説明

太陽電池モジュール封止用シートおよび太陽電池モジュール

【課題】耐熱性・耐光性・耐候性・透明性に優れ、高照度紫外線環境下に配置されても、透明ガラス部材に対する接着性の低下を抑制できる太陽電池モジュール封止用シートを提供する。
【解決手段】太陽電池モジュール封止用シートは、透明軟質樹脂およびシランカップリング剤を含有するシートであり、シランカップリング剤の含有量は、前記透明軟質樹脂100質量部に対して0.17質量部を超え0.6質量部以下になる量とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽電池モジュールの封止に使用されるシートおよび太陽電池モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、地球温暖化問題に対する関心が益々高まっており、二酸化炭素の排出による温室効果を抑制するための検討が各方面で行われている。中でも、太陽光発電は、そのクリーン性や無公害性という点から期待が高まっている。
【0003】
太陽電池は、太陽光のエネルギーを電気に直接変換する太陽光発電システムの心臓部になるものであり、単結晶、多結晶、あるいはアモルファスシリコン系の半導体から構成されている。太陽電池は、通常、太陽電池素子単体(太陽電池セル)は、長期間(約20年)にわたって保護されるように、数枚〜数十枚単位でパッケージングされてモジュール化されている。具体的な太陽電池モジュールとしては、直列、並列に配線された複数の太陽電池セルと、太陽電池セルを封止する封止体と、太陽光が当たる表面側に配置された透明ガラス部材と、裏面側に配置された裏面保護用シートとを具備するものが挙げられる。ここで、封止体としては、太陽電池セルを挟むように積層された一対の封止用シートが広く使用されている。
【0004】
太陽電池モジュール用封止体には、透明ガラス部材および裏面保護用シートに対する接着性と、長期間(約20年)にわたって太陽電池セルを保護するための耐熱性・耐光性・耐候性とが求められる。接着性、耐熱性・耐光性・耐候性が高い程、発電効率が高くなり、封止体の物性低下を防止して長期間の保護が可能になる。
【0005】
一般に、太陽電池においては、20〜30年間の製品保証が求められる。そのため、太陽電池モジュール封止用シートの接着性の評価は、高温高湿の過酷な条件の試験、例えば、温度85℃、相対湿度85%の環境下、2000〜3000時間放置して評価する促進試験、または高照度紫外線環境下に配置して評価する超促進試験の元で行われる。
【0006】
上記の要求を満たすために、太陽電池モジュール封止用シートとしては、有機過酸化物等を配合したエチレン共重合体のシートを使用することが知られている(特許文献1,2)。また、上記エチレン共重合体の架橋性を高める方法として、シランカップリング剤、架橋剤、架橋助剤などを配合することもある。しかしながら、上記提案は高照度紫外線環境下に配置して評価する超促進試験では、シランカップリング剤を含有した封止用シートでも、接着力が低下するなどの問題がある。
【0007】
また、さらに接着性、耐熱性・耐光性・耐候性などの長期耐久性の向上を目的として、架橋性エチレン系共重合体に、光安定剤や紫外線吸収剤などの安定化成分を熱可塑性高分子に固定化させた高分子固定型安定成分を含有する封止用シートが提案されている(特許文献3)。しかしながら、透明ガラス部材および裏面保護用シートに対する接着性・耐熱性・耐光性・耐候性などの要求特性の中で、特に、透明ガラス部材に対する接着性の長期耐久性に問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開昭58−60579号公報
【特許文献2】特開昭58−63178号公報
【特許文献3】特開2010−212356号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、高照度紫外線照射環境下に配置されても、透明ガラス部材に対する接着性の低下を抑制できる太陽電池モジュール封止用シートを提供することを目的とする。また、その太陽電池モジュール用封止シートを用いた太陽電池モジュールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
従来、耐光性を向上させる安定剤として、ヒンダードフェノール系やリン系の酸化防止剤、ヒンダードアミン系の光安定剤、ベンゾフェノン系の紫外線吸収剤が広く使用されていた。ところが、透明ガラス部材への接着性については、前記安定剤ではなく、シランカップリング剤の配合により接着性の低下を抑制することが出来ることが判明した。これらの知見に基づき、本発明者が、接着性の低下を防止する手段について検討した結果、以下の太陽電池モジュール封止用シートおよび太陽電池モジュールを発明した。
【0011】
本発明の請求項1に係る発明は、透明軟質樹脂、シランカップリング剤および有機過酸化物を含有する太陽電池モジュール封止用シートであり、該シランカップリング剤の含有量が、該透明軟質樹脂100質量部に対して0.17質量部〜0.6質量部であることを特徴とする太陽電池モジュール封止用シートである。
【0012】
本発明の請求項2に係る発明は、透明軟質樹脂が、架橋構造を形成しうる架橋性エチレン系共重合体であることを特徴とする請求項1に記載の太陽電池モジュール封止用シートである。
【0013】
本発明の請求項3に係る発明は、前記架橋性エチレン系共重合体が、エチレン−酢酸ビニル共重合体またはエチレン−α,β不飽和カルボン酸アルキルエステル共重合体であることを特徴とする請求項1または2に記載の太陽電池モジュール封止用シートである。
【0014】
本発明の請求項4に係る発明は、前記架橋性エチレン系共重合体が、エチレン−α,β不飽和カルボン酸共重合体またはエチレン−α,β不飽和カルボン酸−α,β不飽和カルボン酸アルキルエステル共重合体であることを特徴とする請求項1または2に記載の太陽電池モジュール封止用シートである。
【0015】
本発明の請求項5に係る発明は、前記有機過酸化物の含有量が、該透明軟質樹脂100質量部に対して0.05質量部〜5質量部であることを特徴とする請求項1に記載の太陽電池モジュール封止用シートである。
【0016】
本発明の請求項6に係る発明は、請求項1〜5のいずれかに記載の太陽電池モジュール封止用シートを用いたことを特徴とする太陽電池モジュールである。
【発明の効果】
【0017】
本発明は、高照度紫外線照射環境下に配置されても、透明ガラス部材に対する接着性の低下を抑制できる、太陽電池モジュール封止用シートおよびそれを用いた太陽電池モジュールを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施形態例の太陽電池モジュールを示す断面図である。
【図2】裏面保護用シートの一例を示す断面図である
【図3】図1に示す太陽電池モジュールの製造方法の一例を示す模式図である。
【図4】本発明の実施例で作製した接着強度用測定サンプルの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
<太陽電池モジュール封止用シート>
本発明の太陽電池モジュール封止用シート(以下、封止用シートと略す。)は、透明軟質樹脂、シランカップリング剤および有機過酸化物を含有するシートである。
【0020】
[透明軟質樹脂]
本発明の透明軟質樹脂としては、例えば、エチレン系共重合体、ポリビニルアセタール系樹脂(例えば、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール(PVB樹脂)、変性PVB樹脂)、ポリ塩化ビニル系重合体、スチレン系共重合体を用いることができるが、中でも、エチレン系共重合体、ポリビニルアセタール系樹脂が好ましい。
【0021】
エチレン系共重合体において、エチレンに共重合する成分としては、プロピレン、ブテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1、4−メチルペンテン−1あるいはそれ以上高級の各種αオレフィン、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソオクチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソブチル等のα,β−不飽和カルボン酸アルキルエステル、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン等のα,β−不飽和カルボン酸及びその塩などが挙げられる。また、エチレン系共重合体としては、耐熱性、耐光性、耐候性をより高くできることから、架橋構造を形成しうる架橋性エチレン系共重合体が好ましい。
【0022】
前記架橋性エチレン系共重合体としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体またはエチレン−α,β不飽和カルボン酸アルキルエステル共重合体、金属イオンの存在下で架橋しうるエチレン−α,β不飽和カルボン酸共重合体またはエチレン−α,β不飽和カルボン酸−α,β不飽和カルボン酸アルキルエステル共重合体が挙げられる。ここで、エチレン−酢酸ビニル共重合体およびエチレン−α,β不飽和カルボン酸アルキルエステル共重合体は、有機過酸化物および/または架橋助剤の存在下で架橋しうる重合体である。また、エチレン−α,β不飽和カルボン酸共重合体およびエチレン−α,β不飽和カルボン酸−α,β不飽和カルボン酸アルキルエステル共重合体は、金属イオンの存在下で架橋しうる重合体である。
【0023】
前記エチレン−酢酸ビニル共重合体は、透明性が高く、安価という点で好ましい。エチレン−酢酸ビニル共重合体の酢酸ビニル含有率は10〜40質量%であることが好ましく、25〜35質量%であることがより好ましい。酢酸ビニル含有率が10質量%以上であれば、充分に軟質になり、太陽電池モジュールを製造する際に太陽電池セルの破壊を防止でき、40質量%以下であれば、充分な粘性を確保でき、取扱い性が高くなる。
【0024】
[有機過酸化物]
エチレン−酢酸ビニル共重合体またはエチレン−α,β不飽和カルボン酸アルキルエステル共重合体を架橋する際に用いる有機過酸化物としては、反応性の点から、半減期10時間の分解温度が145℃以下のものが好ましい。
【0025】
半減期10時間の分解温度が145℃以下の有機過酸化物としては、ジラウロイルパーオキサイド、1,1,3,3,−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ジベンゾイルパーオキサイド、t−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシマレイン酸、1,1−ジ(t−アミルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ジ(t−アミルパーオキシ)シクロヘキサン、t−アミルパーオキシイソノナノエート、t−アミルパーオキシノルマルオクトエート、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルカーボネート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−アミル−パーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシイソノナノエート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、n−ブチル−4,4−ジ−(t−ブチルパーオキシ)バレレート、ジ(2−t−ブチルパーオキシプロピル)ベンゼン、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3等が挙げられる。これら有機過酸化物は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0026】
有機過酸化物は、透明軟質樹脂100質量部に対して0.05〜5質量部の範囲で配合することが好ましく、0.1〜2.0質量部の範囲で配合することがより好ましい。有機過酸化物の配合量が0.05質量部以上であれば、架橋構造を充分に形成でき、5質量部以下であれば、過度の反応を防止でき、発泡や分解による透明軟質樹脂の劣化を防ぐことができる。
【0027】
[架橋助剤]
架橋助剤は、透明軟質樹脂の架橋度を高めて、封止用シートにより得られる封止体の接着性、機械的強度、耐熱性、耐湿熱性、耐候性をより向上させるための助剤である。架橋助剤の具体例としては、(メタ)アクリロキシ基を含有する化合物、アリル基を含有する化合物などが挙げられる。
【0028】
(メタ)アクリロキシ基を含有する化合物としては、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステルや(メタ)アクリル酸アミドが挙げられる。(メタ)アクリル酸アルキルエステルのアルキル基としては、メチル、エチル、ドデシル、ステアリル、ラウリル等が挙げられる。また、(メタ)アクリル酸アルキルエステルのアルキル基の代わりに、シクロヘキシル基、テトラヒドロフルフリル基、アミノエチル基、2−ヒドロキシエチル基、3−ヒドロキシプロピル基、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル基などで置換されていてもよい。
また、(メタ)アクリロキシ基を含有する化合物としては、(メタ)アクリル酸とエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の多官能アルコールとのエステルが挙げられる。
アリル基含有化合物としては、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、フタル酸ジアリル、イソフタル酸ジアリル、マレイン酸ジアリル等が挙げられる。
【0029】
架橋助剤は、透明軟質樹脂100質量部に対して0.05〜5質量部の範囲で配合することが好ましく、0.1〜2.0質量部の範囲で配合することがより好ましい。架橋助剤の配合量が0.05質量部以上であれば、架橋構造を充分に形成でき、5質量部以下であれば、過度の反応を防止でき、発泡や分解による透明軟質樹脂の劣化を防ぐことができる。
【0030】
また、透明軟質樹脂が光硬化する場合には、光重合開始剤が含まれてもよい。光重合開始剤としては、例えば、水素引き抜き型、内部開裂型のものが挙げられる。
【0031】
水素引き抜き型(二分子反応型)としては、例えば、ベンゾフェノン、オルソベンゾイル安息香酸メチル、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、イソプロピルチオキサントン等が挙げられる。
【0032】
内部開裂型としては、ベンゾインアルキルエーテル、ベンジルジメチルケタールが挙げられる。また、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、アルキルフェニルグリオキシレート、ジエトキシアセトフェノン等のα−ヒドロキシアルキルフェノン型重合開始剤、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1等のα−アミノアルキルフェノン型重合開始剤、アシルフォスフィンオキサイド等も使用できる。
【0033】
[安定剤]
安定剤の成分は耐候性低の効果が顕著であることから、光安定剤および/または紫外線吸収剤である事が好ましい。安定化成分としては光安定剤を用いる場合には、性能面から、ヒンダードアミン系光安定剤であることが好ましく、紫外線吸収剤はベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤であることが好ましい。
【0034】
反応性官能基を有するベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、3−[3’−(2”H−ベンゾトリアゾール−2”−イル)−4’−ヒドロキシフェニル]プロピオン酸、3−[3’−(2”H−ベンゾトリアゾール−2”−イル)−5’−メチル−4’−ヒドロキシフェニル]プロピオン酸、3−[3’−(2”H−ベンゾトリアゾール−2”−イル)−5’−エチル−4’−ヒドロキシフェニル]プロピオン酸、3−[3’−(2”H−ベンゾトリアゾール−2”−イル)−5’−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル]プロピオン酸、3−[3’−(5”−クロル−2”H−ベンゾトリアゾール−2”−イル)−5’−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル]プロピオン酸、3−[3”−(2”’H−ベンゾトリアゾール−2”’−イル)−4”−ヒドロキシ−5”−(1’,1’−ジメチルベンジル)フェニル]プロピオン酸、3−[3”−(2”’H−ベンゾトリアゾール−2”’−イル)−4”−ヒドロキシ−5”−(1”,1”,3”,3”−テトラメチルブチル)フェニル]プロピオン酸、それらの酸クロライド化物が挙げられる。
【0035】
反応性官能基を有するヒンダードアミン系光安定剤としては、4−ヒドロキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジン、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジン、1−オクチルオキシ−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジン、それらのジカルボン酸ハーフエステル誘導体、それらの酸クロライド化物などが挙げられる。
【0036】
反応性官能基と反応し得る熱可塑性高分子としては、反応性官能基と付加・縮合反応し得る高分子と、反応性官能基と反応し得る官能基を有する高分子が挙げられる。
【0037】
反応性官能基と付加・縮合反応し得る高分子としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ(エチレン−プロピレン)共重合体、ポリ(エチレン−プロピレン−αオレフィン)共重合体等のポリオレフィン系重合体、ポリプロピレングリコール、ポリ(エチレングリコール−プロピレングリコール)共重合体、(ポリエチレングリコール)−(ポリプロピレングリコール)ブロック共重合体、ポリテトラメチレングリコール鎖等のポリエーテル系重合体、ポリブチレンアジペート、ポリエチレンセバケート等の脂肪族ポリエステル、ポリエチレンイソフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリネオペンチルテレフタレート等の芳香族ポリエステル、6−ナイロン、6,6−ナイロン等のポリアミド系重合体、ポリスチレン、スチレン共重合体、ポリビニルブチラール等のポリビニル系重合体、アクリル酸アルキルエステル(共)重合体、メタクリル酸アルキルエステル(共)重合体、アクリル−スチレン共重合体等の(メタ)アクリル系(共)重合体、ポリシリコーン系重合体、ポリウレタン系重合体、ポリ尿素系重合体、エポキシ樹脂、メラミン系樹脂、セルロース系重合体、キトサン系重合体等などが挙げられる。
【0038】
反応性添加剤と反応し得る官能基を有する高分子としては、例えば、ポリ(エチレン−ビニルアルコール)共重合体、ポリ(エチレン−ビニルアルコール−酢酸ビニル)共重合体、ポリ(エチレン−アクリル酸)共重合体、ポリ(エチレン−アクリル酸メチル)共重合体、ポリ(エチレン−メタクリル酸)共重合体、ポリ(エチレン−メタクリル酸メチル)共重合体、ポリ(エチレン−ビニルアルコール−メタクリル酸)共重合体、ポリ(エチレン−エチルアクリレート−無水マレイン酸)共重合体、ポリ(エチレン−ブチルアクリレート−無水マレイン酸)共重合体、ポリエチレン−無水マレイン酸グラフト共重合体、ポリ(エチレン−グリシジルメタアクリレート)共重合体、ポリエチレンモノアルコール、ポリエチレンモノカルボン酸等が挙げられる。
【0039】
反応性官能基と反応し得る熱可塑性高分子の質量平均分子量は3000〜200000であることが好ましく、約5000〜100000であることがより好ましい。
【0040】
安定剤の含有量は、透明軟質樹脂100質量部に対して0.05質量部を超え2質量部以下、好ましくは0.2〜1質量部になる量にされている。安定化成分の量が、透明軟質樹脂100質量部に対して0.05質量部以下であると、安定剤の効果が発揮されず、2質量部を超えると、耐熱性・耐光性・耐候性の向上効果が飽和する上に、透明軟質樹脂とは異種の材料を配合するため、相溶性や透明性が低下することがある。
【0041】
耐熱性・耐光性・耐候性の全てを維持するためには、封止用シートに、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤の全てを含むことが好ましい。
【0042】
[その他の安定剤]
また、封止用シートには、必要に応じて、接着性を低下させない程度で、従来から封止用シートに使用されている安定剤が含まれてもよい。従来から使用されている安定剤としては、例えば、ベンゾフェノン系、トリアジン系、ベンゾトリアゾール系、サリチル酸系の紫外線吸収剤、低分子量型あるいは高分子量型のヒンダードアミン系光安定剤、フェノール系、リン系、ラクトン系、硫黄系の酸化防止剤などが挙げられる。特に、フェノール系酸化防止剤としては、例えば、オクタデシル−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸、オクタデシル−3−(3’−t−ブチル−5’−メチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ安息香酸あるいはそれらの酸クロライドなどが挙げられる。
【0043】
これら従来から使用されている安定剤の配合量は、接着性の低下をより防止する点で、透明軟質樹脂100質量部に対して0.5質量部以下であることが好ましく、0.3質量部以下であることがより好ましい。
【0044】
封止用シートには、太陽電池モジュールを構成する表面側の透明ガラス部材との接着性を高めることから、シランカップリング剤を含有することが好ましい。シランカップリング剤としては、例えば、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルメトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。
【0045】
シランカップリング剤の含有量は、透明軟質樹脂100質量部に対して0.17〜0.6質量部であることが好ましい。シランカップリング剤の含有量が0.17質量部以上であれば、より接着性を向上させることができ、0.6質量部以下であれば、充分な耐熱性、耐光性、耐候性が得られる。
【0046】
[厚さ]
封止用シートの厚さは1〜1000μmであることが好ましく、5〜500μmであることがより好ましい。封止用シートの厚さが1μm以上であれば、太陽電池セルの凹凸を隙間なく埋めることができ、太陽電池セルを充分に封止できる。一方、封止用シートの厚さが1000μm以下であれば、太陽電池モジュール全体を薄くでき、収納、組み立てが容易になり、また、光線透過性が高くなる。
【0047】
[製造方法]
封止用シートの製造方法としては、例えば、透明軟質樹脂と各添加剤とを混合し、得られた混合物を各種押出機、ロール、ミキサーなどで混練した後、Tダイ押出成形、カレンダー成形、インフレーション成形などのシート成形方法を適用する方法が挙げられる。
【0048】
上記製造方法では、成形性を向上させるために、機能を低下させない程度に、スリップ剤、離型剤やアンチブロッキング剤等の加工助剤を配合しても構わない。また、製膜時のロールのブロッキングや太陽電池モジュールを製造するときの脱気性を付与するため、表面にエンボス加工を施しても構わない。
【0049】
<太陽電池モジュール>
本発明の太陽電池モジュールの一実施形態例について説明する。図1に、本発明の実施形態例の太陽電池モジュールを示す。この太陽電池モジュール1は、複数の太陽電池セル10と、太陽電池セル10を封止する層状の封止体20と、封止体20の一方の面側(表面側)に配置された透明ガラス部材30と、封止体20の他方の面側(裏面側)に配置された裏面保護用シート40とを具備する。
【0050】
[太陽電池セル]
太陽電池セル10は、単結晶シリコン型セル、多結晶シリコン型セル、アモルファスシリコン型セル、化合物半導体型セルのいずれであっても構わない。太陽電池セル10の形状は、厚さが1mm以下、一辺5cm以上の四角形状の薄板である。互いに隣接する太陽電池セル10,10同士は配線11で直列に接続されている。
【0051】
[封止体]
封止体20は、封止用シート20a,20bが積層され、太陽電池セル10を封止する層状体である。本実施形態例における封止体20を構成する封止用シート20a,20bは、上述した本発明の封止用シートからなっている。
【0052】
[透明ガラス部材]
透明ガラス部材30は、厚さ0.1〜10mmの板状の部材である。透明ガラス部材30の材質としては、ソーダライム透明ガラスが好適に使用される。
【0053】
[裏面保護用シート]
図2に裏面保護用シートの一例を示す。第1の基材41としては、フッ素樹脂フィルムを用いることができる。フッ素樹脂フィルムを構成するフッ素樹脂としては、ポリフッ化ビニル(PVF)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ポリエチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)、ポリテトラフル
オロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレンパーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)が挙げられる。
【0054】
フッ素樹脂フィルム基材には、封止体との接着性をより高めるために、コロナ処理、プラズマ処理、イオンボンバード処理などの表面処理が施されてもよい。また、フッ素系フィルム基材についても、透明であってもよいし、白顔料または黒顔料が練りこまれたものであってもよい。
【0055】
第2の基材42およびスペーサ層43を構成する樹脂としては、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート、フッ素樹脂、アクリル樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアリレート系樹脂等が挙げられる。これらは、耐熱性、強度物性、電気絶縁性等を考慮して適宜選択されるが、耐候性や耐熱性に優れる点では、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート、フッ素樹脂が好ましい。
【0056】
ポリエステル系樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリシクロヘキサンジメタノール−テレフタレート(PCT)、PETとPENの共重合体であるPET−Gなどが挙げられる。
【0057】
ポリエステルを用いる場合には、例えば、固相重合などの方法により、末端カルボン酸基の濃度を減少させ、数平均分子量を向上させて、耐久性を向上させることが好ましい。フッ素樹脂としては、例えば、ポリフッ化ビニル(PVF)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ポリエチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレンパーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)などが挙げられる。
【0058】
[製造方法]
太陽電池モジュール1は、図3に示す製造装置100を使用し、以下の工程を経ることにより製造される。
(1)チャンバ110内の約120〜160℃に加熱された天板120上に、下から順に、透明ガラス部材30、封止用シート20a、太陽電池セル10、封止用シート20b、裏面保護用シート40を積み重ねる。
(2)チャンバ110内を真空状態にする。
(3)チャンバ110内を大気圧に戻し、耐熱性を有するゴムシート130を裏面保護用シート40に上から押し付けて、透明ガラス部材30、封止用シート20a、太陽電池セル10、封止用シート20bおよび裏面保護用シート40を密着させる。これにより、封止用シート20a,20bを溶融させて、太陽電池セル10を封止用シート20a,20bの間に包埋する。
(4)さらに、加熱・加圧することにより、透明ガラス部材30と封止用シート20a、2つの封止用シート20a,20b同士、封止用シート20bと裏面保護用シート40とを接着すると共に、封止用シート20a,20bの透明軟質樹脂を架橋・固化させることにより一体化させて、封止体20にする。
【0059】
上記(3)(4)の工程は、連続的にインラインで行ってもよい(ファストキュア)が、有機過酸化物の種類とチャンバ110内の温度によっては、(4)の工程を別のオーブン内で行うことができる(スタンダードキュア)。
【0060】
[作用・効果]
封止体20と透明ガラス部材30とは、濡れ性、あるいは水素結合や双極子−双極子相互作用等の分子間相互作用、シランカップリング剤による共有結合により接着させている。封止体20と透明ガラス部材30との接着性が低下すると、接着不良部分から水分が浸入しやすくなるため、使用時間が長くなるにつれて太陽電池セル10が劣化して、発電効率を低下させることがある。しかし、上記太陽電池モジュール1では、封止体20に含まれるシランカップリング剤量を調整することにより、高照度紫外線照射下において封止体20と透明ガラス部材30との接着性が低下しにくい。
【実施例】
【0061】
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。以下の例においては下記の材料を用いた。
[透明軟質樹脂]
・エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)
(三井デュポンポリケミカル社製、商品名「エバフレックス」)
酢酸ビニル単位:33質量%、MFR:30g/10分。なお、該エチレン−酢酸ビニル共重合体を使用する場合には、後述の有機過酸化物および架橋助剤を配合して、熱架橋型になるようにした。
【0062】
[有機過酸化物、架橋助剤、シランカップリング剤]
・有機過酸化物:1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン(日油製)
・架橋助剤:トリアリルイソシアヌレート(日本化成製)
・シランカップリング剤:γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(東レ・ダウ・シリコーン製)
【0063】
[安定剤]
・低分子量型光安定剤(HALS):チヌビン770(ヒンダードアミンタイプ:チバ・ジャパン製)
・低分子量紫外線吸収剤(UVab):チヌビン120(ベンゾフェノンタイプ:チバ・ジャパン製)
・低分子量酸化防止剤(P):イルガフォス168(リンタイプ、チバ・ジャパン製)
【0064】
<実施例1>
下記材料組成でドライブレンドにより混合し、各添加剤調整を行なった。次いで、得られた混合物をTダイキャスト製膜装置(Tダイを備えた押出機)により、樹脂温度が110℃を超えないように製膜して、厚さ0.5mmの封止用シートを得た。
透明軟質樹脂 100質量部
有機化酸化物 1.0質量部
架橋助剤 2.0質量部
シランカップリング剤 0.4質量部
低分子量型光安定剤 0.3質量部
低分子量紫外線吸収剤 0.3質量部
低分子量酸化防止剤 0.15質量部
【0065】
<実施例2>
低分子量型光安定剤、低分子量紫外線吸収剤、低分子量酸化防止剤を添加しないこと以外は、実施例1と同様にして封止用シートを得た。
【0066】
<実施例3>
低分子量紫外線吸収剤、低分子量酸化防止剤を添加しないこと以外は、実施例1と同様
にして封止用シートを得た。
【0067】
<実施例4>
低分子量酸化防止剤を添加しないこと以外は、実施例1と同様にして封止用シートを得た。
【0068】
<実施例5>
シランカップリング剤の添加量を0.3質量部にしたこと、低分子量酸化防止剤を0.15にした以外は、実施例1と同様にして封止用シートを得た。
【0069】
<比較例1>
シランカップリング剤の添加量を0.16質量部にした以外は、実施例1と同様にして封止用シートを得た。
【0070】
<比較例2>
シランカップリング剤の添加量を0.12質量部にした以外は、実施例1と同様にして封止用シートを得た。
【0071】
<評価>
実施例1〜5および比較例1〜2で得られた封止用シートを用いて、下記の方法で図4に示す接着強度測定用サンプルを作製し、接着強度および耐光性を評価した。評価結果を下記の表1に示す。
【0072】
<接着強度測定用サンプルの作製>
A4サイズの強化ガラス30/封止用シート(2枚:20a、20b)/裏面保護用シート40を積層し、温度145℃、真空引き3分、熱圧着10分の条件下で加熱圧着し、接着強度測定用サンプルを得た。なお、裏面保護用シートとしては、以下の構成の多層フィルムを使用した。
ポリフッ化ビニルフィルム(厚さ38μm、デュポン社製テドラー)/ポリウレタン系接着剤/一般PETフィルム(厚さ250μm、東レ社製ルミラー)/ポリウレタン系接着剤/ポリフッ化ビニル
【0073】
<接着強度>
上記接着強度測定用サンプルの封止体と透明ガラス部材との接着強度を、島津製作所製引張り試験機を用いて、1cm幅のサンプルを300mm/minのスピードで180°剥離により測定を行なった。この値を、高照度紫外線0時間照射後の接着強度とした。
【0074】
<耐光性>
上記接着強度測定用サンプルの裏面保護用シート側から、高照度紫外線照射装置(岩崎電気製「アイ スーパーUVテスター」)を用い、照度100mW/cm、ブラックパネル温度63℃(相対湿度50%)、240時間連続照射、結露サイクルなしの耐光試験を行った。耐光試験後、島津製作所製引張り試験機を用いて、1cm幅のサンプルを300mm/minのスピードで180°剥離により、封止体と透明ガラス部材との接着力を測定した。なお、表1の○、△、×は以下の通りである。
○:接着力が30N/cm以上、40N/cm未満
△:接着力が20N/cm以上、30N/cm未満
×:接着力が20N/cm未満
【0075】
【表1】

【0076】
<比較結果>
透明軟質樹脂100質量部に対して、シランカップリング剤を0.3および0.4質量部配合した実施例1〜4の本発明品は、光安定剤、紫外線吸収剤および酸化防止剤の配合が変わっても優れた耐光性を示した。一方、透明軟質樹脂100質量部に対して、シランカップリング剤を0.16量部を配合した比較例1および0.12質量部を配合した比較例2の比較例品は、いずれも耐光性が著しく劣った。
【符号の説明】
【0077】
1 ・・・・・・・・・・・・・太陽電池モジュール
10・・・・・・・・・・・・・太陽電池セル
11・・・・・・・・・・・・・配線
20・・・・・・・・・・・・・封止体
20a,20b・・・・・・・・封止用シート
30・・・・・・・・・・・・・透明ガラス部材
40,40a,40b,40c・裏面保護用シート
41・・・・・・・・・・・・・第1の基材
42・・・・・・・・・・・・・第2の基材
43・・・・・・・・・・・・・スペーサ層
100・・・・・・・・・・・・製造装置
110・・・・・・・・・・・・チャンバ
120・・・・・・・・・・・・天板
130・・・・・・・・・・・・耐熱性を有するゴムシート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明軟質樹脂、シランカップリング剤および有機過酸化物を含有する太陽電池モジュール封止用シートであり、該シランカップリング剤の含有量が、該透明軟質樹脂100質量部に対して0.17質量部〜0.6質量部であることを特徴とする太陽電池モジュール封止用シート。
【請求項2】
前記透明軟質樹脂が、架橋構造を形成しうる架橋性エチレン系共重合体であることを特徴とする請求項1に記載の太陽電池モジュール封止用シート。
【請求項3】
前記架橋性エチレン系共重合体が、エチレン−酢酸ビニル共重合体またはエチレン−α,β不飽和カルボン酸アルキルエステル共重合体であることを特徴とする請求項2に記載の太陽電池モジュール封止用シート。
【請求項4】
前記架橋性エチレン系共重合体が、エチレン−α,β不飽和カルボン酸共重合体またはエチレン−α,β不飽和カルボン酸−α,β不飽和カルボン酸アルキルエステル共重合体であることを特徴とする請求項2に記載の太陽電池モジュール封止用シート。
【請求項5】
前記有機過酸化物の含有量が、該透明軟質樹脂100質量部に対して0.05質量部〜5質量部であることを特徴とする請求項1に記載の太陽電池モジュール封止用シート。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載の太陽電池モジュール封止用シートを用いたことを特徴とする太陽電池モジュール。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−231048(P2012−231048A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−99127(P2011−99127)
【出願日】平成23年4月27日(2011.4.27)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】