説明

太陽熱利用熱源装置

【課題】集合住宅に設置可能で、省エネ化を実現できる太陽熱利用熱源装置を提供する。
【解決手段】太陽光の熱を集熱する集熱機1を集合住宅のベランダ手摺り部に設け、その太陽光受光面を垂直向きとする。集熱機1は受光面で受ける太陽光の熱によって内部の液体を加熱する構成と成し、その液体を循環させるための集熱機側液体循環通路9を、ベランダの鉄筋定着部近傍に設けた貯湯槽120と熱的に接続する。集熱機側液体循環通路9には、熱負荷装置10に接続された熱負荷側液体循環通路5を液−液熱交換器35を介して接続する。内液温センサ3の検出温度が予め定められた集熱対応設定温度以上のときに、集熱機側液体循環通路9内の液体を循環させ、集熱機1で集熱した熱により貯湯槽120内の湯水を加熱する。外部の熱負荷装置10に接続される熱負荷側液体循環通路5を集熱機側液体循環通路1に液−液熱交換器35を介して熱的に接続する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽光の熱を集める集熱機を備えた太陽熱利用熱源装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、図14に示すように、一戸建ての住宅の屋根の上に、屋根の傾斜と同じ角度(例えば30度)をつけて、太陽光の熱を集熱する集熱機(コレクター)50を配置することが行われるようになった(例えば、特許文献1、参照)。集熱機50は、太陽光の受光面51で受ける太陽光の熱によって集熱機50の内部を通る液体を加熱し、その熱を利用して貯湯槽52内の湯を加熱し、貯える構成を有している。集熱機50を例えば給湯システムに組み込めば、前記のようにして、太陽光の熱を利用して加熱した湯を給湯に利用できるため、省エネ化(省エネルギー化)が可能となり、環境に優しいシステムの実現ができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−205062
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、従来の集熱機50は、一戸建て住宅用として考えられていたが、住宅は、一戸建てに限らず、マンション等の集合住宅も多く形成されている。特に、都会等の住宅密集地においては、集合住宅の割合が多く、このような集合住宅にも集熱機50を設けることができれば、より省エネ化を達成できる。
【0005】
しかしながら、集合住宅においては、個々の住宅に屋根は設けられていないので、集熱機50を配置する場合には、ベランダに設置することが考えられるが、ベランダは、図15に示すように、片持ち梁構造であるために、ベランダ端部(手摺り部分)寄りに重量が重い貯湯槽52を設けると、ベランダ自体の落下に結びつきかねない。したがって、図14に示した構成を、そのまま集合住宅用として設けることは好ましくないと考えられる。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、集合住宅に設置可能で、省エネ化を実現できる太陽熱利用熱源装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は上記目的を達成するために、次の構成をもって課題を解決する手段としている。すなわち、第1の発明は、太陽光の受光面を備えて太陽光の熱を集熱する集熱機が集合住宅のベランダの手摺り部に前記受光面を垂直向きとして設置され、前記集熱機は前記受光面で受ける太陽光の熱によって内部の液体を加熱する構成と成し、前記集熱機内の液体の温度を検出する集熱機内液温検出手段を有し、前記集熱機には該集熱機内の液体を循環させるための集熱機側液体循環通路が接続されて、該集熱機側液体循環通路には前記ベランダの鉄筋定着部近傍に設けられた貯湯槽が熱的に接続されており、前記集熱機内液温検出手段の検出温度が予め定められた集熱対応設定温度であって前記貯湯槽内の湯水の温度より高いときに、前記集熱機側液体循環通路内の液体を循環させることにより前記集熱機で集熱した熱によって前記貯湯槽内の湯水を加熱する集熱利用加熱制御手段を有し、また、外部の熱負荷装置に接続される熱負荷側液体循環通路を有して、該熱負荷側液体循環通路が貯湯槽と集熱機側液体循環通路のいずれかに直接的に又は液−液熱交換器を介して熱的に接続され、さらに、浴槽に接続される追い焚き循環通路を有して、該追い焚き循環通路と前記熱負荷側液体循環通路とが液―液熱交換器を介して熱的に接続されている構成をもって課題を解決する手段としている。
【0008】
また、第2の発明は、前記第1の発明の構成に加え、前記集熱機がベランダの手摺り部を形成していることを特徴とする。
【0009】
さらに、第3の発明は、前記第1または第2の発明の構成に加え、前記熱負荷側液体循環通路は集熱機側液体循環通路に熱的に接続されており、前記熱負荷側液体循環通路には該熱負荷側液体循環通路を通る液体を強制的に加熱する強制加熱手段が接続され、集熱機内液温検出手段の検出温度の情報に基づき当該検出温度が予め定められた殺菌適応設定温度を超えない液温低温期間を検出する低温期間検出手段と、該低温期間検出手段により検出される液温低温期間が予め定められた設定期間以上継続したときには前記熱負荷側液体循環通路内の液体を前記強制加熱手段により前記殺菌適応設定温度以上に強制的に加熱して前記熱負荷側液体循環通路と前記集熱機側液体循環通路に前記殺菌適応設定温度以上の液体を循環させる熱殺菌用加熱制御手段を有することを特徴とする。
【0010】
さらに、第4の発明は、前記第1または第2の発明の構成に加え、前記熱負荷側液体循環通路は集熱機側液体循環通路に熱的に接続されており、前記熱負荷側液体循環通路には該熱負荷側液体循環通路を通る液体を強制的に加熱する強制加熱手段が接続され、前記熱負荷側液体循環通路に通す液体を強制加熱する強制加熱動作指令を受けて前記熱負荷側液体循環通路内の液体を前記強制加熱手段により前記殺菌適応設定温度以上に強制的に加熱して前記熱負荷側液体循環通路と前記集熱機側液体循環通路に前記殺菌適応設定温度以上の液体を循環させる熱殺菌用加熱制御手段を有することを特徴とする。
【0011】
さらに、第5の発明は、前記第3の発明の構成に加え、前記熱負荷側液体循環通路に通す液体を強制加熱する強制加熱動作指令を受けて前記熱負荷側液体循環通路内の液体を前記強制加熱手段により前記殺菌適応設定温度以上に強制的に加熱して前記熱負荷側液体循環通路と前記集熱機側液体循環通路に前記殺菌適応設定温度以上の液体を循環させる熱殺菌用加熱制御手段を有し、該熱殺菌用加熱制御手段により前記熱負荷側液体循環通路と前記集熱機側液体循環通路を循環する液体を強制的に加熱する動作が行われたときには、低温期間検出手段は液体低温期間の検出を一度リセットする構成としたことを特徴とする。
【0012】
さらに、第6の発明は、前記第3または第4または第5の発明の構成に加え、前記強制加熱手段により加熱した液体を集熱機の下側から集熱機内部通路に導入する構成としたことを特徴とする。
【0013】
さらに、第7の発明は、前記第1乃至第6のいずれか一つの発明の構成に加え、前記貯湯槽には該貯湯槽内に水を供給する給水通路と、前記貯湯槽から湯を導出する給湯通路とが接続されていることを特徴とする。
【0014】
さらに、第8の発明は、前記第1乃至第7のいずれか一つの発明の構成に加え、前記熱負荷側液体循環通路に該熱負荷側液体循環通路内の液体を循環させる液体循環ポンプを介設し、集熱機側液体循環通路に前記熱負荷側液体循環通路を直接接続し、該熱負荷側液体循環通路に介設されている液体循環ポンプを駆動させることにより、前記熱負荷側液体循環通路内の液体と共に前記集熱機側液体循環通路内の液体を循環させることを特徴とする。
【0015】
さらに、第9の発明は、前記第1乃至第7のいずれか一つの発明の構成に加え、前記熱負荷側液体循環通路には該熱負荷側液体循環通路内の液体を循環させる液体循環ポンプが介設され、集熱機側液体循環通路には該集熱機側液体循環通路内の液体を循環させる液体循環ポンプが介設され、前記集熱機側液体循環通路において該集熱機側液体循環通路内の液体を貯湯槽側から集熱機側に向けて流す往き側の通路に液−液熱交換器を介して前記熱負荷側液体循環通路が熱的に接続されており、該熱負荷側液体循環通路と前記集熱機側液体循環通路にそれぞれ介設されている液体循環ポンプを共に駆動させることにより、前記液−液熱交換器を介して前記熱負荷側液体循環通路内の液体と熱交換された前記集熱機側液体循環通路内の液体を集熱機側に送る構成としたことを特徴とする。
【0016】
さらに、第10の発明は、前記第9の発明の構成に加え、前記集熱機側液体循環通路において該集熱機側液体循環通路内の液体を集熱機側から貯湯槽側に向けて流す戻り側の通路と往き側の通路とをバイパス接続するバイパス通路が液―液熱交換器の配置位置よりも集熱機寄りに設けられ、該バイパス通路と前記戻り側の通路との接続部または前記往き側の通路との接続部には、前記集熱機側液体循環通路内の液体を、前記貯湯槽と前記集熱機の両方を通して循環させる経路と、前記貯湯槽と前記バイパス通路とを通して循環させる経路とのいずれかに選択的に切り替える経路切替手段が設けられていることを特徴とする。
【0017】
さらに、第11の発明は、前記第1乃至第7のいずれか一つに記載の発明の構成に加え、前記熱負荷側液体循環通路は貯湯槽に直接接続されて、該貯湯槽内の湯水を前記熱負荷側液体循環通路を通して循環させる構成としたことを特徴とする。
【0018】
さらに、第12の発明は、前記第1乃至第7のいずれか一つの発明の構成に加え、前記貯湯槽の外部に該貯湯槽内の湯水を循環させるための貯湯槽湯水循環通路が接続され、該貯湯槽湯水循環通路に液−液熱交換器を介して熱負荷側液体循環通路が接続されていることを特徴とする。
【0019】
さらに、第13の発明は、前記第1乃至第7のいずれか一つの発明または請求項11または請求項12の構成に加え、前記集熱機側液体循環通路が貯湯槽に直接接続されて、該貯湯槽内の湯水を前記集熱機側液体循環通路を通して循環させる構成としたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、太陽光の受光面を備えて太陽光の熱を集熱する集熱機は、集合住宅のベランダ手摺り部に前記受光面を垂直向きとして設置されるので、集熱機をベランダ用として、場所も取らずに適切に設置できる。また、本発明は、集熱機で集熱した熱を貯える貯湯槽を集熱機とは別体として、ベランダの鉄筋定着部近傍に設けているので、片持ち梁構造のベランダ端部(手摺り部分)寄りに重量が重い貯湯槽を設ける場合と異なり、ベランダ自体の落下を招くといった問題を回避できる。
【0021】
そして、集熱機内の液体の温度を集熱機内液温検出手段により検出し、その検出温度が予め定められた集熱対応設定温度以上であって前記貯湯槽内の湯水の温度より高いときに、前記集熱機に接続されている集熱機側液体循環通路内の液体を循環させることにより、集熱機で集熱した熱によって前記貯湯槽内の湯水を加熱することができる。さらに、本発明は、外部の熱負荷装置に接続される熱負荷側液体循環通路を、貯湯槽と集熱機側液体循環通路のいずれかに直接的に又は液−液熱交換器を介して熱的に接続しているので、前記のようにして加熱した貯湯槽内の湯水またはその熱を、例えば熱負荷装置の加熱用として利用することができ、省エネ化を図ることができる。
【0022】
また、本発明は、浴槽に接続される追い焚き循環通路を有しているが、該追い焚き循環通路と前記熱負荷側液体循環通路とが液―液熱交換器を介して熱的に接続されているので、追い焚き循環通路と熱負荷側液体循環通路とを直接接続する場合と異なり、熱負荷側液体循環通路を通る液体が追い焚き循環通路を通して浴槽内に混入することを防ぐことができる。そのため、利用者が、万が一、浴槽内の湯水を飲んでしまっても、熱負荷側液体循環通路を通る湯水等の液体が混入した湯水を飲んでしまうといったことを防止できる。
【0023】
また、本発明において、集熱機がベランダの手摺り部を形成している構成によれば、マンション等の集合住宅の建築時等に、ベランダの手摺り部を集熱機とすることにより、よりコストダウンを図ることができるし、見栄えもより一層良好にできる。
【0024】
なお、熱負荷側液体通路は、熱負荷装置のオン−オフに応じて管路内の液体が膨張−収縮するので、熱負荷側液体循環通路には、オーバーフロー防止のバッファータンクとしてのシスターンを設け、シスターン上部にはオーバーフロー管を設けて、大気開放にする必要がある。そうすると、液体循環通路内の液体の膨張−収縮に伴い、シスターン内に大気中のレジオネラ菌が入り込むことがある。なお、レジオネラ菌は土壌や淡水(例えば空調用冷却塔水)に生息し、砂埃や噴水のミスト中に含まれる。一般に20℃〜50℃で繁殖(36℃前後が最も良く繁殖)し、60℃以上では死滅する。
【0025】
シスターン内にレジオネラ菌が入り込んだ場合、そのレジオネラ菌が熱負荷側液体循環通路内の液体と共に循環するおそれがあるが、その場合でも、本発明において、熱負荷側液体循環通路と追い焚き循環通路とは、それぞれ独立に形成されて、液―液熱交換器を介して熱的に接続されているだけであるので、通常は、レジオネラ菌が熱負荷側液体循環通路を通して追い焚き循環通路に混入するおそれはない。しかしながら、万が一、液―液熱交換器にピンホールが生じてしまった場合には、そのピンホールを通してレジオネラ菌が追い焚き循環通路に混入してしまい、そのレジオネラ菌が追い焚き循環通路を通る湯水と共に浴槽内に運ばれて、浴槽内で増殖してしまう可能性がある。
【0026】
その場合でも、熱負荷側液体循環通路に強制加熱手段を設けて加熱し、レジオネラ菌を殺菌すれば、レジオネラ菌の浴槽内への混入を防ぐことができる。つまり、本発明において、熱負荷側液体循環通路が集熱機側液体循環通路に熱的に接続されている構成において、集熱機内液温検出手段の検出温度が予め定められた殺菌適応設定温度を超えない液温低温期間が予め定められた設定期間以上継続したときに、熱負荷側液体循環通路を通る液体を強制加熱手段により前記殺菌適応設定温度以上に強制的に加熱する構成を設けることにより、たとえレジオネラ菌が熱負荷側液体循環通路内に混入したとしても、そのレジオネラ菌を殺菌できる。なお、前記殺菌適応設定温度は、例えばレジオネラ菌を殺菌できる60℃以上の適宜の設定温度であり、60℃としてもよいし、それより高い例えば80℃といった温度としてもよい。
【0027】
また、熱負荷側液体循環通路が貯湯槽に熱的に接続されている構成においては、例えば定期的に、強制加熱手段によって熱負荷側液体循環通路内の液体を加熱して循環させれば、同様に、レジオネラ菌の殺菌を行うことができ、浴槽内や貯湯槽内へのレジオネラ菌の混入を防ぐことができる。
【0028】
また、本発明において、集熱機内液加熱動作指令を受けて、液体通路を通す液体を強制加熱手段により殺菌適応設定温度以上に強制的に加熱し、熱負荷側液体循環通路と集熱機側液体循環通路に前記殺菌適応設定温度以上の液体を循環させる熱殺菌用加熱制御手段を設けることによっても、前記と同様に、たとえレジオネラ菌が液体循環通路内に混入してしまった場合でも、そのレジオネラ菌を殺菌できる。
【0029】
したがって、これらの発明のように、熱負荷側液体循環通路に通す液体を強制加熱手段によって殺菌適応設定温度以上に強制的に加熱する構成を設けた発明においては、前記のように、熱負荷側液体循環通路にレジオネラ菌が混入し、かつ、液―液熱交換器にピンホールが生じてしまうといった、万が一の問題が生じても、そのレジオネラ菌を殺菌できるため、レジオネラ菌が浴槽内で増殖してしまうといった問題を回避できる。また、熱負荷側液体循環通路内におけるレジオネラ菌の繁殖を防げるので、集熱機側液体循環通路を貯湯槽に直接的に接続したとしても、熱負荷側液体循環通路から集熱器側液体循環通路を介して貯湯槽内にレジオネラ菌が混入することを抑制でき、貯湯槽内の湯水を給湯用として利用する場合にも、より安全性の高い利用を可能とすることができる。
【0030】
さらに、本発明において、集熱機内液温検出手段の検出温度が予め定められた殺菌適応設定温度を超えない液温低温期間が予め定められた設定期間以上継続したときに、熱負荷側液体循環通路を通す液体を強制加熱手段により前記殺菌適応設定温度以上に強制的に加熱する構成に加え、集熱機内液加熱動作指令を受けて熱負荷側液体循環通路に通す液体を強制加熱手段により殺菌適応設定温度以上に強制的に加熱する熱殺菌用強制加熱制御手段を設けることにより、必要に応じて、熱負荷側液体循環通路に通す液体を強制加熱して、前記レジオネラ菌の殺菌効果を果たすことができ、レジオネラ菌が浴槽内で増殖してしまうといった問題を回避できる。
【0031】
なお、前記集熱機内液加熱動作指令は、太陽熱利用熱源装置の操作装置(例えばリモコン装置)に設ける操作手段を操作することによって出力することができるものである。操作手段は、例えば、布団乾燥スイッチとすることができる。つまり、本発明の太陽熱利用熱源装置は、集熱機の太陽光の受光面を集合住宅のベランダ手摺り部に垂直向きとして設置される、または、集熱機がベランダ手摺り部を兼ねる構成とされるので、ベランダ手摺り部に、太陽熱利用熱源装置を挟む態様で布団を逆U字型に掛けた状態で、前記集熱機側液体循環通路に通す液体を殺菌適応設定温度以上に強制的に加熱することにより、布団の乾燥を行うことができ、かつ、前記のようなレジオネラ菌増殖防止の効果も果たすことができる。
【0032】
なお、布団を手摺り部に掛ける場合に、布団は、前記の如く逆U字型になり、屋外側(太陽光が当たる側)と屋内側とに分かれる。布団を干す意味はいろいろあるが、例えばダニ退治を例にすると、通常布団を干すと、布団にいるダニは日の当たらない反対側に退避する性質を持つ。ところが、本発明の太陽熱利用熱源装置に用いられている集熱機(太陽熱集熱パネル)において、集熱のみならず放熱も行う(前記のように、液体循環通路を循環する液体を殺菌適応温度に上昇させて、集熱機の内部通路を通して循環させる)構成のものにおいては、日の当たらない反対側に退避したダニを退治することができる。つまり、屋内側の太陽熱集熱パネル側のダニが反対側に退避しても、布団を途中で屋外側と屋内側で入れ替えるだけで、通常の布団の天日干しでは不可能なダニの逃げ道を断つ、布団乾燥を行うことができる。
【0033】
さらに、前記熱殺菌用加熱制御手段が設けられている本発明において、強制加熱手段により加熱した液体を集熱機の下側から集熱機内部通路に導入する構成とすることによって、ベランダ手摺り部に布団を掛けて乾燥させる場合に、布団下端開放部側を高温とすることができる。したがって、通常の布団干しでは、低温となりやすい布団の下端開放部側も高温となるようにして、前記ダニ退治の効果をより一層高めることができる。
【0034】
さらに、貯湯槽に、該貯湯槽内に水を供給する給水通路と、前記貯湯槽から湯を導出する給湯通路とを接続することにより、貯湯槽内で加熱された湯水を給湯用としても利用することができる。この際、前記熱殺菌効果を有する構成とすれば、貯湯槽を集熱機側液体循環通路や熱負荷側液体循環通路と直接的に接続したとしても、それらの通路内におけるレジオネラ菌の増殖の問題を防げるので、貯湯槽内にレジオネラ菌が混入することを防げ、衛生的に好ましい状態とすることができる。
【0035】
さらに、前記熱負荷側液体循環通路に該熱負荷側液体循環通路内の液体を循環させる液体循環ポンプを介設し、集熱機側液体循環通路に前記熱負荷側液体循環通路を直接接続した構成によれば、以下の効果を奏することができる。つまり、熱負荷側液体循環通路に介設されている液体循環ポンプを駆動させることにより、熱負荷側液体循環通路内の液体と共に前記集熱機側液体循環通路内の液体を循環させることができるので、集熱機側液体循環通路に液体循環ポンプを設けなくとも、集熱機側液体循環通路内の液体を循環させることができ、経済的である。
【0036】
さらに、前記熱負荷側液体循環通路と集熱機側液体循環通路に、各液体循環通路内の液体を循環させる液体循環ポンプを介設し、前記集熱機側液体循環通路において該集熱機側液体循環通路内の液体が貯湯槽側から集熱機側に向けて流れる往き側の通路に液−液熱交換器を介して前記熱負荷側液体循環通路を熱的に接続し、前記液体循環ポンプを共に駆動させて熱負荷側液体循環通路内の液体と熱交換された集熱機側液体循環通路内の液体を集熱機側に送ることにより、例えば熱負荷側液体循環通路内の液体を高温に加熱したときに、その高温の液体と熱交換して高温となった液体を効率的に集熱機に導入することができる。そのため、この構成において、熱殺菌機能を備えれば、集熱機側液体循環通路内において特に集熱機側の液体を効率的に加熱して熱殺菌できる。
【0037】
また、集熱機側液体循環通路において該集熱機側液体循環通路内の液体を集熱機側から貯湯槽側に向けて流す戻り側の通路と往き側の通路とをバイパス接続するバイパス通路を設けた構成においては、経路切替手段によって、前記集熱機側液体循環通路内の液体を、前記貯湯槽と前記集熱機の両方を通して循環させる経路と、前記集熱機と前記バイパス通路とを通して循環させる経路と、前記貯湯槽と前記バイパス通路とを通して循環させる経路とのいずれかに選択的に切り替えることができる。
【0038】
そのため、前記経路切替手段を設けた構成によれば、例えば集熱機で集熱した熱を貯湯槽に蓄熱する動作と、熱負荷側液体循環通路内を通る液体を高温として、その熱を液−液熱交換器を介して集熱機側液体循環通路に伝え、集熱機側を高温として殺菌する動作と、貯湯槽側を加熱する動作とを容易に切り替えて行うことができる。また、その切り替えに際し、経路切替手段は、バイパス通路と集熱機側液体循環通路の戻り側の通路との接続部と往き側の通路との接続部の一方にのみ設ければよいため、経済的である。
【0039】
さらに、熱負荷側液体循環通路を貯湯槽に直接接続して、該貯湯槽内の湯水を前記熱負荷側液体循環通路を通して循環させる構成においては、貯湯槽と熱負荷側液体循環通路との接続をより簡易にできる。
【0040】
さらに、貯湯槽の外部に、該貯湯槽内の湯水を循環させるための貯湯槽湯水循環通路を接続し、該貯湯槽湯水循環通路に液−液熱交換器を介して熱負荷側液体循環通路を接続することにより、たとえ熱負荷側液体循環通路内にレジオネラ菌が生じたとしても、そのレジオネラ菌が貯湯槽内に混入することをより防ぎやすい構成とすることができる。
【0041】
さらに、集熱機側液体循環通路が貯湯槽に直接接続されて、該貯湯槽内の湯水を前記集熱機側液体循環通路を通して循環させる構成によれば、貯湯槽と集熱機側液体循環通路との接続をより簡易にできる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明に係る太陽熱利用熱源装置の第1実施例のシステム構成図である。
【図2】第1実施例の太陽熱利用熱源装置における貯湯槽と集熱機の配置態様例を示す模式図である。
【図3】第1実施例の太陽熱利用熱源装置の制御構成を示すブロック図である。
【図4】第1実施例およびその変形例において、集熱機側液体循環通路に設けられる三方弁または二方弁の動作態様例を示す説明図である。
【図5】第1実施例の太陽熱利用熱源装置における集熱機側液体循環通路の熱殺菌運転動作時と貯湯槽内湯水の追い焚き運転動作時における集熱機側液体循環通路内を流れる液体の流路を説明するための図である。
【図6】第1実施例の太陽熱利用熱源装置の熱負荷装置運転動作時における液体循環通路内を流れる液体の流路を説明するための図である。
【図7】実施例の太陽熱利用熱源装置のガス燃焼による浴槽湯水追い焚き動作時における液体循環通路内を流れる液体の流路を説明するための模式図である。
【図8】第2実施例の太陽熱利用熱源装置における集熱機と貯湯槽と熱負荷側液体循環通路との接続構成を示す模式図である。
【図9】第3実施例の太陽熱利用熱源装置における集熱機と貯湯槽と熱負荷側液体循環通路との接続構成を示す模式図である。
【図10】第4施例の太陽熱利用熱源装置における集熱機と貯湯槽と熱負荷側液体循環通路との接続構成を示す模式図である。
【図11】第5実施例の太陽熱利用熱源装置における集熱機と貯湯槽と熱負荷側液体循環通路との接続構成を示す模式図である。
【図12】第6実施例の太陽熱利用熱源装置における集熱機と貯湯槽と熱負荷側液体循環通路との接続構成を示す模式図である。
【図13】第7実施例の太陽熱利用熱源装置における集熱機と貯湯槽と熱負荷側液体循環通路と給湯通路との接続構成を示す模式図である。
【図14】従来の太陽熱利用熱源装置の例を示す説明図である。
【図15】ベランダの設置構造を示す模式的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
【実施例1】
【0044】
図1には、本発明に係る太陽熱利用熱源装置の第1実施例の模式的なシステム構成図が示されている。同図に示すように、本実施例の太陽熱利用熱源装置は、集熱機1と、貯湯槽120と、熱負荷装置10と、浴槽27とを、熱的に接続して形成されている。なお、この熱的接続は、後述する制御構成によって選択的に行われる。
【0045】
集熱機1は、太陽光の受光面11を備えて、太陽光の熱を集熱する装置であり、図2に示すように、集合住宅のベランダ手摺り部に、受光面11を垂直向きとして設置されている。図1に示すように、集熱機1には、液体を通す内部通路2が形成されており、集熱機1は、受光面11で受ける太陽光の熱によって内部の液体、つまり、内部通路2を通る液体を加熱する構成と成している。内部通路2には、内液温センサ3が介設されており、該内液温センサ3は、集熱機1内の液体の温度を検出する集熱機内液温検出手段として機能する。内部通路2の液体の貯水量は、例えば集熱機1のパネル1枚当たり1リットル(2枚設置時は、合計2リットル)である。
【0046】
内部通路2には通路59が接続されて集熱機側液体循環通路9が形成されている。この集n熱機側液体循環通路9には、該集熱機側液体循環通路9内の液体を循環させる液体循環ポンプ79が介設されている。この液体循環ポンプ79を駆動させることにより、集熱機側液体循環通路9内の液体を、例えば図1の矢印に示すように循環させることができる。そのため、仮に、本実施例のように内液温センサ3を集熱機1内に設けずに、集熱機1の出口と入口の少なくとも1カ所に設けた場合でも、集熱機側液体循環通路9内の液体を循環させて、集熱機1内の液体の温度を検出することができる。
【0047】
集熱機側液体循環通路9は、貯湯槽120に熱的に接続されている。なお、集熱機側液体循環通路9は、貯湯槽120内を通って設けられており、貯湯槽120と液−液熱交換器を介して熱的に接続された態様と成している。貯湯槽120は、図2に示すように、ベランダの鉄筋定着部近傍に設けられており、その容量は、特に限定されるものではないが、例えば50〜100リットルの湯水を貯湯可能とすることができる。図1に示すように、貯湯槽120には、貯湯槽内の液温を検出する貯湯温サーミスタ103が設けられている。
【0048】
また、本実施例の太陽熱利用熱源装置において、器具ケース42内には、管路90,91,92,93,94,95,96,97,98,99を備えた液体通路4が形成されており、液体通路4には、液体循環ポンプ6と、暖房シスターン100とが介設されている。暖房シスターン100のタンク容量は、例えば約1リットルである。液体循環ポンプ6の吐出口側には、前記管路90が接続され、管路90には液体分岐手段37が接続されている。液体分岐手段37には、器具ケース42の外部に設けられた管路44を介して、熱負荷装置(ここでは、床暖房装置)10が接続されている。熱負荷装置10には、一端側が前記管路44に接続されて液体を通す通路(図示せず)が設けられ、この通路の他端側には、器具ケース42の外部に設けられた管路45が接続されている。
【0049】
また、前記液体通路4の管路95,97には、通路器具ケース42の外部に設けられた管路40が接続されている。管路40,44,45と液体通路4とを有して、熱負荷装置10に接続された熱負荷側液体循環通路5が形成されている。熱負荷側液体循環通路5における器具ケース42内の通路内の水量は例えば約1リットルである。
【0050】
熱負荷側液体循環通路5の管路40が、液−液熱交換器35を介して前記集熱機側液体循環通路9に熱的に接続されている。なお、管路40は、集熱機側液体循環通路9において、集熱機側液体循環通路9内の液体を貯湯槽120側から集熱機1側に向けて流す往き側の通路59aに熱的に接続されている。熱負荷側液体循環通路5に介設されている液体循環ポンプ6と集熱機側液体循環通路9に介設されている液体循環ポンプ79を共に駆動させることにより、液−液熱交換器35を介して、熱負荷側液体循環通路5内の液体と集熱機側液体循環通路9内の液体とが熱交換され、この熱交換後の液体が集熱機1側に送られる構成と成している。
【0051】
また、集熱機側液体循環通路9内の液体を集熱機1側から貯湯槽120側に向けて流す戻り側の通路59bと前記往き側の通路59aとをバイパス接続するバイパス通路59cが設けられている。バイパス通路59cは、集熱機側液体循環通路9において、液−液熱交換器35の配設位置よりも集熱機1寄りに設けられており、バイパス通路59cと戻り側の通路59bとの接続部には、三方弁36が設けられている。この三方弁36は、集熱機側液体循環通路9内の液体を、貯湯槽120と集熱機1の両方を通して循環させる経路と、貯湯槽120とバイパス通路59cとを通して循環させる経路とのいずれかに選択的に切り替える経路切替手段として機能する。
【0052】
前記液体通路4には、該液体通路4を通る液体を強制的に加熱する強制加熱手段としての熱交換器28(28a,28b)が接続されている。熱交換器28aの液体導入側には管路95が、液体導出側には管路94がそれぞれ接続されている。また、熱交換器28bの液体導入側には管路91が、液体導出側には管路92がそれぞれ接続されている。管路92には、暖房高温サーミスタ33が設けられている。管路91は、前記液体循環ポンプ6の吐出側に接続されており、該液体循環ポンプ6の吸入口側には管路93が接続されている。管路93には、前記暖房シスターン100が接続され、該暖房シスターン100には、前記管路94を介して熱交換器28aが接続されている。なお、暖房シスターン100は、大気導入通路53を介して、大気開放と成している。
【0053】
熱交換器28(28a,28b)は、それぞれ、燃焼室24内に設けられており、燃焼室24には、熱交換器28と共に、熱交換器28を加熱するバーナ16と、バーナ16の燃焼の給排気を行なう燃焼ファン18とが設けられている。また、燃焼室24と連通して燃焼室25が設けられ、燃焼室25内には、バーナ17と、バーナ17により加熱される熱交換器29(29a,29b)と、バーナ17の燃焼の給排気を行なう燃焼ファン19とが設けられている。
【0054】
バーナ16,17には、それぞれのバーナ16,17に燃料を供給するガス管31,32が接続されている。これらのガス管31,32は、ガス管30から分岐形成されており、ガス管30には、ガス開閉弁80が介設されている。また、ガス管31には、ガス比例弁86とガス開閉弁81,82が、ガス管32には、ガス比例弁87とガス開閉弁83,84,85がそれぞれ介設されている。これらの弁80〜87はいずれも電磁弁により形成されており、ガス開閉弁80〜85は、対応するバーナ16,17への燃料供給・停止を制御し、ガス比例弁86,87は、対応するバーナ16,17への供給燃料量を弁開度でもって制御する。なお、バーナ16,17の燃焼制御は、燃焼制御手段(図示せず)によって、適宜の制御方法により制御される。
【0055】
前記熱交換器29(29a,29b)は、給湯熱交換器として機能し、前段の熱交換器29aの入口側には給水導入通路38が設けられている。この給水導入通路38は、接続通路57と補給水電磁弁46を介して、前記暖房シスターン100に接続され、前記液体通路4に接続されている。また、給水導入通路38の入り口側には、給水導入通路38を流れる湯水の量を検出する流量センサ73と入水温度を検出する入水温度センサ74とが設けられている。後段の熱交換器29bの出口側には給湯通路26が設けられており、給湯通路26の先端側は、適宜の給湯先に導かれている。また、給湯通路26には、分岐通路70と湯水経路切替弁58を介して前記給水導入通路38が接続されている。給湯通路26には、分岐通路70の分岐部よりも下流側に出湯湯温検出センサ113が設けられ、熱交換器29側に出湯湯温検出センサ114が設けられている。
【0056】
前記浴槽27には、往管14と戻り管15を有する追い焚き循環通路13が接続されており、この追い焚き循環通路13は、液―液熱交換器7を介して、前記熱負荷側液体循環通路5と熱的に接続されている。追い焚き循環通路13には、浴槽湯水を循環させる浴槽湯水循環ポンプ20と、前記浴槽湯水の温度を検出する風呂温度センサ21と、浴槽湯水の水位を検出する水位センサ22と、追い焚き循環路13の水流を検知する風呂水流スイッチ34とが介設されている。浴槽湯水循環ポンプ20の吸入口側に戻り管15の一端側が接続され、戻り管15の他端側が循環金具56を介して浴槽27に連通接続されている。また、浴槽湯水循環ポンプ20の吐出口側には、往管14の一端側が接続され、往管14の他端側は循環金具56を介して浴槽27に連通接続されている。
【0057】
前記給湯通路26には、分岐通路70の形成部および出湯湯温検出センサ113の配設部よりも下流側に、管路54を介して注湯水ユニット55が接続されている。注湯水ユニット55には風呂用注湯導入通路23の一端側が接続され、風呂用注湯導入通路23の他端側は、前記浴槽湯水循環ポンプ20に接続されている。注湯水ユニット55には、湯張り電磁弁48、湯張り水量センサ49、逆止弁50a,50bが設けられている。なお、熱交換器29から給湯通路26と管路54、注湯水ユニット55、風呂用注湯導入通路23、浴槽湯水循環ポンプ20、液−液熱交換器7、往管14を順に通って浴槽27に至るまでの通路によって、湯張りや注水を行うための湯張り注水通路が構成されている。また、図1の、図中、符号75、77は、ドレン排出通路を示し、符号76は、ドレンを中和する中和手段を示す。
【0058】
本実施例の太陽熱利用熱源装置は、以上のようなシステム構成を有しており、このシステムの動作を行うために、太陽熱利用熱源装置には、図3に示すように、集熱利用加熱制御手段61、低温期間検出手段62、熱殺菌用加熱制御手段63、時計機構67、燃焼制御手段68を備えた制御装置60が設けられている。各手段は、以下の機能を有している。
【0059】
集熱利用加熱制御手段61は、集熱機1の熱を利用して、貯湯槽120内の湯水を加熱する(貯湯槽120に蓄熱する)ものである。内液温センサ3の検出温度が予め定められる集熱利用設定温度(例えば80℃)以上であるか否かを確認し、内液温センサ3の検出温度が集熱利用設定温度以上であれば、内液温センサ3の検出温度を貯湯温サーミスタ103の検出温度と比較し、内液温センサ3の検出温度が貯湯温サーミスタ103の検出温度より高いときには、三方弁36を図4(a)に示す態様として、液体循環ポンプ79を駆動させる。そして、集熱機側液体循環通路9内の液体を循環させ、その液体と貯湯槽120内の湯水とを熱交換する。このときに集熱機側液体循環通路9を循環する液体の通過領域が、図5(a)において斜線の記入により示されており、その流れの方向が矢印で示されている。
【0060】
なお、このとき、集熱機1への入水温度を監視できるサーミスタ(内液温センサ3とすることも可能)の出力に応じ、液体循環ポンプ79の能力を可変(集熱効率を可変)し、集熱機1への入水温度が殺菌温度(60℃)以上、例えば80℃となるような状態を維持しながら、集熱運転動作時を継続(80℃未満の時には、液体循環ポンプ79をオフとして、一時待機)すると、より好ましい。
【0061】
低温期間検出手段62は、内液温センサ3の検出温度の情報に基づき、当該検出温度が予め定められた殺菌適応設定温度(例えば60℃)を超えない液温低温期間を時計機構67により測定される時間情報に基づいて検出し、検出した値を、熱殺菌用加熱制御手段63に加える。
【0062】
熱殺菌用加熱制御手段63は、低温期間検出手段62により検出される検出期間が予め定められた設定期間(例えば7日間)以上継続したときには、燃焼制御手段68によって前記バーナ16を燃焼させて、液体通路4を通す液体を熱交換器28により前記殺菌適応設定温度(例えば60℃)以上に強制的に加熱する。そして、熱負荷側液体循環通路5内と集熱機側液体循環通路9内に前記殺菌適応設定温度以上の液体を循環させる状態を、例えば5分間保つようにする。図1において、熱殺菌運転動作時に熱負荷側液体循環通路5内を流れる液体の流路にドットが記入されており、流れの方向が矢印で示されている。
【0063】
なお、燃焼制御手段68による燃焼制御動作は公知であるので、その制御に関する構成を、図3においては、省略しているが、バーナ16の燃焼は、ガスの燃焼により行われるものであり、まず、イグナイター電極(図示せず)をオンとし、ガス開閉弁80,81,82を適宜開き、バーナ16への点火を行う。そして、ガス比例弁86の開弁量を適宜調整し、適宜の燃焼量でバーナ16の燃焼を行うことにより、熱負荷側液体循環通路5を通る液体の温度を殺菌適応温度である80℃以上に保つようにする。バーナ16の燃焼時には、燃焼ファン18,19の回転動作が行われる。
【0064】
また、熱殺菌用加熱制御手段63は、前記殺菌適応設定温度以上に強制的に加熱した液体を熱負荷側液体循環通路5に循環させるときに、三方弁36を図4(a)に示す態様とし、液体循環ポンプ79を駆動させて、集熱機側液体循環通路9内の液体を循環させる。この循環する液体の通過領域とその流れは、図5(a)に示した通りである。そして、前記熱負荷側液体循環通路5を通る高温の液体と集熱機側液体循環通路9を通る液体とを、液−液熱交換器35を介して熱交換し、集熱機側液体循環通路9を通る液体を加熱し、その加熱した液体(熱殺菌された液体)を集熱機1側に送る。
【0065】
このことにより、内部通路2を含む集熱機側液体循環通路9において熱殺菌が行われるので、万が一、熱負荷側液体循環通路5における液−液熱交換器35との接続部位と、集熱機側液体循環通路9における液−液熱交換器35との接続部位と、集熱機側液体循環通路9における貯湯槽120内に導入されている通路(管路)の全てにピンホール等が生じていても、集熱機側液体循環通路9から貯湯槽120内にレジオネラ菌が混入されることを回避できる。
【0066】
また、熱殺菌用加熱制御手段63は、布団乾燥スイッチ69から、集熱機1の内部通路2に通す液体を強制加熱する集熱機内液加熱動作指令を受けた時も、同様に、熱負荷側液体循環通路5を通る液体を前記殺菌適応設定温度以上に強制的に加熱し、三方弁36の制御と液体循環ポンプ6,79の駆動制御によって、液−液熱交換器35を介して集熱機側液体循環通路9を通る液体を加熱し、その加熱した液体(熱殺菌された液体)を集熱機1側に送る。
【0067】
なお、集熱機側液体循環通路9の配置態様によっては、図4(c)、(d)に示すように、三方弁36の代わりに二方弁136を設け、熱殺菌用加熱制御手段63により、二方弁136を図4(c)に示す態様とすることによっても、同様の機能を果たすことができる。また、二方弁136を設けた方がコストを低減できる。
【0068】
前記集熱機内液加熱動作指令の発信元は、特に限定されるものではないが、本実施例では、制御装置60に信号接続されているリモコン装置に設けられている布団乾燥スイッチ69の操作(例えばボタンを押す操作)が行われたときに発せられるようにしている。布団乾燥スイッチ69の操作による集熱機内液加熱動作指令を熱殺菌用加熱制御手段63が受けたときには、熱殺菌用加熱制御手段63は、熱負荷側液体循環通路5を循環させる液体の温度を80℃とする。
【0069】
本実施例において、集熱機1の内部通路2は、液体の導入側が集熱機1の下側に形成されているので、集熱機1側に送られる加熱された液体は、集熱機1の下側から集熱機1の内部通路2に導入され、その後、集熱機1の上側から導出されて貯湯槽120側に送られることになる。そのため、布団乾燥スイッチ69の操作に伴う熱殺菌運転動作時には、熱負荷側液体循環通路5および集熱機側液体循環通路9内の液体の殺菌効果に加え、集熱機1に掛けた布団を乾燥する効果を果たすことができる。
【0070】
なお、前記低温期間検出手段62は、熱殺菌用加熱制御手段63によって、熱負荷側液体循環通路5を循環する液体を強制的に加熱する動作が行われたときには、液体低温期間の検出を一度リセットする。
【0071】
また、本実施例は、前記のような特徴的な集熱運転や熱殺菌運転に加え、以下に述べる各種運転動作を行う機能を有している。
【0072】
貯湯槽120内の湯水のバーナ燃焼による貯湯槽湯水追い焚き運転動作は、貯湯温サーミスタ103による検出温度が、貯湯槽湯水加熱用設定温度以下になったときに制御装置60の貯湯槽追い焚き指令手段(図示せず)から出力される貯湯槽湯水追い焚き指令に従い、開始される。貯湯槽湯水追い焚き指令が出力されると、燃焼制御手段68がバーナ16の燃焼を行い、液体通路4を通す液体を熱交換器28により加熱し、その加熱した液体を熱負荷側液体循環通路5に循環させる。この負荷側液体循環通路5内の液体の流路は、熱殺菌運転動作時における流路と同じである。
【0073】
また、このとき、三方弁36を図4(b)に示す態様とし、液体循環ポンプ79を駆動させて、集熱機側液体循環通路9内の液体を循環させる。このことにより、集熱機側液体循環通路9内の液体は、バイパス通路59cを通ることにより集熱機1側を通らずに集熱機側液体循環通路9を循環する(図5(b)において、斜線を記入している領域を参照)。そして、この液体と、前記のようにして熱負荷側液体循環通路5を通る高温の液体とを、液−液熱交換器35を介して熱交換し、貯湯槽120側のみを通して集熱機側液体循環通路9を循環する液体を加熱し、その熱を貯湯槽120内で熱交換することにより、貯湯槽120内の湯水の追い焚き動作を行う。
【0074】
熱負荷装置10の運転動作(ここでは、暖房運転動作)は、熱負荷装置10に設けられている運転スイッチがオン操作されたときに開始される。熱負荷装置10の運転スイッチがオン操作されると、対応する熱動弁39が開き、流量制御弁38が開き、液体循環ポンプ6、バーナ16、燃焼ファン18,19が駆動し、通路45,44を通して熱負荷側液体循環通路5内を循環する液体が、熱交換器28によって加熱される。図6には、熱負荷装置10の作動による暖房運転動作時における熱負荷側液体循環通路5内を流れる液体の流路流路にドットを記入し、流れの方向を矢印で示している。
【0075】
なお、この加熱の際、例えば加熱開始から1時間といった予め定められた初期設定時間は加熱温度を70℃とし、その後、60℃に加熱温度を変更すると、熱負荷装置10を迅速に暖めて設定温度とし、その後も、無駄のない状態で運転することができる。そして、熱負荷装置10に設けられている運転スイッチがオフ操作されたときに、対応する熱動弁が閉じられて運転が停止される。なお、本実施例では、液体分岐手段37を介して、複数の熱負荷装置10を接続できるので、熱負荷装置10を複数接続した場合には、前記と同様に、各熱負荷装置10のスイッチのオンオフに伴い、同様の運転が行われる。
【0076】
バーナ16による風呂の追い焚き運転(浴槽湯水追い焚き運転)動作は、前記リモコン装置の追い焚きスイッチを操作することにより開始される。図7には、このバーナ16を用いた浴槽湯水の追い焚き動作時に熱負荷側液体循環通路5内を流れる液体の流路にドットを記入し、流れの方向を矢印で示している。また、追い焚き循環通路13には斜線を記入している。通常、浴室に配設されているリモコン装置の追い焚きスイッチをオン操作すると、制御装置60に設けられている燃焼制御手段68により、バーナ16の燃焼制御が行われ、流量制御弁38が開かれ、浴槽湯水循環ポンプ20が駆動して、追い焚き運転動作が開始される。
【0077】
また、追い焚きスイッチがオフ操作される、または、予め定められた追い焚き設定時間が経過した場合に、追い焚き運転動作が停止する。なお、追い焚き設定時間が経過したときに、浴槽湯水の温度が風呂の設定温度より低いときには、浴槽湯水温度が風呂の設定温度に達してから追い焚き運転動作が停止する。
【0078】
給湯運転動作は、給湯通路26に先端側に設けられている給湯栓(図示せず)が開かれたときに開始される。入水温度センサ74により検出される入水温と、流量センサ73による給湯量に基づき、出湯湯温検出センサ113による給湯温(出湯温)が給湯設定温度となるように、給湯用のバーナ17を燃焼し、給湯熱交換器29(29a,29b)を通る水を加熱して湯を作成して、給湯通路26を通して台所や浴室等の給湯先へ湯を供給する。また、前記給湯栓が閉じると、給湯運転動作は停止する。
【実施例2】
【0079】
次に、第2実施例について、図8に基づいて説明する。なお、図8〜図13において、太陽熱利用熱源装置の器具ケース42内のシステム構成や、熱負荷装置10の接続構成、浴槽27の接続構成は省略しているが、これらの構成は、第1実施例と同様である。また、第2実施例は、前記第1実施例とほぼ同様に構成されており、第2実施例が前記第1実施例と異なる特徴的なことは、図8に示すように、管路40を集熱機側液体循環通路9に直接接続したことである。管路40と集熱機側液体循環通路9の通路59との接続部には三方弁36a,36bが介設されており、第1実施例で設けた分岐通路59cと液体循環ポンプ79は省略されている。
【0080】
第2実施例でも前記第1実施例とほぼ同様の動作が行われるが、第2実施例では、熱負荷側液体循環通路5に設けられている液体循環ポンプ6(図8には図示せず、図1、参照)を駆動させることにより、集熱機側液体循環通路9内の液体も循環させることができる。つまり、第2実施例において、集熱機1で集熱した熱を貯湯槽120に蓄熱する時には、三方弁36a,36bを、図8(a)に示す状態として、液体循環ポンプ6の駆動により、図の矢印に示すように、集熱機側液体循環通路9の液体を循環させて、貯湯槽120内の湯水と熱交換することができる。
【0081】
また、集熱機1側の熱殺菌運転を行う時には、三方弁36a,36bを図8(b)に示す状態としてバーナ16の燃焼を行い、それにより加熱した高温の液体を、図の矢印に示すように、液体循環ポンプ6の駆動により熱負荷側液体循環通路5を介して集熱機側液体循環通路9の集熱機1側に循環させる。さらに、貯湯槽120内の湯水をバーナ燃焼によって追い焚きする時には、三方弁36a,36bを図8(c)に示す状態としてバーナ16の燃焼を行い、それにより加熱した高温の液体を、図の矢印に示すように、液体循環ポンプ6の駆動により熱負荷側液体循環通路5を介して集熱機側液体循環通路9の貯湯槽120側に循環させる。
【0082】
第2実施例も前記第1実施例と同様の効果を奏することができ、集熱機1側の熱殺菌運転と貯湯槽120内の湯水をバーナ燃焼による追い焚き運転との両方を行うことにより、集熱機側液体循環通路9内の液体の殺菌を行うことができる。また、液体循環ポンプ79を省略できるので、低コスト化を図ることができる。
【実施例3】
【0083】
次に、第3実施例について、図9に基づいて説明する。第3実施例は、前記第2実施例とほぼ同様に構成されており、第3実施例が前記第2実施例と異なる特徴的なことは、集熱機側液体循環通路9を貯湯槽120に直接接続したことである。つまり、第3実施例では、貯湯槽120の湯水が集熱機側液体循環通路9に導入される構成としているので、集熱機側液体循環通路9内および熱負荷側液体循環通路5内を循環する液体を水とする。このように、集熱機側液体循環通路9内および熱負荷側液体循環通路5内を循環する液体を直接、貯湯槽120に導入しても、前記の如く、レジオネラ菌の貯湯槽120内への混入を防止できる。
【実施例4】
【0084】
次に、第4実施例について、図10に基づいて説明する。第4実施例は、図1に示した器具ケース42内の構成および、熱負荷装置10と浴槽27との接続構成を有しているが、第4実施例では、管路40を、集熱機側液体循環通路9ではなく貯湯槽120と熱的に接続している。管路40は、貯湯槽120内に導入されており、貯湯槽120と液−液熱交換器を介して熱的に接続された態様と成している。
【0085】
第4実施例では、集熱機側液体循環通路9と熱負荷側液体循環通路5とが熱的に接続されていないので、熱負荷側液体循環通路5内の液体の熱殺菌によって集熱機側液体循環通路9内の液体の熱殺菌を行うことはできないが、集熱機側液体循環通路9は、大気開放ではない閉回路構成であるため、通常、レジオネラ菌が混入するおそれはない。
【実施例5】
【0086】
次に、第5実施例について、図11に基づいて説明する。第5実施例は、前記第4実施例とほぼ同様に構成されており、第5実施例が前記第4実施例と異なる特徴的なことは、管路40と集熱機側液体循環通路9とを、それぞれ、貯湯槽120に直接接続したことである。第5実施例では、貯湯槽120内の湯水が集熱機側液体循環通路9と熱負荷側液体循環通路5とに導入されるので、集熱機側液体循環通路9内および熱負荷側液体循環通路5内を循環する液体を水とする。このように、集熱機側液体循環通路9内および熱負荷側液体循環通路5内を循環する液体を直接、貯湯槽120に導入しても、前記の如く、レジオネラ菌の貯湯槽120内への混入を防止できる。
【実施例6】
【0087】
次に、第6実施例について、図12に基づいて説明する。第6実施例は、前記第4実施例とほぼ同様に構成されており、第6実施例が前記第4実施例と異なる特徴的なことは、管路40と貯湯槽120とを、貯湯槽湯水循環通路71と液―液熱交換器72とを介して熱的に接続したことである。貯湯槽湯水循環通路71は、貯湯槽120の外部に設けられて該貯湯槽120内の湯水を循環させるための通路であり、貯湯槽湯水循環通路71には、液体循環ポンプ123が介設されている。第6実施例では、液体循環ポンプ123の駆動によって貯湯槽120内の湯水を循環させながら、熱負荷側液体循環通路5内の液体を循環させると、管路40を通る液体と貯湯槽湯水循環通路71を通る液体とがと液―液熱交換器72を介して熱交換される。
【0088】
第6実施例では、熱負荷側液体循環通路5と貯湯槽120とが、貯湯槽湯水循環通路71と液―液熱交換器72とを介して接続されているので、熱負荷側液体循環通路5から貯湯槽120内へのレジオネラ菌の混入をより確実に抑制できる。
【実施例7】
【0089】
次に、第7実施例について、図13に基づいて説明する。第7実施例は、前記第4実施例の構成に加え、貯湯槽120に、貯湯槽120内に水を供給する給水通路121と、貯湯槽120から湯を導出する給湯通路122とを接続している。給湯通路122は、器具ケース42内に導入されている給水通路38と接続されている。なお、図14の図中、124は圧力逃がし管、125は圧力逃がし弁、126は電磁弁、127は混合弁、128は給水元弁、129は減圧弁、130は給水弁、131は逆止弁、132は水フィルタ、133は水量センサを、それぞれ示す。
【0090】
なお、本発明は、前記各実施例に限定されるものでなく、適宜設定されるものである。例えば、前記実施例では、集熱機1を集合住宅のベランダ手摺り部に設置する例を述べたが、集熱機1が前記手摺り部を形成している構成としてもよい。
【0091】
また、前記実施例では、集熱機1は、内部通路2を有する構成としたが、集熱機1は、中に通路が形成されておらず、厚みが薄い箱状のタンクとしてもよい。さらに、前記実施例では、集熱機1において、液体を集熱機1の下側から集熱機1の内部通路2に導入する構成としたが、液体を集熱機1の上側から内部通路2に導入する構成としてもよい。この場合、例えば、図1における集熱機側液体循環通路9を循環する液体の循環方向を、図の矢印とは逆方向に(つまり、液体を集熱機1内→液−液熱交換器35→貯湯槽120→集熱機1という方向に)循環させるようにしてもよい。
【0092】
さらに、図4に示した制御構成のうち、集熱利用加熱制御手段61、燃焼制御手段68以外の構成は、必要に応じて適宜設けられるものであり、場合によっては省略することもできる。
【0093】
さらに、本発明の太陽熱利用熱源装置において、器具ケース42内の構成や、熱負荷側液体循環通路5に接続される熱負荷装置10の種類や数等の詳細は特に限定されるものではなく、適宜設定されるものであり、集熱機側液体循環通路9と貯湯槽120のいずれかが熱負荷側液体循環通路5に熱的に接続され、また、熱負荷側液体循環通路5が液−液熱交換器7を介して浴槽27の追い焚き循環通路13に熱的に接続されていればよい。
【0094】
さらに、第7実施例のように、貯湯槽120に給水通路121や給湯通路122を接続する構成を、前記第1〜第3および第5、第6の実施例の構成に加えて設けてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0095】
本発明の太陽熱利用熱源装置は、太陽光の熱を集熱機により集めて、その熱を、ベランダの鉄筋定着部近傍に貯湯槽内に蓄熱して利用できるので、例えばマンション等の集合住宅の家庭用の熱源装置として利用できる。
【符号の説明】
【0096】
1 集熱機
2 内部通路
3 内液温センサ
4 液体通路
5 熱負荷側液体循環通路
6 液体循環ポンプ
7,35,72 液−液熱交換器
10 熱負荷装置
11 受光面
16,17 バーナ
60 制御装置
61 集熱利用加熱制御手段
62 低温期間検出手段
63 熱殺菌用加熱制御手段
69 布団乾燥スイッチ
103 貯湯温サーミスタ
120 貯湯槽

【特許請求の範囲】
【請求項1】
太陽光の受光面を備えて太陽光の熱を集熱する集熱機が集合住宅のベランダの手摺り部に前記受光面を垂直向きとして設置され、前記集熱機は前記受光面で受ける太陽光の熱によって内部の液体を加熱する構成と成し、前記集熱機内の液体の温度を検出する集熱機内液温検出手段を有し、前記集熱機には該集熱機内の液体を循環させるための集熱機側液体循環通路が接続されて、該集熱機側液体循環通路には前記ベランダの鉄筋定着部近傍に設けられた貯湯槽が熱的に接続されており、前記集熱機内液温検出手段の検出温度が予め定められた集熱対応設定温度以上であって前記貯湯槽内の湯水の温度より高いときに、前記集熱機側液体循環通路内の液体を循環させることにより前記集熱機で集熱した熱によって前記貯湯槽内の湯水を加熱する集熱利用加熱制御手段を有し、また、外部の熱負荷装置に接続される熱負荷側液体循環通路を有して、該熱負荷側液体循環通路が貯湯槽と集熱機側液体循環通路のいずれかに直接的に又は液−液熱交換器を介して熱的に接続され、さらに、浴槽に接続される追い焚き循環通路を有して、該追い焚き循環通路と前記熱負荷側液体循環通路とが液―液熱交換器を介して熱的に接続されていることを特徴とする太陽熱利用熱源装置。
【請求項2】
集熱機がベランダの手摺り部を形成していることを特徴とする請求項1記載の太陽熱利用熱源装置。
【請求項3】
熱負荷側液体循環通路は集熱機側液体循環通路に熱的に接続されており、前記熱負荷側液体循環通路には該熱負荷側液体循環通路を通る液体を強制的に加熱する強制加熱手段が接続され、集熱機内液温検出手段の検出温度の情報に基づき当該検出温度が予め定められた殺菌適応設定温度を超えない液温低温期間を検出する低温期間検出手段と、該低温期間検出手段により検出される液温低温期間が予め定められた設定期間以上継続したときには前記熱負荷側液体循環通路内の液体を前記強制加熱手段により前記殺菌適応設定温度以上に強制的に加熱して前記熱負荷側液体循環通路と前記集熱機側液体循環通路に前記殺菌適応設定温度以上の液体を循環させる熱殺菌用加熱制御手段を有することを特徴とする請求項1または請求項2記載の太陽熱利用熱源装置。
【請求項4】
熱負荷側液体循環通路は集熱機側液体循環通路に熱的に接続されており、前記熱負荷側液体循環通路には該熱負荷側液体循環通路を通る液体を強制的に加熱する強制加熱手段が接続され、前記熱負荷側液体循環通路に通す液体を強制加熱する強制加熱動作指令を受けて前記熱負荷側液体循環通路内の液体を前記強制加熱手段により前記殺菌適応設定温度以上に強制的に加熱して前記熱負荷側液体循環通路と前記集熱機側液体循環通路に前記殺菌適応設定温度以上の液体を循環させる熱殺菌用加熱制御手段を有することを特徴とする請求項1または請求項2記載の太陽熱利用熱源装置。
【請求項5】
熱負荷側液体循環通路に通す液体を強制加熱する強制加熱動作指令を受けて前記熱負荷側液体循環通路内の液体を前記強制加熱手段により前記殺菌適応設定温度以上に強制的に加熱して前記熱負荷側液体循環通路と前記集熱機側液体循環通路に前記殺菌適応設定温度以上の液体を循環させる熱殺菌用加熱制御手段を有し、該熱殺菌用加熱制御手段により前記熱負荷側液体循環通路と前記集熱機側液体循環通路を循環する液体を強制的に加熱する動作が行われたときには、低温期間検出手段は液体低温期間の検出を一度リセットする構成としたことを特徴とする請求項3記載の太陽熱利用熱源装置。
【請求項6】
殺菌適応設定温度以上に加熱した液体を集熱機の下側から集熱機内部通路に導入する構成としたことを特徴とする請求項3または請求項4または請求項5記載の太陽熱利用熱源装置。
【請求項7】
貯湯槽には該貯湯槽内に水を供給する給水通路と、前記貯湯槽から湯を導出する給湯通路とが接続されていることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか一つに記載の太陽熱利用熱源装置。
【請求項8】
熱負荷側液体循環通路に該熱負荷側液体循環通路内の液体を循環させる液体循環ポンプを介設し、集熱機側液体循環通路に前記熱負荷側液体循環通路を直接接続し、該熱負荷側液体循環通路に介設されている液体循環ポンプを駆動させることにより、前記熱負荷側液体循環通路内の液体と共に前記集熱機側液体循環通路内の液体を循環させる構成としたことを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか一つに記載の太陽熱利用熱源装置。
【請求項9】
熱負荷側液体循環通路には該熱負荷側液体循環通路内の液体を循環させる液体循環ポンプが介設され、集熱機側液体循環通路には該集熱機側液体循環通路内の液体を循環させる液体循環ポンプが介設され、前記集熱機側液体循環通路において該集熱機側液体循環通路内の液体を貯湯槽側から集熱機側に向けて流す往き側の通路に液−液熱交換器を介して前記熱負荷側液体循環通路が熱的に接続されており、該熱負荷側液体循環通路と前記集熱機側液体循環通路にそれぞれ介設されている液体循環ポンプを共に駆動させることにより、前記液−液熱交換器を介して前記熱負荷側液体循環通路内の液体と熱交換された前記集熱機側液体循環通路内の液体を集熱機側に送る構成としたことを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか一つに記載の太陽熱利用熱源装置。
【請求項10】
集熱機側液体循環通路において該集熱機側液体循環通路内の液体を集熱機側から貯湯槽側に向けて流す戻り側の通路と往き側の通路とをバイパスするバイパス通路が設けられ、該バイパス通路と前記戻り側の通路との接続部または前記往き側の通路との接続部には、前記集熱機側液体循環通路内の液体を、前記貯湯槽と前記集熱機の両方を通して循環させる経路と、前記貯湯槽と前記バイパス通路とを通して循環させる経路とのいずれかに選択的に切り替える経路切替手段が設けられていることを特徴とする請求項9記載の太陽熱利用熱源装置。
【請求項11】
熱負荷側液体循環通路は貯湯槽に直接接続されて、該貯湯槽内の湯水を前記熱負荷側液体循環通路を通して循環させる構成としたことを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか一つに記載の太陽熱利用熱源装置。
【請求項12】
貯湯槽の外部に該貯湯槽内の湯水を循環させるための貯湯槽湯水循環通路が接続され、該貯湯槽湯水循環通路に液−液熱交換器を介して熱負荷側液体循環通路が接続されていることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか一つに記載の太陽熱利用熱源装置。
【請求項13】
集熱機側液体循環通路が貯湯槽に直接接続されて、該貯湯槽内の湯水を前記集熱機側液体循環通路を通して循環させる構成としたことを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか一つまたは請求項11または請求項12に記載の太陽熱利用熱源装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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