説明

大きい表面領域を有するターゲットのための強力な磁気ガイドを伴うアーク蒸着装置

【課題】強力な磁気ガイドを含み、無限の異なる軌道内でアークの陰極点を誘導できるようにし、個別に選択され得、かつターゲットを均等に使用するアーク蒸着装置を得る。
【解決手段】磁気ガイドは、2つの独立した磁気システムを含み、該磁気システムのうちの第1のものは、陰極つまりターゲットの周囲に配置されかつ、その磁化がターゲット2の表面領域に対し垂直であるように前記ターゲットと多少の差こそあれ同一平面にくるように配置されている一群の永久磁石3からなり、第2の磁気システムは、ターゲット2の後方部分上に設置されかつ、その磁極のうちの少なくとも1つがターゲットの表面領域に対し平行である状態で前記ターゲット2からある一定の距離のところにて蒸着装置の電気絶縁性本体6内に収納されている電磁石4,5からなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蒸気形態の材料を、被覆加工すべき部品の表面上に被着させる目的で真空媒質内を移動させることができるように、導電体である前記材料を蒸発させるべく意図された機械であるアーク蒸着装置に関する。
【0002】
本発明の目的は、強力な磁気ガイドを含み、無限の異なる軌道内でアークの陰極点を誘導できるようにし、個別に選択され得、かつターゲットを均等に使用することを目的としてターゲットの全表面領域を包囲するアーク蒸着装置を得ることにある。また、強力な磁気ガイドは、陰極点の発達阻止または狭窄をひき起こし、これにより、発出された材料の温度およびイオン化を増大させ、良質のコーティングを容易に得ることができるようにする。
【0003】
さらに、強力な磁気ガイドは、アークが偶発的に蒸発表面領域の異なる点まで変位させられることができないようにすることにより、アーク蒸着装置の信頼性の増大に貢献する。
【背景技術】
【0004】
先行段落ですでに指摘したように、アーク蒸着装置は、導電体である材料を蒸発させるための機械であり、内部を移動させることのできる蒸気の形で真空ベルジャー内に材料を発出させる。通常、蒸発されるべき材料は、プレート状であり、その一方の面は水で冷却され、もう一方の面は発出された蒸気を被着が望まれている部品に対面する位置で、真空ベルジャーの内方に向けられ、材料の蒸発は、陽極として作用する冷却された電極と、蒸発対象でありかつ陰極として作用する導電性プレートとの間で約22ボルトおよび80アンペアの直流電気アークを誘発することによりひき起こされ、アークを維持するのに必要な少量の気体が通常、真空チャンバ内に付加的に導入される。
【0005】
より特定的には、電気アークは蒸発されるべきプレートの表面で単一の点に集中した形で作用し、プレートの外部表面領域全体にわたり無作為に変位する陰極点は、不均等にプレートを消費させることになり、換言すれば、非常に高価なプレートの構成材料が有効利用されないことになる。
【0006】
このプレート消費の均等性の欠如という問題を是正するため、電気アークの動きを制御および誘導することが試みられており、このような目的で、電気アークのトラックを制御された形で修正できる磁場を生み出す磁気ガイドが使用されている。
【0007】
現在のところ、前記磁気ガイドについては異なる解決法が存在しており、それらは全て均等な消費を最適化する目的で陰極上のアークの動きを制御することを意図したものであり、なかでも以下のものが言及に値する。
【0008】
米国特許第4,673,477号は、永久磁石が生成する可変的な磁場が陰極上の電気アークを誘導するような形で、蒸発させるべきプレートの背面部分で機械的手段により変位させられる永久磁石を利用する磁気ガイドについて記述している。この機械はまた、陰極の活性表面部域に対し垂直な方向で磁場の力を強化または弱化させ、かくして電極の誘導を改善する目的で、陰極プレートをとり囲む磁気巻線を自由選択的に内蔵している。この機械が有する問題点は、移動可能な永久磁石の磁気システムが機械的に非常に複雑で、従って故障しやすいという点にある。
【0009】
米国特許第4,724,058号は、コイルが追従する方向に対し平行な単一の方向で電気アークを誘導する、陰極プレートの背面部分に設置された幾つかのコイルを内蔵する磁気ガイドに関するものである。単一のトラックでの優先的消費という影響を削減する目的で、磁場の上に無作為の成分が重畳されるように磁場の誘導効果を弱めるように試みる方法が使用される。要するに、コイルにより生成される磁場は、大半の時間はアークが陰極上で無作為な形で変位させられきわめてわずかな部分だけが磁場によって誘導されるように、接続あるいは遮断されることが予測されてきた。この機械の問題点は、最終的に、誘導がきわめて短時間だけしか起らず、残りは無作為で、かくして陰極プレートの消費の正確かつ効率の良い制御を保証できないという点にある。
【0010】
米国特許第5,861,088号は、ターゲットの中心およびその後部面に配置された永久磁石、および上述の永久磁石をとり囲むコイルを含み、該アセンブリが磁場集中装置を構成する磁気ガイドについて記述している。このシステムは、蒸着装置の外部に設置された第2のコイルで補完される。この機械での問題点は、生成される磁場が弱く従って、それが電気アークに対してもたらす誘導も弱いという点にある。
【0011】
米国特許第5,298,136号は、全体が2つの磁極を有する単一の磁気要素として働くような形で、蒸発させるべきターゲットの縁部に適応する特殊な構成の1つの磁気部品および2つのコイルからなる円形蒸着装置内の厚いターゲットのための磁気ガイドについて記述している。この構成は、アークのトラックをある程度は変位させることができるが、ターゲットの外部縁部まで、あるいは、陰極の材料を効率良く使用する目的でガイドが磁気的に強制される動きの上に無作為の成分を重畳させることができるほど充分弱くなければならないようなターゲットからの小さい距離だけ、そのトラックを変位させる能力をもっていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
要約すると、既知の磁気ガイドのシステムは全て、陰極の表面領域全体にわたる均等な消費を得ることが望ましい場合には、アークはある一定の自由度をもって動けなくてはならず、従って、(磁力の低い)弱いガイドを使用しなければならず、かくしてアークのトラック全体にわたりつねに制御を維持することが不可能であるという問題を提起している。
【0013】
反対に、非常に強力な磁気ガイドが利用された場合には、ターゲットまたは陰極の表面領域全体の均等な消費を達成することが不可能である。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明が提唱するアーク蒸着装置は、その特殊な構成のため、個別に選択可能な無限の異なる軌道内でアークの陰極点を誘導できるようにし、かつその縁部および中心を含めたターゲットの全表面領域を包囲する強力な磁気ガイドを内蔵し、ターゲットまたは陰極の均等な消費を達成することによって、上述のさまざまな面での各々全てにおいて以上で概略的に記した問題を充分満足のいく形で解決する。
【0015】
この目的で、より特定的には、前記蒸着装置の中心的特徴は、その磁気ガイドが2つの独立した磁気システムすなわち、4つの磁極によって形成されており、こうして、両方のシステムの磁力値を調整し、かつターゲットの表面領域の望ましい点における結果としての磁場の垂直成分の相殺を管理することができ、かくしてターゲットの中心からその外縁部までのあらゆるトラックに従ったアークの誘導が達成されるという点にある。
【0016】
かくして、ターゲットの全ての点でアークの誘導を保証できるシステムを得ることにより、各軌道に高い磁力を加えることができるようにする強磁気システムを使用することが可能であり、こうして陰極点は大幅に狭くなり、このことは発出される材料の温度およびイオン化度の大幅な増大を意味し、優れた品質のコーティングが容易に得られることになる。また、強力な磁場が1点をしっかりと保持し、この点に対し選択されたトラック上でアークが加えられ、計画外の一部の領域上をアークが偶発的に変位する可能性を回避することから、蒸着装置の信頼性も増大することになる。
【0017】
特定的には、ガイドを構成する2つの磁気システムは、非常に強力な永久磁石のシステムおよび同じく強力で非常に高い磁力ひいては電気アークに対する優れた制御を保証する電磁石のシステムであり得るが、同時に、電磁石に作用してその磁力を変動させ、かくしてターゲット全体にわたりアークのトラックの変更を生成することが可能である。従って、このシステムにより、ターゲット上のアークの軌道の変動ひいては制御をも可能にし、こうしてその全表面領域の均等な消費を達成する強い磁気ガイドが得られる。
全体の動作が類似したものとなることから、永久磁石のシステムを電磁石の第2システムで置換することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0018】
本明細書中の記述を補完するため、そしてその好ましい一実施形態に従った本発明の特徴をより良く理解すること助けることを目的として、本明細書には、その一部を成すものとして一組の図面が付随しており、この図面には、制限的なものではなく一例として以下の図を示す。
【0019】
【図1】本発明の目的に従って具体化された強力な磁気ガイドを伴う矩形のアーク蒸着装置の概略的横断面図である。
【図2】同じく概略的表現による図1の蒸着装置の平面図である。
【図3】図1の横断面図を再現しており、外部にある永久磁石によって作り出された磁場の垂直成分のグラフが付加された図である。
【図4】図1の横断面図を再現しており、図3と類似のグラフではあるものの電磁石内に異なる電流が印加された場合の、ターゲットの後方部分内にある電磁石によって作り出された磁場に対応するものが付加された図である。
【図5】図1の横断面図を再現しており、同様に電磁石内に異なる電流が印加された場合の、ターゲットの後方部分にある電磁石と共に蒸着装置の外部にある永久磁石によって作り出された磁場に対応するものが付加された図である。
【図6】電磁石透磁性材料の形状が改変された変形実施形態による図1のものと類似した横断面図である。
【図7】図1のものに類似しているものの、蒸着装置の外部上の永久磁石が各々電磁石により置換されている本発明の別の変形形態によるもう1つの横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
言及された図、特に図1および図2に照らし合わせると、本発明が提唱するアーク蒸着装置において、直流電気アークが論理的に、この電気アークの陰極として作用し従ってその表面領域から材料を発出するターゲット(2)と陽極(1)との間に形成されるように、陽極(1)および陰極またはターゲット(2)ならびに磁気ガイドがどのように存在しているかを見ることができる。
【0021】
アークが作用するターゲット(2)の点(磁場の垂直成分がゼロである点)が均等な形で前記ターゲット(2)の全表面領域にわたり確実に変位させられるようにするため、ターゲットの表面に対しその磁化が垂直となるような形で蒸着装置の周囲上に配置された一群の永久磁石(3)によって形成された第1の磁気システムと、ターゲットからある一定の距離のところでこのターゲットの後方部分に配置された単一の電磁石(4,5)によって構成された第2の磁気システム(ターゲット(2)に最も近い磁極は前記ターゲットの表面に対し平行である)という2つの独立した磁気システムを含む磁気ガイドが使用される。
【0022】
ターゲット(2)の後方部分にある電磁石(4,5)は、鍛鉄を磁化するのに必要な磁束を生成するのに役立つ電気コイル(5)によってとり囲まれた、鍛鉄といったような高い透磁率と低い保磁力をもつ材料でできたコア(4)で構成されており、このコア(4)は、図1に示す矩形断面をもち、2つの磁極はターゲット(2)の表面に対して平行に配置されている。
【0023】
より特定的に言うと、電磁石(4,5)は、図示されていないネジと協同してしっかりと固定されている陰極またはターゲット(2)がその口に結合されている一種の容器の形をもつ蒸着装置の本体(6)の中に収納されこの中に完全にはめ合わされており、電磁石(4,5)は、このターゲットの下でかつターゲットの表面領域上で磁場が充分に均等であることを保証すべくこのターゲットからある一定の距離のところに配置されており、このようにして、ターゲット(2)の適切な冷却を確保するのに必要なシステムならびに蒸着装置の残りのコンポーネントを据えつけるのに使用できるチャンバ(11)がターゲット(2)と電磁石(4,5)との間に画定される。言及したとおり、この低温チャンバの高さは、蒸発表面上の磁場が充分に均等となるように、強磁性コアの上面と蒸発表面との間にある一定の距離を置く必要性によって決定される。
【0024】
該アセンブリは、外部ベース(9)、いくつかの側方および外部ハンガー(8)および、本体(6)にターゲット(2)を締めつけるネジを保護すると同時にアークをターゲットの内部に閉じこめ、かくして蒸発表面領域を画定する枠を形成するスラットバリヤ(7)で補完されている。絶縁用スラット(7)はそれ自体、適切に電気的に分離されたネジ(7′)によりしっかりと固定されている。これらの要素すなわちスラット(7)、ハンガー(8)およびベース(9)は全て、望ましくない表面上でアークが形成するのを妨げるものとなる、アルミナ、ガラスセラミクス、窒化ホウ素またはPTFEといったような高温で電気絶縁性をもつ材料から得られる。これらの部品は、アーク作業の間に徐々に導電性材料の被覆を受け、かくしてアークの形成を回避するためのそれらの有効性が低くなることから、定期的メンテナンスを必要とする。
【0025】
さらに、ターゲット(2)のレベルで蒸着装置の本体(6)の周囲に第1の磁気システムを構成する磁石(3)が、その中心線がターゲット(2)の初期表面と、ターゲットがその有効寿命の最後に有することになる表面との間に画定された中間平面と一致するような形で配置され、高さが低くなければならない外部永久磁石(3)の形で実現される。これらの磁石はまたできるかぎり大きいパワーをもつものでなくてはならず、このような理由から、最大の幅をもつことになり、また例えばSmCo、NdFeBまたは硬質フェライトといったような高い保磁力をもつ材料をベースとして得られることになる。
【0026】
上述の機構は、図面中には示されていないが、ターゲット(2)から蒸発した材料でコーティングされるべき部品(10)が内部に取付けられている真空チャンバまたはベルジャーで補完される。
【0027】
図3では、ターゲット(2)の表面と同じレベルで蒸着装置の本体(6)の外部に位置づけされた永久磁石(3)により作り出される磁場の垂直成分に対応するグラフ(12)が示されている。
【0028】
図4では、図示されたグラフ(13)、(14)および(15)は、蒸着装置の本体(6)内部のターゲット(2)の表面の後方に配置された電磁石(4,5)に異なる電流が印加された場合に、この電磁石が作り出す磁場の垂直成分に対応する。
【0029】
最後に、図5では、電磁石(4,5)に異なる電流を印加した場合に、ターゲット(2)の後方部分に設置された電磁石(4,5)とターゲット(2)の表面上で蒸着装置の外部に設置された永久磁石との両方により、ターゲット(2)の表面上に作り出された磁場の垂直成分に対応するグラフ(16)、(17)および(18)が示されている。
【0030】
ここでわかるように、このグラフは、永久磁石(3)によって作り出された磁場に対して電磁石(4,5)により作り出された磁場を付加した結果であり、永久磁石に対応するグラフの垂直移動を結果として示し、そのため、このグラフの一部分が垂直軸の正の部分にある。基本的に陰極点は、磁場の垂直成分の値がゼロである点によって構成されているターゲットの表面全体にわたるトラックに追従しており、かくして例えば、電磁石に対し印加される電力を、対応するグラフが番号16で示されたものとなるように調整した場合、ターゲット全体にわたる陰極点のトラックは点19および20を通過することになり、一方、対応するグラフが18となるように電流を調整した場合、陰極点はターゲットの表面上の点23および24を通過することになり、中間のトラック(17)の場合、陰極点は21および22となる。
【0031】
図6を見ればわかるように、別の実践的な実施形態においては、磁気コア(4′)は、その磁極の1つがターゲット(2)に平行でもう1つがターゲットに垂直である状態でT字形の断面を有することができ、この構成により、蒸着装置の表面上でより大きい磁場強度を得ることができ、さらに、水平平面内の磁場の広がりはより大きくなり、そのため強磁性コア(4)の上面とターゲット(2)との間の距離を削減することが可能となる。
【0032】
最後に、図7で示す実施形態を見ればわかるように、電磁石(4,5)と類似する構造をもついくつかの電磁石(3′)で永久磁石(3)を置換することができるということが指摘される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
大きい表面領域を有するターゲットのための強力な磁気ガイドを伴うアーク蒸着装置であって、真空ベルジャー内に収納された陽極(1)および陰極またはターゲット(2)を内蔵するタイプのものであり、かつ、このべルジャー内にはまた陽極(1)と陰極(2)との間で生成された電気アークを用いてターゲット(2)から蒸発された材料でコーティングされるべき部品(10)も収納されており、これにはまた、電気アークの動きを制御および誘導するための磁気ガイドも関与するアーク蒸着装置において、前記磁気ガイドが2つの独立した磁気システム、すなわち、電気アークがターゲット上で望まれるトラックに従うような形で結果として得られる磁力を任意に変動させることのできる4つの磁極によって構成されており、前記磁気システムのうちの一方は、その磁化が前記ターゲット(2)の表面に対し垂直である状態で該ターゲット(2)と同一平面内にある配置で前記蒸着装置の周囲にある一群の永久磁石(3)によって構成されており、第2の磁気システムは、前記ターゲット(2)からある一定の距離のところで前記ターゲット(2)の後方部分に位置づけされた電磁石(4,5)によって構成され、その上方磁極、つまり前記ターゲット(2)に近い方の磁極が、前記ターゲット(2)の表面に対し平行に配置されていることを特徴とする、アーク蒸着装置。
【請求項2】
前記第2の磁気システムに対応する電磁石(4,5)が、前記蒸着装置の本体(6)内部に収納されており、この本体は、その口に前記ターゲット(2)がしっかりと固定される一種の容器を構成しており、このターゲットは、ターゲット(2)の冷却システムをこれらの要素間に設置できるように電磁石(4,5)から充分に離隔され、前記ターゲットは、適切なネジと協同して本体(6)にしっかり固定されており、これらのネジの上で高温絶縁材料でできたスラットバリヤ(7)が一種の周囲枠を構成しており、前記本体(6)は複数のハンガー(8)および背面ベース(9)で仕上げられており、これらの部品は全て、アルミナ、ガラスセラミクス、窒化ホウ素またはPTFEといったような高温で電気絶縁性をもつ材料で作られていることを特徴とする請求項1に記載の、大きい表面領域を有するターゲットのための強力な磁気ガイドを伴うアーク蒸着装置。
【請求項3】
前記第2の磁気システムを構成する電磁石(4,5)が、蒸発表面の中央部域に対応して配置された鍛鉄といったような高い透磁率および低い保磁力を有するコア(4)に基づいて構成されており、電気コイル(5)が前記コア(4)を磁化するために必要な磁束を生成するのに役立つようにその周りに配置されることを特徴とする請求項1に記載の、大きい表面領域を有するターゲットのための強力な磁気ガイドを伴うアーク蒸着装置。
【請求項4】
前記磁気コア(4)は、2つの磁極が前記ターゲット(2)の表面に対して平行に配置されている状態で矩形横断面を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の、大きい表面領域を有するターゲットのための強力な磁気ガイドを伴うアーク蒸着装置。
【請求項5】
前記電磁石のコア(4)は、その一方の極が前記ターゲット(2)に対して平行で、他方の極が前記ターゲット(2)に対し垂直であるような形で、T字形の横断面を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の、大きい表面領域を有するターゲットのための強力な磁気ガイドを伴うアーク蒸着装置。
【請求項6】
前記永久磁石(3)が高さの低いものであり、かつ、前記磁石の中心線が最大のパワーを達成すべく可能なかぎり大きい幅を呈し、前記ターゲット(2)の初期表面と、前記ターゲットが有効寿命の終りに有することになる表面との間に画定された中間平面と一致するような形で配置され、これらの磁石は、例えばSmCo、NdFeBまたは硬質フェライトといったような高い保磁力をもつ材料から得られることを特徴とする請求項1に記載の、大きい表面領域を有するターゲットのための強力な磁気ガイドを伴うアーク蒸着装置。
【請求項7】
前記2つの磁気システムが電磁石によって構成されていることを特徴とする請求項1に記載の、大きい表面領域を有するターゲットのための強力な磁気ガイドを伴うアーク蒸着装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−100605(P2013−100605A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2013−893(P2013−893)
【出願日】平成25年1月8日(2013.1.8)
【分割の表示】特願2002−575351(P2002−575351)の分割
【原出願日】平成13年3月27日(2001.3.27)
【出願人】(503352648)
【Fターム(参考)】