多色化粧料および多色化粧料の製造方法
【課題】積層型の多色化粧料を使用し続けても、化粧料表面に表現された加飾を長きに亘って維持する。
【解決手段】化粧皿2内には、下打型層3と上打型層4とが積層されている。下打型層3は、少なくとも一色の打型化粧料によって構成されている。上打型層4は、化粧皿2内の下打型層3上に部分的に積層され、下打型層3とは異なる色の打型化粧料によって構成されている。上打型層4が積層されていない陥没部5bは、化粧料表面から下打型層3に到達する深さを有する。
【解決手段】化粧皿2内には、下打型層3と上打型層4とが積層されている。下打型層3は、少なくとも一色の打型化粧料によって構成されている。上打型層4は、化粧皿2内の下打型層3上に部分的に積層され、下打型層3とは異なる色の打型化粧料によって構成されている。上打型層4が積層されていない陥没部5bは、化粧料表面から下打型層3に到達する深さを有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多色化粧料および多色化粧料の製造方法に係り、特に、積層型の多色化粧料における表面加飾に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、色の組み合わせによる面白さを演出するために、互いに区分された複数色の化粧料よりなる多色化粧料が知られている。例えば、特許文献1には、型抜きされた化粧料の貫通孔に、これとは異なる色の化粧料を嵌め入れることによって、複数色の化粧料が横方向に並んで丸状模様を形成するようにした多色化粧料が開示されている。一方、このような横配置型ではなく、複数色の化粧料が縦方向に並んだ積層型のものも知られている。例えば、特許文献2に開示された積層型多色化粧料においては、化粧皿内に打型された固形化粧料の表面に、液状化した粉末化粧料をスプレーして、固形化粧料上に薄膜層を積層する。そして、上層の薄膜層の表面を凹凸模様が刻まれた押型でプレスして、上層を部分的に剥離する。この剥離によって下層の固形化粧料が部分的に露出し、これによって、化粧料表面に色模様が形成される。また、このような化粧料表面加飾に関するものではないが、特許文献3には、透明な容器内に複数色の化粧料を積層し、この積層に起因した色のグラデーションを透明な容器の側面に露出させた多色化粧料が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−75789号公報
【特許文献2】特開2005−82578号公報
【特許文献3】特開2007−261949号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献2のような表面加飾手法では、スプレーされた上層の薄膜層が極めて薄く、打型したものと比べて密度も疎なので、パフや刷毛等の擦り取りによって、すぐに薄くなり簡単に消えてしまう。その結果、化粧料表面の演出効果が長続きしないという問題がある。
【0005】
そこで、本発明の目的は、積層型多色化粧料を使用し続けても、化粧料表面に表現された加飾を長きに亘って維持することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる課題を解決すべく、第1の発明は、化粧皿と、化粧皿内に積層され、少なくとも一色の打型化粧料によって構成された下打型層と、化粧皿内の下打型層上に部分的に積層され、下打型層とは異なる色の打型化粧料によって構成された上打型層とを有し、上打型層が積層されていない陥没部の少なくとも一部は、化粧料表面から下打型層に到達する深さを有する多色化粧料を提供する。
【0007】
ここで、第1の発明において、上記下打型層は、横方向に配置された複数色の化粧料によって構成されていてもよく、上下に積層された複数色の化粧料によって構成されていてもよい。後者の場合、陥没部の深さは、複数色の化粧料のそれぞれに到達するように、陥没部の位置によって異なることが好ましい。また、上記複数色の化粧料は、ある色から別の色へ色が徐々に変化するグラデーションを形成していてもよい。
【0008】
また、第1の発明において、上記陥没部には、上打型層とは異なる色の化粧料が充填されていてもよい。
【0009】
第2の発明は、化粧皿内に、少なくとも一色の化粧料によって構成された下打型層を積層する第1のステップと、化粧皿内の下打型層上に、下打型層とは異なる色の打型化粧料によって構成された上打型層を積層する第2のステップと、上打型層の一部を下打型層に到達する深さまで切削することにより、下打型層を部分的に露出させる第3のステップとを有する多色化粧料の製造方法を提供する。
【0010】
ここで、第2の発明において、上記第1のステップは、化粧皿内に少なくとも一色の第1の化粧料を充填する第1の充填ステップと、化粧皿内に充填された第1の化粧料を打型することによって、均一な厚みに平坦化された下打型層を得る第1の打型ステップとを有することが好ましい。また、上記第2のステップは、均一な厚みに平坦化された下打型層上に、第2の化粧料を充填する第2の充填ステップと、化粧皿内に充填された第2の化粧料を打型することによって、均一な厚みに平坦化された上打型層を得る第2の打型ステップとを有することが好ましい。
【0011】
また、第2の発明において、上記第3のステップは、下打型層を構成する上下に積層された複数色の第1の化粧料のそれぞれが露出するように、切削の深さを変えながら切削を行うステップであってもよい。この場合、上記第3のステップは、下打型層を構成する横方向に配置された複数色の第1の化粧料のそれぞれが露出するように、上記切削を行うステップであることが好ましい。
【0012】
また、第2の発明において、上記複数色の第1の化粧料は、ある色から別の色へ色が徐々に変化するグラデーションを形成していることが好ましい。
【0013】
さらに、第2の発明において、上打型層における切削した部位には、上打型層とは異なる色の化粧料を充填する第4のステップをさらに設けてもよい。
【発明の効果】
【0014】
第1の発明によれば、下打型層上に積層される上層を打型層、すなわち打型によって圧縮形成された化粧料層とする。圧縮形成された打型層は、従来技術のようなスプレーによって形成された薄膜層と比べて厚く、かつ高密度である。したがって、パフや刷毛等で擦り取っていっても、化粧料の表面加飾が容易には損なわれず、これを長きに亘って維持できる。これにより、例えば化粧料表面の演出という観点でいえば、色の組み合わせによる面白さを長きに亘って演出し続けることができる。
【0015】
第2の発明によれば、第1の発明として述べた特徴を有する多色化粧料を容易かつ効率的に生産することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】第1の実施形態に係る多色化粧料の外観斜視図
【図2】第1の実施形態に係る多色化粧料の断面図
【図3】第2の実施形態に係る多色化粧料の展開斜視図
【図4】第2の実施形態に係る多色化粧料の上面図
【図5】第3の実施形態に係る多色化粧料の上面図
【図6】第4の実施形態に係る多色化粧料の断面図
【図7】第5の実施形態に係る多色化粧料の断面図
【図8】下打型層の充填工程の説明図
【図9】下打型層の打型工程の説明図
【図10】上打型層の充填工程の説明図
【図11】上打型層の打型工程の説明図
【図12】切削工程の説明図
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1は、第1の実施形態に係る多色化粧料の外観斜視図であり、図2は、その断面図である。後述する各実施形態も含めて、この多色化粧料1は、例えば、ファンデーション、フェイスパウダー、アイシャドウといった粉末固形化粧料であるが、乾式化粧料および湿式化粧料のどちらであってもよい。乾式化粧料は、化粧料の粉体を打型して固化したものである。また、湿式化粧料は、スラリー(化粧料の流動体)中の揮発成分を吸収・乾燥させて固化したものである。スラリーとしては、化粧料基材と、エタノール、水、流動パラフィン、イソパラフィン、イソプロピルアルコール等の揮発性溶剤とを混合したものが用いられる。湿式化粧料は、乾式化粧料と比べて粒子密度が疎であることに起因して、しっとりサラサラにした使用感が得られるという特性がある。
【0018】
多色化粧料1は、化粧皿2内の縦方向に積層された複数色の化粧料を有し、本実施形態では、下打型層3および上打型層4の2層構造になっている。下打型層3は、化粧皿2の内底部上の全体に亘って積層されており、打型化粧料、すなわち打型によって圧縮形成された化粧料によって構成されている。打型によって高密度に圧縮された下打型層3は、一例として、化粧皿2の深さの略半分程度の均一な厚みを有する。一方、上打型層4は、化粧皿2内における下打型層3上に積層され、下打型層3と同様、打型化粧料によって構成されている。ただし、上打型層4は、下打型層3の上面全体ではなく、その上面に部分的に存在する。打型によって高密度に圧縮された上打型層4は、下打型層3の上面から化粧皿2の略上端に至る程度の均一な厚みを有する。
【0019】
色の組み合わせによる演出効果を与えるために、上下の打型層3,4の色は互いに異なっている。本明細書では、「異なる色」という用語を、両者の違いをユーザが視覚的に認識できれば足りる程度の意味合いで用いている。したがって、明度、彩度、色相の違いはもとより、同一色であっても、パール等を加えたものと、そうでないものといったように質感が異なるものも、ここでいう「異なる色」の範疇に含まれる。
【0020】
上打型層4の部分的な積層によって、上打型層4が積層されていない部分は、多色化粧料1の表面から凹状に陥没した陥没部5a,5bとなる。同図に示すように、これらの陥没部5a,5bは、直線状、曲線状、所定形状の面状、および、これらの組み合わせも含めて、任意の形状を有し、典型的には、ドリルやレーザで化粧料表面を切削することで形成される。陥没部5の少なくとも一部は、化粧料表面から下打型層3に到達する深さを有している。同図の例において、陥没部5a,5bの深さは、陥没している部位の位置によって異なっており、一例として2種類の深さD1,D2を有する。浅い方の深さD1は、下打型層3に到達することなく上打型層4の途中までに留まっている。これにより、深さD1の陥没部5aが形成された表面部位では、下打型層3の色が露出することはないが、表面の凹凸に応じた陰影が形成される。これに対して、深い方の深さD2は、上打型層4を貫通して下打型層3まで到達している。これにより、深さD2の陥没部5bが形成された表面部位では、上記陰影に加えて、上打型層4の色と区分された状態で下打型層3の色が露出する。上打型層4は、相当な厚みを有し、かつ、高密度化されているので、化粧料表面に表現された加飾は、パフや刷毛等で擦り取っていっても容易には損なわれず、長きに亘って維持されることになる。
【0021】
図3は、第2の実施形態に係る多色化粧料の展開斜視図であり、図4は、その上面図である。この多色化粧料1では、下打型層3が横方向に配置された複数色の化粧料3a〜3cによって構成されている。陥没部5は、化粧料表面から上打型層4を貫通して下打型層3、すなわち化粧料3a〜3cまで到達する深さを有する。これにより、化粧料表面には、3つの化粧料3a〜3cの色の組み合わせが部分的に露出する。なお、それ以外については、上述した第1の実施形態に係る多色化粧料1と同様であるから、同一の符号を付してここでの説明を省略する(この点は以下の各実施形態についても同様)。
【0022】
図5は、第3の実施形態に係る多色化粧料の上面図であり、第2の実施形態の変形例というべきものである。この多色化粧料1の下打型層3には、ある色から別の色へ色が徐々に変化するグラデーションが形成されており、このグラデーションが化粧料表面に部分的に露出する。なお、グラデーションは、下打型層3ではなく上打型層4に形成してもよいし、上下の打型層3,4を共にグラデーションにしてもよい。
【0023】
図6は、第4の実施形態に係る多色化粧料の断面図である。この多色化粧料1の下打型層3は、上下に積層された複数色の化粧料3a,3bによって構成されている。陥没部5の深さは、同図の太線で示したように、化粧料表面から上打型層4を貫通して化粧料3a,3bのそれぞれに到達するように、陥没部5の位置によって異なっている(連続的に変化している)。これにより、化粧料表面には、上打型層4の陰影と、化粧料3aの色と、化粧料3bの色とが露出する。化粧料表面に露出する色は、陥没部5の深さによって変わる。
【0024】
図7は、第5の実施形態に係る多色化粧料の断面図である。この多色化粧料1において、陥没部5には、上打型層4とは異なる色の化粧料6が充填されている。この化粧料6としては、パールや顆粒といった上打型層4とは異なる材質のものを用いることが好ましい。顆粒状の化粧料6は、例えば、粉末状の化粧料を一度プレスして仮固めした後に、ふるいで落とすといった手法、或いは、粉末状の化粧料にバインダー(油等)を入れて、揺すりながら顆粒化するといった手法等で生成することができる。顆粒の粒子径は、充填空間となる陥没部5のサイズや複雑さに応じて適宜設定すればよく、同一径のものを用いてもよいし、径が異なるものを用いてもよい。
【0025】
つぎに、図8から図11を参照しつつ、上述した各実施形態に係る多色化粧料1の製造方法について説明する。
【0026】
まず、化粧皿2内に下打型層3を積層する。具体的には、図8に示すように、金皿7内に収容された化粧皿2の内部を含む充填空間に、少なくとも一色の化粧料3aを充填する。化粧料3aが乾式の場合には、化粧皿2上に配置されたホッパーから化粧料の粉体を落下させることによって充填が行われる。一方、化粧料3aが湿式の場合には、充填空間を塞がれた状態で上方よりスラリーを充填するフロント充填法、充填空間が塞がれた状態で化粧皿2の底部の貫通孔よりスラリーを充填するバック充填法、充填空間が塞がれていない状態で上方のモーノポンプよりスラリーを注入するオープン充填法等によって充填が行われる。つぎに、図9に示すように、化粧皿2内に充填された化粧料3aの上面をプレスヘッド8を用いて上方よりプレスする。この打型によって、化粧料3aが圧縮され、均一な厚みに平坦化された下打型層3が得られる。
【0027】
なお、図3,4に示したように、複数色の化粧料3a〜3cが横方向に配置された構造の下打型層3を生成する場合には、例えば、化粧皿2内に仕切り板を配置し、これによって区切られた区画のそれぞれに、各色の化粧料3a〜3cを充填すればよい。また、図5に示したように、グラデーション状の下打型層3を生成する場合には、各区画に充填すべき化粧料の色が徐々に変化するようにすればよい。さらに、図6に示したように、複数色の化粧料3a,3bが上下に積層された下打型層3を生成する場合には、化粧料の充填・打型を積層数分だけ繰り返して行えばよい。
【0028】
つぎに、化粧皿2内の下打型層3上に上打型層4を積層する。具体的には、図10に示すように、均一な厚みに平坦化された下打型層3上に、少なくとも一色の乾式または湿式の化粧料4aを充填する。つぎに、図11に示すように、化粧皿2内に充填された化粧料4aの上面をプレスヘッド8を用いて上方よりプレスする。この打型によって、化粧料4aが圧縮され、均一な厚みに平坦化された上打型層4が得られる。なお、上述した下打型層3に関する複数色化およびグラデーション化といったバリエーションは、上打型層4についても同様に適用することが可能である。
【0029】
最後に、図12に示すように、ドリル9を用いて、上打型層4の一部を下打型層3に到達する深さまで切削することによって陥没部5を形成し、下打型層3を部分的に露出させる。形状の異なるドリル9を用いれば、陥没部5の形状に変化を持たせることができる。図1,2の構造を得る場合には、ドリル9による切削の深さを2段階(図2のD1,D2相当)に変えればよい。また、図6の構造を得る場合には、それぞれの化粧料3a,3bが露出するように、ドリル9による切削の深さを連続的に変えればよい。なお、上打型層4の切削は、ドリル9以外にレーザ等を用いてもよい。
【0030】
なお、図7の構造を得る場合には、ドリル9等の切削によって形成された陥没部5に、化粧料6を充填し、これをプレスした後に、化粧料表面をスライスするといった工程が追加される。
【0031】
このように、本実施形態に係る多色化粧料1によれば、下打型層3上に積層される上層を打型層4、すなわち打型によって形成された化粧料層とする。この上打型層4は、従来技術のようなスプレーによって形成された薄膜層と比べて厚く、かつ高密度である。したがって、パフや刷毛等で擦り取っていっても、化粧料表面に表現された加飾が容易には損なわれず、これを長きに亘って維持できる。これにより、色の組み合わせによる斬新な面白さを長きに亘って演出し続けることができる。
【0032】
また、本実施形態に係る多色化粧料1の製造方法によれば、斬新な演出効果を有する多色化粧料1を容易かつ効率的に生産することができる。
【0033】
なお、上述した実施形態では、化粧料の充填・打型を化粧皿2内で行うことによって、打型層3,4を形成する例について説明したが、予め固化した化粧料を別途用意しておき、これを化粧皿2内に収容することによって、打型層3,4を形成してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0034】
以上のように、本発明に係る多色化粧料およびその製造方法は、演出効果という用途以外にも、化粧料表面に表現された加飾を長きに亘って維持すべきものに対して広く適用できる。
【符号の説明】
【0035】
1 多色化粧料
2 化粧皿
3 下打型層
4 上打型層
5,5a,5b 陥没部
6 化粧料
7 金型
8 プレスヘッド
9 ドリル
【技術分野】
【0001】
本発明は、多色化粧料および多色化粧料の製造方法に係り、特に、積層型の多色化粧料における表面加飾に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、色の組み合わせによる面白さを演出するために、互いに区分された複数色の化粧料よりなる多色化粧料が知られている。例えば、特許文献1には、型抜きされた化粧料の貫通孔に、これとは異なる色の化粧料を嵌め入れることによって、複数色の化粧料が横方向に並んで丸状模様を形成するようにした多色化粧料が開示されている。一方、このような横配置型ではなく、複数色の化粧料が縦方向に並んだ積層型のものも知られている。例えば、特許文献2に開示された積層型多色化粧料においては、化粧皿内に打型された固形化粧料の表面に、液状化した粉末化粧料をスプレーして、固形化粧料上に薄膜層を積層する。そして、上層の薄膜層の表面を凹凸模様が刻まれた押型でプレスして、上層を部分的に剥離する。この剥離によって下層の固形化粧料が部分的に露出し、これによって、化粧料表面に色模様が形成される。また、このような化粧料表面加飾に関するものではないが、特許文献3には、透明な容器内に複数色の化粧料を積層し、この積層に起因した色のグラデーションを透明な容器の側面に露出させた多色化粧料が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−75789号公報
【特許文献2】特開2005−82578号公報
【特許文献3】特開2007−261949号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献2のような表面加飾手法では、スプレーされた上層の薄膜層が極めて薄く、打型したものと比べて密度も疎なので、パフや刷毛等の擦り取りによって、すぐに薄くなり簡単に消えてしまう。その結果、化粧料表面の演出効果が長続きしないという問題がある。
【0005】
そこで、本発明の目的は、積層型多色化粧料を使用し続けても、化粧料表面に表現された加飾を長きに亘って維持することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる課題を解決すべく、第1の発明は、化粧皿と、化粧皿内に積層され、少なくとも一色の打型化粧料によって構成された下打型層と、化粧皿内の下打型層上に部分的に積層され、下打型層とは異なる色の打型化粧料によって構成された上打型層とを有し、上打型層が積層されていない陥没部の少なくとも一部は、化粧料表面から下打型層に到達する深さを有する多色化粧料を提供する。
【0007】
ここで、第1の発明において、上記下打型層は、横方向に配置された複数色の化粧料によって構成されていてもよく、上下に積層された複数色の化粧料によって構成されていてもよい。後者の場合、陥没部の深さは、複数色の化粧料のそれぞれに到達するように、陥没部の位置によって異なることが好ましい。また、上記複数色の化粧料は、ある色から別の色へ色が徐々に変化するグラデーションを形成していてもよい。
【0008】
また、第1の発明において、上記陥没部には、上打型層とは異なる色の化粧料が充填されていてもよい。
【0009】
第2の発明は、化粧皿内に、少なくとも一色の化粧料によって構成された下打型層を積層する第1のステップと、化粧皿内の下打型層上に、下打型層とは異なる色の打型化粧料によって構成された上打型層を積層する第2のステップと、上打型層の一部を下打型層に到達する深さまで切削することにより、下打型層を部分的に露出させる第3のステップとを有する多色化粧料の製造方法を提供する。
【0010】
ここで、第2の発明において、上記第1のステップは、化粧皿内に少なくとも一色の第1の化粧料を充填する第1の充填ステップと、化粧皿内に充填された第1の化粧料を打型することによって、均一な厚みに平坦化された下打型層を得る第1の打型ステップとを有することが好ましい。また、上記第2のステップは、均一な厚みに平坦化された下打型層上に、第2の化粧料を充填する第2の充填ステップと、化粧皿内に充填された第2の化粧料を打型することによって、均一な厚みに平坦化された上打型層を得る第2の打型ステップとを有することが好ましい。
【0011】
また、第2の発明において、上記第3のステップは、下打型層を構成する上下に積層された複数色の第1の化粧料のそれぞれが露出するように、切削の深さを変えながら切削を行うステップであってもよい。この場合、上記第3のステップは、下打型層を構成する横方向に配置された複数色の第1の化粧料のそれぞれが露出するように、上記切削を行うステップであることが好ましい。
【0012】
また、第2の発明において、上記複数色の第1の化粧料は、ある色から別の色へ色が徐々に変化するグラデーションを形成していることが好ましい。
【0013】
さらに、第2の発明において、上打型層における切削した部位には、上打型層とは異なる色の化粧料を充填する第4のステップをさらに設けてもよい。
【発明の効果】
【0014】
第1の発明によれば、下打型層上に積層される上層を打型層、すなわち打型によって圧縮形成された化粧料層とする。圧縮形成された打型層は、従来技術のようなスプレーによって形成された薄膜層と比べて厚く、かつ高密度である。したがって、パフや刷毛等で擦り取っていっても、化粧料の表面加飾が容易には損なわれず、これを長きに亘って維持できる。これにより、例えば化粧料表面の演出という観点でいえば、色の組み合わせによる面白さを長きに亘って演出し続けることができる。
【0015】
第2の発明によれば、第1の発明として述べた特徴を有する多色化粧料を容易かつ効率的に生産することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】第1の実施形態に係る多色化粧料の外観斜視図
【図2】第1の実施形態に係る多色化粧料の断面図
【図3】第2の実施形態に係る多色化粧料の展開斜視図
【図4】第2の実施形態に係る多色化粧料の上面図
【図5】第3の実施形態に係る多色化粧料の上面図
【図6】第4の実施形態に係る多色化粧料の断面図
【図7】第5の実施形態に係る多色化粧料の断面図
【図8】下打型層の充填工程の説明図
【図9】下打型層の打型工程の説明図
【図10】上打型層の充填工程の説明図
【図11】上打型層の打型工程の説明図
【図12】切削工程の説明図
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1は、第1の実施形態に係る多色化粧料の外観斜視図であり、図2は、その断面図である。後述する各実施形態も含めて、この多色化粧料1は、例えば、ファンデーション、フェイスパウダー、アイシャドウといった粉末固形化粧料であるが、乾式化粧料および湿式化粧料のどちらであってもよい。乾式化粧料は、化粧料の粉体を打型して固化したものである。また、湿式化粧料は、スラリー(化粧料の流動体)中の揮発成分を吸収・乾燥させて固化したものである。スラリーとしては、化粧料基材と、エタノール、水、流動パラフィン、イソパラフィン、イソプロピルアルコール等の揮発性溶剤とを混合したものが用いられる。湿式化粧料は、乾式化粧料と比べて粒子密度が疎であることに起因して、しっとりサラサラにした使用感が得られるという特性がある。
【0018】
多色化粧料1は、化粧皿2内の縦方向に積層された複数色の化粧料を有し、本実施形態では、下打型層3および上打型層4の2層構造になっている。下打型層3は、化粧皿2の内底部上の全体に亘って積層されており、打型化粧料、すなわち打型によって圧縮形成された化粧料によって構成されている。打型によって高密度に圧縮された下打型層3は、一例として、化粧皿2の深さの略半分程度の均一な厚みを有する。一方、上打型層4は、化粧皿2内における下打型層3上に積層され、下打型層3と同様、打型化粧料によって構成されている。ただし、上打型層4は、下打型層3の上面全体ではなく、その上面に部分的に存在する。打型によって高密度に圧縮された上打型層4は、下打型層3の上面から化粧皿2の略上端に至る程度の均一な厚みを有する。
【0019】
色の組み合わせによる演出効果を与えるために、上下の打型層3,4の色は互いに異なっている。本明細書では、「異なる色」という用語を、両者の違いをユーザが視覚的に認識できれば足りる程度の意味合いで用いている。したがって、明度、彩度、色相の違いはもとより、同一色であっても、パール等を加えたものと、そうでないものといったように質感が異なるものも、ここでいう「異なる色」の範疇に含まれる。
【0020】
上打型層4の部分的な積層によって、上打型層4が積層されていない部分は、多色化粧料1の表面から凹状に陥没した陥没部5a,5bとなる。同図に示すように、これらの陥没部5a,5bは、直線状、曲線状、所定形状の面状、および、これらの組み合わせも含めて、任意の形状を有し、典型的には、ドリルやレーザで化粧料表面を切削することで形成される。陥没部5の少なくとも一部は、化粧料表面から下打型層3に到達する深さを有している。同図の例において、陥没部5a,5bの深さは、陥没している部位の位置によって異なっており、一例として2種類の深さD1,D2を有する。浅い方の深さD1は、下打型層3に到達することなく上打型層4の途中までに留まっている。これにより、深さD1の陥没部5aが形成された表面部位では、下打型層3の色が露出することはないが、表面の凹凸に応じた陰影が形成される。これに対して、深い方の深さD2は、上打型層4を貫通して下打型層3まで到達している。これにより、深さD2の陥没部5bが形成された表面部位では、上記陰影に加えて、上打型層4の色と区分された状態で下打型層3の色が露出する。上打型層4は、相当な厚みを有し、かつ、高密度化されているので、化粧料表面に表現された加飾は、パフや刷毛等で擦り取っていっても容易には損なわれず、長きに亘って維持されることになる。
【0021】
図3は、第2の実施形態に係る多色化粧料の展開斜視図であり、図4は、その上面図である。この多色化粧料1では、下打型層3が横方向に配置された複数色の化粧料3a〜3cによって構成されている。陥没部5は、化粧料表面から上打型層4を貫通して下打型層3、すなわち化粧料3a〜3cまで到達する深さを有する。これにより、化粧料表面には、3つの化粧料3a〜3cの色の組み合わせが部分的に露出する。なお、それ以外については、上述した第1の実施形態に係る多色化粧料1と同様であるから、同一の符号を付してここでの説明を省略する(この点は以下の各実施形態についても同様)。
【0022】
図5は、第3の実施形態に係る多色化粧料の上面図であり、第2の実施形態の変形例というべきものである。この多色化粧料1の下打型層3には、ある色から別の色へ色が徐々に変化するグラデーションが形成されており、このグラデーションが化粧料表面に部分的に露出する。なお、グラデーションは、下打型層3ではなく上打型層4に形成してもよいし、上下の打型層3,4を共にグラデーションにしてもよい。
【0023】
図6は、第4の実施形態に係る多色化粧料の断面図である。この多色化粧料1の下打型層3は、上下に積層された複数色の化粧料3a,3bによって構成されている。陥没部5の深さは、同図の太線で示したように、化粧料表面から上打型層4を貫通して化粧料3a,3bのそれぞれに到達するように、陥没部5の位置によって異なっている(連続的に変化している)。これにより、化粧料表面には、上打型層4の陰影と、化粧料3aの色と、化粧料3bの色とが露出する。化粧料表面に露出する色は、陥没部5の深さによって変わる。
【0024】
図7は、第5の実施形態に係る多色化粧料の断面図である。この多色化粧料1において、陥没部5には、上打型層4とは異なる色の化粧料6が充填されている。この化粧料6としては、パールや顆粒といった上打型層4とは異なる材質のものを用いることが好ましい。顆粒状の化粧料6は、例えば、粉末状の化粧料を一度プレスして仮固めした後に、ふるいで落とすといった手法、或いは、粉末状の化粧料にバインダー(油等)を入れて、揺すりながら顆粒化するといった手法等で生成することができる。顆粒の粒子径は、充填空間となる陥没部5のサイズや複雑さに応じて適宜設定すればよく、同一径のものを用いてもよいし、径が異なるものを用いてもよい。
【0025】
つぎに、図8から図11を参照しつつ、上述した各実施形態に係る多色化粧料1の製造方法について説明する。
【0026】
まず、化粧皿2内に下打型層3を積層する。具体的には、図8に示すように、金皿7内に収容された化粧皿2の内部を含む充填空間に、少なくとも一色の化粧料3aを充填する。化粧料3aが乾式の場合には、化粧皿2上に配置されたホッパーから化粧料の粉体を落下させることによって充填が行われる。一方、化粧料3aが湿式の場合には、充填空間を塞がれた状態で上方よりスラリーを充填するフロント充填法、充填空間が塞がれた状態で化粧皿2の底部の貫通孔よりスラリーを充填するバック充填法、充填空間が塞がれていない状態で上方のモーノポンプよりスラリーを注入するオープン充填法等によって充填が行われる。つぎに、図9に示すように、化粧皿2内に充填された化粧料3aの上面をプレスヘッド8を用いて上方よりプレスする。この打型によって、化粧料3aが圧縮され、均一な厚みに平坦化された下打型層3が得られる。
【0027】
なお、図3,4に示したように、複数色の化粧料3a〜3cが横方向に配置された構造の下打型層3を生成する場合には、例えば、化粧皿2内に仕切り板を配置し、これによって区切られた区画のそれぞれに、各色の化粧料3a〜3cを充填すればよい。また、図5に示したように、グラデーション状の下打型層3を生成する場合には、各区画に充填すべき化粧料の色が徐々に変化するようにすればよい。さらに、図6に示したように、複数色の化粧料3a,3bが上下に積層された下打型層3を生成する場合には、化粧料の充填・打型を積層数分だけ繰り返して行えばよい。
【0028】
つぎに、化粧皿2内の下打型層3上に上打型層4を積層する。具体的には、図10に示すように、均一な厚みに平坦化された下打型層3上に、少なくとも一色の乾式または湿式の化粧料4aを充填する。つぎに、図11に示すように、化粧皿2内に充填された化粧料4aの上面をプレスヘッド8を用いて上方よりプレスする。この打型によって、化粧料4aが圧縮され、均一な厚みに平坦化された上打型層4が得られる。なお、上述した下打型層3に関する複数色化およびグラデーション化といったバリエーションは、上打型層4についても同様に適用することが可能である。
【0029】
最後に、図12に示すように、ドリル9を用いて、上打型層4の一部を下打型層3に到達する深さまで切削することによって陥没部5を形成し、下打型層3を部分的に露出させる。形状の異なるドリル9を用いれば、陥没部5の形状に変化を持たせることができる。図1,2の構造を得る場合には、ドリル9による切削の深さを2段階(図2のD1,D2相当)に変えればよい。また、図6の構造を得る場合には、それぞれの化粧料3a,3bが露出するように、ドリル9による切削の深さを連続的に変えればよい。なお、上打型層4の切削は、ドリル9以外にレーザ等を用いてもよい。
【0030】
なお、図7の構造を得る場合には、ドリル9等の切削によって形成された陥没部5に、化粧料6を充填し、これをプレスした後に、化粧料表面をスライスするといった工程が追加される。
【0031】
このように、本実施形態に係る多色化粧料1によれば、下打型層3上に積層される上層を打型層4、すなわち打型によって形成された化粧料層とする。この上打型層4は、従来技術のようなスプレーによって形成された薄膜層と比べて厚く、かつ高密度である。したがって、パフや刷毛等で擦り取っていっても、化粧料表面に表現された加飾が容易には損なわれず、これを長きに亘って維持できる。これにより、色の組み合わせによる斬新な面白さを長きに亘って演出し続けることができる。
【0032】
また、本実施形態に係る多色化粧料1の製造方法によれば、斬新な演出効果を有する多色化粧料1を容易かつ効率的に生産することができる。
【0033】
なお、上述した実施形態では、化粧料の充填・打型を化粧皿2内で行うことによって、打型層3,4を形成する例について説明したが、予め固化した化粧料を別途用意しておき、これを化粧皿2内に収容することによって、打型層3,4を形成してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0034】
以上のように、本発明に係る多色化粧料およびその製造方法は、演出効果という用途以外にも、化粧料表面に表現された加飾を長きに亘って維持すべきものに対して広く適用できる。
【符号の説明】
【0035】
1 多色化粧料
2 化粧皿
3 下打型層
4 上打型層
5,5a,5b 陥没部
6 化粧料
7 金型
8 プレスヘッド
9 ドリル
【特許請求の範囲】
【請求項1】
多色化粧料において、
化粧皿と、
前記化粧皿内に積層され、少なくとも一色の打型化粧料によって構成された下打型層と、
前記化粧皿内の前記下打型層上に部分的に積層され、前記下打型層とは異なる色の打型化粧料によって構成された上打型層とを有し、
前記上打型層が積層されていない陥没部の少なくとも一部は、化粧料表面から前記下打型層に到達する深さを有することを特徴とする多色化粧料。
【請求項2】
前記下打型層は、横方向に配置された複数色の化粧料によって構成されていることを特徴とする請求項1に記載された多色化粧料。
【請求項3】
前記下打型層は、上下に積層された複数色の化粧料によって構成され、
前記陥没部の深さは、前記複数色の化粧料のそれぞれに到達するように、当該陥没部の位置によって異なることを特徴とする請求項1に記載された多色化粧料。
【請求項4】
前記複数色の化粧料は、ある色から別の色へ色が徐々に変化するグラデーションを形成していることを特徴とする請求項2または3に記載された多色化粧料。
【請求項5】
前記陥没部には、前記上打型層とは異なる色の化粧料が充填されていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載された多色化粧料。
【請求項6】
多色化粧料の製造方法において、
化粧皿内に、少なくとも一色の化粧料によって構成された下打型層を積層する第1のステップと、
前記化粧皿内の前記下打型層上に、前記下打型層とは異なる色の打型化粧料によって構成された上打型層を積層する第2のステップと、
前記上打型層の一部を前記下打型層に到達する深さまで切削することにより、前記下打型層を部分的に露出させる第3のステップと
を有することを特徴とする多色化粧料の製造方法。
【請求項7】
前記第1のステップは、
前記化粧皿内に少なくとも一色の第1の化粧料を充填する第1の充填ステップと、
前記化粧皿内に充填された前記第1の化粧料を打型することによって、均一な厚みに平坦化された前記下打型層を得る第1の打型ステップとを有し、
前記第2のステップは、
前記均一な厚みに平坦化された前記下打型層上に、第2の化粧料を充填する第2の充填ステップと、
前記化粧皿内に充填された前記第2の化粧料を打型することによって、均一な厚みに平坦化された前記上打型層を得る第2の打型ステップと
を有することを特徴とする請求項6に記載された多色化粧料の製造方法。
【請求項8】
前記第3のステップは、前記下打型層を構成する横方向に配置された複数色の前記第1の化粧料のそれぞれが露出するように、前記切削を行うステップであることを特徴とする請求項7に記載された多色化粧料の製造方法。
【請求項9】
前記第3のステップは、前記下打型層を構成する上下に積層された複数色の前記第1の化粧料のそれぞれが露出するように、前記切削の深さを変えながら前記切削を行うステップであることを特徴とする請求項7に記載された多色化粧料の製造方法。
【請求項10】
前記複数色の第1の化粧料は、ある色から別の色へ色が徐々に変化するグラデーションを形成していることを特徴とする請求項7から9のいずれかに記載された多色化粧料の製造方法。
【請求項11】
前記上打型層における前記切削した部位には、前記上打型層とは異なる色の化粧料を充填する第4のステップをさらに有することを特徴とする請求項6から10のいずれかに記載された多色化粧料の製造方法。
【請求項1】
多色化粧料において、
化粧皿と、
前記化粧皿内に積層され、少なくとも一色の打型化粧料によって構成された下打型層と、
前記化粧皿内の前記下打型層上に部分的に積層され、前記下打型層とは異なる色の打型化粧料によって構成された上打型層とを有し、
前記上打型層が積層されていない陥没部の少なくとも一部は、化粧料表面から前記下打型層に到達する深さを有することを特徴とする多色化粧料。
【請求項2】
前記下打型層は、横方向に配置された複数色の化粧料によって構成されていることを特徴とする請求項1に記載された多色化粧料。
【請求項3】
前記下打型層は、上下に積層された複数色の化粧料によって構成され、
前記陥没部の深さは、前記複数色の化粧料のそれぞれに到達するように、当該陥没部の位置によって異なることを特徴とする請求項1に記載された多色化粧料。
【請求項4】
前記複数色の化粧料は、ある色から別の色へ色が徐々に変化するグラデーションを形成していることを特徴とする請求項2または3に記載された多色化粧料。
【請求項5】
前記陥没部には、前記上打型層とは異なる色の化粧料が充填されていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載された多色化粧料。
【請求項6】
多色化粧料の製造方法において、
化粧皿内に、少なくとも一色の化粧料によって構成された下打型層を積層する第1のステップと、
前記化粧皿内の前記下打型層上に、前記下打型層とは異なる色の打型化粧料によって構成された上打型層を積層する第2のステップと、
前記上打型層の一部を前記下打型層に到達する深さまで切削することにより、前記下打型層を部分的に露出させる第3のステップと
を有することを特徴とする多色化粧料の製造方法。
【請求項7】
前記第1のステップは、
前記化粧皿内に少なくとも一色の第1の化粧料を充填する第1の充填ステップと、
前記化粧皿内に充填された前記第1の化粧料を打型することによって、均一な厚みに平坦化された前記下打型層を得る第1の打型ステップとを有し、
前記第2のステップは、
前記均一な厚みに平坦化された前記下打型層上に、第2の化粧料を充填する第2の充填ステップと、
前記化粧皿内に充填された前記第2の化粧料を打型することによって、均一な厚みに平坦化された前記上打型層を得る第2の打型ステップと
を有することを特徴とする請求項6に記載された多色化粧料の製造方法。
【請求項8】
前記第3のステップは、前記下打型層を構成する横方向に配置された複数色の前記第1の化粧料のそれぞれが露出するように、前記切削を行うステップであることを特徴とする請求項7に記載された多色化粧料の製造方法。
【請求項9】
前記第3のステップは、前記下打型層を構成する上下に積層された複数色の前記第1の化粧料のそれぞれが露出するように、前記切削の深さを変えながら前記切削を行うステップであることを特徴とする請求項7に記載された多色化粧料の製造方法。
【請求項10】
前記複数色の第1の化粧料は、ある色から別の色へ色が徐々に変化するグラデーションを形成していることを特徴とする請求項7から9のいずれかに記載された多色化粧料の製造方法。
【請求項11】
前記上打型層における前記切削した部位には、前記上打型層とは異なる色の化粧料を充填する第4のステップをさらに有することを特徴とする請求項6から10のいずれかに記載された多色化粧料の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−57573(P2011−57573A)
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−206094(P2009−206094)
【出願日】平成21年9月7日(2009.9.7)
【出願人】(000158781)紀伊産業株式会社 (327)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年9月7日(2009.9.7)
【出願人】(000158781)紀伊産業株式会社 (327)
【Fターム(参考)】
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