説明

媒体集積繰出し装置

【課題】媒体を媒体集積部のステージ上に安定して整列させて集積し、ジャム等の発生を防止する。
【解決手段】フィードローラ13及びリバースローラ17により媒体集積部11内に放出される媒体10を羽根車1の回転により羽根2で叩いて媒体集積部11内にもうけられている上下動可能なステージ12上に整列させて集積する際、羽根車1の1回転中に羽根2が媒体10を叩く範囲のときの羽根車1の回転速度より羽根2が媒体10を叩かたない範囲のときの前記羽根車1の回転速度が速くなるように非円形歯車5、6により回転を伝えるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、媒体集積時に集積する媒体の後端を叩いて整列させる羽根車を備えた媒体集積繰出し装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の媒体集積繰出し装置として、例えば特許文献1に示されるものがある。
この媒体集積繰出し装置は、羽根車(回転部材)を取付けた支持軸がモータにより回動するリンクに支持されており、媒体の集積時には、フィードローラ及びリバースローラの回転により集積空間に放出される媒体(紙葉類)の後端を回転する羽根車(回転部材)の羽根(回転片)で叩いて媒体を整列させ、媒体の繰出し時には、モータによりリンクが回動することで羽根車を所定の位置に退避するものとなっている。
【特許文献1】特開2007−290850
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上述した従来の媒体集積繰出し装置では羽根車を回転させるモータの他に羽根車を退避させる専用モータやリンク機構が必要であるため、構成が複雑となり、コスト高になるという問題がある。
この問題を解決するため羽根車の構造を改良したものが考えられている。
図6は改良した羽根車を採用した媒体集積繰出し装置の側面図で、(a)は媒体集積時の状態、(b)は媒体繰出し時の状態を示している。
【0004】
図において1は羽根車であり、この羽根車1は外周の約半分の範囲に複数枚の羽根2を放射状に設けたもので、リバースローラ17と同軸に取り付けられている。
10は紙幣等の紙葉状の媒体、11は媒体集積部、12は媒体集積部11内に上下動可能に設けられた媒体集積用のステージ、13はフィードローラ、14はピッカローラ、18は搬送路である。
【0005】
このような構成による媒体集積繰出し装置は、媒体集積時にフィードローラ13を図面上反時計回り方向に回転させると共に、羽根車1をリバースローラ17と共に時計回り方向に回転させ、搬送路18を送られてきた媒体10をフィードローラ13とリバースローラ17で挟持して媒体集積部11内のステージ12上に放出する際、羽根車1の羽根2で媒体10の後端を叩いて、媒体10をステージ12上に整列して集積し、媒体繰出し時は、羽根2が搬送路8内に入り込まない角度に羽根車1を停止させて、フィードローラ13とピッカローラ14を時計回り方向に回転させることでステージ12上の媒体を繰出すものとなっている。
【0006】
従ってこの媒体集積繰出し装置では、羽根車を退避させる専用モータやリンクを必要としないので、構成が簡単で安価に実現可能であるが、羽根車の羽根が羽根車の外周に約半分の範囲に偏って設けられているため、媒体の後端を叩く回数やタイミングが一様でなく、媒体毎に異なってしまい、媒体を安定して整列させることが難しく、ジャム等を発生させる危険があるという問題を有している。
【0007】
本発明は、このような問題を解決することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
そのため、本発明は、媒体を集積する上下動可能なステージを有する媒体集積部と、集積する媒体を搬送する搬送路と、該搬送路により搬送されてきた媒体を挟持して前記媒体集積部内に放出するフィードローラ及びリバースローラを備えた媒体集積繰出し装置であって、外周上の所定の範囲に複数枚の羽根を放射状に設け、媒体集積時に回転して前記フィードローラ及び前記リバースローラにより前記媒体集積部内に放出される媒体を前記羽根により叩いて前記ステージ上に整列させる羽根車と、該羽根車の1回転中に前記羽根が媒体を叩く範囲のときの前記羽根車の回転速度より前記羽根が媒体を叩かない範囲のときの前記羽根車の回転速度が速くなるように、前記羽根車の回転速度を変速させる変速手段を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
このようにした本発明は、羽根が媒体に接触しない範囲における羽根車の回転速度を増速するようにしているため、搬送されてくる媒体に対して羽根車をあたかも全周に羽根があるかのように動作させることができ、それにより連続して搬送されてくる各媒体に対して常に同程度のタイミングで羽根車の羽根で叩くことができるので、媒体をステージ上に安定して整列させて集積することができ、ジャム等の発生を防止できるという効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明による媒体集積繰出し装置の実施例を説明する。
【実施例】
【0011】
図1は第1の実施例を示す側面図で、(a)は媒体集積時の状態、(b)は媒体繰出し時の状態である。
図において1は羽根車で、外周上の所定の範囲、例えば外周の約半分の範囲に複数枚(図では5枚)の弾力性(可撓性)を有する羽根2が放射状を成すようにほぼ45度の間隔で植設されており、この羽根車1は後述するリバースローラの回転軸に対して回転自在に取り付けられている。
【0012】
5は非円形歯車(第1の非円形歯車)で、羽根車1と同軸にかつ偏心した状態で取付けられ、回転軸に偏心した状態で取り付けられた非円形歯車6(第2の非円形歯車)と噛合っている。
この非円形歯車6の回転軸には後述するフィードローラ等を駆動する図示しないモータ(駆動源)から図面上反時計回り方向の回転力のみがワンウェイクラッチ等を介して伝達されるようになっており、これにより非円形歯車6が反時計回り方向に回転し、その回転力が非円形歯車5に伝達されて非円形歯車5がリバースローラ17と共に時計回り方向に回転するものとなっている。
【0013】
この2つの非円形歯車5、6は、例えば特許第3624198に示されるもので、非円形歯車5、6により羽根車1は1回転中に回転速度の加速と減速が行われるものとなっている。
10は紙幣等の紙葉状の媒体、11は媒体集積部、12は媒体集積部11内に上下動可能に設けられた紙幣集積用のステージである。
【0014】
13はフィードローラ、14はピッカローラで、このピッカローラ14はピッカアーム15の一端に回転可能に軸支され、ピッカアーム15の他端はフィードローラ13の回転軸その回転力を受けないように取り付けられ、ピッカローラ14はステージ12上方のほぼ一定の位置に保持されるようになっている。
16はフィードローラ13の回転軸に取り付けられた歯付きプーリとピッカローラ14の軸に取付けられた歯付きプーリに掛け渡された無端状の駆動ベルトで、この駆動ベルト16によりフィードローラ13の回転がピッカローラ14に伝達されるものとなっている。
【0015】
17はフィードローラ13に対応するリバースローラで、このリバースローラ17と羽根車1はフィードローラ13と共に媒体集積部11の紙幣出入口に配置されている。
フィードローラ13とリバースローラ17はそれぞれ外周全域に亘る溝を有しており、互いの溝により非接触状態で噛み合わせている。
尚、羽根車1はリバースローラ17の両側に間隔をあけて設けられ、媒体10の長手方向の範囲内に位置している。
【0016】
18はステージ12上に集積される媒体10の集積方向と直交する方向を向くように媒体集積部11の紙幣出入口側に設けられた搬送路で、羽根車1とリバースローラ17は媒体集積部11の前部側でかつ搬送路18の下側に位置するように配置されており、媒体集積部11の前部には羽根車1の回転時に羽根2の先端を媒体集積部11内に入り込ませるための溝または穴等が設けられている。
【0017】
19は搬送路18を通過する媒体10を光学的に検知する媒体検知センサ、20は媒体集積部11の紙幣出入口と対向するように媒体集積部11の後部内面に設けた媒体ストッパ、21はステージ12上の最上位の媒体10等を光学的に検知する上面センサである。
尚、媒体ストッパ20はフィードローラ13及びリバースローラ17により媒体集積部11内に送り込まれる媒体10を衝突させて止めるもので、図示しないスプリング等が設けられており、衝突した紙幣の運動エネルギーが吸収されるようになっている。
【0018】
上述した構成による第1の実施例の作用について説明する。
尚、以下に説明する各部の動作は、図示しない記憶部に格納されたプログラム(ソフトウェア)に基づいて図示しない制御部により制御されるものとする。
紙幣集積時には、ステージ12を最上位の媒体10(媒体10が集積されていない場合はステージ12)が上面センサ21に検知される位置に待機させ、フィードローラ13を図示しないモータにより図示しないギア等の回転伝達手段を反時計回り方向に回転させる。
【0019】
このとき、リバースローラ17の回転軸にもギア等の回転伝達手段を前記モータの回転が伝えられ、これによりリバースローラ17は時計回り方向に回転する。
一方、非円形歯車6の回転軸にはフィードローラ13やリバースローラ17とは別の回転伝達手段及びワンウェイクラッチを介して前記モータの回転力が反時計回り方向の回転力として伝達され、これにより非円形歯車6が回転して、その回転力が非円形歯車5に伝わるため、この非円形歯車5と一体に羽根車1が時計回り方向に回転する。
【0020】
この状態で媒体10が搬送路18を搬送されてくると、その搬送されてきた媒体10はフィードローラ13とリバースローラ17に挟持され、フィードローラ13とリバースローラ17の回転により媒体集積部11内に送り込まれて放出される。
そして、媒体集積部11内に送り込まれた媒体10はビルストッパ20に衝突して止められて落下するが、その際、媒体10の後端は羽根車1の羽根2により叩かれてステージ12あるいは既にステージ12上に集積されている媒体10の上に押さえ付けられ、後続の媒体10の集積の妨げにならないように整列させられて集積される。
【0021】
ところで、本実施例の非円形歯車5、6は歯車の回転伝達とカムの不等速回転運動の2つの動きを同時に行う変速手段として機能するもので、この非円形歯車5、6を用いることによってモータからの回転動力を意図的な変速回転運動として羽根車1に伝達することが可能であり、例えば、非円形歯車5、6を楕円形状とすれば、任意の1個所で回転速度が加速し、別の任意の1個所で回転速度が減速するような回転が得られる。
【0022】
図2は本実施例における羽根車1の回転速度の加速、減速の推移を示す図で、羽根車1の回転速度を縦軸に表し、羽根車1の回転角度を横軸に表している。
この図に示したように、例えば羽根車1の羽根2が上半分にある状態から羽根車1の回転速度が加速され、羽根2が下半分に移動した辺りで、羽根車1の回転速度は最も速くなり、更に羽根2が再び上半分に移動する羽根車1の回転速度が減速されるようにすることができる。
【0023】
従って、羽根車1の羽根2が媒体10を叩かない(媒体10に接触しない)範囲における回転速度を羽根車1の羽根2が媒体10を叩く(媒体10に接触する)範囲における回転速度よりも速くなるように非円形歯車5、6を設計することで、搬送されてくる媒体10に対して羽根車1はあたかも全周に羽根2があるかのように動作させることができ、それにより連続して搬送されてくる各媒体10に対して常に同程度のタイミングで羽根車1の羽根2により媒体10の後端を叩くことができるので、媒体10をステージ12上に安定して整列させて集積することができる。
【0024】
媒体10の繰出し時には、根車1の羽根2が搬送路18中に入り込まない位置に退避するように制御される。
以上説明した第1の実施例によれば、モータの回転を非円形歯車5、6に伝えて羽根2が媒体10を叩く範囲での羽根車1の回転速度を増速させるようにしているため、搬送されてくる媒体10に対して羽根車1をあたかも全周に羽根2があるかのように動作させることができ、それにより連続して搬送されてくる各媒体10の後端を常に同程度のタイミングで羽根車1の羽根2により叩くことができるので、媒体をステージ12上に安定して整列させて集積することができ、ジャム等の発生を防止できるという効果が得られる。
【0025】
図3は第2の実施例を示す側面図で、この第2の実施例は非円形歯車5に図示しないモータの回転力を伝える手段として非円形歯車6の代わりに駆動ギア22、アイドルギア23、アイドルギアアーム24、スプリング25を用いたもので、これらにより変速手段を構成している。
ここでアイドルギア23はアイドルギアアーム24の一端に回転可能に軸支され、アイドルギアアーム24の他端はアイドルギア23が駆動ギア22と噛合うように駆動ギア22の回転軸に回転自在に取付けられていて、スプリング25はアイドルギア23を非円形歯車5と常時噛合うように付勢している。
【0026】
この他の構成は第1の実施例と同様である。
次に、第2の実施例の作用について説明する。
紙幣集積時には、ステージ12を最上位の媒体10(媒体10が集積されていない場合はステージ12)が上面センサ21に検知される位置に待機させ、フィードローラ13を図示しないモータにより図示しないギア等の回転伝達手段を反時計回り方向に回転させる。
【0027】
このとき、リバースローラ17の回転軸にもギア等の回転伝達手段を前記モータの回転が伝えられ、これによりリバースローラ17は時計回り方向に回転する。
一方、駆動ギア22の回転軸にはフィードローラ13やリバースローラ17とは別の回転伝達手段及びワンウェイクラッチを介して前記モータの回転力が時計回り方向の回転力として伝達され、これにより駆動ギア22が回転して、その回転力がアイドルギア23を介して非円形歯車5に伝わるため、この非円形歯車5と一体に羽根車1が時計回り方向に回転する。
【0028】
この状態で媒体10が搬送路18を搬送されてくると、その搬送されてきた媒体10はフィードローラ13とリバースローラ17に挟持され、フィードローラ13とリバースローラ17の回転により媒体集積部11内に送り込まれる。
そして、媒体集積部11内に送り込まれた媒体10はビルストッパ20に衝突して止められて落下するが、その際、媒体10の後端は羽根車1の羽根2により叩かれてステージ12あるいは既にステージ12上に集積されている媒体10の上に押さえ付けられ、後続の媒体10の集積の妨げにならないように整列させられて集積される。
【0029】
本実施例においても非円形歯車5は回転伝達とカムの不等速回転運動の2つの動きを同時に行う機能を持つので、第1の実施例と同様に羽根車1の羽根2が媒体10に接触しない範囲における回転速度を増速させることができるため、搬送されてくる媒体10に対して羽根車1をあたかも全周に羽根2があるかのように動作させることができ、連続して搬送されてくる各媒体10の後端を常に同程度のタイミングで羽根車1の羽根2により叩くことができるので、媒体をステージ12上に安定して整列させて集積することができ、ジャム等の発生を防止できるという効果が得られる。
【0030】
この実施例でも媒体10の繰出し時には、根車1の羽根2が搬送路18中に入り込まない位置に退避するように制御される。
以上説明した第2の実施例でも第1の実施例と同様に、ステージ12上に媒体を安定して整列させて集積することができ、ジャム等の発生を防止できるという効果が得られる。
図4は第3の実施例を示す側面図で、この第3の実施例は羽根車1と同軸に図示しないギアを取付けて、この図示しないギアを羽根車専用のモータ(駆動源)26により回転する駆動ギア27にかみ合わせると共に、駆動ギア27の片面(あるいは同軸)に円弧状の非検知部材28を設け、この非検知部材28を検知するセンサ29を配置して、その検知信号をモータ26を制御するモータ制御部30にフィードバックするようにしたものであり、これらにより羽根車1の変速手段を構成している。
【0031】
この他の構成は第1、第2の実施例と同様である。
次に、このような構成を備えた第3の実施例の作用について説明する。
紙幣集積時には、ステージ12を最上位の媒体10(媒体10が集積されていない場合はステージ12)が上面センサ21に検知される位置に待機させ、フィードローラ13を図示しないモータにより図示しないギア等の回転伝達手段を反時計回り方向に回転させる。
【0032】
このとき、リバースローラ17の回転軸にもギア等の回転伝達手段を前記モータの回転が伝えられ、これによりリバースローラ17は時計回り方向に回転する。
一方、駆動ギア27はモータ26の回転軸に取り付けたモータギアから回転力を受けて回転し、その回転力が羽根車1と同軸に取付けられた図示しないギアに伝達されることで羽根車1が時計回り方向に回転する。
【0033】
この状態で媒体10が搬送路18を搬送されてくると、その搬送されてきた媒体10はフィードローラ13とリバースローラ17に挟持され、フィードローラ13とリバースローラ17の回転により媒体集積部11内に送り込まれる。
そして、媒体集積部11内に送り込まれた媒体10はビルストッパ20に衝突して止められて落下するが、その際、媒体10の後端は羽根車1の羽根2により叩かれてステージ12あるいは既にステージ12上に集積されている媒体10の上に押さえ付けられ、後続の媒体10の集積の妨げにならないように整列させられる。
【0034】
本実施例では上記の動作において、駆動ギア27に取付けられていて、駆動ギア27と一体に回転する非検知部材28をセンサ29が検知するとその検知信号がモータ制御部30に送られる。
この検知信号を位置情報としてモータ制御部30は駆動ギア27の回転角度すなわち羽根車1の回転角度を認識し、それに基づいてモータ26の回転速度を制御して羽根車1の羽根2が媒体10に接触しない範囲における回転速度を増速させる。
【0035】
そのため、搬送されてくる媒体10に対して羽根車1をあたかも全周に羽根2があるかのように動作させることができ、連続して搬送されてくる各媒体10の後端を常に同程度のタイミングで羽根車1の羽根2によりを叩くことができるので、媒体10の後端を羽根2で叩いてステージ12上に安定して整列させて集積することができる。
この実施例でも媒体10の繰出し時には、根車1の羽根2が搬送路18中に入り込まない位置に退避するように制御される。
【0036】
以上説明した第3の実施例でも羽根2が媒体10を叩かない範囲で羽根車1の回転速度を増速させることができるので、第1、第2の実施例と同様にステージ12上に媒体を安定して整列させて集積することができ、ジャム等の発生を防止できるという効果が得られる。
尚、本発明は上述した各実施例に限られるものではない。
【0037】
例えば、上述した各実施例では羽根車1の外周上の所定の範囲に羽根2が放射状を成すようにほぼ45度の間隔で植設されているものとして説明したが、端部側の羽根2の間隔を中央側の羽根2の間隔より小さくすることも可能である。
図5は羽根の間隔を変えた羽根車の例を示す説明図で、5枚の羽根2a〜2eを有する羽根車1が時計回り方向に回転する場合、端部の羽根2aと次の羽根2bとの間を減速区間、羽根2dともうひとつの端部の羽根2eとの間を加速区間となるので、
端部の羽根2a、2eと羽根2b、2dとの間隔Aを、中央の羽根2cと羽根2b、2dとの間隔Bより小さくする。
【0038】
こうすることにより羽根2a〜2eでほぼ均等のタイミングで媒体を叩くことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】第1の実施例を示す側面図
【図2】第1の実施例における羽根車の回転速度の加速、減速の推移を示す図
【図3】第2の実施例を示す側面図
【図4】第3の実施例を示す側面図
【図5】羽根の間隔を変えた羽根車の例を示す説明図
【図6】改良した羽根車を採用した媒体集積繰出し装置の側面図
【符号の説明】
【0040】
1 羽根車
2 羽根
5 非円形歯車
6 非円形歯車
10 媒体
11 媒体集積部
12 ステージ
13 フィードローラ
14 ピッカローラ
17 リバースローラ
18 搬送路
21 上面センサ
22 駆動ギア
23 アイドルギア
24 アイドルギアアーム
25 スプリング
26 モータ
27 駆動ギア
28 被検知部材
29 センサ
30 モータ制御部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
媒体を集積する上下動可能なステージを有する媒体集積部と、集積する媒体を搬送する搬送路と、該搬送路により搬送されてきた媒体を挟持して前記媒体集積部内に放出するフィードローラ及びリバースローラを備えた媒体集積繰出し装置であって、
外周上の所定の範囲に複数枚の羽根を放射状に設け、媒体集積時に回転してフィードローラ及びリバースローラにより前記媒体集積部内に放出される媒体を前記羽根により叩いて前記ステージ上に整列させる羽根車と、
該羽根車の1回転中に前記羽根が媒体を叩く範囲のときの前記羽根車の回転速度より前記羽根が媒体を叩かない範囲のときの前記羽根車の回転速度が速くなるように、前記羽根車の回転速度を変速させる変速手段を備えたことを特徴とする媒体集積繰出し装置。
【請求項2】
請求項1記載の媒体集積繰出し装置において、
前記変速手段は、前記羽根車と同軸に設けられた第1の非円形歯車と、前記フィードローラ及びリバースローラの駆動源からの回転を前記第1の非円形歯車に伝達する第2の非円形歯車からなることを特徴とする媒体集積繰出し装置。
【請求項3】
請求項1記載の媒体集積繰出し装置において、
前記変速手段は、前記羽根車と同軸に設けられた非円形歯車と、前記フィードローラ及びリバースローラの駆動源からの回転を受ける駆動ギアと、該駆動ギア及び前記非円形歯車に噛合って前記駆動ギアの回転を前記非円形歯車に伝達するアイドルギアと、このアイドルギアを保持するアイドルギアアームと、前記アイドルギアを前記非円形歯車に噛合うように付勢するスプリングからなることを特徴とする媒体集積繰出し装置。
【請求項4】
請求項1記載の媒体集積繰出し装置において、
前記変速手段は、前記羽根車と同軸に設けられた歯車と、羽根車専用の駆動源と、前記歯車に噛合って前記羽根車専用の駆動源の回転を前記歯車に伝える駆動ギアと、この駆動ギアに取付けられた被検知部材と、該被検知部材を検知するセンサと、該センサの信号に基づいて前記羽根車専用の駆動源の回転速度を制御する制御手段からなることを特徴とする媒体集積繰出し装置。
【請求項5】
請求項1〜請求項4のいずれか1項記載の媒体集積繰出し装置において、
前記羽根車の羽根は、端部側の羽根の間隔が中央側の羽根の間隔より小さくなるように設けられていることを特徴とする媒体集積繰出し装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−143713(P2009−143713A)
【公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−325151(P2007−325151)
【出願日】平成19年12月17日(2007.12.17)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【Fターム(参考)】