説明

多面体モデル作成装置およびレーダ装置

【課題】 多面体モデルを構成する平面の大きさを考慮して、目標の識別に用いる信頼度の揃った多面体モデルの作成を可能にする。
【解決手段】 多面体モデル生成手段により、外部より入力される目標の立体形状情報に基づいて、当該目標の多面体モデルを生成し、モデル評価手段により、多面体モデルの面数、立体形状情報に含まれた目標の表面積およびレーダの観測波の波長あるいは周波数に基づいて、目標を多面体モデルで表した場合の平面の平均面積を波長の二乗で正規化した値を算出し、この算出値と目標の種類に応じて定めた基準係数との差を算出し、この算出された差と予め設定した許容誤差と比較し、当該差が前記許容誤差以内であった場合にのみ、多面体生成モデル手段で生成された多面体モデルを形状データ蓄積手段に蓄積する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、レーダ画像による目標の認識・識別に適した物体の三次元形状を多面体モデルで近似的に表現する多面体モデル作成装置、および作成した多面体モデルを目標の認識・識別に使用するレーダ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
逆合成開口レーダとして知られているレーダ装置では、送受信機で発生させた高周波パルス信号をアンテナから未知の目標へ向け送信し、目標で反射したエコーをアンテナで受けて送受信機で増幅・検波し、その受信信号に基づいて目標の高分解能画像を再生するようにしている。さらに、この種のレーダ装置で、オペレータがレーダ画像を容易に認識・識別できるようにするために次のような処理を行うものがある(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に示されたレーダ装置では、上記同じ受信信号を用いて目標の進行方向、位置、速度、加速度等の運動特性を推定し、その推定結果とレーダ装置の諸元から、レーダ装置のインパルスレスポンスに相当する点像応答関数を算出する。また同時に、目標とレーダ装置の位置および目標の進行方向から目標のアスペクト角を推定し、目標形状データ蓄積手段に予め格納されている三次元目標形状データを順次読み出して、先に推定した目標のアスペクト角に基づいて目標のRCS(Radar Cross Section ;レーダ有効反射面積)分布を算出する。次に、目標形状データの分解能はレーダ装置の分解能とは必ずしも一致しないのでこれを整合させるため、上記RCS分布と点像応答関数との畳み込み積分を行い、認識・識別用の辞書画像を生成し、この辞書画像を、上記レーダ画像と共に表示手段で表示する。したがって、たとえレーダ画像が日常見慣れた可視光による目標の画像と異なっていたとしても、オペレータは見比べることにより目標を容易に認識・識別できるようになる。
【0003】
【特許文献1】特許第2738244号公報(図1、図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された従来のレーダ装置では、RCS分布を算出するために、例えばGTD(Geometrical Theory of Diffraction)などの手法が使用されるが、その場合、目標形状データ蓄積手段には目標を平面で構成された多面体で近似したデータを蓄積しておく必要がある。従来のレーダ装置では、蓄積しておく多面体形状モデルの面が十分小さくない場合、畳み込み積分した疑似画像の精度が低下するということがあった。また反対に、多面体形状モデルの面が大きすぎる場合、演算時間が増えたり、計算機の記憶容量を超えて計算できなくなるなど、目標形状データ蓄積手段に蓄積された多面体のデータに問題があった。
【0005】
この発明は、上記問題点を解決するためになされたもので、多面体モデルを構成する平面の大きさを考慮して、目標の識別に用いる信頼度の揃った多面体モデルの作成を可能にする多面体モデル作成装置、およびその多面体モデルを蓄積した形状データ蓄積手段を用いてRCS分布の算出を行うレーダ装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る多面体モデル作成装置は、外部より入力される目標の立体形状情報に基づいて、構成する平面の大きさに所定の制約を与えた目標の多面体モデルを作成し、作成した多面体モデルを形状データ蓄積手段に蓄積するものである。
【発明の効果】
【0007】
この発明によれば、多面体形状モデルを構成する平面の大きさを考慮して目標の多面体モデル作成し蓄積するようにしたので、レーダ装置において、目標の識別時に、これらの蓄積された多面体モデルのデータを使用してRCS分布の算出を行えば、疑似画像の精度を低下させたり、演算処理に支障を起したりするのを防止できる効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1による多面体モデル作成装置の基本構成を示すブロック図である。図において、多面体モデル作成装置10は、多面体モデル生成部200およびモデル評価部300を備えている。多面体モデル生成部200は、外部から与えられる目標の立体形状情報に基づいて、その目標の多面体モデルを生成する手段である。モデル評価部300は、多面体モデル生成部200で生成された多面体モデルの中から、構成する平面の大きさに所定の制約を与えた多面体モデルのみを出力する手段で、係数算出部310、係数比較部320および切替部330を備えている。
図2は目標の多面体モデルの表示例を表す説明図である。
【0009】
次に、動作について説明する。
まず、多面体モデル生成部200では、目標の立体形状情報が外部から与えられると、これに基づいて多面体モデルを生成する。ここで、目標の立体形状情報とは、ステレオ写真やレーザ光による計測などで得られた立体モデルデータである。あるいは、目標の図面や写真、諸元表などに基づいて構築された立体モデルデータであってもよい。また、多面体モデルとは、例えば図3に示すように、目標の3次元形状を多数の平面を組み合わせて表現した数値データである。
多面体モデル生成部200は、立体モデルデータに基づいて、目標を平面で構成された多面体モデルデータに変換する。その原理は、例えば日刊工業新聞社発行、塩谷景一著「3次元CAD/CAMにおける形状処理技術」などに述べられている。
次に、モデル評価部300では、多面体モデル生成部200で生成された多面体モデルについて後述のように評価して、適当であると判定した多面体モデルのデータを形状データ蓄積手段20へ出力し格納する。一方、適当でないと判断した場合には、結果を多面体モデル生成部200へ差し戻して、多面体モデルを再生成させる。
【0010】
モデル評価部300における動作について詳述する。
係数算出部310は、入力データとして、多面体モデルの面数N、目標の立体形状情報に含まれた目標の表面積Sおよび観測波の波長λ(または周波数)を用いる。係数算出部310では、これらの入力データ基づいて、例えば式(1)に基づいた処理により係数αを算出する。
α=S/N・λ2 (1)
式(1)から明らかなように、係数αは目標を多面体モデルで表した場合の平面の平均面積を波長の二乗で正規化した値である。次に、係数比較部320において、係数算出部310で算出された係数αと基準係数kの差を、予め設定した許容誤差δと比較する。なお、基準係数kは、目標の種類に応じて定める値である。この比較結果が許容誤差以内であった場合、多面体モデル生成部200からの多面体モデルのデータを形状データ蓄積手段20に送り蓄積するよう切替部330を切り替え制御する。例えば、係数αが基準係数kよりも著しく小さい場合には、多面体モデルの面が小さいか、あるいは面数が多すぎることを意味しているので、多面体モデル生成部200は、面を大きくしたり面数を増加させたりするように動作して、多面体モデルを再生成する。逆に係数αが基準係数kよりも著しく大きい場合には、多面体モデルの面が大きいか、あるいは面数が少なすぎることを意味しているので、多面体モデル生成部200は、面を小さくしたり、面数を減少させたりするように動作して、多面体モデルを再生成する。
一方、比較結果が許容誤差を超えた場合、多面体モデルのデータを多面体モデル生成部200へ帰還するよう切替部330を切り替え制御する。
【0011】
以上のように、実施の形態1によれば、多面体モデル生成部200で生成した多面体モデルに対して、モデル評価部300により、多面体モデルを構成する平面の平均面積を波長の二乗で正規化した量を基準として、その多面体モデルの面の大きさに制約を与えるようにしたので、レーダ装置で目標を識別する際に用いる、信頼度の揃った多面体モデルのデータベースを構築できる。また、現実的な時間で計算でき、しかも計算精度が保証された形状データだけを形状データ蓄積手段20に蓄積することができる。さらに、例えば航空機や船舶などの目標の種類に応じて基準係数kを操作し設定することにより、目標の種類毎に計算精度が揃った多面体モデルの形状データを蓄積することができる。
【0012】
実施形態2.
図3はこの発明の実施の形態2による多面体モデル作成装置の基本構成を示すブロック図で、図において、図1に相当する部分には同一符号を付し、原則としてその説明を省略する。ここでは、新たに表面積算出部400が設けられている点が図1とは異なる。
表面積算出部400では、多面体モデル生成部200で生成された多面体モデルのデータを入力し、多面体モデルを構成している全ての面の表面積の総和を算出し、目標の表面積Sとしてモデル評価部300へ出力する。モデル評価部300では、この目標の表面積Sを用い実施の形態1で述べたと同じモデル評価の処理を行う。
以上のように、実施形態2によれば、目標の表面積Sを多面体モデルから計算して得るようにしているので、外部から与える目標の立体形状情報に目標の表面積を含ませる必要がなくなる。
【0013】
実施形態3.
図4はこの発明の実施の形態3による多面体モデル作成装置の基本構成を示すブロック図である。図において、図1に相当する部分には同一符号を付し、原則としてその説明を省略する。ここでは、図1のモデル評価部300に代え、異なる処理をするモデル評価部301が設けられている。このモデル評価部301は、最大面積算出部340、係数算出部311、係数比較部321および切替部320を備えている。
【0014】
次に動作について説明する。
モデル評価部300において、最大面積算出部340は、多面体モデル生成部200で生成された多面体モデルを構成している面の中から最大面積Smaxのものを抽出する。係数算出部311では、この最大面積Smaxと観測波の波長λ(あるいは周波数)に基づいて、例えば式(2)に基づいた処理により係数βを算出する。
β=Smax/λ2 (2)
式(2)から明らかなように、係数βは目標を多面体モデルで表した場合の構成する平面の最大面積Smaxを波長λの二乗で正規化した値である。係数比較部321は、この係数βと基準係数kの差を許容誤差δと比較し、許容誤差以内であった場合、多面体モデル生成部200からの多面体モデルのデータを形状データ蓄積手段20に送り蓄積するよう切替部330を切り替え制御する。一方、比較結果が許容誤差を超えた場合、多面体モデルのデータを多面体モデル生成部200へ帰還するよう切替部330を切り替え制御する。
【0015】
以上のように、実施の形態3によれば、多面体モデル生成部200で生成した多面体モデルに対して、モデル評価部301により、面体モデルを構成する平面の最大面積を波長の二乗で正規化した値を基準として、その多面体モデルの面の大きさに制約を与えるようにしたので、現実的な時間で計算でき、しかも計算精度がある程度保証された形状データだけを形状データ蓄積手段20に蓄積することができる。また、例えば航空機や船舶などの目標の種類に応じて基準係数kを操作し設定することにより、目標の種類毎に計算精度が揃った多面体モデルの形状データを蓄積することができる。
【0016】
実施形態4.
図5はこの発明の実施の形態4による多面体モデル作成装置の基本構成を示すブロック図である。図において、図1に相当する部分には同一符号を付し、原則としてその説明を省略する。ここでは、図1のモデル評価部300に代え、異なる処理をするモデル評価部302が設けられている。このモデル評価部302は、基準係数kを外部から入力する代わりに、内部で生成するための基準係数算出部350を新たに備えている。
【0017】
次に動作について説明する。
モデル評価部302において、基準係数算出部350は、目標の表面積Sと観測波の波長λを用いて、例えば式(3)に基づいた処理により基準係数kを算出する。但し、N0は予め与えられた標準面数である。
k=S/N0・λ2 (3)
したがって、係数比較部320では、係数αと算出された基準係数kの差を許容誤差δと比較してモデル評価の処理を、実施の形態1で述べたと同じように行うことになる。また、実施の形態3において、係数βとの差をとるための基準係数として、基準係数算出部350を設けて得た値kを用いるようにしてもよい。
【0018】
以上のように、実施の形態4によれば、基準係数算出部350で基準係数kを計算して得るようにしたので、モデル評価部302は、上記各実施の形態のように基準係数kを外部から得ることを必要としない。
なお、この実施の形態4では、基準係数kを基準係数算出部350によって算出しているが、これを予め定数として与えておいて、用いるようにしてもよい。
【0019】
実施形態5.
図6はこの発明の実施の形態5による多面体モデル作成装置の基本構成を示すブロック図である。上記各実施の形態では、多面体モデル生成部200を用いてきたが、この実施の形態5は、多面体モデル生成部の機能を、オペレータ410と、例えばパソコンやワークステーションのような入出力装置420で構成したものである。
入出力装置420には外部より形状情報が入力されるが、その表示される形状情報に基づいて、オペレータ410が入出力装置420を操作することにより所定の処理プログラムを動作させて目標の多面体モデルを生成する。モデル評価部300(または301、302)は、各実施の形態で述べた方法によって多面体モデルを評価し、基準に適合した多面体モデルを形状データ蓄積手段20へ蓄積する。一方、基準に適合していない場合には、入出力装置420を介してオペレータ410に警告し、オペレータ410は目標の多面体モデルを修正しモデル評価部300(または301、302)へ再出力する。
【0020】
以上のように、実施の形態5によれば、オペレータ410が入出力装置420により生成した多面体モデルに対して、基準に適合した多面体モデルを評価し蓄積でするようにしたので、多面体モデルの生成に時間がかかるが、評価の実情にあった多面体モデルの形成を可能にする。
【0021】
実施形態6.
図7はこの発明の実施の形態6による多面体モデル作成装置の基本構成を示すブロック図である。図において、多面体モデル作成装置10は、多面体モデル生成部201および面数算出部360を備えている。
次に動作について説明する。
面数算出部360は、目標の立体形状情報に含まれる目標の表面積S、観測波の波長λ(あるいは周波数)および係数kαに基づいて、式(4)に基づいた処理により多面体モデルを構成するための面数Nを算出し、多面体モデル生成部201に出力する。但し、係数kαは実施形態1で述べた係数α(すなわち目標を多面体モデルで表した場合の平面の平均面積を波長の二乗で正規化した値)に対する基準係数であり、予め定められた値である。
N=S/kα・λ2 (4)
多面体モデル生成部201は、から、この与えられた面数Nからなる目標の多面体モデルを生成し、形状データ蓄積手段20に送り蓄積する。
【0022】
以上のように、実施の形態6によれば、多面体モデル生成部201は、面数算出部360で算出され面数Nを満足する目標の多面体モデルを生成するように構成したので、レーダ装置で目標を識別する際に用いる、信頼度の揃った多面体モデルのデータベースを構築できる。また、上記実施の形態1から実施の形態5のようにモデル評価処理を行うことなく、また帰還ループもないため、多面体モデルを実時間で蓄積することができる。
【0023】
実施形態7.
図8はこの発明の実施の形態7による多面体モデル作成装置の基本構成を示すブロック図で、図において、多面体モデル作成装置10は、多面体モデル生成部202および平均面積・最大面積算出部370である。
次に、動作について説明する。
平均面積・最大面積算出部370は、観測波の波長λ(または周波数)および係数kαあるいはkβから、式(5)に基づいた処理により多面体モデルを構成する平面の平均面積Saveあるいは最大面積Smaxを算出し、多面体モデル生成部202出力する。但し、係数kαは実施の形態1の係数αに対する基準係数、係数kβは実施形態3の係数βに対する基準係数である。
ave=kα・λ2
max=kβ・λ2 (5)
そこで、多面体モデル生成部202は、から、与えられた平均面積Saveあるいは最大面積Smaxを持つ目標の多面体モデルを生成し、形状データ蓄積手段20に蓄積する。
【0024】
以上のように、多面体モデル生成部202は平均面積・最大面積算出部370で算出された平均面積Saveあるいは最大面積Smaxを満足する目標の多面体モデルを生成するように構成したので、レーダ装置で目標を識別する際に用いる、信頼度の揃った多面体モデルのデータベースを構築できる。また、上記実施の形態1から実施の形態5のようにモデル評価処理を行うことなく、また帰還ループもないため、多面体モデルを実時間で蓄積することができる。
【0025】
実施形態8.
図9はこの発明の実施の形態8による多面体モデル作成装置の基本構成を示すブロック図で、図において、図1に相当する部分には同一符号を付し、原則としてその説明は省略する。ここでは、図1のモデル評価部300に代え、異なる処理をするモデル評価部303が設けられている。このモデル評価部303は、係数比較部を用いず、係数算出部310だけを備えている。
次に、動作について説明する。
モデル評価部303では、係数算出部310が実施形態1と同様に式(1)に基づいた処理により係数αを算出する。そして、この算出された係数αを多面体モデル生成部200で生成された多面体モデルのデータと共に形状データ蓄積手段20に蓄積する。こうすることにより、レーダ装置側において、形状データ蓄積手段20を用い、多面体モデルと係数αを読み出し、実施の形態1で述べたと同様に基準係数kとの差を取って、予め設定した許容誤差δと比較する。そして許容誤差以内ある、すなわち面の大きさに制約を与えた多面体モデルを抽出してRCS分布の算出を行う。
【0026】
以上のように、この実施の形態8によれば、モデル評価部303により算出した係数α(指標)を、多面体モデル生成部200で生成された多面体モデルと共に蓄積するようにしたので、レーダ装置が蓄積された多面体モデルに基づいて目標を識別する際に、この係数αを用いて面の大きさに制約を与えた多面体モデルを抽出することにより、形状データの信頼度、ひいては識別結果の信頼度を定量的に把握することが可能となる。また、多面体モデルが基準に合致させるための比較を行わない構成したので、帰還ループがなく、多面体モデルを実時間で蓄積できる。
なお、この例では、係数αを算出して蓄積するように構成しているが、代わりに、実施の形態3において用いた最大面積算出部340と係数算出部311を備えさせ、係数βを算出して蓄積し、レーダ装置側で実施の形態3と同様な処理を行って面の大きさに制約を与えた多面体モデルを抽出するようにしても同様な効果が得られる。また、係数αまたはβを蓄積する代わりに、基準係数kとの差を算出した値を、指標として蓄積するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】この発明の実施の形態1による多面体モデル作成装置の基本構成を示すブロック図である。
【図2】この発明の実施の形態1に係る目標の多面体モデルの表示例を表す説明図である。
【図3】この発明の実施の形態2による多面体モデル作成装置の基本構成を示すブロック図である。
【図4】この発明の実施の形態3による多面体モデル作成装置の基本構成を示すブロック図である。
【図5】この発明の実施の形態4による多面体モデル作成装置の基本構成を示すブロック図である。
【図6】この発明の実施の形態5による多面体モデル作成装置の基本構成を示すブロック図である。
【図7】この発明の実施の形態6による多面体モデル作成装置の基本構成を示すブロック図である。
【図8】この発明の実施の形態7による多面体モデル作成装置の基本構成を示すブロック図である。
【図9】この発明の実施の形態8による多面体モデル作成装置の基本構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0028】
10 多面体モデル作成装置、20 形状データ蓄積手段、200,201,202 多面体モデル生成部、300,301,302,303 モデル評価部、310,311 係数算出部、320,321 係数比較部、330 切替部、350 基準係数算出部360 面数算出部、370 平均面積・最大面積算出部、400 表面積算出部、410 オペレータ、420 入出力装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部より入力される目標の立体形状情報に基づいて、構成する平面の大きさに所定の制約を与えた目標の多面体モデルを作成し、作成した多面体モデルを形状データ蓄積手段に蓄積することを特徴とする多面体モデル作成装置。
【請求項2】
外部より入力される目標の立体形状情報に基づいて、当該目標の多面体モデルを生成する多面体モデル生成手段と、
生成された多面体モデルの面数、前記形状情報に含まれた目標の表面積およびレーダの観測波の波長あるいは周波数に基づいて、目標を多面体モデルで表した場合の平面の平均面積を波長の二乗で正規化した値を算出し、この算出値と目標の種類に応じて定めた基準係数との差を算出し、この算出された差と予め設定した許容誤差と比較し、当該差が前記許容誤差以内であった場合にのみ前記多面体モデル生成手段で生成された多面体モデルを形状データ蓄積手段に蓄積するモデル評価手段とを備えたことを特徴とする請求項1記載の多面体モデル作成装置。
【請求項3】
多面体モデル生成手段で生成された多面体モデルを構成している全ての面の表面積の総和を算出する表面積算出手段を備え、
モデル評価手段は、形状情報に含まれた目標の表面積の代わりに、前記表面積算出手段で算出された多面体モデルを構成している全ての平面の表面積の総和を用いて、平面の平均面積を波長の二乗で正規化した値を算出するようにしたことを特徴とする請求項2記載の多面体モデル作成装置。
【請求項4】
目標の立体形状情報に基づいて、当該目標の多面体モデルを生成する多面体モデル生成手段と、
生成された多面体モデルを構成している面の中から最大面積を抽出し、この最大面積と観測波の波長あるいは周波数に基づいて、目標を多面体モデルで表した場合の構成する平面の最大面積を前記観測波の波長の二乗で正規化した値を算出し、この算出値と目標の種類に応じて定めた基準係数との差を算出し、この算出された差と予め設定した許容誤差と比較し、当該差が前記許容誤差以内であった場合にのみ前記多面体モデル生成手段で生成された多面体モデルを形状データ蓄積手段に蓄積するモデル評価手段とを備えたことを特徴とする請求項1記載の多面体モデル作成装置。
【請求項5】
立体形状情報に含まれた目標の表面積、観測波の波長および予め与えられた標準面数に基づいて、目標の種類に応じて定めた基準係数を算出する基準係数算出手段を備えたことを特徴とする請求項2から請求項4のうちのいずれか1項記載の多面体モデル作成装置。
【請求項6】
外部より入力され表示される立体形状情報に基づいて、オペレータの操作により目標の多面体モデルを生成する入出力装置を、多面体モデル生成手段に代えて備えたことを特徴とする請求項2から請求項5のうちのいずれか1項記載の多面体モデル作成装置。
【請求項7】
外部より入力される目標の立体形状情報に含まれた目標の表面積、レーダの観測波の波長あるいは周波数、および予め定められた、目標を多面体モデルで表した場合の平面の平均面積を波長の二乗で正規化した値に基づいて、多面体モデルを構成するための面数を算出する面数算出手段と、
前記目標の形状情報および算出された面数に基づいて、当該面数からなる目標の多面体モデルを生成し、形状データ蓄積手段に蓄積する多面体モデル生成手段とを備えたことを特徴とする請求項1記載の多面体モデル作成装置。
【請求項8】
観測波の波長または周波数、および予め定められた、目標を多面体モデルで表した場合の平面の平均面積を波長の二乗で正規化した値に基づいて、多面体モデルを構成する平面の平均面積を算出する平均面積算出手段と、
外部から与えられる目標の立体形状情報および算出された平均面積に基づいて、当該平均面積を持つ目標の多面体モデルを生成し、形状データ蓄積手段に蓄積する多面体モデル生成手段とを備えたことを特徴とする請求項1記載の多面体モデル作成装置。
【請求項9】
観測波の波長または周波数、および予め定められた、目標を多面体モデルで表した場合の平面の最大面積を波長の二乗で正規化した値に基づいて、多面体モデルを構成する平面の最大面積を算出する最大面積算出手段と、
外部から与えられる目標の立体形状情報および算出された最大面積に基づいて、当該最大面積を持つ目標の多面体モデルを生成し、形状データ蓄積手段に蓄積する多面体モデル生成手段とを備えたことを特徴とする請求項1記載の多面体モデル作成装置。
【請求項10】
外部より入力される目標の立体形状情報に基づいて、当該目標の多面体モデルを生成する多面体モデル生成手段と、
成された多面体モデルの面数、前記立体形状情報に含まれた目標の表面積およびレーダの観測波の波長あるいは周波数に基づいて、目標を多面体モデルで表した場合の構成する平面の平均面積を波長の二乗で正規化した値を算出し、生成された前記目標の多面体モデルのデータと共に形状データ蓄積手段に蓄積するモデル評価手段とを備えたことを特徴とする多面体モデル作成装置。
【請求項11】
外部より入力される目標の立体形状情報に基づいて、当該目標の多面体モデルを生成する多面体モデル生成手段と、
生成された多面体モデルを構成している面の中から最大面積を抽出し、この最大面積と観測波の波長あるいは周波数に基づいて、目標を多面体モデルで表した場合の構成する平面の最大面積を前記観測波の波長の二乗で正規化した値を算出し、生成された前記目標の多面体モデルのデータと共に形状データ蓄積手段に蓄積するモデル評価手段とを備えたことを特徴とする多面体モデル作成装置。
【請求項12】
モデル評価手段は、算出した正規化した値と目標の種類に応じて定めた基準係数との差を算出し、前記正規化した値の代わりに、算出された差を目標の多面体モデルのデータと共に形状データ蓄積手段に記憶することを特徴とする請求項10または請求項11記載の多面体モデル作成装置。
【請求項13】
請求項1から請求項9のうちのいずれか1項記載の多面体モデル作成装置によって生成された目標の多面体モデルを蓄積した形状データ蓄積手段を用い、蓄積された目標の多面体モデルを用いて追尾目標の有効反射面積分布を算出することを特徴とするレーダ装置。
【請求項14】
請求項10から請求項11のうちのいずれか1項記載の多面体モデル作成装置によって生成された目標の多面体モデルと、正規化した値もしくは差の値とを蓄積した形状データ蓄積手段を用い、読み出した前記目標の多面体モデルと正規化した値もしくは差の値に基づいて、面の大きさに所定の制約を与えた多面体モデルを抽出し、この抽出された多面体モデルを用いて追尾目標の有効反射面積分布を算出することを特徴とするレーダ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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