説明

天板付き家具

【課題】天板の左右両側を同期的に昇降させる天板付き家具において、天板にオプション部材等を取り付けるスペースを確保でき、かつ滑車部材及び同期用線部材の耐久性を向上させることができる天板付き家具を提供すること。
【解決手段】同期用ワイヤ部材14が、昇降杆6の下方位置に配置されて水平軸周りに回動する下部滑車部材13と、昇降杆6の上方位置に配置されて水平軸周りに回動する前後一対の上部滑車部材42と、に掛け渡されており、同期用ワイヤ部材14により両脚体3の伸縮動作を同期させるテーブル1において、上部滑車部材42から前後方向に離間した位置に配置される前後一対の案内滑車部材74が設けられ、各案内滑車部材74に、各同期用ワイヤ部材14が前後に分かれて掛け渡される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、天板を昇降させて高さ位置を変更できる天板付き家具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のオーバーベッドテーブル(天板付き家具)は、左右一対の支持体(固定脚柱)と、この支持体に沿って上下摺動可能な可動体(可動脚柱)と、により伸縮脚(脚体)を構成し、一方の伸縮脚にガススプリングを設けることで、天板の昇降の補助及び高さ位置の固定を行うようにし、かつ上側滑車(第2滑車部材)と下側滑車(第1滑車部材)とこれら滑車に掛け渡される線条体(同期用線部材)とにより同期手段を構成し、左右の可動体の昇降誤差を生じ難くして、天板の左右両側をバランスよく同期的に昇降させるようにしている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第2761706号公報(第3頁、第1図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のオーバーベッドテーブル(天板付き家具)において、天板の中央に配線ダクト等のオプション部材を取り付けたいという需要者の要望がある。しかしながら、同期手段の線条体(同期用線部材)が天板の前後中央を左右方向に掛け渡されるため、この線条体の配置状態が、オプション部材の取り付けの邪魔になってしまい、天板にオプション部材を取り付けられなくなるという問題があるばかりか、オプション部材の追加により天板の重量が増加してしまい、天板を昇降させる際に、線条体に加わる荷重が、上側滑車(第2滑車部材)と下側滑車(第1滑車部材)の2箇所に集中されるため、これら滑車と線条体が消耗し易くなってしまうという問題がある。
【0005】
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、天板の左右両側を同期的に昇降させる天板付き家具において、天板にオプション部材等を取り付けるスペースを確保でき、かつ滑車部材及び同期用線部材の耐久性を向上させることができる天板付き家具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、本発明の天板付き家具は、
天板の左右側部を支持する左右一対の脚体は、床面に設置される固定脚柱と、該固定脚柱に支持されて昇降可能となっている可動脚柱と、により上下方向に伸縮自在に構成され、該両脚体を伸縮させることにより前記天板を昇降させて高さ位置を変更でき、かつ可撓性を有する前後一対の同期用線部材の一端が一方の固定脚柱に固定されるとともに、該同期用線部材の他端が他方の固定脚柱に固定されており、該同期用線部材が、前記可動脚柱の下方位置に配置されて水平軸周りに回動する第1滑車部材と、前記可動脚柱の上方位置に配置されて水平軸周りに回動する前後一対の第2滑車部材と、に掛け渡されており、該同期用線部材により前記両脚体の伸縮動作を同期させる天板付き家具において、
前記第2滑車部材から前後方向に離間した位置に配置される前後一対の第3滑車部材が設けられ、該各第3滑車部材に、前記各同期用線部材が前後に分かれて掛け渡されることを特徴としている。
この特徴によれば、前後一対の第3滑車部材に掛け渡された各同期用線部材が、前後に離間されて配置され、天板の中央にオプション部材等を取り付けるスペースを確保することができ、かつ天板を昇降させる際に、同期用線部材に加わる荷重が、第1滑車部材、第2滑車部材、及び第3滑車部材の3箇所に分散されて加わり、各滑車部材に加わる荷重を低減させるとともに、同期用線部材も消耗し難くなり、各滑車部材及び同期用線部材の耐久性を向上させることができる。
【0007】
本発明の天板付き家具は、
前記可動脚柱の上部位置には、前後方向に延びて前記天板を支持する天板支持部が設けられ、該天板支持部の前後方向の略中央部に、前記一対の第2滑車部材が収納される中央収納部が上方に開口されて設けられ、該中央収納部から前後方向にそれぞれ離間した位置に、前記第3滑車部材が収納される離間収納部が上方に開口されて設けられており、前記第3滑車部材は、前記離間収納部に設けられる略垂直方向を向く軸周りに回動されることを特徴としている。
この特徴によれば、第2及び第3滑車部材を天板支持部の各収納部に上方から収納して取り付け易くなるばかりか、第2及び第3滑車部材を天板支持部内に収納した状態で、天板の下面を天板支持部の上面に取り付けることができ、天板付き家具の組立作業を効率よく行うことができ、かつ天板を昇降させる際に、第2滑車部材の動作と第3滑車部材の動作とが互いに影響を与えずに済むばかりか、略垂直方向を向く軸周りに第3滑車部材が回動されることにより、第2滑車部材から第3滑車部材に向かって前後方向の延びる同期用線部材の動作を、他方の脚体に向かって左右方向に速やかに切り換えることができ、各滑車部材の動作がスムーズに行われるようになる。
【0008】
本発明の天板付き家具は、
前記左右一対の可動脚柱は、前後一対の連結杆により連結されており、該連結杆同士の対向面に近接して前記同期用線部材が配置されることを特徴としている。
この特徴によれば、天板付き家具を前方側または後方側から見たときに、同期用線部材が連結杆に隠蔽されるとともに、天板の下方においてオプション部材まで延設される配線等の部材が同期用線部材と干渉しなくなり、かつ天板の下方において配線作業等を行うときも、同期用線部材が作業者に触れないように連結杆によって保護される。
【0009】
本発明の天板付き家具は、
前記脚体は、上下方向に伸縮されることで前記可動脚柱の昇降の補助及び高さ位置の固定を行うガススプリングを有し、該ガススプリングの作動部を作動させる作動部材及び該作動部材を操作する操作用線部材が、前記前後一対の第2滑車部材の間に配置されることを特徴としている。
この特徴によれば、作動部材及操作用線部材の動作が、前後の第2滑車部材及びこの第2滑車部材から前後に離間された同期用線部材の動作に影響を与えずに済むようになるばかりか、各部材を可動脚柱の上方位置にコンパクトに配置することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施例におけるテーブルを示す斜視図である。
【図2】テーブルを示す正面図である。
【図3】天板を省略した状態のテーブルを示す平面図である。
【図4】アームを示す平面図である。
【図5】アームを示す斜視図である。
【図6】プーリ及び押圧部材を枢支部材に取り付けた状態を示す斜視図である。
【図7】図3における右側のアーム及び脚体の内部構造を示すA−A断面図である。
【図8】図7における脚体及びアームの内部構造を示すB−B断面図である。
【図9】アームの内部構造を示す図7の部分拡大図である。
【図10】(a)は図9における部分拡大図であり、(b)は押圧部材がガススプリングを押圧する状態を示す縦断面図である。
【図11】(a)は操作部を示す平面図であり、(b)は操作レバーが前方側に引かれた状態を示す平面図である。
【図12】脚体の昇降動作を示す概念図である。
【図13】アームと枢支部材の変形例を示す縦断正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明に係る天板付き家具を実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。
【実施例】
【0012】
実施例に係る天板付き家具につき、図1から図13を参照して説明する。以下、図3の紙面下側をテーブルの正面側(前方側)とし、図7及び図9の紙面左側をテーブルの正面側(前方側)とし、図11の紙面右側をテーブルの正面側(前方側)として説明する。
【0013】
図1の符号1は、本発明の適用された天板付き家具としてのテーブルである。このテーブル1は、左右に長い1枚の天板2と、この天板2の左右側部を支持する左右一対の脚体3と、を有し、天板2を昇降させて、その高さ位置が変更できるようになっている。
【0014】
図2に示すように、脚体3には、前後に延設されて床面に設置されるベース脚4と、ベース脚4の中央から立設された支持杆5と、支持杆5に内嵌された昇降杆6と、が設けられている。支持杆5の上部は開口しており、昇降杆6は、支持杆5に対して昇降自在に内嵌している。
【0015】
また、脚体3の上部には、前後に延設される本発明における天板支持部としてのアーム7が設けられており、このアーム7は昇降杆6の上部に取り付けられている。尚、ベース脚4と支持杆5とにより本発明の固定脚柱が構成されており、昇降杆6とアーム7とにより本発明の可動脚柱が構成されている。
【0016】
図3及び図7に示すように、左右の各アーム7には、後述する同期用ワイヤ部材14(同期用線部材)が係合される2つの上部滑車部材42(第2滑車部材)が前後に配置されている。尚、これらの上部滑車部材42,42は、アーム7とは別体に設けられた枢支部材20に枢支されている。
【0017】
また、図4に示すように、アーム7は天板2の中央に向かって突出された前後一対の連結部7aを有し、この連結部7aに連結杆8が接続されている。これら前後に並設された2本の連結杆8により左右のアーム7は互いに連結されている。尚、この連結杆8は角柱をなし、左右の脚体3の間で略直線状に延設されている。更に、アーム7及び連結杆8の上部には、天板2が取り付けられており、後述するように、昇降杆6の昇降とともに天板2が昇降されるようになっている。
【0018】
図2及び図3に示すように、天板2の下面における中央部には、操作者が天板2を昇降させる際に、操作される操作部9が取り付けられている。この操作部9は、天板2の前端部近傍に配置されている。後述するように、操作者は、操作部9に設けられた操作レバー10を天板2から離れる方向に水平に移動させた状態を維持しつつ、天板2を持ち上げたり下げたりすることで、天板2の高さ位置を自在に変更できるようになっている。
【0019】
また、天板2の中央部には、オプション部材としての配線ダクト70が設けられている。この配線ダクト70には、電源タップ(図示略)やLAN用のHUB(図示略)を設置させることができ、天板2上でパソコン(図示略)を使用する際などに、この配線ダクト70を開放して電源タップ(図示略)やLAN用のHUB(図示略)に接続して使用することができる。
【0020】
次に、左右のアーム7について、図4及び図5を参照して説明する。左右のアーム7は略同一構成となっているため、図3中の右側のアーム7を例として図4及び図5を参照して説明する。
【0021】
図4に示すように、アーム7は、左右の側壁部71が湾曲して中央部の左右幅が大きく形成されている。アーム7の中央部には、上方向に開口する中央収納部72(嵌合凹部)が形成されており、この中央収納部72に枢支部材20が嵌合するようになっている(図7参照)。また、中央収納部72には、左右の側壁部71同士を連結する複数のリブ73が設けられており、このリブ73により中央収納部72の変形や歪み等を防止している。
【0022】
更に、リブ73には、脚体3内部に設けられたガススプリング12のピストンロッド16が下方から挿通されるロッド挿通孔73aと、後述する同期用ワイヤ部材14が挿通されるワイヤ挿通孔73bと、枢支部材20を取り付けるための取付孔73cと、が形成されている。
【0023】
また、中央収納部72の前後には、後述する同期用ワイヤ部材14が係合される案内滑車部材74(第3滑車部材)が収納される離間収納部75が形成されており、この離間収納部75は、上方に開口しており、案内滑車部材74の枢支軸74aが垂直方向を向くように配置される(図3参照)。
【0024】
アーム7に離間収納部75を形成し、離間収納部75に案内滑車部材74を設けることで、アーム7と案内滑車部材74とを、案内滑車部材74がセットされたユニットとして天板2と連結させることができるとともに、案内滑車部材74がアーム7の上面から上方に突出しないようにすることができる。
【0025】
尚、アーム7には、操作用ワイヤ部材22が配置される切欠部72aと、同期用ワイヤ部材14が配置される切欠部75aと、が形成されており、この切欠部72a,75aからアーム7の外部に導出された各ワイヤ部材14,22が天板2の下面側に配設される。
【0026】
次に、左右の脚体3の内部構造について説明する。各脚体3の構成は略同一構成となっているため、図3中の右側の脚体3を例として説明する。図7に示すように、昇降杆6の内部には、ベース脚4に固定された連結部材11が上方向に延設されている。更に、昇降杆6の内部には、上下方向に伸縮可能なガススプリング12が設けられている。尚、ガススプリング12は、その下端部がベース脚4に固着されるとともに、その上端部がアーム7の下面に固着されている。
【0027】
また、連結部材11とガススプリング12の間には、下部滑車部材13(第1滑車部材)及び同期用ワイヤ部材14が設けられている。下部滑車部材13は、水平方向を向く枢軸61を中心に回動されるとともに、下部滑車部材13は、昇降杆6とともに昇降可能になっている。
【0028】
次に、ガススプリング12について、図7及び図9を参照して説明する。図7に示すように、ガススプリング12は、ガスを封入させたシリンダ15と、シリンダ15内部に配置されてシリンダ15から出し入れされるピストンロッド16と、を有している。そして、ピストンロッド16が出し入れされてガススプリング12が上下方向に伸縮されることで、ガススプリング12の上下長が任意の長さで変更可能となっている。
【0029】
図9に示すように、ピストンロッド16は、ガススプリング12の上端部に設けられたプッシュロッド17(作動部)が押圧されることにより動作し、ガススプリング12の上下長を任意に変更できるようになっている。また、ピストンロッド16におけるアーム7よりも下方位置に取り付けられたナット18がアーム7の下面に固着されている。
【0030】
尚、ガススプリング12の上下長の変化とともに、昇降杆6が上下に昇降され、ガススプリング12の上下長の固定とともに、昇降杆6の高さ位置が固定されるようになっている。尚、プッシュロッド17が押圧されてピストンロッド16が伸縮可能な状態を伸縮状態とし、プッシュロッド17の押圧が解除されてピストンロッド16がロックされた状態を固定状態とする。
【0031】
次に、アーム7の中央収納部72に配置される枢支部材20について、図6を参照して説明する。図6に示すように、枢支部材20は上方が開口しており、テーブル1の内方に配置される側板部76と、テーブル1の外方に配置される側板部77と、が互いに対向して前後方向に延設されている。側板部76と側板部77の下面には底板部78が設けられ、枢支部材20は、断面視で略コ字状をなしている(図10(a)参照)。
【0032】
図6に示すように、側板部76と側板部77の間には、2つの上部滑車部材42が設けられ、これらの上部滑車部材42は、それぞれ水平方向を向く枢軸63を中心に回動し、前方側の上部滑車部材42と後方側の上部滑車部材42は、それぞれ独立して回動されるようになっている。
【0033】
また、枢支部材20の前部20aと後部20bには、それぞれアーム7に取り付けるための取付孔79が形成されている。そして、枢支部材20の後部20bの下面は、枢支部材20の前部20aの下面よりも低く形成されており、所定寸法Dの高低差が形成されている(図9参照)。
【0034】
更に、枢支部材20の取付孔79と、アーム7の中央収納部72に設けられたリブ73の取付孔73cと、を合わせて螺着することにより、枢支部材20とアーム7とが連結される(図9参照)。そして、枢支部材20の下面をリブ73の上端に接触させることにより、リブ73の変形や歪み等を防止することができる。
【0035】
図6に示すように、枢支部材20における側板部76には、その上部が切り欠かれた切欠部76aが形成されている。更に、側板部77の中央部は開口されている。尚、前後の上部滑車部材42は、前後に離間して設けられており、前後の上部滑車部材42の間には、本発明における作動部材としての押圧部材19が配置できるようになっている。
【0036】
このように、上部滑車部材42及び押圧部材19が取り付けられる枢支部材20を設けたことにより、アーム7に細かな設計を施す必要がなくなるので、設計コストを低減できる。また、枢支部材20が補強部材となって、中央収納部72の強度を高めることができる。
【0037】
次に、ガススプリング12のプッシュロッド17を押圧するための押圧部材19について図9及び図10を参照して説明する。アーム7の内部には、ガススプリング12のプッシュロッド17を押圧するための押圧部材19が設けられている。この押圧部材19は、側面視で略L字状をなし、押圧部材19の上端部には、操作用ワイヤ部材22が係合されるワイヤ係合部23が形成されており、枢支部材20の側板部76と側板部77との間に配置されている。
【0038】
また、押圧部材19の下部で水平方向を向く枢支軸21が設けられ、押圧部材19は、この枢支軸21を軸として揺動されるようになっている。更に、押圧部材19の下端部には、ガススプリング12のプッシュロッド17を押圧する押圧部24が形成されている。
【0039】
尚、押圧部材19の下端部は、側板部77の中央部から外側に延出し、枢支軸21は側板部77の外側で枢支されている。枢支部材20における後部20bが低く形成されているため、枢支軸21を後方側の上部滑車部材42の下方に設けることができるようになっており、押圧部材19の後端部に形成された押圧部24がガススプリング12の上方に位置し、押圧部材19の揺動によってプッシュロッド17を押圧できるようになっている。
【0040】
尚、前述したとおり、ガススプリング12のプッシュロッド17は、アーム7の中央収納部72に形成されたロッド挿通孔73aの下方から挿通され、中央収納部72内に延出されている(図9参照)。そして、枢支軸21の後端側に形成された押圧部24は、プッシュロッド17の上方に位置している。
【0041】
このように、上部滑車部材42は、枢支部材20における側板部76と側板部77の間、即ち枢支部材20における底板部78の上方に設けられるとともに、押圧部材19における押圧部24は、底板部78の下方に配置されている。そのため、上部滑車部材42と押圧部材19における押圧部24とが枢支部材20の底板部78を挟んで離間され、互いに干渉し合わないようになる。
【0042】
図10(a)に示すように、操作用ワイヤ部材22は、操作用ワイヤ25と樹脂製のチューブ部材26とを有し、操作用ワイヤ25は、チューブ部材26に挿通され、チューブ部材26内で延設方向に摺動可能になっている。そして、操作用ワイヤ部材22は、チューブ部材26の端部に形成された固定部27によってアーム7に固定されている。尚、押圧部材19は、左右のアーム7内にそれぞれ設けられており、操作用ワイヤ部材22は、各押圧部材19を互いに連結している(図3参照)。
【0043】
また、天板2の下面には、左右のアーム7の近傍、かつ前方側の連結杆8が当接する箇所に2つの凹部2aが形成されている(図3参照)。これらの凹部2aによって天板2と連結杆8の間には隙間ができるため、操作部9に向かって延設される操作用ワイヤ部材22が天板2と連結杆8の間の隙間を通れるようになっている。
【0044】
また、天板2の下面における操作部9の後方側には、操作用ワイヤ部材22が案内される案内部材80が螺着されている。案内部材80には、上方が開口して前後方向に延びる左右2つの案内溝80aが形成されており、右側の案内溝80aには、右側のアーム7から延びる操作用ワイヤ部材22が通されるとともに、左側の案内溝80aには、左側のアーム7から延びる操作用ワイヤ部材22が通されている。
【0045】
このように、アーム7から延びる操作用ワイヤ部材22は、天板2の下面に形成された凹部2aと、天板2の下面に取り付けられた案内部材80の案内溝80aと、を通されることにより、操作用ワイヤ部材22を天板2の前端部に延伸させ、天板2の中央部から離間した状態で左右方向に通すことができる。そのため、天板2の中央部に配線ダクト70を設けることができるようになっている。
【0046】
また、図10(a)に示すように、操作用ワイヤ25は、チューブ部材26の長さよりも長く設けられており、操作用ワイヤ部材22の端部は操作用ワイヤ25が露呈している。操作用ワイヤ25の先端は係合金具28で留められており、この係合金具28が押圧部材19のワイヤ係合部23に係合している。
【0047】
そして、図10(b)に示すように、操作用ワイヤ25が内方向に引っ張られると、押圧部材19が揺動して押圧部24が下降する。そして、ガススプリング12のプッシュロッド17が押圧され、ピストンロッド16が伸縮可能な伸縮状態となる。
【0048】
枢支部材20の側板部76には、切欠部76aが形成されているため、押圧部材19が揺動した場合にワイヤ係合部23が内方に移動して切欠部76aに入り込み、押圧部材19が枢支部材20とぶつからないようになっている。
【0049】
尚、ガススプリング12が伸縮状態になると、ガススプリング12内部のガスの付勢力によってピストンロッド16が上昇し、アーム7及び天板2が押し上げられるようになっており、重量のある天板2であっても操作者が天板2を容易に上昇できるようになっている。
【0050】
操作用ワイヤ25の引っ張り状態が解除されると、押圧部24がプッシュロッド17に押し上げられて押圧部材19が揺動して復帰される。そして、ピストンロッド16がロックされた固定状態となる。このようにして伸縮状態と固定状態を切り替えられるようになっている。尚、押圧部材19が復帰し易いように、枢支部材20の枢支軸21の部位にバネ等の付勢手段を設けてもよい。
【0051】
次に、天板2の前方側に設けられた操作部9について図11を参照して説明する。図11(a)に示すように、操作部9には、天板2に固定される固定部材29と、水平方向に移動可能な移動部材30と、が設けられている。また、移動部材30の前方側に操作者が移動部材30を移動させるための操作レバー10が設けられている。
【0052】
固定部材29は平面視で矩形状をなし、その四隅が天板2に螺着されている。固定部材29の後端部には、操作用ワイヤ部材22が保持される保持部31が左右に2つ形成されている。また、固定部材29の上方に組み合わされる移動部材30は、前部(紙面右側)の左右幅が後部(紙面左側)よりも小さく形成されている。
【0053】
更に、移動部材30の前部及び後部には、前後に延びる長孔32が2つずつ形成されている。長孔32の上方から挿通されたボルト33が固定部材29に固定されており、移動部材30が図11(a)に示す通常位置にある場合には、ボルト33は長孔32の前端部に位置している。
【0054】
また、移動部材30の後部には、略半円状をなすプーリ配置部34が形成されている。このプーリ配置部34には、操作用ワイヤ部材22の略中央部が係合するプーリ35が取り付けられている。このプーリ35は、移動部材30に取り付けられたプーリ枢支部材20とプーリ配置部34との間で垂直方向を向く枢軸62を中心に回動可能になっている。
【0055】
固定部材29の保持部31には、操作用ワイヤ部材22のチューブ部材26の端部に設けられた固定部40が保持されており、固定部40から露呈された操作用ワイヤ25がプーリ35に係合している。プーリ35の前方側の円周面に操作用ワイヤ部材22の略中央部の操作用ワイヤ25が摺動されるようになっている。
【0056】
また、操作用ワイヤ部材22におけるプーリ35に係合された部位の近傍が、保持部31により保持されることで、操作用ワイヤ25がプーリ35に掛け渡された状態が維持され、操作用ワイヤ25がプーリ35から離脱してしまうことを防止している。
【0057】
図11(b)に示すように、操作レバー10が前方向に引かれて移動部材30が前方位置に移動されると、操作用ワイヤ25はチューブ部材26内で摺動されて、プーリ35に係合された操作用ワイヤ25が前方向に牽引されるようになっている。
【0058】
また、図3に示すように、左右のアーム7内に設けられた押圧部材19は、操作用ワイヤ部材22によって連結されており、操作者が操作部9における操作レバー10を前方向に引くと、操作用ワイヤ25の左右端部が内方向に移動される。そして、左右の脚体3内部の押圧部材19が同時に動作し、ガススプリング12の伸縮状態と固定状態とが同時に切り換えられるようになっている(図10参照)。
【0059】
次に、左右の脚体3で同期して行われる昇降杆6の昇降動作について、図7から図9及び図12を参照して説明する。図7及び図8に示すように、昇降杆6の内部におけるガススプリング12と連結杆8との間に設けられた滑車部材13は、水平方向を向く枢軸61を中心に回動され、同期用ワイヤ部材14によって上下に移動可能になっている。
【0060】
アーム7の内部に取り付けられた枢支部材20には、前後に2つの上部滑車部材42が枢支されているとともに、前後の上部滑車部材42,42の間に押圧部材19が配置されており、押圧部材19が揺動されても、押圧部材19が上部滑車部材42にぶつからないようになっている(図9参照)。
【0061】
図7及び図8に示すように、下部側の下部滑車部材13に架けられた同期用ワイヤ部材14は、アーム7の中央収納部72におけるリブ73に形成されたワイヤ挿通孔73bに挿通されて上部側の上部滑車部材42,42に架け渡され、天板2の下方側を通り、他方の脚体3の下方側にも同様に架け渡されている。
【0062】
図9に示すように、同期用ワイヤ部材14における連結部材11の近傍の部位に連結金具45が設けられており、同期用ワイヤ部材14は、この連結金具45を介して連結部材11の上端部に連結されている。
【0063】
また、図7に示すように、連結部材11には、略中間部にストッパー46が設けられている。昇降杆6の下面には、ストッパー当接部材47が設けられており、このストッパー当接部材47がストッパー46に当接される位置で、昇降杆6の上昇が停止されるようになっている。
【0064】
更に、同期用ワイヤ部材14は、上部前方側の上部滑車部材42から下部側の下部滑車部材13を介して上部後方側の上部滑車部材42に向かってU字状に架け渡されている。右側のアーム7に取り付けられた枢支部材20に枢支された上部前方側の上部滑車部材42から延出する同期用ワイヤ部材14は、枢支部材20の前方側に設けられた離間収納部75に収納された案内滑車部材74に架け渡されている。
【0065】
そして、同期用ワイヤ部材14は、左側のアーム7に向かって延び、左側のアーム7における前方側の離間収納部75に収納された案内滑車部材74、左側のアーム7に取り付けられた枢支部材20に枢支された上部前方側の上部滑車部材42、の順に架け渡されている。右側のアーム7内の上部後方側の上部滑車部材42から延出する同期用ワイヤ部材14は前後逆の状態で同様に架け渡され、同期用ワイヤ部材14は一体に形成されている。
【0066】
このように、下部滑車部材13と上部滑車部材42と案内滑車部材74によって、天板2の下面側で2本の同期用ワイヤ部材14が天板2の中央部から前後に離間した状態で左右方向に通されるため、天板2の中央部に配線ダクト70を設けることができるようになっている(図3参照)。
【0067】
天板2が昇降される際の動きについて、図12の概念図を参照して説明する。前述したように、上部側の上部滑車部材42はアーム7に取り付けられた枢支部材20に枢支されており、下部側の下部滑車部材13は昇降杆6に枢支されており、アーム7と昇降杆6は連結されているため、下部滑車部材13と上部滑車部材42とは、いずれも昇降杆6とともに昇降されるようになっている。
【0068】
図12に示すように、上部側の上部滑車部材42のうち、一方の上部滑車部材42に架け渡されている同期用ワイヤ部材14を同期用ワイヤ部材14aとし、他方の上部滑車部材42に架け渡されている同期用ワイヤ部材14を同期用ワイヤ部材14bとして説明する。
【0069】
例えば、紙面右側の昇降杆6が上昇した場合には、右側の上部滑車部材42が上昇するが、同期用ワイヤ部材14aを連結金具45を介して連結金具11に固定されているため、右側の上部滑車部材42が引き上げられることにより、同期用ワイヤ部材14aによって、左側の下部滑車部材13が連動して右側の上部滑車部材42の移動距離と同じ距離だけ上昇する。
【0070】
同様に、紙面左側の昇降杆6が上昇した場合には、左側の上部滑車部材42が上昇するが、同期用ワイヤ部材14bは連結金具45を介して連結金具11に固定されているため、左側の上部滑車部材42が引き上げられることにより、同期用ワイヤ部材14bによって、右側の下部滑車部材13が連動して左側の上部滑車部材42の移動距離と同じ距離だけ上昇する。
【0071】
このように、同期用ワイヤ部材14aによる作用と同期用ワイヤ部材14bによる作用が同時に働いて相互に及ぼしあうため、左右の昇降杆6,6のいずれか一方のみが先行して上昇することがない。即ち、左右の昇降杆6,6が確実に同期して上昇するようになっている。
【0072】
更に、左右の昇降杆6,6が降下する場合においても、左側の昇降杆6と右側の昇降杆6が同時に同じ移動距離だけ連動して降下するように作用する。このようにして、左右の昇降杆6,6の伸縮を同期させるため、左右の昇降杆6,6及び天板2を一体的に昇降させることができる。
【0073】
即ち、両方の脚体3の伸縮動作が同期されるため、天板2の高さ位置を変更する際に、天板2の左右で高さがずれることなく、天板2の水平状態が維持されて昇降されるようになる。
【0074】
尚、図7及び図8に示すように、昇降杆6の外面には、複数のガイドローラー52が取り付けられており、このガイドローラー52が支持杆5に摺接されている。昇降杆6が上下昇降される際に、これらのガイドローラー52が支持杆5に摺接して回動することで、昇降杆の上下昇降動作がスムーズに行われるようになっている。
【0075】
次に、操作者が操作部9を操作して天板2を昇降させる動作全体について説明する。操作者が操作部9の操作レバー10を前方に引いて移動部材30が前方位置に移動されると、プーリ35に係合する操作用ワイヤ25の略中央部が前方に移動され(図11(b)参照)、操作用ワイヤ部材22の両端が均等に移動される。
【0076】
操作用ワイヤ部材22の端部の操作用ワイヤ25が係合する左右の押圧部材19,19が揺動され、押圧部24が下降してガススプリング12のプッシュロッド17が同時に押圧される(図10(b)参照)。そして、左右のガススプリング12,12が同時に伸縮状態となり、天板2が昇降可能になる。
【0077】
このように、左右のガススプリング12,12が同時に伸縮状態に切り換えられるため、いずれか一方のガススプリング12の切り換えが先に生じて、ガススプリング12,12の付勢力の不均衡により天板2が傾いてしまうことを防止できるようになっている。
【0078】
操作者が天板2を上昇させる際には、ガススプリング12が伸縮状態のまま、即ち操作レバー10を引いたまま、天板2を上方に押し上げることで天板2が上昇される。このとき、ガススプリング12の内部のガスによってピストンロッド16には、上方に向かう力が働くため、重量を有する天板2であっても容易に昇降できる。
【0079】
また、下部滑車部材13と、上部滑車部材42、案内滑車部材74及び同期用ワイヤ部材14によって、天板2の高さ位置が左右でずれないようになっている。更に、操作部9が天板2の略中央部に設けられているため、操作者が天板2に加える力が左右脚体3,3に対して均等に加わるようになっている。
【0080】
天板2が任意の位置に移動され、操作者が操作レバー10から手を離して移動部材30が通常位置に戻されると、プーリ35に係合する操作用ワイヤ25の略中央部が後方に移動され、操作用ワイヤ部材22の端部が均等に外方向に移動される。
【0081】
更に、操作用ワイヤ部材22の端部の操作用ワイヤ25が係合する左右の押圧部材19,19が揺動し、押圧部24が上昇してガススプリング12のプッシュロッド17の押圧が同時に解除される。そして、左右のガススプリング12,12が同時に固定状態となり、天板2の位置が固定される。
【0082】
操作者が天板2を降下させる際には、ガススプリング12が伸縮状態のまま、即ち操作レバー10を引いたまま、天板2を下方に押し下げることで天板2が降下される。天板2が任意の位置に移動され、操作者が操作レバー10から手を離して移動部材30が通常位置に戻されると、プーリ35に係合する操作用ワイヤ25が後方に移動され、操作用ワイヤ部材22の端部が同時に外方向に移動される。
【0083】
左右の押圧部材19,19が同時に揺動して押圧部24が上昇し、ガススプリング12のプッシュロッド17の押圧が同時に解除される。そして、左右のガススプリング12,12が同時に固定状態となり、天板2の位置が固定される。
【0084】
次に、アーム7及び枢支部材20の変形例として、図13を参照して説明する。図13は、図9においてC−C断面に対応する縦断正面図である。図13に示すように、アーム7’の中央収納部72における左右の側壁部71には、L字状をなす突起部81,81が形成されている。また、上部滑車部材42が配置される枢支部材20’は、断面視でコ字状をなし、左右の上端は外側に折り返されて溝部82が形成されている。
【0085】
枢支部材20’をアーム7’に取り付ける際には、枢支部材20’の下面がアーム7’の下面に当接して螺着されるとともに、枢支部材20’における左右の溝部82,82とアーム7’の突起部81,81とが係合する。そのため中央収納部72を補強することができ、左右の側壁部71同士が互いに離間される方向、すなわち中央収納部72が左右方向に広がる方向に中央収納部72が変形したり歪んだりすることを防止でき、枢支部材20’が補強部材となってアーム7全体の変形や歪み等を防止できる。
【0086】
以上、本実施例におけるテーブル1では、天板2の左右側部を支持する左右一対の脚体3は、床面に設置される支持杆5と、この支持杆5に支持されて昇降可能となっている昇降杆6と、により上下方向に伸縮自在に構成され、両脚体3を伸縮させることにより天板2を昇降させて高さ位置を変更でき、かつ可撓性を有する前後一対の同期用ワイヤ部材14の一端が一方の支持杆5に固定されるとともに、同期用ワイヤ部材14の他端が他方の支持杆5に固定されており、同期用ワイヤ部材14が、昇降杆6の下方位置に配置されて水平軸周りに回動する下部滑車部材13と、昇降杆6の上方位置に配置されて水平軸周りに回動する前後一対の上部滑車部材42と、に掛け渡されており、同期用ワイヤ部材14により両脚体3の伸縮動作を同期させるテーブル1において、上部滑車部材42から前後方向に離間した位置に配置される前後一対の案内滑車部材74が設けられ、各案内滑車部材74に、各同期用ワイヤ部材14が前後に分かれて掛け渡されることで、前後一対の案内滑車部材74に掛け渡された各同期用ワイヤ部材14が、前後に離間されて配置され、天板2の中央に配線ダクト70を取り付けるスペースを確保することができ、かつ天板2を昇降させる際に、同期用ワイヤ部材14に加わる荷重が、下部滑車部材13、上部滑車部材42、及び案内滑車部材74の3箇所に分散されて加わり、各滑車部材13,42,74に加わる荷重を低減させるとともに、同期用ワイヤ部材14も消耗し難くなり、各滑車部材13,42,74及び同期用ワイヤ部材14の耐久性を向上させることができる。
【0087】
また、昇降杆6の上部位置には、前後方向に延びて天板2を支持するアーム7が設けられ、このアーム7の前後方向の略中央部に、前記一対の上部滑車部材42が収納される中央収納部72が上方に開口されて設けられ、この中央収納部72から前後方向にそれぞれ離間した位置に、案内滑車部材74が収納される離間収納部75が上方に開口されて設けられており、案内滑車部材74は、離間収納部75に設けられる略垂直方向を向く軸周りに回動されることで、上部滑車部材42及び案内滑車部材72をアーム7の各収納部72,75に上方から収納して取り付け易くなるばかりか、上部滑車部材42及び案内滑車部材72をアーム7内に収納した状態で、天板2の下面をアーム7の上面に取り付けることができ、テーブル1の組立作業を効率よく行うことができ、かつ天板2を昇降させる際に、上部滑車部材42の動作と案内滑車部材72の動作とが互いに影響を与えずに済むばかりか、略垂直方向を向く軸周りに案内滑車部材74が回動されることにより、上部滑車部材42から案内滑車部材74に向かって前後方向の延びる同期用ワイヤ部材14の動作を、他方の脚体3に向かって左右方向に速やかに切り換えることができ、各滑車部材42,74の動作がスムーズに行われるようになる。
【0088】
また、左右一対の昇降杆6は、前後一対の連結杆8により連結されており、連結杆8同士の対向面に近接して同期用ワイヤ部材14が配置されることで、テーブル1を前方側または後方側から見たときに、同期用ワイヤ部材14が連結杆8に隠蔽されるとともに、天板2の下方において配線ダクト70まで延設される配線等の部材が同期用ワイヤ部材14と干渉しなくなり、かつ天板2の下方において配線作業等を行うときも、同期用ワイヤ部材14が作業者に触れないように連結杆8によって保護される。
【0089】
また、脚体3は、上下方向に伸縮されることで昇降杆6の昇降の補助及び高さ位置の固定を行うガススプリング12を有し、このガススプリング12のプッシュロッド17(を作動させる押圧部材19及びこの押圧部材19を操作する操作用ワイヤ部材22が、前後一対の上部滑車部材42の間に配置されることで、押圧部材19及操作用ワイヤ部材22の動作が、前後の上部滑車部材42及びこの上部滑車部材42から前後に離間された同期用ワイヤ部材14の動作に影響を与えずに済むようになるばかりか、各部材をアーム7にコンパクトに配置することができる。
【0090】
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0091】
例えば、前記実施例では、操作部9をテーブル1の前方側に設けているが、後方側にも同様に設けてもよい。これにより、操作者は、テーブル1の前後どちら側からでも天板2の昇降動作ができるようになる。
【0092】
また、前記実施例では、案内滑車部材74が垂直方向を向く枢支軸74aに枢支されているが、案内滑車部材74の枢支軸74aは垂直方向を向く必要はなく、例えば、案内滑車部材74を上部滑車部材42よりも低い位置に設け、同期用ワイヤ部材14を上部滑車部材42から案内滑車部材74に向かって斜めに傾けた状態で延設し、枢支軸74aを天板2の下面等の水平面に対して傾斜された状態、若しくは、枢支軸74aを天板2の下面等の水平面に対して略平行に配置した状態にして、この枢支軸74aに案内滑車部材74が枢支されるようにしてもよい。このように案内滑車部材74を上部滑車部材42よりも低い位置に設けると、案内滑車部材74と同期用ワイヤ部材14との接触面積が増えるようになる。更に、枢支軸74aを天板2の下面等の水平面に対して略平行に配置した状態では、平面視において、枢支軸74aを同期用ワイヤ部材14が張設される方向に傾斜、即ち枢支軸74aが天板2の対角線を向く方向に配置した状態としてもよい。
【符号の説明】
【0093】
1 テーブル(天板付き家具)
2 天板
3 脚体
4 ベース脚(固定脚柱)
5 支持杆(固定脚柱)
6 昇降杆(可動脚柱)
7 アーム(可動脚柱)
8 連結杆
12 ガススプリング
13 下部滑車部材(第1滑車部材)
14 同期用ワイヤ部材(同期用線部材)
17 プッシュロッド(作動部)
19 押圧部材(作動部材)
20 枢支部材
42 上部滑車部材(第2滑車部材)
70 配線ダクト(オプション部材)
71 側壁部
72 中央収納部(嵌合凹部)
73b ワイヤ挿通孔
74 案内滑車部材(第3滑車部材)
75 離間収納部
76 側板部
77 側板部
78 底板部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
天板の左右側部を支持する左右一対の脚体は、床面に設置される固定脚柱と、該固定脚柱に支持されて昇降可能となっている可動脚柱と、により上下方向に伸縮自在に構成され、該両脚体を伸縮させることにより前記天板を昇降させて高さ位置を変更でき、かつ可撓性を有する前後一対の同期用線部材の一端が一方の固定脚柱に固定されるとともに、該同期用線部材の他端が他方の固定脚柱に固定されており、該同期用線部材が、前記可動脚柱の下方位置に配置されて水平軸周りに回動する第1滑車部材と、前記可動脚柱の上方位置に配置されて水平軸周りに回動する前後一対の第2滑車部材と、に掛け渡されており、該同期用線部材により前記両脚体の伸縮動作を同期させる天板付き家具において、
前記第2滑車部材から前後方向に離間した位置に配置される前後一対の第3滑車部材が設けられ、該各第3滑車部材に、前記各同期用線部材が前後に分かれて掛け渡されることを特徴とする天板付き家具。
【請求項2】
前記可動脚柱の上部位置には、前後方向に延びて前記天板を支持する天板支持部が設けられ、該天板支持部の前後方向の略中央部に、前記一対の第2滑車部材が収納される中央収納部が上方に開口されて設けられ、該中央収納部から前後方向にそれぞれ離間した位置に、前記第3滑車部材が収納される離間収納部が上方に開口されて設けられており、前記第3滑車部材は、前記離間収納部に設けられる略垂直方向を向く軸周りに回動されることを特徴とする請求項1に記載の天板付き家具。
【請求項3】
前記左右一対の可動脚柱は、前後一対の連結杆により連結されており、該連結杆同士の対向面に近接して前記同期用線部材が配置されることを特徴とする請求項1または2に記載の天板付き家具。
【請求項4】
前記脚体は、上下方向に伸縮されることで前記可動脚柱の昇降の補助及び高さ位置の固定を行うガススプリングを有し、該ガススプリングの作動部を作動させる作動部材及び該作動部材を操作する操作用線部材が、前記前後一対の第2滑車部材の間に配置されることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の天板付き家具。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate


【公開番号】特開2011−212076(P2011−212076A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−80730(P2010−80730)
【出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【出願人】(000000561)株式会社岡村製作所 (1,415)
【Fターム(参考)】