説明

多機能装置および多機能装置の制御方法

【課題】外部装置に対して複数の機能を提供可能な多機能装置を提供すること、多機能装置の利便性を向上させること。
【解決手段】USB多機能装置10は、記憶部16と無線通信部17とを備えており、パーソナルコンピュータPCに対して記憶機能と無線通信機能とを提供することができる。これら機能は、スイッチ14を操作することによって切り替えることができる。スイッチ14が無線通信機能をオンする状態に切り替えられている場合には、切替部15は記憶部16および無線通信部17に給電し、記憶部16および無線通信部17を動作させる。スイッチ14が無線通信機能をオフする状態に切り替えられている場合には、切替部15は記憶部16のみに給電し、記憶部16を動作させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外部装置、例えば、計算機に装着されることによって、外部装置に対して複数の機能を提供し得る多機能装置、および多機能装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルカメラにおいて撮像された画像データを格納すると共に、無線通信が可能な環境下においては、格納された画像データをデータサーバ等に送信する無線通信機能を有するメモリモジュールが知られている(例えば、特許文献1、2)。
【0003】
また、計算機、例えば、パーソナルコンピュータに装着可能な外部ストレージとして、ユニバーサルシリアルバス(USB)規格に準拠した、いわゆる、USBメモリが知られており、さらに、パーソナルコンピュータに装着可能な無線子機として、USB端子に接続可能なUSB無線子機も知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−235891号公報
【特許文献2】特開2001−143032号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、USBメモリおよびUSB無線子機は、いずれもパーソナルコンピュータに対して単一機能を提供するに過ぎない。また、無線通信機能を有するメモリモジュールは、専らメモリとしてデジタルカメラに装着されて利用されることを前提としており、パーソナルコンピュータ等の計算機に対して付加的な複数の機能を提供するために用いられることは何ら考慮されていなかった。
【0006】
本発明は上記課題の少なくとも一部を解決するためになされた発明であり、外部装置に対して複数の機能を提供可能な多機能装置を提供すること、多機能装置の利便性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題の少なくとも一部を解決するために、本発明は以下の種々の態様を採る。
【0008】
第1の態様は、外部装置に装着されて用いられる多機能装置を提供する。第1の態様に係る多機能装置は、前記外部装置に対して無線通信機能を提供するための無線通信実行部と、前記外部装置に対して記憶機能を提供するための記憶部と、前記記憶部のみを選択的に動作させることが可能な切り替え部とを備える。
【0009】
第1の態様に係る多機能装置によれば、記憶部および無線通信実行部を備え、記憶部のみを選択的に動作させることが可能な構成を備えているので、外部装置に対して複数の機能を提供可能な多機能装置を提供することができると共に、多機能装置の利便性を向上させることができる。
【0010】
第1の態様に係る多機能装置はさらに、前記記憶部のみを選択する有効にするための物理的な外部スイッチを備え、前記切り替え部は、前記外部スイッチの操作に応じて、前記記憶部のみを選択的に動作させても良い。この場合、外部スイッチの操作に応じて記憶部のみを選択的に動作させることができるので、多機能装置の利便性を向上させることができる。
【0011】
第1の態様に係る多機能装置はさらに、前記多機能装置が提供可能な複数の機能の内、前記外部装置に対して提供可能な機能を通知する提供機能通知部を備え、前記提供機能通知部は、前記スイッチによって、前記外部装置に対して提供すべき機能として記憶部が選択されている際には、前記外部装置に対して、記憶部の機能を提供可能であることを通知しても良い。この場合、外部装置に対して、多機能装置が記憶部として機能することを通知することができる。
【0012】
第1の態様に係る多機能装置はさらに、前記外部装置に無線通信用のデバイスドライバがインストールされているか否かを判断する判断部を備え、前記判断部は、前記外部装置に前記無線通信用のデバイスドライバがインストールされていると判断された場合には、前記切り替え部に対して、前記記憶部のみを選択的に動作させるよう要求し、前記切り替え部は前記要求に応じて、前記記憶部のみを選択的に動作させても良い。この場合、多機能装置は、外部装置に無線通信用のデバイスドライバがインストールされているか否かの判断に基づいて、記憶部のみを選択的に動作させることができる。
【0013】
第1の態様に係る多機能装置はさらに、前記多機能装置が提供可能な複数の機能の内、前記外部装置に対して提供可能な機能を通知する提供機能通知部を備え、前記提供機能通知部は、前記判断部によって、前記無線通信用のデバイスドライバが前記外部装置にインストールされていると判断された場合には、前記外部装置に対して、前記記憶機能を提供可能であることを通知しても良い。この場合、多機能装置は、外部装置に無線通信用のデバイスドライバがインストールされているか否かの判断に基づいて、外部装置に対して、多機能装置が記憶部として機能することを通知することができる。
【0014】
第1の態様に係る多機能装置において、前記判断部は、前記無線通信用のデバイスドライバが前記外部装置にインストールされていないと判断する場合には、前記切り替え部に対して、前記無線通信部および前記記憶部を動作させるよう要求し、前記切り替え部は前記要求に応じて前記無線通信部および前記記憶部を動作させ、前記提供機能通知部は、前記判断部によって、前記無線通信用のデバイスのデバイスドライバが前記外部装置にインストールされていないと判断された場合には、前記外部装置に対して、前記無線通信機能および前記記憶機能を提供可能であることを通知しても良い。この場合、多機能装置は、外部装置に無線通信用のデバイスドライバがインストールされているか否かの判断に基づいて、記憶部および無線通信機能を動作させることができると共に、外部装置に対して、多機能装置が記憶部および無線通信実行部として機能することを通知することができる。
【0015】
第1の態様に係る多機能装置において、前記判断部はさらに、前記外部装置にインストールされている前記無線通信用のドライバが、前記無線通信実行部に対応するデバイスドライバであると判断する場合には、前記切り替え部に対して、前記無線通信部および前記記憶部を動作させるよう要求し、前記切り替え部は前記要求に応じて、前記無線通信部および前記記憶部を動作させ、前記提供機能通知部は、前記判断部によって、前記外部装置にインストールされている前記無線通信用のドライバが、前記無線通信実行部に対応するデバイスドライバであると判断された場合には、前記外部装置に対して、前記無線通信機能および前記記憶機能を提供可能であることを通知しても良い。この場合、多機能装置は、外部装置に無線通信用のデバイスドライバがインストールされている場合であっても、無線通信実行部に対応するデバイスドライバがインストールされている場合には、記憶部および無線通信機能を動作させることができると共に、外部装置に対して、多機能装置が記憶部および無線通信実行部として機能することを通知することができるので、多機能装置の使い勝手を向上させることができる。
【0016】
第1の態様に係る多機能装置において、前記判断部は、無線通信用のデバイスドライバが前記外部装置にインストールされているか否か判断できない場合には、前記無線通信部および前記記憶部を動作させるよう要求し、前記切り替え部は前記要求に応じて前記無線通信部および前記記憶部を動作させ、前記提供機能通知部は、前記判断部が、無線通信用のデバイスドライバが前記外部装置にインストールされているか否か判断できない場合には、前記外部装置に対して、前記無線通信機能および前記記憶機能を提供可能であることを通知しても良い。この場合には、多機能装置によって提供可能な機能を全て提供することができるので、多機能装置の使い勝手を向上させることができる。
【0017】
第1の態様に係る多機能装置はさらに、前記提供機能通知部による前記外部装置に対する前記通知に先立ち、前記外部装置から前記通知の実行の確認入力を受信する確認部を備え、前記提供機能通知部は、前記確認部によって、前記通知の実行の確認入力が受信されると、前記外部装置に対する前記通知を実行しても良い。この場合には、ユーザによる確認を間って、多機能装置が実行可能な機能を確定することができる。
【0018】
第1の態様に係る多機能装置において、前記提供機能通知部は、前記提供可能な機能の通知に加えて、前記提供可能な機能に対応するデバイスドライバを前記外部装置に対して送信しても良い。この場合には、多機能装置を制御するために必要なデバイスドライバを、外部装置に対して提供することができる。
【0019】
第1の態様に係る多機能装置はさらに、前記無線通信部が動作された際に、前記記憶部情報のバックアップデータとしてのバックアップ情報を格納する外部サーバ装置に対して、前記記憶部に格納されている記憶部情報と前記バックアップ情報との間での同期処理の実行を要求する情報同期要求部を備えても良い。この場合には、多機能装置に格納されてる情報と、外部サーバに格納されている情報とを一致させることができる。
【0020】
第1の態様に係る多機能装置において、前記記憶部は、着脱可能な記憶媒体と、前記記憶媒体を装着するための装着部とを備えても良い。この場合には、着脱可能な記憶媒体を用いることができるので、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0021】
第2の態様は、外部装置に装着されて用いられる多機能装置であって、前記外部装置に対して無線通信機能を提供するための無線通信実行部と、前記外部装置に対して記憶機能を提供するための記憶部とを備える多機能装置の制御方法を提供する。第2の対応は、前記外部装置に前記無線通信実行部に対応する無線通信用のデバイスドライバがインストールされているか否かを判断し、前記外部装置に前記無線通信実行部に対応するデバイスドライバがインストールされていないと判断した場合には、前記記憶部のみを選択的に動作させることを備える。
【0022】
第2の態様に係る多機能装置の制御方法は、第1の態様に係る多機能装置と同様の利点を得ることができる。第2の態様に係る多機能装置の制御方法は、第1の態様に係る多機能装置と同様にして種々の態様にて実現され得る。さらに、本発明の第2の態様に係る多機能装置の制御方法は、制御プログラム、当該制御プログラムを記録した、CD、DVD、HDDといったコンピュータ読み取り可能媒体としても実現され得る。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】各実施例に係る多機能装置を含むシステムの概略構成を示す説明図である。
【図2】第1の実施例に係る多機能装置の内部概略構成の一例を示す説明図である。
【図3】第1の実施例に係る多機能装置の制御部の内部概略構成の一例を示す説明図である。
【図4】第1の実施例に係る多機能装置に格納されているモジュール、テーブル、および情報の一例を示す説明図である。
【図5】第1の実施例において用いられるテーブルに格納されている内容の一例を示す説明図である。
【図6】第1の実施例に係る多機能装置のより詳細な内部構成の一例を示す説明図である。
【図7】第1の実施例に係る多機能装置によって実行される接続時処理ルーチンを示すフローチャートである。
【図8】第2の実施例に係る多機能装置の内部概略構成の一例を示す説明図である。
【図9】第2の実施例に係る多機能装置に格納されているモジュールおよび情報の一例を示す説明図である。
【図10】第2の実施例に係る多機能装置によって実行される接続時処理ルーチンを示すフローチャートである。
【図11】各実施例において、実行可能な通知の実行を問い合わせる表示画面の一例を示す説明図である。
【図12】多機能装置の他の構成を示す説明図である。
【図13】第2の実施例の他の態様に係る多機能装置によって実行される接続時処理ルーチンを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
システムの構成:
図1は各実施例に係る多機能装置を含むシステムの概略構成を示す説明図である。本実施例に係る多機能装置を含むシステムは、以下の各実施例において共通して用いられるシステムであり、多機能装置10、10aが装着される外部装置としてのパーソナルコンピュータPC、無線アクセスポイント30、ネットワークNEおよびサーバ35を備えている。本実施例に係る多機能装置10、10aは、無線子機としての無線通信機能と、大容量の記憶部としての記憶機能とを備える、USB(ユニバーサルシリアルバス)方式に準拠した接続端子を備えるUSB多機能装置10、10aである。USB多機能装置10、10aは、パーソナルコンピュータPCに接続されることによって、大容量の記憶機能と、無線通信機能とを、パーソナルコンピュータPCに対して提供することができる。
【0025】
パーソナルコンピュータPCは、中央処理装置(CPU)21および大容量ストレージとしてのハードディスクドライブ(HDD)22を備える他、図示しない、ランダムアクセスメモリ、リードオンリメモリといった、揮発性および不揮発性の半導体記憶部、入出力インタフェースを備えている。パーソナルコンピュータPCには、表示装置25および入力装置26としてのキーボードおよびマウス(ポインティングデバイス)が接続されている。HDD22には、パーソナルコンピュータPCに装着されている外部デバイス、たとえば、表示装置25、入力装置26、ネットワークボード、グラフィックボード等を動作させるためのデバイスドライバがインストールされている。パーソナルコンピュータPCにおいて、外部デバイスのドライバは、CPU21によってHDD22にインストールされる。また、パーソナルコンピュータPCのCPU21は、USB多機能装置10、10aがパーソナルコンピュータPCに接続されると、後述する、プラグアンドプレイ処理を実行する。
【0026】
無線アクセスポイント30は、ネットワークNEを介する経路P1によって、あるいは、ネットワークを介することのない直接の経路P2によってサーバ35と接続されている。無線アクセスポイント30は、無線子機端末として機能するUSB多機能装置10の無線親機として機能し、USB多機能装置10、10aから無線通信を介して受信したデータをサーバ35へと送信し、あるいは、サーバ35から無線通信を介して受信したデータをUSB多機能装置10へと送信する無線中継装置である。無線アクセスポイント30とサーバ35とは、イーサネットケーブルを介し、例えば、TCP/IPプロトコルに従う有線接続または無線回線を介し、例えば、IEEE802.11規格に準拠した無線接続のいずれによって接続されても良い。
【0027】
サーバ35は、図示しない中央処理装置および大容量ストレージとしてのハードディスクドライブ(HDD)351を備える他、図示しない、ランダムアクセスメモリ、リードオンリメモリといった、揮発性および不揮発性の半導体記憶部、入出力インタフェースを備えている。サーバ35には、USB多機能装置10、10aに格納されているデータと、HDD351に格納されているデータとの間で同期処理を実行するための同期処理実行機能(同期処理実行プログラム)が実装(インストール)されている。同期処理実行機能によれば、USB多機能装置10に格納されているデータと、HDD351に格納されている対応データのいずれが新しいか比較判定され、古いデータが新しいデータによって更新される。例えば、USB多機能装置10に格納されているデータが新しいデータである場合には、HDD351に格納されている対応データがUSB多機能装置10、10aに格納されているデータによって更新される。更新の態様としては、古いデータを新しいデータで置き換える上書き、あるいは、古いデータと新しいデータの差分データを逐次蓄積する態様のどちらが実行されても良い。
【0028】
第1の実施例:
第1の実施例に係るUSB多機能装置の構成:
図2は、第1の実施例に係る多機能装置の内部概略構成の一例を示す説明図である。図3は、第1の実施例に係る多機能装置の制御部の内部概略構成の一例を示す説明図である。図4は、第1の実施例に係る多機能装置に格納されているモジュール、テーブル、および情報の一例を示す説明図である。図5は、第1の実施例において用いられるテーブルに格納されている内容の一例を示す説明図である。第1の実施例に係るUSB多機能装置10は、接続端子11、USB入出力インタフェース(I/F)12、制御部13、スイッチ14、切替部15、記憶部16および無線通信部17を備えている。
【0029】
接続端子11は、USB規格に準拠した形状を有する端子であり、パーソナルコンピュータPC等の装置が備えるUSBのA端子(ソケット)に接続される、A端子(プラグ)形状を有している。USB入出力インタフェース(USB I/F)12は、USB規格に基づく外部機器との通信方式(信号伝送方式)と、USB多機能装置10内部で用いられる通信方式(信号伝送方式)との間で信号変換処理を実行する。
【0030】
制御部13は、USB多機能装置10の各部を制御して、USB多機能装置10が装着されたパーソナルコンピュータPC等の外部装置に対して、所望の機能を提供すると共に、USB多機能装置10の動作を制御する。制御部13は、図3に示すように、中央処理装置(CPU)131、リードオンリメモリ(ROM)132、ランダムアクセスメモリ(RAM)133および入出力インタフェース(I/F)134を備えている。CPU131、ROM132、RAM133およびI/F134は、内部バス135によって相互に通信可能に接続されている。CPU131はROM132に格納されているプログラム、ソフトウェアモジュールをRAM133上に展開して、プログラム、ソフトウェアモジュールを実行する。RAM133は、CPU131の作業領域を提供する揮発性のメモリである。ROM132は不揮発性のメモリであり、図4に示すように、CPU131が実行する提供機能通知モジュールM1、情報同期要求モジュールM2、スイッチ14のオン・オフと切替部15の動作を対応付ける切替テーブルT1およびディスクリプタ情報DIを格納している。I/F134は、USBI/F12および各モジュール(切替部等)と制御部13の構成要素との信号のやりとりを仲介する。
【0031】
提供機能通知モジュールM1は、CPU131によって実行されることによって、パーソナルコンピュータPCに接続された際に、パーソナルコンピュータPCに対して、USB多機能装置10が提供可能な機能を通知する、提供機能通知部として機能する。この通知は、いわゆる、USB規格においてプラグアンドプレイ機能を実現するために必要な通知であり、USBデバイス(USB多機能装置10)がUSBホスト(例えば、パーソナルコンピュータPC)に対して、一般的にデバイスディスクリプタと呼ばれる情報を通知することによって実行される。より具体的には、インタフェースディスクリプタと呼ばれる、USBデバイスの特性(種別)を表す情報を送信することによって実行される。通常のUSBデバイスは、単機能であれば、予め用意されているインタフェースディスクリプタは一つである。また、USBデバイスが多機能であっても、機能を切り替えて提供することは行われていないので、提供機能によって通知すべきインタフェースディスクリプタは予め決められている。これに対して、本実施例に係るUSB多機能装置10は、複数の機能を選択的に(切り替えて)提供することができるため、提供可能な機能に対応するインタフェースディスクリプタが選択的に通知される。この通知を受けて、パーソナルコンピュータPCでは、機能を実装するためのデバイスドライバの検索、インストールを実行することができる。なお、本実施例では、パーソナルコンピュータPCに対して機能を組み入れる操作を実装と呼び、パーソナルコンピュータPCに対して機能を実装するためのプログラムを組み入れる操作をインストールと呼ぶ。
【0032】
本実施例における提供機能通知モジュールM1は、スイッチ14の操作によって、USB多機能装置10が記憶装置として機能すべき(記憶機能を提供すべき)とされている場合には、インタフェースディスクリプタとして、記憶装置(フラッシュメモリ)であることを示すインタフェースクラスコードをパーソナルコンピュータPCに対して通知する。一方、提供機能通知モジュールM1は、スイッチ14の操作によって、USB多機能装置10が無線通信装置および記憶装置として機能すべき(無線通信機能および記憶機能を提供すべき)とされている場合には、インタフェースディスクリプタとして、記憶装置および通信装置(無線通信端末)であることを示すインタフェースクラスコードをパーソナルコンピュータPCに対して通知する。
【0033】
本実施例における提供機能通知モジュールM1はさらに、パーソナルコンピュータPCに対して、通知する機能に対応するデバイスドライバを送信しても良い。デバイスドライバは、例えば、記憶部16に格納されている。
【0034】
情報同期要求モジュールM2は、CPU131によって実行されることによって、記憶部16内のデータと同期すべきデータを格納している外部のサーバ35(図1参照)を検索し、検索した外部サーバに対して、記憶部16に格納されているデータと外部のサーバ35のHDD351に格納されているデータとの同期処理を要求する。すなわち、情報同期要求モジュールM2は、CPU131によって実行されることによって、情報同期要求部として機能する。外部のサーバ35の検索は、例えば、予め同期処理を要求すべき外部サーバのIPアドレスを設定しておき、当該IPアドレス宛てに同期処理要求を送信することにより実行され得る。当該IPアドレスを有する外部のサーバ35がネットワーク上に存在しない場合には、外部のサーバ35からの応答が得られないこととなり、情報同期要求モジュールM2は、外部のサーバ35を検索できないという結果を得る。一方、当該IPアドレスを有する外部のサーバ35がネットワーク上に存在する場合には、情報同期要求モジュールM2は、外部のサーバ35からの応答、要求に応じて、記憶部16内のデータを外部のサーバ35に対して送信し(記憶部16内のデータが新しい場合)、あるいは、外部のサーバ35から受信したデータを記憶部16に書き込む(記憶部16内のデータが古い場合)。
【0035】
ディスクリプタ情報DIには、上述のように、USB多機能装置10が提供する機能に対応するインタフェースディスクリプタが複数用意されている。インタフェースディスクリプタは、1つのコンフィグレーションディスクリプタ中にUSB多機能装置10が提供可能な機能の組合せに応じた予め複数の組合せ(グループ)が用意されていても良く、あるいは、複数のコンフィグレーションディスクリプタに対してそれぞれ1つのインタフェースディスクリプタが用意され、パーソナルコンピュータPCに対して通知する際に、制御部13によって適宜コンフィグレーションディスクリプタが組み合わされて通知されても良い。
【0036】
切替テーブルT1は、図5に示すように、スイッチ14のオン・オフ状態と、提供機能とを対応付けて格納する。図5の例では、スイッチ14がオフされている場合には、メモリ機能のみがON(提供可能な状態)とされ、スイッチ14がオンされている場合には、メモリ機能および無線通信機能がONとされる。すなわち、図5の例では、スイッチ14は無線通信機能のオン・オフスイッチであるということができる。
【0037】
記憶部16および無線通信部17の詳細な構成およびUSB多機能装置における切替動作について図6を参照して説明する。図6は第1の実施例に係る多機能装置のより詳細な内部構成の一例を示す説明図である。第1の実施例に係るUSB多機能装置10の記憶部16は記憶モジュールとも呼ばれ、メモリコントローラ161および記憶素子162を備えている。メモリコントローラ161は、記憶素子162に対するデータの読み出しおよび書き込みを制御する回路であり、制御部13から受信したデータを記憶素子162に書き込み、あるいは、制御部13から要求されたデータを記憶素子162から読み出し、制御部13に対して送信する。記憶素子162は、半導体記憶素子であり、例えば、フラッシュメモリが用いられる。
【0038】
無線通信部17は無線通信モジュールとも呼ばれ、通信コントローラ171および無線通信インタフェース(I/F)172を備えている。通信コントローラ171は、制御部13からの要求に応じて、無線アクセスポイント30(図1参照)と無線通信を実行するために、パケットデータを無線通信によって送受信するための信号処理を実行する信号処理部である。無線通信インタフェース172は、無線アクセスポイント30に対して無線信号を送信するための送信回路、無線アクセスポイント30からの無線信号を受信するための受信回路、アンテナ173等を備えるRF回路である。無線通信の方式は、例えば、IEEE802.11に準拠した無線通信方式が採用される。
【0039】
USB多機能装置10と、ホストであるパーソナルコンピュータPCとは、USBI/F12とパーソナルコンピュータPC側のUSBインタフェースとを介して接続される。USB多機能装置10は、データ信号線DLを介してパーソナルコンピュータPCとの間でデータ信号をやりとりする。また、USB多機能装置10に対しては電力供給線PLを介してパーソナルコンピュータPCから電力が供給される。
【0040】
スイッチ14は、ユーザによって物理的にオン・オフ操作が可能な外部スイッチであり、本実施例では無線通信機能をオンするか、オフするかを切り替えるために用いられる。切替部15は、スイッチ14のオン・オフ状態に応じて入力される制御信号に応じて、記憶部16および無線通信部17に対する電力の通電・遮断を切り替える論路的なスイッチング回路である。切替部15は、記憶部16および無線通信部17(各機能モジュール)に対する電力供給を遮断(オフ)することで、記憶部16および無線通信部17を動作しない状態に切り替え、記憶部16および無線通信部17に対する電力供給を行う(オン)ことで、記憶部16および無線通信部17を動作する状態に切り替える。すなわち、本実施例では、電力供給の有無によって、各機能モジュールを動作させ(有効とし)、あるいは動作させない(無効とする)状態に切り替える。
【0041】
第1の実施例に係るUSB多機能装置の動作
図7は、第1の実施例に係る多機能装置によって実行される接続時処理ルーチンを示すフローチャートである。本処理ルーチンは、USB多機能装置10がパーソナルコンピュータPCに装着されるとUSB多機能装置10において実行開始される。制御部13のCPU131は、無線機能がオンされているか否か(有効とされているか否か)を判定する(ステップS100)。具体的には、CPU131および切替部15は、スイッチ14が無線機能オンの状態に切り替えられているか否かについて、無線通信オンを示す制御信号が入力されているか否かを判定する。
【0042】
無線機能がオンされていないと判定する場合(ステップS100:No)、切替部15は記憶部16をオンし(ステップS102)、CPU131は提供機能通知モジュールM1を実行して記憶機能を提供可能である旨、パーソナルコンピュータPCに通知する(ステップS104)。具体的には、切替部15は、切替テーブルT1に基づいて、記憶部16のみに給電を行い、記憶部16を動作可能にする。CPU131は、パーソナルコンピュータPCに対して、提供可能な機能が記憶機能であることを示す、インタフェースディスクリプタを送信する。この結果、パーソナルコンピュータPCにおいては、USB多機能装置10は、例えば、マスストレージデバイスであると認識され、プラグアンドプレイ機能によって、無線通信用のドライバが自動的にインストールされることはない。この結果、パーソナルコンピュータPCの構成(configulation)が意図しない構成に変更されることはない。
【0043】
提供機能通知モジュールM1による提供可能な機能の通知は、プラグアンドプレイ処理を実行するUSBホストであるパーソナルコンピュータPCからの要求をトリガとして実行される。以下に、一般的なプラグアンドプレイの簡単な手順を説明する。パーソナルコンピュータPCは、USB多機能装置10の装着を検出すると、所定時間待機の後、Reset要求をUSB多機能装置10に対して送信する。所定時間の待機は、パーソナルコンピュータPCからUSB多機能装置10に対して電力が供給される期間を待機するために実行される。
【0044】
Reset要求を受信したUSB多機能装置10は、アドレス(0)と論理的な通信経路であるパイプ(0)を用いたコントロール転送を受信可能なデフォルト状態にリセットされる。パーソナルコンピュータPCは、Reset要求の送信後に、USB多機能装置10に対して、デバイスディスクリプタの送信要求(Get_Descriptor (device))を送信し、USB多機能装置10はパーソナルコンピュータPCに対して標準デバイスディスクリプタを返信する。この送信処理が再度行われた後、パーソナルコンピュータPCはUSB多機能装置10に対して、新たなアドレスの設定要求(Set_Address)を送信し、USB多機能装置10は新たなアドレスを設定し、新たなアドレスを用いた通信が可能な状態となる。
【0045】
パーソナルコンピュータPCは、USB多機能装置10に対して、詳細なデバイスディスクリプタの送信要求(Get_Descriptor (configuration))を送信し、USB多機能装置10はパーソナルコンピュータPCに対してインタフェースディスクリプタを含むデバイスディスクリプタを返信する。本実施例では、インタフェースディスクリプタとして、スイッチ14によって選択された機能に従うインタフェースディスクリプタがパーソナルコンピュータPCに対して返信される。すなわち、本実施例では、提供可能な機能に応じてインタフェースディスクリプタは適宜変更される。パーソナルコンピュータPCは、受信したインタフェースディスクリプタに含まれているインタフェースクラスコードに基づいて、必要なドライバを検索し、未インストールの場合にはドライバのインストール処理を実行する。必要なドライバがインストール済みの場合には、インストール済みのドライバが機能される。このように、インタフェースディスクリプタに含まれるインタフェースクラスコードを提供機能と一致させることによって、パーソナルコンピュータPCによる未インストールドライバの実行の有無を制御することができる。したがって、不要なドライバのインストールを回避させることができる。
【0046】
インタフェースディスクリプタを含むデバイスディスクリプタを受信したパーソナルコンピュータPCは、USB多機能装置10に対して、受信したデバイスディスクリプタの内容での動作設定を指示するSet_Configurationを送信する。Set_Configurationを受信したUSB多機能装置10は、送信したデバイスディスクリプタの内容で動作するよう設定を完了する。その後、パーソナルコンピュータPCとUSB多機能装置10との間でデータ通信が開始される。パーソナルコンピュータPCは、設定を指示した装置動作を提供する外部装置としてUSB多機能装置10を認識する。
【0047】
CPU131は、提供機能通知モジュールM1を実行して、パーソナルコンピュータPCに対して、記憶部16用のデバイスドライバを送信して本処理ルーチンを終了する(ステップS106)。具体的には、CPU131は、記憶部16に格納されているドライバを取得し、USBI/F12を介してパーソナルコンピュータPCに送信する。なお、マスストレージデバイス用の汎用ドライバは、予めパーソナルコンピュータPCに組み込まれていることが多いので、ステップS106の処理は、パーソナルコンピュータPCからドライバの送信要求を受けた場合に実行されても良く、あるいは、実行されなくても良い。
【0048】
ステップS100において、無線機能がオンされていると判定された場合(ステップS100:Yes)、切替部15は記憶部16および無線通信部17の双方をオンし(ステップS108)、CPU131は提供機能通知モジュールM1を実行して記憶機能および無線通信機能の双方を提供可能である旨、パーソナルコンピュータPCに通知する(ステップS110)。具体的には、切替部15は、切替テーブルT1に基づいて、記憶部16および無線通信部17の双方に給電を行い、記憶部16および無線通信部17の双方を動作可能にする。CPU131は、パーソナルコンピュータPCに対して、提供可能な機能が記憶機能および無線通信機能であることを示す、インタフェースディスクリプタを送信する。この結果、パーソナルコンピュータPCにおいては、USB多機能装置10は、例えば、マスストレージデバイスおよびコミュニケーションデバイスであると認識され、プラグアンドプレイ機能によって、必要に応じて、記憶用および無線通信用のドライバが自動的にインストールされる。
【0049】
CPU131は、提供機能通知モジュールM1を実行して、パーソナルコンピュータPCに対して、記憶部16用および無線通信部17用のデバイスドライバを送信する(ステップS112)。具体的には、CPU131は、記憶部16に格納されている記憶部用および無線通信部用ドライバを取得し、USBI/F12を介してパーソナルコンピュータPCに送信する。なお、ステップS112の処理は、パーソナルコンピュータPCからドライバの送信要求を受けた場合に実行されても良く、あるいは、実行されなくても良い。実行されない場合には、別のタイミングにおいて、ユーザ操作をトリガとして起動されるインストールプログラムの要求に応じて、記憶部16および無線通信部17のドライバがパーソナルコンピュータPCに送信されれば良い。ドライバを受信したパーソナルコンピュータPCにおいては、例えば、インストールプログラムが自動的に起動し、受信したドライバのインストール処理が実行され、記憶部16および無線通信部17はそれぞれ、外部デバイスとしてパーソナルコンピュータPCから利用可能となる。
【0050】
CPU131は、情報同期要求モジュールM2を実行して、無線通信部17を介してネットワークに接続し(ステップS114)、同期の対象となる外部のサーバ35(以下、同期対象サーバとも言う:図1参照)を検索する(ステップS116)。具体的には、USB多機能装置10は、無線通信部17によって無線アクセスポイント30に接続し、予め設定されている同期対象サーバのIPアドレス宛てに同期処理要求を送信する。
【0051】
CPU131は、同期対象サーバ35から応答を受信すると(ステップS116)、同期対象サーバ35からの応答に応じて同期対象サーバとの同期処理を実行し(ステップS118)、本処理ルーチンを終了する。CPU131によって実行される同期処理は、例えば、同期対象サーバ35からの要求に応じて、記憶部16内の同期すべきデータを同期対象サーバに送ること、同期対象サーバ35における、同期対象サーバ35のHDD351に格納されている同期対象データと、受信データとの比較結果に基づき、記憶部16内の同期すべきデータを、同期対象サーバ35から受信した更新用データによって更新することを含む。なお、記憶部16内の同期すべきデータがHDD351内の同期対象データよりも新しいデータである場合には、USB多機能装置10において、記憶部16内の同期すべきデータの更新処理が実行されない。
【0052】
ステップS116において、CPU131は同期対象サーバ35からの応答を所定時間内に受信することができない場合には(ステップS116:No)、予め定められた回数、同期対象サーバのIPアドレス宛ての同期処理要求の送信および同期対象サーバ35からの応答の待機を繰り返し、予め定められた回数を超えた時点で本処理ルーチンを終了する。通信環境に起因する同期処理要求の不達を考慮すると共に、同期対象サーバ35のネットワークからの切り離し、同期対象サーバ35の電源オフに対応するためである。
【0053】
第1の実施例に係るUSB多機能装置10によれば、スイッチ14の操作によって、USB多機能装置10を記憶装置としてのみ機能させることができる。したがって、既に、パーソナルコンピュータPCに無線通信用のドライバがインストールされている場合、パーソナルコンピュータPCが無線ネットワークに接続できない環境下にある場合、といったように、USB多機能装置10を記憶装置としてのみ機能させたいというユーザのニーズに応じることができる。前者の場合には、望まないドライバがインストールされ、パーソナルコンピュータPCの実行環境が変化するという問題を防止することが可能となり、後者の場合には、利用できない無線通信機能のためのドライバの不要なインストール処理を回避することができる。したがって、USB多機能装置10によれば、多機能装置が抱える問題点を解決し、多機能装置の利便性を向上させることができる。
【0054】
第1の実施例に係るUSB多機能装置10によれば、無線通信機能を提供する場合、USB多機能装置10によって自動的に、同期対象サーバ35に対して、データの同期処理の開始が要求される。したがって、同期対象サーバ35に格納されているデータが最新のデータである場合には、USB多機能装置10に格納されているデータが最新のデータに更新され、USB多機能装置10に格納されているデータが最新のデータである場合には、同期対象サーバ35に格納されているデータが最新のデータに更新される。したがって、ユーザは、特別な操作を実行することなく、常にUSB多機能装置10および同期対象サーバ35に格納されているデータを最新のデータとすることができる。
【0055】
USB多機能装置10は、記憶機能と無線通信機能との複数の機能を提供することができるので、1つのUSBポートを介して複数の機能を提供することが可能となり、ポートリソースの逼迫を低減することができる。
【0056】
第2の実施例:
第2の実施例に係るUSB多機能装置の構成:
図8は第2の実施例に係る多機能装置の内部概略構成の一例を示す説明図である。図9は第2の実施例に係る多機能装置に格納されているモジュールおよび情報の一例を示す説明図である。第2の実施例に係るUSB多機能装置10aは、物理的なスイッチ14を備えず、接続先であるパーソナルコンピュータPCの状態に応じて、制御部13によって、ソフトウェア的に提供機能を切り替える点に特徴を備えている。但し、第2の実施例に係るUSB多機能装置10aの構成の中には、第1の実施例に係るUSB多機能装置10の構成と同様の構成も含まれているので、そのような構成、要素については、第1の実施例に係るUSB多機能装置10において用いた符号と同一の符号を付すことで、説明を省略する。
【0057】
USB多機能装置10aは、接続端子11、USB入出力インタフェース(I/F)12、制御部13a、切替部15a、記憶部16および無線通信部17を備えている。
【0058】
制御部13aは、USB多機能装置10aの各部を制御して、USB多機能装置10aが装着されたパーソナルコンピュータPC等の外部装置に対して、所望の機能を提供すると共に、USB多機能装置10aの動作を制御する。制御部13aは、第1の実施例に係るUSB多機能装置10が備える制御部13と同様に、中央処理装置(CPU)131、リードオンリメモリ(ROM)132a、ランダムアクセスメモリ(RAM)133および入出力インタフェース(I/F)134を備えている。CPU131、ROM132a、RAM133およびI/F134は、内部バス135によって相互に通信可能に接続されている。CPU131はROM132aに格納されているプログラム、ソフトウェアモジュールをRAM133上に展開して、プログラム、ソフトウェアモジュールを実行する。RAM133は、CPU131の作業領域を提供する揮発性のメモリである。ROM132aは不揮発性のメモリであり、図9に示すように、CPU131が実行する提供機能通知モジュールM1、情報同期要求モジュールM2、判断モジュールM3、およびディスクリプタ情報DIを格納している。I/F134は、USBI/F12および各モジュール(切替部等)と制御部13の構成要素との信号のやりとりを仲介する。
【0059】
判断モジュールM3は、CPU131によって実行されることによって、外部装置であるパーソナルコンピュータPCに無線通信用のドライバがインストールされているか否か、さらには、USB多機能装置10aに備えられている無線通信部17用のドライバがインストールされているか否かを判断する、判断部として機能する。パーソナルコンピュータPCにおけるドライバのインストール状況は、判断モジュールM3が、例えば、オペレーティングシステムが提供するデバイスマネージャに問い合わせることによって取得することができる。
【0060】
判断モジュールM3はさらに、パーソナルコンピュータPCに無線通信用のドライバがインストールされていると判断する場合には、切替部15aに対して、記憶部16のみを動作させる切り替え信号を送信し、パーソナルコンピュータPCに無線通信用のドライバがインストールされてないと判断する場合には、切替部15aに対して、記憶部16および無線通信部17の双方を動作させる切り替え信号を送信する。判断モジュールM3はさらに、パーソナルコンピュータPCにUSB多機能装置10aの無線通信部17用の無線通信用のドライバがインストールされているが否かを判断し、USB多機能装置10aの無線通信部17用の無線通信用のドライバがインストールされていると判断する場合には、切替部15aに対して、記憶部16および無線通信部17の双方を動作させる切り替え信号を送信しても良い。この場合には、パーソナルコンピュータPCにインストールされている無線通信用のドライバは、USB多機能装置10a用のドライバであり、新たなドライバがインストールされることはなく、パーソナルコンピュータPCの設定環境を変更することなく、無線通信機能を利用することが可能である。また、USB多機能装置10aのユーザに対して、無線通信機能を提供しない場合には使い勝手が低下してしまう。
【0061】
判断モジュールM3は、パーソナルコンピュータPCに無線通信用のドライバがインストールされているか否か判断することができない場合には、切替部15aに対して、記憶部16および無線通信部17の双方を動作させる切り替え信号を送信しても良い。USB多機能装置10aが提供可能な全ての機能を提供することにより、ユーザの利便性を向上させることができると共に、ユーザによって、不要な無線通信用ドライバのインストールを停止することは可能だからである。
【0062】
切替部15aは、上述のように、判断モジュールM3を実行する制御部13a(CPU131)からの要求に応じて、記憶部16のみ、または記憶部16および無線通信部17の双方を動作させるために記憶部16のみ、または記憶部16および無線通信部17に対して給電する。
【0063】
第2の実施例に係るUSB多機能装置10aでは、提供機能通知モジュールM1は、判断モジュールM3の判断結果に応じて、パーソナルコンピュータPCに接続された際に、パーソナルコンピュータPCに対して提供可能な機能を通知する。すなわち、提供機能通知モジュールM1は、判断モジュールM3によって、パーソナルコンピュータPCに無線通信用のドライバがインストールされていると判断された場合には、パーソナルコンピュータPCに対して、記憶機能のみを提供可能である旨通知する。提供機能通知モジュールM1は、判断モジュールM3によって、パーソナルコンピュータPCに無線通信用のドライバがインストールされていると判断された場合であっても、USB多機能装置10aに対応する無線通信用ドライバがインストールされていると判断された場合には、パーソナルコンピュータPCに対して、記憶機能および無線通信機能の双方を提供可能である旨通知しても良い。提供機能通知モジュールM1は、判断モジュールM3によって、パーソナルコンピュータPCに無線通信用のドライバがインストールされていないと判断された場合には、パーソナルコンピュータPCに対して、記憶機能および無線通信機能の双方を提供可能である旨通知する。
【0064】
提供機能通知モジュールM1は、判断モジュールM3によって、パーソナルコンピュータPCに無線通信用のドライバがインストールされているか否か判断できない場合には、パーソナルコンピュータPCに対して、記憶機能および無線通信機能の双方を提供可能である旨通知しても良い。
【0065】
ROM132aに格納されているディスクリプタ情報DIについては、第1の実施例に係るUSB多機能装置10について説明した通りである。
【0066】
第2の実施例に係るUSB多機能装置の動作
図10は、第2の実施例に係る多機能装置によって実行される接続時処理ルーチンを示すフローチャートである。第2の実施例に係るUSB多機能装置10aによって実行される本処理ルーチンは、物理的なスイッチ14の切り替え操作によらず、USB多機能装置10aによって、記憶機能、記憶機能および無線機能のいずれを提供すべきか判断される点に特徴を有する。なお、本処理ルーチンにおけるステップのうち、第1の実施例に係るUSB多機能装置10によって実行される処理ルーチンにおけるステップと同様の処理については、簡単に説明するに止める。
【0067】
本処理ルーチンは、USB多機能装置10aがパーソナルコンピュータPCに装着されるとUSB多機能装置10aにおいて実行開始される。USB多機能装置10aがパーソナルコンピュータPCに装着されると、上述したUSB規格に準じたデバイスを認識させる手順を完了するために、USB多機能装置10aは、パーソナルコンピュータPCに対してマスストレージクラスのデバイスである旨を通知する。ただし、この時点でUSB多機能装置10aは、ROM132aに格納されているプラグアンドプレイを実行するためのプログラムを実行しているに過ぎないので、記憶部16および無線通信部17は未だ動作可能な状態とされていない。パーソナルコンピュータPCに汎用のマスストレージドライバがインストールされていない場合には、USB多機能装置10aとパーソナルコンピュータPCとの間でプラグアンドプレイによるデバイス実装処理が実行される。一方、パーソナルコンピュータPCに汎用マスストレージドライバがインストールされている場合には、新たなドライバはインストールされない。USB多機能装置10aとパーソナルコンピュータPCとの間で通信可能な状態になった後、制御部13aのCPU131は、判断モジュールM3を実行して、パーソナルコンピュータPCに実装済みの機能(インストール済みのドライバ)に関する情報を、パーソナルコンピュータPCのデバイスマネージャから取得する(ステップS200)。具体的には、パーソナルコンピュータPCとのデータの授受が可能となった時点、すなわち、論理的な通信が可能となった時点で、周知の自動起動プラグラムによって、判断モジュールM3を起動させることによって、実現され得る。
【0068】
CPU131は、受け取った実装済み機能の情報に基づいて、パーソナルコンピュータPCに無線通信機能が実装されているか、すなわち、無線通信用ドライバがインストールされているか否かを判定する(ステップS202)。CPU131は、パーソナルコンピュータPCに無線機能が実装されていないと判定した場合には(ステップS202:No)、ステップS212に移行する。一方、CPU131は、パーソナルコンピュータPCに無線機能が実装されていると判定した場合には(ステップS202:Yes)、実装されている無線機能は、USB多機能装置10aによって提供される機能、すなわち、USB多機能装置10aのドライバがインストールされているか否かを判定する(ステップS204)。CPU131は、実装されている無線機能が、USB多機能装置10aによって提供される機能であると判定した場合には(ステップS204:Yes)、ステップS212に移行する。ステップS212〜ステップS216は、USB多機能装置10aを記憶部および無線通信部として機能させるための処理であり、USB多機能装置10aに無線通信用のドライバがインストールされていない場合には、無線通信用のドライバがインストールされても、パーソナルコンピュータPCにおける既存の無線通信環境が変更されることはなく、無線通信用のドライバがインストールされている場合であっても、USB多機能装置10aに対応する無線通信用のドライバがインストールされている場合には、却って、無線通信部として機能させることによってユーザの利便性を向上させることができる。
【0069】
CPU131は、実装されている無線機能が、USB多機能装置10aによって提供される無線機能でないと判定した場合には(ステップS204:No)、ステップS206〜ステップS210を実行する。なお、ステップS206〜ステップS210は、第1の実施例に係るUSB多機能装置10aに関して説明した図9のステップS102〜S116に対応するステップであるから、相違点を中心に簡単に説明する。CPU131によって実行されている判断モジュールM3は、切替部15aに対して記憶部16をオンするよう要求し、切替部15aは要求に応じて記憶部16をオンする(ステップS206)。CPU131は提供機能通知モジュールM1を実行して記憶機能を提供可能である旨、パーソナルコンピュータPCに通知する(ステップS104)。具体的には、切替部15aは、要求に応じて記憶部16のみに給電を行い、記憶部16を動作可能にする。CPU131によって実行されている提供機能通知モジュールM1は、判断モジュールM3の判断結果(ステップS202:Yes、ステップS204:No)を受けて、パーソナルコンピュータPCに対して、提供可能な機能が記憶機能であることを示す、インタフェースディスクリプタを送信する。この結果、パーソナルコンピュータPCにおいては、USB多機能装置10aは、例えば、マスストレージデバイスであると認識され、プラグアンドプレイ機能によって、無線通信用のドライバが自動的にインストールされることはない。この結果、パーソナルコンピュータPCの構成(configulation)が意図しない構成に変更されることはない。
【0070】
なお、提供機能通知モジュールM1による提供可能な機能の通知は、プラグアンドプレイ処理を実行するUSBホストであるパーソナルコンピュータPCからの要求をトリガとして実行され、詳細な実行手順は既述の通りである。
【0071】
CPU131は、提供機能通知モジュールM1を実行して、パーソナルコンピュータPCに対して、記憶部16用のデバイスドライバを送信して本処理ルーチンを終了する(ステップS210)。なお、マスストレージデバイス用の汎用ドライバは、予めパーソナルコンピュータPCに組み込まれていることが多いので、ステップS210の処理は、パーソナルコンピュータPCからドライバの送信要求を受けた場合に実行されても良く、あるいは、実行されなくても良い。
【0072】
以下、ステップS212〜ステップS216について説明するが、これらのステップは、第1の実施例に係るUSB多機能装置10aに関して説明した図9のステップS108〜S112に対応するステップであるから、相違点を中心に説明し、詳細な説明は省略する。ステップS212において、CPU131によって実行されている判断モジュールM3は、切替部15aに対して記憶部16および無線通信部17の双方をオンするよう要求し、切替部15aは記憶部16および無線通信部17の双方をオンする(ステップS212)。CPU131は提供機能通知モジュールM1を実行して記憶機能および無線通信機能の双方を提供可能である旨、パーソナルコンピュータPCに通知する(ステップS214)。具体的には、切替部15aは、要求に応じて、記憶部16および無線通信部17の双方に給電を行い、記憶部16および無線通信部17の双方を動作可能にする。CPU131によって実行されている提供機能通知モジュールM1は、判断モジュールM3の判断結果(ステップS202:No、ステップS204:Yes)を受けて、パーソナルコンピュータPCに対して、提供可能な機能が記憶機能および無線通信機能であることを示す、インタフェースディスクリプタを送信する。この結果、パーソナルコンピュータPCにおいては、USB多機能装置10aは、例えば、マスストレージデバイスおよびコミュニケーションデバイスであると認識され、プラグアンドプレイ機能によって、必要に応じて、記憶用および無線通信用のドライバが自動的にインストールされる。
【0073】
CPU131は、提供機能通知モジュールM1を実行して、パーソナルコンピュータPCに対して、記憶部16用および無線通信部17用のデバイスドライバを送信する(ステップS216)。なお、ステップS216の処理は、パーソナルコンピュータPCからドライバの送信要求を受けた場合に実行されても良く、あるいは、実行されなくても良い。実行されない場合には、別のタイミングにおいて、ユーザ操作をトリガとして起動されるインストールプログラムの要求に応じて、記憶部16および無線通信部17のドライバがパーソナルコンピュータPCに送信されれば良い。ドライバを受信したパーソナルコンピュータPCにおいては、例えば、インストールプログラムが自動的に起動し、受信したドライバのインストール処理が実行され、記憶部16および無線通信部17はそれぞれ、外部デバイスとしてパーソナルコンピュータPCから利用可能となる。
【0074】
CPU131は、以降、ステップS218〜S222の情報同期処理を実行し、本処理ルーチンを終了する。なお、第1の実施例に係るUSB多機能装置10aに関して説明した図9のステップS114〜S118に対応するステップであるから、説明を省略する。
【0075】
第2の実施例に係るUSB多機能装置10aによれば、ユーザによるスイッチ14の操作を伴うことなく、USB多機能装置10aによって、USB多機能装置10aを記憶装置としてのみ機能させるべきか、あるいは、記憶装置および無線通信装置として機能させるべきかを決定することができる。したがって、USB多機能装置10aをパーソナルコンピュータPCに接続するだけで、既に、パーソナルコンピュータPCに無線通信用のドライバがインストールされている場合に、重ねて異なる無線通信用ドライバがインストールされる事態を回避することが可能となり、パーソナルコンピュータPCの実行環境が変化するという問題を防止することが可能となる。また、パーソナルコンピュータPCに無線通信用のドライバがインストールされている場合であっても、USB多機能装置10aが備える無線通信部17用のドライバがインストールされている場合には、USB多機能装置10aを記憶装置としてのみならず、無線通信装置としても使用することが可能となり、USB多機能装置10aの機能を有効に活用することが可能となり、ユーザの利便性を向上させることができる。したがって、USB多機能装置10aによれば、多機能装置が抱える問題点を解決し、多機能装置の利便性を向上させることができる。
【0076】
第2の実施例に係るUSB多機能装置10aによれば、第1の実施例に係るUSB多機能装置10によって得られる他の効果を得ることができる。
【0077】
その他の実施例:
(1)上記第1の実施例では、スイッチ14は、記憶機能、記憶機能および無線通信機能の2実施例の間でUSB多機能装置10が提供可能な機能を切り替えているが、更に、無線通信機能のみを提供可能な機能として切り替え可能なスイッチであっても良い。すなわち、USB多機能装置10を無線通信装置としてのみ使用可能であるよう選択可能なスイッチであっても良い。例えば、異なるUSBストレージデバイスが用いられている場合に、複数のUSBストレージデバイスが実装されることにより、データの格納先が複数となり、USBストレージデバイスの使い勝手が低下する事態を回避することができる。この場合には、USB多機能装置10は、パーソナルコンピュータPCに対して、インタフェースディスクリプタとして、通信デバイスのクラスコードを通知する。
【0078】
(2)上記各実施例では、USB多機能装置10、10aが提供可能な通知に際して、ユーザに問い合わせることなくパーソナルコンピュータPCに対する通知が実行されているが、図11に示すようにユーザに対して確認入力を促す通知(表示)251を行い、ユーザからの確認入力を待って、通知が実行されても良い。この処理は、例えば、CPU131、131aが、ROM132aに格納されている確認モジュールを実行することによって実現され、確認モジュールは、確認入力を促す通知を行うと共に確認入力を待機する。確認モジュールによって確認入力が受信されると、パーソナルコンピュータPCに対して、提供機能通知モジュールM1によって提供機能の通知が行われる。図11は、本実施例において、実行可能な通知の実行を問い合わせる表示画面の一例を示す説明図である。この場合には、ユーザによって、最終的にUSB多機能装置10、10aによって提供される機能を決定することができる。すなわち、パーソナルコンピュータPCは、ユーザによる確認入力が入力されるまでは、USB多機能装置10、10aが記憶装置および無線通信装置のいずれの装置として動作するかについて確定しない。
【0079】
(3)上記実施例では、USB多機能装置として、記憶部として、記憶素子が固定実装されている記憶部16を用いて説明したが、図12に示すように、着脱タイプの記憶素子164を着脱可能なメモリソケット163を備える記憶部16aが用いられても良い。図12は各実施例に係る多機能装置の他の構成を示す説明図である。この構成を備える場合には、記憶素子を入れ替えることが可能となり、例えば、デジタルカメラに装着されていた記憶素子(メモリカード)を装着し、無線通信部17を介して、同期対象サーバ35にデータを転送することができる。したがって、USB多機能装置10、10aの使用態様を拡張することが可能となり、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0080】
(4)上記第2の実施例では、パーソナルコンピュータPCに実装されている機能を取得した後、パーソナルコンピュータPCに対する各種機能の実装が実行されているが、先ず、記憶機能が実行された後に、無線通信機能を実装するか否かが判定されても良い。図13は、第2の実施例の他の態様に係る多機能装置によって実行される接続時処理ルーチンを示すフローチャートである。図13に示すフローチャートでは、CPU131は、USB多機能装置10aがパーソナルコンピュータPCに接続されると、記憶部16をオンするよう切替部15aに要求し、切替部15aは要求に応じて記憶部16をオンする(ステップ2001)。CPU131は、提供機能通知モジュールM1を実行して、パーソナルコンピュータPCに対して、記憶機能を提供可能であることを通知する(ステップS2002)。以降のステップは、図10において説明したステップと同様であり、同一のステップ番号を付すことで説明を省略する。
【0081】
この態様によれば、利用頻度の高い記憶機能をデフォルトにてパーソナルコンピュータPCに提供することによって、USB多機能装置10aが利用可能になるまでの時間を短縮し、USB多機能装置10aの使い勝手を向上させることができる。
【0082】
(5)上記第2の実施例において、パーソナルコンピュータPCに実装されているドライバが、USB多機能装置10aに対応するドライバであるか否かの判断ステップは、備えられていなくても良い。すなわち、無線通信用のドライバがインストールされている場合には、USB多機能装置10aは記憶機能のみをパーソナルコンピュータPCに対して提供しても良い。この場合には、当該判断ステップを省略することによって、USB多機能装置10a接続後、USB多機能装置10aが利用可能になるまでの時間を短縮することができる。
【0083】
(6)上記第2の実施例において、無線通信用のドライバがパーソナルコンピュータPCにインストールされているか否か判断できない場合には、USB多機能装置10aは、パーソナルコンピュータPCに対して、記憶機能と無線通信機能の双方を提供しても良い。この場合、USB多機能装置10aによって提供可能な機能を最大限提供し、ユーザの利便性を向上させることができる。あるいは、無線通信用のドライバがパーソナルコンピュータPCにインストールされているか否か判断できない場合には、USB多機能装置10aは、パーソナルコンピュータPCに対して、記憶機能のみを提供しても良い。この場合、USB多機能装置10aに関するユーザの利便性を向上させることはできないが、パーソナルコンピュータPCの実行環境を変更しないという点において利点がある。
【0084】
以上、実施例、変形例に基づき本発明について説明してきたが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれる。
【符号の説明】
【0085】
10、10a…USB多機能装置
11…接続端子
12…USBI/F
13…制御部
13a…制御部
131…CPU
132、132a…ROM
133…RAM
134…I/F
135…内部バス
14…スイッチ
15、15a…切替部
16、16a…記憶部
161…メモリコントローラ
162…記憶素子
163…メモリソケット
164…記憶素子
17…無線通信部
171…通信コントローラ
172…無線通信インタフェース
173…アンテナ
PC…パーソナルコンピュータ
21…CPU
22…HDD
25…表示装置
251…通知(表示)
26…入力装置
30…無線アクセスポイント
35…サーバ(同期対象サーバ)
351…HDD
M1…提供機能通知モジュール
M2…情報同期要求モジュール
M3…判断モジュール
T1…切替テーブル
DI…ディスクリプタ情報
DL…データ信号線
PL…電力供給線
NE…ネットワーク
P1…経路
P2…経路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部装置に装着されて用いられる多機能装置であって、
前記外部装置に対して無線通信機能を提供するための無線通信実行部と、
前記外部装置に対して記憶機能を提供するための記憶部と、
前記記憶部のみを選択的に動作させることが可能な切り替え部と
を備える多機能装置。
【請求項2】
請求項1に記載の多機能装置はさらに、
前記記憶部のみを動作させるための物理的な外部スイッチを備え、
前記切り替え部は、前記外部スイッチの操作に応じて、前記記憶部のみを選択的に動作させる、多機能装置。
【請求項3】
請求項2に記載の多機能装置はさらに、
前記多機能装置が提供可能な複数の機能の内、前記外部装置に対して提供可能な機能を通知する提供機能通知部を備え、
前記提供機能通知部は、前記スイッチによって、前記外部装置に対して提供すべき機能として記憶部が選択されている際には、前記外部装置に対して、記憶部の機能を提供可能であることを通知する、
多機能装置。
【請求項4】
請求項1に記載の多機能装置はさらに、
前記外部装置に無線通信用のデバイスドライバがインストールされているか否かを判断する判断部を備え、
前記判断部は、前記無線通信用のデバイスドライバが前記外部装置にインストールされていると判断された場合には、前記切り替え部に対して、前記記憶部のみを選択的に動作させるよう要求し、
前記切り替え部は前記要求に応じて、前記記憶部のみを選択的に動作させる、
多機能装置。
【請求項5】
請求項4に記載の多機能装置はさらに、
前記多機能装置が提供可能な複数の機能の内、前記外部装置に対して提供可能な機能を通知する提供機能通知部を備え、
前記提供機能通知部は、前記判断部によって、前記無線通信用のデバイスドライバが前記外部装置にインストールされていると判断された場合には、前記外部装置に対して、前記記憶機能を提供可能であることを通知する、
多機能装置。
【請求項6】
請求項5に記載の多機能装置において、
前記判断部は、前記無線通信用のデバイスドライバが前記外部装置にインストールされていないと判断する場合には、前記切り替え部に対して、前記無線通信部および前記記憶部を動作させるよう要求し、
前記切り替え部は前記要求に応じて、前記無線通信部および前記記憶部を動作させ、
前記提供機能通知部は、前記判断部によって、前記無線通信用のデバイスのデバイスドライバが前記外部装置にインストールされていないと判断された場合には、前記外部装置に対して、前記無線通信機能および前記記憶機能を提供可能であることを通知する、
多機能装置。
【請求項7】
請求項5に記載の多機能装置において、
前記判断部はさらに、前記外部装置にインストールされている前記無線通信用のドライバが、前記無線通信実行部に対応するデバイスドライバであると判断する場合には、前記切り替え部に対して、前記無線通信部および前記記憶部を動作させるよう要求し、
前記切り替え部は前記要求に応じて、前記無線通信部および前記記憶部を動作させ、
前記提供機能通知部は、前記判断部によって、前記外部装置にインストールされている前記無線通信用のドライバが、前記無線通信実行部に対応するデバイスドライバであると判断された場合には、前記外部装置に対して、前記無線通信機能および前記記憶機能を提供可能であることを通知する、
多機能装置。
【請求項8】
請求項5に記載の多機能装置において、
前記判断部は、無線通信用のデバイスドライバが前記外部装置にインストールされているか否か判断できない場合には、前記切り替え部に対して、前記無線通信部および前記記憶部を動作させるよう要求し、
前記切り替え部は前記要求に応じて、前記無線通信部および前記記憶部を動作させ、
前記提供機能通知部は、前記判断部が、前記外部装置に無線通信用のデバイスドライバがインストールされているか否か判断できない場合には、前記外部装置に対して、前記無線通信機能および前記記憶機能を提供可能であることを通知する、
多機能装置。
【請求項9】
請求項1から請求項8のいずれか一の請求項に記載の多機能装置はさらに、
前記提供機能通知部による前記外部装置に対する前記通知に先立ち、前記外部装置から前記通知の実行の確認入力を受信する確認部を備え、
前記提供機能通知部は、前記確認部によって、前記通知の実行の確認入力が受信されると、前記外部装置に対する前記通知を実行する、
多機能装置。
【請求項10】
請求項3および請求項5から請求項9のいずれか一の請求項に記載の多機能装置において、
前記提供機能通知部は、前記提供可能な機能の通知に加えて、前記提供可能な機能に対応するデバイスドライバを前記外部装置に対して送信する、多機能装置。
【請求項11】
請求項1から請求項10のいずれか一の請求項に記載の多機能装置はさらに、
前記無線通信部が動作された際に、前記記憶部情報のバックアップデータとしてのバックアップ情報を格納する外部サーバ装置に対して、前記記憶部に格納されている記憶部情報と前記バックアップ情報との間での同期処理の実行を要求する情報同期要求部を備える、多機能装置。
【請求項12】
請求項1から請求項11のいずれか一の請求項に記載の多機能装置において、
前記記憶部は、着脱可能な記憶媒体と、前記記憶媒体を装着するための装着部とを備える、
多機能装置。
【請求項13】
外部装置に装着されて用いられる多機能装置であって、前記外部装置に対して無線通信機能を提供するための無線通信実行部と、前記外部装置に対して記憶機能を提供するための記憶部とを備える多機能装置の制御方法であって、
前記外部装置に前記無線通信実行部に対応する無線通信用のデバイスドライバがインストールされているか否かを判断し、
前記外部装置に前記無線通信実行部に対応するデバイスドライバがインストールされていないと判断した場合には、前記記憶部のみを選択的に動作させる、
制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−53648(P2012−53648A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−195344(P2010−195344)
【出願日】平成22年9月1日(2010.9.1)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.イーサネット
【出願人】(390040187)株式会社バッファロー (378)
【Fターム(参考)】