説明

多重アンテナに対応する無線移動体通信システムにおいて,アップリンクデータ及び制御情報を送信する方法,並びに装置

【課題】多重アンテナに対応する無線移動体通信システムにおいて,アップリンクデータ及び制御情報を送信する方法を提供すること。
【解決手段】この方法は,アップリンク制御情報のランクをアップリンクデータのランクに設定するステップ(S151)と,該制御情報のうち第1制御情報を前記データと多重化するステップ(S152)と,該多重化された出力を,前記制御情報のうち前記第1制御情報以外の制御情報とチャネルインタリーブするステップ(S153)と,前記インタリーブされた信号を送信するステップ(S154)と,を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,無線通信システム,特に,多重アンテナに対応する無線移動体通信システムにおいて,アップリンクデータ及び制御情報を送信する方法並びに装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
移動体通信システムにおいて,ユーザ機器は,基地局からダウンリンクを介して情報を受信することができ,かつ,アップリンクを介して情報を送信することができる。ユーザ機器が送信又は受信する情報にはデータ及び種々の制御情報があり,ユーザ機器が送信又は受信する情報の種類及び用途に応じて様々な物理チャネルが存在する。
【0003】
図1は,移動体通信システムの一例である第3世代パートナシッププロジェクト(3GPP)長期進化(LTE)システムに用いられる物理チャネル及びこれらのチャネルを用いた汎用信号送信方法を説明するための図である。
【0004】
電源が消えた状態で再び電源が入ったり,新しくセルに進入したりしたユーザ機器は,ステップS101で,基地局と同期を合わせるなどの初期セル探索作業を行う。そのために,ユーザ機器は基地局からプライマリ同期チャネル(P−SCH)及びセカンダリ同期チャネル(S−SCH)を受信して基地局と同期を合わせ,セルIDなどの情報を取得することができる。その後,ユーザ機器は基地局から物理同報チャネルを受信してセル内の同報情報を取得することができる。一方,ユーザ機器は,初期セル探索ステップでダウンリンク参照信号(DLRS)を受信して,ダウンリンクチャネル状態を確認することができる。
【0005】
初期セル探索を終えたユーザ機器は,ステップS102において,物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)と,該物理ダウンリンク制御チャネル情報に対応する物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)とを受信して,より具体的なシステム情報を取得することができる。
【0006】
一方,基地局と接続を完了していないユーザ機器は,基地局への接続を完了するために,以降,ステップS103乃至ステップS106のようなランダムアクセス手順を実行することができる。そのために,ユーザ機器は,物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)を介して特定シーケンスをプリアンブルとして送信し(S103),物理ダウンリンク制御チャネルと,これに対応する物理ダウンリンク共有チャネルとを介して,当該ランダムアクセスに対する応答メッセージを受信することができる(S104)。ハンドオーバ以外の競合ベースのランダムアクセスでは,以降,追加の物理ランダムアクセスチャネルの送信(S105),及び物理ダウンリンク制御チャネル及びこれに対応する物理ダウンリンク共有チャネルの受信(S106)のような衝突解決手順を実行することができる。
【0007】
以上の手順を実行したユーザ機器は,その後,汎用アップリンク/ダウンリンク信号送信手順として,物理ダウンリンク制御チャネル/物理ダウンリンク共有チャネルの受信(S107),及び物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)/物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)の送信(S108)を行うことができる。
【0008】
図2は,ユーザ機器がアップリンク信号を送信するための信号処理手順を説明するための図である。
【0009】
アップリンク信号を送信するために,ユーザ機器のスクランブルモジュール210は,ユーザ機器特定スクランブル信号を用いて送信信号をスクランブルすることができる。このようにスクランブルされた信号は,変調マッパ220に入力され,送信信号の種類及び/又はチャネル状態に応じて2相位相偏移変調(BPSK),4相位相偏移変調(QPSK)又は16値直交振幅変調(16QAM)によって複素シンボルに変調される。その後,変調された複素シンボルは,変換プリコーダ230で処理された後,リソース要素マッパ240に入力され,リソース要素マッパ240は,複素シンボルを,実際の送信に用いられる時間−周波数リソース要素にマップすることができる。このように処理された信号は,単一搬送波周波数分割多元接続(SC−FDMA)信号発生器250を経てアンテナから基地局に送信できる。
【0010】
図3は,基地局がダウンリンク信号を送信するための信号処理手順を説明するための図である。
【0011】
3GPP LTEシステムにおいて,基地局は,ダウンリンクで一つ以上の符号語(CodeWord)を送信することができる。したがって,一つ以上の符号語はそれぞれ,図2のアップリンクにおけると同様に,スクランブルモジュール301及び変調マッパ302を介して複素シンボルにすることができる,その後,複素シンボルは,レイヤマッパ303によって複数のレイヤにマップされ,各レイヤは,プリコーディングモジュール304によって,チャネル状態に応じて選択された所定プリコーディング行列が乗算されて,各送信アンテナに割り当てることができる。このように処理された各アンテナの送信信号はそれぞれ,リソース要素マッパ305によって,送信に用いられる時間−周波数リソース要素にマップされ,以降,直交周波数分割多元接続(OFDMA)信号発生器306を経て各アンテナから送信することができる。
【0012】
移動体通信システムにおいて,ユーザ機器がアップリンクで信号を送信する場合には,基地局がダウンリンクで信号を送信する場合に比べて,ピーク対平均電力値比(PAPR)がより問題になることがある。そのため,図2及び図3で説明したとおり,アップリンク信号送信では,ダウンリンク信号送信に用いられるOFDMA方式ではなく,SC−FDMA方式が用いられている。
【0013】
図4は,移動体通信システムにおいて,アップリンク信号送信用のSC−FDMA方式及びダウンリンク信号送信用のOFDMA方式を説明する図である。
【0014】
アップリンク信号送信用のユーザ機器及びダウンリンク信号送信用の基地局は,直列−並列変換器401,副搬送波マッパ403,M−ポイント逆離散フーリエ変換(IDFT)モジュール404及び巡回プレフィクス(CP)付加モジュール406を含む点において同一である。
【0015】
ただし,SC−FDMA方式で信号を送信するためのユーザ機器は,並列−直列変換器405及びN−ポイント離散フーリエ変換(DFT)モジュール402をさらに含み,N−ポイントDFTモジュール402は,M−ポイントIDFTモジュール404のIDFT処理の影響を一定部分打ち消すことによって,送信信号に単一搬送波特性を持たせる役割を果たす。図5は,周波数領域で単一搬送波特性を満たすための周波数領域上の信号マッピング方式を説明する図である。図5で,(a)は,局所マッピング方式を示し,(b)は,分散マッピング方式を示す。現在の3GPP LTEシステムでは局所マッピング方式を規定している。
【0016】
次に,SC−FDMAの修正された形態であるクラスタSC−FDMAについて説明する。クラスタSC−FDMAは,DFTプロセスとIFFTプロセスとの間において,副搬送波マッピングにおけるDFTプロセス出力サンプルを副グループ(sub−group)に分け,IFFTサンプル入力部において副グループを順に互いに離れた副搬送波領域にマップすることを特徴とし,場合によって,フィルタリング及び巡回拡張(cyclic extension)を含んでもよい。
【0017】
ここで,副グループをクラスタと呼んでもよい。また,巡回拡張とは,副搬送波の各シンボルが多重経路チャネルを介して送信される間に,相互シンボル間干渉(ISI)を防止するために,連続したシンボルの間に,チャネルの最大遅延拡散(Delay Spread)よりも長い保護区間を挿入することを意味する。
【0018】
図6は,クラスタSC−FDMAにおいて,DFTプロセス出力サンプルが単一搬送波にマップされる信号処理手順を示す図である。
【0019】
図7及び図8は,クラスタSC−FDMAにおいて,DFTプロセス出力サンプルが複数の搬送波にマップされる信号処理手順を示す図である。図6は,搬送波内(intra−carrier)でクラスタSC−FDMAを適用する例であり,図7及び図8は,搬送波間(inter−carrier)でクラスタSC−FDMAを適用する例に該当する。
【0020】
なお,図7は,周波数領域において連続する成分搬送波(component carrier)が割り当てられた状況において,隣接した成分搬送波間で副搬送波間隔が揃っているときに,単一IFFTブロックを介して信号を発生する場合を示し,図8は,周波数領域において不連続に成分搬送波が割り当てられた状況において,それら成分搬送波が隣接していないために,複数のIFFTブロックを用いて信号を発生する場合を示す。
【0021】
クラスタSC−FDMAは,任意の個数のDFTと同一個数のIFFTを適用することによって,DFTとIFFTとの関係構成が一対一の関係を有するため,単純に既存SC−FDMAのDFT拡散及びIFFTの周波数副搬送波マッピング構成を拡張したものであり,NxSC−FDMA又はNxDFT−s−OFDMAとも呼ばれる。本発明では,これらを包括して分割(segmented)SC−FDMAと総称する。
【0022】
図9は,分割SC−FDMAシステムにおける信号処理手順を示す図である。図9に示すように,分割SC−FDMAは,単一搬送波特性条件を緩和するために,全体時間領域変調シンボルをN(Nは1よりも大きい整数)個のグループに分け,グループ単位でDFT過程を実行することを特徴とする。
【0023】
図10は,アップリンクで参照信号(以下,「RS」という)を送信するための信号処理手順を説明する図である。図10に示すように,データは,時間領域で信号を発生し,DFTプリコーダによって変換して周波数マップした後,以降IFFTを介して送信されるのに対し,RSは,DFTプリコーダにおける過程が省かれ,周波数領域で直接発生(S11)された後に,局所マッピング(S12),IFFT(S13)及びCP付加(S14)を順次に経て送信される。
【0024】
図11は,標準巡回プレフィクス(normal CP)の場合にRSを送信するためのサブフレームの構造を示す図であり,図12は,拡張巡回プレフィクス(extended CP)の場合に,RSを送信するためのサブフレームの構造を示す図である。図11では,4番目及び11番目のOFDMシンボルを介してRSが送信され,図12では,3番目及び9番目のOFDMシンボルを介してRSが送信される。
【0025】
一方,送信チャネルとしてのアップリンク共有チャネルの処理構造について説明すると,次のとおりである。図13は,アップリンク共有チャネルに対する送信チャネルの処理手順を説明するブロック図である。図13に示すように,アップリンクで送信することになっている伝送ブロック(Transport Block;以下,「TB」という)にTB用巡回冗長検査ビット(CRC)を付加した後(S130),制御情報と一緒に多重化されるデータ情報は,TBサイズによって複数の符号ブロック(以下,「CB」という)に分けられ,複数のCBにはそれぞれCB用CRCが付加される(S131)。この結果値にチャネル符号化が行われる(S132)。続いて,これらのチャネル符号化されたデータはレートマッチング(S133)を経た後,再びCB間の結合が行われ(S134),このように結合されたCBは,チャネル品質情報(CQI)/プリコーディング行列インデクス(PMI)と多重化される(S135)。
【0026】
一方,CQI/PMIは,データとは別にチャネル符号化が行われる(S136)。チャネル符号化されたCQI/PMIはデータと多重化される(S135)。
【0027】
また,ランク指示情報(RI)もデータとは別にチャネル符号化が行われる(S137)。
【0028】
肯定応答(ACK)/否定応答(NACK)の場合,データ,CQI/PMI及びRIとは別にチャネル符号化が行われる(S138)。多重化されたデータ及びCQI/PMIと,別にチャネル符号化されたRIと,ACK/NACKとは,チャネルインタリーブされ,出力信号が発生される(S139)。
【0029】
一方,LTEアップリンクシステムにおいて,データ及び制御チャネルのための物理リソース要素(以下,「RE」という)について説明する。図14は,アップリンクデータと制御チャネルの送信のための物理リソースとのマッピング方法を説明する図である。
【0030】
図14に示すように,CQI/PMI及びデータは,時間優先方式(time−first)でRE上にマップされる。符号化されたACK/NACKは,復調用参照信号(DMRS)シンボルの周辺に穴あけして挿入され,RIは,ACK/NACKの位置しているREに隣り合ってレートマッチングされる。RI及びACK/NACKのためのリソースは,最大4個のSC−FDMAシンボルを占有することができる。
【0031】
上記のようにデータとCQI/PMIなどのアップリンク制御情報(UCI)とを多重化することによって,単一搬送波特性を満たすことができる。これによって,低い3次計量値(Cubic Metric;CM)を維持するアップリンク送信を達成することができる。
【0032】
既存システムを改善したシステム(例えば,LTEリリース10)では,各ユーザ機器に対して各成分搬送波上でSC−FDMA送信方式及びクラスタDFT OFDMAの送信方式のうち少なくとも一方をアップリンク送信のために適用することができ,アップリンク多重アンテナ(UL−MIMO)送信と共に適用してもよい。
【0033】
一方,アップリンク送信構造に関しては,UL−MIMO送信に加えて,データとUCIとを多重化する方法はまだ論議されていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0034】
本発明で達成しようとする技術的課題は,UL−MIMO送信時に,データと制御情報とを多重化して送信する方法及び装置を提供することにある。
【0035】
本発明で達成しようとする技術的課題は,上記の技術的課題に制限されず,言及していない別の技術的課題は,以降の記載から,本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者には明確に理解できるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0036】
上記の技術的課題を達成するための,本発明の一態様に係る多重アンテナに対応する無線移動体通信システムにおいて,端末がアップリンク信号を送信する方法は,アップリンク制御情報のランクをアップリンクデータのランクに設定するステップと,アップリンク制御情報のうち第1制御情報を,アップリンクデータと多重化するステップと,多重化された出力を,アップリンク制御情報のうち,第1制御情報以外のアップリンク制御情報とチャネルインタリーブするステップと,インタリーブされた信号を,多重アンテナを用いて基地局に送信するステップと,を有する。
【0037】
アップリンク制御情報のランクをアップリンクデータのランクに設定するステップは,アップリンク制御情報のビットの反復によって行ってもよい。
【0038】
アップリンク制御情報のランクをアップリンクデータのランクに設定するステップは,レートマッチングによって行ってもよい。
【0039】
第1制御情報は,CQI及びPMIのうち少なくとも一つでよい。
【0040】
第1制御情報以外のアップリンク制御情報は,RI又はACK/NACK情報であってよい。
【0041】
本発明の他の態様に係る多重アンテナに対応する無線移動体通信システムにおける端末装置は,多重アンテナを介して,基地局にアップリンク信号を送信し,基地局からダウンリンク信号を受信する送受信ユニットと,基地局から受信したダウンリンク信号及び基地局に送信するためのアップリンク信号を処理する処理ユニットと,処理ユニットと接続され,オペレーティングシステムプログラム,応用プログラム,及びオペレーティングシステムプログラム又は応用プログラムと関連したファイルを記憶するメモリユニットと,を備え,処理ユニットは,アップリンク制御情報のランクをアップリンクデータのランクに設定するビットサイズ制御部と,アップリンク制御情報のうち第1制御情報をアップリンクデータと多重化する多重化部と,多重化された出力を,アップリンク制御情報のうち,第1制御情報以外のアップリンク制御情報とチャネルインタリーブするチャネルインタリーブ部と,を備える。
【0042】
ビットサイズ制御部は,アップリンク制御情報のビットを反復することによって,アップリンク制御情報のランクをアップリンクデータのランクに設定することができる。ビットサイズ制御部は,レートマッチングを用いてアップリンク制御情報のランクをアップリンクデータのランクに設定してもよい。
【0043】
第1制御情報は,CQI及びPMIのうち少なくとも一つであってよい。
【0044】
第1制御情報以外のアップリンク制御情報は,RI又はACK/NACK情報であってよい。
【発明の効果】
【0045】
本発明によれば,アップリンクでデータ及び制御情報を送信するとき,データのランクと制御情報のランクとを同一に設定してデータ及び制御情報を送信することによって,信号通知オーバヘッドを減らし,システム性能を向上させることができる。
【0046】
本発明から得られる効果は,上述の効果に制限されず,言及していない他の効果は,以降の記載から,本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者には明らかになるであろう。
【0047】
本発明に関する理解を助けるために詳細な説明の一部として含まれる添付の図面は,本発明に関する実施例を提供し,かつ詳細な説明と共に本発明の技術的思想を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】移動体通信システムの一例である3GPP LTEシステムに用いられる物理チャネル及びこれらのチャネルを用いた汎用信号送信方法を説明する図である。
【図2】ユーザ機器がアップリンク信号を送信するための信号処理手順を説明する図である。
【図3】基地局がダウンリンク信号を送信するための信号処理手順を説明する図である。
【図4】移動体通信システムにおけるアップリンク信号送信用のSC−FDMA方式及びダウンリンク信号送信用のOFDMA方式を説明する図である。
【図5】周波数領域で単一搬送波特性を満たすための周波数領域上の信号マッピング方式を説明する図である。
【図6】クラスタSC−FDMAにおいて,DFTプロセス出力サンプルが単一搬送波にマップされる信号処理手順を示す図である。
【図7】クラスタSC−FDMAにおいて,DFTプロセス出力サンプルが複数の搬送波にマップされる信号処理手順を示す図である。
【図8】クラスタSC−FDMAにおいて,DFTプロセス出力サンプルが複数の搬送波にマップされる信号処理手順を示す図である。
【図9】分割SC−FDMAシステムにおける信号処理手順を示す図である。
【図10】アップリンクで参照信号を送信するための信号処理手順を説明する図である。
【図11】標準巡回プレフィクスの場合に,RSを送信するためのサブフレームの構造を示す図である。
【図12】拡張巡回プレフィクスの場合に,RSを送信するためのサブフレームの構造を示す図である。
【図13】アップリンク共有チャネルに対する送信チャネルの処理手順を説明するブロック図である。
【図14】アップリンクデータ及び制御チャネル送信のための物理リソースのマッピング方法を説明する図である。
【図15】本発明に係るアップリンク共有チャネル上で,データ及び制御チャネルを効率的に多重化する方法を説明するフローチャートである。
【図16】本発明に係るデータ及び制御チャネルの送信信号を発生する方法を説明するブロック図である。
【図17】符号語とレイヤとのマッピング方法を説明する図である。
【図18】基地局及びユーザ機器に適用可能であり,本発明を実現することができる装置の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0049】
本発明の実施例は,無線接続システムであるIEEE802.16mシステム,3GPPシステム,3GPP LTE/LTE−Aシステム及び3GPP2システムのうち少なくとも一つに開示された標準文書によってサポートされる。すなわち,本発明の実施例において,本発明の技術的思想を明確にするために省略したステップ又は部分についての説明は,これらの文書によってサポートされる。なお,本文書で開示している用語はいずれも上記の標準文書によって説明される。
【0050】
また,以下の説明で使われる特定用語は,本発明の理解を助けるために提供されたものであり,これらの特定用語の使用は,本発明の技術的思想を逸脱しない範囲で他の形態に変更してもよい。
【0051】
以降,本発明に係る単一搬送波特性と既存システムとの互換性を維持しつつ,アップリンク共有チャネル上でデータと制御チャネルとを効率的に多重化する方法及びこれを行うための装置について説明する。
【0052】
図15は,本発明に係るアップリンク共有チャネル上で,データと制御チャネルとを効率的に多重化する方法を説明するフローチャートである。
【0053】
図15に示すように,ユーザ機器は,物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)のデータに対するランクを認識する(S150)。その後,ユーザ機器は,アップリンク制御チャネル(制御チャネルとは,CQI,ACK/NACK及びRIなどのアップリンク制御情報(UCI)のことを意味する)のランクを,上記データに対するランクと同じランクに設定する(S151)。また,ユーザ機器は,データと制御情報とを多重化する(S152)。その後,データとCQIを時間優先方式でマップした後,RIを,指定されたREにマップし,ACK/NACKをDMRS周囲のREを穴あけしてマップすることを助けるために,チャネルインタリーブを行ってもよい(S153)。
【0054】
その後,データ及び制御チャネルを変調符号化方式(MCS)テーブルに従い,QPSK,16QAM,64QAMなどによって変調することができる(S154)。ここで,この変調段階は他の位置に移してもよい(例えば,変調ブロックは,データ及び制御チャネルの多重化段階の前に移してもよい。)。また,チャネルインタリーブは,符号語単位で行ってもよいし,レイヤ単位で行ってもよい。
【0055】
上記のように制御チャネルのランクをデータのランクと同一に制限することは,信号通知オーバヘッドの点でいくつかの利点を有する。データのランクと制御チャネルのランクとが互いに異なるときは,アップリンクDMRSがデータと同一のプリコーディングによってプリコーディングされるであろう。したがって,制御チャネルに対する追加のPMI信号通知が必要とされる。データ及び制御チャネル双方のRIが同一であることは,多重化チェーンを単純化するだけでなく,追加の信号通知を無くすためにも役立つ。制御チャネルの効率的なランクは一つであっても,制御チャネルの送信されるランクは当該データのランクになりうる。受信段については,各レイヤに対してMIMOデコーダを適用した後,各対数尤度比(LLR)出力を最大比合成(MRC)によって累積してもよい。ここで,LLRは,PSK/QAMのデマッパの出力を意味し,該当のビットが0か1かに対する確率の対数値を意味する。例えば,LLRは,次の式1のように定義してもよい。
【0056】
(式1)
【数1】

【0057】
本発明は,データ及び制御チャネルの多重化にいかなる制限も加えない。すなわち,上述と同一の原理は,データ及び制御チャネルに時分割多重化(TDM)を適用する場合にも適用可能である。
【0058】
以下,本発明をより詳細に説明する。
【0059】
以下では,説明の容易のために,データに対して2個の符号語を想定する。ただし,説明を容易にするために2個の符号語に制限したもので,符号語の個数が2個に制限されるものではない。すなわち,以下に説明する本発明は,2個以上の符号語にも同一に適用することができる。また,以下に説明する本発明は,1個の符号語別に独立して適用されてもよい。すなわち,例えば,第1符号語及び第2符号語が存在する場合に,第1符号語にだけ,本発明を適用してもよい。
【0060】
図16は,本発明に係るデータ及び制御チャネルの送信信号を発生する方法を説明するブロック図である。各ブロックの位置は適用方式に応じて変更してもよい。
【0061】
2つの符号語を想定すると,チャネル符号化は,各符号語に対して行われ(160),与えられたMCSテーブルによってレートマッチングが行われる(161)。その後,符号化されたビットは,セル特定,ユーザ機器特定又は符号語特定の方式でスクランブルできる(162)。
【0062】
その後,符号語とレイヤとのマッピングが行われる(163)。この過程でレイヤシフト又は並べ替え(permutation)の動作が含まれてもよい。
【0063】
図17は,符号語とレイヤとのマッピング方法を説明する図である。符号語とレイヤとのマッピングは,図17に示す規則を用いて行うことができる。図17で,プリコーディング位置は,図13でのプリコーディングの位置と異なってもよい。
【0064】
CQI,RI及びACK/NACKのような制御情報は,与えられた仕様に応じてチャネル符号化される(165)。このとき,CQI,RI及びACK/NACKは,すべての符号語に対して同一のチャネル符号を用いて符号化してもよいし,符号語別に異なるチャネル符号を用いて符号化してもよい。
【0065】
その後,符号化されたビットの数は,ビットサイズ制御部によって変更することができる(166)。ビットサイズ制御部は,チャネル符号化ブロック(165)と統合してもよい。このビットサイズ制御部から出力された信号はスクランブルされる(167)。このとき,スクランブルは,セル特定,レイヤ特定,符号語特定又はユーザ機器特定に行うことができる。
【0066】
ビットサイズ制御部は,下記のように動作してもよい。
【0067】
(1)ビットサイズ制御部は,PUSCHに対するデータのランク(n_rank_pusch)を認識する。
【0068】
(2)制御チャネルのランク(n_rank_control)は,当該データのランクと同一に(すなわち,n_rank_control=n_rank_pusch)設定され,制御チャネルに対するビットの数(n_bit_ctrl)は,該制御チャネルのランクを乗算することによって拡張される。
【0069】
これを行う一方法に,制御チャネルを単純に複写して反復することがある。この場合,制御チャネルは,チャネル符号化前の情報レベルであってもよいし,チャネル符号化後の符号化されたビットレベルであってもよい。特に,例えば,n_bit_ctrl=4である制御チャネル[a0,a1,a2,a3]及びn_rank_pusch=2の場合に,拡張されたビット数(n_ext_ctrl)は,[a0,a1,a2,a3,a0,a1,a2,a3]を含み,8ビットになりうる。
【0070】
ビットサイズ制御部とチャネル符号化部とが一体として構成された場合に,符号化されたビットは,既存システム(例えば,LTEリリース8)において規定されたチャネル符号化及びレートマッチングを適用して生成することができる。
【0071】
ビットサイズ制御部に加えて,レイヤ別に更なるランダム化を行うために,ビットレベルインタリーブを行ってもよい。あるいは,これと均等に変調シンボルレベルでインタリーブを行ってもよい。
【0072】
CQI/PMIチャネル及び2個の符号語に対するデータは,データ/制御情報多重化器で多重化できる(164)。その後,サブフレーム内で両スロットにACK/NACK情報がアップリンクDMRS周囲のREにマップされるようにしつつ,チャネルインターリーバは,時間優先マップ方式によってCQI/PMIをマップする(168)。
【0073】
そして,各レイヤに変調が行われ(169),DFTプリコーディング(170),MIMOプリコーディング(171),REマッピング(172)などが順次行われる。その後,SC−FDMA信号が発生され,これがアンテナポートから送信される(173)。
【0074】
これらの機能ブロックは,図16に示す位置に制限されるものではなく,場合によってその位置を変更してもよい。例えば,スクランブルブロック(162,167)は,チャネルインタリーブブロックの隣に位置してもよい。また,符号語対レイヤマッピングブロック(163)は,チャネルインタリーブブロック(168)の隣に,又は変調マッパブロック(169)の隣に位置してもよい。
【0075】
以上説明した方法は,次のようなデバイスで実行できる。図18は,基地局及びユーザ機器に適用可能であり,かつ本発明を実現できるデバイスの構成を示すブロック図である。図18に示すように,装置100は,処理ユニット101と,メモリユニット102と,無線周波(RF)ユニット103と,表示ユニット104と,ユーザインタフェースユニット105とを含む。物理インタフェースレイヤプロトコルは,処理ユニット101で実行される。処理ユニット101は,制御プレーン及びユーザプレーンを提供する。各レイヤの機能は処理ユニット101で実行することができる。処理ユニット101は,上述した本発明の実施例を実行することができる。具体的に説明すると,処理ユニット101は,ユーザ機器位置測定用サブフレームを生成したり,該サブフレームを受信してユーザ機器の位置を測定したりする機能を実行することができる。メモリユニット102は,処理ユニット101と電気的に接続されており,オペレーティングシステム,応用プログラム(application)及び一般ファイルを記憶している。装置100がユーザ機器のときは,表示ユニット104は種々の情報を表示することができ,公知の液晶ディスプレイ(LCD),有機発光ダイオード(OLED)などを用いて具現することができる。ユーザインタフェースユニット105は,キーパッド,タッチスクリーンなどのような公知のユーザインタフェースと組み合わせて構成することができる。RFユニット103は,処理ユニット101と電気的に接続されており,無線信号を送信したり受信したりする。
【0076】
以上説明した本発明によれば,アップリンク送信時に,上記のようにデータ及び制御情報を処理することによって,信号通知オーバヘッドを減らし,システム性能を向上させることができる。
【0077】
以上説明してきた実施例は,本発明の構成要素及び特徴を所定形態に組み合わせたものである。各構成要素又は特徴は,別の明示的な言及がない限り,選択的なものとして考慮しなければならない。各構成要素又は特徴は,他の構成要素や特徴と組み合わせない形態で実施されてもよく,一部の構成要素及び/又は特徴を組み合わせて本発明の実施例を構成してもよい。本発明の実施例で説明される動作の順序は変更可能である。ある実施例の一部構成や特徴は,別の実施例に含まれてもよく,別の実施例の対応する構成又は特徴に置き換えてもよい。特許請求の範囲において明示的な引用関係にない請求項を組み合わせて実施例を構成したり,出願後の補正によって新しい請求項として含めたりすることができることは明らかである。
【0078】
本発明においてユーザ機器(UE)は,移動機(MS),加入者局(SS),移動体通信加入者局(MSS)又は移動端末などの用語にしてもよい。
【0079】
一方,本発明のUEには,PDA,セルラ電話機,パーソナル通信サービス(PCS)電話機,世界移動体通信システム(GSM)電話機,広帯域符号分割多元接続(WCDMA)電話機,移動広帯域システム(MBS)電話機などを用いることができる。
【0080】
本発明による実施例は様々な手段,例えば,ハードウェア,ファームウェア,ソフトウェア又はそれらの組合せなどによって具現することができる。
【0081】
ハードウェアによる具現の場合,本発明の実施例に係る方法は,一つ又はそれ以上の特定用途集積回路(ASIC),デジタル信号プロセッサ(DSP),デジタル信号処理デバイス(DSPD),プログラム可能論理デバイス(PLD),フィールドプログラム可能ゲートアレイ(FPGA),プロセッサ,コントローラ,マイクロコントローラ,マイクロプロセッサなどによって具現することができる。
【0082】
ファームウェアやソフトウェアによる具現の場合,本発明の一実施例は,以上で説明された機能又は動作を行うモジュール,手順,関数などの形態で具現することができる。ソフトウェアコードは,メモリユニットに記憶されて,プロセッサによって駆動されてよい。メモリユニットは,プロセッサの内部又は外部に設けられ,既に公知の様々な手段によってプロセッサとデータを交換することができる。
【0083】
本発明は,本発明の精神及び必須特徴を逸脱しない範囲で他の特定の形態に具体化することもできる。したがって,上記の詳細な説明はいずれの面においても制約的に解釈されてはならず,例示的なものとして考慮すべきである。本発明の範囲は,添付の請求項の合理的解釈によって決定されなければならず,本発明の等価的範囲内における変更はいずれも本発明の範囲に含まれる。また,特許請求の範囲で明示的な引用関係にない請求項を結合して実施例を構成してもよく,出願後の補正によって新しい請求項として含めてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0084】
本発明は,無線移動体通信システムの端末機,基地局,又はその他の装備に適用することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多重アンテナ(MIMO)に対応する無線移動体通信システムにおいて,端末がアップリンク信号を送信する方法であって,
アップリンク制御情報のランクをアップリンクデータのランクに設定するステップと,
前記アップリンク制御情報のうち第1制御情報を,前記アップリンクデータと多重化するステップと,
前記多重化された出力を,前記アップリンク制御情報のうち,前記第1制御情報以外のアップリンク制御情報とチャネルインタリーブするステップと,
前記インタリーブされた信号を,前記多重アンテナを用いて基地局に送信するステップと,
を有する方法。
【請求項2】
前記アップリンク制御情報のランクをアップリンクデータのランクに設定するステップは,前記アップリンク制御情報のビットの反復によって行われる,請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記アップリンク制御情報のランクをアップリンクデータのランクに設定するステップは,レートマッチングによって行われる,請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第1制御情報はチャネル品質情報である,請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第1制御情報以外のアップリンク制御情報は,ランク情報又は肯定応答(ACK)/否定応答(NACK)情報である,請求項1に記載の方法。
【請求項6】
多重アンテナ(MIMO)に対応する無線移動体通信システムにおける端末装置であって,
前記多重アンテナを介して,基地局にアップリンク信号を送信し,前記基地局からダウンリンク信号を受信する送受信ユニットと,
前記基地局から受信したダウンリンク信号及び前記基地局に送信するためのアップリンク信号を処理する処理ユニットと,
前記処理ユニットと接続され,オペレーティングシステムプログラム,応用プログラム,及び前記オペレーティングシステムプログラム又は前記応用プログラムと関連したファイルを記憶するメモリユニットと,を備え,
前記処理ユニットは,
アップリンク制御情報のランクをアップリンクデータのランクに設定するビットサイズ制御部と,
前記アップリンク制御情報のうち第1制御情報を前記アップリンクデータと多重化する多重化部と,
前記多重化された出力を,前記アップリンク制御情報のうち,前記第1制御情報以外のアップリンク制御情報とチャネルインタリーブするチャネルインタリーブ部と,を備える,端末装置。
【請求項7】
前記ビットサイズ制御部は,前記アップリンク制御情報のビットを反復することによって,前記アップリンク制御情報のランクを前記アップリンクデータのランクに設定する,請求項6に記載の端末装置。
【請求項8】
前記ビットサイズ制御部は,レートマッチングを用いて前記アップリンク制御情報のランクを前記アップリンクデータのランクに設定する,請求項6に記載の端末装置。
【請求項9】
前記第1制御情報はチャネル品質情報である,請求項6に記載の端末装置。
【請求項10】
前記第1制御情報以外のアップリンク制御情報は,ランク情報又は肯定応答(ACK)/否定応答(NACK)情報である,請求項6に記載の端末装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公表番号】特表2013−515390(P2013−515390A)
【公表日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−544400(P2012−544400)
【出願日】平成22年12月20日(2010.12.20)
【国際出願番号】PCT/KR2010/009110
【国際公開番号】WO2011/078534
【国際公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
2.WCDMA
【出願人】(502032105)エルジー エレクトロニクス インコーポレイティド (2,269)
【Fターム(参考)】