説明

多機能ユニット付ヘルメット

【課題】 ヘルメットに種々の装置を外装することによる問題を解決し、作業者の行動が周囲に束縛されずに、安全に行動でき、また、特定の使用者に限定されずに、必要な使用者が使用できるともに、カメラによる撮影も正確に対象物を捉え、監督者との交信も容易で、作業者の行動を安全に、且つ、効率よく、適切に行えるヘルメットが望まれている。
【解決手段】 ヘルメット本体の少なくとも前頭部の一部に、前記ヘルメットの表裏を透視できる窓部を有するヘルメットが課題の解決に有効である

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮影が可能な多機能ユニットとこれに適したヘルメットと前記多機能ユニットを装着した前記ヘルメットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、建築工事等の作業現場あるいは災害復旧活動などの活動現場などで、それぞれの活動の複雑化、精密化、高度化等で、作業者が必ず着用するヘルメットに種々の機能が要求され、その要望が高まってきている。また、安全作業の目的から、現場作業者がより安全に活動できるようなヘルメットが望まれている。
【0003】
例えば、特許文献1〜3等に記載されているように、カメラをヘルメットに装着させ、その映像を複数の人が監視することによって、作業現場の状態に応じて、適切な行動とか、作業者あるいは救助対象者に安全な方策が取れるように、複数の目で監視し、判断をして適切な処置、行動をとるような試みが行われている。
【0004】
あるいは、作業者と監督者が無線で密な連絡を取り合って、適切な行動をとるようなことが行われていて、更には、映像と音とを利用して、カメラで撮影しながら、その映像を監督者が監視しながら作業者と連絡を取り合って、適切な行動をとるようなことも行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−73910
【特許文献2】特開2004−244745
【特許文献3】特開2006−216137
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の種々の機能を付加したヘルメットでは、満足しうる環境が得られていないのが実情である。例えば、カメラ(撮影装置)をヘルメットに外装する方式は、ヘルメットから突出したカメラが作業者の活動中に、周囲のものと接触して、周囲を傷つける、カメラを損傷する等の問題があり、且つ、作業者の安全性も充分ではない課題があった。また、ヘルメット外の電気的配線が複雑で、周囲との接触が増え事故の原因となっていた。
【0007】
更には、前記カメラの装着位置の関係で対象物を正確に捉えることが難しく、結果として、作業者の周囲の環境を正確に捉えられないたために、より適切な活動ができないあるいは作業者の危険回避が充分ではないといった問題があった。
【0008】
あるいは、各種機能を個々のヘルメットに内装させて、ヘルメットに装着される装置の突出を抑え、より安全に配慮したものも考えられているが、すべてのヘルメットに装着するのは費用がかかり、困難であり、特定のヘルメットに装着すると、ヘルメットの個人適合性から、限られた人の使用に限定される。
【0009】
ヘルメットに種々の装置を外装することによる問題を解決し、作業者の行動が周囲に束縛されずに、安全に行動でき、また、特定の使用者に限定されずに、必要な使用者が使えるとともに、カメラによる撮影も正確に対象物を捉えられ、監督者との交信も容易で、作業者の行動を安全に、且つ、効率よく、適切に行えるヘルメットが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、請求項1に記載したように、ヘルメット本体の少なくとも前頭部の一部に、前記ヘルメットの表裏を透視できる窓部を有することを特徴とするヘルメットが上記課題の解決に有用であることを見出したものである。前記ヘルメットは、請求項2の例のように、ヘルメット本体の前頭部から二つの横部にかけて、前記ヘルメット本体の周端から特定の距離をおいて、上方から見たときU字型になるような溝部を設け、前記前頭部の少なくとも前記溝部の下側に前記ヘルメット裏側を透視できる透明窓部を有するヘルメットが好ましく、前記ヘルメットは、請求項3のように、前記前頭部から延設された鍔部を有し、前記透明窓が前記鍔部にも延設されている請求項2記載のヘルメットが更に好ましく、請求項4において、前記ヘルメット本体の前記溝部に係合する平面U字型のユニットとの係合を確実にする係合手段を少なくとも前記ヘルメット本体の前記横部と前記ユニットの前記横部に係合する対応部とに有する請求項3に記載のヘルメットを開示している。
【0011】
また、請求項5において、前記ユニットは、メモリー手段を着脱自在にする着脱口を前記ヘルメットの前記横部に係合する前記ユニットの部分の底部に有していて、前記部分の底部に少なくとも二つの外部端子も有し、前記外部端子および前記着脱口に電気部品の着脱を可能にするスペースをヘルメット本体に設けるとともに、前記底面に対応する部分のヘルメット本体に封鎖部を有することを特徴とする請求項4に記載のヘルメットを用いることが望ましいことを開示している。
【0012】
請求項6においては、前記鍔部先端付近にスポーツファインダーを着脱自在に装着する装着部と有し、前記スポーツファインダーは、前記ユニットが前記前頭部対応位置にカメラを有し前方を撮影可能なときに撮影範囲を示すものである請求項5に記載のヘルメット、および。請求項7で、前記スポーツファインダーは、折りたたみ可能である請求項6記載のヘルメットを開示している。
【0013】
このようなヘルメットを用い、前記溝部に係合する多機能ユニットを装着した多機能ユニット付ヘルメットは、好ましく用いられ、請求項8においてヘルメット本体の前頭部から二つの横部にかけて、前記ヘルメット本体の周端から特定の距離をおいて、上方から見たときU字型になるような溝部を設け、前記前頭部の少なくとも前記溝部の下側に前記ヘルメット裏側を透視できる透明窓部を有し、前記ヘルメットは前記前頭部から延設された鍔部を有していて、前記透明窓が前記鍔部にも延設されているヘルメットの前記溝部に係合させた場合に、前記ヘルメット本体の外面から大きく突出しないで前記溝部に係合する平面U字型のユニットであって、前記溝部と前記ユニットの係合を確実にする係合手段を少なくとも前記ヘルメット本体の前記横部と前記ユニットの前記横部に係合する対応部とに有する多機能ユニットを、前記溝部に係合させた多機能ユニット付ヘルメットを開示している。
【0014】
請求項9において、前記ユニットは、中空であり、前記中空部に少なくとも電気配線を有する請求項8に記載の多機能ユニット付ヘルメット、請求項10で、前記ユニットの前記前頭部に係合する部分に前記前頭部前方を撮影するためのカメラを有し、前記カメラからの信号を前記電気配線で前記横部に係合する前記ユニットの部分の少なくとも一方に設けられた出力端子に供給されるように構成した請求項9に記載の多機能ユニット付ヘルメット、請求項11で、前記中空部に外部からの電波を受信するための受信回路を収納し、前記受信回路からの出力を前記ユニット外に取り出せるアウトプット端子を前記横部に係合する前記ユニットの部分の少なくとも一方に設けた請求項9または10に記載の多機能ユニット付ヘルメットを開示している。
【0015】
請求項12では、前記出力が音声出力である請求項11に記載の多機能ユニット付ヘルメット、請求項13で、前記中空部に、送信回路を配設した請求項10乃至12のいずれかに記載の多機能ユニット付ヘルメット、請求項14で、前記ユニットの前記カメラの近傍に、マイクロフォンを有する請求項10乃至11のいずれかに記載の多機能ユニット付ヘルメットを開示している。
【0016】
請求項15において、前記中空部に、前記カメラ、前記受信回路および/または前記送信回路を駆動する電源を有し、前記電気配線でそれぞれに電気的に接続されている請求項10乃至14のいずれかに記載の多機能ユニット付ヘルメット、請求項16で、前記中空部に、前記カメラおよび/または前記マイクロフォンからの出力を記録するための記録回路を有する請求項14に記載の多機能ユニット付ヘルメット、そして、請求項17で、前記ヘルメット本体の前記横部の少なくとも一方に前記カメラで撮影された画像情報と前記マイクロフォンで採音された音声入力とを記録するための外部の記録装置に出力するための録画・録音端子を有する請求項14乃至16のいずれかに記載の多機能ユニット付ヘルメットを開示している。
【0017】
また、請求項18で、前記カメラおよび/または前記マイクロフォンからの出力を記録するメモリーを着脱自在にする着脱口を有する請求項14乃至17のいずれかに記載の多機能ユニット付ヘルメット、請求項19で、前記電源が充電可能な電源であって、前記電源に電気的に接続された充電のための充電端子を、前記電源を有する前記横部に係合する前記ユニットの部分に有することを特徴とする請求項15に記載の多機能ユニット付ヘルメット、そして、請求項20で、前記ユニットの前記カメラ近傍で、前頭部前方方向の表面に撮影対象物を示すレーザービームポインターを有し、前記表面および/または底面に撮影状態を表示するLEDランプを有する請求項9乃至18のいずれかに記載の多機能ユニット付ヘルメットを開示している。
【0018】
請求項21で、前記ユニットは、左右の重量バランスがほぼ取れているように構成されたものである請求項8乃至20のいずれかに記載多機能ユニット付ヘルメット、請求項22で、前記ユニットは、前頭部に係合する部分が、前記横部のいずれよりも軽く構成されたものである請求項21に記載の多機能ユニット付ヘルメットを開示している。
【0019】
請求項23では、少なくとも前記ユニットの前記前頭部に係合する部分の底面で、前記カメラの近傍に電源のオン・オフを表示するLEDと、前記LEDと同一あるいは異なり、前記カメラの撮影状態を表示するLEDを配設し、前記ヘルメットの装着者が前記透明窓を通して前記表示を見られるように構成した請求項7に記載の多機能ユニット付ヘルメット、請求項24で、前記鍔部先端付近にスポーツファインダーを着脱自在に装着する装着部を有し、前記スポーツファインダーは、前記ユニットの前記カメラの撮影範囲を示すものである請求項9に記載の多機能ユニット付ヘルメットをそして、請求項25で、前記スポーツファインダーは、折りたたみ可能である請求項24に記載の多機能ユニット付ヘルメットを開示している。
【0020】
また、前記各請求項記載のヘルメットまたは、これら多機能ユニット付ヘルメットに用いられる多機能ユニットとして、請求項26において、ヘルメット本体の前頭部から二つの横部にかけて、前記ヘルメット本体の周端から特定の距離をおいて、上方から見たときU字型になるような溝部を設け、前記前頭部の少なくとも前記溝部の下側に前記ヘルメット裏側を透視できる透明窓部を有するヘルメットの前記溝部に係合させた場合に、前記ヘルメット本体の外面から大きく突出しないで前記溝部に係合するU字型ユニットであって、前記溝と前記ユニットの係合を確実にする係合手段を少なくとも前記ヘルメット本体の前記横部と前記ユニットの対応部とに有するヘルメット用多機能ユニットについて記載した。
【0021】
請求項27で、前記ユニットは、中空であり、前記中空部に少なくとも電気配線を有し、前記ユニットの前記前頭部に係合する部分に前記前頭部前方を撮影するためのカメラを有し、前記カメラからの信号は前記電気配線で送信回路および/または記録回路に接続されるように構成された請求項25に記載のヘルメット用多機能ユニット、また、請求項28で、前記中空部に、前記カメラ、前記送信回路および/または前記記録回路を駆動する電源を有し、前記電気配線でそれぞれに電気的に接続されている請求項27に記載のヘルメット用多機能ユニットを開示した。
【0022】
請求項29において、前記電源は、取り外し可能であって、前記ユニット外から取替え可能であって、前記電源に代えて、外部電源からの電源供給を可能にする電源端子を、前記ヘルメット本体の前記横部に係合する前記ユニットの部分に設けた請求項28に記載のヘルメット用多機能ユニット、請求項30で、前記電源が充電可能な電源であって、前記ヘルメット本体の前記横部に係合する前記ユニットの部分に、前記電源に電気的に接続された充電端子を有する請求項28に記載のヘルメット用多機能ユニットが記載されいる。
【0023】
請求項31で、前記ユニットのカメラ近傍で、カメラの撮影窓側の表面に撮影対象物をポイントするレーザーポインタを配設し、前記表面および/または底部に撮影状態を表示するLEDランプを設けた請求項28乃至30のいずれかに記載のヘルメット用多機能ユニット、請求項32で、前記カメラ近傍にマイクロフォンを有し、音声出力が前記送信回路および/または前記記録回路に電気的に接続されている請求項31に記載のヘルメット用多機能ユニット、そして、請求項33において、前記送信回路および/または前記記録回路から外部メモリーに接続するための前記外部メモリーを受け入れる着脱口を、前記横部に係合する前記ユニットの部分に設けた請求項3 2に記載のヘルメット用多機能ユニットが開示されている。
【0024】
請求項34では、前記空間に、外部からの電波を受信する受信回路を有し、前記受信回路および/または前記送信回路または前記記録回路からの音声出力を外部に伝える音声端子を有する請求項33に記載のヘルメット用多機能ユニット、請求項35で、前記横部に係合する前記ユニットの部分の底面に、少なくとも前記着脱口、前記充電端子および前記音声端子を有する請求項34に記載のヘルメット用多機能ユニットまた、請求項36で、前記横部に係合する前記ユニットの少なくとも一方の部分に、カメラの起動と停止を制御する制御回路に電気的に接続された制御スイッチを有し、前記レーザービームポインターの近傍に前記レーザービームポインターのオンオフスィッチを有する請求項31乃至35のいずれかに記載のヘルメット用多機能ユニットを記載した。
【0025】
請求項37において、前記制御スイッチを一定時間以下の場合は、スチールカメラとして前記カメラを作動させ、前記一定時間以上の場合は、ムービーカメラとして前記カメラを作動させる請求項36に記載のヘルメット用多機能ユニット、請求項38で、前記電源のオン・オフを含み前記カメラの作動状況を前記LEDランプの点灯、点滅および/または色で表示するように構成した請求項37記載のヘルメット用多機能ユニットが好ましいものとして開示されている。
【発明の効果】
【0026】
本発明は、以上のように構成されるので、必要量の前記多機能ユニットを用意しておき、各自、前記ヘルメットをもっていれば、必要な人が、前記多機能ユニットを前記溝部に係合させて使用すればよいので、各自のヘルメット本体を、各自が交換することなく、そのまま使用できるので、ヘルメット本体への個人適合性が保たれ、保安上、保健上、好ましく、作業員に歓迎されるものである。更に、前記多機能ユニットは、ヘルメット全体を覆う形状でなく、U字型で、切り欠き部を有するので、多少の変形が可能なため、ヘルメットの大きさに限定されずに交換できる特徴も有している。
【0027】
また、前記多機能ユニットの着脱も容易であって、係合も確実であるので、使用時に脱着することなく、確実に使用目的を達成できる。前記多機能ユニットを装着した作業員は、前記カメラにより、現場の映像を監督者等の必要な箇所に送信できるとともに、監督者等との交信も確実に行え、これらを、ヘルメットからの突起をなくしてできるので、活動が安全に自由に行える利点も有する。
【0028】
また、現場で、別の作業員と多機能ユニットを交換する、あるいは、所有していない作業員に使用中の多機能ユニットを脱着して装着させることも簡単に行える特長も有する。したがって、従来に加えて、その使用の機能性が向上するものである。さらに、作業員は、前記透明窓を通して、前記多機能ユニットの使用状況(例えば、電源状況、撮影中、録音中等)の情報把握が容易にできる。
【0029】
更に、本発明にかかるヘルメットは、各種安全基準への適応性にすぐれ、きわめてその安全性が高いのみでなく、多機能ユニットのバランスがとれるように構成できるので、その装着感にも優れ、自由な活動ができる利点を有する。
【0030】
本発明に用いる前記スポーツファインダーと前記レーザービームポインターの組み合わせは、本発明に限らず、カメラを装着するヘルメットで、対象物を撮影する場合、撮影する対象物の位置と、範囲の両方を簡単に決められるので、撮影者の自由度を損ねないで、その活動を活発にできる利点を有し、本発明に用いた場合、前記効果と相俟って、正確な活動をすることができる。尚、前記スポーツファインダーは、他のヘルメットと組み合わせて使用しても、目先の枠に目の焦点を合わせる必要は無く、大体の枠を感じながら、前記対象物に注力できるために、危険回避等の点で有利である。前記使用方法、前記組み合わせの方法は、本発明で説明する方法、手段が用いられる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の1実施例に係るヘルメットの左斜視概念図である。
【図2】図1のヘルメットの右斜視概念図である。
【図3】本発明の1実施例に係る多機能ユニットの斜視概念図である。
【図4】図3の多機能ユニットを底面からみた概念図である。
【図5】図1のヘルメットに図3の多機能ユニットを装着したときの正面概念図である。
【図6】図5の多機能ユニット付ヘルメットの左側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明を更に具体的に説明する。まず、本発明の前記ヘルメットは、本体を通常のヘルメット素材で構成し、前記窓部分を空間とするか、好ましくは、部分的に透明体で構成することもできるが、透明体で構成する場合には、例えば、前記ヘルメット本体全体を、前記窓部分を除き、鍔部分を含めて構成し、後に透明樹脂をはめ込む形で構成することもできる。例えば、一般的に用いられるポリカーボネート樹脂でヘルメットを成形するときに、前記透明体の部分をアクリル樹脂でインサート成形することにより、形成できる。勿論、前記ヘルメット本体を形成するときに、前記溝部が形成されるような金型を用いる。前記溝部は、前記ヘルメット本体の周端から一定の距離以上離れるように構成することが電気的な安全上大切である。
【0033】
前記溝部はあるいは本発明で用いるU字型とは、平面形状で少なくとも一部がU字型になるように構成され、基本的側面形状として、端部は幅広にすることが各種機能を内蔵するのに都合がよく、前記前頭部は浅く、前記横部は深く構成することが好ましい。前記多機能ユニットを上方からはめ込む形式の場合は、前記多機能ユニットと前記ヘルメット本体とで、ヘルメットを構成するようにできるので、前記溝部上方は、前記U字形全体に亙って、深さをなくし、前記多機能ユニットの上方がヘルメット表面を形成するように構成できる。しかし、前記溝部の底部は、前記ヘルメットの全体構成から浅い部分で5ミリメートルレベル以上が、強度の点で好ましい。前記形状は、目的に応じて、多少の変更がありうる。前記溝部は、前記ヘルメットを装着したときに耳の上あるいは、耳位置の前後になるようにすることができるが、耳の真上、あるいは少し後ろが安定した装着感上好ましい。
【0034】
前記溝部に係合される前記多機能ユニットの本体は、前記溝部に係合する形状(形、厚み等)をしていて、軽量化および種々の機能を内蔵させるために、好ましくは、中空であり、前記ヘルメット本体から、大きく飛び出した部分を形成しないようになっている。好ましくは、突起物を有する場合、5ミリメートル以下の突出に抑えるように構成される。前記多機能ユニットの素材は、前記ヘルメット本体と同一の素材、あるいは異なる素材を用いることができるが、強度の観点で、同一素材が望ましい。例えば、ポリカーボネートで、成型される。前記多機能ユニットの内部に配置された電源等の取り出し口の蓋部分の素材も同一のものが好ましい。
【0035】
前記溝部と前記多機能ユニットの係合を確実にするための係合手段としては、種々の係合手段が使える。例えば、ばねのような弾性部材で、外側に付勢された凸部が前記溝部に形成された凹部に係合するようにしておき、前記多機能ユニットが前記溝部にはめ込まれるときに前記ノッチが前記多機能ユニット内に押し込まれた後に、前記凹部に係合するように構成することもできる。前記多機能ユニットの取り外しも、公知の手段で、前記凸部を外部から前記凹部から外れるように前記多機能ユニット内に押し込むようにして、はずすことができるように構成する。前記凸部を球面にしておくと、簡単な構成で、球面の出入りで前記凹部に係合、着脱が或る力でできるようになる。
【0036】
また、例えば、前記多機能ユニットのU字型の両端部の距離を、前記溝部の両端部の距離よりも短くして、或る力で、前記溝部に前記前頭部側から前記多機能ユニットを挿入する方式を採用して、前記多機能ユニットの変形を利用して、前記溝部の両端部を前記多機能ユニットの両端部で、強固にはさみつけることもできる。このときの前記多機能ユニットの前記ヘルメットからの取り出しは、或る力をかけて、前記前頭部に側に引き出すことになる。簡単な構造で、係合手段が構成される。この場合、好ましくは、前記多機能ユニットと前記溝部は、下側で前記U字型が狭くなるように少し傾斜をつけると係合がより確実になる。いずれの前記係合手段も少なくとも前記横部に設けることが係合を確実にするために好ましい。
【0037】
前記多機能ユニットは、内部に種々の機能を内蔵することが可能で、例えば、受信回路および/または送信回路を内蔵させ、更に電源を内蔵させることができる。好ましくは、一方の端部に電源を内蔵させ、他方の端部に各回路を内蔵させ、左右のバランスを保つようにする。前記受信回路および/または送信回路で、離れた位置の監督者あるいは仲間の作業者との交信が可能となる。例えば、現在使用されている携帯電話の回路をそのまま用いることも可能である。
【0038】
前記受信回路で受信した信号あるいは音声を聞くときには、前記多機能ユニットに小型のスピーカーを内蔵させることができるが、好ましくは、イヤホーンで聞けるように音声用出力端子を有している。前記音声用外部端子は、前記受信回路の近く、すなわち、前記多機能ユニットの端部に位置させることが好ましい。また、送信の場合は、後述するように前記前頭部付近にマイクロフォンを配置させることが好ましい。
【0039】
前記電源は、一次電池、二次電池等が用いられるが、これら電池の入れ替えが可能なように、電源蓋を前記多機能ユニットに設けておき、前記電源取り出し口とすることができる。更に、外部電源からの電源供給あるいは充電可能なように、電源に電気的に接続される電源端子を前記多機能ユニットの前記電源の近くに設けておくことが好ましい。
【0040】
前記電源から、前記受信回路、前記送信回路等への電力供給は、前記多機能ユニット内の配線で行う。また、各端子への電気的接続も前記多機能ユニット内の配線で行う。
【0041】
前記多機能ユニットは、好ましくは、更にカメラを内蔵する。前記前頭部に相当する部分の中央に撮影レンズを配置し、内部にCCDあるいはC−MOSのような感光素子を配置し、各機能のドライバー等を近くに配置することができる。前記電源は、前記ドライバーへの電力供給も行うことが好ましい。前記撮影レンズは、好ましくは、標準の撮影用、あるいは、目的に応じて、広角レンズ場合によって、魚眼レンズを用いて、広範囲な撮影を行うことも、または、ズームレンズを用いることも好ましい。前記カメラは、固定焦点型、自動焦点型を目的に応じて用いるが、好ましくは、自動焦点型で、自動露出制御型のものが用いられる。
【0042】
前記カメラからの映像は、例えば、前記多機能ユニット内の配線で前記送信回路に供給され、離れた距離にいる監督者等に送信される。前記監督者等は、送られてきた映像を行動者とともに観察し、前記受信回路と前記送信回路とを利用して、前記行動者と交信をしながら、正確な行動を前記行動者が行えるようにする。
【0043】
前記マイクロフォンは、現場の音を伝え、且つ、前記行動者の音声を伝えるために、前記カメラの近くに配置されるのが好ましい。例えば、前記撮影レンズの近くに小型のマイクロフォンが配置され、前記多機能ユニット内の電気的配線で、前記送信回路に結合されている。あるいは、前記マイクロフォンは、別体として構成し、使用者の口元近くに放送に使用されるような補助具で設置できるようにして、前記ユニットあるいは前記ヘルメットに保持されるように設けることもできる。この場合は、前記行動者の音声を周囲と区別してはっきり聞き取れる効果があり、周囲雑音が多い環境では、有利である。
【0044】
また、前記カメラの近傍には、前記カメラの働いている機能を表示するLED等の表示手段を配置させられる。前記表示手段は、好ましくは、前記多機能ユニットの底部に設けられ、前記ヘルメットの前記透明部分を通して、前記ヘルメットの装着者の視野に入るように構成されるのが望ましい。前記装着者は、作業中あるいは行動中に撮影の状態を簡単に把握できる。また、電源状態、例えば、電源に充分な電力があるかあるいはいずれかの機能が作動中であるかの表示手段(例えばLEDで、前記カメラの作動表示用のLEDと異なる色のものが好ましいが)を前記カメラ用の表示手段の近くで、前記透明窓部を通して前記装着者に見えるように配置せしめることが望ましい。
【0045】
前記それぞれのLEDは、点滅、点滅時間、点灯、あるいは、複数個用いて、色を変化させる等の方法、あるいは、これらの組み合わせで、それぞれの作動状態を簡単に区別できるようにすることが好ましい。
【0046】
前記カメラは、いわゆるスチールカメラとして作動もし、ムービーカメラとしても作動するように構成することが好ましく、撮影者の意思により、選択可能にすることが望ましい。例えば、前記多機能ユニットの前記撮影レンズの近くで、前記ヘルメットの前記鍔部の邪魔にならない位置に、前記カメラのシャッターボタンを設け、あるいは、前記横部にシャッターを設けることができ、例えば、前記シャッターを押す時間で、動作を制御し、前記シャッターを短く瞬間的に押した場合に、スチール映像を撮影し、長く押していると、ムービー撮影が開始されるように構成し、前記カメラのドライバー回路にシャッターボタンの押圧時間の長短による制御回路を設けておくことが好ましい。
【0047】
前記カメラによる撮影を確実に行うために、前記したように、いわゆるスポーツファインダーとレーザービームポインターを併用することが好ましい。望ましくは、前記スポーツファインダーは、前記ヘルメットの前記鍔部に取り外し可能に装着でき、折りたたみ式で、常時は、前記鍔部の面に平行に置かれ、使用時に立てて、少なくとも片方の目が対象物を見たときに前記対象物と目の間に位置するように構成する。一方、前記レーザービームポインターは、前記多機能ユニットに配置され、前記カメラの近傍に設けられ、電力は、前記電源から前記多機能ユニット内の配線を利用して、供給されるように構成されることが好ましい。
【0048】
前記レーザービームポインターのスイッチは、前記多機能ユニットに設けられ、好ましくは、前記ヘルメットの前記鍔部が邪魔にならない位置で押しやすいところに配置される。このようにして、撮影に当たって、前記レーザービームポインターで、撮影中心を知り、前記スポーツファインターで撮影範囲を知ることができるので、正確な撮影が可能になる。
【0049】
本発明において、スポーツファインダーとは、簡単なファインダーであって、少なくとも画枠がわかるもので、例えば、カメラ等の撮影装置の画面と比例する長方形枠体、あるいは、透明版に前記比例関係の長方形の画枠が印刷されたものとか前記長方形の角のみを印刷したもの、場合によっては、これらと組み合わせてあるいは単独で、中心部に十字マークを有することができ、直接に目の前に置かれて、光学的な手段を用いずに直接に前記画枠および/または前記十字を目でみられるようになっているものである。前記十字マークと前記レーザービームポインターの指示位置とを可及的に合致させるように構成される。好ましくは、前記スポーツファインダーは、角を取って丸みをもった透明版に直接に前記画枠および/または前記十字を直接に印刷したもの、あるいは、これらが印刷された透明シートを貼付したものが用いられる。
【0050】
前記透明版あるいは前記枠体は、例えば、数センチメートル角以内のものであって、数センチメートル角ぐらいの基盤に堅めの蝶番で結合され、前記基盤が前記鍔部の切り込みに挿入できるように構成されている。あるいは、前記鍔部に面に平行に基盤挿入部が構成される。そして、平常時は、前記鍔部に前記透明版が面接触するように折りたたまれていて、使用時に前記透明板が適切な位置に立起されるようになっているものが好ましい。
【0051】
前記多機能ユニットは、更に、記憶手段を内蔵することもできる。前記記憶手段で、前記映像および/または前記音声を記憶するように構成することもできる。前記記憶手段としては、前記受信回路および/または送信回路に電気的に接続されたメモリーで、前記メモリーは、内蔵および/または取り外し可能に前記多機能ユニットに装着することもできる。および/または、前記メモリーは外部に用意して、メモリー用端子を前記多機能ユニットに設けることもできる。内部用あるいは装着用のメモリーとしては、フラッシュカード、メモリースティック、USBメモリー等の公知のものが用いられる。
【0052】
前記したような外部に用意されるメモリーとしては、ハードディスクタイプ、DVD等の知られている記憶容量の大きいものが好ましい。また、各種のメモリーの併用も可能であることも好ましく、このメモリーを含む記憶装置は、更に、送信装置を有していてもよく、前記多機能ユニットの前記送信回路よりも出力が大きいものが用いられ、監督者等との距離が遠くても交信可能とするので、場合によっては望ましい。前記記憶装置は、更に受信装置も有するものであってもよく、前記多機能ユニットの受信回路よりも強力なものが用いられるので、前記遠距離交信をより好ましいものにすることができる。
【0053】
前記記憶装置と前記多機能ユニットとは、前記したように、有線で、電気的な結合がされることもあるが、前記受信回路および/または前記送信回路の無線の中継器とすることも可能で、この場合は、前記記憶装置と前記多機能ユニット間の結線は不要となる。また、前記記憶装置は、更に、電源を有しているため、前記多機能ユニットの前記電源端子に結合して、外部電源としても使用できる。
【0054】
また、前記記憶装置は、液晶等のディプレイ装置を有することもでき、多機能ユニット付ヘルメットの装着者が、撮影した画像を確認するために利用することも可能にしたものが好ましい。前記装着者が、別の受信機、送信機、ディスプレイ装置、記憶装置等を用意して注視している監督者等との交信で、画像を確認しながら、交信できるので、より確実な活動ができるようになる。
【0055】
前記多機能ユニットは、前記電源端子、前記音声出力端子および/または前記メモリー用端子等の各種端子、もしくは、メモリー素子を着脱するための着脱口を有することがあるが、前記多機能ユニットの端部近辺の底部に設けることが好ましい。この場合、前記ヘルメットは、前記各種端子へのプラグ等の装着および前記メモリー素子の着脱が上下運動で行えるように、前記多機能ユニットの下方にスペースを有していて、前記スペース下方に壁(封鎖部)を設けることが電気的な安全上の観点で望ましい。
【0056】
また、同様の安全上の観点から、前記溝部は、前記ヘルメット本体の終端から、数センチメートル以上はなれた(好ましくは3センチメートル以上)距離をもって、設けることが望ましい。
【0057】
前記多機能ユニットには、種々の機能が内蔵されるが、左右の重量のバランスが大きく崩れないように、前記種々の機能を配置させることが重要で、また、好ましくは、前記前頭部は、可及的に軽く、前記横部のいずれよりも軽く構成した方が、安定した装着感で安全な行動ができるようになる。
【実施例】
【0058】
以下、本発明の実施例を図面を用いて、更に具体的に説明するが、これは、例であって、これに限定されるものではなく、前記した内容で、種々応用ができるものである。
【0059】
図1は、本発明の1実施例に係るヘルメットの左斜視概念図である。また、図2は、図1のヘルメットの右斜視概念図である。1は、ポリカーボネート樹脂で成型されたヘルメットで、溝部2が形成されている。前記溝部は、上方で深さがなく、下方で深さを有するように形成されている。前記溝部の下方は、ヘルメットの周端から3センチメートル以上離して構成している。前記ヘルメットの前頭部に鍔部3を有し、前記前頭部の溝部2の底面に透明窓4が形成されている。前記透明部は、溝部2から鍔部3に延設されている。
【0060】
5は、多機能ユニット(後述)と溝部2との係合手段であって、凹部が形成されている。前記多機能ユニットに設けられた凸部(後述)と係合するように構成されている。6、7および8は、前記多機能ユニットに設けられた各種端子およびメモリー着脱口の下に設けられた着脱・挿入のためのスペースであり、それぞれ、壁(封鎖部)9、10および11を有していて、内部あるいは裏側と遮断されたスペースを作っている。
【0061】
12は、ヘルメット1の装着を確実にするためのベルトである。装着者は、ヘルメット1をベルト12で確実に装着したときに、透明窓4を通して上が見えるようになっている。ヘルメット1は、このままで、ヘルメットとして使用できるが、後述する多機能ユニットも装着できる利点を有している。好ましくは、図1および2に、図示はされていないが、溝部2の底部に凹部5と同様の凹部を設け、前記多機能ユニットに係合する凸部を、凹部5とこれに係合する凹部と同様な関係で、設けると、前記多機能ユニットは、より確実、堅固に前記ヘルメットに固定される。前記同様の凹部の設けられる位置は、例えば、凹部5と前記前頭部との中間に設けられる。
【0062】
図3は、図1および2のヘルメット1 の溝部2に係合する多機能ユニットの1実施例の右斜視概念図であり、図4は、前記実施例の底面から見た概念図である。21は、前記ポリカーボネート樹脂で成型された多機能ユニット本体で、前記係合手段として凸部22が設けられていて、図1および2の凹部に係合し、ユニット本体は、図1および2の溝部2にしっかりと係合するような形状になっている。
【0063】
23は、前記多機能ユニット内に収納されたカメラの対物レンズであり、シャッターボタン24で、スチールカメラとしても、モービーカメラとしても、機能するようになっている。例えば、シャッターボタン24の通常の押圧で、スチールカメラの撮影が行われ、5秒間等の長い連続した押圧で、ムービーカメラとして機能するようになっていて、この制御回路は、図示されていないが、前記多機能ユニットの内部に配置されている。
【0064】
25は、パワースイッチで、近くに内蔵される電池等の内部電源のスィッチをオン・オフする。オンの場合、LED26が点灯する。また、電源の電圧が低下したときに、このLED26は点滅して、電源の電池交換あるいは充電を促すようになっている。この点滅の長さで、緊急性を表示することもできる。27は、電源の外部電源端子で、充電あるいは外部電源から電力を供給できるようになっている。外部電源端子27へのプラグ等の装着は、図1のスペース6で行われる。前記内部電源の取り出し口も図示されていないが、前記外部電源端子がある近くの側面にある蓋を開けて、内部電源交換が行えるように構成されている。
【0065】
また、前記内部電源から、各回路、前記カメラ等に前記多機能ユニット内の配線で、電気的に接続されている。同様に、前記カメラ、前記制御回路および前記シャッターボタンも内部の配線で、接続されていて、この接続は、LED28にも行われていて、ムービー撮影をしているときは、点滅しているように構成されていて、スチール撮影の場合は、瞬時の点灯で知らせる。異常時は、点灯で表示するようになっている。
【0066】
29は、出力端子あるいはアウトプット端子であって、近くに配置された内蔵の受信回路(図示されず)の外部への出力端子である。例えば、イヤホーンジャックを挿入するとイヤホーンで、無線で前記受信回路に送信された内容を知ることができるように構成されている。送信回路も前記受信回路の近くに内蔵されていて図示されてはいない。前記カメラの映像情報とマイクロフォン3 0の音声情報は、前記送信回路で、無線で送信されるあるいはメモリー素子用スロット3 1 にフラッシュメモリー等が挿入されたときに、映像および/または音声を記録できるように構成されている。
【0067】
パワースイッチ25は、通常の押圧で、電源のスイッチのオン・オフをするが、長時間の押圧例えば数秒押圧すると、前記受信回路と前記送信回路を作動させるように構成することもできる。出力端子29およびスロット31は、図2のスペース11と10にそれぞれ対応していて、前記スペースで端子等の装着が行えるようになっている。
【0068】
32は、レーザービームポインターで、スィッチ33で、オン・オフができるようになっていて、オンのときに前記カメラの撮影対象をポイントとするように配置されている。34は、前記受信回路と前記送信回路の作動状態を表示するもので、点滅が送信状態で、点灯が受信状態を表示し、作動中であることと、どのような作動状態であるかわかるようになっている。
【0069】
LED26、28および34は、前記多機能ユニットが図1および図2のヘルメット1に装着されたときに、それらの光を図1および2の透明窓4を介してヘルメット装着者の目に入るようになっている。各LEDは、それぞれ、赤、緑、白などの異なる色で発光するようになっている。
【0070】
図5および6は、図3および4の前記多機能ユニットを図1および2の前記ヘルメットに装着したときの概念図で、ヘルメット本体1に多機能ユニット21が装着された状態である。図5は、正面概念図、図6は側面概念図である。図の番号は、それぞれの図の番号に対応している。23は、カメラの対象レンズ、32は、レーザービームポインター、30は、マイクロフォン、24は、シャッターボタン、7および8は、スペース、3は鍔部、12は、ベルトである。
【0071】
図5および6は、前記ヘルメットの前記鍔部に更にスポーツファインターを装着している。41は、透明板で、画枠マーク42と中心マーク43を有していて、片方の目と対象物との間に位置するように支持部44で配置されるようになっている。支持部44は、鍔部3に着脱可能に取り付けられ、支持部44と透明版41および鍔部3とは、折りたたみ可能になっていて、通常時は、鍔部3の底面に沿って収納される。また、中心マーク43の指示とレーザービームポインター32の指示は一致するように調整されている。
【産業上の利用可能性】
【0072】
本発明は、以上のように構成されるから、複数の前記ヘルメットに対して、ひとつの前記多機能ユニットを簡単に装着できるので、個人性のあるヘルメットの各個人の所有ができることになり、最小限の多機能ユニットを活用できて、経済的であると同時に、安全性が向上する等の種々の効果を有するものである。
【符号の説明】
【0073】
1 ヘルメット本体
2 溝部
3 鍔部
4 透明窓
5 係合部
6 スペース
9 壁(封鎖部)
21 多機能ユニット本体
22 係合部
23 カメラの対象レンズ
24 シャッターボタン
25 パワースイッチ
26 LED
27 外部電源端子
29 出力端子
30 マイクロフォン
31 メモリー素子用スロット
32 レーザービームポインター
41 透明板
42 画枠マーク
43 中心マーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘルメット本体の少なくとも前頭部の一部に、前記ヘルメットの表裏を透視できる窓部を有することを特徴とするヘルメット。
【請求項2】
ヘルメット本体の前頭部から二つの横部にかけて、前記ヘルメット本体の周端から特定の距離をおいて、上方から見たときU字型になるような溝部を設け、前記前頭部の少なくとも前記溝部の下側に前記ヘルメット裏側を透視できる透明窓部を有することを特徴とするヘルメット。
【請求項3】
前記ヘルメットは、前記前頭部から延設された鍔部を有し、前記透明窓が前記鍔部にも延設されていることを特徴とする請求項2記載のヘルメット。
【請求項4】
前記ヘルメット本体の前記溝部に係合する平面U字型のユニットとの係合を確実にする係合手段を少なくとも前記ヘルメット本体の前記横部と前記ユニットの前記横部に係合する対応部とに有することを特徴とする請求項3に記載のヘルメット。
【請求項5】
前記ユニットは、メモリー手段を着脱自在にする着脱口を前記ヘルメットの前記横部に係合する前記ユニットの部分の底部に有していて、前記部分の底部に少なくとも二つの外部端子も有し、前記外部端子および前記着脱口に電気部品の着脱を可能にするスペースをヘルメット本体に設けるとともに、前記底面に対応する部分のヘルメット本体に封鎖部を有することを特徴とする請求項4に記載のヘルメット。
【請求項6】
前記鍔部先端付近にスポーツファインダーを着脱自在に装着する装着部と有し、前記スポーツファインダーは、前記ユニットが前記前頭部対応位置にカメラを有し前方を撮影可能なときに撮影範囲を示すものであることを特徴とする請求項5に記載のヘルメット。
【請求項7】
前記スポーツファインダーは、折りたたみ可能であることを特徴とする請求項6記載のヘルメット。
【請求項8】
ヘルメット本体の前頭部から二つの横部にかけて、前記ヘルメット本体の周端から特定の距離をおいて、上方から見たときU字型になるような溝部を設け、前記前頭部の少なくとも前記溝部の下側に前記ヘルメット裏側を透視できる透明窓部を有し、前記ヘルメットは前記前頭部から延設された鍔部を有していて、前記透明窓が前記鍔部にも延設されているヘルメットの前記溝部に係合させた場合に、前記ヘルメット本体の外面から大きく突出しないで前記溝部に係合する平面U字型のユニットであって、前記溝部と前記ユニットの係合を確実にする係合手段を少なくとも前記ヘルメット本体の前記横部と前記ユニットの前記横部に係合する対応部とに有する多機能ユニットを、前記溝部に係合させたことを特徴とする多機能ユニット付ヘルメット。
【請求項9】
前記ユニットは、中空であり、前記中空部に少なくとも電気配線を有することを特徴とする請求項8に記載の多機能ユニット付ヘルメット。
【請求項10】
前記ユニットの前記前頭部に係合する部分に前記前頭部前方を撮影するためのカメラを有し、前記カメラからの信号を前記電気配線で前記横部に係合する前記ユニットの部分の少なくとも一方に設けられた出力端子に供給されるように構成したことを特徴とする請求項9に記載の多機能ユニット付ヘルメット。
【請求項11】
前記中空部に外部からの電波を受信するための受信回路を収納し、前記受信回路からの出力を前記ユニット外に取り出せるアウトプット端子を前記横部に係合する前記ユニットの部分の少なくとも一方に設けたことを特徴とする請求項9または10に記載の多機能ユニット付ヘルメット。
【請求項12】
前記出力が音声出力であることを特徴とする請求項11に記載の多機能ユニット付ヘルメット。
【請求項13】
前記中空部に、送信回路を配設したことを特徴とする請求項10乃至12のいずれかに記載の多機能ユニット付ヘルメット。
【請求項14】
前記ユニットの前記カメラの近傍に、マイクロフォンを有することを特徴とする請求項10乃至13のいずれかに記載の多機能ユニット付ヘルメット。
【請求項15】
前記中空部に、前記カメラ、前記受信回路および/または前記送信回路を駆動する電源を有し、前記電気配線でそれぞれに電気的に接続されていることを特徴とする請求項10乃至14のいずれかに記載の多機能ユニット付ヘルメット。
【請求項16】
前記中空部に、前記カメラおよび/または前記マイクロフォンからの出力を記録するための記録回路を有することを特徴とする請求項14に記載の多機能ユニット付ヘルメット。
【請求項17】
前記ヘルメット本体の前記横部の少なくとも一方に前記カメラで撮影された画像情報と前記マイクロフォンで採音された音声入力とを記録するための外部の記録装置に出力するための録画・録音端子を有することを特徴とする請求項14乃至16のいずれかに記載の多機能ユニット付ヘルメット。
【請求項18】
前記カメラおよび/または前記マイクロフォンからの出力を記録するメモリーを着脱自在にする着脱口を有することを特徴とする請求項14乃至17のいずれかに記載の多機能ユニット付ヘルメット。
【請求項19】
前記電源が充電可能な電源であって、前記電源に電気的に接続された充電のための充電端子を、前記電源を有する前記横部に係合する前記ユニットの部分に有することを特徴とする請求項15に記載の多機能ユニット付ヘルメット。
【請求項20】
前記ユニットの前記カメラ近傍で、前頭部前方方向の表面に撮影対象物を示すレーザービームポインタを有し、前記表面および/または底面に撮影状態を表示するLEDランプを有することを特徴とする請求項9乃至18のいずれかに記載の多機能ユニット付ヘルメット。
【請求項21】
前記ユニットは、左右の重量バランスがほぼ取れているように構成されたものであることを特徴とする請求項8乃至20のいずれかに記載多機能ユニット付のヘルメット。
【請求項22】
前記ユニットは、前頭部に係合する部分が、前記横部のいずれよりも軽く構成されたものであることを特徴とする請求項21に記載の多機能ユニット付ヘルメット。
【請求項23】
少なくとも前記ユニットの前記前頭部に係合する部分の底面で、前記カメラの近傍に電源のオン・オフを表示するLEDと、前記LEDと同一あるいは異なり、前記カメラの撮影状態を表示するLEDを配設し、前記ヘルメットの装着者が前記透明窓を通して前記表示を見られるように構成したことを特徴とする請求項8に記載の多機能ユニット付ヘルメット。
【請求項24】
前記鍔部先端付近にスポーツファインダーを着脱自在に装着する装着部を有し、前記スポーツファインダーは、前記ユニットの前記カメラの撮影範囲を示すものであることを特徴とする請求項9に記載の多機能ユニット付ヘルメット。
【請求項25】
前記スポーツファインダーは、折りたたみ可能であることを特徴とする請求項24に記載の多機能ユニット付ヘルメット。
【請求項26】
ヘルメット本体の前頭部から二つの横部にかけて、前記ヘルメット本体の周端から特定の距離をおいて、上方から見たときU字型になるような溝部を設け、前記前頭部の少なくとも前記溝部の下側に前記ヘルメット裏側を透視できる透明窓部を有するヘルメットの前記溝部に係合させた場合に、前記ヘルメット本体の外面から大きく突出しないで前記溝部に係合するU字型ユニットであって、前記溝と前記ユニットの係合を確実にする係合手段を少なくとも前記ヘルメット本体の前記横部と前記ユニットの対応部とに有することを特徴とするヘルメット用多機能ユニット。
【請求項27】
前記ユニットは、中空であり、前記中空部に少なくとも電気配線を有し、前記ユニットの前記前頭部に係合する部分に前記前頭部前方を撮影するためのカメラを有し、前記カメラからの信号は前記電気配線で送信回路および/または記録回路に接続されるように構成されたことを特徴とする請求項26に記載のヘルメット用多機能ユニット。
【請求項28】
前記中空部に、前記カメラ、前記送信回路および/または前記記録回路を駆動する電源を有し、前記電気配線でそれぞれに電気的に接続されていることを特徴とする請求項27に記載のヘルメット用多機能ユニット。
【請求項29】
前記電源は、取り外し可能であって、前記ユニット外から取替え可能であって、前記電源に代えて、外部電源からの電源供給を可能にする電源端子を、前記ヘルメット本体の前記横部に係合する前記ユニットの部分に設けたことを特徴とする請求項28に記載のヘルメット用多機能ユニット。
【請求項30】
前記電源が充電可能な電源であって、前記ヘルメット本体の前記横部に係合する前記ユニットの部分に、前記電源に電気的に接続された充電端子を有することを特徴とする請求項28に記載のヘルメット用多機能ユニット。
【請求項31】
前記ユニットのカメラ近傍で、カメラの撮影窓側の表面に撮影対象物をポイントするレーザーポインタを配設し、前記表面および/または底部に撮影状態を表示するLEDランプを設けたことを特徴とする請求項28乃至30のいずれかに記載のヘルメット用多機能ユニット。
【請求項32】
前記カメラ近傍にマイクロフォンを有し、音声出力が前記送信回路および/または前記記録回路に電気的に接続されていることを特徴とする請求項31に記載のヘルメット用多機能ユニット。
【請求項33】
前記送信回路および/または前記記録回路から外部メモリーに接続するための前記外部メモリーを受け入れる着脱口を、前記横部に係合する前記ユニットの部分に設けたことを特徴とする請求項32に記載のヘルメット用多機能ユニット。
【請求項34】
前記空間に、外部からの電波を受信する受信回路を有し、前記受信回路および/または前記送信回路または前記記録回路からの音声出力を外部に伝える音声端子を有することを特徴とする請求項33に記載のヘルメット用多機能ユニット。
【請求項35】
前記横部に係合する前記ユニットの部分の底面に、少なくとも前記着脱口、前記充電端子および前記音声端子を有することを特徴とする請求項34に記載のヘルメット用多機能ユニット。
【請求項36】
前記横部に係合する前記ユニットの少なくとも一方の部分に、カメラの起動と停止を制御する制御回路に電気的に接続された制御スィッチを有し、前記レーザービームポインタの近傍に前記レーザービームのオンオフスィッチを有することを特徴とする請求項31乃至35のいずれかに記載のヘルメット用多機能ユニット。
【請求項37】
前記制御スィッチを一定時間以下の場合は、スチールカメラとして前記カメラを作動させ、前記一定時間以上の場合は、ムービーカメラとして前記カメラを作動させることを特徴とする請求項36に記載のヘルメット用多機能ユニット。
【請求項38】
前記電源のオン・オフを含み前記カメラの作動状況を前記LEDランプの点灯、点滅および/または色で表示するように構成したことを特徴とする請求項37記載のヘルメット用多機能ユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−191439(P2009−191439A)
【公開日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−135529(P2009−135529)
【出願日】平成21年5月15日(2009.5.15)
【分割の表示】特願2006−164012(P2006−164012)の分割
【原出願日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【出願人】(000149930)株式会社谷沢製作所 (48)
【Fターム(参考)】