説明

太陽電池モジュールの取付装置

【課題】搬送効率を低下させることがないうえに、現地での設置作業を容易におこなうことができる太陽電池モジュールの取付装置を提供する。
【解決手段】複数の頂部21,・・・を有する折板屋根2に太陽電池モジュール1を取り付けるための取付装置3である。そして、太陽電池モジュールの裏面1aに間隔を置いて略平行に差し渡される複数の連結棒34,34と、それぞれの連結棒の長手方向に間隔を置いて回動又は固定の切替が可能に取り付けられる支持金具32A,32Bと、支持金具の下端に取り付けられる折板屋根の任意の頂部を挟持させる挟持金具31とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の頂部又は凸部を有する折板屋根などの平板状屋根に太陽電池モジュールを取り付けるための取付装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、折板屋根に太陽電池モジュールを取り付けるための取付治具及び取付構造が知られている(特許文献1−3など参照)。
【0003】
特許文献1には、太陽電池モジュールを傾斜させて設置するに際して、支持金具の長さを変えるだけで、容易に設置角度を調整することができる取付治具が開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、左右別体のクランプ片をボルトで締め付けて折板屋根の頂部を挟持させ、その左右クランプ片にフレーム固定金具を取り付けることで太陽電池モジュールを屋根面に対して斜めに設置する取付構造が開示されている。
【0005】
さらに、特許文献3には、折板屋根の頂部に取付金物を設置し、その取付金物から上方に突出する締結ボルトに太陽電池モジュールを固定することで、屋根面に平行になるように太陽電池モジュールを取り付ける取付構造が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−91825号公報
【特許文献2】特開2001−193231号公報
【特許文献3】特許第3299877号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1−3に開示された取付治具又は取付金物は、折板屋根に対してだけではなく、太陽電池モジュールに対しても、現地で取り付けられる。
【0008】
それは、工場などで予め太陽電池モジュールに取付治具などを取り付けておくこともできるが、取付治具が突出することになるため嵩張り、効率的な運搬の支障になるおそれがあるためである。また、突出した取付治具は、搬送時又は設置時に他の物に接触する可能性が高く、変形したり破損したりするおそれがある。
【0009】
そこで、本発明は、搬送効率を低下させることがないうえに、現地での設置作業を容易におこなうことができる太陽電池モジュールの取付装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記目的を達成するために、本発明の太陽電池モジュールの取付装置は、複数の頂部又は凸部を有する平板状屋根に太陽電池モジュールを取り付けるための取付装置であって、前記太陽電池モジュールの裏面に間隔を置いて略平行に差し渡される複数の連結棒と、それぞれの前記連結棒の長手方向に間隔を置いて回動又は固定の切替が可能に取り付けられる支持体と、前記支持体の下端に取り付けられる前記平板状屋根の任意の頂部又は凸部を挟持させる挟持金具とを備えたことを特徴とする。
【0011】
ここで、前記支持体の上部には、前記連結棒を挿通させるフランジが設けられており、前記フランジと前記連結棒との間に介在される固定切替具によって回動又は固定の切替がおこなわれる構成とすることができる。また、前記固定切替具がネジ、ボルト又はピンであって、前記連結棒に前記固定切替具を装着するための位置決め孔が設けられている構成であってもよい。
【0012】
さらに、前記挟持金具は、前記平板状屋根の任意の頂部又は凸部を挟んで配置される一対の挟持部と、一方の挟持部の上縁から上方に延出されるとともに折り返されて他方の挟持部の上縁に繋がる連結部と、その連結部の折り返しの一部を開口した挿込み口とを有し、前記挿込み口に前記支持体の下端を挿し込んで、前記連結部の対向する2面と前記支持体とを貫通する貫通孔に挿通されたボルト部によって前記連結部の対向する2面を緊結させる構成とすることができる。
【0013】
また、前記挟持部は、前記頂部又は凸部の側面から上面にかけての外形に合わせた形状に成形されており、前記連結部は前記挟持部と一体の板材を二つ折りにして成形されており、前記挿込み口は前記連結部の折り返しの両側縁を除いた部分にスリット状に開口されている構成であってもよい。
【0014】
さらに、それぞれの前記連結棒には、短尺と長尺の長さが異なる2つの前記支持体が取り付けられ、それぞれの連結棒に取り付けられる短尺の支持体と長尺の支持体の長さは等しく、かつ長尺の支持体の取り付け位置は前記太陽電池モジュールの上枠側となる構成であってもよい。
【発明の効果】
【0015】
このように構成された本発明の太陽電池モジュールの取付装置は、太陽電池モジュールの裏面に差し渡された連結棒に、回動又は固定が切替自在になるように支持体が取り付けられている。そして、その支持体の下端には平板状屋根の頂部又は凸部を挟持させる挟持金具が取り付けられている。
【0016】
このため、搬送時は支持体から先の部分を太陽電池モジュールの裏面側に収容させることで、効率的に搬送がおこなえるようになるうえに、設置時も支持体を回動させるだけで設置作業の大部分が終了するため、容易に太陽電池モジュールを設置することができる。
【0017】
また、支持体の上部に設けられたフランジと連結棒との間に介在される固定切替具によって回動と固定の切替をおこなうことができれば、支持体の搬送前の収納作業と設置時の起こし作業を迅速におこなうことができる。
【0018】
さらに、連結棒に固定切替具を装着させるための位置決め孔が予め設けられていれば、支持体の固定位置が簡単に決まり、位置決め作業の手間を削減することができる。
【0019】
また、ボルト部を緊結させるだけで挟持部を頂部又は凸部に圧着させることができれば、平板状屋根に太陽電池モジュールを迅速に固定することができる。さらに、挟持部の形状を、折板屋根の頂部又は凸部の側面から上面にかけての外形に合わせた形状に成形することで、頂部又は凸部との密着度が高まり、ずれ難くすることができる。
【0020】
そして、複数の連結棒に同じ長さの短尺の支持体と、同じ長さの長尺の支持体とが取り付けられていれば、太陽電池モジュールを所定の角度で斜めにして設置することが容易にできる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施の形態の取付装置の構成を説明するために太陽電池モジュールの裏面を見た斜視図である。
【図2】支持体及び挟持金具を側方から見た説明図である。
【図3】太陽電池モジュールの裏面に支持体が収容された状態を説明する図であって、(a)は下面図、(b)は(a)の矢印方向から見た断面図である。
【図4】折板屋根の頂部に挟持金具を取り付けた状態を示した斜視図である。
【図5】太陽電池モジュールの取付構造を説明する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。本実施の形態の太陽電池モジュール1の取付装置3は、図1に示すように太陽電池モジュール1の裏面1aに設けられる。
【0023】
また、太陽電池モジュール1は、図4,5に示すような平板状屋根としての折板屋根2に取り付けられる。この折板屋根2は、所定のピッチで頂部21,・・・が設けられた平板状の屋根である。
【0024】
このような折板屋根2は、例えば波形のポリ塩化ビニル被覆鋼板によって形成されるもので、図4に示すようにその折り曲げられた山形が頂部21になる。また、折板屋根2の下側には、図5に示すように、それを支持する屋根フレーム22及び天井23が設けられる。
【0025】
そして、本実施の形態の取付装置3は、図1に示すように、太陽電池モジュール1の裏面1aに間隔を置いて略平行に差し渡される2本の連結棒34,34と、それぞれの連結棒34の長手方向に間隔を置いて回動又は固定の切替が可能に取り付けられる支持体としての支持金具32A,32Bと、それぞれの支持金具32A,32Bの下端に取り付けられる挟持金具31とを主に備えている。
【0026】
平面視長方形の太陽電池モジュール1の裏面1aには、長辺側の縁部に上枠11と下枠12が取り付けられ、短辺側の縁部に側枠13,13が取り付けられる。
【0027】
そして、上枠11と下枠12に対して円柱状の連結棒34が差し渡される。連結棒34は、側枠13の近傍に側枠13に略平行に差し渡される。また、連結棒34の両方の端部は、固定金具35,35によって上枠11と下枠12に固定される。
【0028】
また、支持金具32A,32Bには、上枠11の近傍に取り付けられる長尺の支持金具32Aと、下枠12の近傍に取り付けられる短尺の支持金具32Bとがあるが、長さが異なるだけなので以下では支持金具32として構成を説明する。
【0029】
支持金具32は、図1,2に示すように、上縁が半円状に成形された長方形板状の本体部322と、本体部322の下縁から所定の角度で延出される挿入部323と、本体部322の上部に設けられる円筒状のフランジ321とによって主に構成される。
【0030】
このフランジ321は、連結棒34を挿通させる継手部である。このフランジ321には、固定切替具としてのネジ321bを挿入する穿孔321aが設けられる。
【0031】
太陽電池モジュール1を折板屋根2の頂部21に取り付けるときの支持金具32と連結棒34との位置関係に合わせて連結棒34に位置決め孔341を設けておけば、フランジ321の穿孔321aを位置決め孔341に合わせてネジ321bを締め付けることで、連結棒34の決められた位置に支持金具32を固定することができる。
【0032】
一方、支持金具32の本体部322の長さを変えることによって、太陽電池モジュール1を支持させる高さを変えることができる。図5には、傾斜させた太陽電池モジュール1の下枠12側に短尺の支持金具32Bを配置し、上枠11側に長尺の支持金具32Aを配置した状態を示している。
【0033】
すなわち、この上枠11側に設置される支持金具32Aと下枠12側に設置される支持金具32Bの長さの差が、その上に設置される太陽電池モジュール1の傾斜角度を規定することになる。また、本体部322と挿入部323との角度は、太陽電池モジュール1の設置したい角度に応じて設定されている。
【0034】
このような構成であれば、連結棒34及び後述する挟持金具31には同一部品を使用し、支持金具32A,32Bを所望される長さの金具にすることで、太陽光発電が効率よくおこなえる傾斜角度に太陽電池モジュール1を設置することが容易にできる。
【0035】
挟持金具31には、図2,4に示すように、折板屋根2の頂部21を挟んで配置される一対の挟持部311,311と、一方の挟持部311の上縁から上方に延出されるとともに折り返されて他方の挟持部311の上縁に繋がる連結部312と、その連結部312の折り返し部312aの一部を開口した挿込み口313と、連結部312の対向する2面を貫通する貫通孔314とが設けられている。
【0036】
例えば、この挟持部311,311と連結部312は、一枚のステンレス鋼板を折り曲げて成形される。また、この挟持部311,311は、頂部21の側面から上面にかけての外形に合わせた鉤形にそれぞれ成形されている(図2、図4参照)。
【0037】
そして、一方の挟持部311の上縁から真っ直ぐに上方に延出された連結部312は、途中の折り返し部312aで二つ折りにされて他方の挟持部311の上縁に向けて延出される。すなわち、挟持部311,311と連結部312の対向する2面は、折り返し部312aからの垂線に対して線対称に成形される。
【0038】
この連結部312の二つ折りにされて対向する2面には、水平方向に貫通する貫通孔314が形成されている。そして、この貫通孔314は、後述するボルト部33が装着されて緊結されると、挟持部311,311が閉じる方向に移動する位置に設けられている。
【0039】
また、連結部312の折り返し部312aには、支持金具32の挿入部323の幅より僅かに広くなるように、両側縁を除いた部分がスリット状に切り欠かれた挿込み口313が形成されている。
【0040】
さらに、その挿込み口313は、連結部312の対向する2面間の中空部に連通されている。そして、その挿込み口313に支持金具32の挿入部323を挿し込む。
【0041】
支持金具32の挿入部323は、挿込み口313から挿入された際に連結部312の貫通孔314と連通する位置に、貫通孔323aが形成されている。すなわち、連結部312の対向する2面と支持金具32の挿入部323とを貫通する貫通孔314,323aが形成される。
【0042】
そして、ボルト部33は、連結部312の貫通孔314と挿入部323の貫通孔323aとに挿通されるボルト331と、そのボルト331に螺着させるナット332とから構成されている。
【0043】
次に、本実施の形態の取付装置3を用いた太陽電池モジュール1の取付構造の構築方法について説明する。
【0044】
まず、工場において、図1に示すように、太陽電池モジュール1の裏面1aに対して、側枠13,13の近傍にそれらと平行になるようにそれぞれ連結棒34,34を取り付ける。
【0045】
連結棒34の取り付けは、支持金具32A,32Bが連結棒34に挿通された状態で、連結棒34の両方の端部を上枠11及び下枠12に固定金具35,35によって押え付けることによっておこなう。
【0046】
そして、連結棒34を軸にして支持金具32A,32Bを回動させ、太陽電池モジュール1の裏面1aに最も近接する位置でフランジ321の穿孔321aに挿入されたネジ321bを締め付けて仮止めをおこなう。ここで、連結棒34には、この仮止め位置に仮止め用の位置決め孔341を穿孔しておくことができる。また、ネジ321bの先端を連結棒34の周面に押し付ける圧力のみで仮止めをおこなってもよい。この仮止め作業は、4つの支持金具32A,32B,32A,32Bの全てに対しておこなう。
【0047】
続いて、図3(b)に示すように、折板屋根2の表層となる屋根パネル20上に支持金具32A,32B・・・が収容された太陽電池モジュール1を置く。この際、太陽電池モジュール1は設置位置の近辺に置くことになるが、頂部21,・・・と支持金具32A,32B・・・とが干渉して嵩高にならないようにする。すなわち、頂部21,21間に支持金具32A,32B・・・が配置されるようにする。そして、屋根パネル20と太陽電池モジュール1とを一体にして現地まで搬送する。
【0048】
現地では、クレーンを使って屋根パネル20の設置をおこなう。この屋根パネル20の設置によって太陽電池モジュール1も折板屋根2の上に配置されたことになる。続いて仮止めしていたネジ321b,・・・を緩めて、支持金具32A,32B,32A,32Bを自重で回動させながら太陽電池モジュール1を起こす。
【0049】
そして、連結棒34の位置決め孔341に支持金具32A(32B,32A,32B)のフランジ321の穿孔321aを合わせ、ネジ321bを締め付けて固定する。
【0050】
続いて、図4に示すように、折板屋根2の頂部21を挟持部311,311によって挟ませ、ボルト部33のボルト331又はナット332を締め付けて連結部312の対向する2面とその間に介在された挿入部323とを緊結させる。
【0051】
以上のような作業によって、図5に示すように太陽電池モジュール1を傾斜させた状態で設置することができる。
【0052】
次に、本実施の形態の太陽電池モジュール1の取付装置3の作用について説明する。
【0053】
このように構成された本実施の形態の太陽電池モジュール1の取付装置3は、太陽電池モジュール1の裏面1aに差し渡された連結棒34に、回動又は固定が切替自在になるように支持金具32A,32B・・・が取り付けられている。そして、支持金具32A,32B・・・の下端には、折板屋根2の頂部21を挟持させる挟持金具31がそれぞれ取り付けられている。
【0054】
このため、搬送時は支持金具32A,32B・・・から先の部分を太陽電池モジュール1の裏面1a側に収容させることで、効率的に搬送がおこなえるようになる。すなわち、支持金具32A,32B・・・が太陽電池モジュール1の裏面1aと略平行になっていれば、裏面1aから突出する部分が少なく、太陽電池モジュール1の厚みが大幅に増加することがないため、搬送時の占有容積が増して搬送コストが上昇してしまうようなことがない。
【0055】
また、現地での設置時においても、支持金具32A,32B・・・を回動させるだけで設置作業の大部分が終了するため、容易に太陽電池モジュール1を設置することができる。
【0056】
さらに、支持金具32A,32B・・・の上部に設けられたフランジ321の穿孔321aに通したネジ321bの締め付け度合いによって回動と固定の切替をおこなうことができれば、支持金具32A,32B・・・の搬送前の収納作業と設置時の起こし作業を迅速におこなうことができる。
【0057】
また、連結棒34にネジ321bを装着させるための位置決め孔341が設けられていれば、支持金具32A,32B・・・の固定位置が簡単に決まり、位置決め作業の手間を削減することができる。
【0058】
さらに、折板屋根2の頂部21を挟持する一対の挟持部311,311が、連結部312によって繋がって一つの挟持金具31になっているため、従来の左右に分かれた別体のクランプを取り付けるときのように位置ずれを生じさせることなく、容易に頂部21に挟持金具31を嵌めることができる。
【0059】
また、この連結部312の挿込み口313には任意の長さの本体部322を有する支持金具32A,32Bが挿入できるので、太陽電池モジュール1を支持させる高さ及び角度を容易に調整することができる。さらに、本体部322と挿入部323との傾斜角度も、支持金具32A,32Bを他の支持金具32に交換するだけで容易に調整することができる。
【0060】
また、挟持金具31の貫通孔314と支持金具32A(32B)の貫通孔323aに挿し込まれたボルト331又はナット332を締め付けるだけで、挟持部311,311を頂部21に圧着させるための連結部312の緊結をおこなうことができる。
【0061】
このため、太陽電池モジュール1の取り付けが容易になるうえに、取り付ける支持金具32(32A,32B)の長さや本体部322と挿入部323との傾斜角度を変えるだけで、太陽電池モジュール1の設置角度を容易に調整することができる。
【0062】
すなわち、太陽電池モジュール1は、太陽に対する向きによって発電効率が異なるので、支持金具32(32A,32B)を変えることで太陽電池モジュール1の設置角度を調整できれば、最適な設置角度にすることが容易にできる。
【0063】
また、挟持部311,311の形状を、折板屋根2の頂部21の側面から上面にかけての外形に合わせた形状に成形することで、頂部21との密着度が高まり、ずれ難くすることができる。
【0064】
以上、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳述してきたが、具体的な構成は、この実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱しない程度の設計的変更は、本発明に含まれる。
【0065】
例えば、前記実施の形態では、平板状屋根として折板屋根2の頂部21に取付装置3の挟持金具31を取り付ける場合について説明したが、これに限定されるものではなく、平板状屋根として波形スレート板、波形亜鉛鉄板、波形ガラス、波形プラスチック板の屋根の頂部に挟持金具を取り付ける場合にも本発明の取付装置を適用することができる。
【0066】
また、瓦棒と称する芯材が所定のピッチで設けられた鋼板瓦棒葺き屋根を平板状屋根とし、その凸部である角形の瓦棒部に適用される取付装置の構成であってもよい。
【0067】
さらに、前記実施の形態では、1本の連結棒34に異なる長さの支持金具32A,32Bを装着する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、同じ長さの支持体を装着することで、太陽電池モジュール1を屋根面に平行に取り付けることができる。また、1本の連結棒34に、3つ以上の支持体を取り付ける構成であってもよい。
【0068】
さらに、前記実施の形態では、一つの太陽電池モジュール1に2本の連結棒34,34が取り付けられた場合について説明したが、これに限定されるものではなく、3本以上の連結棒34,・・・を取り付けることもできる。
【0069】
また、前記実施の形態では、連結棒34に位置決め孔341を設けて予め決められた所定の角度で太陽電池モジュール1が設置できる場合について説明したが、これに限定されるものではなく、連結棒34の任意の位置で支持体が固定できる構成であってもよい。
【0070】
さらに、前記実施の形態では、支持金具32A,32Bを太陽電池モジュール1の裏面1a側に収容する際にネジ321bを締め付けて仮止めしてから屋根パネル20の上に置いたが、これに限定されるものではない。支持金具32A,32Bが回動可能な状態のまま屋根パネル20の上に置けば、現地で太陽電池モジュール1を起こすだけで支持金具32A,32Bが自重で垂れ下がり、迅速に設置作業を進めることができる。
【0071】
また、前記実施の形態では、固定切替具としてネジ321bを使って説明したが、これに限定されるものではなく、タッピンネジ、ボルト、ピンなどを固定切替具として使用することもできる。
【符号の説明】
【0072】
1 太陽電池モジュール
11 上枠
2 折板屋根(平板状屋根)
21 頂部
3 取付治具
311 挟持部
312 連結部
312a 折り返し部
313 挿込み口
314 貫通孔
32 支持金具(支持体)
32A 支持金具(長尺の支持体)
32B 支持金具(短尺の支持体)
321 フランジ
321a 穿孔
321b ネジ(固定切替具)
323 挿入部
323a 貫通孔
33 ボルト部
34 連結棒
341 位置決め孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の頂部又は凸部を有する平板状屋根に太陽電池モジュールを取り付けるための取付装置であって、
前記太陽電池モジュールの裏面に間隔を置いて略平行に差し渡される複数の連結棒と、
それぞれの前記連結棒の長手方向に間隔を置いて回動又は固定の切替が可能に取り付けられる支持体と、
前記支持体の下端に取り付けられる前記平板状屋根の任意の頂部又は凸部を挟持させる挟持金具とを備えたことを特徴とする太陽電池モジュールの取付装置。
【請求項2】
前記支持体の上部には、前記連結棒を挿通させるフランジが設けられており、前記フランジと前記連結棒との間に介在される固定切替具によって回動又は固定の切替がおこなわれることを特徴とする請求項1に記載の太陽電池モジュールの取付装置。
【請求項3】
前記固定切替具がネジ、ボルト又はピンであって、前記連結棒に前記固定切替具を装着するための位置決め孔が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の太陽電池モジュールの取付装置。
【請求項4】
前記挟持金具は、前記平板状屋根の任意の頂部又は凸部を挟んで配置される一対の挟持部と、一方の挟持部の上縁から上方に延出されるとともに折り返されて他方の挟持部の上縁に繋がる連結部と、その連結部の折り返しの一部を開口した挿込み口とを有し、
前記挿込み口に前記支持体の下端を挿し込んで、前記連結部の対向する2面と前記支持体とを貫通する貫通孔に挿通されたボルト部によって前記連結部の対向する2面を緊結させることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の太陽電池モジュールの取付装置。
【請求項5】
前記挟持部は、前記頂部又は凸部の側面から上面にかけての外形に合わせた形状に成形されており、前記連結部は前記挟持部と一体の板材を二つ折りにして成形されており、前記挿込み口は前記連結部の折り返しの両側縁を除いた部分にスリット状に開口されていることを特徴とする請求項4に記載の太陽電池モジュールの取付装置。
【請求項6】
それぞれの前記連結棒には、短尺と長尺の長さが異なる2つの前記支持体が取り付けられ、それぞれの連結棒に取り付けられる短尺の支持体と長尺の支持体の長さは等しく、かつ長尺の支持体の取り付け位置は前記太陽電池モジュールの上枠側となることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の太陽電池モジュールの取付装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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