のアクチュエータ13に、弾性部17bは第2のアクチュエータ23に、弾性部17cは第3のアクチュエータ33に、弾性部17eは第4のアクチュエータ43に、それぞれ対応している。
【0051】
そして、操作体1の傾倒操作に伴って、操作体1に当接している弾性部17が挫屈して、挫屈した弾性部17の裏面がアクチュエータ3に当接し、アクチュエータ3を押圧する構成になっている。この座屈によって、操作者がクリック感を得られるようになる。さらに、アクチュエータ3のいずれにも対応しない弾性部17dを第4の位置P4に設けたので、操作者がどの方向に対して傾倒操作を行っても、確実にクリック感が得られるようになる。これにより、操作体1とアクチュエータ3との間に、アクチュエータ3のそれぞれに対応した弾性部17を有する弾性部材7を設けたことにより、弾性部17が挫屈して、操作体1を傾倒操作した際に、操作者がクリック感を得られるようになる。
【0052】
以上により、本発明の多方向スイッチ装置101は、3つのスイッチ素子5(15、25、35)に対応した3つアクチュエータ3(13、23、33)以外に、新たな第4のアクチュエータ43を一つ設けたので、操作体1を傾倒操作した際に、スイッチング動作しない不動作領域を無くすことができ、しかも、しかも、スイッチ素子を1つ追加する必要がないので、小型化が図られる。
【0053】
また、第1のアクチュエータ13と第4のアクチュエータ43とを、連結部3rで連結することにより、一体化にしているので、各々のアクチュエータ3(13、43)に対して別々な機構を設ける場合と比較して、より小型にできるだけでなく、組立を容易に行うことができる。
【0054】
操作体1とアクチュエータ3との間に、アクチュエータ3のそれぞれに対応した弾性部17を有する弾性部材7を設けたことにより、弾性部17が挫屈して、操作体1を傾倒操作した際に、操作者がクリック感を得られるようになる。
【0055】
次に、この多方向スイッチ装置101の動作回路について説明する。
図6は、本発明の第1実施形態の多方向スイッチ装置101の回路図である。図7は、本発明の第1実施形態の多方向スイッチ装置101の切換スイッチ99を説明する図であって、切換可動接点69側から見た切換接点部材49の斜視図である。図10は、従来例1のスイッチ装置800の回路図である。また、この多方向スイッチ装置101及び従来例1のスイッチ装置800は、スイッチング動作させる対象物を切り換えるための切換スイッチ及び切換用スイッチ(図8には図示していない)を有しているので、図6及び図10には、切換スイッチ回路も同時に載せている。
【0056】
図1及び図7に示す切換スイッチ99は、スライド操作を行う切換操作部材19と、切換操作部材19を保持した切換ハウジング29と、切換操作部材19のスライド操作に伴ってスライド移動する切換駆動部材39と、切換駆動部材39の移動に伴ってスライド移動し、スイッチング動作するための切換可動接点69を有した切換接点部材49と、切換接点部材49と接離してスイッチング動作する切換固定接点89とから、主に構成されている。
【0057】
また、切換接点部材49は、切換可動接点69を保持した接点基材79と、接点基材79と勘合した切換ケース59とから構成されている。また、切換固定接点89は、プリント配線基板88に形成されており、固定接点8と同一面にあり同じ工程で作製される。また、切換ハウジング29は筐体2と一体で成形されている。また、従来例1にもあった切換可動接点(図8には図示していないが、切換可動接点69aに相当したもの)及び切換可動接点に対応した切換固定接点(図8には図示していないが、切換固定接点89aに相当したもの)に加え、切換可動接点69b及び切換可動接点69bに対応した切換固定接点89bを、新たに設けている。
【0058】
このようなスイッチング動作させる対象物を切り換えるための切換スイッチ99は、例えば、車のドアミラー操作用に適用され、左側(L)のドアミラーと右側(R)のドアミラーの操作を切り換えるために用いられる。
【0059】
図10に示す従来例1のスイッチ装置800の回路図には、3つスイッチ素子806に対応した3つのスイッチSW11,スイッチSW12及びスイッチSW13と、左側(L)と右側(R)を切り換える切換用スイッチに対応したスイッチCW15とが示されている。3つのスイッチSW1,スイッチSW2、スイッチSW3は、OFFポジションになっており、スイッチCW11は、左側(L)のドアミラーの操作側に切り換わっている。
【0060】
従来例1のスイッチ装置800は、例えば、図8に示すN方向に操作部材804が揺動され、スイッチ素子806aがスイッチング動作すると、図10に示すSW11の2点鎖線の動きのように、スイッチSW11がOFFポジションからONポジションになり、出力端子11Pから出力信号としてミラーユニットに出力される。ミラーユニットは、この出力信号を受けて、ミラーのモータを駆動し、左側(L)のドアミラーが上方向になるように動かしている。同様にして、W方向に操作部材804が揺動されスイッチSW11及びSW12がONポジションになり、左側(L)のドアミラーが右方向になるように動く。同様にして、S方向に揺動されスイッチSW12及びSW13がONポジションになり、左側(L)のドアミラーが下方向になるように動き、E方向に揺動されスイッチSW13がONポジションになり、左側(L)のドアミラーが右方向になるように動く。
【0061】
しかしながら、スイッチSW12またはスイッチSW13がOFFポジションからONポジションに切り替わる際、出力端子12L、出力端子12R、出力端子13L及び出力端子13Rからの出力信号が途絶え、ミラーユニットが、図10に示す切換用スイッチに対応したCW15の2点鎖線のように、切換用スイッチがOFFポジションにあると誤判断し、ミラー位置を標準位置に戻してしまう現象も発生しえた。
【0062】
そこで、本発明の第1実施形態の多方向スイッチ装置101は、図6に示すように、スイッチング動作させる対象物を切り換えるための切換スイッチ99に対応したスイッチCWに、ポジション検出用のスイッチを追加した。他の構成は、従来例1のスイッチ装置800と同様で、3つスイッチ素子5に対応した3つのスイッチSW1,スイッチSW2及びスイッチSW3と、スイッチCWとが示されている。
【0063】
ポジション検出用のスイッチは、切換スイッチ99に設けた切換可動接点69bと切換固定接点89bとで、左側(L)と右側(R)とが切り換えられ、図6に示す検出用端子CL、検出用端子CRから、ミラーユニットに出力するようにしている。また、ポジション検出用のスイッチのコモン端子は、グランドにつながれている。
【0064】
ポジション検出用のスイッチを設けたので、左側(L)または右側(R)に切り換えられている際は、常に、検出用端子CLまたは検出用端子CRから信号が出力されている。このため、この出力信号を識別することによって、スイッチSW2またはスイッチSW3の出力端子2L、出力端子2R、出力端子3L及び出力端子3Rからの出力信号が途絶えたとしても、ミラーユニットが、切換スイッチ99がOFFポジションにあると誤判断することがない。この事により、信頼性の高い多方向スイッチ装置101を提供できる。
【0065】
また、ポジション検出用のスイッチは、切換スイッチ99に切換可動接点69bと切換固定接点89bとを新たに設けるだけで構成できるので、簡単な設計変更と部材及び工程の最小限の追加で達成することができる。この事により、低コストで信頼性の高い多方向スイッチ装置101を提供できる。
【0066】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、例えば次のように変形して実施することができ、これらの実施形態も本発明の技術的範囲に属する。
上記実施形態では、切換スイッチ99を一体で設けているが、別体にして構成しても良い。
上記実施形態では、切換スイッチ99を設けて構成したが、切換スイッチ99を設けなくても良い。
上記実施形態では、第1のアクチュエータ13と第4のアクチュエータ43とを一体化するように構成したが、別体にして、それぞれのアクチュエータが、第1のスイッチ素子15をスイッチング動作させるように構成しても良い。
上記実施形態では、操作体1とアクチュエータ3との間に弾性部材7を設けて、弾性部材7を介してアクチュエータ3を押圧するように構成したが、弾性部材7を設けず、操作体1でアクチュエータ3を押圧するように構成しても良い。
【0067】
本発明は上記実施の形態に限定されず、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更することが可能である。
【符号の説明】
【0068】
1 操作体
2 筐体
3 アクチュエータ
13 第1のアクチュエータ
23 第2のアクチュエータ
33 第3のアクチュエータ
43 第4のアクチュエータ
5 スイッチ素子
15 第1のスイッチ素子
25 第2のスイッチ素子
35 第3のスイッチ素子
7 弾性部材
17、17a、17b、17c、17d、17e 弾性部
CN 傾倒中心近傍
D1 第1の傾倒方向
D2 第2の傾倒方向
D3 第3の傾倒方向
D4 第4の傾倒方向
P1 第1の位置
P2 第2の位置
P3 第3の位置
P4 第4の位置
101 多方向スイッチ装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多方向に傾倒自在に動く操作体と、前記操作体を保持した筐体と、前記操作体の傾倒操作に伴って押圧操作されて移動する複数のアクチュエータと、前記アクチュエータの移動に伴ってスイッチング動作する複数のスイッチ素子と、を有した多方向スイッチ装置において、
複数の前記アクチュエータは、第1のアクチュエータ、第2のアクチュエータ、第3のアクチュエータ及び第4のアクチュエータからなり、
複数の前記スイッチ素子は、第1のスイッチ素子、第2のスイッチ素子及び第3のスイッチ素子からなり、
前記操作体を平面視して、前記操作体の傾倒中心近傍を通る第1の傾倒方向と、前記傾倒中心近傍を通り前記第1の傾倒方向と交差した第2の傾倒方向と、前記第1の傾倒方向と反対向きの第3の傾倒方向と、前記第2の傾倒方向と反対向きの第4の傾倒方向と、を有し、
前記操作体にあって、前記第1の傾倒方向にある第1の位置と、前記第2の傾倒方向にある第2の位置と、前記第3の傾倒方向にある第3の位置と、前記第4の傾倒方向にある第4の位置と、を有し、
前記第1のアクチュエータは前記第1の位置に対向するように配置されているとともに前記第1のスイッチ素子をスイッチング動作し、前記第2のアクチュエータは前記第2の位置に対向するように配置されているとともに前記第2のスイッチ素子をスイッチング動作し、前記第3のアクチュエータは前記第3の位置に対向するように配置されているとともに前記第3のスイッチ素子をスイッチング動作し、
前記第4のアクチュエータは、前記第1のスイッチ素子をスイッチング動作するとともに、前記操作体がいずれの方向に傾倒操作されても、前記複数のスイッチ素子のいずれかが、スイッチング動作される位置に配置されることを特徴とする多方向スイッチ装置。
【請求項2】
前記第1のアクチュエータと前記第4のアクチュエータとを、一体化にしたことを特徴とする請求項1に記載の多方向スイッチ装置。
【請求項3】
前記筐体内の前記操作体の周縁にそれぞれ配置され、前記アクチュエータのそれぞれに対応した弾性部を有する弾性部材を有し、前記操作体の傾倒操作に伴って、前記弾性部が挫屈して、前記弾性部が前記アクチュエータを押圧する構成にしたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の多方向スイッチ装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−134041(P2012−134041A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−285956(P2010−285956)
【出願日】平成22年12月22日(2010.12.22)
【出願人】(000010098)アルプス電気株式会社 (4,263)
【Fターム(参考)】