説明

大豆レシチンドレッシング及びその製造方法。

【課題】 食物に不安を持ち、生活習慣病に脅威を感じながら食生活に不自由を感じている人が多い上に、食品の化学処理や加工の過程で栄養成分が失われ、安全な栄養摂取が困難になっている現状から、健康保持を目的として、食物アレルギーの防御・生活習慣病対策・有効な栄養成分の摂取が可能な、1品で3役のドレッシングを提供する。
【解決手段】 玉葱と人参の野菜ペーストに、ドレッシングを形成する材料を加え、卵を利用しないで顆粒状レシチンの特性を利用して作製する乳化型のドレッシングである。レシチンがドレッシングに合体してサプリメントフーズとしての、機能を持つ食品の効力を発揮する。卵や大豆アレルギー体質にも適応する事が出来る安全な植物性の大豆レシチンドレッシングである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は大豆レシチンドレッシング及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特開2005−192407に於いては主として全粒大豆粉を使用している。食物アレルギーは食物に含まれる蛋白質に、体内の微量な蛋白質がかかわる事によりひきおこされる。叉全粒大豆粉には42%の蛋白質が含まれている。全粒大豆粉を使用した分離型ドレッシングは食物アレルギーを引き起こす恐れがあるという問題点がある。
【特許文献1】 特開2005−192407
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ドレッシングの種類は、和風ドレッシング・イタリアンドレッシング・フレンチドレツシング・中華ドレッシングと多種になっている。
【0004】
ドレッシング中に混合する野菜の種類も多くなっている。食用植物性油脂・食酢の種類も豊富で、香辛料の添加する種類も多く多様性に富んでいる。
【0005】
一方ドレッシングの型としては大きな変化は無い。分離型ドレッシングと乳化型ドレッシングと半固体型ドレッシングに分類される。分離型ドレッシングはフレンチドレッシングや和風ドレッシング・中華ドレッシングに多い。醤油やだしを混合していて油分と水分が分かれている分離型ドレッシングである。(例えば特許文献1参照)
【0006】
特開2005−192407の全粒大豆粉ドレッシングに於いては加工技術面で釜煮やボイルの工程があることから、ドレッシング内では大豆が持っている有効な栄養成分が消失している。
【0007】
乳化型ドレッシングは卵黄を乳化剤として使用しているマヨネーズが多く知られている。しかし幼児成人を問わず卵にアレルギーを示す体質が、最近増える傾向で、卵は他にコレステロール増加の懸念があり、卵黄を使ったマヨネーズや乳化型ドレッシングは敬遠される傾向にあるので利便性に欠ける。
【0008】
本発明は上記の食物アレルギー問題、加工の過程で有効な栄養成分が消失の懸念、卵黄の使用はコレステロールを増加させる等の問題点に鑑みてなされたものであり、この諸問題を解消する為に大豆レシチンドレッシングを提供する事を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決する為に本発明は、玉葱・人参を裁断したものに食塩・香辛料を混合し、攪拌して野菜ペーストを得る。この野菜ペーストに食酢と植物性食用油脂とを混合して攪拌する。これに大豆を60度C以下の状態で圧搾して得た液状物から分離し、乾燥させて出来た粉末叉は顆粒状の大豆レシチンを混合して攪拌し、出来た乳化型の大豆レシチンドレッシングである。
【0010】
前記に記載のドレッシングに、更に適した状態のドレッシングを得るには、粉末叉は顆粒状のレシチンの配合割合が5〜30重量%使用して得た大豆レシチンドレッシングである。
【0011】
前記記載のドレッシングに、最適の状態のドレッシングを得るには、粉末叉は顆粒状のレシチンの配合割合が20〜30重量%使用して得た大豆レシチンレッシングである。
【0012】
前記大豆レシチンドレッシングの製造工程では野菜ペーストには野菜と共に食塩、香辛料を加えてから攪拌することが食塩、香辛料の溶解度を完全にする為に必要である。
【0013】
前記大豆レシチンドレッシングの製造工程では、粉末叉は、顆粒状大豆レシチンは、最後に加えて攪拌するのが最良の乳化状態のドレッシングが得られる。
【0014】
前記大豆レシチンドレッシングの製造工程では、リン脂質からなる粉末叉は顆粒状の大豆レシチンの加工過程での温度は、60度C以下が最適である。
【発明の効果】
【0015】
以上のように本発明のドレッシングは、大豆が持つ特性のリン脂質からなるレシチンを容易に体内に取り入れられる事によりレシチンの主成分である必須不飽和脂肪酸のコリン・イノシトールの働きで体内の新陳代謝が活発になり、動脈硬化・コレステロールの除去、脳細胞を活性化する働きがある。
【0016】
それに加えて、リン脂質は、体脂肪を乳化させるのでダイエット効果、叉保水効果により皮膚の老化防止にも役立つ機能性をもっている。
【0017】
したがって卵と大豆のアレルギーによるドレッシングの抵抗もなくなり、毎日の食事と共に安心して自然にレシチンを摂取する事ができる。
【0018】
全粒大豆粉と、粉末叉は顆粒状レシチンの大きな相違点は、全粒大豆粉は蛋白質が多く、レシチンはリン脂質に属するもので大豆から2%しか取れない希少なもので全粒大豆粉とは異質なものでアレルギーの恐れは無い。
【0019】
特開2005−192407に於いては加工過程に於いて釜煮やボイルでの加熱作業によりレシチン効果は期待できない。
【0020】
以上のように本発明のドレッシングは大豆その物のエキスであるレシチンを使用する事により非常に栄養価的に有効で、食と栄養摂取が同時に結びつく利便性の高い食品が出来た事に大きな意義が認められる。例えば高脂血症・高血圧・肥満・動脈硬化・糖尿病・肝臓病等の持病の人が病院の治療に加えて日常生活の中での改善が見込まれる。食物アレルギーから身を守り、消失する栄養成分を摂取出来、叉生活習慣病を防御するドレッシングとして、1品で3つの役目を果たせる利便性を持つドレッシングである。
【0021】
女性の立場でも有効な保水性で、肌の細胞の水分は増え新陳代謝の作用が促進され、食べる化粧品としても体内美容の利用が可能である。これらは、急激な社会の変化に伴う期待に充分に応え得る食品である。循環器疾患及び脳神経疾患及び高コレステロール等の疾患に対して、改善が期待できる有効な機能を持つ食品としてのドレッシングである。乳化型ドレッシングの形成には、高純度のレシチンの使用は不可欠の存在である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
上記の課題を解決する為本発明による大豆レシチンドレッシングは、玉葱・人参・レモン・食塩と香辛料が混合した野菜ペーストに食酢、食用植物性油脂、果実酢とを加える。最後に粉末叉は顆粒大豆レシチンを混合した乳化型の大豆レシチンドレッシングである。
【0023】
ドレッシングを作成する材料の中の食用植物油脂は、大豆油・綿実油・菜種油・コーン油・小麦胚芽油・米油・ひまわり油・パーム油・ヤシ油・サフラワー油・ごま油・及びオリーブオイル等がある。
【0024】
ドレッシングを作成する材料の中の食酢は果実や穀物を酢酸醗酵させた醸造酢と酢酸と醸造酢と水を加えた合成酢等があり具体例にはリンゴ酢・米酢・黒酢・梅酢・すだち酢・カボス酢・レモン酢・ワインビネガー等がある。
【0025】
ドレッシングを作成する材料の中、野菜ペーストの野菜は玉葱・人参・セロリ・レモン・トマト等がある。
【0026】
ドレッシングを作成する材料の中の香辛料はコショウ・ナッメグ・ウコン・ローリエ・シナモン・チリ・サフラン・パブリカ・ニンニク・八角・ロズマリー等が一般的である。
【0027】
本発明の大豆レシチンドレッシングの乳化には、リン脂質に分類される植物性の大豆レシチンで、リン脂質は調整粉乳にも使用されている。現在の食の諸問題では食品自体が持っている栄養素が加工過程や製造工程において失われ、中でも熱処理や化学処理によってほとんどの栄養素が失われている。健康志向の拡大に具え、もっと食品の持っている栄養素を効率よく体内に吸収させて、食生活の改善を目指して新しい形の食品としてのあり方を強調するものである。
【0028】
粉末・顆粒大豆レシチンは、大豆を60度C以下の状態で圧搾する加工により大豆油が採取される。この油の沈殿物を、精製して乾燥しカルシュウムを添加すると粉末状叉は顆粒状レシチンが採取される。これは全粒大豆粉や、乾燥豆乳粉や濃縮大豆蛋白や分離大豆蛋白などとは全く相違しており、形状だけでなく内容も相違している。あくまで栄養素のレシチンを主体にして抽出し加工したものである。大豆とレシチンの比率は2%である。
【0029】
大豆レシチンの特徴は親水性及び親油性の両性があり乳化力は大きい。この性質をドレッシングに使用するのは最適である。粉末、顆粒状レシチンは高純度で使用に便利である。
【実施例1】
【0030】
(表1)の配合で得たドレッシングは顆粒状レシチンの配合は10重量%であるが、出来上がりの濃度は滑らかである。キャベツ、レタスの生野菜やトマト・キウイのフルーツ類にかけて食する事ができる。
【表1】

【実施例2】
【0031】
(表2)の配合では顆粒状レシチンを11.36重量%にするとやや固めのマヨネーズ状のドレッシングが出来る。人参・ジャガイモ・インゲン・カリフラワー等の温野菜に、叉マカロニ・スパゲテイー等の麺類に絡ませて食することができる。但しレシチンの機能を損なわない為に温野菜や麺類は沸騰していない程度の低温の状態で調理する事が望ましい。
【表2】

【0032】
大豆レシチンドレッシングに使用したレシチンは商品名、オートリレシチン。名称、大豆リン脂質。形状、顆粒状。会社名、株式会社、生活工学研究所である。
【0033】
レシチンの量が5%以下では完全に乳化しないで分離状態になり30%以上では粘度が強くなり容器の口から出難くなり容器の選択が必要となる。
【産業上の利用可能性】
【0034】
上記本発明の効果は、大きく変化してゆく社会情勢に対応して、日々の生活のスピードアップに充分に対応できる便利な食品であると認識できる。使用する顆粒状レシチンが体内で活性化する為にはカルシュウムを必要とするため、必要なカルシユウムを添加されておりレシチンの乳化作用を利用すると共に高純度のレシチンとしての機能を持ち、ドレッシングと合体してサプリメントフーズとしての、利便性と、すぐれた機能を持つ食品の効果を発揮するものである。
【0035】
図1に従って大豆レシチンドレッシングの製造方法を説明する。別記の各材料を配合比率により、以下の手順でドレッシングを製造する。先ず野菜類を適宜に裁断し水と食塩を加え攪拌する。(S1)。次にコショウ・レモン・ワインビネガー等を入れて攪拌する。(S2)(S3)。食酢・オリーブオイル・果実酢を入れて攪拌(S4)。最後に粉末叉は顆粒状のレシチンを混入して攪拌。(S5)。充分な乳化状態を確認して完成される。(S6)。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】は本発明の実施形態であるドレッシングの製造方法を示す工程図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
玉葱、人参、食塩、香辛料を含む野菜ペーストと、食酢、植物性食用油脂と、大豆を60度以下の状態で圧搾して得た液状物から分離、乾燥して得た粉末叉は粒状の大豆レシチンとを含有している事を特徴とする大豆レシチンドレッシング。
【請求項2】
前記大豆レシチンの配合割合が5〜30重量%である請求項1記載の大豆レシチンドレッシング。
【請求項3】
前記大豆レシチンの配合割合が20〜30重量%である請求項2記載の大豆レシチンレッシング。
【請求項4】
玉葱、人参、食塩、香辛料を含む野菜ペーストに、野菜と共に食塩、香辛料を加えてから攪拌することを特徴とする大豆レシチンドレッシングの製造方法。
【請求項5】
前記野菜と共に食塩、香辛料を加えてから攪拌した後に、食酢、食用油脂を加えて攪拌後に、粉末叉は、顆粒状大豆レシチンを加えて、乳化状態になるまで攪拌することを特徴とする請求項4記載の大豆レシチンドレッシングの製造方法。
【請求項6】
粉末叉は顆粒状の大豆レシチンの、攪拌時の温度は60度C以下であることを特徴とする請求項5記載の大豆レシチンドレッシングの製造方法。

【図1】
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【公開番号】特開2010−41989(P2010−41989A)
【公開日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−233998(P2008−233998)
【出願日】平成20年8月15日(2008.8.15)
【特許番号】特許第4288685号(P4288685)
【特許公報発行日】平成21年7月1日(2009.7.1)
【出願人】(508275191)
【Fターム(参考)】