説明

媒体印字消去装置および媒体発行装置

【課題】印字ヘッドおよび消去ヘッドを有するヘッドユニットと、媒体を搬送するための駆動ローラを有する搬送ユニットとを備える媒体印字消去装置において、搬送ユニットに対して取外し可能なヘッドユニットおよび搬送ユニットの具体的な構成を提案すること。
【解決手段】印字ヘッド19および消去ヘッド20を有するヘッドユニット50は、印字ヘッド19を移動させる印字ヘッド駆動機構と、消去ヘッド20を移動させる消去ヘッド駆動機構とを備え、媒体を搬送するための駆動ローラを有する搬送ユニット51と、媒体搬送路を挟んで対向配置されている。ヘッドユニット50は、回動支点軸88に回動可能に支持され、搬送ユニット51に対して相対回動可能となっている。ヘッドユニット50には、回動支点軸88が挿通されるスリーブ91が取り付けられ、回動支点軸88をZ1方向へ取り外すと、搬送ユニット51からのヘッドユニット50の取外しが可能になる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カード状の媒体に印字を行うとともに媒体上の印字を消去する媒体印字消去装置およびこの媒体印字消去装置を備える媒体発行装置に関する。
【0002】
なお、本明細書における「印字」には、媒体上に記された文字の他、媒体上に記された図形、記号および模様等が含まれるものとする。また、本明細書における「印字を行う」には、媒体上に文字を記すことの他、媒体上に図形、記号あるいは模様等を記すことが含まれるものとする。
【背景技術】
【0003】
磁気カード等のカード状の媒体に印字を行うとともに媒体上の印字を消去する情報書き込み装置を備える媒体発行装置が本出願人によって提案されている(たとえば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の情報書き込み装置は、媒体に印字を行う印字ヘッドと、媒体上の印字を消去する消去ヘッドと、媒体に対して印字ヘッドを押圧又は待避させる印字ヘッド駆動機構と、媒体に対して消去ヘッドを押圧又は待避させる消去ヘッド駆動機構とが配置されるヘッドユニットと、媒体を搬送するための駆動ローラが配置される搬送ユニットとを備えている。この情報書き込み装置では、ヘッドユニットと搬送ユニットとが、媒体が搬送される搬送路を挟んで対向配置されている。また、この情報書き込み装置では、媒体の搬送方向におけるヘッドユニットの一端が回動可能に片持ち支持されている。
【0004】
なお、特許文献1には、ヘッドユニットが搬送ユニットに対して着脱可能であっても良い旨が記載されている。たとえば、ヘッドユニットの一端側に配置されヘッドユニットの回動中心となる支点軸を媒体の幅方向の一方側へ抜くことで、ヘッドユニットが搬送ユニットから取り外されても良い旨が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−272630号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述のように、特許文献1には、ヘッドユニットが搬送ユニットに対して着脱可能であっても良い旨が記載されており、ヘッドユニットが搬送ユニットに対して着脱可能であると、以下の利点がある。すなわち、ヘッドユニットが搬送ユニットに対して着脱可能であると、印字ヘッドや消去ヘッド等に不具合が生じた場合に、不具合が生じたヘッドユニットと、新しいヘッドユニットとをヘッドユニットごと交換することができる。ヘッドユニットには、印字ヘッドおよび消去ヘッドに加え、印字ヘッド駆動機構および消去ヘッド駆動機構が配置されているため、ヘッドユニットの交換前に、新しいヘッドユニットの印字ヘッドや消去ヘッドの取付位置や取付角度等を調整して、媒体に対する印字ヘッドや消去ヘッドの当たり方等を調整することができる。したがって、ヘッドユニットの交換時には、現場において、印字ヘッドや消去ヘッドの取付位置や取付角度等の調整が不要となり、印字ヘッドや消去ヘッド等に不具合が生じた場合の印字ヘッドや消去ヘッドの交換作業が容易になる。
【0007】
しかしながら、特許文献1には、搬送ユニットに対して取外し可能なヘッドユニットおよび搬送ユニットの具体的な構成は提案されていない。
【0008】
そこで、本発明の課題は、印字ヘッドおよび消去ヘッドを有するヘッドユニットと、媒体を搬送するための駆動ローラを有する搬送ユニットとを備える媒体印字消去装置において、搬送ユニットに対して取外し可能なヘッドユニットおよび搬送ユニットの具体的な構成を提案することにある。また、本発明の課題は、この媒体印字消去装置を備える媒体発行装置を提案することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するため、本発明の媒体印字消去装置は、カード状の媒体に当接して媒体に印字を行う印字ヘッドおよび媒体に当接して媒体上の印字を消去する消去ヘッドを有するヘッドユニットと、媒体を搬送するための駆動ローラを有する搬送ユニットとを備え、ヘッドユニットは、媒体に当接する方向および媒体から離れる方向へ印字ヘッドを移動させる印字ヘッド駆動機構と、媒体に当接する方向および媒体から離れる方向へ消去ヘッドを移動させる消去ヘッド駆動機構とを備え、ヘッドユニットと搬送ユニットとは、媒体が搬送される媒体搬送路を挟んで対向配置され、ヘッドユニットは、媒体の搬送方向における搬送ユニットおよびヘッドユニットの一端側に配置され搬送方向に略直交する媒体の幅方向を軸方向とする回動支点軸に回動可能に支持されるとともに、媒体搬送路が開放されるように回動支点軸を中心にして搬送ユニットに対して相対回動可能であり、ヘッドユニットおよび/または搬送ユニットには、回動支点軸が挿通されるスリーブが取り付けられ、回動支点軸を媒体の幅方向の一方側へ取り外すと、搬送ユニットからのヘッドユニットの取外しが可能になることを特徴とする。
【0010】
本発明の媒体印字消去装置では、ヘッドユニットおよび/または搬送ユニットに、ヘッドユニットを回動可能に支持する回動支点軸が挿通されるスリーブが取り付けられている。そのため、スリーブを利用して、媒体の幅方向における搬送ユニットに対するヘッドユニットのがたつきを防止することが可能になる。また、スリーブを利用して、媒体の幅方向における搬送ユニットに対するヘッドユニットの位置決めを精度良く行うことが可能になる。したがって、印字ヘッドや消去ヘッド等に不具合が生じた場合に、不具合が生じたヘッドユニットと新しいヘッドユニットとをヘッドユニットごと交換しても、新しいヘッドユニットを搬送ユニットに取り付ける際に、事前に調整された新しいヘッドユニットの印字ヘッドや消去ヘッドの取付位置や取付角度等が変わってしまうのを抑制することができる。その結果、本発明では、現場において、交換後の印字ヘッドや消去ヘッドの再調整を不要とすることが可能になり、印字ヘッドや消去ヘッド等に不具合が生じた場合の印字ヘッドや消去ヘッドの交換作業を容易にすることが可能になる。また、ヘッドユニット交換後の印字ヘッドによる印字品質や消去ヘッドによる消去品質を維持することが可能になる。
【0011】
本発明において、搬送ユニットは、搬送方向と略平行に配置され媒体の幅方向における媒体搬送路の側面を構成する2枚の第1側板を備え、ヘッドユニットは、媒体の幅方向における第1側板の外側に配置されるとともに第1側板と略平行に配置される2枚の第2側板とを備え、2枚の第1側板には、回動支点軸が挿通される挿通孔が形成され、媒体の幅方向におけるスリーブの外側端は、第2側板に固定され、媒体の幅方向におけるスリーブの内側端は、媒体の幅方向における第1側板の外側面に当接していることが好ましい。このように構成すると、スリーブを利用して、媒体の幅方向における搬送ユニットに対するヘッドユニットのがたつきを防止することができ、また、媒体の幅方向における搬送ユニットに対するヘッドユニットの位置決めを精度良く行うことができる。また、搬送ユニットにスリーブが固定されている場合と比較して、回動支点軸を中心とするヘッドユニットの回動を安定させることが可能になる。
【0012】
本発明において、回動支点軸は、その表面が平滑な平滑軸であることが好ましい。このように構成すると、回動支点軸を媒体の幅方向の一方側へ引き抜けば、搬送ユニットからのヘッドユニットの取外しが可能となる。したがって、回動支点軸にネジが形成されている場合と比較して、ヘッドユニットの取外し作業が容易になる。また、この場合には、回動支点軸の、媒体の幅方向における一方側端には、平板状に形成される板状部材が取り付けられていることが好ましい。このように構成すると、板状部材を掴んで、回動支点軸を媒体の幅方向の一方側へ引き抜くことができるため、ヘッドユニットの取外し作業がより容易になる。
【0013】
本発明において、媒体印字消去装置は、ヘッドユニットと搬送ユニットとが媒体搬送路を挟んで対向配置された状態で、搬送方向におけるヘッドユニットの他端側をロックするロックレバーを備えることが好ましい。このように構成すると、ロックレバーで搬送方向におけるヘッドユニットの他端側をロックすることで、搬送ユニットに対するヘッドユニットのがたつきを防止することが可能になる。また、ロックレバーによるロックを解除することで、媒体搬送路が開放されるようにヘッドユニットを回動させることが可能になる。
【0014】
本発明の媒体印字消去装置は、新たに発行される媒体を媒体印字消去装置へ供給する媒体供給装置を備える媒体発行装置に用いることができる。この媒体発行装置では、印字ヘッドや消去ヘッド等に不具合が生じた場合の印字ヘッドや消去ヘッドの交換作業を容易にすることが可能になる。また、ヘッドユニット交換後の印字ヘッドによる印字品質や消去ヘッドによる消去品質を維持することが可能になる。
【0015】
本発明において、搬送ユニットは、たとえば、媒体発行装置の本体フレームに固定されている。
【0016】
本発明において、媒体発行装置は、媒体印字消去装置の、媒体の幅方向における一方側の少なくとも一部を覆うように配置されるカバー部材を備え、回動支点軸の、媒体の幅方向における一方側端には、平板状に形成される板状部材が取り付けられ、板状部材の、媒体の幅方向における一方側面の少なくとも一部は、カバー部材で覆われていることが好ましい。このように構成すると、カバー部材を利用して、媒体の幅方向の一方側への回動支点軸の抜けを防止することが可能になる。また、このように構成すると、回動支点軸が平滑軸である場合には、カバー部材を取り外すことで、回動支点軸を容易に引き抜くことが可能になる。
【0017】
本発明において、カバー部材には、板状部材に係合して回動支点軸を中心とする板状部材の回動を阻止する係合突起が形成されていることが好ましい。このように構成すると、カバー部材を利用して、板状部材の位置決めを行うことが可能になる。
【0018】
本発明において、ヘッドユニットは、印字ヘッド、消去ヘッド、印字ヘッド駆動機構を構成する印字ヘッド駆動モータおよび消去ヘッド駆動機構を構成する消去ヘッド駆動モータから引き出されるユニット側ケーブルを備え、ユニット側ケーブルは、回動支点軸に沿うように、媒体の幅方向の一方側に引き回されるとともに、媒体の幅方向の一方側からカバー部材および板状部材に覆われていることが好ましい。このように構成すると、ユニット側ケーブルが、回動支点軸に沿うように媒体の幅方向の一方側に引き回されているため、搬送ユニットに対してヘッドユニットを回動させる際に、ユニット側ケーブルが他の構成部品に引っ掛かりにくくなる。また、このように構成すると、ユニット側ケーブルが、媒体の幅方向の一方側からカバー部材および板状部材に覆われているため、カバー部材および板状部材によってユニット側ケーブルを保護することが可能になる。
【0019】
本発明において、媒体発行装置は、媒体発行装置を制御するための制御回路が実装される制御基板と、制御基板から引き出される基板側ケーブルとを備え、ユニット側ケーブルと基板側ケーブルとは、媒体印字消去装置の、媒体の幅方向の一方側において、中間コネクタを介して接続されていることが好ましい。このように構成すると、回動支点軸が取り外される媒体の幅方向の一方側で、ユニット側ケーブルと基板側ケーブルとを接続することおよび切り離すことができるため、ヘッドユニットの取付作業および取外し作業が容易になる。
【発明の効果】
【0020】
以上のように、本発明の媒体印字消去装置および媒体発行装置では、印字ヘッドや消去ヘッド等に不具合が生じた場合の印字ヘッドや消去ヘッドの交換作業を容易にすることが可能になり、かつ、ヘッドユニット交換後の印字ヘッドによる印字品質や消去ヘッドによる消去品質を維持することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施の形態にかかる媒体印字消去装置を用いた媒体発行装置の概略構成を説明するための側面図である。
【図2】図1に示す媒体発行装置において、ケース体の保守側の側板を取り外した状態を示す側面図である。
【図3】図1に示す媒体印字消去装置の概略構成を説明するための側面図である。
【図4】図3のE−E方向から媒体印字消去装置の概略構成を説明するための底面図である。
【図5】図3に示す印字ヘッドの第1位置検出機構および消去ヘッドの第2位置検出機構を説明するための図である。
【図6】図3に示すヘッドユニットが回動して媒体搬送路が開放された状態を説明するための側面図である。
【図7】図3のF−F方向からヘッドユニットの回動に関連する構成を説明するための平面図である。
【図8】図7に示す回動支点軸および板状部材を示す図であり、(A)は正面図、(B)は側面図である。
【図9】図7のG部の拡大図である。
【図10】図7のH部の拡大図である。
【図11】図2のJ部の拡大図である。
【図12】図3に示すヘッドユニットから引き出されるケーブルを説明するための平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
【0023】
(媒体発行装置の概略構成)
図1は、本発明の実施の形態にかかる媒体印字消去装置1を用いた媒体発行装置3の概略構成を説明するための側面図である。図2は、図1に示す媒体発行装置3において、ケース体12の保守側の側板を取り外した状態を示す側面図である。
【0024】
本形態の媒体印字消去装置1は、カード状の媒体2(以下、「カード2」とする。)に対して印字を行う機能とカード2上の印字を消去する機能とを有するカード2の処理装置である。以下では、媒体印字消去装置1を「カード印字消去装置1」とする。このカード印字消去装置1は、たとえば、図1、図2に示すように、カード2に印字を行ってカード2を発行するとともに使用済みのカード2を回収する媒体発行装置としてのカード発行装置3に用いられる。
【0025】
カード発行装置3は、カード印字消去装置1に加え、カード2に所定の情報を記録するとともにカード2に記録された情報を読み取る再生記録装置4と、新たに発行されるカード2をカード印字消去装置1へ供給する媒体供給装置としてのカード供給装置5と、使用済みのカード2を回収するカード回収装置6と、カード印字消去装置1の内部をクリーニングするためのクリーニングカード(図示省略)を保管するクリーニングカード保管装置7と、カード2の搬送方向を切り替える第1方向切替装置8および第2方向切替装置9と、これらの各構成を駆動するための電力を供給する電源10と、カード2の挿入排出口11aが形成されたカード挿入排出部11とを備えている。また、カード発行装置3は、カード発行装置3を制御するための制御回路が実装される制御基板(図示省略)を備えている。
【0026】
なお、以下の説明では、図1に示すように互いに直交する3方向をX方向、Y方向およびZ方向とする。また、以下の説明では、X1方向側を「右」側、X2方向側を「左」側、Y1方向側を「上」側、Y2方向側を「下」側とする。また、図1の紙面手前側(Z1方向側)を「前」側、図1の紙面奥側(Z2方向側、図7等参照)を「後(後ろ)」側とする。本形態では、前側からカード発行装置3の保守作業が行われる。すなわち、本形態では、カード発行装置3の前側は、カード発行装置3の保守側(作業側、メンテナンス側)である。また、前後方向は、カード印字消去装置1内におけるカード2の幅方向である。
【0027】
図1、図2に示すように、カード挿入排出部11は、カード発行装置3の右上端側に配置され、再生記録装置4は、カード挿入排出部11の左方に配置されている。第1方向切替装置8は、再生記録装置4の左方に配置され、カード回収装置6は、再生記録装置4の下方に配置されている。カード印字消去装置1は、第1方向切替装置8の左下方に配置され、第2方向切替装置9は、カード印字消去装置1の左下方に配置されている。クリーニングカード保管装置7は、第2方向切替装置9の上方に配置され、カード供給装置5は、クリーニングカード保管装置7および第2方向切替装置9の左方に配置されている。電源10は、第2方向切替装置9の右方に配置されるとともにカード印字消去装置1の下方に配置されている。なお、制御基板(図示省略)は、カード発行装置3の後面側に配置されている。
【0028】
カード印字消去装置1、再生記録装置4、カード供給装置5、カード回収装置6、クリーニングカード保管装置7、第1方向切替装置8および第2方向切替装置9は、前後方向に扁平なケース体12の内部に配置されている。また、カード印字消去装置1の左下端部分の前側および第2方向切替装置9の下端部分の前側は、図2に示すように、カバー部材13に覆われている。
【0029】
カード2は、たとえば、厚さが0.7〜0.8mm程度の塩化ビニール製のカードである。このカード2の表面には、感熱方式によって印字が行われる印字部(図示省略)が形成されている。すなわち、本形態のカード2は、所定回数の印字と印字の消去(印字/消去)が可能なリライタブルカードであり、所定回数の印字/消去が行われると、カード回収装置6に回収される。
【0030】
また、本形態のカード2は、通信用のアンテナ(図示省略)が内蔵された非接触式のICカードである。なお、カード2は、磁気情報が記録される磁気ストライプが表面に形成された磁気カードや、表面にIC接点が固定された接触式のICカードであっても良い。また、カード2は、厚さが0.18〜0.36mm程度のPET(ポリエチレンテレフタレート)カードや、所定の厚さを有する紙カードであっても良い。
【0031】
上述のように、本形態のカード2は非接触式のICカードであるため、再生記録装置4は、図1に示すように、カード2内部のアンテナと通信を行うためのアンテナ15と、カード2の搬送を行うための2対の搬送ローラ組16を備えている。カード回収装置6は、図1に示すように、回収前のカード2が一時的に保管されるカード保管部17と、カード2が回収されるリジェクトカセット18とを備えている。
【0032】
カード印字消去装置1は、カード2に当接して(より具体的には、カード2を押圧して)感熱方式でカード2上に印字を行う印字ヘッド(サーマルヘッド)19と、カード2に当接して(より具体的には、カード2を押圧して)感熱方式でカード2上の印字を消去する消去ヘッド20とを備えている。すなわち、カード印字消去装置1は、加熱された印字ヘッド19をカード2に当接させてカード2に印字を行うとともに、加熱された消去ヘッド20をカード2に当接させてカード2上の印字を消去する。このカード印字消去装置1の詳細な構成については後述する。
【0033】
第1方向切替装置8は、カード印字消去装置1と再生記録装置4とカード回収装置6との間でカード2の搬送方向を切り替える機能を果たしている。すなわち、第1方向切替装置8は、カード印字消去装置1、再生記録装置4またはカード回収装置6から搬出されるカード2の搬送方向を変えて、カード印字消去装置1、再生記録装置4またはカード回収装置6へカード2を搬入する。たとえば、第1方向切替装置8には、カード印字消去装置1から右上方へ搬出されるカード2が搬入され、第1方向切替装置8は、このカード2を再生記録装置4またはカード回収装置6へ搬入する。
【0034】
この第1方向切替装置8は、図1に示すように、カード2の搬送を行うための2対の搬送ローラ組21と、カード2の搬送方向の切替を行うための切替駆動機構22とを備えている。切替駆動機構22は、駆動モータ23、プーリ24、25およびタイミングベルト26等によって構成されている。この切替駆動機構22は、2対の搬送ローラ組21の略中間位置に配置されるプーリ25を回動中心として、2対の搬送ローラ組21を回動させる。
【0035】
本形態では、カード印字消去装置1よりもカード挿入排出部11側に配置される搬送ローラ組16、21等は、カード印字消去装置1の下方に配置される駆動モータ27に図示を省略するタイミングベルト等の伝達手段を介して連結されており、駆動モータ27によって駆動される。
【0036】
カード供給装置5は、図1に示すように、発行前のカード2が収納されるホッパーカセット30と、ホッパーカセット30に収納されたカード2を第2方向切替装置9に向かって送出するための送出機構31とを備えている。送出機構31は、カード2に係合してカード2を送出する爪部材32と、爪部材32を駆動するための駆動モータ33と、駆動モータ33の動力を爪部材32へ伝達するプーリ34、タイミングベルト35、スプロケット36およびチェーン37等の動力伝達手段とを備えている。
【0037】
クリーニングカード保管装置7は、図示を省略するクリーニングカードの搬送ローラを備えている。このクリーニングカード保管装置7は、カード印字消去装置1の内部のクリーニングが必要となる場合に、第2方向切替装置9を介してカード印字消去装置1にクリーニングカードを送出し、カード印字消去装置1の内部のクリーニングが終了すると、第2方向切替装置9を介してカード印字消去装置1からクリーニングカードを回収して保管する。
【0038】
第2方向切替装置9は、カード印字消去装置1とカード供給装置5とクリーニングカード保管装置7との間でカード2の搬送方向を切り替える機能を果たしている。すなわち、第2方向切替装置9は、カード印字消去装置1、カード供給装置5またはクリーニングカード保管装置7から搬出されるカード2またはクリーニングカードの搬送方向を変えて、カード印字消去装置1またはクリーニングカード保管装置7へカード2またはクリーニングカードを搬入する。たとえば、第2方向切替装置9には、カード供給装置5から搬出されるカード2が搬入され、あるいは、クリーニングカード保管装置7から搬出されるクリーニングカードが搬入され、第2方向切替装置9は、このカード2またはクリーニングカードをカード印字消去装置1へ搬入する。
【0039】
この第2方向切替装置9は、図1に示すように、カード2等の搬送を行うための2対の搬送ローラ組39と、搬送ローラ組39を駆動する駆動機構40と、カード2等の搬送方向の切替を行うための切替駆動機構41とを備えている。
【0040】
駆動機構40は、2対の搬送ローラ組39を一緒に駆動する駆動モータ42と、駆動モータ42の動力を搬送ローラ組39へ伝達するプーリ43、44およびタイミングベルト45等からなる動力伝達機構とを備えている。なお、駆動モータ42に代えて、カード印字消去装置1を構成する後述の駆動モータ62を用いて2対の搬送ローラ組39を駆動しても良い。
【0041】
切替駆動機構41は、駆動モータ46、プーリ47、48およびタイミングベルト49等によって構成されている。この切替駆動機構41は、2対の搬送ローラ組39の略中間位置に配置されるプーリ47を回動中心として、2対の搬送ローラ組39を回動させる。なお、プーリ43とプーリ47とは、前後方向で重なるように配置されている。
【0042】
(カード印字消去装置の概略構成)
図3は、図1に示すカード印字消去装置1の概略構成を説明するための側面図である。図4は、図3のE−E方向からカード印字消去装置1の概略構成を説明するための底面図である。図5は、図3に示す印字ヘッド19の第1位置検出機構58および消去ヘッド20の第2位置検出機構59を説明するための図である。図6は、図3に示すヘッドユニット50が回動して媒体搬送路61が開放された状態を説明するための側面図である。
【0043】
カード印字消去装置1は、上述の印字ヘッド19および消去ヘッド20を有するヘッドユニット50と、カード2を搬送するための3個の駆動ローラ52を有する搬送ユニット51とを備えている。搬送ユニット51は、3個の駆動ローラ52に加え、プラテンローラ53、54と、駆動ローラ52およびプラテンローラ53、54を駆動する駆動機構55とを備えている。ヘッドユニット50は、印字ヘッド19および消去ヘッド20に加え、カード2に当接する方向およびカード2から離れる方向へ印字ヘッド19を移動させる印字ヘッド駆動機構56と、カード2に当接する方向およびカード2から離れる方向へ消去ヘッド20を移動させる消去ヘッド駆動機構57と、印字ヘッド19の位置を検出するための第1位置検出機構58と、消去ヘッド20の位置を検出するための第2位置検出機構59と、駆動ローラ52に対向配置されるパッドローラ60とを備えている。また、カード印字消去装置1の内部には、カード2が搬送される媒体搬送路61が形成されており、ヘッドユニット50と搬送ユニット51とは、媒体搬送路61を挟んで対向配置されている。
【0044】
上述のように、カード印字消去装置1は、第1方向切替装置8の左下方に配置されるとともに、第2方向切替装置9の右上方に配置されており、第1方向切替装置8と第2方向切替装置9との間でカード2を搬送する。すなわち、本形態では、右上がりの斜め方向Wがカード印字消去装置1におけるカード2の搬送方向となる。
【0045】
3個の駆動ローラ52は、図3に示すように、所定のピッチで媒体搬送路61に配置されている。プラテンローラ53、54は、3個の駆動ローラ52のそれぞれの間に配置されている。また、プラテンローラ53は、カード2へ印字を行う際の印字ヘッド19に対向する位置に配置され、プラテンローラ54は、カード2上の印字を消去する際の消去ヘッド20に対向する位置に配置されている。
【0046】
駆動機構55は、3個の駆動ローラ52およびプラテンローラ53、54を一緒に駆動する駆動モータ62と、駆動モータ62の動力を駆動ローラ52およびプラテンローラ53、54へ伝達する複数のプーリ63および複数のタイミングベルト64等からなる動力伝達機構とを備えている。駆動モータ62は、図1に示すように、カード2の搬送方向の略中心位置であって、かつ、搬送ユニット51の下端部に配置されている。
【0047】
印字ヘッド駆動機構56は、印字ヘッド19を保持するヘッドホルダ65と、印字ヘッド19を移動させるためにヘッドホルダ65を回動させる印字ヘッド駆動モータ66と、印字ヘッド駆動モータ66の動力をヘッドホルダ65側へ伝達する歯車列67と、歯車列67を構成する1つの歯車の回転軸(図示省略)に固定された偏心カム68と、偏心カム68が係合するとともにヘッドホルダ65に回動可能に連結されたレバー69とを備えている。
【0048】
印字ヘッド19は、カード2の搬送方向を軸方向とする回動および前後方向を軸方向とする回動が可能となるようにヘッドホルダ65に保持されている。すなわち、印字ヘッド19は、いわゆるジンバル構造によってヘッドホルダ65に保持されている。
【0049】
歯車列67は、印字ヘッド駆動モータ66の出力軸(図示省略)に固定された歯車に連結されている。偏心カム68は、歯車列67の、印字ヘッド駆動モータ66の出力軸から最も離れた被駆動側の歯車(図示省略)の回転軸に固定され、歯車列67の回転に伴って回転する。レバー69には、偏心カム68が係合する係合孔69aが形成されている。この係合孔69aの上面は、偏心カム68の外周面に当接する当接部69bとなっており、偏心カム68の回転に伴って、レバー69は略上下方向へ移動する。
【0050】
ヘッドホルダ65の左端側には、レバー69の下端が回動可能に連結されている。また、ヘッドホルダ65では、レバー69の連結部65aよりも右側に印字ヘッド19が固定されている。ヘッドホルダ65は、偏心カム68の回転によるレバー69の移動に伴って、右端部の回動中心65bを中心にして回動する。また、ヘッドホルダ65の回動に伴って、印字ヘッド19が移動する。具体的には、印字ヘッド19は、図3の二点鎖線で示す上死点まで上昇し、また、図3の実線で示す下死点まで下降する。図3の二点鎖線で示す上死点近傍は、印字ヘッド19がカード2に当接することができない待機位置であり、図3の実線で示す下死点近傍は、印字ヘッド19がカード2に当接可能な印字可能位置である。
【0051】
なお、ヘッドホルダ65は、図示を省略する引張コイルバネによって、回動中心65bを中心にして、図3の反時計方向に付勢されており、カード2と印字ヘッド19とを所定の接触圧で当接させることが可能になっている。
【0052】
消去ヘッド駆動機構57は、印字ヘッド駆動機構56とほぼ同様に構成されている。すなわち、消去ヘッド駆動機構57は、消去ヘッド20を保持するヘッドホルダ70と、消去ヘッド20を移動させるためにヘッドホルダ70を回動させる消去ヘッド駆動モータ71と、消去ヘッド駆動モータ71の動力をヘッドホルダ70側へ伝達する歯車列72と、歯車列72を構成する1つの歯車の回転軸(図示省略)に固定された偏心カム73と、偏心カム73が係合するとともにヘッドホルダ70に回動可能に連結されたレバー74とを備えている。
【0053】
消去ヘッド20は、カード2の搬送方向を軸方向とする回動および前後方向を軸方向とする回動が可能となるようにヘッドホルダ70に保持されている。すなわち、消去ヘッド20は、いわゆるジンバル構造によってヘッドホルダ70に保持されている。
【0054】
歯車列72は、消去ヘッド駆動モータ71の出力軸(図示省略)に固定された歯車に連結されている。偏心カム73は、歯車列72の、消去ヘッド駆動モータ71の出力軸から最も離れた被駆動側の歯車(図示省略)の回転軸に固定され、歯車列72の回転に伴って回転する。レバー74には、偏心カム73が係合する係合孔74aが形成されており、係合孔74aの上面は、偏心カム73の外周面に当接する当接部74bとなっている。レバー74は、偏心カム73の回転に伴って、略上下方向へ移動する。
【0055】
ヘッドホルダ70の右端側には、レバー74の下端が回動可能に連結されている。また、ヘッドホルダ70では、レバー74の連結部70aよりも左側に消去ヘッド20が固定されている。ヘッドホルダ70は、偏心カム73の回転によるレバー74の移動に伴って、左端部の回動中心70bを中心にして回動する。また、ヘッドホルダ70の回動に伴って、消去ヘッド20が移動する。具体的には、消去ヘッド20は、図3の二点鎖線で示す上死点まで上昇し、また、図3の実線で示す下死点まで下降する。図3の二点鎖線で示す上死点近傍は、消去ヘッド20がカード2に当接することができない待機位置であり、図3の実線で示す下死点近傍は、消去ヘッド20がカード2に当接可能な消去可能位置である。
【0056】
なお、ヘッドホルダ70は、図示を省略する引張コイルバネによって、回動中心70bを中心にして、図3の時計方向に付勢されており、カード2と消去ヘッド20とを所定の接触圧で当接させることが可能になっている。
【0057】
第1位置検出機構58は、図5に示すように、2個のセンサ76、77と、検出板78とを備えている。センサ76、77は、図示を省略する発光素子と受光素子とを有する光学式のセンサである。検出板78は、偏心カム68が固定された歯車の回転軸に固定されており、歯車列67の回転に伴って回転する。検出板78には、センサ76、77の発光素子と受光素子との間を遮る検出部78aが形成されている。
【0058】
本形態では、図5の二点鎖線で示すように、検出部78aがセンサ76の発光素子と受光素子との間を遮るときに、印字ヘッド19の位置が待機位置(上死点近傍)であることが検出され、図5の実線で示すように、検出部78aがセンサ77の発光素子と受光素子との間を遮るときに、印字ヘッド19の位置が印字可能位置(下死点近傍)であることが検出される。
【0059】
第2位置検出機構59は、第1位置検出機構58と同様に、2個のセンサ79、80と、検出板81とを備えている。センサ79、80は、センサ76、77と同様に光学式のセンサである。検出板81は、偏心カム73が固定された歯車の回転軸に固定されており、歯車列72の回転に伴って回転する。検出板81には、センサ79、80の発光素子と受光素子との間を遮る検出部81aが形成されている。
【0060】
本形態では、図5の二点鎖線で示すように、検出部81aがセンサ79の発光素子と受光素子との間を遮るときに、消去ヘッド20の位置が待機位置(上死点近傍)であることが検出され、図5の実線で示すように、検出部81aがセンサ80の発光素子と受光素子との間を遮るときに、消去ヘッド20の位置が消去可能位置(下死点近傍)であることが検出される。
【0061】
パッドローラ60は、上述のように、駆動ローラ52に対向配置されている。また、パッドローラ60は、図示を省略するネジリコイルバネの付勢力で駆動ローラ52に向かって付勢されている。
【0062】
前後方向における媒体搬送路61の側面は、図4に示すように、搬送ユニット51の2枚の側板84によって構成されている。2枚の側板84は、搬送方向と略平行に配置されており、前後方向でカード2をガイドする機能を果たしている。側板84には、カード2の搬送方向と前後方向とに直交するカード2の厚さ方向でカード2をガイドするための複数の搬送ガイド85が固定されている。本形態では、搬送ガイド85によって前後方向におけるカード2の両端部分がガイドされている。また、図4に示すように、側板84には、媒体搬送路61を通過するカード2を検出するための3個のセンサ86が所定の間隔で配置されている。本形態の側板84は、カード2の幅方向における媒体搬送路61の側面を構成する第1側板である。
【0063】
本形態では、搬送ユニット51は、カード発行装置3の本体フレームに固定されている。一方、本形態では、ヘッドユニット50は、図6に示すように、カード2の搬送方向の一端側を支点にして、媒体搬送路61が開放されるように、搬送ユニット51に対して相対回動可能となっている。また、本形態では、印字ヘッド19や消去ヘッド20等から引き出されるユニット側ケーブルとしてのケーブル87(図12参照)は、カード印字消去装置1の前側に引き回されている。以下、ヘッドユニット50の回動に関連する構成およびケーブル87の引き回しについて説明する。
【0064】
(ヘッドユニットの回動に関連する構成)
図7は、図3のF−F方向からヘッドユニット50の回動に関連する構成を説明するための平面図である。図8は、図7に示す回動支点軸88および板状部材89を示す図であり、(A)は正面図、(B)は側面図である。図9は、図7のG部の拡大図である。図10は、図7のH部の拡大図である。図11は、図2のJ部の拡大図である。
【0065】
ヘッドユニット50は、カード2の搬送方向におけるヘッドユニット50および搬送ユニット51の一端側(カード印字消去装置1の左端側)に配置される回動支点軸88に回動可能に支持されている。すなわち、ヘッドユニット50は、図6の矢印V方向への回動が可能となるように、回動支点軸88に支持されており、回動支点軸88を中心にして搬送ユニット51に対して相対回動可能となっている。
【0066】
回動支点軸88は、図8に示すように、その表面が平滑な平滑軸である。また、回動支点軸88は、後端に形成される面取部88a以外の外径が略一定となるように形成されている。回動支点軸88の前端には、平板状に形成された板状部材89が取り付けられている。板状部材89は、たとえば、ステンレス鋼板等の薄い金属板で形成されており、回動支点軸88の前端にカシメ固定されている。また、板状部材89は、全体として略長方形状に形成されている。
【0067】
搬送ユニット51の2枚の側板84の、カード2の搬送方向における一端側には、図9、図10に示すように、回動支点軸88が挿通される挿通孔84aが形成されている。具体的には、前後方向に貫通するように、カード2の搬送方向における側板84の一端側に挿通孔84aが形成されている。挿通孔84aの内径は、回動支点軸88の外径よりもほんのわずかに大きくなっている。
【0068】
ヘッドユニット50を構成する2枚の側板90は、図7に示すように、前後方向における側板84の外側に配置されている。また、側板90は、側板84と略平行に配置されている。すなわち、側板90は、カード2の搬送方向と略平行に配置されている。本形態の側板90は、前後方向における側板84の外側に配置されるとともに、側板84と略平行に配置される第2側板である。
【0069】
カード2の搬送方向における側板90の一端側には、回動支点軸88が挿通されるスリーブ91が取り付けられている。具体的には、前後方向における側板90の内側へスリーブ91が突出するように、スリーブ91が側板90にカシメ固定されている。すなわち、前後方向におけるスリーブ91の外側端が側板90にカシメ固定されている。また、前後方向におけるスリーブ91の内側端は、前後方向における側板84の外側面に軽く当接している。
【0070】
スリーブ91は、略円筒状に形成されている。また、スリーブ91の内周側には、図9、図10に示すように、他の部分よりも内径の小さくなった小径部91aが形成されている。小径部91aの内径は、回動支点軸88の外径よりもほんのわずかに大きくなっており、この小径部91aの内周面によって、回動支点軸88の径方向における回動支点軸88に対するヘッドユニット50のがたつきが防止されている。
【0071】
上述のように、回動支点軸88は、面取部88a以外の外径が略一定となるように形成されている。そのため、本形態では、スリーブ91および挿通孔84aに挿通された状態の回動支点軸88を前側に向かって引き抜くことができる。また、本形態では、回動支点軸88を前側へ引き抜くと、搬送ユニット51からヘッドユニット50を取り外すことが可能になる。すなわち、回動支点軸88を前側へ引き抜くと、カード発行装置3からヘッドユニット50を取り外すことが可能になる。
【0072】
ここで、本形態では、図11に示すように、板状部材89の前面の下端側は、カバー部材13に前側から覆われており、カバー部材13によって回動支点軸88および板状部材89の前側への抜けが防止されている。すなわち、本形態では、カバー部材13を取り外さないと、回動支点軸88を前側へ引き抜くことができないようになっている。また、カバー部材13には、図11に示すように、板状部材89に係合して回動支点軸88を中心とする板状部材89の回動を阻止する板状の2個の係合突起13aが形成されている。係合突起13aは、板状部材89の端面に当接するように、かつ、後ろ側に向かって突出するように形成されている。
【0073】
なお、本形態のカード印字消去装置1は、ヘッドユニット50と搬送ユニット51とが媒体搬送路61を挟んで対向配置された状態で、カード2の搬送方向におけるヘッドユニット50の他端側をロックするロックレバー92(図6参照)と、ロックレバー92にヘッドユニット50がロックされた状態を検出するためのセンサ93(図7参照)とを備えている。また、本形態のカード発行装置3は、図2に示すように、媒体搬送路61が開放されるように回動した状態のヘッドユニット50をロックするロックレバー94を備えている。
【0074】
図6に示すように、ロックレバー92の上端側には、ヘッドユニット50に固定された係合軸95に係合する係合凹部92aが形成され、ロックレバー92の下端側には、引張りコイルバネ96の一端が取り付けられている。ロックレバー92は、固定軸97に回動可能に支持されている。また、ロックレバー92は、引張りコイルバネ96によって固定軸97を中心に図6の反時計方向に付勢されており、引張りコイルバネ96の付勢力で、係合軸95と係合凹部92aとの係合状態が維持されている。すなわち、引張りコイルバネ96の付勢力によって、媒体搬送路61を挟んで搬送ユニット51と対向配置されたヘッドユニット50の、ロックレバー92にロックされた状態が維持されている。また、引張りコイルバネ96の付勢力に抗してロックレバー92を図6の時計方向へ回動させると、ロックレバー92によるヘッドユニット50のロック状態が解除される。
【0075】
センサ93は、図示を省略する発光素子と受光素子とが対向配置された光学式のセンサであり、カード2の搬送方向における側板84の他端側に取り付けられている。具体的には、図7に示すように、カード2の搬送方向における側板90の他端側がセンサ93の発光素子と受光素子との間を遮ることが可能となるように、センサ93は側板84に取り付けられている。
【0076】
ロックレバー94には、図2に示すように、ヘッドユニット50に固定された係合軸(図示省略)に係合する係合凹部94aが形成されている。ロックレバー94は、固定軸98に回動可能に支持されている。また、ロックレバー94は、図示を省略するネジリコイルバネの付勢力で固定軸98を中心にして図2の時計方向に付勢されており、ネジリコイルバネの付勢力で、係合凹部94aと係合軸との係合状態が維持されている。すなわち、ネジリコイルバネの付勢力によって、媒体搬送路61が開放されるように回動したヘッドユニット50の、ロックレバー94にロックされた状態が維持されている。また、ネジリコイルバネの付勢力に抗してロックレバー94を図2の反時計方向へ回動させると、ロックレバー94によるヘッドユニット50のロック状態が解除される。
【0077】
(ケーブルの引き回し)
図12は、図3に示すヘッドユニット50から引き出されるケーブル87を説明するための平面図である。
【0078】
ヘッドユニット50では、印字ヘッド19、消去ヘッド20、印字ヘッド駆動モータ66、消去ヘッド駆動モータ71およびセンサ76、77、79、80からケーブル87が引き出されている。本形態では、印字ヘッド駆動モータ66、消去ヘッド駆動モータ71およびセンサ76、77、79、80は、ヘッドユニット50の後面側に配置されており、印字ヘッド駆動モータ66、消去ヘッド駆動モータ71およびセンサ76、77、79、80から引き出されるケーブル87は、回動支点軸88に沿って、ヘッドユニット50の後面側から前面に引き回されている。また、印字ヘッド19および消去ヘッド20から引き出されるケーブル87は、前後方向の中間位置で、印字ヘッド駆動モータ66、消去ヘッド駆動モータ71およびセンサ76、77、79、80から引き出されるケーブル87と合流して、回動支点軸88に沿って、ヘッドユニット50の前面に引き回されている。
【0079】
ケーブル87の先端には、図12に示すように、コネクタ99が取り付けられている。本形態では、カード発行装置3の後面側に配置される上述の制御基板からケーブル(図示省略)が引き出されている。この制御基板から引き出されるケーブル(以下、「基板側ケーブル」とする。)の先端には、コネクタ99が接続されるコネクタが取り付けられており、基板側ケーブルに取り付けられるコネクタとコネクタ99とは、カード印字消去装置1の前面側で接続されている。すなわち、基板側ケーブルとケーブル87とは、基板側ケーブルに取り付けられるコネクタおよびコネクタ99を介して、カード印字消去装置1の前面側で接続されている。本形態では、基板側ケーブルに取り付けられるコネクタとコネクタ99とによって中間コネクタが構成されている。
【0080】
ヘッドユニット50の前面に引き回され、基板側ケーブルと接続されたケーブル87は、板状部材89およびカバー部材13によって前側から覆われている。また、基板側ケーブルに取り付けられるコネクタおよびコネクタ99は互いに接続された状態で、右上がりで傾斜するように配置されるカード印字消去装置1の左下端側と駆動モータ62との間に形成される空間S(図1参照)の中に配置されている。
【0081】
(ヘッドユニットの交換作業の概略)
以上のように構成されたカード発行装置3では、印字ヘッド19や消去ヘッド20等に不具合が生じた場合に、作業者は、不具合が生じたヘッドユニット50と新しいヘッドユニット50とをヘッドユニット50ごと交換する。
【0082】
具体的には、まず、カバー部材13を取り外すとともに、基板側ケーブルに取り付けられるコネクタおよびコネクタ99を空間Sから引き出して、基板側ケーブルに取り付けられるコネクタからコネクタ99を取り外す。また、ロックレバー92によるヘッドユニット50のロック状態を解除して、媒体搬送路61が開放されるようにヘッドユニット50を回動させる。媒体搬送路61が開放されるように回動されたヘッドユニット50は、ロックレバー94によってロックされる。
【0083】
その後、板状部材89を掴んで回動支点軸88を前側へ引き抜く。その後、不具合が生じたヘッドユニット50を搬送ユニット51から取り外す。その後、新しく取り付けられるヘッドユニット50のケーブル87をヘッドユニット50の前側へ引き回しながら、このヘッドユニット50をセットし、スリーブ91および挿通孔84aに回動支点軸88を通す。また、基板側ケーブルに取り付けられるコネクタとコネクタ99とを接続し、空間Sに収めてから、カバー部材13を取り付ける。
【0084】
なお、新しいヘッドユニット50では、印字ヘッド19や消去ヘッド20の取付位置や取付角度等が予め調整されている。具体的には、調整用のマスターユニットを用いて、印字ヘッド19や消去ヘッド20の取付位置や取付角度等が予め調整されている。また、印字ヘッド19や消去ヘッド20のクリーニングを行う場合には、媒体搬送路61が開放されるようにヘッドユニット50を回動させ、ロックレバー94でヘッドユニット50をロックした状態で、印字ヘッド19や消去ヘッド20のクリーニングを行う。
【0085】
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態では、前後方向におけるスリーブ91の外側端が側板90に固定され、前後方向におけるスリーブ91の内側端は、前後方向における側板84の外側面に軽く当接している。そのため、スリーブ91を利用して、前後方向における搬送ユニット51に対するヘッドユニット50の位置決めを精度良く行うことができる。また、スリーブ91を利用して、前後方向における搬送ユニット51に対するヘッドユニット50のがたつきを防止することができる。
【0086】
したがって、本形態では、印字ヘッド19や消去ヘッド20等に不具合が生じた場合に、不具合が生じたヘッドユニット50と新しいヘッドユニット50とをヘッドユニット50ごと交換しても、新しいヘッドユニット50を搬送ユニット51に取り付ける際に、予め調整された新しいヘッドユニット50の印字ヘッド19や消去ヘッド20の取付位置や取付角度等が変わってしまうのを防止することが可能になる。その結果、本形態では、現場において、交換後の印字ヘッド19や消去ヘッド20の取付位置や取付角度等の再調整が不要となり、印字ヘッド19や消去ヘッド20等に不具合が生じた場合の印字ヘッド19や消去ヘッド20の交換作業が容易になる。また、ヘッドユニット50を交換した後の印字ヘッド19による印字品質や消去ヘッド20による消去品質を維持することが可能になる。
【0087】
本形態では、ヘッドユニット50の側板90にスリーブ91が固定されている。そのため、搬送ユニット51の側板84にスリーブ91が固定されている場合と比較して、回動支点軸88を中心とするヘッドユニット50の回動を安定させることが可能になる。
【0088】
本形態では、回動支点軸88は、その表面が平滑な平滑軸である。そのため、スリーブ91および挿通孔84aに挿通された状態の回動支点軸88を保守側である前側に向かって引き抜くことができ、回動支点軸88を前側へ引き抜けば、搬送ユニット51からのヘッドユニット50の取外しが可能となる。したがって、回動支点軸88にネジが形成されている場合と比較して、ヘッドユニット50の取外し作業が容易になる。特に本形態では、回動支点軸88の前端に板状部材89が固定されているため、板状部材89を掴んで、回動支点軸88を前側へ引き抜くことができる。したがって、ヘッドユニット50の取外し作業がより容易になる。
【0089】
本形態では、引張りコイルバネ96の付勢力で、媒体搬送路61を挟んで搬送ユニット51と対向配置されたヘッドユニット50の、ロックレバー92にロックされた状態が維持されている。そのため、ヘッドユニット50と搬送ユニット51とが媒体搬送路61を挟んで対向配置された状態では、ロックレバー92によって、搬送ユニット51に対するヘッドユニット50のがたつきを防止することが可能になる。また、引張りコイルバネ96の付勢力に抗してロックレバー92を回動させれば、ロックレバー92によるヘッドユニット50のロック状態が解除されるため、媒体搬送路61が開放されるようにヘッドユニット50を回動させることができる。
【0090】
本形態では、板状部材89の前面の下端側は、カバー部材13に前側から覆われており、カバー部材13によって回動支点軸88の前側への抜けが防止されている。そのため、カード印字消去装置1や第2方向切替装置9の一部の前側を覆うためのカバー部材13を利用した比較的簡易な構成で、前側への回動支点軸88の抜けを防止することができる。また、カバー部材13を取り外すことで、回動支点軸88を前側へ容易に引き抜くことができる。
【0091】
本形態では、カバー部材13には、板状部材89に係合して回動支点軸88を中心とする板状部材89の回動を阻止する係合突起13aが形成されている。そのため、カバー部材13を利用して、板状部材89を位置決めすることができる。
【0092】
本形態では、ケーブル87は、回動支点軸88に沿うように、前側に引き回されている。そのため、搬送ユニット51に対してヘッドユニット50を回動させる際に、ケーブル87がカード発行装置3の他の構成部品に引っ掛かりにくくなる。また、本形態では、ヘッドユニット50の前面に引き回され、基板側ケーブルと接続されたケーブル87は、板状部材89およびカバー部材13によって前側から覆われている。そのため、カバー部材13および板状部材89によってケーブル87を保護することが可能になる。
【0093】
また、基板側ケーブルと接続されたケーブル87等が、板状部材89およびカバー部材13によって前側から覆われているため、ケース体12の前側の側板を取り外しても、空間Sに配置される基板側ケーブル、基板側ケーブルに取り付けられるコネクタ、ケーブル87およびコネクタ99は、カード発行装置3の前側から見えない。したがって、ケース体12の前側の側板を取り外した際のカード発行装置3の見栄えが良くなる。
【0094】
本形態では、基板側ケーブルとケーブル87とは、基板側ケーブルに取り付けられるコネクタおよびコネクタ99を介して、カード印字消去装置1の前面側で接続されている。そのため、保守側である前側で、基板側ケーブルとケーブル87とを接続することおよび切り離すことができる。したがって、ヘッドユニット50の取付作業および取外し作業が容易になる。
【0095】
なお、本形態のカード発行装置3では、ケース体12の前側の側板を前側(保守側)へ取り外すことが可能になっている。そのため、ケース体12の前側の側板を取り外すことが可能となるようにカード発行装置3が設置されていれば(より具体的には、カード発行装置3の前側にヘッドユニット50の交換作業用のスペースが設けられるようにカード発行装置3が設置されていれば)、カード発行装置3を移動させずに、ヘッドユニット50の交換作業を行うことができる。したがって、ヘッドユニット50の交換作業の作業性を高めることができる。また、カード発行装置3の前側にヘッドユニット50の交換作業用のスペースが設けられるようにカード発行装置3が設置されていれば、カード発行装置3を移動させずに、ヘッドユニット50の交換作業を行うことができるため、ヘッドユニット50の交換作業用のスペースを別途、設ける必要がなくなる。
【0096】
(他の実施の形態)
上述した形態は、本発明の好適な形態の一例ではあるが、これに限定されるものではなく本発明の要旨を変更しない範囲において種々変形実施が可能である。
【0097】
上述した形態では、回動支点軸88が挿通される挿通孔84aが側板84に形成され、回動支点軸88が挿通されるスリーブ91が側板90に取り付けられている。この他にもたとえば、回動支点軸88が挿通される挿通孔が側板90に形成され、回動支点軸88が挿通されるスリーブ91が側板84に取り付けられても良い。この場合には、前後方向における側板84の外側へスリーブ91が突出するように、スリーブ91が側板84に固定され、前後方向におけるスリーブ91の外側端は、前後方向における側板90の内側面に軽く当接する。
【0098】
また、回動支点軸88が挿通されるスリーブ91が側板84および側板90の両方に取り付けられても良い。すなわち、前後方向における側板84の外側へスリーブ91が突出するように、スリーブ91が側板84に固定され、前後方向における側板90の内側へスリーブ91が突出するように、スリーブ91が側板90に固定されても良い。
【0099】
上述した形態では、回動支点軸88は、その表面が平滑な平滑軸である。この他にもたとえば、回動支点軸88の表面にネジが形成されても良い。この場合には、たとえば、回動支点軸88の表面の全域にオネジが形成され、スリーブ91の内周面および/または挿通孔84aの内周面にメネジが形成されても良い。また、回動支点軸88が、その後端側が細くなった段付軸状に形成されるとともに、後端側の細径部の表面にオネジが形成され、後面側に配置されるスリーブ91の内周面および/または挿通孔84aの内周面にメネジが形成されても良い。
【0100】
上述した形態では、回動支点軸88の前端に、板状部材89が取り付けられている。この他にもたとえば、回動支点軸88の前端に、カバー部材13が取り付けられても良い。また、上述した形態では、板状部材89の前面の下端側は、カバー部材13に前側から覆われているが、回動支点軸88の前端に板状部材89が取り付けられずに、回動支点軸88の前端が直接、カバー部材13に前側から覆われても良い。
【0101】
上述した形態では、カード印字消去装置1は、カード発行装置3に使用されている。このカード印字消去装置1が使用される上位装置は、カード発行機能を有するカード発行装置3には限定されず、カード印字消去装置1は、カード2に印字を行ったり、カード2上の印字を消去するその他の装置に使用できる。また、カード印字消去装置1をいわゆるスタンドアローンの装置として、他の装置と組み合わせずに使用しても良い。
【符号の説明】
【0102】
1 カード印字消去装置(媒体印字消去装置)
2 カード(媒体)
3 カード発行装置(媒体発行装置)
5 カード供給装置(媒体供給装置)
13 カバー部材
13a 係合突起
19 印字ヘッド
20 消去ヘッド
50 ヘッドユニット
51 搬送ユニット
52 駆動ローラ
56 印字ヘッド駆動機構
57 消去ヘッド駆動機構
61 媒体搬送路
66 印字ヘッド駆動モータ
71 消去ヘッド駆動モータ
84 側板(第1側板)
84a 挿通孔
87 ケーブル(ユニット側ケーブル)
88 回動支点軸
89 板状部材
90 側板(第2側板)
91 スリーブ
92 ロックレバー
99 コネクタ(中間コネクタの一部)
W 媒体の搬送方向
Z 媒体の幅方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カード状の媒体に当接して前記媒体に印字を行う印字ヘッドおよび前記媒体に当接して前記媒体上の印字を消去する消去ヘッドを有するヘッドユニットと、前記媒体を搬送するための駆動ローラを有する搬送ユニットとを備え、
前記ヘッドユニットは、前記媒体に当接する方向および前記媒体から離れる方向へ前記印字ヘッドを移動させる印字ヘッド駆動機構と、前記媒体に当接する方向および前記媒体から離れる方向へ前記消去ヘッドを移動させる消去ヘッド駆動機構とを備え、
前記ヘッドユニットと前記搬送ユニットとは、前記媒体が搬送される媒体搬送路を挟んで対向配置され、
前記ヘッドユニットは、前記媒体の搬送方向における前記搬送ユニットおよび前記ヘッドユニットの一端側に配置され前記搬送方向に略直交する前記媒体の幅方向を軸方向とする回動支点軸に回動可能に支持されるとともに、前記媒体搬送路が開放されるように前記回動支点軸を中心にして前記搬送ユニットに対して相対回動可能であり、
前記ヘッドユニットおよび/または前記搬送ユニットには、前記回動支点軸が挿通されるスリーブが取り付けられ、
前記回動支点軸を前記媒体の幅方向の一方側へ取り外すと、前記搬送ユニットからの前記ヘッドユニットの取外しが可能になることを特徴とする媒体印字消去装置。
【請求項2】
前記搬送ユニットは、前記搬送方向と略平行に配置され前記媒体の幅方向における前記媒体搬送路の側面を構成する2枚の第1側板を備え、
前記ヘッドユニットは、前記媒体の幅方向における前記第1側板の外側に配置されるとともに前記第1側板と略平行に配置される2枚の第2側板とを備え、
2枚の前記第1側板には、前記回動支点軸が挿通される挿通孔が形成され、
前記媒体の幅方向における前記スリーブの外側端は、前記第2側板に固定され、前記媒体の幅方向における前記スリーブの内側端は、前記媒体の幅方向における前記第1側板の外側面に当接していることを特徴とする請求項1記載の媒体印字消去装置。
【請求項3】
前記回動支点軸は、その表面が平滑な平滑軸であることを特徴とする請求項1または2記載の媒体印字消去装置。
【請求項4】
前記回動支点軸の、前記媒体の幅方向における一方側端には、平板状に形成される板状部材が取り付けられていることを特徴とする請求項3記載の媒体印字消去装置。
【請求項5】
前記ヘッドユニットと前記搬送ユニットとが前記媒体搬送路を挟んで対向配置された状態で、前記搬送方向における前記ヘッドユニットの他端側をロックするロックレバーを備えることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の媒体印字消去装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれかに記載の媒体印字消去装置と、新たに発行される前記媒体を前記媒体印字消去装置へ供給する媒体供給装置とを備えることを特徴とする媒体発行装置。
【請求項7】
前記搬送ユニットは、前記媒体発行装置の本体フレームに固定されていることを特徴とする請求項6記載の媒体発行装置。
【請求項8】
前記媒体印字消去装置の、前記媒体の幅方向における一方側の少なくとも一部を覆うように配置されるカバー部材を備え、
前記回動支点軸の、前記媒体の幅方向における一方側端には、平板状に形成される板状部材が取り付けられ、
前記板状部材の、前記媒体の幅方向における一方側面の少なくとも一部は、前記カバー部材で覆われていることを特徴とする請求項6または7記載の媒体発行装置。
【請求項9】
前記カバー部材には、前記板状部材に係合して前記回動支点軸を中心とする前記板状部材の回動を阻止する係合突起が形成されていることを特徴とする請求項8記載の媒体発行装置。
【請求項10】
前記ヘッドユニットは、前記印字ヘッド、前記消去ヘッド、前記印字ヘッド駆動機構を構成する印字ヘッド駆動モータおよび前記消去ヘッド駆動機構を構成する消去ヘッド駆動モータから引き出されるユニット側ケーブルを備え、
前記ユニット側ケーブルは、前記回動支点軸に沿うように、前記媒体の幅方向の一方側に引き回されるとともに、前記媒体の幅方向の一方側から前記カバー部材および前記板状部材に覆われていることを特徴とする請求項8または9記載の媒体発行装置。
【請求項11】
前記媒体発行装置を制御するための制御回路が実装される制御基板と、前記制御基板から引き出される基板側ケーブルとを備え、
前記ユニット側ケーブルと前記基板側ケーブルとは、前記媒体印字消去装置の、前記媒体の幅方向の一方側において、中間コネクタを介して接続されていることを特徴とする請求項10記載の媒体発行装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−76319(P2011−76319A)
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−226289(P2009−226289)
【出願日】平成21年9月30日(2009.9.30)
【出願人】(000002233)日本電産サンキョー株式会社 (1,337)
【Fターム(参考)】