太陽光発電装置
【課題】太陽電池本体毎に電荷移送回路を有し、且つ一部の電荷移送回路が停止しても動作停止中の電荷移送回路による電力損失が少ない太陽光発電装置を提供する。
【解決手段】本発明の電荷移送回路CONVに使用される第2半導体スイッチ素子には、無信号時に閉状態となるノーマリーオン型の半導体スイッチ素子が用いられる。このため、太陽光発電装置40の一部の電荷移送回路CONVが何らかの原因により動作停止した場合、動作停止していない正常な太陽電池モジュールPVMから出力された電力は、ダイオードDではなく第2半導体スイッチ素子を通して流下する。よって、この動作停止中の太陽電池モジュールPVMを通過する際の電力損失を最低限に抑えることができる。
【解決手段】本発明の電荷移送回路CONVに使用される第2半導体スイッチ素子には、無信号時に閉状態となるノーマリーオン型の半導体スイッチ素子が用いられる。このため、太陽光発電装置40の一部の電荷移送回路CONVが何らかの原因により動作停止した場合、動作停止していない正常な太陽電池モジュールPVMから出力された電力は、ダイオードDではなく第2半導体スイッチ素子を通して流下する。よって、この動作停止中の太陽電池モジュールPVMを通過する際の電力損失を最低限に抑えることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽電池から効率よく電力を得て二次電池への充電や電力系統に連係させるための太陽光発電装置の技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
太陽電池素子(セル)は、電流源と1個のダイオード(太陽電池そのもの)で等価回路が表現される発電の最小単位であるが、その出力密度は小さく、通常は複数個の太陽電池素子を面一に並べて直列接続または直並列接続した構成を基本単位とする。
【0003】
そして、実用上は、例えば図18の等価回路のように、複数の太陽電池素子を直列に接続した太陽電池本体SC(図18は太陽電池素子7個直列の例であり、1つの電流源と7つの直列ダイオードで表現されている。)と、これに発電しない素子が現れた場合の対策に挿入されているバイパスダイオードDbと、逆流防止ダイオードDaとを接続した構成の太陽電池モジュールとして作られている。
【0004】
さらに、一般の太陽光発電装置では、上記太陽電池モジュールを複数個、直並列に接続した太陽電池アレイ若しくは太陽電池パネルとして用いている。
【0005】
上記太陽電池アレイを利用した典型的な太陽光発電装置(或いは同義の太陽光発電システム)としては、図19に示される太陽光発電装置30のように、複数の太陽電池アレイ21a,21b,21c,・・と、集電箱23と、電力変換装置26とを備え、各太陽電池アレイ21a,21b,21c,・・は太陽電池モジュール22をマトリックス状に直並列に接続してなり、集電箱23は各太陽電池モジュール22から太陽電池アレイ21a,21b,21c,・・を通じて出力される直流出力を集電し、電力変換装置26は前記集電箱23で集電された太陽電池アレイ21a,21b,21c,・・の集電出力を電力系統27に連係させた状態で交流に変換するインバータ24と、該インバータ24を制御する制御部25などから構成され、変換された交流出力を電力系統27に連係した状態で負荷28に供給するという構成のものがある。
【0006】
一方、実用化されている太陽電池には、結晶系シリコン太陽電池、アモルファスシリコン太陽電池、化合物半導体太陽電池、有機半導体太陽電池などの種類があるが、何れもその太陽電池の出力特性(出力電流I−出力電圧V曲線)は概ね図20のようなI−V特性曲線となり、効率的に太陽電池から最大電力を取り出すには、太陽電池の実際の動作点P(動作電流Iope×動作電圧Vope)を可及的に最大電力点Pmax(最適動作電流Iop×最適動作電圧Vop)で動作させるようにすることが重要となる。
【0007】
この点、上記太陽光発電装置30を含む現在の太陽光発電装置(システム)では、太陽電池アレイの出力が常に最大電力点Pmaxで動作するように出力電圧、出力電流を追従制御するいわゆる最大電力点追従(Maximum Power Point Tracking:MPPT)制御が多く採用されている。このMPPT制御には種々の方法が考案されているが、例えば太陽電池アレイの出力電圧を開放電圧から減少させていき、その間電力値を走査して最大電力点Pmaxを測定し、その最大電力点Pmaxまで動作点を移動させるスキャンニング法がある。
【0008】
ところで、現実の太陽光発電装置(システム)では、太陽電池全体が常に均一な条件で太陽光が照射されているわけではなく、雲や樹木などの影に隠れたりして部分的に出力が弱くなる部分陰影照射の状態となったり、設置場所の向きの違い、温度環境の違いによって日射条件が異なるような、いわゆる不均一日射条件下での動作状態になることがある(寧ろこれが通常とも言える)。
【0009】
上記のような不均一日射条件下では、設置された太陽電池全体に対する単一のMPPT制御では効率的な電力の取り出しは望むべくもない。
【0010】
この点、前記不均一日射条件下(例えば、前記部分日陰条件下の場合。)における太陽電池発電装置の非効率の問題を解決すべく、多数の解決策が提案されている。
【0011】
例えば、下記[特許文献1]には、太陽電池群(太陽電池アレイ)毎に設けられたDC−DCコンバータによってMPPT制御を行うことにより、効率よく太陽電池の出力を取り出すことができるとする技術が開示されている。
【0012】
また、下記[特許文献2]には、直並列接続された複数の太陽電池素子からなる太陽電池モジュールと、前記太陽電池モジュールの複数の太陽電池素子が発電した直流電力を降圧するコンバータと、を基板上に備え、前記コンバータはMPPT制御を行うとする構成の太陽電池モジュールが提案されている。
【0013】
また、下記[特許文献3]には、太陽電池パネルの複数ブロック毎に昇圧チョッパ回路を設けてブロック毎に個別にMPPT制御で直流電圧変換し、それらを統合して系統に流す構成の太陽光発電装置が提案されている。
【0014】
さらに、下記[特許文献4]には、複数の太陽電池アレイを並列接続して入力される系統連係インバータにおいて、各太陽電池アレイに対して独立にDC−DCコンバータによってMPPT制御を行わせて発電効率の向上を図った構成の太陽光発電用電力変換装置が提案されている。
【0015】
また、複数の太陽電池モジュールを直並列接続した太陽電池アレイを不均一日射条件下で動作させた場合に、その出力特性に電力極大点が複数現れるいわゆる複峰性のあることが最近報告されている(IEEJ Trans.IA.Vol.124,No.8,2004、鷹野一朗ほか)。
【0016】
即ち、図21に示されるように、縦軸に太陽電池の電流Iまたは電力P、横軸に太陽電池の電圧Vを採ると、図18に示される太陽電池モジュールが複数個並列接続された太陽電池アレイの電流−電圧特性、電力−電圧特性には、複数(図21では2つ)の電力極大点P1,P2が現れている。この複峰性は直列接続の場合も現れ、それらの特性曲線は不均一日射条件によって様々に変化する。例えば部分陰影条件下では陰影領域の変化で千差万別に変化し、電力極大点も2つに限らず多数現れる可能性がある。
【0017】
本発明者は、図18に示されるような太陽電池モジュールを2個直列接続し、それぞれの電流源に電流差(光の強さの差)が生じたとき、電流の少ないほうの太陽電池モジュールに電流を流しきれず、これが太陽電池モジュール毎に設けられているバイパスダイオードDbに流れることを原因として出力特性に顕著な複峰性が現れることを究明した。また、上記太陽電池モジュールを2個並列接続し、それぞれのモジュール間に両者の温度差によって電圧差が現れたときにも複峰性が現れ、その原因が逆流防止ダイオードDaの影響であることを究明した。
【0018】
然るに、従来の太陽電池モジュール複数個を直並列に接続した太陽電池アレイの場合は、それぞれのモジュールの電流、電圧の変化の影響で多数の電力極大点が出現する可能性がある。
【0019】
上記のような不均一条件下で複峰性が不可避的に現れる従来の太陽光発電装置(システム)においては、仮に太陽電池アレイや太陽電池モジュールに対する単純な最大電力点追従(MPPT)制御、或いは複峰性を考慮した改善された精度の高いMPPT制御で図21の電力極大点P2で制御が収束しても、太陽電池アレイや太陽電池モジュール内部で損失が発生してしまい、真の最大の電力が得られず、最悪条件下では約60%もの損失が発生している可能性があることが本発明者の研究で判明した。
【0020】
このように、部分陰影などの不均一条件下の場合に太陽電池アレイの出力特性に現れる前記複峰性は、図18のような太陽電池モジュールにおける逆流防止ダイオードDaやバイパスダイオードDbに起因するものであるが、このような複峰性の現れる部分陰影条件下などでも常に最大の電力を太陽電池から取り出すためには、従来のような複数の太陽電池モジュールから構成される太陽電池アレイや太陽電池モジュールに対する最大電力点追従(MPPT)制御の手段或いはその精度を高める手段では難しいと考えられる。
【0021】
このため、太陽電池本体毎に電荷移送回路を設置し、個々の太陽電池本体に対して出力の最大電力点への追従制御を行うことが、発電効率の向上にとって有効な手段と考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0022】
【特許文献1】特開2000−112545号公報
【特許文献2】特開2003−124492号公報
【特許文献3】特開2003−134667号公報
【特許文献4】特開2004−194500号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0023】
しかしながら、太陽電池本体毎に電荷移送回路を設置した場合、一部の電荷移送回路が故障等で動作停止すると、正常な太陽電池モジュールからの出力電力は動作停止した電荷移送回路内のフライホイールダイオードを通して流下することとなる。そして、このフライホイールダイオードを出力電力が流下する際、無視できない電力損失が発生する。
【0024】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、太陽電池本体毎に電荷移送回路を有し、且つ一部の電荷移送回路が停止しても動作停止中の電荷移送回路による電力損失が少ない太陽光発電装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0025】
本発明は、
(1)単数もしくは複数の太陽電池素子を接続してなる太陽電池本体SCと、前記太陽電池本体SC毎に設けられ前記太陽電池本体SCに対する出力の最大電力点Pmaxへの追従制御を行う電荷移送回路CONVと、を備え、前記電荷移送回路CONVは、前記太陽電池本体SCに直列に接続された第1半導体スイッチ素子SW1と、前記太陽電池本体SCと並列に接続され閉状態時に当該電荷移送回路CONVの出力端47間を短絡する第2半導体スイッチ素子SW2と、前記太陽電池本体SCの出力をモニターする検出手段(電圧計46、電流計52)と、前記検出手段からの出力情報に応じて第1半導体スイッチ素子SW1及び第2半導体スイッチ素子SW2のスイッチング制御を行う制御部44と、を有する太陽光発電装置において、
前記電荷移送回路CONVの第2半導体スイッチ素子SW2がノーマリーオン型の半導体スイッチ素子であることを特徴とする太陽光発電装置40を提供することにより、上記課題を解決する。
【発明の効果】
【0026】
本発明に係る太陽光発電装置は、上記のような構成のため、一部の電荷移送回路が停止しても動作停止中の電荷移送回路による電力損失を最小限に抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明に係る太陽光発電装置のブロック図である。
【図2】本発明に係る太陽光発電装置を構成する太陽電池モジュールの第1の実施の形態を示すブロック図である。
【図3】太陽電池本体の動作電圧と出力電力の関係を示す図である。
【図4】本発明に係る太陽光発電装置を構成する太陽電池モジュールの第2の実施の形態を示すブロック図である。
【図5】本発明に係る太陽光発電装置を構成する太陽電池モジュールの第3の実施の形態を示すブロック図である。
【図6】本発明に係る太陽電池モジュールの第1の実施の形態に温度検知素子を設けた例を示すブロック図である。
【図7】温度が変化したときの太陽電池本体の動作電圧と出力電力の関係を示す図である。
【図8】本発明に係る太陽電池モジュールの第2の実施の形態に温度検知素子を設けた例を示すブロック図である。
【図9】本発明を半導体スイッチ素子を3つ備えた昇圧型コンバータに適用した例を示す図である。
【図10】本発明を反転型コンバータに適用した例を示す図である。
【図11】本発明をブリッジコンバータに適用した例を示す図である。
【図12】本発明に係る太陽光発電装置を形成する各太陽電池モジュールのスイッチング制御を独立した周期で行う構成を示すブロック図である。
【図13】本発明に係る太陽光発電装置を形成する各太陽電池モジュールのスイッチング制御を同期させて行う構成を示すブロック図である。
【図14】本発明に係る太陽光発電装置を形成する各太陽電池モジュールのスイッチング制御をストリング毎に同期させるとともに各ストリングの周期に位相差をもたせて行う構成を示すブロック図である。
【図15】本発明に係る太陽光発電装置を形成する各太陽電池モジュールのスイッチング制御を独立した周期で行うとともに各ストリングに逆流防止ダイオードを設けた構成を示すブロック図である。
【図16】本発明に係る太陽光発電装置の直列接続された複数の太陽電池モジュールと出力端の間にコイルを設けた構成を示すブロック図である。
【図17】本発明に係る太陽光発電装置と負荷等との接続を示すブロック図である。
【図18】従来の太陽電池モジュールの回路図である。
【図19】従来の典型的な太陽光発電装置の構成を示す図である。
【図20】太陽電池の出力特性(出力電流I−出力電圧V曲線)を説明するための図である。
【図21】複数の太陽電池モジュールからなる太陽電池アレイを不均一日射条件下で動作させた場合の出力特性の複峰性を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明に係る太陽光発電装置の実施の形態について図面に基づいて説明する。本発明に係る太陽光発電装置40は、図1、図2に示すように、太陽電池本体SCと電荷移送回路CONVとで主に構成された太陽電池モジュールPVMが、正極のモジュール出力端48aと負極のモジュール出力端48bとを介して直列又は直並列に複数個、接続されて構成されている。尚、太陽光発電装置40の出力端である正極出力端42aと負極出力端42bには図示しないレギュレータやコンバータ、蓄電装置等を介して負荷28に接続され、負荷28に対して電力を供給する。尚、図1においては、直列接続された複数の太陽電池モジュールPVMを3列並列接続した例を示したが、太陽光発電装置の用途、規模等によっては並列接続の数は適宜増減が可能である。また、並列接続を行わず直列接続のみとしても良い。
【0029】
尚、以下の説明においては、本発明に係る太陽電池モジュールを総称して太陽電池モジュールPVMとし構成の異なる個々の太陽電池モジュールを太陽電池モジュールPVMa〜PVMhとして記述する。また、電荷移送回路を総称して電荷移送回路CONVとし構成の異なる個々の電荷移送回路を電荷移送回路CONVa〜CONVhとして記述する。
【0030】
次に、本発明に係る太陽光発電装置40における太陽電池モジュールPVMの第1の実施の形態を図2に示す。第1の実施の形態の太陽電池モジュールPVMaは、太陽電池素子単体もしくは複数の太陽電池素子を直列または直並列接続してなる太陽電池本体SCと、入力端43がそれぞれの太陽電池本体SCの正極端子41aと負極端子41bとに接続され、出力端47がモジュール出力端48a、48bに接続する電荷移送回路CONVaと、を有している。
【0031】
電池モジュールPVMaの電荷移送回路CONVaは、太陽電池本体SCの正極端子41aと電荷移送回路CONVaの正極側の出力端47との間に直列に接続された第1半導体スイッチ素子SW1と、第1半導体スイッチ素子SW1の出力端47側に太陽電池本体SCと並列に接続され閉(オン)状態時に出力端47間を短絡する第2半導体スイッチ素子と、太陽電池本体SCの正極端子41aと負極端子41bとの間に並列接続された検出手段としての電圧計46と、第1半導体スイッチ素子及び第2半導体スイッチ素子のスイッチング制御を行う制御部44と、第2半導体スイッチ素子SW2と並列に接続しフライホイールダイオードとして機能するダイオードDと、を有している。そして特に、第2半導体スイッチ素子には無信号時に閉状態(ノーマリーオン)となる、例えばGaN(窒化ガリウム)、GaAs(ガリウム砒素)などの化合物半導体等からなるデプレッション型の半導体スイッチ素子を用いる。これは、本発明の電荷移送回路CONVにおいて共通する構成である。
【0032】
また、電荷移送回路CONVaの正極側の出力端47と正極出力端子48aとの間には、太陽電池本体SCからの電気エネルギーを蓄積もしくは放出するコイルL1が直列に接続されている。尚、コンデンサCa、Cbは太陽電池本体SC及び正極のモジュール出力端48a、負極出力端子48b間における端子電圧のリップルを低減するための平滑コンデンサである。
【0033】
ここで、照射する光の強さ変化させた場合の太陽電池本体SCに生じる動作電圧と出力電力の関係を図3に示す。尚、図3中の実線A、実線B、実線Cは光の強さをA>B>Cとした時の動作電圧Vopeと出力電力の関係である。ただし、太陽電池本体SCの温度は一定とする。図3より、太陽電池本体SCの温度が一定であれば、最大電力点Pmaxが得られる太陽電池本体SCの最適動作電圧Vopは、照射される光の強さによらず一定であることがわかる。よって、太陽電池本体SCの動作電圧Vopeが最適動作電圧Vopを取るように制御することで、太陽電池本体SCを常時最大電力点Pmaxで動作させることが可能となる。
【0034】
次に、電荷移送回路CONVaの動作を説明する。電荷移送回路CONVaの制御部44は発振器55を有しており、この発振器55からの信号に基づいて第1半導体スイッチ素子SW1と第2半導体スイッチ素子SW2とを交互にパルス幅変調(PWM)方式でスイッチング制御し同期整流を行う。尚、スイッチング制御を行う信号は必ずしも制御部44内から得る必要はなく、外部に設けた発振器55から得ても良い。これは後述する各電荷移送回路CONVにおいても同様である。
【0035】
ここで、第1半導体スイッチ素子SW1が閉じ、第2半導体スイッチ素子SW2が開いている場合、太陽電池本体SCで生じた出力電力は第1半導体スイッチ素子SW1を通ってコイルL1に電気エネルギーとして蓄えられるとともに正極端子48aから負荷側に出力される。太陽電池本体SCで生じた出力電力が負荷側に出力されると太陽電池本体SCの動作電圧Vopeは減少する。反対に、第2半導体スイッチ素子SW2が閉じ、第1半導体スイッチ素子SW1が開いている場合、コイルL1は蓄えられていた電気エネルギーを負荷側に放出する。このとき太陽電池本体SCで生じた電力は負荷側には出力されず、これにより太陽電池本体SCの動作電圧Vopeは増加する。尚、第2半導体スイッチ素子SW2が閉じ、第1半導体スイッチ素子SW1が開いている場合には、直列に接続されている他の太陽電池モジュールPVMaからの出力電力は第2半導体スイッチ素子SW2を通して負荷側に出力される。
【0036】
電圧計46は太陽電池本体SCの動作電圧Vopeを常時モニターし、これを出力情報として制御部44に出力する。前述のように最大電力点Pmaxを取るときの最適動作電圧Vopは光の強さによらず一定であるから、制御部44には太陽電池本体SCの最適動作電圧Vopを予め設定することができる。制御部44は電圧計46からの動作電圧Vopeを受けて、動作電圧Vopeが予め設定された最適動作電圧Vopより高い場合には、第1半導体スイッチ素子SW1が閉となる時間間隔を拡げるようPWM信号のデューティ比を変化させる。このスイッチング制御により、第1半導体スイッチ素子SW1の閉状態の時間間隔が長くなる。第1半導体スイッチ素子SW1の閉状態の時間間隔が長くなれば、太陽電池本体SCで生じた出力電力を負荷側に出力する時間間隔が長くなり、太陽電池本体SCの動作電圧Vopeは減少する。反対に動作電圧Vopeが最適動作電圧Vopより低い場合には、制御部44は第1半導体スイッチ素子SW1が開となる時間間隔を拡げるようスイッチング制御する。第1半導体スイッチ素子SW1の開状態の時間間隔が長くなれば、太陽電池本体SCで生じた出力電力を負荷側に出力する時間間隔が短くなり、太陽電池本体SCの動作電圧Vopeは増加する。
【0037】
この制御部44の制御により、太陽電池本体SCの動作電圧Vopeは常に最適動作電圧Vopをとるように追従制御される。前述のように動作電圧Vopeが最適動作電圧Vopを取っていれば、太陽電池本体SCは最大電力点Pmaxで動作することとなり、よって太陽電池モジュールPVMaは常にその日照条件下における最大の電力を出力することができる。
【0038】
次に、本発明に係る太陽電池モジュールPVMの第2の実施の形態を図4に示す。第2の実施の形態の太陽電池モジュールPVMbの電荷移送回路CONVbは、第1の実施の形態の電荷移送回路CONVaの電圧計46に替えて、太陽電池本体SCの正極端子41aと第1半導体スイッチ素子SW1と間に直列接続された検出手段としての電流計52を有している。
【0039】
ここで、図20の太陽電池の出力特性(出力電流I−出力電圧V曲線)を参照する。図20より、太陽電池本体SCの最大電力点Pmaxが得られるような太陽電池本体SCの最適動作電流Iopは、太陽電池本体SCの短絡電流Isc(動作電圧Vope=0Vのときの太陽電池本体SCの電流値)から一定の比率だけ低下した値となることが知られている。即ち、仮に一定の比率が90%である場合、最適動作電流Iopは Isc×0.9 となる。尚、図20の出力特性は太陽光の照射条件等により変化するものであるが、この最適動作電流Iopと短絡電流Iscの関係は出力特性が変化しても常に成立する。よって、短絡電流Iscが判明すれば最適動作電流Iopは求められ、太陽電池本体SCの動作電流Iopeが最適動作電流Iopを取るように制御することで、太陽電池本体SCを常時最大電力点Pmaxで動作させることが可能となる。
【0040】
次に、電荷移送回路CONVbの動作を説明する。電荷移送回路CONVbの制御部44も電荷移送回路CONVaと同様、発振器55からの信号に基づいて第1半導体スイッチ素子SW1と第2半導体スイッチ素子SW2とをスイッチング制御する。電流計52は太陽電池本体SCの動作電流Iopeを常時モニターし、これを出力情報として制御部44に出力する。制御部44には予め太陽電池本体SCの短絡電流Iscから求められた太陽電池本体SCの最適動作電流Iopが設定されており、制御部44は電流計52からの動作電流Iopeが最適動作電流Iopより低い場合には、第1半導体スイッチ素子SW1が閉となる時間間隔を拡げるようスイッチング制御する。スイッチ素子SW1の閉状態の時間間隔が長くなれば、太陽電池本体SCで生じた出力電力を負荷側に出力する時間間隔が長くなり、太陽電池本体SCの動作電流Iopeは短絡電流Isc方向に増加する。
【0041】
反対に動作電流Iopeが最適動作電流Iopより高い場合には、制御部44は第1半導体スイッチ素子SW1が開となる時間間隔を拡げるようスイッチング制御する。第1半導体スイッチ素子SW1の開状態の時間間隔が長くなれば、太陽電池本体SCで生じた出力電力を負荷側に出力する時間間隔が短くなり、これにより太陽電池本体SCの動作電流Iopeは減少する。
【0042】
この制御部44の制御により、太陽電池本体SCの動作電流Iopeは常に最適動作電流Iopをとるように追従制御される。前述のように動作電流Iopeが最適動作電流Iopを取っていれば、太陽電池本体SCは最大電力点Pmaxで動作することとなり、よって太陽電池モジュールPVMbは常にその日照条件下における最大の電力を出力することができる。
【0043】
次に、本発明に係る太陽光発電装置40における太陽電池モジュールPVMの第3の実施の形態を図5に示す。第3の実施の形態の太陽電池モジュールPVMcの電荷移送回路CONVcは、検出手段として電圧計46と電流計52とを有している。
【0044】
次に、電荷移送回路CONVcの動作を説明する。電荷移送回路CONVcの制御部44も電荷移送回路CONVaと同様、発振器55からの信号に基づいて第1半導体スイッチ素子SW1と第2半導体スイッチ素子SW2とをスイッチング制御する。そして、太陽電池本体SCの動作電流Iopeは電流計52が常時モニターし、また太陽電池本体SCの動作電圧Vopeは電圧計46が常時モニターし、それぞれ制御部44に出力する。制御部44は電流計52から得られる動作電流Iopeと電圧計46から得られる動作電圧Vopeとから太陽電池本体SCの出力電力を求め、この出力電力が最大電力点Pmaxを追従するようにスイッチング制御を行う。これにより太陽電池本体SCは常に最大電力点Pmaxで動作することとなり、よって太陽電池モジュールPVMcは常にその日照条件下における最大の電力を出力することができる。
【0045】
また、本発明に係る太陽光発電装置40における太陽電池モジュールPVMは、図6に示す電池モジュールPVMdの電荷移送回路CONVdのように、電荷移送回路CONVaの構成に加え温度感知素子54を備えていても良い。
【0046】
ここで、温度を変化させた場合の太陽電池本体SCに生じる動作電圧と出力電力の関係を図7に示す。尚、図7中の実線D、実線E、実線Fは、それぞれ太陽電池本体SCの温度をD<E<Fとした時の動作電圧Vopeと出力電力の関係である。図7より、最大電力点Pmaxが得られる太陽電池本体SCの最適動作電圧Vopは、太陽電池本体SCの温度により増減し、温度が低い実線Dのときには高い値(最適動作電圧Vop(D))を、反対に温度が高い実線Fのときには低い値(最適動作電圧Vop(F))を、両者の間の温度である実線Eのときには両電圧の間の最適動作電圧Vop(E)をとることがわかる。この太陽電池本体SCの温度と最適動作電圧Vopとは比例関係にあることが判明しており、よって太陽電池本体SCの温度がわかればその温度における最適動作電圧Vopを求めることが出来る。
【0047】
次に、電荷移送回路CONVdの動作を説明する。ただし、電荷移送回路CONVdの動作は電荷移送回路CONVaとほぼ同等であるので、重複する部分の説明は省略する。先ず、温度感知素子54が太陽電池本体SCの周囲の温度を計測し、これを太陽電池本体SCの温度として制御部44に出力する。制御部44は温度検知素子54から得られる温度から当該温度における太陽電池本体SCの最適動作電圧Vopを求める。そして、求められた最適動作電圧Vopと電圧計46から得られる動作電圧Vopeとに基づき、電荷移送回路CONVaと同様のスイッチング制御を行う。これにより、太陽電池本体SCはいかなる温度の場合でも最大電力点Pmaxで動作することとなり、よって太陽電池モジュールPVMdは常にその日照条件下における最大の電力を出力することができる。
【0048】
また、図8に示す電池モジュールPVMeの電荷移送回路CONVeのように電荷移送回路CONVbの構成に温度感知素子54を加えても良い。この電池モジュールPVMeの電荷移送回路CONVeでは、制御部44が温度感知素子54から得られる太陽電池本体SCの温度に基づいて最適動作電流Iopの補正を行い、この補正された最適動作電流Iopに基づいて電荷移送回路CONVbと同様のスイッチング制御を行う。これにより、太陽電池本体SCはいかなる温度の場合でも最大電力点Pmaxで動作することとなり、よって太陽電池モジュールPVMdは常にその日照条件下における最大の電力を出力することができる。
【0049】
尚、温度検知素子54としては種々の温度検知素子を用いることができ、中でも特にサーミスタもしくはダイオードを用いること好ましい。また、本例においては温度検知素子54が太陽電池本体SCの周囲の温度を測定する例を用いたが、太陽電池本体SC自体の温度を測定する構成とすれば、電荷移送回路CONVd、CONVeの追従制御の精度は更に向上する。
【0050】
また、本発明の電荷移送回路は図9に示す太陽電池モジュールPVMfの電荷移送回路CONVfのように、半導体スイッチ素子を3つ備えた昇圧型コンバータに適用しても良い。この電荷移送回路CONVfは、第1半導体スイッチ素子SW1の太陽電池本体SC側に、第2半導体スイッチ素子SW2と並列に接続される第3半導体スイッチ素子SW3を備えている。また、コイルL1は太陽電池本体SCと第3半導体スイッチ素子SW3の接続端との間に第1半導体スイッチ素子SW1と直列に接続される。そして、第3半導体スイッチ素子SW3は第2半導体スイッチ素子SW2と同相でスイッチング制御される。
【0051】
電荷移送回路CONVfでは、第1半導体スイッチ素子SW1が開き、第2半導体スイッチ素子SW2及び第3半導体スイッチ素子SW3が閉じている場合、太陽電池本体SCで生じた出力電力はコイルL1に電気エネルギーとして蓄えられる。このとき、他の太陽電池モジュールPVMfからの出力電力は第2半導体スイッチ素子SW2を通して負荷側に出力される。また、第1半導体スイッチ素子SW1が閉じ、第2半導体スイッチ素子SW2及び第3半導体スイッチ素子SW3が開いている場合、電荷移送回路CONVfはコイルL1に蓄えられていた電気エネルギー及び太陽電池本体SCで生じた出力電力を負荷側に放出する。
【0052】
上記の電荷移送回路CONVfのスイッチング制御は、前述の電荷移送回路CONVa〜電荷移送回路CONVeと同様に検出手段の出力情報に基づいて、太陽電池本体SCが最大電力点Pmaxで動作するよう行われる。これにより、太陽電池本体SCは最大電力点Pmaxで動作するよう追従制御され、太陽電池モジュールPVMfは常にその日照条件下における最大の電力を出力する。
【0053】
尚、図9(a)は検出手段として電圧計46を用いた例である。また、図9(b)は検出手段として電流計52を用いた例である。さらに、電荷移送回路CONVfは、電荷移送回路CONVcのように、検出手段として電圧計46と電流計52とを有していても良い。また、電荷移送回路CONVd、電荷移送回路CONVeのように温度感知素子54を備えていても良い。
【0054】
また、本発明の電荷移送回路は図10に示す太陽電池モジュールPVMgの電荷移送回路CONVgのように、半導体スイッチ素子を3つ備えた反転型コンバータに適用しても良い。この電荷移送回路CONVgは、第1半導体スイッチ素子SW1の太陽電池本体SC側に直列接続された第3半導体スイッチ素子SW3を備えている。また、コイルL1は第1半導体スイッチ素子SW1と第3半導体スイッチ素子SW3の間に太陽電池本体SCと並列に接続される。そして、第3半導体スイッチ素子SW3は第2半導体スイッチ素子SW2と同相でスイッチング制御される。
【0055】
電荷移送回路CONVgも電荷移送回路CONVfと同様に、第1半導体スイッチ素子SW1が開き、第2半導体スイッチ素子SW2及び第3半導体スイッチ素子SW3が閉じている場合、太陽電池本体SCで生じた出力電力はコイルL1に電気エネルギーとして蓄えられる。このとき、他の太陽電池モジュールPVMfからの出力電力は第2半導体スイッチ素子SW2を通して負荷側に出力される。ただし、出力の方向は電荷移送回路CONVa〜電荷移送回路CONVgとは異なり、モジュール出力端48aが負極となりモジュール出力端48bが正極となる。よって、出力はモジュール出力端48aからモジュール出力端48bへと流下する。また、第1半導体スイッチ素子SW1が閉じ、第2半導体スイッチ素子SW2及び第3半導体スイッチ素子SW3が開いている場合、電荷移送回路CONVfはコイルL1に蓄えられていた電気エネルギーを負荷側に放出する。
【0056】
上記の電荷移送回路CONVgのスイッチング制御は、前述の電荷移送回路CONVa〜電荷移送回路CONVfと同様に検出手段の出力情報に基づいて、太陽電池本体SCが最大電力点Pmaxで動作するよう行われる。これにより、太陽電池本体SCは最大電力点Pmaxで動作するよう追従制御され、太陽電池モジュールPVMgは常にその日照条件下における最大の電力を出力する。
【0057】
尚、図10(a)は検出手段として電圧計46を用いた例である。また、図10(b)は検出手段として電流計52を用いた例である。さらに、電荷移送回路CONVgは、電荷移送回路CONVcのように、検出手段として電圧計46と電流計52とを有していても良い。また、電荷移送回路CONVd、電荷移送回路CONVeのように温度感知素子54を備えていても良い。
【0058】
また、本発明の電荷移送回路は図11に示す太陽電池モジュールPVMhの電荷移送回路CONVhのように、ブリッジコンバータに適用しても良い。この電荷移送回路CONVhは、太陽電池本体SCと直列接続されたコイルL1の両端に半導体スイッチ素子SW(a)と半導体スイッチ素子SW(c)とがそれぞれ直列に接続されている。また、コイルL1の両端に半導体スイッチ素子SW(b)と半導体スイッチ素子SW(d)とがそれぞれ太陽電池本体SCと並列に接続されている。
【0059】
そして降圧動作時には半導体スイッチ素子SW(c)が常時閉状態となり、半導体スイッチ素子SW(d)が常時開状態となる。また、半導体スイッチ素子SW(a)は第2半導体スイッチ素子SW2と同相にスイッチング制御され、半導体スイッチ素子SW(b)は第2半導体スイッチ素子SW2と逆相にスイッチング制御される。よって、荷移送回路CONVhの降圧動作時には、太陽電池本体SCと直列に接続する半導体スイッチ素子SW(a)が第1半導体スイッチ素子SW1に相当する。
【0060】
電荷移送回路CONVhの降圧動作時では、半導体スイッチ素子SW(b)(第3半導体スイッチ素子SW3)が開き、半導体スイッチ素子SW(a)(第1半導体スイッチ素子SW1)及び第2半導体スイッチ素子SW2が閉じている場合、太陽電池本体SCで生じた出力電力はコイルL1に電気エネルギーとして蓄えられるとともに負荷側に出力される。また、半導体スイッチ素子SW(b)(第3半導体スイッチ素子SW3)が閉じ、半導体スイッチ素子SW(a)(第1半導体スイッチ素子SW1)及び第2半導体スイッチ素子SW2が開いている場合、電荷移送回路CONVhはコイルL1に蓄えられていた電気エネルギーを負荷側に放出する。
【0061】
また、電荷移送回路CONVhの昇圧動作時には半導体スイッチ素子SW(a)が常時閉状態となり、半導体スイッチ素子SW(b)が常時開状態となる。また、半導体スイッチ素子SW(d)は第2半導体スイッチ素子SW2と同相にスイッチング制御され、半導体スイッチ素子SW(c)は第2半導体スイッチ素子SW2と逆相にスイッチング制御される。よって、荷移送回路CONVhの昇圧動作時には、太陽電池本体SCと直列に接続する半導体スイッチ素子SW(c)が第1半導体スイッチ素子SW1に相当する。
【0062】
電荷移送回路CONVhの昇圧動作時では、半導体スイッチ素子SW(c)(第1半導体スイッチ素子SW1)が開き、第2半導体スイッチ素子SW2及び半導体スイッチ素子SW(d)(第3半導体スイッチ素子SW3)が閉じている場合、太陽電池本体SCで生じた出力電力はコイルL1に電気エネルギーとして蓄えられる。このとき、他の太陽電池モジュールPVMhからの出力電力は第2半導体スイッチ素子SW2を通して負荷側に出力される。また、半導体スイッチ素子SW(c)(第1半導体スイッチ素子SW1)が閉じ、第2半導体スイッチ素子SW2及び半導体スイッチ素子SW(d)(第3半導体スイッチ素子SW3)が開いている場合、電荷移送回路CONVhはコイルL1に蓄えられていた電気エネルギー及び太陽電池本体SCで生じた出力電力を負荷側に放出する。
【0063】
上記の電荷移送回路CONVhのスイッチング制御は、前述の電荷移送回路CONVa〜電荷移送回路CONVeと同様に検出手段の出力情報に基づいて、太陽電池本体SCが最大電力点Pmaxで動作するよう行われる。これにより、太陽電池本体SCは最大電力点Pmaxで動作するよう追従制御され、太陽電池モジュールPVMhは常にその日照条件下における最大の電力を出力する。
【0064】
尚、図11(a)は検出手段として電圧計46を用いた例である。また、図11(b)は検出手段として電流計52を用いた例である。さらに、電荷移送回路CONVhは、電荷移送回路CONVcのように、検出手段として電圧計46と電流計52とを有していても良い。また、電荷移送回路CONVd、電荷移送回路CONVeのように温度感知素子54を備えていても良い。
【0065】
このように、太陽光発電装置40の太陽電池本体SCは、当該太陽電池本体SC毎に設けられた電荷移送回路CONVにより最大電力点Pmaxをとるように個別に追従制御される。このため、常にその日照条件下における最大の電力を出力することができる。その結果、複数の太陽電池モジュールPVMで構成される太陽光発電装置40も常に最大の電力を負荷側に出力することが出来る。
【0066】
また、太陽光発電装置40の電荷移送回路CONVは、電荷移送回路CONVの出力端47間を開閉する第2半導体スイッチ素子SW2を有している。よって、第2半導体スイッチ素子SW2が閉状態の場合、他の太陽電池モジュールPVMから出力された電力はダイオードDではなく第2半導体スイッチ素子SW2を通して流下する。一般的に(閉状態の)半導体スイッチ素子はダイオードDよりも電力損失が極めて低い。このため、太陽光発電装置40は第1半導体スイッチ素子SW1が開状態の時の各太陽電池モジュールPVMの電力損失を最低限に抑えることができる。特に、日照不足等で各太陽電池モジュールPVMの第1半導体スイッチ素子SW1が比較的長くの開状態をとる場合、この効果は顕著となる。
【0067】
また、例えば第2半導体スイッチ素子SW2が存在せず、太陽電池本体SCを構成する太陽電池素子が一つで、この太陽電池素子の起電力がダイオードDの順方向電圧と同等もしくはそれより小さい場合、起電力よりも損失が大きくなり回路自体が動作しない可能性がある。しかしながら、本願発明の電荷移送回路CONVは、閉状態時に電荷移送回路CONVの出力端47間を低損失で短絡する第2半導体スイッチ素子SW2が存在する。このため、太陽電池本体SCを構成する太陽電池素子が一つの場合でも問題なく動作させることができる。
【0068】
さらに、本発明の電荷移送回路CONVに使用される第2半導体スイッチ素子SW2には、無信号時に閉状態となるノーマリーオン型の半導体スイッチ素子が用いられる。このため、太陽光発電装置40の一部の電荷移送回路CONVが何らかの原因により動作停止した場合でも、電荷移送回路CONVの第2半導体スイッチ素子SW2は閉状態のまま維持される。従って、前述と同様、動作停止していない正常な太陽電池モジュールPVMから出力された電力は、ダイオードDではなく第2半導体スイッチ素子SW2を通して流下する。よって、本発明に係る太陽光発電装置40は一部の太陽電池モジュールPVMが動作停止した状態でも、この動作停止中の太陽電池モジュールPVMを通過する際の電力損失を最低限に抑えることができる。
【0069】
次に、本発明に係る太陽光発電装置の各太陽電池モジュールPVMの接続及びスイッチング制御の信号同期等に関する説明を行う。
【0070】
図12に示す太陽光発電装置40aは、制御部44のスイッチング制御に用いる信号を太陽電池モジュールPVM毎に独立した周期の発振器55から得る構成である。この太陽光発電装置40aの構成によれば太陽電池モジュールPVM毎にスイッチング制御が行われるため、いずれかの太陽電池モジュールPVMが常に動作していることとなり、太陽光発電装置40aはより安定した電力を負荷側に出力することができる。尚、図12においては、発振器55を電荷移送回路CONVの制御部44に設けた例を示したが、発振器55は外部に設けることも可能である。
【0071】
また、図13に示す太陽光発電装置40bは、制御部44にシンクロ端子59を設けこれをそれぞれ接続することで各太陽電池モジュールPVMのスイッチング制御の周期を同期させる構成である。この太陽光発電装置40bの構成によれば、各太陽電池モジュールPVMは同期された周期の信号を基にスイッチング制御を行うため、個々の太陽電池モジュールPVMのデューティ比が異なっていても、同期された太陽電池モジュールPVMの全ての第1半導体スイッチ素子SW1が同時に閉状態となる区間が必ず存在する。そして、この全ての第1半導体スイッチ素子SW1が同時に閉状態となる区間では、同期された太陽電池モジュールPVM全てが一斉に電力を出力するため、太陽光発電装置40bにおける最大の電力を負荷側に出力することができる。尚、各太陽電池モジュールPVMを同期させる手段としては、1つの発振器と各太陽電池モジュールPVMの制御部44とを接続し、その発振器からの信号に基づき各太陽電池モジュールPVMのスイッチング制御を同期させて行うようにしても良い。
【0072】
尚、図12、図13においては、直列接続された太陽電池モジュールPVMが1列の例を用いたが、図1に示すような複数の太陽電池モジュールPVMが直並列された構成においても適用が可能である。
【0073】
また、図14に示す太陽光発電装置40cは、直列接続された複数の太陽電池モジュールPVMで構成されたストリングPVSを複数並列接続し、各ストリングPVSを構成する太陽電池モジュールPVMの制御部44にシンクロ端子59を設けこれを接続することで、太陽電池モジュールPVMのスイッチング制御の周期をストリングPVS毎に同期させるとともに、各ストリングPVSのスイッチング制御の周期を発振器制御部50により一定間隔の位相差を設けている。
【0074】
この太陽光発電装置40cによれば、1つのストリングPVSを構成する太陽電池モジュールPVMのスイッチング制御の信号が同期されているため、ストリングPVS内の太陽電池モジュールPVMの全ての第1半導体スイッチ素子SW1が同時に閉状態となる区間が存在する。そしてこのとき、ストリングPVSは最大の電力を負荷側に出力する。また、各ストリングPVSのスイッチング制御の周期は発振器制御部50により一定間隔の位相差を有している。このため、あるストリングPVSが最大の電力を負荷側に出力した後に出力電力が減少したとしても、順次別のストリングPVSが最大の電力を負荷側に出力することができる。したがって、太陽光発電装置40cは高い電力を安定的に負荷側に出力することができる。
【0075】
また、図15に示す太陽光発電装置40dは、ストリングPVSを複数並列接続し、スイッチング制御の基にとなる信号周期を太陽電池モジュールPVM毎に独立して行う構成である。この構成によれば、全ての太陽電池モジュールPVMが独立した周期でスイッチング制御されるため、太陽光発電装置40dは極めて安定した電力を負荷側に出力することができる。ただし、太陽光発電装置40dではスイッチング制御のタイミングによって、あるストリングPVSが全く電力を出力しない状態となる可能性がある。このため、各ストリングPVSと太陽光発電装置40dの正極出力端42aとの間に電流の逆流を防止するダイオードD1を接続することが好ましい。
【0076】
尚、図14、図15においては、ストリングPVSを3列並列接続した例を示したが、太陽光発電装置の用途、規模等によっては並列接続の数は適宜増減が可能である。
【0077】
また、太陽光発電装置40a、40b、40c、40dは、図16に示すように、各太陽電池モジュールPVM(PVMa〜PVMe)に設けられているコイルL1を除き、ストリングPVSと太陽光発電装置40a、40b、40c、40dの正極出力端42aとの間にコイルL2を設ける構成としても良い。この構成によれば、各太陽電池モジュールPVMに設けられていたコイルL1の設置分、省スペース化が可能となる。また、コイルL1を太陽電池モジュールPVMの構成から外すことで太陽電池モジュールPVMa〜PVMeを1つのICパッケージ化することが可能となり、更なる省スペース化を図ることができる。尚、図16においてはストリングPVSが1つの例を用いたが、複数のストリングPVSを並列に接続し、各ストリングPVSと太陽光発電装置40a、40b、40c、40dの正極出力端42aとの間にコイルL2を設けても良い。また、太陽光発電装置40a、40b、40c、40dにモータ等の誘導性負荷を接続する場合には、この誘導性負荷をコイルL2としても良い。
【0078】
これら太陽光発電装置40a、40b、40c、40dの構成においても、各太陽電池モジュールPVMの太陽電池本体SCは、前述のように太陽電池モジュールPVM毎に設けられた電荷移送回路CONVのスイッチング制御により、常に最大電力点Pmaxで動作するように追従制御されるため、常にその日照条件下における最大の電力を出力する。その結果、太陽光発電装置40a、40b、40c、40dも常に最大の電力を負荷側に出力することが出来る。
【0079】
また、太陽光発電装置40、40a、40b、40c、40dは、太陽電池本体SCそれぞれに電荷移送回路CONVが設けられ、各太陽電池本体SCに対してそれぞれMPPT制御して最大電力点Pmaxを追従して集電する構成なので、従来の太陽電池モジュールに備わるバイパスダイオードDbや逆流防止ダイオードDaがなく、複峰性が原理的に生じない。そのため、それぞれの太陽電池本体SCに対して損失なく真の最大電力を取り出すMTTP制御が行われる。
【0080】
尚、太陽光発電装置40、40a、40b、40c、40dは各太陽電池モジュールPVMの電力を最大限に取り出し出力する構成であるため、これら太陽光発電装置40、40a、40b、40c、40dに負荷28もしくは電力系統27を接続するにあたっては、図17に示すように、太陽光発電装置40、40a、40b、40c、40dと負荷28もしくは電力系統27の間にレギュレータ60やコンバータ61などを設けて所定の電圧値、電流値に変換する必要がある。また、必要に応じて太陽光発電装置40、40a、40b、40c、40dとレギュレータ60、コンバータ61の間に蓄電装置62を設けても良い。
【0081】
また、本発明に係る太陽光発電装置40、40a、40b、40c、40dは、出力端にレギュレータ、コンバータ等を介することで、取り出した電力を2次電池に充電することも、交流電源に系統連係させることもできる。更に、その適用範囲は屋内用の小規模太陽光発電システムから屋外用の大規模な太陽光発電システムまで及ぶ。
【符号の説明】
【0082】
40、40a〜40d 太陽光発電装置
44 制御部
46 電圧計(検出手段)
47 出力端
52 電流計(検出手段)
CONV、CONVa〜CONVh 電荷移送回路
SC 太陽電池本体
SW1 第1半導体スイッチ素子
SW2 第2半導体スイッチ素子
Pmax 最大電力点
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽電池から効率よく電力を得て二次電池への充電や電力系統に連係させるための太陽光発電装置の技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
太陽電池素子(セル)は、電流源と1個のダイオード(太陽電池そのもの)で等価回路が表現される発電の最小単位であるが、その出力密度は小さく、通常は複数個の太陽電池素子を面一に並べて直列接続または直並列接続した構成を基本単位とする。
【0003】
そして、実用上は、例えば図18の等価回路のように、複数の太陽電池素子を直列に接続した太陽電池本体SC(図18は太陽電池素子7個直列の例であり、1つの電流源と7つの直列ダイオードで表現されている。)と、これに発電しない素子が現れた場合の対策に挿入されているバイパスダイオードDbと、逆流防止ダイオードDaとを接続した構成の太陽電池モジュールとして作られている。
【0004】
さらに、一般の太陽光発電装置では、上記太陽電池モジュールを複数個、直並列に接続した太陽電池アレイ若しくは太陽電池パネルとして用いている。
【0005】
上記太陽電池アレイを利用した典型的な太陽光発電装置(或いは同義の太陽光発電システム)としては、図19に示される太陽光発電装置30のように、複数の太陽電池アレイ21a,21b,21c,・・と、集電箱23と、電力変換装置26とを備え、各太陽電池アレイ21a,21b,21c,・・は太陽電池モジュール22をマトリックス状に直並列に接続してなり、集電箱23は各太陽電池モジュール22から太陽電池アレイ21a,21b,21c,・・を通じて出力される直流出力を集電し、電力変換装置26は前記集電箱23で集電された太陽電池アレイ21a,21b,21c,・・の集電出力を電力系統27に連係させた状態で交流に変換するインバータ24と、該インバータ24を制御する制御部25などから構成され、変換された交流出力を電力系統27に連係した状態で負荷28に供給するという構成のものがある。
【0006】
一方、実用化されている太陽電池には、結晶系シリコン太陽電池、アモルファスシリコン太陽電池、化合物半導体太陽電池、有機半導体太陽電池などの種類があるが、何れもその太陽電池の出力特性(出力電流I−出力電圧V曲線)は概ね図20のようなI−V特性曲線となり、効率的に太陽電池から最大電力を取り出すには、太陽電池の実際の動作点P(動作電流Iope×動作電圧Vope)を可及的に最大電力点Pmax(最適動作電流Iop×最適動作電圧Vop)で動作させるようにすることが重要となる。
【0007】
この点、上記太陽光発電装置30を含む現在の太陽光発電装置(システム)では、太陽電池アレイの出力が常に最大電力点Pmaxで動作するように出力電圧、出力電流を追従制御するいわゆる最大電力点追従(Maximum Power Point Tracking:MPPT)制御が多く採用されている。このMPPT制御には種々の方法が考案されているが、例えば太陽電池アレイの出力電圧を開放電圧から減少させていき、その間電力値を走査して最大電力点Pmaxを測定し、その最大電力点Pmaxまで動作点を移動させるスキャンニング法がある。
【0008】
ところで、現実の太陽光発電装置(システム)では、太陽電池全体が常に均一な条件で太陽光が照射されているわけではなく、雲や樹木などの影に隠れたりして部分的に出力が弱くなる部分陰影照射の状態となったり、設置場所の向きの違い、温度環境の違いによって日射条件が異なるような、いわゆる不均一日射条件下での動作状態になることがある(寧ろこれが通常とも言える)。
【0009】
上記のような不均一日射条件下では、設置された太陽電池全体に対する単一のMPPT制御では効率的な電力の取り出しは望むべくもない。
【0010】
この点、前記不均一日射条件下(例えば、前記部分日陰条件下の場合。)における太陽電池発電装置の非効率の問題を解決すべく、多数の解決策が提案されている。
【0011】
例えば、下記[特許文献1]には、太陽電池群(太陽電池アレイ)毎に設けられたDC−DCコンバータによってMPPT制御を行うことにより、効率よく太陽電池の出力を取り出すことができるとする技術が開示されている。
【0012】
また、下記[特許文献2]には、直並列接続された複数の太陽電池素子からなる太陽電池モジュールと、前記太陽電池モジュールの複数の太陽電池素子が発電した直流電力を降圧するコンバータと、を基板上に備え、前記コンバータはMPPT制御を行うとする構成の太陽電池モジュールが提案されている。
【0013】
また、下記[特許文献3]には、太陽電池パネルの複数ブロック毎に昇圧チョッパ回路を設けてブロック毎に個別にMPPT制御で直流電圧変換し、それらを統合して系統に流す構成の太陽光発電装置が提案されている。
【0014】
さらに、下記[特許文献4]には、複数の太陽電池アレイを並列接続して入力される系統連係インバータにおいて、各太陽電池アレイに対して独立にDC−DCコンバータによってMPPT制御を行わせて発電効率の向上を図った構成の太陽光発電用電力変換装置が提案されている。
【0015】
また、複数の太陽電池モジュールを直並列接続した太陽電池アレイを不均一日射条件下で動作させた場合に、その出力特性に電力極大点が複数現れるいわゆる複峰性のあることが最近報告されている(IEEJ Trans.IA.Vol.124,No.8,2004、鷹野一朗ほか)。
【0016】
即ち、図21に示されるように、縦軸に太陽電池の電流Iまたは電力P、横軸に太陽電池の電圧Vを採ると、図18に示される太陽電池モジュールが複数個並列接続された太陽電池アレイの電流−電圧特性、電力−電圧特性には、複数(図21では2つ)の電力極大点P1,P2が現れている。この複峰性は直列接続の場合も現れ、それらの特性曲線は不均一日射条件によって様々に変化する。例えば部分陰影条件下では陰影領域の変化で千差万別に変化し、電力極大点も2つに限らず多数現れる可能性がある。
【0017】
本発明者は、図18に示されるような太陽電池モジュールを2個直列接続し、それぞれの電流源に電流差(光の強さの差)が生じたとき、電流の少ないほうの太陽電池モジュールに電流を流しきれず、これが太陽電池モジュール毎に設けられているバイパスダイオードDbに流れることを原因として出力特性に顕著な複峰性が現れることを究明した。また、上記太陽電池モジュールを2個並列接続し、それぞれのモジュール間に両者の温度差によって電圧差が現れたときにも複峰性が現れ、その原因が逆流防止ダイオードDaの影響であることを究明した。
【0018】
然るに、従来の太陽電池モジュール複数個を直並列に接続した太陽電池アレイの場合は、それぞれのモジュールの電流、電圧の変化の影響で多数の電力極大点が出現する可能性がある。
【0019】
上記のような不均一条件下で複峰性が不可避的に現れる従来の太陽光発電装置(システム)においては、仮に太陽電池アレイや太陽電池モジュールに対する単純な最大電力点追従(MPPT)制御、或いは複峰性を考慮した改善された精度の高いMPPT制御で図21の電力極大点P2で制御が収束しても、太陽電池アレイや太陽電池モジュール内部で損失が発生してしまい、真の最大の電力が得られず、最悪条件下では約60%もの損失が発生している可能性があることが本発明者の研究で判明した。
【0020】
このように、部分陰影などの不均一条件下の場合に太陽電池アレイの出力特性に現れる前記複峰性は、図18のような太陽電池モジュールにおける逆流防止ダイオードDaやバイパスダイオードDbに起因するものであるが、このような複峰性の現れる部分陰影条件下などでも常に最大の電力を太陽電池から取り出すためには、従来のような複数の太陽電池モジュールから構成される太陽電池アレイや太陽電池モジュールに対する最大電力点追従(MPPT)制御の手段或いはその精度を高める手段では難しいと考えられる。
【0021】
このため、太陽電池本体毎に電荷移送回路を設置し、個々の太陽電池本体に対して出力の最大電力点への追従制御を行うことが、発電効率の向上にとって有効な手段と考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0022】
【特許文献1】特開2000−112545号公報
【特許文献2】特開2003−124492号公報
【特許文献3】特開2003−134667号公報
【特許文献4】特開2004−194500号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0023】
しかしながら、太陽電池本体毎に電荷移送回路を設置した場合、一部の電荷移送回路が故障等で動作停止すると、正常な太陽電池モジュールからの出力電力は動作停止した電荷移送回路内のフライホイールダイオードを通して流下することとなる。そして、このフライホイールダイオードを出力電力が流下する際、無視できない電力損失が発生する。
【0024】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、太陽電池本体毎に電荷移送回路を有し、且つ一部の電荷移送回路が停止しても動作停止中の電荷移送回路による電力損失が少ない太陽光発電装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0025】
本発明は、
(1)単数もしくは複数の太陽電池素子を接続してなる太陽電池本体SCと、前記太陽電池本体SC毎に設けられ前記太陽電池本体SCに対する出力の最大電力点Pmaxへの追従制御を行う電荷移送回路CONVと、を備え、前記電荷移送回路CONVは、前記太陽電池本体SCに直列に接続された第1半導体スイッチ素子SW1と、前記太陽電池本体SCと並列に接続され閉状態時に当該電荷移送回路CONVの出力端47間を短絡する第2半導体スイッチ素子SW2と、前記太陽電池本体SCの出力をモニターする検出手段(電圧計46、電流計52)と、前記検出手段からの出力情報に応じて第1半導体スイッチ素子SW1及び第2半導体スイッチ素子SW2のスイッチング制御を行う制御部44と、を有する太陽光発電装置において、
前記電荷移送回路CONVの第2半導体スイッチ素子SW2がノーマリーオン型の半導体スイッチ素子であることを特徴とする太陽光発電装置40を提供することにより、上記課題を解決する。
【発明の効果】
【0026】
本発明に係る太陽光発電装置は、上記のような構成のため、一部の電荷移送回路が停止しても動作停止中の電荷移送回路による電力損失を最小限に抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明に係る太陽光発電装置のブロック図である。
【図2】本発明に係る太陽光発電装置を構成する太陽電池モジュールの第1の実施の形態を示すブロック図である。
【図3】太陽電池本体の動作電圧と出力電力の関係を示す図である。
【図4】本発明に係る太陽光発電装置を構成する太陽電池モジュールの第2の実施の形態を示すブロック図である。
【図5】本発明に係る太陽光発電装置を構成する太陽電池モジュールの第3の実施の形態を示すブロック図である。
【図6】本発明に係る太陽電池モジュールの第1の実施の形態に温度検知素子を設けた例を示すブロック図である。
【図7】温度が変化したときの太陽電池本体の動作電圧と出力電力の関係を示す図である。
【図8】本発明に係る太陽電池モジュールの第2の実施の形態に温度検知素子を設けた例を示すブロック図である。
【図9】本発明を半導体スイッチ素子を3つ備えた昇圧型コンバータに適用した例を示す図である。
【図10】本発明を反転型コンバータに適用した例を示す図である。
【図11】本発明をブリッジコンバータに適用した例を示す図である。
【図12】本発明に係る太陽光発電装置を形成する各太陽電池モジュールのスイッチング制御を独立した周期で行う構成を示すブロック図である。
【図13】本発明に係る太陽光発電装置を形成する各太陽電池モジュールのスイッチング制御を同期させて行う構成を示すブロック図である。
【図14】本発明に係る太陽光発電装置を形成する各太陽電池モジュールのスイッチング制御をストリング毎に同期させるとともに各ストリングの周期に位相差をもたせて行う構成を示すブロック図である。
【図15】本発明に係る太陽光発電装置を形成する各太陽電池モジュールのスイッチング制御を独立した周期で行うとともに各ストリングに逆流防止ダイオードを設けた構成を示すブロック図である。
【図16】本発明に係る太陽光発電装置の直列接続された複数の太陽電池モジュールと出力端の間にコイルを設けた構成を示すブロック図である。
【図17】本発明に係る太陽光発電装置と負荷等との接続を示すブロック図である。
【図18】従来の太陽電池モジュールの回路図である。
【図19】従来の典型的な太陽光発電装置の構成を示す図である。
【図20】太陽電池の出力特性(出力電流I−出力電圧V曲線)を説明するための図である。
【図21】複数の太陽電池モジュールからなる太陽電池アレイを不均一日射条件下で動作させた場合の出力特性の複峰性を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明に係る太陽光発電装置の実施の形態について図面に基づいて説明する。本発明に係る太陽光発電装置40は、図1、図2に示すように、太陽電池本体SCと電荷移送回路CONVとで主に構成された太陽電池モジュールPVMが、正極のモジュール出力端48aと負極のモジュール出力端48bとを介して直列又は直並列に複数個、接続されて構成されている。尚、太陽光発電装置40の出力端である正極出力端42aと負極出力端42bには図示しないレギュレータやコンバータ、蓄電装置等を介して負荷28に接続され、負荷28に対して電力を供給する。尚、図1においては、直列接続された複数の太陽電池モジュールPVMを3列並列接続した例を示したが、太陽光発電装置の用途、規模等によっては並列接続の数は適宜増減が可能である。また、並列接続を行わず直列接続のみとしても良い。
【0029】
尚、以下の説明においては、本発明に係る太陽電池モジュールを総称して太陽電池モジュールPVMとし構成の異なる個々の太陽電池モジュールを太陽電池モジュールPVMa〜PVMhとして記述する。また、電荷移送回路を総称して電荷移送回路CONVとし構成の異なる個々の電荷移送回路を電荷移送回路CONVa〜CONVhとして記述する。
【0030】
次に、本発明に係る太陽光発電装置40における太陽電池モジュールPVMの第1の実施の形態を図2に示す。第1の実施の形態の太陽電池モジュールPVMaは、太陽電池素子単体もしくは複数の太陽電池素子を直列または直並列接続してなる太陽電池本体SCと、入力端43がそれぞれの太陽電池本体SCの正極端子41aと負極端子41bとに接続され、出力端47がモジュール出力端48a、48bに接続する電荷移送回路CONVaと、を有している。
【0031】
電池モジュールPVMaの電荷移送回路CONVaは、太陽電池本体SCの正極端子41aと電荷移送回路CONVaの正極側の出力端47との間に直列に接続された第1半導体スイッチ素子SW1と、第1半導体スイッチ素子SW1の出力端47側に太陽電池本体SCと並列に接続され閉(オン)状態時に出力端47間を短絡する第2半導体スイッチ素子と、太陽電池本体SCの正極端子41aと負極端子41bとの間に並列接続された検出手段としての電圧計46と、第1半導体スイッチ素子及び第2半導体スイッチ素子のスイッチング制御を行う制御部44と、第2半導体スイッチ素子SW2と並列に接続しフライホイールダイオードとして機能するダイオードDと、を有している。そして特に、第2半導体スイッチ素子には無信号時に閉状態(ノーマリーオン)となる、例えばGaN(窒化ガリウム)、GaAs(ガリウム砒素)などの化合物半導体等からなるデプレッション型の半導体スイッチ素子を用いる。これは、本発明の電荷移送回路CONVにおいて共通する構成である。
【0032】
また、電荷移送回路CONVaの正極側の出力端47と正極出力端子48aとの間には、太陽電池本体SCからの電気エネルギーを蓄積もしくは放出するコイルL1が直列に接続されている。尚、コンデンサCa、Cbは太陽電池本体SC及び正極のモジュール出力端48a、負極出力端子48b間における端子電圧のリップルを低減するための平滑コンデンサである。
【0033】
ここで、照射する光の強さ変化させた場合の太陽電池本体SCに生じる動作電圧と出力電力の関係を図3に示す。尚、図3中の実線A、実線B、実線Cは光の強さをA>B>Cとした時の動作電圧Vopeと出力電力の関係である。ただし、太陽電池本体SCの温度は一定とする。図3より、太陽電池本体SCの温度が一定であれば、最大電力点Pmaxが得られる太陽電池本体SCの最適動作電圧Vopは、照射される光の強さによらず一定であることがわかる。よって、太陽電池本体SCの動作電圧Vopeが最適動作電圧Vopを取るように制御することで、太陽電池本体SCを常時最大電力点Pmaxで動作させることが可能となる。
【0034】
次に、電荷移送回路CONVaの動作を説明する。電荷移送回路CONVaの制御部44は発振器55を有しており、この発振器55からの信号に基づいて第1半導体スイッチ素子SW1と第2半導体スイッチ素子SW2とを交互にパルス幅変調(PWM)方式でスイッチング制御し同期整流を行う。尚、スイッチング制御を行う信号は必ずしも制御部44内から得る必要はなく、外部に設けた発振器55から得ても良い。これは後述する各電荷移送回路CONVにおいても同様である。
【0035】
ここで、第1半導体スイッチ素子SW1が閉じ、第2半導体スイッチ素子SW2が開いている場合、太陽電池本体SCで生じた出力電力は第1半導体スイッチ素子SW1を通ってコイルL1に電気エネルギーとして蓄えられるとともに正極端子48aから負荷側に出力される。太陽電池本体SCで生じた出力電力が負荷側に出力されると太陽電池本体SCの動作電圧Vopeは減少する。反対に、第2半導体スイッチ素子SW2が閉じ、第1半導体スイッチ素子SW1が開いている場合、コイルL1は蓄えられていた電気エネルギーを負荷側に放出する。このとき太陽電池本体SCで生じた電力は負荷側には出力されず、これにより太陽電池本体SCの動作電圧Vopeは増加する。尚、第2半導体スイッチ素子SW2が閉じ、第1半導体スイッチ素子SW1が開いている場合には、直列に接続されている他の太陽電池モジュールPVMaからの出力電力は第2半導体スイッチ素子SW2を通して負荷側に出力される。
【0036】
電圧計46は太陽電池本体SCの動作電圧Vopeを常時モニターし、これを出力情報として制御部44に出力する。前述のように最大電力点Pmaxを取るときの最適動作電圧Vopは光の強さによらず一定であるから、制御部44には太陽電池本体SCの最適動作電圧Vopを予め設定することができる。制御部44は電圧計46からの動作電圧Vopeを受けて、動作電圧Vopeが予め設定された最適動作電圧Vopより高い場合には、第1半導体スイッチ素子SW1が閉となる時間間隔を拡げるようPWM信号のデューティ比を変化させる。このスイッチング制御により、第1半導体スイッチ素子SW1の閉状態の時間間隔が長くなる。第1半導体スイッチ素子SW1の閉状態の時間間隔が長くなれば、太陽電池本体SCで生じた出力電力を負荷側に出力する時間間隔が長くなり、太陽電池本体SCの動作電圧Vopeは減少する。反対に動作電圧Vopeが最適動作電圧Vopより低い場合には、制御部44は第1半導体スイッチ素子SW1が開となる時間間隔を拡げるようスイッチング制御する。第1半導体スイッチ素子SW1の開状態の時間間隔が長くなれば、太陽電池本体SCで生じた出力電力を負荷側に出力する時間間隔が短くなり、太陽電池本体SCの動作電圧Vopeは増加する。
【0037】
この制御部44の制御により、太陽電池本体SCの動作電圧Vopeは常に最適動作電圧Vopをとるように追従制御される。前述のように動作電圧Vopeが最適動作電圧Vopを取っていれば、太陽電池本体SCは最大電力点Pmaxで動作することとなり、よって太陽電池モジュールPVMaは常にその日照条件下における最大の電力を出力することができる。
【0038】
次に、本発明に係る太陽電池モジュールPVMの第2の実施の形態を図4に示す。第2の実施の形態の太陽電池モジュールPVMbの電荷移送回路CONVbは、第1の実施の形態の電荷移送回路CONVaの電圧計46に替えて、太陽電池本体SCの正極端子41aと第1半導体スイッチ素子SW1と間に直列接続された検出手段としての電流計52を有している。
【0039】
ここで、図20の太陽電池の出力特性(出力電流I−出力電圧V曲線)を参照する。図20より、太陽電池本体SCの最大電力点Pmaxが得られるような太陽電池本体SCの最適動作電流Iopは、太陽電池本体SCの短絡電流Isc(動作電圧Vope=0Vのときの太陽電池本体SCの電流値)から一定の比率だけ低下した値となることが知られている。即ち、仮に一定の比率が90%である場合、最適動作電流Iopは Isc×0.9 となる。尚、図20の出力特性は太陽光の照射条件等により変化するものであるが、この最適動作電流Iopと短絡電流Iscの関係は出力特性が変化しても常に成立する。よって、短絡電流Iscが判明すれば最適動作電流Iopは求められ、太陽電池本体SCの動作電流Iopeが最適動作電流Iopを取るように制御することで、太陽電池本体SCを常時最大電力点Pmaxで動作させることが可能となる。
【0040】
次に、電荷移送回路CONVbの動作を説明する。電荷移送回路CONVbの制御部44も電荷移送回路CONVaと同様、発振器55からの信号に基づいて第1半導体スイッチ素子SW1と第2半導体スイッチ素子SW2とをスイッチング制御する。電流計52は太陽電池本体SCの動作電流Iopeを常時モニターし、これを出力情報として制御部44に出力する。制御部44には予め太陽電池本体SCの短絡電流Iscから求められた太陽電池本体SCの最適動作電流Iopが設定されており、制御部44は電流計52からの動作電流Iopeが最適動作電流Iopより低い場合には、第1半導体スイッチ素子SW1が閉となる時間間隔を拡げるようスイッチング制御する。スイッチ素子SW1の閉状態の時間間隔が長くなれば、太陽電池本体SCで生じた出力電力を負荷側に出力する時間間隔が長くなり、太陽電池本体SCの動作電流Iopeは短絡電流Isc方向に増加する。
【0041】
反対に動作電流Iopeが最適動作電流Iopより高い場合には、制御部44は第1半導体スイッチ素子SW1が開となる時間間隔を拡げるようスイッチング制御する。第1半導体スイッチ素子SW1の開状態の時間間隔が長くなれば、太陽電池本体SCで生じた出力電力を負荷側に出力する時間間隔が短くなり、これにより太陽電池本体SCの動作電流Iopeは減少する。
【0042】
この制御部44の制御により、太陽電池本体SCの動作電流Iopeは常に最適動作電流Iopをとるように追従制御される。前述のように動作電流Iopeが最適動作電流Iopを取っていれば、太陽電池本体SCは最大電力点Pmaxで動作することとなり、よって太陽電池モジュールPVMbは常にその日照条件下における最大の電力を出力することができる。
【0043】
次に、本発明に係る太陽光発電装置40における太陽電池モジュールPVMの第3の実施の形態を図5に示す。第3の実施の形態の太陽電池モジュールPVMcの電荷移送回路CONVcは、検出手段として電圧計46と電流計52とを有している。
【0044】
次に、電荷移送回路CONVcの動作を説明する。電荷移送回路CONVcの制御部44も電荷移送回路CONVaと同様、発振器55からの信号に基づいて第1半導体スイッチ素子SW1と第2半導体スイッチ素子SW2とをスイッチング制御する。そして、太陽電池本体SCの動作電流Iopeは電流計52が常時モニターし、また太陽電池本体SCの動作電圧Vopeは電圧計46が常時モニターし、それぞれ制御部44に出力する。制御部44は電流計52から得られる動作電流Iopeと電圧計46から得られる動作電圧Vopeとから太陽電池本体SCの出力電力を求め、この出力電力が最大電力点Pmaxを追従するようにスイッチング制御を行う。これにより太陽電池本体SCは常に最大電力点Pmaxで動作することとなり、よって太陽電池モジュールPVMcは常にその日照条件下における最大の電力を出力することができる。
【0045】
また、本発明に係る太陽光発電装置40における太陽電池モジュールPVMは、図6に示す電池モジュールPVMdの電荷移送回路CONVdのように、電荷移送回路CONVaの構成に加え温度感知素子54を備えていても良い。
【0046】
ここで、温度を変化させた場合の太陽電池本体SCに生じる動作電圧と出力電力の関係を図7に示す。尚、図7中の実線D、実線E、実線Fは、それぞれ太陽電池本体SCの温度をD<E<Fとした時の動作電圧Vopeと出力電力の関係である。図7より、最大電力点Pmaxが得られる太陽電池本体SCの最適動作電圧Vopは、太陽電池本体SCの温度により増減し、温度が低い実線Dのときには高い値(最適動作電圧Vop(D))を、反対に温度が高い実線Fのときには低い値(最適動作電圧Vop(F))を、両者の間の温度である実線Eのときには両電圧の間の最適動作電圧Vop(E)をとることがわかる。この太陽電池本体SCの温度と最適動作電圧Vopとは比例関係にあることが判明しており、よって太陽電池本体SCの温度がわかればその温度における最適動作電圧Vopを求めることが出来る。
【0047】
次に、電荷移送回路CONVdの動作を説明する。ただし、電荷移送回路CONVdの動作は電荷移送回路CONVaとほぼ同等であるので、重複する部分の説明は省略する。先ず、温度感知素子54が太陽電池本体SCの周囲の温度を計測し、これを太陽電池本体SCの温度として制御部44に出力する。制御部44は温度検知素子54から得られる温度から当該温度における太陽電池本体SCの最適動作電圧Vopを求める。そして、求められた最適動作電圧Vopと電圧計46から得られる動作電圧Vopeとに基づき、電荷移送回路CONVaと同様のスイッチング制御を行う。これにより、太陽電池本体SCはいかなる温度の場合でも最大電力点Pmaxで動作することとなり、よって太陽電池モジュールPVMdは常にその日照条件下における最大の電力を出力することができる。
【0048】
また、図8に示す電池モジュールPVMeの電荷移送回路CONVeのように電荷移送回路CONVbの構成に温度感知素子54を加えても良い。この電池モジュールPVMeの電荷移送回路CONVeでは、制御部44が温度感知素子54から得られる太陽電池本体SCの温度に基づいて最適動作電流Iopの補正を行い、この補正された最適動作電流Iopに基づいて電荷移送回路CONVbと同様のスイッチング制御を行う。これにより、太陽電池本体SCはいかなる温度の場合でも最大電力点Pmaxで動作することとなり、よって太陽電池モジュールPVMdは常にその日照条件下における最大の電力を出力することができる。
【0049】
尚、温度検知素子54としては種々の温度検知素子を用いることができ、中でも特にサーミスタもしくはダイオードを用いること好ましい。また、本例においては温度検知素子54が太陽電池本体SCの周囲の温度を測定する例を用いたが、太陽電池本体SC自体の温度を測定する構成とすれば、電荷移送回路CONVd、CONVeの追従制御の精度は更に向上する。
【0050】
また、本発明の電荷移送回路は図9に示す太陽電池モジュールPVMfの電荷移送回路CONVfのように、半導体スイッチ素子を3つ備えた昇圧型コンバータに適用しても良い。この電荷移送回路CONVfは、第1半導体スイッチ素子SW1の太陽電池本体SC側に、第2半導体スイッチ素子SW2と並列に接続される第3半導体スイッチ素子SW3を備えている。また、コイルL1は太陽電池本体SCと第3半導体スイッチ素子SW3の接続端との間に第1半導体スイッチ素子SW1と直列に接続される。そして、第3半導体スイッチ素子SW3は第2半導体スイッチ素子SW2と同相でスイッチング制御される。
【0051】
電荷移送回路CONVfでは、第1半導体スイッチ素子SW1が開き、第2半導体スイッチ素子SW2及び第3半導体スイッチ素子SW3が閉じている場合、太陽電池本体SCで生じた出力電力はコイルL1に電気エネルギーとして蓄えられる。このとき、他の太陽電池モジュールPVMfからの出力電力は第2半導体スイッチ素子SW2を通して負荷側に出力される。また、第1半導体スイッチ素子SW1が閉じ、第2半導体スイッチ素子SW2及び第3半導体スイッチ素子SW3が開いている場合、電荷移送回路CONVfはコイルL1に蓄えられていた電気エネルギー及び太陽電池本体SCで生じた出力電力を負荷側に放出する。
【0052】
上記の電荷移送回路CONVfのスイッチング制御は、前述の電荷移送回路CONVa〜電荷移送回路CONVeと同様に検出手段の出力情報に基づいて、太陽電池本体SCが最大電力点Pmaxで動作するよう行われる。これにより、太陽電池本体SCは最大電力点Pmaxで動作するよう追従制御され、太陽電池モジュールPVMfは常にその日照条件下における最大の電力を出力する。
【0053】
尚、図9(a)は検出手段として電圧計46を用いた例である。また、図9(b)は検出手段として電流計52を用いた例である。さらに、電荷移送回路CONVfは、電荷移送回路CONVcのように、検出手段として電圧計46と電流計52とを有していても良い。また、電荷移送回路CONVd、電荷移送回路CONVeのように温度感知素子54を備えていても良い。
【0054】
また、本発明の電荷移送回路は図10に示す太陽電池モジュールPVMgの電荷移送回路CONVgのように、半導体スイッチ素子を3つ備えた反転型コンバータに適用しても良い。この電荷移送回路CONVgは、第1半導体スイッチ素子SW1の太陽電池本体SC側に直列接続された第3半導体スイッチ素子SW3を備えている。また、コイルL1は第1半導体スイッチ素子SW1と第3半導体スイッチ素子SW3の間に太陽電池本体SCと並列に接続される。そして、第3半導体スイッチ素子SW3は第2半導体スイッチ素子SW2と同相でスイッチング制御される。
【0055】
電荷移送回路CONVgも電荷移送回路CONVfと同様に、第1半導体スイッチ素子SW1が開き、第2半導体スイッチ素子SW2及び第3半導体スイッチ素子SW3が閉じている場合、太陽電池本体SCで生じた出力電力はコイルL1に電気エネルギーとして蓄えられる。このとき、他の太陽電池モジュールPVMfからの出力電力は第2半導体スイッチ素子SW2を通して負荷側に出力される。ただし、出力の方向は電荷移送回路CONVa〜電荷移送回路CONVgとは異なり、モジュール出力端48aが負極となりモジュール出力端48bが正極となる。よって、出力はモジュール出力端48aからモジュール出力端48bへと流下する。また、第1半導体スイッチ素子SW1が閉じ、第2半導体スイッチ素子SW2及び第3半導体スイッチ素子SW3が開いている場合、電荷移送回路CONVfはコイルL1に蓄えられていた電気エネルギーを負荷側に放出する。
【0056】
上記の電荷移送回路CONVgのスイッチング制御は、前述の電荷移送回路CONVa〜電荷移送回路CONVfと同様に検出手段の出力情報に基づいて、太陽電池本体SCが最大電力点Pmaxで動作するよう行われる。これにより、太陽電池本体SCは最大電力点Pmaxで動作するよう追従制御され、太陽電池モジュールPVMgは常にその日照条件下における最大の電力を出力する。
【0057】
尚、図10(a)は検出手段として電圧計46を用いた例である。また、図10(b)は検出手段として電流計52を用いた例である。さらに、電荷移送回路CONVgは、電荷移送回路CONVcのように、検出手段として電圧計46と電流計52とを有していても良い。また、電荷移送回路CONVd、電荷移送回路CONVeのように温度感知素子54を備えていても良い。
【0058】
また、本発明の電荷移送回路は図11に示す太陽電池モジュールPVMhの電荷移送回路CONVhのように、ブリッジコンバータに適用しても良い。この電荷移送回路CONVhは、太陽電池本体SCと直列接続されたコイルL1の両端に半導体スイッチ素子SW(a)と半導体スイッチ素子SW(c)とがそれぞれ直列に接続されている。また、コイルL1の両端に半導体スイッチ素子SW(b)と半導体スイッチ素子SW(d)とがそれぞれ太陽電池本体SCと並列に接続されている。
【0059】
そして降圧動作時には半導体スイッチ素子SW(c)が常時閉状態となり、半導体スイッチ素子SW(d)が常時開状態となる。また、半導体スイッチ素子SW(a)は第2半導体スイッチ素子SW2と同相にスイッチング制御され、半導体スイッチ素子SW(b)は第2半導体スイッチ素子SW2と逆相にスイッチング制御される。よって、荷移送回路CONVhの降圧動作時には、太陽電池本体SCと直列に接続する半導体スイッチ素子SW(a)が第1半導体スイッチ素子SW1に相当する。
【0060】
電荷移送回路CONVhの降圧動作時では、半導体スイッチ素子SW(b)(第3半導体スイッチ素子SW3)が開き、半導体スイッチ素子SW(a)(第1半導体スイッチ素子SW1)及び第2半導体スイッチ素子SW2が閉じている場合、太陽電池本体SCで生じた出力電力はコイルL1に電気エネルギーとして蓄えられるとともに負荷側に出力される。また、半導体スイッチ素子SW(b)(第3半導体スイッチ素子SW3)が閉じ、半導体スイッチ素子SW(a)(第1半導体スイッチ素子SW1)及び第2半導体スイッチ素子SW2が開いている場合、電荷移送回路CONVhはコイルL1に蓄えられていた電気エネルギーを負荷側に放出する。
【0061】
また、電荷移送回路CONVhの昇圧動作時には半導体スイッチ素子SW(a)が常時閉状態となり、半導体スイッチ素子SW(b)が常時開状態となる。また、半導体スイッチ素子SW(d)は第2半導体スイッチ素子SW2と同相にスイッチング制御され、半導体スイッチ素子SW(c)は第2半導体スイッチ素子SW2と逆相にスイッチング制御される。よって、荷移送回路CONVhの昇圧動作時には、太陽電池本体SCと直列に接続する半導体スイッチ素子SW(c)が第1半導体スイッチ素子SW1に相当する。
【0062】
電荷移送回路CONVhの昇圧動作時では、半導体スイッチ素子SW(c)(第1半導体スイッチ素子SW1)が開き、第2半導体スイッチ素子SW2及び半導体スイッチ素子SW(d)(第3半導体スイッチ素子SW3)が閉じている場合、太陽電池本体SCで生じた出力電力はコイルL1に電気エネルギーとして蓄えられる。このとき、他の太陽電池モジュールPVMhからの出力電力は第2半導体スイッチ素子SW2を通して負荷側に出力される。また、半導体スイッチ素子SW(c)(第1半導体スイッチ素子SW1)が閉じ、第2半導体スイッチ素子SW2及び半導体スイッチ素子SW(d)(第3半導体スイッチ素子SW3)が開いている場合、電荷移送回路CONVhはコイルL1に蓄えられていた電気エネルギー及び太陽電池本体SCで生じた出力電力を負荷側に放出する。
【0063】
上記の電荷移送回路CONVhのスイッチング制御は、前述の電荷移送回路CONVa〜電荷移送回路CONVeと同様に検出手段の出力情報に基づいて、太陽電池本体SCが最大電力点Pmaxで動作するよう行われる。これにより、太陽電池本体SCは最大電力点Pmaxで動作するよう追従制御され、太陽電池モジュールPVMhは常にその日照条件下における最大の電力を出力する。
【0064】
尚、図11(a)は検出手段として電圧計46を用いた例である。また、図11(b)は検出手段として電流計52を用いた例である。さらに、電荷移送回路CONVhは、電荷移送回路CONVcのように、検出手段として電圧計46と電流計52とを有していても良い。また、電荷移送回路CONVd、電荷移送回路CONVeのように温度感知素子54を備えていても良い。
【0065】
このように、太陽光発電装置40の太陽電池本体SCは、当該太陽電池本体SC毎に設けられた電荷移送回路CONVにより最大電力点Pmaxをとるように個別に追従制御される。このため、常にその日照条件下における最大の電力を出力することができる。その結果、複数の太陽電池モジュールPVMで構成される太陽光発電装置40も常に最大の電力を負荷側に出力することが出来る。
【0066】
また、太陽光発電装置40の電荷移送回路CONVは、電荷移送回路CONVの出力端47間を開閉する第2半導体スイッチ素子SW2を有している。よって、第2半導体スイッチ素子SW2が閉状態の場合、他の太陽電池モジュールPVMから出力された電力はダイオードDではなく第2半導体スイッチ素子SW2を通して流下する。一般的に(閉状態の)半導体スイッチ素子はダイオードDよりも電力損失が極めて低い。このため、太陽光発電装置40は第1半導体スイッチ素子SW1が開状態の時の各太陽電池モジュールPVMの電力損失を最低限に抑えることができる。特に、日照不足等で各太陽電池モジュールPVMの第1半導体スイッチ素子SW1が比較的長くの開状態をとる場合、この効果は顕著となる。
【0067】
また、例えば第2半導体スイッチ素子SW2が存在せず、太陽電池本体SCを構成する太陽電池素子が一つで、この太陽電池素子の起電力がダイオードDの順方向電圧と同等もしくはそれより小さい場合、起電力よりも損失が大きくなり回路自体が動作しない可能性がある。しかしながら、本願発明の電荷移送回路CONVは、閉状態時に電荷移送回路CONVの出力端47間を低損失で短絡する第2半導体スイッチ素子SW2が存在する。このため、太陽電池本体SCを構成する太陽電池素子が一つの場合でも問題なく動作させることができる。
【0068】
さらに、本発明の電荷移送回路CONVに使用される第2半導体スイッチ素子SW2には、無信号時に閉状態となるノーマリーオン型の半導体スイッチ素子が用いられる。このため、太陽光発電装置40の一部の電荷移送回路CONVが何らかの原因により動作停止した場合でも、電荷移送回路CONVの第2半導体スイッチ素子SW2は閉状態のまま維持される。従って、前述と同様、動作停止していない正常な太陽電池モジュールPVMから出力された電力は、ダイオードDではなく第2半導体スイッチ素子SW2を通して流下する。よって、本発明に係る太陽光発電装置40は一部の太陽電池モジュールPVMが動作停止した状態でも、この動作停止中の太陽電池モジュールPVMを通過する際の電力損失を最低限に抑えることができる。
【0069】
次に、本発明に係る太陽光発電装置の各太陽電池モジュールPVMの接続及びスイッチング制御の信号同期等に関する説明を行う。
【0070】
図12に示す太陽光発電装置40aは、制御部44のスイッチング制御に用いる信号を太陽電池モジュールPVM毎に独立した周期の発振器55から得る構成である。この太陽光発電装置40aの構成によれば太陽電池モジュールPVM毎にスイッチング制御が行われるため、いずれかの太陽電池モジュールPVMが常に動作していることとなり、太陽光発電装置40aはより安定した電力を負荷側に出力することができる。尚、図12においては、発振器55を電荷移送回路CONVの制御部44に設けた例を示したが、発振器55は外部に設けることも可能である。
【0071】
また、図13に示す太陽光発電装置40bは、制御部44にシンクロ端子59を設けこれをそれぞれ接続することで各太陽電池モジュールPVMのスイッチング制御の周期を同期させる構成である。この太陽光発電装置40bの構成によれば、各太陽電池モジュールPVMは同期された周期の信号を基にスイッチング制御を行うため、個々の太陽電池モジュールPVMのデューティ比が異なっていても、同期された太陽電池モジュールPVMの全ての第1半導体スイッチ素子SW1が同時に閉状態となる区間が必ず存在する。そして、この全ての第1半導体スイッチ素子SW1が同時に閉状態となる区間では、同期された太陽電池モジュールPVM全てが一斉に電力を出力するため、太陽光発電装置40bにおける最大の電力を負荷側に出力することができる。尚、各太陽電池モジュールPVMを同期させる手段としては、1つの発振器と各太陽電池モジュールPVMの制御部44とを接続し、その発振器からの信号に基づき各太陽電池モジュールPVMのスイッチング制御を同期させて行うようにしても良い。
【0072】
尚、図12、図13においては、直列接続された太陽電池モジュールPVMが1列の例を用いたが、図1に示すような複数の太陽電池モジュールPVMが直並列された構成においても適用が可能である。
【0073】
また、図14に示す太陽光発電装置40cは、直列接続された複数の太陽電池モジュールPVMで構成されたストリングPVSを複数並列接続し、各ストリングPVSを構成する太陽電池モジュールPVMの制御部44にシンクロ端子59を設けこれを接続することで、太陽電池モジュールPVMのスイッチング制御の周期をストリングPVS毎に同期させるとともに、各ストリングPVSのスイッチング制御の周期を発振器制御部50により一定間隔の位相差を設けている。
【0074】
この太陽光発電装置40cによれば、1つのストリングPVSを構成する太陽電池モジュールPVMのスイッチング制御の信号が同期されているため、ストリングPVS内の太陽電池モジュールPVMの全ての第1半導体スイッチ素子SW1が同時に閉状態となる区間が存在する。そしてこのとき、ストリングPVSは最大の電力を負荷側に出力する。また、各ストリングPVSのスイッチング制御の周期は発振器制御部50により一定間隔の位相差を有している。このため、あるストリングPVSが最大の電力を負荷側に出力した後に出力電力が減少したとしても、順次別のストリングPVSが最大の電力を負荷側に出力することができる。したがって、太陽光発電装置40cは高い電力を安定的に負荷側に出力することができる。
【0075】
また、図15に示す太陽光発電装置40dは、ストリングPVSを複数並列接続し、スイッチング制御の基にとなる信号周期を太陽電池モジュールPVM毎に独立して行う構成である。この構成によれば、全ての太陽電池モジュールPVMが独立した周期でスイッチング制御されるため、太陽光発電装置40dは極めて安定した電力を負荷側に出力することができる。ただし、太陽光発電装置40dではスイッチング制御のタイミングによって、あるストリングPVSが全く電力を出力しない状態となる可能性がある。このため、各ストリングPVSと太陽光発電装置40dの正極出力端42aとの間に電流の逆流を防止するダイオードD1を接続することが好ましい。
【0076】
尚、図14、図15においては、ストリングPVSを3列並列接続した例を示したが、太陽光発電装置の用途、規模等によっては並列接続の数は適宜増減が可能である。
【0077】
また、太陽光発電装置40a、40b、40c、40dは、図16に示すように、各太陽電池モジュールPVM(PVMa〜PVMe)に設けられているコイルL1を除き、ストリングPVSと太陽光発電装置40a、40b、40c、40dの正極出力端42aとの間にコイルL2を設ける構成としても良い。この構成によれば、各太陽電池モジュールPVMに設けられていたコイルL1の設置分、省スペース化が可能となる。また、コイルL1を太陽電池モジュールPVMの構成から外すことで太陽電池モジュールPVMa〜PVMeを1つのICパッケージ化することが可能となり、更なる省スペース化を図ることができる。尚、図16においてはストリングPVSが1つの例を用いたが、複数のストリングPVSを並列に接続し、各ストリングPVSと太陽光発電装置40a、40b、40c、40dの正極出力端42aとの間にコイルL2を設けても良い。また、太陽光発電装置40a、40b、40c、40dにモータ等の誘導性負荷を接続する場合には、この誘導性負荷をコイルL2としても良い。
【0078】
これら太陽光発電装置40a、40b、40c、40dの構成においても、各太陽電池モジュールPVMの太陽電池本体SCは、前述のように太陽電池モジュールPVM毎に設けられた電荷移送回路CONVのスイッチング制御により、常に最大電力点Pmaxで動作するように追従制御されるため、常にその日照条件下における最大の電力を出力する。その結果、太陽光発電装置40a、40b、40c、40dも常に最大の電力を負荷側に出力することが出来る。
【0079】
また、太陽光発電装置40、40a、40b、40c、40dは、太陽電池本体SCそれぞれに電荷移送回路CONVが設けられ、各太陽電池本体SCに対してそれぞれMPPT制御して最大電力点Pmaxを追従して集電する構成なので、従来の太陽電池モジュールに備わるバイパスダイオードDbや逆流防止ダイオードDaがなく、複峰性が原理的に生じない。そのため、それぞれの太陽電池本体SCに対して損失なく真の最大電力を取り出すMTTP制御が行われる。
【0080】
尚、太陽光発電装置40、40a、40b、40c、40dは各太陽電池モジュールPVMの電力を最大限に取り出し出力する構成であるため、これら太陽光発電装置40、40a、40b、40c、40dに負荷28もしくは電力系統27を接続するにあたっては、図17に示すように、太陽光発電装置40、40a、40b、40c、40dと負荷28もしくは電力系統27の間にレギュレータ60やコンバータ61などを設けて所定の電圧値、電流値に変換する必要がある。また、必要に応じて太陽光発電装置40、40a、40b、40c、40dとレギュレータ60、コンバータ61の間に蓄電装置62を設けても良い。
【0081】
また、本発明に係る太陽光発電装置40、40a、40b、40c、40dは、出力端にレギュレータ、コンバータ等を介することで、取り出した電力を2次電池に充電することも、交流電源に系統連係させることもできる。更に、その適用範囲は屋内用の小規模太陽光発電システムから屋外用の大規模な太陽光発電システムまで及ぶ。
【符号の説明】
【0082】
40、40a〜40d 太陽光発電装置
44 制御部
46 電圧計(検出手段)
47 出力端
52 電流計(検出手段)
CONV、CONVa〜CONVh 電荷移送回路
SC 太陽電池本体
SW1 第1半導体スイッチ素子
SW2 第2半導体スイッチ素子
Pmax 最大電力点
【特許請求の範囲】
【請求項1】
単数もしくは複数の太陽電池素子を接続してなる太陽電池本体と、
前記太陽電池本体毎に設けられ前記太陽電池本体に対する出力の最大電力点への追従制御を行う電荷移送回路と、を備え、
前記電荷移送回路は、前記太陽電池本体に直列に接続された第1半導体スイッチ素子と、前記太陽電池本体と並列に接続され閉状態時に当該電荷移送回路の出力端間を短絡する第2半導体スイッチ素子と、前記太陽電池本体の出力をモニターする検出手段と、前記検出手段からの出力情報に応じて第1半導体スイッチ素子及び第2半導体スイッチ素子のスイッチング制御を行う制御部と、を有する太陽光発電装置において、
前記電荷移送回路の第2半導体スイッチ素子がノーマリーオン型の半導体スイッチ素子であることを特徴とする太陽光発電装置。
【請求項1】
単数もしくは複数の太陽電池素子を接続してなる太陽電池本体と、
前記太陽電池本体毎に設けられ前記太陽電池本体に対する出力の最大電力点への追従制御を行う電荷移送回路と、を備え、
前記電荷移送回路は、前記太陽電池本体に直列に接続された第1半導体スイッチ素子と、前記太陽電池本体と並列に接続され閉状態時に当該電荷移送回路の出力端間を短絡する第2半導体スイッチ素子と、前記太陽電池本体の出力をモニターする検出手段と、前記検出手段からの出力情報に応じて第1半導体スイッチ素子及び第2半導体スイッチ素子のスイッチング制御を行う制御部と、を有する太陽光発電装置において、
前記電荷移送回路の第2半導体スイッチ素子がノーマリーオン型の半導体スイッチ素子であることを特徴とする太陽光発電装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【公開番号】特開2013−97531(P2013−97531A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−239015(P2011−239015)
【出願日】平成23年10月31日(2011.10.31)
【出願人】(592207887)デスパック株式会社 (4)
【出願人】(591032703)群馬県 (144)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月31日(2011.10.31)
【出願人】(592207887)デスパック株式会社 (4)
【出願人】(591032703)群馬県 (144)
【Fターム(参考)】
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