説明

大根漬けの方法

【課題】消毒殺菌剤、着色剤、pH調整剤および抗酸化剤などの化学添加物を添加しない大根漬けの方法を提供する。
【解決手段】大根原料に塩漬け、脱水、消毒殺菌および糖発酵などのステップを順番に行う。前記脱水のステップにより、食用の口当りの改善をさらに、前記発酵のステップにて、空気中における酵母菌が該大根原料中の大根酵素と互いに反応することにより、黄色酵素を生成し、該大根原料が自然かつ艶やかな黄色を呈する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、大根漬けの方法を提供するものであるが、該方法は、大根原料に塩漬け、脱水、消毒殺菌および糖発酵のステップを介し、つまり漬け大根を得ることが出来、慣用の大根漬けの技術中では化学添加物を加える必要があるために人体に及ぼす不良な影響、口当りの悪さ、色の不美観、および効率の低下かつ不経済などの欠点を有効に解決できる。
【背景技術】
【0002】
故に、慣用の大根漬けの技術中では、図2を参照して示すように、予定量の大根原料に、塩漬け、脱水の処理(例えば日光の晒し;日光が化学添加物を利用して浸潤してより脱水する。)、及び化学添加物の添加などのステップを順番に経由することにより、漬け大根を完成できる。
【0003】
但し、前述の慣用の大根漬けの技術は、下記の欠点を具する。
【0004】
一、該化学添加物を加える必要があるために人体に及ぼす不良な影響:慣用の大根漬けの技術中では、それぞれ以下の該化学添加物を添加する必要がある。
【0005】
1.消毒殺菌剤:例えば次亜塩素酸ナトリウム(Sodium Hypochlorite)(即ち一般的な家庭中に着物を清潔するように用いられる漂白液とする。)及び過酸化水素水(H2O2)等が該大根原料を消毒・殺菌するように用いられ、そして該消毒殺菌剤が発ガンのリスクを具する。
【0006】
2.着色剤(Coloring Agents, Food Colors):例えば食用黄色4号および食用黄色5号などは、漬け大根が綺麗かつ艶やかな色を具するように用いられ、そして該着色剤が人体に過敏反応を及ぼすリスクを具する。
【0007】
3.pH調整剤:例えばクエン酸(Citric Acid)、リンゴ酸(Malic Acid)及び酢酸ナトリウム(CH3COONa)等が該大根原料の水分を維持するように用いられ、該漬け大根のpHが4.5〜5.5の微酸性に制御され、これにより、細菌の増殖を抑制し、ひいては漬け大根の保存期限を延ばし、同時にさくさくした口当りを向上でき、そして該pH調整剤が人体内に残留して排出できないリスクを具する。
【0008】
4.抗酸化剤(Antioxidants)(即ち俗称の防蝕剤):例えばクエン酸(Citric Acid)、クエン酸ナトリウム、フマル酸ナトリウム(Monosodium Fumarate)、ポリリン酸ナトリウム、亜硝酸ナトリウム(Sodium Nitrite)、ソルビン酸カリウム(Potassium Sorbate)及びパラヒドロキシ安息香酸イソブチル(Isobutyl p-Hydroxybenzoate)などがあり、該等の抗酸化剤が何れも安定剤となり、該漬け大根が酸化によりその性質または構造を変化することを避けることを可能とし、該漬け大根の保存期限を延ばすように用いられ、そして該抗酸化剤は、人体の排除しにくさ、肝臓、腎臓などの器官に及ぼしやすい損害のリスクを具する。
【0009】
二、口当りの悪さ:慣用の大根漬けの技術は、太陽の晒しにより大根中の水分を除去し、そして度々長時間に晒し過ぎることにより、該大根原料繊維中の水分が過度に散逸するため、ひいては該漬け大根は、含水量があまり低すぎるので、硬くなり、該漬け大根に食用の口当りの悪さを及ぼす。
【0010】
三、色の不美観:慣用の大根漬けの技術は、太陽の晒しにより大根中の水分をより除去し、そして晒しの過程中で、該大根原料は、太陽光の中の紫外線照射により、色が深くなり(こげ茶色を呈し)、ひいては該漬け大根に不美観を及ぼす。
【0011】
四、効率の低下かつ不経済:慣用の大根漬けの技術は、太陽の晒しにより該大根原料中の水分をより除去し、下記の欠点を具する。
【0012】
1.該大根原料を平らに敷いて晒す必要があるため、比較的大きな場所を必要とし、相当に不経済となる。
【0013】
2.太陽の晒しを利用して水分を除去し、効率があまり高くなくなり、且つ相当に時間を消費する。
【0014】
3.季節、温度、湿度などの環境要素により、品質が不安定となりやすくなる。
【0015】
4.人員は、定期的かつ絶えずに監視してひっくり返す必要があるため、相当に人力を消費する。
【0016】
上記を総合し、慣用の大根漬けの技術が依然として数多くの欠点を具し、実に優れる設計ではなく、そして改善をより期待する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本発明の目的は、大根漬けの方法を提供するもので、それぞれ塩漬け、脱水、消毒殺菌および糖発酵などのステップにより、慣用の大根漬けの技術中では該消毒殺菌剤、該着色剤、該pH調整剤と抗酸化剤などの化学添加物を加える必要があるために人体に及ぼす不良な影響の欠点を有効に解決できる。
【0018】
本発明の他の目的は、前述の脱水のステップにより、慣用の大根漬けの技術中における、太陽の利用による晒し(日本が化学添加物を利用して浸潤してより脱水する)のステップをより交替することにより、慣用の大根漬けの技術にて取得された該漬け大根における、含水量があまり低すぎるために硬くなって該漬け大根に食用の口当りの悪さを及ぼす欠点を、有効に解決できるものである。
【0019】
本発明の更に他の目的は、前述の発酵のステップにて、空気中における酵母菌が該大根原料中の大根酵素と互いに反応することにより、黄色酵素を生成し、該大根原料が転色し(自然かつ艶やかな黄色を呈し)、慣用の該漬け大根の色の不美観の欠点を、有効に解決できるものである。
【課題を解決するための手段】
【0020】
前述の慣用の大根漬けの技術では化学添加物を加える必要があるために人体に及ぼす不良な影響、口当りの悪さ、色の不美観および効率の低下かつ不経済などの欠点に鑑み、従って本発明者は、多年の当該方面に関連する経験を従事することに基づいて、つまり長い間に努力して研究し且つ実験し、また関連する学理に対応し、ついに本発明の「大根漬けの方法」を開発・設計した。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の大根漬けの方法の流れの模式図である。
【図2】従来の大根漬けの技術の流れの模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
貴審査官は、ひいては本発明の技術手段と動作過程をより認識・了解できるために寄与するので、実施例を挙げて図面に対応し、下記のように詳細な説明を行う。
【0023】
本発明は、「大根漬けの方法」であるが、該方法は、塩漬け、脱水、消毒殺菌および糖発酵のステップを順番に介することにより、つまり漬け大根を得ることが出来る。
【0024】
図1を参照して示すように、これが前述の本発明により提供された大根漬けの方法のステップである。
【0025】
ステップ1、塩漬け:予定量の大根原料(本発明中における該予定量が2.5kg)を採取し、且つ他の予定量(本発明中における他の該予定量が0.160kg)の塩を加えること。
【0026】
ステップ2、脱水の行い:更に第1の予定時間(本発明中における該第1の予定時間が40分間)に、該大根原料に対し、脱水を行い、つまり該大根原料の重量が1kgに減少すること。
【0027】
ステップ3、消毒殺菌:脱水された後に該大根原料に対し、消毒殺菌を行う(本発明の中に、100℃の高温を利用してより消毒殺菌し、主として該大根原料の上における大腸菌(Escherichia)を除去する)こと。
【0028】
ステップ4、糖発酵:消毒殺菌された後に該大根原料が予定の温度(本発明中における該予定の温度が28℃)の下で、第2の予定時間(本発明中における該第2の予定時間が24時間)に、空気中に静置して発酵し、空気中における酵母(Saccharomyces cerevisiae:サッカロマイセス・セレビシエ、サッカロミケス・ケレウィシエ)と該大根原料の中の大根酵素に、同時に予定量の糖(本発明中における該予定量が0.160kg)を加えて該酵母菌の栄養ソースと見なし、互いに反応して黄色酵素を生成し、該大根原料を転色させること。
【0029】
ステップ5、漬け:更に発酵された後に該大根原料は、予定量(本発明の中における該予定量が2kg)の米麹(米麹の中に酵母菌を含有する)により第3の予定時間(本発明中における該第3の予定時間が24時間)に漬けられた後に、つまり本発明の該漬け大根を得ることが出来ること。
【0030】
前述の本発明の大根漬けの方法のステップによりはっきりと了解できるのは、慣用の大根漬けの技術と異なるキーポイントが下記の通りである。
【0031】
一、本発明が新規性と進歩性を具すること:本発明は、塩漬け、脱水、消毒殺菌および糖発酵などのステップにより、慣用の大根漬けの技術中では化学添加物を加える必要があるために人体に及ぼす不良な影響、口当りの悪さ、及び色の不美観の欠点を有効に解決できるが、従って本発明が新規性と進歩性を具する。
【0032】
二、本発明が実用性を具すること:慣用の大根漬けの技術は、太陽の晒しにより水分を除去する必要があるため、相当に時間を消費し、且つ比較的大きな場所を必要とし、相当に不経済となり、同時に天気の状況に対応する必要があり、季節、温度、湿度などの環境要素により品質が不安定となりやすくなり、その他に人員は、定期的かつ絶えずに監視してひっくり返す必要があるため、相当に人力を消費するが、そして本発明の方法のステップによれば、前述の問題を有効に解決でき、同時に慣用の大根漬けの技術中に添加された化学添加物を節約でき、同時に環境保護性と経済性を具し、従って本発明が実用性を具する。
【0033】
故に、前述の詳細な説明は、本発明に対して実行可能な実施例の具体的な説明で、但し該実施例が本発明の特許請求の範囲を限定するように用いられるわけではなく、例えば本発明の技術精神をまだ脱逸しない下では完成された等価な実施または変更は、何れも本発明の特許請求の範囲内に含まれるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
大根漬けの方法は、
第1の予定量の大根原料を採取し、同時に第2の予定量の塩を加えて漬けること、
該大根原料に対し脱水を施すこと、
更に予定の温度下で該大根原料に第3の予定量の糖を加え、空気中に静置して発酵し、つまり該漬け大根を得ることが出来ること、
を含むことを特徴とする大根漬けの方法。
【請求項2】
該第2の予定量は、該第1の予定量の1/16〜1/6であることを特徴とする請求項1に記載の大根漬けの方法。
【請求項3】
該予定の温度は、25〜30℃の間に介在することを特徴とする請求項1に記載の大根漬けの方法。
【請求項4】
該第3の予定量は、該第1の予定量の1/16〜1/6であることを特徴とする請求項1に記載の大根漬けの方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2010−193787(P2010−193787A)
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−42559(P2009−42559)
【出願日】平成21年2月25日(2009.2.25)
【出願人】(509044925)地發生物科技貿易有限公司 (1)
【Fターム(参考)】