大型コンクリートブロックのボルトジャッキローラー
【課題】 本発明は、ボルトジャッキローラーのボルト部に内蔵した２個の回転ボールを回転させることにより底板を基礎面から浮かせて高さ調整し、押動により大型コンクリートブロックの左右調節を行うことができる大型コンクリートブロックのボルトジャッキローラーを提供するものである。
【解決手段】 本発明のボルトジャッキローラー１は、外周面にねじ山２を有する円柱状のボルト部３と上端面に回転ナット４を備えた円柱状の胴部５とを上下軸方向に一体に連結して構成される。前記ボルト部３の下部には、鋼球から形成されてなる２個の回転ボール６を内部に自転可能に直列に内蔵して設け、前記回転ボール６を回転可能に下面側を抱持する回転ボール止めカバー７により前記回転ボール６の一部を露出させた状態で３本の固定ビス８等により固定する。
【解決手段】 本発明のボルトジャッキローラー１は、外周面にねじ山２を有する円柱状のボルト部３と上端面に回転ナット４を備えた円柱状の胴部５とを上下軸方向に一体に連結して構成される。前記ボルト部３の下部には、鋼球から形成されてなる２個の回転ボール６を内部に自転可能に直列に内蔵して設け、前記回転ボール６を回転可能に下面側を抱持する回転ボール止めカバー７により前記回転ボール６の一部を露出させた状態で３本の固定ビス８等により固定する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、擁壁、排水溝、排水暗渠等を作る時に使用する擁壁ブロック、排水溝ブロック、排水暗渠ブロックやボックスカルバートなどの大型コンクリートブロックを敷設する際に使用する大型コンクリートブロックのボルトジャッキローラーに関する。
【背景技術】
【０００２】
従来、例えば擁壁ブロックを施工するに当っては、擁壁ブロックをトラッククレーン等で基礎面上に降ろし、所定の位置に前後を合わせて隣の擁壁ブロックと並べた上で、擁壁板の左右側端部同士を正しく突合せていた。
しかし、基礎面上が必ずしも平坦でないから夫々の擁壁板の左右側縁を正しく突合せた上で、擁壁板の前面を面一に並べることは極めて困難であった。
そのため、トラッククレーン等で擁壁ブロックを吊り上げ、基礎面と底板との間に介在物を介入し、押動して側縁を正しく突合せ且つ擁壁板の前面が面一になるように是正していたが、この擁壁ブロックが大型であるため大変厄介な作業となり、それだけ作業能率を低下させる欠点があった。
これを解消するものとして、大型コンクリートブロックの底板の周縁数カ所下側から支える上下調節装置を配設して、この上下調節装置のボルトを回動させることにより底板の基礎面よりの高さを上下に微調節するものが公知となっている（特許文献１を参照）。
そこで、本出願人は、大型コンクリートブロックの底板の数カ所を支えるボルトジャッキローラーを設置して、このボルトジャッキローラーのボルト部を螺合させることにより大型コンクリートブロック底板を基礎面から浮かせて高さ調整し、押動により大型コンクリートブロックの左右調節を行うことができる大型コンクリートブロックのボルトジャッキローラーを考案した（特許文献２を参照）。
【０００３】
【特許文献１】特開平１０−２５９６１４号公報
【特許文献２】登録実用新案第３１０４２５２号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
本発明は、前記考案を改良して、このボルトジャッキローラーのボルト部に内蔵した２個の回転ボールを回転させることにより底板を基礎面から浮かせて高さ調整し、押動により大型コンクリートブロックの左右調節を行うことができる大型コンクリートブロックのボルトジャッキローラーを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【０００５】
本発明の大型コンクリートブロックのボルトジャッキローラーは、外周面にねじ山を有する円柱状のボルト部に、上端面に回転ナットを備えた円柱状の胴部を一体に連結してなるものにおいて、前記ボルト部の下部には鋼球から形成されてなる２個の回転ボールを自転可能に直列に内蔵して、前記回転ボールを回転可能に下面側を抱持する回転ボール止めカバーにより前記回転ボールの一部を露出させた状態で固定すると共に前記ボルト部の上部の軸心方向に同心円状に突出して形成した円柱凸部を設け、さらに前記胴部の下部には前記ボルト部の軸心方向に形成された前記円柱凸部と嵌合する同心円状の円柱凹部が形成され、前記円柱凸部と円柱凹部とを嵌合させて上下にクロス配置で横断する固定具で一体に結合するものである。
さらに、本発明の大型コンクリートブロックのボルトジャッキローラーは、鋼球から形成されてなる２個の回転ボールと、該回転ボールを回転可能に上面側を抱持する回転ボール止めカバーと、該回転ボールカバーを一体に固定すると共に前記回転ボールを自転自在に内蔵して外周面にねじ山を有する円柱状のボルト部と、該ボルト部の軸心方向に一体に連結され、所定長さを有する円柱状の胴部と、該胴部の上端面に設けた回転ナットとから構成されてなり、前記ボルトジャッキローラーは、前記ボルト部のねじ山と螺合するねじ谷を有する円筒状のナット部と該ナット部の下端外周縁に一体に形成された円環板状の底受け鉄輪とからなる大型コンクリートブロックに埋設された受け金具と組合せて使用されるものである。
【発明の効果】
【０００６】
本発明の大型コンクリートブロックのボルトジャッキローラーによれば、ボルト部に内蔵した２個の回転ボールを回転させることにより底板を基礎面から浮かせて高さ調整し、押動により大型コンクリートブロックの左右調節を行うことができる効果がある。
本発明の大型コンクリートブロックのボルトジャッキローラーによれば、安価且つ簡単な構造で安全に大型コンクリートブロックの据付けを行うことができる効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【０００７】
本発明の大型コンクリートブロックのボルトジャッキローラーは、鋼球から形成されてなる２個の回転ボールと、該回転ボールを回転可能に上面側を抱持する回転ボール止めカバーと、該回転ボールカバーを一体に固定すると共に前記回転ボールを自転自在に内蔵して外周面にねじ山を有する円柱状のボルト部と、該ボルト部の軸心方向に一体に連結され、所定長さを有する円柱状の胴部と、該胴部の上端面に設けた回転ナットとからボルトジャッキローラーが構成されてなり、該ボルトジャッキローラーは、前記ボルト部のねじ山と螺合するねじ谷を有する円筒状のナット部と該ナット部の下端外周縁に一体に形成された円環板状の底受け鉄輪とからなる大型コンクリートブロックに埋設された受け金具と組合せて使用されるものである。
【実施例】
【０００８】
以下、本発明のボルトジャッキローラーの一実施例を図面に基づいて、以下に説明する。
図１の正面図に示すように、ボルトジャッキローラー１は、外周面にねじ山２を有する円柱状のボルト部３と上端面に回転ナット４を備えた円柱状の胴部５とを上下軸方向に一体に連結して構成される。
前記ボルト部３の下部には、鋼球から形成されてなる２個の回転ボール６を内部に自転可能に直列に内蔵して設け、前記回転ボール６を回転可能に下面側を抱持する回転ボール止めカバー７により前記回転ボール６の一部を露出させた状態で３本の固定ビス８等により固定する。
さらに、前記ボルト部３の上部の軸心方向に同心円状に突出して形成された円柱凸部９を設け、該円柱凸部９は後述する胴部５の円柱凹部１０と嵌合され連結される。
前記回転ボール６は、大型コンクリートブロックの荷重を支持することが出来る強度を有する鋼球で形成され、前記回転ボール６を自転可能に直列に２個配置して上方の回転ボール６と下方の回転ボール６とは点接触であるため、前記大型コンクリートブロックの荷重を支持した状態で自由に回転できる。
前記回転ボール止めカバー７は、金属製で前記回転ボール６の下面側を抜け防止するように覆い、前記ボルト部３の先端部に３本の固定ビス８等により固定する。
したがって、前記回転ボール止めカバー７を取外すことにより、前記回転ボール６を前記ボルト部３から取り出すことができ、取り出した空間にグリース等の潤滑材を充填することにより回転を滑らかにすることもできる。
なお、図４に示すように、グリスアップニップル２１を設けて回転ボール２にグリース等の潤滑材を充填することもできる。
【０００９】
前記胴部５の下部は、前記ボルト部３の軸心方向に形成された前記円柱凸部９と嵌合する同心円状の円柱凹部１０が形成され、前記円柱凸部９と円柱凹部１０との嵌合部を上下にクロス配置で横断するボルトナット１１等の固定具で一体に結合する。
また、前記胴部５の上端面に回転ナット４を備え、該回転ナット４は前記胴部５の頭部に六角ナットを溶接してなり、前記回転ナット４に嵌合する六角ボルトハンドルを嵌合させて回転させることができる。
また、前記胴部５の上方には、前記胴部５に一体に溶接固定されたフ字状の吊りフック１２を設ける。
【００１０】
次いで、本発明のボルトジャッキローラー１と組み合わせて大型コンクリートブロックの底部に使用される、前記ボルト部３のねじ山２と螺合するネジ谷１３を有する受け金具１４について、以下に説明する。
図２の縦断面図に示すように、前記受け金具１４は、金属製で内側に前記ボルト部３のねじ山２と螺合するネジ谷１３を有する円筒状のナット部１５と、該ナット部１５の下端外周縁に一体に形成された円環板状の底受け鉄輪１６と、ナット部１５外周面に設けたコンクリート接筋１７とからなる。
なお、前記受け金具１４は、大型コンクリートブロックの底部の厚さに合わせて前記ナット部１５が形成され、大型コンクリートブロックの底部に上下貫通となるようにナット部１５及び底受け鉄輪１６が埋設される。
【００１１】
次に、大型コンクリートブロック、例えばＵ字側溝の据え付け作業について、以下に説明する。
あらかじめＵ字側溝底部１８に全体のバランスを考えて複数個所に受け金具１４が上下貫通となるようにナット部１５及び底受け鉄輪１６を埋設させたＵ字側溝を形成する。
なお、ブロック成型工場でＵ字側溝を形成する際に前記受け金具１４を埋設成型させても良いし、既製のＵ字側溝底部１３に機械工具で貫通穴をあけてその貫通穴に前記受け金具１４を挿入してセメントモルタルで固定しても良い。
このようにして底部１３に前記受け金具１４が埋設されたＵ字側溝に、図３に示すように、工事作業現場において前記受け金具１４のすべてに対してボルトジャッキローラー１のボルト部３を内側から回転ナット４を廻して捩じ込み、前記回転ボール６が少し露出する状態まで捩じ込む。
この状態で夫々のボルトジャッキローラー１の吊りフック１２にワイヤーロープ等を引っかけてＵ字側溝を吊り上げ、Ｕ字側溝を据え付け位置へ吊り移送する。
【００１２】
Ｕ字側溝の据え付け位置では、予め現場打ちでベースコンクリートが固設されており、ほぼ平坦な基礎面が形成されて、下敷鉄板１９が敷かれている。
次に、既設したＵ字側溝に合わせながら、新規のＵ字側溝を据え付け位置へ移送し、ほぼ隣接状態に位置合わせを行って基礎面上に載置する。
なお、この状態でも前記回転ボール６は少し露出しているので、Ｕ字側溝を押動することにより２個の回転ボール６がそれぞれ点接触により自転して簡単に移動させることが出来る。
次に、丁張りロープに合わせて、ボルトジャッキローラー１のボルト部３を捻転させて高さ位置調整を行うと共にＵ字側溝を左右押動して前記ボルトジャッキローラー１の回転ボール６により左右位置調整を行う。
前記調整終了後に基礎面とＵ字側溝の底部との間に広葉樹木クサビを挟み込み、前記ボルトジャッキローラー１を取り外してＵ字側溝を定位置に据え付けする。
【００１３】
据え付け完了後、すなわち前記ボルトジャッキローラー１を取り外した後、前記受け金具１４のナット部１５からセメントモルタル注入や砂の水シメ等を行い、Ｕ字側溝を完全に据え付け固定する。
なお、セメントモルタル注入や砂の水シメ等が不十分と考えられる場合には、あらかじめＵ字側溝の底部の適宜位置、例えば受け金具１４と受け金具１４との中間位置にモルタル注入孔を穿設して置けば良い。
【００１４】
さらに、取り外した前記ボルトジャッキローラー１は、次の新規のＵ字側溝に再使用することができる。
また、図４に示すように、下敷鉄板１９に鉄板引き抜きワイヤー２０を設けておけば、簡単に下敷鉄板１９を引き抜くことができる。
前記ボルトジャッキローラー１のボルト部３のねじ山２が摩耗した場合には、ボルト部３と胴部５とを連結しているボルトナット１１を外して、前記ボルト部３と前記胴部５とを分離し、新規のボルト部３の円柱凸部９を前記胴部５の円柱凹部１０に嵌合してボルトナット１１で固定すれば良い。
なお、実施例としてＵ字側溝により説明をしたが、これに限らず、ボックスカルバート、擁壁ブロック、排水溝ブロック、排水暗渠ブロックなどの大型コンクリートブロックであれば同様に行うことが出来る。
【図面の簡単な説明】
【００１５】
【図１】本発明のボルトジャッキローラーの正面図である。
【図２】本発明の受け金具の縦断面図である。
【図３】本発明のボルトジャッキローラーの使用状態の一部断面正面図である。
【図４】本発明のボルトジャッキローラーの使用状態を示す正面図である。
【符号の説明】
【００１６】
１ ボルトジャッキローラー
２ ねじ山
３ ボルト部
４ 回転ナット
５ 胴部
６ 回転ボール
７ 回転ボール止めカバー（ビス３本止め）
８ 固定ビス
９ 円柱凸部
１０ 円柱凹部
１１ ボルトナット
１２ 吊りフック
１３ ネジ谷
１４ 受け金具
１５ ナット部
１６ 底受け鉄輪
１７ コンクリート接筋
１８ Ｕ字側溝底部
１９ 下敷鉄板
２０ 鉄板引き抜きワイヤー
２１ グリスアップニップル
【技術分野】
【０００１】
本発明は、擁壁、排水溝、排水暗渠等を作る時に使用する擁壁ブロック、排水溝ブロック、排水暗渠ブロックやボックスカルバートなどの大型コンクリートブロックを敷設する際に使用する大型コンクリートブロックのボルトジャッキローラーに関する。
【背景技術】
【０００２】
従来、例えば擁壁ブロックを施工するに当っては、擁壁ブロックをトラッククレーン等で基礎面上に降ろし、所定の位置に前後を合わせて隣の擁壁ブロックと並べた上で、擁壁板の左右側端部同士を正しく突合せていた。
しかし、基礎面上が必ずしも平坦でないから夫々の擁壁板の左右側縁を正しく突合せた上で、擁壁板の前面を面一に並べることは極めて困難であった。
そのため、トラッククレーン等で擁壁ブロックを吊り上げ、基礎面と底板との間に介在物を介入し、押動して側縁を正しく突合せ且つ擁壁板の前面が面一になるように是正していたが、この擁壁ブロックが大型であるため大変厄介な作業となり、それだけ作業能率を低下させる欠点があった。
これを解消するものとして、大型コンクリートブロックの底板の周縁数カ所下側から支える上下調節装置を配設して、この上下調節装置のボルトを回動させることにより底板の基礎面よりの高さを上下に微調節するものが公知となっている（特許文献１を参照）。
そこで、本出願人は、大型コンクリートブロックの底板の数カ所を支えるボルトジャッキローラーを設置して、このボルトジャッキローラーのボルト部を螺合させることにより大型コンクリートブロック底板を基礎面から浮かせて高さ調整し、押動により大型コンクリートブロックの左右調節を行うことができる大型コンクリートブロックのボルトジャッキローラーを考案した（特許文献２を参照）。
【０００３】
【特許文献１】特開平１０−２５９６１４号公報
【特許文献２】登録実用新案第３１０４２５２号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
本発明は、前記考案を改良して、このボルトジャッキローラーのボルト部に内蔵した２個の回転ボールを回転させることにより底板を基礎面から浮かせて高さ調整し、押動により大型コンクリートブロックの左右調節を行うことができる大型コンクリートブロックのボルトジャッキローラーを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【０００５】
本発明の大型コンクリートブロックのボルトジャッキローラーは、外周面にねじ山を有する円柱状のボルト部に、上端面に回転ナットを備えた円柱状の胴部を一体に連結してなるものにおいて、前記ボルト部の下部には鋼球から形成されてなる２個の回転ボールを自転可能に直列に内蔵して、前記回転ボールを回転可能に下面側を抱持する回転ボール止めカバーにより前記回転ボールの一部を露出させた状態で固定すると共に前記ボルト部の上部の軸心方向に同心円状に突出して形成した円柱凸部を設け、さらに前記胴部の下部には前記ボルト部の軸心方向に形成された前記円柱凸部と嵌合する同心円状の円柱凹部が形成され、前記円柱凸部と円柱凹部とを嵌合させて上下にクロス配置で横断する固定具で一体に結合するものである。
さらに、本発明の大型コンクリートブロックのボルトジャッキローラーは、鋼球から形成されてなる２個の回転ボールと、該回転ボールを回転可能に上面側を抱持する回転ボール止めカバーと、該回転ボールカバーを一体に固定すると共に前記回転ボールを自転自在に内蔵して外周面にねじ山を有する円柱状のボルト部と、該ボルト部の軸心方向に一体に連結され、所定長さを有する円柱状の胴部と、該胴部の上端面に設けた回転ナットとから構成されてなり、前記ボルトジャッキローラーは、前記ボルト部のねじ山と螺合するねじ谷を有する円筒状のナット部と該ナット部の下端外周縁に一体に形成された円環板状の底受け鉄輪とからなる大型コンクリートブロックに埋設された受け金具と組合せて使用されるものである。
【発明の効果】
【０００６】
本発明の大型コンクリートブロックのボルトジャッキローラーによれば、ボルト部に内蔵した２個の回転ボールを回転させることにより底板を基礎面から浮かせて高さ調整し、押動により大型コンクリートブロックの左右調節を行うことができる効果がある。
本発明の大型コンクリートブロックのボルトジャッキローラーによれば、安価且つ簡単な構造で安全に大型コンクリートブロックの据付けを行うことができる効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【０００７】
本発明の大型コンクリートブロックのボルトジャッキローラーは、鋼球から形成されてなる２個の回転ボールと、該回転ボールを回転可能に上面側を抱持する回転ボール止めカバーと、該回転ボールカバーを一体に固定すると共に前記回転ボールを自転自在に内蔵して外周面にねじ山を有する円柱状のボルト部と、該ボルト部の軸心方向に一体に連結され、所定長さを有する円柱状の胴部と、該胴部の上端面に設けた回転ナットとからボルトジャッキローラーが構成されてなり、該ボルトジャッキローラーは、前記ボルト部のねじ山と螺合するねじ谷を有する円筒状のナット部と該ナット部の下端外周縁に一体に形成された円環板状の底受け鉄輪とからなる大型コンクリートブロックに埋設された受け金具と組合せて使用されるものである。
【実施例】
【０００８】
以下、本発明のボルトジャッキローラーの一実施例を図面に基づいて、以下に説明する。
図１の正面図に示すように、ボルトジャッキローラー１は、外周面にねじ山２を有する円柱状のボルト部３と上端面に回転ナット４を備えた円柱状の胴部５とを上下軸方向に一体に連結して構成される。
前記ボルト部３の下部には、鋼球から形成されてなる２個の回転ボール６を内部に自転可能に直列に内蔵して設け、前記回転ボール６を回転可能に下面側を抱持する回転ボール止めカバー７により前記回転ボール６の一部を露出させた状態で３本の固定ビス８等により固定する。
さらに、前記ボルト部３の上部の軸心方向に同心円状に突出して形成された円柱凸部９を設け、該円柱凸部９は後述する胴部５の円柱凹部１０と嵌合され連結される。
前記回転ボール６は、大型コンクリートブロックの荷重を支持することが出来る強度を有する鋼球で形成され、前記回転ボール６を自転可能に直列に２個配置して上方の回転ボール６と下方の回転ボール６とは点接触であるため、前記大型コンクリートブロックの荷重を支持した状態で自由に回転できる。
前記回転ボール止めカバー７は、金属製で前記回転ボール６の下面側を抜け防止するように覆い、前記ボルト部３の先端部に３本の固定ビス８等により固定する。
したがって、前記回転ボール止めカバー７を取外すことにより、前記回転ボール６を前記ボルト部３から取り出すことができ、取り出した空間にグリース等の潤滑材を充填することにより回転を滑らかにすることもできる。
なお、図４に示すように、グリスアップニップル２１を設けて回転ボール２にグリース等の潤滑材を充填することもできる。
【０００９】
前記胴部５の下部は、前記ボルト部３の軸心方向に形成された前記円柱凸部９と嵌合する同心円状の円柱凹部１０が形成され、前記円柱凸部９と円柱凹部１０との嵌合部を上下にクロス配置で横断するボルトナット１１等の固定具で一体に結合する。
また、前記胴部５の上端面に回転ナット４を備え、該回転ナット４は前記胴部５の頭部に六角ナットを溶接してなり、前記回転ナット４に嵌合する六角ボルトハンドルを嵌合させて回転させることができる。
また、前記胴部５の上方には、前記胴部５に一体に溶接固定されたフ字状の吊りフック１２を設ける。
【００１０】
次いで、本発明のボルトジャッキローラー１と組み合わせて大型コンクリートブロックの底部に使用される、前記ボルト部３のねじ山２と螺合するネジ谷１３を有する受け金具１４について、以下に説明する。
図２の縦断面図に示すように、前記受け金具１４は、金属製で内側に前記ボルト部３のねじ山２と螺合するネジ谷１３を有する円筒状のナット部１５と、該ナット部１５の下端外周縁に一体に形成された円環板状の底受け鉄輪１６と、ナット部１５外周面に設けたコンクリート接筋１７とからなる。
なお、前記受け金具１４は、大型コンクリートブロックの底部の厚さに合わせて前記ナット部１５が形成され、大型コンクリートブロックの底部に上下貫通となるようにナット部１５及び底受け鉄輪１６が埋設される。
【００１１】
次に、大型コンクリートブロック、例えばＵ字側溝の据え付け作業について、以下に説明する。
あらかじめＵ字側溝底部１８に全体のバランスを考えて複数個所に受け金具１４が上下貫通となるようにナット部１５及び底受け鉄輪１６を埋設させたＵ字側溝を形成する。
なお、ブロック成型工場でＵ字側溝を形成する際に前記受け金具１４を埋設成型させても良いし、既製のＵ字側溝底部１３に機械工具で貫通穴をあけてその貫通穴に前記受け金具１４を挿入してセメントモルタルで固定しても良い。
このようにして底部１３に前記受け金具１４が埋設されたＵ字側溝に、図３に示すように、工事作業現場において前記受け金具１４のすべてに対してボルトジャッキローラー１のボルト部３を内側から回転ナット４を廻して捩じ込み、前記回転ボール６が少し露出する状態まで捩じ込む。
この状態で夫々のボルトジャッキローラー１の吊りフック１２にワイヤーロープ等を引っかけてＵ字側溝を吊り上げ、Ｕ字側溝を据え付け位置へ吊り移送する。
【００１２】
Ｕ字側溝の据え付け位置では、予め現場打ちでベースコンクリートが固設されており、ほぼ平坦な基礎面が形成されて、下敷鉄板１９が敷かれている。
次に、既設したＵ字側溝に合わせながら、新規のＵ字側溝を据え付け位置へ移送し、ほぼ隣接状態に位置合わせを行って基礎面上に載置する。
なお、この状態でも前記回転ボール６は少し露出しているので、Ｕ字側溝を押動することにより２個の回転ボール６がそれぞれ点接触により自転して簡単に移動させることが出来る。
次に、丁張りロープに合わせて、ボルトジャッキローラー１のボルト部３を捻転させて高さ位置調整を行うと共にＵ字側溝を左右押動して前記ボルトジャッキローラー１の回転ボール６により左右位置調整を行う。
前記調整終了後に基礎面とＵ字側溝の底部との間に広葉樹木クサビを挟み込み、前記ボルトジャッキローラー１を取り外してＵ字側溝を定位置に据え付けする。
【００１３】
据え付け完了後、すなわち前記ボルトジャッキローラー１を取り外した後、前記受け金具１４のナット部１５からセメントモルタル注入や砂の水シメ等を行い、Ｕ字側溝を完全に据え付け固定する。
なお、セメントモルタル注入や砂の水シメ等が不十分と考えられる場合には、あらかじめＵ字側溝の底部の適宜位置、例えば受け金具１４と受け金具１４との中間位置にモルタル注入孔を穿設して置けば良い。
【００１４】
さらに、取り外した前記ボルトジャッキローラー１は、次の新規のＵ字側溝に再使用することができる。
また、図４に示すように、下敷鉄板１９に鉄板引き抜きワイヤー２０を設けておけば、簡単に下敷鉄板１９を引き抜くことができる。
前記ボルトジャッキローラー１のボルト部３のねじ山２が摩耗した場合には、ボルト部３と胴部５とを連結しているボルトナット１１を外して、前記ボルト部３と前記胴部５とを分離し、新規のボルト部３の円柱凸部９を前記胴部５の円柱凹部１０に嵌合してボルトナット１１で固定すれば良い。
なお、実施例としてＵ字側溝により説明をしたが、これに限らず、ボックスカルバート、擁壁ブロック、排水溝ブロック、排水暗渠ブロックなどの大型コンクリートブロックであれば同様に行うことが出来る。
【図面の簡単な説明】
【００１５】
【図１】本発明のボルトジャッキローラーの正面図である。
【図２】本発明の受け金具の縦断面図である。
【図３】本発明のボルトジャッキローラーの使用状態の一部断面正面図である。
【図４】本発明のボルトジャッキローラーの使用状態を示す正面図である。
【符号の説明】
【００１６】
１ ボルトジャッキローラー
２ ねじ山
３ ボルト部
４ 回転ナット
５ 胴部
６ 回転ボール
７ 回転ボール止めカバー（ビス３本止め）
８ 固定ビス
９ 円柱凸部
１０ 円柱凹部
１１ ボルトナット
１２ 吊りフック
１３ ネジ谷
１４ 受け金具
１５ ナット部
１６ 底受け鉄輪
１７ コンクリート接筋
１８ Ｕ字側溝底部
１９ 下敷鉄板
２０ 鉄板引き抜きワイヤー
２１ グリスアップニップル
【特許請求の範囲】
【請求項１】
外周面にねじ山を有する円柱状のボルト部に、上端面に回転ナットを備えた円柱状の胴部を一体に連結してなるボルトジャッキローラーにおいて、前記ボルト部の下部には鋼球から形成されてなる２個の回転ボールを自転可能に直列に内蔵して、前記回転ボールを回転可能に下面側を抱持する回転ボール止めカバーにより前記回転ボールの一部を露出させた状態で固定すると共に前記ボルト部の上部の軸心方向に同心円状に突出して形成した円柱凸部を設け、さらに前記胴部の下部には前記ボルト部の軸心方向に形成された前記円柱凸部と嵌合する同心円状の円柱凹部が形成され、前記円柱凸部と円柱凹部とを嵌合させて上下にクロス配置で横断する固定具で一体に結合することを特徴とする大型コンクリートブロックのボルトジャッキローラー。
【請求項２】
鋼球から形成されてなる２個の回転ボールと、該回転ボールを回転可能に上面側を抱持する回転ボール止めカバーと、該回転ボールカバーを一体に固定すると共に前記回転ボールを自転自在に内蔵して外周面にねじ山を有する円柱状のボルト部と、該ボルト部の軸心方向に一体に連結され、所定長さを有する円柱状の胴部と、該胴部の上端面に設けた回転ナットとからボルトジャッキローラーが構成されてなり、該ボルトジャッキローラーは、前記ボルト部のねじ山と螺合するねじ谷を有する円筒状のナット部と該ナット部の下端外周縁に一体に形成された円環板状の底受け鉄輪とからなる大型コンクリートブロックに埋設された受け金具と組合せて使用されることを特徴とする大型コンクリートブロックのボルトジャッキローラー。
【請求項１】
外周面にねじ山を有する円柱状のボルト部に、上端面に回転ナットを備えた円柱状の胴部を一体に連結してなるボルトジャッキローラーにおいて、前記ボルト部の下部には鋼球から形成されてなる２個の回転ボールを自転可能に直列に内蔵して、前記回転ボールを回転可能に下面側を抱持する回転ボール止めカバーにより前記回転ボールの一部を露出させた状態で固定すると共に前記ボルト部の上部の軸心方向に同心円状に突出して形成した円柱凸部を設け、さらに前記胴部の下部には前記ボルト部の軸心方向に形成された前記円柱凸部と嵌合する同心円状の円柱凹部が形成され、前記円柱凸部と円柱凹部とを嵌合させて上下にクロス配置で横断する固定具で一体に結合することを特徴とする大型コンクリートブロックのボルトジャッキローラー。
【請求項２】
鋼球から形成されてなる２個の回転ボールと、該回転ボールを回転可能に上面側を抱持する回転ボール止めカバーと、該回転ボールカバーを一体に固定すると共に前記回転ボールを自転自在に内蔵して外周面にねじ山を有する円柱状のボルト部と、該ボルト部の軸心方向に一体に連結され、所定長さを有する円柱状の胴部と、該胴部の上端面に設けた回転ナットとからボルトジャッキローラーが構成されてなり、該ボルトジャッキローラーは、前記ボルト部のねじ山と螺合するねじ谷を有する円筒状のナット部と該ナット部の下端外周縁に一体に形成された円環板状の底受け鉄輪とからなる大型コンクリートブロックに埋設された受け金具と組合せて使用されることを特徴とする大型コンクリートブロックのボルトジャッキローラー。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図２】
【図３】
【図４】
【公開番号】特開２００６−２９１４９０（Ｐ２００６−２９１４９０Ａ）
【公開日】平成１８年１０月２６日（２００６．１０．２６）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００５−１１０５３０（Ｐ２００５−１１０５３０）
【出願日】平成１７年４月７日（２００５．４．７）
【出願人】（５９６０２７２３２）
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成１８年１０月２６日（２００６．１０．２６）
【国際特許分類】
【出願日】平成１７年４月７日（２００５．４．７）
【出願人】（５９６０２７２３２）
【Ｆターム（参考）】
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