説明

天然ガスを液化するためのプラント及び方法

天然ガスを液化するためのプラント及び方法。このプラントは共通の予冷熱交換装置(1)と、2つの天然ガス液抽出装置(100、100’)と、その対応する天然ガス液抽出装置からのオーバーヘッド軽質フラクションを冷却して液化する2つの主熱交換器(200、200’)とを備える。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は天然ガスを液化するためのプラント及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
米国特許第6,389,844号は天然ガスを液化するためのプラント及び方法を開示する。米国特許第6,389,844号によるプラントは、1つの共通の予冷サイクルと、それに続いて同時に稼働する並列配置の2つの主液化サイクルとを含み、プラントを通って流れる天然ガスが液化され過冷される。予冷サイクルが2つの主液化サイクルに対して働くので、天然ガスを予冷できる程度が通常は低減される。
【0003】
液化天然ガスの別の生産用プラントがUS2005/0005635に記載されている。
【特許文献1】米国特許第6,389,844号
【特許文献2】米国特許出願公開第2005/0005635号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特に発熱量に関して、液化天然ガスの様々な規格が種々の市場で要求される。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この要求を満たすため、本発明による天然ガスを液化するためのプラントは、
- 予冷熱交換装置において天然ガスから熱を取り去るための1つの予冷冷媒回路を有すると共に、天然ガスの入口と予冷された天然ガスの出口とを備えた予冷熱交換装置と;
- 天然ガス流を少なくとも第1の天然ガス副流と第2の天然ガス副流とに分割するための分配器と;
- 少なくとも2つの天然ガス液抽出装置であって、その各々が前記天然ガス副流の一つを受け入れるよう構成された抽出装置入口を有すると共に、重質フラクション出口とオーバーヘッド軽質フラクション出口とを備える前記天然ガス液抽出装置と;
- 少なくとも2つの主低温システムであって、該主低温システムの各々が第1の高温側を備えた主熱交換器を含み、前記第1の高温側が前記天然ガス液抽出装置の少なくとも1つにおける前記オーバーヘッド軽質フラクション出口に連結された1つの入口と液化天然ガスの出口とを有し、前記主低温システムの各々が、対応する前記主熱交換器の前記第1の高温側を流れる天然ガスから熱を取り去るための主冷媒回路を備える、前記少なくとも2つの主低温システムと;
を備える。
【0006】
本発明による天然ガス流を液化する方法は、
- 熱交換装置において天然ガス流を、1つの予冷冷媒回路中を循環している予冷冷媒に対して予冷する工程;
- 前記天然ガス流を少なくとも第1の天然ガス副流と第2の天然ガス副流とに分割する工程;
- 前記第1の天然ガス副流及び前記第2の天然ガス副流の各々を液体の重質フラクションと蒸気質のオーバーヘッド軽質フラクションとの同時に分離する工程;
- 少なくとも2つの主低温システムにおける主冷媒に対して前記蒸気質のオーバーヘッド軽質フラクションを更に冷却して十分に凝縮させ、各々の主低温システムにおいては前記主冷媒を主冷媒回路にて循環させる工程;及び
- 液化天然ガス流を引き出す工程;
からなる。
【0007】
さて、予冷冷媒回路は2つの主冷媒回路のために働くが、各々の主冷媒回路に対してはそれ自身の天然ガス液抽出装置が働く。このようにして液化能力は天然ガス液抽出の能力によって限定されない。
【0008】
驚いたことに、予冷又は予冷熱交換装置の下流での天然ガス液抽出が可能である一方、天然ガスの流量がより大きいことに起因して予冷温度は予冷の後に1つの主冷媒サイクルを有する1つの主熱交換器が続いている場合よりも低いことを見いだした。
【0009】
本発明の別の利点は、より大きな流量を受け入れるために天然ガス抽出装置の規模を拡大する必要がないことである。天然ガスの処理量が大きいと、高圧分離塔の建設及び輸送の可能性の限界に達することが分かった。この問題は、並列に配置し同時に稼働するより小さい2つの塔を設けることによって回避される。2個以上の相対的に小さい天然ガス液抽出装置を並列で設ける追加の資本経費(CAPEX)は、天然ガスの全流量を取り扱うよう適応した1つの大型の天然ガス液抽出装置の資本経費よりも少ないこと予想され得る。
【0010】
本発明は、主熱交換器の各々が蒸気質のオーバーヘッド軽質フラクションをもっぱら天然ガス液抽出装置の一つだけから受け入れるような第1群の態様だけでなく、主熱交換器の各々が蒸気質のオーバーヘッド軽質フラクションの一部を2個以上の天然ガス液抽出装置から受け入れるような第2群の態様をも含む。
【0011】
第1群の態様の利点は、設備の構成が比較的単純なことである。第2群の態様の利点は、例えばそれぞれの蒸気質のオーバーヘッド軽質フラクションの組成又は温度の小さな変動の形で起こり得る不均衡配分が無くせることである。
【0012】
天然ガス流を少なくとも第1及び第2の天然ガス副流に分割するための分配器を、予冷熱交換装置の下流又は上流に配置できる。これにより、第1及び第2の副流への天然ガス流の分割を、予冷の前又は後に行なうことができる。
【0013】
予冷熱交換装置が直列に配列された2個以上の熱交換器からなるか、又は予冷が2個以上の直列段において実行される場合には、分配器を予冷熱交換装置の2つの熱交換器の間に配置して天然ガス流を連続的な予冷段の間で分割することができる。
【0014】
最終の予冷段の上流にて天然ガス流を2つの副流に分割する利点は、予冷により部分的に凝縮する前に天然ガス流を第1及び第2の天然ガス副流に分割できるので、不均衡配分の可能性を小さくできることである。この利点はまた、2個以上の天然ガス液抽出装置を用いることなく、液体重質フラクションに分離することなく、特許請求の範囲に記載の天然ガスを液化するためのプラント及び方法において達成される。
以下、例として添付図面を参照して本発明を詳しく説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
図1a及び1bを参照する。本発明による天然ガスの液化プラントは、1つの天然ガス予冷熱交換装置1と、分配器4と、2つの主低温システム200及び200’と、2つの天然ガス液抽出装置100及び100’とを備える。予冷熱交換装置は天然ガスの入口管路90と予冷した天然ガスの出口管路19とを有する。分配器4は出口管路19に連結され、2個以上の出口27、27’を有する。
【0016】
天然ガス液抽出装置100、100’の各々は管路27又は27’に連結され、重質フラクションを放出するための放出管路108、108’と、オーバーヘッド軽質フラクションを放出するための放出管路127、127’とを有する。重質フラクションはC+成分などのより重質な成分に富んだ天然ガス液を含み、オーバーヘッド軽質フラクションはこれらのより重質な成分からデリッチ(derich)されてより希薄な混合物を含み、液化されるべきものである。
【0017】
主低温システム200、200’の各々は液化天然ガスを放出するための放出管路95、95’に連結される。
【0018】
図1aでは、主低温システム200、200’の各々がもっぱら天然ガス液抽出装置100、100’の一方にだけ連結されている一般的な態様が示されている。図1bでは、天然ガス液抽出装置100及び100’から夫々の管路127及び127’に出た生成物流が合流して第2の分配箱44において再分配される一般的な態様が示されている。この態様では、このようにして主低温システム200及び200’の各々が両方の天然ガス液抽出装置100及び100’からの蒸気質のオーバーヘッド軽質フラクションの一部を受け入れる。
【0019】
次に、図2に示される更に詳細な態様を参照すると、天然ガス予冷熱交換装置1は1個の予冷熱交換器2から構成できるが、好ましくは、直列に及び/又は並列に配置された2個以上の熱交換器の組から成り、その場合、予冷冷媒は1つ以上の圧力レベルにて蒸発できる。簡単のため、以下では予冷熱交換装置1を1個の予冷熱交換器2の形式で表す。
【0020】
天然ガス予冷熱交換器2は、天然ガスの入口13と予冷した天然ガスの出口14とを有する管12の形式で概略的に示された高温側を有する。管12は天然ガス予冷熱交換器2の低温側15(シェル側15ともいう)内に配置される。
【0021】
一般に本発明のプラントは予冷冷媒回路3も備える。予冷冷媒回路3は入口33と出口34とを有する予冷冷媒コンプレッサー31を備える。出口34は導管35によって冷却器36に連結され、この冷却器36は空気冷却器又は水冷装置とし得る。導管35は膨張装置(ここではスロットル38の形式で設けられている)を介して天然ガス予冷熱交換器2の低温側15の入口39まで延びている。低温側15の出口40は戻り導管41によって予冷冷媒コンプレッサー31の入口33に連結される。
【0022】
好ましくは、予冷冷媒回路は、2段又は3段又は4段にて天然ガス流を予冷するために4つの圧力レベルを有する。予冷冷媒構成は、参考のためここに組み入れた米国特許第6,637,238号に従って設けることができる。
【0023】
分配器4は、予冷した天然ガスを受け入れるために、導管19により出口14に連結された入口18を備えると共に、2つの出口22及び23を備える。
【0024】
ここに図示してはいないが別法として、分配器4を最終の予冷段の上流に設け、2つの出口22及び23を最終予冷段における2つの並列の高温側の入口に連結することができ、それによりこれらの並列の高温側を通って流れる流れが予冷冷媒回路内の予冷冷媒に対して熱交換できる。
【0025】
主低温システム200、200’の各々は主熱交換器5、5’と主冷媒回路9、9’とを含む。主熱交換器5、5’の各々は1つの入口26、26’を有する第1の高温側25、25’を備える。第1の高温側25の入口26は、導管27及び127によって天然ガス液抽出装置100を介して分配器4の出口22に連結され、第1の高温側25’の入口26’は、導管27’及び127’によって天然ガス液抽出装置100’を介して出口23に連結される。第1の高温側25、25’の各々は主熱交換器5、5’の上部に液化天然ガスの出口28、28’を有する。第1の高温側25、25’は主熱交換器5、5’の低温側29、29’に配置され、この低温側29、29’は出口30、30’を有する。
【0026】
主熱交換器5及び5’は各々が液化冷媒回路9及び9’にそれぞれ連結されている。液化冷媒回路9、9’の各々は、入口51、51’と出口52、52’とを有する液化冷媒コンプレッサー50、50’を備える。入口51、51’は戻り導管53、53’によって主熱交換器5、5’の低温側29、29’の出口30、30’に連結される。出口52、52’は導管54、54’によって冷却器56、56’(空気冷却器又は水冷装置とし得る)に連結され、それから冷媒熱交換器58、58’の高温側57、57’に連結され分離器60、60’に達する。各分離器60は液体用の出口61、61’をその下端部に備え、ガス用の出口62、62’をその上端部に備える。
【0027】
冷媒熱交換器58、58’の各々は、補助冷媒を取り入れると共に使用済みの補助冷媒を放出できるように、入口139、139’及び出口140、140’を有する低温側85、85’を含む。低温側85は補助冷媒サイクル中に含まれるが、これには多くの選択肢が可能であり、そのいくつかを下記に示す。
【0028】
1つの選択肢は、参考としてここに組み入れた上記米国特許第6,389,844号に記載のように、補助冷媒サイクルが並列サイクルとして与えられ、予冷冷媒コンプレッサー31と冷却器36を利用し、それにより入口139、139’がスロットルなどの膨張装置を介して管路37に連結され、出口140、140’が管路41に連結されるというのもである。別の選択肢では、参考のためここに組み入れた上記米国特許出願公開第2005/0005635号に記載のような別の補助冷媒回路を設け、冷媒熱交換器58、58’の各々に並列に供給するために1つの補助冷媒コンプレッサーを用いるか、又は各冷媒熱交換器58、58’に専用の補助冷媒コンプレッサーを用いる。さらに別の選択肢として、本明細書において既に組み入れた米国特許第6,389,844号の図2及び3を参照すると、図2に示された天然ガス予冷熱交換器2と冷媒熱交換器58及び58’とが統合された1つの熱交換器に組み込まれ、高温側57及び57’が予冷熱交換装置1の予冷熱交換器2の1つ以上において追加の暖かい管束の形式にて与えられる。
【0029】
統合された予冷熱交換装置は、参考のため既に組み入れた米国特許第6,389,844号の図3に具体的に記載のように、1段の代わりに、2段又は3段以上を直列に含んでもよい。
【0030】
液化冷媒回路9、9’の各々は、出口61、61’から第2の高温側67、67’の入口に延びる第1の導管65、65’と(第2の高温側67、67’は主熱交換器5、5’の中間地点まで延びている)、導管69、69’と、膨張装置70、70’と、注入ノズル73、73’とを更に含む。
【0031】
液化冷媒回路9、9’の各々は、出口62、62’から第3の高温側77、77’の入口に延びる第2の導管75、75‘と(第3の高温側77、77’は主熱交換器5、5’の上部まで延びている)、導管79、79’と、膨張装置80、80’と、注入ノズル83、83’とを更に含む。
【0032】
これら2つの天然ガス液抽出装置100及び100’は各々、蒸留塔105及び105’をそれぞれ備える。蒸留塔105、105’には蒸留塔入口107、107’が設けられ、本態様では蒸留塔入口107、107’は同時に、分配器4に連結された抽出装置入口でもある。具体的には、蒸留塔入口107は導管27を介して分配器4の出口22に連結され、蒸留塔入口107’は導管27’を介して出口23に連結される。抽出装置出口はそれぞれ管路127及び127’の形式にて設けられる。
【0033】
蒸留塔105、105’は、対応する管路27、27’中の予冷された天然ガス流から分離された液体を(管路108、108’に)放出するための重質フラクション出口109、109’と、対応する管路27、27’中の予冷された天然ガス流から分離された蒸気を放出するための軽質フラクションオーバーヘッド出口111、111’とを更に備える。
【0034】
並列で重質フラクションに作用するか又は組み合わされて重質フラクションに作用する分別装置(図示せず)を、重質フラクション出口109、109’に連結することもできる。
【0035】
図2に示される蒸留塔105、105’は精留セクションのみを備える。本発明では必要とされないが、蒸留塔はまた、該蒸留塔の底部の温度を引き上げるためにリボイラーを付加することによって精留及びストリッピングセクションを備えることもできる。また、必要なら吸収セクションを蒸留塔内に設けることもできる。蒸留塔はスクラバー塔としてもよい。
【0036】
天然ガス液抽出装置100、100’はオーバーヘッド熱交換器装置113、113’、還流ドラムの形式のオーバーヘッド分離器117、117’、及び還流ポンプ119、119’を更に備える。還流ドラム117、117’は液体還流出口121、121’及び蒸気出口123、123’を備える。
【0037】
軽質フラクションオーバーヘッド出口111、111’はオーバーヘッド熱交換器装置113、113’の高温側116、116’に連結され、オーバーヘッド熱交換器装置113、113’の低温側112、112’は冷温流115、115’にさらすことができる。オーバーヘッド熱交換器113、113’の高温側出口は還流ドラム117、117’に連結される。液体還流出口121、121’は還流ポンプ119、119’の吸引側に連結され、還流ポンプ119、119’の圧力側は対応する蒸留塔105、105’に設けられた還流入口125、125’に連結される。蒸気出口123、123’は管路127、127’に連結される。
【0038】
好ましくは、主冷媒回路9及び9’は互いに同一であり、主熱交換器5及び5’並びに天然ガス液抽出装置100及び100’も互いに同一である。
【0039】
通常運転中は、天然ガスが導管90を通って天然ガス予冷熱交換器2の高温側14の入口13から予冷熱交換装置1に供給される。通常、天然ガスは天然ガスの組成に依存して予冷熱交換装置1において部分的に凝縮される。
【0040】
予冷冷媒は天然ガス予冷熱交換器2の低温側15の出口40から取り出され、予冷冷媒コンプレッサー31にて高圧に圧縮され、凝縮器36で凝縮され、膨張装置38で膨張して低圧にすることができる。低温側15では、膨張した予冷冷媒は低圧で蒸発でき、このようにして熱が天然ガスから取り出される。
【0041】
予冷され高温側14から取り出された天然ガスは導管19を通って分配器4に送られ、少なくとも第1及び第2の予冷された天然ガス副流に分割される。
【0042】
導管27及び27’を通過する天然ガスの量は互いに等しいのが好ましい。導管27及び27’を通って、第1及び第2の予冷された天然ガス流がそれぞれ天然ガス液抽出装置100及び100’の入口107及び107’に供給される。ここで、第1及び第2の予冷された天然ガス副流の各々がその夫々の蒸留塔105及び105’に送られる。蒸留塔105及び105’では、一般には蒸留又はスクラビングによって、対応する副流の凝縮された部分を含んだ重質フラクションと、蒸気質のオーバーヘッド軽質フラクションとに同時に分離される。
【0043】
蒸留塔内の温度に依存して、蒸気質のオーバーヘッド軽質フラクションは、プロパンを含めてC+成分からデリッチされ、主にメタンを含有し、しばしばエタン及び窒素を含めてC成分をも含有する。
【0044】
蒸気質の軽質オーバーヘッド流は軽質フラクションオーバーヘッド出口111、111’から蒸留塔105、105’を出ていき、オーバーヘッド熱交換器113、113’の高温側116、116’に送られ、そこで部分的に凝縮されて、軽質の凝縮液と軽質の蒸気との混合物を含んだ部分的に凝縮されたオーバーヘッド流になる。
【0045】
部分的に凝縮されたオーバーヘッド流は還流ドラム117、117’に送られ、軽質の凝縮液が軽質の蒸気から分離される。軽質の凝縮液は還流ドラム117、117’から液体還流出口121、121’を介して引き出され、低温の液体還流で蒸留塔105、105’に送られる。
【0046】
軽質の蒸気は蒸気出口123、123’から引き出され、主熱交換器5及び5’の第1の高温側25及び25’の入口26及び26’に送られる。第1の高温側25、25’では、天然ガスからの軽質の蒸気フラクションが液化され過冷される。過冷された天然ガスは導管95及び95’から取り出される。過冷された天然ガスは、更なる処理用の装置(そのいくつかの選択肢を本明細書において後ほど述べる)、及び液化天然ガスの貯蔵用のタンク(図示せず)に送られる。
【0047】
主冷媒は主熱交換器5、5’の低温側29、29’の出口30、30’から取り出され、液化冷媒コンプレッサー50、50’において高圧に圧縮される。圧縮熱は冷却器56、56’において取り除かれ、さらに冷媒熱交換器58、58’において主冷媒からも熱が取り去られて部分的に凝縮された冷媒を得る。部分的に凝縮された主冷媒は次に分離器60、60’において重質の液体フラクションと軽質のガス状フラクションとに分離され、これらのフラクションはそれぞれ第2の高温側67、67’及び第3の高温側77、77’にて更に冷却され、液化され過冷された高圧のフラクションを得る。過冷された冷媒は、膨張装置70、70’及び80、80’にて膨張してより低い圧力になることができる。この圧力にて、冷媒は主熱交換器5、5’の低温側29、29’にて蒸発し、第1の低温側25、25’を通過する天然ガスから熱を取り去ることができる。
【0048】
蒸気質のオーバーヘッド軽質フラクションから液体還流を凝縮するのに必要な冷温流115、115’又はオーバーヘッド冷媒流115、115’は、任意の適当な供給源から送ることができる。例えば、オーバーヘッド冷媒流115、115’は、サイクル3からのスリップストリームで与えることができ、又はサイクル3における1つの圧力レベルとして統合し得る。後者の場合、高温側116、116’を高温側12に並列に統合して統合熱交換器とすることができ、又は高温側116、116’を単独の熱交換器装置113、113’の一部として構成して予冷冷媒を低温側112、112’に送ることができる。
【0049】
別法として、オーバーヘッド冷媒流115、115’は、例えば管路65、65’から主冷媒のスリップストリームにより供給することができる。これは、オーバーヘッド熱交換器の低温側115、115’が少なくとも2つの主冷媒回路9、9’のうち少なくとも1つと連通している構成において実現できる。少なくとも2つの主冷媒回路9、9’のうちの少なくとも1つにおける主冷媒によって蒸気質のオーバーヘッド軽質フラクションを間接熱交換する利点は、予冷された天然ガス流の温度ができるだけ低いことが、天然ガス液の分離においてより濃いC+抽出を達成することに資する点である。加えて、出口121、121’から出て行く液体還流ストリームの温度をより低くしてC+回収率を上げることができる。
【0050】
他の選択肢は、蒸気質のオーバーヘッド軽質フラクションを冷却するための上記選択肢のうち2つ以上の任意の組み合わせ、特に統合熱交換装置の下流に配置された別個のオーバーヘッド熱交換器装置113、113’より前にある別の熱交換器の高温側116、116’の統合を伴う組み合わせによって形成される。
【0051】
各主冷媒回路9、9’のコンプレッサー駆動体パワーと予冷冷媒回路3のコンプレッサー駆動体パワーとが等しく且つプラントがフル操業で稼働している場合には、予冷された天然ガスの温度は約−25℃にあることが分かった。一般に、予冷された天然ガスの圧力は40〜60バールである。好ましくは、液体還流ストリームの温度は−25℃〜−65℃であり、温度が低ければ低いほど、より多くのC+成分が予冷された天然ガスから分離される。さらに好ましくは、液体還流ストリームの温度は−31℃より低い。オーバーヘッド熱交換器113、113’におけるオーバーヘッド冷却用の主冷媒を用い、約−45℃の低温還流の温度で40〜45%のプロパン回収率が実現できる。これは当該ガスの圧力及び組成に依存する。
【0052】
次に図3を参照する。図3が示す態様は、オーバーヘッド分離器117、117’から引き出された蒸気質のオーバーヘッド軽質フラクションを冷却するために主冷媒回路9、9’の1つからの主冷媒を利用する具体例を含む。高温側116、116’は主熱交換器に統合されている。図3は概ね図2に対応しているが、天然ガス液抽出装置100、100’が代替の天然ガス液抽出装置110、110’の態様に置き換えられている。図3が図2に対応する範囲は再度説明しないので、図2の対応する部分を参照されたい。
【0053】
主低温熱交換器5、5’は変更バーション55、55’で置き換えられており、高温側25、25’が上流部分24、24’と下流部分24a、24a’とに分割されている。
【0054】
代替の態様では、軽質フラクションオーバーヘッド出口111、111’が導管126、126’を介して対応する上流部分24、24’の入口26、26’に連結される。上流部分24、24’の出口は還流ドラム117、117’に連結され、還流ドラム117、117’の蒸気出口123、123’は導管127、127’を介して高温側25、25’の下流部分24a、24a’の対応する入口に連結される。主熱交換器5、5’と同様に、下流部分24a、24a’は主熱交換器55、55’の上部に液化天然ガスの出口28、28’を有する。
【0055】
この代替の態様の通常運転中、蒸気質のオーバーヘッド軽質フラクションからの液体還流を凝縮するのに必要な冷たさは、主冷媒により与えられる。
【0056】
別の態様(図示せず)では、天然ガス液抽出装置100、100’及び/又は110、110’並びに部分的に凝縮された天然ガス副流を対応する副流の凝縮部分を含んだ重質フラクションと蒸気質のオーバーヘッド軽質フラクションとに分離することは、参考のためここに組み入れた国際公開WO2004/069384に記載の態様に基づいた形式を有する。特に、この態様における低温の液体還流は第1の還流ストリームと第2の還流ストリームとに分割され、その第1の還流ストリームはスクラバー塔の上部に入れられ、第2の還流ストリームは中間地点に入れられる。
【0057】
上記の態様では、好ましくは予冷冷媒はプロパンなどの単一成分冷媒又は炭化水素成分の混合物又は圧縮冷却サイクル若しくは吸収冷却サイクルで用いられる別の適当な冷媒である。好ましくは主冷媒は窒素、メタン、エタン、プロパン及びブタンを含んだ多成分冷媒である。
【0058】
好ましくは、冷媒熱交換器58及び58’は直列に配置された2個以上の熱交換器一組を備え、予冷冷媒は1つ以上の圧力レベルにて蒸発できる。
【0059】
主熱交換器5及び5’並びに55及び55’はスプール巻き型熱交換器又はプレートフィン型熱交換器などの任意の適当な構成にし得る。
【0060】
図2及び図3について述べた上記態様では、主熱交換器5、5’、55、55’は第2の高温側67、67’及び第3の高温側77、77’をそれぞれ有する。代わりの別の態様では、主熱交換器は第2と第3の高温側とが組み合わされて高温側をただ1つ有する。この場合には、部分的に凝縮した主冷媒は、重質の液体フラクションと軽質のガス状フラクションとに分離することなく、第3の高温側77、77’に直接供給される。
【0061】
コンプレッサー31、50及び50’は、中間冷却を行なう多段コンプレッサー、又は2つのコンプレッサー間で中間冷却を行なう直列のコンプレッサーの組み合わせ、又は並列のコンプレッサーの組み合わせとし得る。
【0062】
予冷冷媒回路3並びに2つの主冷媒回路9及び9’におけるコンプレッサー31、50及び50’は、タービン駆動又は電気モーター駆動、又はタービン/電気モーターの組み合わせにより駆動し得る。
【0063】
好ましくは、予冷冷媒回路中のタービン(図示せず)は蒸気タービンである。この場合、好ましくは、蒸気タービンを駆動するのに必要な蒸気は、主冷媒回路のガスタービン(図示せず)の排気の冷却から解放される熱により生成される。
【0064】
本発明は天然ガスを液化するための拡張可能なプラントを提供し、第1段階では100%の液化能力を有する単一の装置が作られ、第2段階では第2の主熱交換器と第2の液化冷媒回路(これらは第1のものと同じ大きさを有する)が加えられて液化能力を約140〜約160%まで増すことができると共に、天然ガスからのC+成分を制御できる。
【0065】
本発明の利点は、効率的な運転が行なえるように予冷及び液化の条件、例えば冷媒の組成を容易に適応させることができることである。また、液化回路の一つを停止しなければならない場合でも、1つの液化装置により効率的に作動させるように条件を適応させることができる。
【0066】
さらに、計算によると、液化効率(コンプレッサーにより為される仕事の単位当たりに生成される液化ガスの量)は、2つの主冷媒回路のために働く予冷冷媒回路を使用することによって悪影響を受けないことが示された。
【0067】
液化能力は、液化天然ガスの出口導管95、95’に連結された少なくとも1つのエンド・フラッシュ(end-flash)装置を設けることによって更に増すことができる。図4はこのエンド・フラッシュ装置の態様を示し、エンド・フラッシュ装置は上記のプラントのいずれか1つに付加することができる。各導管95、95’はエンド・フラッシュ・エキスパンダー97、97’及びスロットル99、99’に連結される。低圧側は導管101、101’に放出するようになっており、導管101、101’の両方ともエンド・フラッシュ・ガス分離器103に連結している。
【0068】
別法として、導管95及び95’中の液化天然ガスが単一のエンド・フラッシュ・エキスパンダー(図示せず)の上流で混合される接合部が設けられる。
【0069】
エンド・フラッシュ・ガス分離器はエンド・フラッシュ・ガス出口133と液化天然ガス出口135とを備える。輸送又は貯蔵のために液化天然ガスを管路138に放出する前に任意の所望の圧力にするために、随意にポンプ137を設けてもよい。
【0070】
エンド・フラッシュ出口133はコンプレッサー139に連結される。コンプレッサー139の高圧出口は冷却器141、例えば大気冷却器に連結される。コンプレッサー139の上流には、エンド・フラッシュ・ガスに与えられる冷たさを保持することができるように熱交換器143が設けられる。
【0071】
通常運転中、液化天然ガスの圧力は、エンド・フラッシュ・エキスパンダー97、97’及びスロットル99、99’において好ましくは大気条件又は大気条件近くまで下げられる。この膨張によって液化天然ガスの温度が下がると共に、エンド・フラッシュ・ガスがこのプロセスで形成される。
【0072】
一般に、この温度は、50バールから大気圧までフラッシュダウンされるとき、約10℃だけ下がる。この更なる温度の低下のお陰で、予冷装置1及び主低温システム200、200’における一定の冷却パワーでより多くの液化天然ガスを製造できる。
【0073】
エンド・フラッシュ・ガスはエンド・フラッシュ・ガス分離器103において液化天然ガスから分離される。
【0074】
エンド・フラッシュ・ガス分離器103を出て行くエンド・フラッシュ・ガスは、例えば燃料ガスとしての更なる使用のために管路145から放出することができるような圧力に圧縮される。エンド・フラッシュ・ガス中に存在する冷たさは、例えば主冷媒を予冷するために熱交換器143によって保持できる。この場合、熱交換器143は主冷媒回路9、9’の中に含めることができる。
【0075】
プラントの能力を更に高めるために、随意にエンド・フラッシュ・ガスのフィードバックループを設けて、管路145中のエンド・フラッシュ・ガスの一部を少なくとも部分的に凝縮してエンド・フラッシュ分離器103の上流の液化天然ガスに再注入できる。このために、随意のフィードバックループは更なるコンプレッサー147を備えてもよく、その低圧側は管路145に連結される。更なるコンプレッサー147の高圧側は、随意の更なる冷却器149、熱交換器143及びスロットル151などの膨張装置を連続的に介してエンド・フラッシュ・ガス分離器の上流の管路に連結される。
【0076】
随意の再注入により、更なるコンプレッサー139及び147は、冷却デューティをプロセス中に入れることができると共に主冷媒回路における冷却温度を上げることができるという追加の特徴を与える。このようにして付加された追加の冷却デューティのお陰で、より多くの量の液体天然ガスを製造できる。計算によると、随意のリサイクリングを含んだエンド・フラッシュシステムにより4〜5%付け加わった液化能力が達成できることが分かった。
【0077】
他のエンド・フラッシュシステム又は拡張物をここに記載のものの代わりに使用できる。米国特許第5,893,274号に記載のエンド・フラッシュシステムが参考として挙げられる。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】図1aは本発明の第1群の態様の一般的な概略フローチャートを示す。図1bは本発明の第2群の態様の一般的な概略フローチャートを示す。
【図2】図2は本発明による液化プラント及び方法を概略的に示す。
【図3】図3は本発明によるプラント及び方法の更に特定の態様を概略的に示す。
【図4】図4は上記の態様と組み合わせて使用するエンド・フラッシュ装置を概略的に示す。
【符号の説明】
【0079】
1 天然ガス予冷熱交換装置
3 予冷冷媒回路
4 分配器
5 主熱交換器
9 主冷媒回路
100 天然ガス液抽出装置
200 主低温システム



【特許請求の範囲】
【請求項1】
天然ガスを液化するためのプラントであって、
- 予冷熱交換装置において天然ガスから熱を取り去るための1つの予冷冷媒回路を有すると共に、天然ガスの入口と予冷された天然ガスの出口とを備えた予冷熱交換装置と;
- 天然ガス流を少なくとも第1の天然ガス副流と第2の天然ガス副流とに分割するための分配器と;
- 少なくとも2つの天然ガス液抽出装置であって、その各々が前記天然ガス副流の一つを受け入れるよう構成された抽出装置入口を有すると共に、重質フラクション出口とオーバーヘッド軽質フラクション出口とを備える前記天然ガス液抽出装置と;
- 少なくとも2つの主低温システムであって、該主低温システムの各々が第1の高温側を備えた主熱交換器を含み、前記第1の高温側が前記天然ガス液抽出装置の少なくとも1つにおける前記オーバーヘッド軽質フラクション出口に連結された1つの入口と液化天然ガスの出口とを有し、前記主低温システムの各々が、対応する前記主熱交換器の前記第1の高温側を流れる天然ガスから熱を取り去るための主冷媒回路を備える、前記少なくとも2つの主低温システムと;
を備えるプラント。
【請求項2】
前記天然ガス液抽出装置の各々がオーバーヘッド分離器の液体還流出口からの液体還流を受け入れるよう構成された還流入口を備え、前記オーバーヘッド分離器が前記オーバーヘッド軽質フラクション出口に連通した入口と、対応した主低温熱交換器に連通した蒸気出口とを備える請求項1に記載のプラント。
【請求項3】
前記オーバーヘッド分離器の上流に、前記オーバーヘッド軽質フラクションから熱を取り去るためにオーバーヘッド熱交換器が設けられ、該オーバーヘッド熱交換器の低温側が少なくとも2つの前記主冷媒回路のうちの少なくとも1つに連通している請求項2に記載のプラント。
【請求項4】
少なくとも2つの前記熱交換器の液化天然ガスの出口に連結された少なくとも1つのエンド・フラッシュ装置を更に備えると共に、少なくともエンド・フラッシュ・ガスの出口と液化天然ガスの出口とを備える請求項1、2又は3に記載のプラント。
【請求項5】
前記分配器が2つの出口を有し、前記プラントが2つの天然ガス液抽出装置と2つの主熱交換器とを備える、請求項1〜4のいずれか一項に記載の天然ガスを液化するためのプラント。
【請求項6】
天然ガス流を液化する方法であって、
- 熱交換装置において天然ガス流を、1つの予冷冷媒回路中を循環している予冷冷媒に対して予冷する工程;
- 前記天然ガス流を少なくとも第1の天然ガス副流と第2の天然ガス副流とに分割する工程;
- 前記第1の天然ガス副流及び前記第2の天然ガス副流の各々を液体の重質フラクションと蒸気質のオーバーヘッド軽質フラクションとの同時に分離する工程;
- 少なくとも2つの主低温システムにおける主冷媒に対して前記蒸気質のオーバーヘッド軽質フラクションを更に冷却して十分に凝縮させ、各々の主低温システムにおいては前記主冷媒を主冷媒回路にて循環させる工程;及び
- 液化天然ガス流を引き出す工程;
からなる方法。
【請求項7】
前記蒸気質のオーバーヘッド軽質フラクションを更に冷却する前記工程が、蒸気質のオーバーヘッド軽質フラクションの各々を部分的に凝縮して軽質の凝縮液と軽質の蒸気とを形成する工程と、前記軽質の凝縮液を前記軽質の蒸気から分離する工程と、部分的に凝縮された第1及び第2の天然ガス副流の各々を同時に分離する前記工程に軽質の凝縮液を低温還流として供給する工程と、前記軽質の蒸気を更に冷却して十分に凝縮させる工程とを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記蒸気質のオーバーヘッド軽質フラクションの各々を部分的に凝縮させる前記工程が、少なくとも2つの前記主冷媒回路のうち少なくとも1つにおいて主冷媒と間接熱交換する工程を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
次に、液化天然ガス流を膨張させて更に冷却された液化天然ガス及びフラッシュ蒸気を含む混合物を形成させ、フラッシュ蒸気を前記更に冷却された液化天然ガスから分離し、圧縮し、少なくとも部分的に凝縮させ、前記フラッシュ蒸気の分離より上流の液化天然ガス流に再注入する、請求項6〜8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
天然ガスを液化するためのプラントであって、
- 1つ以上の熱交換器が随意に前に置かれている最終熱交換器を備えると共に、予冷熱交換装置において天然ガスから熱を取り去るための1つの予冷冷媒回路を有する予冷熱交換装置と;
- 天然ガス流を少なくとも第1の天然ガス副流と第2の天然ガス副流とに分割するための分配器と;
- 少なくとも第1及び第2の主低温システムであって、該主低温システムの各々が第1の高温側を備えた主熱交換器を有し、前記第1の高温側が前記第1の天然ガス副流及び第2の天然ガス副流をそれぞれ受け入れるように構成された1つの入口を有し、該主低温システムの各々が、対応する主熱交換器の第1の高温側を流れる天然ガスから熱を取り去るための主冷媒回路を備える、前記少なくとも第1及び第2の主低温システムと;
を備え、前記分配器が最終熱交換器の上流に配置されるプラント。
【請求項11】
天然ガス流を液化する方法であって、
- 熱交換装置において最終段を含めて1以上の段にて天然ガス流を1つの予冷冷媒回路中で循環している予冷冷媒に対して予冷する工程と;
- 該天然ガス流を少なくとも第1の天然ガス副流と第2の天然ガス副流とに分割する工程と;
- 少なくとも2つの主低温システムにおける主冷媒に対して前記第1及び第2の天然ガス副流を更に冷却して十分に凝縮させ、各々の主低温システムにおいては主冷媒を主冷媒回路中に循環させる工程と;
- 液化天然ガス流を引き出す工程と;
を含み、天然ガス流を前記第1及び第2の天然ガス副流に分割する前記工程を最終予冷段の上流で行なう方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2008−530505(P2008−530505A)
【公表日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−555597(P2007−555597)
【出願日】平成18年2月15日(2006.2.15)
【国際出願番号】PCT/EP2006/050937
【国際公開番号】WO2006/087330
【国際公開日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【出願人】(390023685)シエル・インターナシヨネイル・リサーチ・マーチヤツピイ・ベー・ウイ (411)
【氏名又は名称原語表記】SHELL INTERNATIONALE RESEARCH MAATSCHAPPIJ BESLOTEN VENNOOTSHAP
【Fターム(参考)】