説明

多目的最適化設計支援装置、方法、及びプログラム

【課題】ハードディスクのスライダ形状等の設計に用いられる多目的最適化設計支援技術に関し、数式処理された目的関数に基づく可視化を短時間に実行し、設計支援に利用可能とすることにある。
【解決手段】101は、入力パラメータのサンプルの組に対する複数の目的関数の組を計算する。102は、101の計算結果に基づいて目的関数を多項式近似する。103は、QE法等に基づいて、数式近似された複数の目的関数のうちの任意の2つ又は3つの目的関数について、それらの間の論理関係を示す論理式を目的関数間論理式として計算する。104は、目的関数間論理式に基づいて、上記目的関数の値がとり得る領域を可能領域として表示する。これと共に、104は、ユーザが可能領域のパレート境界上をトレースしたときに、設計パラメータがどのように変化するかを表示する。また、104は、ユーザが或る目的空間に関する可能領域のパレート境界上をトレースしたときに、他の目的空間の目的関数値がどのように変化するかを表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハードディスクのスライダ形状等の設計に用いられる多目的最適化設計支援技術に関する。
【背景技術】
【0002】
ハードディスクの高密度化・高容量化に伴い、磁気ディスクとヘッダとの距離はますます小さくなってきている。標高差やディスク半径位置による浮上変動量の少ないスライダ設計が要求されている。
【0003】
スライダは、図20の2001として示されるように、ハードディスク内の磁気ディスク上を移動するアクチュエータ2002の先端下部に設置されており、ヘッダの位置はスライダ2001の形状によって計算される。
【0004】
スライダ2001の最適形状を決める際、ヘッダの位置に関係するフライハイト(図20の2003)、ロール(2004)、ピッチ(2005)に関する関数を同時に最小化する、いわゆる多目的最適化の効率的計算が必要になる。
【0005】
従来は、多目的最適化問題を直接扱うのではなく、下記数1式として示されるように、各目的関数f_iに重みm_iを乗算して得られる項の線形和fが計算されその最小値が算出される、単目的最適化が行われていた。
【0006】
【数1】

【0007】
そして、プログラムにより、図21に示されるスライダ形状Sを決定するパラメータp、q、r等の値が少しずつ変更されながら、関数値fが計算され、その値が最小となるようなスライダ形状が算出されていた。
【0008】
fは重みベクトル{m_i}に依存する。実際の設計では、さらに{m_i}が変更されながら、それぞれの変更値に対するfの最小値が算出され、その最小値と{m_i}とのバランスが総合的に判断されることにより、スライダ形状が決定されていた。
【0009】
ここで、上述のような手法に基づいて実行される多目的最適化処理においては、算出される最適解は一つに限られる訳ではない。
例えば、ある製品の設計において、「重量を軽くする」という目的関数値1と「コストを低く抑える」という目的関数値2についての最適化が行われる場合、設計パラメータの与え方によって、目的関数値1と目的関数値2は、図22に示されるような2次元座標上で、様々な座標値を取り得る。
【0010】
目的関数値1と目的関数値2は、共に小さい値を取る(軽量、低コストである)ことが要求されるため、図22の算出点2201−1、2201−2、2201−3、2201−4、2201−5を結ぶ線2203上の点又はその近傍に存在する点が、最適解のグループとなり得る。これらをパレート最適解という。また、これらの算出点のうち、点2201−1はハイコストであるが軽量化を達成したモデルに対応し、点2201−5は軽量化は無いがローコストを達成したモデルに対応する。一方、算出点2202−1や220
2−2は、まだまだ軽量化又はローコスト化が可能な点であるため、最適解とはなり得ない。これらを劣解という。
【0011】
このように、多目的最適化処理においては、パレート最適解を適切に把握できることが非常に重要であり、そのためには、所望の目的関数におけるパレート最適解を適切に可視化できることが重要である。
【0012】
このようなパレート最適解の把握のための従来技術としては、多目的最適化におけるパレート曲面(最適化曲面)を数値解析手法で求める、NBI(Normal Boundary Intersection)法と呼ばれる手法などが知られている。このような技術においては、例えば前述したスライダ設計において、ある設計仕様と要因パラメータが与えられた場合に、それらに対する数値計算により、所望の目的関数値(ピッチや浮上量等)間の関係が2301として示されるようなプロットで得られる。
【0013】
また、他の従来技術として、図24に示されるように、パレート曲線をポイントやプロットで表示する技術や、目的関数をトレードオフチャートで表示するような技術も知られている。
【0014】
更に、下記のような特許文献も知られている。特許文献1は、設計空間での分類により色分けを行い3次元プロットを実現する技術である。特許文献2は、等高線表示による3次元プロットを実現する技術である。特許文献3は、統一的評価指標−コストによる2次元プロットを実現する技術である。
【特許文献1】特開2005−70849号公報
【特許文献2】特開2003−39184号公報
【特許文献3】特開2004−118719号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
しかし、前述した従来技術における単目的関数fの最適化技術においては、時間のかかる浮上計算を繰り返し実行しなければならない。特に、スライダ形状が細部まで探索される場合には、入力パラメータ(図21のp、q、r等に相当)の数が20個前後にもなり、1万回以上の浮上計算が必要になり、最適化に非常に時間がかかるという問題点を有していた。
【0016】
また、この手法においては、fの最小値(とその時の入力パラメータ値)は、重みベクトル(m_1,..,m_t)の決め方に依存する。実際の設計では、重みベクトルの色々な組に対してfを最適化して比較したい、という状況が頻繁に生じる。しかし、上記従来技術では、重みベクトルを変える度に、コストの高い浮上計算を伴う最適化計算をはじめからやり直す必要があるため、実験できる重みベクトルの種類に限度があった。
【0017】
また、関数値fの最小化においては、パレート曲面上の1点ずつしか求めることができないため、目的関数同士の最適な関係を予測することも難しく、そのような情報を設計にフィードバックすることもできないという問題点を有していた。
【0018】
上述のように、従来は、そもそも多目的最適化の処理自体に非常に時間がかかるため、適切なパレート最適解の表示すら困難であるという問題点を有していた。
また、数値解析手法によってパレート曲面を求める前述の従来技術では、可能領域が非凸な場合に解けなかったり、パレート曲面を求める元となる点(端点)が近かった場合にアルゴリズムがうまく動かなかったりすることがあるという問題点を有していた。また、パレート最適解の把握においても、図23に示されるような目的関数値を座標とする表示
においては、プロット表示がなされるだけであるため、どのあたりがパレート最適解となりうるのかという把握がしづらいという問題点を有していた。
【0019】
更に、図24のようにパレート最適解を表示するための工夫がなされた従来技術においても、単純にその表示を行うだけで、例えば、ある2つ又は3つの目的関数間のパレート最適解が把握されたときに、目的関数と設計パラメータとの関係を把握したり、他の目的関数の寄与の度合い等を把握したりする、といったことができないという問題点を有していた。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明の課題は、多目的最適化設計において、目的関数に基づく可視化(パレート境界の表示等)を短時間に実行し、それに基づいてパレート最適解を適切に表示しながら目的関数と設計パラメータとの関係把握や、他の目的関数の寄与の度合い等の把握を可能にすることにある。
【0021】
本発明の態様は、設計パラメータ(入力パラメータ)の組を複数入力して、所定の計算に基づいて複数の目的関数を計算し、その複数の目的関数に対して多目的最適化処理を実行することにより、最適な設計パラメータの組の決定を支援する設計支援装置を前提とする。設計パラメータは、例えば、ハードディスク磁気記憶装置のスライダ部の形状を決定するためのパラメータである。
【0022】
本発明の第1の態様は、以下の構成を有する
サンプル組目的関数計算部(例えば図1の101)は、所定組数の設計パラメータのサンプルの組に対する複数の目的関数の組を計算する。
【0023】
目的関数近似部(例えば図1の102)は、所定組数の設計パラメータのサンプルの組とそれに対応して計算された複数の目的関数の組とに基づいて、目的関数を数式近似する。
【0024】
目的関数間論理式計算部(例えば図1の103)は、数式近似された複数の目的関数のうちの任意の2つ又は3つの目的関数について、それらの間の論理関係を示す論理式を目的関数間論理式として計算する。
【0025】
目的空間表示部(例えば図1の104)は、目的関数間論理式に基づいて、任意の目的関数の値がとり得る領域を任意の目的関数に対応する目的空間上の可能領域として表示する。
【0026】
目的空間対応設計空間表示部(例えば図1の104)は、目的空間表示ステップによって表示される任意の目的関数に対応する目的空間上の可能領域上でユーザが指定する点又は領域に対応する任意の設計パラメータに対応する設計空間上の点又は領域を表示する。例えば、この目的空間対応設計空間表示部は、任意の設計パラメータに対応する設計空間上の所定間隔の格子点のうち、目的関数間論理式に基づいて計算される目的空間上の可能領域のうちユーザが指定する点又は領域に対応する格子点を表示する。又は、この目的空間対応設計空間表示部は、目的空間から設計空間への論理関係を示す論理式を算出し、その論理式に基づいて、目的空間上の可能領域上でユーザが指定する点又は領域に対応する前記設計空間上の点又は領域を表示する。
【0027】
本発明の第2の態様は、以下の構成を有する。
サンプル組目的関数計算部、目的関数近似部、目的関数間論理式計算部、目的空間表示部は、本発明の第1の態様の場合と同様である。
【0028】
目的空間対応設計空間算出部(例えば図1の104)は、目的空間表示ステップによって表示される任意の目的関数に対応する目的空間上の可能領域上でユーザが指定する点又は領域に対応する任意の設計パラメータに対応する設計空間上の点又は領域を算出する。
【0029】
比較対象目的空間表示部(例えば図1の104)は、ユーザが比較対象として指定する任意の比較対象目的関数に対応する比較対象目的空間上で、目的空間対応設計空間算出ステップによって算出された設計空間上の点又は領域に対応する点又は領域を表示する。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、ハードディスクのスライダ形状等に関する設計パラメータのある程度の設計パラメータのサンプル組から目的関数を多項式等の数式で近似し、その式を数式処理の手法を使って計算することが可能となる。これにより、入力パラメータをパラメータのまま扱えるため、目的関数間の論理関係や入出力関係を捉えることが容易となる。
【0031】
具体的には、ユーザは、パレート境界上をトレースしたときに、設計パラメータがどのように変化するかを、直感的に把握することが可能となる。
また、ユーザは、或る目的空間に関するパレート境界上をトレースしたときに、他の目的空間の目的関数値がどのように変化するかを、直感的に把握することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための最良の形態を詳細に説明する。
本発明の実施形態の構成
図1は、本発明の実施形態の機能ブロック構成図である。
【0033】
浮上実計算実行部101は、ハードディスクのスライダ形状に関する入力パラメータサンプル組107を入力し、各組に対して、スライダの浮上計算を実行し、各目的関数値を出力する。この場合の入力パラメータサンプル組107は、高々数百組程度でよい。
【0034】
目的関数多項式近似部102は、入力パラメータサンプル組107と、各組に対して浮上実計算実行部101にて算出された各目的関数値とに対して、スライダ形状に関する各目的関数を、重回帰分析に基づく重回帰式等による多項式で近似する。なお、本実施の形態では重回帰分析に基づく近似を行った例を示しているが、その他、種々の多項式補間法や、多項式の次数を上げて近似を行うなど、一般的に知られた多項式近似手法を用いることができる。
【0035】
QE計算部103は、目的関数多項式近似部102にて算出された各目的関数多項式と、入力パラメータサンプル組107(入力パラメータ組108)の各パラメータ値の制約条件とから、QE法(Quantifier Elimination:限量記号消去法)により、任意の2つの目的関数間の論理式を算出する。
【0036】
可能領域表示部104は、QE計算部103にて算出された任意の2つの目的関数間の論理式に基づいて、目的関数の可能領域を特には図示しないコンピュータディスプレイに表示する。この部分は、本発明に最も関連する部分であり、パレート最適解の適切に表示しながら目的関数と設計パラメータとの関係把握や、他の目的関数の寄与の度合い等の把握を可能にする。
【0037】
単目的関数最適化部105は、目的関数多項式近似部102にて算出された各目的関数多項式と、可能領域表示部104にてユーザが決定した重みベクトルとに基づいて、目的関数の重み付き線形和として得られる単目的関数値を、入力パラメータ組108に対して
計算し、その単目的関数値が最小となる入力パラメータ組108の候補を算出する。入力パラメータ組108の数は、1万組〜2万組程度である。
【0038】
浮上実計算最適化部106は、単目的関数最適化部105にて算出された単目的関数値が最小となる入力パラメータ組108の候補について、詳細な浮上計算を実行し、それから求まる目的関数の重み付き線形和として得られる単目的関数値を算出することにより、その単目的関数値が最小となる入力パラメータ組108を、最適スライダ形状パラメータ組109として出力する。このときの各目的関数は、実際の浮上計算から得られるものが用いられ、重みベクトルは、単目的関数最適化部105で使用されたのと同じもの又はそれを若干修正したものが用いられる。
【0039】
以上の構成を有する本発明の実施形態の動作について、説明する。
本発明の基本動作
まず、本発明の基本動作について、図2〜図4の動作フローチャート及び図5〜図8の動作説明図に従って説明する。
【0040】
図2は、図1の機能ブロック構成を有するシステムによって実行される本発明の実施形態の全体処理の動作フローチャートである。
まず、図1の浮上実計算実行部101が、スライダ形状の探索範囲に関する設計仕様として、数百組程度の入力パラメータサンプル組107を入力し(図2のステップS201)、各組に対してスライダの浮上計算を実行し、各目的関数値を出力する(図2のステップS202)。
【0041】
これにより、例えば、図5に示されるような入力パラメータサンプル組107とそれに対する目的関数値のデータファイルが作成される。図5において、x1 〜x8 、・・・として示される列の値がそれぞれ入力パラメータサンプル組107であり、cost2として示される列の値が或る目的関数の値群である。
【0042】
次に、図1の目的関数多項式近似部102が、上記入力パラメータサンプル組107と各組に対して算出された各目的関数値とからなるデータファイルに対して、スライダ形状に関する各目的関数を、重回帰分析に基づく重回帰式等による多項式で近似する(図2のステップS203)。
【0043】
この結果、下記数2式として例示されるような目的関数の多項式が得られる。
【0044】
【数2】

【0045】
ここで、スライダ設計では作業が進むにつれて入力パラメータの種類が多くなる傾向にある。中には(他のパラメタの影響により)、或る目的関数への寄与度が低いパラメータもあると推測できる。そこで、重回帰分析等により寄与度の低いパラメタを除外するルーチンを処理に組み込むことで、より簡単な多項式での近似が可能になる。設計者が解析に使用するパラメータ数を入力すると、目的関数多項式近似部102は、その設定数までパラメータを絞り込む。このパラメータ削減処理により、後述するQE法の計算時に計算量を削減することが可能になる。
【0046】
この結果、下記数3式として例示されるような、パラメータが削減された目的関数の多項式が得られる。
【0047】
【数3】

【0048】
以上説明したようにして、本発明の実施形態では、高々数百サンプル程度の入力パラメータサンプル組107を使って、重回帰式等により多項式近似された目的関数を得ることができる。このように目的関数を多項式近似できるのは、スライダ設計では、まずスライダの初期形状があって、この初期形状を決定するパラメータを指定範囲内で振りながら最適化が行われるため、そのようなローカルな設計変更範囲での最適化においては、重回帰式による線形近似等により十分に有効な初期の最適化が行えるという知見に基づくものである。
【0049】
本発明の実施形態では、このようにして算出され数式処理された目的関数を、以下に説明するようにして、スライダ設計の前段、特にパレート境界の判定に用いることにより、非常に効率的な設計支援システムを実現することができる。
【0050】
即ち図1のQE計算部103は、目的関数多項式近似部102にて算出された各目的関数多項式と、入力パラメータサンプル組107(入力パラメータ組108)の各パラメータ値の制約条件とから、QE法(Quantifier Elimination:限量記号消去法)により、任意の2つの目的関数間の論理式を算出する(図2のステップS204の一部)。
【0051】
このステップS204で実行されるQE法のアルゴリズムについて、図3の動作フローチャートに基づいて説明する。
まず、ユーザは、可能領域を表示したい2つの目的関数を指定する(図3のステップS301)。これらを、f1 、f2 とする。なお、3つの目的関数の指定をするような実施形態も可能である。
【0052】
次に、QE計算部103は、目的関数多項式近似部102にて計算されている指定された2つの目的関数の近似多項式と、入力パラメータサンプル組107(入力パラメータ組108)の各パラメータ値の制約条件を使って、定式化を行う(図3のステップS302)。これにより、例えば下記数4式に例示されるような定式が得られる。なお、この例では、パラメータ数は15のまま削減していない例について示しているが、もちろん削減し
たものを定式化してもよい。
【0053】
【数4】

【0054】
次に、QE計算部103は、上記数4式で示される式の値Fを、QE法に従って解く(図3のステップS303)。この結果、下記数5式に例示されるような、入力パラメータx1,・・・, x15が消去され、2つの目的関数y1 とy2 に関する論理式が出力される。なお、目的関数が3つの場合には、3つの目的関数y1 とy2 とy3 に関する論理式が出力される。
【0055】
【数5】

【0056】
QE法の詳細については省略するが、本出願の発明者著による公知文献「計算実代数幾何入門:CADとQEの概要(数学セミナー、11号 2007 64−70頁(穴井宏和、横山和弘共著))に、その処理方法が開示されており、本発明の実施形態でもその処理方法をそのまま用いている。
【0057】
続いて、図1の可能領域表示部104は、QE計算部103にて算出された任意の2つの目的関数間の論理式に基づいて、コンピュータディスプレイに2つの目的関数の可能領域を表示する(図2のステップS204、図3のステップS304)。
【0058】
具体的には、可能領域表示部104は、2つの目的関数y1 とy2 に関する2次元の描画平面上の各点をスイープしながら、QE計算部103にて算出された数5式に例示されるような2つの目的関数y1 とy2 に関する論理式が真となる点を塗りつぶしてゆく。この結果、例えば図6の塗りつぶされた領域として示されるような形態で、可能領域を表示させることができる。
【0059】
なお、目的関数が3つである場合には、3次元の表示になる。
上記可能領域表示処理の他の具体例について、以下に説明する。
2つの目的関数の近似多項式が、下記数6式として例示されるように、3つの入力パラメータx1 、x2 、x3 に基づいて構成されているとする。
【0060】
【数6】

【0061】
この数6式に対して定式化を行った結果は、下記数7式となる。
【0062】
【数7】

【0063】
更にこの数7式に対してQE法を適用した結果は、下記数8式となる。
【0064】
【数8】

【0065】
この数8式の論理式に基づいて可能領域を描画した結果は、例えば図7のようなものとなる。図7において、斜めの直線は数8式の論理式の各論理境界を示し、塗りつぶされた領域が2つの目的関数の可能領域を示す。
【0066】
図7の表示を見るとわかるように、塗りつぶされた可能領域において、座標原点に近い下縁部の境界として、2つの目的関数に関するパレート境界を直感的に容易に認識することが可能で、最適化の限界領域を認識できる。目的関数が3つの場合には、パレート境界は曲面(パレート曲面)となるが、3次元による表示の実現が可能である。
【0067】
また、上記可能領域の全体的な傾きを認識することにより、2つの目的関数から重み付き和の単目的関数(数1式参照)を計算する場合に、重みベクトルにおけるその2つの目的関数間の各重み値の比の最適値を推定することができる。
【0068】
ここで、数7式では、入力パラメータサンプル組107を構成する各入力パラメータが、0から1の間を自由に取れる制約条件が仮定されたが、実際には、入力パラメータの中心点を指定して一定範囲でその値を動かすように探索を行ったほうが、よい結果を得られることが予想される。
【0069】
そのような動作を可能とするために、図1のQE計算部103及び可能領域表示部104は、図2のステップS204において、図3の動作フローチャートの代わりに図4の動作フローチャートを実行する。
【0070】
まず、ユーザは、可能領域を表示したい2つの目的関数を指定する(図4のステップS401)。これらを、f1 、f2 とする。
次に、QE計算部103は、入力パラメータサンプル組107とそれに対応する指定された2つの目的関数(f1 、f2 )の中で、(f1 、f2 )がf2 =f1 に近く、かつ原点に最も近い点、例えば図8の801で示される点を抽出する。その点に対応する入力パラメタを(p1,・・・, p15)とする(図4のステップS402)。
【0071】
次に、QE計算部103は、目的関数多項式近似部102にて計算されている指定された2つの目的関数の近似多項式と、入力パラメータサンプル組107(入力パラメータ組108)の各パラメータ値に対する振り幅tを使って、定式化を行う(図4のステップS403)。これにより、例えば下記数9式に例示されるような定式が得られる。
【0072】
【数9】

【0073】
次に、QE計算部103は、上記数9式で示される式の値Fを、QE法に従って解く(図4のステップS404)。この結果、入力パラメータx1,・・・, x15が消去され、2つの目的関数y1 とy2と振り幅tに関する論理式が出力される。
【0074】
続いて、図1の可能領域表示部104は、QE計算部103にて算出された任意の2つの目的関数間の論理式に基づいて、振り幅tの値を変更しながら、コンピュータディスプレイに2つの目的関数の可能領域を表示する(図4のステップS405)。
【0075】
この場合に、入力パラメータサンプル組107を含み、かつ面積が小さくなるようなtが選択されるのが望ましい。
図9(a)は、実際のスライダ形状に対応する入力パラメータサンプル組107を使って得られた可能領域表示の例である。また、図9(b)は、論理式の境界も表示させた場合の可能領域表示の例である。この例では、低高度(0m)でのスライダ浮上量を第1の目的関数f1 、高々度(4200m)でのスライダ浮上量を第2の目的関数f2 として、それらの関係をy1 、y2 として表したグラフである。
【0076】
このグラフにおけるパレート曲線の傾きが約−1/8〜−1/5であるため、これら2つの目的関数を重み付け加算して単目的関数(数1式参照)を得るときの重みベクトルにおける重み値の比は、1対8〜1対5程度でよいことがわかる。
【0077】
このようにして、図1の可能領域表示部104での処理では、ユーザは、ディスプレイへの可能領域表示から、まず、単目的関数化による最適化(数1式参照)を想定した場合の重みベクトルにおける重み値の見積りが可能となる(図2のステップS205)。ユーザは、例えば、ディスプレイ上で可能領域の全体的な傾きを特には図示しない等をマウス等を使って指示することにより、システムに重みベクトルの重み値の比を通知することができる。或いは、システムが、所定のアルゴリズムに従って自動的に重み値の比を検出するようにしてもよい。
【0078】
また、図7で説明したように、図1の可能領域表示部104での処理において、ユーザは、ディスプレイへの可能領域表示において、座標原点に近い下縁部の境界として、2つの目的関数に関するパレート境界を直感的に容易に認識することが可能で、最適化の限界値を予測できる(図2のステップS206)。ユーザは、例えば、ディスプレイ上で可能領域境界部分の限界領域を特には図示しないマウス等を使って指示することにより、システムにその限界値を通知することができる。或いは、システムが、所定のアルゴリズムに従って自動的に限界値を検出するようにしてもよい。
【0079】
即ち、図10に示されるように、本発明の実施形態では、多項式近似による数式処理をベースとして多目的最適化処理を実施することが可能であり、パレート最適解の表示もQE法に基づいて数式表現のまま行うことができるため、パレート最適解を容易に把握することが可能となる。
【0080】
以上の可能領域表示処理は、ユーザが、2つの目的関数を順次指定しながら、各目的関数ごとに、重みベクトルの重み値の比や、パレート境界を、効率的に指定することができる。
【0081】
以上の動作の後、図1の単目的関数最適化部105は、目的関数多項式近似部102にて算出された各目的関数多項式と、可能領域表示部104にてユーザが決定した重みベクトルにおける重み値の比とに基づいて、目的関数の重み付き線形和として得られる単目的関数値(数1式参照)を、入力パラメータ組108に対して計算し、その単目的関数値が最小となる入力パラメータ組108の候補を算出する(図2のステップS207)。入力パラメータ組108の数は、1万組〜2万組程度である。
【0082】
この場合、各目的関数値の導出においては、実際の浮上計算は実行されずに近似多項式が用いられるため、非常に高速な計算が可能である。更に、数1式に基づいて単目的関数値が計算される際に用いられる重みベクトルにおける重み値群は、可能領域表示部104の動作において、ユーザが適切に指定した値が使用されるため、重みベクトルを連続的に変更させるような繰り返し計算は不要である。
【0083】
最後に、図1の浮上実計算最適化部106は、単目的関数最適化部105にて算出された単目的関数値が最小となる入力パラメータ組108の候補について、詳細な浮上計算を実行し、それから求まる目的関数の重み付き線形和として得られる単目的関数値を算出する(図2のステップS208)。このときの各目的関数は、実際の浮上計算から得られるものが用いられ、重みベクトルは、単目的関数最適化部105で使用されたのと同じもの又はそれを若干修正したものが用いられる。
【0084】
そして、浮上実計算最適化部106は、この単目的関数値とそのときの各目的関数値とについて、前述の可能領域表示処理において予測された目的関数の限界値を参照して、最適化がほぼ収束するか否かを判定する(図2のステップS209)。
【0085】
まだ最適化が収束しておらずステップS209の判定がNOと判定された場合には、ステップS207の処理に戻り、重みベクトルにおける重み値が若干修正されて、再度、ステップS207とS208の最適化処理が実行される。
【0086】
最適化が収束し浮上実計算最適化部106がステップS209の判定をYESと判定すると、そのとき得られた単目的関数値が最小となる入力パラメータ組108を、最適スライダ形状パラメータ組109として出力する(図2のステップS210)。
【0087】
本発明の実施形態における可能領域表示の詳細動作
次に、図1の可能領域表示部104の更に詳細な動作について、図11〜図18を用いて以下に説明する。
【0088】
可能領域表示部104は、第1の機能として、ユーザが、ディスプレイに表示されている可能領域において、パレート最適解の部分(パレート境界)を図11の1101で示されるように強調表示する。そして、ユーザが、パレート境界上を図11の1102で示されるようにマウス等によってトレースしてゆくと、可能領域表示部104は、それに対応して予めユーザによって指定された設計パラメータ(入力パラメータ組108を構成する要素の任意の組合せ)が変化する様子を、図11の1103として例示されるように2次元座標又は3次元座標上でディスプレイ表示する。
コメント:パレート境界のトレースだけでなく「目的空間中の可能領域の右上の方からパレートに向かう方向でもマウス等でトレースして設計パラメータの変化する様子を表示する」ことも追記してください。
【0089】
なお、パレート境界上のみでなく、可能領域の右上からパレート境界に向かう方向にマウス等によってトレースが行われた場合においても、同様に設計パラメータが変化する様
子が、ディスプレイ表示される。
【0090】
この動作の実現において、パレート最適解の強調表示(図11の1101)は、可能領域表示部104が、任意の2つの目的関数に関する2次元の描画平面上の各点をスイープしながらQE計算部103にて算出された2つの目的関数に関する論理式(数5式や数8式等)が真となる点を塗りつぶしてゆく際に、各走査ライン上で最も左側に現れる表示点を強調表示することによって、簡単に実現することができる。これは、従来技術では、例えば図23に示されるように、パレート最適解をプロット表示していたためパレート最適解を強調表示することすら困難であったのに比較して、非常に優位な特徴である。
【0091】
次に、可能領域表示部104がユーザによるパレート指定の移動に対応して設計パラメータの変動を表示する動作は、図12の動作フローチャートによって示される。
まず、図13(a)に示されるように、ユーザのマウス指定に基づいて、可能領域表示部104は、現在表示を行っている目的関数f1 、f2 のパレート境界の上あるいは近傍の1点P1を指定する(図12のステップS1201)。
【0092】
次に、可能領域表示部104は、指定点P1の周囲の近傍領域を設定する(図12のステップS1202)。この領域を[P1]と表記することにする。領域の形状は、矩形や円が可能であるが、計算効率を考慮すると矩形がよりよい。
【0093】
続いて、図13(b)に示されるように、可能領域表示部104は、設計空間におけるユーザが所望する2つからなる設計パラメータによって構成される座標平面上でメッシュに切った各格子点について、図1の目的関数多項式近似部102にて計算されている指定された2つの目的関数の近似多項式を用いて、目的空間へ写像し対応する点を計算する(図12のステップS1203)。なお、設計空間上での格子点の数は、ユーザが指定する。
【0094】
そして、図13(c)に示されるように、可能領域表示部104は、ステップS1203にて計算した目的空間上の点のうち、ステップS1202で指定した領域[P1]に入る点に対応する設計空間内の格子点のみをディスプレイ表示する。(図12のステップS1204)
可能領域表示部104は、ユーザがパレート境界上を図11の1102で示されるようにマウス等によってトレースしてゆくに従って、上記計算処理を繰り返し実行し、ユーザが指定する設計空間上の表示を更新してゆく。
【0095】
ここでは設計空間が2次元の場合について説明したが、それぞれ3次元、1次元の設計空間の格子点を考えた場合も同様の表示を実現可能である。
可能領域表示部104が実現する上記第1の機能により、ユーザは、パレート境界上をトレースしたときに、設計パラメータがどのように変化するかを、直感的に把握することが可能となる。
【0096】
上記動作においては、設計空間上の各格子点について目的空間上の点が計算されて対応関係が算出されているが、目的空間上の領域[P1]からQE法により直接、設計空間上の対応領域を求めることも可能である。
【0097】
図14は、その動作を実現する可能領域表示部104が実行する動作フローチャートである。
まず、図15(a)に示されるように、ユーザのマウス指定に基づいて、可能領域表示部104は、現在表示を行っている目的関数f1 、f2 のパレート境界の上あるいは近傍の1点P1を指定する(図14のステップS1401)。P1の座標を、P1=(a,b
)とする。
【0098】
次に、可能領域表示部104は、指定点P1の周囲の近傍領域を設定する(図14のステップS1402)。この領域を[P1]と表記する。この領域は、指定点P1=(a,b)に対して、(a±Δo,b±Δo)の領域とする(図15(b)参照)。
【0099】
続いて、可能領域表示部104は、微小量Δdを使って、設計空間と目的空間について、下記数10式の定式化を行う(図14のステップS1403)(図15(b)参照)。
【0100】
【数10】

【0101】
更に、可能領域表示部104は、ステップS1403で定義したQE問題の式にQE法を適用し、e1,e2の実行可能領域を表す式φ(e1,e2)を算出する(図14のステップS1404)。
【0102】
そして、可能領域表示部104は、ステップS1404で算出した式φ(e1,e2)を、設計空間上に描画する(図14のステップS1405)。
可能領域表示部104は、第2の機能として、ユーザが、ディスプレイに表示されている可能領域において、ユーザが、図16の1601のように強調表示されたパレート境界上を図16の1602で示されるようにマウス等によってトレースしてゆくと、可能領域表示部104は、それに対応して予めユーザによって指定された比較対象の目的空間の目的関数値が変化する様子を、図16の1603として例示されるように2次元座標又は3次元座標上でディスプレイ表示する。
【0103】
なお、パレート境界上のみでなく、可能領域の右上からパレート境界に向かう方向にマウス等によってトレースが行われた場合においても、同様に比較対象の目的空間の目的関数値が変化する様子が、ディスプレイ表示される。
【0104】
この動作の実現において、図18(a)に示されるように、可能領域表示部104は、前述した第1の機能により、目的空間上での指定領域[P1]に対応して設計空間上の格子点の集合を得られているものとする。
【0105】
この状態で、可能領域表示部104は、上記格子点の集合について、比較対照の目的空間を構成する目的関数について図1の目的関数多項式近似部102にて計算されている近似多項式を用いて値を計算し、図18(b)に示されるように、目的空間に描画する(図17のステップS1701)。比較対象の目的空間を構成する目的関数は、1つ、2つ、又は3つが可能であり、それぞれの描画は、1次元、2次元、又は3次元で行われる。
【0106】
可能領域表示部104が実現する上記第2の機能により、ユーザは、或る目的空間に関するパレート境界上をトレースしたときに、他の目的空間の目的関数値がどのように変化するかを、直感的に把握することが可能となる。
【0107】
本発明の実施形態のハードウェア構成
図19は、上記システムを実現できるコンピュータのハードウェア構成の一例を示す図
である。
【0108】
図19に示されるコンピュータは、CPU1901、メモリ1902、入力装置1903、出力装置1904、外部記憶装置1905、可搬記録媒体1909が挿入される可搬記録媒体駆動装置1906、及びネットワーク接続装置1907を有し、これらがバス1908によって相互に接続された構成を有する。同図に示される構成は上記システムを実現できるコンピュータの一例であり、そのようなコンピュータはこの構成に限定されるものではない。
【0109】
CPU1901は、当該コンピュータ全体の制御を行う。メモリ1902は、プログラムの実行、データ更新等の際に、外部記憶装置1905(或いは可搬記録媒体1909)に記憶されているプログラム又はデータを一時的に格納するRAM等のメモリである。CUP1901は、プログラムをメモリ1902に読み出して実行することにより、全体の制御を行う。
【0110】
入力装置1903は、例えば、キーボード、マウス等及びそれらのインタフェース制御装置とからなる。入力装置1903は、ユーザによるキーボードやマウス等による入力操作を検出し、その検出結果をCPU1901に通知する。
【0111】
出力装置1904は、表示装置、印刷装置等及びそれらのインタフェース制御装置とからなる。出力装置1904は、CPU1901の制御によって送られてくるデータを表示装置や印刷装置に出力する。
【0112】
外部記憶装置1905は、例えばハードディスク記憶装置である。主に各種データやプログラムの保存に用いられる。
可搬記録媒体駆動装置1906は、光ディスクやSDRAM、コンパクトフラッシュ(登録商標)等の可搬記録媒体1909を収容するもので、外部記憶装置1905の補助の役割を有する。
【0113】
ネットワーク接続装置1907は、例えばLAN(ローカルエリアネットワーク)又はWAN(ワイドエリアネットワーク)の通信回線を接続するための装置である。
本実施形態によるシステムは、図1に示される機能ブロックを搭載したプログラムをCPU1901が実行することで実現される。そのプログラムは、例えば外部記憶装置1905や可搬記録媒体1909に記録して配布してもよく、或いはネットワーク接続装置1907によりネットワークから取得できるようにしてもよい。
【0114】
上述の本発明の実施形態は、ハードディスクのスライダ設計の支援を行う設計支援装置として本発明を実施した場合の例について示したが、本発明はこれに限られるものではなく、多目的最適化を行いながら設計支援を行う各種装置に適用することが可能である。
【0115】
以上説明した本発明の実施形態に関して、更に以下の付記を開示する。
(付記1)
設計パラメータの組を複数入力して、所定の計算に基づいて複数の目的関数を計算し、その複数の目的関数に対して多目的最適化処理を実行することにより、最適な設計パラメータの組の決定を支援する設計支援装置において、
所定組数の前記設計パラメータのサンプルの組に対する前記複数の目的関数の組を計算するサンプル組目的関数計算手段と、
前記所定組数の設計パラメータのサンプルの組とそれに対応して計算された複数の目的関数の組とに基づいて、前記目的関数を数式近似する目的関数近似手段と、
該数式近似された複数の目的関数のうちの任意の目的関数について、それらの間の論理
関係を示す論理式を目的関数間論理式として計算する目的関数間論理式計算手段と、
該目的関数間論理式に基づいて、前記任意の目的関数の値がとり得る領域を前記任意の目的関数に対応する目的空間上の可能領域として表示する目的空間表示手段と、
目的空間表示手段によって表示される前記任意の目的関数に対応する目的空間上の可能領域上でユーザが指定する点又は領域に対応する任意の前記設計パラメータに対応する設計空間上の点又は領域を表示する目的空間対応設計空間表示手段と、
を含むことを特徴とする多目的最適化設計支援装置。
(付記2)
前記目的空間対応設計空間表示手段は、前記任意の前記設計パラメータに対応する設計空間上の所定間隔の格子点のうち、前記目的関数間論理式に基づいて計算される前記目的空間上の可能領域のうち前記ユーザが指定する点又は領域に対応する格子点を表示する、
ことを特徴とする付記1に記載の多目的最適化設計支援装置。
(付記3)
前記目的空間対応設計空間表示手段は、前記目的空間から前記設計空間への論理関係を示す論理式を算出し、該論理式に基づいて、前記目的空間上の可能領域上でユーザが指定する点又は領域に対応する前記設計空間上の点又は領域を表示する、
ことを特徴とする付記1に記載の多目的最適化設計支援装置。
(付記4)
設計パラメータの組を複数入力して、所定の計算に基づいて複数の目的関数を計算し、その複数の目的関数に対して多目的最適化処理を実行することにより、最適な設計パラメータの組の決定を支援する設計支援装置において、
所定組数の前記設計パラメータのサンプルの組に対する前記複数の目的関数の組を計算するサンプル組目的関数計算手段と、
前記所定組数の設計パラメータのサンプルの組とそれに対応して計算された複数の目的関数の組とに基づいて、前記目的関数を数式近似する目的関数近似手段と、
該数式近似された複数の目的関数のうちの任意の目的関数について、それらの間の論理関係を示す論理式を目的関数間論理式として計算する目的関数間論理式計算手段と、
該目的関数間論理式に基づいて、前記任意の目的関数の値がとり得る領域を前記任意の目的関数に対応する目的空間上の可能領域として表示する目的空間表示手段と、
目的空間表示手段によって表示される前記任意の目的関数に対応する目的空間上の可能領域上でユーザが指定する点又は領域に対応する任意の前記設計パラメータに対応する設計空間上の点又は領域を算出する目的空間対応設計空間算出手段と、
- ユーザが比較対象として指定する任意の比較対象目的関数に対応する比較対象目的空間上で、前記目的空間対応設計空間算出手段によって算出された前記設計空間上の点又は領域に対応する点又は領域を表示する比較対象目的空間表示手段と、
を含むことを特徴とする多目的最適化設計支援装置。
(付記5)
前記設計パラメータは、ハードディスク磁気記憶装置のスライダ部の形状を決定するためのパラメータである、
ことを特徴とする付記1乃至4のいずれか1項に記載の多目的最適化設計支援装置。
(付記6)
設計パラメータの組を複数入力して、所定の計算に基づいて複数の目的関数を計算し、その複数の目的関数に対して多目的最適化処理を実行することにより、最適な設計パラメータの組の決定を支援する設計支援方法において、
所定組数の前記設計パラメータのサンプルの組に対する前記複数の目的関数の組を計算するサンプル組目的関数計算ステップと、
前記所定組数の設計パラメータのサンプルの組とそれに対応して計算された複数の目的関数の組とに基づいて、前記目的関数を数式近似する目的関数近似ステップと、
該数式近似された複数の目的関数のうちの任意の目的関数について、それらの間の論理関係を示す論理式を目的関数間論理式として計算する目的関数間論理式計算ステップと、
該目的関数間論理式に基づいて、前記任意の目的関数の値がとり得る領域を前記任意の目的関数に対応する目的空間上の可能領域として表示する目的空間表示ステップと、
目的空間表示ステップによって表示される前記任意の目的関数に対応する目的空間上の可能領域上でユーザが指定する点又は領域に対応する任意の前記設計パラメータに対応する設計空間上の点又は領域を表示する目的空間対応設計空間表示ステップと、
を含むことを特徴とする多目的最適化設計支援方法。
(付記7)
前記目的空間対応設計空間表示ステップは、前記任意の前記設計パラメータに対応する設計空間上の所定間隔の格子点のうち、前記目的関数間論理式に基づいて計算される前記目的空間上の可能領域のうち前記ユーザが指定する点又は領域に対応する格子点を表示する、
ことを特徴とする付記6に記載の多目的最適化設計支援方法。
(付記8)
前記目的空間対応設計空間表示ステップは、前記目的空間から前記設計空間への論理関係を示す論理式を算出し、該論理式に基づいて、前記目的空間上の可能領域上でユーザが指定する点又は領域に対応する前記設計空間上の点又は領域を表示する、
ことを特徴とする付記6に記載の多目的最適化設計支援方法。
(付記9)
設計パラメータの組を複数入力して、所定の計算に基づいて複数の目的関数を計算し、その複数の目的関数に対して多目的最適化処理を実行することにより、最適な設計パラメータの組の決定を支援する設計支援方法において、
所定組数の前記設計パラメータのサンプルの組に対する前記複数の目的関数の組を計算するサンプル組目的関数計算ステップと、
前記所定組数の設計パラメータのサンプルの組とそれに対応して計算された複数の目的関数の組とに基づいて、前記目的関数を数式近似する目的関数近似ステップと、
該数式近似された複数の目的関数のうちの任意の目的関数について、それらの間の論理関係を示す論理式を目的関数間論理式として計算する目的関数間論理式計算ステップと、
該目的関数間論理式に基づいて、前記任意の目的関数の値がとり得る領域を前記任意の目的関数に対応する目的空間上の可能領域として表示する目的空間表示ステップと、
目的空間表示ステップによって表示される前記任意の目的関数に対応する目的空間上の可能領域上でユーザが指定する点又は領域に対応する任意の前記設計パラメータに対応する設計空間上の点又は領域を算出する目的空間対応設計空間算出ステップと、
- ユーザが比較対象として指定する任意の比較対象目的関数に対応する比較対象目的空間上で、前記目的空間対応設計空間算出ステップによって算出された前記設計空間上の点又は領域に対応する点又は領域を表示する比較対象目的空間表示ステップと、
を含むことを特徴とする多目的最適化設計支援方法。
(付記10)
前記設計パラメータは、ハードディスク磁気記憶装置のスライダ部の形状を決定するためのパラメータである、
ことを特徴とする付記6乃至9のいずれか1項に記載の多目的最適化設計支援方法。
(付記11)
設計パラメータの組を複数入力して、所定の計算に基づいて複数の目的関数を計算し、その複数の目的関数に対して多目的最適化処理を実行することにより、最適な設計パラメータの組の決定を支援するコンピュータに、
所定組数の前記設計パラメータのサンプルの組に対する前記複数の目的関数の組を計算するサンプル組目的関数計算機能と、
前記所定組数の設計パラメータのサンプルの組とそれに対応して計算された複数の目的関数の組とに基づいて、前記目的関数を数式近似する目的関数近似機能と、
該数式近似された複数の目的関数のうちの任意の目的関数について、それらの間の論理関係を示す論理式を目的関数間論理式として計算する目的関数間論理式計算機能と、
該目的関数間論理式に基づいて、前記任意の目的関数の値がとり得る領域を前記任意の目的関数に対応する目的空間上の可能領域として表示する目的空間表示機能と、
目的空間表示機能によって表示される前記任意の目的関数に対応する目的空間上の可能領域上でユーザが指定する点又は領域に対応する任意の前記設計パラメータに対応する設計空間上の点又は領域を表示する目的空間対応設計空間表示機能と、
を実現させるためのプログラム。
(付記12)
前記目的空間対応設計空間表示機能は、前記任意の前記設計パラメータに対応する設計空間上の所定間隔の格子点のうち、前記目的関数間論理式に基づいて計算される前記目的空間上の可能領域のうち前記ユーザが指定する点又は領域に対応する格子点を表示する、
ことを特徴とする付記11に記載のプログラム。
(付記13)
前記目的空間対応設計空間表示機能は、前記目的空間から前記設計空間への論理関係を示す論理式を算出し、該論理式に基づいて、前記目的空間上の可能領域上でユーザが指定する点又は領域に対応する前記設計空間上の点又は領域を表示する、
ことを特徴とする付記11に記載のプログラム。
(付記14)
設計パラメータの組を複数入力して、所定の計算に基づいて複数の目的関数を計算し、その複数の目的関数に対して多目的最適化処理を実行することにより、最適な設計パラメータの組の決定を支援するコンピュータに、
所定組数の前記設計パラメータのサンプルの組に対する前記複数の目的関数の組を計算するサンプル組目的関数計算機能と、
前記所定組数の設計パラメータのサンプルの組とそれに対応して計算された複数の目的関数の組とに基づいて、前記目的関数を数式近似する目的関数近似機能と、
該数式近似された複数の目的関数のうちの任意の目的関数について、それらの間の論理関係を示す論理式を目的関数間論理式として計算する目的関数間論理式計算機能と、
該目的関数間論理式に基づいて、前記任意の目的関数の値がとり得る領域を前記任意の目的関数に対応する目的空間上の可能領域として表示する目的空間表示機能と、
目的空間表示機能によって表示される前記任意の目的関数に対応する目的空間上の可能領域上でユーザが指定する点又は領域に対応する任意の前記設計パラメータに対応する設計空間上の点又は領域を算出する目的空間対応設計空間算出機能と、
- ユーザが比較対象として指定する任意の比較対象目的関数に対応する比較対象目的空間上で、前記目的空間対応設計空間算出機能によって算出された前記設計空間上の点又は領域に対応する点又は領域を表示する比較対象目的空間表示機能と、
を実現させるためのプログラム。
(付記15)
前記設計パラメータは、ハードディスク磁気記憶装置のスライダ部の形状を決定するためのパラメータである、
ことを特徴とする付記11乃至14のいずれか1項に記載のプログラム。
【図面の簡単な説明】
【0116】
【図1】本発明の実施形態の機能ブロック構成図である。
【図2】本発明の実施形態の全体処理の動作フローチャートである。
【図3】数式処理による可能領域表示の動作フローチャート(その1)である。
【図4】数式処理による可能領域表示の動作フローチャート(その2)である。
【図5】入力パラメータサンプル組107とそれに対応する各目的関数値の例を示す図である。
【図6】可能領域表示の例(その1)を示す図である。
【図7】可能領域表示の例(その2)を示す図である。
【図8】入力パラメータの中心範囲指定動作の説明図である。
【図9】可能領域表示の例(その3)を示す図である。
【図10】数式処理ベースでの可能領域表示のメリットを説明する図である。
【図11】可能領域表示部104の第1の機能の説明図(その1)である。
【図12】可能領域表示部104の第1の機能の動作フローチャート(その1)である。
【図13】可能領域表示部104の第1の機能の説明図(その2)である。
【図14】可能領域表示部104の第1の機能の動作フローチャート(その2)である。
【図15】可能領域表示部104の第1の機能の説明図(その3)である。
【図16】可能領域表示部104の第2の機能の説明図(その1)である。
【図17】可能領域表示部104の第2の機能の動作フローチャートである。
【図18】可能領域表示部104の第2の機能の説明図(その2)である。
【図19】本発明の実施形態によるシステムを実現できるコンピュータのハードウェア構成の一例を示す図である。
【図20】ハードディスクのスライダの説明図である。
【図21】スライダ形状のパラメータの説明図である。
【図22】多目的最適化の説明図である。
【図23】従来技術の説明図(その1)である。
【図24】従来技術の説明図(その2)である。
【符号の説明】
【0117】
101 浮上実計算実行部
102 目的関数多項式近似部
103 QE計算部
104 可能領域表示部
105 単目的関数最適化部
106 浮上実計算最適化部
107 入力パラメータサンプル組
108 入力パラメータ組
109 最適スライダ形状パラメータ組
1901 CPU
1902 メモリ
1903 入力装置
1904 出力装置
1905 外部記憶装置
1906 可搬記録媒体駆動装置
1907 ネットワーク接続装置
1908 バス
1909 可搬記録媒体
2001 スライダ
2002 アクチュエータ
2003 フライハイト
2004 ロール
2005 ピッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
設計パラメータの組を複数入力して、所定の計算に基づいて複数の目的関数を計算し、その複数の目的関数に対して多目的最適化処理を実行することにより、最適な設計パラメータの組の決定を支援する設計支援装置において、
所定組数の前記設計パラメータのサンプルの組に対する前記複数の目的関数の組を計算するサンプル組目的関数計算手段と、
前記所定組数の設計パラメータのサンプルの組とそれに対応して計算された複数の目的関数の組とに基づいて、前記目的関数を数式近似する目的関数近似手段と、
該数式近似された複数の目的関数のうちの任意の目的関数について、それらの間の論理関係を示す論理式を目的関数間論理式として計算する目的関数間論理式計算手段と、
該目的関数間論理式に基づいて、前記任意の目的関数の値がとり得る領域を前記任意の目的関数に対応する目的空間上の可能領域として表示する目的空間表示手段と、
目的空間表示手段によって表示される前記任意の目的関数に対応する目的空間上でユーザが指定する点又は領域に対応する任意の前記設計パラメータに対応する設計空間上の点又は領域を表示する目的空間対応設計空間表示手段と、
を含むことを特徴とする多目的最適化設計支援装置。
【請求項2】
設計パラメータの組を複数入力して、所定の計算に基づいて複数の目的関数を計算し、その複数の目的関数に対して多目的最適化処理を実行することにより、最適な設計パラメータの組の決定を支援する設計支援装置において、
所定組数の前記設計パラメータのサンプルの組に対する前記複数の目的関数の組を計算するサンプル組目的関数計算手段と、
前記所定組数の設計パラメータのサンプルの組とそれに対応して計算された複数の目的関数の組とに基づいて、前記目的関数を数式近似する目的関数近似手段と、
該数式近似された複数の目的関数のうちの任意の目的関数について、それらの間の論理関係を示す論理式を目的関数間論理式として計算する目的関数間論理式計算手段と、
該目的関数間論理式に基づいて、前記任意の目的関数の値がとり得る領域を前記任意の目的関数に対応する目的空間上の可能領域として表示する目的空間表示手段と、
目的空間表示手段によって表示される前記任意の目的関数に対応する目的空間上の可能領域上でユーザが指定する点又は領域に対応する任意の前記設計パラメータに対応する設計空間上の点又は領域を算出する目的空間対応設計空間算出手段と、
- ユーザが比較対象として指定する任意の比較対象目的関数に対応する比較対象目的空間上で、前記目的空間対応設計空間算出手段によって算出された前記設計空間上の点又は領域に対応する点又は領域を表示する比較対象目的空間表示手段と、
を含むことを特徴とする多目的最適化設計支援装置。
【請求項3】
設計パラメータの組を複数入力して、所定の計算に基づいて複数の目的関数を計算し、その複数の目的関数に対して多目的最適化処理を実行することにより、最適な設計パラメータの組の決定を支援する設計支援方法において、
所定組数の前記設計パラメータのサンプルの組に対する前記複数の目的関数の組を計算するサンプル組目的関数計算ステップと、
前記所定組数の設計パラメータのサンプルの組とそれに対応して計算された複数の目的関数の組とに基づいて、前記目的関数を数式近似する目的関数近似ステップと、
該数式近似された複数の目的関数のうちの任意の目的関数について、それらの間の論理関係を示す論理式を目的関数間論理式として計算する目的関数間論理式計算ステップと、
該目的関数間論理式に基づいて、前記任意の目的関数の値がとり得る領域を前記任意の目的関数に対応する目的空間上の可能領域として表示する目的空間表示ステップと、
目的空間表示ステップによって表示される前記任意の目的関数に対応する目的空間上の可能領域上でユーザが指定する点又は領域に対応する任意の前記設計パラメータに対応す
る設計空間上の点又は領域を表示する目的空間対応設計空間表示ステップと、
を含むことを特徴とする多目的最適化設計支援方法。
【請求項4】
前記目的空間対応設計空間表示ステップは、前記任意の前記設計パラメータに対応する設計空間上の所定間隔の格子点のうち、前記目的関数間論理式に基づいて計算される前記目的空間上の可能領域のうち前記ユーザが指定する点又は領域に対応する格子点を表示する、
ことを特徴とする請求項3に記載の多目的最適化設計支援方法。
【請求項5】
前記目的空間対応設計空間表示ステップは、前記目的空間から前記設計空間への論理関係を示す論理式を算出し、該論理式に基づいて、前記目的空間上の可能領域上でユーザが指定する点又は領域に対応する前記設計空間上の点又は領域を表示する、
ことを特徴とする請求項3に記載の多目的最適化設計支援方法。
【請求項6】
設計パラメータの組を複数入力して、所定の計算に基づいて複数の目的関数を計算し、その複数の目的関数に対して多目的最適化処理を実行することにより、最適な設計パラメータの組の決定を支援する設計支援方法において、
所定組数の前記設計パラメータのサンプルの組に対する前記複数の目的関数の組を計算するサンプル組目的関数計算ステップと、
前記所定組数の設計パラメータのサンプルの組とそれに対応して計算された複数の目的関数の組とに基づいて、前記目的関数を数式近似する目的関数近似ステップと、
該数式近似された複数の目的関数のうちの任意の目的関数について、それらの間の論理関係を示す論理式を目的関数間論理式として計算する目的関数間論理式計算ステップと、
該目的関数間論理式に基づいて、前記任意の目的関数の値がとり得る領域を前記任意の目的関数に対応する目的空間上の可能領域として表示する目的空間表示ステップと、
目的空間表示ステップによって表示される前記任意の目的関数に対応する目的空間上の可能領域上でユーザが指定する点又は領域に対応する任意の前記設計パラメータに対応する設計空間上の点又は領域を算出する目的空間対応設計空間算出ステップと、
- ユーザが比較対象として指定する任意の比較対象目的関数に対応する比較対象目的空間上で、前記目的空間対応設計空間算出ステップによって算出された前記設計空間上の点又は領域に対応する点又は領域を表示する比較対象目的空間表示ステップと、
を含むことを特徴とする多目的最適化設計支援方法。
【請求項7】
前記設計パラメータは、ハードディスク磁気記憶装置のスライダ部の形状を決定するためのパラメータである、
ことを特徴とする請求項3乃至6のいずれか1項に記載の多目的最適化設計支援方法。
【請求項8】
設計パラメータの組を複数入力して、所定の計算に基づいて複数の目的関数を計算し、その複数の目的関数に対して多目的最適化処理を実行することにより、最適な設計パラメータの組の決定を支援するコンピュータに、
所定組数の前記設計パラメータのサンプルの組に対する前記複数の目的関数の組を計算するサンプル組目的関数計算機能と、
前記所定組数の設計パラメータのサンプルの組とそれに対応して計算された複数の目的関数の組とに基づいて、前記目的関数を数式近似する目的関数近似機能と、
該数式近似された複数の目的関数のうちの任意の目的関数について、それらの間の論理関係を示す論理式を目的関数間論理式として計算する目的関数間論理式計算機能と、
該目的関数間論理式に基づいて、前記任意の目的関数の値がとり得る領域を前記任意の目的関数に対応する目的空間上の可能領域として表示する目的空間表示機能と、
目的空間表示機能によって表示される前記任意の目的関数に対応する目的空間上の可能領域上でユーザが指定する点又は領域に対応する任意の前記設計パラメータに対応する設
計空間上の点又は領域を表示する目的空間対応設計空間表示機能と、
を実現させるためのプログラム。
【請求項9】
設計パラメータの組を複数入力して、所定の計算に基づいて複数の目的関数を計算し、その複数の目的関数に対して多目的最適化処理を実行することにより、最適な設計パラメータの組の決定を支援するコンピュータに、
所定組数の前記設計パラメータのサンプルの組に対する前記複数の目的関数の組を計算するサンプル組目的関数計算機能と、
前記所定組数の設計パラメータのサンプルの組とそれに対応して計算された複数の目的関数の組とに基づいて、前記目的関数を数式近似する目的関数近似機能と、
該数式近似された複数の目的関数のうちの任意の目的関数について、それらの間の論理関係を示す論理式を目的関数間論理式として計算する目的関数間論理式計算機能と、
該目的関数間論理式に基づいて、前記任意の目的関数の値がとり得る領域を前記任意の目的関数に対応する目的空間上の可能領域として表示する目的空間表示機能と、
目的空間表示機能によって表示される前記任意の目的関数に対応する目的空間上の可能領域上でユーザが指定する点又は領域に対応する任意の前記設計パラメータに対応する設計空間上の点又は領域を算出する目的空間対応設計空間算出機能と、
- ユーザが比較対象として指定する任意の比較対象目的関数に対応する比較対象目的空間上で、前記目的空間対応設計空間算出機能によって算出された前記設計空間上の点又は領域に対応する点又は領域を表示する比較対象目的空間表示機能と、
を実現させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図12】
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【図14】
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【図17】
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【図19】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図13】
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【図15】
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【図16】
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【図18】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2009−169557(P2009−169557A)
【公開日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−5104(P2008−5104)
【出願日】平成20年1月14日(2008.1.14)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】