説明

多重構造を有する枕

【課題】人の腕枕のような感じがする柔らかさと弾力感が得られるとともに枕の形体をより一定に維持して頸椎部の正常な姿勢を維持することができる、圧縮及び変形程度が異なる多重の層構造を用いて様々な機能及び長所を有する枕を提供する。
【解決手段】本発明に係る多重構造を有する枕は、中間層及び外部層を含み、コアをさらに含むことができる。コアはユーザが枕をした場合にユーザの頸椎部を支持し、中間層はコアを覆うように形成され、ユーザが枕をした場合にユーザの頸椎部を支持し、外部層は中間層を覆うように形成され、ユーザが枕をした場合にユーザの頸椎部を支持する第1支持部と、第1支持部から延びて形成され、ユーザが枕をした場合ユーザの頭部を支持する第2支持部とを有し、外部層としては柔らかい材質を用い、枕の内部構造には中心に行くほど弾性及び硬度が次第に増加する材質を用いることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は枕に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、人が寝る時に頭をのせる寝具として様々な枕が提案されている。
木枕や石枕を使用する場合は、頸椎部の高さを一定に維持することができるものの、頭部及び頸椎部あるいは首筋部分の筋肉と骨格に無理をかけ、血液循環を妨げ、筋肉や神経の損傷を招くこともある。したがって、枕の高さが非常に低くなったり、高硬度を有する枕になって、ユーザの頸椎部に対する正常な湾曲を維持することができず、かつ脳の血液循環を妨害して熟眠を阻害することになる。
【0003】
一方、パソコンを使用するなど常に頭を下げて仕事をする人は背中が丸くなり、かつ頭が前方につきでる状態、いわゆる亀首症候群を有する人は高い枕を好むが、高い枕を用いると、緊張した筋肉が血液の流れを妨げることがあり、頸椎部のC字状曲線が反対方向に曲がるなどの原因となる。
【0004】
また、羽毛や綿で満たされた枕を用いる場合安楽感は得られるが、ふわふわし過ぎて頭部と首が埋もれて頸椎部の曲線を維持できなくなる。これを補うために枕を高く、かつ広く製造して用いているが、この場合にも枕の中心が頭部の重心から外れて枕が頭部から離れてしまい、頸椎部の非正常な湾曲を招くことになる。
【0005】
最近、ラテックスやメモリーフォーム枕が人気を呼んでいる。ラテックスやメモリーフォーム枕は、優れた衝撃吸収能力を有しており、上述した枕とは異なり、内容物が偏らず、使用後の復元力に優れているという長所がある。しかし、大きな圧縮率のために睡眠中に正常な頸椎構造を維持することが困難であり、横向きに寝る場合、頭部が垂れて頸椎部が折れるおそれがある。
【0006】
また、姿勢矯正のための枕も市販されており、これは首の正常な湾曲を維持するために考案されたが、人の頭部から首筋までの全体的な形状と一致させるのに限界があり、使用感がよくないという問題がある。
【0007】
一方、枕に関する特許、例えば、特許文献1(発明の名称「枕とその製造方法」)には、ポリウレタンフォーム(polyurethane form)を用いた低反発芯材層とこの芯材層よりも硬度の低い表層とが一体化される枕及びその製造方法が開示されている。
また、特許文献2(発明の名称「Pillow」)には、内部層、中間層、及び表面層を構成し、これらの層間に複数の空気間隙を形成する多層の枕が開示されている。
また、特許文献3(発明の名称「Articles of Bedding and the Like」)には、強度の弱いコア(non−rigid core)を備えており、コア、空気不透過性の中間層及び表面層を構成し、これらの間の複数の空気流れを制限する枕が開示されている。
【0008】
また、特許文献4(発明の名称「Shock Absorbing Pillow」)には、弾性変形可能なコアと、上記コアを囲む不透過性のメンブレインと、メンブレインを通過するエアの流れを制御する手段と、繊維層からなるクッション材と、で構成される衝撃吸収用枕が開示されている。
【0009】
これら特許文献1から4に提案された枕は、仰向けになったときは適当な高さを形成する多重構造を有する構造であって、寝るとき、脳から頭部及び頸椎部の負担を最小化するように衝撃時にクッションを維持して身体を楽に支えることができる。
【0010】
しかし、これら特許文献1から4は何れもクッション材の各層ごとに大きく異なる強度を有する構造が不連続的に配置されているため、枕を長時間使用すると、クッション感を維持できず、身体の楽さや満足感または姿勢矯正効果が得られないという短所がある。すなわち、ユーザが長期間枕を用いる場合、内部層、中間層、及び表面層のうちの何れか1つの層がクッション感を大きく失うと、枕を使用するユーザの首部を支持しながら頸椎部の正常な湾曲を維持することができなくなり、頭部の中心線から頸椎部を含む全体脊椎が同じ高さの線上に合わせられなくなり、寝心地がよく場合がある。
【0011】
したがって、枕を理想的に、より好適に使用するためには、ユーザの頭部から頸椎部までの形態に合わせて枕の高さや強度を一定に維持でき、かつ枕の適当な硬度で筋肉や血管を圧迫せず、また、安楽感を与えることが必要である。結局、特許文献1から4で説明した枕、木枕、またはラテックスやメモリーフォーム枕は、枕としての好適の条件を有しておらず、枕の高さや強度を一定に維持でき、かつ使用感に優れた枕が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】日本特開2005−110702号公報
【特許文献2】米国特許第5,689,844号
【特許文献3】PCT国際公開第WO92/03957号
【特許文献4】米国特許第4,799,275号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
こうした従来技術の問題点に鑑み、本発明は、ユーザに安楽感を与え、姿勢矯正の効果を得るための枕を提供することを目的とする。
本発明の他の目的は、人の腕枕を援用して人体の骨、筋肉、軟部組織、及び皮膚に対応する構造を形成することにより、腕枕の長所を実現することにある。
本発明のまた他の目的は、人体の骨、筋肉、軟部組織、及び皮膚のような感じがする、強固なコア、弾力性のある実質層、柔らかい皮質層を用いて枕の形体をより一定に維持しながら弾力感と安楽感を与える枕を提供することにある。
本発明のまた他の目的は、構成層の高さが互いに異なる区間を含んでおり、様々な姿勢の睡眠中に2つ以上の枕の高さを得ることができる枕を提供することにある。
本発明のまた他の目的は、枕の区間ごとに断面構造を多様に構成でき、これによる最適状態の枕を選択して用いることができる枕を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の目的を達成するために、本発明の一実施形態による多重構造を有する枕は、人体の骨に対応するように第1硬度及び第1弾性度を有する物質からなるコアと、上記コア上に形成され、上記人体の筋肉に対応するように上記第1硬度より低い第2硬度及び上記第1弾性度より低い第2弾性度を有する物質からなる実質層と、上記実質層上に形成され、上記人体の軟部組織及び皮膚に対応するように上記第2硬度より低い第3硬度及び上記第2弾性度より低い第3弾性度を有する物質からなる皮質層と、を含む。ユーザが上記枕を使用していない状態においては、上記枕の中央部に対応する実質層は第1高さを有し、上記枕の周辺部に対応する実質層は上記第1高さよりも高い第2高さを有するように構成されて上記実質層は互いに異なる2つの高さを有することができる。上記枕は上記皮質層上に形成される表地をさらに含むことができる。上記実質層は横断面上で互いに異なる区分された空間から構成されてもよい。
【0015】
本発明の他の実施形態による多重構造を有する枕は、ユーザが枕をした場合、上記ユーザの頸椎部を支持するコアと、上記コアを覆うように形成され、上記ユーザが上記枕をした場合に上記ユーザの頸椎部を支持する中間層と、上記中間層を覆うように形成され、上記ユーザが上記枕をした場合に上記ユーザの頸椎部を支持する第1支持部と、上記第1支持部から延びて形成され、上記ユーザが上記枕をした場合に上記ユーザの頭部を支持する第2支持部とを有する外部層と、を含む。
上記コアは第1硬度及び第1弾性度を有する物質からなり、上記中間層は上記第1硬度より低い第2硬度及び上記第1弾性度より低い第2弾性度を有する物質からなり、上記外部層は上記第2硬度より低い第3硬度及び上記第2弾性度より低い第3弾性度を有する物質からなることができる。
上記コアはウレタン、シリコン、及び木材の中から選択された1種からなることができる。
上記中間層は高弾性ポリウレタンフォーム及びシリコンフォームの中から選択された1種からなることができる。上記中間層には上記ユーザが上記枕をした場合に上記ユーザによる圧力を分散させるために、第1方向に隙間となる少なくとも1つの溝(serration)を形成してもよい。上記中間層はその内部に、上記中間層の長手方向に沿って少なくとも1つのホール(longitudinally directed holes)を含むことができる。
上記外部層は、上記ユーザが上記枕をした場合に上記ユーザによる応力ストレスを軽減するための開口部を含むことができる。上記ユーザが上記枕をした場合に、上記枕により支持される重心が上記ユーザの頸椎部側に移動可能である。上記外部層と上記中間層との間に中空部をさらに含み、上記中空部は上記外部層の内側面、上記中間層22の外側境界22bと隣接する傾斜部22cとがなす形状によりその形態が決定される。
上記中間層は、上記ユーザが上記枕をした場合に上記ユーザの頸椎部を支持するとともに上記ユーザの頭部を支持することができる。上記中間層は、人が横向きになって腕枕をする場合の腕枕の形状を反映した第1領域及び人が仰向けになって腕枕をする場合の腕枕の形状を反映した第2領域を有することができる。
上記ユーザの頸椎部と上記ユーザの頭部を支持するように、上記外部層と上記中間層との間にエアバッグ部をさらに含むことができる。
【0016】
本発明のまた他の実施形態による多重構造を有する枕は、ユーザが上記枕をした場合に上記ユーザの頸椎部を支持する中間層と、上記中間層を覆うように形成され、上記ユーザが上記枕をした場合に上記ユーザの頸椎部を支持する第1支持部と、上記第1支持部から延びて形成され、上記ユーザが上記枕をした場合に上記ユーザの頭部を支持する第2支持部とを有する外部層と、を含む。
上記中間層は上記外部層により覆われてもよい。上記1つの外部層が中間層を覆う形態にしてもよい。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る多重構造を有する枕は、人体の骨と筋肉のような感じがする、強固なコアと弾力性のある皮質層を用いて安定感と安楽感を高めて枕の使用感を向上させることができる。
【0018】
本発明に係る多重構造を有する枕は、ユーザが枕をした場合にユーザの頸椎部を支持する第1部分及び上記ユーザの頭部を支持する第2部分で構成され、姿勢矯正の効果を与えることができる。
【0019】
人体の軟部組織及び皮膚に対応する外部層の柔らかさを用いてさらによい寝心地を得ることができる。
【0020】
各層の高さの異なる区間が含まれており、実際に枕をすると、2つ以上の枕の高さを得ることができる。
【0021】
本発明に係る多重構造を有する枕は、従来の枕に比べて、枕の高さや強度をより一定に維持でき、ユーザの頭部や頸椎部の筋肉と靭帯が適切に弛緩し、睡眠中に正常な頸椎部の姿勢を維持でき、優れた使用感を与えることができる。
【0022】
多重構造の枕がエアバッグを含むことにより、枕の中間層と外部層との間における異なる材質間の境界から人体が感じる圧力差を緩衝させ、各個人の首の形状に合わせて枕の構造を変形させることにより、枕の使用感を向上させることができ、また、エアバッグを人体の首と頭の形状に合わせて製作して、人体の圧力をできるだけ広く分散させて枕の使用感を極大化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の一実施例に係る多重構造を有する枕の縦断面図である。
【図2】図1に示された枕の横断面図である。
【図3】本発明の一実施例に係る多重構造を有する枕の断面による縦断面図である。
【図4】図3の使用状態の一例を示す図である。
【図5】図3の使用状態の他の例を示す図である。
【図6】本発明の第2実施例に係る多重構造を有する枕の斜視図である。
【図7】図6の線A−Aに沿って切断した多重構造を有する枕の断面図である。
【図8】図6に示された枕の側面図である。
【図9】本発明の第3実施例に係る枕の中間層に対する長手方向の断面図である。
【図10】本発明のまた他の実施例に係る枕の中間層に対する縦断面図である。
【図11】本発明の第4実施例に係る多重構造を有する枕の断面図である。
【図12】図6の枕の周辺で生じる圧力の一例を示す使用状態図である。
【図13】図6または図11の枕の中間層に対する使用状態図である。
【図14】図6の枕に関する変形実施例を示す図面である。
【図15】コアが省略された構造を有する図14の枕に関する変形実施例の断面図である。
【図16】(a)は本発明の第5実施例に係る枕の斜視図であり、(b)、(c)、及び(d)は(a)のエアバッグ部を説明するための参照図である。
【図17】(a)は本発明の第6実施例に係る枕のエアバッグ部を示す図面であり、(b)は(a)におけるエアバッグの斜視図である。
【図18】(a)は正常な首を有する人が枕をした場合に、本発明の一実施例に係るエアバッグを有している枕の形状が変形されることを説明するための概念図であり、(b)はストレートネックを有する人が枕をした場合に、本発明の一実施例に係るエアバッグを有している枕の形状が変形されることを説明するための概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明は多様な変換を加えることができ、様々な実施例を有することができるため、本願では特定実施例を図面に例示し、詳細に説明する。しかし、これは本発明を特定の実施形態に限定するものではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれるあらゆる変換、均等物及び代替物を含むものとして理解されるべきである。各図面を説明するに当たって、類似の参照符号を類似の構成要素に対して用いた。その他、定義しない限り、技術的または科学的な用語を含んで、ここで用いられる全ての用語は、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者であれば一般的に理解される用語と同一の意味を有する。一般的に辞書に定義されているような用語は、関連技術の文脈上の意味と一致する意味を有すると解釈すべきであり、本願で明らかに定義しない限り、理想的または過度に形式的な意味に解釈しない。
【0025】
以下、添付した図面を参照して本発明の好ましい実施例を詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施例に係る多重構造を有する枕の縦断面図であり、図2は、図1に示された枕の横断面図であり、図3は、本発明の一実施例に係る多重構造を有する枕の断面による縦断面図であり、図4及び図5は、図3の多様な使用状態図である。
【0026】
本発明の一実施例に係る多重構造を有する枕10は、図1及び図2に示すように、中心に位置する強固な部材からなるコア20を備える。
【0027】
上記コア20は、人工骨、木材、プラスチックなどから選択された素材で製作することができる。
【0028】
上記コア20は実質層22で囲まれている。
上記実質層22は、人体の筋肉に対応する弾力性を有するためのものである。したがって、実質層22は高弾性ポリウレタンフォームなどの素材で製作することができる。
【0029】
上記実質層22は、図3から図5に示すように、枕の部分ごとに圧縮率を異なるようにすることができ、2つ以上の有効高さ(a、b)を有するように構成することも可能である。
【0030】
したがって、睡眠中に図4に示すように、横向きになったとき(A)と、図5に示すように仰向けになったとき(B)、枕の有効高さ(a、b)は互いに異なる。このように異なる有効高さ(a、b)を適切に利用しながら寝ることができる。
【0031】
また、実質層22は所定区間ごとに異なる断面形態を有するように構成してもよい。例えば、一部区間を円形に、他の区間を四角に構成することができる。したがって、ユーザの好みにより適する部位を選択して用いることができるため、単調な感じを無くすことができる。
【0032】
このとき、枕全体の横断面は円形または楕円形のように多様な形態で構成されてもよい。
【0033】
実質層22は、花形状や鋸歯形状のように凹凸型の断面で構成されてもよい。
【0034】
実質層22の周りには人体の皮質を感じさせる皮質層24が形成されている。皮質層24は、例えば、低弾性ポリウレタンフォームやラテックスフォームなどの素材で製作することができる。
【0035】
皮質層24の周りは、図1及び図2に示すように、不織布で製作された表地26で囲まれていてもよい。
【0036】
このように構成された枕10は人体の腕に近い構造を有し、母に腕枕をしてもらったような感じで気楽に寝ることができる。
【0037】
実質層22は、枕10において頸椎部を支持する実質的な層であって、その材質が身体の筋肉が持っている弾力性を有するため、頸椎部を柔らかく支持する。
【0038】
皮質層24は人体の軟部組織と皮膚に対応する柔らかさを提供する。
上記枕は、その長手方向に沿って区間ごとに圧縮率を異なるようにすることができる。このようにすると、枕の高さを選択して睡眠を取ることができるという効果がある。
【0039】
また、実質層22を区間ごとに異なる断面構造を有するように構成できるという長所がある。
【0040】
本発明に係る他の実施例を説明するための図面において、図6から図19は、図1及び図5の実施例の枕と同一の部品を示す場合は同一符号を付する。本発明の枕に関する実施例において、実質層は中間層、皮質層は外部層と表現されているが、実質的に同じ意味である。
【0041】
図6は本発明の第2実施例に係る多重構造を有する枕の斜視図であり、図7は図6の線A−Aに沿って切断した多重構造を有する枕の断面図であり、図8は図6に示された枕の側面図である。
【0042】
図9は本発明のまた第3実施例に係る枕の中間層に対する長手方向の断面図である。図10は本発明の第3実施例に係る枕の中間層の縦断面図である。
【0043】
図11は本発明の第4実施例に係る多重構造を有する枕の断面図であり、図12の(a)及び(b)は図6の枕の周辺で生じる圧力の一例を示す使用状態図である。
図13は図6または図11の枕の中間層に対する使用状態図である。
【0044】
図14の(a)から(f)は、図6の枕に関する変形実施例を示す図面である。図15の(a)から(e)は、コアが省略された構造を有する図14の枕に関する変形実施例の断面図である。
【0045】
図6は、本発明の第2実施例に係る多重構造を有する枕の斜視図であり、多重構造を有する枕10は、一実施例に係る枕と同様に、コア20、中間層22、及び外部層24からなる3つの層を基本とする。ただし、また他の実施例に係る枕10は、コア20、中間層22、及び外部層24の構造及び特徴から実施例1と異なる。
【0046】
コア20はユーザが枕をした場合に上記ユーザの頸椎部を支持する。
中間層22はコア20を覆うように形成され、上記ユーザが上記枕をした場合に上記ユーザの頸椎部を支持する。
【0047】
外部層24は、中間層22を覆うように形成され、上記ユーザが上記枕をした場合に上記ユーザの頸椎部を支持する第1支持部30aと、第1支持部30aから延びて形成され、上記ユーザが上記枕をした場合に上記ユーザの頭部を支持する第2支持部30bと、を含む。
【0048】
すなわち、第2実施例に係る多重構造を有する枕10は、コア20を有する中間層22が外部層24内に含まれ、その形状が非対称形状をなす。
【0049】
コア20は枕10の支持構造を維持する。中間層22は、図7に示すように、上記外部層24と中間層22との間に所定の中空部25を含む。中空部25は外部層24の内側面、中間層22の外側境界22bと隣接する傾斜部22cとがなす形状によりその形態が決定される。中空部25はその断面が台形をなしてもよい。
【0050】
外部層24は、上記ユーザが上記枕をした場合にユーザによる応力を減らすための開口部202を備える。
【0051】
枕10はコア20、中間層22、及び外部層24が頭部及び頸椎部を均一な圧力で支えることができる大きさを有し、枕10の底からの高さは、第1支持部30aが第2支持部30bより約2倍程度大きいことが好ましい。しかし、枕10の長さや高さは上記大きさに制限されるものではなく、当業者であれば、その長さや高さを変更して実施できることは容易に理解できよう。
【0052】
また、枕10の材質において、コア20は人体の腕骨と同様の硬度を有するように、ウレタン、シリコン、木材などから選択可能である。中間層22は高弾性ポリウレタンフォーム、シリコンフォームなどから選択可能である。外部層24は頭部と頸椎部に対する圧迫を最小化しながら、柔らかい使用感を維持するように、低弾性ポリウレタンフォームまたはラテックスフォームからなることができる。
【0053】
枕10の強度においては、中間層22はその硬度及び弾性度がコア20よりは低いが、外部層24よりは高く形成される。
【0054】
以下に、本発明の第2実施例に係る多重構造を有する枕を構成するコア20、中間層22、及び外部層24について説明する。
【0055】
図7は、図6の多重構造を有する枕の断面図であり、図7を参照すると、コア20、中間層22及び外部層24の間に所定の中空部25が形成されている。
【0056】
コア20は、人が横になった後の人体の圧迫に対して頭部から胸椎までの頸椎部の構造を維持できるほどの硬度を有することが好ましい。一方、上記人工骨は他の構成要素に代替可能である。例えば、コア20は、骨と類似の性質を有するようにウレタン、シリコン、木材などから選択された素材に代替可能である。コア20は頭部と頸椎部のうち、頸椎部分が湾曲する中心とほぼ一致するように位置して枕全体の構造を維持する。コア20は、さらに頸椎部の姿勢を正常に維持し、曲がっている頸椎部を矯正する役割をする。
中間層22は頸椎部を支える部分であって、外部層24とコア20の中間程度の硬度及び弾性度を有する。
【0057】
中空部25は、外部層24の内側に形成される、空間であって、中間層22の外側境界22bと隣接する傾斜部22cとがなす形状によりその形態が決定され、中空部25の内部にあるエアは、主に外部層24を介して通気される。
【0058】
外部層24は、コア20の上部側の第1支持部30aと、第1支持部30aから延長する第2支持部30bとを有し、第1支持部30a及び第2支持部30bは異なる形状で構成される。第1支持部30aは、頸椎部の屈曲とほぼ一致する円形であり、第2支持部30bは頭部の屈曲とほぼ一致する形状をなしている(図6参照)。
【0059】
図8は、図6に示された枕の側面図である。
【0060】
図8を参照すると、本発明の第2実施例は、コア20、中間層22、及び外部層24と、長手方向に沿って少なくとも1つの開口部202とを有することを基本形態とし、外部層24は中間層22を囲んでいる水平距離と高さを有する第1支持部30aと、第1支持部30aから延長される第2支持部30bと、を含み、第1支持部30a及び第2支持部30bは異なる形状で構成される。
【0061】
枕10において、第1支持部30aは頸椎部の屈曲とほぼ一致する円形であり、第2支持部30bは頭部の屈曲とほぼ一致する形状をなしているため、頸椎部と頭部の重さによる圧力を支えながら圧力を分散して枕10に置かれた頭部に安楽感を提供する。
【0062】
さらに、第2実施例による枕は、外部層24が長手方向に沿って少なくとも1つの開口部202を有する構成であり、後述する図14から図15に示すように、開口部202は選択的に構成されることができる。外部層24における開口部202は、上記ユーザが上記枕をした場合に上記ユーザによる応力を減らす。
【0063】
図9は、本発明の第3実施例に係る枕の中間層に対する長手方向の断面図であり、図10は、本発明の第3実施例に係る枕の中間層の縦断面図である。
【0064】
図9を参照すると、本発明の第3実施例では、枕10の中間層22に、中間層22の横方向に沿って縦方向への隙間となる少なくとも1つの溝(serration)222を形成する。溝222は中間層22の中空部25に対応する部分に限定して形成してもよい。しかし、溝222は中間層22の中空部に限定せず、中間層22の全体にわたって横方向に沿って縦方向への隙間となる少なくとも1つの溝を形成してもよいことは、当業者であれば容易に理解できるため、その詳細な説明は省略する(図示せず)。
【0065】
図10を参照すると、本発明の第3実施例では、枕10の長手方向に沿って少なくとも1つのホール(longitudinally directed holes)224を形成する。このような図9及び図10の構成によれば、仰向けになった場合、溝222は引張応力の伝達を最小化して使用感を向上させ、少なくとも1つのホール224は頭部を枕10に接触するときの衝撃を吸収し、仰向けになったときの圧縮応力を分散し、また睡眠中の通気性を向上させることができる。
【0066】
図9及び図10において、中間層22はその硬度及び弾性度がコア20よりは低いが外部層24よりは大きい。中間層22は高弾性ポリウレタンフォーム、シリコンフォームなどから選択された弾性のある材質で製作することができる。これにより中間層22は、頸椎部の重さにより圧力を受ける場合、その圧力を複数の溝222に容易に分散させることができる構造を形成し、また、弾性のある材質からなるため、頭部から頸椎部に対して弾力感を提供するとともに頸椎部の全体的な形状を維持することができる。
【0067】
図11は、本発明の第4実施例に係る多重構造を有する枕の断面図である。図11を参照すると、枕10の中間層22及び外部層24の構成は、図6に示された構成と実質的に同様であり、コアを省略した構造的な差がある。
【0068】
また第4実施例に係る多重構造を有する枕は、図6に示された枕と同様に、外部層24はコア20の上部側の第1支持部30aと、第1支持部30aから延長される第2支持部30bとを有し、第1支持部30a及び第2支持部30bは異なる形状で構成される。また、外部層24は、外部層24の長手方向に沿って少なくとも1つの開口部202を有することを基本形態とし、第1支持部30aは頸椎部の屈曲とほぼ一致する円形であり、第2支持部30bは頭部の屈曲とほぼ一致する形状をなしているため、頸椎部と頭部の高さによる全重さを支えながら圧力を分散して安楽感を提供する。
【0069】
外部層24としては、図6に示された枕と同様に、柔らかい使用感を維持するように、低弾性ポリウレタンフォーム、ラテックスフォームを用いる。
【0070】
図12の(a)及び(b)は、図6に示された枕の周辺から生じる圧力に関しての本発明の第2実施例を示す使用状態図であって、枕10に人の頭部が位置する前と後における枕10の周辺から生じる圧力の一例を示す。
【0071】
図12の(a)に示す初期状態と、図12の(b)に示すように、人が横になった後の使用状態図のように、睡眠中に仰向けになったとき、首の起始点(A)から頭部の最頂点(B)までの区間dを枕10が支持することになるため、枕10が頸椎部の正常な湾曲を支持できるように、区間dにおいて起始点(A)の近くに外部層24内の中間層22を位置させ、最頂点(B)の近くでは中間層22が直接支えることがないようにして枕の重心の偏りによる頸椎部の正常な湾曲状態を維持するようにする。したがって、上記ユーザが枕をした場合、枕の支える重心が上記ユーザの頸椎部側に移動することになるため、姿勢矯正の効果が得られる。
【0072】
図12の(a)に示すように、人の頭部が位置する前には、枕10の重心がどちらにも偏らない状態にある。したがって、枕10の中心部から均一な圧力を受ける。図12の(b)は、頭部が位置した後に、枕10の周りの圧力が一方に偏ることなく、全領域に亘って均一に受けることを示している。
【0073】
図13は、図6または図12に示された枕の中間層22に対する使用状態図である。
【0074】
図13の(a)及び(b)に示す中間層22の構造によれば、外部層24の内側に形成された中空部25だけでなく、中間層22にも少なくとも1つの溝222が形成されている。
【0075】
枕をした場合、中空部25と中間層22の溝222とに頸椎部の圧力が分散されるため、中間層22の応力(f)が中心とその周辺に均一に伝達される。したがって、所定の中空部25と中間層22の溝222にかかる圧力の均一性を著しく確保できる。
【0076】
したがって、本発明に係る多重構造を有する枕は、人体の骨に対応するコアがあるため、枕の全体的な構造を維持しながら、睡眠中の正常な脊椎姿勢を維持することができ、人体の筋肉に対応する弾力性のある中間層を含むため、弾力感と安楽感を感じることができ、また人体の軟部組織及び皮膚に対応する柔らかい外部層のため、柔らかを感じることができ、さらに各層の高さの異なる区間が含まれていて最適状態の枕の部分を選択して利用することができる。
【0077】
図14の(a)から(f)は、図6の枕においての変形実施例を示す図面である。これら変形実施例は一実施例に係るコア20、中間層22、及び外部層24の多重構造において、外部層24を変形した変形実施例である。図14の(a)から(f)を参照して詳しく説明する。
【0078】
本発明の変形実施例は、枕10の一部分としてコア20及び中間層22に固定される外部層24を用いる。しかし、上記外部層24は他の構成の変形可能な形態に代替してもよい。
【0079】
図14の(a)から(f)に示す変形実施例を参照して以下に説明する。
【0080】
図14の(a)は図8に示された基本形態の外部層と異なり、上記外部層24に開口部202のない一体型の形態を例示する。
【0081】
図14の(b)は上記外部層24における頭部側と頸椎部側との間に1つの開口部202aを形成した形態を例示する。
【0082】
図14の(c)は上記外部層24の頭部側に1つの開口部202bを形成した形態を例示する。
【0083】
図14の(d)は上記外部層24に開口部202bを形成することなく、上記外部層24が上記中間層22を覆っている形態を例示する。
【0084】
図14の(e)は上記外部層24に開口部202を形成することなく、1つの外部層24が中間層22を覆っている形態を例示する。
【0085】
図14の(f)は図14の(c)における上記外部層24の頭部側が単に分離された形態を例示する。
【0086】
図14の(a)から(f)に示された変形実施例によれば、上記外部層24は低弾性ポリウレタンフォーム、ラテックスフォームなどの材料からなるため、人体の軟部組織と皮膚に対応する柔らかい触感を提供し、人ごとに多少異なる頭部と首の形状に応じて、選択して利用することができる。
【0087】
図14の枕において、コアは必須の構成要素ではなく、省略可能である。
【0088】
図15の(a)から(e)はコアの省略された構造を有する図14の枕においての変形実施例を示す断面図である。
【0089】
図15の変形実施例は図6の多重構造を有する枕の一部分であって、コア20が省略され、中間層22及び外部層24の2層を基本形態とし、中間層22に固定される外部層24を用いて他の構成の形態に代替してもよい。
【0090】
図15の(a)から(e)の変形実施例について、以下に詳しく説明する。
【0091】
図15の(a)は図11に示された基本形態の外部層と異なり、上記外部層24に開口部202のない一体型の形態を例示する。
【0092】
図15の(b)は上記外部層24における頭部側と頸椎部側との間に1つの開口部202aを形成した形態を例示する。
【0093】
図15の(c)は上記外部層24の頭部側に1つの開口部202bを形成した形態を例示する。
【0094】
図15の(d)は上記外部層24に開口部202を形成することなく、上下に分離される2つの外部層24を結合した形態を例示する。
【0095】
図15の(e)は図15の(c)における上記外部層24の頭部側が単に分離された形態を例示する。
【0096】
図15の(a)から(e)を参照すると、枕10の前、後、左、右に開口部202a、202bを形成できる弾力性のある外部層24に代替可能である。
【0097】
図15の(a)から(e)に示された変形実施例の構成及び作用効果は図14の(a)から(f)の変形実施例と同様である。
【0098】
図16の(a)は本発明のまた他の実施例に係る枕の斜視図であり、図16の(b)、(c)、及び(d)は図16の(a)のエアバッグ部を説明するための参照図である。
【0099】
図16を参照すると、本発明のまた他の実施例に係る枕によれば、中間層22は上述した実施例とは異なり、ユーザの頸椎部だけでなくユーザの頭部も支持するようにコア20から頭部側へさらに延びて形成されることができる。
【0100】
エアバッグ部29は、図17の(a)に示すように、比較的少量の空気、例えば100〜200ccを含むエアバッグ(air−bag)29a、空気を注入するための注入部29b、注入部29bに締結されて注入部29bを介して注入された空気をエアバッグに伝達するための伝達部29cを含む。
【0101】
注入部29bとしては空気ポンプ(air−pump)を用いてもよい。
伝達部29cは、一端が封鎖されたチューブまたはパイプのような形状を有することができる。伝達部29cはエアバッグ29aを固定する役割も行う。図17の(a)においてBの部分拡大図に示すように、伝達部29cが注入部29bに結合される他端は約90°角度に曲がって伝達部29cを固定する役割を行う。
【0102】
図18の(a)及び(b)は、図16の(d)のA−A’線に沿って切断した、エアバッグを含む中間部分の断面図である。
【0103】
エアバッグ29aは、図16に示された枕の構造において、図16の(b)及び(c)に示されたように、ユーザの頸椎部及び頭部を支持する中間層22上に形成されることができる。
【0104】
エアバッグ部29の注入部29b及び伝達部29cは、図16の(c)に示すように、枕の中間層22内に収納されるようにしてもよく、またはエアバッグ部29の伝達部29cは中間層22内に収納し、伝達部29cの一部と注入部29bとを枕の外部に露出させることでユーザが手で空気注入量を調節するようにしてもよい。この場合、注入部29bを収容できるように枕の外部に別の袋28をさらに具備してもよい。
【0105】
エアバッグ部29は、コア20、中間層22、及び外部層24で構成される、異なる材質の組合せからなる多重構造を有する枕において、中間層22と外部層24との間における異なる材質間の境界から人体が感じる圧力差を緩衝する役割を行うことにより、枕の使用感を向上させることができる。これは、エアバッグ29a内の圧力は何処の部位でも同じであるため、圧力差がある部分へエアバッグ29aの空気が流動して圧力差を無くすからである。
【0106】
また、人体の体形に応じて枕の各部分が受ける圧力が異なるため、人ごとに楽に感じる枕の形態は異なるが、比較的少量の空気を含むエアバッグ29aを多重構造の枕に含めることにより、図18の(a)及び(b)に示すように、実際に使用するとき、エアバッグ内部の空気が流動して各個人の首の形状に合わせて枕の構造が変形されることができる。図18の(a)は正常な形態の首を有する人が枕をした場合を示し、図18の(b)はストレートネックを有する人が枕をした場合を示す。何れの人も本発明の一実施例に係るエアバッグ29aを有する枕を用いると、各個人の首の形状に合わせて枕の構造が変形されることが分かる。
【0107】
また、エアバッグ29aは、図17の(b)に示すように、人体の首と頭の形状に合わせて製作して人体の圧力をできるだけ広く分散させることにより、使用感を向上させることができる。
【0108】
本発明のまた第5実施例によれば、エアバッグ部29を、注入部29bを除いてエアバッグ29a及び伝達部29cだけで形成してもよい。本発明のまた他の実施例では、エアバッグ部29をエアバッグ29aだけで形成してもよい。
【0109】
図19の(a)は人体の腕枕の構造を説明するための概念図であり、図19の(b)は図19の(a)の人体の腕枕構造に対応する構造を有する本発明の一実施例に係る枕の断面図を示す。
【0110】
図19の(b)を参照すると、図19の(a)に示された人体の腕枕を形状化して中間層22を変形して設計する。人が横向きに寝る場合に腕枕をした感じの使用感を与えるために、人が横向きに寝るときの腕枕をした形状を反映して中間層22のM1またはM3領域を設計し、人が仰向けに寝るときの腕枕をした形状を反映して中間層22のM2領域を設計する。したがって、上記のように設計された枕は人体の腕に近い構造を有するため、寝心地よい腕枕をした感じを提供することができる。
【0111】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【産業上の利用可能性】
【0112】
本発明に係る多重構造を有する枕は、人体の骨と筋肉のような感じがする、強固なコアと弾力性のある皮質層を用いて安定感と安楽感を感じるようにして、枕の使用感を向上させる。
【0113】
本発明に係る多重構造を有する枕は、ユーザが枕をした場合にユーザの頸椎部を支持する第1部分と、上記ユーザの頭部を支持する第2部分とで構成され、姿勢矯正の効果を与える。
【0114】
人体の軟部組織及び皮膚に対応する外部層の柔らかさを用いて、より一層安楽間を得られる。
【0115】
各層の高さが異なる区間が含まれており、実際に枕をすると、2つ以上の枕の高さを得ることができる。
【0116】
本発明に係る多重構造を有する枕は、従来の枕に比べて、枕の高さや強度を、より一定に維持でき、ユーザの頭部や頸椎部の筋肉と靭帯が適切に弛緩し、睡眠中に正常な頸椎部の姿勢を維持でき、優れた使用感を与える。
【0117】
エアバッグを多重構造の枕に含めることにより、枕の中間層と外部層との間における異なる材質間の境界から人体が感じる圧力差を緩衝し、各個人の首の形状に合わせて枕の構造が変形されることにより、枕の使用感を向上させることができ、また、エアバッグを人体の首と頭の形状に合わせて製作して、人体の圧力をできるだけ広く分散させて枕の使用感を極大化することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
人体の骨に対応するように第1硬度及び第1弾性度を有する物質からなるコアと、
前記コア上に形成され、前記人体の筋肉に対応するように前記第1硬度より低い第2硬度及び前記第1弾性度より低い第2弾性度を有する物質からなる実質層と、
前記実質層上に形成され、前記人体の軟部組織及び皮膚に対応するように前記第2硬度より低い第3硬度及び前記第2弾性度より低い第3弾性度を有する物質からなる皮質層と、
を含むことを特徴とする多重構造を有する枕。
【請求項2】
ユーザが枕をした場合に前記ユーザの頸椎部を支持するコアと、
前記コアを覆うように形成され、前記ユーザが前記枕をした場合に前記ユーザの頸椎部を支持する中間層と、
前記中間層を覆うように形成され、前記ユーザが前記枕をした場合に前記ユーザの頸椎部を支持する第1支持部と、前記第1支持部から延びて形成され、前記ユーザが前記枕をした場合に前記ユーザの頭部を支持する第2支持部と、を有する外部層と、
を含むことを特徴とする多重構造を有する枕。
【請求項3】
前記コアが第1硬度及び第1弾性度を有する物質からなり、前記中間層が前記第1硬度より低い第2硬度及び前記第1弾性度より低い第2弾性度を有する物質からなり、前記外部層が前記第2硬度より低い第3硬度及び前記第2弾性度より低い第3弾性度を有する物質からなることを特徴とする請求項2に記載の多重構造を有する枕。
【請求項4】
前記コアがウレタン、シリコン、及び木材の中から選択された1種からなり、前記中間層が高弾性ポリウレタンフォーム及びシリコンフォームの中から選択された1種からなり、前記外部層が低弾性ポリウレタンフォーム及び低弾性ラテックスフォームの中から選択された1種からなることを特徴とする請求項2に記載の多重構造を有する枕。
【請求項5】
前記中間層は、前記ユーザが前記枕をした場合に前記ユーザによる圧力を分散させるために、第1方向に隙間となる少なくとも1つの溝(serration)を形成することを特徴とする請求項2に記載の多重構造を有する枕。
【請求項6】
前記中間層は、その内部に前記中間層の長手方向に沿って少なくとも1つのホール(longitudinally directed holes)を含むことを特徴とする請求項2に記載の多重構造を有する枕。
【請求項7】
前記外部層は、前記ユーザが前記枕をした場合に前記ユーザによる応力ストレスを軽減するための開口部を含むことを特徴とする請求項2に記載の多重構造を有する枕。
【請求項8】
前記ユーザが前記枕をした場合に前記枕が支持する重心が前記ユーザの頸椎部側に移動することを特徴とする請求項2に記載の多重構造を有する枕。
【請求項9】
前記外部層と前記中間層との間に中空部をさらに含み、前記中空部は前記外部層の内側面、前記中間層の外側境界と隣接する傾斜部とがなす形状によりその形態が決定されることを特徴とする請求項2に記載の多重構造を有する枕。
【請求項10】
前記中間層は、前記ユーザが前記枕をした場合に前記ユーザの頸椎部を支持するとともに前記ユーザの頭部を支持することを特徴とする請求項2に記載の多重構造を有する枕。
【請求項11】
前記中間層は、人が横向きに寝るときの腕枕をする形状を反映した第1領域及び人が仰向けになって腕枕をする形状を反映した第2領域を有することを特徴とする請求項2に記載の多重構造を有する枕。
【請求項12】
前記ユーザの頸椎部と前記ユーザの頭部を支持するように前記外部層と前記中間層との間に形成されたエアバッグをさらに含むことを特徴とする請求項2に記載の多重構造を有する枕。
【請求項13】
前記エアバッグは、人体が受ける圧力を広く分散させるために前記ユーザの頸椎部と前記ユーザの頭部の形状に合わせた形状を有することを特徴とする請求項12に記載の多重構造を有する枕。
【請求項14】
ユーザが枕をした場合に前記ユーザの頸椎部を支持する中間層と、
前記中間層を覆うように形成され、前記ユーザが前記枕をした場合に前記ユーザの頸椎部を支持する第1支持部と、前記第1支持部から延びて形成され、前記ユーザが前記枕をした場合に前記ユーザの頭部を支持する第2支持部を有する外部層と、
を含むことを特徴とする枕。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12(a)】
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【図12(b)】
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【図13(a)】
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【図13(b)】
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【図14(a)】
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【図14(b)】
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【図14(c)】
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【図14(d)】
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【図14(e)】
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【図14(f)】
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【図15(a)】
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【図15(b)】
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【図15(c)】
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【図15(d)】
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【図15(e)】
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【図16(a)】
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【図16(b)】
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【図16(c)】
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【図16(d)】
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【図17(a)】
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【図17(b)】
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【図18(a)】
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【図18(b)】
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【図19】
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【公表番号】特表2011−516100(P2011−516100A)
【公表日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−525738(P2010−525738)
【出願日】平成20年7月1日(2008.7.1)
【国際出願番号】PCT/KR2008/003875
【国際公開番号】WO2009/038278
【国際公開日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【出願人】(510077864)
【Fターム(参考)】