説明

多機能自動発売機の管理システム

【課題】 利用客の利便性を向上させるとともに、多機能自動発売機の稼働率を向上させる。
【解決手段】 複数の多機能自動発売機(1)と、各多機能自動発売機の売上データを収集して解析し、解析結果に基づいて各多機能自動発売機に対して販売する商品を指定する管理装置(3)とを備え、前記多機能自動発売機は、管理装置からの指示に基づいて使用する機能が切り替えられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は多機能自動発売機の管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、各駅にはさまざまな発売機が配置されているが、近年、グラフィック表示器とタッチパネルの組み合わせにより、ユーザインタフェースは多種多様な案内や入力方法を可能とし、1台の発売機で多機能運用ができる顧客操作型の多機能自動発売機が設置されるようになってきた。しかし、多機能自動発売機は多くの機能を提供するため、利用者に対する操作手順が複雑になり、利用者にとっては操作が難しく、使いにくい機器となっている面があり、結果として多機能自動発売機の稼働率の低下を招いている。
【0003】
この対策として、自動発売機とセンタとの間で対話可能にし、対話しなが乗車券等を購入できるようにして自動発売機の稼働率を向上させるようにしたものを本出願人は既に提案している(特許文献1)。
【特許文献1】特開平8−50616号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、多機能自動発売機は定期券、切符、カード等の発売、カードへの入金等各種機能を合わせもっているが、これら機能の使用される頻度が相互に等しいということはない。例えば、4月や10月は定期券の売上が多いという傾向があり、このような時期に複数台設置された多機能自動発売機において、全ての機能を平等に使用可能なように発売機を運用すると、定期券を購入しようとする利用客の長い列ができてしまい、利用客に対して不便をかけるとともに、結果的に多機能自動発売機の稼働率が低下するという問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は上記課題を解決しようとするもので、複数台設置した多機能自動発売機の売上状況を管理し、それらの実績データに基づいて多機能自動発売機の販売商品を指定することにより、多機能自動発売機の稼働率を向上させることを目的とする。
そのために本発明の多機能自動発売機の管理システムは、複数の多機能自動発売機と、各多機能自動発売機の売上データを収集して解析し、解析結果に基づいて各多機能自動発売機に対して販売する商品を指定する管理装置とを備え、前記多機能自動発売機は、管理装置からの指示に基づいて使用する機能が切り替えられることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明は複数台設置した多機能自動発売機の売上状況を管理し、それらの実績データに基づいて多機能自動発売機の機能を切り替えて運用し、各時点での最適な販売商品を指定することにより、利用客の利便性を向上させるとともに、多機能自動発売機の稼働率を向上させることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
図1は本発明の多機能自動発売機の管理システムを説明する図、図2は多機能自動発売機を説明する図である。
図2により多機能発売機について説明すると、本実施形態においては、多機能自動発売機は、定期券発売機能、切符発売機能、カード発売機能、カード積み増し入金機能のうち2種以上の機能を有しており、内蔵する制御装置の処理機能は設定可能で、この設定により発売する商品が指定可能である。例えば、定期券と切符を発売できる機械で、設定により定期券の発売機、或いは切符発売機とすることができる。
【0008】
多機能発売機1の上部には、発売商品の種類が表示され、図示の例では定期券が発売中であることが示されている。中央の表示パネル2はタッチパネルになっていて、切符発売の場合では料金ボタンが表示され、左側の選択ボタンで人数の指定等を行っている。また、定期券発売の場合では、タッチパネルで乗車区間の設定、使用期間の設定等が可能である。表示パネルの下側には、カードや紙幣の挿入口、コインの挿入口、釣銭の受け口等が設けられている。
【0009】
図1(a)に示すように、各多機能自動発売機1はコンピュータからなる管理装置3に接続され、各多機能自動発売機は識別番号で管理され、日々の売り上げデータは識別番号とともに管理装置に転送されて管理・記録される。管理装置3は、利用客の多い駅の場合には、その駅内に配置される多機能自動発売機を管理し、或いは利用客が比較的少ない駅の場合は、複数の駅の多機能自動発売機をまとめて管理するなど、管理する範囲は適宜設定される。
【0010】
管理装置3は、取得した多機能自動発売機の売り上げデータに対して統計的な解析を行い、売り上げの傾向を把握する。例えば、売り上げの変動があった商品に対して、その変動の季節的な要因、或いは1日の中の時間的な要因等を解析し、複数の発売機の比較により設置場所による違い等を解析する。こうして解析された結果に基づいて、管理装置3は各々の多機能発売機が何を発売するのが最適かを判断して、各多機能発売機に対して販売する商品を指定する。各多機能発売機は、販売商品の指定情報、例えば、定期券発売「1」、切符発売「2」、カード発売「3」、カード積み増し入金「4」を受け取ると、それに基づいて内蔵する制御装置の処理機能が設定される。
【0011】
例えば、定期券発売機能と切符発売機能を持つ多機能機について説明すると、4月、10月には定期券の売り上げが多くなる。そこで、通常時、定期券と切符発売とは1:3程度の割合になるように複数の発売機の機能を設定しておき(図1(b))、定期券の売り上げが多くなる4月、10月には定期券と切符発売とは1:1程度の割合となるように機能を設定する(図1(c))。このように、過去の統計データに基づいて自動で、その時点の最適な販売形態が提供できるように自動で多機能発売機の機能が切り替えて運用される。
【産業上の利用可能性】
【0012】
本発明によれば、利用客の利便性を向上させるとともに、多機能自動発売機の稼働率を向上させることが可能となるので産業上の利用価値は大きい。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の多機能自動発売機の管理システムを説明する図である。
【図2】多機能自動発売機を説明する図である。
【符号の説明】
【0014】
1…多機能自動発売機、2…表示パネル、3…管理装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の多機能自動発売機と、
各多機能自動発売機の売上データを収集して解析し、解析結果に基づいて各多機能自動発売機に対して販売する商品を指定する管理装置とを備え、
前記多機能自動発売機は、管理装置からの指示に基づいて使用する機能が切り替えられることを特徴とする多機能自動発売機の管理システム。
【請求項2】
多機能自動発売機は、定期券発行機能、切符発行機能、カード発行機能、カード積み増し入金機能のうち2種以上の機能を有することを特徴とする請求項1記載の管理システム。

【図1】
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【図2】
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