説明

多軸骨固定装置

【課題】手術中の処理の改善を可能にし、単純な態様で製造可能な、骨または脊椎に安定化ロッドを固定するための多軸骨固定装置、およびその製造方法を提供する。
【解決手段】多軸骨固定装置1は、骨に固定するシャフト3と、頭部4とを有する固定要素2と;頂部端51および底部端52と、ロッドを受けるチャネル56と、頂部端から底部端まで延在し、頭部を受ける座部を含む通路53を有する受け部5と;通路に配置され頭部に圧力をかけるよう構成される圧力要素6とを含む。圧力要素6は穴600bを含み、受け部5は止めねじ8を受けるねじ切りされた貫通穴500bを含む。貫通穴500bの中へ止めねじ8をねじ込めること、および止めねじ8と穴600bとの係合によって、力が圧力要素6によって頭部4にかけられ、摩擦によってある角度位置に頭部4を維持した後、多軸骨固定装置1をロックするように、配される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、骨または脊椎に安定化ロッドを固定するための多軸骨固定装置に関する。骨固定装置は、固定要素と、骨固定要素の頭部を受入れるための、および固定要素に接続される安定化ロッドを受けるための受け部とを含む。固定要素は、受け部に旋回可能に接続され、受け部に配置される圧力要素を介して頭部上に圧力をかけることによって、ある角度でロックすることができる。圧力要素および受け部は、多軸骨固定装置をロックする前に所望の角度位置を維持するように圧力要素が摩擦によって頭部をクランプするような態様で協働するよう構成される。
【背景技術】
【0002】
US5,716,356は、ねじ要素と、ねじ要素に旋回可能に接続される受け部と、ねじ要素の頭部上に圧力をかけてねじ要素と受け部との間の角度をロックする圧力要素とを含む、多軸骨ねじについて記載する。受け部は、安定化ロッドを受けるためのU字型のチャネルを有する。圧力要素は円筒形凹部を含み、それは、U字型のチャネルと整列されて、ロッドをそこに受ける。U字型のチャネルと整列した位置に圧力要素を保持するために、圧力要素の位置は受け部に設けられる貫通ボアをかしめることによって固定される。
【0003】
骨固定要素の頭部が、最終角度位置にロックされる前に、受け部に関して自由に旋回可能であるとき、受け部の整列およびロッドの挿入は、より複雑な臨床応用、たとえば、多くの骨固定具がロッドに接続されなければならないときなどには、困難かもしれない。
【0004】
US7,604,656(Shluzas)は、骨部分に長手方向部材を接続するために骨部分と係合可能な締結具について記載する。締結具を受けるハウジングはさらにスペーサを受ける。それは締結具および長手方向部材と係合可能である。一実施例では、スペーサは、ピン部材によって、締結具およびハウジングとの摩擦係合へと促される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】US 5,716,356 A
【特許文献2】US 7,604,656 B2
【特許文献3】US 2003/0167058 A1
【特許文献4】US 2010/0292740 A1
【特許文献5】EP 2 221 012 A1
【特許文献6】US 2004/0138662 A1
【特許文献7】US 2004/0204711 A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この発明の目的は、手術中の改善された処理を可能にし、単純な態様において製造することができる多軸骨固定装置、およびそれを製造する方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的は請求項1に記載の多軸骨固定装置によって解決される。さらなる展開は従属請求項において与えられる。
【0008】
この多軸骨固定装置により、頭部をロックすることなく、受け部に関して所望の角度位置における頭部の一時的なクランプを達成することができる。これは、調整可能な角度位置に受け部を維持することを可能にする。この状態では、圧力要素は、頭部上に予荷重をかけ、頭部は、ロックはされないが、自由に旋回することを妨げられる。頭部が一時的にクランプされると、ロッドに関しての受け部の整列およびロッドの挿入は、ロッドに多くの骨固定具を接続しなければならない状況において特に容易になる。
【0009】
ロッドが受け部に既に挿入されているとき、ロッドの調整は、依然として、完全に頭部をロック解除することなく、可能である。
【0010】
多軸骨固定装置は、ほんのわずかな部品を含み、それらは、単純な設計であり、相対的に大きな製造公差が可能である。ロック前に摩擦によって頭部を維持する機構はいかなるスプリング部材または部分もない。これは多軸骨固定装置の製造を容易にする。さらに、既存の受け部および圧力要素を、それらの形式を修正せずに用いることができる。たとえば、既存のクリンプボアを、ねじ切りされた貫通ボアに変更することが可能である。
【0011】
圧力部材によって頭部上にかけられる予荷重の量は、ボアの位置および形状、ならびに止めねじの形状を選択すること、そしてさらに止めねじによってかけられる、そのねじ込めの深さに依存する力によって、単純な態様において正確に予め規定することができる。止めねじによって、ねじ頭上にかけられる圧力の無段階調整性が達成可能である。止めねじをしっかりとねじ込めることによって、多軸ねじは単軸ねじとして用いることができる。止めねじによってかけられた摩擦力は、止めねじを緩めることによって逆にできる。
【0012】
多軸骨固定装置は予め組付けられた態様において外科医に提供することができ、圧力要素は、脱出またはその整列させられた位置から外へ回転することができない程度まで、止めねじによって実際に回転式に固定される。これは、外科医による安全な挿入を可能にする。さらに、受け部に、予め取り付けた止めねじを設けることも可能であり、それによって、外科医は、所望の骨ねじを導入し、圧力要素を受け部の中に挿入し、止めねじによって多軸骨固定装置をロックすることができる。
【0013】
受け部および圧力要素は連続的に低コストで製造することができる。
この発明のさらなる特徴および利点は添付の図面によって実施例の説明から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】第1の実施例に従う多軸骨固定装置の斜視分解図である。
【図2】組立てられた状態における図1の多軸骨固定装置を示す図である。
【図3】2つの組付けられていない止めねじで頭部を最終ロックする前の組付けられた状態における多軸骨固定装置の断面図である。
【図4】頭部をロックした後の組付けられた状態における多軸骨固定装置の断面図である。
【図5】圧力要素の斜視上面図である。
【図6】圧力要素の斜視底面図である。
【図7】圧力要素の断面図である。
【図8】圧力要素の上面図である。
【図9】止めねじの斜視図である。
【図10】止めねじの側面図である。
【図11】止めねじの上面図である。
【図12】組付けられた状態における第2の実施例に従う多軸骨固定装置の斜視図である。
【図13】図12の多軸骨固定装置の断面図である。
【図14】組付けられた状態における第3の実施例に従う多軸骨固定装置の断面図である。
【図15】組付けられた状態における第4の実施例に従う多軸骨固定装置の断面図である。
【図16】第5の実施例に従う多軸骨固定装置の斜視分解図である。
【図17】組付けられた状態における図16の多軸骨固定装置を示す図である。
【図18】組付けられた状態における第5の実施例に従う多軸骨固定装置の断面図である。
【図19】組付けられた状態における第6の実施例に従う多軸骨固定装置の斜視図である。
【図20】組付けられた状態における第6の実施例に従う多軸骨固定装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1〜図4に示されるような第1の実施例に従う多軸骨固定装置1は、ねじ切りシャフト3および頭部4を有するねじ部材2の形式で骨固定要素2を含む。頭部4は概ね球状であり、骨の中へねじ切りシャフト3を挿入するようツールとの係合のためにその自由端に凹部4aを含む。骨固定装置1は、ロッド20にねじ部材2を接続するための受け部5をさらに含む。圧力要素6は受け部5において頭部4の上に配置される。受け部5にロッド20を固定するために、および頭部4上に圧力をかけるために、ロック装置、たとえば受け部5と協働する内ねじ7が設けられる。
【0016】
受け部は実質的に円筒形の1つの部品であり、頂部端51および底部端52を有する。頂部端51から底部端52まで延在する通路は、同軸のボア53、そしてそれに続く、ねじ部材2の頭部4を受入れるための座部部分54によって形成される。座部部分54は底部端52に開口部55を有し、それを介して、ねじ部材2のシャフト3が延在する。座部部分54は、球形に形状化されて示されるが、それはテーパされ得、または、受け部5に関して旋回することができるように頭部4を受入れることができるいかなる他の形状も有することができる。頂部端51では、実質的にU字型の凹部56が設けられ、それによって、ロッド20を受けるためのチャネルの側壁である、2つの自由な脚部57および58が形成される。雌ねじ59は、内ねじ7との協働のため、脚部57および58に設けられる。
【0017】
図5〜図8から理解することができるように、圧力要素6は一片で形成される。それは実質的に円筒形構造で、ある外径を有し、それによって、それは、受け部5のボア53内において軸方向に移動できる。圧力要素6は頂部端61および底部端62を有する。圧力要素6が受け部5内に挿入されると、底部端62はねじ要素2の頭部4に面する。底部端62においては、球形凹部63が設けられ、それは頭部4のサイズおよび形状に適合される。球形凹部63は頭部4の球面と摩擦係合に入るように構成される。頂部端61では、U字型の凹部64が設けられ、それによって、チャネルを形成してロッド20をそこに受ける、2つの自由な脚部65および66が形成される。さらに、圧力要素6は、ツール(図示せず)でねじ頭4に到達するための同軸のボア67を含む。圧力要素6は、それを可撓性にし得るいかなるバネ部分もない、固体の部材である。それは、受け部5のU字型の凹部56および圧力要素6のU字型の凹部64が整列するように、受け部5に配置される。
【0018】
図3では、ねじ頭4は座部54に位置する。そして、圧力要素6はねじ頭4の上に配置される。ロッド20が挿入され、チャネルの底部上に留まると、圧力要素6の自由な脚部65および66がロッド20の上を延在するように、自由な脚部65および66の高さは構成される。2つの止めねじ8は組付けられていない状態である。図4では、2つの止めねじ8は組付けられた状態である。図9〜図11から理解することができるように、止めねじ(グラブねじ)8は、外側ねじ筋81、第1の端部および第2の端部を有する、頭のないねじである。第1の端部においては、ねじドライバのようなツール(図示せず)との係合のための係合構造8aが設けられる。図9および図11では、係合構造8aは六角穴ねじキー(図示せず)との係合のために内部六角形であることが理解できる。止めねじ8の第2の端部は、平らになった先端を有する円錐台またはテーパ形の部分82である。
【0019】
内ねじ7の形式のロック装置7は、圧力要素6の自由な脚部65および66によって形成されたチャネルの中へと延在する突起71を有する。軸方向における突起71のサイズは、内ねじ7が締められると、突起71がロッド20上に押圧する一方で、圧力要素の頂部端61と内ねじ7の下側との間には依然として隙間21があるようなサイズである。したがって、単一の内ねじ7で、圧力をロッド20上のみにかけることができ、それは次いで圧力要素6上に圧力をかけることができる。内ねじ7の形式の単一部品ロック装置の代わりに、2部品ロック装置を用いることができること(図示せず)が注目されるべきである。2部品ロック装置は、受け部の脚部57、58の間にねじ込められる、第1の部品を含む。第1の部品は圧力要素6の頂部端61上に作用する。さらに、内ねじの形式の第2の部品が第1の部品に設けられる。それはロッド20上に押圧する。これによって、頭部4およびロッド5は独立して固定することができる。
【0020】
受け部5は、外側表面から同軸のボア53の中へ延在する、2つのねじ切りされた貫通穿孔500a、500bを含む。穿孔500a、500bは、互いから180度ずれて配置され、U字型の凹部56によって形成されたチャネルに関して90度にある。穿孔500a、500bは、同軸のボア53の穴軸線Mに関して垂直に整列する。穿孔500aおよび500bの穴軸線AおよびBは、受け部5の第2の端部52から距離Hに設けられる。
【0021】
圧力要素6は、相応して2つの貫通穿孔600a、600bを含み、それらは、互いから180度ずれており、U字型の凹部64によって形成されたチャネルから90度ずれている。穿孔600a、600bは、中心軸a、bをそれぞれ有し、それは穴軸線Mに垂直である。示された実施例では、穿孔600a、600bは、円錐形を有する。穿孔600aおよび600bの、下方へ延在するフランク601aおよび601bは、各々、中央の穴軸線Mと約60度の角度βを含む。ねじ要素の頭部4上に留まるように、圧力要素6が挿入されると、穿孔600aおよび600bの中心軸a、bは、受け部5の第2の端部52から、穿孔500aおよび500bの中心軸A、Bの距離Hより大きい距離hを有する。言いかえれば、穿孔600a、600bは、ねじ切りされた穿孔500a、500bより上に配置される。穿孔600a、600bは、さらに、それらの開いた側で受け部5の内側壁に面する止まり穴であり得る。
【0022】
穿孔600a、600bと穿孔500a、500bとの間の距離は、止めねじ8が穿孔500aおよび500b内にねじ込められると、止めねじ8のテーパフランクが、穿孔600aおよび600bの下側フランク601aおよび601bの上にそれぞれ押圧して、圧力要素6上に下方への力をかけるような距離である。圧力要素6上への結果的な力は、頭部4上に予加重を生成する。それは、摩擦によって頭部4をクランプする。ねじ筋回転を選択することによって、所望の摩擦力を達成することができる。ねじ込みプロセスは、力により作動され得るか、および/または通路により制御され得る。この摩擦力によって、頭部4は所望の角度位置に維持することができ、ねじ部材2または受け部5に摩擦力より大きな力をかけることによってこの位置から外へ移動することができる。同時に、圧力要素6は、回転に抗して固定され、受け部5の頂部端51を介しての脱出に抗して固定される。圧力要素6が最後に頭部4をロックするために下降すると、穿孔600aおよび600bは、止めねじ8の円錐のための空間を設ける。
【0023】
第2の実施例が図12および図13に示される。第1の実施例を参照するただ一つの相違点は受け部5′の形状である。骨固定装置1′の他の部分は第1の実施例のそれと同じであり、その説明は繰り返さない。受け部5′は、一方の側へのねじ部材のより大きな旋回角度を可能にするための非対称の底部端52′を有する。そのような非対称の底部端52′は、たとえば、傾けられた角度で受け部5′の一部を切取ることによって達成することができる。
【0024】
さらに、受け部5′は、同軸管状延在部9とともに形成され、それは、ロッド20′を挿入するためのスロット91、および雌ねじ92を有する。延在部は低侵襲手術に対して用いられ、内ねじ7′を締めた後に離脱させることができる。
【0025】
穿孔500a、500bの形状は変動してもよいことが注目される。特に、円錐の角度は変動してもよく、または底部は丸み付けられるかもしくは他の形状を有してもよい。圧力要素6に設けられた穿孔600a、600bも、異なる形状を有してもよい。
【0026】
図14に示される第3の実施例によれば、穿孔600a″、600b″は、たとえば、実質的に矩形の断面を有することができる。
【0027】
図15に示される第4の実施例によれば、圧力要素6′″の穿孔600a′″、600b′″の断面は、止めねじ8′″の切頭テーパフランクとの係合のための傾けられた下側フランク601a′″、601b′″をともなって、たとえば台形であってもよい。
【0028】
図16〜図18に示される第5の実施例では、骨固定装置10は、図1〜図4および図14、図15に示される実施例に記載されるような2つの止めねじ8の代わりに、単一の止めねじ8を含むだけである。
【0029】
図19〜図20に示される第6の実施例では、骨固定装置10′も、図12および図13に示される実施例に記載されるような2つの止めねじ8の代わりに1つの止めねじ8を含むだけである。他のすべての部分は同じである。
【0030】
骨固定装置1のすべての部品は、生体適合性材料、たとえば、チタンなどの生体適合性のある金属、たとえばニチノールなどの生体適合性のある金属合金、または、たとえばポリエーテルエーテルケトン(PEEK)などの生体適合性のあるプラスチック材料、またはそれらの組合せから形成される。
【0031】
通常、ロッドで骨部分または脊椎骨を安定させるために、いくつかの骨固定装置1が必要である。使用では、図4に示されるように、骨固定装置は予め組付けられる。ねじ部材2は骨または脊椎内にねじ込められる。次いで、受け部5は、各受け部5がロッド20の挿入のための正確な向きを有するまで、摩擦力より大きな力をかけることによって旋回される。摩擦力により、各受け部5はこの角度位置に保持される。その後、骨固定装置1を接続するロッド20が挿入される。そして、止めねじ8を締めて、圧力要素6を下方へ移動させ、頭部4を座部にロックすることにより、受け部5に関してのねじ部材2の角度位置が固定される。ロッド20は内ねじ7によって固定される。
【0032】
記載された実施例の貫通ボアおよび穿孔の形状は、記載された形式に限定されない。さらに、テーパの角度も、記載された値に限定されない。止めねじがねじ込められると下方へ向けられる力も達成する他の形状が可能である。
【0033】
固定要素については、すべての種類の固定要素を用い、受け部と組み合せることができる。これらの固定要素は、たとえば異なる直径を有する異なる長さのねじ、カニューレが挿入されたねじ、異なるねじ筋形式を有するねじ、爪、フックなどである。頭部およびシャフトは互いに接続可能な別部品になり得る。
【0034】
受け部の形状は示された実施例に限定されない。たとえば頂部から導入される代わりに側部からロッドが導入されることを可能にする凹部、またはロッドが案内されなければならない閉じた凹部を有することが可能である。2つの部品またはそれより多い部品からなるロック装置、外側ナット、外側キャップ、差し込みピンロック装置または他のものを含むさまざまな種類のロック装置が可能である。
【0035】
さらなる修正物では、受け部は、底部端からねじ要素の導入を可能にするように構成される。
【符号の説明】
【0036】
1 多軸骨固定装置、2,2′,2″,2′″ 固定要素、3,3′,3″,3′″ シャフト、4,4′,4″,4′″ 頭部、5,5′,5″,5′″ 受け部、6,6′,6″,6′″ 圧力要素、8,8′,8″,8′″ 止めねじ、51,51′,51″,51′″ 頂部端、52,52′,52″,52′″ 底部端、53,53′,53″,53′″ 通路、54,54′,54″,54′″ 通路、54,54′,54″,54′″ 座部、55,55′,55″,55′″ 通路、56,56′,56″,56′″ チャネル、500a,500a′,500a″,500a′″;500b,500b′,500b″,500b′″ ねじ切りされた貫通穴、600a,600a′,600a″,600a′″;600b,600b′,600b″,600b′″ 穴。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多軸骨固定装置であって、
骨に固定するためのシャフト(3,3′,3″,3′″)と、頭部(4,4′,4″,4′″)とを有する固定要素(2,2′,2″,2′″)と;
頂部端(51,51′,51″,51′″)および底部端(52,52′,52″,52′″)と、ロッドを中に受けるためのチャネル(56,56′,56″,56′″)と、頂部端(51,51′,51″,51′″)から底部端(52,52′,52″,52′″)まで延在し、頭部(4,4′,4″,4′″)を受入れるための座部(54,54′,54″,54′″)を含む通路(53,53′,53″,53′″;54,54′,54″,54′″;55,55′,55″,55′″)とを有する受け部(5,5′,5″,5′″)と;
通路(53,53′,53″,53′″)に配置され、頭部(4,4′,4″,4′″)に圧力をかけるよう構成される圧力要素(6,6′,6″,6′″)とを含み、頭部は、受け部(5,5′,5″,5′″)に関して旋回可能であり、圧力要素(6,6′,6″,6′″)によってある角度にロックすることができ;
圧力要素(6,6′,6″,6′″)は、少なくとも1つの穴(600a,600a′,600a″,600a′″;600b,600b′,600b″,600b′″)を含み;
受け部(5,5′,5″,5′″)は、止めねじ(8,8′,8″,8′″)および少なくとも1つの止めねじ(8,8′,8″,8′″)を受けるための少なくとも1つのねじ切りされた貫通穴(500a,500a′,500a″,500a′″;500b,500b′,500b″,500b′″)を含み;
貫通穴(500a,500a′,500a″,500a′″;500b,500b′,500b″,500b′″)および穴(600a,600a′,600a″,600a′″;600b,600b′,600b″,600b′″)は、貫通穴(500a,500a′,500a″,500a′″;500b,500b′,500b″,500b′″)の中へ止めねじ(8,8′,8″,8′″)をねじ込めること、および止めねじ(8,8′,8″,8′″)と穴(600a,600a′,600a″,600a′″;600b,600b′,600b″,600b′″)との係合によって、力が、圧力要素(6,6′,6″,6′″)によって頭部(4,4′,4″,4′″)上にかけられ、摩擦によってある角度位置に頭部を維持した後、多軸骨固定装置をロックするように、配される、多軸骨固定装置。
【請求項2】
圧力要素(6,6′,6″,6′″)が、受け部(5,5′,5″,5′″)内に挿入され、頭部(4,4′,4″,4′″)上に載置されると、穴(600a,600a′,600a″,600a′″;600b,600b′,600b″,600b′″)は、軸方向において第2の端部(52,52′,52″,52′″)に向かって止めねじ(8,8′,8″,8′″)に接する下側端縁(601a,601b)を有する、請求項1に記載の多軸骨固定装置。
【請求項3】
止めねじ(8,8′,8″,8′″)の中心軸と穴(600a,600a′,600a″,600a′″;600b,600b′,600b″,600b′″)との間の軸Mの軸方向における距離は、頭部(4,4′,4″,4′″)と圧力要素(6,6′,6″,6′″)との間に規定された摩擦力を生成するよう、穴の下側端縁(601a,601b)を係合すると、止めねじ(8,8′,8″,8′″)は、圧力要素(6,6′,6″,6′″)上に圧力をかけるような距離である、請求項2に記載の多軸骨固定装置。
【請求項4】
ボア(600a,600a′;600b,600b′)はテーパされ、テーパのフランクは、止めねじ(8,8′)のテーパのフランクの軸Mとの角度と同じ、軸Mとの角度を含む、請求項1〜3の1つに記載の多軸骨固定装置。
【請求項5】
角度は30度と60度との間である、請求項4に記載の多軸骨固定装置。
【請求項6】
ボア(600a″,600b″)は円筒形である、請求項1〜5の1つに記載の多軸骨固定装置。
【請求項7】
ボア(600a′″,600b′″)の断面は台形である、請求項1〜6の1つに記載の多軸骨固定装置。
【請求項8】
少なくとも2つの貫通ボア(500a,500a′,500a″,500a′″;500b,500b′,500b″,500b′″)および対応する穴(600a,600a′,600a″,600a′″;600b,600b′,600b″,600b′″)が設けられ、それらは周方向に180度ずれている、請求項1〜7の1つに記載の多軸骨固定装置。
【請求項9】
圧力要素(6,6′,6″,6′″)は、頂部端(61,61′,61″,61′″)および底部端(62,62′,62″,62′″)と、同軸のボア(67,67′,67″,67′″)と、底部端における球形凹部(63,63′,63″,63′″)と、頂部端における円筒形またはU字型の凹部(64,64′,64″,64′″)とを含み、円筒形またはU字型の凹部(64,64′,64″,64′″)は、受け部(5,5′,5″,5′″)の凹部(56,56′,56″,56′″)と整列される、請求項1〜8の1つに記載の多軸骨固定装置。
【請求項10】
受け部(5′)は、一方の側に対する固定要素(2′)のより大きな旋回角度を可能にするための非対称の端部部分を有することができる、請求項1〜9の1つに記載の多軸骨固定装置。
【請求項11】
止めねじ(8,8′,8″,8′″)は、穴(600a,600a′,600a″,600a′″;600b,600b′,600b″,600b′″)を係合する、ねじ筋のない前側部分(82)を有する、請求項1〜10の1つに記載の多軸骨固定装置。
【請求項12】
ねじ筋のない前側部分(82)はテーパされる、請求項11に記載の多軸骨固定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2013−39370(P2013−39370A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−180033(P2012−180033)
【出願日】平成24年8月15日(2012.8.15)
【出願人】(511211737)ビーダーマン・テクノロジーズ・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング・ウント・コンパニー・コマンディートゲゼルシャフト (30)
【氏名又は名称原語表記】BIEDERMANN TECHNOLOGIES GMBH & CO. KG
【Fターム(参考)】