説明

多関節ロボットの駆動制御方法及び多関節ロボットの配線配管保護装置

【課題】配線・配管の機能に支障を来すような大きな張力が加わった場合に有効に対処すること。
【解決手段】ロボットの多関節型アームの第1乃至第4の各アーム部に対してクランプ部によりそれぞれクランプされたケーブル21の、隣り合うクランプ部の間の箇所に、ケーブル保護装置23を適宜介設する。そして、ケーブル保護装置23のハウジング23c内においてケーブル21を、一対のコネクタ23a,23bによって接触離間可能に構成する。さらに、コネクタ23a,23bの接触離間の状態を、ケーブル21のエア配管21aの空気圧や信号線21dの電位によって検出し、コネクタ23a,23bの離間を検出した場合は、ロボットの動作を停止して、直前に通過した通過点に逆転動作させる。コネクタ23a,23bが接触状態に復帰したら、逆転動作前の動作パターンでロボットを動作させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多関節ロボットの配線配管を保護する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
多関節ロボットは、その手先部にエンドエフェクタを取り付けて使用される。エンドエフェクタには、例えば、ワークをピッキングするためのハンドや、ワークを溶接するためのトーチ等、使用目的に応じて種々のものがある。このようなエンドエフェクタには、エンドエフェクタを動かすために必要な電力や圧縮空気等を供給する必要があり、また、必要に応じて、動作制御用の電気信号を供給する必要がある。さらに、ワークの位置や姿勢を検出するハンドアイセンサを手先部に取り付ける場合には、ハンドアイセンサからその出力信号を取り込む必要がある。このような目的で、多関節ロボットには電気ケーブルの配線や流体チューブの配管が必要になることがある。
【0003】
ところで、多関節ロボットは、複数の関節を利用して様々な姿勢で動作を行うことができる。特に、ビンピッキングロボットのような多関節ロボットでは、取り扱うワークの位置に応じて姿勢がランダムに変化する。このように、多関節ロボットの動作パターンは必ずしも定型化されないので、上述した電気ケーブルや流体チューブの配線・配管には、多関節ロボットの動作次第で予期しない張力が加わる可能性がある。配線・配管に張力が加わるのは、エンドエフェクタ等の正常な動作を保証する上で好ましいこととは言えない。
【0004】
そこで、多関節ロボットの関節部分に大径のフランジを設けて配線の巻き付きを防止する技術(例えば、特許文献1)や、多関節ロボットのクランプ部で配線・配管を摺動可能にクランプし配線・配管に加わる張力を吸収する技術(例えば、特許文献2)等が、従来から提案されている。また、配線内に追加した検出線の電気的導通度を監視することで、配線の経年劣化を予測し断線前に交換可能とする技術も提案されている(例えば、特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−208194号公報
【特許文献2】特開2001−150382号公報
【特許文献3】特開2002−56726号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、大径のフランジ部を用いる従来技術では、多関節ロボットのあらゆる姿勢に対して関節部分における配線巻き付きを防止するには、フランジ部を相当の大径としなければならず、多関節ロボットとしての動作に支障を来しかねない。言い換えると、多関節ロボットとしての動作に支障を来さない程度にフランジ部の径を抑えると、関節部分における配線巻き付きを防止できる多関節ロボットの姿勢に、制約が生じてしまう。
【0007】
また、配線・配管をクランプ部で摺動可能にクランプする従来技術では、多関節ロボットの複雑な動作によってクランプ部にこじれが発生すると、張力吸収機能が阻害されてしまう恐れがある。しかも、クランプ部が摺動範囲を超えて摺動するような大きな張力が配線・配管に加わった場合には、根本的に対処することができない。
【0008】
さらに、配線の経年劣化を予測する従来技術についても、配線の状態が急激に変化するような大きな張力が配線に加わった場合に、有効に対処できる類のものではない。
【0009】
このように、上述した従来技術はいずれも配線・配管に加わる張力により配線・配管に支障が生じるのを予防又は予測するものであり、配線・配管の機能に支障を来すような大きな張力が加わった場合に何ら対処できるものではない。
【0010】
本発明は前記事情に鑑みなされたもので、本発明の目的は、配線・配管の機能に支障を来すような大きな張力が加わった場合に有効に対処することができる多関節ロボットの駆動制御方法と、この方法を実施する際に用いて好適な多関節ロボットの配線配管保護装置とを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため、請求項1に記載した本発明の多関節ロボットの駆動制御方法は、
多関節ロボットの関節部を跨いでその両側のアーム部にそれぞれクランプされる配線又は配管を、隣り合う2つのクランプ部にそれぞれクランプされた部分の間において、互いに接離可能な一対のコネクタにより接続し、
前記一対のコネクタをハウジングの内部において互いに接近離間する方向に案内し、
前記ハウジング内において離間した前記一対のコネクタが接近する方向に、該一対のコネクタの一方又は両方を付勢し、
前記一対のコネクタにおける前記配線又は配管の導通、非導通の状態を監視し、
前記多関節ロボットの駆動指令に基づく駆動中に前記監視の結果が導通状態から非導通状態に変化したときに、前記駆動指令による駆動パターンとは逆の駆動パターンで前記多関節ロボットを逆転駆動させるようにした、
ことを特徴とする。
【0012】
請求項1に記載した本発明の多関節ロボットの駆動制御方法によれば、多関節ロボットの関節部の両側のアーム部にそれぞれクランプされた配線又は配管の2つの部分の間には、多関節ロボットの姿勢次第で張力が加わることがある。この張力が、一対のコネクタの一方又は両方に作用する付勢力を上回ると、接触していた一対のコネクタが離間する。一対のコネクタが離間すると、配線又は配管の2つの部分が導通状態から非導通状態に変化する。
【0013】
駆動指令に基づく多関節ロボットの駆動中に、配線又は配管の2つの部分が導通状態から非導通状態に変化すると、それまでの駆動の元となった駆動指令による駆動パターンとは逆の駆動パターンで多関節ロボットが一定量逆転駆動される。多関節ロボットの逆転駆動により、配線又は配管の2つの部分の間に加わる張力が解消される。
【0014】
したがって、多関節ロボットの駆動中の姿勢に起因して配線又は配管に大きな張力が加わっても、一対のコネクタを積極的に離間させて配線又は配管自体の切断を防止し、また、配線又は配管に加わる張力を解消する状態に多関節ロボットの姿勢を復帰させることができる。
【0015】
以上のように、請求項1に記載した本発明の多関節ロボットの駆動制御方法によれば、多関節ロボットが、その関節部を跨いでその両側のアーム部にそれぞれクランプされる配線又は配管の機能に支障を来すような大きな張力が加わる姿勢となっても、配線又は配管自体が切断されるのを防ぐことができる。このため、配線又は配管の機能に支障を来すような大きな張力が加わった場合に有効に対処することができる。
【0016】
また、請求項2に記載した本発明の多関節ロボットの駆動制御方法は、請求項1に記載した本発明の多関節ロボットの駆動制御方法において、前記多関節ロボットの逆転駆動を、少なくとも前記監視の結果が非導通状態から導通状態に復帰するまで行うようにしたことを特徴とする。
【0017】
請求項2に記載した本発明の多関節ロボットの駆動制御方法によれば、請求項1に記載した本発明の多関節ロボットの駆動制御方法において、一対のコネクタの離間後に行われる多関節ロボットの逆転駆動により、離間した一対のコネクタを付勢力により再び接触させて、隣り合う2つのクランプ部にそれぞれクランプされた配線又は配管の2つの部分を導通状態に復帰させることができる。
【0018】
さらに、請求項3に記載した本発明の多関節ロボットの駆動制御方法は、請求項2に記載した本発明の多関節ロボットの駆動制御方法において、前記逆転駆動後の前記多関節ロボットを、前回の前記駆動指令とは駆動パターンが異なる別の駆動指令に基づき駆動させるようにしたことを特徴とする。
【0019】
請求項3に記載した本発明の多関節ロボットの駆動制御方法によれば、請求項2に記載した本発明の多関節ロボットの駆動制御方法において、多関節ロボットの逆転駆動により配線又は配管に加わる張力が解消されて、配線又は配管の2つの部分が非導通状態から導通状態に復帰すると、前回の駆動指令とは駆動パターンが異なる別の駆動指令に基づいて、多関節ロボットが逆転駆動前の駆動時とは異なる駆動パターンで駆動される。
【0020】
したがって、逆転駆動後の多関節ロボットの駆動によって、配線又は配管に大きな張力が加わった姿勢に多関節ロボットが戻ることを、防止することができる。
【0021】
また、請求項4に記載した本発明の多関節ロボットの駆動制御方法は、請求項3に記載した本発明の多関節ロボットの駆動制御方法において、前記多関節ロボットのアプローチ対象である複数のワークの位置及び姿勢に基づき、該複数のワークの中から前記多関節ロボットがアプローチするワークを特定して、該特定したワークに前記多関節ロボットをアプローチさせる駆動パターンで前記駆動指令を生成すると共に、前記逆転駆動後の前記多関節ロボットを駆動させる前記別の駆動指令を、前記特定したワークとは別のワークに前記多関節ロボットをアプローチさせる駆動パターンで生成するようにしたことを特徴とする。
【0022】
請求項4に記載した本発明の多関節ロボットの駆動制御方法によれば、請求項3に記載した本発明の多関節ロボットの駆動制御方法において、多関節ロボットの駆動指令が、複数のワークの中からアプローチする対象として特定されたワークの位置に応じて決定される。このため、多関節ロボットを逆転駆動させた後の別の駆動指令を、別のワークの位置に基づいて容易に決定することができる。
【0023】
さらに、上記目的を達成するため、請求項5に記載した本発明の多関節ロボットの配線配管保護装置は、
多関節ロボットの関節部を跨いでその両側のアーム部にそれぞれクランプされる配線又は配管の保護装置であって、
前記配線又は配管の隣り合う2つのクランプ部の間に介設され、互いに接触、離間することで前記配線又は配管の前記各クランプ部側の部分どうしを導通、切断させる一対のコネクタと、
前記一対のコネクタを互いに接離可能に収容すると共に、前記配線又は配管の前記各クランプ部側の部分をそれぞれ外部に導出するハウジングと、
前記ハウジング内において離間した前記一対のコネクタが接触する方向に、該一対のコネクタの一方又は両方を付勢する付勢手段と、
を備えることを特徴とする。
【0024】
請求項5に記載した本発明の多関節ロボットの配線配管保護装置によれば、多関節ロボットの関節部の両側のアーム部にそれぞれクランプされた配線又は配管の2つの部分の間には、多関節ロボットの姿勢次第で張力が加わることがある。この張力が、一対のコネクタの一方又は両方に対する付勢手段による付勢力を上回ると、接触していた一対のコネクタが離間する。一対のコネクタが離間すると、配線又は配管の2つの部分が導通状態から非導通状態に変化する。
【0025】
また、配線又は配管の2つの部分の間に加わる張力が、付勢手段による付勢力を下回れば、離間した一対のコネクタを付勢手段の付勢力により再び接触させて、配線又は配管の2つの部分を導通状態に復帰させることができる。
【0026】
このように、請求項5に記載した本発明の多関節ロボットの配線配管保護装置によれば、多関節ロボットの関節部を跨いでその両側のアーム部にそれぞれクランプされる配線又は配管に、その機能に支障を来すような大きな張力が加わっても、配線又は配管自体が切断されるのを防ぐことができる。このため、配線又は配管の機能に支障を来すような大きな張力が加わった場合に有効に対処することができる。
【0027】
また、請求項6に記載した本発明の多関節ロボットの配線配管保護装置は、請求項3に記載した本発明の多関節ロボットの配線配管保護装置において、前記ハウジングが、前記一対のコネクタどうしの離間長を所定寸法以内に規制するように構成されており、前記付勢手段が、前記所定寸法離間した前記一対のコネクタが接触するのに必要な付勢力を有していることを特徴とする。
【0028】
請求項6に記載した本発明の多関節ロボットの配線配管保護装置によれば、請求項5に記載した本発明の多関節ロボットの配線配管保護装置において、ハウジングの内部で一対のコネクタがその最大離間長である所定寸法まで離間しても、一対のコネクタを接触させるのに必要な付勢力が付勢手段によって一対のコネクタの一方又は両方に付与される。
【0029】
したがって、一対のコネクタの接触により接続される配線又は配管の2つの部分に張力が加わって一対のコネクタが離間しても、その張力が付勢手段の付勢力を下回った場合に、一対のコネクタを確実に再び接触させ、配線又は配管の2つの部分を非導通状態から導通状態に復帰させることができる。
【発明の効果】
【0030】
本発明の多関節ロボットの駆動制御方法及び多関節ロボットの配線配管保護装置によれば、多関節ロボットの関節部を跨いでその両側のアーム部にそれぞれクランプされる配線又は配管に、その機能に支障を来すような大きな張力が加わった場合に、有効に対処することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の一実施形態に係る駆動制御方法が適用される多関節ロボットの概略構成を示す説明図である。
【図2】図1の多関節ロボットにおいて使用する本発明の一実施形態に係るケーブル保護装置の内部構成を示す図で、(a)はコネクタの接続状態の断面図、(b)は同離間状態の断面図である。
【図3】図1のロボット制御装置が行うワークのピッキング処理の手順を示すフローチャートである。
【図4】(a),(b)は図1のロボット制御装置が行うケーブル保護処理の手順を示すフローチャートである。
【図5】図1の多関節ロボットにおいて使用する本発明の他の実施形態に係るケーブル保護装置の内部構成を示す図で、(a)はコネクタの接続状態の断面図、(b)は同離間状態の断面図である。
【図6】図1の多関節ロボットにおいて使用する本発明のさらに他の実施形態に係るケーブル保護装置の内部構成を示す図で、(a)はコネクタの接続状態の断面図、(b)は同離間状態の断面図である。
【図7】図1の多関節ロボットにおいて使用する本発明のさらにまた他の実施形態に係るケーブル保護装置の内部構成を示す図で、(a)はコネクタの接続状態の断面図、(b)は同離間状態の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0033】
図1は本発明の一実施形態に係る駆動制御方法が適用される多関節ロボットの概略構成を示す説明図である。
【0034】
図1中引用符号1で示す本実施形態の多関節ロボット(以下、「ロボット」と略記する。)は、トレー13内にランダムに積み上げ収容されたワーク15のビンピッキングを行うものである。そして、ロボット1は、設置面Aに設置された円柱状の基台3と、この基台3上に設置された多関節型アーム5と、この多関節型アーム5の先端に設けられたフランジ部9とを有している。
【0035】
前記多関節型アーム5は、基台3側から順に第1乃至第4の4つのアーム部6a〜6dを有している。基台3と第1アーム部6aはA1軸6eで回転可能に連結されている。第1アーム部6aと第2アーム部6bはA2軸6fで回転可能に連結されている。第2アーム部6bと第3アーム部6cはA3軸6gで回転可能に連結されている。第3アーム部6cの先端側(第4アーム部6d側)はA4軸6hにより、基端側(第2アーム部6b側)に対して回転可能とされている。第3アーム部6cと第4アーム部6dはA5軸6iで回転可能に連結されている。第4アーム部6dの先端には、A6軸6jを介してフランジ部9が回転可能に連結されている。A1〜A6の各軸6e〜6jは、請求項中の関節部にそれぞれ相当している。
【0036】
このように構成された本実施形態のロボット1においては、多関節型アーム5に内蔵したA1〜A6の各軸6e〜6j用のロータリアクチュエータ(図示せず)に、ロボット制御装置31から適切な制御値を与えることで、基台3に対して多関節型アーム5を適切な姿勢とする。
【0037】
なお、フランジ部9にはエンドエフェクタ17が取り付けられる。本実施形態では、ワーク15(図3参照)をピッキングするためのグリッパタイプのエンドエフェクタ17がフランジ部9に取り付けられている。このエンドエフェクタ17は、2つの爪を開閉することでワーク15のピッキングを行う。本実施形態では、エンドエフェクタ17の2つの爪の開閉は、エアシリンダ(図示せず)の両端のいずれかに切替弁(図示せず)を介して圧縮空気を供給することで行うことができるものとする。したがって、エンドエフェクタ17には、不図示の切替弁に対する電源信号及び切替制御信号と、エアシリンダに対する圧縮空気とが、エンドエフェクタ制御・駆動装置(以下、「制御・駆動装置」と略記する。)33から供給される。
【0038】
そして、フランジ部9に取り付けられたエンドエフェクタ17は、フランジ部9に対するエンドエフェクタ17の立設方向と平行に延在する回転軸であるA6軸6jの周りに、A6軸6j用のロータリアクチュエータ(図示せず)によって回転することができる。
【0039】
上述した制御・駆動装置33からエンドエフェクタ17への圧縮空気や制御信号の供給には、ケーブル21が用いられる。ケーブル21は、多関節型アーム5の第1乃至第4の各アーム部6a〜6dに沿って配設されている。ケーブル21は、クランプ部20a〜20dにおいて、第1乃至第4の各アーム部6a〜6dにそれぞれクランプされている。
【0040】
本実施形態では、ケーブル21の途中の2箇所に、本発明の一実施形態に係る配線配管保護装置としてのケーブル保護装置23がそれぞれ介設されている。具体的には、ケーブル21の、A3軸6gを跨いでその両側に位置する第2アーム部6bと第3アーム部6cとにそれぞれクランプされた部分の間に、ケーブル保護装置23が介設されている。また、A5軸6iを跨いでその両側に位置する第3アーム部6cと第4アーム部6dとにそれぞれクランプされた部分の間にも、ケーブル保護装置23が介設されている。
【0041】
なお、ケーブル21の、A2軸6fを跨いでその両側に位置する第1アーム部6aと第2アーム部6bとにそれぞれクランプされた部分の間に、ケーブル保護装置23を介設するようにしてもよい。また、ケーブル21がロボット1の基台3にもクランプされる場合は、ケーブル21の、A1軸6eを跨いでその両側に位置する基台3と第1アーム部6aとにそれぞれクランプされた部分の間に、ケーブル保護装置23を介設するようにしてもよい。
【0042】
以下、図2を参照して、ケーブル保護装置23の内部構成と共にケーブル21の内部構成を説明する。図2は図1の配線配管保護装置の内部構成を示す断面図であり、(a)はコネクタの接続状態、(b)はコネクタの離間状態を示す。図2(a),(b)に示すように、ケーブル21の内部には、エア配管21a(請求項中の配管に相当)と3本の信号線21b〜21d(請求項中の配線に相当)とが通されている。エア配管21aは、エンドエフェクタ17の不図示のエアシリンダに対する圧縮空気の供給用に設けられている。3本の信号線21b〜21dのうち2本の信号線21b,21cは、エンドエフェクタ17の不図示の切替弁に対する電源供給用に設けられている。残る1本の信号線21dは、切替弁に対する切替制御信号の供給用に設けられている。
【0043】
ケーブル保護装置23は、一対のコネクタ23a,23bと、これらコネクタ23a,23bを収容するハウジング23cとを有している。各コネクタ23a,23bは、互いの接触面23d,23eが接離する方向に移動できるように、ハウジング23c内に収容されている。
【0044】
コネクタ23aには、ケーブル21の第2アーム部6bにクランプされた部分(又は、ケーブル21の第3アーム部6cにクランプされた部分)が接続されている。また、コネクタ23bには、ケーブル21の第3アーム部6cにクランプされた部分(又は、ケーブル21の第4アーム部6dにクランプされた部分)が接続されている。各コネクタ23a,23bにそれぞれ接続されたケーブル21は、ハウジング23cの外部に導出されており、各コネクタ23a,23bの移動に追従してハウジング23cに対して移動できるように構成されている。
【0045】
各コネクタ23a,23bどうしの接触面23d,23eの周縁部には、環状の永久磁石23f,23g(請求項中の付勢手段に相当)が埋設されている。これらの永久磁石23f,23gは、互いに逆の極性に着磁されている。したがって、コネクタ23a,23bは永久磁石23f,23gの磁力により、接触面23d,23eどうしが接触する図2(a)の状態接触となる方向(接近方向)に付勢される。永久磁石23f,23gの磁力による付勢力を上回る張力が、コネクタ23a,23bにそれぞれ接続されたケーブル21部分の間に加わると、コネクタ23a,23bは、接触面23d,23eどうしが離間する図2(b)の離間状態となる。
【0046】
また、コネクタ23a,23bの最大離間長は、ハウジング23cの内寸Lhからコネクタ23a,23bの厚さLc(×2)を差し引いた寸法(=Lh−2Lc、請求項中の所定寸法に相当)に規制される。そして、コネクタ23a,23bがハウジング23c内で最も離間した図2(b)の離間状態にあっても、コネクタ23a,23bを離間させる張力がケーブル21に加わわらなくなれば、永久磁石23f,23gの磁力により、コネクタ23a,23bは図2(a)に示す接触状態に復帰する。
【0047】
図2(b)に示すように、各コネクタ23a,23bの接触面23d,23eには、ケーブル21のエア配管21aの開口部23h,23iと、ケーブル21の3本の信号線21b〜21dの接点23j〜23l,23m〜23oとが設けられている。コネクタ23aの開口部23hとコネクタ23bの開口部23iは、各コネクタ23a,23bの接触面23d,23eが図2(a)に示すように接触した状態で導通する。同様に、コネクタ23aの接点23j〜23lとコネクタ23bの接点23m〜23oは、各コネクタ23a,23bの接触面23d,23eが図2(a)に示すように接触した状態で導通する。
【0048】
図1に示すロボット制御装置31には、トレー13の上方に配置したレーザスキャナ41が接続されている。レーザスキャナ41は、レーザ光等の測定光をポリゴンミラー及びガルバノミラーによって2次元方向に走査してワーク15に照射し、その反射光を受光する。ロボット制御装置31は、レーザスキャナ41で受光したワーク15からの反射光を解析することで、ワーク15の3次元形状(姿勢)や位置を計測する。この計測結果からロボット制御装置31は、エンドエフェクタ17で一番容易にピッキングできるワーク15を特定する。そして、ロボット制御装置31は、特定したワーク15をピッキングするのに適した姿勢にロボット1を動かすための駆動パターンを、1又は複数の経由点を含めて決定する。
【0049】
図3は、ロボット制御装置31が行うワークのピッキング処理の手順を示すフローチャートである。図3に示すように、ロボット制御装置31は、まず、レーザスキャナ41を用いたワーク15(ピッキング対象物)の計測結果を取得する(ステップS1)。そして、取得した計測データに基づいて、ピッキング対象物とするワーク15を特定し、そのワーク15の3次元形状(姿勢)と位置を演算する(ステップS3)。さらに、演算して得たワーク15をピッキングするのに適したロボット1のピッキング位置及び姿勢を演算する。そして、演算したピッキング位置及び姿勢にロボット1を動かすための駆動パターンを、1又は複数の経由点を含めて決定する(ステップS5)。
【0050】
続いて、ロボット制御装置31は、決定した駆動パターンにしたがって、ロボット1を演算したピッキング位置及び姿勢に動かし(ステップS7)、エンドエフェクタ17によってピッキング対象のワーク15をピッキング(把持)する(ステップS9)。さらに、ピッキングしたワーク15を所定の搬送位置まで搬送するようにロボット1を動かし、エンドエフェクタ17にワーク15をリリースさせて、所定の姿勢でワーク15を搬送位置に置く(ステップS11)。そして、必要とするワーク15のピッキング(搬送)が全て終了したか否かを確認し(ステップS13)、終了していない場合は(ステップS13でNO)、ステップS1にリターンする。終了した場合は、一連の処理を終了する。
【0051】
図1に示す制御・駆動装置33は、エアコンプレッサと圧力センサ(いずれも図示せず)を内蔵している。そして、制御・駆動装置33は、不図示のエアコンプレッサからの圧縮空気を、ケーブル21のエア配管21aを介してエンドエフェクタ17に供給する。また、制御・駆動装置33は、不図示の圧力センサが検出するエア配管21aの空気圧に基づいて、ケーブル保護装置23におけるコネクタ23a,23bの接続状態及び離間状態を検出する。さらに、制御・駆動装置33は、ケーブル21の切替制御信号用の信号線21dの電位に基づいて、ケーブル保護装置23におけるコネクタ23a,23bの接続状態及び離間状態を検出する。エア配管21aの空気圧に基づいて検出したコネクタ23a,23bの接続状態及び離間状態は、エア圧低下信号によって制御・駆動装置33からロボット制御装置31に出力される。また、信号線21dの電位に基づいて検出したコネクタ23a,23bの接続状態及び離間状態は、断線信号によって制御・駆動装置33からロボット制御装置31に出力される。
【0052】
次に、制御・駆動装置33からのエア圧低下信号に基づいてロボット制御装置31が行うケーブル保護処理の手順を、図4(a)のフローチャートを参照して説明する。ロボット制御装置31は、まず、図3に示すステップS5で決定した1又は複数の経由点をロボット1が通過した後に(ステップS21)、制御・駆動装置33からのエア圧低下信号に基づいて、エア配管21aの空気圧が異常に低下したか否かを確認する(ステップS23)。異常に低下していない場合は(ステップS23でNO)、ステップS5で決定した次の経由点をロボット1に通過させる(ステップS25)。その後、一連の処理を終了し、再びステップS21からの処理を繰り返し実行する。
【0053】
エア配管21aの空気圧が異常に低下した場合は(ステップS23でYES)、ロボット1を停止させて(ステップS27)、直前にロボット1が通過した一つ前の通過点にロボット1を逆転駆動させる(ステップS29)。そして、制御・駆動装置33からのエア圧低下信号に基づいて、エア配管21aの空気圧が正常な圧に回復したか否かを確認する(ステップS31)。回復していない場合は(ステップS31でNO)、ロボット1を停止させて、システム異常の警報出力を行う(ステップS33)。
【0054】
エア配管21aの空気圧が正常な圧に回復した場合は(ステップS31でYES)、別のワーク15をピッキング対象とするロボット1の新たな駆動パターンを、図3に示すステップS5の処理によって決定できるか否かを判定する(ステップS35)。その後、一連の処理を終了する。そして、ステップS35で新たな駆動パターンを決定できると判定した場合には、再びステップS21からの処理を繰り返し実行する。
【0055】
続いて、制御・駆動装置33からの断線信号に基づいてロボット制御装置31が行うケーブル保護処理の手順を、図4(b)のフローチャートを参照して説明する。ロボット制御装置31は、まず、図3に示すステップS5で決定した1又は複数の経由点をロボット1が通過した後に(ステップS41)、制御・駆動装置33からの断線信号に基づいて、信号線21dが断線したか否かを確認する(ステップS43)。断線していない場合は(ステップS43でNO)、ステップS5で決定した次の経由点をロボット1に通過させる(ステップS45)。その後、一連の処理を終了し、再びステップS41からの処理を繰り返し実行する。
【0056】
信号線21dが断線した場合は(ステップS43でYES)、ロボット1を停止させて(ステップS47)、直前にロボット1が通過した一つ前の通過点にロボット1を逆転駆動させる(ステップS49)。そして、制御・駆動装置33からの断線信号に基づいて、信号線21dが断線から復帰したか否かを確認する(ステップS51)。復帰していない場合は(ステップS51でNO)、ロボット1を停止させて、システム異常の警報出力を行う(ステップS53)。
【0057】
信号線21dが断線から復帰した場合は(ステップS51でYES)、別のワーク15をピッキング対象とするロボット1の新たな駆動パターンを、図3に示すステップS5の処理によって決定できるか否かを判定する(ステップS55)。その後、一連の処理を終了する。そして、ステップS55で新たな駆動パターンを決定できると判定した場合には、再びステップS41からの処理を繰り返し実行する。
【0058】
上述した本実施形態のロボット1の駆動制御方法によれば、ロボット1の多関節型アーム5の第1乃至第4の各アーム部6a〜6dに対してクランプ部20a〜20dによりそれぞれクランプされたケーブル21の、隣り合うクランプ部20a,20b、20b,20c、20c,20dの間の箇所に、ケーブル保護装置23を適宜介設する構成とした。そして、ケーブル保護装置23のハウジング23c内においてケーブル21を、一対のコネクタ23a,23bによって接触離間可能に構成した。
【0059】
さらに、ケーブル保護装置23のコネクタ23a,23bの接触離間の状態を、ケーブル21のエア配管21aの空気圧や信号線21dの電位によって検出し、コネクタ23a,23bの離間を検出した場合は、ロボット1の動作を停止して、直前に通過した通過点に逆転動作させるようにした。その上で、コネクタ23a,23bが接触状態に復帰したら、逆転動作前の動作パターンでロボット1を動作させるようにした。
【0060】
このため、ロボット1の動作中に、エア配管21aや信号線21b〜21dの機能に支障を来すような大きな張力がケーブル21に加わった場合に、ケーブル保護装置23のコネクタ23a,23bが離間したことを検出してロボット1の動作を停止させることで、ケーブル21の損傷を防ぐことができる。
【0061】
また、その後にロボット1を逆転動作させることで、ケーブル21に大きな張力が加わらない状態にロボット1を戻し、かつ、離間したコネクタ23a,23bを永久磁石23f,23gの磁力によって再び接触させて、ケーブル21の機能を復活させることができる。
【0062】
さらに、その後にロボット1を逆転動作前とは異なる動作パターンで動作させることで、ケーブル21に大きな張力が加わる姿勢にロボット1が再び戻るのを防止することができる。
【0063】
なお、上述した実施形態では、ケーブル保護装置23の各コネクタ23a,23bが、ハウジング23c内においてそれぞれ移動可能である場合について説明した。しかし、コネクタ23a,23bのうち一方だけをハウジング23c内で移動可能とし、他方を移動不能としてもよい。そのようにケーブル保護装置23を構成したのが、図5(a),(b)に接続状態及び離間状態をそれぞれ示す断面図である。図5(a),(b)では、コネクタ23aをハウジング23c内で固定し、コネクタ23bのみをハウジング23c内で移動可能としている。
【0064】
また、コネクタ23a,23bを互いに接触面23d,23eが接触する接触状態に付勢する要素は、上述した各実施形態のような永久磁石23f,23gに限定されない。例えば、図6(a),(b)に接続状態及び離間状態をそれぞれ示す断面図のように、ハウジング23c内で移動可能なコネクタ23bとハウジング23cの内壁との間に収縮状態のコイルばね23p(請求項中の付勢手段に相当)を配設してもよい。あるいは、図7(a),(b)に接続状態及び離間状態をそれぞれ示す断面図のように、ハウジング23c内で移動可能なコネクタ23bとハウジング23cの内壁との間に、圧縮空気23q(請求項中の付勢手段に相当)を充填してもよい。この場合、コネクタ23bの外周面と、コネクタ23bに接続されたケーブル21が挿通されるハウジング23cの挿通孔には、それぞれ気密用のシール部材23r,23sを設けることが好ましい。
【0065】
図6(a),(b)に示すコイルばね23pを用いる場合、ケーブル21に加わる張力によってコネクタ23a,23bが図6(b)に示す離間状態になると、コイルばね23pが収縮する。したがって、ケーブル21に加わる張力が加わらなくなると、コイルばね23pの弾発力(復元力)により、コネクタ23a,23bは図6(a)に示す接触状態に復帰する。
【0066】
図7(a),(b)に示す圧縮空気23qを用いる場合、ケーブル21に加わる張力によってコネクタ23a,23bが図7(b)に示す離間状態になると、圧縮空気23qが圧縮される。したがって、ケーブル21に加わる張力が加わらなくなると、圧縮空気23qの復元力により、コネクタ23a,23bは図7(a)に示す接触状態に復帰する。
【0067】
以上に説明した図5(a),(b)乃至図7(a),(b)の各実施形態によっても、上述した実施形態と同様の効果を得ることができる。なお、図6(a),(b)や図7(a),(b)の各実施形態におけるコネクタ23aを、図2(a),(b)に示すコネクタ23aと同様にハウジング23c内で移動可能としてもよい。
【0068】
図6(a),(b)や図7(a),(b)の各実施形態におけるコネクタ23aハウジング23c内で移動可能とする場合、図6(a),(b)の実施形態では、コネクタ23aとハウジング23cの内壁との間にも、コイルばね23pと同様の収縮状態のコイルばねを配設することになる。また、図7(a),(b)の実施形態では、コネクタ23aとハウジング23cの内壁との間にも、圧縮空気を充填することになる。この場合、コネクタ23aの外周面と、コネクタ23aに接続されたケーブル21が挿通されるハウジング23cの挿通孔にも、それぞれ気密用のシール部材を設けることが好ましい。
【0069】
ちなみに、上述した各実施形態では、ケーブル保護装置23のコネクタ23a,23bが離間状態になった場合に、直前の経由点までロボット1を逆転動作させるものとした。しかし、コネクタ23a,23bが離間状態から接続状態に復帰するまでロボット1を逆転動作させるようにしてもよい。また、ロボット1の逆転動作によりコネクタ23a,23bが離間状態から接続状態に復帰した後に、逆転動作前とは異なる動作パターンでロボット1を動作させるようにする構成は、省略してもよい。
【0070】
また、上述した実施形態では、グリッパタイプのエンドエフェクタ17をフランジ部9に取り付けたロボット1を例に取って説明した。しかし、本発明の駆動制御方法及び配線配管保護装置は、例えば吸着パッドによるエンドエフェクタや、溶接トーチによるエンドエフェクタ等、グリッパタイプ以外のエンドエフェクタをフランジ部9に取り付けたロボット1にも広く適用可能である。
【符号の説明】
【0071】
1 多関節ロボット
3 基台
5 多関節型アーム
6a 第1アーム部
6b 第2アーム部
6c 第3アーム部
6d 第4アーム部
6e A1軸(関節部)
6f A2軸(関節部)
6g A3軸(関節部)
6h A4軸(関節部)
6i A5軸(関節部)
6j A6軸(関節部)
9 フランジ部
13 トレー
15 ワーク
17 エンドエフェクタ
20a クランプ部
20b クランプ部
20c クランプ部
20d クランプ部
21 ケーブル
21a エア配管(配管)
21b 信号線(配線)
21c 信号線(配線)
21d 信号線(配線)
23 ケーブル保護装置(配線配管保護装置)
23a コネクタ
23b コネクタ
23c ハウジング
23d 接触面
23e 接触面
23f 永久磁石(付勢手段)
23g 永久磁石(付勢手段)
23h 開口部
23i 開口部
23j 接点
23k 接点
23l 接点
23m 接点
23n 接点
23o 接点
23p コイルばね(付勢手段)
23q 圧縮空気(付勢手段)
23r シール部材
23s シール部材
31 ロボット制御装置
33 エンドエフェクタ制御・駆動装置
41 レーザスキャナ
A 設置面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多関節ロボットの関節部を跨いでその両側のアーム部にそれぞれクランプされる配線又は配管を、隣り合う2つのクランプ部にそれぞれクランプされた部分の間において、互いに離間可能な一対のコネクタの接触により接続し、
前記一対のコネクタをハウジングの内部において互いに接離する方向に案内し、
前記ハウジング内において離間した前記一対のコネクタが接触する方向に、該一対のコネクタの一方又は両方を付勢し、
前記一対のコネクタにおける前記配線又は配管の導通、非導通の状態を監視し、
前記多関節ロボットの駆動指令に基づく駆動中に前記監視の結果が導通状態から非導通状態に変化したときに、前記駆動指令による駆動パターンとは逆の駆動パターンで前記多関節ロボットを一定量逆転駆動させるようにした、
ことを特徴とする多関節ロボットの駆動制御方法。
【請求項2】
前記多関節ロボットの逆転駆動を、少なくとも前記監視の結果が非導通状態から導通状態に復帰するまで行うようにしたことを特徴とする請求項1記載の多関節ロボットの駆動制御方法。
【請求項3】
前記逆転駆動後の前記多関節ロボットを、前回の前記駆動指令とは駆動パターンが異なる別の駆動指令に基づき駆動させるようにしたことを特徴とする請求項2記載の多関節ロボットの駆動制御方法。
【請求項4】
前記多関節ロボットのアプローチ対象である複数のワークの位置及び姿勢に基づき、該複数のワークの中から前記多関節ロボットがアプローチするワークを特定して、該特定したワークに前記多関節ロボットをアプローチさせる駆動パターンで前記駆動指令を生成すると共に、前記逆転駆動後の前記多関節ロボットを駆動させる前記別の駆動指令を、前記特定したワークとは別のワークに前記多関節ロボットをアプローチさせる駆動パターンで生成するようにしたことを特徴とする請求項3記載の多関節ロボットの駆動制御方法。
【請求項5】
多関節ロボットの関節部を跨いでその両側のアーム部にそれぞれクランプされる配線又は配管の保護装置であって、
前記配線又は配管の隣り合う2つのクランプ部の間に介設され、互いに接触、離間することで前記配線又は配管の前記各クランプ部側の部分どうしを導通、切断させる一対のコネクタと、
前記一対のコネクタを互いに接離可能に収容すると共に、前記配線又は配管の前記各クランプ部側の部分をそれぞれ外部に導出するハウジングと、
前記ハウジング内において離間した前記一対のコネクタが接触する方向に、該一対のコネクタの一方又は両方を付勢する付勢手段と、
を備えることを特徴とする多関節ロボットの配線配管保護装置。
【請求項6】
前記ハウジングは、前記一対のコネクタどうしの離間長を所定寸法以内に規制するように構成されており、前記付勢手段は、前記所定寸法離間した前記一対のコネクタが接触するのに必要な付勢力を有していることを特徴とする請求項5記載の多関節ロボットの配線配管保護装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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